特許第6456934号(P6456934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6456934
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/158 20060101AFI20190110BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
   A61M5/158 500K
   A61M5/158 500F
   A61M5/158 500H
   A61M5/158 500Z
   A61M25/06 500
【請求項の数】24
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-521255(P2016-521255)
(86)(22)【出願日】2014年10月10日
(65)【公表番号】特表2016-532470(P2016-532470A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】US2014060139
(87)【国際公開番号】WO2015054636
(87)【国際公開日】20150416
【審査請求日】2017年9月8日
(31)【優先権主張番号】61/889,220
(32)【優先日】2013年10月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500053263
【氏名又は名称】メデイカル コンポーネンツ,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・エム・シュウェイカート
(72)【発明者】
【氏名】マーク・エス・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・リー・バラード
【審査官】 杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−154575(JP,A)
【文献】 米国特許第05171303(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01186313(EP,A1)
【文献】 特開2002−065850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 3/00− 9/00
A61M 25/06
A61M 31/00
A61M 39/00−39/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体であって、
本体部と、
前記本体部から遠位に延在する針と、
前記針及び前記本体部に対して固定された少なくとも1つのハンドルと、
遠位端部と近位端部とを有する可動アームであって、前記本体部に対して旋回可能である可動アームと、
前記可動アームの遠位端部に存在する捕捉フードであって、該捕捉フードの長手方向軸の周りに大体円筒形である捕捉フードと、
を有し、
前記捕捉フードは、
前記長手方向軸の周りの外周側壁部であって、前記長手方向軸に対して外面と内面とを有する外周側壁部と、
開口近位端部と、
前記外周側壁部を通じたスロットであって、前記側壁部の外面と内面との間の前記側壁部の厚さによって規定される深さを有し、2つの側面を有し、各側面が前記側壁部の外面と内面との間の前記側壁部の厚さによって規定される深さに沿う縁部によって特徴づけられ、前記外周側壁部によって一部が規定された前記捕捉フードの内部円筒形チャンバへのアクセスを付与し、前記捕捉フードの開口近位端部まで前記捕捉フードの長さの少なくとも一部に亘って長手方向に延在し、少なくとも一部が前記針の外径より小さい幅を有するスロットと、によってさらに規定され、
前記本体部から近位に延在する延在チューブと、
前記組立体が使用前位置にあるときに前記可動アームを前記延在チューブにクランプするために前記可動アームの第1外面に配置された少なくとも1つのラッチと、
を有する
フーバー針組立体。
【請求項2】
前記スロットの側面の少なくとも一部は、前記外周側壁部の外面に隣接した前記スロットの少なくとも一部の幅が前記外周側壁部の内面に隣接した前記スロットの少なくとも一部の幅より大きいようにテーパ状にされている、
請求項1に記載のフーバー針組立体。
【請求項3】
前記外周側壁部の外面に隣接した前記スロットの少なくとも一部の幅は、前記針の外径より大きく、前記外周側壁部の内面に隣接した前記スロットの少なくとも一部の幅は、前記針の外径より小さい、
請求項2に記載のフーバー針組立体。
【請求項4】
前記外周側壁部の外面に隣接した前記スロットの少なくとも一部の幅は、0.035〜0.037インチの間であり、前記外周側壁部の内面に隣接した前記スロットの少なくとも一部の幅は、0.032〜0.035インチの間であり、前記針の外径は、0.035インチである、
請求項3に記載のフーバー針組立体。
【請求項5】
前記捕捉フードの遠位端部は閉塞されている、
請求項1に記載のフーバー針組立体。
【請求項6】
前記捕捉フードは、該捕捉フードの遠位端部の少なくとも一部に亘ってテーパ状にされ、前記外周側壁部の外面の直径及び前記外周側壁部の内面の直径は共に、前記針の先端部を収容するように減少される
請求項1に記載のフーバー針組立体。
【請求項7】
前記捕捉フードは、該捕捉フードの近位端部から、前記組立体が使用後安全捕捉位置にあるときに前記針の先端部に大体隣接した位置まで続く円筒形であり、前記捕捉フードはそれから、該捕捉フードの遠位端部までテーパ状にされている、
請求項1に記載のフーバー針組立体。
【請求項8】
前記捕捉フードは、該捕捉フードの近位端部から、前記組立体が使用後安全捕捉位置にあるときに前記針の遠位端部にある曲げ部に大体隣接した位置まで続く円筒形であり、前記捕捉フードはそれから、該捕捉フードの遠位端部までテーパ状にされ、前記外周側壁部の外面の直径及び前記外周側壁部の内面の直径は共に、前記針の先端部を密接に収容するように減少される
請求項1に記載のフーバー針組立体。
【請求項9】
前記可動アームは、単一のヒンジから構成され、前記単一のヒンジは、前記可動アームの近位端部に位置付けられ、前記単一のヒンジは、前記本体部に対して前記可動アームの旋回性を付与する、
請求項1に記載のフーバー針組立体。
【請求項10】
前記本体部は、エルボとして規定され、前記エルボは、該エルボのくぼみにおいて前記可動アームに移動可能に取り付けられる、
請求項9に記載のフーバー針組立体。
【請求項11】
前記可動アームの長手方向軸は、前記単一のヒンジの長手方向軸の周りに旋回し、前記可動アームの長手方向軸は、前記単一のヒンジの長手方向軸に垂直である、
請求項9に記載のフーバー針組立体。
【請求項12】
前記本体部及び前記可動アームは、一体的に成形され、前記可動アームの近位端部にある前記単一のヒンジは、そこにある縮れ部である、
請求項に記載のフーバー針組立体。
【請求項13】
前記組立体が使用後安全捕捉位置にあるときに前記可動アームを前記針にクランプするために前記可動アームの第2内面に配置された少なくとも1つのラッチをさらに有する、
請求項1に記載のフーバー針組立体。
【請求項14】
前記少なくとも1つのハンドルは、前記本体部の遠位端部から延在して前記本体部に一体化される、
請求項1に記載のフーバー針組立体。
【請求項15】
前記スロットは、遠位部分と近位部分とを有し、前記スロットの近位部分の深さは、前記スロットの遠位部分の深さより大きい、
請求項1に記載のフーバー針組立体。
【請求項16】
前記スロットは、内方に狭くなるテーパ状にされている、
請求項15に記載のフーバー針組立体。
【請求項17】
前記スロットの近位部分の側面は、前記外周側壁部の外面に隣接した前記スロットの近位部分の幅が前記外周側壁部の内面に隣接した前記スロットの近位部分の幅より大きいようにテーパ状にされている、
請求項15に記載のフーバー針組立体。
【請求項18】
前記外周側壁部の外面に隣接した前記スロットの近位部分の幅は、前記針の外径より大きく、前記外周側壁部の内面に隣接した前記スロットの近位部分の幅は、前記針の外径より小さい、
請求項17に記載のフーバー針組立体。
【請求項19】
前記外周側壁部の外面に隣接した前記スロットの近位部分の幅は、0.035〜0.037インチの間であり、前記外周側壁部の内面に隣接した前記スロットの近位部分の幅は、0.032〜0.035インチの間であり、前記針の外径は、0.035インチである、
請求項18に記載のフーバー針組立体。
【請求項20】
前記スロットの遠位部分の側面は、前記外周側壁部の外面に隣接した前記スロットの遠位部分の幅が前記外周側壁部の内面に隣接した前記スロットの遠位部分の幅より大きいようにテーパ状にされている、
請求項15に記載のフーバー針組立体。
【請求項21】
前記外周側壁部の外面及び内面に隣接した前記スロットの遠位部分の幅は、前記針の外径の2.5倍以上である、
請求項20に記載のフーバー針組立体。
【請求項22】
前記外周側壁部の外面及び内面に隣接した前記スロットの遠位部分の幅は、0.0875インチ以上であり、前記針の外径は、0.035インチである、
請求項21に記載のフーバー針組立体。
【請求項23】
安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体であって、
本体部と、
前記本体部から遠位に延在する針であって、前記針の長手方向軸を規定する近位端部と遠位端部とを有する針と、
前記針及び前記本体部に対して固定された少なくとも1つのハンドルと、
可動アームの長手方向軸を規定する遠位端部と近位端部とを有する可動アームであって、ヒンジの周りに前記本体部に対して旋回可能である可動アームと、
前記可動アームの遠位端部に存在する捕捉フードであって、前記捕捉フードへのアクセスを付与するスロットを有する捕捉フードと、
前記本体部から延在する延在チューブであって、前記延在チューブの長さが前記延在チューブの長手方向軸を規定する延在チューブと、
前記組立体が使用前位置にあるときに前記可動アームを前記延在チューブにクランプするために前記可動アームの第1外面に配置された少なくとも1つのラッチと、
を有し、
前記可動アームは、前記可動アームが第1位置において前記針と平行に延在すると共に前記可動アームが第2位置において前記延在チューブと平行に延在するように、前記延在チューブの長手方向軸及び前記針の長手方向軸によって規定される平面において前記ヒンジの周りに旋回する
フーバー針組立体。
【請求項24】
前記第2位置は、前記スロットを通じて前記捕捉フードのチャンバに前記針を横方向に挿入させる、
請求項23に記載のフーバー針組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2013年10月10日に出願された米国仮出願第61/889220号の優先権を主張し、その内容は、ここでの言及によって取り入れられる。
【0002】
本発明は、皮下注射用針に関する。特に、本発明は、安全捕捉装置を備えたフーバー(Huber)針に関する。
【背景技術】
【0003】
フーバー針は、病院及びその代替医療現場において広く使用され、しばしば埋め込みポートと併せて使用される。このようなフーバー針は、化学療法、静脈内輸液、薬物療法、完全非経口栄養を施すために、又は埋め込みポートを通じて血液製剤を輸注するために使用されるノンコアリング(non-coring)針を付与する。埋め込みポートは、針の周りをシールし、針を適切な位置に保持し、フーバー針による多数のアクセスを可能にするセルフシールの隔壁を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フーバー針は、患者の安全のために設計されているが、フーバー針は、使用者に相当な危険を与える可能性があり、フーバー針は不適切に使用される場合には使用者を血液由来病原体に、又はフーバー針を通じて投与される薬剤又は薬物に露出させる可能性がある。多くの場合、埋め込みポートから針を抜き取るために両手が必要である。一方の手は、埋め込みポートを安定させるために使用されるが、もう一方の手は、針を引き抜くために使用される。埋め込みポートのセルフシールの隔壁から針を引き抜くために必要な力は、針を跳ね返し、場合によると使用者に針刺し損傷を引き起こし得る。このような針刺し損傷は、使用者に肝炎又はHIVなどの血液由来病原体を移すこともあり得る。従って、フーバー針が使用者への損傷及び露出の危険性を最小限にする安全な特徴を有する継続的必要性が存在する。
【0005】
本発明は、使用者/医療従業者への針の損傷及び露出の危険性を最小限にする安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体が提供され、該フーバー針組立体は、本体部、本体部から遠位に延在する針、少なくとも1つのハンドル、可動アーム、及び捕捉フードを含む。可動アームは、遠位端部と近位端部とを有し、本体部に対して旋回可能である。少なくとも1つのハンドルは、針及び本体部に対して固定され得る。
【0007】
捕捉フードは、可動アームの遠位端部に存在することができ、その長手方向軸の周りに大体円筒形であり得る。捕捉フードはさらに、長手方向軸の周りに軸方向に存在する外周側壁部によって規定されることができ、外周側壁部は、長手方向軸に対して外面と内面とを有する。捕捉フードはさらに、開口近位端部と、外周側壁部を通じたスロットと含む。捕捉フードの遠位端部は、開口又は閉塞され得る。
【0008】
スロットは、スロットがそれを通じて延在する前記側壁部の厚さによって規定される厚さを有し、その厚さは、前記側壁部の外面と内面との間に存在する。それを考慮すると、スロットは、2つの側面を有し、各側面は、前記深さに沿って存在する縁部によって特徴づけられる(すなわち前記側壁部の外面と内面との間の前記側壁部の厚さ(縁部)に沿って延在する)。スロットは、捕捉チャンバの内部円筒形チャンバへのアクセスを付与する。内部チャンバは、少なくとも一部が外周側壁部によって規定される。スロットは、捕捉フードの長さの少なくとも一部に亘って、捕捉フードの開口近位端部まで長手方向に延在する。スロットの少なくとも一部は、針の外径より小さい幅を有する。
【0009】
スロットの両側面はさらに、外周側壁部の外面に隣接したスロットの幅が外周側壁部の内面に隣接したスロットの幅より大きいようにテーパ状にすることができる。さらにまた、一態様では、外周側壁部の外面に隣接したスロットの幅は針の外径より大きく、外周側壁部の内面に隣接したスロットの幅は針の外径より小さい。一態様では、外周側壁部の外面に隣接したスロットの幅は0.035〜0.037インチの間であり、外周側壁部の内面に隣接したスロットの幅は0.032〜0.035インチの間であり、針の外径は0.035インチである。
【0010】
別の態様では、捕捉フードは、その遠位端部の少なくとも一部に亘ってテーパ状にされている。この態様では、外周側壁部の外面及び内面の直径は、針の先端部を密接に収容するように減少させる。代替態様では、捕捉フードは、該捕捉フードの近位端部から円筒形であり、針の遠位先端部に大体隣接した位置まで一貫した内径及び外径を長手方向に維持し(すなわち、前記組立体が使用後位置にあるときに可動アームは針と平行に延在する状態にある)、捕捉フードはそれから、該捕捉フードの遠位端部まで内径及び外径が減少されてテーパ状にされる。
【0011】
更なる態様では、捕捉フードは、該捕捉フードの近位端部から円筒形であり、針の遠位端部にある曲げ部に大体隣接した位置まで一貫した内径及び外径を長手方向に継続し(すなわち、前記組立体が使用後位置にあるときに可動アームは針に平行に延在する状態にある)、捕捉フードはそれから、該捕捉フードの遠位端部まで内径及び外径が減少されてテーパ状にされる。外周側壁部の外面及び内面の減少される直径は、針の先端部のための密接にぴったり合った収容を付与する。
【0012】
本発明の別の態様は、近位端部にあるヒンジを有する可動アームを含み、ヒンジは、本体部に対して可動アームの旋回性を付与する。一実施形態では、本体部は、エルボとして規定され、エルボは、エルボのくぼみにおいて前記アームに移動可能に/旋回可能に取り付けられる。本体部はさらに、本体部から近位に延在する延在チューブと、安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体が使用前位置にあるときに延在チューブに可動アームをクランプするために可動アームの第1外面に配置される少なくとも1つのラッチとを含む。
【0013】
更なる態様は、前記組立体が使用後の針安全位置にあるときに針に可動アームをクランプするために可動アームの第2内面に配置された1つ若しくはそれ以上のラッチを含む。少なくとも1つのハンドル(好ましくは2つのハンドル)は、本体部の遠位端部から延在し、本体部と一体化される。本体部と可動アームとは、一体的に形成/成形され得る。可動アームの近位端部にあるヒンジは、一体的に形成された構造では単に縮れ部(crimp)とすることができる。
【0014】
本発明のさらに完全な理解及びそれに付随する多くの利点は、添付図面に関して考える場合に以下の詳細な説明を参照することにより同様のものがより良く理解されるように容易に得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体の斜視図であり、ヒンジの周りに自由に移動可能である安全捕捉装置が示されている。
図2図1のフーバー針組立体の安全捕捉装置の(捕捉位置に近づく)捕捉フードの拡大側面図である。
図2A図1及び図2の捕捉フードの上面図である。
図3】本発明の別の実施形態に係る安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体の断面斜視図であり、クランプされた事前安全又は使用前位置にある安全捕捉装置が示されている。
図4図3に示される安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体の更なる内部断面図であり、該断面図は、針、エルボ、及び延在チューブの中途で切り取られている。
図5】本発明の更なる実施形態に係る安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体の斜視図であり、クランプされた事前安全又は使用前位置にある安全捕捉装置が示されている。
図6図5に示される安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体の後側断面図である。
図7図6に示される安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体の拡大図である。
図8】本発明の別の実施形態に係る捕捉フードの拡大図であり、捕捉フードは、捕捉位置に針を固定する。
図8A図8の捕捉フードの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体は好ましくは、針安全又は拘束機構(針先端部ブロック機構)を含み、針安全又は拘束機構は、医療従業者への針刺しを低減する又は最小限にするために針を通さない囲いの内部に血液製剤又は薬物を含み得るフーバー針の少なくとも先端部分を安全に保持する。ここで使用される「遠位」及び「近位」の用語はそれぞれ、針の先端部が曲げられた搬送端部に近づく方向及び該搬送端部から離れる方向に言及する。
【0017】
図1から図8を参照すると、本発明は、損傷、並びに空気を通じて又は直接接触によって運ばれ得る血液由来病原体、薬物、及びその他の望ましくない生物又は非生物の物品への使用者の露出の危険性を実質的に最小限にする安全捕捉装置を備えたフーバー針組立体を提供する。図1に示されるように、フーバー針組立体100は、安全捕捉装置102、針104、本体部106、一対の翼付きハンドル108、及び延在チューブ110を含む。
【0018】
フーバー針組立体100の構成要素は、好適なエンジニアリングプラスチックから形成され得る。例示的実施形態では、本体部106、翼付きハンドル108、及び(可動アーム130、捕捉フード136などの)安全捕捉装置102全体は、単一構造を一体的に形成することができる。しかしながら、個々の構成要素が、別々の構成要素であって、機械的に取り付けられる、接着される、あるいは溶接されるかに関わらず、一時的に又は永久的に接続され得ることが理解される。
【0019】
針104は、ステンレススチールなどの金属から形成される。針は、いくらか中ほどに位置付けられた90度曲げ部(湾曲部)を備えた一体化した構造で作ることができる。(90度曲げ部に対して遠位にある)針104の遠位端部112は、遠位先端部152の近くの曲げ部113を含み、遠位端部112は、(90度曲げ部の近位にある)針104の近位端部114より長い。針104は、本体部106の内部において本体部106に対して固定して取り付けられる。
【0020】
本発明の一実施形態を斜視図で示す図1に示されるように、本体部106は、エルボ116であり、この場合には実質的に90度エルボである。一対のハンドル108は、エルボ116の遠位端部に形成され、エルボ116に固定又は一体化され、エルボ116から外側に実質的に垂直に延在する。代替的には、別の本体部106を使用することができる。例えば図5では、本発明の別の実施形態は、円筒形キャップ118として本体部106を示す。キャップ118は、主として垂直に方向付けることができ、延在チューブ110の遠位端部を受容するためにキャップ118から(恐らく垂直方向に)延在する中空ハウジング120を含み得る。あらゆる実施形態において、針は、フーバー針組立体100の使用(すなわち使用中に針104の挿入及び引き抜き)を容易にするために本体部106の内部において方向移動(恐らく90度)を受ける。代替的実施形態では、本体部106内において起こる方向移動は、必要ではないかもしれない、あるいは90度以外の角度を含み得る。
【0021】
図1を参照すると、安全捕捉装置102は、少なくとも、遠位端部132と近位端部134とを有する可動(揺動)アーム130を含む。捕捉フード136は、本体部106が近位端部134に位置付けられた状態で、可動アーム130の遠位端部132に位置付けられる。本体部106とアーム130とは、本体部106又はその近くにおいて(又はエルボ116のくぼみにおいて、図3もまた参照)近くに位置付けられたヒンジ138と結合される。本体部106と可動アーム130の押出エンジニアリングプラスチックの単一実施形態では、ヒンジ138は、単にそれに成形された縮れ部であり得る。
【0022】
可動アーム130は、ヒンジ138の周りに旋回可能である(すなわち、可動アーム130の長手方向軸はヒンジ138の軸の周りに旋回(揺動)し、ヒンジ138の軸は可動アーム130の長手方向軸に垂直である)。従って、可動アーム130は、延在チューブ110と針104との間に規定される範囲内においてヒンジ138の周りに旋回する。従って、可動アーム130は、延在チューブ110の長手方向軸と針104の長手方向軸とによって規定され、それらの軸を通る平面においてヒンジ138の周りに旋回(揺動)する。
【0023】
この実施形態では、2つのラッチ(クランプ)142がアーム130の第1(外)面140のまわりに配置される。ラッチ142は、(図3に示されるように)可動アーム130がクランプされた事前安全又は使用前位置にあるときに延在チューブ110に可動アーム130をクランプする。
【0024】
可動アーム130の遠位端部132には捕捉フード(チャンバ)136が配置される。ここで図1及び図2を参照すると、捕捉フード136は、大体円筒形であり、開口近位端部144と閉塞遠位端部146とを有する。遠位端部146は、捕捉フード136の長さの一部に亘ってテーパ状にすることができ、例えば、捕捉フード136の遠位端部146の先端部まで外面的に及び内面的に細くすることができる。捕捉フード136の円筒形状とテーパ形状の間の移行位置は、図2に示されるように、(すなわち、安全捕捉装置102が使用後の安全な針捕捉位置又はその近くにあるときに)針104の先端部152の付近に生じ得る。代替的には、移行位置は、例えば針104の曲げ部113の付近により近位に生じ得る。捕捉フード136の遠位端部146の先端部は、代替的には開口され得る。
【0025】
捕捉フード136は、スロット150を備えた外周側壁部148を有し、スロット150は、外周側壁部148を通じて捕捉フード136の長さ(高さ)の全体、ほとんど又は少なくとも一部に亘って延在する。図1から図6に示される安全捕捉装置102の捕捉フード136の実施形態では、スロット150の長手方向中心ラインが針104の長手方向軸と位置調整されることが好ましい。さらに、針104の遠位端部112の曲げ部113は、曲げられた遠位端部112の部分の長手方向軸を含む針104の長手方向軸が延在チューブ110の長手方向軸及び針104の長手方向軸によって規定される平面と該平面上において位置調整されたままであるように存在することが好ましい。従って、針104の先端部152は、スロット150の長手方向中心ラインに沿って捕捉フード136のスロット150に入り、針104の先端部152は、スロット150に入る針104のあらゆる残部より前にスロット150に入る。さらに、スロット150に入る針104の遠位端部112の一部の全体は(すなわち、針104の曲げられた先端部分と真っ直ぐな部分とは共に)、入るときにスロット150の中心ラインと位置調整されたそれぞれの長手方向軸の全体を有する。
【0026】
本発明の第1態様では、捕捉フード136は、針104の少なくとも先端部152を受容するような長さで構成されている。好ましくは通常は、針104の遠位端部112の少なくとも一部が、捕捉フード136に追加的に捕捉される。代替的に、捕捉フード136は、針104の遠位端部112の全体を受容するように長くすることができる。好ましくは、針104全体は捕捉フード136に受容されないが、必要に応じてそのような実施形態が考えられる。
【0027】
ここで(可動アーム130を捕捉フード136の開口近位端部144の方へ遠位に(下方に)見る)捕捉フード136の上面図である図2Aを参照すると、スロット150は、スロット150のそれぞれの外幅(OW)より小さい内幅(IW)を有することを見ることができる。すなわち、この実施形態では、側壁部148の内周縁部間に開口するスロット150は、側壁部148の外周縁部間に開口するスロット150より小さい。この実施形態では、スロットの側壁部は従って、内方に狭くなるテーパ状にされている。
【0028】
好ましくは、この図2Aの実施形態では、スロット150の内幅(1W)は、針104の外径(OD)の寸法より僅かに小さい寸法であり、スロット150の外幅(OW)は、針104の外径(OD)の寸法より僅かに大きい寸法である。従って、針104は、捕捉フード136に入るときに(すなわちスロット150を通過する(横断する)ときに)僅かに抵抗を受け、人間の介在なしに捕捉フード136の内側部分から横方向に出ることができない。
【0029】
例えば、外径(OD)が0.035インチの針104が使用される場合、スロット150の内側(LW)は、0.032〜0.035インチとすることができ、スロット150の外幅(OW)は、0.035〜0.037インチとすることができる。代替的実施形態では、スロット150の内幅(LW)と外幅(OW)とは共に、0.032〜0.035インチの間とすることができる。このように、本発明の他の実施形態は、スロット150の外幅(OW)及び/又は針104の外径(OD)より僅かに小さいから、等しい、又は僅かに大きい寸法に及ぶスロット150の内幅(IW)を含み得る。換言すれば、スロットの側壁部は、内方に狭くなるテーパ状にされる、真っ直ぐである、又は外方に狭くなるテーパ状にされることができる。通常は、スロット150の内幅(LW)及び/又は外幅(OW)の少なくとも1つは、針104の外径(OD)より僅かに小さい又は等しい。いずれの場合でも、スロット150の内幅(LW)と外幅(OW)の寸法は、スロット150を捕捉フード136の中へ横断させる(通過させる)ときに針104が僅かに抵抗を受けて人間の介在なしに捕捉フード136から出ることができないように選択され得る。図2に示されるように、針104の先端部152(及び遠位端部112の少なくとも一部)がチャンバ136に捕捉されるとき、可動アームの第2(内)面154は、針104に大体隣接すると共に平行である。
【0030】
可動アーム130が(図3に示されるように)クランプされた事前安全又は使用前位置にあるとき、可動アーム130は、1つ若しくは複数のクランプ142を介して延在チューブ110に係止される。使用者が捕捉位置の方へ可動アーム130を揺動しようとする場合、クランプ142は、延在チューブ110から解放され、可動アーム130は、針104の方へヒンジ138の周りに旋回する。針104の少なくとも先端部152(及び通常は針104の遠位端部112の少なくとも一部又は全体)は、針104がスロット150を通過すると同時にチャンバ136に捕捉される。針104の先端部152は、側壁部148によって、及び針104の外径(OD)より小さい寸法であるスロット150の少なくとも内幅(LW)によってチャンバ(捕捉フード)136から出ることができない。
【0031】
図3に示されるように、安全捕捉装置102を備えたフーバー針組立体100の別の実施形態では、可動アーム130は、第2内面154に、2つのオフセットしたクランプアーム142A、142Bを有するラッチ142を含む。2つのクランプアーム142A、142Bは、可動アーム130が捕捉されて使用中の安全位置にある(すなわち、針104の少なくとも先端部152がチャンバ136に捕捉される(図3に示されていない))ときに安全捕捉装置102のための更なる固定機構を提供する。捕捉された使用中の安全位置では、2つのオフセットしたクランプアーム142A、142Bを有するラッチ142は、針104と係合して可動アーム130をさらに固定する。別の実施形態では、2つ以上のラッチ142又は様々なクランプアーム位置を有する1つの若しくは複数のラッチが、可動アーム130の第1外面140かそれとも第2内面154に用いられ得る。
【0032】
図4は、図3に示される安全捕捉装置102を有するフーバー針組立体100の実施形態を示しているが、図4は、針104、エルボ116及び延在チューブ110を通る中途で切り取られた別の断面を有する。図4は従って、本体部106を通る針の90度移行の詳細図を提供すると共に、この実施形態の本体部106の近位側における針104上の延在チューブ110の接続を詳細に提供する。
【0033】
図5は、本発明の更なる実施形態を示し、安全捕捉装置102を有するフーバー針組立体100は円筒形キャップ118として形成される本体部106を含む。円筒形キャップ118は、主として垂直に方向付けることができる(すなわち延在針104に対して長手方向に方向付けることができる)。この実施形態では、中空ハウジング120は、円筒形キャップ118に実質的に垂直に延在し、内部に延在チューブ110の遠位端部を受容する。この実施形態では、円筒形キャップ118は、その外周を(円筒形キャップ118の長手方向軸に対して)横断する溝部160を含む。横断溝部160は、可動アーム130の近位端部134に位置付けられた馬蹄型カラー(horseshoe collar)162を収容する(及び馬蹄型カラー162との接続点を付与する)。馬蹄型カラー162は、溝部160に対してその内部に固定して(例えば接着されて/溶接されて)又は取り外し可能に結合(スナップ嵌合)され得る。また、可動アーム130は、ヒンジ138の周りに旋回(揺動)することができ、延在チューブ110及び針104の長手方向軸によって及びそれを通じて規定される平面に沿って移動することができる。馬蹄型カラー162と溝部160との間の取付(固定される又は取り外し可能に結合されるに関わらず)は、ヒンジ138の周りに可動アーム130の旋回中に溝部160に対して馬蹄型カラー162の移動がないことを確保すると共に、可動アーム130が延在チューブ110及び針104の長手方向軸によって及びそれを通じて規定される平面に沿ってのみ旋回(揺動)することをさらに確保する更なる機械的固定を含むことができる。
【0034】
図6は、本発明の図5の実施形態の後側の断面図を示し、安全捕捉装置102を備えたフーバー針組立体100は、円筒形キャップ118として形成される本体部106を含む。図7は、図6の拡大図である。図6及び図7の断面図は、キャップ118の内部にある長手方向(垂直)に延びる内側針穴部170を示し、内側針穴部170は、そこから針104の遠位延在部を備えている。針穴部170に対して水平方向に方向付けられた開口チャネル(channel)172がまた示され、開口チャネル172は、中空ハウジング120を通じてキャップ118の中へ延在し、チャネル172の底部174は、針104用のハウジング基部を提供する。組立時に、90度曲げ部を備えた一部品の針104は第1に、針104の(曲げ部113から)曲げられた先端部分を備えた遠位端部112が針穴部170を通じて挿入された状態で開口チャネル172に配置される。本体部106から近位に延在する(及び中空ハウジング120の中心長手方向軸から延在する)針104の(90度曲げ部の近位にある)近位端部114が、延在チューブ110に(摩擦で嵌合するように)接続される。延在チューブ110は次に、中空ハウジング120に内部に摩擦でさらに接続される。中空ハウジング120への延在チューブ110の接続はそのとき適切に結合される。延在チューブ110への針104の近位端部114の接続は、中空ハウジング120への延在チューブ110の接続と共に、フーバー針組立体100(及びそのそれぞれの構成要素並びにその接続)を提供し、使用による多くの起こり得る破壊的な力(すなわち皮下アクセスポート(access port)装置への針の挿入中及び皮下アクセスポート装置から針の引き抜き中に生じる力)に耐えて保護する。あらゆる全ての摩擦接続はさらに、適切である場合には所望により接着/溶接することができる。
【0035】
図8は、本発明の捕捉フード136の別の実施形態を示す。この図面では、前記チャンバ内部にある使用後安全捕捉位置にある針104が示されている。一態様では、針104の遠位端部112にある曲げ部113が平面から離れた(すなわち針104の曲げられた遠位端部112の部分の長手方向軸は、針104の残部の長手方向軸と延在チューブ110の長手方向軸とによって及びそれらを通じて規定される平面、すなわち可動アーム130の揺動面とそれに沿って位置調整されない)捕捉フード136のこの実施形態が使用され得る。この態様では、スロット150の内幅(IW)と外幅(OW)とは、スロット150の長さの少なくとも遠位部分に亘って、針104の平面から離れた曲げられた先端部の遠位端部112を収容すると共に受容するためにより広い寸法を必要とし得る。
【0036】
図8の実施形態では、捕捉フード136は、大体円筒形であり、開口近位端部144と閉塞遠位端部146とを有する。捕捉フード136は、スロット150を備えた外周側壁部148を有し、スロット150は、外周側壁部148を通じ、捕捉フード136の長さ(高さ)の全体、ほとんど又は少なくとも一部に亘って延在する。
【0037】
図8の実施形態では、スロット150の長手方向中心ラインは、針104の長手方向軸と位置調整される。しかしながら、この実施形態では、示されるように、スロット150は、遠位端部112に平面から離れた曲げ部113を有する針104を収容するのに十分に広い。スロット150の長さの近位部分(P)に亘って、側壁部148の厚さとスロット150の内幅(IW)及び外幅(OW)の寸法は、前記捕捉フード136の実施形態と同様であり得る。スロット150の長さの遠位部分(D)に亘って、図8の実施形態では、側壁部148の厚さは、スロット150の長さの近位部分(P)の厚さより相当に小さく、その結果、より大きい内幅(IW)寸法を有し、針104の平面から離れた先端部が曲げられた遠位端部112をその中に受容することができる。別の実施形態では、スロット150の長手方向中心ラインは、針104の長手方向軸と位置調整されない。
【0038】
図8Aは、(可動アーム130を捕捉フード136の開口近位端部144に遠位に(下方に)見る)図8の捕捉フード136の上面図である。ここでは、スロット150は、スロット150の長さの近位部分(P)の内幅(IWP)と、(点線で示される)スロット150の長さの遠位部分(D)の内幅(IWD)とを有し、それらは、スロット150のそれぞれの外幅(OW)より小さいことを見ることができる。また、スロット150の側壁部は、テーパ状にされている(ここでは、内方に狭くなるテーパ状にされている)。
【0039】
この図8の実施形態では、側壁部148の内周縁部間のスロット150の開口は、側壁部148の外周縁部間のスロット150の開口より小さい。好ましくは、この実施形態では、スロット150の長さの近位部分(P)の内幅(IWP)は、針104の外径(OD)の寸法より僅かに小さい寸法であり、スロット150の外幅(OW)は、針104の外径(OD)の寸法より僅かに大きい寸法である。従って、針104は、捕捉フード136に入るときに(すなわちスロット150を通過する(すなわち横断する)ときに)僅かな抵抗を受けて、人間の介在なしに捕捉フード136の内側部分から横方向に出ることができない。この実施形態では、スロット150の長さの遠位部分(D)の内幅(IWD)は、針104の外径(OD)より1〜4倍大きくされ得る。より好ましくは、スロット150の長さの遠位部分(D)の内幅(IWD)は、針104の外径(OD)より2〜3倍大きくされ得る。
【0040】
この実施形態では、スロット150の長さの近位部分(P)の内幅(IWP)は、スロット150の長さの近位部分(P)及び遠位部分(D)の側壁部148の異なる厚さのために、スロット150の長さの遠位部分(D)の内幅(IWD)とは異なる(すなわちスロット150の外幅(OW)はスロット150の長さの近位部分(P)及び遠位部分(D)に亘って一定の寸法である)。別の実施形態では、側壁部148の厚さは、スロット150の長さの近位部分(P)及び遠位部分(D)に亘って一定のままとすることができ、スロット150の長さの外幅(OW)、近位部分(P)の内幅(IWP)、及び遠位部分(D)の内幅(IWD)は、所望のそれぞれの寸法を得るために変更することができる。
【0041】
図8の実施形態では、移行部分は、スロット150の長さの近位部分(P)及び遠位部分(D)間に位置付けられ、側壁部148の厚さは、スロット150の長さの近位部分(P)のそれぞれの内幅(IWP)を得るために必要であるものと、スロット150の長さの遠位部分(D)のそれぞれの内幅(IWD)のためのものとの間で移行する。
【0042】
この側壁部148の厚さ移行部分は、図8に示されるように、(安全捕捉装置102が使用後安全針捕捉位置にあるときに)針104の遠位端部112の曲げ部113の付近に生じ得る。代替的に、側壁部148の厚さ移行部分は、より近位に生じ得る。この実施形態における捕捉フード136の遠位端部146は、代替的に開口し得る。
【0043】
使用時に、フーバー針注射又は注入が完了した後に、医療従業者は、ラッチ142をアンクランプし、可動アーム130を延在チューブ110から分離してヒンジ138の周りに自由に旋回することを可能にする。医療従業者は次に、一対の翼付きハンドル108を徐々に引っ張ることによって患者から針104を注意深く引き抜く。針104が患者の皮膚から出るときに、可動アーム130は、針104の少なくとも先端部152(及び実施形態に応じて針104の遠位端部112の一部)がスロット150を摩擦で通過して捕捉フード136に移行することができる位置に旋回する(又は旋回している)。スロット150への針104の僅かな挟みによって、針104は、スロット150の幅が針104の外径より小さいことから生じる摩擦力を克服し、それによってチャンバ(捕捉フード)136内に針104を捕捉して固定する。安全捕捉装置102を備えたフーバー針組立体100はそのとき安全に配置することができる。針104の先端部152(及び針104の遠位端部112の一部)は針捕捉組立体102の捕捉フード136の内部にあるので、フーバー針組立体100は、医療従業者(使用者)又は患者への偶然の針刺しの危険性を最小限にする。フーバー針組立体100はまた、針104を通じて移動する物質から生じるあらゆる放出を吸入するあらゆる危険性を最小限にする。
【0044】
図示された実施形態では、針104は、使用時に針104の挿入及び引き抜きを容易にするために実質的に90度エルボに適合するそれぞれの本体部106の内部に丸形部分を含む。代替的実施形態では、針104は、本体部106の内部にこの曲げられた部分を備えていない、幾つかの曲げられた部分を有する、又は実質的に90度エルボではない曲げられた部分を有するようにすることができる。図示された針104はまた、実質的に円形断面形状を有しているが、代替実施形態では、針104は、楕円形状、三角形状、矩形形状、多角形状、又は前記のものの組み合わせである断面形状を有し得る。
【0045】
安全捕捉装置102組立体は、使用者による使用前にフーバー針組立体100に適合させることができる(すなわち安全捕捉装置102はフーバー針組立体100から別個に製造されて提供され、使用直前にフーバー針組立体100に配置され得る)。すなわち、安全捕捉装置102は、別個の構成要素であるが、部品一式としてフーバー針組立体100と共に提供され得る。例えば、使用直前に、馬蹄型カラー162は、円筒形キャップ118の横断溝部160に摩擦で嵌合される。好ましくは、安全捕捉装置102は、製造業者の間で恐らく単一構造としてフーバー針組立体100に組み込まれる。
【0046】
本発明のこれら及びその他の利点は、前述した明細書から当業者に明らかとなるであろう。従って、本発明の広範な発明概念から逸脱することなく前記実施形態に対する変更又は修正が行われ得ることが当業者に認識されるであろう。あらゆる特定の実施形態の具体的寸法は例示のためだけに記載されるものであり、従って、本発明は、ここに記載される特定の実施形態に限定されるものではないが、本発明の範囲及び主旨での全ての変更及び修正を含むことを意図することを理解すべきである。
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図8A