(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6456945
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】電動機用の回転子
(51)【国際特許分類】
H02K 1/27 20060101AFI20190110BHJP
【FI】
H02K1/27 501A
H02K1/27 501M
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-526697(P2016-526697)
(86)(22)【出願日】2014年7月15日
(65)【公表番号】特表2016-525334(P2016-525334A)
(43)【公表日】2016年8月22日
(86)【国際出願番号】GB2014052160
(87)【国際公開番号】WO2015008058
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2017年6月23日
(31)【優先権主張番号】1312677.6
(32)【優先日】2013年7月16日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516017189
【氏名又は名称】イクイップメイク・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EQUIPMAKE LTD
(73)【特許権者】
【識別番号】516015347
【氏名又は名称】エイム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桜井 淑敏
(72)【発明者】
【氏名】フォーリー,イアン
(72)【発明者】
【氏名】オギルビー,マーティン
【審査官】
樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−152537(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/114594(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機用の回転子であって、
前記回転子は、
中心軸を有するハブと、
前記ハブの周囲に配置された複数の回転子セグメントと、
複数の永久磁石と、
前記回転子セグメントを前記ハブ上に保持するための組立体とを備え、
前記組立体は、各回転子セグメントを保持するために軸方向に延在する複数のロッドを含み、
前記回転子セグメントは、軸方向に互いに隣接する少なくとも2つの環状体を形成するように、前記ハブの周囲に配置され、
前記回転子は、前記回転子セグメントからなる環状体の間に配置された中間板を含み、
前記ロッドは、各中間板を貫通しており、
前記磁石と前記ハブとは、互いに係合して前記ハブが前記磁石を周方向に拘束するように、成形され、
各磁石は、前記ハブの外周面により形成された溝内に収容され、
前記中間板は、前記ハブの前記軸を中心にする前記中間板の回転を阻止するように、前記ハブの前記溝と係合している、回転子。
【請求項2】
前記中間板と前記ハブの外周面とは、前記ハブの前記軸を中心にする前記中間板の回転を阻止するように、互いに係合している、請求項1に記載の回転子。
【請求項3】
前記中間板と前記ハブの前記外周面とは、前記中間板が前記ハブに沿って軸方向に移動できるように、互いに係合している、請求項1または2に記載の回転子。
【請求項4】
軸方向に延在する複数のスプラインが、前記ハブの前記外周面により形成され、前記中間板と係合している、請求項3に記載の回転子。
【請求項5】
各回転子セグメントには、対応するロッドを収容するための貫通孔と、径方向最内面と、径方向最外面とが形成され、
前記貫通孔は、前記径方向最外面よりも、前記径方向最内面に近い位置に配置されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の回転子。
【請求項6】
前記貫通孔は、前記電動機の動作中に前記回転子セグメントの最大磁束変化を有する領域よりも、前記電動機の動作中に前記回転子セグメントの最小磁束変化を有する領域に近い位置に配置されている、請求項5に記載の回転子。
【請求項7】
前記貫通孔は、前記電動機の動作中に最小磁束変化を有する領域に配置されている、請求項6に記載の回転子。
【請求項8】
前記回転子セグメントは、前記ハブの周囲に配置され、
前記永久磁石は、前記回転子セグメントの間にそれぞれ配置されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の回転子。
【請求項9】
前記磁石と前記回転子セグメントとは、前記回転子セグメントが径方向外向きの力に抗して前記磁石を拘束するように、互いに係合している、請求項1から8のいずれか1項に記載の回転子。
【請求項10】
前記組立体は、前記回転子セグメントの最大径方向延長を越えないように、径方向外側に延在するように構成されている、請求項1から9のいずれか1項に記載の回転子。
【請求項11】
少なくとも1つの回転子セグメントの一部分が、隣接する磁石を超えて径方向外側に延在し、
前記一部分は、径方向外向きの力に抗して前記磁石を拘束するために、前記磁石の上面を少なくとも部分的に覆うように周方向に延在している、請求項1から10のいずれか1項に記載の回転子。
【請求項12】
各回転子セグメントの一部分が、隣接する2つの磁石を越えて径方向外側に延在し、
前記一部分は、径方向外向きの力に抗して前記隣接する2つの磁石を拘束するために、前記隣接する2つの磁石の上面を少なくとも部分的に覆うように周方向に延在している、請求項11に記載の回転子。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の回転子を含む電動機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、電動機または発電機に適した回転子に関する。より具体的には、本発明は、このような回転子の配置構成に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ブラシレス直流電動機などのような電動機に使用された回転子は、回転子の内部に保持された永久磁石を含む。回転磁界によってトルクが印加される。この回転磁界は、外側の固定子に取り付けられた固定コイルに電流、通常は別々の3相電流を印加することによって、生成される。固定子に供給される電流を電気的に転流するために必要とされた制御および電力エレクトロニクスの進歩によって、この種の電動機は、ますます普及している。このような装置は、多くの場合に電動機と呼ばれているが、電動機、発電機、または電動機/発電機として同様に使用されてもよい。
【0003】
既存の回転子構造において、永久磁石は、回転子の外周面の周囲に沿って延在する円筒状スリーブによって、所定位置に保持されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
本発明は、電動機用の回転子を提供する。回転子は、中心軸を有するハブと、ハブの周囲に配置された複数の回転子セグメントと、複数の永久磁石と、回転子セグメントをハブ上に保持するための組立体とを備える。組立体は、各回転子セグメントを保持するために軸方向に延在する複数のロッドを含み、回転子セグメントは、軸方向に互いに隣接する少なくとも2つの環状体を形成するようにハブの周囲に配置され、回転子は、回転子セグメントからなる環状体の間に配置された中間板を含み、ロッドは、各中間板を貫通している。
【0005】
セグメント保持組立体は、軸方向に延在し、回転子セグメントをハブ上に保持するように配置されたロッドのような複数の細長い部材を含むことができる。これらのロッドは、各環状体の回転子セグメントとそれぞれ係合することができる。好ましくは、これらのロッドは、各環状体内の回転子セグメントを通って延在する。ロッドの端部は、回転子のハブに強固に連結され、回転子セグメントを適所に保持するように機能する。ロッドの端部は、径方向に移動しないようにロッドを拘束する構造体と係合している。これらの構造体は、たとえば、ロッドの端部にそれぞれ連結された一対の端板の形に形成されてもよい。端板は、実質的に環状に形成され、ハブの周囲に延在してもよい。端板は、ハブに固定された別個の構成要素であってもよく、または代替的に端板の一方または両方は、ハブと一体に形成されてもよい。
【0006】
ロッドにさらなる支持を与えるために、回転子セグメントからなる環状体の間に実質的に環状の中間板を設けてもよい。この中間板は、遠心力に抗してロッドを拘束するように、各ロッドに作用するおよび/または各ロッドと係合している。好ましい実施形態において、ロッドは、各中間板を貫通する。好ましくは、各環状体において、永久磁石は、回転子セグメントの間にそれぞれ配置され、磁石と回転子セグメントとは、回転子セグメントが径方向外向きの力に抗して磁石を拘束するように、互いに係合している。したがって、ロッドは、回転子セグメントを径方向に保持し、回転子セグメントは、磁石を径方向に拘束する。
【0007】
好ましくは、ハブの周囲に沿った中間板の回転を阻止するために、中間板は、ハブの外周面と係合している。よって、中間板は、回転子セグメントの移動を抑制し、その結果、周方向および径方向に作用する力に抗してロッドを拘束するように機能する。また、これらの中間板は、ロッドを介して磁石および回転子セグメントに作用するトルクを中間板に伝達することによって、このトルクをハブに伝達することを支援する。
【0008】
前記中間板と前記ハブの前記外周面とは、前記中間板が前記ハブに沿って軸方向に移動できるように、互いに係合してもよい。これによって、回転子の組み立てが容易になる。また、これによって、回転子の構成部品の異なる熱膨張を可能にし、中間板が径方向の荷重のみを受けることを確実にし、および回転子の構成要素の寸法のばらつきに適応することができるため、製造に関連する許容範囲を増加する。好ましい実施形態において、軸方向に延在する複数のスプラインが、ハブの外周面により形成され、中間板と係合している。
【0009】
好ましくは、各回転子セグメントには、セグメント保持組立体の各々のロッドを収容するための貫通孔が形成される。各回転子セグメントは、電動機のハブの中心軸に対して、径方向最内面および径方向最外面を有する。好ましくは、各回転子セグメントの貫通孔は、径方向最外面よりも径方向最内面に近い位置に配置される。その理由は、電動機の動作中に回転子セグメントの磁束変化の量は、回転子セグメントの内側端部に向かって低くなる傾向にあるためである。望ましくは、磁束の変化がより低い位置に貫通孔を配置する。これによって、この位置の回転子セグメントを貫通するボルト内の渦電流損失がより低くなる。渦電流が熱を生成するため、電動機を十分冷たい状態に維持することはより困難になる。
【0010】
好ましい実施形態において、貫通孔は、電動機の動作中に回転子セグメントの最大磁束変化を有する領域よりも、電動機の動作中に回転子セグメントの最小磁束変化を有する領域に近い位置に配置されている。より好ましくは、貫通孔は、電動機の動作中に最小磁束変化を有する領域に配置されている。これによって、ロッド内の渦電流損失が最小化され、電動機に必要される冷却量を減少する。
【0011】
また、本発明は、電動機用の回転子を提供する。この回転子は、中心軸を有するハブと、複数の回転子セグメントと、複数の永久磁石と、回転子セグメントをハブ上に保持するための組立体とを備える。回転子セグメントは、軸方向に互いに隣接する少なくとも2つの環状体を形成するように、ハブの周囲に配置されている。永久磁石は、各環状体内の回転子セグメントの間にそれぞれ配置されている。
【0012】
別々の回転子セグメントを使用することによって、誘導損失が低減される。また、複数の回転子セグメントを使用することによって、熱を発散する表面積がはるかに大きく形成され、回転子内の熱蓄積を低減する。また、回転子の周囲に配置された回転子セグメント環状体の個数を変えることによって、異なる条件に適合するために回転子の軸方向の長さを容易に変更することができる。
【0013】
回転子セグメントを保持するための組立体は、回転子セグメントにより形成された外側筒状面内に設置されるように構成される。組立体が回転子セグメントおよび磁石の外向き面を超えて延在していないため、回転子と固定子との間の距離を減少することができ、よって、電動機の効率を向上させる。また、外側スリーブによって磁石を保持する公知の回転子とは異なり、このような構成の組立体は、磁石および回転子セグメントの外表面からの熱の発散を妨げず、したがって、磁石および回転子セグメントの外表面は、露出され、周囲の冷却流体(たとえば空気)と直接接触している。
【0014】
本発明はさらに、電動機用の回転子を提供する。この回転子は、中心軸を有するハブと、ハブの周囲に環状に配置された複数の回転子セグメントと、複数の永久磁石とを備える。磁石と回転子セグメントとは、回転子セグメントが径方向外向きの力に抗して磁石を保持するように、互いに係合している。
【0015】
好ましくは、各々の回転子セグメントおよび永久磁石の形状は、組み立てられた回転子において回転子セグメントが径方向外向きの力に対して永久磁石を拘束するように、選択される。たとえば、いくつかの回転子セグメントの一部分は、隣接する磁石を超えて径方向外側に延在するとともに、径方向外向きの力に抗して磁石を拘束するために磁石の上面を少なくとも部分的に覆うように周方向に延在している。好ましい実施形態において、各回転子セグメントは、隣接する磁石を超えて径方向外側に延在するとともに、径方向外向きの力に抗して磁石を拘束するために磁石の上面を少なくとも部分的に覆うように周方向に延在している。これによって、冷却を支援するように磁石の外向き側面の少なくとも一部を露出しながら、永久磁石を保持するために回転子の周囲に追加スリーブを設ける必要を回避する。
【0016】
磁石およびハブは、互いに係合し、ハブが磁石を周方向に拘束するように成形されることができる。実施形態において、磁石は、ハブの外周面に形成された溝内に収容されてもよい。
【0017】
添付の概略図面を参照しながら、例示として、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】回転子セグメントは、本発明の一実施形態に係る回転子の軸の周囲に配置される構成を採用した回転子セグメントの端面図を示す図である。
【
図2】概略に示された回転子セグメントを備える回転子の軸の周囲に配置された永久磁石を示す端面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る回転子のハブを示す斜視図である。
【
図4】
図3のハブと組み合わせて使用される中間板を示す側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る回転子を示す分解側面図である。
【
図6】本発明を実現する回転子を含む組み立てられた電動機の断面を示す部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
以下の説明には、いくつかの寸法が記載されている。理解すべきことは、これらの寸法は、単に関連する特徴の相対サイズおよび相対比例を例示するために与えられたものであり、異なる条件に合わせて変更するおよび/またはスケーリングすることができることである。
【0020】
図1は、高透磁率を有する材料から形成され、別々に積層された複数の回転子セグメント2を本発明に係る回転子のハブの周囲に環状に配置された様子を示している。これらの回転子セグメントは、周方向に沿って互いに等間隔で離間され、図面の平面に対して垂直に延在する回転軸6から等距離に配置されている。各回転子セグメントには、軸方向に沿って各回転子セグメントを貫通する細長いチャネルまたは貫通孔4が形成される。各回転子セグメントの径方向最外側の部分は、突起またはリップ8を形成する。突起またはリップ8は、回転子セグメントの各側面10を越えて周方向に沿って(約1mmに)延在する。これらの回転子セグメントは、シリコン、またはコバルト鋼、または積層電動機に適した他の材料から形成されることができる。
【0021】
貫通孔4は、回転子セグメントの外側端部よりも内側端部に近い回転子セグメントの径方向中心位置に設置されている。具体的には、これらの貫通孔は、電動機の動作中に回転子セグメントの磁束変化が最小である領域または区域に設置されている。これによって、これらの貫通孔に挿通されている支持ロッド内の渦電流損失が最小限に抑えられる。回転子セグメント内の最小磁束変化区域は、電動機が負荷の下で正常動作して回転するときに、磁気有限要素解析プログラムを用いて回転子セグメント内の磁束変化をモデル化することによって、決定されることができる。
【0022】
図2は、組み立てられた回転子に採用された構成を有する
図1の回転子セグメント2を概略に示している。永久磁石12は、各対の隣接する回転子セグメントの間に配置されている。これらの磁石は、一般的に「希土類」型であり、たとえば幅5mm、長さ20mmおよび(軸方向に沿って)厚さ25mmの寸法を有してもよい。
【0023】
各磁石の外向き露出側面14は、隣接する回転子セグメントのリップ8の内向き表面16と係合している。これらのリップは、互いの間にたとえば約3mmの間隔をもって、各磁石の側面14を横切って周方向に沿って部分的に延在する。このようにして、磁石は、回転子の外径から離れた位置に保持される。回転子セグメントと磁石は、軸方向に沿って約20mmの長さを有してもよい。
【0024】
回転子セグメントに形成されたリップによって磁石を保持することにより、スリーブを用いて回転子を包むことを回避することができる。これによって、回転子と周囲の固定子との間の空気間隔の幅を小さくすることができる。また、スリーブは、回転子からの熱の発散を阻害する傾向がある。リップ8は、磁石を横切って部分的に延在するため、冷却空気と磁石表面との間の直接接触を促進する。各磁石の側面14の近くに形成された溝は、磁石近くの空気乱流を促進するとともに、冷却作用を援助する。
【0025】
図1および2に示された回転子セグメントおよび磁石とともに使用される回転子ハブの構成は、
図3に示されている。ハブ18は、円筒状本体部20と端板22とを含む。円筒状部20の外周面に軸方向の溝28を設けることによって、複数の軸線方向に延在するスプライン24を形成する。ハブは、たとえば、チタンまたは非磁性ステンレス鋼から形成されてもよい。
【0026】
端板22は、実質的に環状であり、円筒状部20と一体に形成される。端板には、(以下に説明されるロッドを収容するために)複数の軸方向に延在するキャビティ26が形成されている。
【0027】
図2に示すように、磁石12は、回転子セグメント2を越えて径方向内側に延在するように配置されてもよい。回転子を組み立てる時に、磁石は、スプライン24の間に形成された溝28内に部分的に挿入することによって、周方向に沿ってハブ上に配置される。これによって、組立工程が補助されるとともに、磁石が加えられる力をハブに直接伝達することができる。さらに、このように磁石をハブに配置することによって、磁石は、回転子セグメントがハブに対する回転を抑制することができる。
【0028】
図4は、中間支持板30を示している。中間支持板30は、実質的に環状であり、ハブ上のスプライン24の両側に位置する一連の内向き突起32を備える。また、中間板30は、以下に説明される支持ロッドを収容するために、周方向に離間した複数の穴34を備える。組み立てられた回転子において、中間板30は、隣接する回転子セグメント環状体の間に挿入される。中間板30は、たとえばチタンまたは非磁性鋼から形成されてもよい。
【0029】
本発明を実現する回転子の構成要素の分解側面図は、
図5に示される。回転子セグメント2は、複数のロッド40を外側端部板42、回転子セグメント2、および回転子セグメント2の間に挟まれた中間板30を通って、他方の端板22に形成されたキャビティ26に挿入することによって、ハブ18上の所定位置に保持される。ロッドは、一方の端部にキャビティ26内に形成された相補的なねじ山と係合するねじ山44または端板22の遠位端部に設けられたナットを有するボルトの形に形成されてもよい。これらのロッドは、約6mmの直径および約70mmの長さを有してもよく、たとえば高張力鋼から形成されてもよい。磁石は、接着剤を用いて適切な位置に確実に接着されてもよい。
【0030】
ボルトの代わりに、各端部がねじ山付きフランジまたはナットと係合するスタッドを使用してもよい。代替的に、回転子セグメントに挿通され、なんらかの方法で軸方向に保持されるロッドを使用してもよい。たとえば、ロッドの端部は、ハブに連結されまたはハブと一体に形成されたフランジと係合してもよい。
【0031】
中間板30は、軸方向に移動することによって、スプライン24を介してトルクを中央のハブに伝達する。これによって、所定の剛性を達成するために、より小さい直径のロッド40を使用することが可能になり、回転子をより小型にすることができる。
【0032】
本発明を実現する回転子を含む電動機の一部の断面図は、
図6に示されている。軸線6を中心に回転するように、回転子は、固定子コイル52を有する固定子50内に取り付けられている。
【0033】
回転子を環状のセグメントに分離することは、拡張可能なモジュール設計を提供する。本発明の手法によって、回転子の剛性が増加され、回転中に回転子の径方向揺れが低減される。したがって、回転子−固定子の間隔を小さくすることができ、印加された電力により生じた単位トルクを増加することができる。代替的に、回転子の所定の径方向揺れを満足しながら、より小さい直径のロッドを使用することができる。その結果、回転子の直径を低減することができ、電動機自体をより小型にすることができる。