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特許6456959再絞りアセンブリに用いられる可変速サーボモータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6456959
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】再絞りアセンブリに用いられる可変速サーボモータ
(51)【国際特許分類】
   B21D 22/28 20060101AFI20190110BHJP
   B21D 51/26 20060101ALI20190110BHJP
   F16H 21/22 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
   B21D22/28 D
   B21D22/28 L
   B21D51/26 X
   F16H21/22
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-542011(P2016-542011)
(86)(22)【出願日】2014年9月4日
(65)【公表番号】特表2016-534885(P2016-534885A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】US2014053967
(87)【国際公開番号】WO2015038388
(87)【国際公開日】20150319
【審査請求日】2017年6月14日
(31)【優先権主張番号】14/023,491
(32)【優先日】2013年9月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハウルシー,ドナルド レイ
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/064432(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0296897(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 22/28
B21D 51/26
B30B 1/00 − 1/42
F16H 21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再絞りアセンブリ(18)用アクチュエータアセンブリ(50)であって、
回転出力シャフト(58)を含むサーボモータ(52)と、
回転出力シャフト(58)に結合されたエキセンジャーナルアセンブリ(54)と、
エキセンジャーナルアセンブリ(54)に結合された連接棒(70)を含む連接棒アセンブリ(56)と、
を備えており、
サーボモータの出力シャフト(58)の回転により、エキセンジャーナルアセンブリ(54)は、少なくとも第1の後方位置と第2の前方位置の間で回転し、
連接棒は、エキセンジャーナルアセンブリ(54)の第1位置と第2位置に夫々対応した第1の後方位置と第2の前方位置の間で移動し
連接棒(70)は、可動再絞りスリーブ(40)に結合するように構成されており
エキセンジャーナルアセンブリ(54)は、シャフト(60)とエキセンジャーナル(62)を含んでおり、
エキセンジャーナルアセンブリのシャフト(60)は、回転軸(64)を有しており、
エキセンジャーナル(62)は略円形であり、
エキセンジャーナル(62)はエキセンジャーナルアセンブリのシャフト(60)に結合されており、エキセンジャーナル(62)の中心は、エキセンジャーナルアセンブリのシャフトの回転軸(64)から離れており、
連接棒(70)は、第1端(72)及び第2端(74)を有しており、
連接棒の第1端は、エキセンジャーナル(62)と係合するように構成されたベアリングアセンブリ(76)を含んでおり、
連接棒の第2端(74)は、可動再絞りスリーブ(40)と結合するように構成されており、
連接棒の第2端(74)は、回転カップリング(79)を含んでおり、
連接棒アセンブリ(56)は、揺動シャフトアセンブリ(80)を含んでおり、
揺動シャフトアセンブリ(80)は、ピボットシャフト(82)と、駆動アーム(84)と、ピボットアームアセンブリ(86)と、ベース(88)とを含んでおり、
ピボットシャフト(82)は、回転可能にベース(88)に結合されており、
駆動アーム(84)は、近位の第1端(100)と、遠位の第2端(102)とを含んでおり、駆動アームの遠位の第2端(102)は、回転カップリング(104)を有しており、
駆動アームの第1端(100)は、ピボットシャフト(82)に結合されており、
駆動アームの第2端の回転カップリング(104)は、連接棒の第2端の回転カップリング(130)に回転可能に結合されており、
ピボットアームアセンブリ(86)は、少なくとも細長い第1のピボットアーム(112)を含んでおり、第1のピボットアーム(112)は、第1端(116)及び第2端(118)を有しており、
第1のピボットアームの第1端(116)は、ピボットシャフト(82)に固定されており、
第1のピボットアームの第2端(118)は、回転カップリング(130)を含んでおり、
第1のピボットアームの第2端の回転カップリング(130)は、可動再絞りスリーブ(40)に結合するように構成されているアクチュエータアセンブリ。
【請求項2】
ピボットアームアセンブリ(86)は、細長い第2のピボットアーム(114)を含んでおり、第2のピボットアーム(114)は、第1端(117)及び第2端(119)を有しており、
第2のピボットアームの第1端(117)は、第1のピボットアーム(112)から離れた位置にてピボットシャフト(82)に固定されており、第1及び第2のピボットアーム(112、114)は互いにほぼ平行に延びており、
第2のピボットアームの第2端(119)は、回転カップリング(132)を含んでおり、
第2のピボットアームの第2端の回転カップリング(132)は、可動再絞りスリーブ(40)に結合するように構成されている、請求項に記載のアクチュエータアセンブリ。
【請求項3】
再絞りアセンブリ(18)であって、
可動再絞りスリーブ(40)と、
再絞りダイ(42)と、
サーボモータ(52)、エキセンジャーナルアセンブリ(54)及び連接棒アセンブリ(56)を含む再絞りアセンブリ(18)用アクチュエータアセンブリ(50)と、
を備えており、
可動再絞りスリーブ(40)は、可動再絞りスリーブ(40)が再絞りダイ(42)から離間した第1位置と、可動再絞りスリーブ(40)が再絞りダイ(42)に隣接して配置された第2位置との間で移動するように構成されており、
サーボモータ(52)は、回転出力シャフト(58)を含んでおり、
エキセンジャーナルアセンブリ(54)は、サーボモータの出力シャフト(58)に結合されており、
連接棒アセンブリ(56)は、エキセンジャーナルアセンブリ(54)に結合された連接棒(70)を含んでおり、
サーボモータの回転出力シャフト(58)の回転により、エキセンジャーナルアセンブリ(54)は、少なくとも第1の後方位置と第2の前方位置の間で回転し、
連接棒(70)は、エキセンジャーナルアセンブリ(54)の第1位置と第2位置に夫々対応した第1の後方位置と第2の前方位置の間で移動し、
連接棒(70)は、可動再絞りスリーブ(40)に結合するように構成されており、
エキセンジャーナルアセンブリ(54)は、シャフト(60)とエキセンジャーナル(62)を含んでおり、
エキセンジャーナルアセンブリのシャフト(60)は、回転軸(64)を有しており、
エキセンジャーナル(62)は略円形であり、
エキセンジャーナル(62)はエキセンジャーナルアセンブリのシャフト(60)に結合されており、エキセンジャーナル(62)の中心は、エキセンジャーナルアセンブリのシャフトの回転軸(64)から離れており、
連接棒(70)は、第1端(72)及び第2端(74)を有しており、
連接棒の第1端は、エキセンジャーナル(62)と係合するように構成されたベアリングアセンブリ(76)を含んでおり、
連接棒の第2端(74)は、可動再絞りスリーブ(40)と結合するように構成されており、
連接棒の第2端(74)は、回転カップリング(79)を含んでおり、
連接棒アセンブリ(56)は、揺動シャフトアセンブリ(80)を含んでおり、
揺動シャフトアセンブリ(80)は、ピボットシャフト(82)と、駆動アーム(84)と、ピボットアームアセンブリ(86)と、ベース(88)とを含んでおり、
ピボットシャフト(82)は、回転可能にベース(88)に結合されており、
駆動アーム(84)は、近位の第1端(100)と、遠位の第2端(102)とを含んでおり、駆動アームの遠位の第2端(102)は、回転カップリング(104)を有しており、
駆動アームの第1端(100)は、ピボットシャフト(82)に結合されており、
駆動アームの第2端の回転カップリング(104)は、連接棒の第2端の回転カップリング(130)に回転可能に結合されており、
ピボットアームアセンブリ(86)は、少なくとも細長い第1のピボットアーム(112)を含んでおり、第1のピボットアーム(112)は、第1端(116)及び第2端(118)を有しており、
第1のピボットアームの第1端(116)は、ピボットシャフト(82)に固定されており、
第1のピボットアームの第2端(118)は、回転カップリング(130)を含んでおり、
第1のピボットアームの第2端の回転カップリング(130)は、可動再絞りスリーブ(40)に結合するように構成されている再絞りアセンブリ。
【請求項4】
ピボットアームアセンブリ(86)は、細長い第2のピボットアーム(114)を含んでおり、第2のピボットアーム(114)は、第1端(117)及び第2端(119)を有しており、
第2のピボットアームの第1端(117)は、第1のピボットアーム(112)から離れた位置にてピボットシャフト(82)に固定されており、第1及び第2のピボットアーム(112、114)は互いにほぼ平行に延びており、
第2のピボットアームの第2端(119)は、回転カップリング(132)を含んでおり、
第2のピボットアームの第2端の回転カップリング(132)は、可動再絞りスリーブ(40)に結合するように構成されている、請求項に記載の再絞りアセンブリ。
【請求項5】
再絞りアセンブリ(18)であって、
可動再絞りスリーブ(40)と、
再絞りダイ(42)と、
サーボモータ(52)、エキセンジャーナルアセンブリ(54)及び連接棒アセンブリ(56)を含む再絞りアセンブリ(18)用アクチュエータアセンブリ(50)と、
を備えており、
可動再絞りスリーブ(40)は、可動再絞りスリーブ(40)が再絞りダイ(42)から離間した第1位置と、可動再絞りスリーブ(40)が再絞りダイ(42)に隣接して配置された第2位置との間で移動するように構成されており、
サーボモータ(52)は、回転出力シャフト(58)を含んでおり、
エキセンジャーナルアセンブリ(54)は、サーボモータの出力シャフト(58)に結合されており、
連接棒アセンブリ(56)は、エキセンジャーナルアセンブリ(54)に結合された連接棒(70)を含んでおり、
サーボモータの回転出力シャフト(58)の回転により、エキセンジャーナルアセンブリ(54)は、少なくとも第1の後方位置と第2の前方位置の間で回転し、
連接棒(70)は、エキセンジャーナルアセンブリ(54)の第1位置と第2位置に夫々対応した第1の後方位置と第2の前方位置の間で移動し、
連接棒(70)は、可動再絞りスリーブ(40)に結合するように構成されており、
可動再絞りスリーブ(40)は、固定スライドハウジング(142)及び沈胴再絞りシリンダ(144)を含んでおり、
沈胴式再絞りシリンダ(144)は、固定スライドハウジング(142)に移動自在に配置され、第1の引き込み位置と第2の延びた位置との間を移動するように構成されており。
沈胴式再絞りシリンダ(144)は、第1の延びた形態と、第2の沈胴形態との間で変化するように構成されている再絞りアセンブリ。
【請求項6】
沈胴式再絞りシリンダ(144)は、第1の延びた形態から第2の沈胴形態に変化し、その後、第2の沈胴形態から第1の延びた形態に変化し、沈胴式再絞りシリンダ(144)は第2の延びた位置にあるように構成されている、請求項に記載の再絞りアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される概念は、概して缶ボディ製造機に関しており、より詳細には、エキセンジャーナル(eccentric journal)によって作動される再絞りアセンブリを有する、缶ボディ製造機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、アルミニウム缶は、シート状の又はコイル状に巻かれたアルミニウムから打ち抜かれた円盤状のアルミニウム(「ブランク」としても知られている)として始まる。ブランクは、カッパ(cupper)に送り込まれる。カッパがブランク加工及び再絞り加工を行い、カップが生じる。即ち、ブランクは、底部とこれに付随する側壁とを有するカップへと形成される。カップは、再絞り及びしごき加工操作を実行する幾つかのボディ製造機の1つに供給される。より具体的には、カップは、缶形成機にて、略円形の開口を有するダイパックの入口に配置される。カップは、再絞りアセンブリの一部である再絞りスリーブによって、定位置に保持される。再絞りスリーブは、中空の管状構造体であって、カップの内側に配置され、カップをダイパックに対して付勢する。より具体的には、ダイパックにおける第1ダイは、再絞りダイであり、再絞りアセンブリの一部でもある。カップは、再絞りスリーブによって、再絞りダイに対して付勢される。その他のダイ、即ちしごきダイは、再絞りダイの後方に配置され、再絞りダイと軸方向に揃えられている。しごきダイは、再絞りアセンブリの一部ではない。細長い円筒状のラムは、前方の遠位端にパンチを備え、再絞りダイ及びしごきダイの開口と揃えられて、それら開口を通って移動する。ラムの反対側におけるダイパックの先端には、ドーマ(domer)がある。ドーマは、カップ/缶の底に、窪んだドームを形成するように構成されたダイである。
【0003】
従って、作動中は、カップはダイパックの一端に配置される。カップは通常、完成された缶よりも直径が大きく、壁の肉厚も大きい。再絞りスリーブは、カップの内側に配置され、カップの底を再絞りダイに対して付勢する。再絞りダイの開口は、カップよりも小さい直径を有する。前方の遠位端にパンチを有するラムは、中空の再絞りスリーブを通過し、カップの底に接触する。ラム本体が前方に移動し続けると、カップが再絞りダイを通して移動する。再絞りダイの開口は、カップの元の直径よりも小さいので、カップは変形され、引き延ばされて、直径がより小さくなる。カップが再絞りダイを通過するとき、カップの壁の肉厚は通常変化しない。ラムが前方に移動し続けると、引き延ばされたカップが幾つかのしごきダイを通過する。しごきダイはそれぞれ、カップの肉厚を薄くして、カップを引き延ばす。引き延ばされたカップの底がドーマに係合し、カップの底に窪んだドームが形成されて、缶ボディの最終成形が行われる。この時点で、カップの元の形状と比較すると、缶ボディは引き延ばされており、より薄い壁とドーム状の底とを有する。缶ボディは、ラム、より詳細にはパンチから取り出されて、これらに限定されないが、トリミング、洗浄、印刷、フランジ形成、検査等の更なる工程を経て、パレットに置かれて、充填装置(filler)に送られる。充填装置にて、缶は、パレットから取り外され、中身を注入されて、エンドが取り付けられる。充填された缶は6パック及び/又は12パックのケース等に再梱包される。
【0004】
ラム本体は、毎分何度も周期的に移動する。従って、各サイクル毎に、カップは、ダイパックの前に配置され、再絞りスリーブによってクランプされなければならない。即ち、上述のように、再絞りアセンブリは、固定された再絞りダイと、可動再絞りスリーブとを含む。再絞りスリーブは、サイクル毎に、前後に移動しなければならない。更に、ラムが通過して、カップを再絞りダイの内部へと移動させる間、再絞りスリーブは、前方位置にて「停止(dwell)」して、カップをクランプしている必要がある。即ち、再絞りスリーブの動きとしては、前進運動と、停止と、後退運動がある。再絞りスリーブは通常、再絞りスリーブの周囲に配置された円形のカムによって動かされる。円形カムは、連続したリッジであって、再絞りスリーブ用キャリアの周囲に配置された外側スリーブ、即ち「外側ケーシング」から内側に延びる。カム、即ち連続したリッジは、前方に傾斜した部分、傾斜していない(又は、ほとんど傾斜していない)部分、及び後方に傾斜した部分で、外側スリーブの内面を囲む。再絞りスリーブ用キャリアは、カム従動子を有する。外側スリーブが回転すると、カムの各部分がカム従動子に係合する。
【0005】
このように、カムの前方傾斜部分がカム従動子に係合すると、再絞りスリーブキャリア、ひいては再絞りスリーブが前方に移動する。この動きによって、再絞りスリーブがカップ内へと移動し、カップが再絞りダイに対して付勢される。この時点で、カムの非傾斜部分がカム従動子に係合する。これにより、再絞りスリーブが、前方位置にて停止し、カップをクランプする。再絞りスリーブキャリアが連続して回転することで、カムの後方傾斜部分が、カム従動子及び再絞りスリーブキャリアに係合し、これによって再絞りスリーブが前方に移動する。要するに、カップが再絞りダイ内へと移動するや否や、そして、ラムが再絞りスリーブを通って延びている間、再絞りスリーブは後方へ移動することに留意のこと。ラムが再絞りスリーブから取り出されると直ぐに、新しいカップが再絞りスリーブの前方へ移動し、サイクルが再び開始する。これらの操作を実行する装置は、米国特許第5,775,160号に開示されており、当該特許は、引用を以て本明細書に組み込まれる。
【0006】
外側スリーブは、カムが配置されており、重い。このスリーブは、ラム用の駆動機構に結合されたカム又は他の機械的リンクによって作動する。このようにして、再絞りスリーブの動きは、ラムの動きとリンクする。ラム駆動機構とカムとのリンク機構を形成する部品は、毎分生じる幾つものサイクルに適応するために、頑丈で、重くならざるを得ない。外側スリーブ及び他のリンク構成部品は重いので、ラム用の駆動機構は、単にラムを動かすのに必要なエネルギーよりも多くのエネルギーを供給するように構成される必要がある。更に、ラム駆動機構から再絞りスリーブへの機械的リンク機構は全て、損傷しやすい。従って、再絞りスリーブ用の改善されたアクチュエータが必要である。
【発明の概要】
【0007】
開示されており、特許請求の範囲に記載される装置は、ラム駆動機構とは独立して作動する、再絞りスリーブ用アクチュエータを提供する。アクチュエータは、サーボモータの駆動軸に結合されたエキセンジャーナルを利用する。サーボモータは、出力シャフトに可変回転を与えるように構成されており、再絞りスリーブが特定の時点に選択された位置にある必要に対応している。更に、再絞りスリーブは、沈胴式(collapsing)再絞りシリンダを含み、これによって、再絞りスリーブが前方位置において停止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
好ましい実施形態についての以下の説明を、添付の図面と併せて読むことによって、本発明の充分な理解を得ることができる。
【0009】
図1図1は、ボディ製造機の側面図である。
図2図2は、再絞りスリーブのアクチュエータの等角図である。
図3図3は、再絞りスリーブ及び再絞りスリーブのアクチュエータの断面図である。
図4図4は、再絞りスリーブのアクチュエータの断面図である。
図5図5は、シャフト上のエキセンジャーナルの軸方図である。
図6図6は、再絞りスリーブ及び再絞りスリーブアクチュエータの部分縦断面図であり、エキセンジャーナルは、後方の第1の位置、即ち3時の位置にある。
図7図7は、再絞りスリーブ及び再絞りスリーブアクチュエータの部分縦断面図であり、図7において、エキセンジャーナルは、中間の位置、即ち6時の位置にある。
図8図8は、再絞りスリーブ及び再絞りスリーブアクチュエータの部分縦断面図でありエキセンジャーナルは、前方の第2の位置、即ち9時の位置にある。
図9図9は、再絞りスリーブ及び再絞りスリーブアクチュエータの部分縦断面図であり、エキセンジャーナルは、別の中間位置、即ち12時の位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例えば「時計方向」、「反時計方向」、「左」、「右」、「上」、「底」、「上方」、「下方」、及びこれらの派生語など、本明細書において使用される方向に関する表現は、図面に示されている要素の向きに関連しており、特許請求の範囲に明示的に記載されない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0011】
本明細書において、「1つ」を明確に記載しないときは、複数を含む。
【0012】
本明細書で用いられているように、2つ以上の部品又は構成要素が「結合される」という記述は、リンクが生じる限りにおいて、直接的に、又は、間接的に、つまり、1又は複数の中間部又は構成要素を介して、部品が結合される又は一緒に動作することを意味している。本明細書で用いられる「直接的に結合される」は、2つの要素が互いに直接的に接触していることを意味する。本明細書で用いられる「固定して結合される」又は「固定される」は、2つの構成要素が1つとして移動するように結合されていると同時に、互いに対して一定の向きを維持していることを意味する。更に、別の物体に載置されている物体が、重力のみによってその場に保持されている場合、上側の物体がその場に実質的に維持されていない限り、下側の物体に「結合」されていない。即ち、例えば、テーブル上の本はテーブルに結合されていないが、テーブルに接着された本はテーブルに結合されている。従って、2つの要素が結合されると、これらの要素の全ての部分が結合される。しかしながら、第1のホイールに結合されている心棒の第1の端部のような、第2の要素に結合されている第1の要素の特定の部分の記載は、第1の要素の特定の部分が、他の部分よりも第2の要素の近くに配置されることを意味している。
【0013】
本明細書において、歯車又は歯を有する他の部品に関して用いられる場合、「係合する」は、歯車の歯が互いに連動して、ある歯車の回転により他の歯車も回転することを意味する。歯車以外の部品に関して用いられる場合、「係合する」は、2つ以上の部品又は構成要素が、直接的に、或いは1又は複数の中間要素又は構成要素を介して互いに対して力を及ぼし、又は付勢することを意味する。
【0014】
本明細書で用いられているように、用語「一体(unitary)」は、構成要素が単一の片又はユニットとして作られていることを意味する。即ち、別々に作られてからユニットとして互いに結合されている片を含む構成要素は、「一体」な構成要素又は物体ではない。
【0015】
本明細書で用いられているように、用語「幾つか」は、1又は1よりも大きい整数(即ち、複数)を意味する。
【0016】
本明細書で用いられているように、「カップリングアセンブリ」は、2つ以上のカップリング又はカップリング構成要素を含む。カップリング又はカップリングアセンブリの複数の構成要素は一般に、同じ要素又は他の構成要素の一部ではない。従って、「カップリングアセンブリ」の複数の構成要素は、以下の説明において同時に記載されないことがある。
【0017】
本明細書で用いられているように、「カップリング」又は「カップリング構成要素」は、カップリングアセンブリの1又は複数の構成要素である。即ち、カップリングアセンブリは、一緒に結合されるように構成された少なくとも2つの構成要素を含む。カップリングアセンブリの構成要素は、互いに適合すると理解される。例えば、カップリングアセンブリにおいて、一方のカップリング構成要素がスナップソケットであるならば、他方のカップリング構成要素はスナッププラグである。又は、一方のカップリング構成要素がボルトであるならば、他方のカップリング構成要素はナットである。
【0018】
本明細書で用いられているように、「関連する」は、要素が、同じアセンブリの一部であること、及び/又は協働すること、或いは、何らかの形で互いに/共に作動することを意味する。例えば、自動車は、4つのタイヤと4つのハブキャップを有する。全ての要素が自動車の一部として結合される一方で、各ハブキャップが特定のタイヤと「関連する」と理解される。
【0019】
本明細書で用いられているように、「対応する」は、2つの構造要素が、互いに類似する大きさ及び形状にされており、最小量の摩擦で互いに結合できることを表す。故に、部材に「対応する」開口は、部材が開口を最小量の摩擦で通過できるように、当該部材よりも僅かに大きくされている。この定義は、2つの構成要素が互いに「ぴったりと(snugly)」適合している、又は「ぴったりと対応する」と言われる場合には変更される。このような状況では、構成要素の大きさの差異は更に小さく、これによって摩擦量は増大する。開口を規定する要素及び/又は開口に挿入される構成要素が、変形又は圧縮可能な材料で作られている場合には、開口は、開口に挿入される構成要素よりも僅かに小さくてよい。この定義は更に、2つの構成要素が「ほとんど対応する」と言われる場合に、変更される。「ほとんど対応する」は、開口の大きさが、その中に挿入される要素の大きさに非常に近いことを意味する。即ち、ぴったり適合する場合のように、顕著な摩擦を生じさせるほどは近くないが、「対応する適合」、即ち「僅かに大きな」適合よりも接触及び摩擦が大きい。更に、2つ以上の要素によって形成されている表面に関して、「対応する」形状とは、表面形状、例えば曲率が類似することを意味する。
【0020】
本明細書で用いられているように、「[動詞]するように構成される」は、特定の要素又はアセンブリが、特定の動詞を実行するように形作られ、大きさを決められ、配置され、結合され、及び/又は構成されている構造を有することを意味する。例えば、「移動するように構成された」部材は、別の要素に移動可能に結合されており、当該部材を動かす要素を含んでいる。或いは、部材は、別のやり方で、他の要素若しくはアセンブリに応答して移動するように構成されている。
【0021】
図1に示すように、缶ボディ製造機10は、カップ2を缶ボディ3に変換するように構成される。以下に記載されるように、カップ2は略円形であると仮定される。しかしながら、カップ2は、結果として得られる缶ボディ3、及び、カップ2又は缶ボディ3と相互作用する要素と同様に、略円形以外の形状を有していてよいことが理解される。カップ2は底部を有しており、付随する側壁は、実質的に包囲された空間(図示せず)を規定する。カップ2における底部の反対側の端は開いている。缶ボディ製造機10は、往復ラム12、駆動機構14、ダイパック16、再絞りアセンブリ18、及びカップフィーダ20を含む(模式的に示されている)。周知のように、各サイクルにおいて、カップフィーダ20は、開放端がラム12に向いた状態で、カップ2をダイパック16の前方に配置する。カップ2がダイパック16の前方にある場合、後述の再絞りスリーブ40は、カップ2を後述の再絞りダイ42に対して付勢する。ラム12は、細長い略円形の本体30を含み、本体30は、近位端32、遠位端34、及び長手方向軸36を有する。ラム本体の遠位端32はパンチ38を含む。ラム本体の近位端32は、駆動機構14と結合される。駆動機構14はラム本体30に往復運動をもたらし、ラム本体30はその長手方向軸56に沿って前後に移動する。即ち、ラム本体30は、第1の引き込み位置と、第2の延びた位置との間を往復運動するように構成されている。第1の引き込み位置において、ラム本体30は、ダイパック16から離間している。第2の延びた位置において、ラム本体30は、ダイパック16を通って延びている。従って、往復ラム12は、再絞りスリーブ40を通過し、カップ2を係合して前方へ(図では左へ)向かって進む。カップ2は、再絞りダイ42と、ダイパック16内にある幾つかのしごきダイ(図示せず)とを通って移動する。カップ2は、ダイパック16内で缶ボディ3に変換されてから、そこから取り出される。本明細書で用いられるように、「サイクル」は、ラム12の第1の引き込み位置から始まるラム12のサイクルを意味することが理解される。
【0022】
図2及び図3に示すように、再絞りアセンブリ18は、可動再絞りスリーブ40と再絞りダイ42(図3)とを含む。再絞りダイ42は、再絞りスリーブ40に隣接するダイパック16の内部に配置される。即ち、再絞りダイ42は、ダイパック16における第1ダイである。再絞りダイ42は、中心軸46を有する円形の開口44を有する(図3)。ラムの長手方向軸36は、再絞りダイの中心軸46とほぼ揃えられており、即ち、ほぼ同一線上にある。再絞りダイの円形の開口44は、カップ2よりも小さい直径を有する。カップ2は、再絞りスリーブ40によって、所定の位置にクランプされる。
【0023】
即ち、再絞りスリーブ40は、カップ2の包囲された空間に適合する大きさの外径を有する中空の円管である。再絞りスリーブ40の内径は、ラムボディ30が通過可能な大きさにされている。即ち、ラムボディ30、より具体的にはパンチ38の半径は、カップ2を形成する材料の厚みと略同じ距離だけ、再絞りスリーブ40の内径よりも小さい。即ち、ラムボディ30、より具体的にはパンチ38が再絞りスリーブ40を押し進めるにつれて、カップ2は引き延ばされ、直径はより小さくなる。しかしながら、カップ2の壁の肉厚はほとんど変化しない。
【0024】
再絞りスリーブ40は、第1の位置と第2の位置の間を移動するように構成される。第1の位置では、可動再絞りスリーブ40は再絞りダイ42から離間しており、第2の位置では、可動再絞りスリーブ40は再絞りスリーブ42に隣接している。第2の位置において、再絞りスリーブ40は、カップ2、より具体的にはカップの底を、再絞りダイ42に対して付勢、即ちクランプする。カップ2は更に、カップ2の中央がほぼ再絞りダイの中心軸46上に配置されるように位置づけられる。再絞りスリーブ40は、アクチュエータアセンブリ50によって、第1の位置と第2の位置の間を移動する。
【0025】
図4に示すように、アクチュエータアセンブリ50は、サーボモータ52と、エキセンジャーナルアセンブリ54と、連接棒アセンブリ56とを含む。サーボモータ52は、回転出力シャフト58を含む。サーボモータ52は、サーボモータの出力シャフト58における選択可能な回転速度を実現する。即ち、本明細書で用いられているように、「選択可能な回転速度」とは、サーボモータの出力シャフト58の回転速度が1回転中に変更されてよいこと、より具体的には、サーボモータの出力シャフト58の回転速度が1サイクル中に変更されてよいことを意味する。例えば、サーボモータ52の最高回転速度は約700rpm乃至500rpmであり、最低回転速度は約250rpm乃至50rpmである。別の実施形態では、サーボモータ52の最高回転速度は約540rpmであり、最低回転速度は約125rpmである。サーボモータの出力シャフト58の選択可能な回転速度の利用は、以下に記載される。
【0026】
エキセンジャーナルアセンブリ54は、サーボモータの出力シャフト58に結合されている。より具体的には、キセンジャーナルアセンブリ54は、シャフト60及びエキセンジャーナル62を含む。エキセンジャーナルアセンブリのシャフト60は、回転軸64を有する。エキセンジャーナル62は、略円形であり、それ故に中心66を有する。エキセンジャーナル62は、エキセンジャーナルアセンブリのシャフト60と結合されており、図5に示すように、エキセンジャーナルの中心66は、エキセンジャーナルアセンブリのシャフトの回転軸64から離れている。ジャーナルアセンブリのシャフト60は、支持物68に支持される。即ち、周知のように、支持物68は、ジャーナルアセンブリのシャフト60が延びる開口を含む。ベアリングは、例示的な実施例において、ジャーナルアセンブリのシャフト60と、支持物68との間に配置される。
【0027】
この構成において、エキセンジャーナル62は、エキセンジャーナルアセンブリのシャフトの回転軸64からの最大半径を有する。エキセンジャーナル62の最大半径の位置は、エキセンジャーナルアセンブリのシャフトの回転軸64回りで移動する。即ち、エキセンジャーナル62の最大半径がエキセンジャーナルアセンブリのシャフトの回転軸64の鉛直上方にある形態と、エキセンジャーナル62の最大半径がエキセンジャーナルアセンブリのシャフトの回転軸64の鉛直下方にある形態とが存在する。エキセンジャーナルアセンブリ54は、再絞りスリーブ40から、少なくとも水平方向に離間している。即ち、図6に示すように、エキセンジャーナル62の最大半径が再絞りスリーブ40から最も離れた位置に配置される形態が存在する。本明細書で用いられているように、この位置は、エキセンジャーナルアセンブリの「第1後方位置」である。反対に、図8に示すように、エキセンジャーナル62の最大半径が、再絞りスリーブ40と最も近い位置に配置される形態が存在する。本明細書で用いられているように、この位置は、エキセンジャーナルアセンブリの「第2の前方位置」である。更に、本明細書で用いられているように、エキセンジャーナルアセンブリ54がその「第1の後方位置」にある場合、エキセンジャーナルアセンブリ54は、ある1つの「第1の後方位置」にある。同様に、本明細書で用いられているように、エキセンジャーナルアセンブリ54がその「第2の前方位置」にある場合、エキセンジャーナルアセンブリ54は、ある1つの「第2の前方位置」にある。最後に、図7及び図9に示すように、ジャーナルアセンブリのシャフト60が回転する間、エキセンジャーナル62の最大半径は、ジャーナルアセンブリのシャフト60の下方(図7)又はジャーナルアセンブリのシャフト60の上方(図9)に配置される。
【0028】
図3に示された実施形態において、連接棒アセンブリ56は、第1端72及び第2端74を有する細長い連接棒70を含む。連接棒の第1端72は、ベアリングアセンブリ76を含む。連接棒の第1端のベアリングアセンブリ76は、エキセンジャーナル62と対応する大きさにされた開口78を規定する。即ち、エキセンジャーナル62は、連接棒の第1端のベアリングアセンブリの開口78内に配置されてよい。エキセンジャーナル62が回転すると、バイアスが連接棒の第1端のベアリングアセンブリ76に加えられる。即ち、連接棒の第1端のベアリングアセンブリ76は、エキセンジャーナル62と係合するように構成される。連接棒の第2端、ひいては連接棒70は、再絞りスリーブ40と結合するように構成される。より詳細には、連接棒アセンブリ56は、後述の揺動シャフトアセンブリ80と結合するように構成され、揺動シャフトアセンブリ80は更に、再絞りスリーブ40と結合する。連接棒の第2端74は、以下で説明されるように回転カップリング79を含む。
【0029】
上述のように、ラム12は、再絞りスリーブ40を通って移動する。そのため、アクチュエータアセンブリ50を、ラムの移動進路に沿って配置することはできない。故に、アクチュエータアセンブリ50は、再絞りスリーブ40及び連接棒アセンブリ56の両方に結合された揺動シャフトアセンブリ80を含んでいてよい。連接棒アセンブリ56の動きにより、揺動シャフトアセンブリ80が揺動し、そして、これにより、第1位置と第2位置との間で再絞りスリーブ40が移動する。揺動シャフトアセンブリ80は、ピボットシャフト82、駆動アーム84、ピボットアームアセンブリ86、及びベース88を含む。図2に示すように、エキセンジャーナルアセンブリ54は、ベース88に結合又は直接結合されてよい。ある実施形態において、ベース88は、上方に延びており、離間した2つのフランジ90及びフランジ92を含む(図2)。ピボットシャフト82は、例えば離間したフランジ90とフランジ92の間にてベース88に回転自在に結合される。
【0030】
駆動アームについて説明する前に、本明細書で使用されているように、「回転カップリング」は「回転カップリングアセンブリ」の1つの要素であることに留意のこと。本明細書で使用されているように、「回転カップリングアセンブリ」は、構成要素を回転可能に結合することを可能にするアセンブリである。例えば、「回転カップリングアセンブリ」は、円形の開口を規定する1つの構成要素と、円棒状のもう1つの構成要素とを含んでいてよい。円棒が円形の開口に配置されると、当該2つの構成要素は回転可能に結合される。図に示すように、「回転カップリング」は、円形の開口と円棒の何れかを規定する構成要素である。しかしながら、これら構成要素の位置は反対であってもよく、それでもやはり「回転カップリングアセンブリ」を生じることは理解される。従って、以下では、「回転カップリングアセンブリ」の要素は、特定の構成要素の形状を特定せずとも「回転カップリング」として認められるべきである。
【0031】
駆動アーム84は、第1の近位端100と第2の遠位端102とを含む。駆動アームの第1端100は、ピボットシャフト82に結合され、ある実施形態においては、ピボットシャフト82に固定される。駆動アームの第2端102は、回転カップリング104を有する。駆動アームの第2端の回転カップリング104は、連接棒の第2端の回転カップリング79と、回転可能に結合される。図示されているように、ある実施形態では、駆動アーム84は、ピボットアームアセンブリ86のほぼ反対側にて、ピボットシャフト82の下側に結合される。
【0032】
図2及び図3に示すように、ピボットアームアセンブリ86は、ピボットシャフト82の頂部付近に配置される。ピボットアームアセンブリ86は、図示されているように、少なくとも第1の細長いピボットアーム112と第2のピボットアーム114とを含む。第1ピボットアーム112及び第2ピボットアーム114がヨークを形成することは、以下に説明される。第1ピボットアームは、第1端116及び第2端118を有する。第2ピボットアーム114は、第1端117及び第2端119を有する。各ピボットアームの第1端116及び第1端117は、夫々、ピボットシャフト82に結合しており、ある実施形態においては、ピボットシャフト82に固定される。ピボットアーム112及びピボットアーム114は、夫々、略上方に延びる。各ピボットアームの第2端118及び第2端119は、夫々、回転カップリング130及び回転カップリング132を含む。ピボットアームの第2端の回転カップリング130と回転カップリング132の各々は、可動再絞りスリーブ40に結合されるように構成される。
【0033】
組み立てられると、サーボモータの出力シャフト58は、エキセンジャーナルアセンブリのシャフト60と結合し、ある実施形態では、エキセンジャーナルアセンブリのシャフト60に固定される。従って、エキセンジャーナルアセンブリのシャフト60は、サーボモータの出力シャフト58と同じ速度で回転する。エキセンジャーナルアセンブリのシャフト60が回転することによって、エキセンジャーナル62は、第1の後方位置及び第2の前方位置を経由して回転する。連接棒の第1端のベアリングアセンブリ76は、エキセンジャーナル62の周囲に配置され、連接棒70は、揺動シャフトアセンブリ80に向かって延びる。連接棒の第2端74、より具体的には連接棒の第2端の回転カップリング79は、駆動アームの第2端102、より具体的には駆動アーム第2端の回転カップリング104に回転可能に結合される。
【0034】
この機器構成において、サーボモータの出力シャフト58の回転によって、エキセンジャーナル62は、第1の後方位置及び第2の前方位置を経由して回転する。オフセットされたエキセンジャーナル62のこの移動によって、連接棒70は、エキセンジャーナルアセンブリの第1位置及び第2位置に対応する、第1の後方位置と第2の前方位置との間を移動する。即ち、連接棒70は、揺動シャフトアセンブリ80及び再絞りスリーブ40に近接するか、離間するように配置される。より具体的には、エキセンジャーナル62が第1の後方位置から第2の前方位置に向かって移動すると、連接棒70は、揺動シャフトアセンブリ80及び再絞りスリーブ40に向かって移動する。エキセンジャーナル62が第2の前方位置から第1の後方位置へと移動すると、連接棒70は、揺動シャフトアセンブリ80及び再絞りスリーブ40から離れる。上述のように、エキセンジャーナル62は、エキセンジャーナルアセンブリのシャフト60の上方又は下方に配置されてよい。連接棒70が揺動シャフトアセンブリ80に向かって延びているので、エキセンジャーナル62の垂直方向へのオフセットにより、連接棒の第1端72が垂直方向に移動するが、揺動シャフトアセンブリ80及び再絞りスリーブ40に対する連接棒70の位置にはあまり影響を与えない。
【0035】
連接棒70が揺動シャフトアセンブリ80に対して接近又は離間すると、ピボットシャフト82は、第1位置と第2位置の間で移動、より具体的には揺動する。故に、上方に延びる第1ピボットアーム112及び第2ピボットアーム114は、第1の後方位置と第2の前方位置との間で揺動する。第1ピボットアーム112及び第2ピボットアーム114の第1位置及び第2位置は、エキセンジャーナル62の第1位置及び第2位置に夫々対応する。即ち、エキセンジャーナル62が第1位置にある場合、第1ピボットアーム112及び第2ピボットアーム114は第1位置にあり、エキセンジャーナル62が第2位置にある場合、第1ピボットアーム112及び第2ピボットアーム114は第2位置にある。故に、第1ピボットアーム112及び第2ピボットアーム114は通常、サーボモータ52の速度に応じた速度で前後に移動する。
【0036】
第1ピボットアーム112及び第2ピボットアーム114は、再絞りスリーブ40に結合される。従って、再絞りスリーブ40は通常、サーボモータ52の速度に応じた速度で前後に移動する。即ち、再絞りスリーブ40は、サーボモータ52の速度に応じた速度で、第1位置と第2位置の間を移動する。上述のように、再絞りスリーブ40は、カップ2をクランプしている間、第2の前方位置にあればよい。即ち、再絞りスリーブ40は、ラム12が通過すると直ぐに、第1の後方位置に移動するのが望ましい。しかしながら、再絞りスリーブ40は、新たなカップ2がダイパック16の前方に配置されると直ぐに、第2の前方位置に移動しなければならない。これを実現するために、サーボモータ52は、サイクルの異なる部分において異なる速度で作動しなければならない。一般に、再絞りスリーブ40、ひいてはエキセンジャーナル62は、第1の後方位置から第2の前方位置の間を移動するときは速く、第2の前方位置から第1の後方位置の間を移動するときはゆっくりと移動する必要がある。
【0037】
サーボモータ52の速度の変化は、ある実施形態においては、エキセンジャーナル62が第1位置又は第2位置に入る直前に起こる。即ち、エキセンジャーナル62は、第1の後方位置に入る直前に、「加速位置」に配置される。本明細書で使用されているように、「加速位置」とは、エキセンジャーナル62がちょうど加速を開始する位置である。加速位置の正確な場所は、カップ2のサイズ、ラム12のストロークの長さ、パンチ38の直径、再絞りダイ42に対するパンチ38の引き込み位置、及び、カップ2が所定の位置に送り込まれる速度などの様々な要因に応じて異なるが、これらに限定されない。更に、エキセンジャーナル62は、第2の前方位置に入る直前に、「減速位置」に配置される。本明細書で使用されているように、「減速位置」とは、エキセンジャーナル62がちょうど減速を開始する位置である。減速位置の正確な場所もまた、先に記載されたような要因に応じて異なる。サーボモータ52の速度を選択することによって、再絞りスリーブ40の位置決めのタイミングは、ラム12の各々のサイクルについて再絞りスリーブ40が適切な位置へと移動するように設定されてよい。
【0038】
上述のように、ラム12が再絞りスリーブ40を通過し、クランプされたカップを係合すると、再絞りスリーブ40は、前方位置において停止しなければならない。アクチュエータアセンブリ50の構成要素は一定の大きさを有しており、既存のサーボモータ52の停止及び起動が充分に迅速に行われない可能性があるため、ある実施形態においては、再絞りスリーブ40は、沈胴式再絞りスリーブ140である。沈胴式再絞りスリーブ140は、固定スライドハウジング142及び沈胴再絞りシリンダ144を含む。沈胴式再絞りシリンダ144は、固定スライドハウジング142に摺動自在に配置されており、第1の引き込み位置と第2の延びた位置との間を移動するように構成される。更に、沈胴式再絞りシリンダ144は、第1の延びた形態と、第2の沈胴形態との間で変化するように構成される。
【0039】
作動中、沈胴式再絞りスリーブ140が前方位置へ向かって移動すると、沈胴式再絞りスリーブ140は、エキセンジャーナル62が第2の前方位置へ到達する直前に、カップ2を係合、即ちクランプする。エキセンジャーナル62が第2の前方位置へ移動すると、沈胴式再絞りシリンダ144は沈胴する。即ち、沈胴式再絞りシリンダ144は、第1の延びた形態から第2の沈胴形態に変化する。エキセンジャーナル62が第2の前方位置を過ぎて移動すると、沈胴式再絞りシリンダ144は、第2の沈胴形態から第1の延びた形態に変化する。換言すると、沈胴式再絞りシリンダ144は、第1の延びた形態から第2の沈胴形態へと変化し、次いで、第2の沈胴形態から第1の延びた形態へと変化し、第2の延びた位置にあるように構成される。故に、エキセンジャーナル62が第2の前方位置に置かれる前、置かれている間、置かれた後において、カップ2は再絞りダイ42に対してクランプされたままである。従って、この機器構成は、アクチュエータアセンブリ50の剛性構成要素が動き続ける間に、沈胴式再絞りスリーブ140がカップ2をクランプする停止時間を生み出す。沈胴式再絞りシリンダ144の例は、米国特許第4,581,915に開示されている。
【0040】
発明の具体的な実施形態が詳細に説明されてきたが、本開示の全体的な教示に照らしてそれらの詳細に対する様々な修正と代替がなされ得ることが当業者には理解されるであろう。従って、開示された特定の構成は、例示であるようにのみ意図されており、添付の特許請求の範囲と、その任意且つ全ての均等物の全範囲として与えられる本発明の範囲とに対する限定ではない。
図1
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