(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
たばこ等の物品を包む内部シートによる内部パッケージと、前記内部パッケージを包む外部シートによる外部パッケージと、前記外部パッケージを封かんする封かん紙と、を有し、
前記内部パッケージは、内部天面と、内部底面と、内部正面と、内部背面と、内部左側面と、内部右側面と、を有し、
前記外部パッケージは、前記内部天面に対応する外部天面と、前記内部底面に対応する外部底面と、前記内部正面に対応する外部正面と、前記内部背面に対応する外部背面と、前記内部左側面に対応する外部左側面と、前記内部右側面に対応する外部右側面と、を有し、
前記内部パッケージを構成する前記内部シートは、平面展開状態において、上下両端に位置する一対の内部襟部と、左右両端に位置する一対の内部耳部と、を備え、
前記内部パッケージは、
−平面展開状態における前記内部シートの上下両端を手前側に向けて上下方向に折りたたみ、前記内部正面において、前記内部シートの上下両端に位置する一対の前記内部襟部を互いに上下に重ね合わせ、合わせ目が横向きに走る内部襟合わせシール部分を形成し、
−前記内部シートにおける左右の前記各内部耳部を、前記内部左側面及び前記内部右側面において、それぞれ左側内部折りたたみシール部分及び右側内部折りたたみシール部分が形成されるように折りたたむ、
ことにより構成され、
前記内部パッケージは、前記内部天面における前記内部シートを部分的に切り裂いて前記内部天面の一部を起伏動可能な内部蓋体とすることにより前記内部天面に前記物品を取り出し可能な第1物品取り出し口を形成可能とする、開封ひもを有し、前記開封ひもの自由端としての先端部分は前記内部シートを貫通して前記内部パッケージの外部に露呈させられており、
前記外部パッケージを構成する前記外部シートは、平面展開状態において、左右両端に位置する一対の外部襟部と、上下両端に位置する一対の外部耳部と、を備え、
前記外部パッケージは、
−平面展開状態における前記外部シートの左右両端を手前側に向けて左右に折りたたみ、前記内部パッケージの前記内部正面上において、前記外部シートの左右両端に位置する一対の前記外部襟部を互いに上下に重ね合わせ、合わせ目が縦向きに走る外部襟合わせシール部分を構成し、
−前記外部シートにおける上下両端の前記各外部耳部を、前記内部パッケージにおける前記内部天面上及び前記内部底面上において、それぞれ外部天面折りたたみシール部分及び外部底面折りたたみシール部分が形成されるように折りたたむ、
ことにより構成され、
前記外部パッケージは、平面展開状態における前記外部シートの内側面に左右両端にわたって貼り付けられた開封テープを有し、前記開封テープは、前記外部正面、前記外部左側面又は前記外部右側面、前記外部背面における前記外部シートを切り裂き可能なものとして、且つ、前記外部シートを部分的に切り裂くことにより前記外部天面の一部を起伏動可能な外部蓋体として、前記外部天面に、前記第1物品取り出し口に連通する、前記物品を取り出し可能な、第2物品取り出し口を形成可能なものとして、構成され、
前記封かん紙は正面部と背面部とそれらを繋ぐ天面部とによって端面がほぼコの字状のものとして構成され、前記封かん紙は前記外部パッケージの対向する前記外部正面と前記外部背面とに前記外部天面を挟んで跨設状態に設けられ、前記内部蓋体及び前記外部蓋体を前記封かん紙の内面と前記外部パッケージの前記外部天面の外面との間に折りたたみ状態に収納封止可能なるように、前記正面部は前記外部正面に接着した接着状態と剥がした剥離状態を任意にとり得るように着脱可能に取り付けられており、
前記封かん紙の前記背面部は、前記外部背面における前記開封テープによる前記外部シートの切り裂き動作を終了させて前記外部蓋体を形成し得るように、前記開封テープの基端側を前記外部シートを介して覆っており、
前記開封ひもは、前記内部パッケージの前記内部天面の内面における、前記内部天面と前記内部左側面とがなす第1の稜線と、前記封かん紙の前記天面部の左側縁部と、により挟まれた領域の、前記内部天面と前記内部正面とがなす第1の稜線の一部に沿った位置と、前記内部天面と前記内部左側面とがなす第2の稜線に沿った位置と、前記内部天面と前記内部背面とがなす第3の稜線の一部に沿った位置と、に連続して設けられたほぼコ字状の部分を備え、
前記開封ひもは、さらに、前記開封ひもによる前記内部シートの切り裂き動作を終了させて前記内部蓋体を形成し得るように、前記封かん紙の前記天面部により、前記内部シート及び前記外部シートを介して覆われた、基部を備えている、
たばこ等の物品の包装体。
前記開封ひもの前記先端部分は、前記外部パッケージにおける前記外部シートを気密状態に貫通して前記外部パッケージの外部に露呈していることを特徴とする請求項1に記載のたばこ等の物品の包装体。
前記内部パッケージを包装する中間パッケージをさらに有し、前記中間パッケージは、中間シートにより、上方が開放し底面にのみ折りたたみシール部分を有するほぼ容器状に構成され、前記内部パッケージと前記内部パッケージを包装する前記中間パッケージとが前記外部パッケージによって包装されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のたばこ等の物品の包装体。
前記内部シートは紙とアルミニウム箔とを重ね合わせた内包紙であり、前記内部シートは前記紙が内側に、前記アルミニウム箔が外側に、それぞれくるように折りたたまれて前記内部パッケージを構成し、前記外部シートは防湿性のある上包フィルムである、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のたばこ等の物品の包装体。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施形態の包装体としてのソフトパックについて説明する。以下において、ソフトパックにおける各構成要素(構成部材)は、特に記述のない場合は、現行のソフトパックにおけるものと材質を含めて同様の構造を採用することができる。
【0010】
図1は本発明の1つの実施形態としてのソフトパック1における全体的な外観としての外部パッケージ2Aを主体的に示す斜視説明図である。つまり、この
図1においては、理解を容易にするため、実際は上包フィルム2を透かして見えているアルミ紙の内部パッケージ6A(
図2)等については図示していない。即ち、この
図1では、理解を容易にするため、透明なプラスチック等の上包フィルム2による外部パッケージ2A、前記上包フィルム2の裏側に貼り付けられそれを通して透けて見える開封テープ3、及び外部パッケージ2Aに取り付けられる封かん紙5を描いており、実際は外部パッケージ2Aを透かして見えている部材については記載は省略している。
図1には、さらに、一側面における合わせ目が縦に走る襟合わせシール部分2A2と天面2eにおける折りたたみシール部分2A1と、を示している。
【0011】
追って詳しく説明するように、本発明の実施形態によるソフトパック1では、開封テープ3(
図1)と開封ひも4(
図2)を同時に引っ張ることができ、それにより、特に
図13から分かるように、アルミ紙の内包紙(内部シート)6による内部パッケージ6A(
図2)と透明なプラスチック等の上包フィルム2による外部パッケージ2A(
図2)の両方が同時に切り裂かれ、内部パッケージ6A及び外部パッケージ2Aのそれぞれにたばこ取り出し口(第1物品取り出し口)6g(
図4)、
2m(第2物品取り出し口)(
図12)が形成され、紙巻きたばこCを露呈させて取り出し可能に構成されている。
【0012】
この実施形態のソフトパック1が既存のソフトパックと異なる点及び優れている点は、追って詳しく説明するが、以下の通りである。封かん紙5が透明なプラスチック等の外部パッケージ2Aの外側に取り付けられていること(
図1)、この封かん紙5は外部パッケージ2Aに対し一端
(背面部5b)を固着し他端
(正面部5a)を着脱可能として前記一端(5b)をヒンジとして前記他端(5a)を起伏動作可能としたこと(
図8、
図14)、アルミ紙の内包紙6による内部パッケージ6Aを切り裂くための開封ひも4(
図3)を備えていること、前記切り裂きを容易とするため内部パッケージ6Aにおいては内包紙6のいわゆる折りたたみシール部分61が天面にこないように折りたたんでいること(
図3)。さらに、本発明の実施形態においては、
図14及び
図15から分かるように、喫煙開始時には、捨てなければならないごみを生じさせなくても良いように、アルミ紙の内包紙6の切り裂いた部分(内部蓋体6e1)と、透明なプラスチック等の上包フィルム2の切り裂いたりあるいはちぎったりした部分(外部2e1)と、開封テープ3と、開封ひも4と、を折りたたんで、封かん紙5と上包フィルム2の天面6eとの間に仕舞い込むという使い方ができるようにしたこと。
【0013】
次に、
図2等を参照しながら本発明の実施形態のソフトパック1についてより詳しく説明する。
【0014】
図2は本発明の実施形態の紙巻きたばこ用ソフトパック1の理解を容易ならしめるためそれの各構成要素を仮想的に分離して示した斜視説明図である。つまり、
図2は、ここに示す各構成要素が
図2に示す如くに分離可能ということを示しているわけではなく、また、
図2から予想されるような順序で組み立てられるということ等を示すものでもない。
図2はあくまでも本発明の実施形態の理解を容易ならしめるために各構成要素を説明するための図である。
【0015】
この
図2にから分かるように、ソフトパック1は、内側から、いわゆる一般に銀紙と呼ばれているアルミ紙の内包紙(内部シート)6により構成される紙巻きたばこCを包装する内部パッケージ6Aと、包か紙(中間シート)9により構成される上方の開放した容器状の中間パッケージ9Aと、この中間パッケージ9Aの形状保持のための、いわゆる封かん紙と同様にコの字状をした、形状保持体としての内部封かん紙9Bと、透明なプラスチック等の上包フィルム(外部シート)2により構成される外部パッケージ2Aと、外部パッケージ2Aの外側に付設された紙の封かん紙5と、を有する。
【0016】
次に、先ず、アルミ紙による内部パッケージ6Aについて説明する。
【0017】
図3は、この内部パッケージ6Aの斜視説明図である。この内部パッケージ6Aを構成する内包紙6の平面展開説明図は
図7に示される。
図7の内包紙6を折りたたむことにより
図3の内部パッケージ6Aが得られる。この内部パッケージ6Aにおいては、襟合わせシール部分62は側面6aに2つの端部(襟)を上下に重ね合わせたように合わせ目が横向きに走るように現れ、折りたたみシール部分61は2つの端部(耳部62c、62d)を重ね合わせたように側面6b、6dに現れ、合わせ目は縦方向に走る。この際周知技術のように内包紙6は当然内側が紙となり、外側がアルミニウム箔となるように折りたたまれる。より詳しくは、
図7の内包紙6の上襟部62aと下襟部62bとが上下に襟合わせシールされて横方向に走る襟合わせシール部分62(
図3)が形成される。次いで、内包紙6の左右の耳部62c、62dが折り曲げられシールされて折りたたみシール部分61、61が形成される。この
図7には紙巻きたばこCを参考的に表示している。
図7においては、一般の折り紙の規則と同様に、点線は谷折りを示し、一点鎖線は山折りを示す。つまり、紙巻きたばこCを内包紙6に対して
図7に示すような向きに配して包装することにより、
図3の内部パッケージ6Aが得られる。
【0018】
この
図3から分かるように、本発明の実施形態では、内部パッケージ6Aの折りたたみシール部分61は、従来のソフトパックにおけるものとは異なり、横向きに対向する一対の側面6b、6dに現れ、上下に対向する天面6eと底面6fには現れないようにしている。つまり、本発明の実施形態では、後述するように開封ひも4による内包紙6の切り裂きを容易とすべく、天面6eに折りたたみシール部分61が現れないようにしている。これを実現するため、内包紙6に対し紙巻きたばこCを
図7に示すように配置して包装するようにしている。これにより、内部パッケージ6Aの天面6eにはアルミ紙の内包紙6の重なり合った部分が形成されることはなく、開封ひも4にによってより小さな力で容易に切り裂くことができる。
【0019】
因みに、既存の内包紙と紙巻きたばこCとの位置関係の一例は
図6に示される。つまり、
図6は従来の内包紙の展開説明図を示している。
図6のように紙巻きたばこCを内包紙106に配置して包装すると、折りたたみシール部分が内部パッケージの上下に、つまり、天面と底面にきて、開封ひも4による開封がしにくくなるのは避けられない。本発明の実施形態ではこれを回避するようにしている。
図6において、106a、106bは折りたたみシール部分となる上耳部及び下耳部を、106c、106dは襟合わせシール部分となる向かって左の第1襟部及び向かって右の第2襟部を示している。
【0020】
再び
図7に戻り説明するに、内包紙6の内側面(紙)には、前記開封ひも4が所望の接着剤で、
図3の状態において開封ひも4を引っ張ることにより切り裂きやすいように、貼り付けられている(
図5(b))。開封時に把持すべき自由端としての先端部分4aは、内側面(紙)及び外側面(アルミニウム箔)を貫通して
図7に示すように内包紙6の裏面側に突出、露呈させている。つまり、開封ひも4の先端部分4aを、
図3から分かるように、内包紙6を貫通させ、内部パッケージ6Aの外部に、露呈させている。なお、この開封ひも4の先端(先端部分4a)は、後述するように、好ましくは、開封テープ3の先端(把持部3a)と連結される。アルミ紙の内包紙6の内面に接着されたこの開封ひも4の全体の一斜視図は
図5(a)に示される。
図5(b)は
図5(a)のb−b線に沿って切断した端面の一部を示し、ここには、開封ひも4と内包紙6との接着構造が示される。この
図5(b)から分かるように、開封ひも4は内包紙6に対して、内包紙6の切り裂きが容易となるように少量の接着剤21で接着されている。つまり、未開封の内部パッケージ6Aを示す
図3において、この開封ひも4の先端部分4aを張ると、
図4から分かるように、アルミ紙の内包紙6による内部パッケージ6Aの天面6eの一部が開封ひも4に沿って蓋体(内部蓋体)6e1を形成しつつ容易に切り裂かれ、たばこ取り出し口6gが形成されて、紙巻きたばこCのフィルタの上部切り口が露呈する。つまり、天面6eにその一部が起伏動可能な前記蓋体6e1として形成される。なお、
図3においては、視覚的に理解を容易にするために、開封ひも4は、内部パッケージ6Aの天面と3つの6e側面6a、6b、6cとがなすの3つの稜線6h、6i、6j(第1稜線)に対しやや隙間をもった位置に形成されているが、実際には前記隙間がほとんどない位置に、つまり、これらの稜線6h、6i、6jのぎりぎりの位置に形成することもできる。
【0021】
上述したところから分かるように、アルミ紙の内包紙6を内部パッケージ6Aの天面6eに折りたたみシール部分がこないように折りたたむようにし、且つ、天面6e部分に開封ひも4を貼り付けたため、先にも述べたが、開封ひも4による内包紙6の天面6eの切り裂き動作を抵抗が少なく容易に行うことができる。
【0022】
なお、
図4の状態において、開封ひも4は、それを矢印ARの方向に引っ張れば、内包紙6(内部パッケージ6A)から、抜ける(引き抜くことができる)ようにしている。即ち、
図5における開封ひもの内包紙6への取り付け状態は、
図4において開封ひも4を矢印AR方向に引っ張るとその基部4cが内部パッケージ6A(内包紙6)から抜ける状態としている。この状態においては、内部パッケージ6Aの天面の一部(蓋体6e1)は、先にも簡単に述べたが、封かん紙5と上包フィルム2の天面6eとの間に仕舞い込むように収納することもでき、また手でちぎって捨てることもできる。
【0023】
図2から分かるように、このように構成した前記内部パッケージ6Aは、包か紙(中間シート)9による中間パッケージ9Aで包装される。この中間パッケージ9Aは、包か紙の折りたたみシール部分を下面のみに有し、上方が開放されたいわゆる容器状の紙の箱としての形態を採る。さらに、中間パッケージ9Aは、内部パッケージ6Aを収納した状態において、開放された天面部分に、その天面部分を覆う内部封かん紙9Bが取り付けられる。つまり、内部封かん紙9Bの一対の側面部9Ba、9Bbが中間パッケージ9Aの一対の側面部9a、9bの上方部分に取り付けられる。この内部封かん紙9Bにより中間パッケージ9Aの形状が、たとえ紙巻きたばこCの本数が減ってきても、適正に保たれることになる。
【0024】
次に、
図2の封かん紙5について説明する。
【0025】
この封かん紙5は
図8(a)、(b)により詳しい斜視説明図と平面展開説明図が示される。つまり、この封かん紙5は、
図8(a)から分かるように、ほぼコの字状に曲げられており、外部パッケージ2Aを厚さ方向に跨いて対向する一対の側面部5a、5bと、それらを繋ぐ天面部5cとを有するものとして構成されている。この封かん紙5は、平面的に展開して内面側から見た
図8(b)からわかるように、一方の側面部5aの裏面に複数回接着、剥離を繰り返すことが可能な粘着テープ(又は粘着剤層)5dが付設されている。他方の側面部5bは上包フィルム2による外部パッケージ2Aおける側面2cに固着される。つまり、
図13、
図14から分かるように、封かん紙5は、他方の側面部5bが上包フィルム2の側面(固着側側面)2cに固着され、一方の側面部5aが上包フィルム2の側面(着脱側側面)2aに対し複数回接着と剥離を繰り返し得るようにされている。
【0026】
次に、
図2の透明なプラスチック等の上包フィルム(外部シート)2の外部パッケージ2Aについて説明する。
【0027】
この外部パッケージ2Aの平面展開説明図は
図9に示される。この
図9においても、点線は谷折りを、一点鎖線は山折りを示している。
図9の上包フィルム2を折りたたむことにより
図10及び
図11の外部パッケージ2Aが得られる。つまり、
図9において、上包フィルム2の向かって左の第1襟部2iと向かって右の第2襟部2jをいわゆる左襟合わせしてシールすることにより合わせ目が縦に走る襟合わせシール部分2A2(
図10)が形成され、上下の耳部2g、2hを折りたたむことにより折りたたみシール部分2A1、2A1(
図10)が形成される。
【0028】
展開状態の
図9から分かるように、上包フィルム2の表面(内面)には、別体の長尺な開封テープ3が接着されている。この開封テープ3は現在種々のプラスチック等の包装体フィルムを開封するために使われている周知のものである。この開封テープ3は先端に舌片状の把持部3aを有する。この把持部3aは上包フィルム2の
図9中左端の第1襟部2iから左方へ突出している。
図10の外部パッケージ2Aにおいて、この開封テープ3における把持部3aを
図10中左方向に引っ張ると、前記開封テープ3の縁2kに沿って上包フィルム2が切り裂かれる。つまり、この切り裂き動作は、
図10では、上包フィルム2をいわゆる左前に襟合わせしているので、右回りに行われる。つまり、開封テープ3は、外部パッケージ2Aにおける天面2eと側面2a、2b、2c、2dがなす稜線3h、3i、3j、3kの近傍を部分的に切り裂くことが可能であるが、通常の開封動作としての途中まで切り裂いた状態が
図12に示される。
【0029】
上述の
図9の上包フィルム2を折りたたむことにより
図10、
図11に示す外部パッケージ2Aが得られる。つまり、この外部パッケージ2Aは、その側面2a、2bを手前側にした斜視説明図が
図10に、側面2b、2cを手前側とした斜視説明図が
図11にそれぞれ示される。
図10及び
図11から分かるように、この外部パッケージ2Aは、4つの側面2a、2b、2c、2d、天面2e、底面2fの6面を有するものとして構成されている。外部パッケージ2Aにおいてはその側面2a、側面2b、側面2c、側面2dを周回するように開封テープ3が位置することになる。特に、
図10から分かるように、開封テープ3は、先端部分(把持部)3aが側面2aに位置する。この開封テープ3は喫煙者が把持部3aを引っ張ることによりその縁2kに沿って上包フィルム2を切り裂くことになる。さらに、既存のように、前記開封テープ3としては印刷により色付きのものとして、開封動作時の視覚的な案内を行わせる物を採用することもできる。
【0030】
つまり、
図10の外部パッケージ2Aの未開封の状態において、従来と同様に、把持部3aを指でつまんで右回りに引っ張ると、開封テープ3は、上包フィルム2の側面2a、2b、2cを連続的に切り裂きながら右回りに回動し、やがて中間部分3b(
図12)に至る。この中間部分3bのすぐ後方には前記封かん紙5が位置することになるため、普通の力で引っ張っている時には、指に大きな抵抗を感じ、開封テープ3の切り裂き動作を容易に止めることができる。この状態においては、
図12から分かるように、開封テープ3は基端側が上包フィルム2にくっついたままの状態となり、外部パッケージ2Aから外れることはない。なお、この
図11、
図12では理解を容易とするため前記封かん紙5は示していない。この切り裂き動作によって、上包フィルム2による外部パッケージ2Aの天面2eの一部が内部蓋体6e1として切り離されて、たばこ取り出し口2gが開口される。この外部蓋体2e1は、
図14から分かるように、残存側をヒンジとして持ち上げ持ち下げの起伏動作をさせることができる。なお、
図14のように封かん紙5を持ち上げた状態においては、
図12から分かるように前記
開封テープ3を終端部3cまで開封動作させることができる。この終端部3cのところで開封動作を止めれば、開封テープ3を上包フィルム2にくっついたままの状態とでき、さらに強く引っ張れば開封テープ3を上包フィルム2から切り離して、外部パッケージ2Aの天面部分を全部取り外すことができる。
【0031】
このように構成した外部パッケージ2Aで、前記内部パッケージ6Aを包装した前記中間パッケージ9Aを包装する。この際、任意の手段で、前記開封テープ3の先端部分9aを、外部パッケージ2Aの上包フィルム2を貫通させ、先端部分9aを外部パッケージ2Aの外部に気密状態に引き出しておく。
【0032】
また、外部パッケージ2Aの内部に前記内部パッケージ6Aの開封ひも4をその先端部分9aも含めて気密状態に閉じ込めるように包装することもできる。この場合には、簡単な構造で、外部パッケージ2Aが内部パッケージ6Aを完全な防湿状態にパックできることになる。この実施形態の場合には、前記先端部分9aを前記開封テープ3の開封開始部分の近傍に位置させておき、喫煙時には、前記開封テープ3を少し開封し、その状態で前記開封ひも4の先端部分4aを引き出し、この先端部分4aを前記開封テープ3と共に引っ張ることができるようにすればよい。
【0033】
以上には、内部パッケージ6Aにおける開封動作と、外部パッケージ2Aにおける開封動作とを、別々に説明したが、実際は
図13等から分かるように、それらの動作は同時に行われる。よって、この実際の開封動作を以下に説明する。
【0034】
即ち、前に述べたように、
図13から分かるように、開封テープ3の把持部3aと、開封ひも4の先端部分4aとは、互いに接着されている。このため、把持部3aを引っ張ると、両者は同時に引っ張られる。これにより、
図13に示すように、内部パッケージ6Aの切り裂き動作と、外部パッケージ2Aの切り裂き動作が、同時に行われ、内部蓋体6e1と外部蓋体2e1とがそれぞれ内部パッケージ6A、外部パッケージ2Aから部分的に切り離される。この後、
図14に示すように封かん紙5の側面部5aを外部パッケージ2Aから剥がして立ち上げ、この後、
図15から分かるように、内部蓋体6e1、外部蓋体2e1、開封ひも4及び開封テープ3を折りたたんで封かん紙5と外部パッケージ2Aの天面6eとの間に収納し、再度封かん紙5を立ち下げて外部パッケージ2Aの側面2aに封止する。これにより、喫煙開始時に、ごみ片を一切出すことなく、紙巻きたばこCをソフトパック1から取り出し得る状態とすることができる。
【0035】
以上には、
図12から分かるように、開封テープ3を途中の中間部分3bまで開封した場合について説明したが、開封テープ3を
図14の終端部3cまで開封して、外部パッケージ2Aの天面6eを完全に切り取ることもできる。この場合には、内部パッケージ6Aの内部蓋体6e1を封かん紙5と内部封かん紙9Bとの間に挟み込むという使い方をすれば良い。
【0036】
上述したところから分かるように、本発明の実施形態によれば、透明なプラスチック等のフィルムによる外部パッケージ2Aの天面部分は、開封テープ3により、部分的に切り裂いて封かん紙5の下にたたみ込むことも、完全に切り取ることもできる。また、アルミ紙による内部パッケージ6Aの天面部分は、開封テープ3により部分的に切り裂いて封かん紙5の下にたたみ込むことも、途中まで開封テープ3により切り裂きその後手で完全に切り取ることもできる。而して、一般に喫煙者は種々の開封形態でソフトパックを開封している。しかるに、上述したところから分かるように、本発明の実施形態のたばこ等の包装体によれば、種々の開封形態を採ることが出来る。このため、本発明の実施形態によれば、各種の喫煙者に対して汎用性を高いソフトパックを提供することができる。