特許第6457033号(P6457033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6457033組織厚さ測定用の再使用可能な直線状ステープラーカートリッジ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6457033
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】組織厚さ測定用の再使用可能な直線状ステープラーカートリッジ装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20190110BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】3
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-157535(P2017-157535)
(22)【出願日】2017年8月17日
(62)【分割の表示】特願2014-545960(P2014-545960)の分割
【原出願日】2012年12月3日
(65)【公開番号】特開2017-200634(P2017-200634A)
(43)【公開日】2017年11月9日
【審査請求日】2017年8月17日
(31)【優先権主張番号】13/313,215
(32)【優先日】2011年12月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バスデバン・ベンカタラマナン・マンダコラトゥール
(72)【発明者】
【氏名】ホール・スティーブン・ジー
【審査官】 中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−203073(JP,A)
【文献】 特開2009−189830(JP,A)
【文献】 特開2008−272457(JP,A)
【文献】 特開2009−291611(JP,A)
【文献】 特開2006−334417(JP,A)
【文献】 特開2006−320720(JP,A)
【文献】 特表2005−523105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)近位端及び遠位端を有する、本体と、
(b)機械的ゲージ組立体及び測定値表示スケールを含み、前記機械的ゲージ組立体は第2ピンを備える、取り外し可能なインサートと、
(c)前記本体の前記遠位端に位置付けられたエンドエフェクタであって、前記本体の前記近位端に対面する遠位の内部表面を有し、前記取り外し可能なインサートを受容するように構成される、エンドエフェクタと、
(d)前記取り外し可能なインサートが前記エンドエフェクタに受容されたとき、前記エンドエフェクタ及び前記取り外し可能なインサートに連通する作動特徴部であって、前記エンドエフェクタの前記遠位の内部表面に向かって遠位側に前記取り外し可能なインサートを所定の位置まで前進させるように構成される、作動特徴部と、を備え、
前記取り外し可能なインサートの前記機械的ゲージ組立体が、前記取り外し可能なインサートと前記エンドエフェクタの前記遠位の内部表面との間に位置付けられた組織の厚さを判定するように構成され、前記測定値表示スケールが、前記判定された組織の厚さを表示するように構成され、
前記機械的ゲージ組立体が、プレートと、前記プレートと前記インサートの受容表面との間に配設される弾性部材と、前記プレートと連通した水平リンク装置と、第1ピンと、枢動リンク装置と、ピボットピンと、前記測定値表示スケール及び前記枢動リンク装置と連通した前記第2ピンと、を備え、
前記プレートが、圧力を印加されると前記弾性部材を圧縮するように構成され、
前記水平リンク装置が、前記プレートに印加された圧力に反応して近位側に前進するように構成され、これによって前記枢動リンク装置が前記ピボットピンを中心にして旋回し、かつ前記第2ピン、前記取り外し可能なインサートと前記エンドエフェクタの前記遠位の内部表面との間に位置付けられた組織の厚さを示すために、前記測定値表示スケールに対して遠位方向にスライドするように構成されており、
前記測定値表示スケールは、前記取り外し可能なインサートの前記近位端から前記遠位端まで値が増大する目盛りを刻んだスケールを備える、外科用器具。
【請求項2】
前記測定値表示スケールが、前記外科用器具から前記取り外し可能なインサートを取り外すと、初期のゼロ圧力値にリセットするように構成される、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記測定値表示スケールが、前記取り外し可能なインサートの前記近位端から前記遠位端まで0.5ごとの増分で値が増大する目盛りを刻んだスケールを備え、前記値が約0〜4.0ミリメートルの範囲である、請求項1に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
いくつかの状況において、外科用器具は、例えば、切断及び/又はステープル留めされる組織における等、所望の手術部位における定置に適した遠位エンドエフェクタを含む。これらの遠位エンドエフェクタは、診断的又は治療的効果(例えば、エンドカッター、把持器具、カッター、ステープラー、クリップアプライヤ、アクセス装置、薬剤/遺伝子治療送達装置、及びエネルギー送達装置を用いた超音波、RF、レーザー等)を達成するためにいくつもの方法で組織に係合することができる。このような外科用器具は、エンドエフェクタと、臨床医によって操作される、ハンドル部分との間にシャフトを含み得る。このようなシャフトは、所望の深さへの挿入及びシャフトの長手方向軸線を中心とした回転を可能にして、これによって患者内でエンドエフェクタの位置決めを容易にする。エンドエフェクタの位置決めは、エンドエフェクタを選択的に関節動作させたり又は別な方法でシャフトの長手方向軸線に対して振れさせることを可能にする、1つ又は2つ以上の関節動作継手又は特徴部を含むことにより更に容易にすることができる。
【0002】
このような外科用器具の実施例は、外科用ステープラーを含む。いくつかのこのようなステープラーは、組織の層をつよくクランプして、組織のクランプされた層を切断して、かつ組織の層を通ってステープルを打ち込んで組織層の切断された端部付近で組織の切断された層を共に実質的に封止するように作動可能である。単に例示の外科用ステープラーは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる1993年12月21日に発行された「Surgical Anastomosis Stapling Instrument with Flexible Support Shaft and Anvil Adjusting Mechanism」と題する米国特許第5,271,543号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる1995年4月11日に発行された「Flexible Support Shaft Assembly」と題する米国特許第5,405,073号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる1995年9月26日に発行された「Surgical Stapling Instrument with Improved Jaw Closure and Staple Firing Actuator Mechanism」と題する米国特許第5,452,836号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる1995年11月14日に発行された「Surgical Stapling Instrument with Articulated Stapling Head Assembly on Rotatable and Flexible Support Shaft」と題する米国特許第5,465,894号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる1997年2月18日に発行された「Surgical Stapling Instrument with Articulated Stapling Head Assembly on Rotatable and Flexible Support Shaft」と題する米国特許第5,603,443号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる1997年2月25日に発行された「Trigger Mechanism for Surgical Instruments」と題する米国特許第5,605,272号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる1997年3月4日に発行された「Surgical Stapling Instrument with Articulated Stapling Head Assembly on Rotatable and Flexible Support Shaft」と題する米国特許第5,607,094号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる1997年12月16日に発行された「Linear Stapler with Improved Firing Stroke」と題する米国特許第5,697,543号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる1998年3月31日に発行された「Surgical Stapling Instrument with Articulated Stapling Head Assembly on Rotatable and Flexible Support Shaft」と題する米国特許第5,732,871号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる2006年1月24日に発行された「Retaining Pin Lever Advancement Mechanism for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第6,988,650号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる2006年11月14日に発行された「Knife Retraction Arm for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,134,587号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる2007年4月17日に発行された「Slotted Pins Guiding Knife in a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,204,404号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる2007年4月24日に発行された「Cartridge with Locking Knife for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,207,472号、及び;その開示が参照により本明細書に組み込まれる2010年8月3日に発行された「Articulating Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,766,207号、に開示されている。
【0003】
外科用器具のために、いくつかのシステム及び方法が作成され、使用されてきたが、本発明の発明者以前に、添付の請求項に述べた発明を作り、又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にその権利を請求する、特許請求の範囲によって完結するが、本技術は、以下の特定の実施例の説明を、添付図面と併せ読むことで、より良好に理解されるものと考えられ、図面では、同様の参照符合は、同じ要素を特定する。
図1】カートリッジハウジング及びカートリッジモジュールを有する直線状外科用ステープラーの斜視図を示す。
図2】カートリッジモジュールを取り外した状態における図1の直線状外科用ステープラーの斜視図を示す。
図3】カートリッジハウジングが中間位置まで移動した状態における図1の直線状外科用ステープラーの斜視図を示す。
図4】カートリッジハウジングが閉鎖位置まで移動した状態における図1の直線状外科用ステープラーの斜視図を示す。
図5】クロージャトリガーがわずかに後退した状態における直線状外科用ステープラーの部分断面図を示す。
図6】クロージャトリガーがほぼ完全に後退した状態における直線状外科用ステープラーの部分断面図を示す。
図7】組織厚さを測定する例示の取り外し可能なカートリッジ装置の側面図を示す。
図8】組織厚さを測定する代替の例示の取り外し可能なカートリッジ装置の側面図を示す。
図9】組織厚さを測定する別の代替の例示の取り外し可能なカートリッジ装置の側面図を示す。
【0005】
図面は、とにかく限定することを意図していない、かつ技術の様々な実施形態が、図面の中に必ずしも示されていないものを含み、多種多様な他の方法で実施されてよいことが想到される。明細書の一部の中に組み込まれている及び明細書の一部を形成している添付図面は、本技術のいくつかの態様を示し、かつ記載と共に、技術の原理を説明する働きをする。しかしながら、この技術は図示される精密な配置に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
技術の特定の実施例の次の記載は、その適用範囲を限定するように用いられるべきでない。この技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、次の記載から当業者にとって明らかになるであろう、これは、実例として、この技術を実施するために想到される最良の態様の1つである。認識されることだが、本明細書で記載されるこの技術は、すべてこの技術から逸脱しないで、他の異なる及び明白な態様を実施可能にさせる。結果的に、図面及び記載は事実上例示的でありかつ制限的でないと見なされるべきである。
【0007】
I.例示の直線状外科用ステープラーの概説
図1〜6は、複数の外科用ファスナーを人体組織に適用するために適応される例示の直線状外科用ステープラー又は外科用器具(20)を示す。外科用器具(20)は、近位端及び遠位端を有するフレームを含み、近位端に位置付けられたハンドル(21)及び遠位端に位置付けられたエンドエフェクタ(80)を有する。エンドエフェクタ(80)は、カートリッジハウジング(121)及びアンビル(122)を支持するように形状及び寸法設定がなされる。カートリッジハウジング(121)及びアンビル(122)は、互いに間近に接近している第1の離間位置(図1)と第2の位置(図4)との間を比較的に移動可能である。器具(20)はまた、エンドエフェクタ(80)に付随する発射組立体及びファスナーの選択的な作動のためのカートリッジハウジング(121)を含む。器具は、アンビル(122)とカートリッジハウジング(121)との間に組織を取り囲むための保持ピン(125)(図3参照)を更に含む。保持ピン(125)は、保持ピン作動組立体(100)の制御の下でカートリッジハウジング(121)に対して移動可能である。保持ピン作動組立体(100)は、保持ピン(125)の手動及び自動両方の前進を容易にするため及び保持ピン(125)の手動後退を要求するためのハンドル(21)に回動自在に連結されたヨーク(111)(図5及び6を参照)を含む。
【0008】
右側及び左側構造用プレート(34、35)は、ハンドル(21)を器具のエンドエフェクタ(80)に連結する(左側構造用板(35)は図1に示されていない)。ハンドル(21)は、左側シュラウド(左側シュラウドは図1に示されていない)に結合した右側シュラウド(22)を有する。ハンドル(21)はまた、外科用器具(20)を把持しかつ操作する本体部分(23)を有する(図2〜4を参照)。
【0009】
エンドエフェクタ(80)は、本実施例では湾曲している一方で、エンドエフェクタ(80)はあるいは直線であってもよい若しくは本明細書に引用された参考文献のいずれかに従って教示されたような別の形状を有してもよい。エンドエフェクタ(80)は、カートリッジモジュール(120)(図2参照)及びC字状支持構造体(81)を含む外科用締結組立体である。支持構造体(81)は、あるいは本明細書中の教示を鑑みて当業者にとって明らかなような別の形状であってもよい。これによって、支持構造体(81)は、対応する代替形状のカートリッジモジュール(120)を受容するように構成される。クロージャ部材(28)の遠位端(30)はカートリッジモジュール(120)に係合するように配設される。
【0010】
カートリッジモジュール(120)は、アンビル(122)に結合したカートリッジハウジング(121)を収めている。カートリッジモジュール(120)はまた、保持ピン(125)(図3参照)、ナイフ(図示せず)、取り外し可能なリテーナ(160)(図2参照)、ナイフのいずれかの側の1つ又は2つ以上の列(即ち、ステープル線)においてジグザグ状編成にある複数のステープル内蔵スロット(128)を含む組織接触面(127)(図1参照)を含む。ステープル(図示せず)は、カートリッジハウジング(121)からカートリッジハウジング(121)の組織接触表面(127)に対面するアンビル(122)のステープル形成表面に対して発射される。
【0011】
ショルダリベット(82)は、エンドエフェクタ(80)の支持構造体(81)から延在する。支持構造体(81)は、ポスト(83)によって右及び左構造用プレート(34、35)にそれぞれ取り付けられる。ポスト(83)は、構造用プレート(34、35)によって画定される受容穴内に受容のために支持構造体(81)から延出する。単に例として、支持構造体(81)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2006年1月24日に発行された「Retaining Pin Lever Advancement Mechanism for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第6,988,650号の教示に従って構成され得る。
【0012】
外科用器具(20)のハンドル(21)は、外科医が手のひらで掴むハンドグリップ(24)を含む(図2参照)。ハンドグリップ(24)は、右側シュラウドハンドル(25)(図1参照)及び左側シュラウドハンドル(左側シュラウドハンドルは図1に示されていない)から構成される。クロージャトリガー(26)及び発射トリガー(27)は、ハンドル(21)の下面から枢動可能に延在する。図1に例示された外科用器具(20)は、非作動位置にある対応のクロージャトリガー及び発射トリガー(26、27)、挿入されたカートリッジモジュール(120)並びに取り除かれたリテーナ(160)(参照図2)とともに示される。その結果、カートリッジハウジング(121)は、カートリッジハウジング(121)とアンビル(122)との間に組織を定置するためにアンビル(122)から離間配置されている。
【0013】
外科用器具(20)のハンドル(21)は、組織保持ピン作動組立体(100)を収めている。保持ピン(125)は、保持ピン(125)をカートリッジハウジング(121)を通ってかつアンビル(122)内へ進入させ、これによって組織を捕捉するための保持ピン作動組立体(100)に関連付けられている。単に例として、保持ピン(125)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,988,650号の教示に従って構成されかつ作動可能である。組織保持ピン作動組立体(100)は、後述するように、ハンドル(21)の上面に位置付けられていてかつプッシュロッド(102)と連通しているサドル状の摺動部(101)を含む。摺動部(101)の手動移動は、結果的にプッシュロッド(102)の遠位の移動をもたらす。プッシュロッド(102)は、カップラー(図示せず)を介してカートリッジモジュール(120)の保持ピン(125)に結合される。プッシュロッド(102)の遠位の移動又は近位の後退は、結果的に保持ピン(125)の対応する長手方向移動をもたらす。特に、図5及び図6に示されるように、摺動部(101)はハンドル(21)内のスロット(105)(図2参照)を通ってプッシュロッドドライバ(104)から外向きに延在するポスト(103)に連結されている。プッシュロッドドライバ(104)は、スロット(105)によって外科用器具(20)の長軸に沿った長手方向移動に対して拘束される。プッシュロッドドライバ(104)は、プッシュロッドドライバ(104)のスロット内にスナップするプッシュロッド(102)上の円周方向溝によってプッシュロッド(102)に連結されている。プッシュロッド(102)の遠位端は、カートリッジモジュール(120)のカップラー(図示せず)の近位端における溝と相互連結する円周方向溝を収容する。カップラーの遠位端は、保持ピン(125)上の円周方向スロットと相互連結するための溝を収容する。
【0014】
図1及び図2に示されるように、外科用器具(20)は、概してU字状断面を有する、細長いクロージャ部材(28)を更に含む。クロージャ部材(28)は、ハンドル(21)からエンドエフェクタ(80)の外科用締結組立体内へ延出する。単に例として、クロージャ部材(28)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,988,650号の教示に従って構成され得る。クロージャ部材(28)は、ハンドル(21)内部でクロージャ部材(28)の両側に横方向に延在するポスト(29)(図5参照)を収容する。これらのポスト(29)は、後述するように、保持ピン作動組立体(100)の一部である、ヨーク(111)のL字状スロット(110)に摺動可能に連結する。ヨーク(111)は、ヨーク(111)上のピボットピン(112)によってハンドル(21)に枢動可能に取り付けられている。ヨーク(111)は、プッシュロッドドライバ(104)上のカム表面(114)を押しつけるように位置付けられたカムピン又はポスト(113)を収容する。
【0015】
クロージャ部材(28)の遠位部分は、支持構造体(81)の壁部(84)(図2参照)を通過する。クロージャ部材(28)の遠位端は、カートリッジモジュール(120)のカートリッジハウジング(121)を受容しかつ保持するように配設される。クロージャ部材(28)の中央部分は、右及び左構造用プレート(34、35)それぞれの間に位置付けられている。右及び左側クロージャリンク(36、37)は、それぞれ、第1の一体クロージャリンクピン(38)によって、クロージャ部材(28)の右及び左近位端において枢動可能に取り付けられている。クロージャリンク(36、37)の反対端において、クロージャリンク(36、37)は、第2の一体クロージャリンクピン(39)に枢動可能に取り付けられている。第2の一体クロージャリンクピン(39)は、クロージャリンク(36、37)をスロット付きクロージャアームリンク(40)に連結する。スロット付きクロージャアームリンク(40)は、クロージャトリガーピボットピン(41)において外科用器具(20)の構造用プレート(34、35)に枢動可能に取り付けられている。クロージャトリガー(26)は、ハンドグリップ(24)に向かって及びそこから離れてクロージャトリガーピボットピン(41)を中心に旋回動するためにスロット付きクロージャアームリンク(40)から下降する。ハンドル(21)のハンドグリップ(24)内に収納されるクロージャばね(42)(図5参照)は、スロット付きクロージャアームリンク(40)に固定されて外科医がハンドグリップ(24)に向かってクロージャトリガー(26)を押圧すると所望の抵抗をもたらし、かつ開放位置に向かってクロージャトリガー(26)を付勢させる。
【0016】
保持ピン作動組立体(100)はまた、ハンドル(21)内のクロージャトリガー(26)に解放自在に結合されており、これによって、保持ピン(125)が最遠位位置に手動で未だ移動されていない場合にクロージャトリガー(26)の作動が結果的に保持ピン(125)の自動的な遠位移動をもたらす。特に、器具作動中に、クロージャ部材(28)は、直線状に移動して、保持ピン(125)を前進させるヨーク(111)を回転させる。単に例として、ヨーク(111)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,988,650号の教示に従って構成されかつ作動可能である。ヨーク(111)は、摺動部(101)と連通しておらず、したがってヨーク(111)又は摺動部(101)は、前述したように別々に動作して保持ピン(125)を遠位側に移動させる。
【0017】
単に例として、カートリッジモジュール(120)をエンドエフェクタ(80)内に装填する操作は、その開示が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,988,650号の教示に従って行われてよい。例えば、カートリッジハウジング(121)は、スナップ嵌め連結でクロージャ部材(28)の遠位端に連結しており、これによって、更に後述するように、クロージャ部材(28)が遠位側に前進するときに、リテーナ(160)が取り除かれてしまっていてかつカートリッジハウジング(121)を制限していない場合には取り付けられたカートリッジハウジング(121)は遠位側に前進することになる。図2図4は、カートリッジモジュール(120)が装填されてかつ対応のクロージャ及び発射トリガー(26、27)がハンドグリップ(24)に向かって順次に押圧されて外科用器具(20)のエンドエフェクタ(80)を作動させるときに、なにが起こるかを例示する。外科用器具(20)には、図2に示されるように、カートリッジモジュール(120)が装填され、かつリテーナ(160)が取り除かれる。外科用器具(20)は、図1に示されるように、組織を受容する準備ができている。
【0018】
クロージャトリガー(26)が、図3に示されるように、部分的に押圧されてその第1の戻り止め位置に静止するときに、カートリッジハウジング(121)はその全開放位置から開放位置とクロージャ位置との間の中間位置まで移動する。同時に、組織保持ピン作動組立体(100)は、保持ピン(125)をカートリッジハウジング(121)から遠位側に前方へ移動させてクランプされた組織を突き抜きかつ次いでアンビル(122)内の開口部に入り、よってこの突き抜かれかつクランプされた組織を保持する。この位置において、カートリッジハウジング(121)とアンビル(122)との間に置かれた組織は、正常に位置付けられかつカートリッジハウジング(121)とアンビル(122)との間の組織の保持は保証される。したがって、クロージャトリガー(26)がその中間位置まで作動されたときに、カートリッジハウジング(121)及びアンビル(122)は、それらの組織保持位置に対応して位置付けされる。
【0019】
クロージャトリガー(26)が、図4に例示したように、ハンドグリップ(24)の前方端に隣接するように完全に押圧されるとき、カートリッジハウジング(121)の組織接触面(127)及びアンビル(122)のステープル形成表面は互いに隣接していて、かつ正常に位置付けられかつ保持された組織はその結果として完全にクランプされる。加えて、発射トリガー(27)がハンドグリップ(24)に向かって反時計回りに回転して外科医がステープルの発射のために発射トリガー(27)を把持できるようになる。結果的に、発射トリガー(27)は、外科医がそれを押圧してクランプされた組織を実質的に同時にステープル留めしかつ切断する位置にある。発射トリガー(27)が完全に押圧されてしまってステープルを発射するときに、発射トリガー(27)はクロージャトリガー(26)にきわめて近接して静止する。
【0020】
作動において、クロージャトリガー(26)がハンドグリップ(24)に向かって押圧されるとき、スロット付きクロージャアームリンク(40)、及びクロージャリンク(36)は、発射バー(43)の受容スロット(46)内に遠位側に移動する。単に例として、発射バー(43)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,988,650号の教示に従って構成され得かつ作動可能である。スロット付きクロージャアームリンク(40)及びクロージャリンク(36)が遠位側に移動することにより、クロージャ部材(28)がそれに対応して遠位側に移動させられる。同様に、クロージャリンク(36、37)が取り付けられている、第1のインテグラルクロージャリンクピン(38)(図1参照)が発射バー(43)内の受容スロット(46)を通って延びるために、発射バー(43)がクロージャ部材(28)とともに遠位側に同時に移動する。
【0021】
中間クロージャ戻り止め位置及び作動位置からその元の非作動位置までのクロージャトリガー(26)の解放を規定する組立体について、図5及び図6と併せて図1に関連して説明する。スロット付きのクロージャアームリンク(40)の上面は、中間戻り止め(57)及びクロージャ戻り止め(58)を表示するクランプ滑り面(56)を有する。解放爪(59)は、クランプ滑り面(56)の上を摺動してかつ対応の中間及びクロージャ戻り止め(57,58)に係合することができる。解放爪(59)は、その遠位端において横方向に延在する爪ラグ(60)(図1及び図5参照)を有する。解放爪(59)は、ハンドル(21)内に位置してかつハンドル(21)の外面に位置している解放ボタン(61)に一体的に取り付けられる。解放ボタン(61)は、サムレスト(62)(図5参照)を有し、かつ解放ボタン(61)は、解放トラニオン又はピボット(63)によってハンドル(21)に枢動可能に取り付けられる。解放ボタン(61)は、ハンドル(21)から外向きに付勢される。そこで、解放爪(59)は、解放ばね(64)によってクランプ滑り面(56)に向かって下向きに付勢される。解放ばね(64)は、ばね保持ピン(65)によってハンドル(21)に取り付けられかつボタンばねポスト(66)によって解放ボタン(61)に取り付けられる。スロット付きクロージャアームリンク(40)は、対応の中間及びクロージャ戻り止め(57,58)との間に位置する弓状の陥凹部(67)を有する。回転移動のためにこの弓状の陥凹部(67)の中に着座しているのは、右側トグル(右側トグルは図示せず)に一体的に連結された左側トグル(68)である。各トグル(68)は爪ラグ(60)と係合可能であるトグルアーム(69)を有する。単に例として、爪ラグ(60)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,988,650号の教示に従って構成されかつ作動可能である。
【0022】
図5では、クロージャトリガー(26)は図1に例示されたその開放、非作動位置から部分的に押圧されている。クロージャトリガー(26)が部分的に押圧されるとき、それはハンドグリップ(24)に向かって反時計方向にトリガーピボットピン(41)を中心にして旋回する。クロージャトリガー(26)が旋回するにつれて、スロット付きクロージャアームリンク(40)及びクロージャプレートクロージャリンク(36、37)は遠位側に前方に移動して、その結果としてクロージャ部材(28)及び発射バー(43)が遠位側に移動する。スロット付きクロージャアームリンク(40)が遠位側に移動するにつれて、解放爪(59)の爪ラグ(60)がクランプ滑り表面(56)上で近位側に摺動する。爪ラグ(60)は、トグル(68)のトグルアーム(69)の遠位端に係合する、かつその結果としてトグル(68)を時計回りの方向に旋回させる。スロット付きアームクロージャリンク(40)が、ハンドグリップ(24)に向かってクロージャトリガー(26)の枢動に反応して遠位側に移動し続けると、結局は解放爪(59)の爪ラグ(60)が中間戻り止め(57)内にはまり込むことになる。一旦中間戻り止め(57)に位置付けられると、クロージャばね(42)はクロージャトリガー(26)をそれの元の非作動位置に引き戻すことができない。クロージャトリガー(26)は、ここで、それの中間位置、部分的には閉鎖位置にあり、図5に示されるように、組織をカートリッジハウジング(121)とアンビル(122)との間に正常に位置決めしかつ保持する。加えて、クロージャ部材(28)及び発射バー(43)が遠位側に移動すると、弓状の発射トリガーリンク(51)のアペックス(52)が発射バー(43)の近位端部分に向かって発射バー(43)の滑り面(48)上を摺動する。
【0023】
保持ピン作動組立体(100)は、開放から中間位置までの閉鎖ストローク中に起動される。クロージャ部材(28)の前方移動は、一体ポスト(29)を遠位側に移動させる。ポスト(29)はヨーク(111)のL字状スロット(110)に接触する。したがって、L字状スロット(110)に沿ったポスト(29)の遠位移動は、ヨーク(111)をピン(112)の周りに旋回させる。この回転はヨーク(111)上のベアリングポスト(113)をプッシュロッドドライバ(104)上のカム作用表面(114)と接触させる。ヨーク(111)の更なる回転移動によって、ベアリングポスト(113)はプッシュロッドドライバ(104)を、表面(114)へのカム接触を通じて遠位側に移動させる。プッシュロッドドライバ(104)は、プッシュロッド(102)に接触して、プッシュロッド(102)を遠位側に移動させる。プッシュロッド(102)は、その結果としてカップラー及び保持ピン(125)を遠位側に移動させる。中間戻り止め(57)位置までの閉鎖ストロークの完了によって、結果的に保持ピン(125)がカートリッジハウジング(121)の穴(図示せず)、通り穴(159)を通って遠位側に移動し、ワッシャー(図示せず)及びアンビル(122)並びに支持構造体(81)内の穴(図示せず)の中へ進入する。カートリッジハウジング(121)の組織接触面(127)とアンビル(122)との間に配設された、組織はここで保持ピン(125)とガイドピン(124)との間に閉じ込められる。
【0024】
単に例として、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,988,650号の教示に従ってサドル状の摺動部(101)の手動の遠位移動による閉鎖前にこれと同じ結果を得ることができる。
【0025】
ここで、具体的に図6を参照すると、クロージャトリガー(26)が中間戻り止め(57)位置からハンドグリップ(24)に向かって押圧されるとき、トグル(68)のトグルアーム(69)は爪ラグ(60)から係合解除される。その結果として、トグル(68)が時計回りの方向に回転し続けると、解放爪ラグ(60)はトグルアーム(69)に乗り上がりかつクロージャトリガー(26)の継続運動とともにクロージャ戻り止め(58)内へ落ち込む。解放爪(59)がトグルアーム(69)に乗り上がると、それは解放ボタン(61)をピボット(63)の周りに時計回りの方向に回転させる。開放爪ラグ(60)がクロージャ戻り止め(58)の中へ落ち込むと、それはカチッという可聴音を発生させ、閉鎖位置に到達したことを外科医に警告する。
【0026】
加えて、発射バー(43)が前方に遠位側に移動し続けるにつれて、弓状の発射トリガーリンク(51)のアペックス(52)が発射バー(43)の近位端部分の側部係合表面に接触するようになる。その結果として、発射トリガー(27)は、それが発射バー(43)を遠位側に移動させ、組織が完全にクランプされた後にステープルを発射することができる位置まで移動しつつある。弓状の発射トリガーリンク(51)のアペックス(52)が、発射バー(43)の近位端部分の係合表面と係合するように移動するとき、発射トリガー(27)は、発射トリガー(27)の右手側のトーションばね作用に反応して(トーションばねは図示せず)ハンドグリップ(24)に向かって反時計回りの方向に枢動可能に回転を開始する。発射トリガー(27)は、クロージャトリガー(26)の枢動とは独立して旋回するが、その旋回動は、発射バー(43)が遠位側に移動してしまって発射トリガーリンク(51)が発射バー(43)の端末係合表面と係合可能になるまで阻止される。ステープルの発射は、単に例として、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,988,650号の教示に従って実施されてよい。器具(20)が構成可能でありかつ作動可能である様々な他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みて当業者にとって明らかであろう。
【0027】
II.組織厚さ測定用の例示の取り外し可能なカートリッジ装置
後述する実施例は、直線状外科用ステープラー及び/又は組織厚さを測定する、器具(20)等のカッター器具のエンドエフェクタ部分を有する取り外し可能なカートリッジの連結及び使用に関する。例えば、後述する組織厚さ測定カートリッジは、ハンドル(25)に向かってクロージャトリガー(26)を単純に押圧することによって、カートリッジとショルダリベット(82)の内部表面(204)との間に位置付けられた組織の厚さを測定するのに使用されてよい。以下の教示が器具(20)に組み込まれている様々な好適な方法は、当業者にとって明らかとなるであろう。同様に、以下の教示が本明細書に引用されている参考文献の様々な教示と組み合わされてよい様々な好適な方法が当業者にとって明らかとなるであろう。以下の教示が、本明細書に引用された参考文献で教示された器具(20)又は装置に限定されないこともまた理解されるべきである。以下の教示は、直線状外科用ステープラー器具として分類されないであろう器具をも含み、様々な他の種類の器具に容易に適用されてもよい。以下の教示が適用されてよい様々な他の適した装置及び設定は、本明細書中の教示を鑑みて当業者にとって明らかとなるであろう。
【0028】
A.金属プレート組立体を有する例示の取り外し可能なカートリッジ装置
図7は、器具(20)のエンドエフェクタ(80)の中に受容されるように構成された例示の取り外し可能なカートリッジ装置(200)を示す。例えば、カートリッジ装置(200)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,988,650号の教示に従ってカートリッジモジュール(120)の受容と同様な方法でエンドエフェクタ(80)と結合してよい。本実施例では、カートリッジ装置(200)は、以下に掲げたもの以外のカートリッジモジュール(120)のカートリッジハウジング(121)の形状と同様な形状を含む。あるいは、カートリッジ装置(200)は、本明細書中の教示を鑑みて当業者に明らかになるであろう任意の形状を含み得る。カートリッジ装置(200)は、本明細書中の教示に鑑みて当業者に明らかであるように滅菌されてよい、かつ複数使用で再使用されてよい。カートリッジ装置(200)は、耐久性プラスチック(ポリカーボネート又は液晶ポリマー)、セラミック、金属、及び/又本明細書中の教示に鑑みて当業者にとって明らかとなるであろう任意の他の適した材料から構成されてよい。カートリッジ装置(200)の他の構成はまた、本明細書中の教示に鑑みて当業者にとって明らかとなるであろう。
【0029】
カートリッジ装置(200)は、カートリッジハウジング(121)がクロージャ部材(28)の遠位端とともにスナップ嵌め連結形成する方法と同様に、エンドエフェクタ(80)に装填されたときにクロージャ部材(28)の遠位端とともにスナップ嵌めを形成することになる。依然として、カートリッジ装置(200)のクロージャ部材(28)への取り付けのための他の構成は、本明細書中の教示を鑑みて当業者にとって明らかとなるであろう。クロージャ部材(28)は、カートリッジ装置(200)をエンドエフェクタ(80)に着脱自在に固定するように作動可能である多種多様な構成要素又は特徴部を含み得る。
【0030】
図7と併せて図2を参照すると、プッシュロッド(102)はカートリッジ装置(200)の上方近位部分(202)に結合されてよい。これによって、プッシュロッド(102)の遠位の前進が、器具(20)に対して前述した方法でクロージャトリガー(26)を押圧することによって、結果的にショルダリベット(82)の内部表面(204)に向かってカートリッジ装置(200)の遠位の前進をもたらす。更に、前述したように、カートリッジ装置(200)がエンドエフェクタ(80)に装填されるときにクロージャ部材(28)の遠位端がカートリッジ装置(200)に連結されると、クロージャ部材(28)の遠位の前進が、エンドエフェクタ(80)の内部表面(204)に向かってカートリッジ装置(200)を更に遠位側に前進させる。
【0031】
図7に示されるように、カートリッジ装置(200)は上方近位部分(202)及び反対側の遠位部分(206)を含む。測定ディスプレイ(210)は、上方近位部分(202)と遠位部分(206)との間に上方辺縁部分(208)に沿って配設される。本実施例が、0〜4.0の範囲にわたって目盛りを刻んだスケールに0.5ごとの増分の測定を含むように測定ディスプレイ(210)を示す一方で、他の測定増分が表示されてもよい。この測定増分は、インチ、センチメートル、ミリメートル、若しくは本明細書中の教示に鑑みて当業者にとって明らかな他の単位で測定可能な値又は単位であってよい。測定ディスプレイ(210)は、後述する、機械的ゲージ組立体(212)の一部でありかつそれに連結されている。
【0032】
機械的ゲージ組立体(212)は、プレート(214)、ばね(216)、機械的トランスデューサとして機能する水平リンク装置(218)、ピン(220)、リンク装置スロット(221)、枢動可能なリンク装置(222)、スロット(223)、ピン(224)、及びピボットピン(225)を含む。プレート(214)は金属、プラスチック、又は本明細書中の教示に鑑みて当業者に明らかな任意の他の適した材料を備えてよい。本実施例が付勢部材としてばねを含む一方で、ばね(216)は、あるいは本明細書中の教示を鑑みて当業者に明らかな任意の他の適した付勢部材であってよい。
【0033】
プレート(214)は、近位表面(226)及び遠位表面(228)を含む。外向きに付勢されるばね(216)は、プレート(214)の近位表面(226)をカートリッジ装置(200)の遠位部分(206)の表面(230)に弾性的に連結させる。ばね(216)は、プレート(214)をカートリッジ装置(200)のハウジング(232)から離れて付勢する。水平リンク装置(218)は、プレート(214)の近位表面(226)から近位側に延在し、かつ水平リンク装置(218)の近位端から水平リンク装置(218)の長手方向軸線に対して実質的に垂直な方向に突出しているピン(220)を含む。ピン(220)は、カートリッジ装置(200)のハウジング(232)内に配設される水平保持スロット(図示せず)内に保持されかつそれに沿って摺動可能である。あるいは、ピン(220)はハウジング(232)内に配設されている開口内に配設されてよく、かつピン(220)を受容するようにサイズ設定されかつ構成される。本実施例では、ピン(220)を受容する水平保持スロットは、水平リンク装置(218)の長手方向軸線に対して実質的に平行でありかつ位置合わせされている。ピン(220)はまた、枢動可能なリンク装置(222)の下端部においてスロット(221)内に受容されている。ピボットピン(225)は、枢動可能なリンク装置(222)の上端部と下端部との間に配設され、枢動可能なリンク装置(222)が、ピボットピン(225)を中心に旋回するように構成される。後述するように、圧力が未だプレート(214)の遠位表面(228)に印加されていない、ゼロ圧力位置において、枢動可能なリンク装置(222)は、水平リンク装置(218)に対して実質的に角度の付いた位置に留まることになる。枢動可能なリンク装置(222)の上端部は、測定ディスプレイ(210)の近位端に位置付けられ、ゼロの圧力単位及びゼロの厚さ測定を指示する(組織が測定のために目下クランプされていないことを指示している)。それの上端部において、枢動可能なリンク装置(222)はピン(224)を受容するスロット(223)を含む。ピン(224)は、測定ディスプレイ(210)の長手方向軸線にまたがる水平測定ディスプレイスロット(図示せず)内に受容されかつ摺動可能である。
【0034】
作動において、カートリッジ装置(200)は、前述したように、エンドエフェクタ(80)内に装填されるとき、組織(図示せず)はカートリッジ装置(200)のプレート(214)の遠位表面(228)とエンドエフェクタ(80)の内部表面(204)との間に位置付けられてよい。カートリッジ装置(200)は、組織がプレート(214)の遠位表面(228)とエンドエフェクタ(80)の内部表面(204)との間に配設されかつ両方に接触するまでカートリッジハウジング(121)に対して前述した方法でエンドエフェクタ(80)の内部表面(204)に向かって遠位側に前進させてよい。例えば、保持ピン(125)は、カートリッジハウジング(121)に関して前述した方法で、プレート(214)とエンドエフェクタ(80)の内部表面(204)との間の組織を突き刺しかつ保持してよい。
【0035】
カートリッジ装置(200)を、組織に向かって遠位側に前進させるにつれて、組織はプレート(214)の遠位表面(228)に対抗して圧縮して、プレート(214)にばね(216)をカートリッジ装置(200)の遠位部分(206)の表面(230)に向かって矢印(A)の方向に圧縮させる。これによって、結果的に水平リンク装置(218)が近位側に内向きに、摺動ピン(220)がカートリッジ装置(200)内の水平保持スロットに沿って近位側に移動する。ピン(220)が保持スロットに沿って水平に内向きに摺動するにつれて、ピン(220)は枢動可能なリンク装置(222)のスロット(221)を規定する表面に同時に押し付け、枢動可能なリンク装置(222)を反時計回りの方向にピン(220)及びピボットピン(225)を中心に旋回させる。このような枢動運動によって、ピン(224)は少なくとも測定ディスプレイ(210)の長さにまたがって水平測定ディスプレイスロットに沿って遠位側に前進する。スロット(221、223)の長さは、第1の位置において及び第2の、異なる位置においてピン(220、224)間で必要とされる高さ調整機能を可能にするのに十分である。ピン(224)を遠位側に前進させる作用は、受容された組織の厚みの適切な読取りを可能にする。これはピン(224)が、エンドエフェクタ(80)の内部表面(204)とカートリッジ装置(200)のプレート(214)との間で圧縮された組織の厚みを適切に測定する厚み測定と相関する測定ディスプレイ(210)の位置まで前進するからである。更に、プレート(214)から圧力の除去によって、ピン(224)は初期の、ゼロ圧力(組織の厚さゼロ)位置へ後ろ向きに水平測定ディスプレイスロットに沿って近位側に移動することができる。
【0036】
いくつかの変形例では、カートリッジ装置(200)は、クロージャトリガー(26)が解放された後にピン(224)がこの位置に留まるように測定ディスプレイ(210)に沿って測定された増分における位置に選択的にピン(224)をロックするように作動可能であるロッキング特徴部(図示せず)を含み得る。そこで、外科医はエンドエフェクタ(80)をカートリッジ装置(200)を用いて患者体内に位置決めして、ハンドル(25)に向かってクロージャトリガー(26)を押圧して、カートリッジ装置(200)とショルダリベット(82)の内部表面(204)との間に位置付けられている組織の厚みを測定してよい、次いでエンドエフェクタ(80)を測定ディスプレイ(210)内のピン(224)のロックされた場所を見るのがより容易である場所(例えば、患者の外部)に再位置決めしてよい。いくつかのこのような変形例では、外科医は、測定ディスプレイ(210)内でピン(224)のロックされた位置を観察するためにカートリッジ装置(200)をエンドエフェクタ(80)から取り外すことさえしてよい。単に例として、ラチェット歯部を備えたラチェッティングロッキング特徴部は、水平リンク装置(218)に沿って枢動可能なリンク装置(222)の外部壁部に沿って、及び/又はその他の場所に配設されてよい。枢動可能なリンク装置(222)が、ピボットピン(225)を中心に回転するにつれて、爪(図示せず)はラチェット歯部の間を摺動してよい。弾性部材は、爪を歯との係合へ付勢してよい、一方でボタン又は他の特徴部は、歯から爪を選択的に係合解除するように操作されてよい。ラチェット組立体が提供されてよい他の好適な方法は、本明細書中の教示を鑑みて当業者にとって明らかであろう。同様に、ピン(224)の位置を選択的にロックする他の好適な方法は、本明細書中の教示を鑑みて当業者にとって明らかになるであろう。
【0037】
カートリッジ装置(200)を用いて得られた組織測定によって、ユーザーが器具(20)に関して前述した方法で測定された組織を十分にステープル留め及び/又は切断するために使用する適切にサイズ設定されたカートリッジモジュール(120)を選択できるようになることが理解されるべきである。この適切にサイズ設定されたカートリッジモジュール(120)は、例えば、異なる高さのステープルをはじめとして、複数のカートリッジモジュール(120)から選択されてよい。加えて又はあるいは、この複数のカートリッジモジュール(120)は、異なるサイズ設定されたハウジングを含み得る。カートリッジ装置(200)は、外科医が最適なステープル高さ及び/又はステープル留めされるべき特定の組織のためのハウジング寸法を有するカートリッジモジュール(120)を選択することを可能にする。使用後、カートリッジ装置(200)はエンドエフェクタ(80)から取り除かれてよい、かつ選択されたカートリッジモジュール(120)は使用されてよい、更に取り除かれたカートリッジ装置(200)は、測定された組織の別の部分をステープル留め及び/又は切断するのに使用されてよい。別の選択されたカートリッジモジュール(120)の次の使用前に、前述したようにリセット及び再使用されてよい。
【0038】
B.ばね成形プラスチック組立体を有する例示の取り外し可能なカートリッジ装置
図8は、例示の代替カートリッジ装置(300)を示し、これはカートリッジ装置(200)と同様でありかつ同様の参照番号を含む。カートリッジ装置(300)は、プレート及び付勢部材構成要素に関してカートリッジ装置(200)と異なる。図8に示されるように、カートリッジ装置(300)は、プレート(214)及び成形された弾性部材(316)を含む。弾性部材(316)は、プレート(214)及び/又はカートリッジ装置(300)の成形された特徴部である。そこで、プレート(214)、水平リンク装置(218)、及び弾性部材(316)は、材料(例えば、プラスチック等)の均質の連続体として単一のモノリシック部品又は構成要素を形成する。いくつかの変形例では、弾性部材316)、プレート(214)、及び受容遠位表面(230)はすべて材料(例えば、プラスチック等)の均質の連続体として単一のモノリシック部品又は構成要素を形成する。弾性部材(316)は、プレート(214)の近位表面(226)とカートリッジ装置(300)の遠位表面(230)との間に延在して、遠位表面(230)から離れてプレート(214)を付勢する。カートリッジ装置(300)は、カートリッジ装置(200)に関して前述した同じ方法で作動可能でよい。
【0039】
C.例示の代替取り外し可能なカートリッジ装置の模式図
図9は、別の例示の代替カートリッジ装置(400)を示し、これはカートリッジ装置(200、300)と同様である。ただし、カートリッジ装置(400)は、垂直測定ディスプレイ(410)を含み、0〜4.0の範囲にわたる目盛りを刻んだスケール上に0.5ごとの増分の測定を含むように本実施例に示される(他の測定又は増分が表示されてよいが)。カートリッジ装置(400)は、カートリッジ装置(200)に関して前述したように組織厚さを測定するために模式的に表わされたリンク(432)を介して垂直測定ディスプレイ(410)と連通する機械的ゲージ組立体(412)を含む。機械的ゲージ組立体のほかに、本明細書中の教示を鑑みて当業者にとって明らかな他の表示器が、カートリッジ装置(400)とエンドエフェクタ(80)の内部表面(204)との間に位置付けられた組織に関するおよその組織厚さを判定するために使用されてよい。カートリッジ装置(400)に印加された圧力を組織の厚さの測定に変換するためにトランスデューサとして使用されてよい様々な適した構成要素及び構成は、本明細書中の教示に鑑みて当業者にとって明らかになるであろう。
【0040】
垂直測定ディスプレイ(410)は、機械的ゲージ組立体(412)と関連付けられた圧力測定装置(434)に対して、組織が受容される位置に対して実質的に平行な位置においてカートリッジ装置(400)の遠位周縁部分に沿って方向付けられる。垂直測定ディスプレイ(410)は、ピン(436)を含む。ピン(436)は、圧力測定装置(434)に対して受けた圧力に反応して、これはリンク(432)を介してピン(436)へ伝達されてピン(436)を垂直測定ディスプレイ(410)に沿って適切な測定ディスプレイ増分まで移動させる。ピン(436)は、このようにして圧力測定装置(434)とエンドエフェクタ(80)の内部表面(204)との間で捕捉されかつ測定された組織の厚さを指示する。
【0041】
カートリッジ装置(200、300、400)のいくつかの構成について説明したが、一方で、カートリッジ装置(200、300、400)の依然他の適した構成が、本明細書中の教示に鑑みて当業者に明らかであろう。
【0042】
本明細書に記載されている教示、表現、実施形態、実施例等のうち任意の1つ又は2つ以上が、本明細書に記載されている他の教示、表現、実施形態、実施例等のうちの任意の1つ又は2つ以上と組み合わされることが理解されるべきである。上記の教示、表現、実施形態、実施例等は、したがって互いに分離して見なされてはならない。本明細書中の教示が組み合わされてよい様々な好適な方法は、本明細書中の教示に鑑みて当業者に容易に明らかであろう。このような改変及び変形は、請求項の範囲内に含まれることを意図している。
【0043】
前述の装置の変形例は、ロボット支援された医療及び処置での用途だけでなく、医療専門家によって行われる従来の医療及び処置での用途を有することができる。
【0044】
前述の装置の変形例は、1回使用後に処分されるように設計してよい、若しくは複数回使用されるように設計することができる。変形例は、いずれか又は両方の場合、少なくとも1回使用後に再使用のために再生されてよい。再生は、装置の分解の工程の任意の組み合わせを含み得て、その後に特定の部品の洗浄又は置換、更に後続の再組立が続く。特に、装置のいくつかの変形例は、分解されてよい、かつ装置の任意の数の特定のピース又は部品は、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り除かれてよい。特定の部品を洗浄及び/又は交換をすると、装置のいくつかの変形例は、再生施設において、又は処置の直前にユーザーによってのいずれかでその後の使用のために再組み立てされてよい。当業者は、装置の再生に分解、洗浄/交換、及び再組立に関する多種多様な技術が利用されてよいことを認識するであろう。このような技術の使用、及び結果得られた再生装置が、すべて本願の範囲内にある。
【0045】
単に例として、本明細書に記載された変形例は、処置の前及び/又は後に滅菌されてよい。1つの滅菌技術において、装置は、プラスチック又はTYVEKバッグ等の閉鎖されかつ封止された容器内に置かれる。容器及び装置は、次いでガンマ線、X線、又は高エネルギー電子等の、容器を透過することができる放射線場に置かれてよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を殺すことができる。滅菌された装置は、次いで後で使うために無菌容器内に保管されてよい。装置はまた、ベータ線又はガンマ線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含むが、それらに限定されない、当該技術において知られている任意の他の技術を用いて滅菌されてよい。
【0046】
本開示に様々な変形例を示しかつ記載したが、本明細書に記載された方法及びシステムの更なる適応は、本発明の範囲を逸脱せずに当業者による適切な修正によって達成されてよい。このような可能性のある改変のいくつかが述べられた、かつ他の改変は当業者にとって明らかであろう。例えば、前述した実施例、変形例、ジオメトリックス、材料、寸法、比率、工程等は例示的でありかつ要求されない。したがって、本発明の範囲は以下の請求項の観点から考慮されるべきでありかつ本明細書及び図面に図示され及び記載された構造及び動作の詳細に限定されないと理解されるべきである。
【0047】
〔実施の態様〕
(1) (a)近位端及び遠位端を有し、該近位端に位置付けられたハンドルを備えた、本体と、
(b)測定値表示器を含む取り外し可能なインサートと、
(c)該本体の該遠位端において位置付けられたエンドエフェクタであって、該本体の該近位端に対面する遠位の内部表面を有し、該インサートを受容するように構成される、エンドエフェクタと、
(d)該インサートが該エンドエフェクタ内に受容されるとき、該エンドエフェクタ及び該インサートと連通する作動特徴部であって、該エンドエフェクタの該遠位の内部表面に向かって、遠位側に該インサートを前進させるように構成される、作動特徴部と、を備え、
該取り外し可能なインサートの該測定値表示器が、該取り外し可能なインサートと、該エンドエフェクタの該遠位の内部表面との間に位置付けられた組織の厚みを判定するように構成される、外科用器具。
(2) 前記測定値表示器が、機械的ゲージ組立体及び測定値表示スケールを備え、該機械的ゲージ組立体が該測定値表示スケールに連通している、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記取り外し可能なインサートの前記機械的ゲージ組立体が、該取り外し可能なインサートと前記エンドエフェクタの前記遠位の内部表面との間に位置付けられた組織の組織厚さを判定するように構成され、前記測定値表示スケールが、該判定された組織厚さを表示するように構成される、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記取り外し可能なインサートが、近位端及び遠位端及びそれらの間に配設されたインサート軸線を備え、前記機械的ゲージ組立体が、該インサート軸線に対して垂直に配設された受圧構成要素を備え、前記測定値表示スケールが、該インサートが前記エンドエフェクタ内に受容されるとき、実質的に垂直な位置に、該受圧構成要素に対して平行に方向付けされる、実施態様2に記載の外科用器具。
(5) 前記取り外し可能なインサートが、近位端及び遠位端及びそれらの間に配設されたインサート軸線を備え、前記機械的ゲージ組立体が、該インサート軸線に対して垂直に配設された受圧構成要素を備え、前記測定値表示スケールが、該インサートが前記エンドエフェクタに受容されるとき、実質的に水平な位置に、該受圧構成要素に対して垂直に方向付けされる、実施態様2に記載の外科用器具。
【0048】
(6) 前記受圧構成要素が、弾性的に付勢されるプレートを備える、実施態様5に記載の外科用器具。
(7) 前記測定値表示スケールが、前記取り外し可能なインサートの前記近位端から前記遠位端まで値が増大する目盛りを刻んだスケールを備える、実施態様5に記載の外科用器具。
(8) 前記機械的ゲージ組立体が、プレート及び該プレートと前記インサートの受容表面との間に配設される1つ又は2つ以上の弾性部材を備え、該プレートが、圧力を印加されると該1つ又は2つ以上の弾性部材を圧縮するように構成される、実施態様2に記載の外科用器具。
(9) 前記1つ又は2つ以上の弾性部材が、ばねを備える、実施態様8に記載の外科用器具。
(10) 前記1つ又は2つ以上の弾性部材が、前記プレート及び前記インサートの前記受容表面と一体となっており、かつこれらと一体構造をなしているプラスチック部材を備える、実施態様8に記載の外科用器具。
【0049】
(11) 前記プレートが金属を備える、実施態様8に記載の外科用器具。
(12) 前記プレートがプラスチックを備える、実施態様8に記載の外科用器具。
(13) 前記機械的ゲージ組立体が、前記プレートと連通した水平リンク装置と、第1のピンと、枢動可能リンク装置と、ピボットピンと、前記医療表示スケール及び該枢動リンク装置と連通した第2のピンと、を更に備える、実施態様8に記載の外科用器具。
(14) 前記第1のピンが、前記水平リンク装置及び前記枢動リンク装置と連通していて、該枢動リンク装置が、該水平リンク装置を介して圧力が印加されると前記ピボットピンを中心にして旋回するように構成されている、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記水平リンク装置が、前記プレートに印加された圧力に反応して近位側に前進するように構成され、これによって前記枢動リンク装置が前記ピボットピンを中心にして旋回し、かつ前記第2のピンが前記医療表示スケールに沿って遠位側に前進する、実施態様14に記載の外科用器具。
【0050】
(16) (a)近位端及び遠位端を有し、該近位端に位置付けられたハンドルを備えた、本体と、
(b)機械的ゲージ組立体及び測定値表示スケールを含む取り外し可能なインサートと、
(c)該本体の該遠位端に位置付けられたエンドエフェクタであって、該本体の該近位端に対面する遠位の内部表面を有し、該インサートを受容するように構成される、エンドエフェクタと、
(d)該インサートが該エンドエフェクタに受容されたとき、該エンドエフェクタ及び該インサートに連通する作動特徴部であって、該エンドエフェクタの該遠位の内部表面に向かって遠位側に該インサートを前進させるように構成される、作動特徴部と、を備え、
該取り外し可能なインサートの該機械的ゲージ組立体が、該取り外し可能なインサートと該エンドエフェクタの該遠位の内部表面との間に位置付けられた組織の厚さを判定するように構成され、該測定値表示スケールが、該判定された組織の厚さを表示するように構成される、外科用器具。
(17) 前記測定値表示スケールが、前記装置から前記取り外し可能なインサートを取り外すと、初期のゼロ圧力値にリセットするように構成される、実施態様16に記載の外科用器具。
(18) 前記測定値表示スケールが、前記取り外し可能なインサートの前記近位端から前記遠位端まで0.5ごとの増分で値が増大する目盛りを刻んだスケールを備え、該値が約0〜4.0ミリメートルの範囲である、実施態様16に記載の外科用器具。
(19) 遠位の内部表面を含み、かつインサートを受容するように構成されるエンドエフェクタを有する本体を含む外科用器具の使用方法であって、該インサートが、該エンドエフェクタの該遠位の内部表面に対面する遠位の表面と、該インサートの該遠位の表面に連通した機械的ゲージ組立体と、該機械的ゲージ組立体に連通した測定値表示スケールとを含み、該方法が、
(a)該エンドエフェクタ内に該インサートを受容する工程と、
(b)該エンドエフェクタの該遠位の内部表面と該インサートの該遠位の表面との間に組織を位置決めする工程と、
(c)作動特徴部の前進を介して該インサートを前進させて、該エンドエフェクタの該遠位の内部表面と該インサートの該遠位の表面との間に該組織をクランプする工程と、
(d)該インサートの該遠位の表面に対して該クランプされた組織を介して、圧力を印加する工程と、
(e)該印加された圧力に基づいて、該機械的ゲージ組立体を介して該印加された圧力を、組織厚さの機械的測定値へ変換する工程と、
(f)該測定された組織厚さを該測定値表示スケールに表示する工程と、を含む、方法。
(20) (a)前記エンドエフェクタから前記インサートを取り外す工程と、
(b)前記測定された組織厚さに基づいて、複数のカートリッジから1つのカートリッジを選択する工程であって、それぞれのカートリッジが厚さ値の範囲内の厚さを有する組織を少なくともステープル留めするように構成され、これによって、該選択されたカートリッジが該測定された組織厚さを有する組織を少なくともステープル留めするように構成される、工程と、
(c)該選択されたカートリッジを該エンドエフェクタ内へ挿入する工程と、を更に含む、実施態様19に記載の方法。
図1
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図9