(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記混合物の50℃〜20℃の温度への冷却は、混合下で前記容器の壁を冷却することによって容器内で行われ、その際、冷却速度は10℃/分〜1℃/分である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
前記混合物の45℃〜25℃の温度への冷却は、混合下で前記容器の壁を冷却することによって容器内で行われ、その際、冷却速度は10℃/分〜1℃/分である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
前記混合物の40℃〜30℃の温度への冷却は、混合下で前記容器の壁を冷却することによって容器内で行われ、その際、冷却速度は10℃/分〜1℃/分である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
前記混合物の50℃〜20℃の温度への冷却は、混合下で前記容器の壁を冷却することによって容器内で行われ、その際、冷却速度は5℃/分〜1℃/分である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
前記混合物の50℃〜20℃の温度への冷却が、前記容器の所望の温度が達成されるまで、前記混合物を冷却装置に通過させてから同じ容器に戻して再循環させることによって行われる、請求項5に記載の方法。
前記パーソナルケア組成物が、パーソナルケア組成物の0.1重量%〜0.25重量%のカチオン性グアーポリマーを更に含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
前記パーソナルケア組成物が、前記プレミックス組成物の20重量%〜35重量%の洗浄界面活性剤を含み、前記洗浄界面活性剤がラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、明確に請求する「特許請求の範囲」をもって結論とするが、本発明は、以下の記載からよりよく理解されるものと考えられる。
【0009】
本明細書で使用するとき、用語「流体」は、液体及びゲルを包含する。
【0010】
本明細書で使用するとき、「1つの(a及びan)」を包含する項目は、請求項に使用するとき、請求又は記載されているものの1つ又はそれ以上を意味すると理解される。
【0011】
本明細書で使用するとき、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語には、「〜からなる」及び「〜から本質的になる」という用語が含まれる。
【0012】
本明細書において、「混合物」は、複数の材料の単純な組み合わせと、結果としてそのような組み合わせから得られる場合がある任意の化合物と、を含むことを意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「分子量」又は「M.Wt.」は、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。分子量は、業界標準法、ゲル透過クロマトグラフィー(「GPC」)を使用して測定される。
【0014】
本明細書で使用するとき、「パーソナルケア組成物」は、シャンプー、シャワーゲル、液体手洗い剤、染毛剤、洗顔料、洗濯洗剤、食器洗剤、及び他の界面活性剤ベースの液体組成物等の製品を含む。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「含有する(include、includes、及びincluding)」は非限定的なものであることを意味し、それぞれ「含む(comprise、comprises、及びcomprising)」を意味するものと理解される。
【0016】
全ての百分率、部、及び比率は、特に指定されない限り、本発明の組成物の総重量を基準とする。全てのこのような重量は、提示された成分に関する場合、活性成分の濃度に基づき、したがって市販材料に含まれる場合のあるキャリア又は副生成物を包含しない。
【0017】
別途指定されない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶剤又は副生成物は除外される。
【0018】
本明細書を通して与えられるあらゆる最大の数値限定は、あらゆるより小さい数値限界を、あたかもかかるより小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているのと同様にして含むことを理解すべきである。本明細書を通して与えられるあらゆる最小の数値限定は、あらゆるより大きい数値限界を、あたかもかかるより大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているのと同様にして含む。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るより狭い全ての数値範囲を、あたかもかかるそのような狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているのと同様にして包含する。
【0019】
プレミックス組成物
硬化ヒマシ油構造化剤(市販名:Thixcin(登録商標)、Elementis Specialtiesから供給)の改善された結晶化プロセスが開発されてきた。このプロセスは、(i)高濃度の構造化剤を有する分散液(工場の容器のより効率的な使用)、及び(ii)ある量の構造化剤に対して、最終製品により高い降伏応力を与えることで高い安定性を付与する晶癖/形状を製造することによって、コストの改善をもたらす。更に、より効果的な構造化剤をより少ない量でしか必要としないため、パーソナルケア製品の使用後に毛髪上に認められる構造化剤は少なくなる。このことは、小粒子シリコーン等の改善されたコンディショニング剤と併せて、消費者の毛髪のコンディショニング及び光沢を改善する。
【0020】
使用中の消費者の毛髪にコンディショニング及び光沢を提供しながらも、より少ない構造化剤を含むパーソナルケア組成物を実現するために、プレミックス組成物の約0.30重量%〜約4重量%の硬化ヒマシ油(「HCO」)構造化剤、プレミックス組成物の約15重量%〜約40重量%の界面活性剤、及びプレミックス組成物の約60重量%〜約80重量%の水等の水溶液をともに高せん断下で加え合わせ、約65℃から約84℃まで加熱し、pHを約5から約12、あるいは、約6から約8まで調整することによって、プレミックス組成物が形成される。次に、プレミックス組成物を、約5〜20分間混合する。次に、プレミックス組成物を、低せん断下、毎分約10℃〜約1℃の速度で約60℃〜約20℃まで冷却する。得られるプレミックス組成物は、HCOから結晶を形成する。これらの結晶は構造が繊維状である。
【0021】
あるいは、プレミックス組成物は、混合中に容器の壁を冷却することによって、容器内で約45℃〜約25℃の温度、及び/又は約50℃〜約20℃の温度まで冷却することができる。その冷却速度は毎分約10℃〜約1℃、及び/又は毎分約5℃〜約1℃の速度である。
【0022】
Unilever(国際公
開第2011/120799号)によって開示されるプロセス等の別のプロセスによると、繊維形状でHCOの結晶を含有する望ましい分散液ではなく、
構造化剤の大きな凝集体が生じる。更に、初期のプロセスの温度が88℃(例えば、HCOの融点より上)であるようにプロセスが改変される場合、得られる結晶は形状及び大きさが様々であり、結晶の望ましい数及び形状が形成されない。更に、初期のプロセスの温度が低く(63℃)、65℃〜84℃の範囲外であるようにプロセスが改変される場合もまた、大粒子を含有する構造化剤の分散液が生成される。
【0023】
本明細書で説明するように、配合物中に最も安定性をもたらす結晶形状を提供する形状は、繊維タイプの形状を有する。このような繊維は、プレミックス組成物中、及び最終製品の配合(例えば、シャンプー)中に見られる。パーソナルケア組成物中に存在する結晶の約80%〜約100%は、繊維形状である。更に、繊維形状の結晶の約80%〜約100%は、約5μm以上の長さを有するか、あるいは、繊維形状の結晶の約80%〜約100%は、約10μm以上の長さを有する。結晶は長さが、約5、10、20、30μm〜、及び/又は約200、100、50、45、40及び/又は30μmまで、であり得る。繊維長に好適な範囲は、約10μm〜約40μm、あるいは、約20μm〜約30μmを含む。繊維幅に好適な範囲は、約0.5μm〜約2.0μmを含む。5倍より大きいアスペクト比を有する結晶もまた繊維形状を有すると考えられる。あるいは、結晶は10倍より大きいアスペクト比を有することができる。
【0024】
実施例1〜3では、形成されたプレミックス組成物は、好適なレベルの繊維形状の結晶を有する。これらのプレミックス組成物を製造するプロセスは、プレミックス組成物の初期の加熱を約64℃〜約84℃の間に保つので、HCOを溶融させない。対照的に、比較
例3は、プレミックス組成物をHCOが溶融する88℃まで加熱し、結果として不均一の晶癖及び大きさの結晶が生じる(一致した繊維形状にならない)。HCOが溶融する場合、液滴が合体し、より大きな液滴が形成される。より大きな液滴は、より小さい液滴と同様なやり方で結晶化しないと考えられる。
【0025】
更に、所望数の長さの繊維形状の結晶の形成を助けるために、冷却速度は毎分約10℃〜約1℃であるべきである。徐冷(例えば、<1.0℃/分)も考えられたが、結果としての結晶は非常に薄く脆弱である。プレミックス組成物の冷却を継続すると、結晶は大きなせん断力に耐えることができなくなり、結果として、大きな構造化作用を与えない小片に砕けてしまう。
【0026】
A.構造化剤
構造化剤は、プレミックス組成物の約0.3重量%〜約4.0重量%の濃度でプレミックス組成物に含まれる。構造化剤は、プレミックス組成物の約0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5重量%〜約4.0、3.5、3.0、2.5、2.0、1.5重量%の濃度でプレミックス組成物に更に含まれうる。構造化剤は、組成物の洗浄界面活性剤の構造化作用とは独立して、パーソナルケア組成物に構造を与える物質又は物質の混合物である。構造化作用の利点は、相の安定性を可能にする組成物の降伏応力の上昇に起因する。すなわち、より高い降伏応力は、容器の底の方へ粒子若しくは不溶性小液滴が著しく沈降することなく、及び/又は組成物の容器の上の方へそのような粒子若しくは液滴が著しく上昇(クリーミング)することなく、組成物全体にわたってそのような粒子若しくは液滴が懸濁することを可能にする。
【0027】
多くの構造化剤は、パーソナルケア組成物中の特定の形態を有する相互連結した固体構造体のネットワークを形成することによって作用すると考えられる。これらの固体構造体は、様々な物理的形状を取ってもよい。典型的な物理的又は形態的形状の非限定例としては、繊維、ニードル、リボン、及びこれらの混合物など非球状の細長い粒子が挙げられる。そのような非球状の細長い粒子は、液体中で最も効率的な構造を提供すると考えられる。したがって、いくらかの実施形態では、結晶は繊維の形状をしている。好適な構造化剤としては、非常に限定された水溶性を有する物質である硬化ヒマシ油等の結晶化可能なグリセリドエステルが挙げられる。ヒマシ油としては、ヒドロキシ基を有するC10〜C22アルキル又はアルケニル部分を含む、グリセリド、特にトリグリセリドが挙げられる。ヒマシ油の水素化は、出発油中にリシノレイル部分として存在する二重結合の変換によって、硬化ヒマシ油を生成する。これらの部分は、飽和ヒドロキシアルキル部分、例えば、ヒドロキシステアリル、である、リシノレイル部分に変換される。本明細書では硬化ヒマシ油(HCO)は、特定の実施形態では、トリヒドロキシステアリン、ジヒドロキシステアリン、及びこれらの混合物から選択されてもよい。HCOは、固体、溶融物、及びこれらの混合物から選択されるものを含むが、これらに限定されない任意の好適な開始形態で加工処理することができる。有用なHCOは以下の特性を有しうる。すなわち、約40℃〜約100℃、あるいは約65℃〜約95℃の融点、及び/又は約0〜約5、あるいは約0〜約4、あるいは約0〜約2.6のヨウ素価の範囲である。HCOの融点は、DSC:示差走査熱量測定法を使用して測定することができる。
【0028】
好適なHCOとしては、市販されているものが挙げられる。使用に好適である市販のHCOの非限定的な例としては、小粒子(99重量%は44μmより小さい)を有する粉末として供給されるTHIXCINーR(登録商標)(Elementisから供給)が挙げられる。
【0029】
本発明は、硬化ヒマシ油の使用のみを対象とすることは、意図していない。他の任意の好適な結晶化可能なグリセリドが使用されてもよい。1つの例では、構造化剤は、12−ヒドロキシステアリン酸のほぼ純粋なトリグリセリドである。この分子は、完全に水素化した12−ヒドロキシ−9−cis−オクタデセン酸のトリグリセリドの純粋形態に当たる。本来、ヒマシ油の組成は、ある程度は変化しうる。同様に、水素化の方法も異なりうる。少なくとも約80重量%がヒマシ油由来であるトリグリセリドの混合物のような他の任意の好適な同等の物質を用いてもよい。例示的な同等の物質は、トリグリセリドを主として含む、若しくは、からなる;又は、ジグリセリド及びトリグリセリドの混合物を主として含む、若しくは、からなる;又は、トリグリセリド(triglyerides)とジグリセリドとの混合物、及び限定量、例えば、当該グリセリドの混合物の約20重量%未満のモノグリセリド(monoglyerides)を主として含む、若しくは、からなる;前述のグリセリドのいずれか、及び限定量、例えば、前述のグリセリドのいずれかの対応する酸加水分解生成物の約20重量%未満を主として含む、若しくは、からなる。上記における条件の1つは、全ての前記グリセリドの大部分、通常は少なくとも約80重量%が、完全に水素化されたリシノール酸のグリセリド(すなわち、12−ヒドロキシステアリン酸のグリセリド)と化学的に同一であるということである。例えば、硬化ヒマシ油を改質して、所定のトリグリセリド中に、2つの12−ヒドロキシステアリン部分及び1つのステアリン部分が存在するようにすることは、当該技術分野において周知である。同様に、硬化ヒマシ油が完全に水素化されていない場合も考えられる。これに対して、本発明において、ポリ(オキシアルキル化)ヒマシ油は、溶融基準を満たさない場合には除外され得る。
【0030】
B.界面活性剤
プレミックス組成物は、プレミックス組成物の約15重量%〜約40重量%、あるいは、約15、20、25重量%〜約40、35、30、25重量%の1以上の界面活性剤を更に含む。1以上の界面活性剤は更に、アニオン性界面活性剤、両性、カチオン性、若しくは双極性イオン界面活性剤、又はこれらの混合物を含んでもよい。界面活性剤の様々な例及び説明が、米国特許第6,649,155号、米国特許出願公開第2008/0317698号、及び米国特許出願公開第2008/0206355号に記載されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
プレミックス組成物に使用される好適なアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。更なる実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムである。
【0032】
パーソナルケア組成物
パーソナルケア組成物は次に、プレミックス組成物を、パーソナルケア組成物の約5〜約25重量%の洗浄界面活性剤、及びパーソナルケア組成物の約80重量%〜約95重量%の水性キャリアと組み合わせることによって形成される。追加の合成カチオン性ポリマー、コンディショニング剤、及び任意選択の成分もまた、パーソナルケア組成物を形成するために含まれてもよい。例えば、得られる生成物は、シャンプーが含まれるが、これに限定されない、パーソナルケアクレンジング組成物である。
【0033】
A.洗浄界面活性剤
パーソナルケア組成物は、1以上の洗浄界面活性剤を含んでもよく、これは組成物にクリーニング性能をもたらす。1以上の洗浄界面活性剤は更に、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、若しくは双性イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含んでもよい。洗浄界面活性剤の様々な例及び説明が、米国特許第6,649,155号、米国特許出願公開第2008/0317698号、及び米国特許出願公開第2008/0206355号に記載されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0034】
パーソナルケア組成物中の洗浄界面活性剤の成分の濃度は、所望のクリーニング及び泡立ち性能を提供するのに十分でなければならず、一般に、約2重量%〜約50重量%、約5重量%〜約30重量%、約8重量%〜約25重量%、約10重量%〜約20重量%、約5重量%、約10重量%、約12重量%、約15重量%、約17重量%、約18重量%、又は約20重量%の範囲である。
【0035】
本組成物で用いるのに好適なアニオン性界面活性剤は、アルキル及びアルキルエーテルサルフェートである。他の好適なアニオン性界面活性剤は、有機硫酸反応生成物の水溶性の塩である。更に他の好適なアニオン性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化されかつ水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物である。他の同様なアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、及び同第2,396,278号に記載されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0036】
パーソナルケア組成物に使用される例示的なアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。更なる実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムである。
【0037】
本明細書のパーソナルケア組成物での使用に好適な両性又は双性イオン性の界面活性剤としては、シャンプー又は他のパーソナルケアクレンジングに使用する周知のものが挙げられる。そのような両性界面活性剤の濃度は、約0.5重量%〜約20重量%、及び約1重量%〜約10重量%の範囲である。好適な双性イオン性又は両性界面活性剤の非限定的な例が、米国特許第5,104,646号及び同第5,106,609号に記載されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0038】
パーソナルケア組成物で用いるのに好適な両性洗浄界面活性剤としては、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として大まかに記載される界面活性剤が挙げられ、ここで脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であることができ、脂肪族置換基の1つが約8〜約18個の炭素原子を有し、1つはアニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する。本発明のパーソナルケア組成物で用いるための例示的な両性洗浄性界面活性剤としては、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート及びこれらの混合物が挙げられる。
【0039】
パーソナルケア組成物で用いるのに好適な双性イオン性洗浄性界面活性剤としては、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であってよく、脂肪族置換基のうちの1つが、約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つが、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネート等のアニオン性基を含有する、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられる。別の実施形態では、ベタインなどの双性イオンが選択される。
【0040】
パーソナルケア組成物で用いるのに好適な他のアニオン性、双性イオン性、両性、又は任意の追加の界面活性剤の非限定的な例としては、McCutcheon’s,Emulsifiers and Detergents,1989 Annual(M.C.Publishing Co.出版)、及び米国特許第3,929,678等、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されており、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0041】
パーソナルケア組成物は、シリコーン、カチオン付着補助剤、水性キャリア、及び本明細書で説明される他の追加成分を更に含んでもよい。
【0042】
B.任意成分
本発明の実施形態によれば、パーソナルケア組成物は、有益剤を含む1以上の任意成分を更に含んでもよい。好適な有益剤としては、コンディショニング剤、カチオン性ポリマーシリコンエマルジョン、抗ふけ活性物質、ゲルネットワーク、キレート剤、及び、ヒマワリ油又はヒマシ油などの天然油が挙げられるが、これらに限定されない。更なる好適な任意成分としては、香料、香料マイクロカプセル、着色剤、粒子、抗菌剤、消泡剤(foam busters)、帯電防止剤、レオロジー調整剤及び増粘剤、懸濁液材料及び構造化剤、pH調整剤及び緩衝剤、防腐剤、真珠光沢剤、溶剤、希釈剤、抗酸化剤、ビタミン、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
そのような任意成分は、物理的及び化学的に組成物の成分に適合する必要があり、製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なうべきではない。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Tenth Edition(the Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)より出版)(2004年)(本明細書で以後「CTFA」と呼ぶ)に、本明細書の組成物に添加できる様々な非限定的材料が記載されている。
【0044】
コンディショニング剤
パーソナルケア組成物のコンディショニング剤は、シリコーンコンディショニング剤であってよい。シリコーンコンディショニング剤は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約8重量%、約0.1重量%〜約5重量%、及び/又は約0.2重量%〜約3重量%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤、及びシリコーン用の任意選択の懸濁化剤の非限定的な例が、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,706,830号、及び米国特許第5,106,609号に記載されており、参照によりそれらの説明が本明細書に組み込まれる。本発明の組成物に使用するシリコーンコンディショニング剤は、25℃で測定したときに約20〜約2,000,000平方ミリメートル/秒(mm
2/秒)、約1,000〜約1,800,000mm
2/秒、約50,000〜約1,500,000mm
2/秒、及び/又は約100,000〜約1,500,000mm
2/秒(約20〜約2,000,000センチストローク(csk)、約1,000〜約1,800,000csk、約50,000〜約1,500,000csk、及び/又は約100,000〜約1,500,000csk)の粘度を有しうる。
【0045】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、典型的には、約0.01μm〜約50μmの範囲の体積平均粒子直径を有する。小さい粒子の毛髪への適用としては、体積平均粒子径は典型的には、約0.0μm〜約4μm、約0.01μm〜約2μm、約0.01μm〜約0.5μmの範囲である。大きな粒子の毛髪への適用としては、体積平均粒子径は典型的には、約5μm〜約125μm、約10μm〜約90μm、約15μm〜約70μm、及び/又は約20μm〜約50μmの範囲である。
【0046】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を議論する項を包含するシリコーンについての更なる資料が、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,pp 204〜308,John Wiley & Sons,Inc.(1989)に見出され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
本発明の実施形態で用いるのに好適なシリコーンエマルションとしては、米国特許第4,476,282号、及び米国特許出願公開第2007/0276087号に記載の説明に従って調製される不溶性ポリシロキサンのエマルションが挙げられるが、これらに限らない。したがって、好適な不溶性ポリシロキサンとしては、分子量が約50,000〜約500,000g/molの範囲内であるα,ωヒドロキシ末端ポリシロキサン、又はα,ωアルコキシ末端ポリシロキサンなどのポリシロキサンが挙げられる。不溶性ポリシロキサンは、約50,000〜約500,000g/molの範囲内の平均分子量を有し得る。例えば、不溶性ポリシロキサンは、約60,000〜約400,000g/mol;約75,000〜約300,000g/mol;約100,000〜約200,000g/molの範囲内の平均分子量を有してもよく、又は、平均分子量は約150,000のg/molであってもよい。不溶性ポリシロキサンは、約30ナノメートル〜約10μmの範囲内の平均粒径を有し得る。平均粒径は、例えば、約40ナノメートル〜約5μm、約50ナノメートル〜約1μm、約75ナノメートル〜約500ナノメートル、又は、約100ナノメートルの範囲内であってもよい。
【0048】
不溶性ポリシロキサンの平均分子量、シリコーンエマルションの粘度、及び不溶性ポリシロキサンを含む粒子の大きさは、Smith,A.L.The Analytical Chemistry of Silicones,John Wiley&Sons,Inc.:New York,1991に開示されている方法のように、当業者に広く用いられている方法によって測定される。例えば、シリコーンエマルションの粘度は、スピンドル6で2.5rpmにてBrookfield粘度計を使用して30℃で測定することができる。シリコーンエマルションは、アニオン性界面活性剤とともに追加の乳化剤を更に含んでもよい。
【0049】
本発明の組成物で用いるのに好適な他のシリコーンの種類としては、i)25℃で測定されるとき、約1,000,000mm
2/秒(1,000,000csk)未満の粘度を有する流動性材料であるシリコーンオイルを含むがこれに限定されない、シリコーン液;ii)少なくとも1つの一級、二級、又は三級アミンを含む、アミノシリコーン;iii)少なくとも1つの四級アンモニウム官能基を含むカチオン性シリコーン;iv)25℃で測定されるとき、1,000,000mm
2/秒(1,000,000csk)以上の粘度を有する材料がを含むシリコーンゴム;v)高度架橋ポリマーシロキサン系を含む、シリコーン樹脂;vi)少なくとも1.46の屈折率を有する、高屈折率シリコーン、及びvii)これらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
有機コンディショニング材料
本発明のパーソナルケア組成物のコンディショニング剤は、単独で又は上記のシリコーンなどのその他のコンディショニング剤と組み合わせて、油又はロウなどの少なくとも1つの有機コンディショニング材料を更に含んでもよい。有機材料は、非ポリマー、オリゴマー、又はポリマーであってよい。この有機材料は、油又はロウの形状であってよく、配合物に、無希釈で加えても、予め乳化した状態で加えてもよい。有機コンディショニング材料のいくつかの非限定的な例としては、i)炭化水素油、ii)ポリオレフィン、iii)脂肪酸エステル、iv)フッ素化コンディショニング化合物、v)脂肪アルコール、vi)アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体;vii)四級アンモニウム化合物;viii)CTFA名PEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000、PEG−2M、PEG−7M、PEG−14M、PEG−45Mを有するもの、及びこれらの混合物を含む、約2,000,000までの分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
乳化剤(Emusifiers)
種々のアニオン性及び非イオン性乳化剤を本発明のパーソナルケア組成物に用いることができる。アニオン性及び非イオン性乳化剤は、本質的にモノマー又はポリマーのいずれかであることができる。モノマーの例としては、アルキルエトキシレート、アルキルサルフェート、石鹸、及び脂肪酸エステル、並びにそれらの誘導体が例示として挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーの例としては、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、及びブロックコポリマー、並びにそれらの誘導体が例示として挙げられるが、これらに限定されない。ラノリン、レシチン、及びリグニンなどの天然の乳化剤、並びにそれらの誘導体も、有用な乳化剤の非限定的な例である。
【0052】
キレート剤
パーソナルケア組成物は、キレート剤を更に含むことができる。好適なキレート剤としては、A E Martell & R M Smith,Critical Stability Constants,Vol.1,Plenum Press,New York & London(1974)及びA E Martell & R D Hancock,Metal Complexes in Aqueous Solution,Plenum Press,New York & London(1996)に記載されるものが挙げられ、いずれも参照により本明細書に組み込まれる。キレート剤に関し、用語「塩及びそれらの誘導体」は、参照しているキレート剤と同じ官能性構造(例えば、同じ化学主鎖)を含み、同様の又はより優れたキレート化特性を有する塩及び誘導体を意味する。塩及びそれらの誘導体としては、アルカリ金属、アルカリ土類、アンモニウム、置換アンモニウム塩(すなわち、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム)塩、酸性部分を有するキレート物質のエステル、及びこれらの混合物、特に、全てのナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩が挙げられる。用語「誘導体」は、米国特許第5,284,972号に例示される化合物などの「キレート化界面活性剤」化合物、及び米国特許5,747,440号に開示される高分子EDDS(エチレンジアミン二コハク酸)などの、親キレート剤と同じ官能構造を有する1以上のキレート化基を含む大型分子も含む。
【0053】
パーソナルケア組成物中のEDDSキレート剤の濃度は、約0.01重量%の低濃度又は約10重量%の高濃度であってよいものの、このような高濃度(すなわち、10重量%)を超える場合には、配合及び/又は人の安全性に関する懸念が生じうる。一実施形態において、EDDSキレート剤の濃度は、パーソナルケア組成物の少なくとも約0.05重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.25重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、又は少なくとも約2重量%であってよい。約4重量%超の濃度を使用することができるものの、追加効果は得られない。
【0054】
ゲルネットワーク
パーソナルケア組成物は、脂肪アルコールゲルネットワークを更に含んでもよい。これらのゲルネットワークは、脂肪アルコールと界面活性剤とを約1:1〜約40:1、約2:1〜約20:1、及び/又は約3:1〜約10:1の割合で加え合わせることによって形成される。ゲルネットワークの形成には、脂肪アルコールの融点を超える温度に、脂肪アルコールの水への分散液を界面活性剤とともに加熱することを伴う。混合プロセスの間に、脂肪アルコールは溶融し、界面活性剤が脂肪アルコール液滴中に分配されるようになる。界面活性剤は、脂肪アルコール中に界面活性剤といっしょに水を運び込む。これによって、等方性脂肪族アルコール液滴が液晶相液滴へと変化する。この混合物が鎖溶融温度よりも低く冷却されると、液晶相は固体結晶性ゲルネットワークへと変換される。ゲルネットワークは、化粧用クリーム及びヘアコンディショナーに安定化効果をもたらす。加えて、これらは、ヘアコンディショナーに調整された感触利益をもたらす。
【0055】
脂肪アルコールは、重量で約0.05重量%〜約14重量%の濃度で、脂肪族アルコールゲルネットワークに含まれうる。例えば、脂肪アルコールは、約1重量%〜約10重量%、及び/又は約6重量%〜約8重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0056】
本発明で有用な脂肪アルコールとしては、約10〜約40個の炭素原子、約12〜約22個の炭素原子、約16〜約22個の炭素原子、及び/又は約16〜約18個の炭素原子を有するものが挙げられる。これらの脂肪アルコールは、直鎖又は分枝鎖アルコールであってよく、かつ飽和又は不飽和であってよい。脂肪アルコールの非限定例として、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。セチルアルコールとステアリルアルコールとを約20:80〜約80:20の比で混合したものが好適である。
【0057】
ゲルネットワークの調製:容器を水で満たし、その水を約74℃まで加熱する。セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びSLES界面活性剤を、加熱した水に添加する。添加後、得られた混合物を熱交換器に通して、混合物を約35℃まで冷却する。冷却すると、脂肪アルコール及び界面活性剤が結晶化して、結晶性ゲルネットワークが形成される。表1に、例示のゲルネットワーク組成物の成分とそれぞれの成分量を示す。
【0059】
本発明の実施形態によれば、パーソナルケア組成物は、1種以上の有益剤を更に含むことができる。例示的な有益剤としては、粒子、着色剤、芳香マイクロカプセル、ゲルネットワーク、及びスキンシリコーンなどの他の不溶性スキンコンディショニング剤又はヘアコンディショニング剤、ヒマワリ油又はヒマシ油などの天然油が挙げられるが、これらに限定されない。一実施例では、有益剤は、以下からなる群から選択される:着色剤:香料マイクロカプセル;ゲルネットワーク;スキンシリコーンなどの他の不溶性スキン又はヘアコンディショニング剤、ヒマワリ油又はヒマシ油などの天然油及びこれらの混合物。
【0060】
カチオン性付着ポリマー
パーソナルケア組成物は、カチオン性付着ポリマーを更に含む。これらのカチオン性付着ポリマーは、(a)カチオン性グアーポリマー、(b)カチオン性非グアーポリマー、(c)カチオン性タピオカポリマー、(d)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー、及び/又は(e)洗浄性界面活性剤と加え合わせた際にリオトロピック液晶を形成するか又はしない、合成非架橋カチオン性ポリマー、(f)カチオン性セルロースポリマー、のうちの少なくとも1つを含みうる。更に、カチオン性付着ポリマーは、付着ポリマーの混合物であってよい。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、本パーソナルケア組成物は、カチオン性に置換されたガラクトマンナン(グアー)ガム誘導体であるカチオン性グアーポリマーを含む。これらのグアーガム誘導体の調製に用いられるグアーガムは典型的に、グアープラントの種から天然に産出される材料として得られる。グアー分子自体は、交互に位置するマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分岐する直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1〜4)グリコシド結合によって互いに結合している。ガラクトース分岐は、α(1〜6)結合によって生じる。グアーガムのカチオン性誘導体は、ポリガラクトマンナンのヒドロキシル基と反応性四級アンモニウム化合物との間の反応によって得られる。グアー構造上のカチオン性基の置換度は、上述の必要なカチオン電荷密度を提供するのに十分でなくてはならない。
【0062】
一実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、約2,500,000g/mol未満の重量平均分子量を有し、約0.05meq/g〜約2.5meq/gの電荷密度を有する。一実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、1,500,000g/mol未満、又は約150,000〜約1,500,000g/mol、又は約200,000〜約1,500,000g/mol、又は約300,000〜約1,500,000g/mol、又は約700,000,000〜約1,500,000g/molの重量平均分子量を有する。一実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、約0.2〜約2.2meq/g、又は約0.3〜約2.0meq/g、又は約0.4〜約1.8meq/g、又は約0.5meq/g〜約1.7meq/gの電荷密度を有する。
【0063】
一実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、約1,000,000g/mol未満の重量平均分子量を有し、約0.1meq/g〜約2.5meq/gの電荷密度を有する。一実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、900,000g/mol未満、又は約150,000〜約800,000g/mol、又は約200,000〜約700,000g/mol、又は約300,000〜約700,000g/mol、又は約400,000〜約600,000g/mol、又は約150,000〜約800,000g/mol、又は約200,000〜約700,000g/mol、又は約300,000〜約700,000g/mol、又は約400,000〜約600,000g/molの重量平均分子量を有する。一実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、約0.2〜約2.2meq/g、又は約0.3〜約2.0meq/g、又は約0.4〜約1.8meq/g、又は約0.5meq/g〜約1.5meq/gの電荷密度を有する。
【0064】
一実施形態では、本組成物は、組成物の全重量の約0.01重量%〜約0.7重量%未満、約0.04重量%〜約0.55重量%、約0.08重量%〜約0.5重量%、約0.16重量%〜約0.5重量%、約0.2重量%〜約0.5重量%、約0.3重量%〜約0.5重量%、又は約0.4重量%〜約0.5重量%のカチオン性グアーポリマー(a)を含む。
【0065】
カチオン性グアーポリマーは、四級アンモニウム化合物から形成することができる。一実施形態では、カチオン性グアーポリマーを形成するための四級アンモニウム化合物は、次の一般式1に適合する。
【0066】
【化1】
式中、R
3、R
4及びR
5は、メチル又はエチル基であり、R
6は、次の一般式2のエポキシアルキル基であるか、
【0067】
【化2】
又は、R
6は、次の一般式3のハロヒドリン基である:
【0068】
【化3】
式中、R
7はC
1〜C
3アルキレンであり;Xは、塩素又は臭素であり、Zは、Cl−、Br−、I−、又はHSO
4−などのアニオンである。
【0069】
一実施形態では、カチオン性グアーポリマーは次の一般式4に適合する。
【0070】
【化4】
式中、R
8は、グアーガムであり、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、上の定義と同様であり、Zは、ハロゲンである。一実施形態では、カチオン性グアーポリマーは式5に適合する。
【0072】
好適なカチオン性グアーポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性グアーガム誘導体が挙げられる。一実施形態では、カチオン性グアーポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの具体的な例としては、Rhone−Poulenc Incorporatedから市販されているJaguar(登録商標)シリーズ、例えば、Rhodiaから市販されているJaguar(登録商標)C−500が挙げられる。Jaguar(登録商標)C−500は、0.8meq/gの電荷密度及び500,000g/molの分子量を有する。Jaguar(登録商標)C−17は、約0.6meq/gのカチオン電荷密度、及び約2,200,000g/molの分子量を有し、Rhodia Companyから入手可能である。Jaguar(登録商標)C13Sは、2,200,000g/molの分子量、及び約0.8meq/gのカチオン電荷密度を有する(Rhodia Companyから入手可能)。他の好適なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、約1.1meq/gの電荷密度、及び約500,000g/molの分子量を有し、ASIから入手可能であるグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、並びに約1.5meq/gの電荷密度、及び約500,000g/molの分子量を有し、ASIから入手可能であるグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。 他の好適なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、約0.7meq/gの電荷密度及び約600,000g/molの分子量を有し、Rhodiaから入手可能であるHi−Care1000;約0.7meq/gの電荷密度及び約425,000g/molの分子量を有し、ASIから入手可能であるN−Hance 3269及びN−Hance 3270;並びに、約0.8meq/gの電荷密度及び約1,100,000g/molの分子量を有し、ASIから入手可能であるN−Hance 3196である。AquaCat CG518は、約0.9meq/gの電荷密度及び約50,000g/molの分子量を有し、ASIから入手可能である。約1.1meq/gの電荷密度及び約800,000の分子量を有するホウ酸塩(ホウ素)を含まないグアーであるBF−13、及び約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000の分子量を有するホウ酸塩(ホウ素)を含まないグアーであるBF−17は、いずれもASIから入手可能である。
【0073】
本発明のパーソナルケア組成物には、モノマー対モノマー基準でマンノースとガラクトースとの比が2:1より大きいガラクトマンナンポリマー誘導体を含有させてもよい。ガラクトマンナンポリマー誘導体は、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体、及び正味電荷が正である両性ガラクトマンナンポリマー誘導体からなる群から選択される。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性ガラクトマンナン」は、カチオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。用語「両性ガラクトマンナン」は、ポリマーが正味の正電荷を有するようにカチオン性基及びアニオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。
【0074】
ガラクトマンナンポリマーは、マメ科植物の種子の内胚乳に存在する。ガラクトマンナンポリマーは、マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの組み合わせから構成される。ガラクトマンナン分子は、特定のマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分枝した直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1〜4)グルコシド結合によって互いに結合されている。ガラクトース分岐は、α(1〜6)結合によって生じる。マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの比は、植物種によって様々であり、気候の影響も受ける。本発明の非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、モノマー対モノマー基準で2:1より大きいマンノースとガラクトースとの比を有する。好適なマンノースとガラクトースとの比は、約3:1より大きくてもよく、マンノースとガラクトースとの比は約4:1より大き
くてもよい。マンノースとガラクトースとの比の分析は、当該技術分野において周知であり、典型的には、ガラクトース含量の測定に基づく。
【0075】
非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体の調製に用いられるガムは典型的には、植物の種又はマメなどの天然物質として得られる。様々な非グアーガラクトマンナンポリマーの例としては、タラガム(マンノース3部/ガラクトース1部)、イナゴマメ又はカロブ(マンノース4部/ガラクトース1部)、及びカッシアガム(マンノース5部/ガラクトース1部)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0076】
本発明の一実施形態では、非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1,000〜約10,000,000、及び/又は約5,000〜約3,000,000の分子量を有する。
【0077】
パーソナルケア組成物は、約0.5meq/g〜約7meq/gのカチオン電荷密度を有するガラクトマンナンポリマー誘導体を更に含む。本発明の一実施形態では、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1meq/g〜約5meq/gのカチオン電荷密度を有する。ガラクトマンナン構造へのカチオン性基の置換度は、必要なカチオン電荷密度をもたらすのに十分でなければならない。
【0078】
本発明の一実施形態では、ガラクトマンナンポリマー誘導体は非グアーガラクトマンナンポリマーのカチオン性誘導体であり、これは、ポリガラクトマンナンポリマーのヒドロキシル基と反応性四級アンモニウム化合物との反応によって得られる。カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体の形成に使用する好適な四級アンモニウム化合物としては、上記で定義された一般式1〜5に適合するものが挙げられる。
【0079】
上記の試薬から形成されるカチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、次の一般式6により表される:
【0080】
【化6】
式中、Rはガムである。カチオン性ガラクトマンナン誘導体は、ガムヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドであることができ、これは、より具体的には、下記の一般式7によって表すことができる。
【0082】
本発明の別の実施形態では、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体であり、これはカチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体がアニオン基を更に含む場合に得られる。
【0083】
本発明の一実施形態では、カチオン性非グアーガラクトマンナンは、約4:1より大きいマンノースとガラクトースとの比、約100,000〜約500,000及び/又は約150,000〜約400,000の分子量、並びに約1〜約5meq/g及び/又は2〜約4meq/gのカチオン電荷密度を有し、カッシアという植物から得られる。
【0084】
本発明のパーソナルケア組成物は、組成物の少なくとも約0.05重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含有する。本発明の一実施形態では、パーソナルケア組成物は、組成物の約0.05重量%〜約2重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含む。
【0085】
本発明のパーソナルケア組成物は、水溶性カチオン変性デンプンポリマーを含み得る。本明細書で使用するとき、用語「カチオン変性デンプン」とは、デンプンがより小さい分子量に分解される前にカチオン性基が付加されたデンプン、又はデンプンの変性後にカチオン性基が付加されて所望の分子量に達したデンプンを指す。用語「カチオン変性デンプン」の定義には、両性変性デンプンも含まれる。用語「両性変性デンプン」とは、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたデンプン加水分解物を指す。
【0086】
本発明のパーソナルケア組成物は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、及び/又は約0.05重量%〜約5重量%の範囲のカチオン変性デンプンポリマーを含むことができる。
【0087】
本発明で開示されるカチオン変性デンプンポリマーは、結合窒素の百分率が約0.5%〜約4%である。
【0088】
本発明のパーソナルケア組成物で用いるカチオン変性デンプンポリマーは、約850,000〜約15,000,000、及び/又は約900,000〜約5,000,000の分子量を有する。本明細書で使用するとき、用語「分子量」は、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、Waters 600E HPLCポンプ、及びPolymer Laboratories PL Gel MIXED−A GPCカラム(パーツ番号1110〜6200、600×7.5mm、20μm)を備えたWaters 717オートサンプラーを、55℃のカラム温度、1.0mL/分の流量(0.1%の臭化リチウムを有するジメチルスルホキシドからなる移動相)で使用するゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)によって、並びに直列に配置された(0.066のdn/dcを用いて)Wyatt DAWN EOS MALLS(マルチアングルレーザ光散乱検出器)及びWyatt Optilab DSP(干渉屈折計)検出器を使用し、いずれも検出器温度50℃として、Polymer Laboratories narrow dispersed Polysaccharide standard(Mw=47,300)を使って作成された方法で、200μlの注入量で測定することができる。
【0089】
本発明のパーソナルケア組成物は、約0.2meq/g〜約5meq/g、及び/又は約0.2meq/g〜約2meq/gの電荷密度を有するカチオン変性デンプンポリマーを含んでもよい。このような電荷密度を得るための化学修飾としては、デンプン分子にアミノ基及び/又はアンモニウム基を付加することが挙げられるが、これらに限定されない。これらのアンモニウム基の非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、及びジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライドなどの置換基を挙げることができる。Solarek,D.B.,Cationic Starches in Modified Starches:Properties and Uses,Wurzburg,O.B.,Ed.,CRC Press,Inc.,Boca Raton,Fla.1986,pp 113〜125を参照されたい。カチオン性基は、より小さな分子量に分解される前にデンプンに付加されてもよく、又は、カチオン性基は、このような変性の後に付加されてもよい。
【0090】
本発明のカチオン変性デンプンポリマーは、概して、約0.2〜約2.5のカチオン性基の置換度を有する。本明細書で使用するとき、カチオン変性デンプンポリマーの「置換度」とは、置換基によって誘導体化された各無水グルコース単位のヒドロキシル基数の平均値である。各無水グルコース単位は、置換に利用できる3個の可能なヒドロキシル基を有し、可能な最大置換度は3である。置換度は、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数として、モル平均基準で表わされる。置換度は、当該技術分野において周知のプロトン核磁気共鳴分光法(「.sup.1H NMR」)法を使用して求めることができる。好適な.sup.1H NMR法としては、「Observation on NMR Spectra of Starches in Dimethyl Sulfoxide,Iodine−Complexing,and Solvatingin Water−Dimethyl Sulfoxide」,Qin−Ji Peng and Arthur S.Perlin,Carbohydrate Research,160(1987),57〜72;及び「An Approach to the Structural Analysis of Oligosaccharides by NMR Spectroscopy」,J.Howard Bradbury and J.Grant Collins,Carbohydrate Research,71,(1979),15〜25に記載されているものが挙げられる。
【0091】
化学修飾前のデンプン源は、塊茎、マメ科植物、穀草及び穀物などの様々な供給源から選択することができる。この供給源のデンプンの非限定的な例としては、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ワキシーコーンスターチ、オートムギデンプン、ワキシーオオムギ、ワキシーライススターチ、グルテン状ライススターチ、モチゴメデンプン、アミオカ、バレイショデンプン、タピオカデンプン、オートムギデンプン、サゴデンプン、モチゴメ、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0092】
本発明の一実施形態では、カチオン変性デンプンポリマーは、分解されたカチオン性トウモロコシデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性ポテトデンプン、及びこれらの混合物から選択される。別の実施形態では、カチオン変性デンプンポリマーは、カチオン性コーンスターチ及びカチオン性タピオカである。
【0093】
デンプンは、より小さな分子量へと分解する前又は修飾した後に、1以上の追加の修飾を施してもよい。例えば、これらの修飾には、架橋、安定化反応、リン酸化反応、及び加水分解を挙げることができる。安定化反応としては、アルキル化及びエステル化を挙げることができる。
【0094】
本発明のカチオン変性デンプンポリマーは、加水分解デンプンの形態(例えば、酸、酵素、又はアルカリ分解)、酸化デンプンの形態(例えば、過酸化物、過酸、次亜塩素酸塩、アルカリ、又はその他いずれかの酸化剤)、物理的/機械的に分解させたデンプンの形態(例えば、加工装置のサーモメカニカルエネルギー投入によるもの)、又はこれらの組み合わせとして組成物に添加することができる。
【0095】
デンプンの最適な形状は、水に容易に溶解して、実質的に透明な水溶液(600nmの透過率(%)が80以上)を形成する形状である。組成物の透過率は、紫外可視(UV/VIS)吸光度測定法によって測定される。この測定法は、関連する指示事項に従って、Gretag Macbeth Colorimeter Color i 5を用いて、サンプルのUV/VIS光の吸収率又は透過率を測定する。600ナノメートルの光波長が、化粧品組成物の透明度を特徴づけるのに適していることが示されている。
【0096】
本発明の組成物で用いるのに好適なカチオン変性デンプンは、公知のデンプン供給業者から入手可能である。同様に、本発明での使用に適しているのは、当該技術分野において周知のカチオン変性デンプンに更に誘導体化することができる非イオン性変性デンプンである。他の好適な変性デンプンの出発物質は、本発明での使用に好適なカチオン変性デンプンポリマーを製造するために、当該技術分野において周知であるように、四級化されてもよい。
【0097】
デンプン分解手順:本発明の一実施形態では、粒状デンプンを水に混合することによって、デンプンスラリーを調製する。温度を約35℃まで上昇させ、次に、デンプンに対して約50ppmの濃度で、過マンガン酸カリウム水溶液を添加する。水酸化ナトリウムによってpHを約11.5まで上昇させ、スラリーを十分に攪拌して、デンプンが沈殿しないようにする。次に、デンプンベースで過酸化物濃度が約1%になるまで、水で希釈した過酸化水素の約30%溶液を加える。続いて、追加の水酸化ナトリウムを加えることによって、pHを約11.5に戻す。この反応は、約1〜約20時間かけて完了する。次に、混合物を、希塩酸で中和する。分解したデンプンを、ろ過によって回収してから、洗浄、乾燥する。
【0098】
(4)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー
本発明の一実施形態によれば、パーソナルケア組成物は、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマーを含み、このコポリマーは約1.0meq/g〜約3.0meq/gの電荷密度を有する。一実施形態では、カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとの合成カチオン性コポリマーである。
【0099】
一実施形態では、カチオン性コポリマーは以下のものを含む。
(i)次式AMのアクリルアミドモノマー:
【0100】
【化8】
式中、R
9は、H、又はC
1〜4アルキルであり、R
10及びR
11は独立して、H、C
1〜4アルキル、CH
2OCH
3、CH
2OCH
2CH(CH
3)
2、及びフェニルからなる群から選択されるか、ともにC
3〜6シクロアルキルを形成する。
(ii)次式CMに適合するカチオン性モノマー:
【0101】
【化9】
式中、kは1であり、v、v'、及びv''はそれぞれ独立して、1〜6の整数であり、wは、0、又は1〜10の整数であり、X
-はアニオンである。
【0102】
一実施形態では、式CMに適合するとともに、式中のkが1であり、vが3であり、wが0であり、zが1であり、X
-がCl
-であるカチオン性モノマーは、下記の構造を形成する。
【0104】
上の構造は、ジクワット(diquat)と称されてもよい。別の実施形態では、カチオン性モノマーは、下記のように、式CMに適合するとともに、式中のv及びv''がそれぞれ3であり、v'が1であり、wが1であり、yが1であり、X
-がCl
-である。
【0106】
上記の構造は、トリクワット(triquat)と称してもよい。
【0107】
一実施形態では、アクリルアミドモノマーは、アクリルアミド又はメタクリルアミドである。
【0108】
一実施形態では、カチオン性コポリマー(b)は、アクリルアミドと1,3−プロパンジアミニウム,N−[2−[[[ジメチル[3−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]プロピル]アンモニオ]アセチル]アミノ]エチル]2−ヒドロキシ−N,N,N',N',N'−ペンタメチル−トリクロリドとのコポリマーであるAM:TRIQUATである。AM:TRIQUATは、ポリクオタニウム76(PQ76)としても知られている。AM:TRIQUATは、1.6meq/gの電荷密度を有し、1,100,000g/molの分子量を有しうる。
【0109】
別の実施形態では、カチオン性コポリマーはアクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとからなり、カチオン性モノマーは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0110】
一実施形態において、カチオン性コポリマーは、塩化トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチル硫酸塩、塩化ベンジルジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート、塩化4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレート、塩化トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミド、塩化トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド、塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物を含むカチオン性モノマーからなる群から選択されるカチオン性モノマーを含む。
【0111】
一実施形態において、カチオン性コポリマーは水溶性である。一実施形態において、カチオン性コポリマーは、(1)(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドに基づくカチオン性モノマー、及び/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのコポリマーと、(2)(メタ)アクリルアミド、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマー、及び(メタ)アクリルアミドに基づくモノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのターポリマーと、から形成される。カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーは、第四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルであってもよい。一実施形態において、四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキル基及びアルキレン基内のC1〜C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートである。一実施形態において、四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、塩化メチルで四級化されたジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのアンモニウム塩からなる群から選択される。一実施形態では、四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキルハライドで、又は塩化メチル若しくは塩化ベンジル若しくはジメチル硫酸塩(ADAME−Quat)で四級化されたジメチルアミノエチルアクリレートである。一実施形態では、カチオン性モノマーは、(メタ)アクリルアミドを主成分とする場合、アルキル基及びアルキレン基内のC1〜C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドであるか、又はアルキルハライドで、若しくは塩化メチル若しくは塩化ベンジル若しくはジメチル硫酸塩で四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドである。
【0112】
一実施形態では、(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキル基及びアルキレン基内のC1〜C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドである。一実施形態では、(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキルハライドで、特に塩化メチル若しくは塩化ベンジル若しくはジメチル硫酸塩で四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドである。
【0113】
一実施形態では、カチオン性モノマーは、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーである。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド以外に、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、OECD加水分解試験に対して安定であるとみなされる全てのモノマーでありうる。一実施形態では、カチオン性モノマーは加水分解に対して安定であり、該加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、及び水溶性カチオン性スチレン誘導体からなる群から選択される。
【0114】
一実施形態では、カチオン性コポリマーは、アクリルアミドと、塩化メチルで四級化された2−ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(ADAME−Q)と、塩化メチルで四級化された3−ジメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド(DIMAPA−Q)とのターポリマーである。一実施形態では、カチオン性コポリマーは、アクリルアミド及びアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物から形成される。このアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物は、約1.0meq/g〜約3.0meq/gの電荷密度を有する。
【0115】
一実施形態では、カチオン性コポリマーは、約1.1meq/g〜約2.5meq/g、又は約1.1meq/g〜約2.3meq/g、又は約1.2meq/g〜約2.2meq/g、又は約1.2meq/g〜約2.1meq/g、又は約1.3meq/g〜約2.0meq/g、又は約1.3meq/g〜約1.9meq/gの電荷密度を有する。
【0116】
一実施形態では、カチオン性コポリマーは、約100,000g/mol〜約2,000,000g/mol、又は約300,000g/mol〜約1,800,000g/mol、又は約500,000g/mol〜約1,600,000g/mol、又は約700,000g/mol〜約1,400,000g/mol、又は約900,000g/mol〜約1,200,000g/molの分子量を有する。
【0117】
一実施形態では、カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニオプロピルメタクリルアミドクロリド−N−アクリルアミドコポリマーであり、これは、AM:MAPTACとしても知られている。AM:MAPTACは、約1.3meq/gの電荷密度、及び約1,100,000g/molの分子量を有しうる。一実施形態では、カチオン性コポリマーはAM:ATPACである。AM:ATPACは、約1.8meq/gの電荷密度、及び1,100,000g/molの分子量を有しうる。
【0118】
本発明の一実施形態によると、パーソナルケア組成物は、
i)1以上のカチオン性モノマー単位と、任意選択的に、
ii)負電荷を有する1以上のモノマー単位、及び/又は
iii)非イオン性モノマーから形成されうるカチオン性合成ポリマーとを含んでよく、
ここで、結果として得られるコポリマーの電荷は正である。これらの3種のモノマーの比は「m」、「p」及び「q」で表され、ただし、「m」は、カチオン性モノマーの数であり、「p」は、負電荷を有するモノマーの数であり、「q」は、非イオン性モノマーの数である。
【0119】
一実施形態において、カチオン性ポリマーは、以下の構造を有する、水溶性又は分散性で、非架橋型の合成カチオン性ポリマーである。
【0120】
【化12】
式中、Aは次のカチオン性部分のうちの1以上のものであってよく、
【0121】
【化13】
式中、@=アミド、アルキルアミド、エステル、エーテル、アルキル又はアルキルアリールであり、
Yは、C1〜C22アルキル、アルコキシ、アルキリデン、アルキル、又はアリールオキシであり、
ψは、C1〜C22アルキル、アルキルオキシ、アルキルアリール、又はアルキルアリールオキシ(arylox)であり、
Zは、C1〜C22アルキル、アルキルオキシ、アリール、又はアリールオキシであり、
R1は、H、直鎖又は分岐鎖のC1〜C4アルキルであり、
sは、0又は1であり、nは、0又は≧1であり、
T及びR7は、C1〜C22アルキルであり、
X−は、ハロゲン、ヒドロキシド、アルコキシド、サルフェート、又はアルキルサルフェートである。
【0122】
上記の構造中、負電荷を有するモノマーは、R2'がH、C1〜C4の直鎖又は分枝状アルキルであり、R3が下記の通りであることによって定義される。
【0123】
【化14】
式中、Dは、O、N、又はSであり、
Qは、NH
2、又はOであり、
uは、1〜6であり、
tは、0〜1であり、
Jは、P、S、Cの元素を含む酸素化官能基である。
【0124】
上記の構造中、非イオン性モノマーは、R2''がH、直鎖又は分岐鎖のC1〜C4アルキルであることと、R6が直鎖又は分岐鎖のアルキル、アルキルアリール、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルアリールオキシであることと、βが下記の定義どおりであることによって定義される。
【0125】
【化15】
かつ
式中、G'及びG''は互いに独立して、O、S、又はN−Hであり、Lは、0又は1である。
【0126】
カチオン性モノマーの例としては、アミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド;少なくとも1つの二級、三級、若しくは四級アミン官能基、又は窒素原子、ビニルアミン、若しくはエチレンイミンを含有する複素環基を含むモノマー;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;それらの混合物、それらの塩、及びそれらから誘導されるマクロモノマーが挙げられる。
【0127】
カチオン性モノマーの更なる例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0128】
好適なカチオン性モノマーとしては、式−NR
3+(式中、Rは、同じであるか、又は異なるものであり、水素原子、1〜10個の炭素原子を含むアルキル基、又はベンジル基を表す)の4級アンモニウム基を含み、任意選択的にヒドロキシル基を有するとともに、アニオン(対イオン)を含むものが挙げられる。アニオンの例は、塩化物、臭化物などのハロゲン化物、サルフェート、ヒドロサルフェート、アルキルサルフェート(例えば、1〜6個の炭素原子を含む)、ホスフェート、シトレート、ホルメート、及びアセテートである。
【0129】
好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0130】
更なる好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリドが挙げられる。
【0131】
負電荷を有するモノマーの例としては、ホスフェート又はホスホネート基を含むαエチレン性不飽和モノマー、αエチレン性不飽和モノカルボン酸、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、スルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物、及びスルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物の塩が挙げられる。
【0132】
負電荷を有する好適なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルメタクリレートの塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩、及びスチレンスルホネート(SS)が挙げられる。
【0133】
非イオン性モノマーの例としては、酢酸ビニル、αエチレン性不飽和カルボン酸のアミド、αエチレン性不飽和モノカルボン酸と水素化又はフッ素化アルコールとのエステル、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート(すなわちポリエトキシル化(メタ)アクリル酸)、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、ビニルニトリル、ビニルアミンアミド、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、及びビニル芳香族化合物が挙げられる。
【0134】
好適な非イオン性モノマーとしては、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられる。
【0135】
ポリマーが、水、パーソナルケア組成物、又はパーソナルケア組成物のコアセルベート相中に可溶性又は分散性を維持する限り、また、対イオンが、パーソナルケア組成物の必須成分と物理的及び化学的相溶性を有するか、又はそうでなければ製品の性能、安定性、又は審美性を過度に損なわない限り、合成カチオン性ポリマーに付随するアニオン性対イオン(X−)は、任意の既知の対イオンであってよい。このような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0136】
一実施形態では、本明細書に記載されるカチオン性ポリマーは、傷んだ毛髪、特に化学処理をした毛髪に、F層の代わりとなる疎水性層を形成することを助ける。微視的に薄いF層は天然の耐候性を提供しつつ、水分の封じ込めを助け、更なるダメージを防ぐ。化学的な処理により、毛髪のキューティクルはダメージを受け、防御作用を持つF層は毛髪から剥がれ落ちてしまう。F層が剥がれ落ちるにつれ、毛髪は親水性が増すようになる。化学処理を施した毛髪に、リオトロピック液晶を塗布すると、その毛髪の疎水性が向上し、外観も触感も、未処理の毛髪のようになることが分かっている。いずれの理論にも拘束されるものではないが、リオトロピック液晶複合体は疎水性の層又は膜を形成し、天然のF層が毛髪を保護するのと同様に、この層又は膜が毛髪繊維をコーティングして毛髪を保護すると考えられる。疎水層は、毛髪を、一般的には未処理の毛髪のようなより健康的な状態に戻す。リオトロピック液晶は、本明細書に記載される合成カチオン性ポリマーを、パーソナルケア組成物の上記のアニオン性洗浄界面活性剤成分と加え合わせることによって形成される。合成カチオン性ポリマーの電荷密度は比較的高い。カチオン電荷密度が比較的高い一部の合成ポリマーは、主としてそれらの異常な線形の電荷密度のためにリオトロピック液晶を形成しないことに留意されたい。このような合成カチオン性ポリマーは国際公開第94/06403号(Reichら)に記載されている。本明細書に記載の合成ポリマーは、傷んだ毛髪に関して、改善されたコンディショニング性能を提供する、安定したパーソナルケア組成物中に配合することができる。
【0137】
リオトロピック液晶を形成しうるカチオン性合成ポリマーは、約2meq/gm〜約7meq/gm、及び/又は約3meq/gm〜約7meq/gm、及び/又は約4meq/gm〜約7meq/gmのカチオン電荷密度を有する。特定の実施形態では、カチオン電荷密度は約6.2meq/gmである。このポリマーは、約1,000〜約5,000,000、及び/又は約10,000〜約2,000,000、及び/又は約100,000〜約2,000,000の分子量を更に有する。
【0138】
本発明の別の実施形態では、有益剤の増強されたコンディショニング性能と付着性能を提供するが必ずしもリオトロピック液晶を形成しないカチオン性合成ポリマーは、約0.7meq/gm〜約7meq/gm、及び/又は約0.8meq/gm〜約5meq/gm、及び/又は約1.0meq/gm〜約3meq/gmのカチオン性電荷密度を有する。このポリマーは、約1,000〜約5,000,000、約10,000〜約2,000,000、及び約100,000〜約2,000,000の分子量を更に有する。
【0139】
カチオン性ポリマーの濃度は、パーソナルケア組成物の約0.025重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約3重量%、及び/又は約0.2重量%〜約1重量%の範囲である。
【0140】
好適なカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩であり、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれており、Dwo/Amerchol Corp.(ニュージャージー州エジソン、米国)より、Polymer LR、JR及びKGシリーズのポリマーとして入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corpより、Polymer LM−200の商標名で入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム67と呼ばれている、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド及びトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corp.から、SoftCAT Polymer SL−5、SoftCAT Polymer SL−30、Polymer SL−60、Polymer SL−100、Polymer SK−L、Polymer SK−M、Polymer SK−MH、及びPolymer SK−Hという商品名で入手可能である。
【0141】
水性キャリア
パーソナルケア組成物は、(周囲条件下で)注ぐことが可能な液体の形態であり得る。したがって、このような組成物は典型的には、キャリアを含み、これは約20重量%〜約95重量%、又は更には約60重量%〜約85重量%の濃度で存在する。キャリアは、水、又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよいが、一態様では、他の必須又は任意成分の微量成分として組成物中に偶然添加される場合を除き、最小限の有機溶媒を含むか、又は有意の濃度の有機溶媒を含まない水を含んでもよい。
【0142】
本発明のパーソナルケア組成物の実施形態において有用なキャリアとしては、水、並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素を有する一価アルコール、一態様では、エタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な例示的な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0143】
製品形態
本発明のパーソナルケア組成物は、典型的なパーソナルケアの配合中に存在してもよい。この組成物は、溶液、分散液、エマルション、粉末、タルク、カプセル状、球体、スポンジャー(sponger)、固形剤形、発泡体、及びその他の送達機構の形態であってもよい。本発明の実施形態の組成物は、ヘアトニック、トリートメント及びスタイリング製品のようなリーブオンヘア製品、シャンプー及びパーソナルクレンジング製品のようなリンスオフヘア製品、及びトリートメント製品、並びに毛髪に塗布可能な任意の他の形態とすることができる。
【0144】
パーソナルケア組成物は、Brookfield R/S Plusレオメーターを用い、26.6℃にて2s
-1で測定した場合に、4,000cP〜20,000cP、又は約6,000cP〜約12,000cP、又は約8,000cP〜約11,000cPの粘度を有しうる。cPはセンチポアズを意味する。
【0145】
試験方法
A.光学顕微鏡法
対応するプレミックス組成物の光学顕微鏡写真は、およそ15mgの無希釈のプレミックス組成物の試料を置き、光学顕微鏡で400倍で観察することで得られる。
【0146】
B.降伏応力測定
試料の降伏応力を、TA Instruments Discovery HR−3回転レオメーターで60mm、1°の円錐及び平板形状を使用して測定する。適用されたレオメーターの手順は、
1.試料を25℃とする工程と、
2.1〜0.001(1/s)までフロースイープを行う工程と、を含む。
【0147】
せん断速度の対数をx軸に、応力の対数をy軸にプロットし、Herschel−Bulkleyモデルをデータにフィッティングさせることによって、各試料の降伏応力数値を計算する。
【0148】
C.粒径測定
Alpine Jet SieveモデルA200LS及び325メッシュ篩いを使用して、Thixcin粉末の粒径を測定する。粒径の手順は以下の通りである。
1.ふるいを量り、重量Aとして記録する。
2.20±0.01gの試料を量り、篩い上に置く。
3.Alpine Jet器具に篩いを置き、1分間作動させる。
4.物質をフタから払い落とし、更に2分間作動させる。
5.篩い及び篩いに残った物質を一緒に量り、重量Bとして重量を記録する。
保持率(%)を次の式で計算する。
保持率(%)=5x(重量B−重量A)
【0149】
D.繊維特性評価
繊維のサイズ
Thixcin分散液(1.5%のThixcin濃度又は代替構造化剤)を1:25に希釈する。光学カメラを備えた光学顕微鏡を400倍の倍率で使用して、プレミックス溶液中の15本の繊維の長さ及び幅を測定する。この試験は、繊維のサイズを検出するためにパーソナルケア(personal are)組成物にも行うことができる。
【0150】
繊維の比率(%)
光学カメラを備えた光学顕微鏡を200倍の倍率で使用して、430μmX22mmの寸法の15個の試料の視野を見る。各試料中の全ての非繊維粒子を数え、測定する。界面活性剤とThixcin(又は代替構造化剤)とは、極めて似通った密度を有していることから、試料中の繊維の比率(%)は、表面積を使用して次の式を用いて計算される。
【実施例】
【0152】
以下の実施例は、本明細書に述べられる本発明の実施形態を図示する。例示するパーソナルケア組成物は、従来の配合及び混合技術により調製することできる。配合物の分野の当業者の技術の範囲内でパーソナルケア組成物、及び/又はコンディショナー組成物の他の改変を、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく
行いうることが理解されるであろう。本明細書における全ての部、比率(%)、及び比は、特に指定しない限り、重量基準である。特定の成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。記載される量は、特に指定しない限り、活性物質の重量%を表す。
【0153】
以下は、本明細書に述べられるプレミックス組成物、及びシャンプー組成物の非限定的な実施例である。
【0154】
【表3】
1Thixcin(登録商標)、供給元Elementis
【0155】
(実施例1)
7.5gの量のHCOを、1.75gのクエン酸及び491gのSLSの溶液中に大きな粒塊が見えなくなるまで分散させる。分散は、300rpmで20分間Cowlesブレードを使用して行う。分散後、混合物を目標温度の80℃まで加熱し、5〜20分間保つ。温度を保った後、混合物を低せん断下で、毎分2.5℃の速度で30℃まで冷却する。
【0156】
(実施例2)
2.5gの量のHCOを、2.0gのクエン酸及び495.5gのSLSの溶液中に大きな粒塊が見えなくなるまで分散させる。分散は、300rpmで20分間Cowlesブレードを使用して行う。分散後、混合物を目標温度の75℃まで加熱し、5〜20分間保つ。温度を保った後、混合物を低せん断下で、毎分2.5℃の速度で30℃まで冷却する。
【0157】
(実施例3)
7.5gの量のHCOを、2.0gのクエン酸及び491gのSLSの溶液中に大きな粒塊が見えなくなるまで分散させる。分散は、300rpmで20分間Cowlesブレードを使用して行う。分散後、混合物を目標温度の80℃まで加熱し、15〜30分間保つ。温度を保った後、混合物を低せん断下で、毎分2.5℃の速度で30℃まで冷却する。
【0158】
(実施例4)
7.5gの量のHCOを、491gのALSに大きな粒塊が見えなくなるまで分散させる。分散は、300rpmで20分間Cowlesブレードを使用して行う。分散後、混合物を目標温度の80℃まで加熱し、5〜20分間保つ。温度を保った後、混合物を低せん断下で、毎分2.5℃の速度で30℃まで冷却する。
【0159】
(実施例5)
3.6Kgの量のHCOを、0.888Kgのクエン酸及び235.4KgのSLSの溶液中に分散させる。分散はクアドロを使用して行う。分散後、混合物を目標温度の80℃まで加熱し、5〜20分間保つ。温度を保った後、混合物を冷却装置を通して別の容器に圧送する。
【0160】
【表4】
2Tomadol 25−3、供給元Tomah Products
3Tergitol 15−s−9、供給元Dow Chemical
【0161】
比較例1
8.75gの量のHCOを、1.75gのクエン酸及び489.5gのSLE1Sの溶液中に大きな粒塊が見えなくなるまで分散させる。分散は、300rpmで20分間Cowlesブレードを使用して行う。分散後、混合物を目標温度の80℃まで加熱し、15〜30分間保つ。温度を保った後、混合物を低せん断下で、毎分0.8℃の速度で20℃まで冷却する。
【0162】
比較例2
8.75gの量のHCOを、2.0gのクエン酸及び489.25gのSLSの溶液中に大きな粒塊が見えなくなるまで分散させる。分散は、300rpmで20分間Cowlesブレードを使用して行う。分散後、混合物を目標温度の63℃まで加熱し、5〜20分間保つ。温度を保った後、混合物を低せん断下で、毎分2.5℃の速度で20℃まで冷却する。
【0163】
比較例3
8.75gの量のHCOを、2.0gのクエン酸及び489.25gのSLSの溶液中に大きな粒塊が見えなくなるまで分散させる。分散は、300rpmで20分間Cowlesブレードを使用して行う。分散後、混合物を目標温度の88℃まで加熱し、5〜20分間保った。温度を保った後、混合物を低せん断下で、毎分2.5℃の速度で20℃まで冷却する。
【0164】
比較例4
2.5gの量のHCOを、84℃の72.8gの界面活性剤に溶解させる。溶解後、その溶液を、65℃の572gの水に250RPMで混合しながら加える。その溶液を10分間これらの条件下で混合する。次に、混合速度を175RPMに下げて、溶液を更に30分間混合する。次に、溶液を毎分2℃の速度で室温まで冷却する。
【0165】
比較例5
2.5gの量のHCOを、84℃の72.8gの界面活性剤に溶解させる。溶解後、その溶液を、65℃の572gの水に250RPMで混合しながら加える。その溶液を10分間これらの条件下で混合する。次に、混合速度を175RPMに下げて、溶液を更に30分間混合する。次に、溶液を毎分2℃の速度で室温まで冷却する。
【0166】
【表5】
(1)ラウレス−3硫酸ナトリウム、Stepan Company製
(2)ラウリル硫酸ナトリウム、Stepan Company製
(3)ラウレス−1硫酸ナトリウム、Stepan Company製
(4)Amphosol HCA、Stepan Company製
(5)Ninol COMF、Stepan Company製
(6)CO 1895、Procter & Gamble製
(7)CO 1695、Procter & Gamble製
(8)Silicone Belsil DM 5500、Wacker Chemical Corp.製
(9)EGD、Goldschmidt Chemical Company製
(10)Thixcin(登録商標)、Elements製
(11)Jaguar C500、Rhodia製
(12)ポリ(ジアリル)ジメチルアンモニウムクロリド、Rhodia製
(13)ZPT、Arch Chemical製
(14)炭酸亜鉛、Bruggeman Group製
*.脂肪アルコールをゲルネットワークの一部として加える。