(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
任意の電子ドキュメントの任意のページを指定して、上記電子ドキュメントの格納場所、ファイル名およびページ番号を表した属性情報から成る仮想ファイルを生成する仮想ファイル生成部と、
電子ドキュメント記憶部に記憶されている全ての電子ドキュメントの全てのページについて、オブジェクトとしてページのサムネイル画像をあらかじめ生成して仮想ファイル記憶部に保存しておくオブジェクト生成部と、
上記仮想ファイル記憶部にあらかじめ保存しておいた上記オブジェクトを、ユーザが選択可能な態様にて表示部に表示させるオブジェクト表示部と、
上記オブジェクト表示部により表示された上記仮想ファイルが生成されている上記オブジェクトのうち所望のオブジェクトがユーザにより選択されることにより、選択されたオブジェクトに対応する仮想ファイルが有する上記属性情報に基づいて、指定された電子ドキュメントの指定されたページにアクセスする仮想ファイルアクセス部とを備え、
上記仮想ファイル生成部は、上記仮想ファイル記憶部にあらかじめ保存しておいた上記オブジェクトを上記表示部に表示させ、その中から上記仮想ファイルが生成されていない何れかのオブジェクトがユーザに選択された場合に、上記任意の電子ドキュメントの任意のページの指定を受け付けて、上記仮想ファイルを生成することを可能にしたことを特徴とする電子ドキュメント管理装置。
上記仮想ファイル生成部により生成された複数の上記仮想ファイルを結合して複数ページの電子ドキュメントを生成する仮想ファイル結合部を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子ドキュメント管理装置。
上記仮想ファイル生成部により生成された複数の上記仮想ファイルを結合して複数ページの仮想ファイルを生成する仮想ファイル結合部を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子ドキュメント管理装置。
任意の電子ドキュメントの任意のページを指定して、上記電子ドキュメントの格納場所、ファイル名およびページ番号を表した属性情報から成る仮想ファイルを生成する仮想ファイル生成手段、
電子ドキュメント記憶部に記憶されている全ての電子ドキュメントの全てのページについて、オブジェクトとしてページのサムネイル画像をあらかじめ生成して仮想ファイル記憶部に保存しておくオブジェクト生成手段、
上記仮想ファイル記憶部にあらかじめ保存しておいた上記オブジェクトを、ユーザが選択可能な態様にて表示部に表示させるオブジェクト表示手段、および
上記オブジェクト表示手段により表示された上記仮想ファイルが生成されている上記オブジェクトのうち所望のオブジェクトがユーザにより選択されることにより、選択されたオブジェクトに対応する仮想ファイルが有する上記属性情報に基づいて、指定された電子ドキュメントの指定されたページにアクセスする仮想ファイルアクセス手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
上記仮想ファイル生成手段は、上記仮想ファイル記憶部にあらかじめ保存しておいた上記オブジェクトを上記表示部に表示させ、その中から上記仮想ファイルが生成されていない何れかのオブジェクトがユーザに選択された場合に、任意の電子ドキュメントの任意のページの指定を受け付けて、上記仮想ファイルを生成することを可能にしたことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な電子ドキュメント管理用プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態による電子ドキュメント管理装置10の機能構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の電子ドキュメント管理装置10は、その機能構成として、仮想ファイル生成部1、仮想フォルダ生成部2、仮想ファイル管理部3、オブジェクト生成部4、オブジェクト表示部5、仮想ファイルアクセス部6、仮想ファイル結合部7、電子ドキュメント記憶部11および仮想ファイル記憶部12を備えて構成されている。
【0016】
本実施形態の電子ドキュメント管理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末またはスマートフォンといった情報処理装置にインストールされる電子ドキュメント管理用プログラムの機能として実装される。すなわち、
図1に示す各機能ブロック1〜7は、実際には情報処理装置が持つCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶された電子ドキュメント管理用プログラムが動作することによって実現される。
【0017】
なお、本実施形態の電子ドキュメント管理用プログラムは、例えば、電子ドキュメントのファイルを開いて様々な処理(文書の作成、編集、印刷など)を行うことができるようになされたアプリケーションに対し、プラグインとして組み込むことが可能である。ただし、本発明はこの形態に限るものではない。すなわち、本実施形態の電子ドキュメント管理用プログラムは、電子ドキュメントのファイルを処理するアプリケーションとは別体として動作するものであってもよい。また、
図1に示す各機能ブロック1〜7の全部または一部は、ハードウェアまたはDSP(Digital Signal Processor)によって構成することも可能である。
【0018】
電子ドキュメント記憶部11は、電子ドキュメントのファイルを記憶する。本実施形態の電子ドキュメント管理装置10において管理可能な電子ドキュメントは、ワープロソフト、表計算ソフト、図形作成ソフト、帳票ソフトなど、あらゆるタイプのアプリケーションで作成されたものである。また、これらのアプリケーションで作成された電子ドキュメントをPDFのファイルフォーマットに変換したものも管理可能である。以下では、PDFで作成された電子ドキュメントを管理する例について説明する。その説明に関して、PDFで作成された電子ドキュメントのファイルを「PDFファイル」と呼ぶ。
【0019】
仮想ファイル生成部1は、電子ドキュメント記憶部11に記憶されている電子ドキュメント(PDFファイル)の中から、任意のPDFファイルの任意のページを指定して、PDFファイルの格納場所、ファイル名およびページ番号を表した属性情報から成る仮想ファイルを生成する。そして、生成した仮想ファイルを仮想ファイル記憶部12に記憶させる。
【0020】
任意のPDFファイルの任意のページの指定方法としては、種々の方法を適用することが可能であるが、操作が簡便な方法であることが好ましい。例えば、PDF用のアプリケーションを用いて任意のPDFファイルを開いているときに、仮想ファイルの生成を指示するための操作ボタン(以下、仮想ファイル生成ボタンという)をメニューバーなどに表示させ、当該仮想ファイル生成ボタンのユーザによる押下操作によって、そのとき開いているPDFファイルで表示中のページを指定するといった方法が一例として挙げられる。
【0021】
仮想ファイル生成ボタンは、メニューバーに表示させる態様に限らない。例えば、任意のPDFファイルの任意のページを開いているときに、マウスの右クリック操作によって仮想ファイル生成ボタンを表示させるようにしてもよい。また、任意のページの指定方法は、必ずしも表示中のページを自動的に指定する態様に限らない。例えば、仮想ファイル生成ボタンが押下された場合に所定のダイアログを表示させ、そのダイアログの中でユーザが所望のページを指定できるようにしてもよい。
【0022】
任意のPDFファイルの任意のページを指定する方法は、アプリケーションを用いて実際にPDFファイルを開いているときに行う方法に限定されない。例えば、OSのファイルシステムを利用して表示されるPDFファイルのファイル名またはアイコンが表示されている位置で、マウスの右クリック操作によって当該PDFファイルを自動的に指定するとともに、所定のダイアログを表示させ、そのダイアログの中で所望のページを指定するようにしてもよい。ただし、実際に任意のPDFファイルを開いて任意のページを表示している状態で指定を行うようにした方が、ユーザが所望するページを目で見て確認しながら指定できるという点で好ましい。
【0023】
また、別の指定方法として、全てのPDFファイルの全てのページについてサムネイル画像をあらかじめ生成して保存しておき、当該サムネイル画像を表示して何れかをユーザに選択させる方法によって、任意のPDFファイルの任意のページを指定するようにしてもよい。この場合、サムネイル画像は、PDFファイルが格納されているフォルダをOSの機能によって開いたときに、そのフォルダ内に表示させるようにすることが可能である。あるいは、電子ドキュメント管理用プログラムによって独自のウィンドウを表示させ、その独自ウィンドウ内にサムネイル画像を整理して一覧表示させるようにしてもよい。
【0024】
このようにサムネイル画像を表示して何れかをユーザに選択させる方法によれば、実際にPDFファイルを開かなくても、ユーザが所望するPDFファイルの所望のページを目で見て確認しながら指定できるというメリットを有する。ただし、個々のサムネイル画像はファイル容量が小さいとはいえ、電子ドキュメント記憶部11に記憶されている全てのPDFファイルの全てのページについてサムネイル画像をあらかじめ生成すると、トータルのファイル容量はそれなりに大きくなる。そこで、OSの機能によって表示させたPDFファイルのファイル名またはアイコン上でマウスの右クリック操作に応じてサムネイル画像生成ボタンを表示させ、このサムネイル画像生成ボタンが押下されたときに、そのPDFファイルについてのみサムネイル画像を生成して表示させるようにしてもよい。
【0025】
以上のような何れかの方法によって任意の電子ドキュメントの任意のページが指定された場合、仮想ファイル生成部1は、指定されたPDFファイルの格納場所、ファイル名およびページ番号を表した属性情報から成る仮想ファイルを生成する。PDFファイルの格納場所およびファイル名は、電子ドキュメント記憶部11に記憶されている実体としてのPDFファイルに実際にアクセスすることを可能にするために必要な情報である。また、ページ番号は、アクセスしたPDFファイルにおいて、指定されたページに実際にアクセスすることを可能にするために必要な情報である。
【0026】
仮想フォルダ生成部2は、電子ドキュメント管理装置10に対するユーザの操作に応じて、仮想ファイル生成部1により生成された仮想ファイルを格納するための仮想フォルダを生成する。そして、生成した仮想フォルダを仮想ファイル記憶部12に記憶させる。
【0027】
この仮想フォルダは、OSのファイルシステムにより生成される階層型フォルダと同様に、階層構造を有する階層型として生成することが可能である。仮想フォルダの生成方法としては、OSのファイルシステムによりフォルダを生成するとの同様の方法を適用することが可能である。すなわち、仮想フォルダの生成を指示するための操作ボタン(以下、仮想フォルダ生成ボタンという)をメニューバーなどに表示させ、当該仮想フォルダ生成ボタンのユーザによる押下操作に応じて仮想フォルダを生成する。
【0028】
仮想ファイル管理部3は、仮想ファイル記憶部12において、仮想ファイル生成部1により生成された仮想ファイルを、仮想フォルダ生成部2により生成された仮想フォルダに入れて管理する。
図2は、仮想ファイル管理部3による仮想ファイルの管理例を示す図である。
図2の例では、電子ドキュメント記憶部11に記憶されている2つのPDFファイル101,102から、仮想ファイル生成部1により複数の仮想ファイル111〜113,121〜123を生成した状態を示している。
【0029】
すなわち、PDFファイル101の1ページ目から仮想ファイル111が生成され、2ページ目から仮想ファイル112が生成され、3ページ目から仮想ファイル113が生成されている。また、PDFファイル102の1ページ目から仮想ファイル121が生成され、2ページ目から仮想ファイル122が生成され、3ページ目から仮想ファイル123が生成されている。
【0030】
また、
図2の例では、仮想フォルダ生成部2により3つの仮想フォルダ201〜203が生成された状態を示している。すなわち、仮想フォルダ生成部2により第1層のルートフォルダ201が生成されるととともに、当該ルートフォルダ201に属する第2層のフォルダ202,203が生成されている。
【0031】
仮想ファイル管理部3は、電子ドキュメント管理装置10に対するユーザの操作に応じて、PDFファイル101の1ページ目および2ページ目から生成された仮想ファイル111,112と、PDFファイル102の3ページ目から生成された仮想ファイル123とを第2層のフォルダ202に入れて管理している。
【0032】
また、仮想ファイル管理部3は、電子ドキュメント管理装置10に対するユーザの操作に応じて、PDFファイル101の3ページ目から生成された仮想ファイル113と、PDFファイル102の1ページ目および2ページ目から生成された仮想ファイル121,122とを第2層のもう1つのフォルダ203に入れて管理している。
【0033】
このように、本実施形態では、仮想ファイル管理部3の機能により、仮想ファイル生成部1により生成された仮想ファイルを、仮想フォルダ生成部2により生成された任意の仮想フォルダに入れて管理することが可能である。また、OSによるフォルダ管理と同様に、仮想フォルダ間での仮想ファイルの移動や、仮想ファイルのコピー、削除なども自由に行うことが可能である。
【0034】
オブジェクト生成部4は、仮想ファイル生成部1により生成され仮想ファイル記憶部12に記憶された仮想ファイルを可視化して表示するためのオブジェクトを生成する。生成するオブジェクトは、所定のマークとファイル名とページ番号との組み合わせから成るアイコンとしてもよいが、一目でページ内の内容が分かりやすいように、指定されたPDFファイルの指定されたページのサムネイル画像をオブジェクトとして生成するのが好ましい。
【0035】
すなわち、オブジェクト生成部4は、仮想ファイル記憶部12に記憶された仮想ファイルが有する属性情報(当該仮想ファイルに対応するPDFファイルの格納場所、ファイル名およびページ番号)に基づいて、当該仮想ファイルにより指定されたPDFファイルの指定されたページを特定し、特定したページのサムネイル画像を生成する。このサムネイル画像は、電子ドキュメント記憶部11に記憶されている実際のPDFファイルから生成する。
【0036】
オブジェクト表示部5は、オブジェクト生成部4により生成されたオブジェクトを、ユーザが選択可能な態様にて液晶ディスプレイ等の表示部20に表示させる。具体的には、オブジェクト表示部5は、仮想ファイル管理部3により管理されている仮想フォルダに対応するウィンドウを表示させるとともに、表示中の仮想フォルダの中に入れて管理されている仮想ファイルに対応するサムネイル画像を、当該ウィンドウ内に表示させる。
【0037】
図3は、オブジェクト表示部5によるオブジェクトの表示例を示す図である。
図3の例において、オブジェクト表示部5は、仮想フォルダ生成部2により生成された第2層の仮想フォルダ202に対応するウィンドウ202’を表示させるとともに、その仮想フォルダ202の中に入れて管理されている3つの仮想ファイル111,112,123に対応するサムネイル画像111’,112’,123’を、仮想フォルダ202のウィンドウ202’内に表示させている。
【0038】
なお、
図3のように表示させるサムネイル画像111’,112’,123’は、例えば、電子ドキュメント管理装置10に対するユーザの操作によって仮想フォルダ202を表示させることが指示されたときに動的に生成する。この場合、オブジェクト生成部4は、表示の指示が行われた仮想フォルダ202に属する3つの仮想ファイル111,112,123の属性情報に基づいて、該当するPDFファイル101,102の該当するページを特定し、特定したページのサムネイル画像111’,112’,123’を動的に生成する。そして、オブジェクト表示部5は、このようにして動的に生成されたサムネイル画像111’,112’,123’を仮想フォルダ202のウィンドウ202’内に表示させる。
【0039】
あるいは、以下のようにしてもよい。すなわち、オブジェクト生成部4は、仮想ファイル記憶部12に記憶されている全てのPDFファイルの全てのページについてサムネイル画像をあらかじめ生成して仮想ファイル記憶部12に保存しておく。そして、オブジェクト表示部5は、ユーザの操作によって仮想フォルダ202を表示させることが指示されたときに、仮想フォルダ202に属する3つの仮想ファイル111,112,123の属性情報に基づいて、該当するPDFファイル101,102の該当するページを特定し、特定したページのサムネイル画像111’,112’,123’を仮想ファイル記憶部12から読み出す。そして、オブジェクト表示部5は、読み出したサムネイル画像111’,112’,123’を仮想フォルダ202のウィンドウ202’内に表示させる。
【0040】
前者のように、仮想フォルダの表示指示があったときにサムネイル画像を動的に生成する方法によれば、仮想ファイル記憶部12に記憶されるファイルのトータル容量が増えないというメリットを有する。一方、後者のように、全てのPDFファイルの全てのページについてサムネイル画像をあらかじめ生成して仮想ファイル記憶部12に保存しておく方法によれば、仮想ファイル生成部1により仮想ファイルを生成するときに、ユーザが所望のPDFファイルの所望のページを指定する際の参照用としてもサムネイル画像を用いることができる。
【0041】
また、別の方法として、仮想ファイル生成部1により仮想ファイルが生成されたときに、その仮想ファイルにより指定されたPDFファイルの指定されたページについてサムネイル画像を生成して仮想ファイル記憶部12に保存しておくようにしてもよい。この場合も、オブジェクト表示部5は、ユーザの操作によって仮想フォルダ202を表示させることが指示されたときに、仮想フォルダ202に属する3つの仮想ファイル111,112,123の属性情報に基づいて、該当するPDFファイル101,102の該当するページを特定し、当該ページに対応するサムネイル画像111’,112’,123’を仮想ファイル記憶部12から読み出して仮想フォルダ202のウィンドウ202’内に表示させる。
【0042】
仮想ファイルアクセス部6は、オブジェクト表示部5により表示されたオブジェクトがユーザにより選択された場合、選択されたオブジェクトに対応する仮想ファイルが有する属性情報に基づいて、当該仮想ファイルにより指定されたPDFファイルの指定されたページにアクセスする。例えば、
図3のように表示されたサムネイル画像111’がマウスのクリック操作等により選択された場合、仮想ファイルアクセス部6は、選択されたサムネイル画像111’に対応する仮想ファイル111が有する属性情報に基づいて、当該仮想ファイル111により指定されたPDFファイル101の1ページ目にアクセスする。
【0043】
ここで、アクセスとは、例えば、該当のページを表示部20に表示させるためのアクセスや、該当のページをプリンタ(図示せず)にて印刷するためのアクセスである。例えば、ユーザがサムネイル画像111’をマウスでダブルクリックした場合、仮想ファイルアクセス部6は、サムネイル画像111’に対応する仮想ファイル111により指定されたPDFファイル101を開いて1ページ目を表示部20に表示させる。
【0044】
なお、ここではPDFファイル101を実際に開いて1ページ目を表示させる例について説明したが、1ページ目のサムネイル画像を表示させるようにしてもよい。この場合のサムネイル画像は、仮想フォルダ202のウィンドウ202’内に表示させるサムネイル画像111’よりも解像度が高いものとすることが好ましい。
【0045】
また、ユーザがサムネイル画像111’の上にマウスカーソルを合わせて右クリック操作を行った後、プルアップ表示されるメニューの中から印刷ボタンを選択して押下した場合、仮想ファイルアクセス部6は、サムネイル画像111’に対応する仮想ファイル111により指定されたPDFファイル101の1ページ目という情報をプリンタドライバに供給し、PDFファイル101の1ページ目をプリンタにて印刷するように制御する。
【0046】
仮想ファイル結合部7は、電子ドキュメント管理装置10に対するユーザの操作に応じて、仮想ファイル生成部1により生成され仮想ファイル記憶部12に記憶された複数の仮想ファイルを結合して複数ページのPDFファイルを生成する。そして、仮想ファイル結合部7は、生成したPDFファイルを電子ドキュメント記憶部11に記憶させる。このとき記憶させるフォルダ(OSにより管理されていている実際のフォルダ)は、ユーザが任意に指定することができる。
【0047】
図4は、仮想ファイル結合部7による仮想ファイルの結合例を示す図である。
図4の例において、仮想ファイル結合部7は、PDFファイル101から生成された1ページ目の仮想ファイル111および2ページ目の仮想ファイル112と、別のPDFファイル102から生成された2ページ目の仮想ファイル122とを結合して、3ページから成る新たなPDFファイル103を生成している。
【0048】
このとき仮想ファイル結合部7は、仮想ファイル111,112,122が有する属性情報に基づいて、当該仮想ファイルに111,112,122より指定されたPDFファイル101,102の指定されたページを特定し、特定したページを実際に抜き出して新たなPDFファイル103を生成する。すなわち、仮想ファイル結合部7は、PDFファイル101から1ページ目および2ページ目を実際に抜き出すとともに、もう1つのPDFファイル102から2ページ目を実際に抜き出して、これらを結合して新たなPDFファイル103を生成する。
【0049】
図4に示すように、本実施形態では、複数の仮想フォルダ202,203から所望の複数の仮想ファイルを指定して結合させることが可能である。もちろん、1つの仮想フォルダから所望の複数の仮想ファイルを指定して結合させることも可能である。
【0050】
なお、仮想ファイル結合部7は、複数の仮想ファイルを結合して、複数ページから成る別の仮想ファイルを生成するようにしてもよい。このとき新たな仮想ファイルを記憶させる仮想フォルダは、ユーザが任意に指定することができる。このように複数ページから成る仮想ファイルを生成した場合、その仮想ファイルは、それぞれのページ毎に属性情報を有するものとなる。
【0051】
この場合、複数ページから成る仮想ファイルを可視化して表示させるためのオブジェクトとして、オブジェクト生成部4は、当該複数ページの仮想ファイルが有する属性情報のうち、特定の1ページの属性情報に基づいてサムネイル画像を生成する。特定の1ページは、例えば、仮想ファイルが有する複数のページのうち最初のページとすることが可能である。あるいは、複数ページから成る仮想ファイルを生成するときに、特定の1ページをユーザが任意に指定できるようにしてもよい。
【0052】
図5および
図6は、上記のように構成した電子ドキュメント管理装置10の動作例を示すフローチャートである。このうち
図5は、仮想ファイルや仮想フォルダを生成する際の動作例を示すフローチャートである。一方、
図6は、生成された仮想ファイルに対応するオブジェクト(サムネイル画像)を選択してPDFファイルにアクセスする際の動作例を示すフローチャートである。
【0053】
図5において、まず、PDF用のアプリケーションは、ユーザにより指定されたPDFファイルを開いて表示部20に表示させる(ステップS1)。そして、PDFファイルの任意のページが表示されているときに、仮想ファイル生成部1は、仮想ファイル生成ボタンの押下操作が行われたか否かを判定する(ステップS2)。ここで、仮想ファイル生成ボタンの押下操作が行われていない場合、処理はステップS10に遷移する。一方、仮想ファイル生成ボタンの押下操作が行われた場合、仮想ファイル生成部1は、そのとき開いているPDFファイルで表示中のページを指定して仮想ファイルを生成する(ステップS3)。
【0054】
次いで、仮想フォルダ生成部2は、上記のように生成した仮想ファイルを格納するための仮想フォルダを生成するために、仮想フォルダ生成ボタンの押下操作が行われたか否かを判定する(ステップS4)。ここで、仮想フォルダ生成ボタンの押下操作が行われた場合、仮想フォルダ生成部2は、新たな仮想フォルダを生成する(ステップS5)。その後、仮想ファイル生成部1は、ステップS3で生成した仮想ファイルを仮想ファイル記憶部12に記憶させる(ステップS6)。このとき、仮想ファイル管理部3は、ステップS5で新たに生成された仮想フォルダに仮想ファイルを入れて管理する。
【0055】
一方、上記ステップS4において、仮想フォルダ生成ボタンの押下操作が行われていないと判定された場合、仮想ファイル管理部3は、ユーザによる操作に応じて、ステップS5で生成した仮想ファイルを格納するための仮想フォルダとして、既存の仮想フォルダの中から何れかを指定する(ステップS7)。仮想フォルダの指定が行われると、仮想ファイル生成部1は、ステップS3で生成した仮想ファイルを仮想ファイル記憶部12に記憶させる(ステップS6)。この場合、仮想ファイル管理部3は、ステップS7で指定された仮想フォルダに仮想ファイルを入れて管理する。
【0056】
仮想ファイル記憶部12に仮想ファイルを記憶させた後、オブジェクト生成部4は、当該仮想ファイルを可視化して表示するためのオブジェクトとして、仮想ファイルにより指定されたPDFファイルの指定されたページのサムネイル画像を生成する(ステップS8)。そして、オブジェクト生成部4は、生成したサムネイル画像を電子ドキュメント記憶部11に記憶させる(ステップS9)。記憶させる場所は、対応するPDFファイルの格納場所(フォルダ)と同じである。
【0057】
その後、PDF用のアプリケーションは、開いているPDFファイルを閉じる操作が行われたか否かを判定する(ステップS10)。ここで、PDFファイルを閉じる操作が行われていない場合、処理はステップS2に戻る。一方、PDFファイルを閉じる操作が行われた場合は、
図5に示すフローチャートの処理を終了する。
【0058】
図6において、まず、オブジェクト表示部5は、任意の仮想フォルダを表示させるための操作が行われたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、当該操作が行われていない場合、ステップS11の判定処理を継続する。一方、当該操作が行われた場合、オブジェクト表示部5は、表示の指示が行われた仮想フォルダに属する仮想ファイルの属性情報に基づいて、該当するPDFファイルの該当するページを特定し、特定したページのサムネイル画像(
図5のステップS9で記憶されたもの)を読み出す(ステップS12)。そして、オブジェクト表示部5は、表示の指示が行われた仮想フォルダに対応するウィンドウを表示部20に表示させるとともに、ステップS12で読み出したサムネイル画像を当該ウィンドウ内に表示させる(ステップS13)。
【0059】
次に、仮想ファイルアクセス部6は、オブジェクト表示部5により表示されたサムネイル画像の中から何れかがユーザにより選択されたか否かを判定する(ステップS14)。ここで、サムネイル画像の選択が行われていない場合、処理はステップS16に遷移する。一方、何れかのサムネイル画像が選択された場合、仮想ファイルアクセス部6は、選択されたサムネイル画像に対応する仮想ファイルが有する属性情報に基づいて、当該仮想ファイルにより指定されたPDFファイルの指定されたページにアクセスする(ステップS15)。すなわち、サムネイル画像が選択されたときのユーザの操作に応じて、該当のページを表示部20に表示させたり、該当のページをプリンタにて印刷したりするための処理を行う。
【0060】
その後、オブジェクト表示部5は、表示中の仮想フォルダを閉じる操作が行われたか否かを判定する(ステップS16)。ここで、仮想フォルダの表示を閉じる操作が行われていない場合、処理はステップS11に戻る。一方、仮想フォルダの表示を閉じる操作が行われた場合は、
図6に示すフローチャートの処理を終了する。
【0061】
図7および
図8は、本実施形態による電子ドキュメント管理装10の別の動作例を示すフローチャートである。このうち
図7は、仮想ファイルや仮想フォルダを生成する際の動作例を示すフローチャートである。一方、
図8は、生成された仮想ファイルに対応するオブジェクト(サムネイル画像)を選択してPDFファイルにアクセスする際の動作例を示すフローチャートである。
【0062】
図7において、
図5に示したステップ番号と同一のステップ番号を付したものは同一の処理を行うものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
図7に示すフローチャートでは、
図5に示したステップS8,S9の処理がない。すなわち、仮想ファイル生成部1により仮想ファイルが生成されたときに、その仮想ファイルを可視化して表示するためのオブジェクト(サムネイル画像)は生成しない。
【0063】
図8において、
図6に示したステップ番号と同一のステップ番号を付したものは同一の処理を行うものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
図8に示すフローチャートでは、
図6に示したステップS12の処理に代えて、ステップS12’の処理を行う。ステップS12’において、オブジェクト生成部4は、ステップS11において表示の指示が行われた仮想フォルダに属する仮想ファイルの属性情報に基づいて、該当するPDFファイルの該当するページを特定し、特定したページのサムネイル画像を生成する。そして、オブジェクト表示部5は、表示の指示が行われた仮想フォルダに対応するウィンドウを表示部20に表示させるとともに、ステップS12’で生成されたサムネイル画像を当該ウィンドウ内に表示させる(ステップS13)。
【0064】
なお、仮想ファイル記憶部12に記憶されている全てのPDFファイルの全てのページについてサムネイル画像をあらかじめ生成して仮想ファイル記憶部12に保存しておく例の場合、処理は
図7に示すフローチャートと
図6に示すフローチャートとの組み合わせとなる。
【0065】
すなわち、仮想ファイル生成部1により仮想ファイルが生成されたとき、その仮想ファイルを可視化して表示するためのオブジェクト(サムネイル画像)は既に仮想ファイル記憶部12に記憶されているので、
図7のようにステップS6の後でサムネイル画像を生成することはない(
図5のステップS8,S9の処理は不要)。
【0066】
一方、
図6のように、任意の仮想フォルダを表示させるための操作が行われた場合(ステップS11:Yes)、オブジェクト表示部5は、表示の指示が行われた仮想フォルダに属する仮想ファイルの属性情報に基づいて、該当するPDFファイルの該当するページを特定し、特定したページのサムネイル画像(あらかじめ仮想ファイル記憶部12に記憶されているもの)を読み出す(ステップS12)。そして、オブジェクト表示部5は、表示の指示が行われた仮想フォルダに対応するウィンドウを表示部20に表示させるとともに、ステップS12で読み出したサムネイル画像を当該ウィンドウ内に表示させる(ステップS13)。
【0067】
なお、
図5および
図7では、PDFファイルを表示中に仮想ファイルを生成する処理の一例を示したが、上述したように、任意のPDFファイルの任意のページを指定して仮想ファイルを生成する方法は、実際にPDFファイルを開いているときに行う方法に限定されない。
【0068】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、任意のPDFファイルの任意のページを指定して、PDFファイルの格納場所、ファイル名およびページ番号を表した属性情報から成る仮想ファイルを生成するとともに、仮想ファイルを可視化して表示するためのオブジェクト(例えば、サムネイル画像)を生成して表示する。そして、ユーザにより何れかのオブジェクトが選択された場合、選択されたオブジェクトに対応する仮想ファイルが有する属性情報に基づいて、指定されたPDFファイルの指定されたページにアクセスするようにしている。
【0069】
このように構成した本実施形態の電子ドキュメント管理装置10によれば、ユーザがPDFファイルの中の特定のページを指定して仮想ファイルの生成を指示する簡単な操作をするだけで、指定したPDFファイルの中の指定したページを表す仮想ファイルと、当該仮想ファイルを可視化して表示するためのオブジェクトとが生成される。そして、表示されたオブジェクトの中から所望のオブジェクトを選択する操作をするだけで、ユーザが一々オリジナルのPDFファイルを開いて特定のページを探す作業をしなくても、所望のPDFファイルの所望のページに対するアクセスが自動的に行われるようになる。
【0070】
これにより、ユーザは、PDFファイルの中にある特定のページだけを抜き出して管理したい場合に、オリジナルのPDFファイルを開いて不要なページを削除し、残した特定ページだけの電子ドキュメントを別のPDFファイルとして保存するといった面倒な操作を行う必要がなく、PDFファイルにおける特定のページの分割に関する管理を容易に行うことができる。
【0071】
また、本実施形態の電子ドキュメント管理装置10は、複数の仮想ファイルを結合して複数ページのPDFファイル(または複数ページの仮想ファイル)を生成する機能も有している。この機能により、ユーザは、複数のPDFファイルの中にある所望のページを抜き出して組み合わせて管理したい場合に、複数のPDFファイルをそれぞれ開いて不要なページを削除し、残した特定ページどうしを結合させて別のPDFファイルとして保存するといった面倒な操作を行う必要がなく、複数のPDFファイルに含まれる複数のページの結合に関する管理を容易に行うこともできる。すなわち、容易に生成した複数の仮想ファイルを任意に組み合わせて複数ページのPDFファイルを自由に作成することができる。
【0072】
なお、上記実施形態では、電子ドキュメントのファイルの一例としてPDFファイルを挙げて説明したが、上述した通り、本実施形態の電子ドキュメント管理装置10において管理可能なファイルはPDFファイルに限定されるものではない。
【0073】
また、上記実施形態では、仮想ファイル生成部1により生成された仮想ファイルを表示部20に表示させる場合、仮想フォルダに対応するウィンドウ内に、その仮想フォルダに属する仮想ファイルに対応するサムネイル画像を表示させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、階層のツリー表示の形態によって、仮想フォルダに属する仮想ファイルに対応するオブジェクト(アイコンまたはサムネイル画像)を表示させるようにしてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、
図1に示した各機能ブロック1〜7,11,12を情報処理装置が備える構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、情報処理装置(端末)とサーバとを通信ネットワークを介して接続可能に構成したシステムにおいて、各機能ブロック1〜7,11,12の一部をサーバが備えるようにしてもよい。例えば、仮想ファイル生成部1、仮想フォルダ生成部2、仮想ファイル管理部3、オブジェクト生成部4、仮想ファイルアクセス部6、仮想ファイル結合部7および仮想ファイル記憶部12をサーバが備えるようにしてもよい。
【0075】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。