(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記中断可否情報の示す前記一以上の調理工程各々の中断の可否は、前記中断工程の終了タイミングから、レシピの完成品を仕上げる予定のタイミングまでの期間に応じて異なる、
請求項1に記載の情報表示方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
[端末装置100の構成]
以下、端末装置100の構成について、
図1および
図2を用いて説明する。
【0014】
端末装置100は、レシピ情報を表示する情報処理装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、PC、TVなどである。端末装置100は、レシピ情報を、予め保持してもよく、サーバ装置(図示せず)からダウンロードしてもよい。
【0015】
端末装置100は、複数のレシピ(例えば、ハンバーグとスープのレシピ)の調理を並行に行う場合の調理工程をユーザに表示する。例えば、端末装置100は、各レシピの調理工程の内容、所要時間に基づいて、複数のレシピを並行して実施する最適な調理工程を表示する。なお、最適な調理工程の設定は、予め保持してもよく、サーバ装置(図示せず)からダウンロードされるレシピ情報に含まれていてもよい。
【0016】
端末装置100は、記憶部101、状態管理部102、入出力部103、中断可否判定部104、調理工程制御部105を備える。
【0017】
記憶部101は、メモリ、ハードディスク装置などの記憶デバイスである。例えば、記憶部101は、レシピ情報を記憶している。
【0018】
図2は、記憶部101が記憶しているレシピ情報の一例を示す図である。
【0019】
図2に示す各レシピ情報は、レシピの名称を示す「レシピ名」、1つのレシピにおける調理工程の順序(ステップ)を示す「工程番号」、各調理工程の説明を示す「説明」、各調理工程での調理の中断の可否を示す「中断可否」の各フィールドから構成される。
【0020】
例えば、調理工程において中断が可能であるか否かは、当該調理工程により得られる調理品が保存に適しているか否かによって決定される。
【0021】
具体的には、調理品を保存(常温、冷蔵、冷凍など)すると腐りやすい場合、または、味が劣化してしまう場合には、当該調理品が得られる調理工程は「中断不可」とすればよい。例えば、ひき肉をこねて作ったタネは、そのまま冷蔵すると菌類が繁殖してしまうので、衛生面を考慮すると、ひき肉をこねてタネを作る調理工程は「中断不可」とすればよい。
【0022】
一方、調理品を保存しても腐らず、味が劣化しない場合には、当該調理品が得られる調理工程は「中断可」とすればよい。例えば、みじん切りしたタマネギは冷蔵保存及び冷凍保存に適しているので、タマネギのみじん切りという調理工程は「中断可」としてもよい。また、上述したひき肉をこねて作ったタネを焼く調理工程は「中断可」としてもよい。
【0023】
以上、レシピ情報の一例について説明した。
【0024】
記憶部101は、状態管理部102からの要求に応じてレシピ情報(例えば、レシピ名、工程番号、説明)を状態管理部102へ出力する。また、記憶部101は、中断可否判定部104からの要求に応じてレシピ情報(例えば、レシピ名、工程番号、中断可否)を中断可否判定部104へ出力する。
【0025】
状態管理部102は、調理工程の進捗状態(端末装置100がユーザに対してどの調理工程を表示しているか、つまり、ユーザの調理実施状態)を管理する。例えば、状態管理部102は、レシピ情報を記憶部101から取得し、入出力部103から受け取るユーザによる切替操作に従って、次の調理工程へ画面遷移させるように、入出力部103へ指示する。切替操作とは、調理工程の画面表示の切り替え(遷移)を要求する操作であり、例えば、フリック入力である。切替操作による画面表示の切り替えは、例えば、スクロール、または、ページ単位の切り替えなどである。
【0026】
また、状態管理部102は、中断可否判定部104からの要求に応じて現工程の情報を中断可否判定部104へ出力する。
【0027】
入出力部103は、ディスプレイなどの表示デバイス、および、ボタン、タッチパネルなどの入力デバイスを含むユーザインタフェースである。例えば、入出力部103は、状態管理部102または調理工程制御部105から受け取るレシピの調理工程の説明を表示する。また、入出力部103は、ユーザによる切替操作を受け付け、状態管理部102へ出力する。
【0028】
また、入出力部103は、ユーザによる中断トリガを受け付け、中断トリガを受け付けたことを示す情報を中断可否判定部104へ出力する。中断トリガとは、調理の中断を要求する処理、すなわち、調理の中断処理を開始させるための処理である。例えば、中断トリガは、備え付けの中断ボタンまたはタッチパネル画面に表示された中断ボタンに対するユーザの入力操作であってもよく、音声入力操作であってもよい。または、予め設定された時間(例えば、1時間)の経過を中断トリガとしてもよく、予め設定された時刻を中断トリガとしてもよい。
【0029】
中断可否判定部104は、入出力部103から中断トリガを受け付けたことを示す情報を受け取った場合、記憶部101に記憶されているレシピ情報、および、状態管理部102から受け取る現工程の情報に基づいて、調理工程を提供している複数のレシピの各々について、中断可能な調理工程(以下、中断工程と称することもある)がどれであるかを判定する。中断可否判定部104は、判定結果を調理工程制御部105へ出力する。
【0030】
調理工程制御部105は、中断可否判定部104から受け取る判定結果に基づいて、中断トリガの発生以降における複数のレシピの調理工程を変更する。例えば、調理工程制御部105は、各レシピに対して、中断トリガが発生したタイミングで実施中の調理工程以降の調理工程から、中断可能な調理工程(中断工程)よりも後の調理工程を除外する。また、調理工程制御部105は、調理工程の除外後に残った調理工程のうち、調理工程を除外したことにより前倒し可能な調理工程の実施開始予定時間を前倒しする。
【0031】
調理工程制御部105は、変更後の調理工程の情報を入出力部103に出力する。この情報に基づいて、入出力部103は、複数のレシピの各々に対して中断工程までの調理工程を表示する。
【0032】
[端末装置100の動作]
次に、上述した端末装置100における動作の詳細について、
図3および
図4を用いて説明する。
【0033】
図3は、端末装置100の動作例を示すフローチャートである。
【0034】
また、
図4は、
図2に示すレシピ情報に基づいて、複数のレシピA〜Cの調理を並行して実施するユーザに対して表示する調理工程の順序を示した図である。ここで、
図4Aは、中断処理前の調理工程を示し、
図4Bは中断処理後の調理工程を示す。
【0035】
図4の例では、複数のレシピA〜Cの各調理工程の内容および所要時間に応じて、複数のレシピ間での調理工程の順序が決定されているものとする。入出力部103は、
図4に示す調理工程の説明全体を1画面に表示する。
【0036】
また、
図4Aでは、レシピAのステップ1、2の完了後、レシピBのステップ1およびレシピCのステップ1の実施中に中断トリガが発生している。
【0037】
図3に示すステップS101では、入出力部103は、ユーザが実施する調理工程の説明を表示する。
【0038】
ステップS102では、状態管理部102は、入出力部103におけるユーザによる切替操作の有無に基づいて、表示対象とする調理工程を遷移させるか否かを判断する。切替操作が有る場合(S102:YES)、ステップS103において、状態管理部102は、複数のレシピの全調理工程が終了したか否かを判断する。
【0039】
全調理工程が終了していない場合(S103:NO)、ステップS104において、状態管理部102は、調理工程を次の工程へ遷移させ、ステップS101に戻り、入出力部103は次の調理工程の説明を表示する。全調理工程が終了した場合(S103:YES)、端末装置100は処理を終了する。このようにして、入出力部103は、並行して行われる複数のレシピの調理工程の説明を表示部である表示デバイスに表示させる表示処理を行う。
【0040】
一方、切替操作が無い場合(S102:NO)、ステップS105では、中断可否判定部104は、中断トリガが発生しているか否かを判断する。中断トリガが発生していない場合(S105:NO)、ステップS101に戻り、入出力部103は調理工程の説明の表示を継続する。
【0041】
中断トリガが発生した場合(S105:YES)、ステップS106では、中断可否判定部104は、中断トリガの発生以前の最も遅いタイミングで実施される調理工程が中断可能であるか否かをレシピ毎に判定する。例えば、
図4Aに示すように、中断トリガの発生以前の最も遅いタイミングで実施された各レシピの調理工程は、レシピAのステップ2(実施済み)、レシピBのステップ1(実施中)及びレシピCのステップ1(実施中)である。よって、中断可否判定部104は、レシピAについては、ステップ2が中断可能であると判定し、レシピBについては、ステップ1が中断可能であると判定し、レシピCについては、ステップ1が中断不可能であると判定する。
【0042】
或るレシピについて中断が可能ではないと判定された場合(S106:NO)、ステップS107では、中断可否判定部104は、中断トリガの発生より後で最も早いタイミングの中断可能な調理工程での中断を可能と判定する。例えば、
図4Aでは、中断可否判定部104は、レシピCにおいて中断トリガの発生より後で最も早いタイミングの中断可能な調理工程であるステップ3でのレシピCの調理の中断が可能であると判定する。
【0043】
一方、或るレシピについて中断が可能であると判定された場合(S106:YES)、端末装置100はステップS108の処理に進む。
【0044】
このように、中断可否判定部104は、中断トリガの発生時に実施中の調理工程が中断可能であるレシピ(例えば、レシピB)、又は、中断トリガの発生時に実施されておらず、直前に完了した調理工程が中断可能であるレシピ(例えば、レシピA)については、実施中の調理工程(例えば、レシピBのステップ1)又は実施済みの調理工程(例えば、レシピAのステップ2)が完了したタイミングでの調理の中断を決定する。換言すると、中断可否判定部104は、中断トリガの発生以前の最も遅いタイミングで実施される調理工程(レシピAのステップ2、及び、レシピBのステップ1)が中断可能であるレシピにおいては、上記最も遅いタイミングで実施される調理工程を、中断工程として判定する。
【0045】
この場合、中断可否判定部104は、中断工程より後の未実施である調理工程を行わないことを決定する。例えば、
図4Aでは、中断可否判定部104は、レシピAについては、ステップ2を中断工程として判定した場合、未実施であるステップ3〜5の調理を行わないことを決定する。同様に、中断可否判定部104は、レシピBについては、ステップ1を中断工程として判定した場合、未実施であるステップ2の調理を行わないことを決定する。
【0046】
一方、中断可否判定部104は、中断トリガの発生時に実施中の調理工程が中断不可能であるレシピ(例えば、レシピC)、又は、中断トリガの発生時に実施されておらず、直前に完了した調理工程が中断不可能であるレシピ(図示せず)については、中断トリガの発生より後で最も早いタイミングの中断可能な調理工程(例えば、レシピCのステップ3)を完了したタイミングでの調理の中断を決定する。換言すると、中断可否判定部104は、中断トリガの発生以前の最も遅いタイミングで実施される調理工程(レシピCのステップ1)が中断不可能であるレシピにおいては、中断トリガの発生より後で最も早いタイミングの中断可能な調理工程(レシピCのステップ3)を、中断工程として判定する。なお、
図4では、レシピCのステップ3を完了後に調理を中断することは、レシピ3の全行程を完了させることになる。
【0047】
ステップS108では、調理工程制御部105は、ステップS106又はS107において中断可能と判定された各レシピの調理工程(つまり、中断工程)よりも後の調理工程を除外することにより、中断トリガ発生以降の調理工程を変更し、変更後の調理工程をユーザに提供する。
【0048】
例えば、
図4Bに示すように、調理工程制御部105は、
図4Aに示す中断処理前の調理工程から、レシピAのステップ3〜5、レシピBのステップ2を除外する。また、
図4Bに示すように、調理工程制御部105は、上記ステップを除外したことにより、レシピCのステップ3の開始予定時間を、レシピCのステップ2の完了直後まで前倒しする。
【0049】
入出力部103は、
図4Bに示す中断処理後の調理工程を用いて、複数のレシピの各々に対して中断工程までの調理工程を順に表示する(S101〜S104)。そして、端末装置100は、全てのレシピについて中断工程の表示が完了すると(S103:YES)、調理工程の表示処理を終了する。
【0050】
以上、端末装置100の動作について説明した。
【0051】
このように、
図4Aに示すレシピCでは、中断トリガが発生してからレシピCのステップ3の調理工程が終了するまではユーザは調理を中断することができない。一方、他のレシピA、Bでは、より早いタイミングでの中断が可能となる。つまり、複数のレシピでは、中断可能なタイミングが異なる。そこで、本実施の形態に係る端末装置100は、複数のレシピの各々について中断可能なタイミングを判定し、中断トリガ以降の調理工程を変更することにより、各レシピを適切なタイミングで中断することができる(
図4Bを参照)。すなわち、端末装置100は、レシピ毎の中断可能な工程までユーザを誘導することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、端末装置100は、中断トリガの発生に基づいて各レシピの中断可能な工程を決定する。つまり、ユーザは端末100に対して任意のタイミングで調理の中断を指示することができる。
【0053】
以上より、本実施の形態によれば、ユーザが複数のレシピの調理を並行して行う場合でも、ユーザの意思に従って各レシピの調理を適切に中断することができる。
【0054】
[実施の形態の変形例]
以上、本開示の一態様に係る実施の形態について説明したが、本開示は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下、上記実施の形態の変形例について説明する。
【0055】
(変形例1)
本変形例では、端末装置100は、調理工程の中断中の保管方法を予め設定する。
【0056】
図5は、本変形例におけるレシピ情報の一例を示す。
【0057】
図5に示すように、レシピ情報において、中断可能な調理工程(ステップ)には、中断時の調理物の保管方法(常温、冷蔵、冷凍など)の情報が予め登録されている。例えば、
図5では、ステップ1またはステップ2の中断に対して「冷蔵」が設定され、ステップ4の中断に対して「冷凍」が設定される。
【0058】
更に、
図5に示すように、レシピ情報において、中断可能な調理工程(ステップ)には、中断から調理再開時の復帰方法の情報が予め登録されている。例えば、
図5では、ステップ1に対して「常温に戻す」ことが設定され、ステップ2に対して復帰方法が設定されず、ステップ4に対して「レンジを用いて600W、5分」で加熱することが設定される。
【0059】
例えば、端末装置100は、各レシピについて調理を中断する際、中断工程に対応する中断中保管方法の情報をレシピ情報から取得し、中断工程として判定された調理工程までの説明を画面表示した後に、当該中断工程に対応する中断中保管方法の説明を画面表示してもよい。こうすることで、ユーザに対して中断時の適切な保管方法を提供することができる。
【0060】
また、端末装置100は、中断後、調理の再開時には、中断工程に対応する復帰方法の情報をレシピ情報から取得し、本来の調理工程(中断工程として判定された調理工程の次の調理工程)の説明を画面表示する前に、中断工程に対応する復帰方法の説明を追加工程として画面表示してもよい。こうすることで、ユーザに対して調理再開時の材料の復帰方法を提供することができる。
【0061】
(変形例2)
本変形例では、変形例1において説明した中断中の保管方法(
図5を参照)を可変にする場合について説明する。
【0062】
ここでは、複数のレシピの各々について調理を完了させる日時(ユーザがレシピの料理を食べる日付、曜日など)が、中断時にまたは予め設定されることを想定する。この想定されるケースの一例として、例えば、各レシピが、下ごしらえに関する調理工程(下準備工程)と、完成品の仕上げに関する調理工程(仕上げ工程)とから構成され、ユーザが下準備工程と仕上げ工程とを異なる日付けに実施するケースが挙げられる。
【0063】
本変形例では、レシピ情報に含まれる中断中保管方法(及び再開時の復帰方法)は、調理を中断するタイミング(中断工程の終了タイミング)から、レシピの完成品を仕上げる予定のタイミングまでの期間(中断期間)に応じて異なる。中断工程の終了タイミング及びレシピの仕上げのタイミングは、例えば、1日単位でもよく、時間単位でもよい。
【0064】
例えば、端末装置100は、中断期間が予め設定された閾値未満の場合(中断期間が短い場合)、中断時の調理品の保管方法を冷蔵に設定し、中断期間が閾値以上の場合(中断期間が長い場合)、中断時の調理品の保管方法を冷凍に設定してもよい。上記閾値としては、例えば、冷蔵保存では調理品の鮮度が低下してしまう恐れがある期間、傷んでしまう恐れがある期間などが設定される。
【0065】
こうすることで、ユーザに対して、中断期間に応じた適切な保管方法の情報を提供することができる。
【0066】
(変形例3)
本変形例では、レシピ情報(例えば、
図2または
図5を参照)に含まれる中断可否の情報を可変にする場合について説明する。
【0067】
ここでは、変形例2と同様、複数のレシピの各々について調理を完了させる日時(ユーザがレシピの料理を食べる日付、曜日など)が、中断時にまたは予め設定されるものとする。
【0068】
本変形例では、レシピ情報に含まれる中断可否は、調理を中断するタイミング(中断工程の終了タイミング)からレシピの完成品を仕上げる予定のタイミングまでの期間(中断期間)に応じて異なる。中断工程の終了タイミング及びレシピの仕上げのタイミングは、変形例2と同様、例えば、1日単位でもよく、時間単位でもよい。
【0069】
例えば、端末装置100は、中断期間が予め設定された閾値未満の場合(中断期間が短い場合)、対象の調理工程の中断可否を「可」に設定し、中断期間が閾値以上の場合(中断期間が長い場合)、対象の調理工程の中断可否を「不可」に設定してもよい。上記閾値としては、例えば、中断期間中に調理品が傷んでしまい、食べられる状態でなくなってしまう恐れがある期間などが設定されてもよい。
【0070】
このように、端末装置100は、調理が中断される期間に応じて、当該調理が中断可能であるか否かを適切に判断することができる。
【0071】
(変形例4)
上記実施の形態では、端末装置100は、並行して調理される複数のレシピの調理工程をそれぞれ独立して実施するように、ユーザに対して調理工程を表示する場合について説明した。
【0072】
一方で、複数のレシピの調理工程において同一の材料に対して同一の調理動作を行う調理工程が含まれる場合もある。この場合、複数のレシピにおいて共通する調理工程を1つの調理工程として統合してユーザに表示することも想定される。
【0073】
図6Aは、本変形例に係るレシピ情報の一例を示し、
図6Bは、
図6Aに示すレシピ情報をユーザに表示する際の調理工程を時系列に示した図である。
【0074】
図6Aに示すレシピDおよびレシピEでは、各々のステップ1、3において、「人参の乱切り」および「人参の下茹で」の工程が共通して含まれる。つまり、レシピDおよびレシピEにおいて同一の材料(人参)に対して同一の調理動作(乱切り、および、下茹で)を行う調理工程が含まれる。
【0075】
そこで、
図6Bでは、端末装置100は、レシピDおよびレシピEにおいて共通する工程をレシピDのステップ1’、3’として統合してユーザに表示する。その際、端末装置100は、調理工程において使用される材料の分量が設定されている場合、統合前の各レシピの調理工程における材料の分量(例えば、レシピDのステップ1では人参2本、レシピEのステップ1では人参1本)の合計値(人参3本)を、統合後の調理工程において使用される材料の分量として表示する。
【0076】
材料、材料の分量及び調理動作の情報は、例えば、調理工程の説明に登録されている文を解析することにより得られてもよく、レシピ情報に予め登録されていてもよい。
【0077】
ここで、
図6Aに示すレシピDでは、前後のステップとの関係から、「人参の下茹で」の工程について中断が可能とする。一方、
図6Bに示すレシピEでは、前後のステップとの関係から、「人参の下茹で」の工程について中断が不可能とする。
【0078】
以下では、
図6Aに示すような調理工程が統合された複数のレシピの調理中に、
図6Bに示す中断トリガが発生した場合の端末装置100における調理の中断方法1、2について詳細に説明する。
図6Bでは、レシピDのステップ1’の完了後、レシピDのステップ2およびレシピEのステップ2の実施中に中断トリガが発生している。
【0079】
<中断方法1:
図7A>
図6Bに示すように、中断トリガ発生以降においてレシピ毎の中断可能な調理工程は、レシピDではステップ2であり、レシピEではステップ4である。
【0080】
そこで、端末装置100は、
図7Aに示すように、レシピDに関して、レシピEのステップ4の調理を実施するのに必要となるレシピDのステップ3’で調理を中断することを決定する。つまり、端末装置100は、レシピDのステップ4を除外する。
【0081】
具体的には、端末装置100は、
図6Aに示すように、レシピEのステップ4の調理を実施するためには、レシピEのステップ2、3の実施が必要と判断する。また、端末装置100は、
図6Bに示すように、レシピEのステップ3が、レシピDのステップ3’として統合されたことを示す情報を保持している。よって、端末装置100は、レシピEのステップ4の調理を実施するためには、レシピDのステップ3’の調理も実施する必要があると判断できる。
【0082】
このように、中断方法1では、端末装置100は、複数のレシピの各々について、中断可能な調理工程が最も遅いタイミングのレシピ(例えば、レシピE)を調理する際に必要となる調理工程(レシピDのステップ3’およびレシピEのステップ4)の実施後、調理を中断する。
【0083】
こうすることで、ユーザは、実施の形態と同様にして複数のレシピの全てについて適切なタイミングで中断することができる。また、ユーザは、特定のレシピの調理を中断するのに必要な調理工程において、他のレシピのうち、上記特定のレシピと共通する調理も併せて実施することができるので、上記他のレシピの調理再開時の工程を削減することができる。
【0084】
<中断方法2:
図7B>
図6Bに示すように、中断トリガ発生以降においてレシピ毎の中断可能な調理工程は、レシピDではステップ2であり、レシピEではステップ4である。すなわち、レシピDでは、ステップ3’を行わなくても中断可能であるのに対して、レシピEでは、ステップ3’を行う必要がある。
【0085】
そこで、端末装置100は、
図7Bに示すように、レシピDについてステップ2で調理を中断すると決定し、レシピEについて、ステップ3ではレシピEの調理に必要な分量の材料(1本の人参)に対する調理を実施し、ステップ4で調理を中断すると決定する。つまり、レシピEのステップ3に対する調理は実施されるものの、レシピDのステップ3に対する調理(2本の人参の下茹で)は除外される。
【0086】
このように、中断方法2では、端末装置100は、複数のレシピの各々について、中断可能な調理工程を個別に判定する。
【0087】
こうすることで、ユーザは、中断トリガの発生時から必要最小限の調理のみを実施して調理を中断することができる。
【0088】
(変形例5)
上記実施の形態では、
図1に示す端末装置100における処理について説明した。しかし、上述した端末装置100において実行される中断処理は、サーバ装置(図示せず)において実行されてもよい。例えば、端末装置100とサーバ装置とは、ネットワーク(図示せず)を介して接続される。ネットワークは、無線ネットワークでもよいし、有線ネットワークでもよいし、有線ネットワークと無線ネットワークとが混在したネットワークでもよい。
【0089】
この場合、端末装置100は、例えば、
図1に示す入出力部101を備え、ユーザからの中断指示をサーバ装置へ送信し、サーバ装置200により提供されるレシピ情報を表示する。一方、サーバ装置は、例えば、
図1に示す記憶部102〜調理工程制御部105を備え、ユーザからの中断指示を受け取ると、上述したように中断後の調理工程を変更し、変更したレシピ情報を端末装置100へ送信する。なお、端末装置100およびサーバ装置の何れの装置において、何れの処理を行うかについては、ここで述べた具体例に限定されるものではない。
【0090】
(コンピュータプログラムによる実現例)
以上、本開示の一態様に係る実施形態について図面を参照して詳述してきたが、上述した端末装置100の機能は、コンピュータプログラムにより実現され得る。
【0091】
図8は、各部の機能をプログラムにより実現するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。このコンピュータ1000は、入力ボタン、タッチパッドなどの入力装置1001、ディスプレイ、スピーカなどの出力装置1002、CPU(Central Processing Unit)1003、ROM(Read Only Memory)1004、RAM(Random Access Memory)1005を備える。また、コンピュータは、ハードディスク装置、SSD(Solid State Drive)などの記憶装置1006、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体から情報を読み取る読取装置1007、ネットワークを介して通信を行う送受信装置1008を備える。上記各部は、バス1009により接続される。
【0092】
そして、読取装置1007は、上記各部の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置1006に記憶させる。あるいは、送受信装置1008が、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各部の機能を実現するためのプログラムを記憶装置1006に記憶させる。
【0093】
そして、CPU1003が、記憶装置1006に記憶されたプログラムをRAM1005にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAM1005から順次読み出して実行することにより、上記各部の機能が実現される。また、プログラムを実行する際、RAM1005または記憶装置1006には、実施の形態で述べた各種処理で得られた情報が記憶され、適宜利用される。