【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この目的は、請求項1の特徴を有する接触装置、請求項8の特徴を有する充電接触ユニット、請求項15の特徴を有する急速充電システムに、または請求項16の特徴を有する方法によって達成される。
【0012】
電気駆動車両、特に電気バス等のための急速充電システム用の本発明に係る接触装置は、車両と充電接触ユニットを備える据え置き型充電ステーションとの間で導電接続を形成する役目を果たし、接触装置を車両上に配置することができ、接触装置が接触器を備え、接触器が充電接触ユニットと接触することができ、接触装置又は充電接触ユニットが位置決め器を備え、接触器を位置決め器によって充電接触ユニットに対して位置決めすることができ、位置決め器がパンタグラフ又は揺動アームを有し、該揺動アームを用いて接触器を充電接触ユニットに対して垂直方向で位置決めすることができ、接触器は、接触要素を備える接触要素支持体を有し、接触要素は、充電接触ユニットの充電接触要素と接触対を形成するように接触でき、位置決め器が横方向ガイドを有し、該横方向ガイドを用いて接触要素支持体を充電接触ユニットに対して横方向で位置決めすることができ、横方向ガイドは、パンタグラフ又は揺動アームの先端に配置される。
【0013】
したがって、例えば電気バスが停止場所で停止するときに、接触器を、位置決め器を用いて移動させることができ、充電接触ユニットへ向けて好ましくは垂直方向に移動させることができ、及び、前記充電接触ユニットと接合させることができる。原理的には、充電接触ユニットが位置決め器を備えるとともに該位置決め器によって接触器の方へ移動されることも想定し得る。充電ステーションと車両との間でこのようにして形成される充電接触は少なくとも2つの接触対を備え、各接触対は、接触要素と、充電接触ユニットの関連する充電接触要素とから成る。
【0014】
本発明によると、位置決め器がパンタグラフ又は揺動アームを有し、該揺動アームを用いて接触器が充電接触ユニットに対して或いは車両に対して垂直方向で位置決めされ得る。揺動アームの場合には、接触器を充電接触ユニットに対して安定させる及び接触器を適切な方向に位置合わせする更なるリンクが設けられてもよい。パンタグラフ又は揺動アーム又は対応する機械的な駆動は、特に簡単で費用効率が高い方法でもたらされ得る。
【0015】
位置決め器が横方向ガイドを有し、該横方向ガイドを用いて接触要素支持体が充電接触ユニットに対して又は車両の走行方向に対して横方向で位置決めされ得る。横方向ガイドは、位置決め器のパンタグラフ上又は揺動アーム上に配置される。いずれの場合にも、これにより、横方向ガイド上に配置される接触要素支持体又は充電接触ユニットを車両の走行方向に対して横方向に移動させることができる。例えば、この移動可能性により、停止場所での車両の不正確な位置決めを走行方向に対して横方向で補償できる。また、乗客の乗車及び降車のための車両の片側下降に起因する車両の想定し得る動きを補償して、接触要素支持体が充電接触ユニットに対して横方向で変動しないようにすることができる。
【0016】
本発明によると、横方向ガイドがパンタグラフ又は揺動アームの先端に配置される。したがって、揺動アーム又はパンタグラフを走行方向に対して横方向にもはや移動させる必要がなく、代わりに、接触要素支持体又は充電接触ユニットを横方向ガイド上で移動させるだけで十分である。そのため、移動されるべき質量が減少される。また、より小さいトルクがパンタグラフ又は揺動アームに作用し、任意の実質的な垂直力はもはやパンタグラフ又は揺動アームに作用しない。好ましくは、横方向ガイドは、接触要素支持体が横方向ガイド上で容易に移動され得るようにパンタグラフ又は揺動アームの上側先端に直接に取り外し不能に装着され得る。
【0017】
横方向ガイドは、直線状のリニアガイドとして或いは湾曲したリニアガイドとして実現され得る。このとき、湾曲したリニアガイドは、車道の上側の横方向ガイドの高さに対応する曲線の半径を有することができる。
【0018】
1つの実施形態において、接触器は、例えば電気バス又は電車のルーフであってもよい車両のルーフ上に配置され得る。例えば、接触器が走行方向で車両のルーフのドライバー側に配置されるように車両のルーフ上に接触器を位置させることが想起されてもよい。このようにすると、接触装置又は接触装置の位置がドライバーの視線の中に入るため、接触装置を充電接触ユニットの下側に位置決めすることが車両のドライバーにとってかなり容易である。
【0019】
さらに、接触要素は、接触器と前記充電接触ユニットとが接合されるときに接触対を形成する際に充電接触要素に対して所定の順序が維持されるように接触要素支持体上に配置され得る。したがって、第1の接触対が他の接触対に先立って形成され得る。特に、接触対の形成に必然的な順序が存在するように接触要素が接触要素支持体上に配置されることが想起されてもよい。
【0020】
最新技術から知られる装置でも、接触対が遅延態様で同様に形成される場合があるが、その遅延は、意図的ではなく、或いは、接触要素支持体上の接触要素の配置に起因し得ない。したがって、接触要素支持体上の接触要素の配置は、接触器と充電接触ユニットとが接合されるときに接触対の形成の順序が常に必然的に維持されるとともに、接触要素の幾何学的な配置に起因してその順序を容易に変えることができないようにする。つまり、接触要素の配置は、接触対の形成の順序を規定し得る。このようにすると、特に、互いに属さない接触要素と充電接触要素との間で意図的でない或いは誤った接触又は接触対の形成が行なわれないようにすることもできる。
【0021】
このとき、例えば、他の接触対が形成される前又は電気エネルギーが接触対を通じて供給される前に、必要に応じて、測定技術を用いて最初に形成される接触対を最初に検査することが考えられる。或いは、第1の接触対は、電気的接続の安全性を確保するニュートラルな導体又は同様の導体に接続されるのに役立つこともできる。このようにして形成される所定の接触順序は、接触装置と充電接触ユニットとの間の接触点形成のプロセスをかなり安全にすることができる。
【0022】
接触要素支持体は、該接触要素支持体と接触するための充電接触ユニットの接触面と適合するようになっている2つの、好ましくは3つ以上の位置決め面を形成することができる。このとき、接触要素支持体の位置決め面は、接触器と充電接触ユニットとが接合されるときに接触要素支持体を充電接触ユニット内のその所定の位置へと正確に位置決めできるように充電接触ユニットの接触面に緊密に嵌合できるようになる。位置決め面は、特に、接触器及び充電接触ユニットの所定の接触位置への確実な接合が確保されるように接触面と適合する幾何学的形態又は互いに対する相対的配置を有してもよい。
【0023】
接触要素支持体が横方向ガイド上に自由に移動できる態様で配置されれば特に有益である。接触要素支持体のこの自由に移動できる配置は、車両が片側下降に起因して走行方向に対して横方向に傾動する場合の補償をかなり簡略化する。傾動の場合、位置決め器は、側方に、すなわち、走行方向に対して横方向に傾けられ、接触要素支持体は、充電接触ユニットに対して接続されたまま、横方向ガイド上で移動される。横方向ガイドは、それがガイドレールとして形成される或いは接触要素支持体のためのガイドとしての形態を備えるように設計されてもよい。
【0024】
また、接触要素支持体を横方向ガイドに中心付けること、すなわち、例えばスプリング器具を用いて接触要素支持体を静止位置で横方向ガイドに対して中心に位置合わせすることが想起されてもよい。
【0025】
接触要素がボルト形状を成すことができ、この場合、接触要素が接触要素支持体上に弾性的に装着され得る。このようにすると、接触要素の形成が特に簡単であり、1つの接触要素内で簡単な圧力スプリングを用いて弾性装着を実施できる。その結果、スプリング予張力下で充電接触要素との遅れない接触を形成できる。また、例えば給電の接触対のために複数の接触要素が設けられることが想起されてもよい。
【0026】
これは、ボルト形状の接触要素を介してより大きな電流を安全に伝えることができるように充電接触要素が比較的大きな表面を有する場合に特に都合がよい。好ましくは、2つの接触要素が、それぞれの局面ごとに、又は、それぞれの給電の接触部ごとに設けられてもよい。前述した実施形態からはずれて、接触要素支持体上の接触要素をボルト形状で実現せず、充電接触ユニットにボルト形状の充電接触要素を設けることが想起されてもよく、逆もまた同様である。
【0027】
所定の時間間隔での接触対の形成は、接触要素支持体の表面又は位置決め面に対して異なる高さで突出する少なくとも2つの接触要素を用いて特に簡単な態様で実現され得る。表面又は位置決め面に対するそれぞれの接触要素の異なる高さは、必然的に、最も高く突出する接触要素が最初に充電接触要素と接触する接触順序をもたらす。それとは無関係に、各接触要素を接触要素支持体の異なる位置決め面上に配置することができ、このとき、接触要素が必ずしも位置決め面に対して異なる高さを有する必要なく、位置決め面と接触要素との相対的な配置だけで互いに異なる接触順序をもたらすように位置決め面を互いに対して実現することができる。
【0028】
また、少なくとも1つの接触要素が1つの充電接触要素に対してロックされ得る。ロックは、それぞれの素子の形状嵌合接続及び/又は圧力嵌め接続によって行なわれてもよく、ロックは、充電接触要素に対する接触要素の動き及びその逆の動きを不可能にする。したがって、車両の意図しない動きは、接触対の分離或いは接触要素と充電接触要素との間の接続の分離のどちらも引き起こし得ない。素子のロックは、好適には、特に車両と据え置き型充電ステーションとの間の確実なデータ接続をもたらすために使用され得る。例えば、5つの接触対を有する接触装置を実現することが想起されてもよい。
【0029】
電気駆動車両、特に電気バス等のための急速充電システム用の本発明に係る充電接触ユニットは、接触装置を備える車両と充電接触ユニットを備える据え置き型充電ステーションとの間で導電接続を形成する役目を果たし、接触装置が車両上に配置され、接触装置が接触器を備え、接触器が充電接触ユニットと接触することができ、接触装置又は充電接触ユニットが位置決め器を備え、接触器を位置決め器によって充電接触ユニットに対して位置決めすることができ、位置決め器がパンタグラフ又は揺動アームを有し、該揺動アームを用いて接触器を充電接触ユニットに対して垂直方向で位置決めすることができ、接触器は、接触要素を備える接触要素支持体を有し、接触要素は、充電接触ユニットの充電接触要素と接触対を形成するように接触でき、充電接触ユニットが横方向ガイドを有し、該横方向ガイドを用いて充電接触ユニットを接触要素支持体に対して横方向で位置決めすることができる。
【0030】
充電接触ユニットは、それが接触装置に接続されて導電接続を形成できるように実現される。本発明に係る充電接触ユニットの有利な効果に関しては、本発明に係る接触装置の利点の説明を参照されたい。
【0031】
充電接触ユニットが横方向ガイド上に自由に移動できる態様で配置されれば特に有益である。充電接触ユニットのこの自由に移動できる配置は、車両が片側下降に起因して走行方向に対して横方向に傾動する場合の補償をかなり簡略化する。傾動の場合、位置決め器は、側方に、すなわち、走行方向に対して横方向に傾けられ、接触要素支持体が充電接触ユニットに対して接続されたまま、充電接触ユニットが横方向ガイド上で移動される。
【0032】
横方向ガイドは、それがガイドレールとして形成される或いは充電接触ユニットのためのガイドプロファイルを備えるように設計されてもよい。また、充電接触ユニットを横方向ガイドに中心付けること、すなわち、例えばスプリング器具を用いて充電接触ユニットを静止位置で横方向ガイドに対して中心に位置合わせすることが想起されてもよい。原理的には、充電接触ユニットが位置決め器を備えるとともに位置決め器を用いて接触器へ向けて移動されることも想定し得る。
【0033】
充電接触ユニットは接触器のための受け入れ開口を形成することができ、接触器が充電接触ユニットの受け入れ開口内に挿入され得る。受け入れ開口はV形状となり得ることが好ましい。接触器と充電接触ユニットとが接合されようとしているときに接触要素支持体が受け入れ開口に対して移動する場合には、受け入れ開口のV形状によって接触要素支持体が中心付けられる。
【0034】
このようにして、受け入れ開口は、接触器と充電接触ユニットとが接合されるときに接触器のためのガイドを形成できる。したがって、接触要素支持体が受け入れ開口によって充電接触ユニットの接触位置へと案内されるという点において、停止場所で停止する車両の所定の停止位置からの想定し得る位置ずれを容易に補償できる。
【0035】
充電接触ユニットを充電接触要素支持体と充電接触要素とから構成することができ、充電接触要素支持体をプラスチック材料から形成することができる。この場合、充電接触ユニットの形成は、特に費用効率が高く、簡単である。例えば、充電接触要素支持体をプラスチックから一体に形成することもできる。この場合、充電接触要素を充電接触要素支持体内へ或いは所定のマウント内又は凹部内に挿入することができる。
【0036】
また、充電接触ユニットは、車両の走行方向で配置され得る屋根形状の長手方向レールとして実現することができる。この場合には、充電接触要素が天候の影響に直接に晒されないように充電接触要素を屋根形状の長手方向レールの下面に配置できる。また、屋根形状の長手方向レールは比較的長い形状を有することができ、それにより、停止場所での車両の正確な位置決めが不要になる。また、屋根形状の長手方向レールは、接触要素支持体を走行方向で屋根形状の長手方向レール内へ挿入して該レールから引き出すこともできるように、その端部が開放し得ることが好ましい。
【0037】
充電接触要素は、好適には、導体ストリップとして実現され得る。このようにすると、充電接触要素は、接触要素のための比較的大きい接触可能な表面を形成できる。また、導体ストリップは、例えば導体ストリップとして半製品を使用することにより、形成が簡単である。逆に、接触要素支持体上の接触要素を導体ストリップとして実現するとともに、充電接触要素をボルト形状で或いは接触要素を備える接触要素支持体の前述した実施形態に係るボルトとして実現することも可能である。
【0038】
本発明に係る急速充電システムは、請求項1から7のいずれか一項に係る接触装置及び/又は請求項8から14のいずれか一項に係る充電接触ユニットを備える。また、急速充電システムは充電ステーションを備えることもできる。特に、横方向ガイドが充電接触ユニットに存在するとともに、横方向ガイドが接触要素支持体上に存在することがそれぞれ必ずしも必要とされない。例えば、横方向ガイドが充電接触ユニットに或いは接触要素支持体に設けられれば十分である。実質的な態様は、パンタグラフへ向かう或いは揺動アームへの充電接触要素支持体の及び/又は充電接触ユニットの、走行車線よりも上側のその直接的なサスペンションに対する相対的な動きが、走行方向に対して横方向で可能にされることである。
【0039】
また、接触要素支持体上の接触要素の配置及び充電接触ユニット上の充電接触要素の配置のそれぞれ自体が所定の接触順序の原因である必要は必ずしもない。例えば、接触要素の配置及び充電接触要素の配置が対応する接触順序を引き起こすことができるが、その場合、接触装置と充電接触ユニットとの間又は接触要素と充電接触要素との間の相互作用は、適切な接触順序が達成されるようにそれらの配置に関して調整されなければならない。
【0040】
接触装置と充電接触ユニットとを備える特に電気バス等の電気駆動車両用の急速充電システムのための、車両と据え置き型充電ステーションとの間で導電接続を形成するための本発明に係る方法では、接触装置が車両上に配置され、接触装置が接触器又は充電接触ユニットを備え、接触器が充電ステーションの充電接触ユニットと接触させられ、接触装置が位置決め器を備え、接触器が位置決め器によって充電接触ユニットに対して位置決めされ、位置決め器がパンタグラフ又は揺動アームを有し、該揺動アームを用いて接触器が充電接触ユニットに対して垂直方向で位置決めされ、接触器が接触要素を備える接触要素支持体を有し、接触要素が充電接触ユニットの充電接触要素と接触対を形成するように接触させられ、接触器と充電接触ユニットとが接合され、位置決め器が横方向ガイドを有し、該横方向ガイドを用いて接触要素支持体が接合中に充電接触ユニットに対して横方向で位置決めされる。
【0041】
好ましくは、位置決めユニット及び/又は充電接触ユニットが横方向ガイドを有する。本発明に係る方法の有利な効果に関しては、本発明に係る接触装置及び充電接触ユニットの利点の説明を参照されたい。
この方法では、他の接触対が他の接触要素と他の充電接触要素との間で形成される前に、最初に、第1の接触対が第1の接触要素と第1の充電接触要素との間で形成され得る。それは別として、接触装置を充電接触ユニットから分離するときに接触対が逆の接触順序で分離される、すなわち遮断されることが想起されてもよい。
【0042】
好適には、給電の接触対に先立って、最初に、保護導体の接触対を形成できる。このような構成とすることにより、給電の接触部の想定し得る不正確な接触形成が、人に損傷を与え又は危険をもたらし得ないようにすることができる。
【0043】
また、制御導体の接触対に先立って、最初に、給電の接触対を形成することもできる。この場合、制御導体の接触対を確実に形成した後に、急速充電プロセスを起動するようにすることもできる。このようにすると、制御導体の接触対が形成されて、急速充電プロセスを制御して監視できるようになったときだけ電気エネルギーが給電の接触対を介して伝導されるため、きわめて安全な接触点の形成及び急速な充電を行なうことができる。このようにすると、給電の接触対を形成するときに想定し得るスパーク等を回避できる。
【0044】
方法の他の有利な実施形態は、独立請求項1、8に戻って言及する従属請求項から明らかになる。
以下の説明では、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について更に詳しく説明する。