特許第6457519号(P6457519)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タイコ・エレクトロニクス・コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特許6457519-導電性インサート 図000002
  • 特許6457519-導電性インサート 図000003
  • 特許6457519-導電性インサート 図000004
  • 特許6457519-導電性インサート 図000005
  • 特許6457519-導電性インサート 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6457519
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】導電性インサート
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/26 20060101AFI20190110BHJP
【FI】
   H01R4/26
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-533343(P2016-533343)
(86)(22)【出願日】2014年8月1日
(65)【公表番号】特表2016-527695(P2016-527695A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】US2014049328
(87)【国際公開番号】WO2015023451
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2017年6月7日
(31)【優先権主張番号】13/964,721
(32)【優先日】2013年8月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】キンバリー アン デボック
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド ジェイムズ ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン トッド クリンガー
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0275066(US,A1)
【文献】 米国特許第02796457(US,A)
【文献】 仏国特許出願公開第02704101(FR,A1)
【文献】 特開昭51−64803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/24 − 4/46
H01R43/027−43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムまたはアルミニウム合金で構成される低導電性材料との結合をもたらす導電性インサートであって、前記導電性インサートは、
第1の表面および反対側に面する第2の表面と、
前記第1の表面と前記第2の表面との間に延在する複数の第1の開口と、
前記第1の表面と前記第2の表面との間に延在する複数の第2の開口と、
記第2の表面から離れる方向に前記第1の表面から延出する複数の第1の突起と、
記第1の表面から離れる方向に前記第2の表面から延出する複数の第2の突起と、を備え、
夫々の前記第1の突起および夫々の前記第2の突起は、固定された基部および自由端を有する三角形部材を含み、夫々の前記第1の突起の自由端および夫々の前記第2の突起の自由端は、前記三角形部材の2つの側部によって形成される先鋭端の形状であり、
前記第1の突起は、夫々の前記第1の開口に近接して複数設けられ、
前記第2の突起は、夫々の前記第2の開口に近接して複数設けられ、
夫々の前記第1の突起の自由端は、前記第1の表面から前記第1の表面に対して垂直な角度で延び、夫々の前記第2の突起の自由端は、前記第2の表面から前記第2の表面に対して垂直な角度で延び、これらの突起は、突起の縁が前記導電性インサートの長手軸に平行な方向に移動可能であるように圧縮可能である、
導電性インサート。
【請求項2】
前記第1の開口に近接して前記第1の突起が3つ以上設けられ、前記第2の開口に近接して前記第2の突起が3つ以上設けられる、
請求項1に記載の導電性インサート。
【請求項3】
々の前記第1の開口は、夫々の前記第2の開口によって包囲され、それにより、前記第1の突起は、前記第1の表面および第2の表面に渡って前記第2の突起と互い違いになる、
請求項1に記載の導電性インサート。
【請求項4】
前記導電性インサートは、アルミニウムの導電性に等しい又はそれよりも高い導電性を有する導電性材料から作られる、
請求項1に記載の導電性インサート。
【請求項5】
前記開口は選択的にジグザグ状に配置される、
請求項1に記載の導電性インサート。
【請求項6】
記第1の突起および前記第2の突起は、パターン化された関係に配置される、
請求項1に記載の導電性インサート。
【請求項7】
前記複数の開口は、前記第1の表面の全体および第2の表面の全体に沿って配置される、
請求項1に記載の導電性インサート。
【請求項8】
当該導電性インサートの前記第1の表面および前記第2の表面には、少なくとも1つの取付け開口が貫通し、前記取付け開口は、取付け金具と協働するように構成される、
請求項1に記載の導電性インサート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低導電性材料同士間に低抵抗結合をもたらす導電性インサートを対象とする。特に、本発明は、表面に設けられた任意のシーラントおよび/又は酸化アルミニウムを突き破るためにアルミニウム等の軽量材料と協働するインサート即ちスクリーンを対象とする。
【背景技術】
【0002】
より軽量な材料を利用することによって部品の重量を減少することによって製品の重量を減少する必要性は、多くの産業において認識されている。一例として、航空産業では、航空機の重量を低減すること望み、燃料消費を低減し、その結果、コストが低減されている。これは、一つには、銅端子における母材をアルミニウム等のより軽量の材料と交換することによって達成することができる。この必要性は、航空機上での銅線からアルミニウム線への変更の結果生じる。しかしながら、端子をより軽量な材料に変換する前に、そのより軽量な材料によって確実な電気的接続が行われることが確認されなければならない。
【0003】
アルミニウム構造体を有する航空機における相手表面同士間の連結を行う既知の方法は、一般的に、硬化エラストマーガスケット、シーラントを使用する金属ガスケットの使用、又は腐食防止剤とめっきの複合的使用に限られている。硬化エラストマーガスケットは、相手表面同士間に水分の浸入を許し、時間の経過と温度サイクルの後に2つの表面に対して結合/付着する又は圧縮下の形状記憶を保持する傾向がある。金属ガスケットも、2つの表面の間の水分の浸入を低減するための接着剤の塗布による永久結合の問題を有する。耐腐食化合物およびシーラントの使用により、塗布および除去の際に時間の掛かるプロセスが生じ、構造体の屈曲中にクラックが生じる傾向がありそれによって、相手表面同士間に水分が浸入することを許し、腐食防止剤の破壊を生じる。
【0004】
加えて、現在使用されている大抵のガスケットは、アルミニウムとは異なる母材を有するため、ガルバニック腐食を防止するのではなくむしろ引き起こしてしまう。これは、これらのガスケットは、単独で気密(ハーメチック)シールをもたらすことができず、高振動エリア内で又は屈曲状態で使用されるとクラックが生じ易いことからガルバニ電池(セル)を成す電解液を導いてしまう外部シーラントの使用が必要であるためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決すべき課題は、ガスケットを必要とせず、アルミニウム端子と航空機のアルミニウム構造体との間で使用されることができ、コスト効果が高く、低導電性材料同士間の低抵抗結合を介して確実な電気的接続をもたらすことができ、それによってアルミニウムに塗布されるべき防止剤グリースの必要性をなくす導電性インサートを提供することが有益であるということである。また、取付け時間及び除去時間を最小にするインサートを提供することが有益である。また、除去時の構造の損傷および部品の損傷をなくし、限定ではないが、高度、振動、構造的屈曲、および極端な温度等の航空機に関連する過酷な環境における設置の完全な状態を守ることが有益である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決策は、低導電性材料同士間に低抵抗結合をもたらす導電性インサートによって提供される。前記インサートは、第1の表面および反対側に面する第2の表面を含む。前記第1の表面と前記第2の表面との間には複数の開口が延在する。前記第1の表面に近接する夫々の第1の開口からは、少なくとも1つの第1の突起が延出し、前記少なくとも1つの第1の突起は、前記第2の表面から離れる方向に前記第1の表面から延出する。前記第2の表面に近接する夫々の第2の開口からは、少なくとも1つの第2の突起が延出し、前記少なくとも1つの第2の突起は、前記第1の表面から離れる方向に前記第2の表面から延出する。当該インサートは、前記導電性材料同士間に安定した低抵抗の導電路をもたらす。
【0007】
本発明のその他の特徴および利点は、本発明の原理を一例として示す添付の図面に関連して挙げられた好適な実施形態の以下のより詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るインサートの例示的実施形態の斜視図である。
【0009】
図2図1の線2−2に沿うインサートの突起の幾つかを示す拡大した断面図である。
【0010】
図3】端子と相手表面との間に配置されたインサートの分解した斜視図である。
【0011】
図4】完全に組み立てられた位置に示す図3のインサート、端子及び相手表面の斜視図である。
【0012】
図5】インサートの長手軸に沿うアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一実施形態は、複合構造の航空機との使用を目的とするアルミニウム端子と共に使用されることができるインサートを対象とする。一実施形態において、このインサートは、端子と航空機の外殻との間に低結合抵抗をもたらす打ち抜きスクリーンである。
【0014】
一実施形態は、低導電性材料同士間に低抵抗結合をもたらす導電性インサートを対象とする。当該インサートは、第1の表面および反対側に面する第2の表面を含む。前記第1の表面と前記第2の表面との間には、複数の開口が延在する。前記第1の表面に近接する夫々の第1の開口からは、少なくとも1つの第1の突起が延出し、当該少なくとも1つの第1の突起は、前記第2の表面から離れる方向に前記第1の表面から延出する。前記第2の表面に近接する夫々の第2の開口からは、少なくとも1つの第2の突起が延出し、当該少なくとも1つの第2の突起は、前記第1の表面から離れる方向に前記第2の表面から延出する。当該インサートは、前記導電性材料同士間に安定した低抵抗の導電路をもたらす。
【0015】
一実施形態は、アルミニウムの導電性に等しい又はそれよりも高い導電性を有する導電性材料から成ることによって、低導電性材同士料間に低結合抵抗をもたらす導電性インサートを対象とする。モネル(Monel)はそのような材料の一例であるが、本発明の範囲から逸脱することなくその他の材料が使用されることができる。当該インサートは、第1の表面および反対側に面する第2の表面を含む。前記第1の表面と前記第2の表面との間には、複数の開口が延在する。前記第1の表面に近接する夫々の第1の開口からは、少なくとも1つの第1の突起が延出し、当該少なくとも1つの第1の突起は、前記第2の表面から離れる方向に前記第1の表面から延出する。前記第2の表面に近接する夫々の第2の開口からは、少なくとも1つの第2の突起が延出し、当該少なくとも1つの第2の突起は、前記第1の表面から離れる方向に前記第2の表面から延出する。前記第1の表面および前記第2の表面には少なくとも1つの取付け開口が貫通し、当該取付け開口は、取付け金具と協働するように構成される。当該インサートは、前記端子と前記相手表面のより低い導電性材料同士間に安定した低抵抗の導電路をもたらす。
【0016】
一実施形態は、端子、導電性表面、および導電性インサートを有するアセンブリを対象とする。前記導電性インサートは、アルミニウムの導電性に等しい又はそれよりも高い導電性を有する導電性材料からなる。当該インサートは、第1の表面および反対側に面する第2の表面を含む。前記第1の表面と前記第2の表面との間には、複数の開口が延在する。前記第1の表面に近接する夫々の第1の開口からは、少なくとも1つの第1の突起が延出し、当該少なくとも1つの第1の突起は、前記第2の表面から離れる方向に前記第1の表面から延出する。前記第2の表面に近接する夫々の第2の開口からは、少なくとも1つの第2の突起が延出し、当該少なくとも1つの第2の突起は、前記第1の表面から離れる方向に前記第2の表面から延出する。前記第1の表面および前記第2の表面には少なくとも1つの取付け開口が貫通し、当該取付け開口は、取付け金具と協働するように構成される。少なくとも1つの第1の突起は、前記端子上に存在する任意のシーラント又は酸化物を貫通し、前記少なくとも1つの第2の突起は、前記導電性表面上に存在する任意のシーラント又は酸化物を貫通し、それにより、前記端子と前記導電性表面との間に安定した低抵抗の導電路をもたらす。
【0017】
本発明は、本発明の例示的実施形態が示される添付の図面を参照して、以下により詳細に説明される。図面では、領域又は特徴の相対的な大きさは、分かり易さのために誇張されている場合がある。しかしながら、本発明は、様々な形態で実施されてもよく、本明細書に示される実施形態に限定されるものと解釈されてはならず、むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分且つ完全なものになり、当業者に本発明の範囲を詳細に伝えるように提供される。
【0018】
「頂部の」、「上部の」、「下部の」等の空間的に相対的な用語は、本明細書において、図面に示すある要素又は特徴の別の要素(1つ又は複数)又は特徴(1つ又は複数)に対する関係を説明するために、説明を容易にするために使用されていることが分かる。空間的に相対的な用語は、図面に描かれた向きに加えて、使用中又は動作中のデバイスの異なる向きを含むことを意図していることが分かる。例えば、図面における当該デバイスがひっくり返された場合、他の要素又は特徴の「上方」であると説明された要素は、当該他の要素又は特徴の「下方」に位置することになる。このように、この例示的用語である「上方」は、上方および下方の向きの両方を含み得る。当該デバイスは、それ以外の向きに置かれ(90°又はその他の向きに回転させ)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な用語は、それに対応して解釈される。
【0019】
本発明は、導電性材料同士間に安定した低抵抗の導電路をもたらす導電性インサートを対象とする。特に、本発明は、表面上に存在する酸化アルミニウムをせん断するためにアルミニウム等の軽量材料と協働することによって、アルミニウムに塗布されるべき防止剤グリースの必要性をなくすインサート即ちスクリーンを対象とする。
【0020】
図1及び図2に示すように、インサート20の例示的実施形態が示される。インサート20は、第1の表面22および反対側に面する第2の表面24を備える。図示の実施形態では、このインサートは、アルミニウムの導電性に等しい又はそれよりも高い導電性を有することによって低導電性材料同士間に低結合抵抗をもたらす導電性材料から成る。モネルはそのような材料の一例であるが、本発明の範囲から逸脱することなくその他の材料が使用されることができる。図示の実施形態では、インサート20は、約0.006インチ(約0.15ミリメートル)から約0.012インチ(約0.30ミリメートル)までの厚み、約0.006インチ(約0.15ミリメートル)よりも厚い厚み、約0.012インチ(約0.30ミリメートル)未満の厚み、約0.006インチ(約0.15ミリメートル)の厚み、約0.007インチ(約0.18ミリメートル)の厚み、約0.008インチ(約0.20ミリメートル)の厚み、約0.0009インチ(約0.23ミリメートル)の厚み、約0.010インチ(約0.25ミメートル)の厚み、約0.011インチ(約0.28ミリメートル)の厚み、約0.012インチ(約0.30ミリメートル)の厚み、又はそれらの厚みの任意の組み合わせを有する。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなくその他の寸法が用いられてもよい。さらに、限定ではないが、銅又は銅合金等のその他の導電性材料が使用されることができる。材料の種類は用途によって決まる。図示の実施形態では、このインサートは、以下により詳細に説明されるように、アルミニウム端子をアルミニウム基板又は表面に電気的に接続するために使用されるため、このインサートは、アルミニウム又はアルミニウム合金から成る。本質的に平らで平面状の構造が示されているが、本発明の精神又は範囲から逸脱することなくその他の適した構成が容易に採用される場合がある。
【0021】
とげ即ち突起26,28等の複数の穿孔手段が第1の表面22と第2の表面24から延出している。突起26は、同様の方向を向く配置に整列され、第2の表面24から離れる方向に第1の表面22から延出する。突起28は、同様の方向を向く配置に整列され、第1の表面22から離れる方向に第2の表面24から延出する。突起26は、突起28から離間し、本質的に反対方向に延出する。
【0022】
突起26,28は、インサート20の夫々の表面22,24を横切って略横断的に延出する。突起26,28は、インサート20の長手軸に対してある角度で延出する。一部の実施形態では、突起26,28は、インサート20の長手軸に本質的に略垂直に延出する。インサート20の長手軸に対する突起26,28の整列は、当然のことながら、図示のようなその他の適した構成を得るために、必要に応じて又は要望に応じて変えられてもよい。突起26,28は、本質的に整列した関係又はパターン化された関係で配置されてもよく、又は選択的にジグザグな配置又は散在した配置に配置されてもよい。例示的実施形態に示す突起26,28は、インサート20の本質的に全表面22,24に沿って配置されているが、この配置は、適宜変化又は変更されてもよく、前記突起26,28は、インサート20の表面22,24の内の1つ以上によって含まれる選択された部分又は全エリアのいずれかに配置される。
【0023】
突起26,28は、突起26,28の所望の構成を得るために、1つ又は複数の適切な作業において、限定ではないが、ランシング、スカイビング、パンチング、又はスタンピング等のインサート20の表面を変形させる数多くの適切な方法の内の任意の一つによって形成されてもよい。突起26,28の形成により、第1の表面22と第2の表面24の間でインサートを貫通する開口29が生じる。各開口29は、その開口に近接して設けられた少なくとも1つの突起26,28を有する。しかしながら、大部分の用途において、3つ以上の突起26,28が、各開口29に近接して設けられる。
【0024】
図1に最も良く示されるように、各開口29は、その開口29から延出し且つその開口29に近接する突起26、又はその開口29から延出し且つその開口29に近接する突起28のいずれかを有する。また、図示の実施形態では、突起26が延出する開口29は、突起28が延出する開口29によって包囲されている。同様に、突起28が延出する開口29は、突起26が延出する開口29によって包囲されている。これにより、突起26を備える開口29は、インサート20の第1の表面22および第2の表面24の全体に渡って突起28を備える開口29と互い違いにすることができる。
【0025】
図2により詳細に示すように、各突起26,28は、本質的に、固定基部32および自由端34を有する三角形の部材30を備える。固定基部は、各表面22,24に取り付けられる。自由端34は、各表面22,24から、各表面22,24に対してある角度で延出する。幾つかの実施形態では、自由端34は、各表面22,24から、各表面22,24に対して本質的に垂直な角度で延出する。自由端34は、三角形の部材30の2つの側部によって形成された鋭い縁即ち先鋭端36の形状である。突起28の好ましくは鋭い縁36は、突起28が、部品を環境に対して封止するために使用される相手端子および/又は相手表面上で使用される任意のシーラントを貫通することができるように適切に比例設定された穿孔表面を提供するように働く。さらに、突起28の好ましくは鋭い縁36は、相手端子および/又は相手表面上に存在する可能性のある酸化物を貫通することができるように適切に比例設定された穿孔表面を提供するように働く。鋭い縁36が図示されているが、限定ではないが、二股の端部又は先端が尖った形状等のその他の形状が使用されてもよい。
【0026】
突起26,28の具体的な形状は、突起26,28を形成するために使用される方法によって変化してもよい。しかしながら、形状に関係なく、突起26,28は、突起26,28が、部品を環境に対して封止するために使用される相手端子および/又は相手表面上に使用される任意のシーラントを貫通することを可能にする穿孔表面を備える自由端を有する。
【0027】
図3から図5を参照すると、インサート20は、端子40と相手表面42との間に係合した状態で図示されている。図示の実施形態では、端子40は、アルミニウム又はアルミニウム合金から作られる。しかしながら、限定ではないが、銅又は銅合金等のその他の導電性材料を使用することができる。材料の種類は用途によって決まる。図示の実施形態では、相手基板、即ち、パネル又は表面42は、アルミニウム又はアルミニウム合金から成る航空機構造体の表面である。しかしながら、その他の用途、および、限定ではないが、銅又は銅合金等のその他の導電性材料が使用されることができる。材料の種類は用途によって決まる。
【0028】
端子40は、限定ではないが、TE Connectivity社によって販売される封止アルミニウム端子でもよい。かかる端子は、銅とアルミニウムの撚り線の両方に対して確実且つ安定的な電気機械的な「乾燥封止圧着」をもたらす。かかる端子がアルミニウムワイヤに圧着されると、ワイヤ導体材料は、端子インサートの孔から押し出される。この押し出しにより、ワイヤ撚り線上の酸化アルミニウムがせん断され、端子とワイヤ導体が密接し、それによって、防止剤グリース(即ち、「濡れ圧着」)の必要がなくなる。圧着中に達成される面積の減少は、端子とワイヤ導体との間とワイヤ撚り線自体の間の両方に冷間溶接部が形成されるようなものである。
【0029】
使用時には、インサート20は、端子40と表面42との間に配置される。インサート20を貫通する取付け開口44は、インサート20を端子40に対して且つ表面42に対して所定の位置に維持するために、限定ではないが、リベット、螺子、ナットおよびボルト又はそれらの均等物等の取付け金具即ち締結具46と協働する。取付け金具46は、変形又は締め付けられて、端子40を表面42に向かって移動させる。このとき、インサート20は、圧縮力を受け、第1の表面22から延出する突起26を、端子40の端子ラグ50の表面48に接触させる。このとき、突起26の自由端34の縁36は、端子40の表面48上で使用される任意のシーラント又は表面48上に存在する酸化物を貫通する。さらに、インサート20が圧縮力を受けると、第2の表面24から延出する突起28は、表面42に接触させられる。このとき、突起28の自由端34の縁36は、表面42上で用いられる任意のシーラント又は表面42上に存在する酸化物を貫通する。
【0030】
突起26,28が圧縮されると、突起26,28の縁36は、インサート20の長手軸に本質的に平行な方向に移動させてもよい。これにより、突起の縁36は、圧縮運動に対して横断的に移動することができ、突起26,28が、端子40の表面48および表面42に対して擦拭作用をもたらすことができ、それによって、前述のようにシーラントを貫通する突起26,28の能力が補強される。圧縮力および擦拭作用は、このようにして、端子40とインサート20との間およびインサート20と表面42との間に確実な電気的接続をもたらす。その結果、インサートが導電性であるため、端子40と表面42との間で確実な電気的接続が得られる。突起26,28の貫通と擦拭の度合いは、限定ではないが、縁36の形状を含む、突起28の形状を変更することによって選択的に制御されてもよい。また、突起26,28の貫通と擦拭の度合いは、インサート20の厚みを変更することによって選択的に制御されてもよい。
【0031】
インサート20の使用により、端子40と表面又は基板42との間に確立する電気路は、設置期間に渡って、安定した低抵抗結合にて維持されることができる。この電気路は、端子設置実施中、又は使用が開始された後はメンテナンスチェック中に、最小限の準備で済む。加えて、標準のトルクレンチ又はその他の容易に手に入る手工具が、端子ラグが取り付けられる表面又は基板上に端子ラグを設置するために、又はその表面又は基板から端子ラグを取り除くために必要な唯一の工具である。
【0032】
一実施形態において、端子ラグ50の表面48と、インサート20の表面22,24は、±5ミル(±約0.13ミリメートル)の範囲内で平らでなければならないため、端子ラグ50がインサート20によって表面42に取り付けられる際に、可能な限り最も低い結合路抵抗が達成できる。
【0033】
一実施形態において、端子ラグ50は、2つの取付け締結具46によって表面42に取り付けられるが、他の構成および他の数の締結具が使用されてもよい。
【0034】
端子ラグ50、インサート20および表面42は、同様な材料から作られるため、端子ラグもインサートも、アセンブリの電気的且つ機械的性能に悪影響を及ぼす剥離、クラック、亀裂、腐食、ブリスタリング、めっきの剥離又は分離の痕跡を示さない。
図1
図2
図3
図4
図5