特許第6457524号(P6457524)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6457524切削インサート及びこれを含む切削工具組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6457524
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】切削インサート及びこれを含む切削工具組立体
(51)【国際特許分類】
   B23B 27/04 20060101AFI20190110BHJP
   B23B 27/14 20060101ALI20190110BHJP
   B23B 27/16 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
   B23B27/04
   B23B27/14 C
   B23B27/16 B
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-536976(P2016-536976)
(86)(22)【出願日】2014年12月22日
(65)【公表番号】特表2017-500213(P2017-500213A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】KR2014012615
(87)【国際公開番号】WO2015099369
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2017年12月11日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0165637
(32)【優先日】2013年12月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】508151781
【氏名又は名称】デグテック エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ミンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】チョ,スンホ
【審査官】 津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/159119(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0170917(US,A1)
【文献】 実開昭60−120701(JP,U)
【文献】 米国特許第05076738(US,A)
【文献】 実開平05−016005(JP,U)
【文献】 特開2008−137117(JP,A)
【文献】 特開2006−205346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/04
B23B 27/14
B23B 27/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な第1上面及び第1下面と、
前記第1上面及び第1下面にそれぞれ垂直であり、互いに平行な第2上面及び第2下面と、
前記第1上面の長手方向の一端に位置し、かつ、前記第1下面の長手方向の一端に位置し、かつ、前記第2上面の長手方向の一端に位置し、かつ、前記第2下面の長手方向の一端に位置する第1側面と、
前記第1上面の長手方向の他端に位置し、かつ、前記第1下面の長手方向の他端に位置し、かつ、前記第2上面の長手方向の他端に位置し、かつ、前記第2下面の長手方向の他端に位置する第2側面と、
前記第1上面と前記第1側面との間の角に形成される第1主切削エッジを含む第1切削部と、
前記第2上面と前記第2側面との間の角に形成される第2主切削エッジを含む第2切削部と、
前記第1上面において、前記第1主切削エッジに対向する前記第1切削部の他端から前記第1上面の長手方向に沿って前記第2切削部の反対側となる前記第2下面側に伸びている第1装着溝と、
前記第2上面において、前記第2主切削エッジに対向する前記第2切削部の一端から前記第2上面の長手方向に沿って前記第1切削部の反対側となる前記第1下面側に伸びている第2装着溝と、
前記第1上面において、前記第1装着溝により分離される扁平な面の第1装着面と、
前記第2上面において、前記第2装着溝により分離される扁平な面の第2装着面と、
を含み、
前記第1装着溝は、前記第1切削部の他端において、当該第1装着溝を挟んで前記第2上面側と前記第2下面側にそれぞれ前記第1装着面が形成されるように、前記第1上面に設けられており、
前記第2装着溝は、前記第2切削部の一端において、当該第2装着溝を挟んで前記第1上面側と前記第1下面側にそれぞれ前記第2装着面が形成されるように、前記第2上面に設けられていることを特徴とする、切削インサート
【請求項2】
前記第1装着溝は、前記第1切削部の他端から前記第2下面と前記第2側面との間のコーナーに向かって曲線状に伸びており、
前記第2装着溝は、前記第2切削部の一端から前記第1下面と前記第1側面との間のコーナーに向かって曲線状に伸びている、請求項1に記載の切削インサート。
【請求項3】
前記第1装着溝は、前記第1切削部の他端から前記第2下面と前記第2側面との間のコーナーに向かって前記第2下面に対して傾斜角α1で直線状に伸びており、
前記第2装着溝は、前記第2切削部の一端から前記第1下面と前記第1側面との間のコーナーに向かって前記第1下面に対して傾斜角α2で直線状に伸びている、請求項1に記載の切削インサート。
【請求項4】
前記第1装着溝は、前記第1切削部の他端から前記第2下面に向かって曲線状に伸びており、
前記第2装着溝は、前記第2切削部の一端から前記第1下面に向かって曲線状に伸びている、請求項1に記載の切削インサート。
【請求項5】
前記第1下面において、前記第1下面の一端から前記第1下面の長手方向に沿って伸びている第3装着溝と、
前記第2下面において、前記第2下面の他端から前記第2下面の長手方向に沿って伸びている第4装着溝と、
をさらに含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項6】
前記第1装着溝は、曲線を有する横断面形状を有し曲率半径を有する一対の第1曲面と、前記一対の第1曲面の間に位置し前記第1曲面の曲率半径より小さい曲率半径を有する第2曲面と、を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項7】
前記第2装着溝は、曲線を有する横断面形状を有し曲率半径を有する一対の第1曲面と、前記一対の第1曲面の間に位置し前記第1曲面の曲率半径より小さい曲率半径を有する第2曲面と、を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項8】
前記第1切削部は、前記第1主切削エッジの両端から前記第1上面と前記第2上面との間の角及び前記第1上面と前記第2下面との間の角に沿って延長する第1副切削エッジをさらに含み、
前記第1副切削エッジは、前記第1主切削エッジに対して鋭角をなす、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項9】
前記第2切削部は、前記第2主切削エッジの両端から前記第2上面と前記第1上面との間の角及び前記第2上面及び前記第1下面との間の角に沿って延長する第2副切削エッジをさらに含み、
前記第2副切削エッジは、前記第2主切削エッジに対して鋭角をなす、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項10】
前記第1主切削エッジにおける前記切削インサートの幅は、前記第1切削部が位置しない前記第1上面における前記切削インサートの幅より大きい、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項11】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の切削インサートと、前記切削インサートを固定するように構成された工具ホルダと、を含む切削工具組立体であり、
前記工具ホルダは、
前記切削インサートの前記第1装着溝と係合する第1装着突起を有し、前記切削インサートの前記第1上面を下方に押圧する上側クランプと、
前記切削インサートの前記第1下面を支持する下側クランプと、
前記上側クランプと前記下側クランプの間で前記切削インサートを収容するインサートポケットと、
を含む、切削工具組立体。
【請求項12】
前記第1装着突起は、前記上側クランプの下面から下方に突出し、前記上側クランプの前記下面の長手方向に沿って延長する、請求項11に記載の切削工具組立体。
【請求項13】
前記切削インサートは、前記第1下面の一端から前記第1下面の長手方向に沿って伸びている第3装着溝をさらに含み、
前記下側クランプは、前記切削インサートの前記第3装着溝と係合する第2装着突起をさらに含む、請求項11に記載の切削工具組立体。
【請求項14】
前記第2装着突起は、前記下側クランプの上面から上方に突出し、前記下側クランプの前記上面の長手方向に沿って延長する、請求項13に記載の切削工具組立体。
【請求項15】
前記上側クランプの上面に対して垂直に位置し、前記上側クランプを下方に押圧するセットスクリュをさらに含む、請求項11に記載の切削工具組立体。
【請求項16】
前記切削工具組立体はスロッティングカッターであり、
前記スロッティングカッターは、複数の前記工具ホルダを有するカッター本体を含む、請求項11に記載の切削工具組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削インサート及びこれを含む切削工具組立体に関するものである。より詳細には、本発明は深い溝切削加工(例えば、グルービング(grooving))に用いられ、容易に装着及び分離可能な切削インサートとこれを含む切削工具組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
溝切削加工のための切削インサートは、機械分野に広く知られている。図1及び図2は、溝切削加工に用いられる切削インサートの一例を示す。図1及び図2を参照すると、切削インサート5は、第1切削部6と、第2切削部7と、装着部8を有する。第1切削部6及び第2切削部7は、それぞれ切削インサート5の上面で切削インサート5の長手方向の両端に配置される。第1及び第2切削部6、7は、中心線Cを基準に互いに対して鏡対称である。従って、第1切削部6の端部の幅Waは、第2切削部7の端部の幅Wbと同一である。装着部8は切削インサート5を工具ホルダに装着する時、第1切削部6と第2切削部7が工具ホルダと接触することを防止するために、第1及び第2切削部6、7より高い。即ち、装着部8の高さHbは、第1及び第2切削部6、7の高さHaより大きい。装着部8は、その長手方向に形成された装着溝9を有する。装着溝9は、工具ホルダの装着突起と係合する。
【0003】
図3は、溝の加工に用いられる切削インサートの他の例を示す。図4は、図3の切削インサートが工具ホルダに装着されていることを示す。図3を参照すると、切削インサート1は中心部に位置する本体部10と、本体部10の長手方向の両端にそれぞれ形成され、実質的に同一の形状を有する第1切削部20及び第2切削部30とを含む。第1切削部20と第2切削部30は、切削インサート1の他の面に位置する。本体部10は、第1上部装着面11と、第1上部装着面11に隣接した第2上部装着面12と、第1上部装着面11に対向する第1下部装着面13と、第2上部装着面12に対向する第2下部装着面14とを有する。第1及び第2上部装着面11、12は、それぞれ収容溝15、16を有する。収容溝15は、第1上部装着面11で第1上部装着面11の幅方向に形成されており、収容溝16は、第2上部装着面12で第2上部装着面12の幅方向に形成されている。図4を参照すると、切削インサート1は、図4に示すインサート挿入方向で(即ち、工具ホルダ40の側面から)工具ホルダ40に装着される。工具ホルダ40の上部支持面が切削インサート1の収容溝15に係合し、工具ホルダ40の下部支持面に形成されたストッパが切削インサート1の第1下部装着面13に形成されたリセスと係合する。被削材の切削加工時に、切削インサート1に長手方向L1、L2に作用する力は、収容溝15と工具ホルダ40の上部支持面との間の係合により支持され、切削インサート1に幅方向W1に作用する力は、第1下部装着面13のリセスと工具ホルダ40のストッパとの間の係合により支持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1及び図2に示された切削インサート5において、第1切削部6の幅Waが第2切削部7の幅Wbと同一である。従って、第1切削部6が被削材を切削インサート5の全長Lより深く切削加工する場合、第2切削部7が第1切削部6により切削加工された表面を損傷させることがある。このような損傷を避けるために、被削材の切削深さが大きく制限されざるを得ない。
【0005】
図3及び図4に示された切削インサート1は、図4に示したインサート挿入方向(即ち、幅方向W1)でのみ工具ホルダ40に装着されなければならない。従って、被削材の切削加工時に、切削インサート1に幅方向W2に作用する力は効果的に支持され得ない。その結果、被削材の切削加工の途中に切削インサート1が工具ホルダ40から離脱し得る。
【0006】
前記のような問題を解決するために、本発明は、第1切削部が被削材を切削加工する時、第2切削部が被削材の切削加工された表面を損傷させない切削インサート及びこれを含む切削工具組立体を提供する。
【0007】
また、本発明は、工具ホルダに装着されている時、切削インサートの長手方向に直交する方向に作用する力を支持することができる切削インサート及びこれを含む切削工具組立体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、切削インサートを提供する。一実施例による切削インサートは、互いに平行な第1上面及び第1下面と、第1上面及び第1下面にそれぞれ垂直であり、互いに平行な第2上面及び第2下面と、第1上面の長手方向の一端に位置し、かつ、第1下面の長手方向の一端に位置し、かつ、第2上面の長手方向の一端に位置し、かつ、第2下面の長手方向の一端に位置する第1側面と、第1上面の長手方向の他端に位置し、かつ、第1下面の長手方向の他端に位置し、かつ、第2上面の長手方向の他端に位置し、かつ、第2下面の長手方向の他端に位置する第2側面と、第1上面と第1側面との間の角に形成される第1主切削エッジを含む第1切削部と、第2上面と第2側面との間の角に形成される第2主切削エッジを含む第2切削部と、第1上面において、第1主切削エッジに対向する第1切削部の他端から第1上面の長手方向に沿って第2切削部の反対側となる第2下面側に伸びている第1装着溝と、第2上面において、第2主切削エッジに対向する第2切削部の一端から第2上面の長手方向に沿って第1切削部の反対側となる第1下面側に伸びている第2装着溝と、第1上面において、第1装着溝により分離される扁平な面の第1装着面と、第2上面において、第2装着溝により分離される扁平な面の第2装着面と、を含み、第1装着溝は、第1切削部の他端において、当該第1装着溝を挟んで第2上面側と第2下面側にそれぞれ第1装着面が形成されるように、第1上面に設けられており、第2装着溝は、第2切削部の一端において、当該第2装着溝を挟んで第1上面側と第1下面側にそれぞれ第2装着面が形成されるように、第2上面に設けられていることを特徴とする
【0009】
一実施例において、第1装着溝は、第1切削部の他端から第2下面と第2側面との間のコーナーに向かって曲線状に伸びている。第2装着溝は、第2切削部の一端から第1下面と第1側面との間のコーナーに向かって曲線状に伸びている。
【0010】
一実施例において、第1装着溝は、第1切削部の他端から第2下面と第2側面との間のコーナーに向かって第2下面に対して傾斜角α1で直線状に伸びている。第2装着溝は、第2切削部の一端から第1下面と第1側面との間のコーナーに向かって第1下面に対して傾斜角α2で直線状に伸びている。
【0011】
一実施例において、第1装着溝は、第1切削部の他端から第2下面に向かって曲線状に伸びている。第2装着溝は、第2切削部の一端から第1下面に向かって曲線状に伸びている。
【0012】
一実施例において、切削インサートは、第1下面において、第1下面の一端から第1下面の長手方向に沿って伸びている第3装着溝と、第2下面において、第2下面の他端から第2下面の長手方向に沿って伸びている第4装着溝とをさらに含む。
【0013】
一実施例において、第1装着溝は曲線を有する横断面形状を有する。第1装着溝は曲率半径を有する一対の第1曲面と、一対の第1曲面の間に位置し第1曲面の曲率半径より小さい曲率半径を有する第2曲面と、を含む。
【0014】
一実施例において、第2装着溝は曲線を有する横断面形状を有する。第2長曲率半径を有する一対の第1曲面と、一対の第1曲面の間に位置し第1曲面の曲率半径より小さい曲率半径を有する第2曲面と、を含む。
【0015】
一実施例において、第1切削部は、第1主切削エッジの両端から第1上面と第2上面との間の角及び第1上面と第2下面との間の角に沿って延長する第1副切削エッジをさらに含む。第1副切削エッジは、第1主切削エッジに対して鋭角をなす。
【0016】
一実施例において、第2切削部は、第2主切削エッジの両端から第2上面と第1上面との間の角及び第2上面及び第1下面との間の角に沿って延長する第2副切削エッジをさらに含む。第2副切削エッジは、第2主切削エッジに対して鋭角をなす。
【0017】
一実施例において、第1主切削エッジの切削インサートの幅は、第1切削部が位置しない第1上面における切削インサートの幅より大きい。
【0018】
本発明の他の側面は、切削工具組立体を提供する。一実施例による切削工具組立体は、一実施例による切削インサートと、切削インサートを固定するように構成された工具ホルダとを含む。工具ホルダは、切削インサートの第1装着溝と係合する第1装着突起を有し、切削インサートの第1上面を下方に押圧する上側クランプと、切削インサートの第1下面を支持する下側クランプと、上側クランプと下側クランプとの間で切削インサートを収容するインサートポケットと、を含む。
【0019】
一実施例において、第1装着突起は、上側クランプの下面から下方に突出し、上側クランプの下面の長手方向に沿って延長する。
【0020】
一実施例において、切削インサートは、第1下面の一端から第1下面の長手方向に沿って伸びている第3装着溝をさらに含む。下側クランプは、切削インサートの第3装着溝と係合する第2装着突起をさらに含む。
【0021】
一実施例において、第2装着突起は、下側クランプの上面から上方に突出し、下側クランプの上面の長手方向に沿って延長する。
【0022】
一実施例において、上側クランプの上面に対して垂直に位置する。セットスクリュは、上側クランプを下方に押圧する。
【0023】
一実施例において、切削工具組立体は、スロッティングカッターである。スロッティングカッターは、複数の工具ホルダを有するカッター本体を含む。
【発明の効果】
【0024】
第1切削部が第1上面の左側に位置し、第2切削部が第1上面に垂直な第2上面の右側に位置している。従って、第1上面の左端における幅が、第1上面の右端における幅より大きい。従って、第1切削部により切削加工された被削材の表面が第2切削部により損傷しない。また、第1装着溝は、第1上面において、第1切削部を除いた残りの全体にわたって切削インサートの長手方向に沿って形成されている。従って、切削インサートは、工具ホルダに容易に装着され、工具ホルダから容易に分離され得る。切削インサートの第1〜第4装着溝と、工具ホルダの第1及び第2装着突起は曲線状に形成されるか、隣接する面に対して傾いている。従って、被削材の切削加工時に切削インサートの長手方向に垂直な方向に切削インサートに作用する力が効果的に支持され得る。また、被削材の切削加工の途中に切削インサートが工具ホルダから離脱することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来技術の切削インサートの正面図である。
図2図1に示す切削インサートの平面図である。
図3】もう一つの従来技術の切削インサートの斜視図である。
図4図3に示す切削インサートが工具ホルダに装着されていることを示す斜視図である。
図5】第1実施例による切削インサートの斜視図である。
図6図5に示す切削インサートの平面図である。
図7図5に示す切削インサートの正面図である。
図8図5に示す切削インサートの底面図である。
図9図5に示す切削インサートの背面図である。
図10図5に示す切削インサートの左側面図である。
図11図5に示す切削インサートの右側面図である。
図12】第2実施例による切削インサートの斜視図である。
図13】第3実施例による切削インサートの斜視図である。
図14】第1実施例による切削工具組立体の斜視図である。
図15図14に示すA部分の拡大斜視図である。
図16図14に示すA部分の拡大側面図である。
図17図16に示す17-17線に沿って取った断面図である。
図18図16に示す18-18線に沿って取った断面図である。
図19】第2実施例による切削工具組立体の部分斜視図である。
図20】第3実施例による切削工具組立体の斜視図である。
図21】第4実施例による切削工具組立体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付の図面を参照し、切削インサート及び切削工具組立体の実施例を記述する。添付の図面において、同一または対応する要素または部品には、同一の参照符号が付与されている。以下の技術において、同一または対応する要素または部品に関する説明または技術は、最初に記述する実施例と関連して記述され、それ以下の実施例に関しては省略されている。
【0027】
添付の図面は、3次元直交座標計(X軸、Y軸、Z軸)で示す。以下の説明において、正のX軸方向、正のY軸方向、及び正のZ軸方向は、右方向、後方、及び上方をそれぞれ示す。また、負のX軸方向、負のY軸方向、及び負のZ軸方向は左方向、前方、及び下方をそれぞれ示す。
【0028】
図5図11を参照し、第1実施例よる切削インサート100について説明する。図5図9を参照すると、切削インサート100は、正のX軸方向に伸びている概ねの直方体形状である。切削インサート100は、第1上面110と、第2上面120と、第1下面130と、第2下面140と、第1側面150と、第2側面160とを含む。この実施例において、第1上面110は上方に位置し、第1下面130は下方に位置する。第1上面110と第1下面130は互いに平行で、切削インサート100において互いに対向して位置する。第2上面120は前方に位置し、第2下面140は後方に位置する。第2上面120と第2下面140は、第1上面110と第1下面130に垂直である。第2上面120と第2下面140は互いに平行で、切削インサート100において互いに対向して位置する。第1側面150は切削インサート100の左端に位置し、第2側面160は切削インサート100の右端に位置する。また、切削インサート100の一端は左端を示し、切削インサート100の他端は右端を示す。他の実施例として、第2上面120は後方に位置し、第2下面140は前方に位置してもよい。
【0029】
図5及び図6に示すように、第1上面110は第1切削部111と、第1装着面112と、第1装着溝113とを含む。第1切削部111は、第1上面110の左側に位置し、第1主切削エッジ114と、一対の第1副切削エッジ115とを含む。第1主切削エッジ114は、第1上面110の左端に形成される。一対の第1副切削エッジ115は、第1主切削エッジ114の前端及び後端から右側に向かってそれぞれ延長する。第1切削部111において、第1主切削エッジ114は、第1上面110と第1側面150との間の角に形成され、第1副切削エッジ115は、第1上面110と第2上面120との間の角及び第1上面110と第2下面140との間の角にそれぞれ形成される。
【0030】
図6に示すように、切削インサート100を上方から見る時、第1副切削エッジ115は、第1主切削エッジ114に対して鋭角をなす。従って、一対の第1副切削エッジ115間の幅は、右側に行くほど狭くなる。これは、第1主切削エッジ114及び第1副切削エッジ115の左端により切削加工された被削材の表面が、第1副切削エッジ115の残りの部分により損傷することを防止する。従って、第1実施例による切削インサート100は、被削材を深く切削加工することが可能である。
【0031】
第1装着面112は扁平な面で構成される。切削インサート100を上方から見る時、第2上面120と第2下面140との間の幅WI1は、第1装着面112において一定である。また、前記幅WI1は、第1副切削エッジ115における切削インサート100の最も狭い幅(第1切削部111における切削インサート100の幅)より狭い。また、第1主切削エッジ114における切削インサート100の幅は、第1切削部111が位置しない第1上面110における切削インサート100の幅WI1より大きい。従って、第1主切削エッジ114及び第1副切削エッジ115の左端により切削加工された被削材の表面が、第2上面120及び第2下面140により損傷することが防止され得る。その結果、第1実施例による切削インサート100は被削材を深く切削加工することが可能である。
【0032】
第1装着溝113は、第1上面110において、第1切削部111の右端から第1上面110の長手方向に沿って第2切削部121の反対側に(第2下面140側に)伸びている。第1装着溝113の左端は、第1切削部111の右端に接している。第1装着溝113は、第1切削部111の右端から第2下面140と第2側面160が会うコーナーに向かって曲線状に延長する。第1装着溝113の右端は第2下面140と第2側面160が会う前記コーナーに位置する。第1装着溝113は、所定の曲率半径R1を有するように湾曲している。第2上面120の右側に位置する第2切削部121との干渉を回避するためには、前記曲率半径R1の中心は後方に位置するのが好ましい。また、第1装着溝113は、下方に凹の曲線状の横断面を有する。切削インサート100を側方から見る時、第1装着溝113は、比較的大きな曲率半径を有する一対の第1曲面116と、一対の第1曲面116の間に位置し、第1曲面116より小さい曲率半径を有する第2曲面117とを含む。
【0033】
図7に示すように、第2上面120は、第2切削部121と、第2装着面122と、第2装着溝123とを含む。第2切削部121は、第2上面120の右側に位置し、第2主切削エッジ124と一対の第2副切削エッジ125とを含む。第2主切削エッジ124は、第2上面120の右端に形成される。一対の第2副切削エッジ125は、第2主切削エッジ124の上端及び下端から左側に向かってそれぞれ延長する。第2切削部121において、第2主切削エッジ124は、第2上面120と第2側面160との間の角に形成され、第2副切削エッジ125は、第2上面120と第1上面110との間の角及び第2上面120と第1下面130との間の角にそれぞれ形成される。第2上面120が後方に位置し、第2下面140が前方に位置する場合には、第2切削部は後面の右側に位置する他の実施例において、第2主切削エッジは後面と第2側面160との間の角に位置してもよく、第2副切削エッジは後面と第1上面110との間の角及び後面と第1下面130との間の角にそれぞれ位置してもよい。
【0034】
図7に示すように、切削インサート100を前方から見る時、第2副切削エッジ125は、第2主切削エッジ124に対して鋭角をなす。従って、一対の第2副切削エッジ125間の幅は左側に行くほど狭くなる。これは、第2主切削エッジ124及び第2副切削エッジ125の右端により切削加工された被削材の表面が、第2副切削エッジ125の残りの部分により損傷することを防止できるようにする。
【0035】
第2装着面122は、扁平な面で構成される。切削インサート100を前方から見る時、第1上面110と第1下面130との間の幅WI2は、第2装着面122において一定である。また、前記幅WI2は、一対の第2副切削エッジ125における切削インサート100の最も狭い幅(第2切削部121における切削インサート100の幅)より狭い。また、第2主切削エッジ124における切削インサート100の幅は、第2切削部121が位置しない第2上面120における切削インサート100の幅WI2より大きい。従って、第2主切削エッジ124及び第2副切削エッジ125の右端により切削加工された被削材の表面が、第1上面110及び第1下面130により損傷することが防止され得る。
【0036】
第2装着溝123は、第2上面120において、第2切削部121の左端から第2上面120の長手方向に沿って第1切削部111の反対側に(第1下面130側に)伸びている。第2装着溝123の右端は、第2切削部121の左端に接している。第2装着溝123は、第2切削部121の左端から第1下面130と第1側面150が会うコーナーに向かって曲線状に延長する。第2装着溝123の左端は、第1下面130と第1側面150が会う前記コーナーに位置する。第2装着溝123は、所定の曲率半径R2を有するように湾曲している。第1上面110の左側に位置する第1切削部111との干渉を回避するためには、前記曲率半径R2の中心は下方に位置するのが好ましい。また、第2装着溝123は、後方に凹の曲線を有する横断面形状を有する。切削インサート100を側方から見る時、第2装着溝123は、比較的大きな曲率半径を有する一対の第1曲面126と、一対の第1曲面126の間に位置し、第1曲面126より小さい曲率半径を有する第2曲面127とを含む。
【0037】
図5図7図8及び図10に示すように、第1下面130は、第3装着面131と第3装着溝132とを含む。第3装着面131は、第1装着面112と平行な扁平な面で構成される。第3装着溝132は、第1下面130において、切削インサート100の左端から切削インサート100の右端まで曲線状に延長する。第3装着溝132の左端は、第1下面130の幅方向において、第1下面130の中間に位置し、第3装着溝132の右端が第2下面140と第2側面160が会うコーナーに位置する。第3装着溝132は、所定の曲率半径R3を有するように湾曲している。第2上面120の右側に位置する第2切削部121との干渉を回避するためには、前記曲率半径R3の中心は後方に位置するのが好ましい。また、第3装着溝132は、上方に凹の曲線を有する横断面形状を有する。切削インサート100を側方から見る時、第3装着溝132は、比較的大きな曲率半径を有する一対の第1曲面133と、一対の第1曲面133の間に位置し、第1曲面133より小さい曲率半径を有する第2曲面134とを含む。第3装着溝132の一部は、第1上面110と第1下面130を両分する中間面MP1を基準に、第1装着溝113と鏡対称である。従って、第3装着溝132、第1曲面133、及び第2曲面134の曲率半径は、それぞれ第1装着溝113、第1曲面116、及び第2曲面117の曲率半径と同一である。
【0038】
図5図6図9及び図11に示すように、第2下面140は、第4装着面141と第4装着溝142とを含む。第4装着面141は、第2装着面122と平行な扁平な面で構成される。第4装着溝142は、第2下面140において、切削インサート100の右端から切削インサート100の左端まで曲線状に延長する。第4装着溝142の右端は、第2下面140の幅方向において、第2下面140の中間に位置し、第4装着溝142の左端が第1下面130と第1側面150が会うコーナーに位置する。第4装着溝142は、所定の曲率半径R4を有するように湾曲している。第1上面110の左側に位置する第1切削部111との干渉を回避するためには、前記曲率半径R4の中心は下方に位置するのが好ましい。また、第4装着溝142は前方に凹の曲線を有する横断面形状を有する。切削インサート100を側方から見る時、第4装着溝142は、比較的大きい曲率半径を有する一対の第1曲面143と、一対の第1曲面143の間に位置し、第1曲面143よりも小さい曲率半径を有する第2曲面144とを含む。第4装着溝142の一部は、第2上面120と第2下面140を両分する中間面MP2を基準に、第2装着溝123と鏡対称である。従って、第4装着溝142、第1曲面143、及び第2曲面144の曲率半径は、それぞれ第2装着溝123、第1曲面126、及び第2曲面127の曲率半径と同一である。
【0039】
図7に示すように、第1主切削エッジ114が被削材を切削加工する時に余裕角を有し得るように、第1側面150は、第1上面110に対して鋭角をなす。図6に示すように、第2主切削エッジ124が被削材を切削加工する時に余裕角を有し得るように、第2側面160は、第2上面120に対して鋭角をなす。
【0040】
図10に示すように、第1切削部111において、第1副切削エッジ115が被削材を切削加工する時に余裕角を有し得るように、第2上面120及び第2下面140は、第1上面110に対して鋭角をなす。図11に示すように、第2切削部121において、第2副切削エッジ125が被削材を切削加工する時に余裕角を有し得るように、第1上面110及び第1下面130は、第2上面120に対して鋭角をなす。
【0041】
図10及び図11に示すように、切削インサート100の第1側面150または第2側面160から見る時、第1切削部111の第1主切削エッジ114と第2切削部121の第2主切削エッジ124は互いに垂直である。従って、第1切削部111が被削材を加工する時、第2切削部121が被削材の切削加工面に接触しなくなる。
【0042】
第1上面110と第1下面130が一対からなるか、第2上面120と第2下面140がもう一対になるように切削インサート100が工具ホルダ310に装着される。第1切削部111が被削材の切削加工に用いられる場合に、第2切削部121は、被削材の切削加工に用いられず、第1切削部111の切削加工作業を妨害することもない。第1切削部111を交替する時には、第2上面120が上方に向かって第2側面160が左側に置かれるように、切削インサート100が工具ホルダ310に装着される。この場合に、第2切削部121が被削材の切削加工に用いられるが、第1切削部111は、被削材の切削加工に用いられず、第2切削部121の切削加工作業を妨害することもない。
【0043】
上述した通り、第1装着溝113及び第3装着溝132が切削インサート100の長手方向に沿って曲線状に形成されている。従って、切削インサート100は、工具ホルダ310のインサートポケット313(図15参照)に切削インサート100の長手方向に沿って挿入され、工具ホルダ310に装着されて固定される。従って、切削インサート100が工具ホルダ310に迅速且つ容易に装着及び固定され得る。また、屈曲した第1装着溝113及び第3装着溝132は、被削材の切削加工作業時に切削インサート100に正のY軸方向または負のY軸方向に作用する力を分散させる。インサートポケット313の側壁318は、第2側面160と係合し、切削インサート100に正のX軸方向に作用する力を支持する。従って、切削インサート100が工具ホルダ310内で堅固に支持及びクランプされ得る。
【0044】
図12を参照し、第2実施例による切削インサート200について説明する。第2実施例による切削インサート200は、第1上面110に形成された第1装着溝213の形状、第2上面120に形成された第2装着溝223の形状、第1下面130に形成される第3装着溝232の形状、及び第2下面140に形成される第4装着溝(図示せず)の形状を除いては、第1実施例による切削インサート100と同一の構成を有する。
【0045】
第1装着溝213は、第1上面110において、第1切削部111の右端から第2下面140と第2側面160が会うコーナーに向かって直線状に延長する。第1装着溝213は、第2下面140に対して予め決定された傾斜角α1に傾いている。第2装着溝223は、第2上面120において、第2切削部121の左端から第1下面130と第1側面150が会うコーナーに向かって直線状に延長する。第2装着溝223は、第1下面130に対して予め決定された傾斜角α2に傾いている。第1切削部111と第2切削部121が互いに互換可能に、第2装着溝223の傾斜角α2と、第1装着溝213の傾斜角α1は同一である。
【0046】
第1実施例による切削インサート100の第3装着溝132とも同様に、第3装着溝232は、第1下面130において、切削インサート200の左端から第2下面140と第2側面160が会うコーナーに向かって延長する。また、第1実施例による切削インサート100の第4装着溝142とも同様に、第4装着溝は、第2下面140において、切削インサート200の右端から第1下面130と第1側面150が会うコーナーに向かって延長する。しかし、第3装着溝232と第4装着溝は直線状に延長する。第3装着溝は、第2下面140に対して予め決定された傾斜角に傾いている。第4装着溝は、第1下面130に対して予め決定された傾斜角に傾いている。第1装着溝213が第2下面140に対して傾いており、第3装着溝232が第2下面140に対して傾いているので、工具ホルダは、被削材の切削加工時に切削インサート200に正のY軸方向または負のY軸方向に作用する力を確実に支持することができる。
【0047】
図13を参照し、第3実施例による切削インサート250について説明する。第3実施例による切削インサート250は、第1上面110に形成された第1装着溝253の形状、第2上面120に形成された第2装着溝263の形状、第1下面130に形成された第3装着溝273の形状、及び第2下面140に形成された第4装着溝(図示せず)の形状を除いては、第1実施例による切削インサート100と同一の構成を有する。
【0048】
第1装着溝253は、第1上面110において、第1切削部111の右端から第2切削部121の反対側に(第2下面140側に)曲線状に延長する。第1装着溝253の左端は、第1切削部111の右端に接している。第1装着溝253の右端は、第1上面110と第2下面140との間の角に位置し、第2側面160と第2下面140が会う切削インサート250のコーナー258から離隔されている。第2装着溝263は、第2上面120において、第2切削部121の左端から第1切削部111の反対側に(第1下面130側に)曲線状に延長する。第2装着溝263の右端は、第2切削部121の左端に接している。第2装着溝263の左端は、第2上面120と第1下面130との間の角に位置し、 第1側面150と第1下面130が会う切削インサート250のコーナー259から離隔されている。第1実施例による切削インサート100の第3装着溝132とも同様に、切削インサート250の第3装着溝273は、第1下面130において、切削インサート250の左端から第2下面140側に曲線状に延長する。また、第1実施例による切削インサート100の第4装着溝142とも同様に、切削インサート250の第4装着溝(図示せず)は、第2下面140において、切削インサート250の右端から第1下面130側に曲線状に延長する。切削インサート250の第3装着溝273の右端は、第1下面130と第2下面140との間の角に位置する。切削インサート250の第4装着溝の左端は、第2下面140と第1下面130との間の角に位置する。
【0049】
図14図18を参照し、第1実施例による切削工具組立体300について説明する。第1実施例による切削工具組立体300は、第1実施例による切削インサート100と工具ホルダ310とを含む。
【0050】
図14及び図15に示すように、工具ホルダ310は上側クランプ311と、下側クランプ312と、インサートポケット313とを含む。インサートポケット313は、上側クランプ311と下側クランプ312との間に形成され、切削インサート100を収容する。インサートポケット313は、切削インサート100の第1側面150または第2側面160と接触する側壁318を有する。
【0051】
上側クランプ311は、切削インサート100を下方に押圧する。上側クランプ311は、上側クランプ311が下側クランプ312から遠くなる方向に変形される時、その弾性復元力が常に下側クランプ312に向かって作用するように構成される。図15及び図16に示すように、上側クランプ311は、上側クランプ311の底面314から下方に突出する第1装着突起315を含む。図17に示すように、第1装着突起315は、上側クランプ311の底面314において、上側クランプ311の左端から上側クランプ311の右端まで予め決定された曲率半径r1を有するように曲線状に延長する。第1装着突起315は、略半円形の横断面を有する。第1装着突起315は、切削インサート100の第1装着溝113と係合する。好ましくは、第1装着突起315の曲率半径r1は、第1装着溝113の曲率半径R1と同一である。
【0052】
下側クランプ312は、切削インサート100を支持する。下側クランプ312は、上側クランプ311より左側にさらに突出する。図15及び図16に示すように、下側クランプ312は、下側クランプ312の上面316から上方に突出する第2装着突起317を含む。図18に示すように、第2装着突起317は、下側クランプ312の左端から下側クランプ312の右端まで所定の曲率半径r2を有するように曲線状に延長する。第2装着突起317は、略半円形の横断面を有する。第2装着突起317は、切削インサート100の第3装着溝132と係合するように構成される。好ましくは、第2装着突起317の曲率半径r2は、第3装着溝132の曲率半径R3と同一である。
【0053】
切削インサート100をインサートポケット313に装着するために、第1切削部111が位置した第1上面110を上方に向かわせた状態で、第1装着溝113の右端が第1装着突起315の左端と接触するようにし、第3装着溝132の右端が第2装着突起317の左端と接触するようにする。次に、切削インサート100は、右側に向かってインサートポケット313に挿入される。そうすると、第1装着突起315が第1装着溝113に沿ってスライドし、第2装着突起317が第3装着溝132に沿ってスライドするに伴い、切削インサート100がインサートポケット313内に移動する。切削インサート100の第2側面160がインサートポケット313の側壁318に接触すると、切削インサート100の挿入が完了する。切削インサート100がインサートポケット313に装着された時、上側クランプ311が切削インサート100を下側クランプ312に向かって押圧しているので、切削インサート100は、上側クランプ311と下側クランプ312により堅固に固定される。また、第1装着突起315及び第2装着突起317は、被削材の切削加工時に切削インサート100に正のY軸方向または負のY軸方向に作用する力を分散させる。従って、切削インサート100が工具ホルダ310のインサートポケット313内で堅固に支持及び固定され得る。その上、切削インサート100は、第1装着突起315と第1装着溝113との間の湾曲した係合及び第2装着突起317と第3装着溝132との間の湾曲した係合により、さらに堅固に固定され得る。第2切削部121が位置した第2上面120を上方に向かわせるように、切削インサート100が工具ホルダ310のインサートポケット313に装着される場合に、第1装着突起315は第2装着溝123と係合し、第2装着突起317は第4装着溝142と係合する。
【0054】
図19を参照し、第2実施例による切削工具組立体400について説明する。第2実施例による切削工具組立体400は、第2実施例による切削インサート200と、工具ホルダ410とを含む。第2実施例による切削工具組立体400は、上側クランプ311の底面314に形成された第1装着突起415の形状及び下側クランプ312の上面316に形成された第2装着突起417の形状を除いては、第1実施例による切削工具組立体300と同一の構成を有する。
【0055】
第1装着突起415は、底面314において、上側クランプ311の左端から上側クランプ311の右端まで直線状に延長する。第1装着突起415は、略半円形の横断面形状を有する。第1装着突起415は、切削インサート200の第1装着溝213と係合するように構成される。第1装着突起415は、上側クランプ311の前面及び後面に対して傾斜角に傾いている。好ましくは、第1装着突起415の前記傾斜角は、第1装着溝213の傾斜角α1と同一である。第2装着突起417は、上面316において、下側クランプ312の左端から下側クランプ312の右端まで直線状に延長する。第2装着突起417は、略半円形の横断面形状を有する。第2装着突起417は、切削インサート200の第2装着溝223と係合するように構成される。第2装着突起417は、下側クランプ312の前面及び後面に対して傾斜角β1に傾いている。好ましくは、第2装着突起417の傾斜角β1は、切削インサート200の第3装着溝232の傾斜角と同一である。
【0056】
図20を参照すると、第3実施例による切削工具組立体500は、工具ホルダ510と、セットスクリュ520と、第1実施例による切削インサート100とを含む。切削工具組立体500の工具ホルダ510のインサートクランピング部は、第1実施例による切削工具組立体300の工具ホルダ310のインサートクランピング部と同様に構成される。セットスクリュ520は、上側クランプ311の上面に垂直に位置する。セットスクリュ520は、工具ホルダ510に締結され、上側クランプ311を下側クランプ312に向かって押圧する。従って、切削インサート100は、インサートポケット313にさらに堅固に固定され得る。この実施例の工具ホルダ510の前記インサートクランピング部は、第2実施例による切削工具組立体400の工具ホルダ410のインサートクランピング部と同様に構成されてもよい。このような例では、第1実施例による切削インサート100の代わりに、第2実施例による切削インサート200が工具ホルダ510に装着されてもよい。また、この実施例の工具ホルダ510の前記インサートクランピング部は、第3実施例による切削インサート250が装着されるように構成されてもよい。
【0057】
図21を参照すると、第4実施例による切削工具組立体600は、複数の工具ホルダ610を有するカッター本体630と、各工具ホルダ610に装着された複数の第1実施例による切削インサート100とを含む。図21に示す切削工具組立体600は、スロットカッターとして用いられてもよい。カッター本体630の工具ホルダ610のインサートクランピング部は、第1実施例による切削工具組立体300の工具ホルダ310のインサートクランピング部と同様に構成される。カッター本体630は、円形鋸刃の形状を有し、前記円形鋸刃形状の各鋸歯の位置に工具ホルダ610が設けられている。切削インサート100がスロッティングカッターに適用される、第4実施例による切削工具組立体600は、従来のスロットカッターに比べて被削材をさらに深くスロッティング(slotting)加工することができる。この実施例の工具ホルダ610の前記インサートクランピング部は、第2実施例による切削工具組立体400の工具ホルダ410のインサートクランピング部と同様に構成されてもよい。このような例では、第2実施例による切削インサート200が工具ホルダ610に装着されてもよい。また、この実施例の工具ホルダ610の前記インサートクランピング部は、第3実施例による切削インサート250が工具ホルダ610に装着されるように構成されてもよい。
【0058】
以上で本発明を添付の図面に示された前述した実施例を参照して説明したが、本発明がこれに限定されるわけではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であることは本発明の属する分野で通常の知識を有する者において明白なことである。
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