特許第6457584号(P6457584)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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6457584アリール及びヘテロアリール−キノリン誘導体の合成及び抗癌活性
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6457584
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】アリール及びヘテロアリール−キノリン誘導体の合成及び抗癌活性
(51)【国際特許分類】
   C07D 215/38 20060101AFI20190110BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20190110BHJP
   C07F 9/6558 20060101ALI20190110BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20190110BHJP
   C07F 9/6561 20060101ALI20190110BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190110BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
   C07D215/38CSP
   A61K31/4709
   C07F9/6558
   A61K31/675
   C07F9/6561
   A61P35/00
   A61P35/02
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】86
(21)【出願番号】特願2017-102672(P2017-102672)
(22)【出願日】2017年5月24日
(62)【分割の表示】特願2015-157760(P2015-157760)の分割
【原出願日】2011年7月14日
(65)【公開番号】特開2017-206511(P2017-206511A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2017年6月23日
(31)【優先権主張番号】61/364,760
(32)【優先日】2010年7月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513009510
【氏名又は名称】タイレックス, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】TAIRX, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】カオ, シェンチュー
(72)【発明者】
【氏名】リー, カオション
(72)【発明者】
【氏名】ファン, リージャオ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, リーチェン
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ティアンスン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ, ツァンダー
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジンガン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ジエシン
(72)【発明者】
【氏名】ファン, チフン
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ, メントン
【審査官】 伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−033743(JP,A)
【文献】 米国特許第05571822(US,A)
【文献】 特表2010−512319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合物又はその医薬的に許容可能な塩であって、
前記化合物は、
からなる群より選択される、化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
合物又はその医薬的に許容可能な塩であって、
前記化合物は、
からなる群より選択される、化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
請求項1又は2の化合物の効果的な量を含む、癌の治療を必要とする対象における前記癌を治療するための組成物。
【請求項4】
前記癌は、肺癌、大腸癌、乳癌、肝癌、前立腺癌、卵巣癌、白血病、リンパ腫、膵臓癌、皮膚癌、脳腫瘍、腎臓癌、膀胱癌、食道癌、胃癌、頭頚部癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、骨肉腫または軟部組織肉腫である、請求項3に記載の、癌を治療するための組成物。
【請求項5】
癌の治療を必要とする対象における前記癌を治療するのに用いられる医薬品の製造における、請求項1又は2に記載の化合物の使用。
【請求項6】
前記癌は、肺癌、大腸癌、乳癌、肝癌、前立腺癌、卵巣癌、白血病、リンパ腫、膵臓癌、皮膚癌、脳腫瘍、腎臓癌、膀胱癌、食道癌、胃癌、頭頚部癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、骨肉腫又は軟部組織肉腫である、請求項5に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連した出願に対する参照
本願は、2010年7月15日に出願の米国仮出願番号第61/364,760号に関する優先権を主張する。それは、本願明細書においてその全体を参照により組込まれている。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、概して、アリール及びヘテロアリール-キノリンの誘導体及びアナログに関する。より詳しくは、本発明は、抗癌活性をもつアリール及びヘテロアリール-キノリン誘導体及びアナログの合成及び使用に関する。
【0003】
発明の背景
一連の置換2-フェニルキノリン-4-オン(2PQ)は、既に合成され、新規な抗癌剤として同定されている。構造活性相関(SAR)の発展の過程で、これらの化合物の多くは強力な細胞毒性を有することが発見された。強力な細胞毒性を有する一連の2-PQに関する最近のインビボ評価において、優れた抗腫瘍活性が2-(2-フルオロフェニル(fluorphenyl))-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-オン(CHM-2133)及びそのリン酸塩誘導体(CHM-2133-P)において同定された(図1)。WO2008/070176A1及びYu-Hsun Chang et al.(2009)Design and Synthesis of 2-(3-Benzo[b]thienyl)-6,7-methylenedioxyquinolin-4-one Analogues as Potent Antitumor Agents that Inhibit Tubulin Assembly" J. Med. Chem. 52, 4883-4891を参照されたい。これらは各々、参照によって本願明細書に完全に組み込まれている。抗癌化合物としてより可能性があるものを発見する必要性は未だにある。
【0004】
発明の要約
一つの態様では、本発明は、化学式I:
の化合物又はその医薬的に許容可能な塩に関するものであって、
(i)
Rは、水素、PO(OH)2、P(=O)(O-(C1-C18)アルキレンフェニル(alkylenephenyl))2、P(=O)(OH)(OM)又はP(=O)(OM)2であり、
Wは、2-ハロフェニル、3-ハロフェニル又は4-ハロフェニルであり、
R5は、(C1-C18)アルコキシ、ヒドロキシル又はOR8であり、
R6は、ヒドロキシル又は(C1-C18)アルコキシであり、
R7は、水素、ヒドロキシル又はO-(C1-C18)アルキレンフェニルであり、
R8は、PO(OH)2、P(=O)(O-(C1-C18)アルキレンフェニル)2、P(=O)(OH)(OM)又はP(=O)(OM)2であり、そして、
Mは、一価又は二価金属イオン又はアルキルアンモニウムイオンである、
又は、
(ii)
Rは、水素、PO(OH)2、P(=O)(O-(C1-C18)アルキレンフェニル)2、P(=O)(OH)(OM)又はP(=O)(OM)2であり、
Wは、2-ハロフェニル、3-ハロフェニル又は4-ハロフェニルであり、
R5は、水素、(C1-C18)アルコキシ、ヒドロキシル又はOR8であり、
R6は、(C1-C18)アルコキシであり、
R7は、ヒドロキシル又はO-(C1-C18)アルキレンフェニルであり、
R8は、PO(OH)2、P(=O)(O-(C1-C18)アルキレンフェニル)2、P(=O)(OH)(OM)又はP(=O)(OM)2であり、そして、
Mは、一価又は二価金属イオン又はアルキルアンモニウムイオンである。
【0005】
本発明の一実施形態(embodyment)において、上述した種類の化合物は、R5がヒドロキシルの場合、R6が(C1)アルコキシではなく、Wが3-フルオロフェニルではないという条件に制限される。
【0006】
本発明の他の(antoher)実施形態において、R5はヒドロキシルであり、R6は(C1)アルコキシである、そして、Wは3-フルオロフェニルである。
【0007】
別の態様においては、本発明は、化学式I
の化合物又はその医薬的に許容可能な塩に関するものであって、
Rは、水素、PO(OH)2、P(=O)(O-(C1-C18)アルキレンフェニル)2、P(=O)(OH)(OM)又はP(=O)(OM)2であり、
Wは、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2,3-di(C1-C18)アルコキシフェニル、2,5-ジ(C1-C18)アルコキシフェニル、2-(C1-C18)アルコキシフェニル、4-(C1-C18)アルコキシフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシ-3-(C1-C18)アルコキシフェニル、5-ヒドロキシ-2-(C1-C18)アルコキシフェニル、3-(O-ジ(C1-C18)アルキレンフェニル)フェニル、3-(O-二水素ホスファート)フェニル又は2,5-ジヒドロキシフェニルであり、
R5は、水素であり、
R6は、ヒドロキシル、N,N-ジ(C1-C18)アルキルアミノ又はN-(C1-C18)シクロアルキルアミノであり、そして、
R7は、水素である。

更に別の態様においては、本発明は、化学式I
の化合物又はその医薬的に許容可能な塩に関するものであり、
Rは、水素であり、
Wは、2-ハロフェニル、3-ハロフェニル又は4-ハロフェニルであり、
R5及びR6は、(C1-C18)アルキレンジオキシであり、そして、
R7は水素である。

更に別の態様においては、発明は、化学式I
の化合物又はその医薬的に許容可能な塩に関するものであり、
Rは、水素、P(=O)(OH)2、P(=O)(O-(C1-C18)アルキレンフェニル)2であり、
Wは、3-([ビス-[(C1-C18)アルキレンフェニル)オキシ]]ホスホリル)オキシ-5-(C1-C18)アルコキシフェニル、又は3-(二水素)ホスファート-5-(C1-C18)アルコキシフェニルであり、
R6及びR7は(C1-C18)アルキレンジオキシであり、そして、
R5は水素である。

別の態様においては、本発明は、前述の化合物と医薬的に許容可能な担体を含む組成物に関する。
【0008】
更に別の態様においては、本発明は、効果的な量の組成物を含む、癌の治療を必要とする対象における上記癌を治療するのに用いられる組成物に関する。一実施形態において、対象は、哺乳動物である。
【0009】
更に、別の態様においては、本発明は、化学式I
の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を調製する工程であって、上記工程は、
(a)
(ai)の化学式II
又は
(aii)の化学式II
と化学式III
の化合物を塩基の存在下で反応させて化学式IV
の化合物を得るステップと、
(b)
化学式IVの化合物を塩基と反応させて化学式Iの化合物を得るステップと、を含み、
化学式Iにおいて、
(i)
Rは、水素であり、
Wは、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2,3-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、2-ベンジルオキシフェニル、3-ベンジルオキシフェニル、4-ベンジルオキシフェニル、4-ベンジルオキシ-3-メトキシフェニル、3-ベンジルオキシ-5-メトキシフェニル、4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル、5-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル又は2,5-ジヒドロキシフェニルであり、
R5は、メトキシ又はヒドロキシルであるか、
R5及びR6はメチレンジオキシ(但し、R7が水素の場合)であり、
R6は、N,N-ジメチルアミノ、ヒドロキシル、メトキシ、N-モルホリノ又はN-ピロリジノであり、そして、
R7は、水素、ヒドロキシル又はO-ベンジルである、
又は、
(ii)
Rは、水素であり、
Wは、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2,3-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、2-ベンジルオキシフェニル、3-ベンジルオキシフェニル、4-ベンジルオキシフェニル、4-ベンジルオキシ-3-メトキシフェニル、3-ベンジルオキシ-5-メトキシフェニル、4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル、5-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル又は2,5-ジヒドロキシフェニルであり、
R5は、水素、メトキシ、ヒドロキシル又はOR8であり、
R6は、ヒドロキシル、N,N-ジメチルアミノ、メトキシ、N-モルホリノ又はN-ピロリジノであり、
R7は、ヒドロキシル又はO-ベンジルであるか、
R6及びR7はメチレンジオキシ(但し、R5が水素の場合)であり、そして、
R8は、水素であり、
(ai)の化学式IIにおいて、
R5は、ヒドロキシル又はメトキシであるか、
R5及びR6はメチレンジオキシ(但し、R7が水素の場合)であり、
R6は、ヒドロキシル、N,N-ジメチルアミノ、メトキシ、N-モルホリノ又はN-ピロリジノであり、そして、
R7は、水素、ヒドロキシル又はO-ベンジルであり、
(aii)の化学式IIにおいて、
R5は、水素、ヒドロキシル又はメトキシであり、
R6は、N,N-ジメチルアミノ、メトキシ、N-モルホリノ又はN-ピロリジノであり、そして、
R7は、ハロ、OR8、ヒドロキシル又はO-ベンジルであるか、
R6及びR7はメチレンジオキシ(但し、R5が水素の場合)であり、
化学式IIIにおいて、
Wは、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2,3-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、2-ベンジルオキシフェニル、3-ベンジルオキシフェニル、4-ベンジルオキシフェニル、4-ベンジルオキシ-3-メトキシフェニル、3-ベンジルオキシ-5-メトキシフェニル、4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル、5-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル、2,5-ジヒドロキシフェニルであり、
化学式IVにおいて、
(1)
Wは、2-フルオロフェニル、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2,3-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、2-ベンジルオキシフェニル、3-ベンジルオキシフェニル、4-ベンジルオキシフェニル、4-ベンジルオキシ-3-メトキシフェニル、3-ベンジルオキシ-5-メトキシフェニル、4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル、5-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル又は2,5-ジヒドロキシフェニルであり、
R5は、メトキシ、ヒドロキシルであるか、
R5及びR6はメチレンジオキシ(但し、R7が水素の場合)であり、
R6は、N,N-ジメチルアミノ、ヒドロキシル、メトキシ、N-モルホリノ又はN-ピロリジノであり、そして、
R7は、水素、ヒドロキシル又はO-ベンジルである、
又は、
(2)
Rは、水素であり、
Wは、3-フルオロフェニル、4-フルオロフェニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル、2,3-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、2-ベンジルオキシフェニル、3-ベンジルオキシフェニル、4-ベンジルオキシフェニル、4-ベンジルオキシ-3-メトキシフェニル、3-ベンジルオキシ-5-メトキシフェニル、4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル、5-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル又は2,5-ジヒドロキシフェニルであり、
R5は、水素、メトキシ又はヒドロキシルであり、
R6は、N,N-ジメチルアミノ、メトキシ、N-モルホリノ又はN-ピロリジノであり、そして、
R7は、ヒドロキシル又はO-ベンジルであるか、
R6及びR7はメチレンジオキシ(但し、R5が水素の場合)である。
【0010】
上記工程には、化学式Iの化合物を脱アルキル化することを更に含むことができる。化学式Iの脱アルキル化又は非脱アルキル化化合物は、テトラベンジルピロリン酸(方法A)又は亜リン酸ジベンジル(方法B)と更に反応させて、化学式Iの化合物(Rは、P(=O)(OCH2Ph)2)を得ることができ、これをアルコールで処理して一リン酸塩を提供する。一リン酸は、一リン酸塩の触媒的水素化によって得られた。一リン(monophophoric)酸は、金属炭酸塩と更に反応して、化学式Iの化合物(Rは、P(=O)(OH)(OM)又はP(=O)(OM)2、Mは、一価の金属イオン)を得ることができる。
【0011】
これら及び他の態様は、以下の図面に関連して得られる以下の好ましい実施形態の説明から明らかであるが、それに関する変形形態及び変更形態は、本開示における新規の概念の精神と範囲から逸脱することなく作用可能である。
【0012】
添付の図面は、本発明の1又は複数の実施形態を例示するものであり、説明文と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。可能な限り、同じ参照番号が図面の全体にわたって使用されて、実施形態の同一又は類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、置換2-フェニルキノリン-4-オン(2-PQ)、CHM-2133及びCHM-2133-P-Naの構造を示す。
図2図2は、標的化合物16-21及び37-45の構造を示す。
図3図3A-3Cは、60のヒト癌細胞株に対する化合物3bの活性パターンの差異を示す。MG-MID:logX値(X = GI50、TGI及びLC50)の平均値。デルタ:MG-MIDと最も感受性が高い細胞株のlogXとの間の差の対数。範囲:最も抵抗性がある細胞株のlogXと最も感受性が高い細胞株のlogXとの間の差の対数。
図4図4A-4Fは、4週連続で週5日、7.5、15及び30mg/kgの化合物49(bid)と、5mg/kgのドキソルビシン(qd)をiv投薬した後のHep3B異種移植ヌードマウス(n = 11)に関する(A)平均腫瘍体積-時間プロファイル、(B)平均腫瘍重量-時間プロファイル及び(C)平均体重-時間プロファイル;4週連続で週5日、7.5、15及び30mg/kgの化合物49(bid)と、10mg/kgのドキソルビシン(qd)を経口投薬した後のHep3B異種移植ヌードマウス(n = 11)に関する(D)平均腫瘍体積-時間プロファイル、(E)平均腫瘍重量-時間プロファイル、及び(F)平均体重-時間プロファイルを示す。
図5図5A-5Fは、4週連続で週5日、7.5、15及び30mg/kgの52(qd)と、5mg/kgのドキソルビシン(qd)を経口投薬した後のHep3B異種移植ヌードマウス(n = 11)に関する(A)平均腫瘍体積-時間プロファイル、(B)平均腫瘍重量-時間プロファイル、(C)平均体重-時間プロファイル;4週連続で週5日、7.5、15及び30mg/kgの52(qd)と、10mg/kgのドキソルビシン(qd)を静脈内投薬した後、Hep3B異種移植ヌードマウス(n = 11)に関する(D)平均腫瘍体積-時間プロファイル、(E)平均腫瘍重量-時間プロファイル、(F)平均体重-時間プロファイルを示す。
図6図6A-6Cは、4週連続で週5日、7.5、15及び30mg/kgの147と、10mg/kgのドキソルビシンをpo投薬した後のHep3B異種移植ヌードマウス(n = 6)に関する(A)平均腫瘍体積-時間プロファイル、(B)平均腫瘍重量-時間プロファイル、(C)平均体重-時間プロファイルを示す。
図7図7A-7Cは、4週連続で週5日、7.5、15及び30mg/kgの147と、10mg/kgのドキソルビシンをiv投薬した後のHep3B異種移植ヌードマウス(n = 6)の、(A)平均腫瘍体積-時間プロファイル、(B)平均腫瘍重量-時間プロファイル、(C)平均体重-時間プロファイルを示す。
【0014】
発明の詳細な説明
本願明細書において記載されている医薬製剤及び方法は、製薬技術に関する公知の手法を適用することによって調製及び実施することができると、当業者には容易に理解されるだろう。これらには、例えば、特に明記しない限り、医薬的な投薬形態の設計、薬剤開発、薬理学を含む薬学、有機化学及び高分子科学の従来技術が含まれる。一般的には、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st edition, Lippincott, Williams & Wilkins, (2005)を参照されたい。
【0015】
定義
この明細書において使用する用語は、概して、本発明の文脈と、各用語が使われている特定の文脈内におけるそれらの通常の技術的な意味を有する。発明を説明するために用いるある種の用語は、以下又は明細書の他の部分に記載して、本発明の説明に関して実施者に追加のガイダンスを提供する。便宜のために、ある種の用語は、例えばイタリック及び/又は引用符を使用して、強調されている。強調の使用は、用語の範囲及び意味に影響を与えるものではない。そして、用語の範囲及び意味は、同じ文脈においては、強調にかかわらず同じである。同じことを複数の方法で記載可能であることは、言うまでもない。その結果として、代替語及び同義語は、本願明細書で述べられる1つ又は複数の用語のいずれにも用いることができる。そして、ある用語が本願明細書で詳しく説明されている又は述べられているか否かに応じて、受け取られる意味に何ら特別な意味を与えるものではない。ある種の用語に関して同義語が提供される。1又は複数の同義語の記載は、他の同義語の使用を除外しない。この明細書の如何なる場所での例示(本願明細書において述べられる任意の用語の例示を含む)の使用は、単に説明に役立てるためのものであり、本発明の範囲及び意味又は任意の例示された用語の範囲及び意味を決して制限するものではない。同様に、本発明は、この明細書において与えられる様々な実施形態に限定されるものではない。
【0016】
別途規定されない限り、本願明細書において用いられる全ての技術的及び科学的な用語は、本発明が関係する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味である。不一致の場合、定義を含む本文献が支配的となるだろう。
【0017】
ここで使用しているように、「大体」、「約」、又は、「およそ」は、一般に、与えられた値又は範囲の20パーセント以内、好ましくは10パーセント以内、そしてより好ましくは5パーセント以内を意味する。本願明細書において与えられる数量は、およそであるため、明示的に明言されていない場合は、「大体」、「約」、又は、「およそ」が暗示され得ることを意味する。
【0018】
「及び/又は」という用語は、この用語と関連するアイテムのいずれか1つ、アイテムの任意の組合せ又は、アイテムの全てを指す。
【0019】
単数形「a」、「an」、及び「the」は、前後の文脈で別途明確な指示がない限り、複数を言及することが含まれる。請求項は、任意の選択的構成要素を除外するように起草してもよい。このように、この声明は、請求項における構成要素の記述に関連する「唯一」、「単なる」のような排他的用語の使用、又は「否定的」制限の使用の前提となる基準として役立つことを意図する。
【0020】
遊離基、置換基に関する下記で一覧を記した特定及び好ましい値及び範囲は、例示目的であり、それらは、他の規定された値、又は遊離基及び置換基について規定済みの範囲内の他の値を除外しない。
【0021】
「投与」という用語は、デバイスを所望の場所に位置させる方法を指す。デバイスを位置させることは、任意の医薬的に認められた手段によること(例えば飲み込むこと、薬が投与されるまで口の中にそれを保持すること、口腔内にそれを置くこと、挿入すること、埋め込むこと、貼り付けること等)ができる。投与に関するこれらの方法及び他の方法は、従来技術において知られている。
【0022】
「抗癌剤」という用語は、癌細胞の成長を阻害するか、癌細胞の死を引き起こす薬剤を指す。公知の抗癌剤としては、例えば、ヌクレオチド及びヌクレオシドアナログ、補助的抗腫瘍薬、アルキル化剤等が挙げられる。Physician's Desk Reference, 55th Edition, Medical Economics, Montvale, NJ, USA (2001)を参照されたい。
【0023】
「アミノ」という用語は、-NH2を指す。アミノ基は、本明細書において「置換」という用語により規定されている通り、任意に置換することができる。「アルキルアミノ」という用語は、-NR2を指し、少なくとも一つのRはアルキルであり、もう一つのRはアルキル又は水素である。「アシルアミノ」という用語は、N(R)C(=O)Rを指し、各Rは、互いに独立して、水素、アルキル又はアリールである。
【0024】
「アルキル」という用語は、通常、第二級、第三級又は環状炭素原子を含むC1-C18炭化水素を指す。メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-メチル-1-プロピル(イソブチル、-CH2CH(CH3)2)、2-ブチル(sec-ブチル、-CH(CH3)CH2CH3)、2-メチル-2-プロピル(tert-ブチル、-C(CH3)3)、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-1-ブチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチルが例である。
【0025】
アルキルは、これより前に記載し例示した通り、一価の炭化水素ラジカルか二価の炭化水素ラジカル(すなわち、アルキレン)であってもよい。
【0026】
アルキルは、1又は複数のアルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、イミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アセトアミド、アセトキシ、アセチル、ベンズアミド、ベンゼンスルフィニル、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホニル、ベンゼンスルホニルアミノ、ベンゾイル、ベンゾイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニル、ベンジルチオ、カルバモイル、カルバメート、イソシアナート(isocyannato)、スルファモイル、スルフィナモイル、スルフィノ、スルホ、スルホアミノ、チオスルホ、NRxRy及び/又はCOORx(各Rx及びRyは、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル又はヒドロキシのいずれかである。)によって任意に置換することができる。
アルキルは、1又は複数の非ペルオキシドオキシ(-O-)、チオ(-S-)、アミン(-N(H)-)、メチレンジオキシ(-OCH2O-)、カルボニル(-C(=O)-)、カルボキシ(-C(=O)O-)、カルボニルジオキシ(-OC(=O)O-)、カルボキシラト(-OC(=O)-)、イミノ(C=NH)、スルフィニル(SO)又はスルホニル(SO2)を任意に割り込ませることができる。加えて、アルキルは、任意に少なくとも部分的に不飽和であってもよく、それによって、アルケニルがもたらされる。
【0027】
「アルキレン」という用語は、親アルカンの同一又は異なる炭素原子由来の2つの水素原子を除去することによって誘導された2つの一価のラジカル中心を有する、1-18個の炭素原子の飽和、分岐、直鎖又は環状炭化水素ラジカルを指す。典型的なアルキレンラジカルには、メチレン(-CH2-)、1,2-エチレン(-CH2CH2-)、1,3-プロピレン(-CH2CH2CH2-)、1,4-ブチレン(-CH2CH2CH2CH2-)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
アルキレンは、1又は複数のアルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、イミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アセトアミド、アセトキシ、アセチル、ベンズアミド、ベンゼンスルフィニル、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホニル、ベンゼンスルホニルアミノ、ベンゾイル、ベンゾイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニル、ベンジルチオ、カルバモイル、カルバメート、イソシアナート(isocyannato)、スルファモイル、スルフィナモイル、スルフィノ、スルホ、スルホアミノ、チオスルホ、NRxRy及び/又はCOORx(各Rx及びRyは、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル又はヒドロキシのいずれかである)によって任意に置換することができる。
加えて、アルキレンは、1又は複数の非ペルオキシドオキシ(-O-)、チオ(-S-)、アミン(-N(H)-)、メチレンジオキシ(-OCH2O-)、カルボニル(-C(=O)-)、カルボキシ(-C(=O)O-)、カルボニルジオキシ(-OC(=O)O-)、カルボキシラト(-OC(=O)-)、イミン(C=NH)、スルフィニル(SO)又はスルホニル(SO2)を任意に割り込ませることができる。更に、アルキレンは、任意に少なくとも部分的に不飽和であってもよく、それによって、アルケニレンがもたらされる。
【0029】
「アルケニレン」という用語は、親アルケンの同一又は2つの異なる炭素原子由来の2つの水素原子を除去することによって誘導された2つの一価のラジカル中心を有する、2-18個の炭素原子の不飽和、分岐、直鎖又は環状炭化水素ラジカルを指す。典型的なアルケニレンラジカルには、1,2-エテニレン(-CH(CH-)が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0030】
アルケニレンは、1又は複数のアルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、イミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アセトアミド、アセトキシ、アセチル、ベンズアミド、ベンゼンスルフィニル、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホニル、ベンゼンスルホニルアミノ、ベンゾイル、ベンゾイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニル、ベンジルチオ、カルバモイル、カルバメート、イソシアナート(isocyannato)、スルファモイル、スルフィナモイル、スルフィノ、スルホ、スルホアミノ、チオスルホ、NRxRy及び/又はCOORx(各Rx及びRyは、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル又はヒドロキシのいずれかである)によって任意に置換することができる。
加えて、アルケニレンは、1又は複数の非ペルオキシドオキシ(-O-)、チオ(-S-)、アミン(-N(H)-)、メチレンジオキシ(-OCH2O-)、カルボニル(-C(=O)-)、カルボキシ(-C(=O)O-)、カルボニルジオキシ(-OC(=O)O-)、カルボキシラト(-OC(=O)-)、イミン(C=NH)、スルフィニル(SO)又はスルホニル(SO2)を任意に割り込ませることができる。
【0031】
「アルコキシ」という用語は、アルキル-O-基を指し、アルキルは、本願明細書において規定されるものである。好ましいアルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、1,2-ジメチルブトキシ等が挙げられる。
【0032】
アルコキシは、1又は複数のハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、イミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アセトアミド、アセトキシ、アセチル、ベンズアミド、ベンゼンスルフィニル、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホニル、ベンゼンスルホニルアミノ、ベンゾイル、ベンゾイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニル、ベンジルチオ、カルバモイル、カルバメート、イソシアナート(isocyannato)、スルファモイル、スルフィナモイル、スルフィノ、スルホ、スルホアミノ、チオスルホ、NRxRy及び/又はCOORx(各Rx及びRyは、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル又はヒドロキシのいずれかである)によって任意に置換することができる。
【0033】
「アリール」という用語は、単環(例えば、フェニル)又は多重縮合(融合)環を有する6から20個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環化学式基を指し、少なくとも一つの環は、芳香族(例えば、ナフチル、ジヒドロフェナントレニル、フルオレニル又はアントリル)である。好ましいアリールには、フェニル、ナフチル等が含まれる。アリールは、任意に二価のラジカルとすることができ、それによって、アリーレンがもたらされる。
【0034】
アリールは、1又は複数のアルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、イミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アセトアミド、アセトキシ、アセチル、ベンズアミド、ベンゼンスルフィニル、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホニル、ベンゼンスルホニルアミノ、ベンゾイル、ベンゾイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニル、ベンジルチオ、カルバモイル、カルバメート、イソシアナート(isocyannato)、スルファモイル、スルフィナモイル、スルフィノ、スルホ、スルホアミノ、チオスルホ、NRxRy及び/又はCOORx(各Rx及びRyは、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル又はヒドロキシのいずれかである)によって任意に置換することができる。
【0035】
「炭素環」という用語は、単環として3〜8の炭素原子、ニ環として7〜12の炭素原子及び多環として最高約30の炭素原子を有する、飽和、不飽和、芳香族環を指す。単環炭素環は典型的に3〜6個の環原子を有し、更により典型的には、5又は6個の環原子を有する。二環炭素環は、7から12個の環原子(例えば、ビシクロ[4,5][5,5]、[5,6]又は[6,6]系として構成するもの)、又は、ビシクロ[5,6]若しくは[6,6]系として構成される9若しくは10個の環原子を有する。炭素環の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペント-1-エニル、1-シクロペント-2-エニル、1-シクロペント-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、フェニル、スピリル(spiryl)及びナフチルが挙げられる。炭素環は、上記の通り、任意にアルキル基の代わりに用いることができる。
【0036】
「カルボキシル」という用語は、-COOHを指す。
【0037】
特定の立体化学又は異性体が具体的に明示されない限り、全てのキラル、ジアステレオマー、ラセミ体の構造が意図される。本発明において使用する化合物は、描写から明らかであるように、一部又は全部の不斉原子で富化された異性体か分割された光学異性体を任意の富化レベルで含むことができる。ラセミ及びジアステレオマー混合物は、個々の光学異性体と同様に、それらのエナンチオマー又はジアステレオマーの相手方が実質的に存在しないように単離又は合成することができる。そして、これらはすべて本発明の範囲内である。
【0038】
「化学的に適した」という用語は、有機構造に関して一般的に理解されている規則に違反しない結合構成又は化合物を指す。例えば、特許請求の範囲の定義内の構造物であっても、ある種の状況において自然界には実在しない五価の炭素原子を含む構造物は、特許請求の範囲の範囲外と理解される。
【0039】
ある置換基が1つの原子か、特定の一体性をもつ複数の原子か、「結合」に特定される場合、置換基が「結合」であるときには、特定の置換基と直ぐ近くに隣接している複数の基は、化学的に適した結合構成によって各々が直接接続している構成と言える。
【0040】
「本開示の化合物」なる表現は、化学式Iの化合物並びにその医薬的に許容可能なエナンチオマー、ジアステレオマー、及び塩類を指す。同様に、中間体に関する言及は、前後の文脈から許されるそれらの塩類を含むことを意味する。
【0041】
「シクロアルキル」という用語は、単環又は多重縮合環を有する3〜20個の炭素原子の環状アルキル基を指す。かかるシクロアルキル基は、一例として、単環構造(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル等)又は、多重環構造(例えばアダマンタニル等)が含まれる。シクロアルキルは、1又は複数のアルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、イミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アセトアミド、アセトキシ、アセチル、ベンズアミド、ベンゼンスルフィニル、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホニル、ベンゼンスルホニルアミノ、ベンゾイル、ベンゾイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニル、ベンジルチオ、カルバモイル、カルバメート、イソシアナート(isocyannato)、スルファモイル、スルフィナモイル、スルフィノ、スルホ、スルホアミノ、チオスルホ、NRxRy及び/又はCOORx(各Rx及びRyは、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル又はヒドロキシのいずれかである)によって任意に置換することができる。
【0042】
シクロアルキルは、任意に少なくとも部分的に不飽和であってもよく、それによって、シクロアルケニルがもたらされる。加えて、シクロアルキルは、ニ価のラジカルであってもよく、それによって、シクロアルキレンがもたらされる。
【0043】
「デリバリー」という用語は、薬を含むデバイスから、デバイスを囲んでいる環境にその薬を放出することを指す。薬が良好に放出される環境は、その薬の活性が最大となる場所であってもそうでなくてもよい。ある場合には、放出される薬は、活性が最大となる場所へ輸送される必要があってもよい。
【0044】
化合物の「誘導体又はアナログ」という用語は、化学的に修飾された化合物を指すものであり、化学的な修飾は、化合物における1又は複数の官能基及び/若しくは芳香族、脂環化学式又は複素環化学式構造が存在するときに、そこで生じる。なお、誘導体又はアナログは、誘導される化合物の薬理活性を保持することが期待されている。
【0045】
「効果的な量」という用語は、有益又は所望の結果を成し遂げるのに十分な量を指す。効果的な量は、1又は複数回の投与、適用又は投薬にて投与できる。所定の投与に関する効果的な量は、製薬技術における通常の技量の範囲内で充分に決定できる。
【0046】
「交換された」という用語は、用語「割り込まれた」を使用する表現にて示される、2以上の隣接する炭素原子及びそれらに接続する水素原子(例えば、メチル(CH3)、メチレン(CH2)又はメチン(CH))の間に、1又は複数の明示された基から選択されたものを挿入することを意図する。ただし、明示された原子の各々の通常の原子価を超えず、そして、割り込みの結果、安定化合物になる。かかる適切な明示された基には、例えば、1又は複数の非ペルオキシドオキシ(-O-) (チオ(-S-) ) 、アミン(-N(H)-)、メチレンジオキシ(-OCH2O-)、カルボニル(-C(=O)-)、カルボキシ(-C(=O)O-)、カルボニルジオキシ(-OC(=O)O-)、カルボキシラト(-OC(=O)-)、イミノ(C=NH)、スルフィニル(SO)及びスルホニル(SO2)が含まれる。
【0047】
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロル、ブロモ及びヨードを指す。同様に、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。
【0048】
「ハロアルキル」という用語は、本明細書で定義された1-4個のハロ基によって置換された、本明細書で定義されたアルキルを指すものであり、それは同じであっても異なるものであってもよい。代表的なハロアルキル基としては、一例として、トリフルオロメチル、3-フルオロドデシル、12,12,12-トリフルオロドデシル、2-ブロモオクチル、3-ブロモ-6-クロロヘプチル等が挙げられる。
【0049】
「ヘテロアリール」という用語は、本願明細書において以下のように定義する;単環化学式、二環化学式、又は三環化学式環系であって、1、2又は3つの芳香族環を有し且つ芳香族環に少なくとも一つの窒素、酸素又は硫黄原子を有するものであり、それらは、置換されていないものであったり置換されたものであったりすることができる。ヘテロアリールは、任意に二価のラジカルであってもよく、それによって、ヘテロアリーレンがもたらされる。
【0050】
ヘテロアリール基の例として、2H-ピロリル、3H-インドリル、4H-キノリジニル、4H-カルバゾリル、アクリジニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾチアゾリル、(β-カルボリニル、カルバゾリル、クロメニル、シンナオリニル(cinnaolinyl)、ジベンゾ[b,d]フラニル、フラザニル、フリル、イミダゾリル、イミジゾリル(imidizolyl)、インダゾリル、インドリシニル(indolisinyl)、インドリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、ナフト[2,3-b]、オキサゾリル、ペリミジニル(perimidinyl)、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル及びキサンテニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態として、「ヘテロアリール」という用語は、非ペルオキシド酸素、硫黄及びN(Z)の群から独立して選択される1、2、3又は4つのヘテロ原子と炭素を含む5又は6個の環原子を含む単環化学式芳香族環を意味するものであって、Zは、無しか、H、O、アルキル、フェニル又はベンジルである。他の実施形態において、ヘテロアリールは、オルト縮合二環化学式ヘテロ環であって約8〜10個の環原子から誘導されたもの、特にベンズ-誘導体かプロピレン縮合によって誘導されたもの、又はそのテトラメチレンジラジカルを意味する。
【0051】
ヘテロアリールは、1又は複数のアルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、イミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アセトアミド、アセトキシ、アセチル、ベンズアミド、ベンゼンスルフィニル、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホニル、ベンゼンスルホニルアミノ、ベンゾイル、ベンゾイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニル、ベンジルチオ、カルバモイル、カルバメート、イソシアナート(isocyannato)、スルファモイル、スルフィナモイル、スルフィノ、スルホ、スルホアミノ、チオスルホ、NRxRy及び/又はCOORx(各Rx及びRyは、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル又はヒドロキシのいずれかである)によって任意に置換することができる。
【0052】
「ヘテロ環」又は「ヘテロサイクリル」という用語は、酸素、窒素及び硫黄のグループから選択される少なくとも一つのヘテロ原子であって、任意に、アルキル又はC(=O)ORbによって置換されているものを含む飽和又は部分的不飽和環系であって、Rbは、水素又はアルキルである。典型的には、ヘテロ環は、酸素、窒素及び硫黄のグループから選択される1又は複数のヘテロ原子を含む単環化学式、二環化学式又は三環化学式基である。ヘテロ環基は、上記環に結合したオキソ基(=O)を含むこともできる。ヘテロ環基の非限定的な例としては、1,3-ジヒドロベンゾフラン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン、1,4-ジチアン、2H-ピラン、2-ピラゾリン、4H-ピラン、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソクロマニル、イソインドリニル、モルフォリン、ピペラジニル、ピペリジン、ピペリジル、ピラゾリジン、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジン、ピロリン、キニクリジン及びチオモルホリンが挙げられる。ヘテロ環は、任意に二価のラジカルであってもよく、それによって、ヘテロシクレン(heterocyclene)がもたらされる。
【0053】
ヘテロ環は、1又は複数のアルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、イミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アセトアミド、アセトキシ、アセチル、ベンズアミド、ベンゼンスルフィニル、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホニル、ベンゼンスルホニルアミノ、ベンゾイル、ベンゾイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニル、ベンジルチオ、カルバモイル、カルバメート、イソシアナート(isocyannato)、スルファモイル、スルフィナモイル、スルフィノ、スルホ、スルホアミノ、チオスルホ、NRxRy及び/又はCOORx(各Rx及びRyは、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル又はヒドロキシのいずれかである)によって任意に置換することができる。
【0054】
窒素複素環化学式化合物及びヘテロアリールの例には、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノサイアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、モルホリノ、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル等と、ヘテロ環を含むN-アルコキシ-窒素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
「水和物」という用語は、溶媒分子が水である複合体をいう。
【0056】
「例えば」、「例」、「含む」等の用語は、例示として使用されるものであり、本発明を制限するものではない。
【0057】
「割り込まれた」という用語は、他の基が特定の炭素鎖における2つの隣接炭素原子(及び、それらに結合した水素原子(例えば、メチル(CH3)、メチレン(CH2)又はメチン(CH)))の間に挿入されることを示すものであり、用語「割り込まれた」を使用する表現にて示される。ただし、明示された原子の各々の通常の原子価を超えず、そして、割り込みの結果、安定化合物になる。炭素鎖に割り込むことができる適切な基には、例えば、1又は複数の非ペルオキシドオキシ(-O-)、チオ(-S-)、アミン(-N(H)-)、メチレンジオキシ(-OCH2O-)、カルボニル(-C(=O)-)、カルボキシ(-C(=O)O-)、カルボニルジオキシ(-OC(=O)O-)、カルボキシラト(-OC(=O)-)、イミン(C=NH)、スルフィニル(SO)及びスルホニル(SO2)が含まれる。アルキル基は、1又は複数(one ore more)(例えば、1、2、3、4、5又は約6)の上述した適切な基によって割り込まれてもよい。割り込みの場所は、アルキル基の炭素原子と上記アルキル基が結合している炭素原子との間とすることもできる。
【0058】
本願明細書に記載されている任意の基(1又は複数の置換基を含む)については、立体配置的にありえない及び/又は合成が不可能である置換又は置換パターンをいずれもこのような基には含まれないことが当然理解される。加えて、この開示された主題の化合物には、これらの化合物の置換から生じる全ての立体化学的異性体が含まれる。
【0059】
本願明細書に記載されている化合物中の選択された置換基には、再帰的な段階が存在する。この文脈における「再帰的な置換基」とは、ある置換基がそれ自体の他の例を挙げることが可能であることを意味する。かかる置換基の再帰的な性質のため、理論的には、かなりの数が所定の請求項において存在していてもよい。医薬品化学及び有機化学の当業者は、かかる置換基の総数が意図される化合物の所望の特性によって合理的に制限されるものであると理解している。かかる特性には、物性(例えば分子量、溶解性又はlog P)、適用特性(例えば意図する標的に対する活性)及び実用特性(例えば合成の容易さ)が含まれる。これについては、例示であり制限するものではない。
【0060】
再帰的な置換基は、開示された主題の意図する態様である。医薬及び有機化学の当業者は、かかる置換基の用途の広さを理解している。開示された主題の請求項に存在する再帰的な置換基の段階に応じて、前述のように総数が決定されるだろう。
【0061】
「代謝産物」という用語は、親薬物からインビボ又はインビトロで生産された化学式(I)の任意の化合物、又はそのプロドラッグを指す。「分子量」という用語は、周知の通り、重量平均分子量を指す。「オキソ」という用語は、=Oを指す。
【0062】
「医薬的に許容可能な」という用語は、それらの化合物、材料、組成物及び/又は投薬形態であって、妥当な医療判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比に見合う、過度の毒性、刺激、アレルギー応答又は他の問題又は合併症がなくヒト及び動物の組織に対する使用に適しているものを指す。いくつかの医薬的に許容可能な成分は、関心がある数多くの成分について製薬許容性を評価する分析基準を記載している公式な刊行物(例:米国薬局方(Pharmacoepia))及び従来技術において知られている。
【0063】
「医薬的に許容可能な塩類」という用語は、イオン化合物を指し、親非イオン化合物は、その酸性又は塩基性塩を作ることによって変えることができる。医薬的に許容可能な塩の例として、塩基性残基の無機又は有機酸塩(例えばアミン);酸性残基のアルカリ又は有機塩(例えばカルボキシル酸)等が挙げられる。医薬的に許容可能な塩としては、例えば、無毒性無機又は有機酸から形成される親化合物の通常の無毒性塩及び第四級アンモニウム塩が挙げられる。無毒性塩には、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等)から誘導された塩を挙げることができる。有機酸から調製された塩には、例えば、酢酸、2-アセトキシ安息香酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ゲンチシン酸(gentisinic)、グルカロン(glucaronic)酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、イセチオン酸、イソニコチン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、メシル酸、又は、メタンスルホン酸、シュウ酸、パモン酸(1,1'-メチレンビス-(2-ヒドロキシ3-ナフトエ酸))、パントテン酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、スルファニル酸、トルエンスルホン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、重酒石酸等から調製された塩を挙げることができる。ある種の化合物は、様々なアミノ酸と医薬的に許容可能な塩を形成することができる。医薬的に許容可能な塩に関する検討に関しては、例えば、Berge et al., J. Pharm. Sci. 1977, 66(1), 1-19(参照により本願明細書に引用)を参照されたい。
【0064】
本願明細書に記載されている化合物の医薬的に許容可能な塩は、従来の化学的な方法によって親化合物から合成することができ、それらは、塩基性又は酸性的な部分を含んでいる。一般的には、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸又は塩基の形態と、適切な塩基又は酸の化学当量とを、水若しくは有機溶媒中又は2つの混合物(一般には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルのような非水溶媒が好ましい)中で反応させて調製することができる。多くの適切な塩類の一覧は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 21st edition, Lippincott, Williams & Wilkins, (2005)にある。
【0065】
キラル中心を有する開示された主題の有益な化合物には、光学活性形態及びラセミ形態が存在し、光学活性形態及びラセミ形態として単離してもよいことは当業者であれば理解しているであろう。いくつかの化合物は、多形を示してもよい。本開示の対象物質には、本開示の対象物質の化合物に関する任意のラセミ体、光学活性体、多形体若しくは立体異性体又はそれらの混合物が含まれており、それは、本願明細書に記載されている有用な特性を有するものと理解されている。また、光学活性体を調製する方法(例えば、再結晶技術によるラセミ体の分割、光学活性出発物質からの合成、キラル合成、又はキラル固定相を用いたクロマトグラフィー分離によるもの)や、本願明細書に記載されている標準試験を使用したり公知技術である他の類似の試験を使用したりして抗癌活性を決定する方法は、技術的に周知であると理解されている。
【0066】
本願明細書に開示されている化合物の1つのジアステレオマーは、その他のものと比較して優れた活性を示す可能性がある。必要があれば、ラセミ材料の分離は、キラルカラムを用いたHPLCによったり、分割剤(例えばTucker et al., J. Med. Chem., 37, 2437 (1994)のようなカンホニッククロリド(camphonic chloride))を用いる分割によったりして達成することができる。本願明細書に記載のキラル化合物は、キラル触媒又はキラル配位子(例えば、Huffman et al., J. Org. Chem., 60:1590 (1995))を使用して、直接合成することもできる。
【0067】
「防ぐ」、「予防的な」、「予防」、「保護する」及び「保護」という用語は、第一に、悪い状態が発生しないようにする医療処置を指す。上記用語は、いずれも以前から発生していない疾患又は障害が進行していないか進行が小さいことを意味するか、障害又は疾患の進行が既にあった場合、障害又は疾患をこれ以上進行させないことを意味する。
【0068】
「プロドラッグ」という用語は、化学式Iの化合物の任意の医薬的に許容可能な形態であって、患者に投与すると化学式Iの化合物がもたらされるものを指す。医薬的に許容可能なプロドラッグは、代謝(例:加水分解又は酸化)されて、化学式Iの化合物を形成する化合物を指す。プロドラッグの代表例には、活性化合物の機能的な部分において生物学的に不安定な保護基を有する化合物が挙げられる。プロドラッグには、活性化合物を生産するために、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱加水分解(dehydrolyzed)、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化及び脱リン酸化され得る化合物が含まれる。
【0069】
プロドラッグは、化学安定性の向上、患者の承諾及びコンプライアンスの改善、生物学的利用能の向上、活性期間の持続化、臓器選択性の向上(脳浸透度の向上を含む)、製剤化の向上(例えば、水溶解性の増加)、及び/又は、副作用(例えば、毒性)の減少の目的をもって作成してもよい。例えばT. Higuchi and V. Stella, "Prodrugs as Novel Delivery Systems", Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series; Bioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, (1987)を参照されたい。プロドラッグとしては、限定するものではないが、化学式Iの化合物から誘導される化合物が挙げられ、ヒドロキシ、アミン又はスルフヒドリル基が存在する場合、これらの基は任意の基に結合し、対象に投与されると開裂して遊離ヒドロキシル、アミノ又はスルフヒドリル基をそれぞれ形成する。選択された例には、生物加水分解性アミド及び生物加水分解性エステル並びに生物加水分解性カルバミン酸、炭酸、酢酸、ギ酸及び安息香酸誘導体であって、アルコール及びアミン官能基のものが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0070】
プロドラッグは、従来技術において知られている方法を使用して、化学式(I)の化合物から容易に作成することができる。例えば、Notari, R. E., "Theory and Practice of Prodrug Kinetics," Methods in Enzymology, 112:309 323 (1985); Bodor, N., "Novel Approaches in Prodrug Design," Drugs of the Future, 6(3):165 182 (1981); and Bundgaard, H., "Design of Prodrugs: Bioreversible-Derivatives for Various Functional Groups and Chemical Entities," in Design of Prodrugs (H. Bundgaard, ed.), Elsevier, N.Y. (1985); Burger's Medicinal Chemistry and Drug Chemistry, Fifth Ed., Vol. 1, pp. 172-178, 949-982 (1995)を参照されたい。
【0071】
「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明においては、化学式Iの化合物又はその塩若しくは生理的に機能的な誘導体)と溶媒によって形成される化学当量が可変的な複合体を指す。かかる溶媒は、本発明の目的に関して言えば、溶質の生物活性を妨げてはならない。適切な溶媒に関する非制限的な例には、水、メタノール、エタノール及び酢酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、使用する溶媒は、医薬的に許容可能な溶媒である。適切な医薬的に許容可能な溶媒に関する非制限的な例には、水、エタノール及び酢酸が挙げられる。
【0072】
「立体異性体」という用語は、同じ原子が同じ化学結合により結合して構成された化合物であるが、三次元構造が異なるものを指し、それらは同じものとして用いることができない。
【0073】
「置換」又は「置換された」という用語は、「置換」又は「置換された」を使用する表現にて示した原子の1又は複数の水素が、明示された基から選択されたものと置き換えられることを示すものを意図する。但し、明示された原子の通常の原子価を超えず、そして、置換の結果、安定化合物になる。適切な明示された基には、例えば、アルキル、アルケニル、アルキリデニル(alkylidenyl)、アルケニリデニル(alkenylidenyl)、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、イミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、シアノ、アセトアミド、アセトキシ、アセチル、ベンズアミド、ベンゼンスルフィニル、ベンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホニル、ベンゼンスルホニルアミノ、ベンゾイル、ベンゾイルアミノ、ベンゾイルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルオキシカルボニル、ベンジルチオ、カルバモイル、カルバメート、イソシアナート、スルファモイル、スルフィナモイル、スルフィノ、スルホ、スルホアミノ、チオスルホ、NRxRy及び/又はCOORx(各Rx及びRyが、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキル又はヒドロキシであるものが含まれる)である。
置換基がオキソ(すなわち、=O)又はチオキソ(すなわち、=S)基であると、原子上の2つの水素は置き換えられる。「スルホニル」という用語は、-SO2-を指す。
【0074】
「互変異性体」という用語は、ある分子の1つの原子から同じ分子の他の原子へのプロトン移動を指す。
【0075】
「治療上有効な量」という用語は、例えば、宿主において、疾患又は障害を治療又は予防するためか、疾患又は障害の症状を治療するために、本願明細書に記載の化合物の量か、本願明細書に記載の化合物の組合せの量が含まれることを意図する。化合物の組合せは、好ましくは相乗的組合せである。例えば、Chou and Talalay, Adv. Enzyme Regul., 22:27 (1984)に記載されているように、相乗効果が生じるときは、共投与時の化合物の効果が単剤として単独投与時の化合物の相加効果よりも大きい場合である。一般に、相乗効果は、最適ではない化合物濃度で最も明確に示される。相乗効果は、個々の要素と比較して、低細胞毒性であるか、高活性であるか、組合せにいくつかの他の有益な効果があるかの観点であってもよい。
【0076】
「セラピー」及び「治療的」という用語は、「治療」又は「予防」のいずれかを指す。従って、損傷を治療するか損傷を予防する薬剤は、「治療的」である。
【0077】
「治療すること」又は「治療する」又は「治療」という用語は、所望の薬理学的及び/又は生理的効果を得ることを指す。上記効果は、疾患若しくはその症状を完全にか部分的に予防する観点から予防的であるとしてもよく、及び/又は、疾患又は疾患に起因する悪影響の部分的にか完全に治癒する観点から治療的であるとしてもよい。本明細書で用いられるように、「治療」という用語は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患に対する任意の治療をカバーする。そして、この用語には、(a)疾患に罹患する可能性があるが、罹患しているとは未だ診断されていない対象において疾患が現れることを予防すること、(b)疾患を阻害、すなわち、その進行を抑制すること、そして(c)疾患を緩和すること、すなわち、疾患を改善させること、が含まれる。
【0078】
加えて、本発明の特徴又は態様がマーカッシュグループとして記載されている場合、当業者は、マーカッシュグループにおける任意の個々のメンバー又はメンバーのサブグループとして記述されている発明と認識するだろう。例えば、Xが、臭素、塩素及びヨウ素からなるグループから選択される記述の場合、請求項のXは臭素であり請求項のXは臭素及び塩素であることが充分に記載されていることになる。そのうえ、本発明の特徴又は態様がマーカッシュグループとして記載されている場合、このことにより、当業者は、マーカッシュグループの個々のメンバー又はメンバーのサブグループの任意の組合せとして記述されている発明と認識するだろう。従って、例えば、Xは、臭素、塩素及びヨウ素からなるグループから選択される記述の場合であって、Yは、メチル、エチル及びプロピルからなるグループから選択される記述の場合、請求項のXは臭素、Yはメチルであることが充分に記載されていることになる。
【0079】
各種実施形態において、化合物又は化合物のセット(例えば、発明の方法で使用するもの)は、上で列挙した実施形態の任意の組合せ及び/又は部分的な組合せのうちのいずれか1つとすることができる。
【0080】
不斉炭素原子は、記載の化合物に存在していてもよい。かかる異性体の全ては、ジアステレオマー及びエナンチオマーとそれらの混合物を含み、詳述された化合物の範囲に含まれることを意図する。ある種のケースにおいて、化合物は、互変異性型として存在することができる。全ての互変異性型は、上述の範囲内に含まれることが意図されている。同様に、化合物にアルケニル又はアルケニレン基が含まれる場合は、シス及びトランス異性体の化合物の可能性がある。シス異性体及びトランス異性体の混合物だけでなくシス異性体もトランス異性体も予想される。従って、前後の文脈で別途明確に指示しない限り、化合物に対する本願明細書の言及には上述した異性体の全てが含まれる。
【0081】
多形、溶媒和物、水和物、配座異性体、塩及びプロドラッグ誘導体を含む様々な形態が実施形態には含まれる。多形は、同じ化学式を有する組成であるが、構造が異なる。溶媒和物は、溶媒和(溶媒分子と溶質分子又はイオンとの組合せ)によって形成される組成物である。水和物は、水の組込みによって形成される化合物である。配座異性体は、立体配座異性体の構造物である。立体配座異性は、同じ構造化学式であるが、回転する結合に関係する複数の原子に関して種々の配座(配座異性体)を有する分子の現象である。化合物の塩は、周知の方法によって作成することができる。例えば、化合物の塩は、適切な塩基又は酸と、化学当量の化合物とを反応させることによって調製することができる。プロドラッグは、その薬理効果を示す前に生体内変換(化学変換)を受ける化合物である。従って、例えば、プロドラッグは、親分子の望ましくない特性を変化させるか除去するために、一時的に使用する特殊な保護基を備える薬として見ることができる。従って、本願明細書における化合物に対する言及には、前後の文脈で別途明確に指示しない限り、上述した形態の全てが含まれる。
【0082】
様々な構成成分の濃度、量などは、しばしば、この開示全体にわたって範囲を表す式として示される。範囲を表す式での記述は、単に便宜及び簡潔さのためであり、特許請求の範囲における発明の範囲を幅のない限定的なものとして解釈すべきではない。従って、範囲の記述は、具体的には、その範囲内の可能性がある全ての部分的な範囲と個々の数値を開示していると考えるべきである。例えば、1%〜8%のような範囲の記述は、具体的には、その範囲内における、例えば1%〜7%、2%〜8%、2%〜6%、3%〜6%、4%〜8%、3%〜8%等の部分的な範囲と、例えば、2%、5%、7%等の個々の数字を開示している考えるべきである。この構成は、範囲の幅に関係なく、この開示の全体にわたる全ての内容において適用される。
【0083】
本願明細書における特許請求の範囲において、時間的な順序又は操作上の順序が請求項の言葉によって明確に規定される場合を除き、請求項の方法又は工程における特定のステップは、発明の原理を逸脱しない範囲で任意の順番で実行することができる。最初に、あるステップが実行され、そして、いくつかの他のステップが実行されるという旨の請求項の記述については、第一ステップが他のステップのいずれよりも先に実行されるが、他のステップについては、他のステップ内で順序が更に特定されていない限り、任意の順序で実行することができることを意味するものとする。例えば、「初めにA、そしてB、C及びD及び最後にE」と詳述する請求項の要素は、ステップAは、最初でなければならず、そしてステップEは最後でなければならないが、ステップB、C及びDは、ステップAとEとの間で任意の順序で実行してもよい。その順序の工程であっても請求項の範囲内に入ることを意味するものと解釈される。
【0084】
更に、本願明細書で提供される特許請求の範囲において、特定のステップは並行して実行することができる。但し、明確な請求項の言葉がそれらを別々に実行するか種々の処理操作の一部として実行することを要求しない限りである。例えば、Xを実施する請求項のステップ及びYを実施する請求項のステップは、単一操作内で同時に実施可能である。このことによる工程は、請求項の範囲内の工程である。Xを実施するステップ、Yを実施するステップ及びZを実施するステップは、単一の生産工程内か2つに分かれた生産工程か、3つに分かれた生産工程において同時に実施してもよい。その工程であってもこれら3つのステップを記述する請求項の範囲内である。
【0085】
同様に、請求項の言葉によって明確に要求される場合を除いて、単一の物質又は構成成分は、請求項の言葉によって特定される単一の物質が複数の機能要件を満たす限り、単一の機能要件だけを満たすものでなくてもよい。
【0086】
本願明細書に記載の化合物は、応用可能な有機合成技術のいずれかによって調製することができる。かかる技術の多くは、公知技術である。しかしながら、公知技術の多くは、Compendium of Organic Synthetic Methods (John Wiley & Sons, New York) Vol. 1, Ian T. Harrison and Shuyen Harrison (1971); Vol. 2, Ian T. Harrison and Shuyen Harrison (1974); Vol. 3, Louis S. Hegedus and Leroy Wade (1977); Vol. 4, Leroy G. Wade Jr., (1980); Vol. 5, Leroy G. Wade Jr. (1984);及びVol. 6, Michael B. Smithと、March, J., Advanced Organic Chemistry, 3rd Edition, John Wiley & Sons, New York (1985); Comprehensive Organic Synthesis. Selectivity, Strategy & Efficiency in Modern Organic Chemistry, In 9 Volumes, Barry M. Trost, Editor-in-Chief, Pergamon Press, New York (1993); Advanced Organic Chemistry, Part B: Reactions and Synthesis, 4th Ed.; Carey and Sundberg; Kluwer Academic/Plenum Publishers: New York (2001); Advanced Organic Chemistry, Reactions, Mechanisms, and Structure, 2nd Edition, March, McGraw Hill (1977); Protecting Groups in Organic Synthesis, 2nd Edition, Greene, T.W., and Wutz, P.G.M., John Wiley & Sons, New York (1991)及び、Comprehensive Organic Transformations, 2nd Edition, Larock, R.C., John Wiley & Sons, New York (1999)に詳しく述べられている。本願明細書に記載の化合物を作る例示的な方法は、本願明細書における、下記の実施例に記載されている。
【0087】
明らかなことであるが、本開示の主題に関する多数の修正形態及び変更形態は、上記教示の観点から可能である。従って、請求項の範囲内において、本開示の主題は、本願明細書において具体的に記載されているもの以外によって実行してもよいことが理解される。
【0088】
本願明細書において提供される特定の範囲、値及び実施形態は、例示のためだけにあり、開示の主題の範囲を別途限度するものではなく、請求項によって定義されるものである。
【0089】
本開示は、全ての立体化学的異性体か、それらの混合物を含み、それが癌細胞を死滅させる及び/又は癌細胞の成長を阻害する能力を有することを理解すべきである。本開示のエナンチオマーは、周知の方法、例えば、結晶化、ガス-液体若しくは液体クロマトグラフィー、又は1つのエナンチオマーとエナンチオマー特異的試薬との選択反応によって分割することができるジアステレオマー塩の形成によって分割することができる。所望のエナンチオマーを分離技術によって他の化学種に変換する場合、所望のエナンチオマー型を形成するために更なるステップを必要とすることはいうまでもない。あるいは、特定のエナンチオマーは、光学活性試薬、基質、触媒又は溶媒を用いる不斉合成によってか、不斉転換によって1つのエナンチオマーを他のものに変換することによって合成することができる。
【0090】
本開示のある種の化合物は、種々の安定配座の形態で存在してもよく、それらは分離可能であってもよい。非対称単結合に関する束縛回転に起因する(例えば立体障害又は環の歪を理由とする)ねじれ非対称は、種々の配座異性体の分離を可能にする。本開示には、これらの化合物の各立体配座異性体と、それらの混合物が含まれる。
【0091】
本開示のある種の化合物は、双性イオン形態で存在してもよく、本開示にはこれらの化合物の各双性イオン形態と、それらの混合物が含まれる。
【0092】
本開示の化合物を合成するのに有効な出発物質は、当業者には公知であり、容易に製造できたり、市販されていたりする。
【0093】
下記の方法は、説明のために提供するものであり、本開示の請求項の範囲を制限する意図はない。かかる化合物は、従来型の保護基を使用して官能基を保護し、その後、保護基が取り除かれることで本開示の化合物がもたらされるものとして調製する必要があってもよいと認識されるだろう。本開示による保護基の使用に関する詳細は、当業者には公知のことである。
【0094】
本発明は、化学式
の(フルオロフェニル)キノリン-4-オン誘導体の抗癌化合物の合成に関する。
【0095】
前述のとおり、CHM-2133-Pは、経口投与でも静脈内投与でも、優れた抗腫瘍活性を示した。これは、以下の3つの官能基から構成されるその独特な構造におそらく関連がある:第1に、そのキノリン環の4-位に位置するリン酸基。我々の以前の報告で述べているように、CHM-2133-Pの薬物動態学の研究から、その活性分子であるCHM-2133への迅速な生化学的変換が投与後に確認された。アルカリホスファターゼは、特定の腫瘍細胞(例えば卵巣及び肝癌細胞)の細胞外間隙に過剰発現していること知られているため、リン酸基の導入は、標的デリバリーに関する合理的な戦略であるように思われる。
【0096】
第2に、メチレンジオキシ部分は、そのキノリン環の5-と6-位を架橋する。それは、代謝を受けてオルトキノンを形成することができ、その後、低酸素細胞において細胞毒性代謝産物へと代謝されることができる。著しい低酸素状態は、局所的に進行した固形腫瘍の共通状態であるため、腫瘍を抑制するメチレンジオキシ部分の組込みが重要な手法である。
【0097】
第3に、フッ素原子が2-フェニル基に位置している。ある種の医薬品については、フッ素の並外れた性質として、高い有効性、活性持続期間の向上及び胆汁クリアランスの減弱を含む様々な特性を与えることが報告されている。
【0098】
一方、定評のあるSARから、キノリン環の6-位及び2-フェニル基の3'-位であって2-PQの細胞毒性を高めるものの両方に孤立電子対を有する基(例えば、OCH3、NRR、Cl、F)の存在が明示された。CHM-2133-Pの構造的特性を考慮して、発明者は、化合物16-21、37-45(図2)及びそれらのリン酸塩を標的化合物として、以下の原理に基づいて設計した:(1)キノリン環の6-位のO-R基の存在。(2)2-フェニル基のフッ素原子の存在。(3)インビボでオルトキノンへ代謝される即応性及び(4)これまで合成されていない新規な2-PQでなければならない。解説のために、標的化合物16-21、37-45を合成し、それらの細胞毒性を評価する方法を開示している。薬剤候補化合物は、親水性向上のために、リン酸塩誘導体の水溶性ナトリウム塩に変換することができる。合成されたリン酸塩誘導体の全てについて、インビボ抗癌活性を評価してもよい。
【0099】
実施例
発明の範囲を制限する意図がないことを前提として、本発明の実施形態による例示的な器具、装置、方法及びそれらの関連した結果物は、以下の通りである。表題又は副題は、読者の便宜のための例として使用してもよく、これが発明の範囲を決して制限すべきではないことに注意されたい。さらに、ある種の理論が本願明細書において提案され、開示されているが、それらが正しかろうか誤っていようが、行為に関する如何なる特定の理論又はスキームに関わらず、本発明に従って実施される限りにおいては、発明の範囲を決して制限すべきではない。
【0100】
化合物の一般的な構造
【0101】
I. A シリーズ
化学合成
スキーム1:化合物 16-24の合成。5,6,7,2',3',4'置換2-フェニルキノリン-4-オン(16-24)の合成は、スキーム1に図示している。初めに 3,4,5置換1-アミノ-2-アセチルベンゼン(1-3)を2,3,4置換ベンゾイルクロリド(4-6)と別々に反応させて、対応するアミド(7-15)を産生し、その後t-BuOK存在下のt-BuOHにおいて環化して、所望の化合物(16-24)を産出する。
【0102】
スキーム2:出発化合物1-3の合成。出発化合物1-3は、商業的な供給からではなく、スキーム2に従って調製された。公表済みの方法8に続いて、2,3-ジメトキシベンゾニトリル(25)に対してエーテル中でCH3MgBrと反応させるグリニャール反応を行い、2,3-ジメトキシアセトフェノン(26)を産出した。そして、化合物26を70%HNO3によってニトロ化して、2,3-ジメトキシ-6-ニトロアセトフェノン(27)を取得し、精製することなくPd/Cを通じて水素化した。反応生成物をカラムクロマトグラフィによって精製して、6-アミノ-2,3-ジメトキシアセトフェノン(1)を産出し、2D-NMRスペクトルによって構造を確認した。
【0103】
6-アミノ-2,3-ジメトキシアセトフェノン(2)を公表済みの方法に従って調製した。出発カテコール(28)を、300ワットの電力にセットしたマイクロ波オーブンにおいて、酢酸(29)とBF3.Et2Oの混合物と反応させることによって、アセチル化して、2,3-ジヒドロキシアセトフェノン(30)を産生し、K2CO3存在下のDMF中でジヨードメタンと更に反応させて、2,3-メチレンジオキシアセトフェノン(31)を産出した。70%HNO3で化合物31をニトロ化した後、2,3-メチレンジオキシ-6-ニトロアセトフェノン(32)を産出した。精製することなく化合物32を水素化して、カラムクロマトグラフィによって精製し、6-アミノ-2,3-メチレンジオキシアセトフェノン(2)を取得した。6-アミノ-3-メトキシ-4-ベンジルオキシアセトフェノン(3)の調製に関しては、10他の公表済みの方法に従った。第1に、ベンジルブロミド(34)を用いた出発物質アセトバニロン(33)のベンジル化によって、4-ベンジルオキシ-3-メトキシアセトフェノン(35)を取得し、ニトロ化して、4-ベンジルオキシ-3-メトキシ-6-ニトロアセトフェノン(36)を産出した。11そのようにして得られた化合物36をSnCl2を用いて還元し、化合物3を産出した。
【0104】
スキーム3:化合物37-45の合成。スキーム3は、設計した化合物37-45の調製を図示している。示すように、化合物16-18を、CH2Cl2中でBCl3を用いて処理することによって選択的に脱メチル化させて、対応する2-(フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-オン(37-39)を産出し、2D-NMRスペクトルによってその構造を確認した。化合物19-21の触媒的水素化により、2-(フルオロフェニル)-5,6-ジヒドロキシキノリン-4-オン(40-42)を産生した。同様に、7-ベンジルオキシ-2-(フルオロフェニル)-6-メトキシキノリン-4-オン(22-24)の水素化により、2-(フルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-オン(43-45)を取得した。
【0105】
スキーム4-5:化合物38のリン酸化。2-(3-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-オン(38)のリン酸化は、スキーム4及び5に図示されている。化合物38は、亜リン酸ジベンジル(47)又はNaHの存在下でTHF中でピロリン酸テトラベンジル(46)と最初に反応させて、2-(3-フルオロフェニル)-6-メトキシキノリン-4,5-ジイルビス(リン酸ジベンジル)(48)を産出した。次に、化合物48をMeOH中で触媒的水素化させて、その二リン酸(49)を得た。最後に、化合物49を、NaHCO3を用いて処理することによって水溶性ナトリウム塩(50)に変換した。化合物48を精製する工程において、その脱リン酸化された誘導体の共存が発見された。おそらく、スキーム5にて図示したように、キノリン環の1-位の窒素原子による誘起効果が、同じ環の4-位のリン酸塩部分の選択的な除去を助長したのだろう。化合物48の選択的な4-リン酸塩除去を引き起こす反応に関するいくつかの条件試験により、MeOHに溶解された化合物48を室温で撹拌した結果、その一リン酸塩誘導体51が沈殿することが発見された。その構造は、3-位(δ6.27)におけるその陽子の1H-NMR化学シフトによって確認された。最後に、化合物50と同じ合成手法を使用して、化合物51を水素化して、その後NaHCO3を用いて処理した結果、所望の水溶性である、一リン酸塩誘導体(52)のナトリウム塩となった。
【0106】
【0107】
実施例
一般的な実験手順。試薬及び溶媒の全ては、商業的に得られ、更なる精製をすることなく使用した。反応は、蛍光指示薬を備えるメルクプレート(TLC Silica gel 60 F254)を使用して、薄層クロマトグラフィーによってモニターした。次の吸着剤をカラムクロマトグラフィーに用いた:シリカゲル60(メルク、粒子径0.063-0.200mm)。融点は、Yanaco MP-500D融点装置によって決定し、校正はしなかった。IRスペクトルは、KBr錠剤法により島津IRPrestige-21分光光度計にて記録した。NMRスペクトルは、CDCl3又はDMSO中においてBruker Avance DPX-200FT-核磁気共鳴分光計で得られた。次の略称を用いている:s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;dd、二重の二重線及びm (多重線)。EI-MSスペクトルは、HP 5995 GC-MS機器によって測定した。ESI-MSスペクトルは、Finnigan LCQイオントラップ質量分析計(TSQ Quantum, Thermo Finnigan Corporation, San Jose, CA)により測定した。元素分析(C、H及びN)はPerkin-Elmer 2400 Series II CHNS/O analyzerで実行し、結果は計測値の±0.4%内であった。
【0108】
N-(2-アセチル-3,4-ジメトキシフェニル)-2-フルオロベンズアミド(7)。40mLの無水トルエン中の2-フルオロベンゾイルクロリド(4)(0.48g、2.46mmol)溶液にトリエチルアミン(0.5mL)及び化合物1(0.70g、4.43mmol)を加えた。混合物を、55-60℃で30分間撹拌し、その後、クラッシュアイスに流し込み、EtOAcによって抽出した。有機層を塩水によって洗浄し、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/n-ヘキサン)によって精製し、黄色の固体の7(0.5g、1.58mmol)を得た。収率: 64.1 %; mp 106-108 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 317 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.45 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 7.14 (d, J = 2.6 Hz, 2H), 7.24-7.34 (m, 2H), 7.52-7.63 (m, 2H), 10.07 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 31.91, 56.52, 61.42, 114.52, 116.70, 121.43, 124.16, 125.06, 126.81, 130.52, 131.50, 133.35 (d, J = 8.0 Hz), 145.98, 150.47, 159.61 (d, J = 247.5 Hz), 163.19, 201.38; Anal. calcd for C17H16FNO4: C, 64.35; H, 5.08; N, 4.41. Found: C, 64.31; H, 5.10; N, 4.43。
【0109】
N-(2-アセチル-3,4-ジメトキシフェニル)-3-フルオロベンズアミド(8)は、3-フルオロベンゾイルクロリド(5)と1から得られた。黄色の固体; 収率: 65.0 %; mp 98-99 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 317 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.43 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 7.03-7.15 (m, 2H), 7.39-7.71 (m, 4H), 10.18 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 31.74, 56.45, 61.38, 114.30, 114.73 (d, J = 23 Hz), 119.04 (d, J = 21 Hz), 121.98, 124.13, 126.91, 131.12 (d, J = 7.5 Hz), 132.27, 136.89 (d, J = 6.5 Hz), 145.90, 150.65, 162.40 (d, J = 243 Hz), 164.67, 201.22; Anal. calcd for C17H16FNO4: C, 64.35; H, 5.08; N, 4.41. Found: C, 64.34; H, 5.06; N, 4.44。
【0110】
N-(2-アセチル-3,4-ジメトキシフェニル)-4-フルオロベンズアミド(9)は、4-フルオロベンゾイルクロリド(6)と1から得られた。黄色の固体; 収率: 64.7 %; mp 146-147 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 317 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.43 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 7.03-7.14 (m, 2H), 7.26-7.35 (m, 2H), 7.88-7.95 (m, 2H), 10.14 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 31.76, 56.48, 61.38, 114.33, 115.83 (d, J = 22 Hz), 121.91, 127.17, 130.65 (d, J = 9.0 Hz), 131.06, 132.21, 145.90, 150.53, 164.57 (d, J = 247 Hz), 164.94, 201.25; Anal. calcd for C17H16FNO4: C, 64.35; H, 5.08; N, 4.41. Found: C, 64.36; H, 5.11; N, 4.40。
【0111】
N-(2-アセチル-3,4-メチレンジオキシフェニル)-2-フルオロベンズアミド(10)は、2と4から得られた。黄色の固体; 収率: 90.0 %; mp 165-166 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 301 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.53 (s, 3H), 6.13 (s, 2H), 7.12 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.28-7.38 (m, 2H), 7.56-7.61 (m, 1H), 7.72-7.82 (m, 1H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 11.50 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 32.53, 102.57, 111.92, 112.52, 114.74, 116.94 (d, J = 22.5 Hz), 123.55 (d, J = 12.5 Hz), 125.41, 130.98, 131.91, 134.04 (d, J = 8.5 Hz), 144.46, 149.00, 157.18, 162.22, 199.61; Anal. calcd for C16H12FNO4: C, 63.79; H, 4.01; N, 4.65. Found: C, 63.75; H, 4.03; N, 4.67。
【0112】
N-(2-アセチル-3,4-メチレンジオキシフェニル)-3-フルオロベンズアミド(11)は、2と5から得られた。黄色の固体; 収率: 95.0 %; mp 170-171 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 301 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.56 (s, 3H), 6.14 (s, 2H), 7.13 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 7.52-7.68 (m, 2H), 7.72 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 11.56 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 32.48, 102.61, 112.48, 112.62, 114.48 (d, J = 23 Hz), 114.89, 119.30 (d, J = 21.5 Hz), 123.56, 131.52 (d, J = 8.0 Hz), 131.96, 137.32, 144.61, 148.88, 162.61 (d, J = 243.5 Hz), 163.97, 199.88; Anal. calcd for C16H12FNO4: C, 63.79; H, 4.01; N, 4.65. Found: C, 63.67; H, 4.00; N, 4.63。
【0113】
N-(2-アセチル-3,4-メチレンジオキシフェニル)-4-フルオロベンズアミド(12)は、2と6から得られた。黄色の固体; 収率: 84.0 %; mp 185-186 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 301 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.51 (s, 3H), 6.13 (s, 2H), 7.12 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.20-7.40 (m, 2H), 7.77 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.89-7.97 (m, 2H), 11.58 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 32.55, 102.55, 111.20, 112.61, 114.54, 116.26 (d, J = 22 Hz), 130.22 (d, J = 7.0 Hz), 131.47, 132.41, 144.36, 148.97, 162.22, 164.67 (d, J = 248 Hz), 200.04; Anal. calcd for C16H12FNO4: C, 63.79; H, 4.01; N, 4.65. Found: C, 63.84; H, 3.98; N, 4.65。
【0114】
N-(2-アセチル-5-ベンジルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-フルオロベンズアミド(13)は、3と4から得られた。黄色の固体; 収率: 89.0 %; mp 142-143 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 393 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.60 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 5.16 (s, 2H), 7.10-7.50 (m, 8H), 7.56-7.67 (m, 1H), 7.80-7.89 (m, 1H), 8.57 (s, 1H), 12.45 (d, J = 4.0 Hz,1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 29.08, 56.42, 70.41, 105.31, 115.28, 116.05, 117.08 (d, J = 22 Hz), 123.27 (d, J = 12.5 Hz), 125.60, 128.58, 128.95, 131.20, 134.45 (d, J = 8.5 Hz), 135.77, 136.50, 144.46, 152.98, 157.26, 162.35, 201.78; Anal. calcd for C23H20FNO4: C, 70.22; H, 5.12; N, 3.56. Found: C, 70.18; H, 5.10; N, 3.55。
【0115】
N-(2-アセチル-5-ベンジルオキシ-4-メトキシフェニル)-3-フルオロベンズアミド(14)は、3と5から得られた。黄色の固体; 収率: 86.6 %; mp 162-163 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 393 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.62 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 5.15 (s, 2H), 7.26-7.52 (m, 7H), 7.54-7.78 (m, 3H), 8.51 (s, 1H), 12.70 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 29.10, 56.42, 70.40, 104.74, 114.45, 115.29, 115.83, 119.59 (d, J = 21.5 Hz), 123.36, 128.53, 128.95, 131.74 (d, J = 7.5 Hz), 136.28, 136.45, 137.30 (d, J = 6.5 Hz), 144.43, 153.26, 162.71 (d, J = 244 Hz), 163.91, 202.48; Anal. calcd for C23H20FNO4: C, 70.22; H, 5.12; N, 3.56. Found: C, 70.20; H, 5.14; N, 3.52。
【0116】
N-(2-アセチル-5-ベンジルオキシ-4-メトキシフェニル)-4-フルオロベンズアミド(15)は、3と6から得られた。黄色の固体; 収率: 67.1 %; mp 168-169 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 393 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.63 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 5.15 (s, 2H), 7.2-7.5 (m, 7H), 7.9-8.1 (m, 3H), 8.54 (s, 1H), 12.69 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 29.11, 56.47, 70.41, 104.73, 115.39, 115.83, 116.27, 116.72, 128.53, 128.94, 130.17 (d, J = 9.0 Hz), 132.54 (d, J = 9.5 Hz), 136.48, 136.58, 144.33, 153.33, 164.24, 166.82, 202.48; Anal. calcd for C23H20FNO4: C, 70.22; H, 5.12; N, 3.56. Found: C, 70.24; H, 5.12; N, 3.59。
【0117】
2-(2-フルオロフェニル)-5,6-ジメトキシキノリン-4-オン(16)。t-ブチルアルコール(30mL)中の7(0.50g、1.58mmol)の懸濁液に、カリウムt-ブトキシド(1.0g、8.93mmol)を加えた。混合物をアルゴン下で20時間還流して濃縮した。残留物を10%塩化アンモニウム溶液(30mL)で処理した。固体沈殿物を回収して、n-ヘキサン及びMe2COを用いて洗浄した。粗生成物をMeOHから再結晶化して、黄色針状結晶の16(0.27g、0.9mmol)を得た。収率: 57.1 %; mp 215-217 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 299 (M+); IR (KBr): 1628 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.72 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 6.06 (s, 1H), 7.3-7.6 (m, 5H), 7.60-7.71 (m, 1H); Anal. calcd for C17H14FNO3: C, 68.22; H, 4.71; N, 4.68. Found: C, 68.24; H, 4.67; N, 4.71。
【0118】
2-(3-フルオロフェニル)-5,6-ジメトキシキノリン-4-オン(17)は、8から得られた。黄色針状結晶; 収率: 53.1 %; mp 190-192 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 299 (M+); IR (KBr): 1599 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.73 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 6.35 (s, 1H), 7.28-7.40 (m, 1H), 7.46-7.60 (m, 3H), 7.64-7.76 (m, 2H); Anal. calcd for C17H14FNO3: C, 68.22; H, 4.71; N, 4.68. Found: C, 68.17; H, 4.68; N, 4.66。
【0119】
2-(4-フルオロフェニル)-5,6-ジメトキシキノリン-4-オン(18)は、9から得られた。白色針状結晶; 収率: 54.6 %; mp 227-229 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 299 (M+); IR (KBr): 1607 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.72 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 6.26 (s, 1H), 7.31-7.40 (m, 2H), 7.44-7.54 (m, 2H), 7.83-7.90 (m, 2H); Anal. calcd for C17H14FNO3: C, 68.22; H, 4.71; N, 4.68. Found: C, 68.16; H, 4.68; N, 4.65。
【0120】
2-(2-フルオロフェニル)-5,6-メチレンジオキシキノリン-4-オン(19)は、10から得られた。黄色の固体; 収率: 47.6 %; mp 282-283 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 283 (M+); IR (KBr): 1605 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 5.92 (s, 1H), 6.11 (s, 2H), 7.09 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.27-7.38 (m, 3H), 7.55-7.70 (m, 2H), 11.71 (s, 1H); Anal. calcd for C16H10FNO3: C, 67.84; H, 3.56; N, 4.94. Found: C, 67.82; H, 3.53; N, 4.91。
【0121】
2-(3-フルオロフェニル)-5,6-メチレンジオキシキノリン-4-オン(20)は、11から得られた。白色の固体; 収率: 44.9 %; mp 286-288 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 283 (M+); IR (KBr): 1609 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 6.11 (s, 2H), 6.19 (s, 1H), 7.19 -7.36 (m, 3H), 7.55-7.67 (m, 3H), 11.71 (s, 1H); Anal. calcd for C16H10FNO3: C, 67.84; H, 3.56; N, 4.94. Found: C, 67.90; H, 3.52; N, 4.95。
【0122】
2-(4-フルオロフェニル)-5,6-メチレンジオキシキノリン-4-オン(21)は、12から得られた。白色の固体; 収率: 45.9 %; mp 286-288 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 283 (M+); IR (KBr): 1613 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 6.10 (s, 3H), 7.17-7.31 (m, 2H), 7.32-7.41 (m, 2H), 7.78-7.85 (m, 2H), 11.46 (s, 1H); Anal. calcd for C16H10FNO3: C, 67.84; H, 3.56; N, 4.94. Found: C, 67.88; H, 3.51; N, 4.97。
【0123】
7-ベンジルオキシ-2-(2-フルオロフェニル)-6-メトキシキノリン-4-オン(22)は、13から得られた。白色の固体; 収率: 60.5 %; mp 132-134 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 375 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.82 (s, 3H), 5.16 (s, 2H), 6.21 (s, 1H), 7.20-7.80 (m, 11H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 56.02, 70.40, 101.86, 104.14, 108.80, 116.77 (d, J = 21.5 Hz), 118.86, 123.30 (d, J = 13 Hz), 125.43, 128.50, 128.97, 131.24, 132.56 (d, J = 8.0 Hz), 136.58, 137.08, 144.73, 147.73, 152.52, 159.64 (d, J = 247 Hz), 174.57; Anal. calcd for C23H18FNO3: C, 73.59; H, 4.83; N, 3.73. Found: C, 73.55; H, 4.81; N, 3.71。
【0124】
7-ベンジルオキシ-2-(3-フルオロフェニル)-6-メトキシキノリン-4-オン(23)は、14から得られた。白色の固体; 収率: 64.3 %; mp 154-155 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 375 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.83 (s, 3H), 5.17 (s, 2H), 6.56 (s, 1H), 7.30-7.50 (m, 8H), 7.55-7.60 (m, 1H), 7.60-7.80 (m, 2H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 56.07, 70.45, 102.27, 103.72, 106.03, 114.71 (d, J = 23.5 Hz), 117.56 (d, J = 20.5 Hz), 118.44, 123.95, 128.56, 128.99, 131.50, 136.49, 137.41, 148.02, 148.44, 152.72, 165.13, 173.61; Anal. calcd for C23H18FNO3: C, 73.59; H, 4.83; N, 3.73. Found: C, 73.61; H, 4.80; N, 3.72。
【0125】
7-ベンジルオキシ-2-(4-フルオロフェニル)-6-メトキシキノリン-4-オン(24)は、15から得られた。白色の固体; 収率: 64.4 %; mp 248-249 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 375 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.80 (s, 3H), 5.13 (s, 2H), 6.26 (s, 1H), 7.20-7.60 (m, 9H), 7.80-8.00 (m, 2H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 55.96, 70.36, 101.41, 104.51, 106.61, 116.30 (d, J = 21.5 Hz), 119.27, 128.56, 128.99, 130.05 (d, J = 8.0 Hz), 136.60, 147.39, 148.06, 152.19, 163.63 (d, J = 246.5 Hz), 176.10; Anal. calcd for C23H18FNO3: C, 73.59; H, 4.83; N, 3.73. Found: C, 73.56; H, 4.83; N, 3.75。
【0126】
2,3-ジメトキシアセトフェノン(26)。N2雰囲気下でEt2O(12.5mL)中の2,3-ジメトキシベンゾニトリル(25)(5.0g、30mmol)の撹拌溶液に、メチルマグネシウムブロミド(Et2O中で37%)(12.5mL、37mmol)を加えた。混合物を16時間撹拌して、その後、50%AcOH(20mL)を加えた。30分間の撹拌後、溶液をクラッシュアイスに流し込み、CH2Cl2によって抽出し、10%Na2CO3によって洗浄した。その後、それを水によって洗浄し、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、n-ヘキサン: EtOAc = 4:1)によって精製して、26を得た。液体; 収率: 92.5 %; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.56 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 6.99-7.02 (m, 2H), 7.13-7.18 (m, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 50 MHz): δ 31.18, 55.98, 61.29, 115.83, 120.80, 123.94, 133.62, 148.63, 153.04, 200.26; Anal. calcd for C10H12O3: C, 66.65; H, 6.71. Found: C, 66.60; H, 6.73。
【0127】
6-アミノ-2,3-ジメトキシアセトフェノン(1)。化合物26(5.0g、27.8mmol)を-5±1℃で撹拌して、70%HNO3(60mL)を滴下した。-5±1℃で10分間撹拌した後、反応混合物をクラッシュアイスに流し込み、CH2Cl2によって抽出した。抽出物を10%Na2CO3によって洗浄し、その後水によって洗浄して、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗製(crud)中間体(27)を次のステップで直接用いた。
【0128】
無水MeOH(40mL)中の27(1.85g、8.22mmol)の溶液を、25±2℃で2時間10%Pd/C(0.5g)の存在下で水素化した。Pd/Cを濾過して取り除き、濾液を濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、n-ヘキサン: EtOAc = 25:1)によって精製して1を得た。液体; 収率: 43.7 %; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.41 (s, 3H), 3.66 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 5.88 (s, 2H), 6.41 (d, J = 9.0 Hz,1H), 6.98 (d, J = 9.0 Hz,1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 33.09, 57.58, 61.14, 111.82, 116.82, 121.15, 142.62, 144.22, 149.87, 201.88; Anal. calcd for C10H13NO3: C, 61.53; H, 6.71; N, 7.18. Found: C, 61.51; H, 6.74; N, 7.22。
【0129】
2,3-ジヒドロキシアセトフェノン(30)。AcOH(1.3g、21.7mmol)中の1,2-ジヒドロキシベンゼン(28)(2.0g、18.2mmol)の溶液に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(Et2O中で98%、2 mL)を加えた。混合物をマイクロ波照射(300W)下で、1.5分間反応させて、その後25℃まで冷却した。反応混合物をジクロロメタン(dichoromethane)(10mL)及びH2O(約20mL)に溶解した。有機層(lay)を10%NaHCO3によって洗浄し、その後水によって洗浄して、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2)によって精製して、30を得た。黄色の固体; 収率: 10.4 %; mp 76-77 °C; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.58 (s, 3H), 5.79 (s, 1H), 6.79 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 8.0 Hz,1H), 12.45 (s, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 50 MHz): δ 26.73, 118.79, 119.52, 120.39, 121.44, 145.40, 149.50, 205.08; Anal. calcd for C8H8O3: C, 63.15; H, 5.30. Found: C, 63.10; H, 5.33。
【0130】
2,3-メチレンジオキシアセトフェノン(31)。DMF(10mL)中のK2CO3(1.24g、9.0mmol)の懸濁液に、ジヨードメタン(2.4g、9.0mmol)を加えた。混合物を100-110℃まで加熱して、DMF(5mL)中の15(1.0g、6.6mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を110℃で1時間撹拌して、クラッシュアイスに流し込み、CH2Cl2によって抽出した。抽出物を塩水によって洗浄し、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、n-ヘキサン: EtOAc = 4:1)によって精製して、31を得た。白色の固体; 収率: 61.0 %; mp 89-91 °C; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.58 (s, 3H), 6.07 (s, 2H), 6.87 (q, J = 7.8 Hz, 1H), 6.95 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz,1H); 13C-NMR (CDCl3, 50 MHz): δ 30.29, 101.58, 112.51, 120.27, 121.25, 121.43, 148.00, 148.60, 195.58; Anal. calcd for C9H8O3: C, 65.85; H, 4.91. Found: C, 65.75; H, 4.93。
【0131】
6-アミノ-2,3-メチレンジオキシアセトフェノン(2)。
化合物31(0.63g、3.7mmol)は、化合物1の調製にて説明したのと同様に反応させることが可能であり、これによって化合物2を得た。黄色の固体; 収率: 48.2 %; mp 102-104 °C; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.44 (s, 3H), 5.92 (s, 2H), 6.14 (d, J = 8.6 Hz,1H), 6.72 (s, 2H), 6.89 (d, J = 8.6 Hz,1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 32.63, 101.08, 105.44, 107.71, 115.75, 136.77, 146.80, 148.78, 198.02; Anal. calcd for C9H9NO3: C, 60.33; H, 5.06; N, 7.82. Found: C, 60.31; H, 5.09; N, 7.83。
【0132】
4-ベンジルオキシ-3-メトキシアセトフェノン(35)。MeCN(60mL)中のアセトバニロン(33)(4.70g、28.3mmol)の溶液に、K2CO3(8.05g、58.3mmol)及びKI(0.20g、1.2mmol)を加えた。混合物をN2雰囲気下で撹拌して、臭化ベンジル(34)(4.0mL、34mmol)を滴下した。反応混合物を24時間還流して、その後25℃に冷却し、そして、得られた沈降物を濾過して取り除いた。濾液を濃縮して、カラムクロマトグラフィー(SiO2、n-ヘキサン: CH2Cl2 = 1:2)によって精製し、30を得た。白色の固体; 収率: 70.3 %; mp 87-88 °C; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.51 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 5.20 (s, 2H), 6.86 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.21-7.55 (m, 7H); 13C-NMR (CDCl3, 50 MHz): δ 26.19, 56.05, 70.79, 110.53, 112.13, 123.07, 127.18, 128.10, 128.68, 130.72, 136.28, 149.49, 152.41, 196.80; Anal. calcd for C16H16O3: C, 74.98; H, 6.29. Found: C, 75.02; H, 6.25。
【0133】
4-ベンジルオキシ-3-メトキシ-6-ニトロアセトフェノン(36)。AcOH(15mL)中の35(1.24g、4.83mmol)の溶液に、f. HNO3(1.5mL、36mmol)を0℃±1℃で滴下した。混合物を、25℃で24時間撹拌して、クラッシュアイスに流し込んだ。沈殿物を回収してH2Oによって洗浄した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、n-ヘキサン: EtOAc = 2:1)によって精製して、36を得た。黄色の固体; 収率: 68.8 %; mp 142-143 °C; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.46 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 5.19 (s, 2H), 6.74 (s, 1H), 7.30-7.48 (m, 5H), 7.64 (s, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 50 MHz): δ 30.41, 56.67, 71.39, 108.78, 127.56, 128.56, 128.84, 133.08, 135.19, 138.21, 148.54, 154.53, 200.13; Anal. calcd for C16H15NO5: C, 63.78; H, 5.02; N, 4.65. Found: C, 63.82; H, 5.00; N, 4.63。
【0134】
2-アミノ-4-ベンジルオキシ-5-メトキシアセトフェノン(3)。無水EtOH(100mL)中の36(1.0g、3.32mmol)の溶液に、塩化スズ二水和物(3.7g、16.4mmol)を加えた。混合物を2時間還流し、その後25℃に冷却して、5%NaHCO3溶液に流し込んだ。沈殿物を回収して、H2Oによって洗浄し、その後EtOAcによって抽出した。抽出物をH2Oによって洗浄し、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、n-ヘキサン: EtOAc = 1:1)によって精製して、7cを得た。黄色の固体; 収率: 72.2 %; mp 135-137 °C; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.39 (s, 3H), 3.66 (s, 3H), 5.03 (s, 2H), 6.38 (s,1H), 7.05 (s, 2H), 7.10 (s, 1H), 7.30-7.50 (m, 5H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 28.21, 56.94, 69.87, 100.05, 109.70, 115.40, 128.34, 128.49, 128.93, 136.83, 139.45, 148.74, 154.64, 198.06; Anal. calcd for C16H17NO3: C, 70.83; H, 6.32; N, 5.16. Found: C, 70.82; H, 6.30; N, 5.20。
【0135】
2-(2-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-オン(37)。CH2Cl2(3mL)中の16(0.2g、0.67mmol)の溶液に、5mLのBCl3溶液(CH2Cl2中に1M)を0℃±1℃で滴下した。混合物を25±1℃で2時間撹拌して、その後クラッシュアイスに流し込み、そして、EtOAcによって抽出した。有機層をH2Oによって洗浄し、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗生成物は、カラムクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3: MeOH = 15:1)によって精製して、MeOHから再結晶化し、37を得た。黄色の固体; 収率: 24.1 %; mp 268-270 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 285 (M+); IR (KBr): 1604.77 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.78 (s, 3H), 6.11 (s, 1H), 7.01 (d, J = 7.4 Hz,1H), 7.36-7.48 (m, 3H), 7.54-7.72 (m, 2H), 12.25 (s, 1H), 14.54 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 55.80, 106.22, 106.43, 112.88, 116.36 (d, J = 23 Hz), 120.81, 121.96 (d, J = 13.5 Hz), 125.04, 130.85, 132.67 (d, J = 8.6 Hz), 135.09, 141.02, 146.27, 149.29, 158.92 (d, J = 247.7 Hz), 181.97; Anal. calcd for C16H12FNO3: C, 67.36; H, 4.24; N, 4.91. Found: C, 67.32; H, 4.26; N, 4.89。
【0136】
2-(3-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-オン(38)は、17とBCl3から得られた。黄色の固体; 収率: 26.7 %; mp 274-276 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 285 (M+); IR (KBr): 1606.70 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.77 (s, 3H), 6.33 (s, 1H), 7.11 (d, J = 8.8 Hz,1H), 7.33-7.48 (m, 2H), 7.51-7.76 (m, 3H), 12.09 (s, 1H), 14.56 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 57.19, 104.82, 106.97, 113.39, 115.09 (d, J = 23 Hz), 118.06 (d, J = 21 Hz), 121.07, 124.32, 131.64 (d, J = 9.0 Hz), 135.61, 136.16 (d, J = 8.0 Hz), 141.49, 149.64, 150.12, 162.64 (d, J = 242.5 Hz), 182.69; Anal. calcd for C16H12FNO3: C, 67.36; H, 4.24; N, 4.91. Found: C, 67.35; H, 4.24; N, 4.92。
【0137】
2-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-オン(39)は、18とBCl3から得られた。黄色の固体; 収率: 23.0 %; mp 307-309 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 285 (M+); IR (KBr): 1610.56 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.76 (s, 3H), 6.25 (s, 1H), 7.08 (d, J = 9.0 Hz,1H), 7.34-7.43 (m, 3H), 7.82-7.89 (m, 2H), 12.01 (s, 1H), 14.60 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 57.19, 104.53, 106.84, 113.23, 116.47 (d, J = 22 Hz), 120.99, 130.55 (d, J = 9.0 Hz), 135.62, 141.45, 149.69, 150.64, 164.02 (d, J = 247 Hz), 182.59; Anal. calcd for C16H12FNO3: C, 67.36; H, 4.24; N, 4.91. Found: C, 67.36; H, 4.24; N, 4.92。
【0138】
2-(2-フルオロフェニル)-5,6-ジヒドロキシキノリン-4-オン(40)。無水MeOH(30mL)中の19(0.1g、0.35mmol)の溶液に、10%Pd/C(0.2g)存在下で、25±2℃、40時間水素化した。触媒を濾過して取り除き、濾液を濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc: MeOH = 30:1)によって精製して、40を得た。白色の固体; 収率: 13.7 %; mp 152-154 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 271 (M+); IR (KBr): 1622.13 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 6.03 (s, 1H), 7.15 (d, J = 8.8 Hz,1H), 7.30-7.70 (m, 6H), 9.72 (s, 1H), 11.76 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 107.67, 108.57, 116.75 (d, J = 21.5 Hz), 120.54, 122.67, 123.36, 125.42, 126.70, 131.22, 132.49, 134.35, 144.30, 154.29, 159.43 (d, J = 248.5 Hz), 176.82; Anal. calcd for C15H10FNO3: C, 66.42; H, 3.72; N, 5.16. Found: C, 66.38; H, 3.70; N, 5.15。
【0139】
2-(3-フルオロフェニル)-5,6-ジヒドロキシキノリン-4-オン(41)は、20から得られた。白色の固体; 収率: 15.0 %; mp 307-308 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 271 (M+); IR (KBr): 1608.63 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 6.25 (s, 1H), 7.15 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.30-7.50 (m, 2H), 7.50-7.80 (m, 4H), 9.72 (s, 1H), 11.60 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 106.38, 107.57, 114.65 (d, J = 23 Hz), 117.38 (d, J = 21.5 Hz), 120.91, 122.62, 123.91, 126.81, 131.52 (d, J = 8.5 Hz), 134.45, 137.17, 147.66, 154.36, 162.70 (d, J = 242 Hz), 176.82; Anal. calcd for C15H10FNO3: C, 66.42; H, 3.72; N, 5.16. Found: C, 66.43; H, 3.74; N, 5.13。
【0140】
2-(4-フルオロフェニル)-5,6-ジヒドロキシキノリン-4-オン(42)は、21から得られた。白色の固体; 収率: 13.9 %; mp 332-334 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 271 (M+); IR (KBr): 1614.42 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 6.18 (s, 1H), 7.14 (dd, J = 9.0, 2.8 Hz, 1H), 7.33-7.42 (m, 3H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.79-7.86 (m, 2H), 9.70 (s, 1H), 11.59 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 106.24, 107.68, 116.39 (d, J = 21.5 Hz), 120.71, 122.48, 126.73, 130.19 (d, J = 8.5 Hz), 131.38, 134.42, 148.24, 154.20, 163.70 (d, J = 247.5 Hz), 176.81; Anal. calcd for C15H10FNO3: C, 66.42; H, 3.72; N, 5.16. Found: C, 66.47; H, 3.69; N, 5.14。
【0141】
2-(2-フルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-オン(43)。
化合物22(0.3g、0.80mmol)は、化合物40の調製にて記載したのと同様に反応させることが可能であり、これによって43を得た。白色の固体; 収率: 61.3 %; mp 277-279 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 285 (M+); IR (KBr): 1622.13 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.82 (s, 3H), 6.04 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 7.32-7.50 (m, 3H), 7.50-7.67 (m, 2H), 10.22 (s, 1H), 11.68 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 55.52, 102.72, 105.37, 108.20, 116.28 (d, J = 22.5 Hz), 118.07, 122.94, 124.92, 130.75, 131.99 (d, J = 7.95 Hz), 136.45, 143.61, 146.58, 151.59, 158.98 (d, J = 246.9 Hz), 175.30; Anal. calcd for C16H12FNO3: C, 67.36; H, 4.24; N, 4.91. Found: C, 67.37; H, 4.26; N, 4.90。
【0142】
2-(3-フルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-オン(44)は、23から得られた。白色の固体; 収率: 44.8 %; mp 326-328 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 285 (M+); IR (KBr): 1606.70 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.81 (s, 3H), 6.24 (s, 1H), 7.12 (s, 1H), 7.27-7.42 (m, 2H), 7.47-7.70 (m, 3H), 10.20 (s, 1H), 11.44 (s, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 55.92, 103.35, 104.70, 106.67, 114.59 (d, J = 23 Hz), 117.26 (d, J = 21 Hz), 118.85, 123.85, 131.47 (d, J = 8.0 Hz), 136.85, 137.16, 146.94, 147.33, 151.93, 162.69 (d, J = 242.5 Hz), 176.37; Anal. calcd for C16H12FNO3: C, 67.36; H, 4.24; N, 4.91. Found: C, 67.32; H, 4.22; N, 4.93。
【0143】
2-(4-フルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-6-メトキシキノリン-4-オン(45)は、24から得られた。白色の固体; 収率: 42.5 %; mp 352-354 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 285 (M+); IR (KBr): 1610.56 (C=O) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.80 (s, 3H), 6.19 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 7.20-7.50 (m, 3H), 7.70-7.90 (m, 2H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 55.89, 103.50, 104.55, 106.18, 116.30 (d, J = 21.5 Hz), 118.41, 130.03 (d, J = 8.5 Hz), 131.57, 137.22, 147.00, 148.01, 152.21, 163.58 (d, J = 246 Hz), 175.93; Anal. calcd for C16H12FNO3: C, 67.36; H, 4.24; N, 4.91. Found: C, 67.39; H, 4.20; N, 4.89。
【0144】
2-(3-フルオロフェニル)-6-メトキシキノリン-4,5-ジイルビス(リン酸ジベンジル)(48)。
方法A:無水THF(20mL)中の38(0.12g、0.42mmol)の撹拌溶液に、NaH(96mg、4mmol)を0℃±1℃で加えた。1時間撹拌後、ピロリン酸テトラベンジル(46)(430mg、0.8mmol)を加えて、25分間撹拌を続けた。反応混合物を濾過して、CH2Cl2によって洗浄した。濾液を温度30℃未満の真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、n-ヘキサン: EtOAc)によって精製して、48を得た。液体;収率:95.0 %;方法B:アセトニトリル(50mL)中の38(1.85g、6.5mmol)の撹拌溶液に、CCl4(10 eq.)を-10℃で加えた。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(4.2 eq.)を加え、その後N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.2 eq.)を加えた。1分後に、リン酸ジベンジル(47)の滴下を開始した。反応がTLC判定で完了した場合、0.5M含水KH2PO4を加え、その後混合物を室温まで加温することが可能になり、そしてEtOAcによって抽出した。有機層をH2Oにより洗浄し、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EA: n-hex = 1:1)によって精製して、48を得た。液体;収率:96.0 %.化合物48: MS (EI, 70 eV): m/z 805 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.87 (s, 3H), 5.10 (s, 2H), 5.14 (s, 2H), 5.18 (s, 2H), 5.22 (s, 2H), 7.20-7.36 (m, 21H), 7.47-7.60 (m, 1H), 7.72-7.84 (m, 4H), 8.01 (d, J = 9.4 Hz, 1H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 57.27, 69.63, 69.74, 70.12, 70.23, 110.20, 113.57, 114.03, 116.23, 116.92, 117.35, 119.48, 123.28, 128.10, 128.38, 128.70, 128.79, 128.85, 128.95, 131.35, 131.51, 135.79, 135.94, 136.32, 136.47, 140.41, 140.56, 145.39, 149.74, 149.82, 153.44, 153.57, 153.92, 160.71, 165.56; Anal. (C44H38FNO9P2) C, H, N。
【0145】
2-(3-フルオロフェニル)-6-メトキシキノリン-4,5-ジイルビス(ジハイドロジェンホスフェート)(49)。無水MeOH(10mL)中の48(153mg、0.19mmol)の懸濁液は、10%Pd/C(80mg)存在下で、25℃15分間水素化した。触媒及び沈殿物を回収して、10%NaHCO3溶液に溶解し、その後濾過した。濾液をdil aq HClで酸性化し、その後、沈殿物を回収してアセトンによって洗浄し、49を得た。黄色の固体; 収率: 87 %; mp >300 °C; MS (ESI): m/z 444 (M-H)-; 1H-NMR (D2O, 200 MHz): δ 3.85 (s, 3H), 7.29 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.43-7.68 (m, 4H), 7.72-7.92 (m, 2H); Anal. (C16H14FNO9P2) C, H, N。
【0146】
2-(3-フルオロフェニル)-6-メトキシキノリン-4,5-ジイルビス(ジナトリウムホスフェート)(50)。H2O(20mL)中のNaHCO3(0.67g、8.0mmol)の撹拌溶液に、0℃±1℃で49(0.89g、2.0mmol)を加えた。添加完了後、反応混合物を氷浴から取り除き、25℃で10分間撹拌し、そして固体からの溶解が観察されなくなった後に、セライトを通して濾過した。得られた濾液(15mL)をアセトン(60mL)に流し込み、それを氷浴に1時間維持させた。沈殿物を回収して、氷冷アセトン(10mLX5)によって洗浄した。固形物を真空下で乾燥させて、50を得た。白色の固体; 収率: 52.3%; mp >300 °C; MS(ESI): m/z 534 (M + H)+; 1H-NMR (D2O, 200 MHz): δ 3.81 (s, 3H), 7.10 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 7.34-7.52 (m, 2H), 7.60-7.72 (m, 4H); Anal. (C16H10FNNa4O9P2) C, H, N。
【0147】
ジベンジル2-(3-フルオロフェニル)-6-メトキシ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-5-イルホスフェート(51)。無水MeOH(10mL)中の48(2.42mg、3.0mmol)の懸濁液を25℃で24時間撹拌した。反応混合物を温度30℃未満の真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、n-ヘキサン: EtOAc)によって精製して、51を得た。黄色の固体; 収率: 80.0 %; mp 136-138 °C; MS (ESI): m/z 544.5 (M-H)-; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.75 (s, 3H), 5.28 (s, 2H), 5.31 (s, 2H), 6.27 (s, 1H), 7.26-7.50 (m, 11H), 7.50-7.78 (m, 6H); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 57.19, 69.32, 69.44, 108.51, 114.46, 114.93, 116.74, 117.38, 119.24, 123.92, 128.04, 128.51, 128.82, 131.49, 131.65, 136.74, 137.07, 137.23, 147.00, 160.29, 176.88; Anal. (C30H25FNO6P) C, H, N。
【0148】
2-(3-フルオロフェニル)-6-メトキシ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-5-イルジハイドロジェンホスフェート(52)。化合物51(0.25g、0.46mmol)は、化合物49の調製にて記載したのと同様に反応させることが可能であり、これによって52を得た。黄色の固体; Yellow solid; 収率: 63.7 %; mp 179-181 °C; MS(ESI): m/z 366 (M + H)+; 1H-NMR (D2O + NaOD, 200 MHz): δ 3.76 (s, 3H), 6.53 (s, 1H), 7.05 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.24-7.60 (m, 5H); Anal. (C16H13FNO6P) C, H, N。
【0149】
ナトリウム2-(3-フルオロフェニル)-6-メトキシ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-5-イルホスフェート(53)。化合物52(0.73g、2.0mmol)は、化合物50の調製にて記載したのと同様に反応させることが可能であり、これによって53を得た。黄色の固体; 収率: 48.0 %; mp >300 °C; MS(ESI): m/z 410 (M + H)+; 1H-NMR (D2O, 200 MHz): δ 3.72 (s, 3H), 6.54 (s, 3H), 6.99 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.15-7.55 (m, 5H); Anal. (C16H11FNNa2O6P) C, H, N。
【0150】
I-2. 抗癌活性
化合物のインビトロ試験
MTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)アッセイ。21, 22 HL-60、HCT-116、Hep 3B、H460、デトロイト551及びHT29/FuR細胞を、明示された期間、試験化合物で処理した。処理後、細胞をPBSで一回洗浄して、MTT(シグマ、St. Louis, MO, USA)で2時間インキュベートした。ホルマザン沈殿物を150μLのDMSOに溶解し、ELISAリーダーを用いて570nmで吸光度を測定した。
【0151】
結果
5,6-(6,7-)二置換2-(フルオロフェニル)キノリン-4-オン(16=21、37=45)及びCHM-2133の細胞毒性は、HL-60、HCT-116、Hep3B、H-460及びデトロイト551正常ヒト細胞に対してスクリーニングし、結果を表1にまとめた。5、6-ジメトキシ誘導体(16-18)の中においては、3-フルオロ誘導体(17)が最も強い細胞毒性を示したが、我々のポジティブコントロールCHM-2133の細胞毒性よりは、比較的弱かった。一方、化合物19及び20とも、それらのキノリン環の5,6-位に架橋しているメチレンジオキシ種を有し、重大な細胞毒性を示したが、CHM-2133よりは弱かった。そして、3つの5-ヒドロキシ-6メトキシ誘導体(37-39)の全てが著しい細胞毒性を示す一方で、2-フェニル基に2'-又は3'-フルオロ置換基をもつ化合物37及び38は、より重大な細胞毒性を示したが、CHM-2133よりもデトロイト551正常ヒト細胞に対する毒性が低いことを示した。同様の傾向として、5,6-ジヒドロキシ(40-42)及び7-ヒドロキシ-6-メトキシ(43-45)誘導体の中では、2'-フルオロ(40,43)及び3'-フルオロ基(41、44)を有するそれらは、より大きな細胞毒性を示すことが明らかになった。一的般に、4'-フルオロフェニル誘導体(18、21、39、42及び45)の細胞毒性は、2'-フルオロフェニル誘導体(16、19、37、40及び43)及び3'-フルオロフェニル誘導体(17、20、38、41及び44)より弱いことが分かった。それらの中で、化合物37及び38は、最も見込みがある抗癌剤と考えられる。試験化合物のいずれも、デトロイト551正常ヒト細胞に対して目立った細胞毒性を示さなかった。下記及び表1は、CHM-2133及び標的化合物16-21及び37-45の構造及び細胞毒性を示している。図3A-3Cは、60のヒト癌細胞株に対する化合物3bの活性パターンの差異を示す。
【表1】
【0152】
インビボ抗腫瘍活性アッセイ。
Hep-3B腫瘍細胞株は、米国菌培養収集所(ATCC= HB-8064、ヒト肝細胞癌細胞)から購入した。培地には、90%DMEM; 10%ウシ胎児血清及び1%ペニシリン-ストレプトマイシンが含まれている。腫瘍細胞は、5%CO2を含む雰囲気において37℃でインキュベートした。
【0153】
この研究において使用したBalb/cヌードマウスは、4-6週齢のオスで、体重が18-20gであり、国立動物センターによって提供されたマウスである。全ての動物は、実験全体に渡って、特定病原体未感染(SPF)条件の下でIndividually Ventilated Cages Racks(IVC Racks, 36 Mini Isolator system)に収容した。各ケージ(長さ26.7X幅20.7X高さ14.0(cm))をオートクレーブで滅菌して、8匹のマウスを収容し、その後、動物は、明暗サイクルが12時間である、温度(20-24℃)及び湿度(40%-70%)管理下の衛生的な環境に維持した。動物は、殺菌された研究用のエサ及び殺菌された蒸留水に対して無制限な自由摂取とした。この仕事の全ての態様(即ち、動物の収容、実験及び処理)は、実験動物の管理と使用に関する指針(National Academy Press, Washington, D. C., 1996)に全体的には従って実行された。
【0154】
オスBalb/cヌードマウスのヒト肝細胞癌細胞株(Hep-3B, ATCC HB-8064)の異種移植腫瘍モデルにおいて、7.5、15及び30mg/kg(i.v.又はp.o., bid)の投薬での化合物49を、i.v.又はp.o.によって週に5日、4週連続で投与して、28日目に終了した。7.5、15及び30mg/kg(i.v.又はp.o., qd)の投薬での化合物52を、週に5日、4週連続で投与して、28日目に終了した。腫瘍サイズ、体重は、28日間モニターして、記録した。0.1ml中に2×106の細胞を有するヒト肝細胞癌細胞(HEP-3B、ATCC HB-8064)をマウスの右脇腹に皮下的に注射した。腫瘍成長が体積で>100 mm3に到達すると(これを0日目とみなす)、担癌動物を研究のためにいくつかグループ(各グループに8匹の動物)に割り当てた。
【0155】
体重及び腫瘍サイズは、28日間の実験期間の間、7日ごとに測定して記録した。腫瘍体積(mm3)は、長さX(幅)2X0.5(mm3)の化学式に従って評価した。腫瘍成長阻害は、次の化学式によるT/C(治療/コントロール)として算出された:T/C = (Tn - T0)/(Cn - C0) x 100%(T0: 0日目における治療グループの腫瘍体積;Tn: n日目における治療グループの腫瘍体積;C0: 0日目におけるコントロールグループの腫瘍体積;Cn: n日目におけるコントロールグループの腫瘍体積)。
【0156】
結果
化合物49及び52のインビボ抗腫瘍活性。38の水溶性ジホスフェート(49)は、p.o.及びi.v.ルートによって投与されたHep3B異種移植ヌードマウスモデルにおいて評価した。図4(A-F)の結果は、化合物49の抗腫瘍活性が用量依存的及び時間依存的に従うこと、そして、7.5mg/kg(i.v.又はp.o., bid)においてその抗腫瘍活性は、ドキソルビシン(5 mg/kg, i.v., qd; 10 mg/kg, p.o., qd)のものを超えることを示している。抗腫瘍評価中に、有意な体重変化は、試験又はコントロールマウスのいずれにも検出されなかった(図4C及び4F)。同時に、化合物38の一リン酸塩誘導体(52)の抗腫瘍活性は、7.5、15、30mg/kg/日の投薬での経口ルートによって同じ動物モデルで評価した(図5A-5F)図5Aの結果で示すように、化合物52は、Hep3B腫瘍成長に対して用量依存的及び時間依存的阻害を誘導した。ドキソルビシンの10mg/kg/日の経口投薬後に観察されるものを超える程度の有意な腫瘍成長抑制は、化合物52の7.5mg/kg/日の経口投薬後に検出された。ほぼ完全な腫瘍抑制は、30mg/kg/日の経口投薬後に観察された。また抗腫瘍評価中に、有意な体重変化は、試験又はコントロールマウスのいずれにおいても検出されなかった。同様に、i.v.投与による用量依存的及び時間依存的抗腫瘍試験結果は、図5Bにまとめられており、 p.o.ルートによる投与に似ており、全体的にわずかに良好な抗腫瘍活性を示している。
【0157】
II. B シリーズ
化学合成
中間型である、5-アルキルアミノ-2-アミノアセトフェノン(60-62)を報告済みの方法に従って調製した。スキーム6に示すように、まず始めに開始物質3-クロロアセトフェノン(54)をHNO3/H2SO4によってニトロ化して、5-クロロ-2-ニトロアセトフェノン(55)及び5-クロロ-4-ニトロアセトフェノン(56)を形成した。化合物55を様々なアルキルアミンによって別々に反応させて、対応する5-アルキルアミノ-2-ニトロアセトフェノン(57-59)を生産した。化合物57-59を触媒的水素化して、対応する5-アルキルアミノ-2-アミノアセトフェノン(60-62)を生産した。L. Li, K. K. Wang, S. C. Kuo, T. S. Wu, D. Lednicer, C. M. Lin, E. Hamel and K. H. Lee, J. Med. Chem., 37, 1126-35. (1994)は、その全てが参照によって本願明細書に組み込まれる。
【0158】
【0159】
その他の中間体である、置換ベンゾイルクロリド(83-91)の合成は、スキーム7及びスキーム8に図示されている。置換安息香酸(63-67)をエステル化して、対応するエステル(68-72)を生産した。化合物68-71を臭化ベンジルにより処理して、対応するベンジルオキシ誘導体(73-76)を生産した。一方では、化合物72をジヨードメタンで処理してエチル5,6-メチレンジオキシベンゾアート(methylenedioxobenzoate)(77)を得た。化合物73-77をNaOHによって加水分解して、対応する酸(78-82)を産生すると、それらをSOCl2と反応させて対応する酸塩化物(83-87)を得ることができた。
【0160】
最後に、スキーム8に示すように、5-アルキルアミノ-2-アミノアセトフェノン(60-62)を置換ベンゾイルクロリド(83-91)と別々に反応させて対応するアミド(92-112)を生産し、続いてそれらをNaOH存在下のジオキサンにおいて環化して、標的化合物(113-133)を得た。
【0161】
化合物138は、スキーム10における合成方法に従って、リン酸塩(147)に誘導させた。図示するように、まず初めに化合物138をNaH存在下におけるTHF中のピロリン酸テトラベンジル(tetrabenylpyrophosphate)46と反応させて、ビス(リン酸ジベンジル)(145)を得て、その後、更に精製することなくMeOHに溶解して25℃で撹拌し、一リン酸塩(146)を生産した。化合物146の構造は、1H-NMRスペクトルにおいて3-位におけるその陽子の化学シフト(δ6.39)によって確認した。その後、化合物146を触媒的に脱ベンジル化して、安定一リン酸(147)を得た。
【0162】
【0163】
実施例
一般的な実験手順。溶媒及び試薬の全ては、商業的に得られ、更に精製することなく使用した。全ての反応の経過は、厚さ0.25mmの2 X 6 cmプレコートシリカゲル60 F254プレート(メルク)を用いたTLCによって調べた。クロマトグラムは、UV 254=366 nm下で視覚化した。次の吸着剤をカラムクロマトグラフィーのために使用した:シリカゲル60(メルク、粒子径0.040=0.063 mm)。融点は、Yanaco MP-500D融点装置によって決定し、校正はしなかった。IRスペクトルは、KBr錠剤法により島津IR-Prestige-21分光光度計にて記録した。NMRスペクトルは、Bruker Avance DPX-200FT-核磁気共鳴分光計によりCDCl3又はDMSO中で得られた。次の略称を用いている:s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;dd、二重の二重線:及びm (多重線)。元素分析(C、H及びN)は、国立中興大学(台湾、台中)の機器センターで実施し、Perkin-Elmer 2400 Series II CHNS/O analyzer又はElementar vario EL III Heraeus CHNOS Rapid F002で実行し、結果は計測値の±0.4%内であった。
【0164】
5-クロロ-2-ニトロアセトフェノン(55)。65%HNO3(80ml)を-5℃±1℃で撹拌して、98%H2SO4(10mlx10)を滴下した。HNO3/H2SO4の撹拌溶液に、3-クロロアセトフェノン(54)(12.0g、77.6mmol)を加えた。混合物を-5℃±1℃で3時間撹拌して、クラッシュアイスに流し込み、CH2Cl2を用いて抽出した。抽出物は、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n-ヘキサン/EtOAc =15:1)によって精製し黄色の固体として55(9.3g、46.6mmol)を与えた。収率: 55.8%; mp 47-49 °C; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.48 (s, 3H), 7.32 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 8.8,2.2 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 8.8 Hz, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 198.27, 143.78, 141.05, 139.44, 130.55, 127.36, 125.91, 30.06; Anal. Calcd for C8H6ClNO3: C,48.14; H,3.03; N,7.02。
【0165】
5-モルホリノ-2-ニトロアセトフェノン(57)。DMF(25ml)中の55(3.0g、15.0mmol)の溶液に、K2CO3(8.3g、60.1mmol)及びモルフォリン(3.2g、37.5mmol)を加えた。混合物3時間還流して、クラッシュアイスに流し込んだ。沈殿物を回収してH2Oにより洗浄した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2: n-ヘキサン= 2:1)によって精製して黄色の固体の57(3.4g、13.6mmol)を得た。収率: 90.4%; mp 124-126 °C; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.45 (s, 3H), 3.33-3.38 (m, 4H), 3.78-3.82 (m, 4H), 6.53 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.78 (dd, J = 9.4, 2.8 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 9.4 Hz, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 201.30, 154.60, 141.53, 134.90, 127.04, 112.88, 109.83, 66.20, 46.84, 30.52; Anal. Calcd for C12H14N2O4: C,57.59; H,5.64; N,11.19。
【0166】
57に関するものと同じ合成手法を使用して、5-ピロリジノ-2-ニトロアセトフェノン(58)を30及びピロリジンから取得して、黄色の固体の58(3.2g、13.7mmol)を与た; 収率 90.9%; mp 119-121 °C; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.04 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 3.37 (m, 4 H), 6.19 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.44 (dd, J = 9.4, 2.6 Hz,1H), 8.02 (d, J = 9.4 Hz, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 200 MHz) δ: 201.80, 151.61, 142.16, 132.54,127.37, 111.08, 107.87, 48.07, 30.58, 25.37; Anal. Calcd for C12H14N2O3: C,61.53; H,6.02; N,11.96。
【0167】
57に関するものと同じ合成手法を使用して、5-ジメチルアミノ-2-ニトロアセトフェノン(59)を30及びジメチルアミン塩酸塩から取得して、黄色の固体の59(2.3g、11.0mmol)を得た; 収率 88.2%; mp 125-127 °C; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.45 (s, 3H), 3.08 (s, 6H), 6.31 (d, J= 2.8 Hz, 1H), 6.58 (dd, J= 9.4, 2.8 Hz,1H), 8.02 (d, J= 9.4 Hz, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 201.76, 153.98, 141.88, 133.02, 127.19, 110.83, 107.66, 40.30, 30.56。
【0168】
5-モルホリノ-2-アミノアセトフェノン(60)。CH2Cl2(30ml)中の57(1.5g、5.9mmol)の溶液を10%Pd/C(0.4g)存在下で、25℃、8時間水素化した。触媒を濾過して取り除き、濾液を濃縮して、黄色の個体の60を得た。(1.25g、5.68mmol); 収率 94.6%; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δδ 2.45 (s, 3H), 2.9 (m, 4H), 3.68 (m, 4H), 6.67 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.78 (br, 2H), 7.02-7.11 (m, 2H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 200.44, 145.61, 141.51, 126.37, 119.26, 118.40, 118.22, 66.96, 51.57, 27.93; Anal. Calcd for C12H16N2O2: C,65.43; H,7.32; N,12.72。
【0169】
60に関するものと同じ合成手法を使用して、5-ピロリジノ-2-アミノアセトフェノン(61)を58から取得し、オレンジ色の固体の61(1.2g、5.9mmol)を得た; 収率 91.8%; 1H-NMR (CDCl3-d6, 200 MHz): δ 1.86 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 3.10 (m, 4H), 6.42 (br, 2H), 6.62-6.77 (m, 3H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 200.56, 143.11, 139.23, 121.91, 118.59, 117.86, 113.03, 48.57, 28.47, 25.9; Anal. Calcd for C12H16N2O: C,70.56; H,7.90; N,13.71。
【0170】
60に関するものと同じ合成手法を使用して、5-ジメチルアミノ-2-アミノアセトフェノン(62)を59から取得し、オレンジ色の固体の62(1.8g、10.1mmol)を得た; 収率 91.5%; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.45 (s, 3H), 2.71 (s, 6H), 6.64-6.69 (m, 2H), 6.96-7.00 (m, 3H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ: 200.49, 144.66, 141.42, 124.49, 118.46, 117.37, 115.79, 42.34, 28.42。
【0171】
エチル2-ヒドロキシベンゾアート(68)。無水EtOH(150ml)中の2-ヒドロキシ安息香酸(63)(5.0g、36.2mmol)の溶液に、98%H2SO4(4ml)を加えた。混合物を4時間還流して、濃縮させた。残留物をCH2Cl2によって抽出し、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗生成物を蒸留によって精製し、無色の液体の68を得た。(5.85g、35.21mmol)。収率: 97.25%; MS (EI, 70 eV): m/z 166.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 1.39 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 4.37 (q, J = 7.2, 7.0 Hz, 2H), 6.81 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.42 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.82 (dd, J1 = 8.0, 1.8 Hz, 1H), 10.83 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 170.20, 161.64, 135.56, 129.89, 119.06, 117.53, 61.40, 14.18; Anal. Calcd for C9H10O3: C,65.05; H,6.07。
【0172】
38に関するものと同じ合成手法を使用して、エチル3-ヒドロキシベンゾアート(69)を64から取得し、白色の固体の39を得た。(3.4g、20.5mmol); 収率 94.2%; mp 60-62 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 166.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 1.36 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 4.35 (q, J = 7.2, 7.0 Hz, 2H), 5.55 (s, 1H), 7.07 (dd, J = 2.6, 1.2 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.55 -7.62 (m, 2H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 167.15, 156.07, 131.50, 129.69, 121.36, 120.36, 116.36, 61.43, 14.23; Anal. Calcd for C9H10O3: C,65.05; H,6.07。
【0173】
68に関するものと同じ合成手法を使用して、エチル4-ヒドロキシベンゾアート(70)を65から取得し、白色の固体の70を得た。(5.3g、31.9mmol); 収率 88.2%; mp 105-107 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 166.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 1.36 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 4.33 (q, J = 7.2, 7.0 Hz, 2H), 6.84 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 7.95 (d, J = 1.8 Hz, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 167.13, 160.38, 131.91, 122.44, 115.26, 61.01, 14.30; Anal. Calcd for C9H10O3: C,65.05; H,6.07。
【0174】
68に関するものと同じ合成手法を使用して、エチル3-メトキシ-4-ヒドロキシベンゾアート(71)を66から取得し、茶色の液体の71を得た。(6.3g、32.1mmol); 収率 90.9%; MS (EI, 70 eV): m/z 196.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 1.35 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 3.93 (s, 3H), 4.32 (q, J = 7.2, 7.0 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.62 (dd, J= 8.2, 1.8 Hz, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 166.44, 149.91, 146.13, 124.10, 122.62, 113.99, 111.70, 60.79, 56.09, 14.37; Anal. Calcd for C10H12O4: C,61.22; H,6.16。
【0175】
68に関するものと同じ合成手法を使用して、エチル2,3-ジヒドロキシベンゾアート(72)を67から取得し、白色の固体の72を得た。(5.4g、29.6mmol); 収率 91.4%; mp 92-94 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 182.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 1.40 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 4.38 (q, J = 7.2, 7.0 Hz, 2H),5.18 (br, 1H), 6.70-7.40 (m, 3H), 10.97 (br, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 170.38, 148.90, 145.00, 120.55,119.71, 119.45, 119.10, 112.63,61.61, 14.13; Anal. Calcd for C10H12O4: C,59.34; H,5.53。
【0176】
エチル2-(ベンジルオキシ)ベンゾアート(73)。CH3CN(150ml)中の68(5.8g、34.9mmol)の溶液に、K2CO3(10.6 g,76.8mmol)を加えた。混合物を臭化ベンジル(6.57g、38.39mmol)に加えて、N2雰囲気下で8時間還流した。反応混合物を25℃まで冷して、H2O(500ml)に流し込み、その後、CH2Cl2によって抽出した。有機層をH2Oにて洗浄し、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗生成物を蒸留によって精製し、無色の液体の73を得た。(8.5g、33.2mmol)。収率: 94.71%; MS (EI, 70 eV): m/z 256.3 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 1.33 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 4.35 (q, J = 7.2, 7.0 Hz, 2H), 5.15 (s, 2H), 7.00 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.32-7.45 (m, 5H), 7.49 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.82 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 166.60, 158.01, 136.77, 133.25, 131.69, 128.49, 127.80, 126.99, 121.20, 120.56, 113.75, 70.57, 60.93, 14.29; Anal. Calcd for C16H16O3: C,74.98; H,6.29。
【0177】
73に関するものと同じ合成手法を使用して、エチル3-(ベンジルオキシ)ベンゾアート(74)を69から取得し、無色の液体の74を得た。(4.05g、15.80mmol); 収率 77.3%; MS (EI, 70 eV): m/z 256.3 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 1.39 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 4.37 (q, J = 7.2, 7.0 Hz, 2H), 5.08 (s, 2H), 7.17-7.72 (m, 9H); 13C- NMR (CDCl3, 200 MHz) δ:166.42, 158.76, 136.66, 131.90, 129.48, 128.67, 128.14, 127.62, 122.24, 119.96, 115.26, 70.14, 61.09, 14.38; Anal. Calcd for C16H16O3: C,74.98; H,6.29。
【0178】
73に関するものと同じ合成手法を使用して、エチル4-(ベンジルオキシ)ベンゾアート(75)を70から取得して、無色の液体の75を得た。(7.6g、29.6mmol); 収率 92.5%; MS (EI, 70 eV): m/z 256.3 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 1.35 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 4.32 (q, J = 7.2, 7.0 Hz, 2H), 5.09 (s, 2H), 6.95 (d, J = 2.0 Hz,1H), 6.98 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.31-7.41 (m, 5H), 7.95 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 2.0 Hz, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 166.36, 162.39, 136.28, 131.55, 129.02, 128.67, 128.19, 127.48, 123.18, 114.41, 70.08, 60.65, 14.37; Anal. Calcd for C16H16O3: C,74.98; H,6.29。
【0179】
73に関するものと同じ合成手法を使用して、エチル4-(ベンジルオキシ)-3-メトキシベンゾアート(76)を71から取得して、茶色の固体の76を得た。(8.5g、29.7mmol); 収率 91.5%; mp 73-75 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 286.4 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δδ 1.35 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 3.91 (s, 3H), 4.32 (q, J = 7.2, 7.0 Hz, 2H), 5.18 (s, 2H), 6.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.27-7.62 (m, 7H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 166.38, 152.01, 149.12, 136.40, 128.64, 128.05, 127.22, 123.29, 112.46, 70.77, 60.79, 56.07, 14.39; Anal. Calcd for C17H18O4: C,71.31; H,6.34。
【0180】
73に関するものと同じ合成手法を使用して、エチル2,3-メチレンジオキシベンゾアート(77)を72及びジヨードメタンから取得して、無色の液体の77を得た。(2.8g、14.4mmol); 収率 87.6%; mp 90-92 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 194.1 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 1.35 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 4.34 (q, J = 7.2, 7.0 Hz, 2H), 6.04 (s, 2H), 6.80 (t, J = 7.8 Hz, 3H), 6.92 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 7.37 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 164.42, 148.68, 148.41, 122.66, 121.10, 113.28, 112.12, 101.83, 60.98, 14.30; Anal. Calcd for C10H10O4:C,61.85; H,5.19。
【0181】
2-(ベンジルオキシ)安息香酸(78)。
H2O(150ml)中の73(4.0g、15.6mmol)の懸濁液に、NaOH(3.1g、78.0mmol)及びEtOH(5ml)を加えた。混合物を12時間還流して、25℃まで冷却した。固体を濾過して、濾液を2N HClにより酸性化した。沈殿物を回収して、H2Oにより洗浄した。粗生成物を再結晶化して白色の固体の78を得た。(3.0g、13.2mmol)。収率: 84.6%; mp 73-75 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 228.3 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 5.27 (s, 2H), 7.08-7.54 (m, 8H), 6.93 (dd, J = 8.0, 1.8 Hz, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 165.43, 157.40, 135.02, 134.34, 133.88, 129.16, 127.92, 122.44, 118.09, 113.11, 72.23; Anal. Calcd for C14H12O3: C,73.67; H,5.30。
【0182】
48に関するものと同じ合成手法を使用して、3-(ベンジルオキシ)安息香酸(79)を74から取得して、白色の固体の49を得た。(3.1g、13.6mmol)。収率: 87.4%; mp 120-122 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 228.3 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.37 (br, 1H), 5.12 (s, 2H), 7.19-7.50 (m, 9H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ: 167.55, 18.77, 137.26, 132.69, 130.19, 128.90, 128.33, 128.10, 122.25, 120.15, 115.36; Anal. Calcd for C14H12O3: C,73.67; H,5.30。
【0183】
78に関するものと同じ合成手法を使用して、4-(ベンジルオキシ)安息香酸(80)を75から取得して、白色の固体の80を得た。(6.2g、27.2mmol)。収率: 92.0%; mp 195-197 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 228.3 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 5.10 (s, 2H), 6.96 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.00 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.28-7.44 (m, 5H), 7.82 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 2.0 Hz, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ: 168.50, 161.37, 137.20, 131.53, 128.91, 128.37, 128.21, 127.00, 114.55, 69.78; Anal. Calcd for C14H12O3: C,73.67; H,5.30。
【0184】
78に関するものと同じ合成手法を使用して、4-(ベンジルオキシ)-3-メトキシ安息香酸(81)を76から取得して、白色の固体の81を得た。(7.6g、29.4mmol)。収率: 99.5%; mp 159-162 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 258.3 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.76 (s, 3H), 5.11 (s, 2H), 7.10 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.29-7.43 (m, 6H), 7.50 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ: 167.53, 152.03, 149.01, 136.99, 128.92, 128.38, 123.68, 123.47, 112.86, 112.58, 70.30, 55.94; Anal. Calcd for C15H14O4: C,69.76; H,5.46。
【0185】
78に関するものと同じ合成手法を使用して、2,3-メチレンジオキシ安息香酸(82)を77から取得して、白色の固体の82を得た。(2.3g、13.8mmol)。収率: 96.0%; mp 188-190 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 166.2 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 6.07 (s, 2H), 7.05 (d, J =8.2 Hz, 1H ), 7.25 (t, J =7.6 Hz, 1H), 7.06 (dd, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 12.95 (br, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ: 165.56, 148.91, 148.51, 122.94, 121.58, 113.80, 112.46, 102.11; Anal. Calcd for C8H6O4: C,57.84; H,3.64。
【0186】
2-ベンジルオキシベンゾイルクロリド(83)。
無水トルエン(150ml)中の78(3.1g、13.6mmol)の懸濁液に、SOCl2(12.9g、109.1mmol)を加えた。混合物を8時間還流して濃縮し、黄色の液体の83を得た。これを、次のステップで直接使用した。(2.55g、10.3mmol)。収率:79.07%。
【0187】
53に関するものと同じ合成手法を使用して、3-ベンジルオキシベンゾイルクロリド(84)を79から取得し、黄色の液体の54を得た。これを、直接次のステップで使用した。(2.5g、10.1mmol)。収率:74.2%。
【0188】
53に関するものと同じ合成手法を使用して、4-ベンジルオキシベンゾイルクロリド(85)を80から取得し、黄色の液体の55を得た。これを、次のステップで直接使用した。(2.4g、9.7mmol)。収率:79.5%。
【0189】
83に関する同じ合成手法を使用して、4-ベンジルオキシ-3-メトキシベンゾイルクロリド(86)を81から取得し、茶色の液体の86を得た。これを、次のステップで直接使用した。
(4.5g、16.3mmol)。収率:84.6%。
【0190】
83に関するもとの同じ合成手法を使用して、2,3-メチレンジオキシベンゾイルクロリド(87)を82から取得し、白色の固体の87を得た。これを、次のステップで直接使用した。(1.7g、9.2mmol)。収率:76.5%。
【0191】
53に関するものと同じ合成手法を使用して、2,3-ジメトキシベンゾイルクロリド(88)を83から取得して、黄色の液体の58を得た。これを、次のステップで直接使用した。(2.8g、14.0mmol)。収率:84.8%。
【0192】
55に関するものと同じ合成手法を使用して、2,5-ジメトキシベンゾイルクロリド(89)を84から取得して、黄色の液体の59を得た。これを、次のステップで直接使用した。(2.3g、11.5mmol)。収率:83.5%。
【0193】
N-(2-アセチル-4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルオキシベンズアミド(92)。THF(150ml)中の60(1.3g、5.9mmol)の溶液に、Et3N(8ml)を加えた。混合物を0℃で撹拌し、83(1.7g、7.1mmol)を滴下した。反応混合物を25℃で2時間撹拌して、クラッシュアイスに流し込み、CH2Cl2によって抽出した。抽出物をH2Oにより洗浄して、MgSO4を通じて乾燥させて濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2)によって精製し、黄色の固体の92を得た。(2.1g、4.9mmol)。収率: 83.3%; mp 144-146 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 430.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.51 (s, 3H), 3.14 (m, 4H), 3.87 (m, 4H), 5.46 (s, 2H), 6.95-7.05 (m, 2H), 7.15 (dd, J = 9.2, 3.0 Hz, 1H), 7.22-7.44 (m, 7H), 8.10 (dd, J = 7.6, 1.8 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.25 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 201.16, 164.61, 156.37, 136.77, 132.69, 132.11, 128.54, 127.79, 126.98, 125.30, 123.69, 122.22, 121.16, 117.82, 113.28, 70.46, 66.78, 49.94, 28.58; Anal. Calcd for C26H26N2O4; C,72.54; H,6.09; N,6.51。
【0194】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ピロリジノフェニル)-2-ベンジルオキシベンズアミド(93)を61及び83から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3/n-ヘキサン=10:1)によって精製し、黄色の固体の93を得た。(1.6g、3.9mmol); 収率 76.4%; mp 160-161 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 414.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.02 (m, 4H), 2.51 (s, 3H), 3.30 (m, 4H),5.45 (s, 2H), 6.85-7.45(m, 10H), 8.1 (dd, J = 7.8, 1.6 Hz, 1H), 8.67 (d, J = 9.2 Hz,1H), 12.07 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 201.71, 164.15, 156.31, 143.73, 136.68, 132.02, 128.52, 127.74, 12.700, 125.89, 124.04, 121.10, 117.30, 113.25, 112.63, 70.45, 47.89, 28.62, 25.44; Anal. Calcd for C26H26N2O3; C,75.34; H,6.32; N,6.76。
【0195】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ジメチルアミノフェニル)-2-ベンジルオキシベンズアミド(94)を62及び53から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl2)によって精製し、黄色の固体の94を得た。(2.2g、5.7mmol); 収率 77.7%; mp 132-134 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 388.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.51 (s, 3H), 2.95 (s, 6H), 5.46 (s, 2H), 7.00 (dd, J = 9.2, 2.6 Hz, 1H), 7.05-7.45(m, 9H), 8.10 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 8.71 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.13 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 201.55, 164.34, 156.34, 146.04, 136.83, 132.49, 132.05, 130.31, 128.53, 127.77, 127.01, 125.03, 123.95, 123.85, 121.12, 118.81, 114.34, 113.28, 70.47, 41.03, 28.59; Anal. Calcd for C24H24N2O3; C,74.21; H,6.23; N,7.21。
【0196】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-モルホリノフェニル)-3-ベンジルオキシベンズアミド(95)を60及び84から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3/n-ヘキサン=8、:1)によって精製し、黄色の固体の95を得た。(1.15g、2.67mmol); 収率 84.1%; mp 140-142 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 430.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.67 (s, 3H), 3.13 (m, 4H), 3.9 (m, 4H), 5.13 (s, 2H), 6.95 (m, 1H), 7.05 (m, 1H), 7.22 (m, 1H), 7.23-7.41(m,7H), 8.10 (m, 1H), 8.37 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.35 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 203.05, 165.46, 159.14, 136.66, 136.48, 134.56, 129.82, 128.60, 128.06, 127.61, 123.38, 122.94, 122.04, 119.47, 119.09, 118.41, 113.44, 70.14, 66.75, 49.87, 28.58; Anal. Calcd for C26H26N2O4; C,72.54; H,6.09; N,6.51。
【0197】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ピロリジノフェニル)-3-ベンジルオキシベンズアミド(96)を61及び84から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/n-ヘキサン=5:1 )によって精製し、黄色の固体の96を得た。(1.05g、2.53mmol); 収率 74.1%; mp 131-133 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 414.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.02 (m, 4H), 2.67 (s, 3H), 3.30 (m, 4H), 5.14 (s, 2H), 6.83-7.67 (m, 11H), 8.78 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.20 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 203.51, 165.07, 159.12, 143.54, 136.88, 136.75, 129.71, 128.59, 128.02, 127.62, 123.32, 122.33, 119.41, 118.85, 118.54, 113.34, 110.89, 70.13, 47.99, 28.57, 25.42; Anal. Calcd for C26H26N2O3; C,75.34; H,6.32; N,6.76。
【0198】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ジメチルアミノフェニル)-3-(ベンジルオキシ)ベンズアミド(97)を62及び84から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2)によって精製し、黄色の固体の97を得た。(1.6g、4.1mmol); 収率 73.4%; mp 147-149 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 388.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.66 (s, 3H), 2.94 (s, 6H), 5.14 (s, 2H), 6.83 (d, J= 6.4 Hz, 1H), 7.13-7.69 (m, 10 H), 7.57-7.67 (m, 2H), 8.80 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 12.26 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 203.43, 165.18, 159.12, 146.03, 136.74, 131.68, 129.75, 128.60, 128.04, 127.63, 123.11, 122.11, 119.78, 119.43, 118.90, 114.71, 113.38, 70.12, 40.88, 28.57; Anal. Calcd for C24H24N2O3; C,74.21; H,6.23; N,7.21。
【0199】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-モルホリノフェニル)-4-ベンジルオキシベンズアミド(98)を60及び85から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/CH2Cl2 =1:2 )によって精製し、黄色の固体の98を得た。(1.5g、3.5mmol); 収率 64.0%; mp 172-175 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 430.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.67 (s, 3H), 3.14 (m, 4H), 3.88 (m, 4H), 5.05 (s, 2H), 6.99-7.43 (m, 9H), 7.97 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 2.0 Hz,1H), 8.86 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.30 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 203.13, 165.27, 163.55, 161.66, 146.00, 136.37, 135.19, 132.83, 129.28, 128.67, 128.17, 127.48, 123.68, 122.71, 122.01, 118.62, 114.86, 70.13, 66.70, 50.09, 28.63; Anal. Calcd for C26H26N2O4; C,72.54; H,6.09; N,6.51。
【0200】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ピロリジノフェニル)-4-ベンジルオキシベンズアミド(99)を61及び85から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/CH2Cl2 =1:4 )によって精製し、黄色の固体の99を得た。(1.6g、3.9mmol); 収率 71.7%; mp 175-178 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 414.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.03 (m, 4H), 2.66 (s, 3H), 3.29 (m, 4H), 5.12 (s, 2H), 6.84 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.07 -6.97 (m, 3H), 7.40-7.33 (m, 5H), 7.98 (d, J = 7.6 Hz,1H), 8.01 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 8.78 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.15 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 203.62, 164.90, 162.20, 161.40, 143.38, 136.46, 130.93, 129.14, 128.66, 128.13, 127.92, 127.49, 123.11, 122.27, 118.68, 114.76, 113.23, 70.10, 47.95, 28.63, 25.42; Anal. Calcd for C26H26N2O3; C,75.34; H,6.32; N,6.76。
【0201】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ジメチルアミノフェニル)-4-(ベンジルオキシ)ベンズアミド(100)を62及び85から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2)によって精製し、黄色の固体の100を得た。(1.7g、4.4mmol); 収率 65.0%; mp 139-140 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 388.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.66 (s, 3H), 2.94 (s, 6H), 5.10 (s, 2H), 7.00-7.06 (m, 3H), 7.17 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.33-7.44 (m, 5H), 7.97 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.80 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.19 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 203.50, 165.00, 161.49, 145.80, 136.44, 132.21, 129.19, 128.66, 128.14, 127.78, 127.49, 122.91, 122.06, 120.06, 114.80, 70.11, 40.97, 28.60; Anal. Calcd for C24H24N2O3; C,74.21; H,6.23; N,7.21。
【0202】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-モルホリノフェニル)-4-(ベンジルオキシ)-3-メトキシベンズアミド(101)を60及び86から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/n-ヘキサン=5:1 )によって精製し、黄色の固体の101を得た。(1.9g、4.1mmol); 収率 82.6%; mp 192-194 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 460.2 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.67 (s, 3H), 3.13(m, 4H), 3.86(m, 4H), 5.22(s, 2H), 6.93 (d, J = 8.4 Hz, 1H),7.54 (dd, J = 9.2, 2.8 Hz,1H), 7.30-7.45 (m,6H), 7.54 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.84 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.15 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 203.09, 165.26, 151.16, 149.59, 136.52, 134.94, 128.65, 128.02, 127.90, 127.21, 123.58, 122.72, 121.90, 120.03, 118.43, 112.91, 111.14, 70.88, 66.77, 56.08, 49.95, 28.59; Anal. Calcd for C27H28N2O5; C,70.42; H,6.13; N,6.08。
【0203】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ピロリジノフェニル)-4-(ベンジルオキシ)-3-メトキシベンズアミド(102)を61及び86から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/n-ヘキサン=3:1 )によって精製し、黄色の固体の102を得た。(2.0g、4.5mmol); 収率 83.6%; mp 152-154 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 444.6 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.04 (m, 4H), 2.66 (s, 3H), 3.30 (m, 4H), 3.98 (s, 3H), 5.22 (s, 2H), 6.84 (dd, J = 9.2, 2.8 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 8.4 Hz,1H), 7.97 (m, 1H), 7.24-7.45 (m, 5H), 7.53 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.77 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.17 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 203.09, 165.26, 151.16, 149.59, 136.52, 134.94, 128.65, 128.02, 127.90, 127.21, 123.58, 122.72, 121.90, 120.03, 118.43, 112.91, 111.14, 70.88, 66.77, 56.08, 49.95, 28.59; Anal. Calcd for C27H28N2O4; C,72.95; H,6.35; N,6.30。
【0204】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-モルホリノフェニル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-カルボキサミド(103)を60及び87から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3/n-ヘキサン=10:1 )によって精製し、黄色の固体の103を得た。(1.06g、2.88mmol); 収率 79.3 %; mp 150-152 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 368.5 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.62 (s, 3H), 3.15 (m, 4H), 3.89 (m, 4H), 6.17 (s, 2H), 6.90-6.96 (m, 2H), 7.50 (dd, J = 9.2, 2.8 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 6.6, 2.8 Hz, 1H), 7.38 (m, 1H), 8.70 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 11.87 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 2201.77, 162.60, 148.12, 145.80, 133.50, 124.69, 123.63, 122.57, 121.95, 121.78, 118.29, 116.95, 111.51, 101.79, 66.60, 50.07, 28.59; Anal. Calcd for C20H20N2O5; C,65.21; H,5.47; N,7.60。
【0205】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ピロリジノフェニル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-カルボキサミド(104)を61及び87から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/n-ヘキサン=8:1 )によって精製し、黄色の固体の104を得た。(0.8g、2.3mmol); 収率 57.9%; mp 139-141 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 352.1 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.01 (m, 4H), 2.61 (s, 3H), 3.31 (m, 4H), 6.17 (s, 2H), 6.81-7.01 (m, 4H), 7.50 (dd, J = 6.2, 3.2 Hz, 1H), 8.60 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 11.87 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ 202.25, 162.21, 148.06, 145.67, 125.24, 124.01, 121.98, 121.68, 117.32, 111.22, 101.70, 48.37, 48.56, 25.38; Anal. Calcd for C20H20N2O4; C,68.17; H,5.72; N,7.95。
【0206】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-モルホリノフェニル)-2,3-ジメトキシベンズアミド(105)を60及び88から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3/n-ヘキサン=10:1 )によって精製し、黄色の固体の105を得た。(1.5g、3.9mmol); 収率 78.2 %; mp 146-148 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 384.5 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.61 (s, 3H), 3.15 (m, 4H), 3.87 (m, 4H), 3.99 (s, 3H), 4.05 (s, 3H), 6.99- 7.62 (m, 5H), 8.78 (d, J =9.2 Hz, 1H), 12.15 (s, 1H);13C- NMR (CDCl3, 200 MHz) δ 201.30, 164.52, 152.94, 147.73, 146.29, 133.20, 128.39, 125.43, 124.01, 123.71, 122.50, 122.19, 117.98, 115.51, 66.67, 61.61, 56.09, 50.03, 28.58; Anal. Calcd for C21H24N2O5; C,65.61; H,6.29; N,7.29。
【0207】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ピロリジノフェニル)-2,3-ジメトキシベンズアミド(106)を61及び88から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/n-ヘキサン=10:1 )によって精製し、黄色の固体の106を得た。(1.4g、3.8mmol); 収率 77.6 %; mp 137-140 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 368.5 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.00 (m, 4H), 2.59 (s, 3H), 3.28 (m, 4H), 3.86 (s, 3H), 3.98 (s, 3H), 6.74 (m, 4H), 7.14-6.92 (m, 3H), 7.59 (dd, J =7.6, 1.8 Hz, 1H), 8.63(d, J =9.0 Hz, 1H), 11.96 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ: 201.83, 164.07, 152.92, 147.66, 143.71, 128.76, 125.96, 124.00, 123.94, 122.46, 117.32, 115.24, 112.79, 61.58, 56.08, 48.03, 28.59, 25.39; Anal. Calcd for C21H24N2O4; C,68.46; H,6.57; N,7.60。
【0208】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-モルホリノフェニル)-2,5-ジメトキシベンズアミド(107)を60及び89から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3/EtOAc =8:1 )によって精製し、黄色の固体の107を得た。(1.67g、4.3mmol); 収率 79.7%; mp 172-174 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 384.5 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.61 (s, 3H), 3.15 (m, 4H), 3.80 (s, 3H), 3.87 (m, 4H), 4.07 (s, 3H), 6.95-7.32 (m, 4H), 7.73 (d, J =2.8 Hz, 1H), 8.78 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.25 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ 201.21, 164.05, 153.63, 151.95, 146.52, 132.80, 125.75, 123.96, 122.95, 122.01, 119.69, 117.66, 115.69, 112.79, 66.79, 56.12, 55.83, 49.86, 28.76; Anal. Calcd for C21H24N2O5; C,65.61; H,6.29; N,7.29。
【0209】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ピロリジノフェニル)-2,5-ジメトキシベンズアミド(108)を61及び89から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/n-ヘキサン=8:1 )によって精製し、黄色の固体の108を得た。(1.6g、4.3mmol); 収率 73.8 %; mp 137-140 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 368.5 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.01 (m, 4H), 2.60 (s, 3H), 3.29 (m, 4H), 3.80 (s, 3H), 4.06 (s, 3H), 6.77 (dd, J = 9.2, 3.0 Hz, 1H), 6.89-6.97 (m, 3H), 7.74 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.64 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.08 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 200 MHz) δ 201.75, 163.61, 153.61, 151.91, 143.69, 128.64, 126.30, 124.32, 123.30, 119.36, 117.20, 115.62, 112.78, 56.15, 55.83, 47.94, 28.77, 25.42; Anal. Calcd for C21H24N2O4; C,68.46; H,6.57; N,7.60。
【0210】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-モルホリノフェニル)-2-メトキシベンズアミド(109)を60及び90から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/n-ヘキサン=10:1 )によって精製し、黄色の固体の109を得た。(1.4g、3.9mmol); 収率 72.6 %; mp 158-160 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 354.5 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.60 (s, 3H), 3.12 (m, 4H), 3.85 (m, 4H), 4.09 (s, 3H), 6.96-7.07 (m, 2H), 7.13 (dd, J = 9.2, 3.0 Hz, 1H), 7.34-7.43 (m, 2H), 8.14 (dd, J = 7.6, 1.8 Hz, 1H), 8.80 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.23 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ 201.25, 164.33, 157.56, 146.18, 133.01, 132.25, 125.46, 123.83, 122.63, 122.18, 120.89, 117.92, 111.31, 66.69, 55.58, 49.98, 28.76; Anal. Calcd for C20H22N2O4; C,67.78; H,6.26; N,7.90。
【0211】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ピロリジノフェニル)-2-メトキシベンズアミド(110)を61及び90から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2)によって精製し、黄色の固体の110を得た。(1.1g、3.3mmol); 収率 83.1%; mp 168-170 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 338.5 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 1.96 (m, 4H), 2.64 (s, 3H), 3.27 (m, 4H), 4.05 (s, 3H), 6.81 (dd, J = 9.0, 2.6 Hz, 1H), 7.00-7.53 (m, 4H), 7.96 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz,1H), 8.50 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 11.87 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ 202.81, 163.21, 157.44, 144.08, 133.51, 131.70, 127.89, 126.64, 123.70, 122.76, 121.13, 117.04, 113.42, 112.51, 56.17, 47.94, 29.37, 25.38; Anal. Calcd for C20H22N2O3; C,70.99; H,6.55; N,8.28。
【0212】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-モルホリノフェニル)-2-メトキシベンズアミド(111)を60及び91から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/EtOAc =15:1 )によって精製し、黄色の固体の111を得た。(1.1g、3.1mmol); 収率 76.0 %; mp 185-187 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 354.5 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 2.67 (s, 3H), 3.13 (m, 4H), 3.84 (s, 3H),3.86 (m, 4H), 6.95 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 9.2, 2.8 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.85 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 12.29 (s, 1H); 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ 203.11, 165.30, 162.48, 146.21, 135.01, 1229.24, 127.29, 123.61, 122.72, 121.99, 118.39, 113.95, 66.78, 55.42, 49.95, 28.61; Anal. Calcd for C20H22N2O4; C,67.78; H,6.26; N,7.90。
【0213】
92に関するものと同じ合成手法を使用して、N-(2-アセチル-4-ピロリジノフェニル)-4-メトキシベンズアミド(112)を61及び91から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/n-ヘキサン=10:1 )によって精製し、黄色の固体の112を得た。(1.2g、3.5mmol); 収率 72.5%; mp 174-175 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 338.5 (M+); 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): CH2Cl2 / n-hexane =10:1; 13C- NMR (CDCl3, 50 MHz) δ 203.60, 164.95, 162.25, 143.27, 132.19, 129.12, 127.67, 123.10, 122.24, 118.74, 113.87, 55.39, 48.02, 28.60, 25.38; Anal. Calcd for C20H22N2O3; C,70.99; H,6.55; N,8.28。
【0214】
2-(2-ベンジルオキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(113)。1,4ジオキサン(150ml)中の92(1.2g、2.7mmol)の溶液に、NaOH(0.9g、21.4mmol)を加えた。混合物を5時間還流して濃縮し、10%NH4Cl(100ml)を加えた。沈殿物を回収してH2O及びアセトンにより洗浄した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3、:MeOH=25:1)によって精製し、黄色の固体の113(1.3g、3.2mmol)を得た。収率: 65.4%; mp 281-283 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 412.4 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.15 (m, 4H), 3.77 (m, 4H), 5.12 (s, 2H), 6.30 (s, 1H), 7.36-7.50 (m,11H), 7.66 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 11.57 (s, 1H); Anal. Calcd for C26H24N2O3; C,75.71; H,5.86; N,6.79。
【0215】
113に関するのと同じ合成手法を使用して、2-(2-ベンジルオキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(114)を93から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の114を得た。(0.7g、1.8mmol)。収率: 61.1%; mp 293-295 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 396.4 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 1.99 (m, 4H), 3.34 (m, 4H), 5.21 (s, 2H), 6.33 (s, 1H), 7.00-7.50 (m,11H), 7.68 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 11.63 (s, 1H); Anal. Calcd for C26H24N2O2; C,78.76; H,6.10; N,7.07。
【0216】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(2-ベンジルオキシフェニル)-6-ジメチルアミノキノリン-4-オン(115)を94から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の115を得た。(1.2g、1.8mmol)。収率: 61.1%; mp 210-212 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 370.2 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.91 (s, 6H), 5.13 (s, 2H), 6.02 (s, 1H), 7.07 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 2.6 Hz, 1 H), 7.22-7.48 (m,9H), 7.53 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 11.67 (s, 1H); Anal. Calcd for C24H22N2O2; C,77.81; H,5.99; N,7.56。
【0217】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(3-ベンジルオキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(116)を95から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1)によって精製し、黄色の固体の116を得た。(0.8g、1.9mmol)。収率: 61.1%; mp 283-285 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 412.4 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.15 (m, 4H), 3.77 (m, 4H), 5.12 (s, 2H), 6.30 (s, 1H), 7.36-7.50 (m,11H),7.66 (d, J=9.2 Hz,1H), 11.57 (s, 1H); Anal. Calcd for C26H24N2O3; C,75.71; H,5.86; N,6.79。
【0218】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(3-ベンジルオキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(117)を96から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の117を得た。(0.38g、0.95mmol)。収率: 66.3%; mp 320-322 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 396.4 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.07 (m, 4H), 3.34 (m, 4H), 5.21 (s, 2H), 6.35 (s, 1H), 6.87-7.49 (m,10H),7.70 (d, J=9.0 Hz,1H), 7.78 (d, J=8.6Hz, 1H), 11.50 (s, 1H); Anal. Calcd for C26H24N2O2; C,78.76; H,6.10; N,7.07。
【0219】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(3-ベンジルオキシフェニル)-6-ジメチルアミノキノリン-4-オン(118)を97から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の118を得た。(1.3g、3.5mmol)。収率: 65.6%; mp 307-308 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 370.2 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δδ 2.91 (s, 6H), 5.13 (s, 2H), 6.02 (s, 1H), 7.07 (t, J=7.4 Hz,1H), 7.17 (d, J=2.6 Hz,1 H), 7.22-7.48 (m,9H),7.53 (d, J=9.2 Hz, 1H), 11.67 (s, 1H); Anal. Calcd for C24H22N2O2; C,77.81; H,5.99; N,7.56。
【0220】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-ベンジルオキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(119)を98から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の119を得た。(0.5g、1.2mmol)。収率: 52.2%; mp 320-323 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 412.4 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.14 (m, 4H), 3.77 (m, 4H), 5.21 (s, 2H), 6.24 (s, 1H),7.16-7.49 (m,9H),7.66 (d, J=9.0 Hz,1H), 7.76 (d, J=8.6Hz, 1H), 11.48 (s, 1H); Anal. Calcd for C26H24N2O3; C,75.71; H,5.86; N,6.79。
【0221】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-ベンジルオキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(120)を99から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の120を得た。(0.6g、1.5mmol)。収率: 57.5%; mp 330-332 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 396.2 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 1.99 (m, 4H), 3.34 (m, 4H), 5.21 (s, 2H), 6.33 (s, 1H), 7.00-7.50 (m,11H), 7.68 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 11.63 (s, 1H); Anal. Calcd for C26H24N2O2; C,78.76; H,6.10; N,7.07。
【0222】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-ベンジルオキシフェニル)-6-ジメチルアミノキノリン-4-オン(121)を100から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の121を得た。(1.2g、3.2mmol)。収率: 78.7%; mp 283-285 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 370.2 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 2.92 (s, 6H), 5.17 (s, 2H), 6.17 (s, 1H), 7.14 (d, J=8.6 Hz,2 H), 7.24 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1H), 7.29-7.46 (m,6H),7.53 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.73 (d, J=8.6 Hz,2 H), 11.38 (s, 1H); Anal. Calcd for C24H22N2O2; C,77.81; H,5.99; N,7.56。
【0223】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-(ベンジルオキシ)-3-メトキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(122)を101から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の122を得た。(0.5g、1.1mmol)。収率: 52.1%; mp 300-301 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 442.2 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.11 (m, 4H), 3.74 (m, 4H), 5.15 (s, 2H), 6.28 (s, 1H), 7.16 (d, J=8.2 Hz, 2H), 7.25-7.45 (m, 9H), 7.68 (d, J=9.0 Hz, 1H), 11.48 (br, 1H); Anal. Calcd for C27H26N2O4; C,72.28; H,5.92; N,6.23。
【0224】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-(ベンジルオキシ)-3-メトキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(123)を102から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の123を得た。(1.3g、3.1mmol)。収率: 65.2%; mp 304-306 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 426.6 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 1.99 (m, 4H), 3.33 (m, 4H), 3.89 (s, 3H), 5.18 (s, 2H), 6.25 (s, 1H), 7.02-7.09 (m,2H),7.19 (d, J=8.2 Hz,1H), 7.33-7.45 (m,2H), 7.64 (d, J=8.8Hz, 1H), 11.34 (s, 1H); Anal. Calcd for C27H26N2O3; C,76.03; H,6.14; N,6.57。
【0225】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(124)を103から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の124を得た。(0.5g、1.4mmol)。収率: 52.6%; mp 350-352 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 350.5 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.16 (m, 4H), 3.77 (m, 4H), 6.15 (s, 2H), 6.43 (s, 1H), 7.04 (d, J=7.8 Hz,1H), 7.09 (dd, J=7.8,1.8 Hz,1H), 7.28 (d, J=7.0 Hz,1H), 7.40 (d, J=2.8 Hz,1H), 7.50 (dd, J=9.2,2.8 Hz,1H), 7.67 (d, J=9.2 Hz,1H), 11.54 (s, 1H); Anal. Calcd for C20H18N2O4; C,68.56; H,5.18; N,8.00。
【0226】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(125)を104から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の125を得た。(0.2g、0.6mmol)。収率: 52.6%; mp 330-332 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 334.4 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 1.95 (m, 4H), 3.16 (m, 4H), 6.11 (s, 2H), 6.25 (s, 1H), 6.96-7.06 (m,2H), 7.19(d, J=6.8 Hz,1H), 7.57 (d, J=9.0Hz, 1H), 11.39 (s, 1H); Anal. Calcd for C20H18N2O3; C,71.84; H,5.43; N,8.38。
【0227】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(2,3-ジメトキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(126)を105から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の126を得た。(0.5g、1.4mmol)。収率: 52.5%; mp 235-236 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 366.5 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.11 (m, 4H), 3.60 (s, 3H), 3.83 (m, 4H), 3.96 (s, 3H), 5.98 (s, 1H), 6.96 -7.447 (m,5H), 7.54 (d, J=9.6 Hz,1H), 11.63 (s, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ 176.63, 153.13, 147.90, 147.02, 146.66, 134.72, 129.90, 126.00, 124.84, 123.01, 121.98, 119.96, 114.93, 108.72, 107.52, 66.53, 61.13, 56.43, 49.47; Anal. Calcd for C21H22N2O4; C,68.84; H,6.05; N,7.65。
【0228】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(2,3-ジメトキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(127)を106から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の127を得た。(0.3g、0.9mmol)。収率: 52.5%; mp 258-260 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 350.5 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 1.95 (m, 4H), 3.23 (m, 4H), 3.60 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 5.92 (s, 1H), 6.97 -7.19 (m,5H), 7.54 (d, J=8.4 Hz,1H), 11.48 (s, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ 176.49, 153.13, 146.67, 146.07, 144.85, 132.16, 126.71, 124.78, 122.02, 119.99, 119.12, 114.77, 107.83, 103.18, 61.10, 56.43, 48.11, 25.44; Anal. Calcd for C21H22N2O3; C,71.98; H,6.33; N,7.99。
【0229】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(2,5-ジメトキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(128)を107から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の128を得た。(0.7g、1.9mmol)。収率: 61.2%; mp 275-277 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 366.2 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.14 (m, 4H), 3.75 (m, 10H), 6.03 (s, 1H), 7.03 -7.49 (m,5H), 7.67 (d, J=9.0 Hz,1H), 11.57 (s, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ 176.67, 153.49, 150.98, 147.80, 147.00, 134.68, 125.97, 124.87, 122.89, 119.92, 116.57, 113.71, 108.93, 107.46, 66.53, 56.64, 49.45; Anal. Calcd for C21H22N2O4; C,68.84; H,6.05; N,7.65。
【0230】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(2,5-ジメトキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(129)を108から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の129を得た。(0.9g、0.9mmol)。収率: 59.2%; mp 272-274 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 350.2 (M+); IR (KBr): 1606.77 (C=O), 2978.22 (-NH) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 1.95 (m, 4H), 3.25 (m, 4H), 3.71 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 5.94 (s, 2H), 6.99-7.11 (m, 5H), 7.49 (d, J=8.6 Hz,1H), 11.43 (s, 1H); Anal. Calcd for C21H22N2O3; C,71.98; H,6.33; N,7.99。
【0231】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(2-メトキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(130)を109から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の130を得た。(0.6g、1.8mmol)。収率: 57.5%; mp 262-264 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 336.5 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.10 (m, 4H), 3.74 (m, 4H), 3.76 (s, 3H), 5.97 (s, 1H), 7.05 (t, J=7.6 Hz,1H ), 7.16 (d, J=8.2 Hz,1H), 7.40-7.54 (m, 5H),11.55 (s, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ 176.61, 156.96, 147.79, 147.42, 134.82, 131.73, 130.69, 125.89, 124.39, 122.89, 121.06, 119.97, 112.34, 108.85, 107.44, 66.54, 56.16, 49.48; Anal. Calcd for C20H20N2O3; C,71.41; H,5.99; N,8.33。
【0232】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(2-メトキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(131)を110から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の131を得た。(0.7g、2.2mmol)。収率: 62.3%; mp 312-313 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 320.2 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 1.98 (m, 4H), 3.25 (m, 4H), 3.77 (s, 3H), 5.91 (s, 1H), 7.00-7.51(m,7H), 11.43 (s, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ 176.58, 156.97, 146.43, 144.75, 132.13, 131.60, 130.69, 126.65, 124.53, 121.04, 119.93, 119.05, 112.33, 108.03, 103.16, 56.15, 48.09, 25.45; Anal. Calcd for C20H20N2O2; C,74.98; H,6.29; N,8.74。
【0233】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-メトキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(132)を111から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の132を得た。(0.5g、1.8mmol)。収率: 65.9%; mp 302-304 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 336.2 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.10 (m, 4H), 3.74 (m, 4H), 3.80(s, 3H), 6.22 (s, 1H), 7.06 (d, J=8.8 Hz,2H), 7.38 (d, J=2.4 Hz,1H), 7.43 (dd, J=9.2,2.8 Hz,1H), 7.64 (d, J=9.2 Hz,1H), 7.74 (d, J=8.8 Hz,2H), 11.45 (s, 1H); Anal. Calcd for C20H20N2O3; C,71.41; H,5.99; N,8.33。
【0234】
113に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-メトキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(133)を112から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の133を得た。(0.4g、1.2mmol)。収率: 74.0%; mp 312-313 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 320.2 (M+); Anal. Calcd for C20H20N2O2; C,74.98; H,6.29; N,8.74。
【0235】
2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(134)。MeOH(400ml)中の113(0.4g、1.0mmol)の懸濁液を10%Pd/C(0.1g)存在下で25℃、3時間水素化した。触媒を濾過して取り除き、濾液を濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO2,CHCl3:MeOH=25:1)によって精製し、黄色の固体の134を得た。(0.3g、0.9mmol)。収率: 81.5%; mp 290-291 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 322.2 (M+); IR (KBr): 1612.56 (C=O), 2969.54 (-NH) cm-1; 1H-NMR (MeOD-d4, 400 MHz) δ 3.30 (m, 4H), 3.87 (m, 4H), 4.48 (s, 1H), 6.64 (s, 1H), 7.02 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.04 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.40 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.65 (d, J=2.0 Hz, 1H), 7.72 (d, J=9.2 Hz, 1H); Anal. Calcd for C19H18N2O3; C,70.79; H,5.63; N,8.69。
【0236】
134に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(135)を114から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の135を得た。(0.2g、0.7mmol)。収率: 86.6%; mp 304-306 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 306.2 (M+); IR (KBr): 1612.56 (C=O), 2969.54 (-NH) cm-1; 1H-NMR (MeOD-d4, 400 MHz): δ 3.25 (m, 4H), 3.87 (m, 4H), 6.29 (s, 1H), 6.87 (d, J=3.2 Hz,1H), 6.91 (dd, J=8.8, 3.2 Hz, 1H), 7.03 (d, J=8.8 Hz,1H), 7.45 (d, J=2.8 Hz,1H), 7.48 (dd, J=9.2, 2.8 Hz, 1H), 7.61 (d, J=9.2 Hz, 1H), 9.45 (br, 1H), 11.72 (br, 1H); Anal. Calcd for C19H18N2O2; C,74.49; H,5.92; N,9.14。
【0237】
134に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(2-ヒドロキシフェニル)-6-ジメチルアミノキノリン-4-オン(136)を115から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の136を得た。収率: 86.6 %; mp 296-298 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 280.1 (M+); IR (KBr): 1597.13 (C=O), 2908.78 (-NH) cm-1; 1H-NMR (MeOD-d4, 200 MHz) δ 3.02 (s, 6H), 6.56 (s, 1H), 6.92-6.99 (m, 2H), 7.27-7.38 (m, 3H), 7.50 (dd, J=8.2, 1.8 Hz,1H), 7.60 (d, J=8.2 Hz,1H); Anal. Calcd for C17H16N2O2; C,72.84; H,5.75; N,9.99。
【0238】
134に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(3-ヒドロキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(137)を116から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の81aを得た。(0.3g、0.9mmol)。収率: 89.7%; mp 357-360 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 322.2 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ 3.13 (m, 4H), 3.75 (m, 4H), 6.20 (s, 1H), 6.81 (d, J=7.8 Hz,1H), 7.15-7.22 (m,2H), 7.33 (d, J=7.8 Hz,1H),7.43 (d, J=2.6Hz, 1H), 7.48 (dd, J=9.0,2.6 Hz, 1H), 7.69 (d, J=9.0 Hz,1H), 9.86 (s, 1H), 11.56 (s, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ 176.78, 158.20, 149.47, 147.95, 136.28, 134.96, 130.59, 125.97, 122.95, 120.39, 118.36, 117.63, 114.38, 107.24, 106.22, 66.52, 49.32, 43.47; Anal. Calcd for C19H18N2O3; C,70.79; H,5.63; N,8.69。
【0239】
134に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(3-ヒドロキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(138)を117から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の138を得た。(0.14g、0.45mmol)。収率: 90.9%; mp 364-367 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 306.3 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ 1.80 (m, 4H), 3.29 (m, 4H), 6.14 (s, 1H), 6.92 (d, J=7.0 Hz,1H), 7.02 (d, J=7.0 Hz,1H), 7.09 (dd, J=9.2,2.4 Hz, 1H), 7.15-7.21 (m, 2H), 7.34 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.65 (d, J=9.2 Hz,1H), 9.84 (s, 1H), 11.46 (s, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ 176.78, 158.20, 149.47, 147.95, 136.28, 134.96, 130.59, 125.97, 122.95, 120.39, 118.36, 117.63, 114.38, 107.24, 106.22, 66.52, 49.32, 43.47; Anal. Calcd for C19H18N2O2; C,74.49; H,5.92; N,9.14。
【0240】
134に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(3-ヒドロキシフェニル)-6-ジメチルアミノキノリン-4-オン(139)を118から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の139を得た。(0.4g、1.4mmol)。収率: 75.6%; mp 342-344 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 280.1 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ 2.93 (s, 6H), 6.23 (s, 1H), 6.92 (d, J=8.0 Hz,1H),7.16-7.35 (m, 6H), 7.70 (d, J=9.2 Hz,1H), 9.93 (s, 1H), 11.46 (s, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ 175.86, 158.25, 148.99, 147.63, 136.34, 133.33, 130.52, 126.09, 120.64, 120.22, 118.32, 117.58, 114.39, 105.55, 103.94, 38.69; Anal. Calcd for C17H16N2O2; C,72.84; H,5.75; N,9.99。
【0241】
134に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-ヒドロキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(140)を119から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の140を得た。(0.1g、0.3mmol)。収率: 64.5%; mp 340-342 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 322.2 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ 3.16 (m, 4H), 3.74 (m, 4H), 6.24 (s, 1 H), 6.95 (d, J=8.6 Hz,2H), 7.40 (d, J=2.6 Hz,1H), 7.45 (dd, J=9.0,2.6 Hz,1H), 7.69 (d, J=9.0 Hz,3H), 10.05 (s, 1H), 11.50 (br s, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ 176.38, 159.90, 149.38, 147.81, 135.04, 129.15, 125.76, 125.31, 122.78, 120.23, 116.18, 107.35, 105.34, 66.54, 49.37; Anal. Calcd for C19H18N2O3; C,70.79; H,5.63; N,8.69。
【0242】
134に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-ヒドロキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(141)を120から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の141を得た。(0.1g、0.7mmol)。収率: 64.9%; mp 304-306 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 306.3 (M+); IR (KBr): 1613.52 (C=O), 3132.53 (-NH), 3438.26 (-OH) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 2.02 (m, 4H), 3.37 (m, 4H), 6.93 (s, 1H), 7.04 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.42 (dd, J=9.2, 2.0 Hz, 1H), 7.76 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.83 (d, J=8.4 Hz, 2H), 8.14 (d, J=9.2 Hz,1H), 10.48 (s, 1H); Anal. Calcd for C19H18N2O2; C,74.49; H,5.92; N,9.14。
【0243】
134に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-ヒドロキシフェニル)-6-ジメチルアミノキノリン-4-オン(142)を121から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の142を得た。収率: 74.2 %; mp 321-323 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 280.1 (M+); IR (KBr): 1617.38 (C=O), 3132.53 (-NH) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ 3.03 (s, 6H), 7.01 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.08 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.40 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.64 (dd, J=9.4, 2.6 Hz,1H), 7.84 (d, J=8.8 Hz, 2H), 8.22 (d, J=9.4 Hz, 1H), 11.30 (br, 1H), 14.35 (br, 1H); Anal. Calcd for C17H16N2O2; C,72.84; H,5.75; N,9.99。
【0244】
134に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-6-モルホリノキノリン-4-オン(143)を122から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の143を得た。(0.15g、0.3mmol)。収率: 63.0%; mp 297-299 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 352.1 (M+); 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ 3.15 (m, 4H), 3.77 (m, 4H), 3.88(s, 3H),6.28 (s, 1H), 6.92 (d, J=8.2 Hz,1H), 7.27 (dd, J=8.2,1.8 Hz,1H),7.33 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.43 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.47 (dd, J=8.8,2.6 Hz, 1H), 7.67 (d, J=8.8 Hz,1H), 9.60 (s, 1H), 11.40 (s, 1H); 13C- NMR (DMSO-d6, 50 MHz) δ 176.85, 149.22, 148.29, 147.75, 137.15, 134.84, 125.98, 125.64, 122.71, 120.63, 120.00, 116.13, 111.65, 107.50, 105.68, 66.55, 56.31, 49.37; Anal. Calcd for C20H20N2O4; C,68.17; H,5.72; N,7.95。
【0245】
134に関するものと同じ合成手法を使用して、2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-6-ピロリジノキノリン-4-オン(144)を123から取得した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl3:MeOH=25:1 )によって精製し、黄色の固体の144を得た。収率: 63.7 %; mp 310-312 °C; MS (EI, 70 eV): m/z 336.2 (M+); IR (KBr): 1605.81 (C=O), 3163.39 (-NH) cm-1; 1H-NMR (DMSO-d6, 200 MHz) δ 2.04 (m, 4H), 3.25 (m, 4H), 3.85 (s, 3H), 6.19 (s, 1H), 6.89 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.98 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.03 (dd, J=8.2, 2.6 Hz, 1H), 7.22 (dd, J=8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.30 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.61 (d, J=8.8 Hz, 1H), 9.53 (s, 1H), 11.27 (s, 1H); Anal. Calcd for C20H20N2O3; C,71.41; H,5.99; N,8.33。
【0246】
ジベンジル3-(4-オキソ-6-(ピロリジン-1-イル)-1,4-ジヒドロキノリン-2-イル)フェニルホスフェート(146)。無水THF(20mL)中の138(0.61g、2.0mmol)の撹拌溶液に、NaH(500mg、12.5mmol)を0±1℃で加えた。混合物を1時間撹拌した後、ピロリン酸テトラベンジル(46)(2.15g、4.0mmol)を加えて、30分間撹拌し続けた。反応混合物を濾過して、CH2Cl2により洗浄した。濾液を温度30℃の真空下で濃縮して、粗生成物(145)を得た。そして、無水MeOH(50mL)中の粗生成物を25℃で24時間撹拌した。沈殿物を回収して、カラムクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2: EtOAc = 3:7)によって精製し、146(0.37g、0.65mmol)を得た。黄色の固体; 収率: 32.7 %; mp 169-171 °C; MS (ESI): m/z 567.4 (M + H)+; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz): δ 1.97 (m, 4H), 3.27 (m, 4H), 5.04 (s, 2H), 5.09 (s, 2H), 6.39 (s, 1H), 6.93 (dd, J=9.0, 2.6 Hz, 1H), 7.05 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.19-7.46 (m, 14H), 7.52 (d, J=8.8 Hz, 1H); Anal. (C33H31N2O5P) C, H, N。
【0247】
3-(4-オキソ-6-(ピロリジン-1-イル)-1,4-ジヒドロキノリン-2-イル)フェニルジハイドロジェンホスフェート(147)。無水MeOH(10mL)中の146(200mg、0.36mmol)の懸濁液を10%Pd/C(100mg)存在下で25℃20分間水素化した。触媒及び沈殿物を回収して、10%NaHCO3溶液に溶解し、その後濾過した。濾液をdil aq HClで酸性化し、そして沈殿物を回収し、アセトンにより洗浄して、147(97mg、0.25mmol)を得た。黄色の固体; 収率: 69.8 %; mp >300 °C; MS(ESI): m/z 387.1 (M + H)+; 1H-NMR (D2O + NaOD, 200 MHz): δ 1.78 (m, 4H), 3.08 (m, 4H), 6.70 (s, 1H), 7.12-7.20 (m, 3H), 7.28 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.40 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.61 (d, J=9.8 Hz, 1H); Anal. (C19H19N2O5P) C, H, N。
【0248】
II-2. 抗癌活性
インビトロ試験
HL-60、Hep 3B、H460、MES-SA、MES-SA/D x5及びデトロイト551細胞をビヒクル又は試験化合物で48時間処理した。細胞増殖率は、MTT(3-(4,5-ジメチル-チアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム(diphenyltetrazolium)ブロミド)還元アッセイによって決定した。48時間のインキュベーション(incabution)後に、細胞増殖率を570nmフィルターのELISAリーダーを用いてスキャンすることにより測定した。そして、試験化合物のIC50値を算出した。
【0249】
結果
B-1シリーズの化合物は、次の化学式を有する:
表2は、B-1シリーズの化合物がヒト癌細胞の増殖を阻害したことを示す。
【表2】
【0250】
B-2シリーズの化合物は、次の化学式を有する:
表3は、B-2シリーズの化合物がヒト癌細胞の増殖を阻害したことを示す。
【表3】
【0251】
B-3シリーズの化合物は、次の化学式を有する:
表4は、B-3シリーズの化合物がヒト癌細胞の増殖を阻害したことを示す。
【表4】
【0252】
インビボ抗腫瘍活性アッセイ
Hep-3B腫瘍細胞株を米国菌培養収集所(ATCC HB-8064、ヒト肝細胞癌細胞)から購入した。1%ペニシリン-ストレプトマイシンを補充した90%DMEM、10%ウシ胎児血清の培地を使用した。腫瘍細胞を5% CO2を含む雰囲気下の37℃でインキュベートした。
【0253】
この研究において使用したBalb/cヌードマウスは、4-6週齢のオスで、体重が18-20gであり、、国立動物センターによって提供されたマウスである。全ての動物は、実験全体に渡って、特定病原体未感染(SPF)条件の下でindividually ventilated cages racks(IVC Racks, 36 Mini Isolator system)に収容した。各ケージ(長さ26.7X幅20.7X高さ14.0(cm))をオートクレーブで滅菌して、8匹のマウスを収容した。動物は、明暗サイクルが12時間である、温度(20-24℃)及び湿度(40%-70%)管理下の衛生的な環境に維持した。動物は、殺菌された研究用のエサ及び殺菌された蒸留水に対して無制限な自由摂取とした。
この仕事の全ての態様(即ち、動物の収容、実験及び処理)は、実験動物の管理と使用に関する指針(National Academy Press, Washington, D. C., 1996)に全般的に従って実行された。
【0254】
オスBalb/cヌードマウスのヒト肝細胞癌細胞株(Hep-3B, ATCC HB-8064)の異種移植腫瘍モデルにおいて、 9 % (w/v) NaHCO3溶液中に調製した化合物147を、7.5、15及び30mg/kg(i.v.又はp.o., qd)の投薬で、週に5日、4週連続で投与して、28日目に終了した。腫瘍サイズ及び体重は、28日間モニターして、記録した。0.1mL中に2×106の細胞を有するヒト肝細胞癌細胞(HEP-3B、ATCC HB-8064)をマウスの右脇腹に皮下的に注射した。腫瘍成長が体積で>100 mm3に到達すると(これを0日目とみなす)、担癌動物を研究のためにいくつかグループ(各グループに6匹の動物)に割り当てた。
【0255】
体重及び腫瘍サイズは、28日間の実験期間の間、7日ごとに測定して記録した。腫瘍体積(mm3)は、長さX(幅)2X0.5(mm3)の化学式に従って評価した。腫瘍成長阻害は、次の化学式によるT/C(治療/コントロール)として算出された:T/C = (Tn - T0)/(Cn - C0) x 100% (T0:0日目における治療グループの腫瘍体積;Tn:n日目における治療グループの腫瘍体積;C0:0日目におけるコントロールグループの腫瘍体積;Cn:n日目におけるコントロールグループの腫瘍体積)。
【0256】
結果
138の一リン酸塩(147)は、7.5、15及び30mg/kg/日の投薬での経口ルート(po)により、Hep3B異種移植ヌードマウスモデルにおいて評価した。図6(A-C)の結果で示すように、化合物147は、Hep3B腫瘍成長の用量依存的及び時間依存的阻害を誘導した。7.5mg/kgの投薬で、147のHep3B阻害活性は、10mg/kgドキソルビシンにおけるその阻害活性を超えることがわかった。そして、用量30mg/kgの147で、Hep3B腫瘍の重量は、コントロールにおけるその重量の26.3%まで減少させた(図6B)。抗腫瘍評価中に、有意な体重変化は、試験又はコントロールグループのいずれにも検出されなかった(図6C)。2つの異なるルートによって投与された147の抗腫瘍活性の比較から、ivルートは、poルートよりもわずかに大きな活性をもたらすことが示された(図7A〜7C)。
【0257】
III.Cシリーズ
化学合成
標的化合物153の合成手法をスキーム11に図示している。開始物質2-アミノ-4,5-メチレンジオキシアセトフェノン(148)をまず初めにナフタレン-1-カルボニルクロリド(149)と反応させて、N-(6-アセチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ナフタレン-1-カルボキサミド(150)を得た。そして、中間体(150)をNaOH存在下のジオキサン中で環化して、2-(1-ナフタレニル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-オン(151)を得た。まず初めに化合物151をNaHの存在下のTHF中でピロリン酸テトラベンジルと反応させて、ジベンジル2-(1-ナフタレニル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-イルホスフェート(152)を得た。そして、化合物152をMeOH中で触媒的水素化して、その二リン酸(153)を得た。
【0258】
【0259】
標的化合物158の合成手法をスキーム12に図示している。まず初めに開始物質2-アミノ-4,5-メチレンジオキシアセトフェノン(148)をベンゾ[b]フラン-3-カルボニルクロリド(154)と反応させて、N-(6-アセチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-1-ベンゾフラン-3-カルボキサミド(155)を得た。そして、中間体(155)をNaOH存在下のジオキサン中で環化して、2-(3-ベンゾ[b]フリル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-オン(156)を得た。まず初めに化合物156をNaH存在下のTHF中のピロリン酸テトラベンジルと反応させて、ジベンジル2-(3-ベンゾ[b]フリル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-イルホスフェート(157)を得た。そして、化合物157をMeOH中で触媒的水素化して、その二リン酸(158)を得た。
【0260】
【0261】
実施例
一般的な実験手順。試薬及び溶媒の全ては、商業的に得られ、更なる精製をすることなく使用した。反応は、蛍光指示薬を備えるメルクプレート(TLC Silica gel 60 F254)を使用して、薄層クロマトグラフィーによってモニターした。次の吸着剤をカラムクロマトグラフィーに用いた:シリカゲル60(メルク、粒子径0.063-0.200mm)。融点は、Yanaco MP-500D融点装置によって決定し、校正はしなかった。IRスペクトルは、KBr錠剤法により島津IRPrestige-21分光光度計にて記録した。NMRスペクトルは、Bruker Avance DPX-200FT-核磁気共鳴分光計によりCDCl3又はDMSO中で得られた。次の略称を用いている:s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;dd、二重の二重線及びm (多重線)。EI-MSスペクトルは、HP 5995 GC-MS機器によって測定した。ESI-MSスペクトルは、Finnigan LCQイオントラップ質量分析計(TSQ Quantum, Thermo Finnigan Corporation, San Jose, CA)により測定した。元素分析(C、H及びN)はPerkin-Elmer 2400 Series II CHNS/O analyzerで実行し、結果は計測値の±0.4%内であった。
【0262】
N-(6-アセチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)ナフタレン-1-カルボキサミド(150)。200mLの無水トルエン中の149(5.0mmol)の溶液に、トリエチルアミン(4mL)及び2-アミノ-4,5-メチレンジオキシアセトフェノン(148)(5mmol)を加えた。混合物を20±2℃で24時間撹拌して、濃縮した。残留物をアセトン及びEtOHによって洗浄し、その後アセトン又はEtOHから再結晶化し、150を形成した。灰白色の固体として得られる; mp 143-144 °C; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 334 [M+H]+; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, δ): 2.59 (3H, s), 6.20 (2H, s), 7.60-7.68 (4H, m), 7.87 (1H, d, J = 7.2Hz), 8.05-8.07 (1H, m), 8.15 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.33-8.38 (2H, m), 12.52 (1H, s); IR (KBr): 1647, 1672 (C=O) cm-1
【0263】
2-(1-ナフタレニル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-オン(151)。t-ブチルアルコール(100mL)中の150(2.95mmol)の懸濁液に、カリウムt-ブトキシド(1.66g、14.7mmol)を加えた。混合物をアルゴン下で12時間還流して、冷却し、10%塩化アンモニウム溶液(100mL)に流し込んだ。固体沈殿物を回収して、EtOHによって洗浄した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2:EtOH 16:1-10:1)によって精製した。150からの収率52%(灰白色の固体); mp >350 °C; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 316 [M+H]+; 1H-NMR(DMSO-d6, δ): 6.08 (1H,s), 6.15 (2H, s), 7.03 (1H, s), 7.46 (1H, s), 7.56-7.63 (2H, m),7.63-7.70 (2H, m), 7.83 (1H, d, J = 7.6 Hz), 8.06 (1H, d, J =7.6 Hz), 8.11 (1H, d, J=7.6 Hz), 11.90 (1H, s). IR (KBr): 1653(C=O) cm-1; Anal. Calcd for C20H13NO3: C, 76.18; H, 4.16; N, 4.44. Found: C, 75.60; H, 3.94; N, 4.29。
【0264】
ジベンジル2-(1-ナフタレニル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-イルホスフェート(152)。無水MeOH(10mL)中の151(1.20g、3.81mmol)の懸濁液を25℃で24時間撹拌した。沈殿物を回収して、n-ヘキサン及びEtOAcにより溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、152を得た。オレンジ色の油; 収率: 63.7%; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 576 [M+H]+; 1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 5.21 (4H, dd, J = 8.30, 8.15 Hz), 6.17 (2H, s), 7.23 (1H, s), 7.28-7.37 (9H, m), 7.40-7.60 (7H, m), 7.95 (2H, m), 8.09 (1H, d, J = 8.20 Hz)。
【0265】
2-(1-ナフタレニル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-イルジハイドロジェンホスフェート(153)。
無水MeOH(40mL)中の152(894.8mg、1.55mmol)の懸濁液を10%Pd/C(456.7mg)存在下で25℃15分間水素化した。触媒及び沈殿物を回収して、10%NaHCO3溶液に溶解し、その後濾過した。濾液をdil aq HClにより酸性化して、その後沈殿物を回収してアセトンにより洗浄し、153を得た。黄色の固体; 収率: 94.1%; ESI-MS (ネガティブモード): m/z 394 [M-H]-; 1H-NMR (D2O + NaOD, 500 MHz): δ 6.13 (2H, s), 7.26 (1H, s), 7.50 (1H, ddd, J = 8.23, 7.33, 1.20 Hz), 7.55-7.58 (2H, m), 7.62-7.70 (3H, m), 7.98 (1H, d, J =8.53 Hz), 8.02 (1H, d, J =8.96 Hz); 13C-NMR (D2O + NaOD, 125 MHz): δ 98.65, 102.15, 103.54, 109.80, 110.00, 118.35, 125.66, 126.37, 126.84, 127.40, 128.34, 128.97, 130.89, 133.50, 138.15, 146.58, 147.34, 151.27, 158.15, 158.23。
【0266】
N-(6-アセチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-1-ベンゾフラン-3-カルボキサミド(155)。200mLの無水トルエン中の154(5.0mmol)の溶液に、トリエチルアミン(4mL)及び2-アミノ-4,5-メチレンジオキシアセトフェノン(148)(5mmol)を加えた。混合物を20±2℃で24時間撹拌して、濃縮した。残留物をアセトン及びEtOHによって洗浄し、その後アセトン又はEtOHから再結晶化し、155を形成した。淡黄色の固体として得られた; mp 144-145°C; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 324 [M+H]+; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 2.63 (3H, s), 6.19 (2H, s),7.41-7.50 (2H, m), 7.68 (1H, s), 7.75 (1H, dd, J = 1.6, 6.8 Hz), 8.15 (1H, dd, J = 2.0, 8.8 Hz), 8.27 (1H, s), 8.71 (1H, s), 12.63 (1H, s); IR (KBr): 1635, 1677 (C=O) cm-1
【0267】
2-(3-ベンゾ[b]フリル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-オン(156)。
t-ブチルアルコール(100mL)中の155(2.95mmol)の懸濁液に、カリウムt-ブトキシド(1.66g、14.7mmol)を加えた。混合物をアルゴン下で12時間還流して、冷却し、10%塩化アンモニウム溶液(100mL)に流し込んだ。固体沈殿物を回収して、EtOHにより洗浄した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2、: EtOH 16:1-10:1)により精製した。155から淡黄色の固体を得えた; 収率 17%; mp >315 °C; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 306 [M+H]+; 1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 6.12 (2H, s), 6.49 (1H, s), 7.13 (1H, s), 7.36-7.45 (3H, m), 7.69 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.14 (1H, s), 8.52 (1H, s); IR (KBr): 1626 (C=O) cm-1; Anal. Calcd for C18H11NO4: C, 70.82; H, 3.63; N, 4.59. Found: C, 70.52; H, 3.95; N, 4.21。
【0268】
ジベンジル2-(3-ベンゾ[b]フリル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-イルホスフェート(157)。無水テトラヒドロフラン(40mL)の151(0.04g、0.13mmol)の撹拌溶液に、0±1℃の60%NaH(無機オイル)(48.0mg、2.0mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌した後、ピロリン酸テトラベンジル(139.8mg、0.26mmol)を加えて、60分間撹拌し続けた。反応混合物を濾過して、テトラヒドロフランにより洗浄した。濾液を温度30℃未満の真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、n-ヘキサン/EtOAc)により精製して、157を得た。156からの白い固体を得た; 収率: 86.8%; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 566 [M+H]+; 1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 5.24 (4H, dd, J = 9.5, 9.5 Hz), 6.15 (2H, s), 7.16 (1H, s), 7.34-7.42 (12H, m), 7.45 (1H, s), 7.58 (1H, d, J = 9.5 Hz), 7.59 (1H, s), 8.02 (1H, s), 8.47 (1H, d, J = 7.5 Hz); 13C-NMR (D2O + NaOD, 125 MHz): δ 70.67, 70.63, 97.30, 100.00, 101.87, 105.93, 106.72, 111.48, 116.94, 121.76, 122.62, 123.51, 124.82, 125.66, 128.20, 128.72, 128.96, 134.98, 144.59, 147.92, 148.43, 150.97, 151.43, 153.47, 156.06。
【0269】
2-(3-ベンゾ[b]フリル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-イルジハイドロジェンホスフェート(158)。無水MeOH(40mL)中の157(80.1mg、0.14mmol)の懸濁液を、10%Pd/C(40.0mg)存在下で25℃15分間水素化した。触媒及び沈殿物を回収して、10%NaHCO3溶液に溶解し、その後濾過した。濾液をdil aq HClにより酸性化して、その後沈殿物を回収してアセトンにより洗浄し、158を得た。白い固体として得られた; 収率: 46.3%; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 386 [M+H]+, 408 [M+Na]+; ESI-MS (ネガティブモード): m/z 384 [M-H]-; 1H-NMR (D2O + NaOD, 500 MHz): δ 6.12 (2H, s), 7.32 (1H, s), 7.42 (2H, m), 7.56 (1H, s), 7.63 (1H, d, J =8.0 Hz), 7.78 (1H, s), 8.29 (1H, d, J =7.0 Hz), 8.40 (1H, s)。
【0270】
III-2.抗癌活性
インビボ試験
MTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)アッセイ。HL-60、HCT-116、A549、Hep 3B、KB、Kb-VIN及びDU145細胞を、明示された期間、試験化合物で処理した。処理後、細胞をPBSにより一回洗浄して、MTT(シグマ、St. Louis, MO, USA)によって2時間インキュベートした。ホルマザン沈殿物を150μLのDMSOに溶解し、ELISAリーダーを用いて570nmで吸光度を測定した。
【0271】
結果
表5は、インビトロ細胞毒性試験(In Vitro Cytotoxicity Testing)における、151及び156のIC50(μM)値を示す。
【表5】
【0272】
IV. Dシリーズ
化学合成
スキーム13の合成方法に従って、化合物159をホスフェート(169)に誘導した。図示されるように、ステップa-dにより159から得られた3-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾイルクロリド(163)をTHF/トリエチルアミン中で2-アミノ-4,5-メチレンジオキシアセトフェノン(148)と反応させて、N-(6-アセチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-3-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンズアミド(164)を得た。化合物164をNaOH/1,4-ジオキサン中で更に還流して、165を得た。その後、ステップg-jに従って、目標化合物169が白色の固体として産出された。
【0273】
【0274】
実施例
一般的な実験手順。試薬及び溶媒の全ては、商業的に得られ、更なる精製をすることなく使用した。反応は、蛍光指示薬を備えるメルクプレート(TLC Silica gel 60 F254)を使用して、薄層クロマトグラフィーによってモニターした。次の吸着剤をカラムクロマトグラフィーに用いた:シリカゲル60(メルク、粒子径0.063-0.200mm)。融点は、Yanaco MP-500D融点装置によって決定し、校正はしなかった。IRスペクトルは、KBr錠剤法により島津IRPrestige-21分光光度計にて記録した。NMRスペクトルは、Bruker Avance DPX-200FT-核磁気共鳴分光計によりCDCl3又はDMSO中で得られた。次の略称を用いている:s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;dd、二重の二重線及びm (多重線)。EI-MSスペクトルは、HP 5995 GC-MS機器によって測定した。ESI-MSスペクトルは、Finnigan LCQイオントラップ質量分析計(TSQ Quantum, Thermo Finnigan Corporation, San Jose, CA)により測定した。元素分析(C、H及びN)はPerkin-Elmer 2400 Series II CHNS/O analyzerで実行し、結果は計測値の±0.4%内であった。
【0275】
メチル3-(ベンジルオキシ)-5-ヒドロキシベンゾアート(160)
250mLのアセトン中の8.40g(0.05mmol)メチル3、5-ジヒドロキシベンゾアート(159)と、7.60g(0.055mmol)炭酸カリウムとの混合物を室温で30分間撹拌した。その後、100mLのアセトン中に溶解された8.55g(0.05mmol)臭化ベンジルを加えた。懸濁液を24時間還流した。固形物を濾過して、濾液を濃縮させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/EtOAc = 9/1)により精製して、160を得た。
【0276】
メチル3,5-ジヒドロキシベンゾアート(159)から白色の固形物として得られた; 収率 34%; 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ3.92 (3H, s), 5.05 (2H, s), 6.77 (1H, dd, J = 2.35, 2.20 Hz), 7.13 (1H, s), 7.27-7.28 (2H, m), 7.34-7.45 (5H, m); 13C-NMR (50 MHz, CDCl3): δ 52.34, 70.27, 107.44, 108.08, 109.48, 127.53 (2C), 128.11, 128.60 (2C), 131.99, 136.41, 137.45, 156.80, 160.00。
【0277】
メチル3-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾアート(161)
200mLのアセトン中に4.0g(0.0165mmol)のメチル3-(ベンジルオキシ)-5-ヒドロキシベンゾアート(160)と、6.84g(0.0495mmol)の炭酸カリウムと、11.71g(0.0825mmol)のヨードメタンとの懸濁液を室温で24時間撹拌した。混合物を濾過して、濃縮した後、残留物を水により洗浄した。メチル3-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾアート(161)を白色の固体として得た。
【0278】
メチル3-(ベンジルオキシ)-5-ヒドロキシベンゾアート(160)から白色の固形物として得られた; 収率 85%; 1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ3.83 (3H, s), 3.92 (3H, s), 5.09 (2H, s), 6.74 (1H, t, J = 2.45 Hz), 7.21 (1H, dd, J = 2.45, 1.22 Hz), 7.29 (1H, dd, J = 2.45, 1.22 Hz), 7.34-7.48 (5H, m); 13C-NMR (50 MHz, CDCl3): δ 52.22, 55.55, 70.24, 106.53, 107.47, 107.98, 127.54, 128.09, 128.59, 131.99, 136.44, 159.75, 160.61。
【0279】
3-(ベンジルオキシ)-5-メトキシ安息香酸(162)
4.45g(0.0174mmol)のメチル3-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾアート(161)を120mLの95%エタノールと5mLの水に懸濁した。2.00g(0.05mmol)量の水酸化ナトリウムを加えた。混合物を1時間還流しながら加熱した。混合物を濃縮した後、残留物を150mLの水により急冷させた。溶液をdil aq HClにより中和して、その後沈降物を回収して水及びアセトンにより洗浄することで162を得た。
【0280】
メチル3-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾアート(161)から白色の固形物として得られた; 収率 90 %; 1H NMR (DMSO-d6, 200 MHz): δ 3.81 (3H, s), 5.09 (2H, s), 6.74 (1H, t, J = 2.45 Hz), 7.25 (1H, dd, J = 2.45, 1.35 Hz), 7.20 - 7.46 (6H, m); 13C-NMR (DMSO-d6, 50 MHz): δ 55.89, 69.94, 106.19, 107.57, 108.17, 128.12, 128.33, 128.90, 133.34, 137.22, 138.78, 159.88, 160.80, 167.36, 176.99。
【0281】
3-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾイルクロリド(163)
3-(ベンジルオキシ)-5-メトキシ安息香酸(162)(2.57g、0.01mmol)及び塩化チオニル(4.80g、0.04mmol)を200mLの無水トルエンに懸濁した。反応混合物を30分間撹拌して、その後ジメチルホルムアミド(3滴)を加えた。混合物を24時間撹拌して、その後乾燥するまで濃縮させた。残留物を更に精製することなく次のステップで直接使用した。
【0282】
N-(6-アセチルベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-3-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンズアミド(164)
200mLの無水テトラヒドロフラン中の163(2.77g、0.01mmol)の溶液に、トリエチルアミン(10mL)及び2-アミノ-4,5-メチレンジオキシアセトフェノン(148)(1.79g、0.01mmol)を加えた。混合物を室温で24時間撹拌して、その後濃縮させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2/EtOAc = 3/1)によって精製し164を得た。
【0283】
3-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾイル・クロリド(163)及び2-アミノ-4,5-メチレンジオキシアセトフェノン(148)から灰白色の固体として得られた; 収率 75 %; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 442 [M+Na]+; 1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz): δ2.64 (3H, s), 3.84 (3H, s), 5.20 (2H, s), 6.19 (2H, s), 6.87 (1H,s), 7.09 (1H, s), 7.16 (1H, s), 7.37 (1H, d, J = 7.43 Hz), 7.43 (1H, t, J = 7.43 Hz), 7.49 (1H, d, J = 7.43 Hz), 7.68 (1H, s), 8.34 (1H, s), 13.06 (1H, s); 13C-NMR (DMSO-d6, 125 MHz): δ 29.32, 55.99, 70.12, 98.96, 100.77, 102.91, 105.03, 105.67, 106.45, 111.25, 116.53, 128.28, 128.30, 128.95, 136.90, 137.05, 138.27, 143.11, 152.68, 160.28, 161.20, 164.99, 200.00。
【0284】
2-(3-ベンジルオキシ-5-メトキシフェニル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-オン(165)
200mLの1,4-ジオキサン中の164(3.33g、0.0079mmol)の懸濁液に、水酸化ナトリウム(2.50g、0.0635mmol)を加えた。混合物を24時間還流した。反応混合物を濃縮した後、100mLの10%塩化アンモニウム溶液を加えた。混合物を12時間撹拌し、その後沈殿物を回収して水及びアセトンにより洗浄した。
【0285】
灰白色の固体として得られた; 収率 75 %; mp 235-238 °C; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 402 [M+H]+; ESI-MS (ネガティブモード): m/z 400 [M-H]-; 1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz): δ 3.85 (3H, s), 5.22 (2H, s), 6.16 (2H, s), 6.31 (1H, s, br), 6.79 (1H, s), 6.95 (1H, s), 7.04 (1H, s), 7.21 (1H, s), 7.36 -7.50 (6H, m), 11.50 (1H, s, br); 13C-NMR (DMSO-d6, 125 MHz): δ 56.04, 70.10, 97.72, 101.76, 102.40, 103.14, 105.95, 106.60, 107.15, 110.00, 120.46, 128.25, 128.42, 128.96, 137.27, 137.82, 145.66, 151.57, 160.31, 161.23, 175.40。
【0286】
2-(3-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-オン(166)
60mLのメタノール中の0.5g(1.245mmol)の165及び0.25gのパラジウム(活性炭に対して10wt%)の懸濁液を水素ガス雰囲気下で24時間、室温で撹拌した。沈殿物を回収して、10%ソーダ溶液に溶解し、その後濾過した。濾液をdil aq HClで酸性化して、その後沈殿物を回収して、アセトン及び水により洗浄し、166を得た。
【0287】
白色の固体として得られた; 収率: 77%; mp > 300 °C; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 312 [M+H]+, 408 [M+Na]+; ESI-MS (ネガティブモード): m/z 310 [M-H]-; 1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz): δ 3.80 (3H, s), 6.16 (2H, s), 6.24 (1H, s, br), 6.52 (1H, s), 6.77 (1H, s), 6.78 (1H, s), 7.22 (1H,s), 7.40 (1H,s), 9.91 (1H, s), 11.56 (1H, s, br); 13C-NMR (DMSO-d6, 125 MHz): δ 55.77, 97.83, 101.52, 102.39, 103.29, 104.31, 106.74, 107.17, 120.79, 136.78, 137.77, 145.69, 149.27, 151.57, 159.38, 161.24, 175.93。
【0288】
ジベンジル2-(3-([ビス-[(ベンジル)オキシ]]ホスホリル)オキシ-5-メトキシフェニル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-イルホスフェート(167)
20mLの無水テトラヒドロフラン中の203.9mg(0.65mmol)の166、131.0mgの60%NaH(無機オイル) 及び705.4mg(1.31mmol)のピロリン酸テトラベンジルの懸濁液。混合物を室温で10分間撹拌した。反応混合物を濾過して、テトラヒドロフランにより洗浄した。濾液を温度30℃未満の真空下で濃縮した。
【0289】
黄色のオイルとして得られた; 収率: 85 %; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 832 [M+H]+; 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz):δ 3.77 (3H, s), 5.12 (4H, d, J = 8.31 Hz), 5.17 (4H, d, J = 9.54 Hz), 6.09 (2H, s), 6.78 (1H, m), 7.10 (1H, s), 7.23 (1H, s), 7.27-7.40 (22H, m), 7.52 (1H, d, J = 0.98 Hz); 13C-NMR (CDCl3, 50 MHz): δ 55.64, 70.01, 70.12, 70.53, 70.65, 97.16, 101.90, 106.07, 106.62, 110.04, 111.41, 111.52, 117.39, 117.53, 128.09, 128.14, 128.59, 128.67, 128.90, 134.91, 135.02, 135.38, 135.52, 141.49, 151.49, 151.64, 151.78, 153.74, 153.87, 154.86, 160.82。
【0290】
2-(3-([ビス-[(ベンジル)オキシ]]ホスホリル)オキシ-5-メトキシフェニル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-オン(168)
100mLのメタノール中の0.92g(1.11mmol)の167の懸濁液を25℃48時間撹拌した。沈殿物を回収して、カラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc)によって精製し、168を得た。
【0291】
白色の固体として得られた; 収率: 45 %; ESI-MS (ポジティブモード): m/z 572 [M+H]+, 594[M+Na]+; ESI-MS (ネガティブモード): m/z 570 [M-H]-; 1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 3.64 (3H, s), 5.07 (4H, d, J = 9.20 Hz), 5.99 (2H, s), 6.37 (1H, s), 6.79 (1H, s), 7.09 (1H, s), 7.18 (1H, s), 7.27-7.29 (22H, m), 7.59 (1H, s); 13C-NMR (CDCl3, 125 MHz): δ 55.57, 70.39, 70.43, 97.35, 101.83, 102.25, 107.57, 107.76, 107.82, 109.93, 110.00, 110.80, 110.90, 121.03, 128.09, 128.66, 128.87, 134.98, 134.02, 145.92, 148.07, 151.35, 151.40, 151.91, 160.90, 177.41。
【0292】
2-(3-(ジハイドロジェン)ホスフェート-5-メトキシフェニル)-6,7-メチレンジオキシキノリン-4-オン(169)
20mLの無水メタノール中の38.9mg(0.068mmol)の168及び20mgのパラジウム(活性炭に対して10重量%)の懸濁液を水素ガス雰囲気下で15分間室温で撹拌した。沈殿物を回収して、10%NaHCO3溶液に溶解し、その後濾過した。濾液をdil aq HClで酸性化して、その後沈殿物を回収してアセトンにより洗浄し、169を得た。
【0293】
白色の固体として得られた; 収率: 80 %; ESI-MS (ネガティブモード): m/z 390 [M-H]-; 1H NMR (D2O + NaOD, 500 MHz): δ 3.88 (3H, s), 6.01 (2H, s), 6.78 (1H, s), 6.93 (1H, s), 7.14 (1H, s), 7.15 (1H, s), 7.25 (1H, s), 7.44 (1H, s); 13C-NMR (D2O + NaOD, 125 MHz): δ 55.74, 99.41, 101.53, 103.57, 105.41, 106.64, 107.14, 112.32, 120.87, 142.31, 145.41, 147.13, 150.33, 155.24, 157.79, 159.78, 172.61。
【0294】
IV-2.抗癌活性
インビボ試験
MTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)アッセイ。HL-60、Hep 3B、H460、A498、Colo205及びデトロイト551細胞を、明示された期間、試験化合物で処理した。処理後、細胞をPBSで一回洗浄して、MTT(シグマ、St. Louis, MO, USA)で2時間インキュベートした。ホルマザン沈殿物を150μLのDMSOに溶解し、ELISAリーダーを用いて570nmで吸光度を測定した。
【0295】
結果
表6は、インビトロ細胞毒性試験における、166のIC50(μM)値を示す。
【表6】
【0296】
本発明の代表的な化合物を下記の表7に示している。
【表7】
【0297】
本発明の例示的な実施形態に関する前述の説明は、図示及び説明の目的のためだけに示しており、網羅的であったり開示される厳密な形態に本発明を制限したりすることを意図するものではない。実施形態及び実施例は、本発明及びそれらの実用的な応用の原理を説明する目的で選択し記載しており、他の当業者が本発明及び各種実施形態を、予想される特定の用途に適している各種変更形態を伴って利用することができるようにしている。従って、本発明の範囲は、ここで記載されている前述の記述及び例示的な実施形態よりは、むしろ添付の特許請求の範囲によって規定される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C