(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6457637
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】基板アダプタを製造する方法、基板アダプタ、および、半導体素子に対して接触する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20190110BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
H01L21/60 301P
H01L23/12 W
【請求項の数】21
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-521295(P2017-521295)
(86)(22)【出願日】2015年6月15日
(65)【公表番号】特表2017-522739(P2017-522739A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(86)【国際出願番号】EP2015063256
(87)【国際公開番号】WO2016005146
(87)【国際公開日】20160114
【審査請求日】2017年5月11日
(31)【優先権主張番号】102014109766.1
(32)【優先日】2014年7月11日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516387004
【氏名又は名称】ヘラエウス ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100141254
【弁理士】
【氏名又は名称】榎原 正巳
(72)【発明者】
【氏名】エリーザ ビーゼラー
(72)【発明者】
【氏名】フランク クリューガー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ブライフース
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル シェーファー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヒンリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス シュテッフェン クライン
【審査官】
安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02498283(EP,A2)
【文献】
国際公開第2008/015853(WO,A1)
【文献】
独国特許出願公開第102013104572(DE,A1)
【文献】
国際公開第2013/053419(WO,A1)
【文献】
特開2005−136184(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/045364(WO,A2)
【文献】
特開2008−251824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60−607
H01L 23/48−50
H01L 25/00−18
H01L 29/40−51
H01L 23/12−15
H01L 21/768
H01L 23/522−538
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子(32)に接触するために使用される基板アダプタ(27)を製造する方法であって、
キャリア(10)の一つの面(12)上に接触材料(13)を適用する段階と、
導電性の金属製要素(15)を構造化する段階と、
構造化された金属製要素(15)の第一面(17)、および、該接触材料(13)により被覆された該キャリア(10)の該面(12)が相互に対向して配置される如き様式で、該金属製要素(15)を該キャリア(10)上に位置決めする段階と、
該構造化された金属製要素(15)を、該接触材料(13)により被覆された該キャリア(10)に対して結合する段階と、
該構造化された金属製要素(15)の該第二面(20)上に移送要素(22)を適用する段階と、
該移送要素(22)を、および/または、該接触材料(13)により結合された該構造化された金属製要素(15)を、更なる処理のために個別化する段階と、
を備えて成る、方法。
【請求項2】
半導体素子(32)に接触するために使用される基板アダプタ(27')を製造する方法であって、
キャリア(10)の一つの面(12)上に接触材料(13)を適用する段階と、
導電性の金属製要素(15)を構造化する段階と、
構造化された金属製要素(15)の第一面(17)、および、該接触材料(13)により被覆された該キャリア(10)の該面(12)が相互に対向して配置される如き様式で、該金属製要素(15)を該キャリア(10)上に位置決めする段階と、
該構造化された金属製要素(15)を、該接触材料(13)により被覆された該キャリア(10)に対して結合する段階と、
該接触材料(13)により結合された該構造化された金属製要素(15)を、更なる処理のために個別化する段階と、
を備えて成る、方法。
【請求項3】
該構造化された金属製要素(15)を該キャリア(10)上に位置決めする前に、該構造化された金属製要素(15)の該第一面(17)を第一被覆系(25)により、および/または、該構造化された金属製要素(15)の該第二面(20)を第二被覆系(26)により被覆する段階により特徴付けられる、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該キャリア(10)は、枠体内に締着されるか、または、コイル・キャリア上に無限に巻回されたフィルムであることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
該構造化された金属製要素(15)が該キャリア(10)から取り外されるとき、該接触材料(13)は該構造化された金属製要素(15)に対して接着し続ける如き様式で、該キャリア(10)と該接触材料(13)との間の接着力は、該接触材料(13)と該構造化された金属製要素(15)との間の接着力よりも小さいことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該接触材料(13)は焼結材料であることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
該接触材料(13)は、焼結ペーストおよび/または焼結フィルムであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該接触材料(13)は、半田および/または導電性接着剤であることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
該キャリア(10)の一面(12)上への該接触材料(13)の適用は、印刷、および/またはステンシル印刷、および/または、ブレードによる擦過、および/または、吹き付けおよび/または噴流により実施されることを特徴とする、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
該キャリア(10)の一面(12)上への該接触材料(13)の適用は、該構造化された金属製要素(15)の構造(16)に正確に合致する所定構造(14)により実施されることを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
該金属製要素(15)は、金属箔であることを特徴とする、請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
該金属製要素(15)の該第一面(17)および/または該第二面(20)の被覆は、電気メッキにより実施されることを特徴とする、請求項3から請求項11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
該第一被覆系(25)および該第二被覆系(26)は、異なる金属であることを特徴とする、請求項3から請求項12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
該キャリア(10)に対して適用された該接触材料(13)は、予備乾燥されることを特徴とする、請求項1から請求項13までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
該キャリア(10)に対する該金属製要素(15)の結合プロセスの間、該金属製要素(15)は、加熱されたスタンプ(21)により、60℃〜100℃の温度まで加熱されることを特徴とする、請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
該圧着の間、該キャリア(10)の他の面(18)上には、対抗ホルダ(19)および/または対抗スタンプが作用することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
該移送要素(22)は、移送フィルムであることを特徴とする、請求項1から請求項16までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
選択的に該移送要素(22)を備えると共に、該キャリア(10)に対し、および/または、該接触材料(13)に対して結合された該構造化されて選択的に被覆された金属製要素(15)は、鋸切断、および/または、レーザ切断、および/または、打抜き、および/または、エッチング、および/または、ウォータジェット切断により個別化されることを特徴とする、請求項1から請求項17までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法により製造された基板アダプタ(27)により、半導体素子(32)に対して接触する方法であって、
該結合された接触材料(13)により選択的に被覆された該金属製要素(15)と、該移送要素(22)と、を備えて成る、個別化された基板アダプタ(27)を、該キャリア(10)から取り外す段階と、
該接触材料(13)および半導体素子(32)が相互に対向する如き様式で、該基板アダプタ(27)を該半導体素子(32)上に位置決めする段階と、
熱および/または圧力を付与することにより、該基板アダプタ(27)を該半導体素子(32)上に取付ける段階と、
該移送要素(22)を除去し、且つ、該選択的に被覆された金属製要素(15)の第二面(20)を露出させる段階と、
接触要素、および/または、ボンディング・テープおよび/または銅クリップを以て、該選択的に被覆された金属製要素(15)の該第二面(20)に対して接触する段階と、
を備えて成る、方法。
【請求項20】
請求項2に記載の方法により製造された基板アダプタ(27')により、半導体素子(32)に対して接触する方法であって、
結合された接触材料(13)により選択的に被覆された金属製要素(15)を備えて成る個別化された基板アダプタ(27')を、該キャリア(10)から取り外す段階と、
該接触材料(13)および半導体素子(32)が相互に対向する如き様式で、該基板アダプタ(27')を該半導体素子(32)上に位置決めする段階と、
熱および/または圧力を付与することにより、該基板アダプタ(27')を該半導体素子(32)上に取付ける段階と、
接触要素、および/または、ボンディング・テープおよび/または銅クリップを以て、該選択的に被覆された金属製要素(15)の該第二面(20)に対して接触する段階と、
を備えて成る、方法。
【請求項21】
該基板アダプタ(27、27')は、該半導体素子(32)に対し、および/または、該半導体素子(32)を備えて成る基板に対し、焼結、および/または、半田付け、および/または、接着されることを特徴とする、請求項19または請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、半導体素子に対して接触するために使用される基板アダプタを製造する方法に関する。これに加え、本発明は、斯かる方法により製造された基板アダプタ、および、斯かる基板アダプタが使用される半導体素子、特に、電力用半導体素子に対して接触する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、伝導率および寿命に関して電力用電子モジュールの要件は高まりつつあることから、電力用電子モジュールにおいて、各電力用半導体を、相互に対し、または、他の端子に対して接触させるためにCuボンディング・ワイヤの使用が必要とされる。チップの金属配線に対し、実質的に利用可能である唯一の支配的な技術は、アルミニウム被覆またはアルミニウム金属配線であるが、このことは、被覆プロセスおよび後続的な用途における問題に繋がる。例えば、斯かる金属配線方法は、作動時における後続的な故障に繋がり得る。
【0003】
システムの寿命を延ばすために、いわゆる可撓回路盤を使用する如き種々の解決手法が存在する。しかし、斯かる可撓回路盤に伴う不都合も在る、と言うのも、それらは習用のワイヤボンド・プロセスを用いて接触され得ないので、既存の製造機能がもはや使用され得ないからである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、特に、製造された半導体デバイス、特に、電力用半導体デバイス、の信頼性に関し、優れた解決策を提供することにある。
【0005】
本発明に依れば、この目的は、特に半導体素子に対して接触すべく使用される基板アダプタを製造する方法に関しては、特許請求項1もしくは特許請求項2の特徴を有する方法により、該基板アダプタに関しては、特許請求項19の主題により、且つ、本発明に係る基板アダプタにより、半導体素子、特に電力用半導体素子に対して接触する方法に関しては、請求項20もしくは請求項21の特徴を有する方法により、達成される。
【0006】
基板アダプタを製造する本発明に係る方法の、または、半導体素子、特に、電力用半導体素子に対し、本発明に係る基板アダプタにより接触する本発明に係る方法の、利点および好適な構成は、従属請求項中に特定される。
【0007】
特に半導体素子に接触するために使用される基板アダプタを製造する本発明に係る方法は、
キャリアの一つの面上に接触材料を適用する段階と、
導電性の金属製要素を構造化する段階と、
構造化された金属製要素の第一面、および、該接触材料により被覆された該キャリアの該面が相互に対向して配置される如き様式で、該金属製要素を該キャリア上に位置決めする段階と、
該構造化された金属製要素を、該接触材料により被覆された該キャリアに対して結合する段階と、
該構造化された金属製要素の該第二面上に移送要素を適用する段階と、
該移送要素を、および/または、該接触材料により結合された該構造化された金属製要素を、更なる処理のために個別化する段階と、
を備えて成る。
【0008】
更なる見地において、特に、半導体素子に対して接触するために使用される基板アダプタを製造する本発明に係る方法は、
キャリアの一つの面上に接触材料を適用する段階と、
導電性の金属製要素を構造化する段階と、
構造化された金属製要素の第一面、および、該接触材料により被覆された該キャリアの該面が相互に対向して配置される如き様式で、該金属製要素を該キャリア上に位置決めする段階と、
該構造化された金属製要素を、該接触材料により被覆された該キャリアに対して結合する段階と、
該接触材料により結合された該構造化された金属製要素を、更なる処理のために個別化する段階と、
を備えて成る。
【0009】
故に、本発明に係る方法は、該構造化された金属製要素の第二面上へと移送要素を適用する段階を選択的に備えて成り得る。
【0010】
該接触材料を適用する段階は、析出とも称され得る。該接触材料は、接触層として、該キャリアの一面上に適用または析出されることも可能である。
【0011】
該導電性の金属製要素の構造化は、導電性の金属製要素内への構造の取入れに関しており、その場合、各構造は、導電性の金属製要素の一つの面上、および、一つより多い面上の両方に取入れられ得る。導電性の金属製要素の構造化は、好適には、基板アダプタの形状、または、達成されるべき接触手段の形状に関して行われる。例えば、相互から離間された導電性の金属製要素に対し、同一的または一致する複数の形状が取入れられることが可能である。
【0012】
従って、接触材料により被覆された該キャリア、および、構造化された導電性の金属製要素は、先ず、相互から別体的に処理されるべき、または、処理され得る二つの要素の形態であり、且つ、引き続き、相互に対して位置決めされる。該構造化された金属製要素は、該金属製要素の第一面、および、該接触材料により被覆された該キャリアの該第一面が、相互に対向して配置される如き様式で、該キャリア上に位置決めされる。換言すると、該金属製要素の該第一面、および、該接触材料により被覆された該キャリアの面、または、該接触材料および該金属製要素の第一面は、相互に対向する。該構造化された金属製要素が、好適には正確な合致性により該キャリアに関して位置決めされた後、該構造化された金属製要素は、該接触材料により被覆された該キャリアに対して結合される。換言すると、該キャリアおよび該構造化された金属製要素は相互に結合され、該結合プロセスの間または後において、該接触材料は、該第一面上にて、該構造化された金属製要素に対して接触する。
【0013】
該第一中間要素、すなわち、該キャリアに対して結合された該構造化された金属製要素を形成した後、好適には接触材料が配備されていない該構造化された金属製要素の該第二面には、移送要素が適用され得る。換言すると、該接触材料および該キャリアは、該構造化された金属製要素の一つの面上に配置される。該移送要素は、該構造化された金属製要素の他面、または、逆側の面上に配置される。
【0014】
更なる処理のために、該移送要素を、および/または、該接触材料により結合された該構造化された金属製要素を個別化する段階は、個々の基板アダプタの切り分けまたは提供に関連する。故に、理論的には、基板アダプタは選択的に、移送要素を備えて成ること、および、備えないことが可能である。
【0015】
これに関連して、基板アダプタ(substrate adapter)という語句は、個別的な基板アダプタ、および、キャリア上に配置された複数の基板アダプタの両方を意味すると理解されるべきことを銘記すべきである。故に、本発明に係る方法は、基板アダプタを製造する方法、および、キャリア上に複数の基板アダプタの配置構成物を製造する方法の両方に関連する。
【0016】
該移送要素を、および/または、接触材料により結合された該構造化された金属製要素を個別化すると、基板アダプタの形状、または、基板上に隣接して配置された各々基板アダプタの形状が、生成され得る。例えば、該移送要素、もしくは、移送要素の個別化により生成された各移送要素区画、および、接触材料により結合されて構造化されて選択的に個別化された金属製要素は、一つの基板アダプタ、または、キャリア上に配置された複数の基板アダプタであって、好適には個別化されていないという複数の基板アダプタを形成する。接触材料により結合され、個別化され且つ選択的に被覆された該金属製要素のみが、一つの基板アダプタ、または、該キャリア上に配置された複数の基板アダプタであって、好適には個別化されないという複数の基板アダプタを形成することも想起可能である。該キャリアは、該基板アダプタ、または、自身上に配置された各基板アダプタと共に、例えば、半導体素子に対して接触するために必要とされる中間製品を形成する。該中間製品、または、該キャリア上に配置された各基板アダプタは、個別的に取扱われ得ると共に、時間的もしくは空間的に離間したプロセスにおいて更に処理されるか、または、半導体素子に対して接触する方法において使用され得る。
【0017】
選択的に、該構造化された金属製要素の該第一面は第一被覆系により被覆され、且つ/又は、該構造化された金属製要素の該第二面は第二被覆系により被覆されることが実現され得、その場合、該構造化された金属製要素の第一面および/または第二面の被覆は、好適には、該構造化された金属製要素を該キャリア上に位置決めする前に行われる。
【0018】
故に、以下においては、構造化された金属製要素という語句は、この構造化された金属製要素が、一面または両面上、または、第一面および/または第二面上のいずれかにて被覆され得るという選択肢を常に包含する。
【0019】
本発明の一実施形態において、該キャリアは、フィルム、特に、調節可能な接着強度を有するフィルムであって、枠体、特にフィルム用枠体内に締着されたというフィルムであり得る。該フィルムは、コイル・キャリアの回りに無限に巻回されることも可能である。例えば、キャリア・フィルムは、UVフィルムであり得る。
【0020】
該接着力、特に、フィルムもしくはキャリア・フィルムの調節可能な接着強度は、該キャリアと該接触材料との間において、該接触材料と該構造化された金属製要素との間における接着力よりも小さくされ得る。該構造化された金属製要素が該キャリアから取り外されるとき、該接触材料は、該構造化されて選択的に被覆された金属製要素に対して接着し続ける。換言すると、該キャリアと該接触材料との間の接着力は好適には、該接触材料と該構造化されて選択的に被覆された金属製要素との間のそれよりも小さいことから、構造化されて選択的に被覆された金属製要素が該キャリアから取り外されるとき、該接触材料は、該構造化されて選択的に被覆された金属製要素に対して接着し続ける。
【0021】
該キャリアの一面に対して適用された該接触材料は、焼結可能材料、例えば、焼結材料であり得る。該接触材料は、焼結ペーストおよび/または焼結箔体であり得、その場合、該焼結材料および/または焼結ペーストおよび/または焼結箔体は、例えば、銀および/または銀化合物を含有し得る。
【0022】
本発明の更なる実施形態において、該接触材料は、半田および/または導電性接着剤であり得る。
【0023】
キャリアの一面に対する接触材料の適用は、印刷、特に、スクリーン印刷および/またはステンシル印刷、および/または、ブレードによる擦過、および/または、吹き付けおよび/または噴流により、実施され、または、行われ得る。
【0024】
該キャリアの一面上への該接触材料の適用は、好適には、所定構造により実施され得、その場合、該所定構造は特に正確に、該金属製要素、特に、構造化された金属製要素の構造に合致する。好適には、該接触材料は、該キャリアの一面に対し、該構造化された金属製要素の金属製要素の形態もしくは構造に一致する一種の形態もしくは一種の構造を以て適用されることから、該構造化された金属製要素が、該接触材料により被覆された該キャリアに対して結合されるとき、該構造化された接触材料は、それが該金属製要素の構造に対して正確に合致する様に適用され得る。
【0025】
該金属製要素は、金属箔、特に銅箔であり得る。
【0026】
第一および/または第二の被覆系による該金属製要素の第一および/または第二面の選択的な被覆は、例えば、電気メッキにより実施され得る。該被覆、および/または、該第一のおよび/または第二の被覆系は、例えば、ラック式の電気メッキ・プロセスにおいて、該金属製要素の第一および/または第二の面に対して適用され得る。
【0027】
該第一被覆系および該第二被覆系は好適には、異なる金属、特に、ニッケル、銀および/または金である。
【0028】
本発明の更なる実施形態において、該キャリアに対して適用された該接触材料、特に、焼結ペースト、および/または、焼結箔体、および/または、適用された半田は、予備乾燥され得る。該キャリアに対して適用された該接触材料の予備乾燥は、好適には、該キャリア上への、該構造化されて選択的に被覆された金属製要素の位置決めの前に実施される。換言すると、該接触材料により、該構造化されて選択的に被覆された金属製要素を結合するとき、該キャリアに対して適用された該接触材料は、既に予備乾燥されている。
【0029】
該金属製要素が結合され、特に圧着されつつある間、該構造化されて選択的に被覆された金属製要素、特に、該金属製要素の第二面は、加熱されたスタンプにより、60℃〜100℃、特に70℃〜90℃、特に80℃の温度まで加熱され得る。
【0030】
該圧着プロセスの間、接触材料を有さない該キャリアの該面上には、対抗ホルダおよび/または対抗スタンプが作用し得る。
【0031】
記述された移送要素であって、該構造化されて選択的に被覆された金属製要素の第二面上に適用され、または、適用されるものであるという移送要素は、移送フィルム、特に、接着剤被覆、好適にはPSA(感圧接着性)接着剤被覆を備えた自己接着性フィルムであり得る。該移送要素は好適には移送フィルムであり、または、該移送要素は、移送フィルムを備えて成る。
【0032】
本発明に係る方法の一部として、該キャリアおよび/または該接触材料に対して結合されると共に、移送要素を選択的に備えた該構造化されて選択的に被覆された金属製要素は、好適には、鋸切断、および/または、レーザ切断、および/または、打抜き、および/または、エッチング、および/または、ウォータジェット切断により個別化されることが可能である。該移送要素および/または該金属製要素の個別化によれば、複数の基板アダプタの配置構成物がキャリア上に製造もしくは提供され得る。
【0033】
例えば、該移送要素のみが個別化されることが可能である。該移送要素と、該接触材料により結合された該金属製要素と、の両方が個別化されることも想起可能である。該接触材料により結合された該金属製要素のみが個別化されることも可能である。該キャリアの部分的領域の個別化も可能である。該個別化プロセスは好適には、隣接する積層体同士の間に自由空間を生成し、その場合に各積層体は、金属製要素区画および接触材料区画から成ると共に、選択的に移送要素区画を備えて成る。個々の積層体は、相互に隣接して配置されて、キャリアに対し、または、共通キャリア上に位置決定もしくは固定され得る。
【0034】
副次的見地において、本発明は、所定の方法により、または、本発明に係る方法により製造された基板アダプタに関する。該基板アダプタは、少なくとも一つの金属製要素区画、および、少なくとも一つの接触材料区画を備えて成る。これに加え、該基板アダプタは、少なくとも一つの移送要素区画を備えて成ることも可能である。選択的に、これらの区画は、一つのキャリア上に配置され得る。
【0035】
更なる副次的見地において、本発明は、キャリア上の複数の基板アダプタの配置構成物であって、本発明に係る方法により製造されたという複数の基板アダプタの配置構成物に関する。
【0036】
本発明の更なる副次的見地は、本発明に係る基板アダプタにより、半導体素子、特に電力コンポーネント(power component)に対して接触する方法に関する。本発明に係る該接触方法は、
該結合された接触材料により選択的に被覆された該金属製要素と、該移送要素とを備えて成る、個別化された基板アダプタを、該キャリアから取り外す段階と、
該接触材料および半導体素子が相互に対向する如き様式で、該基板アダプタを該半導体素子上に位置決めする段階と、
熱および/または圧力を付与することにより、該基板アダプタを該半導体素子上に取付ける段階と、
該移送要素を除去し、且つ、該選択的に被覆された金属製要素の第二面を露出させる段階と、
接触要素、特に、ボンディング・ワイヤ、特に銅ボンディング・ワイヤ、および/または、ボンディング・テープおよび/または銅クリップを以て、該選択的に被覆された金属製要素の該第二面に対して接触する段階と、
を備えて成る。
【0037】
本発明の更なる副次的見地は、本発明に係る基板アダプタにより、半導体素子、特に電力コンポーネントに対して接触する方法に関する。本発明に係る接触方法は、
結合された接触材料により選択的に被覆された金属製要素を備えて成る個別化された基板アダプタを、該キャリアから取り外す段階と、
該接触材料および半導体素子が相互に対向する如き様式で、該基板アダプタを該半導体素子上に位置決めする段階と、
熱および/または圧力を付与することにより、該基板アダプタを該半導体素子上に取付ける段階と、
接触要素、特に、ボンディング・ワイヤ、特に銅ボンディング・ワイヤ、および/または、ボンディング・テープおよび/または銅クリップを以て、該選択的に被覆された金属製要素の該第二面に対して接触する段階と、
を備えて成る。
【0038】
更に、本発明に係る該接触方法は、該基板アダプタは、該半導体素子に対し、および/または、該半導体素子を備えて成る基板に対し、焼結、および/または、半田付け、および/または、接着されるという方法段階を備えて成り得る。
【0039】
基板アダプタを製造する本発明に係る方法に依れば、該接触材料を含めて供給され得る基板アダプタが、利用者に対し、且つ/又は、更なる処理もしくは切断工程に対して提供される。該基板アダプタ、または、複数の基板アダプタを有する配置構成物は、フィルム用枠体上に提供され得る。この形式の供与形態において、それは、次続するプロセスまたは方法段階において該フィルム用枠体から直接的に取り外されると共に、半導体素子、特に、電力コンポーネント上へと焼結され得る。これは、いわゆるピック・アンド・プレース技術に対応する。このことは、該基板アダプタは、該キャリアもしくは該フィルム用枠体から、ロボットもしくは操作デバイス、または、ノズルもしくは吸引デバイスにより取り外されると共に、対応する半導体素子まで搬送され得ることを意味する。
【0040】
以下において本発明は、好適実施形態に基づき、且つ、添付図面に関して、更に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】
図1〜
図6は、半導体電力モジュールを機械的応力から保護すべく、且つ、Cuボンディング・ワイヤによるボンディングを可能とすべく設計された、半導体電力モジュール用の特定の基板アダプタを製造する方法の個々の局面およびステップを示す図である。
【
図2】
図1〜
図6は、半導体電力モジュールを機械的応力から保護すべく、且つ、Cuボンディング・ワイヤによるボンディングを可能とすべく設計された、半導体電力モジュール用の特定の基板アダプタを製造する方法の個々の局面およびステップを示す図である。
【
図3】
図1〜
図6は、半導体電力モジュールを機械的応力から保護すべく、且つ、Cuボンディング・ワイヤによるボンディングを可能とすべく設計された、半導体電力モジュール用の特定の基板アダプタを製造する方法の個々の局面およびステップを示す図である。
【
図4】
図1〜
図6は、半導体電力モジュールを機械的応力から保護すべく、且つ、Cuボンディング・ワイヤによるボンディングを可能とすべく設計された、半導体電力モジュール用の特定の基板アダプタを製造する方法の個々の局面およびステップを示す図である。
【
図5】
図1〜
図6は、半導体電力モジュールを機械的応力から保護すべく、且つ、Cuボンディング・ワイヤによるボンディングを可能とすべく設計された、半導体電力モジュール用の特定の基板アダプタを製造する方法の個々の局面およびステップを示す図である。
【
図6】
図1〜
図6は、半導体電力モジュールを機械的応力から保護すべく、且つ、Cuボンディング・ワイヤによるボンディングを可能とすべく設計された、半導体電力モジュール用の特定の基板アダプタを製造する方法の個々の局面およびステップを示す図である。
【
図7】
図7〜
図11は、個々の局面またはステップにより基板アダプタを製造する該方法の更なる好適実施形態を示す図である。
【
図8】
図7〜
図11は、個々の局面またはステップにより基板アダプタを製造する該方法の更なる好適実施形態を示す図である。
【
図9】
図7〜
図11は、個々の局面またはステップにより基板アダプタを製造する該方法の更なる好適実施形態を示す図である。
【
図10】
図7〜
図11は、個々の局面またはステップにより基板アダプタを製造する該方法の更なる好適実施形態を示す図である。
【
図11】
図7〜
図11は、個々の局面またはステップにより基板アダプタを製造する該方法の更なる好適実施形態を示す図である。
【
図12】
図12〜
図14は、基板アダプタにより半導体素子に対して接触する本発明に係る方法の個々の局面またはステップを示す図である。
【
図13】
図12〜
図14は、基板アダプタにより半導体素子に対して接触する本発明に係る方法の個々の局面またはステップを示す図である。
【
図14】
図12〜
図14は、基板アダプタにより半導体素子に対して接触する本発明に係る方法の個々の局面またはステップを示す図である。
【
図16】
図16〜
図21は、個々の局面またはステップにより基板アダプタを製造する方法、および、基板アダプタにより半導体素子に対して接触する方法の更なる好適実施形態を示す図である。
【
図17】
図16〜
図21は、個々の局面またはステップにより基板アダプタを製造する方法、および、基板アダプタにより半導体素子に対して接触する方法の更なる好適実施形態を示す図である。
【
図18】
図16〜
図21は、個々の局面またはステップにより基板アダプタを製造する方法、および、基板アダプタにより半導体素子に対して接触する方法の更なる好適実施形態を示す図である。
【
図19】
図16〜
図21は、個々の局面またはステップにより基板アダプタを製造する方法、および、基板アダプタにより半導体素子に対して接触する方法の更なる好適実施形態を示す図である。
【
図20】
図16〜
図21は、個々の局面またはステップにより基板アダプタを製造する方法、および、基板アダプタにより半導体素子に対して接触する方法の更なる好適実施形態を示す図である。
【
図21】
図16〜
図21は、個々の局面またはステップにより基板アダプタを製造する方法、および、基板アダプタにより半導体素子に対して接触する方法の更なる好適実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下において、同一的であり、または、機能的に等価的である部材に対しては、同一の参照番号が使用される。
【0043】
図1〜
図6において、個々の方法ステップおよび中間製品は、平面視および断面視の両方で示される。
【0044】
図1においては、いわゆるフィルム用枠体11上に締着されたキャリア10が示される。図中に示されたキャリア10は、調節可能な接着強度を備えたフィルムである。フィルム10をフィルム用枠体11内に締着するときには、その上に配置された各素子または接触材料13が、一切の次続的な乾燥プロセスの間において変形されない様に、該フィルムまたはキャリア10が十分に機械的に安定的であることを確実とすることが重要である。
【0045】
図2に示された如く、キャリア10の一面12上には、接触材料13が適用される。示された例において、接触材料13は、焼結ペーストである。この焼結ペーストは好適には、銀、および/または、銀化合物を含有する。接触材料13は、キャリア10の面12上に適用されるべく構造化され、または、其処に適用された構造14を有する。換言すると、接触材料13は、4個の別体的な区画にて適用され、個々の区画は概略的にL形状を有する。キャリア10の面12上への接触材料13の適用は、好適には、印刷により、特に、スクリーン印刷および/またはステンシル印刷により行われる。キャリア10の面12上に印刷された接触材料13、すなわち、焼結ペーストは、次に予備乾燥される。好適に使用されたAg焼結ペーストは、例えば、約100℃にて約10分間だけ乾燥される。
【0046】
図3は、金属製要素15の第一面の平面図を示している。金属製要素15は好適には、金属箔、特に、銅箔である。導電性の金属製要素15は、構造化される。構造化は、例えば、エッチング、および/または、打抜成形、および/または、レーザ処理により行われ得る。換言すると、導電性の金属製要素15には、単一の構造または複数の構造16が導入される。各構造16または形状は、好適には、接触要素13の各構造14に対応する。金属製要素15の構造16は好適には、後時に使用されるべき基板アダプタの形状に対応する。
【0047】
接触材料13は、所定構造14を以てキャリア10の面12に対して適用され、該構造14は、金属製要素15の構造に正確に合致すべく設計される。故に、導電性の金属製要素15の該構造16もまたL形状として設計され、これらは、接触材料13の夫々のL形状、または、個々の構造14と同一距離だけ離間される。
【0048】
図4は、基板アダプタを製造する本発明に係る方法の次のステップを示している。これは、キャリア10上での構造化金属製要素15の位置決めに関しており、該位置決めは、金属製要素15の第一面17、および、接触材料13が配備されたキャリア10の面12が、相互に対向して配置される如き様式で実施される。このプロセスにおいて、導電性で構造化された金属製要素15は、焼結ペーストが被覆されたキャリア・フィルム上に、正確な合致性を以て載置される。キャリア10またはキャリア・フィルムが反り返らないように、接触材料13を有さないキャリア10の下側面、または、第二面18に対しては、対抗ホルダ19が作用する。
【0049】
図5において認識され得る如く、これは、構造化された金属製要素15を、接触材料13が配備されたキャリア10に対して結合する段階により追随される。結合または圧着プロセスの間、金属製要素15、特に、該金属製要素15の第二面20は、加熱されたスタンプ21により、60℃〜100℃、特に、70℃〜90℃、特に80℃の温度まで加熱される。熱および/または圧力の付与により、金属製要素15は、キャリア10に対し、または、該キャリア10上に配置された接触材料13に対して、圧着される。対抗ホルダ19もまた、圧着の間、キャリア10の第二面18上に作用する。
【0050】
接触材料13により被覆されたキャリア10に対し、構造化された金属製要素15を圧着もしくは結合した後、構造化された金属製要素15の第二面20上には、移送要素22が適用される。この場合、移送要素22は、移送フィルムである。該移送フィルムは特に、接着剤被覆を備えた自己接着性フィルムで在り得る。PSA(感圧接着性)接着剤被覆が好適である。
【0051】
既に記述された如く、キャリア10は、フィルム、または、キャリア・フィルムでもあり得る。特に、キャリア10は、調節可能な接着強度を備えたフィルムである。フィルムもしくはキャリア・フィルム10の接着強度は、好適には、キャリア10、または、該キャリア10の第一面12と接触材料13との間の接着力が、接触材料13と、構造化された金属製要素15、または、該構造化された金属製要素15の第一面17と、の間の接着力よりも小さい様に、設定される。接着力の斯かる設定によれば、構造化された金属製要素15および接触材料13がキャリア10から取り外されるとき、接触材料13は構造化された金属製要素15に対して接着され得る。換言すると、構造化された金属製要素15が取り外されるとき、該金属製要素15上に配置された接触材料13は、それと共に取り外される、と言うのも、接触材料13は、低い接着力の故に、キャリア10から、または、該キャリア10の第一面12から取り外し可能だからである。
【0052】
図6は、更なる処理のために、移送要素22の個別化、および、接触材料13により結合された構造化された金属製部材15の個別化を示している。従って、選択的に移送要素22を備えると共に、キャリア10に対し、且つ/又は、接触材料13に対して結合された、構造化されて選択的に被覆された金属製要素15は、好適には、鋸切断、および/または、レーザ切断、および/または、打抜き、および/または、エッチング、および/または、ウォータジェット切断により個別化される。例えば、接触材料13の構造14および金属製要素15の構造16に沿って行われる該個別化によれば、個別的な基板アダプタが切り分けられ、または、製造され得る。好適には、該個別化の間、キャリア10は、分離されず、または、幾つかの区画においてのみ分離される。故に、個別化された各基板アダプタは、キャリア10に接着され続け得る。換言すると、該個別化は好適には、移送要素22と接触材料13により結合された金属製要素15とに対してのみ影響する。フィルム用枠体11およびキャリア10によれば、この様に個別化された各基板アダプタは、簡素な様式で搬送され得る。
【0053】
以下の
図7〜
図11は、基板アダプタを製造する本発明に係る方法の更なる実施形態に関している。
【0054】
図7は、最初に構造化される金属製要素15、すなわち、銅箔を示している。この目的のために、金属製要素15の第一面17内には、凹所23が機械加工される。機械加工された各凹所23、および、金属製部材15を全厚dに亙り分離する分離箇所24の故に、構造16は、金属製要素15の第一面17上に製造される。
【0055】
図8に依れば、第一面17上の第一被覆系25、および、第二面20上の第二被覆系26を以て、金属製要素15の第一面17および金属製要素15の第二面20の両方に対し、被覆が適用される。故に、構造化された金属製要素15の選択的な被覆は好適には、金属製要素15の構造化の後で行われる。金属製要素15の第一面17および第二面20の被覆は、好適には、電気メッキにより実施される。
【0056】
第一被覆系25および第二被覆系26は、好適には、異なる金属、特に、ニッケル、銀および/または金である。
【0057】
図9は、接触材料13が自身上に適用されたキャリア10を示している。接触材料13は、例えば、銀系、または、銀合金系の焼結ペーストである。接触材料13は、金属製要素15の構造16に一致する構造14を有している。被覆された金属製要素15は、キャリア10上、特に、接触材料13上に位置決めされる。好適には、自身上に配置された第一被覆系25を備える金属製要素15の第一面17は、接触材料13上に配置される。これは、構造化された金属製要素15を接触材料13に対して結合する段階により追随される。この結合は、例えば、
図5に関して既に記述された圧着により行われ得る。
【0058】
図10に示された如く、移送要素22が適用され得る。移送要素22は、例えば、移送フィルムであり、これは、金属製要素15の第二面20上、特に、第二被覆系26上に適用される。移送要素22は好適には、被覆されて構造化された金属製要素15を完全に覆う。
【0059】
図11は再び、移送要素22の、および、接触材料13により結合された構造化されて被覆された金属製部材15の個別化を示している。該個別化は、既に記述された如く、鋸切断、および/または、レーザ切断、および/または、打抜き、および/または、エッチング、および/または、ウォータジェット切断により行われ得る。該個別化によれば、各々が、移送要素区画28と、被覆された金属製要素区画29と、接触材料区画30と、から成る個別的な複数の積層体27が獲得される。示されたキャリア10は、この場合には、分離されない。例えば、中央の積層体27は、相互に隣接して配置された二つの積層体であって、一つの移送要素区画28に対してのみ接続されたという二つの積層体により形成されることも明らかである。個々の積層体27は、一つの半導体素子上に取付けられるべき基板アダプタを表している。個々の積層体27または基板アダプタは、キャリア10上で搬送され得る。
【0060】
図12は、ピック・アンド・プレース技術を用いる後時の顧客プロセスにおけるものを示しており、中央積層体27または基板アダプタは、把持器もしくは吸引デバイスもしくはノズル31により、キャリア10から取り外され得る。積層体または基板アダプタ27は、半導体素子32上に位置決めされ、接触材料13および半導体素子32は、相互に対向する(
図13を参照)。熱および/または圧力を付与することにより、基板アダプタまたは積層体27は、半導体素子32に対して接着される。
【0061】
以下のステップ(
図14を参照)において、移送要素22または移送要素区画28は取り外され、且つ、金属製要素15の第二面20または第二被覆系26が露出される。
【0062】
図15に示された如く、選択的に被覆された金属製要素15の第二面20は、接触要素、すなわち、銅ボンディング・ワイヤ33により結合され得る。これは、接触された半導体素子32または電力コンポーネントを製造する、焼結、および/または、標準的な組立ておよび接続プロセスにより追随される。
【0063】
次続する
図16〜
図21は、基板アダプタを製造する本発明に係る更なる実施形態、および、基板アダプタにより半導体素子に対して接触する方法に関している。
【0064】
図16は、最初に構造化される金属製要素15、すなわち、銅箔を示している。この目的のために、金属製要素15の第一面17内には各凹所23が機械加工される。機械加工された各凹所23、および、金属製部材15を全厚dに亙り分離する分離箇所24の故に、構造16は、金属製要素15の第一面17上に製造される。
【0065】
図17に依れば、第一面17上の第一被覆系25、および、第二面20上の第二被覆系26を以て、金属製要素15の第一面17および金属製要素15の第二面20の両方に対し、被覆が適用される。故に、構造化された金属製要素15の選択的な被覆は好適には、金属製要素15の構造化の後で行われる。金属製要素15の第一面17および第二面20の被覆は、好適には、電気メッキにより実施される。
【0066】
第一被覆系25および第二被覆系26は、好適には、異なる金属、特に、ニッケル、銀および/または金である。
【0067】
図18は、接触材料13が自身上に適用されたキャリア10を示している。接触材料13は、例えば、銀系、または、銀合金系の焼結ペーストである。接触材料13は、金属製要素15の構造16に厳密に一致する構造14を有している。被覆された金属製要素15は、キャリア10上、特に、接触材料13上に位置決めされる。好適には、自身上に配置された第一被覆系25を備える金属製要素15の第一面17は、接触材料13上に配置される。これは、構造化された金属製要素15を接触材料13に対して結合する段階により追随される。この結合は、例えば、
図5に関して既に記述された圧着により行われ得る。
【0068】
図19は再び、接触材料13により結合された構造化されて被覆された金属製部材15の個別化を示している。該個別化は、鋸切断、および/または、レーザ切断、および/または、打抜き、および/または、エッチング、および/または、ウォータジェット切断により行われ得る。該個別化によれば、各々が、被覆された金属製要素区画29と接触材料区画30とから成る個別的な複数の積層体または基板アダプタ27'が獲得される。示されたキャリア10は、この場合には、分離されない。個々の積層体27'は、一つの半導体素子上に取付けられるべき基板アダプタを表している。個々の積層体27'または基板アダプタは、例えば、フィルム用枠体内に締着され得るキャリア10上で搬送され得る。
【0069】
図20は、ピック・アンド・プレース技術を用いる後時の顧客プロセスにおけるものを示しており、中央積層体27'または基板アダプタは、把持器もしくは吸引デバイスもしくはノズル31により、キャリア10から取り外され得る。積層体または基板アダプタ27'は、本件の場合には、半導体素子32上に位置決めされたエミッタであり、接触材料13および半導体素子32は、相互に対向する(
図21を参照)。熱および/または圧力を付与することにより、基板アダプタまたは積層体27'は、半導体素子32に対して接着される。キャリア10上に付加的に配置されて、ゲートを表す積層体もしくは基板アダプタ27'は半導体素子32に対して別個に適用され得る。このことは、
図21に示された如く、別の吸引デバイスまたはノズル31'により行われ得る。
図13に示された方法ステップにおいて、エミッタおよびゲートの位置決めは一つのステップで行われ得る、と言うのも、移送要素区画28によれば、二つの積層体27が相互に対して接続されるからである。
【0070】
金属製要素15の第二面20または第二被覆系26は好適には、例えば銅ボンディング・ワイヤにより、示されない次続的な方法ステップにおいて接触され得る。これは、接触された半導体素子32または電力コンポーネントを製造する、焼結、および/または、標準的な組立ておよび接続プロセスにより追随される。
【0071】
この点において、
図1〜
図21に従う実施形態、特に、図面中に示された詳細に関して上述された方法ステップおよび要素の全ては、本発明に必須であるとして、各々が単独で、または、任意の組合せにて権利請求されることを銘記すべきである。
【符号の説明】
【0072】
10 キャリア
11 フィルム用枠体
12 キャリアの第一面
13 接触材料
14 接触材料の構造
15 金属製要素
16 金属製要素の構造
17 金属製要素の第一面
18 キャリアの第二面
19 対抗ホルダ
20 金属製要素の第二面
21 スタンプ
22 移送要素
23 凹所
24 分離箇所
25 第一被覆系
26 第二被覆系
27、27' 積層体、基板アダプタ
28 移送要素区画
29 金属製要素区画
30 接触材料区画
31、31' ノズル
32 半導体素子
33 銅ボンディング・ワイヤ
d 金属製要素の厚み