特許第6457852号(P6457852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

<>
  • 特許6457852-表示装置 図000002
  • 特許6457852-表示装置 図000003
  • 特許6457852-表示装置 図000004
  • 特許6457852-表示装置 図000005
  • 特許6457852-表示装置 図000006
  • 特許6457852-表示装置 図000007
  • 特許6457852-表示装置 図000008
  • 特許6457852-表示装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6457852
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20190110BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20190110BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20190110BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
   G09F9/00 342
   G09F9/00 313
   H05B33/14 A
   H05B33/02
   H05B33/10
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-58281(P2015-58281)
(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公開番号】特開2016-177188(P2016-177188A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2017年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 直久
【審査官】 新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−258671(JP,A)
【文献】 特開2012−103383(JP,A)
【文献】 特開2005−327477(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/183597(WO,A1)
【文献】 特開2004−022277(JP,A)
【文献】 特開2002−025764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
H01L 51/50
H05B 33/02
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有し、第1の方向へ延び且つ互いに対向する第1の辺と第2の辺とを有する第1絶縁基板と、
前記第1絶縁基板の上側に積層された自発光素子層と、
可撓性を有し、前記第1絶縁基板と対向する第2絶縁基板と、
前記第1絶縁基板の下側に位置する保護フィルムと、
前記第1絶縁基板と前記保護フィルムとの間に位置する両面粘着シートと、
を有し、
前記両面粘着シートは、前記第1の方向へ延び前記第1の辺と前記第2の辺との間に位置する第1骨格部と、前記第1骨格部から前記第1の方向と交差する第2の方向へ延びる複数の第2骨格部と、前記第1骨格部から前記第1の方向及び前記第2の方向とは異なる第3の方向へ延びる複数の第3骨格部と、を含み、隣同士の前記第2骨格部の間と隣同士の前記第3骨格部の間とには非粘着部が形成されており、
前記第2骨格部は、前記第1骨格部から前記第1の辺へ延び、且つ前記第1の辺の側に位置する第1端部を有し、
前記第3骨格部は、前記第1骨格部から前記第2の辺へ延び、且つ前記第2の辺の側に位置する第2端部を有し、
前記第1骨格部は、前記第1の方向で互いに対向する一対の端部を有し、
前記第2骨格部と前記第3骨格部とは、前記第1骨格部から前記一対の端部の一方の側へ傾いており、
前記第2骨格部と前記第3骨格部とは、前記第1骨格部と重なる前記第1の方向の仮想線分を対称軸として線対象になる方向に延在することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された表示装置において、
第1端部は互いに離間することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された表示装置において、
記第2端部互いに離間することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載された表示装置において、
前記保護フィルムは、前記第1絶縁基板又は前記第2絶縁基板の膜厚よりも厚いことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、柔軟性を有するプラスチック基板の上に所定間隔で半導体発光素子を配置することで、半導体発光素子の発光効率及び寿命を損なわずにディスプレイを反らせることが可能なフレキシブルディスプレイが開示されている。
【0003】
また、下記特許文献2には、ユーザに認識される非表示領域を低減させるために、第1表示領域と、この第1表示領域から伸び、且つ、曲面をなす第2表示領域と、ユーザからは見えない位置に配置される非表示領域を含む可撓性表示パネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−183605号公報
【特許文献2】特開2013−15835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シート状の表示装置において、過度の曲がりを防止するために、保護フィルムを貼り付けることがある。保護フィルムは両面粘着シートにより貼り付けられるが、その際に保護フィルムと両面粘着シートとの間に気泡が入り込むと、保護フィルムの表面に凹凸ができ、表示装置が最終的な製品として望ましい形状にならない場合がある。
【0006】
本発明の目的は、保護フィルムと両面粘着シートとの間に気泡を残しにくい表示装置、及び、表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置は、可撓性を有する第1絶縁基板と、前記第1絶縁基板の上側に積層され、画像を構成する複数の単位画素のそれぞれで輝度が制御されるように、前記第1絶縁基板とは反対の方向に発光するように設けられた自発光素子層と、可撓性を有し、前記自発光素子層の発光する側に積層された第2絶縁基板と、前記第1絶縁基板の下側に貼り付けられた保護フィルムと、前記第1絶縁基板及び前記保護フィルムに挟まれて粘着する両面粘着シートと、を有し、前記両面粘着シートは、前記第1絶縁基板及び前記保護フィルムのいずれかの幅の方向に粘着部が途切れなく延びる第1骨格部と、前記第1骨格部の長さ軸に交差する方向に前記第1骨格部から粘着部が途切れなく延びる複数の第2骨格部と、を含み、隣同士の前記第2骨格部の間には外方向に開口するように非粘着部が形成されることを特徴とする。これによれば、保護フィルムと両面粘着シートとの間に気泡を残しにくくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の斜視図である。
図2】表示装置の構成の一例を示す断面図である。
図3】両面粘着シートの形状の一例を示す図である。
図4】第1絶縁基板に保護フィルムを貼り付ける工程の一例を示す図である。
図5】両面粘着シートの形状の変形例を示す図である。
図6】第1絶縁基板に保護フィルムを貼り付ける工程の変形例を示す図である。
図7】両面粘着シートの形状の変形例を示す図である。
図8】第1絶縁基板に保護フィルムを貼り付ける工程の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と呼ぶ)について説明する。なお、本明細書の開示は本発明の一例にすぎず、本発明の主旨を保った適宜変更であって当業者が容易に想到し得るものは本発明の範囲に含まれる。また、図で示す各部の幅、厚さ及び形状等は模式的に表されており、本発明の解釈を限定するものではない。
【0010】
[1.表示装置の外観]
図1は、本発明の実施形態に係る表示装置1の外観を示す斜視図である。シート状に形成される表示装置1は可撓性を有し、たわんだ状態であっても、表示装置1の表面に設けられた表示領域5に画像を表示することが可能である。
【0011】
[2.表示装置の構成]
図2は、表示装置1の構成の一例を示す断面図であり、その切断面は図1のII−II線で示されている。同図に示すように、表示装置1は、第1絶縁基板10の上方(図2においては、Z2方向)に、第1バリア層11と、回路層30と、平坦化層40と、自発光素子層50と、充填層60と、オーバーコート層70と、カラーフィルタ層80と、第2バリア層21と、第2絶縁基板20と、が積層されている。また、第1絶縁基板10の外面には、保護フィルム13が両面粘着シート12を介して貼り付けられている。
【0012】
自発光素子層50は、表示領域5(図1参照)に表示される画像(以降、表示画像とも呼ぶ)を構成する複数の単位画素の光を出射する。自発光素子層50は、例えば、図2に示すように、電荷輸送層や電荷注入層、発光層などが積層された有機層53を含んで形成されている。単位画素の光は、有機層53に電流が流れることによって出射される。
【0013】
本実施形態に係る表示装置1は、トップエミッション方式を採用している。即ち、自発光素子層50は、第1絶縁基板10とは反対の方向に(即ち、第2絶縁基板20が配置される方向に)発光するように設けられている。このため、自発光素子層50の上方に配置される充填層60と、オーバーコート層70と、カラーフィルタ層80と、第2バリア層21と、第2絶縁基板20は、それぞれ、光を透過する材料(例えば、透明な材料や、所与の色に着色された半透明な材料)により形成される。
【0014】
また、自発光素子層50では、画素電極52と、バンク層51とが形成された表面を覆うように、有機層53が形成され、さらに有機層53の表面を覆うように、共通電極54と、封止層55とが形成されている。
【0015】
バンク層51は、樹脂などの絶縁体により形成され、複数の単位画素のそれぞれの外周を囲うように配置される。このようにバンク層51を配置することで、単位画素ごとに隣接する画素電極52同士の接触を防止している。
【0016】
画素電極52は、所与の導電材料により形成され、単位画素間で互いに切り離されるように加工(例えば、エッチング処理)されている。本実施形態のように、表示装置1がトップエミッション方式を採用する場合、画素電極52は、金属(例えばAg)などの光を反射する材料を含んでいてもよい。
【0017】
共通電極54は、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)やIZO(インジウム亜鉛酸化物)などから形成されるが、透明な導電材料であればこれに限定されない。なお、有機層53と共通電極54は、表示領域5における全ての単位画素に跨って配置されてもよい。
【0018】
封止層55は、例えば、SiOxやSiNyなどの無機材料により形成されるが、透明な材料であればこれに限定されない。封止層55は、共通電極54の上側を覆うように配置され、共通電極54や有機層53への酸素や水分の侵入を防止する。
【0019】
自発光素子層50の上方には、カラーフィルタ層80が形成されている。カラーフィルタ層80には、複数の単位画素ごとに、予め定められた色で光を透過するカラーフィルタ81が設けられている。より具体的には、カラーフィルタ層80には、赤色で光を透過するカラーフィルタ81Rと、緑色で光を透過するカラーフィルタ81Gと、青色で光を透過するカラーフィルタ81Bが形成されている。即ち、カラーフィルタ層80は、赤色、緑色、青色のそれぞれの色に光を着色して、表示画像を構成する各単位画素の光を照射する。
【0020】
自発光素子層50と第1絶縁基板10との間には、平坦化層40と、回路層30が積層されている。平坦化層40は、樹脂などの絶縁体により形成され、平坦化層40には、後述する駆動配線32の一部と接する箇所でコンタクトホールが形成されている。このコンタクトホールを介して、画素電極52と駆動配線32が接続されている。
【0021】
回路層30は、表示領域5における画像表示を制御するための回路部31を含んで形成される。回路部31は、TFT(薄膜トランジスタ)や容量を含み、画素電極52に対する電流供給を制御する。より具体的には、回路部31に含まれる駆動TFTがON状態となることにより、駆動TFTに接続される駆動配線32と、これに電気的に接続している画素電極52、有機層53、及び、共通電極54にそれぞれ電流が流れて、有機層53から画素の光が出射される。
【0022】
自発光素子層50は、表示画像を構成する複数の単位画素のそれぞれで輝度が制御されるように配置される。より具体的には、複数の単位画素ごとに設けられた各画素電極52に供給される電流量が制御されることで、各単位画素の光の輝度は制御される。
【0023】
また、自発光素子層50において、表示領域5の外側(具体的には、カラーフィルタ81が配置される領域の外側)には、所与の導電材料により形成される導電部56が配置されている。図2に示すように、導電部56は、画素電極52と同じ層に配置され、表示領域5の外側に延在する共通電極54と電気的に接続している。導電部56を構成する材料の抵抗値は、共通電極54を構成する材料の抵抗値よりも小さいものであることが好ましい。有機層53を流れた電流は共通電極54に達し、導電部56を介して引き抜かれる。また、導電部56と同じ層を用いて、表示領域内に、共通電極54と部分的に接続するように、共通電極54の補助配線を設けてもよい。補助配線は、共通電極54全体の電気抵抗の増大を防ぎ、有機層53を流れる電流量を面内で安定させることが可能である。
【0024】
自発光素子層50とカラーフィルタ層80との間には、充填層60と、オーバーコート層70が積層されている。充填層60は、例えば、堰として機能するシール材61に囲まれた箇所に、透明な充填材が流し込まれることで形成される。オーバーコート層70は、例えば、所与の有機材料により形成され、カラーフィルタ81に含まれる染料の拡散を防止する。また、充填層60は、表示装置1の分断を阻害しない限りは、シール材61を用いることなく全面に塗布形成されていてもよい。
【0025】
自発光素子層50の下側には、第1絶縁基板10が形成されている。また、自発光素子層50の上側(即ち、自発光素子層50の発光する側)には、第2絶縁基板20が形成されている。第1絶縁基板10及び第2絶縁基板20は可撓性を有し、上下方向への曲げや左右方向の伸びをある程度許容する。第1絶縁基板10及び第2絶縁基板20の材料は、例えば、ポリイミドとしてよいが、可撓性を有し、第2絶縁基板20に用いる場合は透明なものであれば、これに限定されない。第1絶縁基板10は、不透明であってもよい。
【0026】
第1絶縁基板10と回路層30の間には、第1バリア層11が形成されている。また、第2絶縁基板20とカラーフィルタ層80の間には、第2バリア層21が形成されている。第1バリア層11及び第2バリア層21は、例えば、SiOxやSiNyなどの無機材料により形成され、自発光素子層50や回路層30などへの空気や水分の侵入を防止する。なお、第2バリア層21は透明であればよく、公知の他の材料により形成されてよい。また、第1バリア層11は、不透明であってもよい。
【0027】
第1絶縁基板10の下には、両面で粘着する両面粘着シート12を介して、保護フィルム13が貼り付けられている。保護フィルム13は、例えば、PETを材料として形成され、第1絶縁基板10の表面を傷や汚れから防護する。また、本実施形態では、保護フィルム13は、第1絶縁基板10又は第2絶縁基板20の膜厚よりも厚くなるように形成される。このように保護フィルム13の膜厚を厚くすることで、表示装置1の曲げや伸びに対する抵抗力が強まるため、表示装置1が過度に折れ曲がることを防止し、表示装置1の割れや装置全体の劣化を防ぐことが可能になる。なお、保護フィルム13は、不透明であってもよい。
【0028】
[3.両面粘着シートの形状]
従来の両面粘着シートは、第1絶縁基板10の表面を覆うように矩形状に形成されるため、両面粘着シートと保護フィルム13との間に気泡が入り込むと、その気泡を外方向に押し出すことが困難となり、保護フィルム13の内側に気泡が残ってしまう場合があった。そこで、本実施形態では、両面粘着シート12に、保護フィルム13との間の気泡を外側に押し出すことが可能な形状を採用している。
【0029】
図3は、両面粘着シート12の形状の一例を示す図である。同図に示すように、両面粘着シート12は、第1骨格部121と、複数の第2骨格部122と、を含んでいる。第1骨格部121は、第1絶縁基板10及び保護フィルム13のいずれかの幅の方向(図3においては、Y軸方向)に途切れなく延びている。また、第2骨格部122は、第1骨格部121の長さ軸に交差する方向(図3においては、X軸方向)に、第1骨格部121から途切れなく延びている。第1骨格部121、及び第2骨格部122が、両面に粘着性(即ち、粘着部)を有している。
【0030】
より具体的には、第1骨格部121は、両面粘着シート12に外接する最小面積の矩形124の対向する一対の辺の間(図3においては、Y1方向に位置する辺とY2方向に位置する辺との間)に途切れなく延在している。また、複数の第2骨格部122は、矩形124の他の一対の辺の間(図3においては、X1方向に位置する辺とX2方向に位置する辺との間)に、第1骨格部121の一部を介して途切れなく延在している。また、本実施形態では、第1骨格部121は、両面粘着シート12に外接する矩形124の一辺(図3においては、X1方向に位置する辺)と隣接して延在し、複数の第2骨格部122は、第1骨格部121の片側のみから延在している。
【0031】
このように、両面粘着シート12は、両面粘着シート12に外接する矩形124の端から端まで連続して延在する部分を有することで、表示装置1の曲げに対する抵抗力を確保している。即ち、両面粘着シート12は、表示装置1が過度に折れ曲がることを防止して、表示装置1の割れや装置全体の劣化を防いでいる。
【0032】
また、両面粘着シート12において、隣同士の第2骨格部122の間には、外方向(図3においては、X2方向)に開口するように、スリット123が形成されている。スリット123は、対象物と保護フィルム13との間で粘着性をもたない部分(即ち、非粘着部)となる。このように、両面粘着シート12は、第1骨格部121から矩形124の端まで途切れなく延在するスリット123を有することで、保護フィルム13と両面粘着シート12との間の気泡を外方向に押し出せるようにしている。
【0033】
[4.表示装置の製造方法]
以下では、表示装置1の製造方法を説明する。本製造方法では、第1絶縁基板10の上に、第1バリア層11、回路層30、平坦化層40、自発光素子層50、充填層60、オーバーコート層70、カラーフィルタ層80、第2バリア層21、第2絶縁基板20が順次積層される構造体(図2参照)を用意する。また、本製造方法では、両面粘着シート12を介して、第1絶縁基板10の下側に保護フィルム13を貼り付ける。
【0034】
図4は、第1絶縁基板10に保護フィルム13を貼り付ける工程の一例を示す図である。同図に示すように、第1絶縁基板10に保護フィルム13を貼り付ける工程では、両面粘着シート12のスリット123から気泡を押し出しながら、第1絶縁基板10及び保護フィルム13を圧着する。より具体的には、本工程では、両面粘着シート12の第1骨格部121に保護フィルム13を貼り付けた後に、第1骨格部121から複数の第2骨格部122の先端方向に(図4においては、X2方向に)保護フィルム13を押ししごくことにより、スリット123を介して両面粘着シート12の外方向に(例えば、図4に示す矢印の方向に)気泡を押し出す。
【0035】
このように、本実施形態では、両面粘着シート12と保護フィルム13との間に入り込んだ気泡がスリット123を介して外方向に押し出されるため、保護フィルム13と両面粘着シート12との間に気泡を残しにくくすることができる。また、このようにすることで、表示装置1の表面に余計な凹凸が発生することを防ぎ、最終的な製品として適切な形状に表示装置1を形成することが可能となる。
【0036】
なお、保護フィルム13が透明である場合、保護フィルム13の外側からは、両面粘着シート12のスリット123の縁が、表示装置1の幅の方向に沿って伸びる線として視認される。このため、画像を表示する側、即ち、自発光素子層50の発光する側である第2絶縁基板20の上には用いないようにすることが望ましい。
【0037】
[5.変形例]
本発明は以上説明した実施形態に限られず、種々の変更がなされてよい。以下では、本発明を実施するための他の形態の例(変形例)について説明する。
【0038】
[5−1.変形例(1)]
図5は、両面粘着シート(12−2)の形状の変形例(1)を示す図である。実施形態では、両面粘着シート12の複数の第2骨格部122が、第1骨格部121の片側のみから延在している場合について説明したが、図5に示すように、第1骨格部(121−2)は、第1絶縁基板10のX軸方向の幅に対して中央に配置されてもよく、複数の第2骨格部(122−2)は、第1骨格部(121−2)の両側から延在していてもよい。
【0039】
また、図5に示すように、第1骨格部(121−2)の両側の一方(例えば、第1骨格部(121−2)のX1方向側)から延在する第2骨格部(122−2)と、第1骨格部(121−2)の両側の他方(例えば、第1骨格部(121−2)のX2方向側)から延在する第2骨格部(122−2)とは、平行に延在してもよい。
【0040】
図6は、第1絶縁基板10に保護フィルム13を貼り付ける工程の変形例(1)を示す図である。同図に示すように、本工程では、両面粘着シート12の第1骨格部(121−2)のうちの一方の端(例えば、Y2方向側の端)に保護フィルム13を貼り、その端から他方の端(例えば、Y1方向側の端)に進行するように保護フィルム13を貼り合わせながら、各第2骨格部(122−2)の先端方向に保護フィルム13を押ししごく。このように中央からX1方向及びX2方向に保護フィルム13を押ししごくことにより、各スリット(123−2)を介して、両面粘着シート(12−2)の外方向に気泡を押し出すことが可能である。即ち、本変形例においても、保護フィルム13の内側に気泡を残しにくくすることが可能である。
【0041】
[5−2.変形例(2)]
図7は、両面粘着シート(12−3)の形状の変形例(2)を示す図である。同図に示すように、第1骨格部(121−3)の両側の一方(例えば、第1骨格部(121−3)のX1方向側)から延在する第2骨格部(122−3)と、第1骨格部(121−3)の両側の他方(例えば、第1骨格部(121−3)のX2方向側)から延在する第2骨格部(122−3)とは、第1骨格部(121−3)の長さ軸を対称軸として線対象になる方向に延在していてもよい。即ち、X1方向側の第2骨格部(122−3)と、X2方向側の第2骨格部(122−3)とは、非平行に延在してもよい。
【0042】
図8は、第1絶縁基板10に保護フィルム13を貼り付ける工程の変形例(2)を示す図である。同図に示すように、本工程では、両面粘着シート12の第1骨格部(121−3)のY2方向側の端に保護フィルム13を貼り、その端からY1方向側の端に進行するように保護フィルム13を貼り合わせながら、各第2骨格部(122−3)の先端方向に保護フィルム13を押ししごく。このようにすることで、両面粘着シート(12−3)の各スリット(123−3)を介して気泡が外方向に押し出される。
【0043】
また、本変形例では、各第2骨格部(122−3)は、その先端がY1方向に傾くように、斜めに形成されている。このように、各第2骨格部(122−3)は、保護フィルム13の貼り合わせが進行する方向に傾いて延在しているため、変形例(1)のように各第2骨格部(122−2)がX軸に沿って平行に延在する場合と比べて、より容易に気泡を押し出すことが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 表示装置、5 表示領域、10 第1絶縁基板、11 第1バリア層、12 両面粘着シート、13 保護フィルム、20 第2絶縁基板、21 第2バリア層、30 回路層、31 回路部、32 駆動配線、40 平坦化層、50 自発光素子層、51 バンク層、52 画素電極、53 有機層、54 共通電極、55 封止層、56 導電部、60 充填層、61 シール材、70 オーバーコート層、80 カラーフィルタ層、81 カラーフィルタ、121 第1骨格部、122 第2骨格部、123 スリット、124 両面粘着シート12に外接する最小面積の矩形。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8