(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内貨から複数種の外貨のうち選択された外貨へ両替する内外両替手段と、複数種の通貨から1つの通貨を選択して内貨へ両替する外内両替手段とを備えた両替装置において、
更に税金還付手段を有しており、
前記税金還付手段は、予め外国人旅行者に関する個人情報が記憶されている個人情報カードから個人情報を取得するカード情報取得部と、
前記カード情報取得部で取得した前記外国人旅行者に関する個人情報に基づき、該外国人旅行者の購入した免税対象商品の累積免税額を購入管理データベースサーバから読込む免税額読込部と、
前記免税額読込部で読込んだ前記累積免税額に応じた還付金額を払い出す免税額還付部とを有していることを特徴とする両替装置。
【背景技術】
【0002】
周知のように、国内で商品を購入する場合、商品価格に付加価値税(消費税)を加算した金額を支払う。しかし、この付加価値税は国内居住者に対して課せられるものであり、外国からの旅行者(以下、「外国人旅行者」と称する)が商品を購入する場合は原則として免除される。
【0003】
外国人旅行者が予め登録されている免税店で免税対象商品を購入する場合、国内居住者と同様、付加価値税が加算された金額を支払う。そして、商品を購入した免税店、宿泊先のホテル、空港の出国ロビー等に設置されている免税カウンタにて所定手続きを行うことで、付加価値税に応じた還付金額の払戻しを受ける。
【0004】
外国人旅行者の国内滞在時間は限られているため、還付金額の払戻し手続きはスムーズに行われることが望ましい。しかし、還付金額の払戻しを受けるに際しては、免税カウンタに常駐している担当職員に、購入品、本人のパスポート、購入レシートを提示し、購入者誓約書に著名した後、承認を受ける必要があり、還付金額の払戻しを受け取るまでに時間がかかり効率が悪い。
【0005】
その対策として、例えば下記の特許文献1には、外国人旅行者に支払う還付金額を、商品を販売した免税店に代わって代行業者が支払うことで、外国人旅行者と免税店との双方の手間を軽減させる技術が開示されている。
【0006】
すなわち、外国人旅行者が免税店において免税対象商品を購入し付加価値税込みの代金を支払うと、免税店は店舗端末から、取得した購入した商品に関する免税申請用の情報を、税金返金代行業者の業者サーバと免税管理機関の機関サーバとの双方に送信する。そして、外国人旅行者が出国時に、購入した商品に付されているICタグの情報を、免税ゲートを通過させる際に読込ませると、このICタグ情報を機関サーバへ送信して免税申請情報と照合させる。
【0007】
そして、ICタグ情報が一致した場合、返金(免税)カウンタへ移動し、返金カウンターの職員が、返金手続端末にてパスポート情報を読み取り、業者サーバに免税検査結果の照合要求を送信する。すると、業者サーバは返金すべき金額を返金手続端末に送信し、返金カウンターの職員が、外国人旅行者に対し、免税店に代わって還付金額を支払う。一方、業者サーバは免税店に対する還付金額及び代行費用の請求処理を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、空港(或いは免税店、ホテル)に、還付金を支払うための免税カウンタを別途設置する必要があり、そのための占有スペースを確保しなければならず、維持費が嵩んでしまう。更に、免税カウンタに職員を常駐させなければならないため人件費が嵩む不都合もある。
【0010】
従って、本発明の目的は、還付金を支払う免税カウンタが不要で、しかも職員を常駐させることなく、外国人旅行者が免税対象商品を購入した際に支払った付加価値税に応じた還付金額の返金手続きをスムーズに行うことができるようにして、外国人旅行者及び免税店双方の負担を軽減することができると共に、維持費、及び人件費を削減することのできる両替装置、及びそれを備える税金還付システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の両替装置は、内貨から複数種の外貨のうち選択された外貨へ両替する内外両替手段と、複数種の通貨から1つの通貨を選択して内貨へ両替する外内両替手段とを備えた両替装置において、更に税金還付手段を有しており、前記税金還付手段は、予め外国人旅行者に関する個人情報が記憶されている個人情報カードから個人情報を取得するカード情報取得部と、前記カード情報取得部で取得した前記外国人旅行者に関する個人情報に基づき、該外国人旅行者の購入した免税対象商品の累積免税額を購入管理データベースサーバから読込む免税額読込部と、前記免税額読込部で読込んだ
前記累積免税額に応じた還付金額を払い出す免税額還付部とを有していることを特徴とする。
【0012】
本発明の両替装置において、還付通貨選択手段を有し、前記免税額還付部は、
前記外国人旅行者が前記還付通貨選択手段で選択した通貨によって前記累積免税額に応じた還付金額を払い出すことが好ましい。
【0013】
本発明の両替装置において、前記個人情報カードに記憶されている
前記個人情報を消去する情報消去部と、前記情報消去部で
前記個人情報を消去した前記個人情報カードを回収するカード回収部とを更に有することが好ましい。
【0014】
本発明の両替装置において、前記情報消去部で消去した前記個人情報に関する前記免税対象商品の
前記累積免税額をトランザクション処理にて履歴記憶部に移行させる
両替装置出力情報処理部を更に有することが好ましい。
【0015】
本発明の税金還付システムは、パスポートに記載されている外国人旅行者の個人情報を読込んで個人情報カードを発行するカード発行端末と、前記カード発行端末と通信回線を経由して接続され、該カード発行端末で読込んだ前記外国人旅行者の個人情報に基づき該外国人旅行者の購入管理ファイルを作成する購入管理データベースサーバと、前記購入管理データベースサーバと通信回線を経由して接続され、前記外国人旅行者が免税対象商品を購入する際に、前記個人情報カードに記憶されている個人情報を取得して、前記購入管理データベースサーバに作成されている該外国人旅行者の購入管理ファイルに前記免税対象商品の免税額を記憶させる店舗端末と、前記購入管理データベースサーバと通信回線を経由して接続された両替装置とを備え、前記両替装置は、内貨から複数種の外貨のうち選択された外貨へ両替する内外両替手段と、複数種の通貨から1つの通貨を選択して内貨へ両替する外内両替手段と、税金還付手段とを有し、前記税金還付手段は、予め
前記外国人旅行者に関する個人情報が記憶されている
前記個人情報カードから
前記個人情報を取得するカード情報取得部と、前記カード情報取得部で取得した前記外国人旅行者に関する個人情報に基づき、該外国人旅行者の購入した各免税対象商品の免税額を累積した累積免税額を前記購入管理データベースサーバに作成されている購入管理ファイルから読込む免税額読込部と、前記免税額読込部で読込んだ
前記累積免税額に応じた還付金額を払い出す免税額還付部とを有していることを特徴とする。
【0016】
本発明の税金還付システムにおいて、前記両替装置は、還付通貨選択手段を有し、前記免税額還付部は、前記還付通貨選択手段で
前記外国人旅行者が選択した通貨によって前記累積免税額に応じた還付金額を払い出すことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外国人旅行者が必要とする両替装置に税金還付機能を設けたことにより、免税店、ホテル、空港等に還付金を支払う免税カウンタを設置する必要がなく、それに伴い職員を常駐させる必要もなくなり、省スペース化を実現することができるばかりでなく、維持費、及び人件費を削減することができる。更に、両替のための管理と、還付金支払いのための管理とを一元化することができるので金銭管理が容易となる。
【0018】
又、両替装置にて還付金額を払い出すことができるので、還付金額の返金手続きをスムーズに行うことができ、外国人旅行者と免税店との双方の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
図1の符号1は両替装置であり、免税店、ホテル、空港、及び、免税店が集合されている商店街、物流センタ、ショッピングセンタ等に設けた無人ブースに設置されている。
【0021】
又、
図3、4に示すように、この免税店、ホテル、空港等のサービスカウンタ、及び、免税店が集合されている商店街、物流センタ、ショッピングセンタ等において免税手続の委託を受けた一括カウンタには、外国時旅行者に対して、個人情報カードとしての還付金カードCを発給するカード発行端末41が備えられており、更に、免税店には外国人旅行者の所持する還付金カードCに登録されているカード情報を読取ると共に、購入した免税対象商品の情報を取得する店舗端末51が備えられている。
【0022】
この両替装置1、カード発行端末41、店舗端末51は、通信処理部34,41c,51dを各々備えており、この各通信処理部34,41c,51dを介して接続されるインターネット等の通信回線13を経由して購入管理データベースサーバ(以下、「WEBサーバ」と称する)71に接続自在にされている。
【0023】
先ず、本発明に係る両替装置1の構成について説明する。この両替装置1は、内貨(日本円)から複数種の外貨のうち選択された外貨へ両替する内外両替と、複数種の通貨から1つの通貨を選択して内貨へ両替する外内両替とが可能な通常の双方向両替機能と、外国人旅行者が免税店において免税対象商品を付加価値税(消費税)込みで購入した際の免税額に応じた還付金額を払い出す免税額還付手段の機能とを備えている。更に、この両替装置1には、クレジットカードによるキャッシング機能、及び、外国語コールセンタとの通話が可能な高度通訳機能を備えている。尚、この両機能は付加価値的な機能であり、詳細な説明については省略する。
【0024】
又、この両替装置1による内貨から外貨への両替は、予め一定額が納められている外貨パックを払い出すことで取引される。外貨パックは両替可能な外貨毎に備えられており、複数種類の紙幣を所定の組み合わせで束ねた紙幣組が収納されている。両替を希望する利用者は、為替レートに基づいて計算された金額(内貨)に所定の手数料を加えた額を投入することで外貨パックを購入する。
【0025】
この両替装置1は、その前面上部に操作/紙幣挿入部1aが設けられ、その下方に通貨払出し部1bが設けられ、更に、その下方に前方へテーブル状に突出されている電子決済部1cが設けられている。
【0026】
操作/紙幣挿入部1aには、向かって右側上部に操作者の顔面を撮影するカメラ2が設けられ、その下方にレシート排出口3が設けられ、更に、その下方に紙幣挿入口4が設けられている。又、向かって左側に表示機能を兼用するタッチパネル5が設けられている。
【0027】
レシート排出口3には計算書を印字するプリンタが内蔵されている。この計算書には、両替時においては、その入金額、為替レート、両替金、釣銭、取扱日時等の取引情報が印字される。一方、税金の還付を受ける場合、この計算書には、購入した商品の累積免税額、それに対応して支払われる還付金額、外貨で受け取る場合の為替レート、取扱日時等の取引情報が印字される。
【0028】
又、紙幣挿入口4には、日本円を外貨に両替する際の日本円紙幣、或いは外貨を日本円に両替する際の外貨紙幣を挿入する。
【0029】
又、タッチパネル5には、表示する言語を選択する画面、日本円を外貨に両替するか、或いは外貨を日本円に両替するかを操作者の入力により選択させる両替方向選択画面を含む各種選択画面が表示されると共に、日本円と外貨との換金レート、及び、必要な入金額を含む各種情報画面等が階層式に表示される。
【0030】
更に、このタッチパネル5には、税金の還付を受ける際に支払われる還付金額を内貨(日本円)で受け取るか外貨で受け取るかの選択画面、及び、外貨での受け取りを選択した場合には、受け取る外貨を指定する画面が階層式に表示される。
【0031】
又、通貨払出し部1bには紙幣払出し部6と硬貨払出し部7と還付金カード読取部11とが設けられている。この両払出し部6,7は、日本円を外貨に両替した際の釣銭、及び、税金還付を受ける際の還付金額が払い出される部位であり、更に、この紙幣払出し部6は、操作者が両替をキャンセルした際の紙幣払い戻し口も兼用している。
【0032】
還付金カード読取部11は、オートローディング11aを有し、更に、外国人旅行者が所持する還付金カードC(
図3参照)に記録されているカード情報を読込むと共にカード情報を消去する、カード読込部としてのカード情報読取・消去部11bを有している(
図2参照)。
【0033】
又、両替装置1の前面下部に外貨パック払出し口12が設けられている。この外貨パック払出し口12から、両替装置1に収容されている外貨パックが払出される。尚、両替装置1による内貨から外貨への両替は、基本的に外貨パックで行われる。
【0034】
又、
図2に示すように、両替装置1内には、装置全体の制御、両替、及び免税額に応じた還付金額の返金に必要な演算を行う演算処理部21が設けられている。この演算処理部21は、CPU,ROM,RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを主体に構成されており、入力ポートに、画像処理部22、タッチパネル入力情報処理部23、IC情報読取部24、クレジットカード情報読取部25、紙幣情報読取部26、テンキータッチパネル入力処理部27が接続されている。又、出力ポートに、レシート発行部29、日本円紙幣処理部30、日本円貨幣処理部31、外貨パック処理部32、及び免税額還付処理部33がそれぞれ接続されている。
【0035】
更に、この演算処理部21と双方向通信自在な入出力ポートに、還付金カード読取部11に設けられているカード情報読取・消去部11b、及び、前述した通信処理部34が接続されている。
【0036】
画像処理部22は、カメラ2で撮影した操作者の顔面像を画像処理する。タッチパネル入力情報処理部23は、操作者がタッチパネル5を操作して入力した各種情報を入力情報に変換する。IC情報読取部24はICカードリーダ8で読込んだデビットカードや電子マネー等のICチップに書込まれている情報を取得し、又、クレジットカード情報読取部25は磁気カードリーダ9で読込んだクレジットカードに書込まれている情報を取得する。
【0037】
又、紙幣情報読取部26は紙幣挿入口4から挿入された紙幣の特徴量を検出する、イメージセンサ、赤外線センサ、紫外線センサ、磁気センサ、及び、紙幣カウンタ等を備えており、各センサで検出した特徴量を求める。更に、テンキータッチパネル入力処理部27は、利用者がテンキータッチパネル10を操作して入力したパスワードを読込む。
【0038】
一方、還付金カード読取部11にはオートローディング11aが設けられており、操作者(外国人旅行者)の所持する還付金カードCをスロットに装入すると、オートローディング11aが還付金カードCを取込み、カード情報読取・消去部11bにて還付金カードCに記録されているカード情報が読込まれ、その後、還付金カードCに記録されているカード情報が消去される。そして、カード情報が所定に消去された還付金カードCは、両替装置1に備えられている回収ボックス1eに回収されて、再利用される。
【0039】
これら各処理部22,23,27及び、読取部24〜26,11bで取得した情報が演算処理部21へ送信される。
【0040】
一方、レシート発行部29は、レシート排出口3に設けられているプリンタに対し、演算処理部21で求めた両替時の入金額、或いは税金の還付金額等の取引情報を出力し、入金額、或いは、税金還付金額の記載された計算書を発行させる。又、日本円紙幣処理部30、及び日本円貨幣処理部31は、演算処理部21で求めた、日本円を外貨に両替した際の釣銭、或いは免税額に応じた還付金額を、紙幣払出し部6及び硬貨払出し部7から払出させる。更に、操作者が日本円から外貨への両替をキャンセルした場合、演算処理部21は挿入された紙幣を紙幣払出し部6から払い戻しさせる。
【0041】
又、外貨パック処理部32は、演算処理部21からの指令に従い、操作者が選択した外貨が収容されている外貨パックを選択し、外貨パック払出し口12に払い出す。
【0042】
一方、免税額還付処理部33は、演算処理部21が通信処理部34を介して接続されたWEBサーバ71にアクセスして読込んだ、還付金カードCに記録されている外国人旅行者の購入した免税対象商品の累積免税額に基づいて求めた還付金額を、紙幣払出し部6及び硬貨払出し部7から、外国人旅行者の選択した通貨にて払出させる。
【0043】
一方、
図3に示すように、外国人旅行者に対して還付金カードCを発給するカード発行端末41には、パスポートPに記録されている外国人旅行者の情報を読取るパスポートリーダ42と、還付金カードCに当該外国人旅行者に関する情報を書込むカードリーダライタ43とが接続されている。尚、還付金カードCとしては非接触式ICカードが好ましい。
【0044】
このカード発行端末41はマイクロコンピュータを主体に構成された演算処理部(図示せず)を内蔵しており、
図4に示すように、この演算処理部に、還付金カードCを発行する機能として、パスポート情報取得部41aとカード発行部41bとが設けられており、更に、この演算処理部に通信処理部41cが接続されている。
【0045】
パスポート情報取得部41aはパスポートリーダ42で読込んだパスポート情報に基づき、当該外国人旅行者のパスポート情報を取得した後、通信処理部41cから通信回線13を経由してWEBサーバ71へアクセスし、当該外国人旅行者のパスポート情報を送信し、当該外国人旅行者の商品購入ファイルを作成させる。
【0046】
一方、カード発行部41bは、WEBサーバ71で作成した、当該外国旅行者の商品購入ファイルに登録されている登録情報に基づき、還付金カードCを発行する際に必要とする情報を作成し、カードリーダライタ43にセットされている還付金カードCに登録する。尚、その際、外国人旅行者にパスワードを登録させる。
【0047】
又、免税店に設置されている店舗端末51に内蔵されている演算処理部(図示せず)には、外国人旅行者が購入した商品情報を、WEBサーバ71に登録する機能としてカード情報取得部51aと購入商品取得部51bと免税額取得部51cとを有している。更に、この店舗端末51には通信処理部51dが接続されている。
【0048】
尚、図示しないが、この店舗端末51には、還付金カードCに記録されている情報を読取るカードリーダライタ、及び商品タグに印刷されているバーコード等の二次元コードを読取る二次元コードリーダが接続されている。
【0049】
カード情報取得部51aはカードリーダライタで読込んだ還付金カードCに記録されている外国人旅行者に関するカード情報を取得し、登録されているユーザIDを通信処理部51dから通信回線13を介してWEBサーバ71に送信し、当該外国人旅行者の商品購入ファイルの登録情報を読込む。
【0050】
又、購入商品取得部51bは二次元コードリーダで読込んだ購入商品の情報を取得する。更に、免税額取得部51cは購入商品取得部51bで取得した商品に関する情報から付加価値税(消費税)算出し、この付加価値税に対応する免税額を取得して、WEBサーバ71に送信する。
【0051】
更に、両替装置1の演算処理部21は、還付金カードCの情報を取得する機能として、カード情報読取・消去部11bで読込んだカード情報を取得するカード情報取得部21a、及び、還付金カードCの登録情報を削除した際に、この登録データを一時記憶する履歴記憶部21bを備えている。
【0052】
又、WEBサーバ71の演算処理部はカード発行端末登録処理部71a、店舗端末入力情報処理部71b、両替装置出力情報処理部71cが設けられており、この演算処理部が管理データベース71dと双方向通信自在に接続されている。
【0053】
カード発行端末登録処理部71aは、カード発行端末41から送信された外国人旅行者のユーザIDに基づき、管理データベース71dに当該外国人旅行者の購入者管理ファイルを作成し、この購入者管理ファイルに関する登録情報をカード発行端末41へ送信する。
【0054】
又、店舗端末入力情報処理部71bは店舗端末51から送信されたユーザIDに基づき、管理データベース71dに登録されている当該外国人旅行者の購入者管理ファイルを読込み、登録情報を店舗端末へ送信する。そして、店舗端末51から送信された商品購入情報を読込み、管理データベース71dに作成した当該外国人旅行者の購入者管理ファイルに、購入した商品情報(商品名、価格、付加価値税等)を免税額、購入日時と共に登録する。
【0055】
両替装置出力情報処理部71cは、両替装置1から送信されたユーザIDに基づき、管理データベース71dに登録されている当該外国人旅行者の購入者管理ファイルを読込み、登録されている購入商品に関する登録情報(累積購入額、累積免税額、還付金額)を両替装置1へ送信する。そして、管理データベース71dに作成した当該外国人旅行者の購入者管理ファイルを、管理データベースの履歴記憶部へ移行させるトランザクション処理を実行する。
【0056】
次に、
図5に示すフローチャートに従い還付金カードCの発行手順について説明する。
【0057】
先ず、カード発行端末41に接続されているカードリーダライタ43に還付金カードCをセットした後、パスポートリーダ42に外国人旅行者の所有するパスポートPの情報を読込ませる。すると、カード発行端末41は、ステップS1で、そのパスポート情報を取得し、ステップS2へ進み、パスポート情報をWEBサーバ71へ送信する。
【0058】
WEBサーバ71は、ステップS11でカード発行端末41から送信されたパスポート情報に基づき、管理データベース71dに当該外国人旅行者の商品購入ファイルを作成し、ステップS12へ進みユーザIDを発行する。そして、ステップS13で、ユーザIDを含むと登録情報をカード発行端末41へ送信し、ルーチンを終了する。
【0059】
カード発行端末41は、ステップS3において、WEBサーバ71から送信された登録情報に基づき還付金カードCを発行し、続く、ステップS4で外国人旅行者にパスワードを入力させ、それを還付金カードCに登録させてルーチンを終了し、この還付金カードCを外国人旅行者に発給する。
【0060】
尚、ステップS1での処理がカード発行端末41のパスポート情報取得部41aで実行され、ステップS3,S4での処理がカード発行部41bで実行される。一方、ステップS11,S12での処理がWEBサーバ71のカード発行端末登録処理部71aで実行される。
【0061】
この還付金カードCは。外国人旅行者が免税店において免税対象商品を購入する都度に、カウンタに提示する。還付金カードCの提示を受けたカウンタでは、店舗端末51に接続されているカードリーダライタにてカード情報を読取る。すると、店舗端末51は、
図6に示す購入商品情報登録ルーチンが起動し、先ず、ステップS21で、読込んだカード情報を取得し、ステップS22へ進み、登録されているユーザーIDをWEBサーバ71に送信する。更に、二次元コードリーダで外国人旅行者が購入した商品に付随しているタグに印刷されている二次元コードを読取る。
【0062】
WEBサーバ71は、ステップS31において、送信されたユーザーIDに基づき管理データベース71dを検索し、当該外国人旅行者の商品購入ファイルを読込む。そして、ステップS32へ進み、商品購入履歴等の登録情報を店舗端末51に送信する。
【0063】
店舗端末51は、ステップS23でWEBサーバ71から送信された、商品購入ファイルに登録されている情報をモニタに表示する。又、ステップS24において二次元コードリーダで読込んだ二次元コードから購入した商品情報(商品名、価格、付加価値税)を取得し、ステップS25で、この商品に対応する免税額を取得し、ステップS26で、この免税額を含む購入商品情報をWEBサーバ71へ送信してルーチンを終了する。
【0064】
WEBサーバ71は、ステップS33で店舗端末51から送信された購入商品情報を、当該外国人旅行者の商品購入ファイルに登録して、ルーチンを終了する。
【0065】
尚、ステップS21での処理が店舗端末51のカード情報取得部51aで実行され、ステップS24での処理が購入商品取得部51bで実行され、又、ステップS25での処理が免税額取得部51cで実行される。更に、ステップS31での処理がWEBサーバ71の店舗端末入力情報処理部71bで実行される。
【0066】
一方、外国人旅行者が商品の購入を終了し、免税額の還付を受けようとする場合は、免税店、ホテル、空港、免税店が集合されている商店街、物流センタ、ショッピングセンタ等に設けた無人ブースに設置されている両替装置1の還付金カード読取部11に還付金カードCを装入する。すると、内蔵するオートローディング11aが還付金カードCを取込み、カード情報読取・消去部11bにてカード情報が読込まれ、両替装置1の演算処理部21は、
図7に示す還付金返金ルーチンを起動させる。
【0067】
このルーチンでは、先ず、ステップS41で、読込んだカード情報を取得し、ステップS42で、外国人旅行者にパスワードの入力を要求する。そして、外国人旅行者がテンキータッチパネル10を操作して入力したパスワードを取得すると、ステップS43へ進み、還付金カードCに登録されているユーザIDを、WEBサーバ71へ送信する。
【0068】
WEBサーバ71は、送信されたユーザーIDに基づき管理データベース71dを検索し、ステップS51で当該外国人旅行者の商品購入ファイルを読込み、ステップS52で購入した商品の累積免税額、及びそれに応じて算出した還付金額を含む商品購入に関する登録情報を、両替装置1に送信する。その後、ステップS53へ進み、当該商品購入ファイルをトランザクション処理によって履歴記憶部へ移行させた後、ルーチンを終了する。
【0069】
一方、両替装置1は、ステップS44でWEBサーバ71から送信された購入商品に関する累積免税額、還付金額を含む登録情報を読込み、タッチパネル5上に表示する。次いで、ステップS45で、このタッチパネル5上に外国人旅行者が希望する還付通貨を選択させる画面を表示し、希望する通貨を選択させる。尚、このステップS44での処理が、本発明の免税額読込部に対応しており、又、ステップS45での処理が本発明の通貨選択手段に対応している。
【0070】
その後、ステップS46で選択した通貨に応じた還付金額を算出して、タッチパネル5に表示させ、ステップS47へ進み、当該還付金額を紙幣払出し部6及び硬貨払出し部7から払出す。尚、上述したステップS45〜S47での処理が本発明の免税額還付部に対応している。
【0071】
次いで、ステップS48へ進み、還付金カードCに登録されているカード情報を履歴記憶部21bに一時記憶させた後、ステップS49で還付金カードCの登録情報を消去し、ステップS50へ進み、この還付金カードCを回収ボックス1eに回収してルーチンを終了する。尚、このステップS49での処理が本発明の情報消去部に対応し、ステップS50での処理が本発明のカード回収部に対応している。
【0072】
又、ステップS41での処理が両替装置1のカード情報取得部21aで実行される。更に、ステップS51での処理がWEBサーバ71の両替装置出力情報処理部71cで実行される。
【0073】
このように本実施形態によれば、外国人旅行者が免税対象商品を購入した際の支払った付加価値税に応じた還付金額の返金手続を、免税店、ホテル、空港、免税店が集合されている商店街、物流センタ、ショッピングセンタ等に設けた無人ブースに設置されている両替装置1で行うようにしたので、従来のような還付金を支払う免税カウンタが不要となり、しかも職員を常駐させる必要がないので、省スペースを実現できるばかりでなく、維持費、及び、人件費を大幅に削減することができる。
【0074】
更に、外国人旅行者に予め還付金カードCを発給し、免税対象商品を購入する都度にWEBサーバ71の管理データベース71dに購入履歴を記憶させるようにしたので、両替装置1に還付金カードCに記録されているカード情報を読み込ませるだけで、簡単に還付金額を受け取ることができ、返金手続きをスムーズに行うことができる。その結果、外国人旅行者と免税店との双方の負担を軽減することができる。
【0075】
更に、両替装置1に免税額の還付機能を備えたので、両替のための管理と還付金支払いのための管理とを一元化することができ金銭管理が容易となる。