(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6457946
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】トモシンセシス医療用画像データ読影におけるワークフロー効率を改善するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/02 20060101AFI20190110BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20190110BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
A61B6/02 300M
A61B6/00 360B
A61B6/03 360Q
【請求項の数】23
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-544161(P2015-544161)
(86)(22)【出願日】2013年11月22日
(65)【公表番号】特表2015-535466(P2015-535466A)
(43)【公表日】2015年12月14日
(86)【国際出願番号】US2013071511
(87)【国際公開番号】WO2014082015
(87)【国際公開日】20140530
【審査請求日】2016年10月25日
(31)【優先権主張番号】13/684,475
(32)【優先日】2012年11月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515140325
【氏名又は名称】アイカード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ICAD,INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】515140336
【氏名又は名称】ペリアスウォミー,センスィル
【氏名又は名称原語表記】PERIASWAMY,Senthil
(73)【特許権者】
【識別番号】515140347
【氏名又は名称】フォティン,セルゲイ
【氏名又は名称原語表記】FOTIN,Sergey
(74)【代理人】
【識別番号】100119378
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】ペリアスウォミー,センスィル
(72)【発明者】
【氏名】フォティン,セルゲイ
【審査官】
伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−072534(JP,A)
【文献】
特開2003−116838(JP,A)
【文献】
特開2011−212301(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0074785(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像された解剖学的領域に関する画像データを処理するためのシステムであって:
a.解剖学的領域の3次元(3D)医療用画像から関心の対象を含む1以上の2次元(2D)関心領域(ROI)を検出及び抽出する検出及び抽出プロセッサと;
b.医療用画像源から得られた解剖学的領域の第1の2D投影画像と;
c.前記第1の2D投影画像に前記1以上の2DROIをブレンドすることによって解剖学的領域の第2の2D投影画像を生成するブレンドプロセッサと;
d.第2の2D投影画像の出力を受け取る表示装置とデータ記憶装置の少なくとも1つと;
3次元反応画像と;
を含み、前記3次元反応画像は、画像内の種々の点又は領域が関心特徴を表す度合いを特徴付ける第2の2D投影画像の選択された部分に基づいている、
前記システム。
【請求項2】
前記検出及び抽出プロセッサは、少なくとも1つのROI反応画像を形成するROI検出器を含んでいる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記検出及び抽出プロセッサは、少なくとも1つのROI反応画像から1以上のROIの2Dバイナリマスクを抽出するように構成及び調整されてなる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記検出及び抽出プロセッサは、2Dバイナリマスクを第1の2D投影画像にブレンドして第2の2D投影画像を生成するように構成及び調整される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
撮像された解剖学的領域に関する画像データを処理するため方法であって:
a.解剖学的領域の3次元(3D)医療用画像から関心の対象を含む1以上の2次元(2D)関心領域(ROI)を検出及び抽出するステップと;
b.医療用画像源から得られた解剖学的領域の第1の2D投影画像を定義するステップと;
c.前記第1の2D投影画像に前記1以上の2DROIをブレンドすることによって解剖学的領域の第2の2D投影画像を生成するステップと;
d.第2の2D投影画像の出力を(i)表示するステップと(ii)保存するステップの少なくとも1つのステップと;
3次元反応画像を定義するステップと;
を含み、前記3次元反応画像は、画像内の種々の点又は領域が関心特徴を表す度合いを特徴付ける第2の2D投影画像の選択された部分に基づいている、
前記方法。
【請求項6】
前記1以上の2DROIはそれぞれ前記3D医療用画像からシンスライスとして構成されている請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記各シンスライスは1画素当り100ミクロンの空間分解能をもつ請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記各シンスライスは約1ミリメートルの厚さを有する請求項6記載のシステム。
【請求項9】
前記各シンスライスは2500画素行と1500画素列の寸法をもつ請求項6記載のシステム。
【請求項10】
前記ブレンド手段は、2D画像における画素強度に基づいて各画素でブレンドが実施されるよう構成されてなる請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記検出及び抽出するステップは、さらに、ROI検出器を用いて少なくとも1つの反応画像を形成する、請求項5記載の方法。
【請求項12】
前記検出及び抽出するステップは、さらに、少なくとも1つのROI反応画像から1以上のROIの2Dバイナリマスクを抽出する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記検出及び抽出するステップは、さらに、2Dバイナリマスクを第1の2D投影画像にブレンドして第2の2D投影画像を生成するようにブレンドする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
撮像された解剖学的領域に関する画像データを処理するためのシステムであって:
a.解剖学的領域の3次元(3D)医療用画像から関心の対象を含む1以上の2次元(2D)関心領域(ROI)を検出及び抽出する検出及び抽出手段と;
b.医療用画像源から得られた解剖学的領域の第1の2D投影画像を定義する手段と;
c.前記第1の2D投影画像に前記1以上の2DROIをブレンドすることによって解剖学的領域の第2の2D投影画像を生成する第2の2D投影画像生成手段と;
d.第2の2D投影画像の出力の(i)表示装置と(ii)保存装置の少なくとも1と;
3次元反応画像と;
を含み、前記3次元反応画像は、画像内の種々の点又は領域が関心特徴を表す度合いを特徴付ける第2の2D投影画像の選択された部分に基づいている、
前記システム。
【請求項15】
前記検出及び抽出手段は検出及び抽出プロセッサを有する請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
第2の2D投影画像生成手段はブレンディングプロセッサを有する請求項14記載のシステム。
【請求項17】
さらに、前記検出及び抽出プロセッサによる分析のために、40−60画像シンスライスの画像ボリュームを構成する再構成プロセスユニットを有する、請求項15記載のシステム。
【請求項18】
医療用画像源はコンピュータメモリを有する請求項1記載のシステム。
【請求項19】
医療用画像源はトモシンセシス画像取得ユニットを有する請求項1記載のシステム。
【請求項20】
医療用画像源はコンピュータメモリを有する請求項5記載の方法。
【請求項21】
医療用画像源はトモシンセシス画像取得ユニットを有する請求項5記載の方法。
【請求項22】
医療用画像源はコンピュータメモリを有する請求項14記載のシステム。
【請求項23】
医療用画像源はトモシンセシス画像取得ユニットを有する請求項14記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は概略的には生物医学的応用のための画像処理に関する。
【0002】
より具体的には、本出願は医療用画像データ読影におけるワークフロー効率の改善に関する。
【背景技術】
【0003】
医療用撮像及び放射線医学の分野において、人体の解剖学的領域の画像を作成するために種々の技術を使用できる。
【0004】
例えばマンモグラフィでは胸部はしばしばX線を用いて2つの固定した角度で撮像される。医師は解剖学的領域の2次元(2D)画像又は平面X線画像を見て、乳癌などの疾患状態を発見及び診断できる。
【0005】
現在、数多くの医療用撮像法が、人体の3次元(3D)画像又はボリューム画像を作成するシステム及び技術を採用している。
【0006】
例えば断層撮影技術は格別注目されてきた。そのような例の1つはデジタル胸部トモシンセシス(DBT)である。これは比較的新しい撮像法で、システムは画像源を動かして複数の角度から胸部に放射線を当て、これにより異なる角度で高解像度の平面画像(即ち「直接投影」)を取得することによって胸部を撮像する。例えば、DBTシステムは10点の直接投影画像を取得でき、画像源を撮影角度の変化が合計40度になるように動かす。
【0007】
3D医療用画像は医師に、重要な構造を2D医療用画像で利用可能であるよりも詳細に視覚化することを可能にする。しかしながら、3D医療用撮像法によって生み出されるかなりの量の画像データが課題を提示する。例えばマンモグラフィでは医師は2点の胸部画像、即ち頭尾方向(CC)画像及び内外斜位方向(MLO)画像を見ればよい。DBTにおいて、医師は約50〜70点の画像を見ることがあり、それらはオリジナルの投影画像と再構成された画像を含むことがある。
【0008】
診断評価を改善するための幾つかの技法が、米国特許第7630533号明細書「強調された疑わしい石灰化を表示する胸部トモシンセシス」;米国特許第8044972号明細書「トモシンセシス及び/又はマンモグラムの同期観察;米国特許第8051386号明細書「医療用画像データスタック又はボリュームの観察のCADに基づくナビゲーション;米国特許第8155421号明細書「マンモグラムとトモシンセシス画像のマッチングジオメトリの生成および表示」が開示されており、参照によりそれらの教示内容を有益な背景情報として本明細書に援用する。しかしながら、3D医療用画像技術によって提供される細部を犠牲にすることなく診断の速度を更に改善するような解決が所望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7630533号
【特許文献2】米国特許第8044972号
【特許文献3】米国特許第8051386号
【特許文献4】米国特許第8155421号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、画像に所望される細部を犠牲にすることなく、トモシンセシス医療用画像データ読影におけるワークフロー効率を改善するためのシステム及び方法を提供することによって先行技術の短所を克服する。システム及び方法は一般的に、画像が2次元(2D)フォーマットに投影される前に、3次元(3D)データに基づいて強化された処理を実行することにより取得された画像において、関心領域及び/又は対象(ROI)、例えば塊の識別を向上させる。これにより観察者(例えば医師及び/又は放射線医などの診断者)にとって2D投影画像において関心領域/対象がより識別しやすくなる。なぜならその境界は画面全体の中でより詳細に定義されるからである。
【0011】
例示的な実施形態において、システム及び方法は取得プロセスを用いて、解剖学的領域の3次元(3D)医療用画像から1以上の2次元(2D)関心領域(ROI)を取得する。医療用画像は、適当な医療用撮像装置及び関連するデータ処理及び記憶装置で患者に実施されるスキャニングプロセスから得られる。第1の投影プロセスが、解剖学的領域の第1の2D投影画像を定義する。次に第2の投影プロセスが、第1の2D投影画像からの画像情報及び1以上の2DROIを用いて解剖学的領域の第2の2D投影画像を生成する。それから第2の2D投影画像が出力されて、適当な記憶システム及び/又は表示装置を用いて保存及び/又は表示される。第2の投影プロセスは、ブレンディングプロセスにおいて1以上の2DROIを第1の2D投影画像からの画像情報にブレンドするように構成及び調整されていてもよく、少なくとも1つのROI反応画像を形成するROI検出器を含むことができる。ブレンディングプロセスは更に、少なくとも1つのROI反応画像から1以上のROIの2Dバイナリマスクを抽出し、及び/又は2Dバイナリマスクを第1の2D投影画像にブレンドして第2の2D投影画像を生成するように構成及び調整されていてもよい。
【0012】
加えて、第2の2D投影画像の選択された部分に基づく3次元反応画像が提供されて、診断者が塊などの関心領域又は対象を識別するのを補佐できる。この3D反応画像は、画像内の種々の点又は領域が関心特徴を表す度合いを特徴付けている。
【0013】
本明細書に開示される本発明の種々の実施形態は、その編成及び操作方法に関して、更なる目的及び利点と併せて、以下の説明を次の図面と関連づけて参照することにより最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】例示的な実施形態による医療用画像システムのブロック図である。
【0015】
【
図2】
図1の医療用画像システムによって実施され得る例示的な画像処理プロセスのフローチャートである。
【0016】
【
図3】観察者/診断者(医師、放射線医など)が医療用画像データセットを読影する効率を改善するために、関心領域(ROI)強化2次元画像を使用する例示的なプロセスのフローチャートである。
【0017】
【
図4】例示的な実施形態による強化処理を行なわずに、関心の対象を含む例示的な2D投影のディスプレイ画像である。
【0018】
【
図5】例示的な実施形態による強化処理を行った後の、
図4の関心の対象を含む例示的な2D投影のディスプレイ画像である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、例示的な実施形態による医療用画像システム100のブロック図である。
【0020】
システムは、3次元医療用画像源110、2次元医療用画像源116、新規画像を生み出す画像処理ユニット120、診断者による病気の検出及び診断のために読影される一次画像であっていてもよい関心領域(ROI)強化2次元画像140を含む。システム100は更に、種々の医療用画像データを出力するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)及び/又はディスプレイ142を含む。ここで注記すると、種々の実施形態においてシステム100に広範な機能的コンポーネントが提供されていてもよく、これには種々のネットワーク化されたデータ処理及び記憶装置、追加ディスプレイ、プリンタ、携帯コンピュータ用インターフェイスなどが含まれる。
【0021】
一実施形態によれば、3次元医療用画像源110はデジタル・トモシンセシス撮像システムであり、例えばコネチカット州フェアフィールドのゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE);マサチューセッツ州ベッドフォードのホロジック株式会社(ホロジック);ドイツ・ミュンヘンのシーメンス株式会社(シーメンス)から出ている。デジタル・トモシンセシス撮像システムは、画像源を動かして、異なる角度(例えば4度増分)で複数の投影画像(例えば10−25直接投影)を取得することによって解剖学的領域を撮像する。
【0022】
図1に示されているように、3次元医療用画像源110は解剖学的領域114の3次元画像112を提供する。一実施形態によれば、画像源110が投影画像を取得した後で、投影画像は再構成処理ユニットに入力され、このユニットは従来の技術とプロセスを用いて解剖学的領域の画像ボリュームを構成する。1例を挙げると、画像ボリュームは40−60画像シンスライスで構成されていてもよく、各シンスライスは空間分解能1画素当り100ミクロン、厚さ1ミリメートル(mm)、及び寸法2500画素業と1500画素列を有する。
【0023】
一実施形態によれば、2次元医療用画像源116は、解剖学的領域114の2次元画像118を提供する。1例を挙げると、画像源116は、ディスク又は他のデータ記憶装置からの画像118を読影する従来の設計コンピュータメモリを含むことができる。そのような実施形態で示された画像源は、関連する保存ハ−ドウェアを含むように定義されていてもよい。別の例を挙げると、画像源116は、全画面デジタルマンモグラフィ撮像モードで動作して、内外斜位方向(MLO)又は頭尾方向(CC)2次元画像を取得できるトモシンセシス画像取得ユニットを含むように定義されていてもよい。更に別の例を挙げると、画像源116は、解剖学的領域114の既存の画像データから2次元画像を合成できる画像処理コンピュータ・ソフトウェアを含むように定義されていてもよい。
【0024】
ここで、本明細書中に用いる「プロセス」及び/又は「プロセッサ」の用語は広く解され、多様な電子ハ−ドウェア及び/又はソフトウェアに基づく機能及びコンポーネントを含めていることに留意されたい。更に、ここに示されたプロセス又はプロセッサは他のプロセス及び/又はプロセッサと組み合わせることができ、あるいは種々のサブプロセス又はサブプロセッサに分割できる。そのようなサブプロセス及び/又はサブプロセッサは本明細書に記載された実施形態に従い様々に組み合わされていてもよい。同様に、本明細書中に挙げたいかなる機能、プロセス及び/又はプロセッサも、プログラム命令の非一時的なコンピュータ可読媒体からなる電子ハ−ドウェア、ソフトウェア、又はハ−ドウェアとソフトウェアの組合せを使用して実現され得ることが明確に想定されている。
【0025】
画像処理ユニット120は更に、3次元ROI検出器124、2次元ROI抽出器128、及び画像ブレンディングユニット132を含んでいる。
【0026】
3次元ROI検出器124は、画像内の種々の点又は領域が特に関心のある特徴を表す度合いを特徴付ける。例えば、胸部で関心があり得る特徴は、斑点状の領域又は針骨状の領域を含み、いずれも悪性腫瘍を示唆する。したがって一実施形態によれば、検出器124は石灰化検出器、斑点検出器、針骨検出器、又はこれらの組合せを含んでよい。
図1に示されているように、3次元ROI検出器124は、3次元画像112内のすべての画像スライスに対するこの特徴付け情報を含んだROI反応画像126を生み出す。
【0027】
2次元ROI抽出器128は、関心のある特徴を表す関心点又は領域を含んでいる3次元画像112の部分から2次元情報を抽出する。一実施形態によれば、抽出器128は各ROIについて2Dバイナリマスク130を抽出し、これは本明細書ではチップ130とも呼ぶ。
【0028】
一実施形態によれば、画像ブレンディングユニット132は、抽出器128によって抽出された2次元情報を、画像源116によって提供される2次元画像118と組み合わせるブレンディング関数又はプロセスを含んでいる。ブレンディング関数/プロセスはROI強化2次元画像140を形成する。
【0029】
図2は、ROI強化2次元画像を生み出すために医療用画像システム100によって実行され得る画像処理動作のフローチャートである。
【0030】
ステップ210で、3次元画像源110から解剖学的領域の3次元再構成画像ボリュームが取得される。
【0031】
ステップ220で、3次元ROI検出器124が解剖学的領域の3D再構成画像ボリュームを処理してROI反応画像126を形成する。
【0032】
ステップ230で、ROI抽出器128がROI反応画像126からROIの2Dバイナリマスクを抽出する。一実施形態によれば、ROI抽出器128は最初に反応画像中にROIの局所的最大値を見いだす。局所的最大値は、バイナリマスクが最適に抽出されるべき3次元画像の2Dスライスを規定する。次に、ROI抽出器128は、反応画像の閾値を求めることによりROIの2Dバイナリマスクを抽出する。一実施形態において、適用される閾値は固定された変数であり、その値は経験的データを用いて設定できる。最後に、ROI抽出器128は、抽出された2Dバイナリマスクが関心のある全構造を包含するように、数学的形態学的拡張動作を実行する。
【0033】
ステップ240で、画像ブレンディングユニット132は各2Dバイナリマスクを2次元画像118にブレンドする。一実施形態によれば、ブレンディングユニット132は最初に2Dバイナリマスクからのソフトブレンディングマスクを計算するが、これはROIが最終画像に平滑にブレンドされることを保証する。ソフトブレンディングマスクを計算するための例示的な技法は、2Dバイナリマスクに周知のガウス平滑化フィルタを適用することを含む。次に、ブレンディングユニット132は、次のブレンディング関数を実行する。
混合_画像内の各画素について、
混合_画像[i]=オリジナル_画像[i]*(l−ソフト_マスク_値[i])+チップ_画像[i]*ソフト_マスク_値[i]
【0034】
この関数において、オリジナル_画像[i]は2次元画像118の画素強度、ソフト_マスク_値[i]はソフトブレンディングマスクにおける画素強度、及びチップ_画像[i]は2Dバイナリマスクにおける画素強度を表す。
【0035】
図3は、医師が医療用画像データセットを読影する効率を改善するために、システム100が関心領域(ROI)強化2次元画像を使用する例示的なプロセスのフローチャートである。
【0036】
ステップ310で、システム100はROI強化2D画像をディスプレイ、例えば
図1を参照して説明したグラフィカルユーザインタフェース142に出力する。
【0037】
ステップ320で、システム100は、2D画像における空間的x、y座標位置を規定する入力を受け取る。例えば入力は、2D画像において医師/診断者にとって更に関心のある点又は領域を規定できる。
【0038】
ステップ330で、システム100は関心のある特定の点又は領域を解釈するという医師の任務を最適に支援するであろう3次元画像情報をプログラムにより決定する。一実施形態によれば、この決定をするためにシステム100は3次元反応画像を利用する。既述したように、3次元反応画像は画像内の種々の点又は領域が特に関心のある特徴を表す度合いを特徴付ける。システム100は、規定された空間点が局所的最大値(即ち関心のある点又は領域が最も斑点状である、最も針骨状であるなど)を示す3次元反応画像のスライスを識別する。
【0039】
ステップ340で、システム100は局所的最大値を示す空間点を含んでいる3次元画像情報をディスプレイに出力する。1例を挙げると、システム100は先行のステップで識別された特定のスライスを出力する。別の例を挙げると、システム100は空間点を含んでいるスラブ画像を計算して、スラブ画像をディスプレイに出力する。
【0040】
再び概括すると、例示的なシステム及び方法は医師/診断者(例えば放射線医)がトモグラフィ画像を読影する効率を効果的に高める。典型的に、そのような人員にとって3Dデータを調べることは時間がかかり多大な労力を要する。具体的に言うと、このモダリティにおいて塊が見えるか極めて鮮明であるのは3D再構成データの1又は2のスライスだけであり、それは大量のスライスのごく一部のことがある。そのため観察者はしばしばデータセット中のすべてのスライス又はスラブを調べなければならない。伝統的な方法を使ってデータが2D投影画像に投影されると、対象(塊)の上又は下にある構造が観察を妨害する傾向があり、場合によって塊を隠して2D投影画像におけるそのような対象の識別を著しく困難にする。しかしながらシステムが2D投影画像を生成する前に塊の領域を効果的に識別できれば、投影プロセスを修正して塊の上又は下にある混乱させる構造を無視して、2D投影画像のはるかに明瞭な写真を生み出すことができる。最終結果は、塊が明瞭に見え、一般的に関心の対象(塊)の明瞭な像を隠す可能性のある妨害のない2D投影画像である。有利には、この例示的なプロセスは当業者にとって明らかなやり方で針骨状の塊や石灰化にも適合されて適用され得ることが想定されている。
【0041】
例示的には、プロセスは最初に3Dデータにおいて関心の対象を識別し、この対象を示す最良のスライスを決定し、領域を分割及び抽出し、次に結果を伝統的な2D投影画像に平滑に融合させるように動作することができる。
【0042】
例示的なシステムと方法に従って処理する前と後での2D投影画像の違いが、
図4と
図5のそれぞれの例示的なディスプレイ画像400及び500に示されている。これらの画像は、画像の中央に関心の対象(疑わしい腫瘍及び/又は塊)を含む関心領域のクローズアップ写真である。
図4のディスプレイ画像400に示されているように、関心の対象410は曖昧で、明確に画定されない(不鮮明な)境界を含んでおり、そのことは画像を綿密に調べないと識別するのをときに困難にしている。逆に、例示的なシステム及び方法のプロセスを経て投影された2D画像である
図5の例示的なディスプレイ画像500は、より明確で鮮明な境界を有する関心の対象510を示している。これにより観察者にとって対象510はより読影しやすく識別され、診断精度、効率及び処理量が高まる。
【0043】
以上は、本発明の例示的な実施形態の詳細な説明である。本発明の精神と範囲を逸脱することなく種々の改変及び追加を行うことが必要である。上述した本発明の種々の実施形態の各特徴は、必要に応じて関連する新規の実施形態において複数の特徴の組合せを提供するために、上述した他の実施形態の特徴と組み合わされていてもよい。更に、以上に本発明の装置と方法の多数の個別の実施形態について説明したが、これらは本発明の原理の応用を例示したものに過ぎない。例えば画像情報を適切に強化または選別するために、追加の画像処理アルゴリズム/プロセスをシステム全体のプロセスに含めることができる。したがってこの説明は例示の方法によるものであり、本発明の範囲を別途制限することを意味するものではない。