【文献】
ソニー、画面に触れずに一部の操作ができる"Floating Touch"機能を搭載したスマートフォン「Xperia sola(MT27i)」を発表,[online], 2012年3月13日,[2018年8月27日検索],URL,http://www.datacider.com/21846.php
【文献】
BIOHAZARD REVELATIONS NAVIGATION & ART,株式会社カプコン,2012年 1月26日,第1版,p. 22
【文献】
3D Touchは、スマホゲームの操作性を変えなかった。が、新しいゲームを生むことに成功した,GameCast,日本,2015年11月24日,[online],2017年11月2日検索,URL,http://www.gamecast-blog.com/archives/65846370.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態に係るゲームを実行するゲームプログラム、方法および情報処理装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0012】
本開示のゲームは、ゲームキャラクタが第1の位置から第2の位置に向けて移動する移動体に作用を及ぼすゲームである。本実施形態では、このゲームについて野球ゲームを例示して説明する。即ち、本実施形態にて説明するゲームは、投手が捕手に向けて投げたボールに対して、打者が打撃する野球ゲームである。
【0013】
<ユーザ端末とゲーム端末との関係及び構成>
図1は、ゲームシステム1で用いられるユーザ端末100とゲームサーバ200との関係及びそれぞれの構成を示す図である。ゲームシステム1は、複数のユーザ端末100と、ゲームサーバ200と、を含む。各ユーザ端末100とゲームサーバ200とは、ネットワーク2を介して接続されている。ネットワーク2は、インターネット、図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム(例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution))、または、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えば、WiFi(登録商標))を含み得る。
【0014】
ユーザ端末100は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、または、タブレット型コンピュータ等の携帯端末であることがより好ましい。ユーザ端末100は、通信バスによって互いに電気的に接続されたプロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15とを備える。
【0015】
入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介した各種データ入出力機能および音声入出力機能を備える。
【0016】
タッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、タッチセンシティブなデバイスであり、例えば、タッチパッド等によって構成される。表示部152は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ等によって構成される。入力部151は、タッチスクリーン15に対するユーザの指やスタイラスといった物体の接触または近接を検知し、操作入力として受け付ける。入力部151は、当該操作入力に含まれるユーザの作用(主に、タッチ操作、スワイプ操作、フリック操作、及びタップ操作等の物理的接触操作)が入力された画面位置の情報を検知して、該情報を外部へ情報信号として出力する機能を備える。タッチスクリーン15はタッチセンシティブであればよく、静電容量方式、抵抗膜方式等のどのような方式のデバイスを含んで構成したものであってもよい。
【0017】
ゲームサーバ200は、ゲームに関する各種サービスを各ユーザ端末100に提供する。ゲームサーバ200は、ワークステーション、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであることがより好ましい。ゲームサーバ200は、通信バスにより互いに電気的に接続されたプロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信インターフェース(IF)23と、入出力IF24とを備える。
【0018】
プロセッサ10、20は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を含んで構成される。プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、ゲームサーバ200全体の動作を制御する。メモリ11、21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成され得る主記憶装置を含んで構成される。ストレージ12、22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性記憶装置によって構成され得る補助記憶装置を含んで構成される。メモリ11には、プロセッサ10がストレージ12からロードした各種プログラム及びデータが一時的に記憶される。メモリ21には、プロセッサ20がストレージ22からロードした各種プログラム及びデータが一時的に記憶される。これによりメモリ11はプロセッサ10に対して作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20に対して作業領域を提供する。
【0019】
ゲームサーバ200のストレージ22にはゲームプログラム等のゲームデータが格納される。ユーザ端末100のストレージ12には、ゲームサーバ200からダウンロードされたゲームプログラム等のゲームデータが格納される。当該ゲームプログラムは、メモリ11、21に展開される。プロセッサ10は、メモリ11に展開されるゲームプログラムを実行する。プロセッサ20は、メモリ21に展開されるゲームプログラムを実行する。メモリ11には、プロセッサ10が当該ゲームプログラムに従って動作している間に生成した各種ゲームデータも一時的に格納される。メモリ21には、プロセッサ20が当該ゲームプログラムに従って動作している間に生成した各種ゲームデータも一時的に格納される。本実施形態では、各種データは所定のゲームプログラム、ユーザ情報およびゲーム情報等のゲームデータ、それらをユーザ端末100とゲームサーバ200との間に送受信させる指示、ゲームを進行させるための指示を含む。
【0020】
通信IF13、23は、ユーザ端末100とゲームサーバ200との間で各種データを送受信するための通信制御機能を備える。通信制御機能には、例えば、無線LAN(Local Area Network)接続機能、有線LAN、無線LANおよび携帯電話回線網を介したインターネット接続機能ならびに近距離無線通信機能等が含まれる。
【0021】
ゲームサーバ200の入出力IF24は、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部、および、液晶ディスプレイ等の出力部を備えており、コンピュータの情報をモニタリングするために用いられる。
【0022】
図2は、ユーザ端末100の機能的構成を示す図である。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、入出力IF14等の協働により、制御部110及び記憶部120として機能し得る。記憶部120に格納されたゲームプログラムは主記憶上に展開され、制御部110において実行される。制御部110は、当該ゲームプログラムによって、操作受付部111、オブジェクト位置判定部112、モーション画像生成部113、オブジェクト制御部114、および、表示制御部115として機能し得る。なお、主記憶上には、制御部110が当該プログラムに従って動作している間に生成した各種ゲームデータや制御部110によって利用される各種ゲームデータも一時的に格納される。記憶部120には、制御部110が前述した各部として機能するために必要なデータが記憶されている。当該データとしては、例えば、ゲームプログラム、ゲーム情報、ユーザ情報が含まれる。ゲーム情報としては、各種ゲームオブジェクトを管理するオブジェクト管理テーブル、ゲームキャラクタの各種スキルを管理するスキル管理テーブル、各ゲームキャラクタのモーションを定義するためのモーションデータ等が挙げられる。ユーザ情報としてはユーザ管理テーブル等が挙げられる。
【0023】
制御部110は、ユーザ端末100全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信、ゲームの実行に必要な演算処理およびその他の処理を行う。制御部110は、例えば、操作受付部111で検知されたタッチスクリーン15に対する操作入力に基づいてゲームプログラムに従ったゲームを展開させ、その結果を示すゲーム画像を描画する。制御部110は、ゲームサーバ200から受信したユーザ情報、ゲームプログラムによる演算結果、ユーザの入力部151に対する作用に基づいて、表示部152に表示されるゲーム空間及びオブジェクト等の画像を生成する。また、制御部110は、タッチスクリーン15に対する操作入力に基づいてゲーム空間内におけるゲームオブジェクトを操作する。また、制御部110は、タッチスクリーン15に対する操作入力及び演算処理の結果等に基づいて、記憶部120に記憶されている各種データの更新等の処理を行う。なお、制御部110は、ゲームの進行状態に応じて、ゲーム空間の視野を指定するための仮想カメラの位置を制御する処理を行ってもよい。また、制御部110は、記憶部120に記憶された各種ユーザ情報及びゲーム情報を参照し、ゲーム進行に必要な各種判定を実行する。また、制御部110は、演算処理およびその他の処理を実行することにより生成したゲーム画面を表示部152に出力する。
【0024】
操作受付部111は、タッチスクリーン15の入力部151に対するユーザの操作を検知する。操作受付部111は、入力部151及びその他の入出力IF14を介したコンソールによる操作指示等から、いかなる入力がなされたかを判別し、その結果をオブジェクト位置判定部112、モーション画像生成部113等の必要な要素に出力する。操作受付部111は、入力部151に対する作用入力がなされた場合には、入力位置の座標情報、作用の種類(タッチ操作、スライド操作)を検知する。操作受付部111は、連続して検知されていた入力が途切れることを検知することで、タッチスクリーン15から接触入力が解除されたことを検知する。
【0025】
操作受付部111は、タッチスクリーン15に対するユーザの操作を判別することができる。例えば、タッチオン操作、タッチオフ操作、スワイプ操作、スライド操作、フリック操作、押し込み操作、およびその他の操作を判別する。タッチオン操作は、タッチスクリーン15に対する物体の接触または近接による操作入力を開始させる操作である。タッチオフ操作は、タッチスクリーン15に対する物体の接触または近接を解除することによって、タッチスクリーン15への操作入力を解除する操作である。スワイプ操作は、タッチオン操作に引き続いて入力され、タッチスクリーン15に対する物体の接触または近接を維持した状態で、当該物体をタッチスクリーン15上で移動させる操作である。スライド操作は、ユーザがスワイプ操作を予め定められた時間よりも短い時間で行う操作である。フリック操作は、ユーザがスライド操作後にタッチオフ操作を行う操作であり、例えば、ユーザがタッチスクリーン15で指を弾くような操作である。押し込み操作は、タッチスクリーン15に物体を押し込もうとする操作である。以下、物体がユーザの指である場合について説明する。
【0026】
操作受付部111は、押し込み判定部116を含む。押し込み判定部116は、タッチスクリーンに対するユーザの操作が、押し込み操作の条件を満たすか否かを判定する。操作受付部111は、押し込み判定部116が押し込み操作の条件を満たすと判定した場合に、タッチスクリーンに対するユーザの操作を押し込み操作と判別する。
【0027】
押し込み操作に対応するタッチスクリーン15は、例えば、タッチスクリーン15に接触した指から受ける圧力を検知する圧力センサが備えている。この例では、押し込み判定部116は、タッチスクリーン15が検知した圧力を取得し、該圧力に基づいて、操作受付部111が受け付けた操作が押し込み操作の条件を満たすか否かを判定する。例えば、押し込み判定部116は、取得した圧力が閾値を超えた場合に押し込み操作の条件を満たすと判定する。
【0028】
オブジェクト制御部114は、ユーザによる操作入力、および/または、ゲームプログラムに基づいて、打者601(キャラクタ)、バット602、仮想バット602a、投手603(キャラクタ)、ボール604(移動体)、ミートカーソル606(作用領域)等のオブジェクト(
図4参照)を制御する。
【0029】
オブジェクト位置判定部112は、ボール604、ミートカーソル606等のオブジェクトのゲーム空間内における位置を判定する。例えば、オブジェクト位置判定部112は、ボール604がストライクゾーン605又はボールゾーン608内のいずれの位置に到達するかを判定する。また、オブジェクト位置判定部112は、到達したボール604の位置とミートカーソル606の位置との位置関係を特定する。
【0030】
モーション画像生成部113は、オブジェクト制御部114による、ボール604、および、ミートカーソル606等の各オブジェクトの制御態様に基づいて、各オブジェクトのモーションを示す画像を生成する。例えば、モーション画像生成部113は、ミートカーソル606の制御態様に基づいて、打者601が振るバット602や、打者601のモーションに対応するアニメーションを生成してもよい。
【0031】
表示制御部115は、タッチスクリーン15の表示部152に対して、上述の各要素によって実行された処理結果が反映されたゲーム画面を出力する。該ゲーム画面には、例えば、モーション画像生成部113によって生成された、ミートカーソル606、バット602、ボール604等のアニメーションが含まれる。
【0032】
<ゲームシステムの処理の態様例>
図3は、ゲームシステム1の動作の一例を示すフローチャートである。
図4は、ゲームシステム1によって生成される、野球ゲームのゲーム画面の一例である。
図4において、ゲーム空間としての球場における一場面が示されている。本場面は打撃画面600を示しており、投手603が立っている位置(第1の位置)からキャッチャー(図示せず)のいる位置(第2の位置)まで投手603がボール604を投球して、打者601がボール604に対する打撃を行う場面が示されている。
【0033】
球場における第1の位置と第2の位置との間に、ホームベース607が配置されている。表示制御部115は、ホームベース607上に、第1の位置から第2の位置までの経路に交差する交差面(交差領域)を表示させる。交差面は、第1の位置から第2の位置へと移動するように表示されるボール604に作用を及ぼすことが可能なタイミングを示す領域である。
図4の例では、交差面は、ストライクゾーン605と、ストライクゾーン605の外側に配置されるボールゾーン608とを含む。
【0034】
オブジェクト制御部114は、交差面に基づいて、打者601がボール604を打撃したか否かを判定する。操作受付部111が、投手603が投球したボール604が交差面に到達したタイミングで、ユーザからの打撃操作を受け付けると、打者601は、バット602をスイングすることによって、ボール604を打ち返す作用をボール604に及ぼすことができる。ボール604a、ボール604bは、投手603が投球したボール604が交差面に到達する際の到達予定位置、または、実際の到達位置を示す。ボール604aは、ボール604がボールゾーン608と交差する際の位置の一例を示している。ボール604bは、ボール604がストライクゾーン605と交差する際の位置の一例を示している。
【0035】
オブジェクト制御部114は、交差面にミートカーソル606を設定する。ミートカーソル606は、作用をボール604に及ぼすか否かを判定するための領域である。言い換えると、ミートカーソル606は、ボール604に打撃を与える衝突判定が行われる領域である。表示制御部115は、ミートカーソル606および仮想バット602aを表示する。仮想バット602aは、バット602がスイングされたときにバットが到達する予定の位置を示す。具体的には、表示制御部115は、基準位置に、仮想バット602aの芯が一致するように、ミートカーソル606と仮想バット602aとを重畳させて表示する。基準位置は、ミートカーソル606内に含まれ、好ましくは、
図4の+印609において示されるように、ミートカーソル606の中心である。なお、表示制御部115は、仮想バット602aを表示せず、ミートカーソル606のみを表示してもよい。
【0036】
図3に示すとおり、ステップS101において、メインメニュー画面(不図示)においてユーザが野球ゲームの実行を指示すると、制御部110は野球ゲームを開始する。制御部110は、各種オブジェクトのゲームデータを記憶部120に記憶させる。必要なゲームデータが記憶部120に記憶されていない場合には、制御部110はゲームサーバ200からダウンロードする。各種オブジェクトのゲームデータは、例えば打者601、バット602、投手603、ミートカーソル606、ホームベース607等の各種オブジェクトに関するデータが含まれる。
【0037】
ステップS102において、制御部110は、記憶部120から各種オブジェクトのゲームデータをロードし、
図4に示されるような打者601、バット602、投手603、ミートカーソル606、ホームベース607等を含む打撃画面600を表示部152に表示させる。なお、制御部110は、ストライクゾーン605、および、ボールゾーン608を表示部152に表示させなくてもよい。
【0038】
ステップS103において、制御部110は表示部152の打撃画面600中に投手603による投球動作を表示させる。制御部110は、投手603による投球動作が開始された後所定のタイミングで、第1の位置から第2の位置への移動するようにボール604を表示部152に表示させる。制御部110は、投手603による投球動作が開始された後所定のタイミングで、さらに、ストライクゾーン605またはボールゾーン608内にボール604の到達予定位置を示す表示(ボール604a,604b)を描画する。投手603が投球動作を開始するタイミングは、例えば、ユーザ端末100を操作するユーザがインターネットを介して別のユーザと対戦する場合には、当該別のユーザが操作するユーザ端末100から送信される投球開始指示に基づけばよい。また、コンピュータ制御による仮想の相手とユーザが対戦する場合には、ゲームプログラムによって適宜設定されたタイミングであればよい。制御部110はボール604の到達予定位置を表示部152に表示させた後、ミートカーソル606を半透明に表示させて、ボール604の到達予定位置の表示を遮ることがないようにする。
【0039】
ステップS104において、操作受付部111がユーザによる入力部151に対する移動操作(第1の入力操作)を受け付ける。移動操作とは、ミートカーソル606を移動させるための操作である。本実施形態では、移動操作はスワイプ操作である。制御部110は、移動操作に基づいて、仮想バット602aおよびミートカーソル606を交差面に沿って移動させる。操作受付部111は、タッチスクリーン15の任意の位置における移動操作を受け付けることができる。具体的には、操作受付部111は、タッチスクリーン15に対するユーザの最初の接触位置(初期タッチ座標)と、移動操作後の接触位置(タッチナウ座標)とを比較し、初期タッチ座標に対するタッチナウ座標の変化方向、および、変化量に基づいて、ミートカーソル606の位置の変化方向、および、変化量をそれぞれ決定する。これにより、オブジェクト制御部114は、ホームベース607上の交差面と異なる領域における移動操作に対しても、それに連動して、ミートカーソル606を間接的に移動させることができる。このようにすれば、ユーザの指によってミートカーソル606の視認が妨げられることを回避できる。
【0040】
本実施形態では、ミートカーソル606は、その一部がストライクゾーン605に含まれる範囲で移動可能である。従って、ミートカーソル606の一部はボールゾーン608に含まれ得る。しかし、ボールゾーン608のボールを打撃することは不可能なように設定されていてもよい。
【0041】
ステップS105において、操作受付部111は、ユーザによる打撃操作(第2の入力操作)を受け付ける。打撃操作とは、打者601にボール604を打撃させるための操作のことである。本開示では、打撃操作は、タッチスクリーン15に対する押し込み操作である。これにより、ユーザは、バッティングを想起しやすい直感的な操作で、打者601にボール604を打撃させることができる。
【0042】
操作受付部111は、タッチスクリーン15上のいかなる位置に対して行なわれた押し込み操作も、打撃操作として受け付ける。したがってユーザは、タッチスクリーン15上の任意の位置に、打撃操作としての押し込み操作を行うことができる。
【0043】
操作受付部111が、第1の位置から第2の位置へと移動するように表示されるボール604に対して作用を及ぼすことが可能なタイミングにおいて、移動操作に後続して打撃操作を受け付けた場合、ステップS106において、オブジェクト制御部114は、交差面におけるボール604の位置とミートカーソル606の位置との位置関係に基づいて、打者601がボール604を打撃したか否かを判定する。ここでいうタイミングとは、例えば、ボール604が交差面に到達する時点である。
【0044】
具体的には、オブジェクト制御部114は、ミートカーソル606の位置が、ボール604の打撃に適合した位置の範囲にあれば、打者601がボール604を打撃したと判定することができる。例えば、交差面においてボール604とミートカーソル606とが少なくとも部分的に重畳していれば、打者601がボール604を打撃したと判定すればよい。一方、交差面において、ボール604がミートカーソル606の外部に配置されていれば、打者601がボール604を打撃しなかったと判定すればよい。
【0045】
オブジェクト制御部114は、操作受付部111が特定した打撃操作のタイミングをさらに加味した上で、打撃の有無を判定してもよい。例えば、交差面におけるボール604およびミートカーソル606が打撃に適合した位置関係にあっても、打撃操作のタイミングがボール604への打撃に適合したタイミングから外れて、早すぎたり遅すぎたりする場合がある。この場合、オブジェクト制御部114は、ボール604が打撃されなかったと判定することができる。
【0046】
制御部110は、ステップS106における判定結果に基づいて、野球ゲームを進行させる。具体的には、ステップS106においてYESの場合、ステップS107において、オブジェクト制御部114は、打撃が与えられたボール604がゲーム空間において移動する際の移動経路を算出する。これにより、モーション画像生成部113は、算出された移動経路を飛んでいくボール604のアニメーションを生成することができる。
【0047】
具体的には、オブジェクト制御部114は、ミートカーソル606の位置とボール604の位置との位置関係に基づいてボール604の移動経路を算出する。例えば、オブジェクト制御部114は、前述の位置関係に基づいて、バット602とボール604との衝突を力学的にモデル化する。この場合、バット602に衝突した直後のボール604の速度ベクトル、回転軸、回転量等を、ボール604を移動させるための初期条件として取得すればよい。例えば、ボール604の下部をミートカーソル606の上部で打撃した場合には、打球の角度が上がりフライとなる。また、ボール604の上部をミートカーソル606の下部で打撃した場合には、打球の角度が下がりゴロとなる。例えば、オブジェクト制御部114は、ミートカーソル606の中央の位置でボール604の中央を打撃する等の所謂ジャストミートの場合には、ライナーでボール604が飛ぶような移動経路を算出する。ジャストミート以外の場合には凡打と判定して、凡打に対応する移動経路を算出してもよい。
【0048】
オブジェクト制御部114は、打撃操作のタイミングに基づいて、速度ベクトルの向きを特定してもよい。また、オブジェクト制御部114は、ゲーム空間内に設定された各種物理パラメータ、および、物理法則を規定する方程式に基づいて、ボール604の移動経路を算出すればよい。これにより表示制御部115は、定性的には現実の野球と同様の打球の移動結果を、表示部152に表示させることができる。例えば、打撃操作のタイミングが早い場合には、引っ張り打ちの方向にボール604が移動し、一方、打撃操作のタイミングが遅い場合には、流し打ちの方向にボール604が移動する。
【0049】
ステップS106においてNOの場合、オブジェクト制御部114が、ボール604の移動経路を算出することなく、モーション画像生成部113は、打者601がボール604を空振りするアニメーションを生成してもよい。
【0050】
<タッチスクリーンに圧力をかける押し込み操作による打撃>
図5は、入力操作とゲーム画面の変化との対応付けの一例を示す図である。
図5の状態(A)は、移動操作に基づくミートカーソル606の移動を示す。
図5の状態(B)は、移動操作時の指の動きを示す。
図5の状態(C)は、打撃操作に基づくボール604の打撃を示す。
図5の状態(D)は、打撃操作時の指の動きを示す。
この例では、
図4のステップS104において操作受付部111が受け付ける移動操作は、タッチスクリーン15に対する指の接触を維持した状態で、指をタッチスクリーン15上で移動させる操作である。オブジェクト制御部114は、該移動操作に基づいて、仮想バット602aおよびミートカーソル606を移動させる(
図5の状態(A)および状態(B)参照)。
【0051】
またこの例では、ステップS105において操作受付部111が受け付ける打撃操作は、先の移動操作によって生じた、タッチスクリーン15に対する指の接触を維持したまま、指をタッチスクリーン15に押し込もうとする操作である(
図5の状態(D)参照)。
【0052】
この例におけるタッチスクリーン15は、タッチスクリーン15に接触した指から受ける圧力を検知する圧力センサを備えている。押し込み判定部116は、タッチスクリーン15が検知した圧力を取得し、該圧力に基づいて、操作受付部111が受け付けた操作が押し込み操作の条件を満たすか否かを判定する。例えば、押し込み判定部116は、取得した圧力が閾値(以下、「第1の閾値」という。)を超えた場合に押し込み操作の条件を満たすと判定してもよく、連続して取得した圧力の増加率が、閾値を超えた場合に押し込み操作の条件を満たすと判定してもよい。なお以降、この例における押し込み判定部116は、前者の判定を行うものとして説明する。
【0053】
操作受付部111が、タッチスクリーン15に対して第1の閾値以下の圧力で接触する指の移動操作を受け付けると、オブジェクト制御部114は、仮想バット602aおよびミートカーソル606を移動させる。
【0054】
また、押し込み判定部116が、タッチスクリーン15に対する指の圧力が第1の閾値を超えたと判定すると、操作受付部111は、タッチスクリーン15に入力された操作を打撃操作と判別する。
【0055】
以上より、ユーザはミートカーソル606の移動から打撃操作の入力までを、指をタッチスクリーン15から離すことなく行うことができる。よって、ユーザは、打撃操作の入力開始から入力完了までのタイミングを安定させることができるので、ユーザの想定通りのタイミングで打者601にボール604を打撃のための動作を実行させることができる。また、ユーザが繰り返しゲームで遊ぶ場合に、打撃操作を安定したタイミングで入力することができる。
【0056】
<押し込み量に基づく打撃モードの変更>
図6は、押し込み量に基づく打撃モードの変更を示す図である。
図6の状態(A)は、打撃操作時の押し込み量が小さい場合にはミートカーソル606の大きさがより大きいことを示す。
図6の状態(B)は、打撃操作時の押し込み量が小さいことを示す。
図6の状態(C)は、打撃操作時の押し込み量が大きい場合にはミートカーソル606の大きさがより小さいことを示す。
図6の状態(D)は、打撃操作時の押し込み量が大きいことを示す。
【0057】
オブジェクト制御部114は、打撃操作時の押し込み量に基づいて、ミートカーソル606の大きさを異ならせてもよい。オブジェクト制御部114は、打者601がボール604を打撃したと判定した場合、打撃操作時の押し込み量に基づいて、ボール604に及ぼす作用量を異ならせてもよい。なお、本実施形態において、作用量とは、ボール604に与えられる初速度(速度ベクトルの大きさ)を意味する。これにより、ユーザは打撃操作時の押し込む力を変更すれば、打者601がボール604を打撃したと判定した場合にボール604に与えられる初速度、および、ミートカーソル606の大きさを変更することができる。
【0058】
例えば、押し込み判定部116が検知した押し込み量を第2の閾値以上であると判定した場合、オブジェクト制御部114は、ミートカーソル606の大きさをより小さくしてもよい。また、押し込み判定部116が検知した押し込み量を第2の閾値以上であると判定し、かつ、オブジェクト制御部114が、打者601がボール604を打撃したと判定した場合、オブジェクト制御部114は、ボール604に与えられる初速度をより大きくしてもよい。第2の閾値は圧力の閾値であって、第1の閾値より大きい値に設定される。
【0059】
一例として、押し込み判定部116が検知した圧力に基づいて2種類の打撃モードを切り替える構成について説明する。この例の野球ゲームでは、押し込み量に基づくミートカーソル606の大きさ、および、ボール604に与える初速度の変更は、打者601の打撃の態様を示す打撃モードの変更として処理される。オブジェクト制御部114は、打撃操作時の圧力に基づいて、打者601の打撃モードを設定する。
【0060】
打撃モードの1つは、オブジェクト制御部114が、打者601がボール604を打撃したと判定したとき、ボール604に与える初速度がより大きくなるモードである(以下、「第1のモード」という。)。他方の打撃モードは、オブジェクト制御部114が、打者601がボール604を打撃したと判定したとき、ボール604に与える初速度がより小さくなるモードである(以下、「第2のモード」という)。オブジェクト制御部114は、第1のモードの場合、ミートカーソル606の大きさを第2のモードより小さくする(
図6の状態(A)および状態(C)参照)。
【0061】
なお、第1のモードおよび第2のモードは、初速度およびミートカーソル606の大きさの両方がそれぞれ異なるものに限定されない。例えば、第1のモードおよび第2のモードは初速度のみが異なり、ミートカーソル606の大きさは同じであってもよい。また、第1のモードおよび第2のモードはミートカーソル606の大きさのみが異なり、初速度は同じであってもよい。以降の説明では、第1のモードと第2のモードとの切り替えによって、初速度およびミートカーソル606の大きさの両方が変更される例を説明する。
【0062】
これにより、打者がボールを遠くに飛ばそうと強振すると、空振りしやすいという現象を本野球ゲームにおいて再現することができる。ユーザは、高い難度の操作に挑戦してボール604を遠くまで飛ばすか、簡単な操作でボール604をミートするか、を選択できるので、戦略性が向上する。
【0063】
押し込み判定部116が、検知した圧力を第2の閾値以上であると判定した場合、オブジェクト制御部114は、打者601の打撃モードを第1のモードに設定する。オブジェクト制御部114は、打撃モードを第1のモードに設定した場合、ミートカーソル606の大きさを第2のモード時より小さくする。オブジェクト制御部114は、打撃モードを第1のモードに設定し、かつ、打者601がボール604を打撃したと判定した場合、ボール604に与えられる初速度を、第2のモード時より大きくする。
【0064】
また、押し込み判定部116が圧力を第1の閾値より大きく第2の閾値未満と判定した場合、オブジェクト制御部114は打者601の打撃モードを第2のモードに設定する。オブジェクト制御部114は、打撃モードを第2のモードに設定した場合、ミートカーソル606の大きさを第1のモード時より大きくする。また、オブジェクト制御部114は、打撃モードを第2のモードに設定し、かつ、打者601がボール604を打撃したと判定した場合、ボール604に与えられる初速度を、第1のモード時より小さくする。
【0065】
以上より、ユーザは、押し込み量を大きくすることで、より打球を遠くに飛ばすモードで打者601に打撃させ、押し込み量を小さくすることで、より容易にボール604をミートするモードで打者601に打撃させることができる。よってユーザは、より直感的な操作で、打撃モードを選択することができる。
【0066】
また、打撃モードの数および種類はこの例に限定されない。例えば、ボール604に与えられる初速度がバントのときの移動経路となるように、第1のモードおよび第2のモードに比べて著しく小さくなるモードを含んでもよい。これにより、バントを本野球ゲームにおいて再現することができる。
【0067】
また、オブジェクト制御部114は、打撃モードが第1のモードであっても、ミートカーソル606の大きさを
図6の状態(A)に示す大きさから変更せず、打者601がボール604を打撃したと判定される範囲のみを狭めてもよい。例えば、オブジェクト制御部114は、打撃モードが第1のモードであるとき、
図6の状態(A)に示すミートカーソル606の+印609とボール604とが重畳した場合のみ、打者601がボール604を打撃したと判定してもよい。
【0068】
また、本開示の打撃モードの設定は、打撃操作の押し込み量に基づいて設定する例に限定されない。例えば、オブジェクト制御部114は、操作受付部111がタッチスクリーン15に表示された打撃モード切り替え用のUIに対するタップ操作を受け付けたとき、打撃モードを切り替えてもよい。
【0069】
<ホバー状態からの押し込み操作による打撃>
図7は、ゲームシステム1の動作の別の例を示すフローチャートである。
図8は、入力操作とゲーム画面の変化との対応付けの別の例を示す図である。
図8は、入力操作とゲーム画面の変化との対応付けの別の例を示す図である。
図8の状態(A)は、ホバー状態での移動操作に基づくミートカーソル606の移動を示す。
図8の状態(B)は、ホバー状態での移動操作時の指の動きを示す。
図8の状態(C)は、ホバー状態での打撃操作に基づくボール604の打撃を示す。
図8の状態(D)は、ホバー状態での打撃操作時の指の動きを示す。
【0070】
この例におけるタッチスクリーン15は、指がタッチスクリーン15に接触せず、近接が検知される空間領域に維持されている状態(ホバー状態)を検知する。このようなタッチスクリーン15としては、例えば、近接した物体を検知可能な任意のセンサ(近接センサ、赤外線センサ、距離画像センサ等)を備えるものが挙げられる。他にも、物体がタッチスクリーン15に近接した場合に物体とタッチスクリーン15との間の静電容量が変化する高感度な静電容量方式のタッチスクリーン15も挙げられる。あるいは、タッチスクリーン15に近接したスタイラスペンが自身のホバー状態を検知し、検知結果をユーザ端末100に通知してもよい。
【0071】
まず、
図7を用いて、この例における本ゲームシステムの動作を説明する。なお、ステップS201〜ステップS203、ステップS206、およびステップS207は、それぞれ、
図4のステップS101〜ステップS103、ステップS106、およびステップS107と同様であるため、ここでの説明を繰り返さない。
【0072】
ステップS204において、操作受付部111がユーザによるホバー状態での移動操作(第1の入力操作)を受け付けると、オブジェクト制御部114は、該移動操作に基づいて、仮想バット602aおよびミートカーソル606を移動させる(
図8の状態(A)および状態(B)参照)。オブジェクト制御部114は、近接が検知される空間領域の任意の位置における移動操作に基づいて、ミートカーソル606の位置を移動させる。
【0073】
ステップS205において、操作受付部111は、ユーザによる打撃操作(押し込み操作)を受け付ける。この例における打撃操作は、ホバー状態での移動操作に基づいてタッチスクリーン15への近接が検知される空間領域に維持された指を、タッチスクリーン15に接触させる操作である(
図8の状態(B)参照)。この例における押し込み判定部116は、指の状態がホバー状態から接触状態に遷移した場合に押し込み操作の条件を満たすと判定する。
【0074】
押し込み判定部116が、指の状態がホバー状から接触状態に遷移したことを検知すると、操作受付部111は、タッチスクリーン15に入力された操作を打撃操作と判別する。
【0075】
以上より、ユーザは打撃操作をタッチスクリーン15に入力するために、タッチスクリーン15と指との接触を解除した後、空間領域に指を維持させる。これにより、打撃操作の入力時における指とタッチスクリーン15との距離が一定距離以下(ホバー状態をタッチスクリーン15が検知できる距離)となるので、ユーザは、打撃操作の入力開始から入力完了までのタイミングを安定させることができる。よって、ユーザは、自身の想定通りのタイミングで打者601にボール604を打撃させることができる。また、ユーザが繰り返しゲームで遊ぶ場合に、打撃操作を安定したタイミングで入力することができる。
【0076】
<押し込みの速度に基づく打撃モードの変更>
図9は、押し込みの速度に基づく打撃モードの変更を示す図である。
図9の状態(A)は、打撃操作時の押し込みの速度が遅い場合にはミートカーソル606の大きさがより大きいことを示す。
図9の状態(B)は、打撃操作時の押し込みの速度が遅いことを示す。
図9の状態(C)は、打撃操作時の押し込みの速度が早い場合にはミートカーソル606の大きさがより小さいことを示す。
図9の状態(D)は、打撃操作時の押し込みの速度が早いことを示す。オブジェクト制御部114は、打撃操作時の押し込みの速度に基づいて、ミートカーソル606の大きさを異ならせてもよい。オブジェクト制御部114は、打者601がボール604を打撃したと判定した場合、打撃操作時の押し込みの速度に基づいて、ボール604に与える初速度を異ならせてもよい。これにより、ユーザは打撃操作時の押し込みの速度を変更すれば、打者601がボール604を打撃したと判定した場合にボール604に与えられる初速度、および、ミートカーソル606の大きさを変更することができる。
【0077】
例えば、押し込み判定部116が算出した押し込みの速度を第3の閾値以上であると判定した場合、オブジェクト制御部114は、ミートカーソル606の大きさをより小さくしてもよい。また、押し込み判定部116が算出した押し込みの速度を第3の閾値以上であると判定し、かつ、オブジェクト制御部114が、打者601がボール604を打撃したと判定した場合、オブジェクト制御部114は、ボール604に与えられる初速度をより大きくしてもよい。
【0078】
この例では、打撃操作時の押し込みの速度に基づいて、打者601の打撃モードが設定される。なお、押し込みの速度とは、ホバー状態の指がタッチスクリーン15に接触するまでの速度(以下、「接触速度」という。)である。この例における押し込み判定部116は、例えば、ホバー状態の指がタッチスクリーン15に接触したとき、ホバー状態時の指からタッチスクリーン15までの距離と、指がタッチスクリーン15に接触するまでの時間とを算出し、該距離と該時間とから接触速度を算出する。
【0079】
接触速度に基づいて第1のモードおよび第2のモードを切り替える構成の一例を説明する。この例では、押し込み判定部116が接触速度を第3の閾値以上であると判定した場合、オブジェクト制御部114は打者601の打撃モードを第1のモードに設定する。例えば、オブジェクト制御部114は、打撃モードを第1のモードに設定した場合、ミートカーソル606の大きさを第2のモード時より小さくする。また、オブジェクト制御部114は、打撃モードを第1のモードに設定し、かつ、打者601がボール604を打撃したと判定した場合、ボール604に与えられる初速度を、第2のモード時より大きくする。
【0080】
また、押し込み判定部116が接触速度を第3の閾値未満であると判定した場合、オブジェクト制御部114は打者601の打撃モードを第2のモードに設定する。例えば、オブジェクト制御部114は、打撃モードを第2のモードに設定した場合、ミートカーソル606の大きさを第1のモード時より大きくする。また、オブジェクト制御部114は、打撃モードを第2のモードに設定し、かつ、打者601がボール604を打撃したと判定した場合、ボール604に与えられる初速度を、第1のモード時より小さくする。
【0081】
以上より、ユーザは、接触速度を速くすることで、より打球を遠くに飛ばすモードで打者601に打撃させ、接触速度を遅くすることで、より容易な操作でボール604をミートするモードで打者601に打撃させることができる。よってユーザは、より直感的な操作で、打撃モードを選択することができる。
【0082】
<タッチスクリーンとの接触面積を増加させる押し込み操作による打撃>
図10は、入力操作とゲーム画面の変化との対応付けのさらに別の例を示す図である。
図10の状態(A)は、移動操作に基づくミートカーソル606の移動を示す。
図10の状態(B)は、移動操作時の指の動きを示す。
図10の状態(C)は、移動操作によって生じたタッチスクリーン15への指の接触を維持したまま入力される打撃操作に基づくボール604の打撃を示す。
図10の状態(D)は、移動操作によって生じたタッチスクリーン指の接触を維持したまま入力される打撃操作時の指の動きを示す。
この例では、
図4のステップS104において操作受付部111が受け付ける移動操作は、タッチスクリーン15に対する指の接触を維持した状態で、指をタッチスクリーン15上で移動させる操作である。オブジェクト制御部114は、該移動操作に基づいて、仮想バット602aおよびミートカーソル606を移動させる(
図10の状態(A)および状態(B)参照)。
【0083】
またこの例では、ステップS105において操作受付部111が受け付ける打撃操作は、先の移動操作によって生じた、タッチスクリーン15に対する指の接触を維持したまま、指をタッチスクリーン15に押し込もうとする操作である(
図10の状態(D)参照)。
【0084】
この例におけるタッチスクリーン15は、指の接触領域を検知可能に構成されている。例えば、タッチスクリーン15は静電容量センサを備える、マルチタッチを検出可能なタッチスクリーンであってもよい。この例における押し込み判定部116は、タッチスクリーン15が検知した接触領域の面積(以下、「接触面積」という。)を算出する。例えば、押し込み判定部116は、算出した接触面積が所定の閾値(以下、「第4の閾値」という。)を超えた場合に押し込み操作の条件を満たすと判定してもよく、連続して取得した接触領域それぞれの接触面積の増加率が、閾値を超えた場合に押し込み操作の条件を満たすと判定してもよい。なお以降、この例における押し込み判定部116は、前者の判定を行うものとして説明する。
【0085】
操作受付部111が、タッチスクリーン15に対する接触面積が第4の閾値以下の移動操作を受け付けると、オブジェクト制御部114は、仮想バット602aおよびミートカーソル606を移動させる。
【0086】
また、押し込み判定部116が、接触面積が第4の閾値を超えたと判定すると、操作受付部111は、タッチスクリーン15に入力された操作を打撃操作と判別する。
【0087】
以上より、ユーザはミートカーソル606の移動から打撃操作の入力までを、指をタッチスクリーン15から離すことなく行うことができる。よってユーザは、打撃操作の入力開始から入力完了までのタイミングを安定させることができるので、ユーザの想定通りのタイミングで打者601にボール604を打撃させることができる。また、ユーザが繰り返しゲームで遊ぶ場合に、打撃操作を安定したタイミングで入力することができる。
【0088】
<接触面積に基づく打撃モードの変更>
オブジェクト制御部114は、押し込み判定部116が算出した接触面積に基づいて、打撃モードを変更してもよい。これにより、ユーザは打撃操作時の押し込む程度を変更すれば、打撃モードを変更することができる。
【0089】
接触面積に基づいて第1のモードおよび第2のモードを切り替える構成の一例を説明する。この例における押し込み判定部116は、操作受付部111が算出した接触面積を取得する。また、押し込み判定部116は該接触面積が第5の閾値以上であるか否かを判定する。第5の閾値は接触面積の閾値であって、第4の閾値より大きい値で設定される。
【0090】
この例では、押し込み判定部116が接触面積を第5の閾値以上であると判定した場合、オブジェクト制御部114は打者601の打撃モードを第1のモードに設定する。例えば、オブジェクト制御部114は、打撃モードを第1のモードに設定した場合、ミートカーソル606の大きさを第2のモード時より小さくする。また、オブジェクト制御部114は、打撃モードを第1のモードに設定し、かつ、打者601がボール604を打撃したと判定した場合、ボール604に与えられる初速度を、第2のモード時より大きくする。
【0091】
また、押し込み判定部116が接触面積を第4の閾値より大きく第5の閾値未満と判定した場合、オブジェクト制御部114は打者601の打撃モードを第2のモードに設定する。例えば、オブジェクト制御部114は、打撃モードを第2のモードに設定した場合、ミートカーソル606の大きさを第1のモード時より小さくする。また、オブジェクト制御部114は、打撃モードを第2のモードに設定し、かつ、打者601がボール604を打撃したと判定した場合、ボール604に与えられる初速度を、第1のモード時より小さくする。
【0092】
以上より、ユーザは、押し込み量を大きくすることで、より打球を遠くに飛ばすモードで打者601に打撃させ、押し込み量を小さくすることで、より容易な操作でボール604をミートするモードで打者601に打撃させることができる。よってユーザは、より直感的な操作で、打撃モードを選択することができる。
【0093】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部110の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよく、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0094】
後者の場合、制御部110は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、前記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0095】
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0096】
〔付記事項〕
本発明の一側面に係る内容を列記すると以下のとおりである。
【0097】
(項目1) 本実施形態において、プロセッサ(10)、メモリ(11)、および、タッチスクリーン(15)を備えるコンピュータ(100)において実行されるゲームプログラムについて説明した。本実施形態のある局面によると、ゲームプログラムは、プロセッサ(10)に、タッチスクリーン(15)に対する入力操作を受け付けるステップと、第1の位置から第2の位置へと移動するように移動体(604)をタッチスクリーン(15)に表示させるステップと、第1の位置から第2の位置までの経路に交差し、第1の位置から第2の位置へと移動するように表示される移動体(604)に作用を及ぼすことが可能なタイミングを示す交差領域(605,608)をタッチスクリーン(15)に表示させるステップと、タッチスクリーン(15)に対する第1の入力操作に基づいて、作用を移動体(604)に及ぼすか否かを判定するための作用領域(606)を、交差領域(605,608)に沿って移動させるステップ(S104,S204)と、第1の位置から第2の位置へと移動するように表示される移動体(604)に対して作用を及ぼすことが可能なタイミングにおいて、タッチスクリーン(15)に物体を押し込もうとする第2の入力操作を第1の入力操作に後続して受け付けた場合に、移動体(604)の位置と作用領域(606)の位置との位置関係に基づいて、移動体(604)に作用を及ぼすか否かを判定するステップ(S106)と、判定するステップ(S106)における判定結果に基づいてゲームを進行させるステップ(S107,S207)とを実行させる。これにより、ユーザは、タッチスクリーン(15)へ物体を押し込もうとする操作によって打者にボールを打撃させることができる。よって、ユーザは、バッティングを想起しやすい直感的な操作で打者にボールを打撃させることができる。
【0098】
(項目2) (項目1)において、第1の入力操作は、タッチスクリーン(15)に対する物体の接触または近接を維持した状態で、物体をタッチスクリーン(15)上で移動させる操作であり、第2の入力操作は、第1の入力操作によって生じた、タッチスクリーン(15)に対する物体の接触または近接を維持したまま、物体をタッチスクリーン(15)に押し込もうとする操作である。これにより、ユーザは、打者にボールを打撃させるための操作の入力開始のタイミングを安定させることができる。よって、ユーザは、想定通りのタイミングで打者にボールを打撃させることができる。
【0099】
(項目3) (項目1)または(項目2)において、ゲームプログラムは、プロセッサ(10)に、さらに、第2の入力操作時の押し込み量に基づいて、作用領域(606)の大きさを異ならせるステップと、判定するステップにおいて移動体(604)に作用を及ぼすと判定した場合、押し込み量に基づいて、移動体(604)に及ぼす作用量を異ならせるステップとを実行させる。これにより、ユーザは、打撃操作時の押し込む力を変更すれば、打撃モードを変更することができる。
【0100】
(項目4) (項目3)において、大きさを異ならせるステップは、押し込み量が閾値以上である場合、大きさをより小さくすることを含み、作用量を異ならせるステップは、押し込み量が閾値以上であり、かつ、判定するステップ(S106)において移動体(604)に作用を及ぼすと判定した場合、移動体(604)に及ぼす作用量をより大きくすることを含む。これにより、ユーザは、押し込み量を大きくすることで打者に強振させるので、打者にボールを打撃させるための操作を、より直感的な操作とすることができる。
【0101】
(項目5) (項目1)または(項目2)において、ゲームプログラムは、プロセッサ(10)に、さらに、第2の入力操作時の押し込みの速度に基づいて、作用領域(606)の大きさを異ならせるステップと、判定するステップ(S106)において移動体(604)に作用を及ぼすと判定した場合、押し込みの速度に基づいて、移動体(604)に及ぼす作用量を異ならせるステップとを実行させる。これにより、ユーザは、打撃操作時の押し込みの速度を変更すれば、打撃モードを変更することができる。
【0102】
(項目6) (項目5)において、大きさを異ならせるステップは、押し込みの速度が閾値以上である場合、大きさをより小さくすることを含み、作用量を異ならせるステップは、押し込みの速度が閾値以上であり、かつ、判定するステップ(S106)において移動体(604)に作用を及ぼすと判定した場合、移動体(604)に及ぼす作用量をより大きくすることを含む。これにより、ユーザは、押し込み操作時の押し込みの速度を速くすることで打者に強振させるので、打者にボールを打撃させるための操作を、より直感的な操作とすることができる。
【0103】
(項目7) 本実施形態において、コンピュータ(100)がゲームプログラムを実行するための方法について説明した。コンピュータ(100)は、プロセッサ(10)、メモリ(11)、および、タッチスクリーン(15)を備え、ゲームプログラムを実行するものである。本実施形態のある局面によると、方法は、コンピュータ(100)が、タッチスクリーン(15)に対する入力操作を受け付けるステップと、第1の位置から第2の位置へと移動するように移動体(604)をタッチスクリーン(15)に表示させるステップと、第1の位置から第2の位置までの経路に交差し、第1の位置から第2の位置へと移動するように表示される移動体(604)に作用を及ぼすことが可能なタイミングを示す交差領域(605,608)をタッチスクリーン(15)に表示させるステップと、タッチスクリーン(15)に対する第1の入力操作に基づいて、作用を移動体(604)に及ぼすか否かを判定するための作用領域(606)を、交差領域(605,608)に沿って移動させるステップと、第1の位置から第2の位置へと移動するように表示される移動体(604)に対して作用を及ぼすことが可能なタイミングにおいて、タッチスクリーン(15)に物体を押し込もうとする第2の入力操作を第1の入力操作に後続して受け付けた場合に、移動体(604)の位置と作用領域(606)の位置との位置関係に基づいて、移動体(604)に作用を及ぼすか否かを判定するステップと、判定するステップにおける判定結果に基づいてゲームを進行させるステップとを実行することを含む。これにより、ユーザは、タッチスクリーン(15)へ物体を押し込もうとする操作によって打者にボールを打撃させることができる。よって、ユーザは、バッティングを想起しやすい直感的な操作で打者にボールを打撃させることができる。
【0104】
(項目8) 本実施形態において、ゲームプログラムを記憶するように構成された記憶部(120)と、情報処理装置(100)の動作を制御するように構成された制御部(110)と、タッチスクリーン(15)と、を備えた情報処理装置(100)について説明した。制御部は、タッチスクリーン(15)に対する入力操作を受け付け、第1の位置から第2の位置へと移動するように移動体(604)をタッチスクリーン(15)に表示させ、第1の位置から第2の位置までの経路に交差し、第1の位置から第2の位置へと移動するように表示される移動体(604)に作用を及ぼすことが可能なタイミングを示す交差領域(605,608)をタッチスクリーン(15)に表示させ、タッチスクリーン(15)に対する第1の入力操作に基づいて、作用を移動体(604)に及ぼすか否かを判定するための作用領域(606)を、交差領域(605,608)に沿って移動させ、第1の位置から第2の位置へと移動するように表示される移動体(604)に対して作用を及ぼすことが可能なタイミングにおいて、タッチスクリーン(15)に物体を押し込もうとする第2の入力操作を第1の入力操作に後続して受け付けた場合に、移動体(604)の位置と作用領域(606)の位置との位置関係に基づいて、移動体(604)に作用を及ぼすか否かを判定し、作用を及ぼすか否かを判定した判定結果に基づいてゲームを進行させる。これにより、ユーザは、タッチスクリーン(15)へ物体を押し込もうとする操作によって打者にボールを打撃させることができる。よって、ユーザは、バッティングを想起しやすい直感的な操作で打者にボールを打撃させることができる。