特許第6458013号(P6458013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6458013
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】アンテナの同調方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/40 20150101AFI20190110BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20190110BHJP
   H04B 1/18 20060101ALI20190110BHJP
   H04B 1/00 20060101ALI20190110BHJP
【FI】
   H04B1/40
   H01Q1/24 Z
   H04B1/18 C
   H04B1/00 253
【請求項の数】22
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-518550(P2016-518550)
(86)(22)【出願日】2014年5月13日
(65)【公表番号】特表2016-529760(P2016-529760A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】FI2014050355
(87)【国際公開番号】WO2014199003
(87)【国際公開日】20141218
【審査請求日】2017年4月13日
(31)【優先権主張番号】13/917,047
(32)【優先日】2013年6月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ラルセン ニールス ボン
(72)【発明者】
【氏名】リー ケヴィン
【審査官】 前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−051503(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0141294(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0060531(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/051554(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/40
H01Q 1/24
H04B 1/00
H04B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワーク内で動作する携帯通信デバイスによりカバーされる周波数範囲を決定する手段と、
アンテナが受動的に同調される第1の周波数範囲が、または前記第1の周波数範囲とは異なる第2の周波数範囲が、アクティブチューナと組み合わされた前記アンテナによるカバー範囲として選択されるように、少なくとも一つの受動素子を使って前記第1の周波数範囲に受動的に同調される前記アンテナと前記アクティブチューナとの間の1つ以上の接続を制御する手段と、
を備え、前記制御する手段は、キャリアアグリゲーションまたは二重通信モードを用いて通信する際に、前記第1の周波数範囲が選択されるように前記接続を制御するように構成される、装置。
【請求項2】
前記制御する手段は、前記第1の周波数範囲が選択される際に、前記アクティブチューナを前記アンテナから電気的に絶縁することを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御する手段は、前記アクティブチューナが前記アンテナから電気的に絶縁されている時に、前記アクティブチューナをグランドに接続するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記アクティブチューナを前記アンテナから絶縁することは、電力を前記アクティブチューナから取り除くことを含む、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記制御する手段は、前記アンテナを、前記アクティブチューナと前記受動素子とのいずれか一方にのみ接続する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記アクティブチューナは、前記受動素子を挟まずに前記アンテナに接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
RF回路を更に備え、
前記第1の周波数範囲が選択される場合、前記RF回路は、前記受動素子を挟まずに前記アンテナに接続される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の周波数範囲が選択される場合、前記RF回路は、前記アクティブチューナを介して前記アンテナに接続される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記制御する手段は、前記RF回路と前記アクティブチューナとの間に第1のスイッチを有すると共に、前記アクティブチューナと前記アンテナとの間に第2のスイッチを有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記RF回路は、前記第2のスイッチを迂回して前記アンテナに接続されるように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2のスイッチは、前記アクティブチューナの接続先を、前記アンテナとグランドとに切り替える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第2のスイッチはSPSTスイッチである、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の周波数範囲が選択される場合、前記制御する手段は、前記アクティブチューナの入力と出力の両方をグランドに接続するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
カバーされる周波数範囲を決定する前記手段は、少なくとも1つの基地局への前記携帯通信デバイスの接続時に、前記アンテナの前記受動的に同調される周波数範囲を用いてカバー範囲を構成するようにされ、前記接続は複数の通信プロトコルを規定する、請求項1から13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
無線通信ネットワーク内で動作する携帯通信デバイスによりカバーされる周波数範囲を決定することと、
アンテナが受動的に同調される第1の周波数範囲が、または前記第1の周波数範囲とは異なる第2の周波数範囲が、アクティブチューナと組み合わされた前記アンテナによるカバー範囲として選択されるように、少なくとも一つの受動素子を使って前記第1の周波数範囲に受動的に同調される前記アンテナと前記アクティブチューナとの間の1つ以上の接続を制御することと、
含み、ただし前記制御することは、キャリアアグリゲーションまたは二重通信モードを用いて通信する際に、前記第1の周波数範囲が選択されるように前記接続を制御することを含む、方法。
【請求項16】
前記制御することは、前記第1の周波数範囲が選択される際に、前記アクティブチューナの接続先前記アンテナからグランドに切り替えることを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記制御することは、前記アンテナを、前記アクティブチューナと前記受動素子とのいずれか一方にのみ接続することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記制御することは、
前記第1の周波数範囲が選択される場合、RF回路を、前記受動素子を挟まずに前記アンテナに接続し、
前記第2の周波数範囲が選択される場合、前記RF回路を、前記アクティブチューナを介して前記アンテナに接続する、
ことを更に含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項19】
前記制御することは、前記第2の周波数範囲が選択される場合、前記アクティブチューナの入力と出力の両方をグランドに接続することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
装置の処理手段に実行されることにより、前記装置に、請求項15から19のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項21】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されることにより、前記装置に、請求項15から19のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成される、装置。
【請求項22】
請求項1から14及び21のいずれか1項に記載の装置を備える、携帯通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には、無線通信に関する。より具体的には、本発明は、能動および受動同調回路間を切り換えるための改良されたアンテナ同調システムおよび手法に関する。
【背景】
【0002】
無線セルラーデータ通信デバイスの人気およびこれら装置に対する需要が高まり続けるに伴い、ネットワークオペレータはネットワークと携帯通信デバイスとの間の通信用のますます適応性に富むメカニズムに対応する方法を絶えず探し求めており、製造業者はネットワークオペレータによって規定され得る種々の通信メカニズムを使用するべくそれぞれのデバイスを適合化させる方法を絶えず探し求めている。
【摘要】
【0003】
本発明の1つの実施形態において、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを格納するメモリとを備える。コンピュータプログラムコードを格納するメモリは、少なくとも1つのプロセッサによって、装置に少なくとも、無線通信ネットワークで動作する携帯通信デバイスによりカバーされる周波数範囲を決定させ、アンテナが受動的に同調される1つ以上の指定された周波数範囲が、またはこの指定された周波数範囲とは異なる1つ以上の周波数範囲が、アクティブチューナと組み合わされたアンテナによるカバー範囲として選択されるように、この1つ以上の指定された周波数範囲に受動的に同調されるアンテナとアクティブチューナとの間の1つ以上の接続を制御させるべく構成される。
【0004】
本発明の別の実施形態において、方法は、無線通信ネットワークで動作する携帯通信デバイスによりカバーされる周波数範囲を決定することと、アンテナが受動的に同調される1つ以上の指定された周波数範囲が、またはこの指定された周波数範囲とは異なる1つ以上の周波数範囲が、アクティブチューナと組み合わされたアンテナによるカバー範囲として選択されるように、この1つ以上の指定された周波数範囲に受動的に同調されるアンテナとアクティブチューナとの間の1つ以上の接続を制御することとを含む。
【0005】
本発明の別の実施形態において、コンピュータ可読媒体は、複数の命令のプログラムを格納する。複数の命令のプログラムがプロセッサによって実行されると、少なくとも、無線通信ネットワークで動作する携帯通信デバイスによりカバーされる周波数範囲を決定し、アンテナが受動的に同調される1つ以上の指定された周波数範囲が、またはこの指定された周波数範囲とは異なる1つ以上の周波数範囲が、アクティブチューナと組み合わされたアンテナによるカバー範囲として選択されるように、この1つ以上の指定された周波数範囲に受動的に同調されるアンテナとアクティブチューナとの間の1つ以上の接続を制御するべく、装置が構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態による無線通信ネットワークを示す。
図2】本発明の実施形態を実施する際に使用され得る要素を示す。
図3】本発明の一実施形態によるアンテナ構成を示す。
図4】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図5】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図6】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図7A】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図7B】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図7C】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図7D】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図8A】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図8B】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図8C】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図9A】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図9B】本発明の別の実施形態によるアンテナ構成を示す。
図10】本発明の複数の実施形態によるプロセスを示す。
図11】本発明の複数の実施形態によるプロセスを示す。
【詳細説明】
【0007】
本発明の複数の実施形態は、構成が大幅に異なる多数のデバイス間でデータ通信を行うために複数の無線通信周波数が使用されていることと、そのようなデバイスは多種多様な用途に供されていることとを認識している。無線デバイスまたは携帯通信デバイスなどの携帯電子デバイスの一般的な用途の1つは、ビデオデータの送受信であり、近年に比べ、より大型の画面を有するデバイスが開発されつつある。例えば、無線セルラー機能を有する多くのタブレットコンピュータが開発されており、より大型のビデオディスプレイに対する要望が以前優勢であった小型化への傾向に打ち勝ったため、依然として「電話機」と呼ばれている小型の携帯電子デバイスが大型化する傾向にある。小型デバイスの多くも、相対的に大きな画面サイズに対応するように設計される傾向にある。この相対的に大きな画面サイズは、ユーザ自身のデバイスで高解像度ビデオの送受信を行いたいというユーザの要望と共に、相対的に高いデータ転送速度に対する要件をネットワークおよびデバイスに課している。ユーザが要望する高いデータ転送速度をネットワークオペレータが実現する1つの方法は、アップリンクおよびダウンリンクのキャリアアグリゲーションの使用である。この場合、携帯通信デバイスは、周波数帯域が互いに異なる2つの周波数、または単一帯域内の2つの周波数、を用いて通信する。例えば、デバイスは、一次セル基地局との通信に第1の周波数を使用し、二次セル基地局との通信に第2の周波数を使用し得る。別の例において、デバイスは、単一の基地局との通信に第1および第2の周波数を使用し得る。別の例を挙げると、デバイスは、より広い帯域幅とより高いデータ転送速度とを効果的に達成するために、同じ周波数帯域内で隣接し合うキャリアを使用し得る。更に別の例を挙げると、一部のネットワークオペレータは、複数の通信プロトコルを同時に使用し得る。これら通信プロトコルとして、符号分割多重接続(CDMA:code division multiple access)と、第三世代移動体通信システム標準化プロジェクト(3GPP:third generation partnership project)と、ロング・ターム・エボリューション(LTE:long terme volution)との組み合わせなどが挙げられる。このようなアプローチは、例えば、音声およびデータの同時通信を可能にするために、採用され得る。アップリンクのキャリアアグリゲーション、ならびに複数の送信用通信プロトコルの使用は、複数の送信機を使用するので、構成要素の非線形性に起因する無線周波数(RF:radio frequency)周波数混合または相互変調の危険を生じさせる。ダウンリンクのキャリアアグリゲーションは、1つの送信機と複数の受信機とを使用し、構成要素の非線形性に起因する無線周波数(RF)周波数混合または高調波発生の危険を生じさせる。特定の非線形性リスクを抱える構成要素として、能動、または同調可能、または切り換え可能なアンテナのために使用される構成要素が挙げられる。
【0008】
本発明の複数の実施形態は、更に、複数の周波数帯域に対応する必要性は、アンテナ構成の複雑さおよびサイズを増大しがちであることと、ユーザが比較的大きな装置サイズを快く受け入れようとしている場合でも、製造業者は構成要素のコンパクト化、簡素化、および効率化の必要性を依然として痛感していることとを認識している。したがって、本発明の複数の実施形態は、携帯通信デバイスによる複数の周波数帯域のカバーを可能にするコンパクトかつ効率的なアンテナ設計を提供する。
【0009】
例えば、携帯通信デバイスは、アップリンクのキャリアアグリゲーションまたは音声およびデータの同時通信など、複数の送信機を用いる構成を少なくとも1つ用いて通信するべく構成される。アンテナが受動的に同調される複数の指定された周波数範囲が、またはアンテナが受動的に同調される複数の指定された周波数範囲とは異なり得る複数の周波数範囲が、カバー範囲として選択されるように、複数の指定された周波数範囲に受動的に同調されるアンテナとアクティブチューナ(能動チューナ)との間の1つ以上の接続を制御し得る。アップリンクのキャリアアグリゲーションまたは音声およびLTEの同時通信など、良好な線形性能を必要とする複数の送信機を含む構成は、チューナを迂回して絶縁した状態で、アンテナによって受動的にカバーされる。単独の送信機を含む構成では、アンテナがカバーする帯域幅を広げるために能動的同調が利用される。複数の送信機を含む構成においても、良好な線形性能を必要としない場合は、能動的同調が使用され得る。
【0010】
本発明の複数の実施形態では、アクティブチューナがアンテナと組み合わせて使用される。アンテナは、複数の指定された周波数範囲を受動的にカバーするべく同調され、チューナは、更なる帯域を含めるべくカバー範囲を調節するためにアンテナに接続され得る。このようなカバー範囲の調節が不要な場合、アクティブチューナはアンテナから切断され得る。この切断は、チューナがアンテナから絶縁されるように行われる。接続および切断は、適切なスイッチまたはスイッチの組み合わせによって行われ得る。
【0011】
図1は、マクロeNodeB(eNB)102がマクロセル104を規定し、フェムトeNB106がフェムトセル108を規定するネットワーク100を示す。ネットワーク100は、携帯通信デバイス110にサービスを提供し得る。携帯通信デバイス110は、フェムトセル108およびマクロセル104の内部に存在し得る。携帯通信デバイス110は、マクロeNB102またはフェムトeNB106に接続可能であり得る、または、キャリアアグリゲーションを用いて、マクロeNB102およびフェムトeNB106の両セルに接続可能であり得る。別の携帯通信デバイス112は、マクロセル104の内部に存在し得る。携帯通信デバイス112は、マクロeNB102に二重通信モードで接続可能であり得る。この二重通信モードにおいて、eNB102は、2つの送信機および2つの受信機を用いる。本発明の1つ以上の実施形態において、送信機と受信機とは組み合わされてトランシーバとして実現され得る。携帯通信デバイス110および携帯通信デバイス112は、本発明の1つ以上の実施形態によるアンテナ組立体を使用し得る。このような組立体は、異なる周波数範囲が必要とされる場合に、この異なる周波数範囲の提供を可能にするアンテナチューナを採用し得る。それ以外のとき、例えば、アンテナによる高い線形性能が必要とされる場合、このような組立体は、アンテナが受動的に同調される周波数範囲のみを提供し得る。例えば、携帯通信デバイス110がキャリアアグリゲーションを用いる場合、デバイス110はアンテナによる高い線形性能を必要とし得る。また、携帯通信デバイス112が二重通信モードのとき、デバイス112はアンテナによる高い線形性能を必要とし得る。携帯通信デバイス110が単一キャリアのみを用いて通信する場合、デバイス110は、アンテナチューナによって可能にされる異なる周波数範囲で動作し得る。また、携帯通信デバイス112が単一モードで通信する場合、デバイス112は、アンテナチューナによって可能にされる異なる周波数範囲で動作し得る。
【0012】
図2は、本発明の1つ以上の実施形態により構成される、ユーザ機器(UE:user equipment)200として適切に実現され得る、携帯通信デバイスの詳細を示す。携帯通信デバイス200は、データプロセッサ(DP:data processor)204と、メモリ(MEM:memory)206とを備え、1つ以上のプログラム210の形態のソフトウェアおよびデータ208がメモリ206に常駐する。携帯通信デバイス200は、アンテナ機構214を用いてデータの送受信を行う二重受信機/送信機組立体212を更に備える。このアンテナ機構は、アンテナ216を含む。アンテナ216は、指定された周波数帯域をカバーするように同調され得る。アンテナ機構214の周波数範囲は、アクティブチューナ218を用いて調節され得る。アクティブチューナ218は、データプロセッサ222の制御下にあるスイッチ組立体220によって、アンテナ216に接続、またはアンテナ216から切断、され得る。ここでは、専用データプロセッサ222が示されているが、スイッチ組立体220の制御は、プロセッサ204または何れか他の適したプロセッサによっても行い得ること、および切り換えを制御するプロセッサは、アンテナ機構の一部である必要はなく、通常はアンテナ機構の一部ではないことが分かるであろう。
【0013】
図2は、eNB250として適切に実現された基地局を更に示す。eNB250は、データプロセッサ(DP)252と、1つ以上のプログラム(PROG:program)258の形態のソフトウェアおよびデータ256を格納するメモリ(MEM)254とを備える。eNB250は、アンテナ264を用いてUE200などの1つ以上のデバイスと通信するために、送信機260および受信機262を更に備える。
【0014】
UE200内の少なくとも1つのPROG210は、一組のプログラム命令を含むと想定される。これらプログラム命令は、対応付けられたDP204によって実行されると、上述のように本発明の各例示的実施形態に従ってデバイスを動作させる。これらの点について、本発明の各例示的実施形態は、UE200のDP204によって、またはハードウェアによって、または有形に格納されたソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ(および有形に格納されたファームウェア)によって、実行可能な、MEM206に格納されているコンピュータソフトウェアによって少なくとも部分的に実現され得る。
【0015】
同様に、eNB250内の少なくとも1つのPROG258は、一組のプログラム命令を含むと想定される。これらプログラム命令は、対応付けられたDP252によって実行されると、上述のように本発明の各例示的実施形態に従ってデバイスを動作させる。これらの点について、本発明の各例示的実施形態は、eNB250のDP252によって実行可能な、MEM254に格納されているコンピュータソフトウェアによって、またはハードウェアによって、または有形に格納されたソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ(および有形に格納されたファームウェア)によって、少なくとも部分的に実現され得る。本発明のこれらの態様を実現する電子デバイスは、図2に示されているようなデバイス全体である必要はなく、上記の有形に格納されたソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、およびDP、またはチップオンシステムSOC(system on a chip)または特定用途向け集積回路ASIC(application specific integrated circuit)など、デバイスの1つ以上の構成要素でもよい。
【0016】
一般に、UE200のさまざまな実施形態は、セルラー電話機、スマートフォン、ナビゲーションデバイス、ラップトップ/パームトップ/タブレットコンピュータ、デジタルカメラおよび音楽機器、およびインターネット機器を含む、ただしこれだけに限定されない、無線通信機能を有する個人向け携帯デジタルデバイスを含み得るが、これだけに限定されるものではない。
【0017】
コンピュータ可読MEM206および254のさまざまな実施形態は、半導体メモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリ、取り外し可能メモリ、ディスクメモリ、フラッシュメモリ、DRAM、SRAM、EEPROM、などを含む、ただしこれだけには限定されない、ローカル技術環境に適した種類の何れかのデータ格納技術を含む。DP204および252のさまざまな実施形態は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)およびマルチコアプロセッサを含むが、これだけに限定されるものではない。
【0018】
図3は、本発明の一実施形態によるアンテナ機構314を示す。機構314は、対象帯域に整合するように受動的に同調されるアンテナ302を備える。機構314は、無線周波数(RF)フロントエンド回路304に接続される。回路304は、アンテナによって送受信される信号とこのアンテナが使用されているデバイスの第1の中間状態との間の仲立ちとして機能する。RFフロントエンド304は、アンテナ302で受信された入力信号を処理し、アンテナ302から送信される信号を用意する。RFフロントエンドは、例えば、インピーダンス整合回路、帯域通過フィルタ、無線周波数増幅器、ミキサー、複数のデュプレクサ、複数のスイッチ、複数の低雑音増幅器、および処理に必要な他の構成要素などの構成要素を備え得るが、これだけに限定されるものではない。アンテナがカバーする周波数範囲を広げるには、より大きなアンテナを必要としがちである。したがって、コンパクトなサイズを維持しながら、アンテナがカバーする周波数範囲を調節するために、図示の例示的実施形態では、データプロセッサ310の制御下で適切に動作し得る高線形性スイッチ308を介して、チューナ306がアンテナ302に接続される。この例示的実施形態において、RFフロントエンド304は、アンテナ302に直接電気的に結合されるように配置される。換言すると、アンテナ302とRFフロントエンド304との間に、データプロセッサ310、スイッチ308、チューナ306、および受動素子312が介在しない。このアプローチは、第1の同調用構成300Aと第2の同調用構成300Bとを可能にする。第2の同調用構成300Bにおいて、スイッチ308は、チューナ306をアンテナ302に接続するべく構成される。これは、オン状態とも記述され得る。あるいは、第1の同調用構成300Aにおいて、スイッチ308は、チューナ306をアンテナ302から切断するべく構成される。これは、オフ状態とも記述され得る。図3に示されているようにチューナ306が接続されると、アンテナがカバーする周波数範囲を調節するために、チューナの複数の状態がアンテナに適用される。図3に示されているようにチューナ306がアンテナ302から切断されると、アンテナはスイッチ308および受動素子312を介してグランドに接続される。オフ状態でのスイッチ308の絶縁または切断のみがアクティブチューナの保護をもたらす。スイッチ308は単極双投(SPDT:single pole double throw)スイッチとして図3に示されているが、アンテナ302をチューナ306から切断できる何れかのスイッチ、例えば、これだけに限定されないが、単極単投(SPST:single pole single throw)スイッチ(図示せず)、を代わりに使用し得る。
【0019】
図4は、本発明の別の実施形態による2つの同調用構成400Aおよび400B、すなわち、アンテナ機構402の第1および第2の同調用構成、を示す。アンテナ404がRFフロントエンド406に接続される。アンテナ404は、必要に応じてチューナ408がスイッチ410によって絶縁または接続されるように、チューナ408に接続される。スイッチ410は、データプロセッサ412の制御下で動作し得る。アンテナの受動的同調に最適な帯域の周波数範囲が使用されるとき、プロセッサ412は、機構402を第1の同調用構成400Aにするようにスイッチ410を動作させる。すなわち、スイッチ410はチューナ408をアンテナ404から切断するように設定される。第1の同調用構成400Aにおいて、チューナ408はグランド414に適切に接続される。アンテナ404も、グランド454に接続される受動素子452に接続される。
【0020】
グランド414を使用すると、チューナ408が不要な場合に、チューナ408がより効果的に絶縁される。グランド414は、チューナの絶縁を向上させ、アンテナおよび同調回路全体の線形性を向上させ、RF混合または相互変調歪みの危険を減らす。これが特に有用であるのは、複数のトランシーバが同時に動作し、RF混合または相互変調が受信機の感度低下を引き起こし得る場合である。
【0021】
異なる周波数範囲が必要とされる場合、プロセッサ412は、アンテナ機構402が第2の同調用構成400Bになるように、スイッチ410を制御し得る。第2の同調用構成400Bのあらゆる状態が利用可能になるように、チューナ408はアンテナ404に直接接続される。第1の同調用構成400Aは、キャリアアグリゲーションまたは二重通信モードを用いて通信するために二重送信機/受信機組立体の両送信機および受信機が使用されるときに一般に使用される。第2の同調用構成400Bは、単一帯域がカバー範囲として使用されるときに一般に使用され、単一帯域のカバー範囲を大幅に広げることができる。
【0022】
異なる周波数範囲が必要とされる場合、プロセッサが第2の同調用構成400Bを選択すると、チューナ408によってもたらされる能動的同調によってそのような異なる周波数範囲を提供できる。そのような異なる周波数範囲が不要な場合、プロセッサは第1の同調用構成400Aを選択することによって、能動的同調を省き、チューナ408を効果的に絶縁することができる。
【0023】
本発明の複数の実施形態は、複数のアンテナを含む機構を適切に備え得る。これらアンテナのうちの1つ以上は、アンテナ機構314、またはアンテナ機構402、または本発明の複数の実施形態により構成された設計を有するアンテナ組立体の何れか他の組み合わせと同様に構成される。
【0024】
図5は、2つのアンテナ機構502Aおよび502Bのアレイを備えた、本発明の一実施形態による複式アンテナアレイ500を示す。図示の実施形態においては、機構502Aおよび502Bのどちらか一方または両方を図4の機構402と同様にし得る。機構502Aは、アンテナ504Aを備え、RFフロントエンド506Aに接続される。機構502Aは、アクティブチューナ508Aを含む。チューナ508Aは、スイッチ510Aによってアンテナ504Aに接続、またはアンテナ504Aから切断、され得る。スイッチ510Aは、データプロセッサ512Aの制御下で動作し得る。スイッチ510Aは、チューナ508Aを絶縁用グランド514Aに接続するべく動作可能であり得る。アンテナ504Aは、グランド552Aに接続される複数の受動素子550Aに接続される。
【0025】
機構502Bは、そのアンテナ504Bを備え、RFフロントエンド506Bに接続される。機構502Bは、アクティブチューナ508Bを含む。チューナ508Bは、スイッチ510Bによってアンテナ504Bに接続、またはアンテナ504Bから切断、され得る。スイッチ510Bは、データプロセッサ512Bの制御下で動作し得る。スイッチ510Bは、チューナ508Bを絶縁用グランド514Bに接続するべく動作可能であり得る。アンテナ504Bは、グランド552Bに接続される複数の受動素子550Bに接続される。
【0026】
さまざまな目的を達成するために、アレイ500などのアレイをさまざまに構成できる。例えば、アンテナ504Aおよびアンテナ504Bは、それぞれ異なる、または同じ、周波数帯域をカバーするべく受動的に同調され得る。チューナ508Aは、アンテナ504Aが受動的にカバーする周波数以外の周波数をアンテナ504Aによってカバーするべく構成され得る。チューナ508Bは、チューナ508Aおよびアンテナ504Aと同じ周波数または他の周波数をアンテナ504Bによってカバーするべく構成され得る。このようなアプローチは、単一アンテナ機構の場合に利用可能なカバー範囲より広いカバー範囲をもたらす。別の例を挙げると、アンテナ機構502Aおよび502Bは、当該アンテナアレイを用いるデバイスが接続され得るさまざまな基地局によって使用され得る非隣接帯域をカバーするべく構成され得る。可能な1つの構成は、両送信機を単一のアンテナで動作させる代わりに、各アンテナで1つの送信機のみを動作させることであることに注目されるであろう。
【0027】
図5に示されているような複式アンテナアレイ500は、例えば、図6のデバイス600などの携帯通信デバイスに使用され得る。デバイス600は、データプロセッサ(DP)604と、データ608およびプログラム610を格納するメモリ(MEM)606と、アンテナ機構614Aおよび614Bを使用する複式受信機/送信機組立体612とを備える。アンテナ機構614Aは、アンテナ616Aを備える。アンテナ616Aは、プロセッサ622Aによって制御されるスイッチ組立体620Aを用いてチューナ618Aに接続されるべく構成される。アンテナ機構614Bは、アンテナ616Bを備える。アンテナ616Bは、プロセッサ622Bによって制御されるスイッチ組立体620Bを用いてチューナ618Bに接続されるべく構成される。アンテナ616Aおよび616Bの各々が二重送信機モードを支持し、1つの送信機が各アンテナ機構614Aおよび614Bに接続される受動的同調状態を有するように、デバイス600は構成され得る。二送信機構成での動作時、アンテナ616Aは極めて線形的な同調状態を必要とし得る。この場合、アンテナ616Aによって送信される信号ともう一方のアンテナ616Bに結合される信号とのRF混合および相互変調を回避するために、チューナ618Aは切断されて絶縁される。二送信機構成での動作時、アンテナ616Bは極めて線形的な同調状態を必要とし得る。この場合、RF混合および相互変調を回避するために、チューナ618Bは切断されて絶縁される。そのような混合および相互変調が発生し得るのは、例えば、アンテナ616Aによって送信される信号とは異なる信号がアンテナ616Aに到達して相互変調を引き起こす場合である。そのような信号は、例えば、アンテナ616Bから送信されてアンテナ616Aに到達する信号であり得る。
【0028】
本発明の別の実施形態において、デバイス600などの携帯通信デバイスは、複式受信機/送信機組立体612によって提供される2つの送信機が単一のアンテナ、例えば、アンテナ616A、で動作し、もう一方のアンテナ616Bが受信専用モードで機能し、ダイバーシティ/MIMO通信を支持するように、構成され得る。2つの送信機を一方のアンテナ616Aで動作させ、2つの受信機を第2のアンテナ616Bで動作させることもできる。アンテナ616Aを2つの受信機に接続することもできる。二送信機構成での動作時、アンテナ616Aは極めて線形的な同調状態を必要とし得る。この場合、アンテナ616Aで送信される2つの信号のRF混合および相互変調を回避するために、そのチューナ618Aは切断されて絶縁される。二送信機構成での動作時、アンテナ616Bは、極めて線形的な同調状態を必要とし得る。この場合、アンテナ616Aによって送信される信号とアンテナ616Bに結合される信号とのRF混合および相互変調を回避するために、そのチューナ618Bは切断されて絶縁される。
【0029】
図7A〜7D、8A〜8C、および9A〜9Bは、電流の流れ、電圧降下、および絶縁メカニズムがそれぞれ異なるさまざまなスイッチ構成を用いる、さまざまなアンテナ機構700A〜700D、800A〜800C、および900A〜900Bをそれぞれ示す。
【0030】
図7Aに示されているような一実施形態において、アンテナ機構700Aは、アンテナ702を備える。アンテナ702は、スイッチ−チューナ機構718がアンテナ702とRFフロントエンド704との間に直列に電気接続されるように、スイッチ−チューナ機構718を介して無線周波数フロントエンド704に接続される。スイッチ機構718は、チューナ706を、単極双投(SPDT:single pole double throw)スイッチ708および710と共に、有する。スイッチ708および710は、データプロセッサ712の制御下でさまざまな状態に設定され得る。例えば、スイッチ708および710は、チューナ706がフロントエンド704およびアンテナ702に接続されるように、設定され得る、または(図7Aに示されているように)チューナを絶縁して、電流がアンテナ704によって受電されるか送電されるかに応じて、フロントエンド704とアンテナ702の間を流れる電流(通常、受信または送信されるRF信号に対応付けられたRF電流)が、チューナ706を迂回して、フロントエンド704またはアンテナ702のどちらかに送られるように接続され得る。アンテナ機構700Aは、1つ以上の実施形態において、上記のように、グランド716に結合するべく構成された受動素子714を1つ以上備える。この実施形態において、1つ以上の受動素子714は、図7Aに示されているように、グランド716へのシャントまたは並列構成で、アンテナ702に直接結合される。
【0031】
図7Bに示されているような一実施形態において、アンテナ機構700Bは、機構700Aの変更例を表す。アンテナ機構700Bは、アンテナ702を、無線周波数フロントエンド704と共に、備える。機構700Bは、チューナ706を、単極双投(SPDT)スイッチ708および710と共に、備える。スイッチ708および710は、データプロセッサ712の制御下でさまざまな状態に設定され得る。例えば、スイッチ708および710は、チューナ706がフロントエンド704およびアンテナ702に接続されるように設定され得る、または、電流がアンテナ704によって受電されるか送電されるかに応じて、フロントエンド704とアンテナ702との間に流れる電流が、チューナ706を迂回して、フロントエンド704またはアンテナ702のどちらかに達するように、接続され得る。この場合、フロントエンド704とアンテナ702の間に流れる電流の経路を変更するとき、スイッチ710は開回路に接続される。この実施形態において、1つ以上の受動素子714は、図7Bに示されているように、グランド716へのシャントまたは並列構成で、アンテナ702に直接結合される。図7Dのアンテナ機構700Dによって示されているような一実施形態においては、図7BにSPDTスイッチとして示されているスイッチ710の代わりに、単極単投(SPST:single pole single throw)スイッチが使用される。
【0032】
図7Cに示されているような一実施形態において、アンテナ機構700Cは、機構700Aおよび700Bの変更例を表す。アンテナ機構700Cは、アンテナ702を、無線周波数フロントエンド704と共に、備える。機構700Cは、チューナ706を、単極双投(SPDT)スイッチ708および710と共に、備える。スイッチ708および710は、データプロセッサ712の制御下でさまざまな状態に設定され得る。例えば、チューナ706がフロントエンド704およびアンテナ702に接続されるように、スイッチ708および710を設定し得る。または、電流がアンテナ704によって受電されるか送電されるかに応じて、フロントエンド704とアンテナ702との間に流れる電流の経路が変更されてフロントエンド704またはアンテナ702のどちらかに送られるように、(構成700Bの場合のように)スイッチ708および710を接続し得る。更に、電流の経路を変更する場合、(図7Cに示されているように)スイッチ710がグランド716に接続されるように経路を設定し得る。この実施形態において、1つ以上の受動素子714は、図7Cに示されているように、グランド746へのシャントまたは並列構成で、アンテナ702に直接結合される。
【0033】
図8Aに示されているような一実施形態において、アンテナ機構800Aは、アンテナ802を備える。アンテナ802は、スイッチ−チューナ機構822がアンテナ802とRFフロントエンド804の間に直列に電気接続されるように、スイッチ−チューナ機構822を介してRFフロントエンド804に接続される。アンテナは、グランド852に接続される受動素子850に接続され得る。スイッチ−チューナ機構822は、チューナ806と、単極双投(SPDT)スイッチ808、810、812、および814とを備える。これらスイッチは、データプロセッサ816の制御下でさまざまな状態に適切に設定可能である。例えば、チューナがフロントエンド804およびアンテナ802に直列に設定されるようにこれらスイッチを設定することも、またはチューナ806を迂回する直列接続を形成するようにスイッチ808および814を設定し、チューナ806を(図8Aに示されているように)グランド818および820に接続することによってチューナ806を絶縁するようにスイッチ810および812を設定することもできる。
【0034】
図8Bに示されているような一実施形態において、アンテナ機構800Bは、アンテナ802を備える。アンテナ802は、スイッチ−チューナ機構822がアンテナ802とRFフロントエンド804との間に直列に電気接続されるように、スイッチ−チューナ機構822を介してRFフロントエンド804に接続される。アンテナは、グランド852に接続される受動素子850に接続され得る。スイッチ−チューナ機構822は、チューナ806と、単極双投(SPDT)スイッチ808および814と、単極単投(SPST)スイッチ810および812とを備える。これらスイッチは、データプロセッサ816の制御下でさまざまな状態に適切に設定可能である。例えば、スイッチ808を用いてフロントエンド804をチューナ806に接続し、スイッチ814を用いてチューナ806をアンテナ802に接続し、スイッチ810および812を開くように設定することによって、チューナがRFフロントエンド804およびアンテナ802と直列に設定されるように、これらスイッチを設定できる。第2の状態では、チューナ806を迂回する直列接続を形成するようにスイッチ808および814が設定され、チューナ806を(図8Bに示されているように)グランド818および820に接続してチューナ806を絶縁するようにスイッチ810および812が設定される。
【0035】
図8Cに示されているような一実施形態において、アンテナ機構800Cは、アンテナ802を備える。アンテナ802は、スイッチ−チューナ機構822がアンテナ802とRFフロントエンド804の間に直列に電気接続されるように、スイッチ−チューナ機構822を介してRFフロントエンド804に接続される。アンテナは、グランド852に接続される受動素子850に接続され得る。スイッチ−チューナ機構822は、チューナ806と、単極双投(SPDT)スイッチ808および812と、単極単投(SPST)スイッチ810とを備える。これらスイッチは、データプロセッサ816の制御下でさまざまな状態に適切に設定可能である。例えば、スイッチ808を用いてフロントエンド804をチューナ806に接続し、スイッチ812を用いてチューナ806をアンテナ802に接続し、スイッチ810を開くように設定することによって、チューナがRFフロントエンド804およびアンテナ802と直列に設定されるように、これらスイッチを設定できる。第2の状態では、チューナ806を迂回する直列接続を形成するようにスイッチ808が設定され、チューナ806を(図8Cに示されているように)グランド818および820に接続してチューナ806を絶縁するように、スイッチ810および812が設定される。
【0036】
図9Aに示されているような一実施形態において、アンテナ機構900Aは、アンテナ902と、スイッチ−チューナ機構922と、無線周波数フロントエンド904とを備える。アンテナは、グランド952に接続される受動素子950に接続され得る。スイッチ−チューナ機構922は、チューナ906を備える。スイッチ−チューナ機構922は、二極双投(DPDT:double pole double throw)スイッチ908および910を更に備える。スイッチ908および910は、任意の数の状態に設定されるように、データプロセッサ912の制御下で動作させ得る。例えば、(図9Aに示されているように)電流がチューナ906を迂回してRFフロントエンド904とアンテナ902との間を通るようにこれらスイッチを設定することも、またはチューナ906がフロントエンド904およびアンテナ902に直列に接続されるべくこれらスイッチを設定することもできる。チューナ906を迂回するべくスイッチ908および910が設定される場合は、スイッチ908および910は同時に、チューナ906をグランド914および920の一方または両方に結合するべく、設定され得る。このような構成は、チューナ906をアンテナ902から切断し、チューナ906をアンテナ902から効果的に絶縁する。
【0037】
図9Bに示されているような一実施形態において、アンテナ機構900Bは、アンテナ902と、RFフロントエンド904と、スイッチ−チューナ機構922とを備える。アンテナは、グランド952に接続される受動素子950に接続され得る。このスイッチ機構は、図9Aに示されているDPDTスイッチ908および910の代わりに、別の一対のDPDTスイッチ956および958を使用する。DPDTスイッチ956および958は、各DPDTスイッチの2つの入力がこれらDPDTスイッチの2つの状態の各々によってどちらか一方の出力に接続されるように、構成される。実施形態900Bは、全般的には、実施形態900Aと同様に構成される。これらスイッチ956および958は、電流がRFフロントエンド904から、チューナ906を迂回して、アンテナ902に流れるように設定することも、または(図9Bに示されているように)チューナ906がRFフロントエンド904とアンテナ902とに直列に接続されるように設定することもできる。チューナ906を迂回するべくスイッチ956および958が設定される場合、スイッチ956および958は同時に、チューナ906をグランド914および920の一方または両方に結合するべく設定され得る。このような構成は、チューナ906をアンテナ902から切断してチューナ906をアンテナ902から効果的に絶縁する。
【0038】
図10は、アクティブチューナを備えたアンテナ機構を用いて適切に実施される、本発明の複数の実施形態によるプロセス1000を示す。アクティブチューナは、アンテナに接続、またはアンテナから切断、可能であり、切断時に絶縁可能である。ブロック1002では、使用する周波数帯域を決定する。ブロック1004では、使用する周波数帯域を支持するために必要な構成を決定する。ブロック1006では、必要とされる構成が受動的整合、すなわち、アンテナが受動的にカバーする周波数との整合、を必要とするかどうかを判定する。必要とする場合、プロセスはブロック1008に進み、チューナとアンテナとの間の絶縁が向上され、1つ以上の周波数帯域がアンテナによって受動的にカバーされるように、アンテナとアクティブチューナとの間の「切断」構成を設定するか、またはそのような構成を維持する。必要としない場合、プロセスはブロック1010に進み、チューナ/アンテナの組み合わせによる能動的カバーを可能にするように、アンテナとアクティブチューナとの間の「接続」構成を設定または維持する。
【0039】
図11は、アクティブチューナを備えたアンテナ機構を用いて適切に実施される、本発明の複数の実施形態によるプロセス1100を示す。アクティブチューナは、アンテナに接続、またはアンテナから切断、可能であり、切断時に絶縁可能である。ブロック1102では、使用する周波数帯域を決定する。ブロック1104では、使用する周波数帯域を支持するために必要な構成を決定する。ブロック1106では、必要とされる構成が受動的整合、すなわち、アンテナが受動的にカバーする周波数との整合、を必要とするかどうかを判定する。必要とする場合、プロセスはブロック1108に進み、チューナとアンテナとの間の絶縁が向上され、1つ以上の周波数帯域がアンテナによってカバーされるように、アンテナとアクティブチューナとの間の「切断」構成を設定する、またはそのような構成を維持する。必要としない場合、プロセスはブロック1110に進み、チューナ/アンテナの組み合わせによる能動的カバーを可能にするように、アンテナとアクティブチューナとの間の「接続」構成を設定または維持する。
【0040】
周波数帯域が変化したかどうかを周期的に判定する。プロセスはブロック1108からブロック1112に進み、使用する帯域が変化したかどうかを判定する。変化した場合、プロセスはブロック1102に戻り、必要とされる構成の決定を再び開始する。変化していない場合、プロセスはブロック1108に戻る。プロセスはブロック1110からブロック1114に進み、使用する帯域が変化したかどうかを判定する。変化した場合、プロセスはブロック1102に戻り、必要とされる構成の決定を再び開始する。変化していない場合、プロセスはブロック1110に戻る。
【0041】
さまざまな例示的実施形態を上で説明してきたが、本発明の実施は本願明細書に図示および説明されている例示的実施形態に限定されないことを理解されたい。上記説明に鑑み、本発明の上記例示的実施形態の種々の変形例および改変例が当業者に明らかになるであろう。図10および図11に示し、上で述べたさまざまなブロックは複数のステップとして実施され得るが、示されている順番は限定的ではなく、これらブロックは、追加のブロックまたはステップを介在させて、または介在させずに、何れか適切な順番で実行され得ることを更に認識されるであろう。
【0042】
更に、上記の非限定的な実施形態のさまざまな特徴のいくつかは、記載されている他の特徴を同様に使用せずに効果的に使用され得る。
【0043】
したがって、上記説明は、本発明の原理、教示事項、および例示的実施形態の単なる例に過ぎず、本発明を限定するものではないと考えられたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11