【実施例】
【0043】
次の実施例には、特定の実施の形態を証明するためのものが含まれる。実施例に開示されている技術は、本発明の実施においてよく機能する代表技術を明瞭としていることを、当業者によって認められるべきである。しかし、当業者は、本発明の開示内容の焦点において、本発明の概念および観点から離れていない限り、開示されている特定の実施の形態において多くの変形を作ることができ、そして類似または同様の結果を得るということを認めるべきである。
【0044】
実施例1
スマトリプタン−フマリルジケトピペラジンジナトリウム(スマトリプタン−Na
2FDKP)乾燥粉末の調製および特性評価
スマトリプタン−Na
2FDKP粉末は、市販されているスマトリプタンコハク酸塩のタブレットから調製した。スマトリプタンコハク酸塩(Imitrex(登録商標)、GlaxoSmithKline)を、溶液を形成するようHPLC分画液に懸濁させた粉砕タブレットから抽出した。その後、溶解していない添加物を取り除くために当該溶液を0.45μmのナイロンシリンジフィルターでろ過し、コハク酸塩群を取り除くために、当該ろ液を第4級アミンイオン分取抽出カラムに通した。その後、溶液内における10mg/mLよりも大きい濃度のスマトリプタンは、溶液内の約10mg/mLよりも大きい濃度のNa
2FDKPの溶液と混合した。当該Na
2FDKPは、前もって調製しておくか、または水酸化ナトリウムの2当量での溶解によるFDKP遊離酸から調製した。いくつかの実施の形態では、FDKPに対するスマトリプタンの出発溶液の濃度の割合は1よりも大きい。当該溶液は、約145℃から約200℃の注入時の温度、約75℃から約85℃の排出時の温度にて噴霧乾燥した(Buchi Mini Spray Dryer Model B-290)。乾燥ガスは、約670L/hrの流量における窒素にて行った。そのように、乾燥粉末を得た。
【0045】
粉末内のスマトリプタンの量を確かめるため、粉末の試料をHPLC溶液に溶解し、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)システムを使用して含有量を分析した。HPLCでの方法は、FDKPの存在下におけるスマトリプタンを定量化した。
図1は、溶解させた粉末の溶液のHPLCクロマトグラムを示し、2つの化合物が容易に分離、特定できることを示している。粉末は、熱分析(TGAおよびDSC)、ならびにカスケードインパクトによっても試験が行われた。テーブル1は、その方法により作られたスマトリプタン−Na
2FDKP特性の代表的なデータを示しており、溶液におけるFDKPに対するスマトリプタンコハク酸塩濃度の割合は、約1.5であった。
【表1】
【0046】
本発明の方法により作られたスマトリプタン−Na
2FDKP粉末は、スマトリプタンの重量に基づくと約40%も含有していた。乾燥減量(LOD)により決定した水分含有量は、約3.4%であった。フィル毎の吸入可能な画分は約18%であり、米国特許出願番号第12/473,125号(US2009/0308390)において開示されているような呼吸での吸入器を使用すると、吸入器(カートリッジが空の状態、CE)により送達される、または放出される粉末の量は約68%であった。なお、当該出願の開示内容は、その全体において参照により組み込まれる。
【0047】
テーブル2は、バルク乾燥粉末の特性を示しているものである。
【表1a】
【0048】
実施例2
スマトリプタン−Na
2FDKP乾燥粉末における、ラットでの薬物動態学(PK)および薬効学(PD)の試験
粉末調製および特性評価:スマトリプタンコハク酸塩をLGM Pharma(Boca Raton, FL)から得ること、結果として形成される噴霧乾燥での粉末の空気力学的特性が改良されるかどうかを調べるためL−ロイシンを加えることを除き、スマトリプタン−Na
2FDKP粉末は、前述の実施例1の記載と同様に調製した。5gでの4.5%の全固形濃度における、3つの試料溶液を調製した。試料溶液は、FDKPジナトリウム塩、スマトリプタンコハク酸塩、およびL−ロイシン(0−20wt%)を脱イオン水に加えて攪拌することにより調製した。当該溶液は、希アンモニア水を用いて滴定し、pH6.00とした。この結果生じた透き通った試料溶液は、0.2μmPESろ過膜を通して減圧ろ過され、実施例9にて記載するように噴霧乾燥を行った。しかし、乾燥ガスの流量を25kg/hrとし、噴霧流量を約4kg/hr、噴霧圧力を約4barとした。それぞれの溶液における(乾燥での)スマトリプタンコハク酸濃度は56%で、40%のスマトリプタン目標荷重を得られた。当該粉末を、HPLC、カスケードインパクト、カールフィッシャー滴定、電子顕微鏡走査(SEM)、ならびにタップおよびバルク密度により分析した。これらの試験の結果を、テーブル2および
図2に示す。
【表2】
【0049】
テーブル2におけるデータでは、標的物と、バルクスマトリプタン−Na
2FDKP粉末で測定されたスマトリプタン含有量とが比較できるよう示されている。空気力学的特性は、ロイシンの追加にて改良していた。ロイシンなしの粉末は58.8%のCEにて9.8%の%RF/fillを有し、10%のロイシンの追加では93.3%のCEにて61.3%へと%RF/fillが増加し、そして20%のロイシンの追加では88.2%のCEにて63.3%へと%RF/fillが増加した。また、ロイシンを含有しているスマトリプタン−Na
2FDKP粉末は、ロイシンなしの粉末よりも、より高い残余水分含有量を有していた。さらに、ロイシンの追加は、大凡30%バルク粉末密度をも減少させていた。
【0050】
図2は、テーブル2において特性化された3つの粉末の電子顕微鏡走査写真の図である。パネルA−Fにて示すように、それぞれの粉末は異なる形態を有していた。ロイシンなしの粒子は決まった形状を持たない溶けた断片をしていた(パネルAおよびB)。10%のロイシンを有する粒子(パネルCおよびD)はなめらかな表面を持つ実質的に球状になっており、20%のロイシンを有する粒子(パネルEおよびF)は干された様な、または縮んだ形態をしており、インシュリン−FDKP塩粉末の典型的なものであった。
【0051】
スマトリプタン−Na
2FDKP粉末の安定性:当該粉末では、それらの安定性の程度を決める試験についても行った。粉末のサンプルを、開口皿にて25℃/60%相対湿度(RH)および40℃/70%RHにて曝し、3ヶ月の期間においてインキュベートを行った。当該粉末のサンプルは、実験の開始後1、2および3ヶ月においてHPLCにて解析した。当該結果を、以下のテーブル3およびテーブル4において示す。
【表3】
【表4】
【0052】
当該データは、L−ロイシンの有無に関わらず、25℃/60%RHにて、3ヶ月間、曝された後でさえも、組成物においてスマトリプタンの分解は起こらないということを示している。しかし、より高い温度での40℃/70%RHでは、目立ってはいないが、L−ロイシンを含有しているサンプルと比較した場合、1および2週間のインキュベーションの後に、スマトリプタンの含有量においてわずかな減少が観察される。
【0053】
スマトリプタン−Na
2FDKP粉末を使用するラットにおける吸入試験:上述のように調製した粉末を、実験において使用した。肺への吸入によって、スマトリプタン−Na
2FDKP粉末(重量で37.4%スマトリプタン)として投与されたスマトリプタンのPK特性について評価した。なお、肺への滴下注入により投与されるスマトリプタン鼻腔噴霧、または、静脈注入もしくは皮下注入により投与されるスマトリプタンとの比較も行った。当該実験は、雌のSprague Dawley rat(n=6/グループ)を用いて行った(テーブル5)。
【表5】
【0054】
スマトリプタン分析のための血液サンプルは、投与前、ならびに投与後2、5、10、15、30、60、90、120および240分において収集した。動物は、血液収集のため、2つの組(n=3/タイムポイント)に分けた。血清中におけるスマトリプタンは、LCMS解析を利用して分析を行った。スマトリプタン−Na
2FDKP粉末として吸入したスマトリプタンの最大濃度およびバイオアベイラビリティーは、液体の滴下注入(鼻腔噴霧方法)にて投与したスマトリプタンよりも、より大きく、皮下注入により投与したスマトリプタンと比較に値するものであった(
図3)。
図3は、最大濃度までの時間が、吸入グループでは5分であることに対し、肺への滴下注入グループでは15分であることを示している。全体的な投与の標準化した曝露では、スマトリプタンの肺への吸入と、肺への滴下注入は類似しているが、PK特性がかなり異なる。スマトリプタンは、全ての処置・方法のグループにわたり、よく耐性を持っていた。実際に投薬したものでの収集後の平均濃度曲線(n=3/タイムポイント/製剤)に基づき、ノンコンパートメンタル法および非線形回帰プログラムWinNonlin v5.2を使用し、薬物動態学のパラメータを算出した(テーブル5)。テーブル6は、雌のSprague Dawley ratにおける、代表的な薬物動態学のデータの概要である。
【表6】
【0055】
肺への吸入によりNa
2FDKPスマトリプタン粉末として投与されたスマトリプタンのバイオアベイラビリティーは、SC注入とは類似しているPK特性(t
max、c
max)を除き、滴下注入による投与でのスマトリプタン鼻腔噴霧と比較に値することは明らかである。
【0056】
実施例3
スマトリプタン−Na
2FDKP乾燥粉末における、ビーグル犬でのPKおよびPDの試験
薬効学の試験:スマトリプタンの薬効学および薬物動態学を、麻酔下状態の犬において、許容された偏頭痛モデルを評価した。偏頭痛の病因・発病は、主に、顕著で長期間にわたる頭蓋導管(血管)の血管拡張に起因するものである。偏頭痛のモデルは、頸動脈血管拡張を作り出すカプサイシンの単回の動脈内注入により誘発させた。動物に、空気でのコントロール(n=2)、マイクロスプレーを利用した鼻腔内滴下注入によるスマトリプタン(0.28mg/kg;n=3)、肺への吸入によるスマトリプタン−Na
2FDKP乾燥粉末(0.28mg/kgスマトリプタン;n=3)、または、周囲導管(血管)内への静脈内ボーラス注入によるスマトリプタン(0.03mg/kg;n=2)のいずれかを受けさせた。そして、心拍数、収縮期・拡張期の平均動脈血圧、ならびに、頸動脈血液の流量および導管(血管)直径(平均、最大、最小流量)をモニターし、継続的に記録した。スマトリプタン投与後、特定のタイムポイントにおいて、データを継続的に収集し、1分間の平均として記録した。当該実験概要をテーブル7において示し、当該結果を
図5において示す。
【表7】
【0057】
スマトリプタン分析のための当該犬からの血液サンプルは、投与前、投与後2、5、10、15、30、60、90、120および240分において収集した。血清中のスマトリプタンは、LCMS解析を利用して分析した。
【0058】
PKのデータに基づくと、スマトリプタン−Na
2FDKP粉末処方グループにおける1匹の動物は、おそらく技術的困難性のため、試験項目を受けられなかったようである。この動物は、異常と疑われる顕著な血管収縮を示していた。このグループにおけるもう別の1匹の動物は、乏しい血管収縮と、高レベルのスマトリプタンの曝露とを示した。このことは、これらの2匹の動物からの血液サンプルのためのチューブが、収集の間、気づかないうちに変わっていることが考えられる。そのため、ここに示されているデータは、n=2の誤って投与した動物を除いたn=3にて評価されている。なお、両方のデータでは、同様の結果を示している。
【0059】
血圧および心拍数は、投与経路に関わらず、スマトリプタンの投与またはコントロール項目によって変化しなかった。スマトリプタンの全身曝露は、血管拡張における減少に関連していた。コントロールを含む全てのグループは、投与後3時間を経て、カプサイシンの投与を終えた後からの頸動脈管径において減少していた。スマトリプタン−Na
2FDKP粉末の吸入は、鼻腔内および静脈内での投与経路よりも、より顕著な頸動脈の収縮という結果となっていた。血管収縮の大きさは投与グループの間にて著しく変化しており、当該データは、基準線直径に相対的な導管(血管)直径の点から、または、カプサイシン投与後もしくは基準線からの導管(血管)直径における変化として、分析された。
【0060】
スマトリプタン−Na
2FDKP乾燥粉末、鼻腔噴霧または静脈内注入でのスマトリプタン投与の薬物動態学特性(
図4)は、前のラットにおけるPK実験と一致していた。
図4は、雌の犬において、肺への吸入により投与されたスマトリプタンFDKP塩粉末(38%スマトリプタン)、鼻腔滴下注入により投与されたスマトリプタン、および静脈内注入により投与されたスマトリプタンの薬物動態学的特性を示しており、当該データは標準偏差を含んでプロットされている。当該データでは、最大平均ピーク循環スマトリプタン濃度となる時間(T
max)は、スマトリプタンFDKP塩粉末では5分であり、鼻腔滴下注入では60分である、ということが示されている。鼻腔噴霧を受けた動物に対し、スマトリプタン−Na
2FDKP乾燥粉末はC
maxおよびバイオアベイラビリティーは低いが、スマトリプタン−Na
2FDKPを吸入された動物は、鼻腔噴霧を受けた動物よりも、同様だがより速い薬物動態学的反応を示した。
【0061】
図5は、これらの実験の結果を示す。当該データでは、カプサイシン投与後から実験の終わりまでの導管(血管)直径における減少が、スマトリプタン−Na
2FDKP粉末を処方したグループにおいて最も大きかったということを示している。グループの間での最初の血管拡張における変化の可能性は分析を複雑としたが、グループ2(鼻腔噴霧)およびグループ3(スマトリプタン−Na
2FDKP乾燥粉末)は、カプサイシンに同等に反応した。すなわち、スマトリプタン−Na
2FDKP乾燥粉末にて処方したグループは、血管でのより大きい正味の収縮という結果となり、さらには当該効果はより速い作用の始まりを有していた。
【0062】
本発明は特定の実施の形態に関して特定して示し、記載しているが、記載の変形例および他の特徴・機能またはその代替となるものが、多くの他の異なるシステムまたは用途を以て望ましく組み合わされていてもよいということは、もちろん認められるだろう。当業者により続いて作られ得る、現在においてはまだ不測の予期されていない様々な代替、変形、変化または改善においても、次の請求の範囲により包含されるべきであることも意図される。
【0063】
特定しない限り、本明細書および請求の範囲において用いられる、成分の量、分子量のような特性、および反応条件を表している全ての数字は、“約”の用語にて、全ての場合において変形されるものとして理解される。従って、明白に否定していない限り、明細書および添付の請求の範囲において用いられている数値パラメーターは、本発明により得られると考えられる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、そして請求の範囲の観点への均等論の適用を制限しようとするものではないものとして、それぞれの数値パラメーターは、少なくとも、報告された重要な数値を鑑み、そして通常の丸め法を適用することにより解釈されるべきである。本発明の広い観点にて用いている数値範囲およびパラメーターが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例にて使用された数値は可能な限り正確に報告されている。しかし、いずれの数値も、それぞれの実験測定に見られる標準偏差から必然的に起因する特定の誤差を、固有に含んでいる。
【0064】
本発明を記載する文章において(特に、次の請求の範囲の文章において)使用されている“a”、“an”、“the(前記、当該)”および同様の言及は、当該箇所において指定しない限り、または文章により明白に否定しない限り、単数のものと複数のものとの両方を含有するよう用いられている。ここにおける値の範囲の記述は、単に、範囲内のそれぞれの別れた値を個々という簡易な方法として扱うことを意図している。他に指定しない限り、ここでの個々の記述と同様に、それぞれの個々の値は明細書に組み込まれる。ここに記載の全ての方法は、当該箇所において指定しない限り、または文章により明白に否定しない限り、任意の適当な順序において実施することができる。いずれの、および全ての実施例、またはここに適用されている例示的な用語(例えば、“のような、等”)の使用は、単に、より明瞭に本発明を解説しようとすることを意図しているのであって、要求しない限り本発明の観点において制限を課すものではない。明細書におけるいずれの言語も、本発明の実施に対し必須の要求されていない任意の要素を示しているように解釈すべきではない。
【0065】
ここに記載された代替の構成要素の群(グループ)および実施の形態は、限定するものとしては解釈されるべきではない。それぞれの群の構成要素は、個々に、または他の群の構成要素もしくは他のここに見出されている要素との任意の組み合わせにおいて、参照とされ、請求の範囲としてもよい。群の1つまたは複数の構成要素は、利便性および/または特許性の理由のために群において含まれ得ること、またはそこから削除され得ることが予想される。何らかのそのような含有または削除が起きる場合、明細書は修正された群を含むものとみなされ、従って、添付された請求の範囲において使用された全てのマーカッシュ群の記述を充足する。
【0066】
この発明の特定の実施の形態は、本発明を実施するために本発明者が知る最良の形態を含めてここに記載されている。もちろん、これらの記載された実施の形態を元とした変形は、前述の記載を読んだ上で、当該技術分野の通常の技術を持つ者には明瞭となるだろう。本発明者は、当業者が適用にあたりそのような変形を採用することを予期し、本発明がここに具体的に記載されていない方法で実施することを意図する。従って、この発明は、適用される法律により認められるように添付の請求の範囲において記述されている本発明の主題の全ての変形および均等なものを含む。さらに、全ての可能な変形において、上述の構成要素の任意の組み合わせが、当該箇所において指摘されない限り、または文章により明瞭に否定されない限り、本発明に包含される。
【0067】
さらに、本明細書では、多数の参照を特許および刊行物について行った。上述の引例および刊行物のそれぞれは、個々に、それらの全体において、参照によりここに組み込まれる。
【0068】
最後に、ここに記載した実施の形態は本発明の原理の説明であることを理解されるべきである。採用され得る他の変形は本発明の観点内におけるものである。そのため、限定されることはないが、例を挙げると、本発明の代替の構成は、ここに教示されているものに従って行うことができる。従って、本発明は、ここに示され記載されたような正確なものに限定はされない。
【0069】
(付記)
(付記1)
効果的な量におけるセロトニン受容体アゴニスト、および、ジケトピペラジンまたはその塩を含む、薬学的組成物。
【0070】
(付記2)
乾燥粉末である、付記1に記載の薬学的組成物。
【0071】
(付記3)
前記セロトニン受容体アゴニストは血管収縮剤である、付記1または2に記載の薬学的組成物。
【0072】
(付記4)
前記セロトニン受容体アゴニストはトリプタンである、付記1ないし3のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0073】
(付記5)
前記トリプタンは、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、ゾルミトリプタンおよび薬学的に許容可能なこれらの塩からなる群から選択される、付記4に記載の薬学的組成物。
【0074】
(付記6)
前記トリプタンは、スマトリプタンコハク酸塩である、付記4に記載の薬学的組成物。
【0075】
(付記7)
前記トリプタンは、リザトリプタン安息香酸塩である、付記4に記載の薬学的組成物。
【0076】
(付記8)
ビス−3,6−[(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジンまたはその塩、および、スマトリプタンまたはリザトリプタンを含む、付記1ないし7のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0077】
(付記9)
乾燥粉末形状における、ビス−3,6−[(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジンおよびスマトリプタンを含む、付記1ないし8のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0078】
(付記10)
当該組成物において、前記スマトリプタンは1mgよりも多い、付記5、8または9に記載の薬学的組成物。
【0079】
(付記11)
さらに、脂肪族アミノ酸を含む、付記1ないし10のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0080】
(付記12)
前記脂肪族アミノ酸は、アラニン、グリシン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシンまたはセリンである、付記11に記載の薬学的組成物。
【0081】
(付記13)
前記脂肪族アミノ酸は、当該組成物の重量での約0.5%から約30%である、付記11または12に記載の薬学的組成物。
【0082】
(付記14)
当該組成物は、さらに、L−ロイシンを含む、付記1ないし13のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0083】
(付記15)
前記ジケトピペラジンは、2,5−ジケト−3,6−ジ(4−X−アミノブチル)ピペラジン、または、薬学的に許容可能なその塩であり、
Xは、スクシニル、グルタリル、マレイルおよびフマリルからなる群から選択される、付記1ないし14のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0084】
(付記16)
前記ジケトピペラジンは、ビス−3,6[(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジンまたはその塩である、付記1ないし15のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0085】
(付記17)
ジケトピペラジン塩は、ビス−3,6−[(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジンジナトリウム塩である、付記16に記載の薬学的組成物。
【0086】
(付記18)
さらに、薬学的に許容可能なキャリアまたは添加剤を含む、付記1ないし17のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0087】
(付記19)
当該薬学的組成物は、経口吸入のための単位用量として作られている、付記1ないし18のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0088】
(付記20)
偏頭痛に関連する症状の治療のために哺乳動物に投与される、付記1ないし19のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0089】
(付記21)
当該薬学的組成物は吸入により投与される、付記20に記載の薬学的組成物。
【0090】
(付記22)
当該薬学的組成物は、呼吸での乾燥粉末吸入システムを利用する肺吸入により患者へと投与される、付記21に記載の薬学的組成物。
【0091】
(付記23)
前記呼吸での乾燥粉末吸入システムは、当該薬学的組成物を含有しているカートリッジを含む、付記22に記載の薬学的組成物。
【0092】
(付記24)
前記セロトニン受容体アゴニストは、偏頭痛に関連する中度から重度の頭痛を治療するためのものである、付記20ないし23のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0093】
(付記25)
ビス−3,6[(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン、L−ロイシンおよびトリプタンを含有する乾燥粉末組成物を含み、当該乾燥粉末組成物の治療上効果的な量が経口吸入により患者へと投与される、偏頭痛に関連する症状の治療のために哺乳動物に投与される薬学的組成物。
【0094】
(付記26)
偏頭痛の症状の治療を必要とする対象へ、付記1ないし19のいずれか1つに記載の薬学的組成物を投与することを含む、偏頭痛に関連する症状の治療の方法。
【0095】
(付記27)
前記薬学的組成物は吸入により投与される、付記26に記載の方法。
【0096】
(付記28)
前記薬学的組成物は、呼吸での乾燥粉末吸入システムを利用する肺吸入により患者へと投与される、付記27に記載の方法。
【0097】
(付記29)
前記呼吸での乾燥粉末吸入システムは、当該薬学的組成物を含有しているカートリッジを含む、付記28に記載の方法。
【0098】
(付記30)
前記セロトニン受容体アゴニストは、偏頭痛に関連する中度から重度の頭痛を治療するためのものである、付記26ないし29のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
(付記31)
ビス−3,6[(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジン、L−ロイシンおよびトリプタンを含有する乾燥粉末組成物を含む呼吸での乾燥粉末吸入器を、中度から重度の偏頭痛の症状を持つ患者へ提供することを含み、
当該乾燥粉末組成物の治療上効果的な量が経口吸入により患者へと投与される、偏頭痛の治療の方法。
【0100】
(付記32)
前記ビス−3,6[(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジンは塩形態である、付記31に記載の薬学的組成物。
【0101】
(付記33)
前記ビス−3,6[(N−フマリル−4−アミノブチル)]−2,5−ジケトピペラジンは非塩形態である、付記31に記載の薬学的組成物。
【0102】
(付記34)
前記ジケトピペラジンは塩形態である、付記1ないし30のいずれか1つに記載の薬学的組成物または方法。
【0103】
(付記35)
前記ジケトピペラジンは非塩形態である、付記1ないし30のいずれか1つに記載の薬学的組成物または方法。