(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6458093
(24)【登録日】2018年12月28日
(45)【発行日】2019年1月23日
(54)【発明の名称】シャッター部材を備えた光ファイバーアダプター
(51)【国際特許分類】
G02B 6/40 20060101AFI20190110BHJP
【FI】
G02B6/40
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-137271(P2017-137271)
(22)【出願日】2017年7月13日
(65)【公開番号】特開2018-87959(P2018-87959A)
(43)【公開日】2018年6月7日
【審査請求日】2017年7月13日
(31)【優先権主張番号】105139331
(32)【優先日】2016年11月29日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511206618
【氏名又は名称】プロタイ フォトニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ジー−チャーン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ユ−カイ チェン
【審査官】
右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−007841(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0147597(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0285999(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0230874(US,A1)
【文献】
特開2012−212103(JP,A)
【文献】
特開平11−337768(JP,A)
【文献】
特開2005−189839(JP,A)
【文献】
特開2007−121614(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/117820(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36 − 6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の壁、第2の壁、第3の壁および第4の壁によって画定された収容室を有する本体であって、前記第1の壁は前記第3の壁に面し、かつ前記第2の壁および前記第4の壁に接続しており、前記収容室は、軸方向に対向する第1および第2の開口部を有し、前記第2の開口部は、第1の光ファイバーコネクターを前記収容室に挿入することができるように構成されている本体と、
前記収容室内の前記第3の壁面に配置される第1の基部、
湾曲し、かつ第1の凹面を有する第1の駆動部、および
前記第1の基部と前記第1の駆動部とを接続する第1の接続部
とを含み、前記第1の駆動部は前記第1の接続部から前記第1の壁に向かって延在し、かつ前記第1の接続部の周りを移動可能である第1の弾性部材と、
前記収容室内の前記第1の壁面に配置される第2の基部、
湾曲し、かつ第2の凹面を有する第2の駆動部、および
前記第2の基部と前記第2の駆動部とを接続する第2の接続部と
を含み、前記第2の駆動部は前記第2の接続部から前記第3の壁に向かって延在し、かつ前記第2の接続部の周りを移動可能である第2の弾性部材と、
前記本体の前記収容室内に配置される内側ハウジングであって、前記内側ハウジングは第5の壁、第6の壁、第7の壁および第8の壁によって画定された収容室を有し、前記第5の壁は前記第1および第7の壁に面し、かつ前記第6の壁および第8の壁に接続しており、前記内側ハウジングの前記収容室は、軸方向に対向する第3および第4の開口部を有し、前記第3の開口部は、第2の光ファイバーコネクターを前記内側ハウジングの前記収容室に挿入することができるように構成されている内側ハウジングと、
第1のシャッター部材を付勢して前記第3の壁から離すように構成された前記第1の駆動部に結合された第1のシャッター部材であって、前記第1のシャッター部材は第1のシャッター板を備え、前記第1のシャッター板は、その中に形成される第1の凹部を有し、前記第1の凹部が、前記第1の駆動部の曲率に一致する形状の第1の湾曲した底部を有し、前記第1の凹面が前記第1の凹部の前記第1の湾曲した底部と接続することを特徴とする、第1のシャッター部材と、
第2のシャッター部材を付勢して前記第1の壁から離すように構成された前記第2の駆動部に結合された第2のシャッター部材であって、前記第2のシャッター部材は第2のシャッター板を備え、前記第2のシャッター板は、その中に形成される第2の凹部を有し、前記第2の凹部が、前記第2の駆動部の曲率に一致する形状の第2の湾曲した底部を有し、前記第2の凹面が前記第2の凹部の前記第2の湾曲した底部と接続することを特徴とする、第2のシャッター部材と
を備え、
前記第1の光ファイバーコネクターの前記第2の開口部からの挿入により、前記第1のシャッター部材および前記第1の駆動部を押圧して前記第3の壁に向かって移動させ、かつ前記第2のシャッター部材および前記第2の駆動部を押圧して前記第1の壁に向かって移動させるように構成されていることを特徴とする、2つの光ファイバーコネクターを互いに光学的に結合するための光ファイバーアダプター。
【請求項2】
前記第1の弾性部材は、前記第1の基部から横方向に延在して前記第2の壁および前記第4の壁をそれぞれ押圧する2つのフラップをさらに含む、請求項1に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項3】
前記本体は前記第2の壁および前記第4の壁にそれぞれ形成された2つの突起部をさらに含み、前記各突起部は前記第1の開口部に面する接触面を有し、前記2つの接触面は前記第1のシャッター部材および前記第2のシャッター部材に接触した状態になるように構成されている、請求項1に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項4】
前記第1のシャッター板には前記第1の駆動部が通るための第1のスロットが形成されている、請求項1に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項5】
前記第1のシャッター部材は前記第1のシャッター板に形成された第1の接触突起部をさらに含み、前記第1の接触突起部は前記第1の光ファイバーコネクターと接触した状態になるように構成されている、請求項1に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項6】
前記第1のシャッター部材は、前記第1のシャッター板から90〜180°の角度で延出している第1の延在部をさらに含み、前記第1の駆動部は前記第1の延在部にさらに取り付けられる、請求項1に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項7】
前記第1の駆動部は前記第2のシャッター部材と接触した状態になるようにさらに構成されている、請求項6に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項8】
前記内側ハウジングの前記第7の壁は前記第1の基部を押圧するように構成されており、前記内側ハウジングの前記第5の壁は前記第2の基部を押圧するように構成されている、請求項1に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項9】
前記第1の壁または前記第3の壁には第5の開口部が形成されており、
前記内側ハウジングは、
アームと、
前記アームに結合された係合突起部であって、前記第5の開口部内に配置される係合突起部と、
をさらに含む、請求項1に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項10】
前記第1および第2の接続部の前記第2の開口部に向かうさらなる移動をそれぞれ制限するために前記本体に結合された2つの停止ブロックをさらに備える、請求項1に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項11】
前記第2のシャッター部材は、
前記第2のシャッター板に形成された第2の接触突起部を含み、
前記第2の接触突起部には前記第1の光ファイバーコネクターに形成されたキー突起部が通過するための第1の切れ目が形成されており、前記第2の接触突起部は前記第1の光ファイバーコネクターと接触した状態になるように構成されている、請求項1に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項12】
前記第2のシャッター部材は、前記第2のシャッター板から90〜180°の角度で延出している第2の延在部をさらに含み、前記第2の延在部には前記第1の光ファイバーコネクターの前記キー突起部が通過するための第2の切れ目が形成されている、請求項11に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項13】
前記第2の駆動部は前記第2の延在部に取り付けられる、請求項12に記載の光ファイバーアダプター。
【請求項14】
前記第1の弾性部材は金属で一体形成されており、前記第1のシャッター部材はプラスチック製である、請求項1に記載の光ファイバーアダプター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は光ファイバーアダプターに関し、より詳細にはシャッター部材を備えた光ファイバーアダプターに関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、光ファイバーはその高帯域幅および低損失性により信号伝送媒体として広く使用されている。中継器を必要とすることなくより長い距離にわたって伝送させるために、高出力ダイオードレーザーを使用してレーザー光を光ファイバーに入射するのが一般的である。しかし、情報を運ぶために使用される高出力レーザー光は通常は目に見えない。言い換えると、高出力レーザー光がファイバーケーブルの開放端から出る場合に、人の目はそれを感知することができない。従って、レーザー光が光ファイバーから出る際の目への損傷を回避するために、高出力レーザー光を遮断する必要がある。
【0003】
図1を参照すると、従来の光ファイバーアダプター100は複数の側壁160を有するハウジング110を備える。側壁160は受入凹部120を画定している。側壁160の1つには、コネクター190を受入凹部120に挿入した際に光ファイバーコネクター190のキー192と嵌合するためのスロット130が設けられている。また、2つの対向する側壁160の外面には、アダプター100のパネルへの装着を容易にするためのクリップ(図示せず)をその上に配置することができる凹部140が設けられている。
【0004】
一般に、アダプター100は、別の受入凹部120を画定する別のセットの側壁160をさらに有する。2つの受入凹部120は対向しており、コネクター190をそれぞれ受け入れることができる。当然ながら、アダプター100の2つの受入凹部120は2つの異なる種類のコネクターと嵌合するように設計されていてもよい。コネクター190は常に光ファイバーケーブル194の一端に取り付けられ、光線は光ファイバーケーブル194の先まで伝搬してコネクター190のフェルール196から放射することができる。同様に、光線をフェルール196の端面から光ファイバーケーブル194の中に結合させることができる。
【0005】
アダプター100を使用して2つのコネクター190を互いに結合させる場合、2つのコネクター190を受入凹部120にそれぞれ挿入する。このようにしてコネクター190のフェルール196を中空のスリーブ(図示せず)の中に滑り込ませ、互いに軸方向に位置合わせして接触させる。光線はコネクター190の光ファイバーケーブル194から2つのフェルール196の間のインタフェースを通って伝搬し、次いで他のコネクター190の光ファイバーケーブル194に到達することができ、その逆もまた同様である。
【0006】
1つのコネクター190をアダプター100から外した場合、アダプター100内になお維持されているコネクター190から現在外されているコネクター190まで元々伝搬している光線は、その時フェルール196から出て受入凹部120から放射される。放射している光線が高出力であり、かつ遮断されていない場合、そのような光線への持続的曝露は人々に有害であり、特に目に有害である。従って、高出力光線への曝露を回避するためにキャップ180を使用して、使用されていない受入凹部120を塞ぐのが一般的である。これにより光線を遮断することができると共に、受入凹部120を埃から保護することもできる。コネクター190をアダプター100と嵌合させたい場合には、キャップ180を取り外す必要がある。しかし、キャップ180は紛失しやすく、それらが嵌合している間も目が光線に曝露される可能性はまだある。
【0007】
図2を参照すると、従来の光ファイバーアダプター200はアダプター100とほぼ同じであるが、ハウジング110に枢動可能に接続されたカバー250をさらに備える。カバー250はその閉鎖位置において受入凹部120を覆う。受入凹部120がコネクター190と嵌合していない場合、バネ260はカバー250を付勢してその閉鎖位置まで枢動させることができる。従って、カバー250はその閉鎖位置において受入凹部120から放射している光線を遮断することができる。使用者がコネクター190をアダプター200に嵌合させたい場合には、最初にカバー250をその閉鎖位置から持ち上げ、次いでコネクター190を受入凹部120に挿入する必要がある。コネクター190を引き抜くと、カバー250はバネ260により枢動して受入凹部120を覆う。それにより、使用者が高出力光線に曝露される可能性はなくなる。しかし、アダプター200の構造はアダプター100の構造よりも非常に複雑である。
【0008】
図3を参照すると、光ファイバーアダプター100のための従来の保護キャップ300は、2つの対向する開口部を有する中空のハウジング310と、ハウジング310に枢動可能に接続されたカバー350とを備える。カバー350はバネ360によって枢動して2つの開口部のうちの一方を覆う。保護キャップ300をアダプター100に付けて、側壁160の外面およびアダプター100の受入凹部120を覆うことができる。使用者がコネクター190をアダプター200に嵌合させたい場合には、カバー350をその閉鎖位置から持ち上げ、次いでコネクター190を受入凹部120に挿入する必要がある。同様に、コネクター190を引き抜くと、バネ360によってカバー350は枢動して受入凹部120を覆う。それにより、使用者は受入凹部120から放射している高出力光線に曝露される可能性はなくなる。しかし、保護キャップ300の構造は若干複雑であるため安価ではない。保護キャップ300を導入して光線を遮断するには非常にコストがかかる。
【0009】
従って、上記問題を解決するための解決法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、収容室から放射している光線を遮断し、それにより光線への曝露から目を保護することができるシャッター部材を備えた光ファイバーアダプターを提供する。また、本光ファイバーアダプターは埃を防ぐこともできる。
【0011】
一実施形態では、本開示の光ファイバーアダプターは、本体、第1の弾性部材、第2の弾性部材、第1のシャッター部材、第2のシャッター部材および内側ハウジングを備える。本体は、第1の壁、第2の壁、第3の壁および第4の壁によって画定された収容室を有し、第1の壁は第3の壁に面し、かつ第2の壁および第4の壁に接続している。収容室は、軸方向に対向する第1および第2の開口部を有し、第2の開口部は、第1の光ファイバーコネクターを収容室に挿入することができるように構成されている。第1の弾性部材は、第1の基部、第1の駆動部および第1の接続部を含む。第1の基部は収容室内の第3の壁面に配置されている。第1の接続部は第1の基部と第1の駆動部とを接続している。第1の駆動部は第1の接続部から第1の壁に向かって延在し、かつ第1の接続部の周りを移動可能である。第2の弾性部材は、第2の基部、第2の駆動部および第2の接続部を含む。第2の基部は収容室内の第1の壁面に配置されている。第2の接続部は第2の基部と第2の駆動部とを接続している。第2の駆動部は第2の接続部から第3の壁に向かって延在し、かつ第2の接続部の周りを移動可能である。内側ハウジングは本体の収容室内に配置される。内側ハウジングは、第5の壁、第6の壁、第7の壁および第8の壁によって画定された収容室を有し、第5の壁は第7の壁に面し、かつ第6の壁および第8の壁に接続している。内側ハウジングの収容室は、軸方向に対向する第3および第4の開口部を有し、第3の開口部は、第2の光ファイバーコネクターを内側ハウジングの収容室に挿入することができるように構成されている。第1のシャッター部材は第1の駆動部に結合されており、第1の駆動部は、第1のシャッター部材を付勢して第3の壁から離すように構成されている。第2のシャッター部材は第2の駆動部に結合されており、第2の駆動部は、第2のシャッター部材を付勢して第1の壁から離すように構成されている。第1の光ファイバーコネクターを第2の開口部から挿入することにより、第1のシャッター部材および第1の駆動部を押圧して第3の壁に向かって移動させ、かつ第2のシャッター部材および第2の駆動部を押圧して第1の壁に向かって移動させるように構成されている。
【0012】
本開示の上記ならびにさらなる目的、特徴および利点は、添付の図面を参照しながら進める以下の詳細な説明からより容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来の光ファイバーアダプターおよび従来の光ファイバーコネクターを示す正面斜視図である。
【
図2】受入凹部から放射している光線を遮断するためのカバーを備えた従来の光ファイバーアダプターの正面斜視図である。
【
図3】光ファイバーアダプターのための従来の保護キャップの正面斜視図である。
【
図4a】従来のMPO雄型光ファイバーコネクターの正面斜視図である。
【
図4b】従来のMPO雌型光ファイバーコネクターの正面斜視図である。
【
図5】本開示の光ファイバーアダプターの分解図である。
【
図6a】本開示の光ファイバーアダプターの本体の異なる正面斜視図である。
【
図6b】本開示の光ファイバーアダプターの本体の異なる正面斜視図である。
【
図6c】本開示の光ファイバーアダプターの本体の異なる正面斜視図である。
【
図6d】本開示の光ファイバーアダプターの本体の異なる正面斜視図である。
【
図6e】
図6aのA−A線に沿った横断面図である。
【
図6f】
図6aのB−B線に沿った横断面図である。
【
図6g】本開示の光ファイバーアダプターの本体の正面図である。
【
図7a】本開示の光ファイバーアダプターの内側ハウジングの異なる正面斜視図である。
【
図7b】本開示の光ファイバーアダプターの内側ハウジングの異なる正面斜視図である。
【
図7c】本開示の光ファイバーアダプターの内側ハウジングの異なる正面斜視図である。
【
図7d】本開示の光ファイバーアダプターの内側ハウジングの異なる正面斜視図である。
【
図8a】本開示の光ファイバーアダプターの第1の弾性部材の異なる正面斜視図である。
【
図8b】本開示の光ファイバーアダプターの第1の弾性部材の異なる正面斜視図である。
【
図8c】本開示の光ファイバーアダプターの第1の弾性部材の側面図である。
【
図9a】本開示の光ファイバーアダプターの第2の弾性部材の異なる正面斜視図である。
【
図9b】本開示の光ファイバーアダプターの第2の弾性部材の異なる正面斜視図である。
【
図9c】本開示の光ファイバーアダプターの第2の弾性部材の異なる正面斜視図である。
【
図9d】本開示の光ファイバーアダプターの第2の弾性部材の側面図である。
【
図10a】本開示の光ファイバーアダプターの第1のシャッター部材の異なる正面斜視図である。
【
図10b】本開示の光ファイバーアダプターの第1のシャッター部材の異なる正面斜視図である。
【
図11a】本開示の光ファイバーアダプターの第2のシャッター部材の異なる正面斜視図である。
【
図11b】本開示の光ファイバーアダプターの第2のシャッター部材の異なる正面斜視図である。
【
図12】本開示の光ファイバーアダプターの組み立て方法を示す。
【
図13】本開示の光ファイバーアダプターの正面斜視図である。
【
図15】本開示の光ファイバーアダプターの第1および第2のシャッター部材の動作原理を示す。
【
図16】本開示の光ファイバーアダプターを使用して2つの光ファイバーコネクターを互いに結合する方法を示す。
【
図17】本開示の光ファイバーアダプターを使用して2つの光ファイバーコネクターを互いに結合する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
従来の多心MPO雄型および雌型光ファイバーコネクター400aおよび400bをそれぞれ示す
図4aおよび
図4bを参照する。それぞれの光ファイバーコネクター400aおよび400bは、その前部の上面に形成された矩形のキー突起部412を有する。前部の2つの対向する外側面には2つの凹部414が位置している。複数の光ファイバー430が前部の前端面420から露出されており、それと同一平面上にある。光ファイバーコネクター400aの端面420から2つのガイドピン440が突出しており、光ファイバーコネクター400bの端面420にはコネクター400aのガイドピン440をそれぞれ受け入れるための2つのガイドホール450が形成されている。
【0015】
図5を参照すると、本開示に係る光ファイバーアダプターはMPO型光ファイバーアダプターであってもよく、本体500、内側ハウジング600、第1の弾性部材700、第2の弾性部材800、第1のシャッター部材910および第2のシャッター部材950を備える。
【0016】
次に、本開示の本体500を示す
図6a〜
図6gを参照する。本体500は射出成形プロセスによってプラスチックで作られていてもよい。本体500は中空であり、実質的に矩形状の断面を有する。本体500は、頂壁511、底壁512、右側壁513および左側壁514によって画定された収容室515を有し、頂壁511は底壁512に面し、かつ右側壁513および左側壁514に接続している。収容室515は、長手方向すなわち軸方向に第1の開口部517および対向する第2の開口部518を有する。頂壁511は第1の開口部517の近くに位置する矩形の開口部521と共に形成されている。同様に、底壁512は第1の開口部517の近くに位置する矩形の開口部522と共に形成されている。一実施形態では、開口部521および522は貫通孔である。右側壁513および左側壁514のそれぞれにフック542が形成されている。2つのフック542は互いに面し、かつ第2の開口部518に向かって軸方向に延在するように配置されている。第2の開口部518の近くの収容室515内の頂壁511には少なくとも1つの停止ブロック550が形成されている。停止ブロック550は、頂壁511から横方向に突出する垂直部551および垂直部551から第1の開口部517に向かって横方向に突出する水平部552を含む。従って、停止ブロック550はL字形の断面を有する。それにより、停止ブロック550と頂壁511との間に室553が画定される。室553は第1の開口部517に面する開口部を有する。水平部552の後端には傾斜した接触面554が形成されている。接触面554は頂壁511および第1の開口部517に面するように配置されている。一実施形態では、頂壁511に形成された2つの停止ブロック550があり、停止ブロック550の一方は右側壁513の近くに位置し、他方の停止ブロック550は左側壁514の近くに位置している。2つの停止ブロック550は互いに向かって延在し、かつ互いに接続して連続的な停止ブロック550を形成していてもよい。但し、連続的な水平部551には、光ファイバーコネクター400aまたは400bを第2の開口部518から収容室515に挿入した際にキー突起部412が通過するための切れ目558が形成されており、その切れ目は光ファイバーコネクター400aまたは400bのキー突起部412の幅よりも僅かに大きい幅を有する。同様に、第2の開口部518の近くの収容室515内の底壁512には少なくとも1つの停止ブロック560が形成されている。停止ブロック560は、底壁512から横方向に突出する垂直部561および垂直部561から第1の開口部517に向かって横方向に突出する水平部562を含む。従って、停止ブロック560はL字形の断面を有する。それにより、停止ブロック560と底壁512との間に室563が画定される。室563は第1の開口部517に面する開口部を有する。水平部562の後端には傾斜した接触面564が形成されている。接触面564は、底壁512および第1の開口部517に面するように配置されている。一実施形態では、底壁512に形成された2つの停止ブロック560があり、停止ブロック560の一方は右側壁513の近くに位置し、他方の停止ブロック560は左側壁514の近くに位置している。2つの停止ブロック560は互いに向かって延在し、かつ互いに接続して連続的な停止ブロック560を形成していてもよい。また、右側壁513および左側壁514にはそれぞれ突起部570が形成されている。各突起部570は、第1の開口部517に面するようにその外面に形成された傾斜した接触面572を有する。
【0017】
次に、本開示の内側ハウジング600を示す
図7a〜
図7dを参照する。内側ハウジング600は射出成形プロセスによってプラスチックで作られていてもよい。内側ハウジング600は中空であり、実質的に矩形状の断面を有する。内側ハウジング600は頂壁611、底壁612、右側壁613および左側壁614によって画定された収容室615を有し、頂壁611は底壁612に面し、かつ右側壁613および左側壁614に接続している。収容室615は、長手方向すなわち軸方向に第3の開口部617および対向する第4の開口部618を有する。右側壁613および左側壁614のそれぞれにフック642が形成されている。2つのフック642は互いに面し、かつ第3の開口部617に向かって軸方向に延在するように配置されている。頂壁611は軸方向に延在するスロットと共に形成されており、このスロットは矩形の切れ目651を画定している。切れ目651内にはアーム621が形成されており、頂壁611から第3の開口部617に向かって軸方向に突出している。それに応じて、アーム621は頂壁611に結合された根元を有する。底壁612も軸方向に延在するスロットと共に形成されており、このスロットは矩形の切れ目652を画定している。切れ目652内にはアーム622が形成されており、底壁612から第3の開口部617に向かって軸方向に突出している。それに応じて、アーム622は底壁612に結合された根元を有する。アーム621および622にはそれぞれ係合突起部631および632が収容室615の外側に形成されている。係合突起部631および632は、それぞれのアーム621および622の根元に向かって傾斜しているそれぞれの角度のある外面、すなわち傾斜した外面を画定している。収容室615内の頂壁611には軸方向に延在する矩形の凹部641が形成されている。一実施形態では、アーム621は凹部641の底を画定している。凹部641は、光ファイバーコネクター400aまたは400bを第3の開口部617から収容室615に挿入した際にキー突起部412を受け入れるために光ファイバーコネクター400aまたは400bのキー突起部412の幅よりも僅かに大きい幅を有する。
【0018】
次に、本開示の第1の弾性部材700を示す
図8a〜
図8cを参照する。第1の弾性部材700は弾性であり、金属シートで一体形成されている。第1の弾性部材700は、駆動部710、接続部720、基部730および2つのフラップ740を含む。接続部720は実質的にL字形の断面を有し、基部730と駆動部710とを接続している。駆動部710は湾曲しており、接続部720から延出している。駆動部710は前面711および対向する背面712を有し、背面712を基部730に面するように移動させることができ、前面711には凹面713が形成されている。駆動部710は接続部720の周りを基部730に向かって枢動可能に移動させることができる。駆動部710は前面711に加わる押力により基部730の近くまで曲げられ、押力を取り除くと素早くその元の位置に戻る。駆動部710を基部730の近くに移動させると接続部720は変形する。基部730は矩形の板を含み、接続部720は基部730の前側から延出している。2つのフラップ740はそれぞれ基部730の右側および左側から上方に突出している。
【0019】
次に、本開示の第2の弾性部材800を示す
図9a〜
図9dを参照する。第2の弾性部材800は弾性であり、金属シートで一体形成されている。第2の弾性部材800は、駆動部810、接続部820、基部830および2つのフラップ840を含む。接続部820は実質的にL字形の断面を有し、基部830と駆動部810とを接続している。駆動部810は湾曲しており、接続部820から延出している。駆動部810は前面811および対向する背面812を有し、背面812は基部830に面するように移動させることができ、前面811には凹面813が形成されている。駆動部810は接続部820の周りを基部830に向かって枢動可能に移動させることができる。駆動部810は前面811に加わる押力により基部830の近くまで曲げられ、押力を取り除くと素早くその元の位置に戻る。駆動部810を基部830の近くに移動させると接続部820は変形する。基部830は矩形の板を含み、接続部820は基部830の前側から延出している。2つのフラップ840はそれぞれ基部830の右側および左側から上方に突出している。
【0020】
次に、本開示の第1のシャッター部材910を示す
図10aおよび
図10bを参照する。第1のシャッター部材910は射出成形プロセスによってプラスチックで作られていてもよい。第1のシャッター部材910は、前面921および対向する背面922を有する矩形のシャッター板920を含む。シャッター板920の前側には枢動軸930が形成されており、シャッター板920の後側から90〜180°の角度で延在部940が延出している。延在部940はその後側に形成された傾斜面943を有する。シャッター板920には横方向に延在するスロット925が形成されており、第1の弾性部材700の駆動部710の幅よりも僅かに大きい長さを有する。スロット925と延在部940との間のシャッター板920の前面921には横方向に延在する楔形の接触突起部928が形成されている。また、シャッター板920の背面922には凹部926が形成されており、スロット925から延在部940の傾斜面943まで連続的に延在している。凹部926は第1の弾性部材700の駆動部710の幅よりも僅かに大きい幅を有する。凹部926は駆動部710の曲率に一致する形状の底を有する。
【0021】
次に、本開示の第2のシャッター部材950を示す
図11aおよび
図11bを参照する。第2のシャッター部材950は射出成形プロセスによってプラスチックで作られていてもよい。第2のシャッター部材950は、前面961および対向する背面962を有する矩形のシャッター板960を含む。シャッター板960の前側には枢動軸970が形成されており、シャッター板960の後側から90〜180°の角度で延在部980が延出している。延在部980はその後側に形成された傾斜面983を有する。延在部980が右および左半分に分割されるように、延在部980には切れ目980aが形成されている。切れ目980aは、光ファイバーコネクター400aまたは400bのキー突起部412がそこを通過するように構成されており、従ってキー突起部412の幅よりも僅かに大きい幅を有する。シャッター板960には横方向に延在するスロット965が形成されており、第2の弾性部材800の駆動部810の幅よりも僅かに大きい長さを有する。スロット965と延在部980との間のシャッター板960の前面961には横方向に延在する楔形の接触突起部968が形成されている。接触突起部968が右および左半分に分割されるように、接触突起部968には切れ目968aが形成されている。切れ目968aは、光ファイバーコネクター400aまたは400bのキー突起部412がそこを通過するように構成されており、従ってキー突起部412の幅よりも僅かに大きい幅を有する。また、シャッター板960の背面962には凹部966が形成されており、スロット965から切れ目980aまで連続的に延在している。凹部966は第2の弾性部材800の駆動部810の幅よりも僅かに大きい幅を有する。凹部966は駆動部810の曲率に一致する形状の底を有する。
【0022】
図12を参照すると、本開示の光ファイバーアダプターを組み立てる準備をする場合、第1のシャッター部材910および第2のシャッター部材950をそれぞれ第1の弾性部材700および第2の弾性部材800に結合する。第1のシャッター部材910を第1の弾性部材700に結合する方法は、シャッター板920の背面922を第1の弾性部材700の基部730に面するように配置し、次いで第1のシャッター部材910の枢動軸930を第1の弾性部材700のL字形の接続部720の湾曲部まで移動させる。その後、第1の弾性部材700の駆動部710を第1のシャッター部材910のスロット925から挿入し、次いで駆動部710の前面711を第1のシャッター部材910の凹部926の底に取り付ける。同様に、第2のシャッター部材950を第2の弾性部材800に結合する方法は、シャッター板960の背面962を第2の弾性部材800の基部830に面するように配置し、次いで第2のシャッター部材950の枢動軸970を第2の弾性部材800のL字形の接続部820の湾曲部まで移動させる。その後、第2の弾性部材800の駆動部810を第2のシャッター部材950のスロット965から挿入し、次いで駆動部810の前面811を第2のシャッター部材950の凹部966の底に取り付ける。この状態では、駆動部810の後端は切れ目980aから延在部980の外側に突出する。
【0023】
その後、接続部720を停止ブロック560の方に向けて、次いで室563の中に移動させるように、第1の弾性部材700と第1のシャッター部材910との組立体を第1の開口部517から本体500に挿入する。接続部720が室563内に到達した後、基部730は本体500の底壁512の表面に位置し、駆動部710の背面712は第1の開口部517に面する。この状態では、シャッター板920の前面921は本体500の第2の開口部518に面し、延在部940の傾斜面943は頂壁511に面する。さらに、2つのフラップ740はそれぞれ右側壁513および左側壁514を押圧する。第1の弾性部材700と第1のシャッター部材910との組立体が本体500内の適所に到達した後、接続部820を停止ブロック550の方に向けて、次いで室553の中に移動させるように、第2の弾性部材800と第2のシャッター部材950との組立体を第1の開口部517から本体500に挿入する。接続部820が室553内に到達した後、基部830は本体500の頂壁511の表面に位置し、駆動部810の背面812は第1の開口部517に面する。この状態では、シャッター板960の前面961は本体500の第2の開口部518に面し、延在部980の傾斜面983は延在部940の傾斜面943に面する。駆動部810の前面811の後端は延在部940を押圧する。さらに、2つのフラップ840はそれぞれ右側壁513および左側壁514を押圧する。
【0024】
最後に、そのフック642が本体500の第2の開口部518の後方に配置された状態で、内側ハウジング600を第1の開口部517から本体500に挿入する。本開示の光ファイバーアダプターでは、内側ハウジング600の頂壁611および底壁612がそれぞれ本体500の頂壁511および底壁512に直接面して配置された状態になるように、内側ハウジング600を本体500に挿入してもよい。あるいは、頂壁611および底壁612をそれぞれ本体500の底壁512および頂壁511に直接面するように配置してもよい。
図12に示す組み立て方法では、内側ハウジング600を本体500に挿入した場合、内側ハウジング600の頂壁611および底壁612はそれぞれ本体500の頂壁511および底壁512に直接面する。内側ハウジング600を本体500の中に押し込むと、係合突起部631および632はそれぞれ頂壁511および底壁512の表面を摺動し、それによりアーム621および622を曲げる。係合突起部631、632がそれぞれ開口部521、522の中に収まるように内側ハウジング600を本体500の中に押し込み続けると、アーム621および622は跳ね上がり、本開示の光ファイバーアダプターの組み立ては終了する。この状態では、内側ハウジング600の底壁612および頂壁611の後側はそれぞれ基部730、830の後側を押圧して接続部720および820をそれぞれ室563および553の中にさらに押し込む。
図13および
図14は、本開示の組み立てられた光ファイバーアダプターを示す。
【0025】
図15を参照すると、1つの光ファイバーコネクターも第2の開口部518から本体500に挿入されていない場合には、第1および第2の駆動部710、810は弾性により跳ね上がる。同時に、駆動部710および810はそれぞれシャッター部材910および950を持ち上げる。
図4aの光ファイバーコネクター400aを第3の開口部617から内側ハウジング600に挿入すると、光ファイバーコネクター400aの光ファイバー430から放射している光線は、持ち上げられたシャッター部材910および950により遮断される。従って、有害な光線への曝露の発生を回避することができる。また、シャッター板920、960および延在部940、980の縁は本体500の右側壁513および左側壁514にある突起部570の接触面572と近接する。これにより、挿入された光ファイバーコネクター400aは第2の開口部518から本体500の中に侵入した汚染物からさらに保護される。
【0026】
図16および
図17を参照すると、そのキー突起部412が連続的な停止ブロック550の切れ目558を通過するように、
図4bの光ファイバーコネクター400bを第2の開口部518から本体500に挿入することができる。光ファイバーコネクター400bの下部および上部はそれぞれ第1のシャッター部材910の接触突起部928および第2のシャッター部材950の接触突起部968と接触する。次いで、シャッター部材910および950を押圧してそれぞれ本体500の底壁512および頂壁511に向かって揺動させる。同時に、駆動部710および810も下がる。光ファイバーコネクター400bを本体500の中に押し込み続けると、キー突起部412は切れ目968aおよび切れ目980aを通過し、最終的に駆動部810の後端に直接接触する。
【0027】
光ファイバーコネクター400bを本体500に完全に挿入すると、本体500のフック542はそれぞれ光ファイバーコネクター400bにある凹部414に掛止される。光ファイバーコネクター400aのガイドピン440はそれぞれ光ファイバーコネクター400bのガイドホール450に挿入され、光ファイバーコネクター400aおよび400bから露出された光ファイバー430は互いに直接接触するため、1つのファイバーから放射している光線を結合されているファイバーに光学的に結合させることができる。光ファイバーコネクター400aおよび400bが互いに光学的に接触すると、第1のシャッター部材910および駆動部710は本体500の底壁512と光ファイバーコネクター400bとの間に配置される状態になるまで押圧され、第2のシャッター部材950および駆動部810は本体500の頂壁511と光ファイバーコネクター400bとの間に配置される状態になるまで押圧される。光ファイバーコネクター400bを本体500から引き抜くと、押圧された駆動部710および810は弾性により素早く跳ね上がり、それによりシャッター部材910および950をそれぞれの元の位置に戻して、光ファイバーコネクター400aの光ファイバー430から放射している光線を再び遮断する。その結果、有害な光線への曝露の発生を回避することができる。
【0028】
本開示の光ファイバーアダプターでは、内側ハウジング600の係合突起部631、632はそれぞれ頂壁511および底壁512にある開口部521、522内に収まり、内側ハウジング600が第1の開口部517から本体500の外に抜け出るのを防止する。内側ハウジング600の凹部641は光ファイバーコネクター400aまたは400bのキー突起部412を受け入れるように構成されているため、光ファイバーコネクター400a、400bを内側ハウジング600に所定の向きでのみ挿入することができる。内側ハウジング600を本体500の中に配置する場合に内側ハウジング600の頂壁611および底壁612をそれぞれ本体500の頂壁511および底壁512に面するように、あるいはそれぞれ底壁512および頂壁511に面するように配置することにより、光ファイバーコネクター400aおよび400bの結合極性を切り換えてもよい。本体500および内側ハウジング600のフック542、642は、光ファイバーコネクター400aまたは400bにある凹部414に掛止されるように構成されている。
【0029】
図16および
図17を再度参照すると、光ファイバーコネクター400bを第2の開口部518から本体500に挿入する前に、シャッター部材910、950および弾性部材700、800を本体500から外す必要はない。光ファイバーコネクター400bを第2の開口部518から本体500に挿入すると、シャッター部材910、950および弾性部材700、800は底壁512または頂壁511に近づいた状態になるまで押圧される。光ファイバーコネクター400bを本体500から引き抜くと、押圧された駆動部710および810は弾性により素早く跳ね上がり、それによりシャッター部材910および950をそれぞれの元の位置まで戻す。従って、光ファイバーコネクター400aの光ファイバー430から放射している光線を再度遮断することができる。
【0030】
本開示の光ファイバーアダプターでは、弾性部材700、800のフラップ740、840は、右側壁513および左側壁514を押圧するように本体500内に配置されているため、収容室515における弾性部材700、800の横移動を制限することができる。本体500の水平部562、552の傾斜した接触面564、554は、シャッター部材910、950が第2の開口部518に向かってさらに揺動するのを防止するために、シャッター板920、960の前面921、961とそれぞれ接触した状態になるように構成されている。さらに、第1および第2のシャッター部材910、950が互いに妨害し合うことがないように、第2のシャッター部材950は、第1のシャッター部材910よりも早く、第2の開口部518から本体500に挿入された光ファイバーコネクターによって押圧されて揺動するように設計されていてもよい。
【0031】
さらに、開口部521、522が貫通孔である場合、開口部521、522を通して細長い物体を使用してアーム621、622を押し下げることができる。このようにして内側ハウジング600およびシャッター部材910、950を第1の開口部517を通して本体500から取り出してもよい。本体550の停止ブロック550、560はそれぞれシャッター部材800、700の接続部820、720のさらなる移動を制限するように配置されているため、シャッター部材950、910を第2の開口部518から引き抜くことはできない。
【0032】
本開示についてMPO型光ファイバーアダプターを用いて詳細に説明してきたが、当然のことながら本開示の光ファイバーアダプターは他の種類の光ファイバーアダプターを含んでもよい。
【0033】
例示を目的として本開示の好ましい実施形態について開示してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に開示されている本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく各種修正、追加および置換が可能であることが分かるであろう。