(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定条件が成立すると、大入賞口の開放動作を1ラウンドとし、これを複数ラウンド実施可能な大当り遊技を実行する弾球遊技機であって、1ラウンド中に、前記大入賞口への規定数の遊技球の入球又は大入賞口の開放時間が最大開放時間に達することで閉鎖条件が成立し、大入賞口が閉鎖される構成で、前記大入賞口内に設けられた継続口に遊技球が入球することで次のラウンドに移行可能となる弾球遊技機において、
前記大入賞口に入球した遊技球を前記継続口に導く継続口通路と、
該継続口通路に入球した遊技球を検出する継続口通路入球検出手段と、
前記継続口通路への遊技球の入球を阻害する阻害手段と、
前記継続口通路を流下する遊技球の流下速度を減退させる減退手段と、を設け、
前記大入賞口の開放直後は、前記継続口通路への入球が前記阻害手段によって阻害されていない状態で、前記大入賞口に入球した遊技球を前記継続口通路へ容易に入球させるようにし、
前記継続口通路入球検出手段によって前記継続口通路への入球が検出されると、前記阻害手段により前記継続口通路への新たな遊技球の入球を阻害するようにし、
前記継続口通路を流下する遊技球は前記減退手段によって流下速度が減退されてから前記継続口に入球するように構成され、
前記継続口に遊技球が入球する前に前記閉鎖条件が成立すると次のラウンドは行われず、前記継続口への遊技球の入球があれば前記閉鎖条件が成立しなくても前記大入賞口を閉鎖し、次のラウンドへ移行可能となることを特徴とする弾球遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記継続口が使われない構成では、遊技者は大当り遊技を行なうに当って何の遊技に関する技術を必要とせず、単に遊技球を発射して大入賞口に所定個数の遊技球を入球させるだけで大当り遊技が継続して賞球が得られるだけの単調なものとなるおそれがある。
そこで本願発明では前記事情に鑑み、継続口を有効に活用することができ、大当り遊技中における遊技球の動きで遊技者の大当り遊技の継続や賞球の獲得に関する期待感やスリル感を高め、大当り遊技が単調にならない弾球遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
所定条件が成立すると、大入賞口の開放動作を1ラウンドとし、これを複数ラウンド実施可能な大当り遊技を実行する弾球遊技機であって、1ラウンド中に、前記大入賞口への規定数の遊技球の入球又は大入賞口の開放時間が最大開放時間に達することで閉鎖条件が成立し、大入賞口が閉鎖される構成で、前記大入賞口内に設けられた継続口に遊技球が入球することで次のラウンドに移行可能となる弾球遊技機において、
前記大入賞口に入球した遊技球を前記継続口に導く継続口通路と、
該継続口通路に入球した遊技球を検出する継続口通路入球検出手段と、
前記継続口通路への遊技球の入球を阻害する阻害手段と、
前記継続口通路を流下する遊技球の流下速度を減退させる減退手段と、を設け、
前記大入賞口の開放直後は、前記継続口通路への入球が前記阻害手段によって阻害されていない状態で、前記大入賞口に入球した遊技球を前記継続口通路へ容易に入球させるようにし、
前記継続口通路入球検出手段によって前記継続口通路への入球が検出されると、前記阻害手段により前記継続口通路への新たな遊技球の入球を阻害するようにし、
前記継続口通路を流下する遊技球は前記減退手段によって流下速度が減退されてから前記継続口に入球するように構成され、
前記継続口に遊技球が入球する前に前記閉鎖条件が成立すると次のラウンドは行われず、前記継続口への遊技球の入球があれば前記閉鎖条件が成立しなくても前記大入賞口を閉鎖し、次のラウンドへ移行可能となる構成とする。
尚、前記所定条件とは、始動口に遊技球が入球した際に抽出した乱数値が特定の値であった場合(当否判定、抽選)や、大入賞口に設けられた大当り発生領域に遊技球が入球した場合等が望ましい。尚、該大当り発生領域と前記継続口とを同じものとしてもよいし、異なるものとしてもよい。
前記継続口通路は、これを流下する遊技球が視認可能な構成が望ましい。また、継続口通路は、請求項2に記載の排出口を備えていなければ、継続口通路に入球した遊技球が確実に(100%の確率)で継続口に入球する構成が望ましい。
大入賞口には、その入口に入球検出センサを設け、入球を直ちに検出しカウントする構成が望ましい。該カウントに応じて賞球を払い出す。
前記阻害手段は、継続口通路入球検出手段により継続口通路への入球が1球でも検出されると継続口通路の入口を塞ぐ構成が望ましい。
前記減退手段は、遊技球の流下速度を落とす構成であれば、どのようなものであってもよい。例えば、通路の傾斜角度を緩やかするだけでもよい。また、実際の遊技球の流下速度に限らず、下流の継続口に達するまでの平均の速度が落ちればよく、例えば、流路途中にクルーンなどを用いて、継続口に到達するまでの時間を長くするように構成してもよい。
前記阻害手段による継続口通路への入球の阻害は、大入賞口が閉鎖されると解除することが望ましい。
【0007】
これによれば、継続口に遊技球が入球してしまうと規定数の遊技球が入球する前に大入賞口が閉鎖されるので、遊技者は継続口に遊技球が入球するまでに多くの遊技球を大入賞口内に入れようとする。一方、早くに大入賞口へ多くの遊技球が入球してしまうと継続口に遊技球が入球する前に規定数に達してしまい、次のラウンドに移行しなくなるおそれがある。従って、遊技者は、遊技球が継続口へ到達するまでの時間を予測しながら、大入賞口に遊技球を入球させる必要があり、遊技者は大当り遊技中に遊技球の動きで大当り遊技継続への期待感とスリル感とを高め、興趣の豊かな遊技を楽しむことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の弾球遊技機において、
前記継続口通路に入球した遊技球を、前記継続口に達する前に前記継続口通路外へ排出させる排出口と、
該排出口を塞ぐ蓋部材と、を設け、
前記継続口に遊技球が入球する前に前記閉鎖条件が成立すると前記蓋部材が開放され、前記継続口通路内の遊技球を前記排出口から通路外へ排出する構成とする。
前記排出口は、継続口の直前に設ける構成が好適である。また排出口から排出された遊技球は遊技機の裏側に取り込まれる構成が望ましい。
【0009】
継続口に遊技球が入球する前に閉鎖条件が成立して、大入賞口が閉鎖された場合には、まだ、継続口通路に遊技球が残っている可能性が高い。この残っていた遊技球が継続口に入球しても、次にラウンド移行しないので遊技者に違和感を与えるおそれがある。そこで請求項2の発明によれば、継続口通路に残っていた遊技球が継続口に入球することを好適に防止することができ、遊技者に違和感を与えずにすむ。
【0010】
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の弾球遊技機において、
前記継続口通路として、第1の継続口通路と第2の継続口通路とを設け、前記第1の継続口通路を流下する遊技球よりも前記第2の継続口通路を流下する遊技球の方が、前記継続口への到達時間が長くなる構成とする。
前記到達時間が長くなる構成として、例えば、単に継続口までの距離が長い、通路の傾斜角度が緩やか、障害物が多い等が望ましい。
尚、第1の継続口通路又は第2の継続口通路の少なくとも1つの継続口通路に前記減退手段を設ける構成でよい。
【0011】
これによれば、第1の継続口通路を流下するか、第2の継続口通路を流下するかの違いにより継続口に到達する時間が相違するので、流下する通路に応じて、遊技球の発射の仕方を変えることになり遊技の趣向性を高めることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の遊技機において、
前記第1の継続口通路及び第2の継続口通路には、共通の通路入口と、該通路入口へ入球した遊技球を第1の継続口通路又は第2の継続口通路に振り分ける振分手段と、を設け、前記振分手段を一定の条件で振分作動せしめる構成とする。
前記振分手段を一定の条件で動作するとは、遊技機の電源を投入してから常に、所定時間毎に第1の継続口通路又は第2の継続口通路に振り分けられるようにしてもよいし、一方の継続口通路に1球振り分けたら、次は他方の継続口通路へと交互に振り分けるようにしてもよし、抽出した乱数値(抽選)に応じて、何れに振り分けるか決定する構成にしてもよい。更に、ラウンド毎に振り分ける継続口通路が異なる構成にしてもよい。
【0013】
これによれば、第1の継続口通路又は第2の継続口通路へ向けて一定の条件で振り分けられるので、一方の通路に偏らずに振り分けすることも、偏った振り分けも可能になり、より遊技の趣向性を高めることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、
請求項3に記載の遊技機において、
前記第1の継続口通路及び第2の継続口通路には個別の通路入口を設け、前記大入賞口への入球条件に応じて、前記第1の継続口通路に連通する第1の継続口通路入口又は前記第2の継続口通路に連通する第2の継続口通路入口に遊技球が入球する構成とする。
前記大入賞口への入球条件とは、大入賞口への入口が複数あり、どの入口から入球したかや、大入賞口の開放からの経過時間に応じた入球等が望ましい。
【0015】
これによれば、大入賞口への入球の仕方によって、第1の継続口通路又は第2の継続口通路に入球するので、遊技者が狙って、好む継続口通路に入球させることが可能になり趣向性が増す。
【0016】
請求項6に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の弾球遊技機において、
前記継続口通路として、第1の継続口通路と第2の継続口通路とを設け、
前記第1の継続口通路と前記第2の継続口通路とのいずれか一方に、当該継続口通路を流下する遊技球を塞き止める塞き止め手段を設け、
該塞き止め手段は、少なくとも前記大入賞口の開放直後は遊技球を塞き止める状態をなし、前記大入賞口への所定数の遊技球の入球に応じて、塞き止めを解除する構成とする。
尚、前記所定数は遊技状態に応じて変更される構成でもよい。また前記塞き止め手段はできるだけ、前記継続口に近い位置に設ける構成が好適である。
【0017】
これによれば、一方の継続口通路には、塞き止め手段が設けられており、塞き止め手段は、大入賞口に所定数が入球するまで、継続口通路に入球している遊技球を塞き止めるので、継続口通路に入球した遊技球が継続口に入球するまでの時間が延長され、遊技者は慌てずに大入賞口に遊技球を入球させることができ、また遊技者は塞き止め手段が設けられた継続口通路に入球して欲しいと思いながら遊技することとなり、期待感とスリル感が高められる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を適用した第1の実施形態の弾球遊技機たるパチンコ機を説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造である。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けてある。なお、これら前枠11及び前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(
図2)が設けてある。
【0020】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する複数の枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知する複数のLED類が設けてある。
【0021】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0022】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び残高表示器173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0023】
図2に示すように、遊技盤2の盤面上には、盤面上を略円形に縁取るようにレール201,202が設けられ、両レール201,202により囲まれた遊技領域20が形成されている。両レール201,202は図中左側の一部が二重構造の発射口を形成しており、発射ハンドル14の操作で遊技球が両レール201,202に沿って発射され、前記遊技領域20内に入る。
尚、遊技領域20には図示しない風車や多数の遊技釘が植設されている。
【0024】
遊技領域20のほぼ中央には、大当り遊技で開閉する大入賞口6が設けられている。
図2及び
図3に示すように、大入賞口6は、その上部の左右両側にそれぞれ開閉可能に設けられた左右一対の羽根(役物)60,60の開放により上部の左右の入口から入球可能である。
各羽根60、60により開閉される大入賞口6の左右の入口にはそれぞれ、遊技球の入球を検出する大入賞口カウントSW(スイッチ)507,507が設置してある。これらカウントSW507は従来周知のもで、遊技球を挿通可能な開口部を備え、開口部を遊技球が通過すると電気的に検出信号を発する近接センサが用いられる。
【0025】
羽根60の開放時に大入賞口6内へ遊技球が入球すると、前記カウントSW507がこれを検出してカウントされる。そして、入球検出のカウントに応じて賞球が払い出される。
入球した遊技球は、一旦、上段の部屋600で受けられ、該部屋600の中央の取込口601より装置内へ取り込まれ、取込口61と連通する送出口602から中段のステージ603へ送られる。
【0026】
ステージ603にはその中央に、円形に開口して、遊技球をステージ下方に設けられた通路62へ流下させる通路入口621が形成されている。
また
図3(b)に示すように、通路入口621には、これを塞ぐように作動して通路入口621への入球を阻害する阻害部材63が設けられている。例えば、阻害部材63は薄い板部材で、前記送出口602の底面から進退可能に設けられ(図の矢印方向)、作動時に通路入口621を塞ぐように進出して入球を阻害するように構成される。
【0027】
ステージ603は通路入口621を設けた中央部から左右両側に向けて緩やかに傾斜し、ステージ603の左右両側壁面にはそれぞれ、通路入口621に入球しなかった遊技球を大入賞口6より排出するように遊技盤の裏面側へ取り込む排出口61、61が設けられている。
【0028】
前記通路62は、大入賞口6の内部下端の左側壁面に設けられた継続口65へ向けて遊技球を流下案内する通路で、以下、継続口通路62と言う。
継続口通路62は、通路入口621直下に継続口通路入球SW508が設けられ、これにより通路内への遊技球の入球を検出するように構成されている。尚、継続口通路62は、入球した遊技球の流下が視認できるように透明な合成樹脂からなる角型の筒状体で形成されている。
【0029】
継続口通路62は、前記ステージ603中央の通路入口621下部から一旦、左方向へ屈曲して遊技球を左へ流下せしめる緩やかな上段傾斜部と、その傾斜端部から折り返すように右方向へ屈曲して遊技球を右へ流下せしめる緩やかな中段傾斜部、及びその傾斜端部から折り返すように左方向へ屈曲して遊技球を左側の継続口65へ向けて流下せしめる緩やかな下段傾斜部とで蛇行状に設けられている。
このように蛇行状とした継続口通路62は、緩やかに傾斜する前記上段傾斜部、前記中段傾斜部及び前記下段傾斜部により通路を流下する遊技球の流下速度を遅く(減退)する速度減退部64が構成され、これにより大入賞口6への入球から継続口への入球までに一定以上の時間が掛かるように構成されている。
【0030】
また継続口通路62には、継続口65の直前位置で、前記下段傾斜部の底面部に、開口部とこれを開閉可能に塞ぐ蓋部材66が設けられ、蓋部材66の開放作動により前記開口部より遊技球を通路外へ排出可能である。例えば、蓋部材66は、薄い板部材で、前記下段傾斜部の底面部に沿って開口部を開いた状態と閉じた状態とに進退可能に設けられる。蓋部材66は開放状態で、前記開口部と連通するように大入賞口6の内部底面に設けられた排出口61から遊技球を遊技盤裏面側へ排出する。
【0031】
図2に戻って、このように構成された大入賞口6の外周下端部には、演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)の横長長方形状のLCDパネルが配設されている。
そして大入賞口6の中央直下位置には、第1始動口23が設けられている。第1始動口23は、常時、遊技球の入球が可能で、入球により第1特別図柄(以下、単に第1特図という)の抽選(当否判定)が実行される起因となる始動口である。
【0032】
一方、大入賞口6の右側には、常時、遊技球が通過可能に設けられた作動ゲート(作動口)22、普通電動役物にて開閉可能に設けられた第2始動口24が設置されている。
作動ゲート22は遊技球の通過により普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される起因となるゲートである。
第2特図始動口24は普通電動役物(普電役物)の開放時にのみ入球可能である。普電役物は、遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普図の抽選で当りとなると所定時間開放する。第2始動口24は入球により第2特別図柄(以下、単に第2特図という)の抽選(当否判定)が実行される起因となる始動口である。
【0033】
尚、遊技盤2の遊技領域20には、常時、入球が可能な複数の普通入賞口26が設けられ、また遊技領域20の中央下端部で盤面最下部にはアウト口203が設けられている。
更に遊技盤2の右下部にはレール201の外部の遊技領域20外に、第1特図が変動表示される第1特図表示装置27、第2特図が変動表示される第2特図表示装置28、普図が変動表示される普通図柄表示装置29、第1特図の保留記憶が表示される第1特図保留数表示装置271、第2特図の保留記憶が表示される第2特図保留数表示装置281、及び普図の保留記憶が表示される普図保留数表示装置291が配設されている。
【0034】
図4に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤20の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0035】
パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。
図4では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0036】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0037】
図5は本パチンコ機の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0038】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放SW501、内枠閉鎖SW502、第1特図始動口23への入球を検出する第1始動口SW503、第2特図始動口23Bへの入球を検出する第2始動口SW504、作動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、継続口65への入球を検出する継続口SW506、大入賞口6への入球を検出する前記大入賞口カウントSW507、前記継続口通路62への入球を検出する前記継続口通路入球SW508、各普通入賞口26への入球を検出する一般入賞口SW509、及び大入賞口6の各排出口61より大入賞口から外部へ排出された遊技球を検出する排出口SW510等の検出信号が入力される。
【0039】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41やサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して前記の第1特図表示装置27、第2特図表示装置28、普通図柄表示装置29、第1特図保留数表示装置271、第2特図保留数表示装置281、及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
【0040】
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板B532を介して、大入賞口ソレノイド511、普電役物ソレノイド512、阻害部材ソレノイド513及び蓋部材ソレノイド514が接続されている。そして大入賞口ソレノイド511を制御して大入賞口6の羽根60を開放作動せしめ、普電役物ソレノイド512を制御して第2特図始動口24の普電役物の開閉作動せしめる。また阻害部材ソレノイド513を制御して大入賞口6の継続口通路62の入口を開閉作動せしめ、蓋部材ソレノイド514を制御して継続口通路62から遊技球を排出可能な開口部を開閉作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
【0041】
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。更に、CRユニット端子板535を介してCRユニット60と電気的に接続され、精算表示装置173を介して球貸及び精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、CRユニット60とデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させ、CRユニット60に挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。
【0042】
発射制御装置44は、発射停止SW525、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW526等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW526の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号及び発射停止SW525の信号に基づいて発射モータ527を制御して遊技球を発射及び停止させる。
【0043】
サブ統合制御装置42には、音量調節SW、遊技ボタンやジョグダイヤルの操作を検出する遊技SW15などの操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や第1特図又は第2特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0044】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0045】
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、作動ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選を行い、普図表示装置29の図柄変動を開始する。前記抽選結果が当りであれば、表示装置29に当選結果を確定表示して前記普電役物を開放する。これにより第2始動口24への入球が可能となる。本実施形態では第2始動口24は常時入球が可能な構成ではないので、普図の当りにより入球可能としたが、第2始動口24が通常も入球が可能な構成の場合は普図の当りにより通常時よりも入球を容易とする。
一方、第1始動口23は常時入球が狙える。
【0046】
第1又は第2始動口23,24への入球があると、これらに起因して乱数が抽出され、該乱数の値に基づいて特図の当否判定を行う。また判定に伴い、第1特図表示装置27又は第2特図表示装置28と演出図柄表示装置21の図柄変動を開始する。特図の判定結果が大当りであれば、大当り図柄を決めて各表示装置21,27,28に大当り図柄を確定表示して大当り遊技(特別遊技)を実行する。尚、演出図柄表示装置21には大当り図柄に対応する擬似演出図柄が表示される。
【0047】
大当り遊技は、大入賞口6が開放してから大入賞口6への規定数の遊技球の入球又は大入賞口6の開放時間が最大開放時間に達することで閉鎖条件が成立して閉じるまでの作動を1ラウンドとして、1ラウンド中に継続口65へ入球することにより次のラウンドへ移行可能とされ、所定数のラウンド(例えば16ラウンド)に至るまで継続可能な基本構成を有する。
尚、大当り遊技終了後は、大当りとなる確率が高い確率変動(確変)遊技状態や、普図の図柄変動時間が短縮されるとともに普図の当選確率が高確率とされ、かつ普電役物の開放時間が延長される時短遊技状態に移行可能とされている。
【0048】
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図6は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0049】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、第1又は第2特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S102)、第1又は第2特図の大当り図柄決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S104)、第1又は第2特図のリーチに関するリーチ判定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S105)、第1又は第2特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
【0050】
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)及び各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
図7に示す「始動口入賞確認処理」は主制御装置40で実行されるサブルーチンであり、この処理では、第1、第2特図始動口23,24への入球(入賞)を確認し、入球時に抽出した各種乱数値を、第1特図、第2特図それぞれ個別に保留記憶する処理を行う。
【0051】
「始動口入賞確認処理」では、先ず第1、第2始動口SW503,504の検出信号に基づいて、第1、第2特図始動口23,24に入球があるかを確認する(S200)。入球があれば(S200:yes)、保留記憶数が既に上限数まで達しており満杯でないか否かを確認する(S201)。記憶可能な上限数は第1特図、第2特図各々4個である。保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の抽出乱数保留記憶処理において、前記入球に起因して複数の乱数値(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、保留記憶として記憶する。
続くS203の処理では、第1特図保留数表示装置271又は第2特図保留数表示装置281の点灯数を増加させると共に、サブ統合制御装置42に現在の保留記憶数を示す保留個数指定コマンドを送信する。
【0052】
図8乃至
図11は主制御装置40で実行される特図の「当否判定処理」のフローチャートを示す。この処理において第1特図の当否判定と第2特図の当否判定は個別に実行され、かつ第2特図の保留記憶があるときは第2特図の当否判定が優先して実行される。尚、第1特図と第2特図の当否判定はほぼ同じ処理であり、以下の説明では、必要があれば両者を区別するが、それ以外は第1特図及び第2特図を区別せずに単に「特図」とする。
図8に示すように「当否判定処理」は、大入賞口6を開放させるための特別電動役物が作動中か確認し、作動していなければ(S300:no)、特図が変動中か確認し、変動中でなければ(S301:no)、特図の確定図柄が表示されているか確認する(S302)。尚、特別電動役物が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
【0053】
S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、
図9に示すように、S310の処理において特図の保留記憶があるか確認する。保留記憶がなければ(S310:no)、「特別遊技処理」に移行する。保留記憶があれば(S310:yes)、記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0054】
次にS312の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が大当りとなる確率が高い前記確変遊技状態であるか確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S312:yes)、確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S313)。
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S314)。
【0055】
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置21に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
【0056】
変動パターンの決定後、S318で大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の開放パターンの設定を行う。また、該大当り設定処理では、開放パターンの設定の他にも、例えば演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、大入賞口250の開放態様、大当り遊技終了後の遊技状態等の設定がなされる。
【0057】
前記S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、演出図柄表示装置21に表示される特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する。続くハズレ設定処理(S320)では、遊技状態が確変遊技状態や前記時短遊技状態であれば、これらの継続期間をカウントする前記「確変カウンタ」及び「時短カウンタ」の減算処理等を行なう。
【0058】
S318又はS320の各設定処理の後、S321の処理では、特図表示装置27,28の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。
【0059】
前記
図8のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、
図10に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示処理(S331)において、特図表示装置27,28の特図の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ擬似図柄の変動表示及び演出表示を終了させるように図柄確定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。
【0060】
前記
図8のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、
図11のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、確定図柄表示終了の処理(S341)により特図表示装置27,28の特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する擬似図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0061】
続いて特図の図柄が大当りになる組合せであるか確認し(S342)、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグに「0」をセットする(S344)。次に、時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグに「0」をセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
【0062】
続くS347の処理では条件装置の作動を開始させる。更にS348の処理では役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
そして大当り開始演出処理(S349)によりサブ統合制御装置42へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0063】
前記S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、S350の処理において確変フラグが「1」であるか確認し、確変フラグが「1」であれば(S350:yes)、前記「確変カウンタ」の減算結果(確変回数)が「0」あるか否かを確認する(S351)。「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S352)。
続く処理で時短フラグが「1」であるか確認し(S353)、時短フラグが「1」であれば(S353:yes)、前記「時短カウンタ」を減算結果(時短回数)が「0」あるか否かを確認する(S354)。「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
【0064】
このように「当否判定処理」では、主制御装置40からサブ統合制御装置42へ向けて複数のコマンドが送信される。前記S321の処理の変動開始コマンドにより演出図柄表示装置21の図柄変動が開始され、この場合、変動開始コマンドとともに変動パターン指定、特図の保留指定、更に少し間隔をおいて図柄指定(特図指定)及び機種情報指定等のコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。
【0065】
図柄変動中、前記S331の図柄確定コマンド(停止指定)により図柄変動が停止して特図が確定表示される。該確定表示中には、S356の状態指定コマンドにより遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等がサブ統合制御装置42へ送られる。尚、状態指定コマンドは特図の確定表示時に送信されれば良く、本当否判定処理では、実質的に確定表示の終了時にサブ統合制御装置42へ送信される。
【0066】
図12に示すように、「特別遊技処理1」は先ずS400の処理において役物連続作動装置が作動中か否か確認し、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理において大入賞口6が開放中か否か確認する。大入賞口6が開放中でなければ(S401:no)、S402の処理においてインターバル中か否か確認し、インターバル中でなければ(S402:no)、S403の処理において大当り終了演出中か否か確認する。大当り終了演出中でなければ(S403:no)、S404の処理において大当り開始演出時間が経過したか否か確認し、大当り開始演出時間が経過していれば(S404:yes)、S405の大入賞口開放処理で大入賞口6を開放し、S406の処理において大入賞口6内の継続口通路62の通路入口621を塞ぐ(継続口通路62への入球を阻害する)前記阻害部材63を開放し、続くS407の処理において継続口65への入球を有効とする有効期間の設定を行い、リターンする。
【0067】
前記S401の処理で大入賞口6が開放中であれば(S401:yes)、
図13に示すように、S410の処理において、前記阻害部材63が開放作動中であるか否かを確認する。開放作動中であれば(S410:yes)、S411の処理において継続口通路入球SW508の検知の有無により継続口通路62に遊技球が入球したか否かを確認し、通路62への入球があれば(S411:yes)、S412の処理で阻害部材63を閉鎖する。
【0068】
続いて大入賞口6に規定数(例えば9個)の入賞があったか否かの確認(S413)、又は大入賞口6の開放時間(例えば28秒間)が終了したか否かを確認(S414)して、いずれか確認できれば(S413又はS414:yes)、S415の処理において継続口通路62の下端に設けられた蓋部材66を開放する。これにより継続口通路62内の遊技球は排出口61へ取り込まれ継続口65へ入球することがない。続くS416の処理において継続口65の有効期間を終了する。その後、大入賞口6を閉鎖する(S417)。続いて
図14に示すS432の処理に移行して、この処理において大当り終了演出の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
【0069】
前記規定入賞数の入賞(S413)、及び大入賞口6の開放時間終了(S414)の確認がいずれもできなければ(S413及びS414:no)、S418の処理において継続口65への入球があるか否かを確認する。入球があれば(S418:yes)、S419の処理で継続口65の有効期間を終了し、S420の処理において大入賞口6を閉鎖するとともに、S421の処理において大当りインターバル処理を実行して、リターンする。大当りインターバル処理では、サブ統合制御装置42へ大当りのインターバル演出を開始させるようにコマンドを送信する。
【0070】
前記S402の処理でインターバル中であれば(S402:yes)、
図14に示すように、S430の処理において大当りインターバル時間が経過したか確認し、経過していれば(S430:yes)、S431の処理において大当り遊技のラウンド数が最終ラウンドであるかどうか確認する。最終ラウンドであれば(S431:yes)、S432の処理において大当り終了演出の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
【0071】
一方、最終ラウンドでなければ(S431:no)、S433の処理において大入賞口6の開放し、S434の処理において前記阻害部材63を開放し、続くS435の処理において継続口65への入球を有効とする有効期間の設定を行い、リターンする。
【0072】
前記S403の処理で大当り終了演出中であれば(S403:yes)、
図15に示すように、S440の処理において大当り終了演出時間の終了時間が経過したか否かを確認し、終了時間が経過していれば(S440:yes)、S441において役物連続作動装置の作動を停止する処理を実行し、続くS442において条件装置の作動を停止する処理を実行する。
【0073】
続く、S443の処理において、前記S318の設定処理で大当り遊技終了後に確変遊技状態に移行する設定がなされた否かを確認し、確変遊技へ移行する場合(S443:yes)、S444の処理において確変遊技移行の設定を行うとともに確変回数を設定する。続くS445の処理において確変フラグに「1」をセットする。
続いてS446の処理において、前記S318の設定処理で大当り遊技終了後に開放延長遊技状態に移行する設定がなされた否かを確認し、開放延長遊技へ移行する場合(S446:yes)は、S447の処理において開放延長遊技移行の設定を行うとともに開放延長回数を設定する。続くS448の処理において開放延長フラグに「1」をセットする。
【0074】
その後、S449の処理においてサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ大当り遊技終了のコマンドを送信するとともに、状態指定コマンドとして前記確変遊技状態、開放延長遊技状態へ移行するか否かの情報を送信し、その後にリターンする。
【0075】
本パチンコ機1は、大当り遊技が開始され、大入賞口6が開放されると、大入賞口6内の阻害部材63も開放されて、継続口通路62への入球が可能とされる。大入賞口6への入球は、羽根60により開閉される大入賞口6の左右の入口の大入賞口カウントSW507により検出され、これに応じて賞球が払い出される。
継続口通路62への入球があると阻害部材63が閉鎖される。そして継続口65へ入球すると、直ちに大入賞口6を閉鎖して、次のラウンドに移行して大当り遊技を継続する。
【0076】
継続口通路62は緩やかな傾斜をなす蛇行形状とした前記速度減退部64により通路62を流下する遊技球の流下速度を遅くするとともに流下距離を長くしたので、遊技球が大入賞口6への入球から継続口65へ至るまでに一定以上の時間が掛かる。この間に大入賞口6へ入球させることで多くの賞球が獲得できる。
【0077】
一方、継続口65への入球が無いまま、大入賞口6への入球数が前記規定数に達する、又は大入賞口6の開放時間が終了するといった閉鎖条件が成立すると大入賞口6を閉鎖して、最終ラウンドでなくても大当り遊技が終了する。
この場合、継続口通路62内の遊技球は、通路62下端部に設けられた前記開口部の蓋部材66が開いて通路62外へ排出される。大入賞口6が閉鎖された後に継続口65へ入球させずにすむ。もし、大入賞口6が閉鎖された後に、継続口65への入球があると、次にラウンド移行しないので遊技者に違和感を与えるおそれがあるが、この場合の継続口65へ入球させないことで違和感を与えずにすむ。
尚、開放された蓋部材66を閉鎖するには、例えば、前記「特別遊技処理1」のS407の継続口65の有効期間設定処理にて閉じるようにすることが望ましい。
【0078】
このように本パチンコ機1によれば、継続口65に遊技球が入球してしまうと規定数の遊技球が入球する前に大入賞口6が閉鎖されるので、遊技者は継続口65への入球までに多くの遊技球を大入賞口6に入れようとする。一方、早くに大入賞口6へ多くの遊技球が入球してしまうと継続口65への入球前に規定数に達してしまい、次のラウンドに移行せずに大当り遊技が終了するおそれがある。従って、遊技者は、遊技球が継続口65へ到達するまでの時間を予測しながら、大入賞口6に遊技球を入球させる必要があり、大当り遊技中に遊技球の動きで遊技者の大当り遊技継続への期待感とスリル感とを高めることができる。よって、継続口65を活用した興趣の豊かな遊技を実現できる。
【0079】
次に、本発明を適用した第2の実施形態のパチンコ機を説明する。本パチンコ機は、前記第1の実施形態のパチンコ機とほぼ同一の基本構造とし、
図16に示す大入賞口6Aを備えた構成である。
大入賞口6Aは、第1の実施形態と同様に、通路入口621より継続口通路62へ遊技球を送るようになし、通路入口621には、これを塞ぐように作動して通路入口621への入球を阻害する図略の阻害部材(63)が設けられている。そして、継続口65への継続口通路62の中間に流下速度を減退する目的で漏斗状の速度減退部64Aを有する。
【0080】
前記速度減退部64Aは浅い円盤状の漏斗部641が設けられている。そして漏斗部641はその外周の一端が継続口通路62の上半部と連結されており、継続口通路62の上半部から流下した遊技球を漏斗部641で受けるように構成されている。そして遊技球は漏斗部641においてその外周に沿うように円運動し、次第に勢い(速度)が減退し、漏斗部641中央の開口642より継続口通路62の下半部に送られる。尚、該通路の下半部には、第1の実施形態と同様に、開口部とこれを開閉可能に塞ぐ蓋部材66が設けられている。
このように速度減退部64Aは、継続口通路62を流下する遊技球の流下速度を遅くして、遊技球が大入賞口6への入球から継続口65へ至るまでの時間を稼ぐことができる。従って、本実施形態の大入賞口6Aを備えた本パチンコ機は、前記第1の実施形態のパチンコ機と同様の作用効果を奏する。
【0081】
次に、本発明を適用した第3の実施形態のパチンコ機を説明する。本パチンコ機は、前記第1の実施形態のパチンコ機とほぼ同一の基本構造とし、
図17に示す大入賞口6Bを備えた構成である。
大入賞口6Bは、遊技球を継続口65へ案内する継続口通路として、前記ステージ603中央の通路入口621下部から二股に分岐された第1の継続口通路62Aと第2の継続口通路62Bとを備える。尚、第1の実施形態と同様に、通路入口621には、これを塞ぐように作動して通路入口621への入球を阻害する図略の阻害部材(63)が設けられている
【0082】
第1の継続口通路62Aは、前記分岐から一旦、右下方へ遊技球を左へ流下せしめる上段部と、その端部からほぼ垂直下方へ遊技球を流下せしめる中段部、及びその下端部から左方向へ屈曲して遊技球を左側の継続口65へ向けて流下せしめる緩やかな下段傾斜部とが一連に設けられている。尚、下段傾斜部は遊技球の流下速度を遅くする減退手段をなす。
【0083】
第2の継続口通路62Bは、前記分岐から一旦、左方向へ屈曲して遊技球を左へ流下せしめる緩やかな上段傾斜部と、その傾斜端部から折り返すように右方向へ屈曲して遊技球を右へ流下せしめる緩やかな中段傾斜部(流下する遊技球の流下速度を遅くする減退手段をなす)とを備え、その傾斜端部が、前記第1の継続口通路62Aの中段部に連結され、両通路共通の前記下段傾斜部により遊技球を左側の継続口65へ向けて流下せしめる構成である。尚、第1の実施形態と同様に、両通路共通の下段傾斜部には、開口部とこれを開閉可能に塞ぐ蓋部材66が設けられている。
【0084】
このように構成された第1の継続口通路62Aと第2の継続口通路62Bとでは、第1の継続口通路62Aに比べて、第2の継続口通路62Bの距離が長いので、第1の継続口通路62Aを流下した遊技球よりも第2の継続口通路62Bを流下した遊技球のほうが、前記継続口65への到達時間が長くなる。
【0085】
また、第1の継続口通路62A及び第2の継続口通路62Bの前記分岐には、遊技球を第1の継続口通路62A又は第2の継続口通路62Bのいずれかに振り分け振分部材67が設けられている。
図18は本実施形態の電気ブロック図を示す。主制御装置40は、遊技盤中継端子板B532を介して、大入賞口ソレノイド511、普電役物ソレノイド512、阻害部材ソレノイド513、蓋部材ソレノイド514の他に振分部材ソレノイド515が接続されている。そして振分部材ソレノイド515を制御して、遊技球を第1の継続口通路62A又は第2の継続口通路62Bのいずれかに振り分ける。
前記振分部材67は、例えば、パチンコ機に電源が投入されてから常に、所定時間毎に第1の継続口通路62A又は第2の継続口通路62Bに振り分けられるようにしてもよいし、一球ごとに交互に振り分ける、即ち、一方の継続口通路に1球振り分けたら、次は他方の継続口通路へと交互に振り分けるようにしてもよし、抽出した乱数値に応じて、何れに振り分けるか決定する構成にしてもよい。更に、ラウンド毎に振り分ける継続口通路が異なる構成にしてもよい。
【0086】
本実施形態によれば、前記第1の実施形態と同様に、遊技球が継続口65へ到達するまでの時間を予測しながら、大入賞口6Bに遊技球を入球させる必要があり、大当り遊技中に遊技球の動きで遊技者の大当り遊技継続への期待感とスリル感とを高め、興趣の豊かな遊技を実現する効果を奏する上、第1又は第2のいずれの継続口通路を流下するかの違いにより継続口に到達する時間が異なるので、流下する通路に応じて、遊技球の発射の仕方を変えることになり遊技の趣向性を高めることができる。
更に振分部材67により、第1の継続口通路62A又は第2の継続口通路62Bへの振り分けを、意図的に偏らずに振り分けることも、偏った振り分けも可能になり、より遊技の趣向性を高めることができる。
尚、本実施形態において、必ずしも振分部材67を設ける必要はなく、遊技球がいずれかの通路へ自然に振り分けられる構成でもよい。
【0087】
更に、第4の実施形態として、大入賞口の左側を狙う左打ちと、大入賞口の右側を狙う右打ちとの打ち分けにより、第1の継続口通路への入球又は第2の継続口通路への入球を狙えるようにしてもよい。
図19に示すように、本実施形態の大入賞口6Cは、左右の羽根60,60の開放時に入球した遊技球を受ける上段の部屋600を、その中央に仕切壁を設けて左右に分割し、左側から入球した遊技球を左側の部屋で、右側から入球した遊技球を右側の部屋で受ける。左右の各部屋の奥壁にそれぞれ取込み口601が設けられ、これらより中段のステージ603へ遊技球を送る。
【0088】
中段のステージ603も上段の部屋600と同様に、中央の仕切壁により左右に分割されている。左右の各ステージ部にはそれぞれ前記左右の各取込み口601と連通する左右一対の送出口602が設けられ、これらにより、上段の部屋600の左側の部屋へ入球した遊技球はステージ603の左の部位へ、上段の部屋600の右側の部屋へ入球した遊技球はステージ603の右の部位へそれぞれ移動するように構成されている。
【0089】
ステージ603の右の部位には中央に、第1の通路入口621が設けられ、これに連通する第1の継続口通路62Aへ遊技球を送り出すことが可能である。
第1の継続口通路62Aは、第1の通路入口621からほぼ垂直下方へ遊技球を流下せしめる上段部、及びその下端部から左方向へ屈曲して遊技球を左側の継続口65へ向けて流下せしめる緩やかな下段傾斜部(流下する遊技球の流下速度を遅くする減退手段をなす)とが一連に設けられている。
【0090】
ステージ603の左の部位には中央に、第2の通路入口622が設けられ、これに連通する第2の継続口通路62Bへ遊技球を送り出すことが可能である。
第2の継続口通路62Bは、第2の通路入口622から若干、左方向へ屈曲して遊技球を左へ流下せしめる上段傾斜部と、その左端部から折り返すように右方向へ屈曲して遊技球を右へ流下せしめる緩やかな中段傾斜部(流下する遊技球の流下速度を遅くする減退手段をなす)とを備え、その傾斜端部が、前記第1の継続口通路62Aに連結され、両通路共通の前記下段傾斜部により遊技球を左側の継続口65へ向けて流下せしめる構成である。尚、第1の実施形態と同様に、両通路共通の下段傾斜部には、開口部とこれを開閉可能に塞ぐ蓋部材66が設けられている。
【0091】
このように構成された第1の継続口通路62Aと第2の継続口通路62Bとでは、第1の継続口通路62Aに比べて、第2の継続口通路62Bの距離が長いので、第1の継続口通路62Aを流下した遊技球よりも第2の継続口通路62Bを流下した遊技球のほうが、前記継続口65への到達時間が長くなる。
【0092】
第1の通路入口621及び第2の通路入口622にはそれぞれ、第1の実施形態と同様に、各通路入口621,622を塞ぐように作動して入球を阻害する図略の阻害部材(63)が設けられている。両阻害部材(63)は、通路入口621から第1の継続口通路62Aへ遊技球が侵入、又は通路入口622から第2の継続口通路62Bへ遊技球が侵入して、各通路入口の継続口通路入球SW508が遊技球を検出することで作動して第1の通路入口621及び第2の通路入口622を閉じる。即ち、1つの遊技球が第1の継続口通路62A又は通路入口622へ侵入することにより、第1の通路入口621及び第2の通路入口622のいずれも閉じられる。
【0093】
本実施形態によれば、前記第3の実施形態と同様の作用効果が得られる上、左打ちと右打ちとのいずれかへ打ち分け、大入賞6C口への入球の仕方によって、第1の継続口通路62A又は第2の継続口通路62Bに入球させることができるので、遊技者が狙って、好む継続口通路に入球することが可能になり、より遊技の趣向性を高めることができる。
【0094】
次に、本発明を適用した第5の実施形態のパチンコ機を説明する。本パチンコ機は、前記第3の実施形態のパチンコ機とほぼ同一の基本構造とし、
図20に示す大入賞口6Dを備えた構成である。
大入賞口6Dは、遊技球を継続口65へ案内する継続口通路として、前記ステージ603中央の通路入口621下部から二股に分岐された第1の継続口通路62Aと第2の継続口通路62Bとを備える。また第1の継続口通路62A及び第2の継続口通路62Bの前記分岐には、遊技球を第1の継続口通路62A又は第2の継続口通路62Bのいずれかに振り分ける振分部材67が設けられている。尚、第3の実施形態と同様に、通路入口621には、これを塞ぐように作動して通路入口621への入球を阻害する図略の阻害部材(63)が設けられている
【0095】
第1の継続口通路62Aは、前記分岐から一旦、右下方へ遊技球を流下せしめる上段部と、その端部からほぼ垂直下方へ遊技球を流下せしめる中段部、及びその下端部から若干右方向へ屈曲して遊技球を大入賞口6D内の下端右側部に設けられた継続口65へ向けて流下せしめる下段傾斜部とが一連に設けられている。
【0096】
第2の継続口通路62Bは、前記分岐から一旦、左方向へ屈曲して遊技球を左へ流下せしめる緩やかな上段傾斜部と、その傾斜端部から折り返すように右方向へ屈曲して遊技球を右へ流下せしめる緩やかな中段傾斜部(流下する遊技球の流下速度を遅くする減退手段をなす)とを備え、その傾斜端部が、前記第1の継続口通路62Aの中段部に連結され、両通路共通の前記下段傾斜部により遊技球を右側の継続口65へ向けて流下せしめる構成である。尚、前記第3の実施形態と同様に、両通路共通の下段傾斜部には、開口部とこれを開閉可能に塞ぐ蓋部材66が設けられている。
【0097】
第2の継続口通路62Bには、前記中段傾斜部に通路内へ進退可能とされ、通路内に突出して第2の継続口通路62Bを流下する遊技球を塞き止める塞き止め状態と、通路外へ退出して遊技球の塞き止めを解除する非塞き止め状態とに切り替え可能な塞き止め部材68が設けられている。塞き止め部材68は流下する遊技球の流下速度を遅くする減退手段をなす。
【0098】
図21は本実施形態の電気ブロック図を示す。主制御装置40には、遊技盤中継端子板B532を介して、大入賞口ソレノイド511、普電役物ソレノイド512、阻害部材ソレノイド513、蓋部材ソレノイド514、振分部材ソレノイド515の他に塞き止めソレノイド516が接続されている。そして塞き止めソレノイド516を制御して、塞き止め部材68を塞き止め状態と非塞き止め状態とに切替える。
【0099】
塞き止め部材68の塞き止め及び塞き止め解除の制御は、
図22に示す「特別遊技処理2」で処理される。この処理では、S455の処理において大入賞口6Dが開放され、続くS456の処理において阻害部材63が開放されると、S457の処理において塞き止め部材68が塞き止め状態とされる。
そしてS451の処理において大入賞口6Dの開放中であれば(S451:yes)、
図23に示すように、S463の処理において塞き止め部材68が塞き止め状態であるか否かを確認し、塞き止め状態であれば(S463:yes)、S464の処理において大入賞口6Dに予め設定された所定の数の遊技球(例えば7個)が入球しているか否かを確認し、入球していれば(S464:yes)、S465の処理において塞き止め部材68が非塞き止め状態に切替えられ塞き止めが解除される。
【0100】
本実施形態によれば、前記第3の実施形態と同様の作用効果が得られる上、次の効果を奏する。即ち、大入賞口6Dの開放開始時に塞き止め部材68が塞き止め状態に作動するので、振分部材67の振り分けにより遊技球が第2の継続口通路62Bへ入球すると遊技球は塞き止められる。前記第2の継続口通路62Bへ入球により阻害部材63が作動して通路入口621を塞ぐので、以後に第1の継続口通路62Aへの入球はない。
塞き止め部材68は、大入賞口6Dに所定数の遊技球が入球するまで、第2の継続口通路62Bの遊技球を塞き止めた状態に保持するので、この遊技球が継続口65に入球するまでの時間が長くなる。従って遊技者は、あわてずに大入賞口6Dに多くの遊技球を入球させて多くの賞球を獲得することができる。
一方、第1の継続口通路62Aへ入球すると、該遊技球は短時間で継続口65へ入球することとなり、短時間で1ラウンドが消化されるので、多くの賞球が得られない。よって遊技者は、塞き止め部材68が設けられた第2の継続口通路62Bへ入球して欲しいと思いながら遊技することができる。
尚、振分部材67は、前記第3の実施形態と同様に、例えば、パチンコ機に電源が投入されてから常に、所定時間毎に第1の継続口通路62A又は第2の継続口通路62Bに振り分けられるようにしてもよいし、一球ごとに交互に振り分ける、即ち、一方の継続口通路に1球振り分けたら、次は他方の継続口通路へと交互に振り分けるようにしてもよし、抽出した乱数値に応じて、何れに振り分けるか決定する構成にしてもよい。更に、ラウンド毎に振り分ける継続口通路が異なる構成にしてもよい。
また本実施形態において、必ずしも振分部材67を設ける必要はなく、遊技球がいずれかの通路へ自然に振り分けられる構成でもよい。
【0101】
尚、本発明は前記各実施形態に限定されるものではない。例えば、前記各実施形態では、始動口への入球に起因して抽出された乱数に基づいて当否判定を行い、判定結果が大当りであれば大当り遊技に移行する構成であるが、これに限らず、大入賞口の内部に特定領域を設け、始動口への入球に応じて大入賞口を短時間開放して前記特定領域に入球することで大当り遊技を開始するようにしてもよい。
また大入賞口として、継続口を備えた大入賞口と、継続口のない大入賞口の2種類を設け、大当り図柄に応じて、継続口を備えた大入賞口を用いる大当り遊技、即ち継続口へ入球させることで継続する大当り遊技と、継続口のない大入賞口を用いる大当り遊技、即ち自動的に継続する大当り遊技とを実施するようにしてもよい。また、大当り遊技の所定のラウンドでは、継続口を備えた大入賞口を開放して大当り遊技の継続には継続口への入球を必要とする構成とし、他のラウンドでは継続口のない大入賞口を開放して自動的に大当り遊技が継続される構成としてもよい。
【0102】
更にまた、本発明は、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。