特許第6458233号(P6458233)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6458233
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20190121BHJP
【FI】
   A63F7/02 315A
   A63F7/02 312Z
   A63F7/02 320
【請求項の数】6
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2014-156500(P2014-156500)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-32553(P2016-32553A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2017年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬
(72)【発明者】
【氏名】海野 達也
【審査官】 小河 俊弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−041757(JP,A)
【文献】 特開2014−073214(JP,A)
【文献】 特開2013−172868(JP,A)
【文献】 特開2004−141551(JP,A)
【文献】 特開2014−076257(JP,A)
【文献】 特開2014−000273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への入球に起因して当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が当選であると、所定回数のラウンドに応じて大入賞装置を開放する大当り遊技を実行させる大当り遊技制御手段と、
前記大入賞装置に入球した遊技球が入球することにより大当り遊技終了後に前記当否判定の当選確率を上昇させる特典遊技を付与する特典領域と、
該特典領域への入球が可能な状態と不可能な状態に切り替える切替手段と、
遊技の結果を示唆する演出表示を実行する演出図柄表示装置と、
前記演出図柄表示装置を制御する演出図柄制御手段と、を備えた遊技機において、
前記大当り遊技制御手段は、前記大入賞装置を入球が容易な時間で開放せしめ、かつ前記切替手段を前記特典領域への入球が可能な状態に作動せしめる特定ラウンドと、該特定ラウンドより前に、前記大入賞装置を入球が困難な時間で開放せしめるラウンド、及び前記大入賞装置を入球が容易な時間で開放せしめるラウンドと、を実行するようになし、大当り遊技の開始からの大入賞装置の開放回数が所定の第1開放回数目の開放を前記特定ラウンドとする第1大当り態様、
又は、前記大入賞装置を入球が容易な時間で開放せしめ、かつ前記切替手段を前記特典領域への入球が可能な状態に可動せしめる前記特定ラウンドと、該特定ラウンドよりも前に、少なくとも、前記大入賞装置の入球が困難な時間での開放及び前記大入賞装置の入球が容易な時間での開放が組合わされたラウンドと、を実行するようになし、大当り遊技の開始からの大入賞装置の開放回数が前記第1開放回数目よりも多い所定の第2開放回数目の開放を前記特定ラウンドとする第2大当り態様と、を実行可能となし、
前記演出図柄制御手段は、前記演出図柄表示装置において、前記第1大当り態様における前記特定ラウンド中、及び前記第2大当り態様における前記第1開放回数目のラウンド中に、前記切替手段が入球可能な状態に切り替わることへの期待感を持たせる第1特別演出を実行させるとともに、
前記切替手段は、前記第1大当り態様における前記特定ラウンドでの前記第1特別演出の実行中又は実行後に、前記特典領域を入球が可能な状態に開放せしめることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記大当り遊技制御手段は、前記切替手段を前記特典領域への入球が可能な状態に作動せしめつつ、前記大入賞装置を入球が困難な時間で開放せしめる特定ラウンドと、該特定ラウンドより前に、少なくとも、前記大入賞装置の入球が困難な時間での開放及び前記大入賞装置の入球が容易な時間での開放が組合わされたラウンドと、を実行するようになし、大当り遊技の開始からの大入賞装置の開放回数が前記第2開放回数目の開放を前記特定ラウンドとする第3大当り態様を実施可能となし、
前記演出図柄制御手段は、前記演出図柄表示装置において、前記第3大当り態様における前記第1開放回数目のラウンド中に、前記第1特別演出を実行させることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機において、
前記演出図柄制御手段は、前記第2大当り態様又は前記第3大当り態様の前記第1開放回数目のラウンドにおける前記第1特別演出の実行後に、次のラウンドにおける前記切替手段が入球可能な状態に切り替わることへの期待感を持たせる第2特別演出を実行させることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記大入賞装置は、入球した遊技球を流通せしめる第1ルート及び第2ルートと、いずれか一方のルートへ遊技球を振り分け案内する振分手段と、を備え、
かつ前記第1ルートに、前記特典領域及び前記切替手段が設けられ、
前記振分手段は、前記特定ラウンドで遊技球を前記第1ルートへ振分けるようになし、かつ前記特定ラウンド以外のラウンドでは所定の遊技条件に応じて前記第1ルート又は前記第2ルートのいずれか一方へ遊技球を振分けるようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機において、
少なくとも、前記大入賞装置に入球した遊技球が前記特典領域へ入球するまでの流通経路の前面側にハーフミラー部を設け、前記大入賞装置の内部に設置された発光部を点灯しているときにのみ、前記大入賞装置の内部を視認可能となし、
前記大入賞装置は、前記特定ラウンドで前記発光部が点灯するようになし、かつ前記特定ラウンド以外のラウンドでは所定の遊技条件に応じて前記発光部を点灯又は消灯させる制御を行うようにしたことを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記特定ラウンド以外のラウンドでは前記特典領域への入球を無効とする特典無効手段を備えたことを特徴とする遊技機。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大当り遊技中に遊技球が特典領域へ入球することにより、次回の大当り遊技への移行に有利な特典遊技状態とすることが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機たるパチンコ機は、遊技球が始動口へ入球すると、これに起因して複数種類の乱数が抽出され、乱数値に基づいて大当りとなるか否かの当否判定を行ない、判定結果が大当りであれば大入賞口を開放して賞球の獲得に有利な大当り遊技状態に移行するものが主流である。
【0003】
近年、大入賞口の内部に特典領域を設け、大当り遊技中に遊技球が特典領域に入球することにより大当り遊技の終了後に、大当りとなるか否かの当否判定の当選確率を高確率とする確変など、次回の大当り遊技への移行に有利な特典遊技を付与するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
この種のパチンコ機では、通常の大入賞口と、特典領域を備えた大入賞口の2種類を有し、予め設定された大当り遊技の特定ラウンドでのみ特典領域を備えた大入賞口を開放するものが大半を占めるが、この他に、大入賞口として特典領域を備えたもののみとして、予め設定された特定のラウンドでのみ、特典領域への入球が可能なように遊技球を大入賞口内で振り分けられるようにした構成のものがある。このように大入賞口を減らすことで、その分、遊技領域を広く使えるといったと利点が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−245173号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来構造では、大入賞口を単一としても、大入賞口が複数の構成と比べて遊技性の面ではなんら変わりはなく、いずれのパチンコ機も所定のラウンドで特典領域への入球を可能に構成しているだけで、大入賞口を単一の構成とした利点が十分に活用されているとは言えなかった。
そこで本発明は前記事情に鑑み、大入賞口を単一の構成とした利点を十分に活用することができ、もって遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
始動口への入球に起因して当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が大当りであると、所定回数のラウンドに応じて大入賞装置を開放する大当り遊技を実行させる大当り遊技制御手段と、
前記大入賞装置内に設けられ遊技球が入球することにより大当り遊技終了後に前記当否判定の当選確率を上昇させる特典遊技を付与する特典領域と、
該特典領域への入球が可能な状態と不可能な状態に切り替える切替手段と、
遊技の結果を示唆する演出表示を実行する演出図柄表示装置と、
前記演出図柄表示装置を制御する演出図柄制御手段と、を備えた遊技機において、
前記大当り遊技制御手段は、前記大入賞装置を入球が容易な時間で開放せしめ、かつ前記切替手段を前記特典領域への入球が可能な状態に作動せしめる特定ラウンドと、該特定ラウンドより前に、前記大入賞装置を入球が困難な時間で開放せしめるラウンド、及び前記大入賞装置を入球が容易な時間で開放せしめるラウンドを実行するようになし、大当り遊技の開始からの大入賞装置の開放回数が所定の第1開放回数目の開放を前記特定ラウンドとする第1大当り態様、
又は、前記大入賞装置を入球が容易な時間で開放せしめ、かつ前記切替手段を前記特典領域への入球が可能な状態に可動せしめる前記特定ラウンドと、該特定ラウンドよりも前に、少なくとも、前記大入賞装置の入球が困難な時間での開放及び前記大入賞装置の入球が容易な時間での開放が組合わされたラウンドと、を実行するようになし、大当り遊技の開始からの大入賞装置の開放回数が前記第1開放回数目よりも多い所定の第2開放回数目の開放を前記特定ラウンドとする第2大当り態様と、を実行可能となし、
前記演出図柄制御手段は、前記演出図柄表示装置において、前記第1大当り態様における前記特定ラウンド中、及び前記第2大当り態様における前記第1開放回数目のラウンド中に、前記切替手段が入球可能な状態に切り替わることへの期待感を持たせる第1特別演出を実行させるとともに、
前記切替手段は、前記第1大当り態様における前記特定ラウンドでの前記第1特別演出の実行中又は実行後に、前記特典領域を入球が可能な状態に開放せしめる構成とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、大入賞口を単一とした利点を生かし、特定ラウンド以外であっても大入賞口の開放態様及び演出表示により恰も特定ラウンドであるかのごとく見せかけることができ、切替部材が作動するまで、特典領域への入球により特典遊技が付与されるか否かといった遊技者の期待感を高めることが可能となる。特に大入賞口を単一とした故に遊技球が困難な大入賞装置の短時間開放を開放態様に交えることで何時が特定ラウンドであるかの判断が困難であり、遊技者は特定ラウンドが何時であるか不明であることを楽しみながらの遊技が可能である。
尚、入球が容易な時間での開放は2秒以上での開放が望ましく、入球が困難な時間の開放とは1秒以下の開放が望ましい。
また特定ラウンドと特定ラウンド以外のラウンドでの入球が容易な開放時間は同一時間としてもよいし、異なる時間であってもよい。しかし、第1大当り態様と第2大当り態様とでは、特定ラウンドの入球が容易な開放時間どうし、特定ラウンド以外のラウンドでの入球が容易な開放時間どうし、入球が困難な開放時間どうしをそれぞれ同じに設定することが望ましい。これにより第1大当り態様であるか第2大当り態様であるかの判断が困難で、より特定ラウンドの判断が困難である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記大当り遊技制御手段は、前記切替手段を前記特典領域への入球が可能な状態に作動せしめつつ、前記大入賞装置を入球が困難な時間で開放せしめる特定ラウンドと、該特定ラウンドより前に、前記大入賞装置を入球が困難な時間で開放せしめるラウンド、及び前記大入賞装置を入球が容易な時間で開放せしめるラウンドと、を実行するようになし、大当り遊技の開始からの大入賞装置の開放回数が前記第2開放回数目の開放を前記特定ラウンドとする第3大当り態様を実施可能となし、
前記演出図柄制御手段は、前記演出図柄表示装置において、前記第3大当り態様における前記第1開放回数目のラウンド中に、前記第1特別演出を実行させる構成とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、第1特別演出の次のラウンドが特定ラウンド時、該特定ラウンドの開放時間が短時間であるか長時間であるかといったスリル感を楽しめる遊技性を発揮することができ、面白みを増すことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、
前記演出図柄制御手段は、前記第2大当り態様又は前記第3大当り態様の前記第1開放回数目のラウンドにおける前記第1特別演出の実行後に、次のラウンドにおける前記切替手段が入球可能な状態に切り替わることへの期待感を持たせる第2特別演出を実行させる構成とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、
第1特別演出が実行されたラウンドが特定ラウンドでなかったとしても、第2特別演出により遊技者の次のラウンドへの期待感を高めることができ、遊技の面白みを増すことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記大入賞装置は、入球した遊技球を流通せしめる第1ルート及び第2ルートと、いずれか一方のルートへ遊技球を振り分け案内する振分手段と、を備え、
かつ前記第1ルートに、前記特典領域及び前記切替手段が設けられ、
前記振分手段は、前記特定ラウンドで遊技球を前記第1ルートへ振分けるようになし、かつ前記特定ラウンド以外のラウンドでは所定の遊技条件に応じて前記第1ルート又は前記第2ルートのいずれか一方へ遊技球を振分けるようにする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、特定ラウンド時に遊技球を第1ルートへ振り分ける構成として、かつ特定ラウンド時以外にも遊技条件に応じて遊技球を第1ルートに振り分けることができるため、特定ラウンド以外のラウンドを恰も特定ラウンドに見せかけることができ、特定ラウンドに関する遊技者の期待感を高め、遊技の面白みを増すことができる。特に第1特別演出と組み合わせることが望ましく、これによればより遊技者の期待感を高めることができる。
【0014】
尚、前記振分手段の前記所定の遊技条件として、前記第2大当り態様における前記第1開放回数目のラウンド中、又は前記第3大当り態様における前記第1開放回数目のラウンド中に、遊技球を前記第1ルートへ振分けることが望ましい。
【0015】
これによれば、より効果的に特定ラウンド以外のラウンドを恰も特定ラウンドに見せかけることができ、遊技の面白みを増すことができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機において、
少なくとも、前記大入賞装置に入球した遊技球が前記特典領域へ入球するまでの流通経路の前面側にハーフミラー部を設け、前記大入賞装置の内部に設置された発光部を点灯しているときにのみ、前記大入賞装置の内部を視認可能となし、
前記大入賞装置は、前記特定ラウンドで前記発光部が点灯するようになし、かつ前記特定ラウンド以外のラウンドでは所定の遊技条件に応じて前記発光部を点灯又は消灯させる制御を行うように構成する。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、特定ラウンド時に大入賞口の内部を見せることで確変口への入球を確認できるようにし、特定ラウンド時以外でも大入賞口の内部を見せることができるようにしたので、特定ラウンド以外のラウンドを恰も特定ラウンドに見せかけることができ、特定ラウンドに関する遊技者の期待感を高め、遊技の面白みを増すことができる。特に第1特別演出と組み合わせることが望ましく、これによればより遊技者の期待感を高めることができる。
【0018】
尚、前記大入賞装置の前記所定の遊技条件として、前記第2大当り態様における前記第1開放回数目のラウンド中、又は前記第3大当り態様における前記第1開放回数目のラウンド中に、前記発光部を点灯することにより前記大入賞装置の内部を視認可能とすることが望ましい。
【0019】
これによれば、より効果的に特定ラウンド以外のラウンドを恰も特定ラウンドに見せかけることができ、遊技の面白みを増すことができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技機において、
前記特定ラウンド以外のラウンドでは前記特典領域への入球を無効とする特典無効手段を備えた構成とする。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、特定ラウンド時以外に特典入球口を無効にするため、特定ラウンド以外でも特典入球口に入れることができ、特定ラウンドに関する遊技者の期待感を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明を適用した第1の実施形態の遊技機の正面図である。
図2】前記遊技機の遊技盤の正面図である。
図3】前記遊技盤に設けられた大入賞装置の作動説明図である。
図4】前記遊技機の背面図である。
図5】前記遊技機の電気ブロック図である。
図6】前記遊技機の主制御装置で実行されるメインルーチンの制御内容を示すフローチャートである。
図7】前記主制御装置で実行される始動口入賞確認処理の制御内容を示すフローチャートである。
図8】前記主制御装置で実行される特別図柄の当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
図9】前記当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
図10】前記当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
図11】前記当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
図12】前記遊技機で用いられる特別図柄と大入賞装置の開放パターンに関する説明図である。
図13】前記大入賞装置の開放パターンを示す説明図である。
図14】前記主制御装置で実行される特別遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
図15】前記特別遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
図16】前記特別遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
図17】前記特別遊技処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
図18】前記大入賞装置の大入賞口、シャッター及び発光部の作動に関するタイミングチャートである。
図19】前記遊技機の演出図柄表示装置で実施される第1の演出表示態様を示す図である。
図20】前記演出図柄表示装置で実施される第2の演出表示態様を示す図である。
図21】前記大入賞装置の他の開放パターンを示す説明図である。
図22】本発明を適用した第2の実施形態の遊技機の遊技盤の正面図である。
図23】前記遊技盤に設けられた大入賞装置の作動説明図である。
図24】前記遊技機の電気ブロック図である。
図25】前記遊技機の主制御装置で実行される特別遊技処理の制御内容を示す第5のフローチャートである。
図26】前記特別遊技処理の制御内容を示す第6のフローチャートである。
図27】前記大入賞装置の大入賞口、シャッター及び振分装置の作動に関するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を適用した第1の実施形態の遊技機たるパチンコ機を説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けてある。なお、これら前枠11及び前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(図2)が設けてある。
【0024】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0025】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0026】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)60が隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び残高表示器173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0027】
図2は、本パチンコ機の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には図示しない多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が装着されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0028】
遊技領域20は、センターケース200により左右に分けられ、センターケース200の左右両側にはそれぞれ遊技球が流下可能な流下路が設けられている(矢印参照)。
遊技球をセンターケース200の左側の流下路へ流下させるには発射ハンドル14を操作して遊技球を弱めに発射する「左打ち」を行なう。これにより、センターケース200の左側面に設けられたワープ入口よりワープ樋を通して、センターケース200の中央直下位置に設けられた第1始動口23への入球を狙える。第1始動口23は、常時、遊技球の入球が可能で、入球により第1特別図柄(以下、単に第1特図という)の抽選(当否判定)が実行される。
【0029】
一方、遊技球をセンターケース200の右側の流下路へ流下させるには発射ハンドル14を操作して遊技球を強く発射する「右打ち」を行う。右側の流下路には、常時、遊技球が通過可能に設けられた作動ゲート(作動口)22、普通電動役物にて開閉可能に設けられた第2始動口24、及び大入賞装置25の大入賞口250が設置されている。
【0030】
作動ゲート22は遊技球の通過により普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される起因となるゲートである。
第2始動口24は普通電動役物(普電役物)の開放時にのみ入球可能である。普電役物は、遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普図の抽選で当りとなると所定時間開放する。第2始動口24は入球により第2特別図柄(以下、単に第2特図という)の抽選(当否判定)が実行される起因となる入球口である。
【0031】
大入賞口250は第1特図また第2特図の当否判定により大当り遊技に移行すると開閉可能となる入賞口である。大入賞口250は遊技盤内の通路により遊技領域20の中央下部に設けられた大入賞装置25と連結され、遊技球は大入賞口250から大入賞装置25へ送られる。また大入賞装置25の内部には、特典領域26、及び特典領域26への入球を可能な状態又は不可能な状態に切り替えるシャッター260が設けられている。
【0032】
図3(a)、(b)を用いて前記大入賞装置25の作動を説明する。大入賞口250から送られた遊技球は、装置上部に設けられた取入口251より装置内部へ取り込まれ、一旦、装置上部の棚状の受皿部252で受けられる。尚、取入口251にはこれより取り入れた遊技球を大入賞装置25への入球(入賞)と見做してカウントする後述の第1カウントSWを有する。尚、入球(入賞)のカウントは、大入賞口250でカウントしてもよい。
【0033】
前記受皿部252により受けられた遊技球は、装置中央に設けられた送出口253より流下する。該送出口253の直下位置には開閉可能な左右一対のシャッター260が設置してある。図3(a)に示すように、シャッター260が閉じた状態では、送出口253より送り出された遊技球をシャッター260によりこれらの左右両側へ案内し大入賞装置25外へ送出す。
【0034】
一方、図3(b)に示すように、左右のシャッター260が開くことにより、送出口253から送り出される遊技球を下方の特典領域26へ入球させることが可能となる。このようにシャッター260は、閉位置と開位置とに変位することにより遊技球を大入賞装置25外又は特典領域26へ振分ける。勿論、特典領域26へ入球した遊技球は領域内の特典領域SW507で検出され、かつ該検出により大入賞装置25から排出されたと見做される。
【0035】
前記図2に戻って、大入賞装置25は、その前面を覆う前枠11の板ガラス110に設けられたハーフミラー部HMにより通常は遊技者から見えないように遮蔽されており、大入賞装置25に設置された発光部を点灯して大入賞装置25自体を照明することにより遊技者から見ることができる構成とされている。
【0036】
尚、遊技盤2の遊技領域20には、通常、入球が可能な複数の普通入賞口27が設けられ、また遊技領域20の中央下端部で盤面最下部にはアウト口203が設けられている。
更に遊技盤2の右下部にはレール201の外部の遊技領域20外に、第1特図が変動表示される第1特図表示装置28A、第2特図が変動表示される第2特図表示装置28B、普図が変動表示される普通図柄表示装置29、第1特図の保留記憶が表示される第1特図保留数表示装置281、第2特図の保留記憶が表示される第2特図保留数表示装置282、及び普図の保留記憶が表示される普図保留数表示装置291が配設されている。
【0037】
図4に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤20の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0038】
パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。図3では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0039】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0040】
図5は本パチンコ機の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0041】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出する前面枠閉鎖SW(スイッチ)501、意匠枠閉鎖SW502、第1始動口23への入球を検出する第1特図始動SW503、第2始動口24への入球を検出する第2特図始動SW504、作動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、大入賞装置25への入球を検出するカウントSW506、特典領域26への入球を検出する特典領域SW507、及び普通入賞口27への入球を検出する一般入賞口SW508等の検出信号が入力される。
【0042】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して前記の第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、普通図柄表示装置29、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行なう。
【0043】
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、大入賞口ソレノイド510、シャッターソレノイド511及び普通電役ソレノイド512が接続されている。そして大入賞口ソレノイド510を制御して大入賞口250を開放作動せしめ、シャッターソレノイド511を制御して特典領域26を開放作動せしめる。また普電役物ソレノイド512を制御して第2始動口24の普電役物の開閉作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
【0044】
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。更に、CRユニット端子板535を介してCRユニット60と電気的に接続され、精算表示装置173を介して球貸及び精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、CRユニット60とデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させ、CRユニット60に挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。
【0045】
発射制御装置44は、発射ハンドルの回転操作を検出するスイッチ524、発射停止SW525、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW526等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW526の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14(524)の回動信号及び発射停止SW525の信号に基づいて発射モータ527を制御して遊技球を発射及び停止させる。
【0046】
サブ統合制御装置42には、音量調節SW、遊技ボタンやジョグダイヤルの操作を検出する遊技SW15などの操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113、又は大入賞装置25を照明する発光部529の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や第1特図又は第2特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0047】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0048】
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、作動ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選を行い、普図表示装置29の図柄変動を開始する。前記抽選結果が当りであれば、表示装置29に当選結果を確定表示して前記普電役物を開放する。これにより第2始動口24への入球が可能となる。本実施形態では第2始動口24は常時入球が可能な構成ではないので、普図の当りにより入球可能としたが、第2始動口24が通常も入球が可能な構成の場合は普図の当りにより通常時よりも入球を容易とする。
一方、第1始動口23は常時入球が狙える。
【0049】
第1又は第2始動口23,24への入球があると、これらに起因して乱数が抽出され、該乱数の値に基づいて特図の当否判定を行う。また判定に伴い、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bと演出図柄表示装置21の図柄変動を開始する。特図の判定結果が大当りであれば、大当り図柄を決めて各表示装置21,28A,28Bに大当り図柄を確定表示して大当り遊技(特別遊技)を実行する。尚、演出図柄表示装置21には大当り図柄に対応する擬似演出図柄が表示される。
【0050】
大当り遊技は、大入賞口250を開放し所定の時間又は入球数が所定数に達して閉じるまでの作動を1ラウンドとして、所定数のラウンド(例えば9ラウンド)を継続することを基本遊技としている。そして、予め設定された特定ラウンド(例えば、3ラウンド目)において大入賞装置25内のシャッター260を開放し、大入賞装置25の遊技球が特典領域26へ入球することにより、当該大当り遊技の終了後、遊技状態を大当りの当選確率が高確率とされる確変遊技状態へ移行される。
【0051】
ところで、大当り遊技では遊技者の興味は前記特定ラウンドに集中する。そこで本パチンコ機1は、大入賞口250の開放作動として、開放時間が短く入球が困難なラウンド、開放時間が長く入球が容易なラウンド、及び短時間の開放と長時間の開放とを組合わせたラウンドとを実行可能とし、特定ラウンドと見紛うラウンド(擬似特定ラウンド)を行い、何時が特定ラウンドであるかを遊技者に把握させ難くするとともに、特定ラウンドの前後に特典領域26への入球を促す等の演出を行ない、遊技の面白味を向上する構成である。
【0052】
また、本パチンコ機1は、確変遊技状態となると、普図の当選が高確率とされ、普電役物の平均開放時間が延長されるとともに普図や特図の変動時間が短縮される時短遊技も付与される構成である。よって本パチンコ機1は、通常遊技では「左打ち」を行い、第1始動口23を狙って大当りの獲得を目指す。そして大当り遊技に移行すると「右打ち」を行い、その後、確変遊技状に移行すると「右打ち」を続け、普図の作動ゲート22、第2始動口24を狙って更なる大当りの獲得を目指す。
尚、確変遊技は、後述の「確変カウンタ」により確変遊技状態に移行してからの特図の変動回数が予め決められた所定の回数に達するまで、又は大当りが生起するまで継続される。
同様に時短遊技は、後述の「時短カウンタ」により時短遊技状態に移行してからの特図の変動回数が予め決められた所定の回数に達するまで、又は大当りが生起するまで継続される。
【0053】
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図6は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0054】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S102)、特図の大当り図柄決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S104)、特図のリーチに関するリーチ判定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S105)、特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
【0055】
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)及び各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
図7に示す「始動口入賞確認処理」は主制御装置40で実行されるサブルーチンであり、この処理では、第1、第2始動口23,24への入球(入賞)を確認し、入球時に抽出した各種乱数値を、第1特図、第2特図それぞれ個別に保留記憶する処理を行う。
【0056】
「始動口入賞確認処理」では、先ず第1、第2始動口SW503,504の検出信号に基づいて、第1、第2始動口23,24に入球があるかを確認する(S200)。入球があれば(S200:yes)、保留記憶数が既に上限数まで達しており満杯でないか否かを確認する(S201)。記憶可能な上限数は第1特図、第2特図各々4個である。保留記憶が満杯でなければ(S201:yes)、S202の抽出乱数保留記憶処理において、前記入球に起因して複数の乱数値(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、保留記憶として記憶する。
続くS203の処理では、第1特図保留数表示装置281又は第2特図保留数表示装置282の点灯数を増加させると共に、サブ統合制御装置42に現在の保留記憶数を示す保留個数指定コマンドを送信する。
【0057】
図8乃至図11は主制御装置40で実行される特図の「当否判定処理」のフローチャートを示す。この処理において第1特図の当否判定と第2特図の当否判定は個別に実行され、かつ第2特図の保留記憶があるときは第2特図の当否判定が優先して実行される。尚、第1特図と第2特図の当否判定はほぼ同じ処理であり、以下の説明では、必要があれば両者を区別するが、それ以外は第1特図及び第2特図を区別せずに単に「特図」とする。
図8に示すように「当否判定処理」は、大入賞口250を開放させるための特別電動役物が作動中か確認し、作動していなければ(S300:no)、特図が変動中か確認し、変動中でなければ(S301:no)、特図の確定図柄が表示されているか確認する(S302)。尚、特別電動役物が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
【0058】
S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、図9に示すように、S310の処理において特図の保留記憶があるか確認する。保留記憶がなければ(S310:no)、「特別遊技処理」に移行する。保留記憶があれば(S310:yes)、記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0059】
次にS312の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が前記確変遊技状態であるか確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S312:yes)、確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S313)。
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S314)。
【0060】
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置21に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
【0061】
変動パターンの決定後、S318で大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の開放パターンの設定を行う。
図12に示すように、大当り図柄は「図柄1」乃至「図柄10」の10種類から一つの図柄が決定され、大当り図柄に応じ「開放パターン1」乃至「開放パターン3」の3種類から一つのパターンが決定される。
例えば、第1特図では、「図柄1〜3」の場合には「開放パターン1」とされ、「図柄4,5」の場合には「開放パターン2」とされ、「図柄6〜10」の場合には「開放パターン3」が決定される。
また第2特図では、「図柄1〜8」の場合には「開放パターン1」とされ、「図柄9」の場合には「開放パターン2」とされ、「図柄10」の場合には「開放パターン3」が決定される。
【0062】
各図柄の振分割合は一律に10%である。
各開放パターンの振分割合は、第1特図では、「図柄1〜3」の3つの図柄に対応する「開放パターン1」の割合が30%、「図柄4,5」の2つの図柄に対応する「開放パターン2」の割合が20%、「図柄6〜10」の5つの図柄に対応する「開放パターン3」の割合が50%であり、「開放パターン3」の振分割合が最も高い。
一方、第2特図では、「図柄1〜8」の8つの図柄に対応する「開放パターン1」の割合が80%、「図柄9」に対応する「開放パターン2」、及び「図柄10」に対応する「開放パターン3」の割合がそれぞれ10%であり、「開放パターン1」の振分割合が最も高い。
【0063】
次に図13により開放パターンについて説明する。各「開放パターン1,2,3」は16ラウンドまで大当り遊技を継続する構成で、3ラウンド目が特定ラウンドされている。
また大入賞口250の開放作動種類として、開放時間が極短時間(例えば0.8秒)の「入球が困難な開放」と、開放時間が長時間(例えば28秒)の「入球が容易な開放」とを有する。尚、大別して「入球が困難な開放」と「入球が容易な開放」との2種類としたが、「入球が困難な開放」として短時間ながらも開放時間の異なる複数種類の開放作動を設けてもよいし、「入球が容易な開放」として長時間で開放時間の異なる複数種類の開放作動を設けてもよい。
【0064】
「開放パターン1」は、1ラウンド目が「入球が困難な開放」とされ、これ以後のラウンド(2ラウンド目から)が「入球が容易な開放」とされている。「開放パターン1」において、大当り遊技の開始から実質3回目の開放が特定ラウンドとなり、「入球が容易な開放」である。
「開放パターン2」は、1ラウンド目が「入球が困難な開放」と「入球が容易な開放」とを組合わせて大入賞口250を2回開放するラウンドとされ、これ以後のラウンド(2ラウンド目から)が「入球が容易な開放」とされている。「開放パターン2」では、1ラウンド目で2回開放するので、大当り遊技の開始から実質4回目の開放が特定ラウンドとなり、「入球が容易な開放」である。
「開放パターン3」は、「開放パターン2」と同様に1ラウンド目が「入球が困難な開放」と「入球が容易な開放」とを組合わせて大入賞口250を2回開放するラウンドとされ、次の2ラウンド目が「入球が容易な開放」とされ、続く3ラウンド目が「入球が困難な開放」とされ、これ以後のラウンド(4ラウンド目から)が「入球が容易な開放」とされている。「開放パターン3」では、1ラウンド目で2回開放するので、大当り遊技の開始から実質4回目の開放が特定ラウンドとなる。
【0065】
このように「開放パターン1,2,3」のうち「開放パターン3」は、特定ラウンドの大入賞口250の開放時間が短く入球が困難なことから、特典領域26へ入球させることが困難であり、実質確変に移行できない大当り遊技となり、最も不利なパターンとされている。
そして、第1特図の大当り遊技では「開放パターン3」又は「開放パターン1乃至2」の振分割合が半々であるのに対して、第2特図の大当り遊技では「開放パターン3」の振分割合が1割とされ、「開放パターン3」の振分割合が低い第2特図の大当り遊技の方が、第1特図の大当り遊技よりも遊技価値の高い遊技が実行可能とされている。
【0066】
図9に戻って、前記S318の大当り設定処理では、開放パターンの設定の他にも、例えば演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、大入賞口250の開放態様、大当り遊技終了後の遊技状態等の設定がなされる。
【0067】
前記S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、演出図柄表示装置21に表示される特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する。続くハズレ設定処理(S320)では、遊技状態が確変、時短であれば、これらの継続期間をカウントする前記「確変カウンタ」及び「時短カウンタ」を減算等を行なう。
【0068】
S318又はS320の各設定処理の後、S321の処理では、特図表示装置28の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。
【0069】
前記図8のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、図10に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示処理(S331)において、特図表示装置28の特図の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ擬似図柄の変動表示及び演出表示を終了させるように図柄確定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。
【0070】
前記図8のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、図11のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、確定図柄表示終了の処理(S341)により特図表示装置28の特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する擬似図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0071】
続いて特図の図柄が大当りになる組合せであるか確認し(S342)、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグに「0」をセットする(S344)。次に、時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグに「0」をセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
【0072】
続くS347の処理では条件装置の作動を開始させる。更にS348の処理では役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
そして大当り開始演出処理(S349)によりサブ統合制御装置42へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0073】
前記S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、S350の処理において確変フラグが「1」であるか確認し、確変フラグが「1」であれば(S350:yes)、前記「確変カウンタ」の減算結果(確変回数)が「0」あるか否かを確認する(S351)。「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にリセットする(S352)。
続く処理で時短フラグが「1」であるか確認し(S353)、時短フラグが「1」であれば(S353:yes)、前記「時短カウンタ」を減算結果(時短回数)が「0」あるか否かを確認する(S354)。「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
【0074】
このように「当否判定処理」では、主制御装置40からサブ統合制御装置42へ向けて複数のコマンドが送信される。前記S321の処理の変動開始コマンドにより演出図柄表示装置21の図柄変動が開始され、この場合、変動開始コマンドとともに変動パターン指定、特図の保留指定、更に少し間隔をおいて図柄指定(特図指定)及び機種情報指定等のコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。
【0075】
図柄変動中、前記S331の図柄確定コマンド(停止指定)により図柄変動が停止して特図が確定表示される。該確定表示中には、S356の状態指定コマンドにより遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等がサブ統合制御装置42へ送られる。尚、状態指定コマンドは特図の確定表示時に送信されれば良く、本当否判定処理では、実質的に確定表示の終了時にサブ統合制御装置42へ送信される。
【0076】
前記「当否判定処理」の後に実行される「特別遊技処理」は、図14に示すように、先ずS400の処理において役物連続作動装置が作動中か否かを確認し、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で前記特定ラウンド中か否かを確認する。特定ラウンド中でなければ(S401:no)、続くS402の処理で前記特定ラウンド以外の通常ラウンド中か否かを確認する。通常ラウンド中でなければ(S402:no)、続くS403の処理でインターバル中か確認する。
【0077】
前記S403の処理でインターバル中でなければ(S403:no)、大当り終了演出中か否かを確認する(S404)。大当り終了演出中でなければ(S404:no)、大当り開始演出時間が経過したか否かを確認し(S405)、大当り開始演出時間が経過していれば(S405:yes)、S406の大入賞口開放処理で、前記開放パターンに応じて1ラウンド目における大入賞口250の開放を行い、その後にリターンする。
【0078】
前記S401の処理で特定ラウンド中であれば(S401:yes)、図15に示すように、S410の処理においてシャッター260(切替部材)が閉鎖中であるか否かを確認する。閉鎖中であれば(S410:yes)、特定ラウンドの開始から所定の時間が経過したか否かを確認する(S411)。所定時間の経過が確認できれば(S411:yes)、続くS412の処理において、後述するシャッター260の開放作動を行なう。またこの処理では、サブ統合制御装置42へシャッター260が開放作動したことを送信する。
尚、サブ統合制御装置42はラウンド開始からの経過時間を計測して、シャッター260が開放作動したか判断する構成でもよい。
【0079】
前記S412の終了後、又は前記S410、S411のいずれかが否定判定であれば(S410又はS411:no)、S413の処理へ移行する。
S413の処理において特典領域SW508の検出信号により特典領域26への入球があるか否かを確認する。特典領域26への入球が確認できれば(S413:yes)、続くS414の処理において確変設定フラグが「0」であるか否かを確認し、「0」であれば(S414:yes)、S415の処理において確変設定フラグに「1」をセットする。
【0080】
前記S415の終了後、又は前記S402の処理で通常ラウンド中であることが確認されたとき(S402:yes)、又は前記S413、S414のいずれかが否定判定であれば(S413又はS414:no)、S416の処理へ移行する。
S416の処理において大入賞口250に規定入賞数(9個)の入球があったか否かを確認し、規定入賞数(9個)の入球がなければ(S416:no)、大入賞口25の開放時間が終了したか否かを確認して(S417)、いずれか確認できれば(S416又はS417:yes)、S418の処理において現在のラウンドが特定ラウンド又は前記擬似特定ラウンドであるか否かを確認する。特定ラウンド又は前記擬似特定ラウンドであれば(S418:yes)、S419の処理において後述の処理により大入賞装置25を照明する前記発光部529の発光を停止するとともに、シャッター260を閉鎖する制御を行う。
【0081】
前記S419の終了後、又は前記S418の処理が否定判定であれば(S418:no)、S420の処理へ移行して、大入賞口250を閉鎖し、続くS421の処理において大当りインターバル処理にてラウンド間インターバルを実行して、リターンする。該大当りインターバル処理では、サブ統合制御装置42へラウンド間インターバル演出を開始させるようにコマンドを送信する。
【0082】
前記図14のS403の処理でインターバル中であれば(S403:yes)、図16のS430の処理において大当りインターバル時間が経過したか確認し、経過していれば(S430:yes)、大当り遊技のラウンド数が最終ラウンドであるか否か確認する(S431)。最終ラウンドであれば、(S431:yes)、S432の処理において大当り終了演出処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了して、リターンする。
【0083】
一方、前記S431の処理において最終ラウンドでなければ(S431:no)、S433の処理において次のラウンドが特定ラウンドであるか否かを確認し、特定ラウンドでなければ(S433:no)、S434の処理において擬似特定ラウンドであるか否かを確認する。
特定ラウンド又は擬似特定ラウンドであれば(S433又はS434:yes)、S435の処理において、サブ統合制御装置42へ特定ラウンド又は擬似特定ラウンドであることを送信し、大入賞装置25を照明する前記発光部529の発光を開始する。
前記S435の終了後、又は前記S434の処理が否定判定であれば(S434:no)、S436の大入賞口開放処理を実行して大入賞口250を所定の開放態様で開放して、リターンする。
尚、サブ統合制御装置42は大入賞口250の開放回数を判断して、特定ラウンド又は擬似特定ラウンドであることを把握する構成でもよい。
【0084】
前記図14のS404の処理で大当り終了演出中であれば(S404:yes)、図17に示すように、S440の処理において大当り終了演出時間の終了時間が経過したか否かを確認し、経過していれば(S440:yes)、役物連続作動装置の作動を停止する処理(S441)を実行するとともに、条件装置の作動を停止する処理(S442)を実行する。
【0085】
続く、S443〜S447の処理において大当り遊技後の遊技状態を設定する。即ちS443で前記確変設定フラグが「1」であるか否かを確認し、確変設定フラグが「1」であり大当り遊技終了に確変遊技状態に移行される場合(S443:yes)は、S444の確変回数設定処理において確変移行の設定を行うとともに前記確変カウンタに所定の回数値、例えば「100」をセットし、確変フラグに「1」をセットする処理(S445)を行う。これによれば大当り遊技終了後に、第1及び第2特図の変動回数が「100」回に達するまで確変遊技が付与される。
【0086】
次にS446において、大当り遊技終了後に時短遊技に移行されるか否かを確認し、時短遊技に移行される場合(S446:yes)は、S447の時短設定処理において時短移行の設定を行うとともに前記時短カウンタに所定の回数値、例えば「100」をセットし、時短フラグに「1」をセットする処理(S448)を行う。これによれば大当り遊技終了後に、第1及び第2特図の変動回数が「100」回に達するまで時短遊技が付与される。
尚、基本的に時短回数は確変か否かに関係なく同じ回数が設定されるが、確変か否かに応じて時短の設定回数を変更してもよい。また大当りとなった遊技状態が時短であったか否かに応じて時短の設定回数を変更してもよく、更には時短が作動しない場合があっても良い。
【0087】
その後、サブ統合制御装置42へ大当り遊技終了のコマンドを送信するとともに(S449)、状態指定コマンドとして前記確変遊技状態へ移行するか否かの情報、及び時短遊技状態へ移行するか否かの情報をサブ統合制御装置42等へ送信する(S450)。その後にリターンする。
【0088】
図18(a)(b)に示すように、シャッター260の作動は、前記「開放パターン1,2」の入球が容易な長時間開放する特定ラウンド(3R)ではシャッター260が2回開放され、前記「開放パターン3」の入球が困難な短時間開放の特定ラウンド(3R)では1回のみ開放される。
いずれの特定ラウンドにおいても、大入賞口250の開放開始から極短い第1の所定時間(t1)経過後にシャッター260が開放される。その後、開放されたシャッター260は前記入球が困難な短時間が経過する前に閉鎖される。この開放での特典領域26への入球は不可能である。
尚、「開放パターン3」の入球が困難な短時間開放の特定ラウンドではシャッター260の閉鎖後、直ぐに大入賞口250が閉鎖されて特定ラウンドが終了する。
【0089】
前記「開放パターン1,2」の入球が容易な長時間開放の特定ラウンドでは、大入賞口250の開放開始から第2の所定時間(t2)が計測され、特定ラウンドの中盤当りで第2の所定時間(t2)が経過することによりシャッター260が再度開放され、大入賞口250が閉じるまで開放状態が保持される。この開放により特典領域26への入球が可能となる。
【0090】
図18(a)(b)(c)に示すように、大入賞装置25の発光部529の発光は、前記「開放パターン1,2,3」のいずれの特定ラウンド(3R)においても、大入賞口250の開放開始とともに発光部529の発光が開始され、大入賞口250の閉鎖により発光が停止される。発光部529を発光することにより大入賞装置25が照明され、前枠11の板ガラス110に設けられた前記ハーフミラー部HMを通して大入賞装置25を遊技者に見せることができる。
【0091】
また発光部529は、前記「開放パターン2」において特定ラウンド(3R)の一つ前の2ラウンドにも、大入賞口250の開放開始とともに発光が開始され、大入賞口250の閉鎖により発光が停止される。
【0092】
図13を用いて本実施形態のパチンコ機1の作用効果を説明する。
本パチンコ機1は、大入賞口250の開放作動として、入球が困難な短時間開放のラウンド、入球が容易な長時間開放のラウンド、及び短時間の開放と長時間の開放とを組合わせたラウンドとを実行可能とし、かつ大当り遊技の開放パターンを複数種類(開放パターン1,2,3)設けるとともに、開放パターン毎にラウンド態様を相違させ、かついずれの開放パターンにおいても特定ラウンドを同一ラウンドしたので以下の作用を奏する。
【0093】
大当り遊技では、1回の大入賞口の開放を1ラウンドとすることが一般的である。これに倣って、「開放パターン1」では1回の開放を1ラウンドとなし、かつ1ラウンド目を「入球が困難な短時間開放」とし、2ラウンド目以降を「入球が容易な長時間開放」としており、特定ラウンドは大当り遊技の開始から実質3回目の開放である。
これに対して「開放パターン2」では、1ラウンド目を「入球が困難な短時間開放」と「入球が容易な長時間開放」との2回の開放からなるラウンドとし、2ラウンド目以降を「入球が容易な長時間開放」としたので、特定ラウンドは大当り遊技の開始から実質4回目の開放である。
このため「開放パターン1」と「開放パターン2」とでは、大当り遊技の開始から実質3回目の大入賞口250の開放が、「開放パターン1」の3ラウンド目又は「開放パターン2」の2ラウンド目であるのか、遊技者が判断することが困難である。
更に、実質3回目の大入賞口250の開放時(開放パターン1では3ラウンド目、開放パターン2では2ラウンド目)に、演出図柄表示装置21において、当該開放時にシャッター260が入球可能な状態に切り替わるとともに特定ラウンドであることへの期待感を持たせる第1特別演出を実行させる。
更にまた通常、ハーフミラー部HMで遮蔽している大入賞装置25を、実質3回目の大入賞口250の開放時に、遊技者に見せるようになす。
拠って、遊技者は特定ラウンドが何時であるか不明であることを楽しみながらの遊技が可能で、シャッター260が作動して特定ラウンドであると判断でき、それまで、特典領域26への入球により特典遊技が付与されるか否かといった遊技者の期待感を高めることができ、遊技の面白味を向上することが可能となる。
【0094】
前記第1特別演出として図19(a)に1例を示す。演出図柄表示装置21の表示画面には、大当り遊技の開始から実質3回目の開放であることを示す開放回数3表示210、シャッター260開放の期待表示211、前記大の2に所定時間に応じてシャッター開放までのカウントダウンを行なうカウントダウン表示212、及び本パチンコ機1のメインキャラクタ213を表示する。
【0095】
前記第1特別演出の続きとしての演出の1例を図19(b)に示す。これは、「開放パターン1」による大当り遊技の実質3回目の開放でシャッター260が開放した後に実行されるもので、演出図柄表示装置21の表示画面には、前記開放回数3表示210、カウントダウンが完了した前記カウントダウン表示212、前記メインキャラクタ213、及びシャッター260の開放を示唆する開放表示214を行う。
そして、シャッター260の開放により特典領域26に入球すると、図19(c)に示すように、前記開放回数3表示210、前記メインキャラクタ213、及び確変機能を獲得した事を示す確変ゲット表示215を行う。
【0096】
また、「開放パターン3」では、「開放パターン2と」同様に1ラウンド目を「入球が困難な短時間開放」と「入球が容易な長時間開放」との2回の開放からなるラウンドとし、2ラウンド目を「入球が容易な長時間開放」とする一方で、特定ラウンドである3ラウンド目を「入球が困難な短時間開放」とし、これ以後のラウンド(4ラウンド目から)が「入球が容易な長時間開放」とした。特定ラウンドは大当り遊技の開始から実質4回目の開放である(図13参照)。
このため、大当り遊技の実質3回目の開放(2ラウンド目)でシャッター260が開放せず(特定ラウンドではない)に「開放パターン1」ではないと判断できても、「開放パターン2」であるのか又は「開放パターン3」であるのか、遊技者が判断することが困難である。
更に実質3回目の大入賞口250の開放時における前記第1特別演出の実行後に、シャッター260の開放がなければ(開放パターン2又は開放パターン3のとき)、次の4回目の開放時(3ラウンド目)におけるシャッター260が入球可能な状態に切り替わることへの期待感を持たせる第2特別演出を実行させる構成とする。勿論、ハーフミラー部HMで遮蔽している大入賞装置25を、実質4回目の開放時(3ラウンド目)に、遊技者に見せるようになす。
拠って、遊技者は特定ラウンドが「開放パターン2」又は「開放パターン3」によるものであるのか不明であることを楽しみながらの遊技が可能で、4回目の開放時(3ラウンド目)のシャッター260の作動によりいずれの開放パターンであるかを判断でき、それまで、特典遊技が付与されるか否かといった遊技者の期待感を高めることができ、遊技の面白味を一層向上することが可能となる。
【0097】
前記第2特別演出として図20(a)に1例を示す。実質3回目の大入賞口250の開放でシャッター260が開放しなければ、演出図柄表示装置21の表示画面において、前記開放回数3表示210、カウントダウンが完了した前記カウントダウン表示212、前
記メインキャラクタ213、及びシャッター260の開放しないことを示唆するとともに、次回の開放への期待を持たせる予告表示216を行う。
【0098】
前記第2特別演出の続きとしての演出の1例を図20(b)に示す。これは、「開放パターン2」又は「開放パターン3」による大当り遊技の実質4回目の開放(3ラウンド目の特定ラウンド)の開始時により実行されるもので、演出図柄表示装置21の表示画面には、実質4回目の開放であることを示す開放回数4表示210、前記メインキャラクタ213、及びシャッター260開放までの時間を示す開放予告表示217、を表示する。
この後、実質4回目の開放が「開放パターン2」による長時間であれば、図19(b)と同様の演出表示を行なう。更に特典領域26への入球があれば、図19(c)と同様の演出表示を行なう。
【0099】
一方、実質4回目の開放が「開放パターン3」による短時間のときは、図20(c)に示すように、前記開放回数4表示210、前記メインキャラクタ213、及び確変遊技を獲得できずに残念なことを示唆する残念表示218を行う。
【0100】
また本パチンコ機1では、前記入球が容易な長時間開放の特定ラウンドでのシャッター260の開放作動を2回行うようになし、一回目の開放を、前記入球が容易な長時間開放の特定ラウンドでの開放と同様に、大入賞口250開放開始直後に短時間のシャッター260開放を行なうようにしたので、大入賞口250開放開始時にいずれの特定ラウンドであるか判断することが困難、即ち「開放パターン1」又は「開放パターン3」の判断が困難で、で、面白味が増す。
また前記長時間開放の特定ラウンドでのシャッター260の1回目の開放作動を極短い時間とすることで、これに遊技者が気付き難く、通常のラウンドであるか特定ラウンドであるか判断することが困難、即ち「開放パターン1」又は「開放パターン2」の判断が困難で、面白味が増す。
尚、前記長時間開放の特定ラウンドにおいて、シャッター260の1回目の短時間の開放作動を必ずしも実行する必要はなく、実行させない構成としてもよい。
【0101】
また本パチンコ機では大当り遊技の開放パターンとして、「開放パターン1,2,3」に限らず、図21に示す「開放パターン4」と「開放パターン5」等を増やしてもよい。
「開放パターン4」は、「開放パターン2」と同様に1ラウンド目が「入球が困難な開放」と「入球が容易な開放」とを組合わせて大入賞口250を2回開放するラウンドとされ、続く2ラウンド目が「入球が困難な開放」とされ、これ以後のラウンド(3ラウンド目から)が「入球が容易な開放」とされている。「開放パターン4」では、大当り遊技の開始から実質4回目の開放が特定ラウンドとなる。
これによれば、「開放パターン4」とともに、前記「開放パターン1」の特定ラウンドを短時間開放とする「別パターン」を設けることで、該「別パターン」と「開放パターン4」との区別が困難となり、前記「別パターン」にて特定ラウンドが短時間の開放で終わったと思って遊技者が落胆しているところで、実は「開放パターン4」により次のラウンドで長時間開放の特定ラウンドが開始され遊技者を驚かせると言った復活演出のような演出が可能で面白味が増す。
「開放パターン5」は、「開放パターン3」と同様に1ラウンド目が「入球が困難な開放」と「入球が容易な開放」とを組合わせて大入賞口250を2回開放するラウンドとされ、次の2ラウンド目が「入球が容易な開放」とされ、続く3ラウンド目も1ラウンド目と同様に「入球が困難な開放」と「入球が容易な開放」とを組合わせて大入賞口250を2回開放するラウンドとされ、これ以後のラウンド(4ラウンド目から)が「入球が容易な開放」とされている。「開放パターン5」では、大当り遊技の開始から実質4回目および5回目の開放が特定ラウンドとなる。尚、特定ラウンドにおいて、4回目の開放にシャッター260を開放して大入賞口250が閉じるとともにシャッター260も閉じ、続く5回目の開放時に再度シャッター260を開放する。
これによれば、「開放パターン3」と「開放パターン5」との区別が困難となり、「開放パターン3」にて特定ラウンドが短時間の開放で終わったと思って遊技者が落胆しているところで、実は「開放パターン5」により続いて長時間の特定ラウンドの開放が開始され遊技者を驚かせると言った復活演出のような演出が可能で面白味が増す。
勿論、「開放パターン4と別パターン」及び「開放パターン5」において、特定ラウンド及び擬似特定ラウンドでは大入賞装置25の発光部を点灯してハーフミラー部HMで遮蔽している大入賞装置25を遊技者に見せるようになす。
【0102】
次に本発明を適用した第2の実施形態を説明する。本実施形態のパチンコ機は、特定ラウンドに関する遊技者の期待感を高める演出に、大入賞装置内に遊技球を特典領域側(特許請求の範囲に記載の第1のルート)又はそうでない側(特許請求の範囲に記載の第2のルート)に振分ける振分装置を用いるものである。
本パチンコ機は、先の第1の実施形態のパチンコ機と同様の基本構成を有するもので、先の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、図において同一部材は同一符号で示す。
【0103】
図22に示すように、遊技盤2Aの遊技領域20の下部中央に設けられた大入賞装置25Aはいつも遊技者が見える構成で、装置内には特典領域26、該特典領域26を入球可能な状態又は入球不可能な状態に切替え可能なシャッター261、及び前記振分装置255が設けられている。
【0104】
図23(a)、(b)を用いて前記大入賞装置25Aの作動を説明する。大入賞口250から送られた遊技球は、装置上部に設けられた取入口251より装置内部へ取り込まれ、一旦、装置上部の棚状の受皿部252で受けられる。
前記受皿部252により受けられた遊技球は、装置中央に設けられた送出口253より流下する。該送出口253の直下位置には開閉可能な左右一対の振分装置255が設置してある。図23(a)に示すように、左右の振分装置255が開いた状態では、左右の振分装置255間を通して(実践矢印、前記第1のルート)、送出口253から送り出される遊技球を下方の特典領域26側へ案内することが可能となる。
【0105】
特典領域26の直上位置には、前進して特典領域26の入球口を閉鎖する状態と、後退して特典領域26の入球口を開放する状態とに作動可能な正面視三角形状のシャッター261が設けられている。シャッター261閉鎖時にこれにより特典領域26への入球を遮られた遊技球は、特典領域26の左右両側より装置外へ送り出される(1点鎖線矢印)。
一方、図23(b)に示すように、左右の振分装置255が閉じた状態では、送出口253より送り出された遊技球を振分装置255によりこれらの左右両側へ案内し大入賞装置25A外へ送出す(実践矢印、前記第2のルート)。尚、特典領域26へ入球した遊技球は領域内の特典領域SW507で検出され、かつ該検出により大装置25Aから排出されたと見做される。
【0106】
本パチンコ機の電気的構成を示す図24に示すように、遊技の制御を司る主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、大入賞口ソレノイド510、シャッターソレノイド511、普通電役ソレノイド512及び振分ソレノイド513が接続されている。そして大入賞口ソレノイド510を制御して大入賞口250を開放作動せしめ、シャッターソレノイド511を制御して特典領域26を開放作動せしめる。また普電役物ソレノイド512を制御して第2始動口24の普電役物の開閉作動せしめるとともに、振分ソレノイド513を制御して特典領域26側への第1のルートを開放作動せしめる。
【0107】
本パチンコ機は主制御装置40において、第1の実施形態と同様、メインルーチン(図6)、始動入賞確認処理(図7)、当否判定処理(図8)及び特別遊技処理(図14)が実施され、特別遊技処理において前記振分装置255の制御がおこなわれる。
特別遊技処理において、前記S401の処理(図8)で特定ラウンド中であれば(S401:yes)、図25に示すように、S460の処理においてシャッター261(切替部材)が閉鎖中であるか否かを確認する。閉鎖中であれば(S460:yes)、特定ラウンドの開始から所定の時間が経過したか否かを確認する(S461)。所定時間の経過が確認できれば(S461:yes)、続くS462の処理においてシャッター261の開放作動を行なう。
【0108】
前記S462の終了後、又は前記S460、S461のいずれかが否定判定であれば(S460又はS461:no)、S463の処理へ移行する。
S463の処理において特典領域SW508の検出信号により特典領域26への入球があるか否かを確認する。特典領域26への入球が確認できれば(S463:yes)、続くS464の処理において確変設定フラグが「0」であるか否かを確認し、「0」であれば(S464:yes)、S465の処理において確変設定フラグに「1」をセットする。
【0109】
前記S465の終了後、又は前記S402の処理(図8)で通常ラウンド中であることが確認されたとき(S402:yes)、又は前記S463、S464のいずれかが否定判定であれば(S463又はS464:no)、S466の処理へ移行する。
S466の処理において大入賞口250に規定入賞数(9個)の入球があったか否かを確認し、規定入賞数(9個)の入球がなければ(S466:no)、大入賞口25の開放時間が終了したか否かを確認して(S467)、いずれか確認できれば(S466又はS467:yes)、S468の処理において現在のラウンドが特定ラウンド又は前記擬似特定ラウンドであるか否かを確認する。特定ラウンド又は前記擬似特定ラウンドであれば(S468:yes)、S469の処理において後述の処理により開放されている大入賞装置25A内の振分装置255を閉鎖するとともに、シャッター261も閉鎖する制御を行う。
【0110】
前記S469の終了後、又は前記S468の処理が否定判定であれば(S468:no)、S470の処理へ移行して、大入賞口250を閉鎖し、続くS471の処理において大当りインターバル処理にてラウンド間インターバルを実行して、リターンする。該大当りインターバル処理では、サブ統合制御装置42へラウンド間インターバル演出を開始させるようにコマンドを送信する。
【0111】
前記図14のS403の処理でインターバル中であれば(S403:yes)、図26のS480の処理において大当りインターバル時間が経過したか確認し、経過していれば(S480:yes)、大当り遊技のラウンド数が最終ラウンドであるか否か確認する(S481)。最終ラウンドであれば、(S481:yes)、S482の処理において大当り終了演出処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了して、リターンする。
【0112】
一方、前記S481の処理において最終ラウンドでなければ(S481:no)、S483の処理において次のラウンドが特定ラウンドであるか否かを確認し、特定ラウンドでなければ(S483:no)、S484の処理において擬似特定ラウンドであるか否かを確認する。
特定ラウンド又は擬似特定ラウンドであれば(S483又はS484:yes)、S485の処理において大装置25A内の振分装置255の開放を開始する。
前記S485の終了後、又は前記S484の処理が否定判定であれば(S484:no)、S486の大入賞口開放処理を実行して大入賞口250を所定の開放態様で開放して、リターンする。
【0113】
図27(a)(b)(c)に示すように、大入賞装置25Aの振分装置255の開放は、前記「開放パターン1,2,3」のいずれの特定ラウンド(3R)においても、大入賞口250の開放開始とともに振分装置255の開放が開始され、大入賞口250の閉鎖により振分装置255も閉鎖される。
また振分装置255は、前記「開放パターン2」において特定ラウンド(3R)の一つ前の2ラウンド目にも、大入賞口250の開放開始とともに開放が開始され、大入賞口250の閉鎖により振分装置255も閉鎖される。
【0114】
本実施形態によれば、第1の実施形態においてハーフミラー部を用いて通常見えない大入賞装置を見せることで特定ラウンドへの期待感を高める演出を行っているのに対して、これに変えて、振分装置255を用いて通常閉鎖されている特典領域26側へのルートを開放することにより特定ラウンドへの期待感を高める演出を行うようにしたので、第1の実施形態と同様な作用効果が得られ、特典領域26への入球により特典遊技が付与されるか否かといった遊技者の期待感を高めることができ、遊技の面白味を向上する効果を奏する。
また、第1の実施形態と同様に、「開放パターン4と別パターン」及び「開放パターン5」等を増やしてもよい。いずれのパターンにおいても、特定ラウンドの長時間の開放時は勿論、擬似特定ラウンドの短時間開放時及び特定ラウンドの短時間開放時にも振分装置255を稼動して特典領域26側へのルートを開放する。「開放パターン5」の特定ラウンドでは短時間開放の後に大入賞口250が閉じることで一旦、振分装置255を閉鎖し、同ラウンドの次の大入賞口250の開放に応じて再度、振分装置255を稼動して特典領域26側へのルートを開放する。
【0115】
尚、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、特定ラウンド以外のラウンドにおいて、特典領域26へ入球があってもこれを無効とする無効手段を設けることが望ましい。無効手段としては、主制御装置のプログラム処理でもよいし、特典領域への入球検出信号を遮断するスイッチング手段でもよい。
更に、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0116】
2 遊技盤
21 演出図柄表示装置
23 第1始動口(始動口)
24 第2始動口(始動口)
25,25A 大入賞装置
250 大入賞口
255 振分装置(振分手段)
26 特典領域
260,261 シャッター(切替手段)
40 主制御装置(当否判定手段、大当り遊技制御手段、特典領域制御手段、大当り遊技中断手段)
42 サブ統合制御装置
43 演出図柄制御装置(演出図柄制御手段)
HM ハーフミラー部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27