(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プレイ範囲設定手段は、前記支払われた対価を前記プレイヤの人数で除した値が大きいほど前記プレイ範囲が拡大するようにして前記プレイ範囲を設定する請求項1に記載のゲームシステム。
前記プレイ範囲設定手段は、前記プレイ範囲を定める指標値を前記支払われた対価と前記プレイヤの人数とに応じて増減させることにより前記プレイ範囲を設定するとともに、各プレイヤのプレイに応じて前記指標値をプレイヤごとに区別して変化させ、前記指標値が所定値に達したプレイヤに関しては、その後のプレイを制限する請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一形態に係るゲーム機を含んで構成されたゲームシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、ゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3及び複数のユーザ端末装置4とを含む。なお、ユーザの用語はゲームシステム1を利用する者の総称であり、以下では、ゲーム機3を利用するユーザを特にプレイヤと呼ぶことがある。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0010】
ゲーム機3は、所定のプレイ料金(対価の一例である。)の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置される。ゲーム機3は、複数のプレイヤが共通のゲームに参加してプレイすることができるように構成されている。ゲーム機3にて提供されるゲームは適宜に選択されてよい。本形態のゲーム機3では、一例として複数のミニゲームを選択的にプレイするように構成されたゲームが提供される。この点は後述する。
【0011】
ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
【0012】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0013】
図2は一台のゲーム機3の一例を示している。図示例のゲーム機3は筐体10を有している。筐体10にはゲームの画像を表示するモニタ11が設けられ、そのモニタ11の前方かつ下方にはコントロールパネル12が設けられている。コントロールパネル12には、複数、一例として四つのステーションST1〜ST4が設けられている。なお、以下ではステーションST1〜ST4を総称してステーションSTと表記することがある。各ステーションSTは一人のプレイヤがゲームをプレイする場として設定されている。したがって、一台のゲーム機3では最大で四人のプレイヤが同時にゲームをプレイすることが可能である。各ステーションSTにはプレイヤの操作を受け付ける入力装置13が設けられている。入力装置13は、一例として、左右一対のボタンスイッチ14L、14Rと、それらのボタンスイッチ14L、14R間の後方に配置された単一のホイールスイッチ15とを含む。ボタンスイッチ14L、14Rはプレイヤの押下げ操作に応じた信号を出力する。ホイールスイッチ15は、プレイヤによる回転操作及び押下げ操作のそれぞれに対応した信号を出力する。ただし、入力装置13の構成は適宜に変更されてよい。ステーションSTの設置数も適宜に変更されてよい。コントロールパネル12には、カードリーダ16及びコインスロット17がさらに設けられている。カードリーダ16は、ユーザ認証やプレイ料金の電子通貨を用いた支払いに必要な情報をユーザが所持するカード等の記録媒体から読み取る装置である。ただし、カードリーダ16は、ユーザが所持する記録媒体の情報を上書きする書き込み機能を備えていてもよい。つまり、カードリーダ16はリーダ/ライターとして機能するものであってもよい。コインスロット17は通貨としてのコイン、あるいは代替通貨としてのメダル、トークンの投入口として設けられている。さらに、モニタ11の左右にはスピーカ18が設けられている。
【0014】
次に、
図3〜
図5を参照して、ゲーム機3におけるゲームの手順に関する特徴を説明する。
図3はゲーム機3におけるゲームの処理の一例を示している。ゲーム機3にて提供されるゲームは、エントリーの段階と、初期設定の段階と、少なくとも一つのステージをプレイする段階と、コンティニューの段階と、継続設定の段階とを含んでいる。以下、各段階を順に説明する。
【0015】
エントリーの段階は、ユーザのゲームへのエントリー(参加)を受け付ける段階であって、プレイ料金の支払いによって開始される。
図3では、一人のプレイヤPL1がプレイ料金PFを支払うことによってエントリーの受付が開始され、それに応じて三人のプレイヤPL2、PL3、PL4がエントリーに必要な操作を行うことにより、合計で四人のプレイヤPL1〜PL4(以下、プレイヤPLと総称することがある。)がゲームにエントリーする例を示している。プレイ料金PFを支払うプレイヤPLは二人又はそれ以上であってもよいが、コインスロット17が四つのステーションST間で共用される結果として、コインスロット17に硬貨(又は代替物)が投入されても、ゲーム機3ではいずれのプレイヤPLによる支払いかを特定することができない。したがって、いずれのプレイヤPLがプレイ料金を支払ったかは不問でよい。電子通貨を用いた支払いでは料金支払いの主体を判別することが可能な場合があるが、その場合でもプレイ料金をいずれのプレイヤPLが支払ったかは不問でよい。
【0016】
エントリー段階(つまり、ゲーム開始時)で支払われるべきプレイ料金には単位が設定されている。例えば、100円が一単位として設定されている。ゲーム機3では、ゲームにエントリーするプレイヤPLの人数に関わりなく、一単位のプレイ料金が支払われることによってプレイが許可される。つまり、一単位のプレイ料金の金額はゲームのプレイが許可されるべき最小単位の額に相当する。その最小単位のプレイ料金が支払われた場合、ステーションSTの数を上限とする範囲で複数のプレイヤPLが同時にゲームをプレイすることが可能である。例えば、一単位が100円に設定されている場合には、100円のプレイ料金が支払われると最大で四人のプレイヤPLがゲームをプレイすることが可能である。もちろん、一人のプレイヤPLのみでゲームをプレイすることも許容される。なお、エントリーの開始時に二単位以上のプレイ料金を支払うことが可能であってもよいが、一単位のプレイ料金に限って支払いが可能とされてもよい。
【0017】
また、エントリー段階では、カードリーダ16を用いたユーザ認証も必要に応じて行われる。例えば、ユーザ認証用の識別情報が記録されたカードをプレイヤPLがカードリーダ16にかざしてその識別情報をゲーム機3に読み取らせ、続いて、プレイヤPLがいずれかのステーションSTの入力装置13に対して所定の操作を行うと、ユーザの識別情報とステーションSTとの間に対応関係が設定される。エントリーの段階は、所定の制限時間が経過し、あるいはプレイヤPLによる確定操作が行われることにより完了する。
【0018】
初期設定の段階では、ゲームにエントリーしたプレイヤPLをチームに分ける処理が行われる。例えば、
図3ではプレイヤPL1、PL2がチームTM1に、プレイヤPL3、PL4がチームTM2にそれぞれ分けられる。チームはゲームのプレイを競うべき単位としてのグループの一例である。つまり、ゲーム機3のゲームは、チーム間でスコア等を競うようにして進められる。チームの数は二つに限らず、同一チーム内のプレイヤPLの人数も適宜に変更されてよい。例えば、三人のプレイヤPLがゲームにエントリーした場合、一チームにつき一人のプレイヤPLを割り当てることにより、合計で三つのチームが設けられてもよい。各チームのプレイヤPLの人数も互いに等しく設定されることを必ずしも要しない。例えば、四人のプレイヤPLがゲームにエントリーする場合において、二人のプレイヤPLで一つのチームを構成し、残りのプレイヤPLを一人ずつ互いに異なるチームに分けてもよい。あるいは、三人のプレイヤPLで一つのチームを構成し、残りの一人のプレイヤPLで他の一つのチームを構成してもよい。あるいはプレイヤPLを一人ずつ異なるチームに分けることにより合計で四つのチームを設けてもよい。
【0019】
また、初期設定の段階では、各プレイヤPLに対してライフLFが設定される。ライフLFは各プレイヤPLがゲームをプレイできる範囲(プレイ範囲)を定めた指標値の一例である。ライフLFはゲームのプレイに伴なって徐々に減少し、ライフLFの値が所定値に達するとゲームが一旦終了する。つまり、ライフLFが尽きるとその後のプレイは制限される。例えば、プレイヤPLのプレイが所定の消費条件を満たした場合にライフLFが所定量消費され、そのライフLFが所定の下限値(一例として0)に達するとゲームが一旦終了となる。ライフLFの管理はプレイヤPLごとに区別して行われる。プレイヤPLが所定のコンティニュー料金を支払うことによりゲームを継続してプレイすることが許可されるが、この点は後述する。初期設定の段階で設定されるライフLFの値は、プレイヤPLによって支払われたプレイ料金とゲームにエントリーするプレイヤPLの人数とに基づいて設定される。また、ライフLFの値は各プレイヤPLに等しく設定される。例えば、プレイ料金が同一の場合、プレイヤPLの人数が多いほど初期設定のライフLFは小さく設定される。一方、プレイヤPLの人数が同一の場合、プレイ料金が多いほど初期設定のライフLFは大きく設定される。
【0020】
図4は初期設定におけるライフの一例である。
図4の例では、エントリーの段階で一単位相当の100円のプレイ料金が支払われた場合、プレイヤPLの人数が一人の場合は5ライフが、二人の場合は3ライフが、三人の場合は2ライフが、四人の場合は1ライフがそれぞれ設定される。つまり、最小単位のプレイ料金の支払いによって最大人数である四人のプレイヤPLがゲームをプレイする場合、ライフは最小値である1に設定される。プレイヤPLの人数が減少するほど初期設定で付与されるライフの値は増加する。二単位以上のプレイ料金の支払いを許容する場合、ライフの値は、支払われたプレイ料金の単位数に応じて
図4の設定例から整数倍で増加するように設定されてよい。なお、
図4は一例であり、指標値は支払われたプレイ料金とプレイヤPLの人数とに応じて適宜に設定されてよい。プレイヤの一人当たりのプレイ料金の支払い額に関する負担感の公平化を図るためには、支払われたプレイ料金をプレイヤPLの人数で除した値(つまり、一人当たりのプレイ料金の支払額)が大きいほどライフの設定値が増加、つまりプレイ範囲が拡大するようにライフが設定されていればよい。指標値は「ライフ」の語によって表現される例に限らない。体力、ヒットポイントといった適宜の語で指標値が表現されてよい。また、ゲームの区切りを意味するステージ、ダンジョンその他の区分可能な単位の数を用いて指標値が表現されてもよい。例えば、指標値として5ステージ、3ステージといった設定が可能である。支払われたプレイ料金の額は、複数のプレイヤPLがプレイ料金を支払った場合にはその和に相当する額としてよい。
【0021】
なお、コインスロット17に硬貨(又はその代替物)を投入してプレイ料金を支払う場合、支払い可能なプレイ料金は最小単位の整数倍であるが、電子通貨を用いてプレイ料金を支払う場合には硬貨による支払いと比較してより細かい単位でプレイ料金を支払うことが可能である。例えば、硬貨を用いた支払いの単位が100円に設定されている場合、電子通貨による支払いでは、10円あるいは1円といった細かい単位でプレイ料金を支払うことができる。このような場合には、最小単位を硬貨による支払いの最小単位の額と同一に設定しつつ、実際に支払われたプレイ料金の額を最小単位の額で除して支払い倍率を計算し、その倍率に応じてライフの設定値を増加させるといった処理が行われてもよい。例えば最小単位が100円に設定されているときに150円の支払いがあった場合、支払い倍率を1.5倍としてライフの設定値を計算することができる。ただし、電子通貨を用いた支払いであっても、硬貨による支払いと同じく最小単位のプレイ料金に限って支払いが可能とされ、あるいは最小単位の整数倍でのみプレイ料金を支払えるようにプレイ料金の支払いが設定されてもよい。
【0022】
図3に戻って説明を続ける。初期設定の段階でチーム分け及びライフの設定が行われると、ステージをプレイする段階へと進んでゲームのプレイが開始される。各ステージでは、予め用意された複数種類のミニゲームから、プレイヤPLの選択に応じて、あるいはゲーム機3の選択に応じて、いずれか一つのミニゲームが提供され、各プレイヤPLが入力装置13を操作して同一のミニゲームをそれぞれプレイする。ミニゲームは、例えば入力装置13のボタンスイッチ14L、14Rの少なくともいずれか一方を押下げ操作し、あるいはホイールスイッチ15を回転させ、又は押し込むといった操作を連続して行わせ、それらの操作に応じてスコアが漸次加算されるといった比較的単純で判り易い内容となるように構成されてよい。なお、ミニゲームとステージとは1対1で対応付けられることを要しない。例えば、一種類のミニゲームが複数のステージを含んでもよいし、一つのステージで複数種類のミニゲームが提供されてもよい。
【0023】
各ステージにおけるミニゲームのプレイ結果は、例えばミニゲームで獲得したスコアとして、プレイヤPLごとに区別して(あるいは独立して)演算される。また、プレイヤPLごとのスコアに基づいてチームごとの成績も演算される。チームごとの成績は例えば評価ゲージEGのゲージ量にて示される。評価ゲージEGのゲージ量は、例えば同一チーム内におけるプレイヤPLが獲得したスコアの累積値とされてよい。そのゲージ量が大きいほどチームの成績が優れていることになる。ゲームは、評価ゲージEGの値をチーム間で競うようにして進められる。各プレイヤPLのライフLFはミニゲームのプレイ結果に応じてプレイヤPLごとに適宜に消費(減算)される。例えば、ミニゲームにて所定の消費条件が満たされたプレイヤPLについてはライフLFの値が1減らされるといったごとくである。消費条件は、例えばプレイヤPL間で最も低いスコアを記録したときに成立し、あるいはミニゲームのスコアが所定の水準、例えばミニゲームのクリアとなるべき基準のスコアに達していない場合に成立する、といったように、ミニゲームのスコアがプレイヤ間で相対的に劣り、あるいは絶対的な基準よりも劣る場合のペナルティとして設定されてよい。消費条件は、少なくとも一回のステージにて最低でも一人のプレイヤPLについて成立するように設定されてもよいし、各プレイヤPLの成績次第ではいずれのプレイヤPLについても成立しない場合、あるいは全てのプレイヤPLについて成立する場合が生じるように設定されてもよい。各回のステージで最低でも一人のプレイヤPLについて消費条件が成立するとした場合、例えば初期設定の段階で各プレイヤPLに1ライフが設定されたならば、少なくとも一人のプレイヤPLについては初回のステージでプレイ範囲が尽きてゲームが一旦終了することになる。ライフLFの消費は、初期設定で与えられるライフLFの値の大小に関係なく、ミニゲームにて定められた規則に従って制御される。したがって、初期設定で与えられるライフLFが小さいほど、ライフLFが消滅してコンティニューが必要な機会が早期に生じる可能性が高まる。
【0024】
図3の例において、初回のステージ1(ファーストステージ)から複数のステージが順次プレイされ、ステージMにてプレイヤPL2に関してライフLFが消滅(すなわち、ライフLFが0まで減少)したものと仮定すると、プレイヤPL2に関するコンティニュー(ゲームの継続)を受け付ける段階へとゲームが進む。コンティニューを受け付ける段階では、ライフLFが消滅したプレイヤPLを対象としてコンティニュー料金の支払いが要求される。所定のコンティニュー料金が支払われ、かつライフLFが消滅したプレイヤPL(以下、継続対象のプレイヤPLと表記することがある。)のステーションSTの入力装置13に対して所定の確認操作が行われると、当該プレイヤPLによるゲームのプレイの継続が許可される。継続対象のプレイヤPL以外のプレイヤPLについては、継続対象のプレイヤPLがプレイを継続するか否かに関わりなく、自己のライフLFが消滅しない限りゲームを継続してプレイすることができる。
【0025】
コンティニュー料金は、一例として初期設定の段階における最小単位と同額に設定されてよい。ただし、電子通貨による支払いの場合には最小単位の額よりも小額でのコンティニュー料金の支払いが許容されてもよい。なお、コンティニュー料金の支払いは、ライフLFが消滅した継続対象のプレイヤPLによって行われるべきものである。しかしながら、上記のように、コインスロット17に対して硬貨等が投入されてもいずれのプレイヤPLによる支払いかを特定できないため、コンティニュー料金の支払いがあればその支払いの主体は不問とされてよい。電子通貨を用いた支払いの場合には、支払いの主体が不問とされてもよいし、継続対象のプレイヤPLによる支払いが必須とされてもよいし、他のプレイヤPLによる代替的な支払いが許容されてもよい。
【0026】
ゲームのコンティニュー(プレイの継続)が許可されると、続いて継続設定の段階へと進む。継続設定の段階では、継続対象のプレイヤPLに関して、支払われたコンティニュー料金に応じた量のライフLFが新たに追加されて当該プレイヤPLのライフLFが回復する。また、コンティニュー料金が支払われたことにより、継続対象のプレイヤPLに対して特典が付与される。さらに、継続対象のプレイヤPLと同一チームに所属する他のプレイヤPLに対しても特典が付与される。
図3の例では、ゲームのプレイの継続が許可されたプレイヤPL2、及びそのプレイヤPL2と同一のチームTM1に所属する他のプレイヤPL1のそれぞれに対して特典が付与される。継続対象のプレイヤPLに対する特典は、コンティニュー料金を支払う動機付けを与えるように、継続後のプレイにて当該プレイヤPLに有利な状況が生じるように設定されてよい。
【0027】
継続対象のプレイヤPLに対する特典の一例を
図5に示す。図示の例では、複数種類の特典A〜Dが用意されている。特典Aとしては「次ステージにおけるペナルティの減少」が設定されている。ここでいうペナルティはライフの減少であり、ペナルティの減少はライフの減少に関して有利な取り扱いがなされることを意味する。例えば、ミニゲームにおけるプレイ結果がライフを減少させるべきものであったとき、そのライフの減少量を縮小し、あるいはライフを減少させない、といった取り扱いがなされる。ただし、そのような取り扱いは「次ステージ」、つまり継続後において最初にプレイされるステージに限られる。特典Bとしては、次ステージにおけるペナルティの減少に加えて、継続後のステージにおける「スコアアップ」が設定されている。スコアアップは、例えば次ステージ以降でプレイヤPLがより高いスコアを獲得できるようにスコアの演算則が変更されることを意味する。ただし、スコアアップの効果が継続する範囲は有限とされる。特典Cとしては「3ステージ継続でペナルティ減少」が設定されている。これは継続後にプレイされる3回のステージで連続して「ペナルティの減少」の取り扱いがなされることを意味する。特典Dとしては、「3ステージ継続でペナルティ減少」に加えて「スコアアップ」が設定されている。特典A〜Dのそれぞれの価値、すなわち、継続後のゲームのプレイに与える有利な影響は特典間で相違し、特典A、B、C、Dの順で価値が徐々に高まる。コンティニュー料金の支払いによっていずれの種類の特典を付与するかは、適宜の方法で選択されてよい。例えば、特典A〜Dのいずれかが抽選によって選択されてもよい。あるいは、コンティニュー料金の支払いが繰り返されるに従ってより価値の高い特典が付与されるように、コンティニュー料金の支払い回数と関連付けて特典が選択されてもよい。なお、
図5の特典はあくまで一例であり、特典の内容はこれに限られるものではない。例えば、プレイ中の任意のタイミング、あるいは所定のタイミングで使用することが可能となるアイテム等が特典として付与されてもよい。プレイに関連する特典に代えて、又は加えて、プレイに関連しない特典、例えばデジタルコンテンツの提供、カード等の物品の提供といった特典を提供する形態が採用されてもよい。
【0028】
一方、他のプレイヤPLに付与されるべき特典は、ゲームのプレイに関連するものであってもよいし、ゲームのプレイとは関連しないものであってもよい。また、他のプレイヤPLに対する特典は、継続対象のプレイヤPLに対する特典と同一であってもよいし、差別化されてもよい。例えば、他のプレイヤPLに関しても、次回以降のステージに関して
図5の特典A〜Dのいずれかが適用されてもよい。あるいは、他のプレイヤPLのライフが所定量回復するといった特典が付与されてもよい。
【0029】
継続対象のプレイヤPLに関してプレイの継続が許可されるか否かに関わりなく、コンティニューの段階及び継続設定の段階(ただし、コンティニュー料金が支払われた場合に限って実行される。)が過ぎると、次のステージへとゲームが進められる。以降、いずれかのプレイヤPLのライフLFが消滅しない限り、あるいはライフLFが残存する場合であってもプレイした回数が所定回数に達するまでステージのプレイが繰り返される。継続対象のプレイヤPLに対して継続が許可された場合にはそのプレイヤPLを含むようにして各ステージのミニゲームがプレイされる。コンティニュー料金が支払われなかった場合には、継続対象のプレイヤPLがゲームから脱退したものとみなされ、残されたプレイヤPL間で以降のステージがプレイされる。
【0030】
以上の例においては、ゲームをプレイするために必要な最小単位のプレイ料金の支払いによって複数人のプレイヤPLで共通のゲームをプレイすることが可能である。従来のゲーム機では、最小単位のプレイ料金が一人当たりのプレイ料金として設定され、複数人のプレイヤPLがゲームをプレイする場合には、最小単位のプレイ料金にプレイヤ人数を乗算した額のプレイ料金の支払いが必要とされることが通例である。このような従来例と比較して、上記の例によれば、複数のプレイヤPLがゲームをプレイする場合の金銭的な負担感を軽減し、ゲームへのエントリーに関する障壁を減らして複数のプレイヤPLが気軽にゲームを楽しめる環境を提供することができる。一方、ゲームにエントリーしたプレイヤPLの人数が多いほど初期設定で付与されるライフLFの値が小さく設定される。そのため、プレイヤPLの人数が多いほどプレイ範囲が早期に尽きてコンティニューの機会が生じる。したがって、エントリー時における一人当たりのプレイ料金の支払い額が減ったとしても、コンティニュー料金が早期に支払われることによりゲーム機3の単位時間当たりの収入額の低下が抑制される。よって、ゲーム機3の稼働率を高め、あるいは収益性を向上させることができる。プレイ範囲に関する不公平感、不平等感が生じるおそれを抑制し、又は解消することも可能である。
【0031】
一方、コンティニュー料金が支払われた場合には、継続対象のプレイヤPLに対して特典が付与される。その特典は次回以降のステージにおけるミニゲームのプレイで有利となるものであるため、例えばミニゲームで負けてライフLFが消滅したプレイヤPLにおいて、次のステージを有利な状況でプレイしてスコアを稼ぐといった意欲を生じさせ、それによりコンティニュー料金の支払いに対する動機付けを与えることができる。しかも、コンティニュー料金を支払った場合には、同一チーム内の他のプレイヤPLにも特典が付与される。これにより、継続対象となったプレイヤPLにおいて他のプレイヤPLに貢献する意識を生じさせ、それによりコンティニュー料金の支払いに関してより強い動機付けを与えることができる。
【0032】
次に、
図6及び
図7を参照してゲーム機3の制御系の構成を説明する。
図6は、ゲーム機3の制御系における要部の構成を示している。ゲーム機3には、制御装置20と、記憶装置(記憶手段)21とが設けられている。制御装置20は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(ROM及びRAM)等の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。記憶装置21は、例えばハードディスク記憶装置やフラッシュメモリといった記憶保持が可能な不揮発性の記憶装置である。記憶装置21は、制御装置20にて実行されるべきゲームプログラムPG及びそのプログラムPGが参照すべきゲームデータDGを記憶する。ゲームプログラムPGは複数種類のミニゲームのそれぞれを提供するためのミニゲームモジュールPmを含み、ゲームデータDGは各ミニゲームモジュールPmにて参照されるべきミニゲームごとのデータDmを含む。さらに、記憶装置21には、プレイデータDPも適宜に記録される。プレイデータDPはプレイヤのプレイ履歴を保存したデータであって、センターサーバ2にユーザの識別情報と対応付けて保存されているデータである。ゲーム機3にてプレイヤがユーザ認証を行うと、センターサーバ2からゲーム機3にプレイデータDPが提供され、記憶装置21に記録される。そのプレイデータDPがゲーム機3にて参照されることにより、プレイヤは前回の続きからゲームをプレイし、あるいは今回のゲームのプレイ履歴をプレイデータDPに記録してセンターサーバ2に保存することが可能となる。
【0033】
制御装置20には、その入力装置として、
図2に示したステーションSTごとの入力装置13と、カードリーダ16と、コインセレクタ22とが接続されている。コインセレクタ22は、コインスロット17から投入される硬貨(又はその代替物)の種別を判別し、投入された硬貨の種類及び投入枚数を示す信号を制御装置20に提供する。また、制御装置20には、その出力装置として、
図2に示したモニタ11及びスピーカ18が接続されている。上記の他にも、制御装置20にはセンターサーバ2との通信等を制御するネットワーク制御装置等の入出力装置が接続されるが、それらの図示は省略した。
【0034】
制御装置20には、そのハードウエア資源と、ソフトウエアとしてのゲームプログラムPGとの組み合わせによって実現される論理的装置としてゲーム制御部23が設けられる。
図7はゲーム制御部23の具体例を示している。ゲーム制御部23には、さらなる論理的装置として、課金管理部25、エントリー管理部26、プレイ範囲制御部27、プレイ制御部28及び特典制御部29が設けられる。課金管理部25は、コインセレクタ22、カードリーダ16及び各ステーションSTの入力装置13の出力を参照してプレイヤに対する課金、言い換えればプレイヤからのプレイ料金やコンティニュー料金の徴収に必要な処理を実行する。エントリー管理部26は、
図3で説明したエントリー段階の処理、すなわち、ゲームへのエントリーの受け付けに必要な処理を入力装置13の出力を参照しつつ実行する。プレイ範囲制御部27は各プレイヤのプレイ範囲を定める指標値の一例としてのライフを管理する。すなわち、プレイ範囲制御部27はゲーム開始時のライフの設定、あるいは各ステージにおけるプレイに応じたライフの更新、コンティニュー時のライフの回復といった処理を実行する。プレイ制御部28は各ステージにてプレイさせるべきミニゲームを選択し、入力装置13の出力を参照しつつミニゲームのスコアを演算する、といった各ステージにおけるミニゲームのプレイに関連した処理を実行する。プレイ範囲制御部27及びプレイ制御部28はログデータLGに適宜にアクセスしてこれを読み取り、あるいは更新する。ログデータLGはプレイ範囲制御部27あるいはプレイ制御部28の処理内容をゲームの履歴として記録したデータであって、制御装置20の内部記憶装置に保持される。ログデータLGは必要に応じて記憶装置21に記録されてよい。また、ログデータLGの少なくとも一部の情報が必要に応じてプレイデータDPに記録されてよい。なお、課金管理部25及びエントリー管理部26のそれぞれの処理の履歴も必要に応じてログデータLGに記録されてもよい。
【0035】
次に、
図8及び
図9を参照してゲーム制御部23におけるゲームの制御手順の一例を説明する。
図8は、ゲームのプレイを開始するためにゲーム制御部23が実行するプレイ開始制御処理の手順の一例を示している。
図8のプレイ開始制御処理は、ゲーム機3にてプレイヤがプレイ料金の支払いに必要な操作を行った場合に開始される。例えばコインスロット17に対してプレイヤが硬貨を投入し、あるいは電子通貨による支払いを開始するための操作を行った場合に
図8の処理が開始されてよい。
図8の処理においては、まず課金管理部25がコインセレクタ22又はカードリーダ16の出力信号を参照して最小単位のプレイ料金が支払われた否かを判別する(ステップS1)。コインセレクタ22からの出力信号に基づく場合には、最小単位に相当する硬貨等が投入されたか否かを判別すればよい。電子通貨による支払いの場合には、例えばカードリーダ16から読み取った情報に基づいて最小単位相当のプレイ料金の消費に成功したか否かを判別すればよい。なお、電子通貨による決済は、公知の手法が適宜に用いられてよい。例えばプレイヤが所持するカード等の記憶媒体に金銭的価値の残高情報が記録され、その残高を消費させることによりプレイ料金を徴収する場合には、カードリーダ16にライター機能を設けておき、ユーザのカード等に記録された残高を上書きすることによりプレイ料金が徴収されてよい。あるいは、プレイヤが所持する記憶媒体に記録されたユーザの識別情報と対応付けてセンターサーバ2に金銭的価値の残高情報が保持されている場合には、カードリーダ16を介して識別情報を読み取り、その識別情報に対応する残高情報からプレイ料金相当の金銭的価値を消費すればよい。なお、電子通貨を用いた支払いを可能とする仕組みとして、硬貨等による支払い額に相当する電子通貨が消費されたことを条件としてコインセレクタ22と等価な信号を制御装置20に出力するリーダその他の支払い端末装置を設ける例も存在する。本形態のゲーム機3ではそのような例が採用されてもよい。
【0036】
ステップS1にて料金が支払われなかったと判断された場合、ゲーム制御部23は
図8の処理を終える。一方、少なくとも最小単位の額のプレイ料金が支払われたと判断された場合、その旨が課金管理部25からエントリー管理部26に通知される。これを受けてエントリー管理部26はプレイ料金を支払ったユーザに関するユーザ認証を実行する(ステップS2)。ユーザ認証は、プレイヤが所持するカード等の記憶媒体からユーザの識別情報を読み取り、これをセンターサーバ2に提供してセンターサーバ2からのプレイデータDPの取得、及びセンターサーバ2へのプレイデータDPの保存を可能とするための処理である。なお、ユーザ認証では、認証されたユーザがいずれのステーションSTにてプレイするかを特定するために、識別情報の読み取り操作と関連付けていずれかのステーションSTにおける入力装置13に対して所定の選択操作を行うようにプレイヤに指示が与えられる。その指示に応じてプレイヤがいずれかのステーションSTにて選択操作を行うと、そのステーションSTとユーザの識別情報とが対応付けてゲーム機3の内部記憶装置に記録される。ユーザ認証は必須ではなく、プレイヤが希望しない場合、あるいはプレイヤが識別情報を取得していない場合には省略が可能とされてもよい。なお、本実施形態では、ステップS2において一人目のプレイヤのみ、ユーザ認証が行われる例を示している。
【0037】
ユーザ認証処理が終わると、続けてエントリー管理部26はエントリー処理に関して設定された制限時間の計時を開始する(ステップS3)。続けて、エントリー管理部26は二人目以降のプレイヤのエントリーを受け付ける(ステップS4)。例えば、エントリーを希望するプレイヤが、まだプレイヤが割り当てられていないステーションSTの入力装置13に対して所定の参加操作を行うことにより、エントリーが受け付けられる。この際、カードリーダ16に識別情報を読み取らせることにより、二人目以降のプレイヤに関してもユーザ認証が行われてよい。エントリー受付を開始した後、エントリー管理部26はステップS3で開始した計時の値に基づいて、所定の制限時間が経過したか否かを判別する(ステップS5)。経過していない場合、エントリー管理部26は他のプレイヤのエントリーがあったか否かを判別し(ステップS6)、エントリーがなければステップS5の処理に戻る。ステップS6で他のプレイヤのエントリーがあったと判断された場合、エントリー管理部26はいずれかのプレイヤによってエントリーの確定操作が行われたか否かを判別する(ステップS7)。確定操作が行われていない場合、エントリー管理部26はステップS5の処理に戻る。
【0038】
ステップS5にて制限時間が経過したと判断された場合、又はステップS7にて確定操作が行われたと判断された場合にエントリーの段階が完了となり、エントリー管理部26はそれまでにエントリーしたプレイヤをゲームの参加者として確定させる。その後、エントリー管理部26は、確定したプレイヤをチームに分け(ステップS8)、さらにエントリー結果をプレイ範囲制御部27に提供する。プレイ範囲制御部27は、確定したプレイヤの人数と、ステップS1で支払われたプレイ料金とに基づいて各プレイヤに対してライフを設定する(ステップS9)。その設定は
図4を例に挙げて説明した通りでよい。なお、エントリー確定までの間に、プレイ料金の追加的な支払いが許容されてもよいし、そのような支払いが拒否されてもよい。追加的な支払いを許容する場合には、その追加分を含めたプレイ料金に応じてライフが設定されるものとすればよい。
【0039】
ライフが設定されると、プレイ範囲制御部27はエントリー結果及びライフの設定値をプレイ制御部28に提供してプレイ開始を指示する(ステップS10)。これにより、
図3の初期設定が完了し、以降各ステージを順次プレイする段階へとゲームの処理が進む。各ステージにおけるミニゲームの選択、プレイヤの操作に応じたスコアの演算等はプレイ制御部28によって行われる。ステップS10でプレイ開始が指示されると、
図8の処理は終了する。
【0040】
図9は、ゲーム制御部23がプレイ範囲の一例としてのライフの値を管理するために実行するプレイ範囲制御処理の手順を示している。
図9の処理は、ゲームのプレイ中、すなわち
図3にて各ステージが順次プレイされる間にゲーム制御部23にて繰り返し行われる。例えば、
図9の処理は各ステージのプレイが終了した時点で行われる。ただし、
図9の処理は、ステージのプレイ中でも繰り返し実行されてもよい。
図9の処理が開始されると、まずプレイ範囲制御部27はその時点での各プレイヤのプレイ状況をプレイ制御部28から取得する(ステップS21)。次に、プレイ範囲制御部27は、取得したプレイ状況に従って各プレイヤのライフの値を更新する(ステップS22)。例えば、所定の消費条件を満たしたプレイヤについては、ステージの終了時点でライフの値が1減少するように更新され、消費条件を満たさないプレイヤについてはライフの値が同一の値に維持される。
【0041】
次に、プレイ範囲制御部27は、ステップS21で取得したプレイ状況に基づいて、所定の加算条件が満たされているか否かを判別する(ステップS23)。加算条件については後述する。加算条件が成立していない場合、プレイ範囲制御部27はライフの値が消滅、すなわち0に達したプレイヤが存在するか否かを判別する(ステップS24)。ライフが消滅したプレイヤ(継続対象のプレイヤである。)が存在している場合、プレイ範囲制御部27はプレイ制御部28に対してその旨通知して次のステージへの進行を保留させ、コンティニュー処理を開始する(ステップS25)。コンティニュー処理の開始に伴なってプレイ範囲制御部27はコンティニュー処理に割り当てられた制限時間の計時を開始するとともに、課金管理部25に対して所定のコンティニュー料金を継続対象のプレイヤに対して課金するように指示する。次に、プレイ範囲制御部27はステップS25で計時を開始した制限時間が経過したか否かを判別し(ステップS26)、経過していない場合には、課金管理部25が所定のコンティニュー料金の支払いを受け付けたか否かを判別する(ステップS27)。コンティニュー料金が支払われていない場合、プレイ範囲制御部27はステップS26の処理に戻る。
【0042】
ステップS26にて制限時間が経過したと判断された場合、又はステップS27にてコンティニュー料金が支払われたと判断された場合、プレイ範囲制御部27は継続対象のプレイヤに対してコンティニュー料金に応じたライフを加算する(ステップS28)。ステップS28の処理により継続対象のプレイヤのライフが回復し、当該プレイヤが次回以降のステージを継続してプレイすることが可能となる。ステップS28の処理が終わると、プレイ範囲制御部27は特典制御部29に対してコンティニュー料金が支払われて継続対象のプレイヤによるプレイの継続が可能となった旨を通知する。特典制御部29は、その通知を受けて継続対象のプレイヤに特典を付与し(ステップS29)、そのプレイヤと同一チームに所属する他のプレイヤに対しても特典を付与する(ステップS30)。特典の内容は
図5を例に挙げて説明したように適宜に設定することができる。特典の付与は、特典制御部29からプレイ範囲制御部27又はプレイ制御部28に対して特典内容を通知し、プレイ範囲制御部27又はプレイ制御部28がその通知された特典を反映した処理を実行することにより実現することができる。例えば、ペナルティの減少であればプレイ範囲制御部27がその後のステップS22の処理でライフの減少を制限すればよく、スコアアップであればプレイ制御部28が継続対象のプレイヤのスコアを加算すればよい。
【0043】
ステップS30の処理が終わると、コンティニュー及び継続設定に関連する処理が完了し、プレイ制御部28は保留していた次のステージのプレイへと処理を進める。これと並行して、プレイ範囲制御部27は、今回の処理結果をコンティニューの履歴としてログデータLGに記録する(ステップS31)。これにより
図9の処理が終了する。ステップS23で加算条件が成立していると判断された場合、プレイ範囲制御部27は全てのプレイヤのライフに所定値(例えば1)を加算し(ステップS32)、その後にステップS31の処理に進む。加算条件は、例えばゲームに参加している全てのプレイヤのスコアの合計値が所定の基準値を超えたときに成立するといったように、全てのプレイヤのプレイ状況が特別の状態に達したときに成立するように設定されてよい。そのように加算条件を設定した場合には、例えばその成立間近の段階でいずれかのプレイヤのライフが消滅したときに、当該プレイヤに対して、加算条件の充足を誘引としてコンティニュー料金支払いの動機付けを与えることが可能である。ステップS24でライフが消滅したプレイヤが存在しないと判断された場合、プレイ範囲制御部27はステップS25〜S30の処理をスキップしてステップS31の処理に進む。ステップS36にて制限時間が経過したと判断された場合、プレイ範囲制御部27は継続対象のプレイヤがコンティニューを選択せず、ゲームから脱退したと判定してその旨をプレイ制御部28に通知し(ステップS33)、その後にステップS31の処理へと進む。ステップS33の通知を受けたプレイ制御部28は、脱退したプレイヤを除外して次回以降のステージを残りのプレイヤにプレイさせる。
【0044】
図9のステップS31にてログデータLGに記録されるコンティニュー履歴の情報は、ミニゲームごとのコンティニュー率の高低を把握し、各ステージにおけるミニゲームの選択時に参照する情報として利用することが可能である。例えば、各ステージが終了した時点でプレイ制御部28により次のステージのミニゲームを選択してこれを予告し、その予告に対して継続対象のプレイヤがコンティニューを選択したか否かの結果をプレイ範囲制御部27で判別してログデータLGにコンティニュー履歴として記録する。その記録は、次のステージにて選択されるミニゲームの種類と対応付けておく。そのコンティニュー履歴をゲーム機3から適宜のタイミングでセンターサーバ2に提供してデータベースに蓄積する。そのデータベースを参照すれば、ミニゲームごとのコンティニュー率の高低を判別することが可能である。したがって、例えばゲーム機3では、いずれかのプレイヤに関してコンティニューが生じるときに、コンティニュー率が相対的に高いミニゲームを次のステージのミニゲームとして選択することにより、プレイヤがコンティニューを選択する可能性を高め、それによりゲーム機3の稼働率、あるいは収益率の向上を図ることができる。なお、一種類のミニゲームを複数のステージに亘って連続的にプレイさせる場合には、次ステージにて提供されるミニゲームの予告を省略し、プレイヤのライフが減少して近い将来に消滅が予想されるような段階で、コンティニュー率が相対的に高いミニゲームを選択することにより、プレイヤがコンティニューを選択する可能性を高める、といった処理も可能である。
【0045】
以上の形態においては、プレイ範囲制御部27が
図8のステップS10の処理を実行することによりプレイ許可制御手段の一例として機能し、
図8のステップS9の処理を実行することによりプレイ範囲設定手段の一例として機能する。また、プレイ制御部28が
図8のステップS10の指示を受けてプレイを開始させ、かつ
図9のステップS25に対応して次のステージへの進行を一旦保留させることによりプレイ制御手段の一例として機能する。さらに、エントリー管理部26が
図8のステップS2〜S7の処理を実行することにより参加受付手段の一例として機能する。
【0046】
本発明は上述した形態に限定されることなく、適宜の変形又は変更が施されて実施されてよい。例えば、上記の形態では、プレイ範囲をライフとして設定し、かつゲームのプレイにおいて消費条件が満たされるとライフを1ずつ減少させたが、プレイ範囲の制御はそのような形態に限定されない。ゲームが一定範囲進むごとにプレイ範囲の指標値を所定量ずつ減らすといった制御が適用されてもよいし、一回当たりのライフの変更量(一例として消費量)も一定値に限らず動的に変更されてもよい。プレイ範囲の指標値の変化は、その指標値を減少させる変化に限定されず、増加させる方向の変化であってもよい。
【0047】
上記の形態では、ゲームをステージごとに進めるものとし、かつ各ステージではミニゲームをプレイさせるものとしたが、複数のプレイヤが参加する共通のゲームはそのように進行する例に限らない。例えば、一種類のゲームを複数のステージに亘って順次進めるようにゲームが構成されてもよい。上記の形態では、ライフが消滅した場合、コンティニュー料金が支払われない限りプレイの継続が許可されないことにより、プレイ範囲が尽きたプレイヤのその後のプレイを制限したが、その制限はプレイを一旦終了させる例に限らない。プレイそれ自体は可能であっても、スコアの獲得が制限されるといったように、ゲームのプレイに関してプレイ範囲の終了前と比較して何らかの制限が課されるようにしてもよい。また、上記の形態では初期段階でプレイヤをチームに分けているが、チーム分けの処理は必須ではなく、これを省略してゲームのプレイが開始されてもよい。複数のプレイヤが参加する共通のゲームも、成績等を競い合う対戦形式のゲームに限定されず、プレイヤ同士が協力して進める要素を含んだゲームであってもよい。ゲームは各プレイヤが同時並行的に、あるいは一緒にプレイする態様であってもよいし、各プレイヤが順にプレイするいわゆるターン制の要素を含んだ態様であってもよい。
【0048】
上記の形態では、ステージが終了するごとにライフの値を更新するものとしたが、プレイ範囲の変化はゲームがプレイされている間の適宜のタイミングで行われてもよい。一部のプレイヤのプレイ範囲が尽きてコンティニューの処理が実行されている間に、他のプレイヤが継続してゲームをプレイするようにゲームの進行が制御されてもよい。
【0049】
上記の形態では、プレイ料金の最小単位を、一人のプレイヤがゲームをプレイするために必要な最低額として設定しているが、最小単位の対価は、必ずしも一人のプレイヤを対象としたときの対価の最小値に設定されなくともよい。例えば、最低でも二人のプレイヤが参加してプレイすることを前提として構成されているゲームの場合には、その二人のプレイヤがゲームをプレイするために必要な最初額のプレイ料金が最小単位の対価として設定されてもよい。つまり、最小単位の対価は、ゲームシステムにて提供されるゲームをプレイするために必要な対価の絶対的な最小値を意味するものであって、プレイヤの人数に応じて変動するものではない。
【0050】
上記の形態では、プレイ範囲をライフの値によって表現したが、プレイ範囲の概念は、対価と引き換えにプレイヤに提供される価値として捉えられるべきものである。例えば、プレイ可能な時間長、プレイ可能なステージ数等が価値の尺度として用いられてよいが、プレイ範囲の概念はそのような尺度に限定されない。例えば、複数種類のミニゲームが用意されている場合において、プレイヤが選択可能な種類のミニゲームの範囲を増減させる場合でも、対価と引き換えに提供される価値が変動していることに変わりなく、そのような態様もプレイ範囲の概念に含まれる。ミニゲームに代えて、又は加えて、プレイヤがゲームにて利用できるアイテムの範囲等、プレイ範囲は適宜の事項を尺度として設定されてよい。
【0051】
上記の形態では、据え置き型の一台のゲーム機にて複数のプレイヤが同時にゲームをプレイする場合を例に挙げて説明したが、ネットワークを介して接続された複数のゲーム端末、一例として
図1のユーザ端末装置4を複数のプレイヤのそれぞれが利用して共通のゲームをプレイする場合でも本発明は適用が可能である。ネットワークを介して接続された複数台の据え置き型のゲーム機を利用してゲームをプレイさせる場合、あるいは一台以上の据え置き型のゲーム機と一台以上のユーザ端末装置4とをネットワークを介して接続してゲームをプレイさせる場合でも本発明の適用が可能である。
【0052】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0053】
本発明の一態様に係るゲームシステムは、複数のプレイヤ(一例として
図3のPL1〜PL4)が参加してプレイすることが可能なゲームを対価の支払いと引き換えに提供するゲームシステム(1)であって、前記ゲームをプレイするために必要な最小単位の対価が支払われたことを条件として、前記複数のプレイヤによるゲームのプレイを許可するプレイ許可制御手段(27、S10)と、各プレイヤが前記ゲームをプレイできる範囲としてのプレイ範囲(一例として
図3のライフLF)が、支払われた対価と前記複数のプレイヤの人数とに応じて変化するようにして、前記支払われた対価と前記プレイヤの人数とに基づき各プレイヤのプレイ範囲を設定するプレイ範囲設定手段(27、S9)と、前記プレイ範囲設定手段が設定した範囲で各プレイヤに前記ゲームをプレイさせるプレイ制御手段(28)と、を備えたものである。
【0054】
本発明の一態様に係るゲームシステム用のコンピュータプログラムは、複数のプレイヤ(一例として
図3のPL1〜PL4)が参加してプレイすることが可能なゲームを対価の支払いと引き換えに提供するゲームシステム(1)に設けられたコンピュータ(20)を、前記ゲームをプレイするために必要な最小単位の対価が支払われたことを条件として、前記複数のプレイヤによるゲームのプレイを許可するプレイ許可制御手段(27、S10)、各プレイヤが前記ゲームをプレイできる範囲としてのプレイ範囲(一例として
図3のライフLF)が、支払われた対価と前記複数のプレイヤの人数とに応じて変化するようにして、前記支払われた対価と前記プレイヤの人数とに基づき各プレイヤのプレイ範囲を設定するプレイ範囲設定手段(27、S9)、及び前記プレイ範囲設定手段が設定した範囲で各プレイヤに前記ゲームをプレイさせるプレイ制御手段(28)、として機能させるように構成されたものである。
【0055】
上記態様によれば、ゲームのプレイに必要な最小単位の対価が支払われると複数のプレイヤによるゲームのプレイが許可される。したがって、最小単位の対価をプレイヤの人数に応じて増加させた対価の支払いをプレイ許可の条件として設定する場合と比較して対価の負担感を軽減することが可能である。一方、支払われた対価とプレイヤの人数とに応じてプレイ範囲を変化させることにより、ゲームシステムの稼働率、あるいは収益性を損なわないように合理的な範囲で複数のプレイヤにゲームをプレイさせることが可能である。対価の負担に関するプレイヤの不公平感、不平等感を抑制し、あるいは解消してプレイヤの納得感を高め、それによりゲームの興趣を高めることも可能である。
【0056】
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のゲームシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0057】
上記態様において、前記プレイ範囲設定手段は、前記支払われた対価を前記プレイヤの人数で除した値が大きいほど前記プレイ範囲が拡大するようにして前記プレイ範囲を設定してもよい。これによれば、プレイヤ一人当たりの対価の支払い額に合わせてプレイ範囲が拡縮するため、より合理的な範囲でゲームをプレイさせることが可能であり、かつ対価の負担に関するプレイヤの不公平感、不平等感をより効果的に払拭させることができる。
【0058】
上記態様において、前記プレイ範囲設定手段は、前記プレイ範囲を定める指標値(一例としてライフの値)を前記支払われた対価と前記プレイヤの人数とに応じて増減させることにより前記プレイ範囲を設定するとともに、各プレイヤのプレイに応じて前記指標値をプレイヤごとに区別して変化させ、前記指標値が所定値に達したプレイヤに関しては、その後のプレイを制限するものとしてもよい。これによれば、プレイ範囲のプレイに関する制限が生じるか否かをプレイヤごとに区別して制御することにより、プレイヤのプレイ内容、あるいはプレイ結果等をプレイ範囲の制御に反映させることができる。したがって、例えばゲームで好成績を挙げているプレイヤが成績の劣るプレイヤに比してより長い時間に亘って制限なくプレイできる、といった差別化が可能となり、それによりゲームの興趣を高めることが可能である。
【0059】
上記態様において、前記対価の支払いに対応して前記ゲームへの参加を受け付ける参加受付手段(26、S2〜S7)をさらに具備し、前記プレイ許可制御手段は、前記参加を受け付けたプレイヤに対して前記プレイを許可するものとしてもよい。これによれば、最小単位の対価の支払いを契機として複数のプレイヤがゲームに参加する機会を生じさせることができる。最小単位の対価が支払われることがプレイ許可の条件であるため、参加を希望するプレイヤによる新たな対価の支払いは不要である。したがって、各プレイヤは対価の負担という抵抗を感じることなく気軽にゲームに参加することができる。そのため、複数のプレイヤがゲームに参加する頻度を高め、それに伴なってゲーム機の稼働率を高めることができる。
【0060】
上記態様においては、前記最小単位を超える対価の支払いが可能とされ、前記プレイ範囲設定手段は、前記支払われた対価と前記最小単位の対価との差が大きいほど前記プレイ範囲が拡大するようにして前記プレイ範囲を設定してもよい。この場合には、最小単位を超える対価が支払いが許容され、かつそのような支払いがあった場合には最小単位の対価との差分に応じてプレイ範囲がより大きく、あるいはより広く設定される。それにより、対価の支払いに関するプレイヤの選択に柔軟性を与え、プレイヤの求めに応じた範囲でゲームをプレイさせることが可能である。
【0061】
上記の態様においては、電子通貨により前記対価の支払いが可能とされてもよい。電子通貨による支払いは硬貨あるいはその代替物等による物理的な支払いと比較して、対価の支払いの単位に関する物理的な制約を緩和することができる。そのため、最小単位をより小さく設定してゲームのプレイを開始する際の負担を軽減し、あるいは最小単位を超える支払いを許容する場合にはその差分に関しても柔軟性を設定しつつ、その対価に応じて設定されるべきプレイ範囲より細かく、あるいは柔軟に設定することができる。それにより、プレイヤの求めに対してプレイ範囲を柔軟に変更することが可能なゲームシステムを提供することができる。
【解決手段】複数のプレイヤPL1〜PL4が参加してプレイすることが可能なゲームを対価PFの支払いと引き換えに提供するゲームシステムにおいて、ゲームをプレイするために必要な最小単位の対価が支払われたことを条件として、複数のプレイヤPL1〜PL4によるゲームのプレイを許可する手段と、各プレイヤPL1〜PL4がゲームをプレイできる範囲としてのプレイ範囲LFが、支払われた対価とプレイヤの人数とに応じて変化するようにして、支払われた対価とプレイヤの人数とに基づき各プレイヤのプレイ範囲LFを設定する手段と、設定されたプレイ範囲LFで各プレイヤPL1〜PL4にゲームをプレイさせる手段とを設ける。