特許第6458265号(P6458265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6458265-自動車ドア用ラッチ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6458265
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】自動車ドア用ラッチ
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/26 20140101AFI20190121BHJP
   E05B 77/36 20140101ALI20190121BHJP
【FI】
   E05B85/26
   E05B77/36
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-544359(P2015-544359)
(86)(22)【出願日】2013年11月23日
(65)【公表番号】特表2015-535561(P2015-535561A)
(43)【公表日】2015年12月14日
(86)【国際出願番号】DE2013000705
(87)【国際公開番号】WO2014082620
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2016年11月21日
(31)【優先権主張番号】102012023261.6
(32)【優先日】2012年11月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】シファー, オルガー
(72)【発明者】
【氏名】イナン, オメル
(72)【発明者】
【氏名】ショルツ, ミヒャエル
【審査官】 小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭46−013132(JP,Y1)
【文献】 実開平03−054570(JP,U)
【文献】 特開2003−301647(JP,A)
【文献】 特表2007−508478(JP,A)
【文献】 特開2012−007341(JP,A)
【文献】 特開2011−168961(JP,A)
【文献】 特開2011−017172(JP,A)
【文献】 実開昭60−154562(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0026931(US,A1)
【文献】 米国特許第05522626(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャッチ部(1)を備えるロック機構を備えた自動車用ラッチにおいて、
前記キャッチ部(1)は、第1の軸(7)を中心として回転するキャッチアーム(3)およびロードアーム(4)、前記キャッチアーム(3)および前記ロードアーム(4)の間に形成された切り込み部分(5)を備え、
前記第1の軸(7)は、軸方向から見るとき、前記切り込み部分(5)の底部の隣りで前記キャッチアーム(3)の領域で側方にオフセットされてアレンジされ、
前記切り込み部分(5)は、前記軸方向から見るとき、前記第1の軸(7)を中心とした、前記ロードアーム(4)および前記キャッチアーム(3)の対向したアーチ状側方外形と、前記アーチ状側方外形に続く前記ロードアーム(4)および前記キャッチアーム(3)の対向した逆アーチ状側方外形とで構成されるアーチ状経路を有し、ラッチホルダ(6)が前記アーチ状経路に沿って案内され
前記軸方向から見るとき、前記第1の軸(7)の中心と前記切り込み部分(5)の底部とを結ぶ方向で、前記底部と前記第1の軸(7)との距離は、前記底部に対して前記第1の軸(7)の反対側にある前記キャッチアーム(3)の縁と前記第1の軸(7)との距離と同一であることを特徴とする、ラッチ。
【請求項2】
前記第1の軸(7)は、前記切り込み部分(5)の外部端部(9)から見たとき、前記底部の高さでアレンジされることを特徴とする、請求項1に記載のラッチ。
【請求項3】
第2の軸(11)を中心として回転し、前記キャッチ部(1)と係合する爪部(2)を更に有し、前記爪部(2)はプラスチックで形成され、前記第2の軸(11)は金属で形成されることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載のラッチ。
【請求項4】
切り込み部分(5)のキャッチアーム(3)およびロードアーム(4)と共に回転可能に装着されたキャッチ部(1)と、前記キャッチ部(1)をラッチする為の爪部(2)とを含むロック機構を備えた自動車用ラッチにおいて、
前記切り込み部分(5)は、少なくとも5mmを有する留めピン(6)の為にガイド部を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラッチ。
【請求項5】
前記切り込み部分(5)の前記底部が、主要ラチェット位置における前記切り込み部分(5)の最上端部の下方にアレンジされるように設計されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のラッチ。
【請求項6】
前記第1の軸(7)の領域における前記キャッチアーム(3)の幅が、前記ロードアーム(4)の幅より大きいことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のラッチ。
【請求項7】
前記第1の軸(7)の領域における前記キャッチアーム(3)の幅が、前記ロードアーム(4)の幅より少なくとも1.5倍大きいことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のラッチ。
【請求項8】
前記キャッチ部(1)の前記切り込み部分(5)の上部における前記キャッチアーム(3)の幅が、前記ロードアーム(4)の幅に等しいことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のラッチ。
【請求項9】
ブラッチング要素比は3〜7であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のラッチ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のラッチを含む自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の包括的用語の特徴を備えたラッチに関する。
【0002】
自動車の為のラッチは、ラッチホルダとも呼ばれる留めピンを受ける為に回転可能に装着されたキャッチ部を備えたロック機構を含む。また、ロック機構は、爪部を含み、ここに、留めピンを保持するようにキャッチ部が係合可能である。
【0003】
自動車用ラッチのキャッチ部は、通常、ロードアームおよびキャッチアームによって形成されるフォーク状の入口スロット(切り込み部分ともいう。)を含み、フラップのドアが閉められるとき、自動車ドアまたはフラップ、すなわち、ボンネットまたは後尾扉の留めピンが入れられる。留めピンすなわちラッチホルダは、その後、閉鎖位置の方向に解錠位置から、爪部がキャッチ部をラッチするまで、キャッチ部を回転させる。この位置をラッチ位置という。留めピンは、その後、キャッチ部の入口スロットを離れることができない。
【0004】
一般的に、自動車ドア用ラッチは、1つか2つのラッチ位置(予備ラチェット位置、主要ラチェット位置)を含む。予備ラチェット位置は、閉鎖中、それぞれのドアまたはフラップが主要ラチェット位置に達しない場合、それぞれのドアまたはフラップを捕らえるのに役立つ。キャッチ部は、予備ラチェット位置から更に回転される場合、それは、最終的に主要ラチェット位置に達する。
【0005】
操作を容易にするため、車両用ラッチは、小さな力で解錠可能であることが望ましい。主要ラチェット位置において、解錠に必要な力は、とりわけ、キャッチ部の旋回点および主要ラチェット位置の間(第1レバー)と、キャッチ部の旋回点および接触領域または留めピンおよびロードアーム間の接触点の間(第2レバー)とのレバー比に依存する。第1レバーは、キャッチ部の中心から始まり、力の方向に対して垂直に延びているが、主要ラチェット位置において、この力の方向に沿ってキャッチ部のロードアームが爪部に押し迫っている。第2レバーは、キャッチ部の軸の中心から始まっている。ロック機構が主要ラチェット位置にある場合、DE 10 2009 029 016 A1の図1に示されるように、留めピンは、その方向が第2レバーと直角を形成する力を作用させる。第2レバーは、力の矢印の高さで終わっている。
【0006】
第1レバーおよび第2レバーの長さの比を、ブラッチング要素比という。ブラッチング要素比が大きいほど、ロック機構のラッチ解除に必要な力は小さくなる。
【0007】
DE 10 2009 029 016 A1の図1は、あるラッチの場合の金属プレートに固定されたロック機構を開示するが、この場合のブラッチング要素比は3である。キャッチ部のロードアームは、キャッチアームより広くなっている。キャッチアームは、その開放端部で狭くなっており、この端部に最小の力が作用される。そのため、材料と重量が節約される。対照的に、ロードアームは開放端部に向かって厚くなっており、予備ラチェット位置に対する戻り止め表面の為のアレンジと、ロードアーム上の主要ラチェット位置に対する戻り止め表面の為のアレンジとを可能にする。
【0008】
ロック機構の爪部は、側方ラッチケース壁に隣接してアレンジされているので、爪部は、衝突の場合に相当な力に晒されるとき、それ自体をラッチケース壁に対して支持できる。
【0009】
良いブラッチング要素比を達成するため、DE 10 2009 029 014 A1の印刷物は、主要ラチェット位置のキャッチ部の軸と留めピンとの間の距離を最小限にすることを示唆している。しかしながら、そのようなオプションは、安定性の理由から制限される。
【0010】
ロック機構を含む、DE 10 2009 029 014 A1およびDE 10 2009 029 016 A1の印刷物に開示されたラッチにおいて、キャッチ部の軸は、ロード及びキャッチアームを接続する領域に置かれているが、これは、切り込み部分の内端部の後方にある第2レバーに沿って、切り込み部分の外に置かれる端部と共に、側部から見られる。キャッチ部の軸の、そのようなアレンジは、印刷物DE 10 2009 026 921 A1およびDE 10 2010 003 483 A1からも知られている。
【0011】
内部にアレンジされた、すなわち、切り込み部分の内端部は、キャッチ入口スロットの底に置かれる、ロードアームおよび留めピン間の接触点または前記接触領域から見られる端部を指す。外端部は、キャッチ部の入口スロットの解錠の方向において、ロードアームおよび留めピン間の前記接触点から見られる端部を指す。
【0012】
対照的に、印刷物DE 10 2007 585 A1 およびDE 10 2010 036 924 A1は、外部入口部分を備えた端部から、第2レバーに沿って見られるとき、切り込み部分の内端部に対するキャッチ部の軸の、側方にオフセットされたアレンジを開示する。さらに、キャッチ部の軸および内側の切り込み部分は、この状況では、まだ、互いに後方にアレンジされている。
【0013】
ラッチ部の説明済みの特徴部は、以下に異なって特定されない限り、個別あるいは組合せで、本発明と組み合わせることができる。
【0014】
本発明は、請求項1の特徴部を備えたラッチを提供することを課題とする。
【0015】
有利な実施形態は、従属型式の請求項に記載されている。
【発明の概要】
【0016】
この課題を解決するため、請求項1は、ロードアームおよびキャッチアームを備えたキャッチ部を備えるロック機構を開示し、これらは、キャッチ部の軸に回転可能に装着され、留めピンを受けることができる。第2レバーに沿って、切り込み部分の外に置かれた端部と共に側部から見られるとき、キャッチ部の軸は、印刷物DE 10 2007 585 A1およびDE 10 2010 036 924 A1に開示された従来技術の実施形態のようにキャッチ部の軸がアレンジされているが、これらの従来技術の実施形態は、切り込み部分の内端部の隣りで側方にオフセットされている。しかしながら、これとは対照的に、互いに隣りにアレンジされる切り込み部分の内端部とキャッチ部の軸の領域が存在する。また、有利なことに、切り込み部分の内端部の前にアレンジされた、キャッチ部の軸の領域も存在する。この後者の実施形態において、キャッチ部の軸は、キャッチアームの領域へと延びている。
【0017】
そのため、機械的安定性を損なうことなく、第2レバーの大きさを任意の大きさに減少させることが可能である。その結果、良いブラッチング要素比、例えば少なくとも4が、ロック機構の為の過度に大きな設置空間を要することなく、達成可能である。小さな力でロック機構の係合を解除するため、5以上のブラッチング要素比を設けることも容易に可能である。
【0018】
本発明の一実施形態において、前述された状況において、キャッチ部の軸の中心は、内端部の高さまたはキャッチ部の入口モジュールの内端部の後方に置かれる。そのため、適切に第2レバーの長さはゼロとは異なり、留めピンを用いて解錠方向にキャッチ部を回すことができる。
【0019】
主要ラチェット位置では、4、5以上という良いブラッチング要素比のために爪部に作用する圧力は低い。そのため、前記爪部が受ける機械的応力は小さい。したがって、有利な実施形態において、ロック機構の安定性に不利な影響を与えることなく、爪部をプラスチックから製造することが可能である。安定性という理由のため、爪部の軸は、金属で形成されているが、都合の良いことに、通常より小さな直径にすることができる。これは、材料および空間を節約する。プラスチック製爪部を使用することによって、重量と必要な生産作業が都合良く減少される。また、プラスチック製爪部の使用も発生ノイズに関しては有利であるが、これは、ノイズ、特に、いわゆるオープニングプロッピング(opening plopping)が減じられるからである。もし、爪部の重量が減じられると、任意で設けられる爪部の予張力バネが弱くなり、都合良く、機械的応力が減じられる。任意で設けられる爪部の為の予張力バネは、爪部を、特に、そのラッチ位置へと移動させることができる。
【0020】
本発明の一実施形態において、切り込み部分の一部は、キャッチ部の軸、特に、切り込みモジュールの内端部を中心として、アーチ状になっている。その結果、爪部の回転軸は、ラッチホルダの中心軸あるいは留めピンの中心軸から離れて、十分な距離にアレンジ可能である。この実施形態は、小型設計にも拘わらず、キャッチ部が機械的に安定するという追加の利点を提供する。また、この設計は、キャッチ部の解錠位置から主要ラッチ位置まで、そして、主要ラッチ位置から解錠位置まで移動させるために、キャッチ部が90度未満で旋回することを可能にする。小さな旋回運動は、迅速かつ静かな解錠および閉鎖に特に有利であり、また、最小限の設置空間を保つことができる。
【0021】
実証されてきたことは、アーチ状経路に対応した留めピンの案内は、解錠および閉鎖中に発生するノイズ量を減少させることである。前記案内は、キャッチ部の回転軸のアレンジの、それぞれのノイズを減少させる。そのため、ガイド部は、都合良くノイズを減少させる独立した技術的な教示を表す。本発明の状況において、ガイド部は、互いに対向して配置された2つの制限部の平行アレンジ、すなわち、ロードアームおよびキャッチアームの、それぞれの対向した側方外形を意味する。ガイド部の幅は、特に、留めピンの直径より僅かにのみ大きく、ノイズを減少させ、設置空間を最小限に保つ。少なくとも5mmを超えて延びるガイド部で、既に相当のノイズ減少が達成可能である。明らかになったことは、より高いブラッチング要素比で、ノイズレベルを更に減少可能であることである。
【0022】
一実施形態において、切り込み部分の外端部を含む切り込み部分の一部は、アーチ部分(すなわち、一実施形態に設けられる一部と比較すると、キャッチ部の軸を中心としてアーチ状に延びる逆アーチ部分)を特徴とする。この実施形態は、多くの機械的安定性を与えるが、それでも、小型のキャッチ設計を与える。他の改良点は、キャッチ部が90度未満だけ旋回されなければならず、キャッチ部を、その解錠位置から主要キャッチ位置まで、さらに、主要キャッチ位置から解錠位置まで移動させる点である。
【0023】
ラッチ部が一体化される一実施形態、特に、ドアにおいて、切り込み部分の内端部は、主要キャッチ位置における切り込み部分の最上端部の下方にある。キャッチ部の軸は、ラッチがドアに一体化されるとき、ラッチホルダの下方にある。この実施形態は、不利な機械的応力を引き起こすドアの重量による爪部に伝達される力を防止する。これも、汚れの危険性を減少させる。
【0024】
以下、図に示された有利な実施形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
【0025】
キャッチ部と係合するために、爪部は、ロードアームまたはキャッチアームと係合可能である。
【0026】
設置されるとき、キャッチ部の切り込み部分の外端部は、内部端部の上方に位置するが、その下方に位置してもよい。アレンジは、利用可能な設置空間と一致するように選択される。
【0027】
本発明の対象のブラッチング要素比は、好ましくは3より大きく、特に好ましくは、5より大きい。本発明は、5.5〜6.5の実用ブラッチング部分比を与えられることが実証されてきた。最大7までのブラッチング要素比が一般的には可能である。7を超えるブラッチング要素比も可能であるが、一般的には、不必要な大きな設置空間を要する。
【0028】
高いブラッチング要素比は、都合の良いことに、低電力閉鎖補助器具(low-powered closing aid)の使用を可能にする。
【0029】
好ましくは、ラッチホルダは、ブラケットによって保持される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、主なラチェット位置におけるロック機構を示す。
【発明の詳細な説明】
【0031】
図1は、爪部2が係合するキャッチ部1を示す。キャッチ部は、入口スロット5を形成するキャッチアーム3およびロードアーム4を含む。入口スロット5は、ラッチホルダまたは留めピン6を保持する。ラッチホルダ6は、たとえば、ドア密閉圧力の結果として、力Fによって矢印で表示された方向に引っ張られる。しかしながら、ロードアーム4は、力Fによって、ラッチホルダがロック機構の外に移動されることを防止する。
【0032】
キャッチ部1は、軸7によって、回転可能に装着される。キャッチ部1の軸7は、キャッチアーム3の領域に一部が延びているので、力Fの矢印に対して垂直方向に沿って見られるように、さらに、切り込み部分5の外端部9から見られるように、切り込み部分5の内端部8の隣り或いは切り込み部分5の前に、部分的にアレンジされる。
【0033】
図1に示されるキャッチ部1のアレンジは、ドアにおける設置状態に対応するので、切り込み部分5の外端部9は、内端部8の上に位置する。
【0034】
図1は、停止部10が反時計廻り方向にキャッチ部1の過剰な旋回運動を防止するので、閉鎖位置の方向でキャッチ部1の解錠位置から始まる停止部10を示す。
【0035】
爪部2は、その軸11を中心として時計廻りの方向に旋回されると、爪部は、そのラッチ位置から外に移動する。キャッチ部1は、その後、解錠位置の方向で、時計廻りに回され、あるいは、旋回される。いったん、キャッチ1が、その解錠位置に達すると、ラッチホルダ6は、ロック機構から離れることができる。停止部10も、時計廻りの方向で、キャッチ部1の旋回運動、すなわち、ロック機構を解錠する為の旋回を制限する。
【0036】
切り込み部分5の内端部8の隣りの軸7の部分をアレンジすることによって、キャッチ部の軸の中心間の非常に小さな距離aと、力の矢印Fに対して垂直方向に、ラッチホルダ6およびロードアーム4間の接触領域とを設けることができる。そのように設けられた小さな第2レバーaは、キャッチ部の軸7の中心で始まり、それが終わる図示の主要ラッチ位置で、力の矢印Fへと垂直に延びている。図1は、引かれたラインによって示されるように、キャッチ部の軸の中心が切り込み部分の内端部8の高さに置かれる状況を示す。
【0037】
内端部8までの軸7の距離は、回転軸7とキャッチの左縁またはキャッチアーム3の左縁との間の距離と同様である。そのため、軸7は、切り込み部分5の内端部8とキャッチアームの対面する外部エッジとの間の中心に、少なくとも大体アレンジされている。これが、最適な材料の使用に伴う、キャッチアームの強度と機械的安定性とを最適化する。
【0038】
材料の使用を更に改善するため、キャッチアーム3は、示されるように、回転軸7の内端部の高さでロードアーム4より広くなっている。好ましくは、キャッチアームは、1.5倍から2.5倍、この領域において、ロードアームより広くなっている。しかしながら、開かれた、切り込み部分5の外部端部9に隣接した自由端において、キャッチアームおよびロードアームは、都合の良いことに、図示のように同様の広さを有し、材料の使用、すなわち、重量および必要な設置空間を最小限にしている。キャッチアーム3の幅は、ロードアーム4の幅と同一である。
【0039】
第1レバーは、例示されたギャップ5aによって示されるように、図1に示されたロック機構がブラッチング要素比5を有するように延びている。
【0040】
内端部8から始まり、切り込み部分5は、最初に、キャッチ部の軸7を中心としてアーチ状に、切り込み部分5の約半分まで延びている。切り込み部分の、その後の部分は、逆のアーチ状で、切り込み部分の外部端部9まで延びている。この設計は、機械的安定性を達成するように、材料使用を最適化することに寄与する。ロードアーム4およびキャッチアーム3の外形または平行の側方からの制限によって形成される、これらのアーチ状アレンジメントは、5mmより大きい留めピン6を案内する。この案内によって、かなりのノイズを減少することができる。
【0041】
【符合の説明】
【0042】
以下の参照符合は、図に使用されている。
1:キャッチ部
2:爪部
3:キャッチ部のキャッチアーム
4:キャッチ部のロードアーム
5:切り込み部分、キャッチ部の入口スロット
6:留めピン
7:キャッチ部の軸
8:入口部分の内端部
9:入口部分の外部端部
10:停止部
11:爪部の軸
12:保持要素
F:力の方向
図1