特許第6458352号(P6458352)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6458352
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】スキッド梱包材
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/34 20060101AFI20190121BHJP
【FI】
   B65D19/34 Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-89579(P2014-89579)
(22)【出願日】2014年4月23日
(65)【公開番号】特開2015-209213(P2015-209213A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2017年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】永見 静太郎
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−041142(JP,A)
【文献】 米国特許第4221751(US,A)
【文献】 実開昭58−167025(JP,U)
【文献】 特開2012−224343(JP,A)
【文献】 特開平10−316173(JP,A)
【文献】 特開平08−258868(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3005357(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/00−19/44
B65D 81/00−81/17
B65D 85/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯給湯装置を支持し且つ運搬する為の梱包材であって、フォークリフトの1対の爪部材を挿入可能な爪挿入部を備えたスキッド梱包材において、
古紙を用いて一体成形された古紙成形品で構成されており、
長手方向の両端部と中央部に上方に突出するように形成された複数の支持部と、これら支持部の下端部同士を連結するベース部とを備え、
前記爪挿入部は、前記複数の支持部と前記ベース部とから前記ベース部の上側に上方開放状に形成され、
前記貯湯給湯装置を前記複数の支持部に載置して梱包した状態において、前記フォークリフトの1対の爪部材を前記爪挿入部に挿入し、前記フォークリフトで前記貯湯給湯装置を直接持ち上げて運搬可能に構成され、
1又は複数の切込み部が前記ベース部にその幅方向の全長に亙って形成され、
前記スキッド梱包材を廃棄する際には、前記1又は複数の切込み部を介して複数分割して廃棄可能に構成されていることを特徴とするスキッド梱包材。
【請求項2】
前記長手方向の両端部の支持部が幅方向の全長にわたって形成され、
前記切込み部は、前記長手方向の両端部の支持部と平行に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスキッド梱包材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスキッド梱包材に関し、特に貯湯給湯装置等の住宅設備機器を支持した状態でフォークリフトによって持ち上げ運搬可能に構成されたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、貯湯給湯装置等の住宅設備機器を梱包する為の梱包材として、住宅設備機器の下部をスキッド部材(搬送用固定架台、パレット)に載置支持し、住宅設備機器の上部を段ボール材等からなるカバー部材で覆い、このカバー部材をバンド部材等で住宅設備機器に固定することで住宅設備機器を梱包状態にするスキッド包装が一般に知られている。
【0003】
ところで、一般的に、上記のスキッド部材は、複数の細長い木製部材が井桁状に組み合わされて構成されている。スキッド包装で梱包された状態の住宅設備機器を運搬する際には、住宅設備機器と木製のスキッド部材との間に又はスキッド部材に形成された隙間にフォークリフトの1対の爪部材を挿入し、フォークリフトで住宅設備機器を持ち上げて移動することができる。
【0004】
また、木製のスキッド部材以外にも紙製のスキッド部材も実用に供されている。即ち、特許文献1のスキッド部材には、段ボール材等からなる平板状の上面材と、この上面材の裏面側の長手方向の両端部に設けられ且つ断面形状が下方に開放した逆凹形の1対の紙管と、これら逆凹形紙管と直交する方向に設けられ且つ1対の逆凹形紙管間を連結する1対の補強用紙管とを備えた構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−156950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の木製のスキッド部材を使用する場合、スキッド部材の製造段階で、木材から細長い木製部材への加工、木材加工後の木製部材の組み立て等が必要であるので、製造コストの増加や製造工程の増加等の問題が生じてしまう。また、木製のスキッド部材は重量が重く頑丈であるので、廃棄処理する際の困難性も高いという問題もある。
【0007】
特許文献1のスキッド部材は、段ボール材を含めた複数の紙材から構成されている。つまり、紙材から逆凹形紙管や補強用紙管への加工、紙材加工後の上面材、紙管、補強用紙管の組み立て等が必要であるので、上記の木製のスキッド部材と同様に製造コストの増加や製造工程の増加等の問題が生じてしまう。そもそも、スキッド部材の材料として段ボール材を使用する場合、木材と比較して製造コストが高くなる上、耐水性の悪化に伴う耐久性の低下等の問題が生じてしまう。
【0008】
本発明の目的は、スキッド梱包材において、低コストで製造可能なもの、容易に製造可能で製造工程の短縮化が可能なもの、耐久性に優れ且つ容易に廃棄可能なもの、等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1のスキッド梱包材は、貯湯給湯装置を支持し且つ運搬する為の梱包材であって、フォークリフトの1対の爪部材を挿入可能な爪挿入部を備えたスキッド梱包材において、古紙を用いて一体成形された古紙成形品で構成されており、長手方向の両端部と中央部に上方に突出するように形成された複数の支持部と、これら支持部の下端部同士を連結するベース部とを備え、前記爪挿入部は、前記複数の支持部と前記ベース部とから前記ベース部の上側に上方開放状に形成され、前記貯湯給湯装置を前記複数の支持部に載置して梱包した状態において、前記フォークリフトの1対の爪部材を前記爪挿入部に挿入し、前記フォークリフトで前記貯湯給湯装置を直接持ち上げて運搬可能に構成され、1又は複数の切込み部が前記ベース部にその幅方向の全長に亙って形成され、前記スキッド梱包材を廃棄する際には、前記1又は複数の切込み部を介して複数分割して廃棄可能に構成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項2のスキッド梱包材は、請求項1の発明において、前記長手方向の両端部の支持部が幅方向の全長にわたって形成され、前記切込み部は、前記長手方向の両端部の支持部と平行に形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、スキッド梱包材は、古紙を用いて一体成形された古紙成形品で構成されているので、スキッド梱包材の材料に古紙を用いることで、低コスト化が可能であり、金型成形によって古紙から古紙成形品を成形するので、複数の紙製部材から組み立てる場合と比較して、容易に製造でき且つ製造時間の短縮化が可能であり、安定した品質で供給可能となる。スキッド梱包材は古紙成形品で構成されているので、木製のスキッド部材と比較しても、十分な強度を確保でき、軽量で容易に取り扱うことができる。段ボール材等からなるスキッド部材と比較しても、耐水性が高くなるので耐久性が向上する。
【0013】
そして、貯湯給湯装置を運搬する際には1対の爪部材をスキッド梱包材に接触させずに貯湯給湯装置を持ち上げることで、1対の爪部材によるスキッド梱包材の損傷を防止することができる。
【0014】
そして、スキッド梱包材には、1又は複数の切込み部がベース部にその幅方向の全長に亙って形成され、スキッド梱包材を廃棄する際には、1又は複数の切込み部を介して複数分割して廃棄可能に構成されているので、スキッド梱包材の使用後は人力で複数分割してコンパクトにすることで、容易に廃棄することができ、廃棄コストを低減することができる。
請求項2の発明によれば、前記長手方向の両端部の支持部が幅方向の全長にわたって形成され、前記切込み部は、前記長手方向の両端部の支持部と平行に形成されているので、前記切込み部を分離することで、前記長手方向の両端部の支持部を簡単に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1に係る住宅設備機器とスキッド梱包材の斜視図である。
図2】住宅設備機器とスキッド梱包材の側面図である。
図3】スキッド梱包材の斜視図である。
図4】スキッド梱包材の平面図である。
図5】スキッド梱包材の側面図である。
図6】実施例2に係るスキッド梱包材の斜視図である。
図7】実施例3に係るスキッド梱包材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0017】
先ず、本発明のスキッド梱包材10が適用される住宅設備機器1について説明する。
図1図2に示すように、本実施例の住宅設備機器1は、図示は省略するが、例えば、給湯用湯水を貯える貯湯タンク、貯湯タンクの湯水を加熱する補助熱源機、ポンプとセンサ類と配管・配管継手類を含む補機類、制御ボックス等を有し、これらが外装ケース2の内部に収納されて構成された貯湯給湯装置である。
【0018】
外装ケース2の内部において、住宅設備機器1の後部に円筒状の貯湯タンクが配設され、住宅設備機器1の前部の上部と中段部に補助熱源機と補機類と制御ボックス等が配設されている。尚、図1に矢印で示す前後左右を前後左右として説明する。図1に示すように、住宅設備機器1は、前後幅と、この前後幅よりも小さな左右幅を有する。
【0019】
図1に示すように、この住宅設備機器1は、外装ケース2を支持する複数の垂直脚部材(図示略)を備えている。住宅設備機器1の下端部には、住宅設備機器1を後述するスキッド梱包材10に固定する為の1対の水平脚部材4が設けられている。
【0020】
次に、住宅設備機器1の包装構造について説明する。
図1図5に示すように、この包装構造は、住宅設備機器1を支持すると共に住宅設備機器1を運搬する為のスキッド梱包材10と、住宅設備機器1の上部を梱包する為のカバー部材(図示略)等を有し、これら構成部材は住宅設備機器1の下部と上部を覆うように取り付けられている。尚、図1図2は、住宅設備機器1の下部の包装状態のみを示している。
【0021】
次に、本発明に関連するスキッド梱包材10について説明する。
図3図4に示すように、スキッド梱包材10は、長手方向(前後方向)の両端部と中央部に上方に突出するように形成された複数の支持部11〜14と、これら支持部11〜14の下端部同士を連結するベース部15と、フォークリフトの1対の爪部材8を挿入可能な1対の爪挿入部16,17等を備えている。スキッド梱包材10の前後幅は、住宅設備機器1の前後幅よりも大きく設定され、スキッド梱包材10の左右幅は、住宅設備機器1の左右幅よりも大きく設定されている。
【0022】
複数の支持部11〜14は、前後方向の両端部に形成され且つ左右方向の全長に亙って形成された前後1対の外側支持部11,12と、中央部に形成され且つ左右方向に対向状に形成された左右1対の内側支持部13,14とからなる。
【0023】
前後1対の外側支持部11,12は、前後1対の対称構造をなす。各外側支持部11,12は、左右方向に細長い平面視矩形状の上壁部11a,12aと、この上壁部11a,12aの周囲から斜め外方に徐々に拡開するように傾斜した状態に形成された周壁部11b,12bとを夫々備えている。各上壁部11a,12aの前後方向内側には、1対の水平脚部材4の両端部を載置する為に段落ちさせた1対の載置部11c,12cが左右方向に間隔を空けて夫々形成されている。
【0024】
左右1対の内側支持部13,14は、左右1対の対称構造をなす。各内側支持部13,14は、上壁部13a,14aと、この上壁部13a,14aの周囲から斜め外方に徐々に拡開するように傾斜した状態に形成された周壁部13b,14bとを夫々備えている。各上壁部13a,14aの左右方向内側には、1対の水平脚部材4の中央部を載置する為に段落ちさせた載置部13c,14cが夫々形成されている。
【0025】
ベース部15は、平板状に形成されている。ベース部15には、スキッド梱包材10の剛性を確保する為に複数のリブ15aが前後方向に延びるように形成されている。スキッド梱包材10の外周縁部には、ベース部15の高さ位置よりも低い環状の鍔部18が形成されている。
【0026】
1対の爪挿入部16,17は、複数の支持部11〜14とベース部15とからベース部15の上側に上方開放状に形成されている。1対の爪挿入部16,17は、前部爪挿入部16と後部爪挿入部17からなり、前部及び後部爪挿入部16,17の間隔は、フォークリフトの1対の爪部材8同士の間隔に一致するように設定されている(図2参照)。
【0027】
即ち、前部爪挿入部16は、前側の外側支持部11の周壁部11bの後壁部と左右1対の内側支持部13,14の周壁部13b,14bの前壁部とベース部15の上面から形成され、後部爪挿入部17は、後側の外側支持部12の周壁部12bの前壁部と左右1対の内側支持部13,14の周壁部13b,14bの後壁部とベース部15の上面とから形成されている。
【0028】
このように、スキッド梱包材10は、住宅設備機器1を複数の支持部11〜14(1対の外側支持部11,12と1対の内側支持部13,14)に載置して梱包した状態において、フォークリフトの1対の爪部材8を1対の爪挿入部16,17に挿入し、フォークリフトで住宅設備機器1を直接持ち上げて運搬可能に構成されている。
【0029】
図3図5に示すように、ベース部15の上面側には、前記ベース部の長手方向の両端部の支持部11,12と平行に2つのV字溝状の切込み部19が形成されている。即ち、2つの切込み部19は、ベース部15の上面側において前後方向に所定の間隔をあけ且つ左右方向(幅方向)の全長に亙って夫々形成されている。このため、スキッド梱包材10は、スキッド梱包材10を廃棄する際には、複数の切込み部19を介して複数分割して廃棄可能に構成されている。
【0030】
また、スキッド梱包材10は、各支持部11〜14において上壁部11a〜14aの周囲から斜め外方に徐々に拡開するように傾斜した状態の周壁部11b〜14bを備えているので、上下方向に同じ向きにして重ね合わせてコンパクトに積み重ね可能なように構成されている。
【0031】
スキッド梱包材10は、古紙を用いて一体成形された古紙成形品で構成されている。即ち、スキッド梱包材10を製造する際には、先ず、使用済みの段ボール材や新聞紙を含む古紙(原料)に水を加えて材料を生成し、次に、この材料をメッシュ状金型に圧入して、加圧装置で圧縮加工し、次に、金型から取り出して余分な水分を乾燥させることで、スキッド梱包材10を製造する。
【0032】
尚、本実施例では、例えば、スキッド梱包材10の厚みは約10mm、スキッド梱包材10の左右幅は約470mm、前後幅は約810mmに設定され、住宅設備機器1の左右幅は約310mmに設定されているが、これらのサイズに限定する必要はない。
【0033】
次に、本発明のスキッド梱包材10の作用及び効果について説明する。
住宅設備機器1をスキッド梱包材10に固定する場合、1対の水平脚部材4を複数の支持部11〜14に載置して、4本の木ネジ5を1対の水平脚部材4の両端部に形成されたU字状孔にワッシャを介して夫々挿通して、4本の木ネジ5の先端部を前後1対の支持部11,12の下穴無しの載置部11c,12cに直接螺合することで、1対の水平脚部材4をスキッド梱包材10に固定する。
【0034】
スキッド梱包材10を用いた梱包状態の住宅設備機器1を運搬する場合、フォークリフトの1対の爪部材8を1対の爪挿入部16,17(住宅設備機器1とスキッド梱包材10との間)に挿入し、フォークリフトで住宅設備機器1を直接持ち上げて所定の位置に運搬する。
【0035】
以上説明したように、スキッド梱包材10は、古紙を用いて一体成形された古紙成形品で構成されているので、スキッド梱包材10の材料に古紙を用いることで、低コスト化が可能であり、金型成形によって古紙から古紙成形品を成形するので、複数の紙製部材から組み立てる場合と比較して、容易に製造でき且つ製造時間の短縮化が可能であり、安定した品質で供給可能となる。スキッド梱包材10は古紙成形品で構成されているので、木製のスキッド部材と比較しても、十分な強度を確保でき、軽量で容易に取り扱うことができる。段ボール材等からなるスキッド部材と比較しても、耐水性が高くなるので耐久性が向上する。
【0036】
また、爪挿入部16,17は、複数の支持部11〜14とベース部15とからベース部15の上側に上方開放状に形成され、住宅設備機器1を複数の支持部11〜14に載置して梱包した状態において、フォークリフトの1対の爪部材8を爪挿入部16,17に挿入し、フォークリフトで住宅設備機器1を直接持ち上げて運搬可能に構成されているので、住宅設備機器1を運搬する際には1対の爪部材8をスキッド梱包材10に接触させずに住宅設備機器1を持ち上げることで、1対の爪部材8によるスキッド梱包材10の損傷を防止することができる。
【0037】
さらに、スキッド梱包材10には、1又は複数の切込み部19がベース部15に形成され、スキッド梱包材10を廃棄する際には、1又は複数の切込み部19を介して複数分割して廃棄可能に構成されているので、スキッド梱包材10の使用後は人力で複数分割してコンパクトにすることで、容易に廃棄することができ、廃棄コストを低減することができる。
【実施例2】
【0038】
次に、実施例1のスキッド梱包材10を部分的に変更した実施例2について説明する。尚、実施例1では、爪挿入部16,17はベース部15の上側に上方開放状に形成されているが、実施例2では、爪挿入部26,27はベース部22の下側に下方開放状に形成されている。
【0039】
図6に示すように、スキッド梱包材10Aは、長手方向(前後方向)の両端部と中央部に下方に突出するように形成された複数の支持脚部21a〜21fと、これら支持脚部21a〜21fの上端部同士を連結するベース部22と、前後方向の両端部と中央部に形成された強度確保用の複数の凹部23a〜23cと複数のリブ24a〜24cと、フォークリフトの1対の爪部材8を挿入可能な1対の爪挿入部26,27等を備え、古紙を用いて一体成形された古紙成形品で構成されている。
【0040】
1対の爪挿入部26,27は、複数の支持脚部21a〜21fとベース部22とからベース部22の下側に下方開放状に形成されている。即ち、前部爪挿入部26は、前側の支持脚部21a,21bと中央部の支持脚部21c,21dとの隙間とベース部22の下面とから形成され、後部爪挿入部27は、後側の支持脚部21e,21fと中央部の支持脚部21c,21dとの隙間とベース部22の下面とから形成されている。
【0041】
このスキッド梱包材10Aは、住宅設備機器1をベース部22に載置して梱包した状態において、フォークリフトの1対の爪部材8を1対の爪挿入部26,27に挿入し、フォークリフトで住宅設備機器1をベース部22を介して持ち上げて運搬可能に構成されている。
【0042】
ベース部22の上面側には、2つのV字溝状の切込み部29が形成されている。即ち、2つの切込み部29は、ベース部22の上面側において前後方向に所定の間隔をあけ且つ左右方向の全長に亙って夫々形成されている。このため、スキッド梱包材10Aは、スキッド梱包材10Aを廃棄する際には、複数の切込み部29を介して人力で複数分割して廃棄可能に構成されている。その他の構成、作用及び効果については、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【実施例3】
【0043】
次に、実施例1のスキッド梱包材10を部分的に変更した実施例3について説明する。尚、実施例1では、爪挿入部16,17は、ベース部15の上側に上方開放状に形成されているが、実施例3では、爪挿入部36,37は、ベース部32の下側に貫通孔を介して形成されている。
【0044】
図7に示すように、スキッド梱包材10Bは、長手方向(前後方向)の両端部と中央部に下方に突出するように形成された複数の支持脚部31a〜31fと、これら支持脚部31a〜31fの上端部同士を連結するベース部32と、前後方向の両端部と中央部に形成された強度確保用の複数の凹部33a〜33cと複数のリブ34a〜34cと、前後方向に隣接する支持脚部31a〜31f同士を連結する連結板部35a〜35d、フォークリフトの1対の爪部材8を挿入可能な1対の爪挿入部36,37等を備え、古紙を用いて一体成形された古紙成形品で構成されている。
【0045】
前側の支持脚部31a,31bと中央部の支持脚部31c,31dとの間には、テーパ状の貫通孔38aが左右に対向状に形成され、後側の支持脚部31e,31fと中央部の支持脚部31c,31dとの間には、テーパ状の貫通孔38bが左右に対向状に形成されている。1対の爪挿入部36,37は、これら貫通孔38a,38bとベース部32とからベース部32の下側に形成されている。
【0046】
このスキッド梱包材10Bは、住宅設備機器1をベース部32に載置して梱包した状態において、フォークリフトの1対の爪部材8を1対の爪挿入部36,37に挿入し、フォークリフトで住宅設備機器1をベース部32を介して持ち上げて運搬可能に構成されている。
【0047】
ベース部32及び連結板部35a〜35dの上面側には、複数のV字溝状の切込み部39が形成されている。即ち、複数の切込み部39は、ベース部32及び連結板部35a〜35dの上面側において前後方向に所定の間隔をあけ且つ左右方向の全長に亙って夫々形成されている。このため、スキッド梱包材10Bは、スキッド梱包材10Bを廃棄する際には、複数の切込み部39を介して人力で複数分割して廃棄可能に構成されている。その他の構成、作用及び効果については、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0048】
次に、前記実施例1〜3を部分的に変更した形態について説明する。
[1]前記実施例1〜3のスキッド梱包材10,10A,10Bにおいて、住宅設備機器1を支持し且つ梱包し、フォークリフトの1対の爪部材8を挿入可能な爪挿入部16,17,26,27,36,37を夫々備えている構造であれば、その構造は適宜変更可能である。
【0049】
[2]前記実施例1〜3のスキッド梱包材10,10A,10Bには、2つの切込み部19,29,39が夫々形成されているが、特に2つに限定する必要はなく、1つの切込み部を形成しても良く、2以上の複数の切込み部を形成しても良く、切込み部の数は適宜変更可能である。
【0050】
[3]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0051】
1 住宅設備機器
8 フォークリフトの1対の爪部材
10,10A、10B スキッド梱包材
11〜14 支持部
15 ベース部
16,17 爪挿入部
19 切込み部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7