(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6458468
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】回路パネル
(51)【国際特許分類】
A61M 1/14 20060101AFI20190121BHJP
A61M 1/16 20060101ALI20190121BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
A61M1/14
A61M1/16 155
A61M39/10
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-243474(P2014-243474)
(22)【出願日】2014年12月1日
(65)【公開番号】特開2016-104107(P2016-104107A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2017年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】吉田 攻一郎
【審査官】
石田 智樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−195827(JP,A)
【文献】
特開2004−218762(JP,A)
【文献】
特開2014−188065(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0315763(US,A1)
【文献】
特表2006−507024(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0086704(US,A1)
【文献】
実開昭58−092510(JP,U)
【文献】
国際公開第2014/184987(WO,A1)
【文献】
国際公開第2006/137374(WO,A1)
【文献】
特開2014−079900(JP,A)
【文献】
特開2013−226457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14
A61M 1/16
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭向けの血液浄化回路パネルであって、
樹脂材からなるシートによって形成される板状のものであって、1以上の貫通孔を有するパネル本体と、
前記パネル本体の外部及び/又は内部に配置されたチューブ群と、
前記パネル本体と別体で形成され、前記チューブ同士を連結する連結管と、を備え、
前記連結管が、一方向に延在する1以上のツメであって係止部を持つ前記ツメを有し、前記ツメが前記貫通孔に挿入されたとき、前記係止部が前記パネル本体を貫通するように前記貫通孔に係止される
ことを特徴とする血液浄化回路パネル。
【請求項2】
回路パネルであって、
1以上の貫通孔を有するパネル本体と、
前記パネル本体の外部及び/又は内部に配置されたチューブ群と、
前記パネル本体と別体で形成され、前記チューブ同士を連結する連結管と、を備え、
前記連結管は、前記チューブの端部の外径部が嵌合される嵌合穴を有し、
前記連結管が、一方向に延在する1以上のツメであって係止部を持つ前記ツメを有し、前記ツメが前記貫通孔に挿入されたとき、前記係止部が前記貫通孔に係止され、
前記1以上の貫通孔及び前記1以上のツメがそれぞれ一対で構成され、各ツメがその先端に前記係止部として1つのかえし部を有し、
前記貫通孔は細長い形状であり、
前記ツメは、前記貫通孔の形状に対応した細長い形状であり、
前記貫通孔の長手方向は、前記嵌合穴の軸方向に沿っている
ことを特徴とする回路パネル。
【請求項3】
前記連結管は、円筒状の管本体と、前記管本体の一端部に連なり前記管本体よりも外径の小さい小径部を有し、
前記小径部は、前記嵌合穴と連通する管路が設けられ、前記管本体の軸直角方向に折れ曲がる折曲部を有しており、
前記ツメは、前記折曲部から離れた位置に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の回路パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パネル本体にチューブ群を配管した回路パネル(例えば、血液透析療法に用いられる血液浄化回路パネル)において、カセット化、キット化を図るための技術が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、予め複数のチューブが配管されたカセット式の透析回路を備える透析システムが提案されている。
【0004】
ところで、近年、血液浄化回路パネルなどの回路パネルは、医療機関だけでなく家庭向けのものも普及している。このため、回路パネルには、カセット化やキット化に加え、より高い利便性も求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許5349310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路パネルのキット化、カセット化による構造の単純化を行って誤接続を防止し、家庭において個人でも使用しやすい回路パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明は、回路パネルであって、1以上の貫通孔を有するパネル本体と、前記パネル本体の外部及び/又は内部に配置されたチューブ群と、前記パネル本体と別体で形成され、前記チューブ同士を連結する連結管と、を備え、前記連結管が、一方向に延在する1以上のツメであって係止部を持つ前記ツメを有し、前記ツメが前記貫通孔に挿入されたとき、前記係止部が前記貫通孔に係止されることを特徴とする。
(2)本発明は、上記(1)の構成において、前記1以上の貫通孔及び前記1以上のツメがそれぞれ一対で構成され、各ツメがその先端に前記係止部として1つのかえし部を有することを特徴とする。
(3)本発明は、上記(1)の構成において、前記1以上の貫通孔及び前記1以上のツメがそれぞれ1つで構成され、前記ツメがその先端に前記係止部として2つのかえし部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回路パネルのキット化、カセット化による構造の単純化を行って誤接続を防止し、家庭において個人でも使用しやすい回路パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る回路パネルの正面図である。
【
図4】
図3に示されるチューブ連結構造の分解斜視図である。
【
図6】他の実施形態を説明する図であり、
図4に対応して描いた図である。
【
図8】実施形態に係る係止構造の第1変形例を説明する図であり、
図3に対応して描いた図である。
【
図9】実施形態に係る係止構造の第2変形例を説明する図であり、
図3に対応して描いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0011】
図1は、実施形態に係る回路パネルの正面図である。
図2は、チューブポンプの概略を示す模式図である。
【0012】
図1に示す回路パネル10は、まず、地表に対して垂直に配置される板状のパネル本体20を有する。パネル本体20は矩形状をなし、例えば、水平幅が垂直幅よりも若干大きくなっている。このパネル本体20は、互いに貼付される2枚の樹脂材からなるシート(
図3にて符号21、22で示す)によって形成される。パネル本体20の外部及び/又は内部には、各種のチューブからなるチューブ群が配置される。
【0013】
パネル本体20のほぼ中央にはパネルの一方の面(図中前方面)から装着されるダイアライザー30が取り付けられている。該ダイアライザー30は筒状をなし、その長手方向を垂直方向に一致づけられてパネル本体20に取付けられている。ダイアライザー30は、その長さがパネル本体20の垂直幅より若干大きく、各端部においてそれぞれパネル本体20の上辺よりも上方に、下辺よりも下方に突出するように取り付けられている。
【0014】
ここで、ダイアライザー30の概略的な構成について説明をする。両端が密閉された筒状のダイアライザー30には、その上端面の血液流入管部31から血液が流入されるようになっており、下端面の血液流出管部32から浄化した血液が流出されるようになっている。ダイアライザー30の内部には複数(8000本〜20000本)の人工膜でできた細管がダイアライザー30の軸方向に沿って配設され、これら細管には血液が流入されるようになっている。
【0015】
また、ダイアライザー30には、その下端側の側面の透析液流入管部(流通管部)34から透析液が流入されるようになっており、上端側の側面の透析液流出管部(流通管部)35から透析液が流出されるようになっている。透析液はダイアライザー30内の細管の外側に流れるようになっており、これにより、細管の膜を介して血液と透析液の間で物質交換がなされ、不要な物質は透析液に移動し、有用な物質は血液の中に移動するようになっている。
【0016】
パネル本体20のダイアライザー30よりも一方の側(図中右側)の領域において、例えば、その側辺の中央において、ダイアライザー30側に若干切欠かれた切欠き部24が形成される。この切欠き部24には、ポンプチューブ61が配管される。また、切欠き部24の上側及び下側のパネル本体20の幅狭の部分のそれぞれには、パネル本体20と別体で形成される連結管50及び連結管51が設けられる。
【0017】
連結管50は、パネル本体20における上側の幅狭の部分に係止されるとともに、パネル本体20の上辺側に配管される外付けチューブ601と、ポンプチューブ61の上端部とを連結する。また、連結管51は、パネル本体20における下側の幅狭の部分に係止されるとともに、パネル本体20の下辺側に配管される外付けチューブ602と、ポンプチューブ61の下端部とを連結する。なお、連結管50及び連結管51によるチューブ連結構造の詳細な構成については後述する。
【0018】
ポンプチューブ61は、チューブポンプの一構成部材となり、該ポンプチューブの駆動により、ポンプチューブ61内の流体を一方向へ送出させることができるようになっている。ポンプチューブより送出された血液又は透析液は血液流入管部31又は透析液流入管部34を介してダイアライザー30内へ送り込まれることとなる。なお、
図2は、チューブポンプの概略を示す模式図である。
図2において、ポンプチューブ61に隣接して回転体62が配置され、この回転体62にはその周方向に沿って複数(例えば、4個)のローラ63が備えられている。回転体62が回転することにより、各ローラ63が順次ポンプチューブ61の長手方向の一部を押圧させながら一方向に移動するようになる。このため、ポンプチューブ61内に発生する負圧によってポンプチューブ61内の流体が同方向に送出されるようになる。
【0019】
図1に戻る。
図1に示すように、パネル本体20のポンプチューブ61とダイアライザー30の間の領域において、パネル本体20の上辺から下辺にかけて延在する中空流路70が形成されている。中空流路70は、2つのシート21、22の貼りあわせで形成されるパネル本体20において、一方のシート21のうち中空流路70を形成する領域に他方のシート22との間に隙間を有するように凹陥部(例えば、断面が半円弧状)を形成し、他方のシート22のうち中空流路70を形成する領域に一方のシート21との間に隙間を有するように凹陥部(例えば、断面が半円弧状)を形成することによって、構成できるようになっている。
【0020】
なお、中空流路70は、その経路の途中において、平面的に比較的大きな領域を有する中空室71が形成され、この中空室71からパネル本体20の一方の辺(例えば、
図1では上辺)にかけて他の中空流路70’が形成されている。これにより、中空流路70、70’は、流体の流れを変えることによって、分岐流路あるいは合流流路として構成できるようになっている。
【0021】
パネル本体20における中空流路70、70’の各端部には、中空流路70、70’と同軸に配置される筒状部材からなる連結部73、連結部74及び連結部75が設けられる。連結部73、連結部74及び連結部75は、パネル本体20を構成するシート21、22に挟持されるインサート部品で構成される。連結部73、連結部74及び連結部75のパネル本体20の上辺、下辺とほぼ面一になる端面には、外付けチューブ(図示せず)が挿入される内径を有するようになっている。
【0022】
パネル本体20のダイアライザー30よりも他方の側(図中左側)の領域において、該ダイアライザー30に隣接して開口部25が形成されている。開口部25の上下のパネル本体20の幅狭の部分のそれぞれには、連結部76及び連結部77が設けられる。連結部76及び連結部77は、パネル本体20を構成するシート21、22に挟持されるインサート部品で構成される。
【0023】
パネル本体20の開口部25には、一端が連結部76に挿入され他端が連結部77に挿入されるポンプチューブ78が配置されている。また、連結部76のパネル本体20の上辺側の端面には外付けチューブ603が、連結部77のパネル本体20の下辺側の端面には外付けチューブ604が挿入されるようになっている。ポンプチューブ78は、上記のポンプチューブ61と同様に、チューブポンプの一構成部材となり、該チューブポンプの駆動により、ポンプチューブ78内の流体を一方向へ送出させることができるようになっている。これにより、ポンプチューブより送出された血液又は透析液は血液流入管部31又は透析液流入管部34を介してダイアライザー30内へ送り込まれることとなる。
【0024】
また、パネル本体20の該ポンプチューブ78より外方の領域には、パネル本体20の上辺から下辺に延在する中空流路80、90が並設されている。これら中空流路80、90はいずれも同様の構成となっている。
【0025】
ここで、中空流路80は、上述の中空流路70と比較して、分岐流路あるいは合流流路となっていない直線流路であり、パネル本体20の上辺及び下辺のそれぞれに形成される連結部81及び連結部82の間には樹脂材からなるチューブ83が配管され、このチューブ83は、連結部81及び連結部82とともにシート21、22によって挟持されるようになっている。連結部81には外付けチューブ605が、また、連結部82には外付けチューブ606が挿入されるようになっている。
【0026】
このように構成される回路パネル10では、チューブ群をパネル本体20において定められた位置に予め配管でき、回路パネルのカセット化、キット化が実現される。なお、シート21、22は、樹脂材で形成されていることを示したが、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、スチレン−ブタジエンコポリマー(SBC)、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、塩化ビニル樹脂、スチレン系エラストマー、フッ素樹脂、ポリサルフォン等から選定することができる。
【0027】
(連結管によるチューブ連結構造)
続いて、連結管50によるチューブ連結構造を
図3〜
図5に基づいて説明する。
図3は、
図1のA−A線における断面図、
図4は、
図3に示されるチューブ連結構造の分解斜視図、
図5は、
図4のB−B線における断面図である。
【0028】
図3に示すように、このチューブ連結構造では、1以上(この例では、一対)の貫通孔20aをパネル本体20に設け、この貫通孔20aに、ポンプチューブ61及び外付けチューブ601を連結する連結管50を取り付ける。貫通孔20aの形状は、各種の形状から選択可能であるが、ここでは、長方形状の貫通孔20aをパネル本体20に設けた例を示す。
【0029】
図4に示すように、連結管50は、円筒状の管本体52と、管本体52の一端部に連なり管本体52よりも外径の小さい小径部53と、管本体52の外周から一方向に延在する1以上(この例では、一対)のツメ54とを備える。一対のツメ54は、一対の貫通孔20aに対応して設けられ、各ツメ54の先端には、係止部として1つのかえし部55が外向きに突出して形成される。連結管50の構成材料は、各種の樹脂材料、各種の金属材料などから適宜選択可能である。
【0030】
図5に示すように、管本体52の内部には、ポンプチューブ61の端部の外径部が嵌合・接着される嵌合穴56が設けられる。小径部53は、管本体52の軸直角方向に折れ曲がるL字状に形成されており、管本体52及び小径部53の内部には、嵌合穴56と連通するとともに小径部53の端面で開口するL字状の管路57が設けられる。小径部53の端部の外周には、外付けチューブ601の内径部が嵌合・接着される。
【0031】
このチューブ連結構造では、一対のツメ54が一対の貫通孔20aに挿入されたとき、かえし部55が貫通孔20aに(より具体的には、パネル本体20の裏面側に)係止される。これにより、ポンプチューブ61及び外付けチューブ601が、連結管50によって連結されるとともに、連結管50を介してパネル本体20に取り付けられる。なお、連結管51(
図1参照)によるチューブ連結構造は、詳細な説明を省略するが、連結管50によるチューブ連結構造と基本的な構成が同じであり、ポンプチューブ61及び外付けチューブ602(
図1参照)が、連結管51によって連結されるとともに、連結管51を介してパネル本体20に取り付けられる。
【0032】
(実施形態の効果)
以上、説明した実施形態の効果について述べる。
本実施形態によれば、回路パネル10のキット化、カセット化による構造の単純化を行うとともに、連結管50,51によるチューブ連結構造によりポンプチューブ61及び外付けチューブ601,602の誤接続を防止でき、家庭において個人でも使用しやすい回路パネル10を提供することができる。
【0033】
(他の実施形態)
次に、他の実施形態を
図6、
図7に基づいて説明する。
図6は、他の実施形態を説明する図であり、
図4に対応して描いた図である。
図7は、
図6のC−C線における断面図である。
【0034】
なお、前述した連結管50(
図3〜
図5参照)と共通する要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする(後述する係止構造の第1変形例及び第2変形例についても同様)。
【0035】
前述した連結管50(
図4参照)においては、パネル本体20の内部に配置されるポンプチューブ61と、パネル本体20の外部に配置される外付けチューブ601を連結したが、この他、パネル本体20の内部に配置されるチューブ同士を連結することもできる。
【0036】
例えば、
図6に示すように、連結管50Aは、パネル本体20の内部に配置される2本のチューブ61A(例えば、ポンプチューブ61を分割した2本のチューブなど)を直線状に連結するものでもよい。この例では、
図7に示すように、連結管50Aの管本体52の軸方向の両端部に、チューブ61Aの端部が嵌合・接着される嵌合穴56を形成し、管本体52の内部に2つの嵌合穴56を連通する管路57Aを形成する。このように構成される連結管50Aによれば、ツメ54を貫通孔20aに挿入し、かえし部55を貫通孔20aに係止することで、2本のチューブ61Aを、連結管50Aによって連結するとともに連結管50Aを介してパネル本体20に取り付けることができる。
【0037】
(係止構造の第1変形例)
次に、連結管と貫通孔の係止構造の第1変形例を
図8に基づいて説明する。
図8は、係止構造の第2変形例を説明する図であり、
図4に対応して描いた図である。
【0038】
前述した連結管50(
図3参照)においては、パネル本体20に一対の貫通孔20aを設け、これら一対の貫通孔20aに一対のツメ54を係止したが、貫通孔の数は、任意に変更可能である。
【0039】
例えば、第1変形例では、
図8に示すように、一対のツメ54の両方を係止可能な1つの貫通孔20bをパネル本体20に設ける。一対のツメ54が1つの貫通孔20bに挿入されたとき、かえし部55が貫通孔20bに(より具体的には、パネル本体20の裏面側に)係止される。この第1変形例によれば、一対のツメ54を1つの貫通孔20bに挿入するだけで、連結管50をパネル本体20に係止することができるので、貫通孔20bの数を減らしてパネル本体20の構造の簡素化を図ることができる。
【0040】
(係止構造の第2変形例)
次に、連結管と貫通孔の係止構造の第2変形例を
図9に基づいて説明する。
図9は、係止構造の第2変形例を説明する図であり、
図4に対応して描いた図である。
【0041】
前述した連結管50(
図3参照)においては、一対のツメ54を有する連結管50を例示したが、管本体52に設けるツメの数は、任意に変更可能である。
【0042】
例えば、第2変形例では、
図9に示すように、貫通孔20c及びツメ54Cをそれぞれ1つ設け、ツメ54Cの先端に係止部として2つのかえし部55を設けた連結管50Cを用いる。また、ゴム材料からなるブッシュ100を貫通孔20cに設け、ブッシュ100の弾性変形を利用してツメ54Cを容易に挿入可能とした構成を採用してもよい。この第2変形例によれば、ツメ54Cが1つであるため、連結管50Cの構造の簡素化を図ることができる。
【0043】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0044】
例えば、前述した実施形態では、本発明の回路パネルを、血液透析療法に用いられる血液浄化回路パネルに適用した例を示したが、本発明の回路パネルは、血液浄化回路パネルに限定されるものではなく、回路内を流れる流体は、血液、透析液の他、胸腹水などでもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 回路パネル
20 パネル本体
20a 貫通孔
20b 貫通孔
20c 貫通孔
50 連結管
50A 連結管
50C 連結管
54 ツメ
54C ツメ
55 かえし部
61 ポンプチューブ(チューブ)
61A チューブ
601 外付けチューブ(チューブ)
602 外付けチューブ(チューブ)