【文献】
QK30-U 取扱説明書,日本,株式会社デンソーウェーブ,2014年 3月,第1版,第1頁,第30頁,[検索日 2018.04.27],URL,https://www.denso-wave.com/ja/adcd/download/series/qk/qk30/list.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ケースの内部において前記読取口の下方側に配置されると共に、前記上下方向と直交する平面方向に対して傾斜して配置される反射面を備え、前記ケースの外部から前記読取口を介して入り込む光を前記反射面で反射させる反射部材を備え、
前記結像部は、前記ケースの外部から前記読取口を通過して入り込み且つ前記反射部材で反射した光を前記撮像部に導く構成をなしていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の据置型情報コード読取装置。
前記撮像部及び前記読取部によってなされる情報コードの読み取り制御のモードを、前記操作部に対して所定操作がなされることを条件として情報コードの読み取りが行われる第1モードと、前記操作部に対する所定操作がなされなくても情報コードの読み取りが行われる第2モード、とに切り替え可能なモード切替部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の据置型情報コード読取装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(光学的情報読取装置の全体構成)
図1〜
図3等に示す据置型情報コード読取装置1(以下、単に読取装置1ともいう)は、机や棚などの上面を載置面(
図4、
図5の載置面Fを参照)としてこの載置面上に載置される据置型装置として構成されており、バーコード等の一次元コードやQRコード(登録商標)等の二次元コードなど情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能を有している。
【0019】
読取装置1は、例えばABS樹脂等の樹脂材料によって構成されるケース3を備えている。このケース3は、
図4〜
図6等に示すように、上ケース4aと下ケース4bと備えており、全体として箱状に構成されている。そして、ケース3の内部には、後述する反射部材29、結像部27、撮像部23、導光部材50などの各部品が収容されている。また、
図3等に示すように、ケース3において、所定の上下方向の一方側に設けられた上面部(読取側壁部3a)には光の出入口となる読取口5が形成されており、読取口5を介してケース3の外部からの光がケース3の内部に入り込み、ケース3の内部からの光がケース3の外部に放出されるようになっている。そして、反射部材29、結像部27、撮像部23によって構成される光学系は、この読取口5を介してケース3の外部に配置された情報コードC(
図9)を撮像するように機能している。
【0020】
図4、
図5等に示すように、箱状に構成されるケース3には、据置型情報コード読取装置1を載置するときの載置面側(
図4の例では載置面F側)に設けられる底壁部3bと、読取口5が形成された読取側壁部3aとが対向して設けられている。そして、底壁部3bは、載置面F側に面すると共に、載置面Fと対向して配置され、更には、載置面Fによって支持されるように配置される。そして、この底壁部3bと対向する読取側壁部3aが、情報コードCを翳す側の露出壁部として構成されている。なお、本構成では、底壁部3bと読取側壁部3aとの対向方向(即ち、ケース3の厚さ方向であり、
図2に示す載置面Fと直交する方向)を上下方向とし、読取口5が形成された側(読取側壁部3a側)を上方側、それとは反対側(底壁部3b側)を下方側としている。また、この上下方向と直交する平面方向を水平方向としている。なお、プレート7の厚さ方向も上下方向となっており、後述する第2視野範囲AR2の光軸L2の方向も上下方向となっている。
【0021】
図4〜
図6等に示すように、ケース3の上面側には、上ケース4aの上端部に形成された開口部4cを閉じる構成でケース3を閉塞するように配置され、少なくとも一部が視野範囲に配置されるプレート7が配置されている。このプレート7は、所定の厚さの平坦な板として構成され、ケース3の外部からの光が透過可能となる光透過性の部材(例えば、透明なアクリル樹脂や透明ガラス等)によって構成されている。このプレート7は、防塵プレートとして機能しており、このようなプレート7が上ケース4aに形成された開口部4cを閉塞することで、ケース3の内部にケース外からの異物(塵や埃など)が入り込みにくくなっている。また、プレート7の上面部を部分的に覆う構成で光遮光性の塗料などからなる被覆層8が形成されている。この被覆層8は、プレート7の周縁部に沿って環状に形成されており、被覆層8の内縁部によって構成される開口部が読取口5となっている。
【0022】
次に、読取装置1の電気的構成について説明する。
図9に示すように、読取装置1は、主に、照明光源21、結像部27、撮像部23等の光学系と、メモリ35、制御回路40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、図示しない電源部、電源スイッチ等の電源系とを備えている。
【0023】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光を照射可能な光源として機能するものであり、例えば、LEDなどによって構成されている。この照明光源21は、
図3等に示すように、ケース3の長手方向一方側に配置される第1光源21a,21bと、ケース3の長手方向他方側に配置される第2光源21c,21dとを備えており、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのそれぞれがLEDなどの投光素子として構成され、横向きに照明光を照射する機能を有している。
【0024】
図1〜
図8等に示すように、投光光学系は、照明光源21からの光を導く導光部材50を備えている。この導光部材50は、ケース3の内部において照明光源21からの照明光が照射される位置に配置され、照明光源21からの照明光が読取口5の開口領域γ(
図4等参照)を通ってケース3の外部に照射されるように導く構成となっている。なお、導光部材50の詳細は後述する。
【0025】
図9に示すように、受光光学系は、撮像部23、結像部27、反射部材29などによって構成されている。
撮像部23は、例えばCCD素子やCMOS素子などの固体撮像素子(受光素子)が二次元的に配列された受光センサ(エリアセンサ)などによって構成されており、
図4、
図9等に示すように、結像部27側にケース外からの光を受光し得る受光面23aが配置されている。この撮像部23は、反射部材29で反射された光が結像部27を通過して受光面23aに入り込もうとする入射光を受光し得るように基板に実装されている。そして、例えば、
図9のように、情報コードCが示された読取対象物Rが視野範囲内(具体的には、第2視野範囲AR2におけるケース外の領域)に配置されたときに、この情報コードC及び読取対象物Rに照射されて反射した反射光Lr(
図9参照)を受光する構成となっている。また、撮像部23は、受光面23aにおいて光を検出しうる領域(固体撮像素子が配置された領域)が「所定の受光領域」として設定されており、
図4等では、撮像部23における受光領域の範囲を符号D1にて概念的に示している。即ち、受光面23aにおいて範囲D1に入射する光が撮像部23に検出されるようになっている。なお、
図4等に示す例では、撮像部23における受光領域の範囲は、例えば受光面23aにおいて光軸L1を中心とする上下方向所定範囲となっており、且つ光軸L1を中心とする左右方向(幅方向)所定範囲となっている。なお、
図4等に示す例では、受光面23aが前後方向とほぼ直交して配置されている。
【0026】
図4、
図9等に示す結像部27は、公知の結像レンズによって構成され、結像光学系として機能しており、
図4に示すように、撮像部23で撮像可能となる視野範囲を定めると共に、ケース3の外部から読取口5を通過して入り込み且つ反射部材29で反射した光を撮像部23に導く構成をなし、ケース3の外部において視野範囲に情報コードCが配置されたときに当該情報コードCの像を撮像部23に結像させるように機能する。本構成では、
図10等に示すように照明光源21から照射され、導光部材50によってケース外に導かれた照明光を情報コードCに当てながら当該情報コードCを撮像し得るようになっており、
図4、
図9等に示す結像部27は、情報コードCが視野範囲内(撮像エリア内)に配置されたときに、この情報コードCからの反射光Lrを集光し、撮像部23の受光面23aに情報コードCの像を結像させるように構成されている。なお、結像部27としては、例えば、焦点距離が短く画角の広い広角レンズを好適に用いることができる。
【0027】
図9で示すように、マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路34、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40等によって構成されており、例えば上述した光学系によって撮像された情報コードCの画像信号を信号処理するように構成されている。具体的には、視野範囲内に配置された情報コードCが撮像部23によって撮像されたときの画像データをメモリ35に記憶可能に構成されており、制御回路40は、このような情報コードCの画像データを解析し、当該情報コードCに記録されたデータを公知の解読方法で解読するように構成されている。なお、制御回路40は、解読部の一例に相当し、視野範囲内に配置された情報コードCが撮像部23によって撮像された場合に、この情報コードCのコード画像を公知のデコード方法で解読するように機能する。
【0028】
また、
図9のように、読取装置1には押圧ボタンとして構成された操作部100が設けられている。この操作部100は、例えば、ユーザが操作部100を押圧操作したときにその操作に応じた信号を制御回路40に入力するように構成されている。
【0029】
また、
図9のように、読取装置1には、センサ部42が設けられている。このセンサ部42は、ケース3の底壁部3b(下面部)が載置面に接近したか否かを検出するセンサであり、例えば、近接センサや接触センサなどによって構成されている。この構成では、ケース3が載置面に載置されているときには、センサ部42から検出信号が出力され、ケース3が載置面に載置されてないときには、センサ部42から非検出信号が出力されるようになっている。
【0030】
なお、
図9では、図示はしていないが、読取装置1には、公知の通信インタフェースが設けられていてもよく、この構成では、読取装置1から図示しない外部装置に情報を送信したり、読取装置1が外部装置から情報を受信したりすることが可能となる。また、ランプや表示装置などの表示部が設けられていてもよい。
【0031】
読取対象となる情報コードCとしては、例えばQRコード(登録商標)などが挙げられ、公知のコードであれば、データマトリックスコードやマキシコードなどの他の二次元コードであってもよい。或いは、バーコードなどの公知の一次元コードであってもよい。また、読取対象となる情報コードCの形成方法は特に限定されず、印刷、ダイレクトマーキング、画像表示など様々な方法が想定される。また、読取対象物R(
図9)の材質や構造も様々であり、金属材料、樹脂材料、紙など、様々な材料が対象となり、携帯端末(携帯電話機やスマートフォンなどの携帯型情報処理装置)やその他の情報処理装置などであってもよい。
【0032】
(撮像構造)
次に、撮像構造等について詳述する。
本構成では、ケース3の内部に反射部材29、結像部27、撮像部23、照明光源21、導光部材50が収容されている。以下では、これら反射部材29、結像部27、撮像部23、照明光源21、導光部材50等についてより詳細に説明する。
【0033】
なお、本明細書では、上下方向と直交する平面方向(水平方向)において、ケース3の長手方向を幅方向(左右方向)とし、その平面方向(水平方向)においてケース3の短手方向(上下方向及び幅方向と直交する方向)を前後方向とする。
【0034】
図4〜
図6等に示すように、本構成では、ケース3の上面部(上壁部)として、板状のプレート7が配置されており、このプレート7が読取側壁部3aに相当している。
図3のように読取装置1を平面視したときのプレート7の長手方向中央部及び短手方向中央部には、略矩形状の読取口5が形成されている。読取口5は、
図3のように平面視したときに、当該読取口5の開口領域γ(
図3に示す境界線P3の内側の領域であり、
図4も参照)に反射部材29の反射領域(反射面の領域)が全て収まるようなサイズ及び位置で形成されている。即ち、幅方向において、読取口5の幅方向一端部5aと幅方向他端部5bとの間に反射部材29の幅方向一端部と他端部が配置され、前後方向において、読取口5の前後方向一端部5cと前後方向他端部5dとの間に反射部材29の前後方向一端部と他端部が配置されている。なお、読取口5の幅方向一端部5aと幅方向他端部5bの縁部は、いずれも角部以外のほぼ全体が前後方向に直線状に延びており、読取口5の前後方向一端部5cと前後方向他端部5dは角部以外のほぼ全体がいずれも幅方向(左右方向)に直線状に延びている。
【0035】
図4〜
図6等に示すように、ケース3の底壁部3bは、ケース3の下面部として板状に構成されており、読取装置1が載置面Fに載置されるときに、当該底壁部3bの下面側が載置面Fに支持される構成となっている。この底壁部3bは、厚さ方向を上下方向とする構成で外面(下面)の大部分が略平坦面として構成されている。そして、箱状に構成されるケース3の底として機能している。なお、読取側壁部3a(上面部)と底壁部3b(下面部)との間には、ケース3内の収容空間(反射部材29、結像部27、撮像部23などが収容される空間)の周囲を取り囲むように側壁部3cが設けられている。この側壁部3cは、幅方向両側に配置される一対の側壁と、前後方向両側に配置される一対の側壁とを備えており、これら四方の側壁が環状に連結して配置されている。このように環状に配置された側壁部3c(周壁部)の上側を部分的に閉塞する構成で読取側壁部3a(上面部)に相当するプレート7が配置され、側壁部3cの下側全体を閉塞する構成で底壁部3b(下面部)が配置されている。
【0036】
図4〜
図8等に示すように、プレート7は、上ケース4aの上端部に形成された開口部を閉塞する構成で配置され、ケース3の上面部を構成しており、ケース3の内部に収容される反射部材29、結像部27、導光部材50の上側を覆う構成で配置されている。そして、
図3のように平面視したときには、プレート7の露出部分(
図3で概念的に示す境界線P3の内側の領域である開口領域γ(
図4)の部分)を介してケース内の反射部材29、結像部27、導光部材50が視認されるようになっている。プレート7は、透明且つ平坦な板材として構成され、その板面(上面7a及び下面7b)と直交する方向が上下方向となるように略水平に配置されている。なお、プレート7は、透明部材の一例に相当し、被覆層8の内周部として構成される読取口5を閉塞するように機能する。つまり、読取口5は、光の出入りを許容する構成であるが、プレート7の閉塞によって水や埃等の侵入を許容しない構成となっている。
【0037】
反射部材29は、例えばミラーとして構成され、ケース3の内部において読取口5の下方側に配置され、上下方向と直交する平面方向に対して傾斜して配置される反射面29aを備え、ケース3の外部から読取口5を介して入り込む光を反射面29aで反射させるように機能する。この反射部材29は、反射面29a(鏡面)が斜め上側且つ前後方向一方側を向く構成で配置されており、ケース3の上方側から読取口5を通って入り込んだ光を前後方向一方側に反射するように構成されている。より具体的には、反射面29aが平坦に構成され、この反射面29aが、上下方向及び前後方向と平行な仮想平面と直交するように配置されており、例えば上下方向と平行に入り込んだ光を水平に反射するように、上下方向とのなす角度、及び水平方向(上下方向と直交する平面方向)とのなす角度が45°となるように配置されている。なお、本構成では、反射部材29の上側の外面のうち、上方からの光を反射し得るように露出して配置される面が反射面29aに相当し、反射面29aの上端部29cは、プレート7からやや離れて配置されている。
【0038】
また、反射部材29の反射面29aの上端部29cは、上下方向においてケース3の上下方向の中心よりもケース上端寄りに配置され、反射部材29の反射面29aの下端部29dは、上下方向において底壁部3b寄りに配置されている。また、反射部材29の反射面29aは、下端部29dの幅が最も狭く、上端部29cの幅が最も広くなるように、上方となるにつれて幅が広くなる構成となっている。
【0039】
結像部27は、上述したように広角レンズとして機能する結像レンズによって構成され、
図4、
図6、
図7等に示すようにプレート7から離れた位置(より詳しくは、ケース3の上下方向中心位置よりも下方寄りの位置且つ反射面29aの側方の位置)に配置されている。この結像部27は、ケース3の外部から読取口5を通過して入り込み且つ反射部材29で反射した光を撮像部23に導く機能を有し、ケース3の内外において撮像部23で撮像可能となる視野範囲を定める構成となっている。具体的には、
図4に示すように、視野範囲として、当該結像部27と反射部材29との間に構成される第1視野範囲AR1と、当該第1視野範囲AR1に続くように反射部材29から上方側に構成される第2視野範囲AR2とを定めている。つまり、この第1視野範囲AR1及び第2視野範囲AR2を撮像エリアとするように、視野範囲からの光を撮像部23の受光領域に向けて集光し結像させている。なお、第1視野範囲AR1は、結像部27によって集光されて直接撮像部23に撮像される視野範囲であり、第2視野範囲AR2は、反射部材29に映り込んだ画像が撮像部23に撮像される視野範囲である。そして、ケース3の外部に設定された第2視野範囲AR2内に情報コードCが配置されたときに当該情報コードCの像を撮像部23の受光領域に結像させるように機能している。
【0040】
図4に示す第1視野範囲AR1は、結像部27と反射部材29との間の空間において撮像部23によって撮像される範囲であり、反射部材29に近づくにつれて徐々に広くなるように設定されている。また、第1視野範囲AR1の中心となる第1光軸L1は、水平方向(具体的には、前後方向)となっており、反射面29aとのなす角度が45°となっている。そして、
図4のように、第1光軸L1を通り上下方向と平行な平面を切断面として読取装置1を切断した場合、当該切断面上において第1視野範囲AR1が上下に最も広がるようになっている。そして、
図4に示す切断面(光軸L1を通り上下方向と平行な切断面)では、第1視野範囲AR1の下限の境界は、反射部材29に近づくにつれて低位置(下位置)となり、第1視野範囲AR1の上限の境界は、反射部材29に近づくにつれて高位置(上位置)となるように構成されている。そして、
図4に示す切断面(
図3に示すA−A位置の切断面であり、読取装置1を左右方向中心位置において左右方向と直交する方向に切断した切断面)において、第1視野範囲AR1の下限の境界が反射部材29の反射面29aに達した位置(その境界と反射面29aとが交わる位置)が第1視野範囲AR1の下端位置となっている。また、第1視野範囲AR1の上限の境界は、反射部材29の反射面29aの上端部29cよりもやや上位置(具体的には、上端部29cの上方に配置される反射部51の外面と交わる位置)となっている。
【0041】
図4のように、本構成では、反射部材29の反射領域(反射面29aが露出した領域)が、少なくとも第1視野範囲AR1の下端に位置しており、第1視野範囲AR1の下端から上端付近まで続いている。つまり、反射部材29は、
図4のような切断面において第1視野範囲AR1の上下方向の大部分の領域を網羅するように反射面29aが配置されている。そして、撮像部23の受光領域に、反射面29aの全領域又は大部分の領域が映り込むように配置されている。
【0042】
第2視野範囲AR2は、上述の第1視野範囲AR1のうちの反射面29aに達する領域に続くように反射面29aにて折り返された視野範囲であり、この第2視野範囲AR2に存在する物体等が反射部材29に映り、撮像部23によって撮像されるようになっている。逆に、第2視野範囲AR2の外側は、第1視野範囲AR1を除き、撮像部23に撮像されないようになっている。
【0043】
本構成では、反射面29aが水平方向に対して例えば45度の角度で傾斜し、反射部材29に対し、前後方向一方側に結像部27が配置されており、第1視野範囲AR1の第1光軸L1が前後に延びる構成で水平となっている。従って、第2視野範囲AR2の中心となる第2光軸L2は上下方向に延びている。そして、第1視野範囲AR1に続くように反射部材29にて折り返された第2視野範囲AR2は、上方となるにつれて範囲が広くなるように設定されており、
図4のような断面(光軸L1、L2を通る断面)では、上方となるにつれて第2視野範囲AR2が前後に広がるようになっている。
【0044】
具体的には、第2光軸L2を中心として上方となるにつれて前後に範囲が広くなるように第2視野範囲AR2が設定されており、同様に、第2光軸L2を中心として上方となるにつれて左右に範囲が広くなるように第2視野範囲AR2が設定されている。そして、結像部27は、第2視野範囲AR2から外れた位置に配置されている。即ち、第2視野範囲AR2の前後方向一方側の境界B1よりも前後方向一方側に外れた位置に結像部27が配置されている。このように結像部27の一部が第2視野範囲AR2に入り込まないように構成されているため、結像部27の一部が反射部材29に映り込んで撮像部23に撮像されてしまうことがなく、このような映り込みに起因する撮像エリアの縮小が抑えられている。また、
図4のように、結像部27のレンズ部分は、反射部材29の反射面29a(反射領域)の下端部29bよりも上位置に配置され、反射面29aの上端部29cよりも下位置に配置されており、更に、結像部27の前後方向の一端部(反射部材29側の端部)は、前後方向において、読取口5の前後方向他端部5dと第2光軸L2との間に配置されている。このように配置することで、結像部27の映り込みを防ぎつつ、読取口5の下方側の領域を生かすことができる。
【0045】
また、
図4に示すように、第1視野範囲AR1の中心となる第1光軸L1及び第2視野範囲AR2の中心となる第2光軸L2を通る平面を切断面とした断面において、第2視野範囲AR2の両境界B1、B2が読取口5の内周部5fの位置又は内周部5f寄りの近接位置を通る構成となっている。なお、
図4の例では、第2視野範囲AR2の前後方向一方側の境界B1と前後方向他方側の境界B2とがいずれも、読取口5の内周部5fよりも内側を通るようになっているが、これら境界B1、B2がいずれも内周部5fを通る構成となっていてもよい。
【0046】
次に、照明光源21について説明する。
図3、
図4、
図6、
図8に示すように、照明光源21は、上下方向と直交する平面方向において開口領域γ(
図3に示す境界線P3の内側領域)の外側の位置に配置されている。なお、境界線P3は、平面方向における開口領域γの境界を概念的に示すものであり、実際は、読取口5の内縁が開口領域γの境界となる。照明光源21は、ケース3の長手方向一端寄り(幅方向一端寄り)に配置された第1光源21a,21bと、ケース3の長手方向他端寄り(幅方向他端寄り)に配置された第2光源21c,21dとを有している。これら第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dはいずれも、プレート7の板面に形成された被覆層8の下方に配置されており、
図6、
図8のように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのいずれも、この被覆層8の下位置に配置される基板(基板91,92,93,94)の下面側に実装されている。なお、基板91と基板92は同一基板であってもよく、別々の基板であってもよい。また、基板93と基板94は同一基板であってもよく、別々の基板であってもよい。
【0047】
図4、
図6、
図8に示すように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dはいずれも、上下方向において、プレート7よりも下方位置且つ後述する導光部材50の上端位置付近に配置されており、
図3のように、平面方向において開口領域γ(境界線P3の内側領域)から外側に離れた位置に配置されている。そして、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dのいずれも、上下方向と直交する横方向(水平方向)及び横方向に対して傾斜した斜め横方向に照明光が照射されるように開口領域γに近づく側に照明光を照射する構成となっている。例えば、
図6、
図8のように、左右方向(幅方向)一方側に配置された第1光源21a,21bの照射面(発光面)は、これら第1光源21a,21bの側面に相当すると共に左右方向他方側(第2光源21c,21d側)に向くように配置され、これら第1光源21a,21bからは、左右方向他方側に向けて照明光が照射されるようになっている。また、左右方向(幅方向)他方側に配置された第2光源21c,21dの照射面(発光面)は、これら第2光源21c,21dの側面に相当すると共に左右方向一方側(第1光源21a,21b側)に向くように配置され、これら第2光源21c,21dからは、左右方向一方側に向けて照明光が照射されるようになっている。なお、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dの照射面となる各側面は、例えば、幅方向と直交する面方向となっており、全ての第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dの照射面の上下方向の高さは、ほぼ同じ高さになっている。
【0048】
また、上下方向において照明光源21と読取口5の間の位置には、少なくとも照明光源21からの照明光の照射側において照明光源21の位置から平面方向に沿って読取口5側(第2視野範囲AR2側)に延びる構成の遮光部(遮光部91a,92a,93a,94a)が配置されている。そして、これら遮光部91a,92a,93a,94aにより、照明光源21から斜め上方側に向かおうとする照明光が遮られる構成となっている。
【0049】
例えば、
図6のように、平面方向において第1光源21aと読取口5の間の位置には、少なくとも第1光源21aからの照明光の照射側(幅方向における第2光源21c側)に、第1光源21aの位置から平面方向に延びるように遮光部91aが配置されている。この遮光部91aは、第1光源21aが実装される基板91において第1光源21aよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当する。そして、この遮光部91aにより、第1光源21aを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。なお、
図6等に示す例では、基板91、92、93、94は、厚さ方向を上下方向とし、板面方向を水平方向(上下方向と直交する面方向)とするように構成され、基板91、92、93、94のそれぞれの下面(裏面)に発光素子として構成される第1光源21a、21b、第2光源21c、21dがそれぞれ実装されている。そして、例えば、基板91では、第1光源21aの実装面(基板91の下面)が、少なくとも平面方向において第1光源21aの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。このように構成されているため、第1光源21aから照射された直後の光が斜め上方側に向かおうとしても遮光部91aで遮られて多くが下方に反射することになり、第1光源21aからの光の多くは、第1光源21aよりも斜め上方側に向かいにくくなる。その結果、第1光源21aからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。同様に、
図8のように、平面方向において第1光源21bと読取口5の間の位置には、少なくとも第1光源21bからの照明光の照射側において第1光源21bの位置から平面方向に延びるように(具体的には平面方向において読取口5側に延びるように)遮光部92aが配置されている。この遮光部92aは、第1光源21bが実装される基板92において第1光源21bよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当し、この遮光部92aにより、第1光源21bを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。より具体的には、第1光源21bの実装面(基板92の下面)が、少なくとも平面方向において第1光源21bの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。これにより、第1光源21bからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。なお、
図8の説明図では、第1光源21bから照射される光を省略して示している。
【0050】
また、
図6のように、平面方向において第2光源21cと読取口5の間の位置には、少なくとも第2光源21cからの照明光の照射側において第2光源21cの位置から平面方向に延びるように(具体的には平面方向において読取口5側に延びるように)遮光部93aが配置されている。この遮光部93aは、第2光源21cが実装される基板93において第2光源21cよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当し、この遮光部93aにより、第2光源21cを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。より具体的には、第2光源21cの実装面(基板93の下面)が、少なくとも平面方向において第2光源21cの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。これにより、第2光源21cからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。なお、
図6の説明図では、第2光源21cから照射される光を省略して示している。同様に、
図8のように、平面方向において第2光源21dと読取口5の間の位置には、少なくとも第2光源21dからの照明光の照射側において第2光源21dの位置から平面方向に延びるように(具体的には平面方向において読取口5側に延びるように)遮光部94aが配置されている。この遮光部94aは、第2光源21dが実装される基板94において第2光源21dよりも開口領域γ側(平面方向において開口領域γに近い側)の部分が該当し、この遮光部94aにより、第2光源21dを起点として斜め上側に向かおうとする光が遮られるようになっている。より具体的には、第2光源21dの実装面(基板94の下面)が、少なくとも平面方向において第2光源21dの位置から開口領域γに近い側(第2視野範囲AR2の光軸L2に近い側)の延びるように配置されている。これにより、第2光源21dからの光の多くは、水平方向及び斜め下方向に照射されることになる。このように構成されているため、各照明光源21からの光が直接使用者の目に入り込みにくく、且つ各照明光源21からの光を後述する導光部材50に効率的に当てやすくなる。
【0051】
そして、これらの照明光源21による照明光の照射先には、導光部材50が配置されている。
図10で例示されるように、導光部材50は、読取口5の開口領域γ(
図10に示す境界線P3の内側領域)において、視野範囲の中心部P1を通る照明光の照度よりも、視野範囲内の周縁部寄りに定められた所定の高照度領域βを通る照明光の照度のほうが大きくなるように照明光を導く構成となっている。なお、
図4、
図10の例では、プレート7の上面の位置において読取口5の内縁部によって囲まれる領域(プレート7の上面において読取口5から露出する領域)が開口領域γに相当している。そして、
図10の例では、この開口領域γにおいて視野範囲の周縁部に沿った環状領域が高照度領域βとなっており、この高照度領域βをハッチングで概念的に示している。
【0052】
導光部材50は、照明光源21からの照明光を反射する複数の反射部51,52,53,54を備えている。これら反射部51,52,53,54はいずれも、第2視野範囲AR2側の面が、照明光源21からの照明光を反射する反射面として構成されている。そして、各反射部51,52,53,54の各反射面はいずれも、上下方向と直交する平面方向において、読取口5の開口領域γにおける視野範囲の中心部P1の位置(即ち、プレート7と光軸L2が交わる位置)に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。なお、反射部51,52,53,54は、例えば、遮光性の部材によって構成されており、反射部51,52,53,54のいずれも、第2視野範囲AR2側の外面(即ち照明光を反射する反射面)が所定色(例えば、白色等の明色)であり、いずれも第2視野範囲AR2側の外面に入射する光を拡散反射させる構成となっている。
【0053】
図1〜
図3、
図5、
図7等に示すように、導光部材50は、上下方向と直交する所定方向(幅方向)において互いに対向する一対の第1反射部53,54を備えている。そして、
図5、
図7のように、これら一対の第1反射部53,54において、一方の第1反射部54の反射面は、所定方向(幅方向)において他方の反射部53に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の反射部53の反射面は、所定方向において一方の反射部54に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。
【0054】
より具体的には、
図3、
図5、
図7のように、幅方向(上下方向と直交する所定の第1方向)において互いに対向する一対の第1反射部53,54と、
図3、
図4のように、前後方向(上下方向及び第1方向と直交する所定の第2方向)において互いに対向する一対の第2反射部51,52とが設けられている。そして、導光部材50全体が、視野範囲の外側において、第2視野範囲AR2に沿って配置されており、下方位置となるにつれて孔の大きさ(開口領域)が狭くなるすり鉢状の構造となっている。このように、導光部材50は、第2視野範囲AR2の外側において第2視野範囲AR2を囲む構成で環状に配置されており、且つ上端部50aが読取口5の内縁部に近接して配置されている。導光部材50の上端部50aは、第2視野範囲AR2を囲む環状の端部構造となっており、このように環状に構成される上端部50aのいずれも、読取口5の内縁部の直下近傍に位置し、上端部50aのいずれの位置も、開口領域γの中心部よりも周縁部のほうが近くなっている。また、上端部50aのいずれの位置も、開口領域γでの視野範囲αの中心部P1よりも周縁部(境界線P2付近)のほうが近くなっている。
【0055】
図3、
図5、
図7のように、一対の第1反射部53,54において、一方の第1反射部54の反射面は、幅方向(第1方向)において他方の第1反射部53に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の第1反射部53の反射面は、幅方向(第1方向)において一方の第1反射部54に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。更に、
図3、
図4のように、一対の第2反射部51,52において、一方の第2反射部51の反射面は、前後方向(第2方向)において他方の第2反射部52に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成され、他方の第2反射部52の反射面は、前後方向(第2方向)において一方の第2反射部51に近づくにつれて下位置となる傾斜面として構成されている。そして、照明光源21は、一方の第1反射部54、他方の第1反射部53、一方の第2反射部51、他方の第2反射部52のいずれにも照明光を照射する構成となっている。なお、
図3では、一方の第1反射部54の領域を二点鎖線J11で概念的に示し、他方の第1反射部53の領域を二点鎖線J12で概念的に示している。また、一方の第2反射部51の領域を二点鎖線J21で示し、他方の第2反射部52の領域を二点鎖線J22で示している。第1反射部53の反射部は、ケース3の幅方向中心位置よりも幅方向一方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも幅方向一方側に配置されており、幅方向の端部(第1光源21a,21b寄りの端部)位置が、前後方向の長さが最も大きく、幅方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて前後方向の長さが次第に小さくなっている。第1反射部54の反射部は、ケース3の幅方向中心位置よりも幅方向他方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも幅方向他方側に配置されており、幅方向の端部(第2光源21c,21d寄りの端部)位置が、前後方向の長さが最も大きく、幅方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて前後方向の長さが次第に小さくなっている。第2反射部51の反射部は、ケース3の前後中心位置よりも前後方向一方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも前後方向一方側に配置されており、前後方向の端部(光軸L2とは反対側の端部)位置が、左右方向(幅方向)の長さが最も大きく、前後方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて左右方向(幅方向)の長さが次第に小さくなっている。第2反射部52の反射部は、ケース3の前後中心位置よりも前後方向他方側に配置され且つ第2視野範囲AR2の光軸L2よりも前後方向他方側に配置されており、前後方向の端部(光軸L2とは反対側の端部)位置が、左右方向(幅方向)の長さが最も大きく、前後方向において第2視野範囲AR2の光軸L2側に近づくにつれて左右方向(幅方向)の長さが次第に小さくなっている。
【0056】
具体的には、
図6、
図8、
図10に示すように、第1光源21a,21bは、幅方向においてこれら第1光源21a,21bとは反対側(ケース3の幅方向中心位置に対して第1光源21a,21bとは反対側)に設けられた一方の第1反射部54に向けて照明光を照射する構成となっており、第2光源21c,21dは、幅方向においてこれら第2光源21c,21dとは反対側(ケース3の幅方向中心位置に対して第2光源21c,21dとは反対側)に設けられた他方の第1反射部53に向けて照明光を照射する構成となっている。また、第1光源21a,21bは、幅方向(第1方向)において一方の第1反射部54よりも他方の第1反射部53に近い側に配置される他方側光源に相当し、第2光源21c,21dは、幅方向(第1方向)において他方の第1反射部53よりも一方の第1反射部54に近い側に配置される一方側光源に相当する。そして、第2光源21c,21d(一方側光源)からの照明光が、他方の第1反射部53及び一対の第2反射部51,52における第1反射部53側(読取口5の幅方向中心位置よりも第1反射部53側)の部分に対し、少なくともケース3の上下方向中心位置よりも上側の領域(望ましくは、各反射部のほぼ全体)に照射されるようになっている。また、第1光源21a,21b(他方側光源)からの照明光が、一方の第1反射部54及び一対の第2反射部51,52における第1反射部54側(読取口5の幅方向中心位置よりも第1反射部54側)の部分に対し、少なくともケース3の上下方向中心位置よりも上側の領域(望ましくは、各反射部のほぼ全体)に照射されるようになっている。なお、
図10では、第1光源21aからの照明光の照射エリアを太線の破線で概念的に示しており、第1光源21bからの照明光の照射エリアを太線の実線で概念的に示しており、第2光源21cからの照明光の照射エリアを太線の二点鎖線で概念的に示しており、第2光源21dからの照明光の照射エリアを太線の一点鎖線で概念的に示している。
【0057】
このように、第1光源21a,21b及び第2光源21c,21dから照射された照明光は、すり鉢状に構成された導光部材50の壁面(第1反射部53,54及び第2反射部51,52の第2視野範囲AR2側の外面)に照射されるため、
図10のように平面視したときに、第1反射部53,54及び第2反射部51,52が全体的に明るく光ることになる。更に、
図4、
図5、
図7のように、第1反射部53,54及び第2反射部51,52はいずれも、平面方向において視野範囲AR2の中心(光軸L2)側が下位置となる構成であり、光軸L2から遠い側が上位置となる構成となっている。このため、読取口5の開口領域γ(プレート7の上面において読取口5から露出する領域)において、この領域γ内の視野範囲α(
図10において境界線P2に囲まれる領域)では、周縁部付近(境界線P2付近)に近い導光部材50の上端部50a付近(第1反射部53,54及び第2反射部51,52の上端部付近)からの反射光がその周縁部付近(境界線P2付近)に届きやすくなる。よって、開口領域γ内の視野範囲α(
図10において境界線P2に囲まれる領域)では、当該視野範囲αの周縁部付近(境界線P2付近)の照度が当該視野範囲αの中心部P1付近の照度と比較して相対的に高くなる。一方、開口領域γにおける視野範囲αの中心部P1は、周縁部付近(境界線P2付近)と比較して第1反射部53,54及び第2反射部51,52からの距離が遠いため、第1反射部53,54及び第2反射部51,52で反射した照明光は、開口領域γにおいて視野範囲αの周縁部よりも中心部P1に届きにくくなる。よって、開口領域γ内の視野範囲α(
図10において境界線P2に囲まれる領域)では、中心部P1付近の照度が周縁部付近(境界線P2付近)の照度と比較して相対的に低くなる。なお、
図10では、開口領域γにおいて視野範囲αの中心部P1付近の照度よりも照度が高くなる高照度領域βをハッチング領域として概念的に示している。開口領域γでは、このように高照度領域βが構成されるため、開口領域γにおいてプレート7の上面に密着するように物体を配置した場合、この物体では、高照度領域βの位置の照度が相対的に大きく、中心部P1付近の照度が相対的に小さくなり、高照度領域βが中心部P1付近よりも相対的に明るくなる。
【0058】
(外来ノイズ光の影響を抑える構成)
次に、外来ノイズ光の影響を抑えるための構成について説明する。
図11には、
図4のように切断した切断面(第1視野範囲AR1の中心となる第1光軸L1と、第2視野範囲AR2の中心となる第2光軸L2とを通る面で切断した切断面)における、プレート7、反射面29a、読取口5、結像部27、撮像部23の位置関係を概念的に示している。なお、反射面29aは、反射部材29のうちの上方側に露出する鏡面領域(反射領域)である。
【0059】
本明細書では、
図4、
図11のように第1視野範囲AR1の中心となる第1光軸L1と、第2視野範囲AR2の中心となる第2光軸L2とを通る面で切断した切断面において、反射部材29の反射面29aの位置を通る直線を中心線C1とし、この中心線C1を中心としたときに視野範囲の主点Paと線対称となる位置を第1仮想主点Pb1としている。この第1仮想主点Pb1は、
図11の切断面における第2視野範囲AR2の境界線(
図11では、2つの一点鎖線の直線で図示)の延長線上に位置している。そして、この切断面(
図11)において、プレート7の下面7bの位置を通る直線を中心線C2としたときに第1仮想主点Pb1と線対称となる位置を第2仮想主点Pb2としている。そして、中心線C1を中心としたときに第2仮想主点Pb2と線対称となる位置を第3仮想主点Pb3としている。なお、
図11では、第1仮想主点Pb1を起点とする第2視野範囲AR2のエリアを、中心線C2を中心として線対称にしたエリアを、第1の仮想視野範囲のエリア(第2仮想主点Pb2を起点とする二点鎖線で示すエリア)として示している。そして、第2仮想主点Pb2を起点とする第1の仮想視野範囲のエリア(第2仮想主点Pb2を起点とする二点鎖線で示すエリア)を、中心線C1を中心として線対称にしたエリアを、第2の仮想視野範囲のエリア(第3仮想主点Pb3を起点とする一点鎖線で示すエリア)として示している。この第2の仮想視野範囲のエリアは、このエリアにおいて斜め上方からの光がケース内に入り込んだ場合に、仮にこの光が中心線C1の位置で反射し、更に中心線C2の位置で反射したときに撮像部23に映り込むことになるエリアである。
【0060】
このように、第3仮想主点Pb3を定めた場合に、上記切断面(
図4、
図11)において、第3仮想主点Pb3を起点として読取口5の一方の開口端部5d(具体的には、第3仮想主点Pb3よりも遠い側の端部5dの上端位置)を通る第1の直線La1と、第3仮想主点Pb3を起点として読取口5の他方の開口端部5c(具体的には、第3仮想主点Pb3に近い側の端部5cの下端位置)を通る第2の直線La2とを設定した場合に、これら第1の直線La1と第2の直線La2との間の領域に反射部材29の反射面29aが配置されず、第1の直線La1よりも下方に外れた位置のみに反射面29a(反射部材29において上方側に露出する鏡面領域)が配置されている。
【0061】
このような位置関係で読取口5と反射部材29の反射面29aを配置すると、上述の第2の仮想視野範囲において、ケース外から光が入り込む可能性のあるエリア(直線La1と直線La2の間の範囲)からケース3の内部に光が入り込んだとしても、その入り込んだ先に反射面29aが存在しないことになる。従って、このエリアから入り込んだ光が反射面29aで反射し、更に下面7bで反射して撮像部23に映り込むようなことがない。また、第2の仮想視野範囲以外且つ第2視野範囲AR2以外のエリアからケース内に光が入り込み、その外来光が反射部材29で反射し、その反射光がプレート7の裏面で鏡面反射したとしても、プレート7での鏡面反射光が撮像部23に映り込みにくくなる。従って、外来光の映り込みに起因して情報コードCが不鮮明に撮像される問題等をより確実に抑制することができ、外来光の映り込みに起因するデコード不良をより確実に低減することができる。
【0062】
逆に、このような位置関係とせずに、
図14のように、反射部材29の反射面29aを第1の直線La1よりも上方まで延ばした場合、第3仮想主点Pb3を起点とする上述の第2の仮想視野範囲(特に、第1の直線La1と第2の直線La2との間の領域)内に反射面29aが存在することになり、
図14の第1の直線La1と直線La2’の範囲から外来光が入り込んで反射面29aで反射した場合、その反射光がプレート7の裏面(下面7b)で鏡面反射したときに、鏡面反射光が撮像部23で受光されてしまう経路となってしまう。本構成では、
図11のように、反射面29aを第1の直線La1から下方に外しているため、このような外来光の映り込みを防ぐことができ、仮に、視野範囲外から反射面29aに外来光が入り込んでその反射光がプレート7の裏面(下面7b)で鏡面反射したときでも、その鏡面反射光の経路が撮像部23に受光されにくい経路となる。
【0063】
(操作部の構成)
上述したように、
図1等に示す情報コード読取装置1は、ケース3と、ケース3の内部に収容される撮像部23と、撮像部23で撮像可能となる視野範囲を定めると共に、ケース3の外部において視野範囲に情報コードCが配置されたときに当該情報コードCの像を撮像部23に結像させる結像部27と、撮像部23によって情報コードCが撮像された場合に、当該情報コードCの撮像画像を解析して読取処理を行う読取部と、を備えている。そして、ケース3は、所定の上下方向の一方側(上方側)に、光の出入口となる読取口5が形成された読取側壁部(上面部)3aが設けられ、上下方向の他方側(下方側)には、載置面Fへの載置時に当該載置面F側に面すると共に、当該載置面Fによって支持される底壁部(下面部)3bが設けられている。
【0064】
そして、この読取装置1は、
図12〜
図14で示すように、ケース3の底壁部3b(下面部)に、ケース3の外部からの操作が可能となるように操作部100が配置されている。
この操作部100は、押圧操作が可能なボタン部101を備えており、このボタン部101を押す操作がなされたときに、所定の操作信号(押圧信号)を制御回路40に入力するように構成されている。
【0065】
図12〜
図14で示す操作部100は、撮像部23による撮像処理又は読取部による読取処理の少なくともいずれかの開始条件となるトリガボタンとして構成されている。例えば、後述する第1モードの場合、電源投入後、操作部100に対する押圧操作がなされたときに撮像部23による撮像処理が開始されるようになっており、このような撮像処理の開始後に情報コードが撮像された場合に、この情報コードの撮像画像を公知の方法で解読し、デコードを行うようになっている。
【0066】
例えば、操作部100に対する押圧操作がなされた後に実行される撮像処理により、情報コードとしてQRコード(登録商標)が撮像された場合には、このQRコードの撮像画像から公知の方法でファインダパターンを検出し、QRコードの外形(境界)を検出する。そして、検出された境界内において各セルの明暗を判別し、公知の方法でデコードを行うことになる。或いは、情報コードとしてバーコードが撮像された場合には、このバーコードの撮像画像を解析してバーやスペースの配列を把握し、その配列に基づいて公知の方法でデータを取得する。
【0067】
なお、後述する第2モードの場合には、例えば操作部100に対する操作を無効化するようになっている。具体的には、第2モードでは、操作部100に対する所定操作がなされなくても情報コードの読み取りが行われるようになっている。例えば、電源投入後、第2モードになった時点(例えば、後述するセンサ部42によって所定状態(ケース3が載置面から離れた状態)が検出されなくなった時点)から撮像部23による撮像処理が継続的に行われ、このような継続的な撮像処理により情報コードの撮像画像が得られた場合に、この情報コードを解読するようになっている。
【0068】
図12、
図13で示すように、ケース3は、上下方向と直交する所定方向が長手方向とされ、長手方向において一対の第1側壁部3d,3eが対向している。これら一対の第1側壁部3d,3eはいずれも、側壁部3cの一部をなしており、短手方向(前後方向)に直線状に延びている。更に、上下方向及び長手方向と直交する短手方向において一対の第2側壁部3f,3gが対向している。これら一対の第2側壁部3f,3gはいずれも、側壁部3cの一部をなしており、長手方向(横方向)に直線状に延びている。
【0069】
そして、
図14で示すように、操作部100は、ケース3の長手方向において、一対の第1側壁部3d,3eの各々までの距離よりも長手方向におけるケース3の中心位置までの距離のほうが小さくなるように中心位置寄りに配置されている。なお、
図14では、長手方向の中心位置を一点鎖線A1で示しており、短手方向の中心位置を一点鎖線A2で示している。具体的には、操作部100を構成するボタン部101から長手方向の中心位置A1までの距離の方が、ボタン部101から第1側壁部3dまでの距離よりも小さく、且つボタン部101から第1側壁部3eまでの距離よりも小さくなっている。そして、操作部100を構成するボタン部101は、一対の第2側壁部3f,3gから離れた位置に配置されている。
【0070】
また、本構成では、一対の第1側壁部3d,3eのいずれか一方側(具体的には、第1側壁部3e側)において、少なくともこの一方側の第1側壁部からケース3の外側に延びる形でケーブル110が配置されている。そして、操作部100は、ボタン部101の全体が、ケース3の長手方向における中心位置A1よりも、一対の第1側壁部3d,3eのいずれか他方側(具体的には、第1側壁部3d側)に寄って配置されている。また、
図14で示すように、ケース3の短手方向の全範囲をL1とし、短手方向中心寄りの70%の範囲(L1の長さの70%の範囲)をL2とした場合、操作部100を構成するボタン部101は、このL2の範囲に収まっていることが望ましい。
【0071】
また、本構成では、制御回路40がモード切替部に相当し、撮像部23及び読取部によってなされる情報コードの読み取り制御のモードを、操作部100に対して所定操作(例えば押圧操作)がなされることを条件として情報コードの読み取りが行われる第1モードと、操作部100に対する所定操作(例えば押圧操作)がなされなくても情報コードの読み取りが行われる第2モード、とに切り替え可能となっている。
【0072】
具体的には、センサ部42により、ケース3が載置面Fから離間した所定状態を検出するように構成されており、モード切替部に相当する制御回路40は、センサ部42によって所定状態(ケース3が載置面から離れた状態)が検出された場合に第1モードに切り替え、センサ部42によって所定状態が検出されない場合に第2モードに切り替える構成となっている。例えば、センサ部42を距離センサとして構成し、底壁部3b(下面部)の所定位置から上下方向一方側(下方側)への向きを検出方向とした場合、底壁部3bの下面側に面する物体までの上下方向の距離を検出することができる。このように構成した場合、センサ部42によって検出される距離(底壁部3bの下面側の物体までの距離)が所定の閾値以上の場合には、ケース3が載置面Fから離間した「所定状態」であると判定し、センサ部42によって検出される距離(底壁部3bの下面側の物体までの距離)が所定の閾値未満の場合には、ケース3が載置面Fから離間していない状態(「所定状態」ではない)と判定すればよい。つまり、この構成では、センサ部42によって検出される距離が閾値以上の場合には、制御回路40によって第1モードに設定され、センサ部42によって検出される距離が閾値未満の場合には、制御回路40によって第2モードに設定されることになる。
【0073】
なお、ここでは、第1モードと第2モードとを切り替える一例を示したが、切り替えるための構成は上述した例に限られない。例えば、電源投入後、デフォルトで第2モードとし、操作部100が1回操作されたときに第1モードに切り替えるようにしてもよい。
【0074】
(本構成の効果の例)
本構成に係る読取装置1によれば、載置面Fに載置した上での読み取りも、手で把持した上での読み取りも可能な構成となっている。例えば、載置面Fに載置して使用するときには、上方側に読取口5が配置されることになるため、上面側に情報コードCを翳すような読み取り作業が行いやすくなる。また、ケース3の底壁部(下面部)3bにおいて、ケース3の外部からの操作が可能となるように操作部100が配置されているため、装置を把持して使用するときには、把持しながら操作部100を操作することが可能となり、操作部100を用いての読み取り関連作業が行い易くなる。例えば、読取口5を鉛直下方側に向けて読取関連作業を行う場合、鉛直上方側に配置された操作部100に対して指で操作を行い易くなるため、操作部100と関連付けた読取関連作業を効率的に行うことができる。なお、その他の把持姿勢の場合でも、同様の効果が得られる。
【0075】
また、操作部100は、撮像部23による撮像処理又は読取部による読取処理の少なくともいずれかの開始条件となるトリガボタンとして構成されている。この構成では、装置を把持して使用するときには、把持しながらのトリガ操作が可能となり、撮像処理又は読取処理の少なくともいずれかを、操作部100に対するトリガ操作によって円滑に開始することができる。
【0076】
具体的には、店舗などにおいて読み取り作業を行う場合、使用者が翳して使用すべき時期には据置状態で使用することができ、カウンター台などに載置されたラベルや免許証などを手で持って読み取りたい場合には、載置された装置を裏返して把持すれば、円滑に読み取り操作を行うことができる。また、その読み取りのトリガ操作を操作部100によってスムーズに行うことができるため、使用者の利便性が高まる。
【0077】
また、本構成では、ケース3の内部において読取口5の下方側に配置されると共に、上下方向と直交する平面方向に対して傾斜して配置される反射面29aを備え、ケース3の外部から読取口5を介して入り込む光を反射面29aで反射させる反射部材29が設けられている。そして、結像部27は、ケース3の外部から読取口5を通過して入り込み且つ反射部材29で反射した光を撮像部23に導く構成をなしている。
【0078】
このように、ケース3内に反射部材29を介在させ、結像部27からケース3外まで続く視野範囲の経路(即ち、読取口5から入り込んだ光を結像部27に導く経路)をケース3内において折れ曲がるように構成することで、ケース3の厚さをそれほど大きくしなくても、光学系から読取口5までの距離(読取口5から入り込んだ光が結像部27に入り込むまでの経路の長さ)を大きく確保しやすくなる。これにより、読取口5付近の視野範囲をより大きく確保しつつ、ケース3の厚さを低減して小サイズ化を図ることができる。そして、このように小サイズ化を図ることで、把持しながらの操作をより行い易くすることができる。例えば、細かな位置合わせの操作や狭い場所での作業などが非常に行い易くなる。更には、ケース3が薄型化されるため、厚さが大きい構成と比較して装置が把持しやすく、且つ操作部100に対する操作も行い易くなる。
【0079】
また、撮像部23及び読取部によってなされる情報コードの読み取り制御のモードを、操作部100に対して所定操作がなされることを条件として情報コードの読み取りが行われる第1モードと、操作部100に対する所定操作がなされなくても情報コードの読み取りが行われる第2モード、とに切り替え可能なモード切替部を有する。
【0080】
この構成によれば、モード切替部により、操作部100を使用して読み取りを行うモード(第1モード)と、操作部100を使用せずに読み取りを行うモード(第2モード)とを切り替えることができるため、操作部100を使用するか否かを使用者に用途に合わせて切り替えることができる。
【0081】
また、ケース3が載置面Fから離間した所定状態を検出するセンサ部42を備え、モード切替部は、センサ部42によって所定状態が検出された場合に第1モードに切り替え、センサ部によって所定状態が検出されない場合に第2モードに切り替える構成となっている。この構成では、使用者によってケース3が把持され、ケース3が載置面Fから離間した場合(
図12、
図13のような場合)には、その状態をセンサ部42によって検出し、モード切替部によって自動的に第1モード(操作部100に対して所定操作がなされることを条件として情報コードの読み取りが行われるモード)に切り替えることができる。よって、使用者がケース3を把持して読み取りを行う場合には、複雑な操作をなるべく強いることなく、操作部100を使用して読み取りを行う方式で運用することができる。
【0082】
また、使用者によってケース3が把持されず、ケース3が載置面Fに載置されている場合(
図4のような場合)には、モード切替部によって自動的に第2モード(操作部100に対する所定操作がなされなくても情報コードの読み取りが行われる)に切り替えることができる。よって、使用者がケース3を把持せずに載置状態で読み取りを行う場合には、複雑な操作をなるべく強いることなく、操作部100を使用しない方式で運用することができる。
【0083】
また、ケース3は、上下方向と直交する所定方向が長手方向とされ、長手方向において一対の第1側壁部3d,3eが対向し、上下方向及び長手方向と直交する短手方向において一対の第2側壁部3f,3gが対向している。そして、操作部100は、ケース3の長手方向において、一対の第1側壁部3d,3eの各々までの距離よりも長手方向におけるケース3の中心位置までの距離のほうが小さくなるように中心位置寄りに配置されており、且つ、一対の第2側壁部3f,3gから離れた位置に配置されている。
【0084】
このように構成すると、
図12、
図13のようにケース3の短手方向両端部を挟み込むようにケース3を掴んだとき(例えば、一方の第2側壁部3f,3gを親指F1で受け、他方の第2側壁部3f,3gを中指F3、薬指F4、小指F5などで受けるように掴んだとき)に、掴むことに用いていない指(例えば人差し指F2)で操作部100を操作しやすい位置関係となる。
【0085】
また、本構成では、一対の第1側壁部3d,3eのいずれか一方側(具体的には、第1側壁部3e側)において、ケース3の外側に延びる形でケーブル110が配置されている。そして、操作部100は、ケース3の長手方向における中心位置よりも、一対の第1側壁部3d,3eのいずれか他方側(具体的には、第1側壁部3d側)に寄って配置されている。この構成では、
図12、
図13のように、ケース3の短手方向両端部を挟み込み且つケーブルが手首H側に配置されるようにケース3を掴んだときに、掴むことに用いていない指(例えば人差し指)で操作部100を操作しやすい位置関係となる。つまり、ケーブル110が極力邪魔になりにくい把持状態のときに、操作部100を指で操作しやすくなる。
【0086】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0087】
据置構造として、載置面に載置する方法、使用者が手に持って使用する方法とを併用できる例を示したが、これらの2方法以外の方法(壁に取り付けて使用する方法)が併用できる構成であってもよい。
【0088】
上記実施形態では、ケース3の下面部にトリガボタンとして構成された操作部100が設けられた例を示したが、操作部100の配置位置は底壁部3b(下面部)に限定されず、ケース3の外面部における読取側壁部3a(上面部)以外の位置においてケース3の外部からの操作が可能となるように配置されていればよい。いずれの場合でも、撮像部23による撮像処理又は読取部による読取処理の少なくともいずれかの開始条件となるトリガボタンとして用いることができる。
【0089】
上記実施形態では、操作部100に対して所定操作がなされた場合に撮像部23による撮像処理を開始する例を示したが、操作部100に対する所定操作がなされる前から撮像処理が継続的に行われ、操作部100に対して所定操作がなされた時点での撮像画像を解析するように読取処理が実行されるようにしてもよい。或いは、照明光源21が消灯している状況下で操作部100に対して所定操作がなされた場合に照明光源21を点灯させるようにしてもよい。
【0090】
上記実施形態では、センサ部46によって所定状態(ケース3が載置面から離れた状態)を検出する一例を示したが、その他の方法で検出してもよい。例えば、センサ部46を接触センサとして構成すると共に、載置面に接触可能となる位置に配置してもよい。この場合、センサ部46によって接触状態が検出されている場合には、所定状態(ケース3が載置面から離れた状態)ではないと判定し、センサ部46によって接触状態が検出されていない場合には、所定状態(ケース3が載置面から離れた状態)であると判定すればよい。