特許第6458841号(P6458841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6458841燃料ノズル組立体及びこれを含むガスタービン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6458841
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】燃料ノズル組立体及びこれを含むガスタービン
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20190121BHJP
   F23R 3/10 20060101ALI20190121BHJP
   F23R 3/18 20060101ALI20190121BHJP
   F23D 14/58 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   F23R3/28 B
   F23R3/10
   F23R3/18
   F23D14/58 Z
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-184714(P2017-184714)
(22)【出願日】2017年9月26日
(65)【公開番号】特開2018-179484(P2018-179484A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2017年9月26日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0049624
(32)【優先日】2017年4月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507002918
【氏名又は名称】ドゥサン ヘヴィー インダストリーズ アンド コンストラクション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シム、ヨンサム
(72)【発明者】
【氏名】ロウ、ウジン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ドンシク
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ジャエ ウォン
【審査官】 高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−162476(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0281978(US,A1)
【文献】 特開平04−126921(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0184308(US,A1)
【文献】 特開2014−159942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 14/58
F23R 3/10
F23R 3/18
F23R 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン燃焼器のボディ部とハウジングとの間に形成される圧縮空気通路上に配置される燃料ノズル組立体であって、
燃料が供給される供給通路を備え、前記ハウジングの内部に装着されるノズルボディと、
前記ノズルボディの外周面に装着されたシュラウド(shroud)と、
前記シュラウドと前記ノズルボディの外周面との間に一定間隔離隔して2つ以上装着され、前記シュラウドの一端部の形状及び前記ノズルボディの外周面の形状に対応する構造の流動ガイドと
備え
前記流動ガイドは、
前記シュラウドの一端部の形状に対応する構造の曲面構造で形成された曲線部と、
前記曲線部と一体にノズルボディの延長方向と平行な方向に所定の長さだけ延長され、前記ノズルボディの外周面と平行な構造の一直線部と
を含み、
前記曲線部の一側面には、前記ノズルボディの延長方向と対応する方向に延長された第1突起が突設されており、
前記一直線部の一側面には、前記ノズルボディの延長方向と対応する方向に延長された第2突起が突設されており、
前記第1突起と前記第2突起とは一体に延長された構造である、
燃料ノズル組立体。
【請求項2】
前記第1突起は所定の角度だけ傾いている、請求項1に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項3】
前記曲線部と前記一直線部とが隣接する部位には、前記流動ガイドの外周面に沿って2つ以上の補助流路が一定間隔離隔して形成される、請求項1または2に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項4】
ガスタービン燃焼器のボディ部とハウジングとの間に形成される圧縮空気通路上に配置される燃料ノズル組立体であって、
燃料が供給される供給通路を備え、前記ハウジングの内部に装着されるノズルボディと、
前記ノズルボディの外周面に装着されたシュラウド(shroud)と、
前記シュラウドと前記ノズルボディの外周面との間に一定間隔離隔して2つ以上装着され、前記シュラウドの一端部の形状及び前記ノズルボディの外周面の形状に対応する構造の流動ガイドと
を備え、
前記流動ガイドは、
前記シュラウドの一端部の形状に対応する構造の曲面構造で形成された曲線部と、
前記曲線部と一体にノズルボディの延長方向と平行な方向に所定の長さだけ延長され、前記ノズルボディの外周面と平行な構造の一直線部と
を含み、
前記曲線部と前記一直線部とが隣接する部位には、前記流動ガイドの外周面に沿って2つ以上の補助流路が一定間隔離隔して形成される、
燃料ノズル組立体。
【請求項5】
前記曲線部の一側面には、前記ノズルボディの延長方向と対応する方向に延長された第1突起が突設されている、請求項に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項6】
前記第1突起は所定の角度だけ傾いている、請求項に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項7】
前記一直線部の一側面には、前記ノズルボディの延長方向と対応する方向に延長された第2突起が突設されている、請求項5または6に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項8】
前記第1突起と前記第2突起とは一体に延長された構造である、請求項に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項9】
前記補助流路の形成方向は前記一直線部と平行な方向である、請求項3から8のいずれか一項に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項10】
前記2つ以上の流動ガイドの一端部をすべて結ぶ仮想の線は、前記ノズルボディの中心方向に所定の角度だけ鋭角で傾いている、請求項1からのいずれか一項に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項11】
前記仮想の線と前記ノズルボディの中心線とがなす角度は35から55度である、請求項10に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項12】
前記燃料ノズル組立体は、
前記ノズルボディの外周面に沿って一定の角度で離隔して2つ以上装着され、2つ以上の流動ガイドと前記ノズルボディとを互いに連結させる間隙維持部材をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項13】
前記間隙維持部材は、前記ノズルボディの延長方向と対応する方向に所定の長さだけ延長され、側断面視でエアフォイル構造である、請求項12に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項14】
前記間隙維持部材の延長方向は、前記ノズルボディの中心線に対して所定の角度をなす、請求項13に記載の燃料ノズル組立体。
【請求項15】
ガスタービン燃焼器のボディ部とハウジングとの間に形成される圧縮空気通路上に配置される燃料ノズル組立体を含むガスタービンであって、
前記燃料ノズル組立体は、
燃料が供給される供給通路を備え、前記ハウジングの内部に装着されるノズルボディと、
前記ノズルボディの外周面に装着されたシュラウド(shroud)と、
前記シュラウドと前記ノズルボディの外周面との間に一定間隔離隔して2つ以上装着され、前記シュラウドの一端部の形状及び前記ノズルボディの外周面の形状に対応する構造の流動ガイドと
有し
前記流動ガイドは、
前記シュラウドの一端部の形状に対応する構造の曲面構造で形成された曲線部と、
前記曲線部と一体にノズルボディの延長方向と平行な方向に所定の長さだけ延長され、前記ノズルボディの外周面と平行な構造の一直線部と
を含み、
前記曲線部の一側面には、前記ノズルボディの延長方向と対応する方向に延長された第1突起が突設されており、
前記一直線部の一側面には、前記ノズルボディの延長方向と対応する方向に延長された第2突起が突設されており、
前記第1突起と前記第2突起とは一体に延長された構造である、
ガスタービン。
【請求項16】
ガスタービン燃焼器のボディ部とハウジングとの間に形成される圧縮空気通路上に配置される燃料ノズル組立体を含むガスタービンであって、
前記燃料ノズル組立体は、
燃料が供給される供給通路を備え、前記ハウジングの内部に装着されるノズルボディと、
前記ノズルボディの外周面に装着されたシュラウド(shroud)と、
前記シュラウドと前記ノズルボディの外周面との間に一定間隔離隔して2つ以上装着され、前記シュラウドの一端部の形状及び前記ノズルボディの外周面の形状に対応する構造の流動ガイドと
を有し、
前記流動ガイドは、
前記シュラウドの一端部の形状に対応する構造の曲面構造で形成された曲線部と、
前記曲線部と一体にノズルボディの延長方向と平行な方向に所定の長さだけ延長され、前記ノズルボディの外周面と平行な構造の一直線部と
を含み、
前記曲線部と前記一直線部とが隣接する部位には、前記流動ガイドの外周面に沿って2つ以上の補助流路が一定間隔離隔して形成される、
ガスタービン。
【請求項17】
前記2つ以上の流動ガイドの一端部をすべて結ぶ仮想の線は、前記ノズルボディの中心方向に所定の角度だけ鋭角で傾いている、請求項15または16に記載のガスタービン。
【請求項18】
前記燃料ノズル組立体は、
前記ノズルボディの外周面に沿って一定の角度で離隔して2つ以上装着され、2つ以上の流動ガイドと前記ノズルボディとを互いに連結させる間隙維持部材をさらに含む、請求項15から17のいずれか一項に記載のガスタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ノズル組立体及びこれを含むガスタービンに係り、さらに詳しくは、ガスタービン燃焼器のボディ部とハウジングとの間に形成される圧縮空気通路上に配置される燃料ノズル組立体及びこれを含むガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガスタービンは、圧縮機、燃焼器及びタービンから構成されている。空気導入口を介して流入した空気が圧縮機で圧縮されることにより、高温、高圧の圧縮空気となり、この圧縮空気に対して燃焼器で燃料を供給して燃焼させることにより、高温・高圧の燃焼ガス(作動流体)を得、この燃焼ガスによってタービンを駆動し、このタービンに連結された発電機を駆動する。
【0003】
従来のガスタービンの燃焼器12は、図1及び図2に示すように、パイロット燃焼バーナー44の周りを取り囲むように複数のメイン燃焼バーナー45が配置されており、パイロット燃焼バーナー44にはパイロットノズルが、メイン燃焼バーナー45にはメインノズルがそれぞれ内蔵されており、パイロット燃焼バーナー44及び複数のメイン燃焼バーナー45はガスタービンの燃焼室43を向くように燃焼器12内に配置されている。
【0004】
図3は従来技術による燃料ノズル組立体を示す部分断面図である。
【0005】
図3を参照すると、従来技術による燃料ノズル組立体10は、ノズルボディ11の外周面に装着されたシュラウド(shroud)13を用いて、吸入された圧縮空気の流動を誘導している。
【0006】
しかし、従来技術によるシュラウド13は、流動剥離が発生するおそれのある構造であって、ノズルベーン(旋回翼(swirler))の近くで渦流領域を形成するので、燃料混合気が停滞する可能性がある。これにより、ノズルベーンの近くで火炎が発生する可能性がある。
【0007】
また、従来技術によるシュラウド13は、流動剥離により圧力損失が発生し、結果として全体的な燃焼器の性能低下を誘発する。
【0008】
したがって、前述した従来技術による問題点を解決することができる燃料ノズル組立体に関する技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許10−2016−0069805号公報(2016年6月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、既存の燃料ノズルシュラウド端部における流動剥離により発生した保炎(flame holding)問題を改善し、燃焼器の性能を向上させることができ、流動剥離を除去して既存の剥離による圧力損失を改善することにより、燃焼器全体の圧力損失を改善することができる燃料ノズル組立体、及びこれを含むガスタービンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明の一態様による燃料ノズル組立体は、ガスタービン燃焼器のボディ部とハウジングとの間に形成される圧縮空気通路上に配置される燃料ノズル組立体であって、燃料が供給される供給通路を備え、前記ハウジングの内部に装着されるノズルボディと、前記ノズルボディの外周面に装着されたシュラウド(shroud)と、前記シュラウドとノズルボディの外周面との間に一定間隔離隔して2つ以上装着され、シュラウドの一端部の形状及びノズルボディの外周面の形状に対応する構造の流動ガイドとを含んでなることができる。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記流動ガイドは、シュラウドの一端部の形状に対応する構造の曲面構造で形成された曲線部と、前記曲線部と一体にノズルボディの延長方向と平行な方向に所定の長さだけ延長され、ノズルボディの外周面と平行な構造の一直線部とを含むことができる。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記曲線部の一側面では、ノズルボディの延長方向と対応する方向に延長された第1突起が突設できる。
【0014】
また、前記第1突起は所定の角度だけ傾いた構造であり得る。
【0015】
また、前記一直線部の一側面には、ノズルボディの延長方向と対応する方向に延長された第2突起が突設できる。
【0016】
また、前記第1突起と第2突起とは一体に延長された構造であり得る。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記曲線部と一直線部とが隣接する部位には、流動ガイドの外周面に沿って2つ以上の補助流路が一定間隔離隔して形成できる。
【0018】
また、前記補助流路の形成方向は一直線部と平行な方向であり得る。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記2つ以上の流動ガイドの一端部をすべて結ぶ仮想の線は、ノズルボディの中心方向に所定の角度だけ鋭角で傾いた構造であり得る。
【0020】
この場合、前記仮想の線とノズルボディの中心線とがなす角度は35から55度であり得る。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記燃料ノズル組立体は、前記ノズルボディの外周面に沿って一定の角度で離隔して2つ以上装着され、2つ以上の流動ガイドとノズルボディとを互いに連結させる間隙維持部材をさらに含むことができる。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記間隙維持部材は、ノズルボディの延長方向と対応する方向に所定の長さだけ延長され、側断面視でエアフォイル構造であり得る。
【0023】
また、前記間隙維持部材の延長方向は、ノズルボディの中心線に対して所定の角度をなすことができる。
【0024】
本発明は、また、前記燃料ノズル組立体を含むガスタービンを提供することができるが、本発明の一態様によるガスタービンは、ガスタービン燃焼器のボディ部とハウジングとの間に形成される圧縮空気通路上に配置される燃料ノズル組立体を含むガスタービンであって、前記燃料ノズル組立体は、燃料が供給される供給通路を備え、前記ハウジングの内部に装着されるノズルボディと、前記ノズルボディの外周面に装着されたシュラウド(shroud)と、前記シュラウドとノズルボディの外周面との間に一定間隔離隔して2つ以上装着され、シュラウドの一端部の形状とノズルボディの外周面の形状に対応する構造の流動ガイドとを含んでなることができる。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記流動ガイドは、シュラウドの一端部の形状に対応する構造の曲面構造で形成された曲線部と、前記曲線部と一体にノズルボディの延長方向と平行な方向に所定の長さだけ延長され、ノズルボディの外周面と平行な構造の一直線部と、を含むことができる。
【0026】
本発明の一実施形態において、前記2つ以上の流動ガイドの一端部をすべて結ぶ仮想の線は、ノズルボディの中心方向に所定の角度だけ鋭角で傾くことができる。
【0027】
本発明の一実施形態において、前記燃料ノズル組立体は、前記ノズルボディの外周面に沿って一定の角度で離隔して2つ以上装着され、2つ以上の流動ガイドとノズルボディとを互いに連結させる間隙維持部材をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0028】
上述したように、本発明の一実施形態の燃料ノズル組立体によれば、特定の構造の流動ガイドを備えることにより、流動剥離を除去して既存の剥離による圧力損失を改善することができ、これにより燃焼器全体の圧力損失を改善することができる燃料ノズル組立体、及びこれを含むガスタービンを提供することができる。
【0029】
また、本発明の一実施形態の燃料ノズル組立体によれば、特定の構造の流動ガイドを用いて流動剥離を除去することにより、既存の燃料ノズルシュラウド端部における流動剥離により発生した保炎(flame holding)問題を改善し、燃焼器の性能を向上させることができる。
【0030】
また、本発明の一実施形態の燃料ノズル組立体によれば、特定の構造の曲線部及び一直線部を含む流動ガイドを備えることにより、流動ガイドに沿って流動する流体の流れをさらに安定的に誘導することができ、結果として流動の剥離を効果的に除去することができる。
【0031】
また、本発明の一実施形態の燃料ノズル組立体によれば、特定の構造の第1突起及び第2突起を特定の位置に形成することにより、流動ガイドに沿って流動する流体の流れをさらに安定的に誘導することができ、結果として流動の剥離を効果的に除去することができる。
【0032】
また、本発明の一実施形態の燃料ノズル組立体によれば、特定の構造の補助流路を、曲線部と一直線部とが隣接する部位に形成することにより、曲線部と一直線部とが隣接する部位で発生するおそれのある流動剥離を簡単に除去することができ、これにより、流動ガイドに沿って流動する流体の流れをさらに安定的に誘導することができ、結果として流動の剥離を効果的に除去することができる。
【0033】
また、本発明の一実施形態の燃料ノズル組立体によれば、特定の構造の間隙維持部材を備えることにより、流動ガイドに沿って流動する流体の流れをさらに安定的に誘導することができ、結果として流動の剥離を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】従来技術によるガスタービンを示す正面図である。
図2図1に示された燃焼器部分を示す部分断面図である。
図3】従来技術による燃料ノズル組立体を示す部分断面図である。
図4】本発明の一実施形態による燃料ノズル組立体を示す断面斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による燃料ノズル組立体を示す部分断面図である。
図6】本発明の一実施形態による燃料ノズル組立体を示す斜視図である。
図7図5に示された燃料ノズル組立体の流動ガイドの構造を詳細に示す部分断面図である。
図8】本発明の一実施形態による燃料ノズル組立体の流動ガイドのみを抜粋して示す断面斜視図である。
図9】本発明の他の実施形態による燃料ノズル組立体を示す部分断面図である。
図10】本発明の他の実施形態による燃料ノズル組立体の間隙維持部材のみを抜粋して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲で使用された用語や単語は通常的かつ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
【0036】
本明細書全体において、ある部材が他の部材「上」に位置しているとするとき、これはある部材が他の部材に接している場合だけでなく、両部材の間に別の部材が介在する場合も含む。本明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0037】
図4は本発明の一実施形態による燃料ノズル組立体を示す断面斜視図である。
【0038】
図4を参照すると、本実施形態による燃料ノズル組立体100は、ガスタービン燃焼器のボディ部とハウジングとの間に形成される圧縮空気通路上に配置される燃料ノズル組立体であって、特定の構造の流動ガイド130を含む構造である。
【0039】
本実施形態による燃料ノズル組立体100は、特定の構造の流動ガイド130を備えることにより、流動の剥離を除去して既存の剥離による圧力損失を改善することにより、燃焼器全体の圧力損失を改善することができる燃料ノズル組立体10、及びこれを含むガスタービンを提供する。
【0040】
以下、添付図面を参照して、本実施形態による燃料ノズル組立体100を構成する各構成について詳細に説明する。
【0041】
図5は本発明の一実施形態による燃料ノズル組立体を示す部分断面図、図6は本発明の一実施形態による燃料ノズル組立体を示す斜視図である。また、図7図5に示された燃料ノズル組立体の流動ガイドの構造を詳細に示す部分断面図である。
【0042】
これらの図面を参照すると、本実施形態による燃料ノズル組立体100は、ノズルボディ110、シュラウド(shroud)120及び流動ガイド130を含む構成である。
【0043】
ノズルボディ110は、燃料が供給される供給通路を備え、前記ハウジングの内部に装着される。このとき、ノズルボディ110の外周面にはシュラウド(shroud)120が装着される。
【0044】
本実施形態による流動ガイド130は、シュラウド120とノズルボディ110の外周面との間に一定間隔離隔して2つ以上装着されている。このとき、流動ガイド130は、シュラウド120の一端部の形状に沿って曲面をなしてからノズルボディ110の外周面の形状に沿って平面をなす構造であることが流動の観点から好ましい。もちろん、流動ガイド130の表面は、曲面と平面とが滑らかに繋がっていることが好ましい。
【0045】
具体的には、流動ガイド130は、特定の構造の曲線部131及び一直線部132を含む構成であり得る。
【0046】
曲線部131は、図4および図5に示されているように、シュラウド120の一端部の形状と対応する構造の曲面構造で形成される。
【0047】
一直線部132は、曲線部131と一体にノズルボディ110の延長方向と平行な方向に所定の長さだけ延長され、ノズルボディ110の外周面と平行な構造であり得る。
【0048】
本実施形態による流動ガイド130は、ノズルボディ110の外周面を囲繞する構造であって、2つ以上装着されることが好ましい。
【0049】
このとき、2つ以上の流動ガイド130の一端部をすべて結ぶ仮想の線Lは、図7に示されているように、ノズルボディの中心方向に所定の角度だけ鋭角で傾いていることが好ましい。
【0050】
仮想の線Lとノズルボディの中心線Cとがなす角度aは、圧縮空気の吸入を円滑に誘導することができる角度であれば特に限定されるものではなく、好ましくは35から55度である。
【0051】
このように2つ以上の流動ガイド130の一端部をすべて結ぶ仮想の線Lがノズルボディの中心方向に鋭角をなすと、ノズルボディ110にさらに近い内側の流動ガイド130は、その曲線部131が圧縮空気の流動に対してさらに突出するようになる。図7から分かるように、略180°に折れる圧縮空気の流れをスムーズに転換させるためには、ノズルボディ110から遠い側の圧縮空気がシュラウド120を経て内側の流動ガイド130側へ流れなければならない。このような圧縮空気の流動を効果的に生じさせるためには、ノズルボディ110にさらに近い内側の流動ガイド130が外側の流動を包摂しなければならないので、内側の流動ガイド130の曲線部131を圧縮空気の流動に対してさらに突出させることが有利である。
【0052】
図8は本発明の一実施形態による燃料ノズル組立体の流動ガイドのみを抜粋して示す断面斜視図である。
【0053】
図8を参照すると、本実施形態による流動ガイド130の曲線部131の一側面には、ノズルボディ110の延長方向と対応する方向に延長された第1突起133が突設されている。
【0054】
第1突起133は、曲線部131に沿って流動する流体を安定的に誘導する役目をすることができるので、流動剥離現象を効果的に遮断することができる。
【0055】
場合によって、第1突起133は、図8に示されているように、ノズルボディ110の中心線を基準に所定の角度だけ傾いた構造であり得る。
【0056】
この場合、流動する流体の流動方向を所望の方向に安定的に誘導することができる。
【0057】
また、図8に示されているように、一直線部132の一側面には、ノズルボディ110の延長方向と対応する方向に延長された第2突起134が突設されて流体の流動をさらに安定的に誘導することができる。
【0058】
この場合、第1突起133と第2突起134は、一体に延長された構造で形成されることが好ましい。第1突起133と第2突起134とが互いに離隔して別個に形成される場合には、離隔した各端部で流体流動の剥離が発生するおそれがあって好ましくない。
【0059】
図9は本発明の他の実施形態による燃料ノズル組立体を示す部分断面図である。
【0060】
図9を参照すると、本実施形態による流動ガイド130の曲線部131と一直線部132とが連結される境界面に隣接する部位には、流動ガイド130の外周面に沿って2つ以上の補助流路135が一定の間隔離隔するように形成されている。
【0061】
このとき、補助流路135の形成方向は一直線部132と平行な方向であることが好ましい。
【0062】
この場合、特定の構造の補助流路135を、曲線部131と一直線部132とが隣接する部位に形成することにより、曲線部131と一直線部132とが隣接する部位で発生するおそれのある流動剥離を簡単に除去することができ、これにより流動ガイドに沿って流動する流体の流れをさらに安定的に誘導することができ、結果として流動の剥離を効果的に除去することができる。
【0063】
図10は本発明の他の実施形態による燃料ノズル組立体の間隙維持部材のみを抜粋して示す斜視図であり得る。
【0064】
図10図6と一緒に参照すると、本実施形態による燃料ノズル組立体100は、2つ以上の流動ガイド130とノズルボディ110とを互いに連結させる間隙維持部材140をさらに含む構成である。
【0065】
具体的に、本実施形態による間隙維持部材140は、ノズルボディ110の外周面に沿って一定の角度で離隔して2つ以上装着されることが好ましい。
【0066】
このとき、間隙維持部材140は、ノズルボディ10の延長方向と対応する方向に所定の長さだけ延長され、側断面視ではエアフォイル構造であり得る。
【0067】
本実施形態による間隙維持部材140の延長方向は、図10の(A)に示されているように、ノズルボディ110の中心線Cと平行な方向であり得るが、場合によって、流体の流動方向を特定の方向に誘導しようとする場合には、図10の(B)に示されているように、ノズルボディ110の中心線Cに対して所定の角度bをなすように間隙維持部材140を装着することができる。
【0068】
したがって、本実施形態によれば、特定の構造の間隙維持部材140を備えることにより、流動ガイドに沿って流動する流体の流れをさらに安定的に誘導することができ、結果として流動の剥離を効果的に除去することができる。
【0069】
本発明の一実施形態は、また、前述した本発明の一実施形態による燃料ノズル組立体100を含むガスタービンを提供することができるが、燃焼器の性能を著しく向上させることができ、結果として効率が向上したガスタービンを提供することができる。
【0070】
以上、本発明の詳細な説明では、それによる特別な実施形態についてのみ記述した。ところが、本発明は、詳細な説明で言及される特別な形態に限定されるものではないと理解されるべきであり、むしろ添付された特許請求の範囲によって定義される本発明の精神と範囲内にあるすべての変形物、均等物及び代替物を含むものと理解されるべきである。
【0071】
すなわち、本発明は、上述した特定の実施形態及び説明に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも様々な変形実施が可能であり、それらの変形実施も本発明の保護範囲内に属する。
【符号の説明】
【0072】
10 従来技術による燃料ノズル組立体
11 ノズルボディ
13 シュラウド(shroud)
100 燃料ノズル組立体
110 ノズルボディ
120 シュラウド(shroud)
130 流動ガイド
131 曲線部
132 一直線部
133 第1突起
134 第2突起
135 補助流路
140 間隙維持部材
C ノズルボディの中心線
L 2つ以上の流動ガイドの一端部をすべて結ぶ仮想の線
a 仮想の線Lとノズルボディの中心線Cとがなす角度
b 間隙維持部材の延長方向と中心線Cとがなす角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10