(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照して本発明に係るドア開閉装置の実施の形態を説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0015】
また、本明細書において、位置度および同軸度については、位置度公差および同軸度公差が、幾何学公差「JIS B0021:1998 製品の幾何特性仕様(GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示方式」により規定される値であることを表す。
【0016】
(実施の形態)
まず、本実施の形態のドア開閉装置を車両に設置した場合の設置例を説明する。本実施の形態のドア開閉装置は、四輪自動車等の車両において車両本体の後端開口に設けた上方ヒンジのバックドアを開閉するためのものである。
図1、2は、本実施の形態のドア開閉装置をバックドアの開閉に用いる場合の設置例を示す模式図である。
図1はバックドアが閉の状態、
図2はバックドアが開の状態を表す。また、
図1(a)、
図2(a)は、車両後方の全体図を表し、
図1(b)、
図2(b)は、それぞれ
図1(a)、
図2(a)の部分拡大図である。
【0017】
図3は、本実施の形態のドア開閉装置の構成を示す模式図である。ドア開閉装置1は、
図3に示すように、モータ2と、出力軸3と、減速機構4とを備え、これらが出力軸3の軸心に沿って連結されている。また、
図3に示すように、減速機構4は、第1の遊星歯車機構5と、センサ機構6と、第2の遊星歯車機構7と、第3の遊星歯車機構8とを備える。なお、モータ2とセンサ機構6とには、車載電源から電力が供給されている。
【0018】
本実施の形態のドア開閉装置1は、
図1、2に示すように、出力軸3の軸心が車両100の幅方向に水平となる状態で車両100の天井に固定されている。そして、ドア開閉装置1に接続されたアーム9には、開閉部材としてのロッドRの一端が接続されている。また、ロッドRの他端には開閉部材としてのヒンジ102が接続されている。ヒンジ102の一端は、ブラケットB3により車両100の天井に固定されている。また、ヒンジ102の他端は、バックドア101に固定されている。
【0019】
つぎに、本発明の実施の形態に係るドア開閉装置1の具体的構成について
図3および
図4〜7を参照して説明する。
図4は、
図3のドア開閉装置の出力軸の軸心に沿った断面図である。
図5は、
図3のドア開閉装置における第1の遊星歯車機構の構成を示す分解斜視図である。
図6は、
図3のドア開閉装置におけるセンサ機構の構成を示す分解斜視図である。
図7は、
図3のドア開閉装置における第2の遊星歯車機構、第3の遊星歯車機構、およびアームの構成を示す分解斜視図である。
【0020】
モータ2は、ドアを開閉する動力を発生させるものであり、収容部としての筒状のモータケース201内に図示しない回転子や電磁石等が収容されている。電磁石は、車載電源に接続し給電される。ボルトV5を螺合された出力軸3は、ドアを開閉する動力を出力するものであり、減速機構4を介してモータ2の回転軸に接続している。出力軸3には、ドアとの間を連係するアーム9が取り付けられている。アーム9には、ロッドRおよび
図1、2のヒンジ102が接続される。
【0021】
減速機構4は、モータ2の動力を減速して出力軸3に伝達するものであり、モータ2側から第1の遊星歯車機構5、センサ機構6、第2の遊星歯車機構7、第3の遊星歯車機構8の順に出力軸3の軸心に沿って並んでいる。
【0022】
第1の遊星歯車機構5は、
図5に示すように、モータ2から入力された動力を減速して出力する第1の減速機構である。第1の遊星歯車機構5は、第1のサンギア501、第1のプラネタリーギア502、第1のプラネタリーキャリア503、回転可能な第1のリングギア504を備え、これらを収容部材としての筒状のギアケース510に収容してユニット化している。第1のプラネタリーキャリア503は、ギアケース510に嵌合されて固定されている。ギアケース510は、外周面に設けた固定用耳部510aとモータケース201とを図示しないネジによりネジ止めすることで、モータケース201に固定されている。また、ギアケース510は、ドア開閉装置1を車両本体又はドアに固定するための固定手段としてのブラケットB1を有している。第1のリングギア504には、センサ機構6を構成するマグネットシャフト604がセレーション結合されている(
図4参照)。
【0023】
軸方向に延伸する第1のサンギア501は、モータ2の駆動により回転するようにモータ2と接続され、第1のサンギア501が回転すると、第1のプラネタリーギア502が自転する。第1のプラネタリーギア502が自転すると、第1のプラネタリーキャリア503が固定されていることにより、第1のリングギア504が回転する。さらに、第1のリングギア504が回転すると、第1のリングギア504に接続したマグネットシャフト604が回転する。その結果、第1のサンギア501に入力された動力は、マグネットシャフト604から減速されて出力される。
【0024】
センサ機構6は、
図6に示すように、ドア開閉装置1の駆動状況を検出するための機構である。センサ機構6は、ブレーキブッシュ601、ウェーブワッシャー602、ブレーキカバー603、マグネットシャフト604、マグネットリング605、カラー606、トレランスリング607、GMR(Giant Magneto Resistance effect)センサ608、ブッシュ609を備え、これらをセンサケース610、620内に収容してユニット化している。センサケース610、620は、外周面に設けた固定用耳部610a、620aとモータケース201とをボルトV1でネジ止めすることで、モータケース201に固定されている。
【0025】
ブレーキブッシュ601は、ウェーブワッシャー602を介してブレーキカバー603に装着されている。マグネットシャフト604は、マグネットリング605を嵌着され固定する。マグネットリング605は、平板リング状の部材であって、周回りに沿ってS極とN極とが交互に配置するよう着磁されている。GMRセンサ608は、センサケース620に固定されている。マグネットシャフト604は、出力軸3側に設けられた凹部にカラー606を挿通され、さらにカラー606の内側に波型形状の凹凸を持つトレランスリング607を挿通される。そして、トレランスリング607の内側に第2の遊星歯車機構7を構成する第2のサンギア702(
図4参照)を挿通することにより、マグネットシャフト604と第2のサンギア702とが、トレランスリング607により押圧されて締結される。また、ブッシュ609は、センサケース620と第2のサンギア702との隙間を埋めている。
【0026】
マグネットシャフト604は、第1の遊星歯車機構5の第1のリングギア504から入力される動力により回転する。マグネットシャフト604が回転すると、マグネットシャフト604とマグネットリング605とは一体となって回転する。マグネットリング605が回転すると、GMRセンサ608がマグネットリング605からの磁束密度を検出してパルス信号を発生する。このように発生したパルス信号をパルスセンサによって検出することにより、ドア開閉装置1の駆動状況、特に回転速度および回転方向を検出することができる。また、マグネットシャフト604が回転すると、マグネットシャフト604と締結された第2のサンギア702が回転する。
【0027】
2段の遊星歯車機構で構成された第2の遊星歯車機構7および第3の遊星歯車機構8は、
図7に示すように、センサ機構6を介して第1の遊星歯車機構5から入力された動力を減速して出力する第2の減速機構である。
【0028】
この2段の遊星歯車機構は、リングギアカバー701、第2のサンギア702、第2のプラネタリーギア703、ピン704、第2のプラネタリーキャリア705、第3のサンギア801、第3のプラネタリーギア802、ピン803、第3のプラネタリーキャリア804、スペーサ805、ブッシュ806を備え、これらをギアケース710、810からなる筒状の収容部材に収容してユニット化している。なお、ギアケース710は、内側に第2のリングギア710bを備え、第2のリングギア710bは第2の遊星歯車機構7および第3の遊星歯車機構8の双方のリングギアとして機能する。
【0029】
リングギアカバー701は、ギアケース710に嵌合される。軸方向に延伸する第2のサンギア702は、マグネットシャフト604に締結されている。第2のプラネタリーギア703は、ピン704により第2のプラネタリーキャリア705に回転可能に支持されている。軸方向に延伸する第3のサンギア801は、第2のプラネタリーキャリア705にセレーション結合されている。第3のプラネタリーギア802は、ピン803により第3のプラネタリーキャリア804に回転可能に支持されている。第3のプラネタリーキャリア804には、ドア開閉装置1の出力軸3が接続している。スペーサ805は、ギアケース710とギアケース810との隙間を埋め、ブッシュ806は、ギアケース810と出力軸3との隙間を埋める。ギアケース710は、外周面に設けた固定用耳部710aとセンサケース620とをボルトV2によりネジ止めすることで、センサケース620に固定されている。さらに、ギアケース810は、外周面に設けた固定用耳部810aとギアケース710とをボルトV3によりネジ止めすることで、ギアケース710に固定されている。ギアケース810には、ドア開閉装置1を車両本体又はドアに固定するための固定手段としてのブラケットB2がボルトV4によりに固定されている。
【0030】
第2のサンギア702がマグネットシャフト604の動力により回転すると、第2のプラネタリーギア703が自転する。第2のプラネタリーギア703が自転すると、ギアケース710内に形成された第2のリングギア710bは回転しないため、第2のプラネタリーキャリア705が回転する。第2のプラネタリーキャリア705が回転すると、第2のプラネタリーキャリア705に接続された第3のサンギア801が回転する。
【0031】
第3のサンギア801が回転すると、第3のプラネタリーギア802が自転する。第3のプラネタリーギア802が自転すると、ギアケース710内に形成された第2のリングギア710bは回転しないため、第3のプラネタリーキャリア804が回転する。第3のプラネタリーキャリア804が回転すると、第3のプラネタリーキャリア804に接続された出力軸3が回転する。その結果、第2のサンギア702に入力された動力は、出力軸3から減速されて出力される。
【0032】
なお、この第2の遊星歯車機構7および第3の遊星歯車機構8は、第2のサンギア702と第3のプラネタリーキャリア804(ドア開閉装置1における出力軸3)とが出力軸3の軸心上で回転するよう構成している。
【0033】
出力軸3は、モータ2の軸心延長上に配設され、減速機構4を介してモータ2の動力を伝達される。出力軸3は、アーム9のアーム部材901と接続される。そして、出力軸3は、減速機構4を介して入力されたモータ2の動力をアーム9に出力する。
【0034】
アーム9は、アーム部材901、アームスペーサ902、クッション903、シャフトロッドA、ロッドRを備える。アーム9は、出力軸3とドアとの間を連係するため、ロッドRおよび
図3のヒンジ102に接続され、出力軸3の動力をロッドRおよびヒンジ102に伝達する。アーム部材901の基端部は、アームスペーサ902を介して出力軸3にボルトV5で固定される。また、アーム部材901の先端部は、クッション903を介してシャフトロッドAが接続されている。さらに、シャフトロッドAには、図示しないクリップによりロッドRが接続される。
【0035】
つぎに、本実施の形態のドア開閉装置1の動作について説明する。ドア開閉装置1は、
図1、2に示すように、バックドア101の開閉動作を行う。まず、ドア開閉装置1のモータ2が、車載電源から所定の周波数(PWM周波数)、所定のデューティー比のパルス電流を入力されると、モータ2はそのデューティー比に応じた回転数で回転駆動する。このとき、パルス電流のデューティー比を大きくするとモータ2の回転数は大きくなり、デューティー比を小さくするとモータ2の回転数は小さくなる。これによりモータ2はPWM制御される。駆動したモータ2の動力は減速機構4を介して出力軸3に伝達され、出力軸3が回転する。そして、出力軸3が回転すると、
図1、2に示すように、出力軸3を中心としてアーム9が旋回することになり、ロッドR、ヒンジ102が連動して回転しバックドア101を開閉動作する。なお、バックドア101を開動作するか閉動作するかによってモータ2の回転方向が切り替えられる。モータ2の回転方向の切り替えは、パルス電流を流す方向を切り替えることによって実現される。
【0036】
ここで、ドア開閉装置1においては、上述したように、出力軸3の軸心に沿ってモータ2の動力を伝達する減速機構4および出力軸3において、出力軸3の軸心上に配置されて動力を伝達する各部材の軸心が高精度に出力軸3の軸心上に位置することが好ましい。各部材の軸心が出力軸3の軸心上に位置するためには、少なくとも各部材ごとに、各部材の軸心に直交する基準面においての軸心に対して端面の軸心が高精度に整合していることが求められる。
【0037】
そこで、本実施の形態に係るドア開閉装置1において、出力軸3は、出力軸3の両端面における位置度を、たとえばφ0.03に設定した。この出力軸3の位置度は、φ0.01以上、かつφ0.1以下に設定することが好ましい。その結果、出力軸3は、高精度に出力軸3の軸心に沿って動力を伝えることができるため、実施の形態に係るドア開閉装置1は、出力効率の高いドア開閉装置である。
【0038】
同様に、第1のサンギア501の位置度も所定の値とされている。
図5に示すように、第1のサンギア501は、モータ2側の端部に断面が正方形の接続部501aを有し、それと隣接して平板部501bを有する。本実施の形態に係るドア開閉装置1において、第1のサンギア501は、第1のサンギア501の軸心に直交する基準面である平板部501bのモータ2側の面においての軸心に対する接続部501aのモータ2側の端面の軸心の位置度を、たとえばφ0.1に設定した。この第1のサンギア501の位置度は、φ0.01以上、かつφ0.1以下に設定することが好ましい。その結果、第1のサンギア501は、高精度に出力軸3の軸心に沿って動力を伝えることができるため、実施の形態に係るドア開閉装置1は、出力効率の高いドア開閉装置である。
【0039】
同様に、第2のサンギア702の同軸度も所定の値とされている。本実施の形態に係るドア開閉装置1において、第2のサンギア702は、第2のサンギア702の軸心に直交する基準面であるモータ2側の端面においての軸心に対する第2のサンギア702のモータ2と反対側の端面の軸心の同軸度を、たとえばφ0.03に設定した。この第2のサンギア702の位置度は、φ0.01以上、かつφ0.1以下に設定することが好ましい。その結果、第2のサンギア702は、高精度に出力軸3の軸心に沿って動力を伝えることができるため、実施の形態に係るドア開閉装置1は、出力効率の高いドア開閉装置である。
【0040】
このように、本実施の形態に係るドア開閉装置1は、出力軸3およびサンギアの軸心に直交する基準面においての軸心に対する出力軸3およびサンギアの少なくとも片端面の軸心の位置度または同軸度を、φ0.01以上、かつφ0.1以下に設定することにより、出力効率の高いドア開閉装置を実現している。
【0041】
さらに、本実施の形態のドア開閉装置1は、各部材の位置度または同軸度が所定の値であることにより、ドア開閉装置1を駆動させる際に各部材に不要な力がかかることが抑制され、長期信頼性が高いという効果も奏する。
【0042】
つぎに、ドア開閉装置1の各ユニットを組み合わせたときの重心位置について説明する。
図8は、
図3のドア開閉装置のモータと第1の遊星歯車機構とを組み合わせたときの重心位置を表す模式図である。
図8に示すように、モータ2と第1の遊星歯車機構5とを組み合わせたときの重心位置と、出力軸3の軸心との偏心距離を、
図8の紙面左右方向に0.03mm、
図8の紙面上下方向に1.11mmであり、いずれも出力軸3の直径(15mm)の1/10より小さく設定した。なお、本実施の形態のドア開閉装置1において重心位置および偏心距離は、Dassault Systemes社製のCATIA Version5 Build Number22の測定機能を用いて算出した数値である。
【0043】
図9は、
図3のドア開閉装置の第2の遊星歯車機構と第3の遊星歯車機構とを組み合わせたときの重心位置を表す模式図である。
図9に示すように、第2の遊星歯車機構7と第3の遊星歯車機構8とを組み合わせたときの重心位置と、出力軸3の軸心との偏心距離を、
図9の紙面左右方向に0.18mm、
図9の紙面上下方向に0.00mmであり、いずれも出力軸3の直径の1/10より小さく設定した。
【0044】
図10は、
図3のドア開閉装置のモータと減速機構と出力軸とを組み合わせたときの重心位置を表す模式図である。
図10に示すように、モータ2と減速機構4と出力軸3とを組み合わせたときの重心位置と、出力軸3の軸心との偏心距離を、
図10の紙面左右方向に1.16mm、
図10の紙面上下方向に1.81mmであり、いずれも出力軸3の直径の2/10より小さく設定した。
【0045】
図11は、
図3のドア開閉装置のモータと減速機構と出力軸とアー
ムとを組み合わせたときの重心位置を表す模式図である。
図11に示すように、モータ2と減速機構4と出力軸3とアーム9とを組み合わせたときの重心位置と、出力軸3の軸心との偏心距離を、
図11の紙面左右方向に2.92mm、
図11の紙面上下方向に1.7mmであり、いずれも出力軸3の直径の2/10より小さく設定した。
【0046】
このように、本実施の形態に係るドア開閉装置1は、各ユニットを組み合わせたときの重心位置と、出力軸3の軸心との偏心距離を、十分小さく設定した。その結果、モータ2の動力の損失が抑制され、効率よく出力されるため、本実施の形態に係るドア開閉装置1は出力効率の高いドア開閉装置である。
【0047】
さらに、本実施の形態のドア開閉装置1は、各ユニットを組み合わせたときの重心位置と、出力軸3の軸心との偏心距離を、十分小さく設定したことにより、ドア開閉装置1を駆動させる際に各部材に不要な力がかかることが抑制され、長期信頼性が高いという効果も奏する。
【0048】
さらに、本実施の形態のドア開閉装置1は、バックドア101に限らず、車両100の側部に設けられるスライドドアの開閉に用いることも可能である。
【0049】
図12は、本実施の形態のドア開閉装置をスライドドアの開閉に用いる場合の設置例を示す模式図である。
図13は、
図12を車両上方側から見た場合の模式図である。スライドドア103は、車両100に設けたガイドレール104に沿って車両前後方向に移動する。本実施の形態のドア開閉装置1をスライドドア103の開閉に用いる場合、たとえば、
図12に示すように、スライドドア103の内部にドア開閉装置1を設置する。ドア開閉装置1は、出力軸3の回転軸線の方向が車両上下方向になるように設置し、出力軸3には第1の回転ドラム904aを取り付ける。第1の回転ドラム904aは出力軸3の回転軸線で回転するように取り付ける。ドア開閉装置1を用いてスライドドア103を開閉するときには、第1の回転ドラム904aおよび第2の回転ドラム904bにより、ガイドレール104に沿って設けられたケーブル105を巻き取る一方で送り出す。これにより、スライドドア103がガイドレール104に沿って移動する。
【0050】
このように、本実施の形態に係るドア開閉装置1をスライドドア103に設置する場合においても、出力軸3の両端面における位置度をφ0.01以上、かつφ0.1以下に設定することにより、出力効率の高いドア開閉装置を実現することができる。
【0051】
以上のように、本実施の形態に係るドア開閉装置1は、出力効率の高いドア開閉装置である。
【0052】
なお、第1の遊星歯車機構5、第2の遊星歯車機構7、第3の遊星歯車機構8は、上述したような構成に限らず、他の構成であってもよい。たとえば、遊星歯車機構を構成する部品のうち、どの部品を固定し、どの部品を回転可能とするかは適宜設計することができる。また、モータ2に接続する減速機構は、遊星歯車機構に限らず、サイクロイド減速機構であってもよく、平歯車を用いた減速機構を用いてもよい。また、減速機構は3段に限られず、0〜2段、または4段以上の複数段であってもよい。
【0053】
また、ドア開閉装置1はクラッチ機構を備えていてもよい。クラッチ機構は、たとえば電磁クラッチであるが、他の構成であってもよい。また、ドア開閉装置1はブレーキ機構を備えていてもよい。ブレーキ機構は、たとえばスプリング式であるが、他の構成であってもよい。
【0054】
また、出力軸3には、出力軸3の回転を出力軸3の回転軸線とは異なる方向の回転軸線での回転に変換できるユニバーサルジョイント、出力軸3の回転軸線と直交する回転軸線で回転する軸線方向変換機構、出力軸3から出力する回転運動を軸心方向に沿った直線運動に変換する運動変換機構等を取り付ける構成であってもよい。
【0055】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。