(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6458963
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】車両用キャリア装置
(51)【国際特許分類】
B60R 9/048 20060101AFI20190121BHJP
B60R 9/058 20060101ALI20190121BHJP
B60R 9/045 20060101ALI20190121BHJP
B60R 9/08 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
B60R9/048
B60R9/058
B60R9/045
B60R9/08
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-169030(P2017-169030)
(22)【出願日】2017年9月1日
【審査請求日】2017年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】516337917
【氏名又は名称】ユン,イル シク
(73)【特許権者】
【識別番号】517308518
【氏名又は名称】ユン,ジュン チャン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ユン,イル シク
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジュン チャン
【審査官】
上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−035788(JP,A)
【文献】
特開2004−155417(JP,A)
【文献】
特開昭50−009934(JP,A)
【文献】
特開昭51−045737(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0290836(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0164065(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 9/048
B60R 9/045
B60R 9/058
B60R 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2台の車両用キャリア(C1,C2)を間隔をあけて並べて配置して結合した車両用キャリア装置であって、
各前記車両用キャリア(C1,C2)は、
車両のトランク裏面に支持される垂直サポート(20)、
前記垂直サポート(20)と固定された角度をなすように連結され、車両のトランク上面に支持される水平サポート(30)、
前記垂直サポート(20)または前記水平サポート(30)に回転可能に連結され、U形状を有し、貨物を支えるための貨物マウント(40)、及び、
前記垂直サポート(20)または前記水平サポート(30)に回転可能に連結され、前記貨物マウント(40)に対して直角となる位置で固定可能である、貨物を支えるための貨物スタンド(92)を備え、
前記車両用キャリア装置は、
2台の車両用キャリア(C1,C2)各々の貨物マウント(40)を直角に横切って各々の貨物マウント(40)の下部に結合され、両側面バー(52)が貨物マウント(40)より上方に突出しており、側面バー(52)に直角の両横バー(54)に緩衝材(56)が嵌められた四角フレーム形状の横支持手段(50)、
2台の車両用キャリア(C1,C2)各々の垂直サポート(20)同士及び水平サポート(30)同士を横に連結する2個の補強材(25)、及び、
2台の車両用キャリア(C1,C2)各々の貨物マウント(40)の下面に設けられて固定ストラップ(43)を嵌めるループ(42)を含み、
2台の車両用キャリア(C1,C2)各々の貨物マウント(40)に前記貨物スタンド(92)と間隔をおいて同一構造の第2貨物スタンド(94)が回転可能に設けられ、
各々のループ(42)を通して設けられた固定ストラップ(43)を車両ドアの枠組みを含む車体に固定して引き締めることを特徴とする車両用キャリア装置。
【請求項2】
前記貨物スタンド(92)と第2貨物スタンド(94)の間の位置で各々の貨物マウント(40)に逆L形状の固定手段(70)が回転可能に設けられ、該固定手段(70)の端部にクランプ(72)が設けられ、前記クランプ(72)が自転車のフレームやスキーやボードの一側面を噛み合わせて固定することを特徴とする、請求項1に記載の車両用キャリア装置。
【請求項3】
前記車両用キャリア(C1,C2)各々の貨物スタンド(92)の回転連結部の位置で各々の貨物マウントを直角に横切って両貨物マウント(40)に結合され、貨物スタンド(92)が直立した状態でこれ以上の回転を防止するストッパーの役割をし、自転車を載置した時に自転車のハンドルを支える直線型のハンドル横バー(60)をさらに含み、前記ハンドル横バー(60)に自転車のハンドルを結合するための複数のハンドル固定手段(62)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の車両用キャリア装置。
【請求項4】
2台の車両用キャリア(C1,C2)各々の貨物マウント(40)の一端部の位置に横に設けられる直線型横バー(80)をさらに含み、前記直線型横バー(80)の両側に衝撃吸収材からなる円形ホイール(82)が回転可能に設けられ、両円形ホイール(82)の間で前記直線型横バー(80)に衝撃吸収材からなる2個の緩衝材(84)が回転可能に設けられ、各々の緩衝材(84)は、一端部は凹凸面であり、凹凸面の反対側には吸着器(86)が設けられ、低荷重を支持する時には緩衝材(84)の凹凸面が車両のルーフに向かい、重い荷重を支持する時には吸着器(86)が車両のルーフに向かって車両のルーフに吸着されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用キャリア装置。
【請求項5】
前記直線型横バー(80)の両円形ホイール(82)外側の両端部に糸巻き形状のガイドワッシャー(90)が設けられ、前記ガイドワッシャー(90)に対応する位置に車両のルーフに固定され、ガイドワッシャー(90)と着脱結合するループ形状のルーフレール(100)が車両のルーフの両側に設けられ、車両用キャリア装置が設置された状態で車両トランクを開くと、貨物マウント(40)が車両の前側に前進してガイドワッシャー(90)がルーフレール(100)から分離し、円形ホイール(82)が車両のルーフに乗って転がり運動をし、トランクを閉じると、貨物マウント(40)が後進してガイドワッシャー(90)がルーフレール(100)のループ部分に噛み合わされて車両用キャリア装置が車両に固定されることを特徴とする、請求項4に記載の車両用キャリア装置。
【請求項6】
前記横支持手段(50)の横バー(54)の一端部または両端部にU形状のスキー/ボードマウント(74)が設けられ、スキーやボードの下縁部をスキー/ボードマウント(74)の溝に嵌め、スキーやボードの上縁部を前記固定手段(70)のクランプ(72)で固定することを特徴とする、請求項2に記載の車両用キャリア装置。
【請求項7】
前記直線型横バー(80)に流線型ブレード形状のフラップ(110)を設けて車両走行中に空気抵抗を減らすことを特徴とする、請求項4に記載の車両用キャリア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用キャリア装置に関し、具体的には、従来に比べて、部品数を減らし、様々な機能を付加した車両用キャリア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、自転車やスノーボードやスキーや重い貨物を車両の外部に載せて運ぶための車両用キャリアが多く開発されている。しかし、従来のキャリアは複雑な装置を利用して車両に脱付着しなければならないため、利用者がキャリアを設置し分離する時に多くの時間が必要となり、その過程が複雑であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来のこのような問題点を考慮して導き出されたものであり、別途の固定装置がなくても車両のトランクを開け閉めする動作によってキャリアを車両に簡単に固定し分離することができ、車両の急停車、急発進、衝撃、高速走行等がある時にもキャリアを揺れることなく安定するように固定することは勿論、様々な付加機能を備え、且つ、部品数を減らした車両用キャリア装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような目的を達成するために、本発明は、
2台の車両用キャリア(C1,C2)を間隔をあけて並べて配置して結合した車両用キャリア装置であって、
各前記車両用キャリアC1,C2は、車両のトランク裏面に支持される垂直サポート20、前記垂直サポート20と固定された角度をなすように連結され、車両のトランク上面に支持される水平サポート30、前記垂直サポート
20または前記水平サポート
30に回転可能に連結され、
U形状を有し、貨物を支えるための貨物マウント40、及び、前記垂直サポート
20または前記水平サポート
30に回転可能に連結され、
前記貨物マウント40に対して直角と
なる位置で固定
可能である、貨物を支える
ための貨物スタンド92を
備え、
前記車両用キャリア装置は、
2台の車両用キャリアC1、C2各々の貨物マウント40を直角に横切って各々の貨物マウント40の下部に結合され、両側面バー52が貨物マウント40より上方に突出しており、側面バー52に直角の両横バー54に緩衝材56が嵌められた四角フレーム形状の横支持手段50、
2台の車両用キャリアC1、C2各々の垂直サポート20同士及び水平サポート30同士を横に連結する2個の補強材25、及び
2台の車両用キャリアC1、C2各々の貨物マウント40の下面に設けられて固定ストラップ43を嵌めるループ42を含み、
各々のループ42を通して設けられた固定ストラップ43を車体の適切な位置、例えば、車両ドアの枠組みに固定して引き締めることを特徴とする車両用キャリア装置を提供する。
【0005】
本発明によれば、2台の車両用キャリアC1、C2各々の貨物マウント40に前記貨物スタンド92と間隔をおいて同一構造の第2貨物スタンド94が回転可能に設けられてもよい。この場合、貨物スタンド92と第2貨物スタンド94の間の位置で各々の貨物マウント40に逆L形状の固定手段70が回転可能に設けられ、該固定手段70の端部にクランプ72が設けられ、前記クランプが自転車のフレームやスキーやボードの一側面を噛み合わせて固定するようにすることが好ましい。
【0006】
また、キャリアC1、C2各々の貨物スタンド92の回転連結部の位置で各々の貨物マウント40を直角に横切って両貨物マウント40に結合され、貨物スタンド92が直立した状態でこれ以上の回転を防止するストッパーの役割をし、自転車を載置した時に自転車のハンドルを支える直線型ハンドル横バー60をさらに含み、前記ハンドル横バー60に自転車のハンドルを結合するための複数のハンドル固定手段62が設けられてもよい。
【0007】
なお、このように構成された本発明のキャリア装置が2台の車両用キャリアC1、C2各々の貨物マウント40の一端部の位置に横に設けられる直線型横バー80をさらに含み、横バー80の両側に衝撃吸収材からなる円形ホイール82が回転可能に設けられ、両ホイール82の間で前記横バー80に衝撃吸収材からなる2個の緩衝材84が回転可能に設けられ、各々の緩衝材84は、一端部は凹凸面であり、凹凸面の反対側には吸着器86が設けられ、低荷重を支持する時には緩衝材84の凹凸面が車両のルーフに向かい、重い荷重を支持する時には吸着器86が車両のルーフに向かって車両のルーフに吸着されるようにしてもよい。この場合、横バーの両ホイール82外側の両端部に糸巻き形状のガイドワッシャー90が設けられ、ガイドワッシャー90に対応する位置に車両のルーフに固定され、ガイドワッシャー90と着脱結合するループ形状のルーフレール100が車両のルーフの両側に設けられ、キャリア装置が設置された状態で車両トランクを開くと、貨物マウント40が車両の前側に前進してガイドワッシャー90がルーフレール100から分離し、ホイール82が車両のルーフに乗って転がり運動をし、トランクを閉じると、貨物マウント40が後進してガイドワッシャー90がルーフレール100のループ部分に噛み合わされてキャリア装置が車両に固定されるようにすることが好ましい。
【0008】
また、横支持手段50の横バー54の一端部または両端部にU形状のスキー/ボードマウント74が設けられ、スキーやボードの下縁部をスキー/ボードマウント74の溝に嵌め、スキーやボードの上縁部を前記
固定手段70のクランプ72で固定してもよい。
【0009】
なお、横バー80に流線型のブレード形状のフラップ110を設けて車両走行中に空気抵抗を減らしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
このように構成された本発明の車両用キャリア装置によれば、いかなる悪条件下にも、例えば、急加減速、スピード防止帯を通過する時の衝撃、車両外部の風等の影響にも複雑な装置なしでキャリアを揺れることなく安定するように固定することができる。
【0011】
また、様々な方式でキャリア固定装置を構成することができるため、使用者が望むいかなる方式にも車両用キャリアを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のキャリア装置の一例を車両のトランクに固定した状態を示す後方斜視図である。
【
図2】本発明の車両用キャリア装置の第1実施形態の分解斜視図と組み立てられた状態の斜視図である。
【
図3】固定ストラップの設置例を示す部分拡大斜視図である。
【
図4】第2貨物スタンドを追加した時の応用例を示す斜視図である。
【
図5】横バー80を詳しく示す図であって、
図5Aは横バー80の拡大斜視図、5Bは低荷重支持状態の側面図、5Cは中/高荷重支持状態の側面図である。
【
図6】本発明の他の実施形態であって、6Aは組み立て状態の斜視図、6Bは横バー80の拡大斜視図、6Cはルーフレールとの着脱結合状態を示す拡大斜視図である。
【
図7】本発明のキャリア装置にスキーやボードを設置した状態を示す斜視図である。
【
図8】ボードBを固定する他例を示す斜視図である。
【
図9】
図9Aは流線型フラップが設けられた状態の斜視図、
図9Bは重力方向に揚力を引き起こす原理を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明のキャリア装置の一例を車両のトランクに固定し、自転車を逆さまに固定した状態を示す後方斜視図である。図示したように、キャリア装置をトランクに設置し、トランクの開閉によってキャリア装置も動くため、自動車のサンルーフを遮らず、サンルーフの作動に影響を与えない。
【0014】
図2は、本発明の車両用キャリア装置の第1実施形態の分解斜視図と組み立てられた状態の斜視図である。
本実施形態のキャリア装置は2台のキャリアC1、C2を並んで配置して結合した構造である。
【0015】
キャリアC1、C2の各々は、車両のトランク裏面に支持される垂直サポート20、垂直サポート20と固定された角度をなすように連結され、車両のトランク上面に支持される水平サポート30、垂直サポートや水平サポートに回転可能に連結され、全体的にU形状をなし、貨物を支えるための貨物マウント40、及び垂直サポートや水平サポートに回転可能に連結され、貨物マウント40に対して直角に固定されて貨物を支える貨物スタンド92を各々備えている。
【0016】
図2の実施形態では、2台の車両用キャリアC1、C2各々の貨物マウント40を直角に横切って各々の貨物マウント40の下部に横支持手段50が結合される。このような結合はボルトやネジ等の締結具による。横支持手段50は全体的に長方形の四角フレームの形態であり、四角フレームの両側面バー52は貨物マウント40より上方に突出しており、側面バー52に直角の両横バー54に緩衝材56が嵌められている。上方に突出した両側面バー52はキャリア装置に積載された貨物が両側面にぬけないように支持する役割をする。また、緩衝材56はできるだけ横バー54のエッジに位置した方が良い。このような緩衝材は車両に設置された状態のキャリア装置に載せられた貨物の損傷を防止する役割をする。
【0017】
また、2台の車両用キャリアC1、C2各々の垂直サポート20同士及び水平サポート30同士を2個の補強材25が横に連結することが好ましい。
【0018】
なお、2台の車両用キャリアC1、C2各々の貨物マウント40の下面に一つまたは複数のループ42を形成し、このループに固定ストラップ43を連結するかまたは嵌めることができるようにした方が良い。この場合、
図3に示すように、各々のループ42を通して設けられた固定ストラップ43を車体の適切な位置、例えば、車両ドアの枠組みに固定して引き締めることができるため、キャリア装置を車両に確実で且つ容易に動かないように固定することができる。
【0019】
勿論、
図2に示すように、必要に応じてキャリア装置の他の種々の部分に固定ストラップ43を連結して車両ドアの枠組みやトランクの隙間に固定することもできる。
【0020】
必要な場合、2台の車両用キャリアC1、C2各々の貨物マウント40に貨物スタンド92と間隔をおいて同一構造の第2貨物スタンド94を回転可能に設けることができる。
【0021】
図4は、第2貨物スタンド94を追加した時の応用例を示す斜視図である。図示したように、貨物スタンド92と第2貨物スタンド94を互いに広げられるようにした後、両貨物スタンドに自転車の前輪と後輪を嵌め、後述する固定手段70のクランプ72で自転車のフレームを固定すれば、安全に自転車をキャリア装置に設置することができる。
【0022】
また、貨物スタンド92と第2貨物スタンド94の間の位置で各々の貨物マウント40に逆L形状の固定手段70を回転可能に設け、この固定手段70の端部にクランプ72を設ける。この場合、
図4のように、クランプ72を用いて自転車を固定するか、後述するようにクランプ72でスキーやボードの一側面を噛み合わせて固定することができるので便利である。貨物を積載しない時には固定手段70を横にすれば良い(
図1参照)。
【0023】
図2に示すように、キャリアC1、C2各々の貨物スタンド92の回転連結部の位置で各々の貨物マウント40を直角に横切って両貨物マウント40に直線型ハンドル横バー60を結合することができる。ハンドル横バー60は貨物スタンド92が直立した状態でこれ以上の回転を防止するストッパーの役割をし、自転車を逆さまにした時に自転車のハンドルを支える役割をする。ハンドル横バー60に自転車のハンドルを結合するための複数のハンドル固定手段62を設ければ、固定手段62によって自転車のハンドル部分をしっかり引き締めることができる。
【0024】
また、2台の車両用キャリアC1、C2各々の貨物マウント40の一端部の位置に直線型横バー80を横に設けることができる。
【0025】
図5は横バー80を詳しく示す図であって、
図5Aは横バー80の拡大斜視図、5Bは低荷重支持状態の側面図、5Cは中/高荷重支持状態の側面図である。
【0026】
横バー80の両側に衝撃吸収材からなる円形ホイール82が回転可能に設けられ、両ホイール82の間で前記横バー80に衝撃吸収材からなる2個の緩衝材84が回転可能に設けられ、各々の緩衝材84は、一端部は凹凸面であり、凹凸面の反対側には吸着器86が設けられる。
図5Bのように、キャリア装置が軽い物を載せている場合、緩衝材84の凹凸面が車両のルーフに向かうようにする。この場合、物の重さが軽くて緩衝材84とホイール82が全て車両のルーフから離れている。
図5Cのように、キャリア装置が重い物を載せている場合、緩衝材84を180度回転して吸着器86が車両のルーフに向かうようにすれば、吸着器84が車両のルーフに吸着され、物をさらに安定して揺れることなく支持することができる。
【0027】
図6は本発明の他の実施形態であって、6Aは組み立て状態の斜視図、6Bは横バー80の拡大斜視図、6Cはルーフレールとの着脱結合状態を示す拡大斜視図である。
【0028】
本実施形態では、横バーの両ホイール82外側の両端部に糸巻き形状のガイドワッシャー90を設け、ガイドワッシャー90に対応する位置に車両のルーフに固定され、ガイドワッシャー90と着脱結合するループ形状のルーフレール100が車両のルーフの両側に設けられる。この場合、
図1のようにキャリア装置が設置された状態で車両トランクを開くと、
図6Cに実線で表示されたように貨物マウント40が車両の前側に前進してガイドワッシャー90がルーフレール100から分離し、ホイール82が車両のルーフに乗って転がり運動をする。トランクを閉じると、
図6Cで破断線で表示されたように、貨物マウント40が後進してガイドワッシャー90がルーフレール100のループ部分に噛み合わされてキャリア装置が車両にしっかり固定される。
【0029】
図7は、本発明のキャリア装置にスキーやボードを設置した状態を示す斜視図である。前述した前後貨物スタンド92、94の外側にボードBを横に立てて緩衝材56上に支え、貨物スタンド92、94にストラップで固定すれば、簡単にボードBを設置することができる。
【0030】
図8は、ボードBを固定する他例を示す斜視図である。横支持手段50の横バー54の一端部または両端部にU形状のスキー/ボードマウント74を設けることができる。この場合、スキーやボードBの下縁部をスキー/ボードマウント74の溝に嵌め、スキーやボードの上縁部を
固定手段70のクランプ72で固定すれば、スキーやボードをさらに簡単に固定することができる。
【0031】
自動車が高速走行する時、本発明のキャリア装置は多くの空気抵抗を引き起こし、この場合に振動と騒音が発生しうる。これを防止するために、本発明は、空気力学的な流線型抵抗減少手段を用いる。
図9はこのような実施形態を示す図であって、
図9Aは流線型抵抗減少手段が設けられた状態の斜視図であり、
図9Bは抵抗減少手段のみを示す側面図である。
【0032】
図9に示すように、横バー80に空気抵抗減少手段として流線型のブレード形状のフラップ110を設ける。すなわち、吸着器86が車両のルーフに吸着された状態で自動車が走行すれば、矢印(D)方向にフラップ110の流線型表面に沿って空気が移動して矢印(P)方向に下向き圧力が作用するようになり、本発明のキャリア装置に作用する空気抵抗を減らし、且つ、貨物をさらに安全に運ぶことができる。
【要約】
【課題】本発明は、従来に比べて部品数を減らし様々な機能を付加した車両用キャリア装置を開示する。
【解決手段】2台の車両用キャリアC1、C2各々の貨物マウント40を直角に横切って各々の貨物マウント40の下部に結合され、両側面バー52が貨物マウント40より上方に突出しており、側面バー52に直角の両横バー54に緩衝材56が嵌められた四角フレーム形状の横支持手段50、2台の車両用キャリアC1、C2各々の垂直サポート20同士及び水平サポート30同士を横に連結する2個の補強材25、及び2台の車両用キャリアC1、C2各々の貨物マウント40の下面に設けられ、固定ストラップ43を嵌めるループ42を含み、各々のループ42を通して設けられた固定ストラップ43を車体の適切な位置に固定することができる。
【選択図】
図1