特許第6458991号(P6458991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6458991
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】車両用照明装置および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/14 20180101AFI20190121BHJP
   F21S 43/20 20180101ALI20190121BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20190121BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20190121BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20190121BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20190121BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20190121BHJP
   F21W 102/30 20180101ALN20190121BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20190121BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20190121BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20190121BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20190121BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20190121BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20190121BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190121BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20190121BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20190121BHJP
【FI】
   F21S43/14
   F21S43/20
   F21V19/00 150
   F21V19/00 170
   F21V23/00 140
   F21V7/00 510
   F21V8/00 300
   H01L33/00 L
   F21W102:30
   F21W103:00
   F21W103:10
   F21W103:20
   F21W103:35
   F21W103:45
   F21W103:55
   F21Y115:10 300
   F21Y105:10
   F21Y113:10
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-33290(P2015-33290)
(22)【出願日】2015年2月23日
(65)【公開番号】特開2016-106350(P2016-106350A)
(43)【公開日】2016年6月16日
【審査請求日】2017年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】畑中 登志浩
(72)【発明者】
【氏名】小杉 大資
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−025935(JP,A)
【文献】 特開2014−154219(JP,A)
【文献】 特開2011−141503(JP,A)
【文献】 特開2013−033976(JP,A)
【文献】 特開2014−212073(JP,A)
【文献】 特開2008−098186(JP,A)
【文献】 特開2015−011976(JP,A)
【文献】 特開2012−039154(JP,A)
【文献】 特開2014−160567(JP,A)
【文献】 特開2013−105652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/00
F21S 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ部と;
前記フランジ部の一方の面から突出した収納部と;
前記収納部の前記フランジ部側とは反対側の端部に設けられた発光モジュールと;
を具備し、
前記発光モジュールは、
基板と;
前記基板に設けられ、発光素子を有し、白色の光を出射する第1発光部と;
前記基板に設けられ、発光素子を有し、赤色またはアンバーの光を出射する第2発光部と;
前記第1発光部および前記第2発光部のいずれか一方に光を出射させる制御部と;
透光性を有し、前記第1発光部および前記第2発光部を覆う拡散部と;
を有し、
前記第1発光部および前記第2発光部は、車両用照明装置の中心軸からずれた位置に設けられ、
前記第1発光部および前記第2発光部が設けられる前記基板上の領域は、直径寸法が10mm以内の領域である車両用照明装置。
【請求項2】
前記拡散部は、
透光性を有する材料と、
前記第1発光部から出射した光と、前記第2発光部から出射した光を拡散させる拡散材と、
を有する請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項3】
フランジ部と;
前記フランジ部の一方の面から突出した収納部と;
前記収納部の前記フランジ部側とは反対側の端部に設けられた発光モジュールと;
を具備し、
前記発光モジュールは、
基板と;
発光素子を有し、白色の光を出射する第1発光部と;
発光素子を有し、赤色またはアンバーの光を出射する第2発光部と;
前記第1発光部および前記第2発光部のいずれか一方に光を出射させる制御部と;
前記第1発光部を収納し、前記基板に設けられる第1外囲器と;
前記第2発光部を収納し、前記基板に設けられる第2外囲器と;
を有し、
前記第1発光部および前記第2発光部は、車両用照明装置の中心軸からずれた位置に設けられ、
前記第1発光部および前記第2発光部が設けられる前記基板上の領域は、直径寸法が0mm以内の領域である車両用照明装置。
【請求項4】
前記第1発光部は、第1蛍光体を含む第1蛍光体部を有し、
前記第2発光部は、第2蛍光体を含む第2蛍光体部を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1発光部および前記第2発光部の少なくともいずれかから出射する光の明るさをさらに制御する請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置から出射した光が入射する光学要素部と;
を具備した車両用灯具。
【請求項7】
前記光学要素部は、導光体である請求項6記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、白熱電球(フィラメント電球)に代わって、光源に発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)を用いた車両用照明装置(例えば、自動車用の照明装置)が実用化されている。
一般的には、車両用照明装置は機能毎に異なる色の光を出射する。例えば、ポジションランプに用いられる車両用照明装置は、白色の光を出射する。ブレーキランプに用いられる車両用照明装置は、赤色の光を出射する。
そのため、赤色の光を出射する発光ダイオード、黄色の光を出射する発光ダイオード、および白色の光を出射する発光ダイオードを備えた車両用照明装置や、白色の光を出射する発光ダイオードと青色の光を出射する発光ダイオードを備え、いずれか一方の色の光を選択的に出射する車両用照明装置が提案されている。
この場合、所望の色に応じて異なる位置から光が出射されることになる。例えば、赤色の光は、赤色の光を出射する発光ダイオードから出射される。白色の光は、白色の光を出射する発光ダイオードから出射される。
そのため、車両用照明装置の配光特性が光の色毎に変化するおそれがある。
そこで、複数種類の色の光を選択的に出射することができ、かつ、配光特性の変化を抑制することができる車両用照明装置および車両用灯具の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−294611号公報
【特許文献2】特開2014−160567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、複数種類の色の光を選択的に出射することができ、かつ、配光特性の変化を抑制することができる車両用照明装置および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る車両用照明装置は、フランジ部と;前記フランジ部の一方の面から突出した収納部と;前記収納部の前記フランジ部側とは反対側の端部に設けられた発光モジュールと;を具備している。
前記発光モジュールは、基板と;前記基板に設けられ、発光素子を有し、白色の光を出射する第1発光部と;前記基板に設けられ、発光素子を有し、赤色またはアンバーの光を出射する第2発光部と;前記第1発光部および前記第2発光部のいずれか一方に光を出射させる制御部と;透光性を有し、前記第1発光部および前記第2発光部を覆う拡散部と;を有する。前記第1発光部および前記第2発光部は、車両用照明装置の中心軸からずれた位置に設けられ、前記第1発光部および前記第2発光部が設けられる前記基板上の領域は、直径寸法が10mm以内の領域である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、複数種類の色の光を選択的に出射することができ、かつ、配光特性の変化を抑制することができる車両用照明装置および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置1および車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図2】車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図3】発光モジュール20を例示するための模式斜視図である。
図4】発光部22を例示するための模式斜視図である。
図5】ソケット30を例示するための模式斜視図である。
図6】他の実施形態に係る発光モジュール120を例示するための模式斜視図である。
図7】(a)〜(c)は、発光部の配置を例示するための模式図である。
図8】他の実施形態に係る光学要素部103aを例示するための模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態に係る発明は、フランジ部と;前記フランジ部の一方の面から突出した収納部と;前記収納部の前記フランジ部側とは反対側の端部に設けられた発光モジュールと;を具備した車両用照明装置である。
前記発光モジュールは、基板と;前記基板に設けられ、発光素子を有し、白色の光を出射する第1発光部と;前記基板に設けられ、発光素子を有し、赤色またはアンバーの光を出射する第2発光部と;前記第1発光部および前記第2発光部のいずれか一方に光を出射させる制御部と;透光性を有し、前記第1発光部および前記第2発光部を覆う拡散部と;を有する。前記第1発光部および前記第2発光部は、車両用照明装置の中心軸からずれた位置に設けられ、前記第1発光部および前記第2発光部が設けられる前記基板上の領域は、直径寸法が10mm以内の領域である。
この車両用照明装置によれば、複数種類の色の光を選択的に出射することができ、かつ、配光特性の変化を抑制することができる。
【0010】
実施形態に係る発明は、フランジ部と;前記フランジ部の一方の面から突出した収納部と;前記収納部の前記フランジ部側とは反対側の端部に設けられた発光モジュールと;を具備した車両用照明装置である。
前記発光モジュールは、基板と;発光素子を有し、白色の光を出射する第1発光部と;発光素子を有し、赤色またはアンバーの光を出射する第2発光部と;前記第1発光部および前記第2発光部のいずれか一方に光を出射させる制御部と;前記第1発光部を収納し、前記基板に設けられる第1外囲器と;前記第2発光部を収納し、前記基板に設けられる第2外囲器と;を有し、前記第1発光部および前記第2発光部は、車両用照明装置の中心軸からずれた位置に設けられ、前記第1発光部および前記第2発光部が設けられる前記基板上の領域は、直径寸法が0mm以内の領域である。
この車両用照明装置によれば、複数種類の色の光を選択的に出射することができ、かつ、配光特性の変化を抑制することができる。
【0011】
また、前記第1発光部は、第1蛍光体を含む第1蛍光体部を有し、前記第2発光部は、第2蛍光体を含む第2蛍光体部を有するようにすることができる。
この様にすれは、複数種類の色の光を容易に生成することができる。
【0012】
また、前記制御部は、前記第1発光部および前記第2発光部の少なくともいずれかから出射する光の明るさをさらに制御するようにすることができる。
この様にすれば、用途の拡大を図ることができる。
【0013】
実施形態に係る発明は、上記の車両用照明装置と;前記車両用照明装置から出射した光が入射する光学要素部と;を具備した車両用灯具である。
この車両用灯具によれば、複数種類の色の光を選択的に出射することができ、かつ、配光特性の変化を抑制することができる。
【0014】
また、前記光学要素部は、導光体とすることができる。
この様にすれば、用途の拡大を図ることができる。
【0015】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係る車両用灯具100としては、例えば、自動車に設けられるフロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL;Daylight Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などを例示することができる。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられ、複数種類の色の光を選択的に出射するものであればよい。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1および車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図1に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、およびシール部材104が設けられている。
【0017】
筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。
筐体101の底面には、車両用照明装置1の収納部11が挿入される取付孔101aが設けられている。
取付孔101aの周縁には、収納部11に設けられた凸部14が挿入される凹部が設けられている。
なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0018】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、凸部14が設けられた収納部11を取付孔101aに差し込み、車両用照明装置1を回転させる。すると、取付孔101aの周縁に設けられた凹部に凸部14が保持される。
この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0019】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐようにして設けられている。カバー102は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。
カバー102は、レンズなどの機能を有するものとすることができる。
【0020】
光学要素部103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。
光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。
例えば、図1に例示をした光学要素部103はリフレクタであり、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
光学要素部103がリフレクタである場合には、光学要素部103は、筐体101の内部であって、取付孔101aの中心軸と同芯に設けることができる。
【0021】
シール部材104は、フランジ部12と筐体101との間に設けられている。
シール部材104は、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
【0022】
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ部12と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間が密閉される。
また、シール部材104の弾性力により、凸部14が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0023】
図2は、車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図3は、発光モジュール20を例示するための模式斜視図である。
図2に示すように、車両用照明装置1には、本体部10、発光モジュール20、ソケット30、および給電部40が設けられている。
【0024】
図2に示すように、本体部10には、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14が設けられている。
【0025】
収納部11は、外観が円柱状を呈し、フランジ部12の一方の面から突出している。収納部11のフランジ部12側とは反対側の端部には、凹部11aが設けられている。
基板21は、凹部11aの底面の上に設けられている。基板21の発光部22が設けられる側とは反対の側の面は、凹部11aの底面と接触している。
すなわち、収納部11のフランジ部12側とは反対側の端部には、発光モジュール20が設けられている。
また、複数の給電端子41が、凹部11aの底面から突出している。複数の給電端子41は、凹部11aの底面とは接触していない。
【0026】
フランジ部12は、円板状を呈し、一方の面には収納部11が設けられ、他方の面にはフィン13が設けられている。
フィン13は、フランジ部12の面から突出して複数設けられている。複数のフィン13は、板状を呈し、放熱フィンとして機能する。
【0027】
凸部14は、収納部11の側壁に設けられている。凸部14は、収納部11の側壁から外方に向けて突出している。
凸部14の数や配設位置には特に限定はない。
【0028】
この場合、凸部14を複数設けるようにすれば、車両用照明装置1の保持を安定させることができる。
車両用照明装置1の保持を安定させるためには、3つ以上の凸部14が設けられることが好ましい。図2に例示をしたものの場合には、4つの凸部14が設けられている。
【0029】
ここで、本体部10は、発光モジュール20を収納する機能と、発光モジュール20において発生した熱を車両用照明装置1の外部に放出する機能とを有する。
そのため、熱を外部に放出することを考慮して、本体部10を熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。
本体部10は、例えば、アルミニウムなどの金属や、高熱伝導性樹脂などから形成することができる。
高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い炭素などからなる繊維や粒子を混合させたものである。
【0030】
車両用照明装置1は、軽量となるようにすることが好ましい。
そのため、本体部10は、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。
また、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14は、一体成形することができる。
なお、収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を別々に形成し、これらを接合することもできる。収納部11、フランジ部12、フィン13、および凸部14を別々に形成する場合には、これらを同じ材料から形成することもできるし、これらを異なる材料から形成することもできる。
【0031】
図3に示すように、発光モジュール20には、基板21、配線パターン24、発光部22、制御部23、枠部26、拡散部27、および接合部28が設けられている。
【0032】
基板21は、板状を呈し、表面に配線パターン24が設けられている。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁材料で被覆したものから形成することもできる。なお、金属板の表面を絶縁材料で被覆する場合には、絶縁材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
【0033】
発光部22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、金属板の表面を絶縁材料で被覆したものなどを例示することができる。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
【0034】
配線パターン24は、基板21の少なくとも一方の表面に設けられている。
配線パターン24は、基板21の両方の面に設けることもできるが、製造コストを低減させるためには、基板21の一方の面に設けるようにすることが好ましい。
配線パターン24には、入力端子24aが設けられている。
入力端子24aは、複数設けられている。入力端子24aには、給電端子41が電気的に接続されている。
【0035】
発光部22は、COB(Chip on Board)方式を用いて、基板21の表面に設けられた配線パターン24の上に実装されている。
そのため、発光部22は、配線パターン24を介して、給電端子41と電気的に接続されている。
発光部22は、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)に図示しない電極を有したものとすることができる。なお、図示しない電極は、配線パターン24に設けられる側の面(下面)と、配線パターン24に設けられる側とは反対側の面(上面)とに設けられていてもよいし、どちらかの面のみに設けられていてもよい。
【0036】
発光部22の下面に設けられた図示しない電極は、銀ペーストなどの導電性の熱硬化材を介して配線パターン24に設けられた実装パッドと電気的に接続されている。発光部22の上面に設けられた図示しない電極は、配線を介して配線パターン24に設けられた配線パッドと電気的に接続されている。
【0037】
発光部22は、例えば、第1の色の光を出射する第1発光部22aと、第1の色とは異なる第2の色の光を出射する第2発光部22bとを有するものとすることができる。
図4は、発光部22を例示するための模式斜視図である。
第1発光部22aは、発光素子22cと、発光素子22cの光の出射面に設けられた蛍光体部22da(第1蛍光体部の一例に相当する)を有する。
第2発光部22bは、発光素子22cと、発光素子22cの光の出射面に設けられた蛍光体部22db(第2蛍光体部の一例に相当する)を有する。
発光素子22cは、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
蛍光体部22daは、22dbは、発光素子22cから出射された光により励起され蛍光を放射する蛍光体(第1蛍光体または第2蛍光体の一例に相当する)を含む。
蛍光体部22da、22dbは、例えば、蛍光体を含むテープとすることができる。この場合、テープ状の蛍光体部22da、22dbは、発光素子22cの光の出射面に貼り付けられる。
【0038】
光の色は、例えば、蛍光体部22da、22dbに含まれる蛍光体の種類や蛍光体の含有量などにより制御することができる。
例えば、第1発光部22aが白色の光を出射する場合には、発光素子22cは青色発光ダイオード、蛍光体部22daは黄色の蛍光を放射する蛍光体を含むものとすることができる。
この場合、発光素子22cから出射した青色の光と、蛍光体から放射された黄色の光とが混ざり合うことで、白色の光が第1発光部22aから出射する。
なお、青色の光と黄色の光の割合は、蛍光体の量で制御することができる。
例えば、黄色の蛍光を放射する蛍光体の量を多くして、発光素子22cから出射した青色の光の大部分を黄色の光に変換すれば、第1発光部22aから黄色の光が出射するようにすることができる。
【0039】
例えば、第2発光部22bが赤色またはアンバーの光を出射する場合には、発光素子22cは青色発光ダイオード、蛍光体部22dbは赤色の蛍光を放射する蛍光体、または、赤色の蛍光を放射する蛍光体と黄色の蛍光を放射する蛍光体などを含むものとすることができる。
この場合、発光素子22cから出射した青色の光の大部分を赤色の光、またはアンバーの光に変換して、第2発光部22bから赤色の光、またはアンバーの光が出射するようにすることができる。
【0040】
なお、蛍光体を用いて、光の色を変化させる場合を例示したが、所望の色の光を出射する発光素子22cのみを用いることもできる。
例えば、赤色の光を出射する発光ダイオード、黄緑色の光を出射する発光ダイオード、青色の光を出射する発光ダイオード、緑色の光を出射する発光ダイオードなどをそのまま用いることもできる。
【0041】
また、光の色の種類は2種類に限定されるわけではない。光の色の種類は2種類以上であればよい。光の色の種類や数は、車両用照明装置1の用途などに応じて適宜変更することができる。
例えば、デイタイムランニングランプ、ポジションランプ、バックランプなどには、白色の光が用いられる。
ストップランプ、テールランプなどには、赤色の光が用いられる。
ターンシグナルランプなどには、アンバーの光が用いられる。
フォグランプなどには、黄色の光が用いられる。
また、装飾用のランプには様々な色の光が用いられる。
また、発光部22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0042】
制御部23は、配線パターン24の上に実装されている。
制御部23は、第1発光部22aおよび第2発光部22bのいずれか一方に光を出射させる。この場合、制御部23は、第1発光部22aから光を出射させる場合には第2発光部22bから光を出射させない。制御部23は、第2発光部22bから光を出射させる場合には第1発光部22aから光を出射させない。
【0043】
また、制御部23は、第1発光部22aおよび第2発光部22bから出射する光の明るさをもそれぞれ制御する。
例えば、第1発光部22aが白色の光を出射する場合には、デイタイムランニングランプまたはポジションランプとして用いることができる。デイタイムランニングランプとして用いる場合には、制御部23は、第1発光部22aから出射する光の光束が300ルーメン程度となるように制御する。ポジションランプとして用いる場合には、制御部23は、第1発光部22aから出射する光の光束が50ルーメン程度となるように制御する。
第2発光部22bが赤色の光を出射する場合には、ストップランプまたはテールランプとして用いることができる。ストップランプとして用いる場合には、制御部23は、第2発光部22bから出射する光の光束が100ルーメン程度となるように制御する。テールランプとして用いる場合には、制御部23は、第2発光部22bから出射する光の光束が10ルーメン程度となるように制御する。
この様にすれば、用途の拡大を図ることができる。
なお、明るさの切り換え数や、明るさの程度は例示をしたものに限定されるわけではない。
【0044】
また、発光素子22cから出射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、発光素子22cに流れる電流の値を制御する図示しない膜状の抵抗器を設けることができる。 逆方向電圧が発光素子22cに印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22cに印加されないようにするために、図示しないダイオードを設けることもできる。
その他、必要に応じて所望の回路部品を適宜設けることができる。
【0045】
枠部26は、第1発光部22aおよび第2発光部22bを囲むようにして、基板21上に設けられている。枠部26は、例えば、環状形状を有し、中央部26aに第1発光部22aおよび第2発光部22bが配置されるようになっている。
枠部26は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)やPC(polycarbonate)などの樹脂や、セラミックスなどから形成することができる。
【0046】
また、枠部26の材料を樹脂とする場合には、酸化チタンなどからなる粒子を混合して、第1発光部22aおよび第2発光部22bから出射した光に対する反射率を向上させることができる。
なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、第1発光部22aおよび第2発光部22bから出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させるようにすればよい。
また、枠部26は、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
【0047】
枠部26の中央部26a側の側壁面26bは斜面となっている。第1発光部22aおよび第2発光部22bから出射した光の一部は、枠部26の側壁面26bで反射されて、車両用照明装置1の正面側に向けて出射される。
また、第1発光部22aおよび第2発光部22bから車両用照明装置1の正面側に向けて出射された光の一部であって拡散部27の上面(拡散部27と外気との界面)で全反射した光は、枠部26の中央部26a側の側壁面26bで反射して、再び車両用照明装置1の正面側に向けて出射される。
【0048】
すなわち、枠部26は、リフレクタの機能を併せ持つものとすることができる。なお、枠部26の形態は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0049】
拡散部27は、枠部26の中央部26aに設けられている。拡散部27は、枠部26の内部を覆うように設けられている。すなわち、拡散部27は、枠部26の内部に設けられ、第1発光部22aおよび第2発光部22bを覆っている。
拡散部27は、透光性を有している。拡散部27は、透光性を有する材料から形成されている。拡散部27は、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
拡散部27は、例えば、枠部26の中央部26aに樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
また、拡散部27は、第1発光部22aおよび第2発光部22bから出射した光を拡散させる拡散材をさらに含むことができる。
拡散材は、例えば、酸化チタンなどからなる粒子や繊維などとすることができる。
【0050】
ここで、拡散部27が設けられていなければ、第1発光部22aから出射した光は主に第1発光部22aの正面側に照射される。第2発光部22bから出射した光は主に第2発光部22bの正面側に照射される。
図2に示すように、第1発光部22aおよび第2発光部22bは、車両用照明装置1の中心軸からずれた位置に設けられる。
そのため、第1発光部22aから出射した第1の色の光と、第2発光部22bから出射した第2の色の光は、車両用照明装置1の中心軸からずれた異なる位置にそれぞれ照射される。
その結果、車両用照明装置1の配光特性が光の色毎に変化するおそれがある。
【0051】
本実施の形態に係る車両用照明装置1には、第1発光部22aおよび第2発光部22bの両方を覆う拡散部27が設けられているので、第1発光部22aから出射した光であっても、第2発光部22bから出射した光であっても、拡散部27の内部では同じような拡散が生じる。
そのため、第1発光部22aから出射した光であっても、第2発光部22bから出射した光であっても、拡散部27の表面からほぼ均等に出射させることができる。
その結果、車両用照明装置1の配光特性が光の色毎に変化するのを抑制することができる。
【0052】
また、拡散部27は、第1発光部22a、第2発光部22b、および枠部26の中央部26aに配置された配線パターン24などを覆っている。
そのため、外力や、車両用照明装置1が設けられた環境に含まれる水分や硫黄を含むガスなどが、第1発光部22a、第2発光部22b、および枠部26の中央部26aに配置された配線パターン24などに接触するのを抑制することができる。その結果、車両用照明装置1に対する信頼性を向上させることができる。また、配線パターン24に含まれる銀と硫黄とが反応するのを抑制することができる。
【0053】
接合部28は、枠部26と、基板21とを接合する。
接合部28は、膜状を呈し、枠部26と、基板21と、の間に設けられている。
接合部28は、例えば、シリコーン系接着剤やエポキシ系接着剤が硬化することで形成されたものとすることができる。
【0054】
図5は、ソケット30を例示するための模式斜視図である。
図5に示すように、ソケット30には、本体部30a、めす型端子30b、および配線30cが設けられている。
本体部30aは、樹脂などの絶縁材料から形成されている。本体部30aの側壁には、凸部30a1が設けられている。本体部10に設けられた凹部に凸部30a1を嵌め合わせることで、ソケット30が本体部10に保持される。
【0055】
めす型端子30bは、本体部30aの内部を延びている。
めす型端子30bの一方の端部は、本体部30aの一方の端面に露出している。本体部30aの一方の端面に露出しているめす型端子30bの端部には、給電端子41が嵌め合わされる。
めす型端子30bの他方の端部には、配線30cが電気的に接続されている。
配線30cには、図示しない電源などが電気的に接続される。
そのため、ソケット30を給電端子41に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光部22とが電気的に接続される。
ソケット30は、例えば、接着剤などを用いて本体部10側の要素に接合することができる。
【0056】
図2に示すように、給電部40には、給電端子41および保持部42が設けられている。
給電端子41は、複数設けられている。
給電端子41は、線状を呈し、金属などの導電性材料から形成されている。
複数の給電端子41は、保持部42を貫通して延びている。
【0057】
保持部42の一方の端部から突出した給電端子41は、凹部11aの底面から突出し、入力端子24aと電気的に接続される。
保持部42の他方の端部から突出した給電端子41は、めす型端子30bと嵌め合わされる。
なお、2つの給電端子41を例示したが、給電端子41の数や形状などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0058】
前述した様に、本体部10は、高熱伝導性樹脂や金属などから形成することが好ましい。
この場合、高熱伝導性樹脂には、炭素などの導電性を有する物質を樹脂に混合させたものがある。そのため、高熱伝導性樹脂には導電性を有するものがある。
導電性を有する高熱伝導性樹脂や金属からなる本体部10の場合には、本体部10と、給電端子41とが接触すると短絡が生ずることになる。
そのため、本体部10と給電端子41との間に、絶縁性を有する材料から形成された保持部42が設けられている。
【0059】
また、保持部42は、本体部10に設けられた孔の内部に設けられている。
ここで、自動車に設けられる車両用照明装置1の場合には、使用環境の温度が、−40℃〜85℃となる。そのため、本体部10の材料である高熱伝導性樹脂の線膨張係数と、保持部42の材料である樹脂の線膨張係数とがなるべく近い値となることが好ましい。この様にすれば、車両用照明装置1が、温度変化の大きな環境において用いられたとしても、本体部10と保持部42との間において発生する熱応力を低減させることができる。
この場合、高熱伝導性樹脂に含まれる樹脂を用いて保持部42を形成することができる。
【0060】
例えば、高熱伝導性樹脂が炭素からなる繊維や粒子をPETに混合させたものである場合には、PETを用いて保持部42を形成することができる。
【0061】
次に、他の実施形態に係る発光モジュール120について説明する。
図6は、他の実施形態に係る発光モジュール120を例示するための模式斜視図である。
前述した発光モジュール20においては、COB方式を用いて、発光部22を配線パターン24の上に実装している。
これに対して、発光モジュール120においては、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型の発光部122を配線パターン24の上に実装している。
【0062】
図6に示すように、発光モジュール120には、基板21、配線パターン24、発光部122、制御部23、および封止部127が設けられている。
発光部122は、前述した第1の色の光を出射する第1発光部22aと、第1の色とは異なる第2の色の光を出射する第2発光部22bとを有する。
第1発光部22aは、外囲器122a(第1外囲器の一例に相当する)に設けられた凹部122bの内部に設けられている。第1発光部22aは、凹部122bの内部に露出するリード122cに電気的に接続されている。
第2発光部22bは、外囲器122a(第2外囲器の一例に相当する)に設けられた凹部122bの内部に設けられている。第2発光部22bは、凹部122bの内部に露出するリード122cに電気的に接続されている。
【0063】
外囲器122aは、例えば、PBTやPCなどの樹脂や、セラミックスなどから形成することができる。
また、外囲器122aの材料を樹脂とする場合には、酸化チタンなどの粒子を混合して、第1発光部22aおよび第2発光部22bから出射した光に対する反射率を向上させることができる。
なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、第1発光部22aおよび第2発光部22bから出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させればよい。
また、外囲器122aは、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
【0064】
外囲器122aの凹部122bの側壁は斜面となっている。第1発光部22aおよび第2発光部22bから出射した光の一部は、凹部122bの側壁で反射されて、車両用照明装置1の正面側に向けて出射される。
また、第1発光部22aおよび第2発光部22bから車両用照明装置1の正面側に向けて出射された光の一部であって封止部127の上面(封止部127と外気との界面)で全反射した光は、凹部122bの側壁で反射して、再び車両用照明装置1の正面側に向けて出射される。
【0065】
すなわち、外囲器122aは、リフレクタの機能を併せ持つものとすることができる。なお、外囲器122aの形態は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0066】
リード122cの一方の端部側は、凹部122bの内部に露出している。
リード122cの他方の端部側は、外囲器122aの凹部122bが開口する側とは反対の側の面(下面)に向けて折り曲げられている。リード122cは、例えば、Jベンド型のリードとすることができる。
リード122cの凹部122bの内部に露出する部分は、第1発光部22aおよび第2発光部22bと電気的に接続されている。
リード122cの外囲器122aの下面に向けて折り曲げられている部分は、配線パターン24と電気的に接続されている。
そのため、第1発光部22aおよび第2発光部22bは、リード122cを介して配線パターン24と電気的に接続されている。
【0067】
封止部127は、外囲器122aの凹部122bの内部に設けられている。封止部127は、凹部122bの内部を覆うように設けられている。すなわち、封止部127は、凹部122bの内部に設けられ、第1発光部22a、第2発光部22b、リード122cの一方の端部側を覆っている。
【0068】
封止部127は、透光性を有する材料から形成されている。封止部127は、例えば、シリコーン樹脂などから形成することができる。
封止部127は、例えば、外囲器122aの凹部122bに樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
【0069】
外囲器122aの凹部122bに樹脂を充填すれば、第1発光部22aや第2発光部22bなどに対する外部からの機械的な接触を抑制することができる。また、ガスや水分などが、第1発光部22aや第2発光部22bなどに付着することを抑制することができる。そのため、車両用照明装置1に対する信頼性を向上させることができる。
【0070】
なお、蛍光体部22daおよび蛍光体部22dbの機能を封止部127に持たせることもできる。
例えば、第1発光部22aに代えて、発光素子22cのみを外囲器122aの凹部122bの内部に設け、蛍光体部22daに含まれる蛍光体を封止部127に含ませることができる。
また、第2発光部22bに代えて、発光素子22cのみを外囲器122aの凹部122bの内部に設け、蛍光体部22dbに含まれる蛍光体を封止部127に含ませることができる。
【0071】
ここで、封止部127は、第1発光部22aおよび第2発光部22bの一方を覆っている。そのため、前述した拡散部27とは異なり、1つの封止部127の内部に第1発光部22aおよび第2発光部22bから出射した光が導入されない。
この場合、第1発光部22aから出射した光は、封止部127を介して主に第1発光部22aの正面側に照射される。
第2発光部22bから出射した光は、封止部127を介して主に第2発光部22bの正面側に照射される。
そのため、第1発光部22aから出射した第1の色の光と、第2発光部22bから出射した第2の色の光は、車両用照明装置1の中心軸からずれた異なる位置にそれぞれ照射される。
その結果、車両用照明装置1の配光特性が光の色毎に変化するおそれがある。
【0072】
ただし、第1発光部22aおよび第2発光部22bは、外囲器122aの内部に設けられている。そのため、第1発光部22aおよび第2発光部22bの一方において発生した熱が他方に伝わるのを抑制することができる。
そのため、第1発光部22aと第2発光部22bとの間の距離を短くすることができる。
第1発光部22aと第2発光部22bとの間の距離を短くすることができれば、車両用照明装置1の配光特性が光の色毎に変化するのを抑制することができる。
本発明者らの得た知見によれば、直径寸法が20mm以下の領域、特に好ましくは10mm以下の領域に第1発光部22aおよび第2発光部22bを設けるようにすれば、車両用照明装置1の配光特性が光の色毎に変化するのを抑制することができる。
なお、前述した拡散部27を設ける場合も、直径寸法が20mm以下の領域、特に好ましくは10mm以下の領域に第1発光部22aおよび第2発光部22bを設けるようにすることが好ましい。
【0073】
次に、発光部の配置に関してさらに説明する。
図7(a)〜(c)は、発光部の配置を例示するための模式図である。
発光部22e1〜22e5は、それぞれ異なる色の光を出射するものとすることもできるし、発光部22e1〜22e5の一部は同じ色の光を出射するものとすることもできる。
発光部の数や配設形態には特に限定はないが、直径寸法Dが20mm以下の領域、特に好ましくは10mm以下の領域に全ての発光部を設けるようにすることが好ましい。
直径寸法Dが20mm以下の領域、特に好ましくは10mm以下の領域に全ての発光部が設けられていれば、車両用照明装置1の配光特性が光の色毎に変化するのを抑制することができる。
【0074】
次に、光学要素部についてさらに説明する。
図8は、他の実施形態に係る光学要素部103aを例示するための模式断面図である。 前述したように、光学要素部は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。
例えば、図1に例示をした光学要素部103はリフレクタであり、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
図8に例示をした光学要素部103aは導光体(ライトガイド)であり、車両用照明装置1から出射した光を導いて、導いた光を所望の場所や領域に向けて照射する。
【0075】
光学要素部103aは、透明樹脂やガラスなどの透光性を有する材料から形成されている。
発光部22aから出射した光Laは、光学要素部103aの内部を伝播して、光学要素部103aの所定の領域から照射される。
発光部22bから出射した光Lbは、光学要素部103aの内部を伝播して、光学要素部103aの所定の領域から照射される。
光学要素部103aが導光体である場合には、前述した拡散部27と同様の拡散作用を有する。そのため、光学要素部103aが導光体である場合には、拡散部27は必ずしも必要ではない。
また、光学要素部は、複数の発光部の少なくともいずれかに対して設けるようにすることもできる。
例えば、図8に示すように、発光部22a、22bに対しては光学要素部103aを設け、発光部22fに対しては光学要素部103aを設けないようにすることもできる。
また、機能が異なる複数の光学要素部を設けたり、同じ機能を有する複数の光学要素部を設けたりすることもできる。
【0076】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 車両用照明装置、10 本体部、11 収納部、12 フランジ部、13 フィン、14 凸部、20 発光モジュール、21 基板、22 発光部、22a 第1発光部、22b 第2発光部、22c 発光素子、22da 蛍光体部、22db 蛍光体部、22e1〜22e5 発光部、22f 発光部、23 制御部、24 配線パターン、26 枠部、27 拡散部、100 車両用灯具、101 筐体、103 光学要素部、103a 光学要素部、120 発光モジュール、122 発光部、122a 外囲器、122c リード、127 封止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8