特許第6459529号(P6459529)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6459529データロギングソフトウェアおよびデータロギング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6459529
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】データロギングソフトウェアおよびデータロギング装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20190121BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   G05B23/02 301U
   G06F13/00 351N
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-3921(P2015-3921)
(22)【出願日】2015年1月13日
(65)【公開番号】特開2016-130873(P2016-130873A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2017年8月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】李 銀秀
(72)【発明者】
【氏名】高家 靖昌
【審査官】 加藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−089569(JP,A)
【文献】 特開平08−255012(JP,A)
【文献】 特開2007−102552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他機器から通信経由でデータを収集してデータファイルとして保存する処理をコンピュータに実行させるデータロギングソフトウェアであって、
前記データファイルに基づくデータ集成作業を行なうスケジュールに関する設定と前記データ集成作業の出力形式に関する設定とを受け付け、
前記スケジュールに関する設定に従ったタイミングで前記出力形式に関する設定に従ったデータ集成出力を行なう自動出力部として前記コンピュータを機能させ
前記自動出力部は、前記データ集成出力に使用するテンプレートの指定を受け付け、指定された前記テンプレートに所定の識別名が付された仮画像が含まれる場合、前記識別名をキーにして前記仮画像のサイズを取得し、取得した前記サイズに対応したグラフ画像を生成し、生成した前記グラフ画像を前記仮画像と差し替える
ことを特徴とするデータロギングソフトウェア。
【請求項2】
前記出力形式に関する設定は、データ印刷、レポートファイル出力を選択可能であることを特徴とする請求項1に記載のデータロギングソフトウェア。
【請求項3】
前記グラフ画像は、取得された前記仮画像の前記サイズに対応した縦横比、解像度で前記自動出力部によって生成されることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載のデータロギングソフトウェア。
【請求項4】
前記グラフ画像の前記解像度は、ユーザによって別途設定されることを特徴とする請求項3に記載のデータロギングソフトウェア。
【請求項5】
前記テンプレートに含まれる前記仮画像は、ユーザによって任意のサイズの画像として用意された後、所望のサイズに調整されて前記テンプレートに予め埋め込まれる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のデータロギングソフトウェア。
【請求項6】
前記自動出力部は、データ集成出力の成否情報と
前記データ集成出力の再実行に必要な情報として、
前記データ印刷または前記レポートファイル出力を選択可能とするための出力形式設定と、
前記スケジュールに関する設定をするための出力スケジュール設定と、
前記出力形式設定で前記データ印刷または前記レポートファイル出力が選択された場合に使用する前記テンプレートを指定するためのテンプレート指定と、
を含んだログ情報を生成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のデータロギングソフトウェア。
【請求項7】
他機器から通信経由でデータを収集してデータファイルとして保存するデータロギング装置であって、
前記データファイルに基づくデータ集成作業を行なうスケジュールに関する設定と前記データ集成作業の出力形式に関する設定とを受け付け、
前記スケジュールに関する設定に従ったタイミングで前記出力形式に関する設定に従ったデータ集成出力を行なう自動出力部を備え
前記自動出力部は、前記データ集成出力に使用するテンプレートの指定を受け付け、指定された前記テンプレートに所定の識別名が付された仮画像が含まれる場合、前記識別名をキーにして前記仮画像のサイズを取得し、取得した前記サイズに対応したグラフ画像を生成し、生成した前記グラフ画像を前記仮画像と差し替える
ことを特徴とするデータロギング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定機器や制御機器からデータを収集してコンピュータ上でモニタリングや記録を行なうデータロギングソフトウェアおよびデータロギング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データロギングソフトウェアは、測定機器や制御機器から通信経由でデータを収集してコンピュータ上でモニタリングや記録を行なうためのソフトウェアである。一般に、記録したデータは、例えば、バイナリ形式のデータファイルや市販の表計算ソフトウェアの仕様に準拠したフォーマットのデータファイルとして保存することができるようになっている。
【0003】
データ収集の現場では、保存したデータをグラフ形式に変換して印刷したり、保存したデータに基づいてレポートファイルを作成するようなデータ集成作業がしばしば行なわれている。このようなデータ集成作業は、一般に、月毎や日毎、所定時間毎等という具合に、あらかじめ定められたスケジュールに従って定期的なタイミングで行なわれ、従来は、例えば、図6のフローチャートに示すような手順で行なわれていた。
【0004】
本図に示す手順例では、ユーザが、データロギングソフトウェアで記録対象の機器や記録周期、記録フォーマット等の記録動作を設定し(S401)、データロギングソフトウェアがデータの記録を開始すると(S402)、設定に従ってデータファイルが保存される(S403)。
【0005】
ユーザは、データ印刷あるいはレポートファイルの作成のタイミングになると(S404:Yes)、保存されたデータファイルを閲覧用ソフトウェアや表計算ソフトウェアで開き、必要に応じて編集や変換等を行なった上でデータ印刷あるはレポートファイルの作成を行なう(S405)。そして、このようなデータ集成作業をデータロギングソフトウェアにおける記録が終了するまで、定期的に繰り返す(S406)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−21712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来は、ユーザが作成タイミングを判断して、その都度データファイルを開き、所定の手作業を経てデータ印刷あるいはレポートファイルを作成することでデータ集成作業を行なっている。このため、データ集成作業に時間を要する上に、作業漏れや作業ミスが発生しないようにユーザには相当の注意が課せられており、ユーザの負担が過大なものとなっている。上述のように、データ集成作業は定期的に繰り返し行なわれることが多いため、ユーザの負担を軽減することが望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、データロギングソフトウェアが収集したデータの集成作業を簡易化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様であるデータロギングソフトウェアは、他機器から通信経由でデータを収集してデータファイルとして保存する処理をコンピュータに実行させるデータロギングソフトウェアであって、前記データファイルに基づくデータ集成作業を行なうスケジュールに関する設定と前記データ集成作業の出力形式に関する設定とを受け付け、前記スケジュールに関する設定に従ったタイミングで前記出力形式に関する設定に従ったデータ集成出力を行なう自動出力部として前記コンピュータを機能させ、前記自動出力部は、前記データ集成出力に使用するテンプレートの指定を受け付け、指定された前記テンプレートに所定の識別名が付された仮画像が含まれる場合、前記識別名をキーにして前記仮画像のサイズを取得し、取得した前記サイズに対応したグラフ画像を生成し、生成した前記グラフ画像を前記仮画像と差し替えることを特徴とする。
ここで、前記出力形式に関する設定は、データ印刷、レポートファイル出力を選択可能とすることができる。
また、前記グラフ画像は、取得された前記仮画像の前記サイズに対応した縦横比、解像度で前記自動出力部によって生成されることができる
このとき前記グラフ画像の前記解像度は、ユーザによって別途設定されることができる。
いずれの場合も、前記テンプレートに含まれる前記仮画像は、ユーザによって任意のサイズの画像として用意された後、所望のサイズに調整されて前記テンプレートに予め埋め込まれることができる。
さらに、前記自動出力部は、データ集成出力の成否情報と、前記データ集成出力の再実行に必要な情報として、前記データ印刷または前記レポートファイル出力を選択可能とするための出力形式設定と、前記スケジュールに関する設定をするための出力スケジュール設定と、前記出力形式設定で前記データ印刷または前記レポートファイル出力が選択された場合に使用する前記テンプレートを指定するためのテンプレート指定と、を含んだログ情報を生成することができる。
上記課題を解決するため、本発明の第2の態様であるデータロギング装置は、他機器から通信経由でデータを収集してデータファイルとして保存するデータロギング装置であって、前記データファイルに基づくデータ集成作業を行なうスケジュールに関する設定と前記データ集成作業の出力形式に関する設定とを受け付け、前記スケジュールに関する設定に従ったタイミングで前記出力形式に関する設定に従ったデータ集成出力を行なう自動出力部を備え、前記自動出力部は、前記データ集成出力に使用するテンプレートの指定を受け付け、指定された前記テンプレートに所定の識別名が付された仮画像が含まれる場合、前記識別名をキーにして前記仮画像のサイズを取得し、取得した前記サイズに対応したグラフ画像を生成し、生成した前記グラフ画像を前記仮画像と差し替えることを特徴とする。

【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、データロギングソフトウェアが収集したデータの集成作業を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係るデータロギングソフトウェアが稼働するサーバPCを含んだ測定システムの構成例を示すブロック図である。
図2】データロギング部110の自動データ集成動作について説明するフローチャートである。
図3】データ集成の自動出力に関する設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図4】データ集成の自動出力処理の詳細を示すフローチャートである。
図5】グラフ画像のテンプレートへの埋め込みを説明する図である。
図6】従来のデータ集成作業の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るデータロギングソフトウェアが稼働するサーバPC100を含んだ測定システム10の構成例を示すブロック図である。
【0013】
本図に示すように、測定システム10では、サーバPC100とクライアントPC200と複数台の測定機器410、記録装置420、制御装置430等がネットワークを介して接続されている。また、サーバPC100には印刷装置300が接続されている。
【0014】
サーバPC100は、データロギングソフトウェアが稼働することでデータロギング部110が構築され、測定機器410、記録装置420、制御装置430等からネットワークを介してデータを収集してモニタリングや記録を行なうデータロギング装置として機能する。
【0015】
サーバPC100に構築されるデータロギング部110は、動作設定部111、データ収集部112、データ記録部113、表示部114、通信部115、自動出力部116、格納部117を備えている。
【0016】
動作設定部111は、データロギングに関する動作設定、例えば、データ収集対象の機器、データ収集のタイミング、記録方式、表示態様等の設定を受け付ける。データ収集のタイミングは、例えば、収集周期で定められ、100msec、1秒、1分等とすることができる。記録方式は、例えば、バイナリ形式のデータファイルや市販の表計算ソフトウェアの仕様に準拠したフォーマット等とすることができる。表示態様は、例えば、グラフの種類、アラーム表示法等の指定とすることができる。本実施形態では、後述するようにクライアントPC200を介して動作設定を受け付けるようにするが、サーバPC100上で動作設定を受け付けるようにしてもよい。
【0017】
データ収集部112は、動作設定部111が受け付けた動作設定に従ってデータ収集対象の測定機器410等からデータを収集する。データ記録部113は、データ収集部112が収集したデータを、動作設定部111が受け付けた記録方式に従ってデータファイルとして格納部117に格納する。
【0018】
表示部114は、データ収集部112が収集したデータを、動作設定部111が受け付けた表示態様に従って表示装置に表示する。本実施形態では、クライアントPC200に接続された表示装置に表示するものとする。このとき、表示部114をクライアントPC200側に備えるようにしてもよい。通信部115は、ネットワークを介してクライアントPC200、測定機器410等と通信を行なう。
【0019】
自動出力部116は、クライアントPC200を介して自動出力設定を受け付け、受け付けた設定に従ってデータ集成作業を自動で行なう。データ集成作業は、データファイルに基づいた定期的なデータ印刷およびレポートファイル作成を含んでいる。自動出力部116の詳細な動作については後述する。
【0020】
格納部117は、データファイルや自動出力部116が作成したレポートファイル、自動出力部116のログ情報等を不揮発的に格納する記憶領域である。なお、格納部117は、データロギング部110がアクセス可能であれば、サーバPC100の外部に設けてもよい。
【0021】
クライアントPC200は、データロギングソフトウェアに対応したクライアントソフトウェアが稼働するコンピュータである。クライアントソフトウェアが稼働することでクライアントPC200上にクライアント部210が形成され、サーバPCのデータロギング部110に対して指示を行なったり、データ収集結果やデータ集成作業結果等を取得したりすることができる。
【0022】
また、クライアントPC200は、バイナリ形式のデータファイルやレポートファイルを閲覧するためのビューワー部220、データ印刷やレポートファイル作成を行なう際に用いるテンプレートを作成するテンプレート作成部230、市販の表計算ソフトウェアを稼働することにより構築される表計算ソフトウェア部240を備えている。
【0023】
次に、上記構成のデータロギング部110の自動データ集成動作について図2のフローチャートを参照して説明する。データロギング部110は、自動データ集成に先立ち、ユーザからデータ集成を行なうデータ記録についての動作設定を受け付ける(S101)。データ記録についての動作設定は、動作設定部111がクライアントPC200のクライアント部210を介して受け付ける。データ記録についての動作設定では、上述のように、データ収集対象の機器、データ収集のタイミング、記録方式、表示態様等の設定を受け付ける。
【0024】
次いで、データ集成の自動出力に関する設定をユーザから受け付ける(S102)。図3は、データ集成の自動出力に関する設定処理の詳細を示すフローチャートである。本図に示すように、データ集成の自動出力に関する設定では、出力形式設定(S201)、出力スケジュール設定(S202)、テンプレート指定(S203)が行なわれる。
【0025】
出力形式設定(S201)では、例えば、出力形式として標準印刷、カスタム印刷、レポート出力が選べるようになっている。ここで、標準印刷は、収集したデータをあらかじめ定められた標準的なフォーマットで印刷する設定であり、カスタム印刷は、ユーザが作成したテンプレートに従って印刷する設定である。また、レポート出力は、ユーザが作成したテンプレートに従ったレポートファイルを作成する設定である。
【0026】
このため、カスタム印刷あるいはレポート出力を選択する場合には、クライアントPC200上で、テンプレート作成部230あるいは表計算ソフトウェア部240を利用してテンプレートを作成し、あらかじめ格納部117に格納しておくようにする。
【0027】
また、いずれの出力形式を選択した場合であっても、グラフの種類やグラフの品質、対象データ範囲、データ期間、集計グループ、ヘッダ情報等の詳細についてさらに設定できるようにしてもよい。
【0028】
出力スケジュール設定(S202)では、データ集成の自動出力を行なうスケジュールを設定する。スケジュールは、例えば、毎日の所定時刻としたり、毎時、毎週、所定周期、記録終了時等を選択することができる。
【0029】
テンプレート指定(S203)では、出力形式設定(S201)でカスタム印刷あるいはレポート出力が選択された場合に、使用するテンプレートの指定を受け付ける。
【0030】
図2のフローチャートの説明に戻って、自動出力の設定処理(S102)が終了し、データ記録を開始すると(S103)、動作設定に従ってデータが格納部117にデータファイルとして保存される(S104)。
【0031】
自動出力部116は、記録実行中に出力スケジュール設定処理(S202)で設定された出力タイミングになると(S105:Yes)、出力形式設定処理(S201)における設定に従ってデータ集成の自動出力を行なう(S106)。
【0032】
図4は、データ集成の自動出力処理(S106)の詳細を示すフローチャートである。本図に示すように、データ集成の自動出力処理(S106)では、格納部117から処理対象のデータファイルを読み込み(S301)、設定された出力形式が標準印刷であれば(S302:Yes)、設定に従って印刷を行なう(S303)。
【0033】
設定された出力形式が標準印刷でなければ(S302:No)、すなわちカスタム印刷あるいはレポート出力の場合には、指定されたテンプレートを読み込む(S304)。多くの場合、テンプレートにはデータに基づくグラフを表示するグラフ領域が設定されている。
【0034】
ここで、本実施形態のテンプレートにおけるグラフ領域の設定について説明する。一般には、テンプレートを作成する際に、グラフを表示する領域を設定しておき、実際のデータから作成されたグラフ画像を埋め込むときに、設定された領域にグラフ画像をフィッティングさせて表示するようにしている。
【0035】
しかしながら、この手順だと、テンプレートで設定したグラフ領域と、実際に作成されるグラフ画像のサイズとが対応していないため、フィッティングの際にグラフ画像の縦横比が変更され、グラフ画像内の文字等が歪んで見にくくなる場合がある。また、作成されたグラフ画像の解像度が表示領域に適さない場合もある。例えば、作成されたグラフ画像に対して表示領域が大きい場合には、より精細なグラフ表示が可能であるのにもかかわらず、低解像度のグラフ画像が拡大表示されてしまい、作成されたグラフ画像に対して表示領域が小さい場合には、グラフ画像が縮小され、詳細部分がつぶれて表示されてしまうことが起こり得る。
【0036】
そこで、本実施形態では、テンプレートを作成する際に、図5(a)に示すような横サイズa、縦サイズbの任意の仮画像を用意しておき、図5(b)に示すようにテンプレートに埋め込んでおく。この際に、仮画像を希望するサイズ(横サイズc、縦サイズd)に調整する。なお、仮画像には、所定の識別名を付しておくものとする。一般には、プロパティ、書式設定等で任意の識別名を付すことができる。
【0037】
図4のフローチャートの説明に戻って、自動出力部116は、所定の識別名をキーにして、読み込んだテンプレート内で仮画像が配置されたグラフ領域のサイズを取得する(S305)。上述の例では、元サイズの横サイズa、縦サイズbではなく、調整後の横サイズc、縦サイズdが取得される。
【0038】
そして、取得したグラフ領域のサイズに対応した縦横比、解像度でグラフ画像を作成する(S306)。上述の例では、図5(c)に示すように横サイズc、縦サイズdのグラフ画像が作成される。ただし、解像度をユーザが別途設定できるようにしてもよい。
【0039】
次いで、作成したグラフ画像をテンプレート中の仮画像と差し替える(S307)。グラフ画像の差し替えは、仮画像に付した識別名をキーに画像を置換することで行なうことができる。これにより、図5(d)に示すように、テンプレートで設定されたグラフ領域に適した縦横比、解像度のグラフが得られることになる。
【0040】
さらに、テンプレートで設定されたデータリストやアラーム情報等の必要項目をデータファイルに従って挿入する(S308)。
【0041】
出力形式がカスタム印刷であれば(S309:Yes)、印刷装置300を用いてグラフや必要項目が挿入されたテンプレートの印刷を行なう(S310)。これにより、定期的なデータ印刷が自動で行なわれることになる。
【0042】
一方、出力形式がカスタム印刷でない場合(309:No)、すなわちレポート出力の場合は、グラフや必要項目が挿入されたテンプレートをレポートファイルとして格納部117に保存する(S311)。これにより、定期的なレポートファイルの作成が自動で行なわれることになる。
【0043】
図2のフローチャートの説明に戻って、自動出力部116は、自動出力(S106)で行なった動作をログ情報として格納部117に記録する(S107)。ログ情報は、クライアントPC200のクライアント部210を利用して閲覧できるものとする。
【0044】
ログ情報には、印刷やレポート作成の成否情報を含めるようにする。これは、手動印刷や手動レポート作成では印刷の成否が即座に判断することができるのに対し、自動出力では、印刷やレポート作成の成否の確認が遅れる可能性があることを考慮したものである。
【0045】
このため、印刷やレポート作成の成否情報に加え、自動出力動作における設定情報等の再処理に必要な情報もログ情報に含めることが望ましい。これにより、ユーザがログ情報から印刷失敗やレポート作成失敗を発見した場合に、ログ情報を用いて再印刷やレポート再作成を行なうことができるようになる。もちろん、印刷やレポート作成が成功した場合も再実行を行なうことができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の測定システム10では、自動出力の設定を行なっておけば、ユーザが作業を行なうことなく、作成タイミング毎に自動でデータ集成作業が行なわれる。このため、データ集成作業におけるユーザの負担を軽減することができる。
【0047】
また、テンプレートで設定されたグラフ領域に対応したグラフ画像が生成されるため、縦横比の変向による文字等の歪みを防ぐとともに、表示サイズに適した解像度のグラフを得ることができる。
【0048】
また、ログ情報でデータ集成の出力の成否が確認でき、再出力が可能であるため、自動出力失敗による作業漏れを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0049】
10…測定システム、100…サーバPC、110…データロギング部、111…動作設定部、112…データ収集部、113…データ記録部、114…表示部、115…通信部、116…自動出力部、117…格納部、200…クライアントPC、210…クライアント部、220…ビューワー部、230…テンプレート作成部、240…表計算ソフトウェア部、300…印刷装置、410…測定機器、420…記録装置、430…制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6