特許第6459580号(P6459580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6459580
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】光配向用偏光光照射装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1337 20060101AFI20190121BHJP
【FI】
   G02F1/1337
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-22699(P2015-22699)
(22)【出願日】2015年2月6日
(65)【公開番号】特開2016-145912(P2016-145912A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2017年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 貴章
(72)【発明者】
【氏名】田内 亮彦
【審査官】 磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−035520(JP,A)
【文献】 特開2016−118718(JP,A)
【文献】 特許第5344105(JP,B2)
【文献】 特許第5648733(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0160457(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1337
G02F 1/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に偏光光を照射する照射領域を有する照射ユニットと;
前記対象物を搭載する各搭載位置が前記照射領域の両側に配置された一組のステージと;
前記照射領域を通して前記各搭載位置を結ぶ搬送路を有し、前記搭載位置と、前記ステージが前記照射領域を通過して前記照射領域に隣接する通過位置との間で、前記一組のステージを交互に前記搬送路に沿って往復させる搬送機構と;
前記搭載位置に位置する、前記一組のステージの一方のステージを、他方のステージが前記通過位置に搬送されるときに、前記通過位置から離れた退避位置に移動させる退避機構と;を具備し、
前記搭載位置に位置する前記一方のステージと、前記通過位置に位置する他方のステージの少なくとも一部とが、同一平面上で重なるように、前記通過位置に対して前記搭載位置が配置され
前記搬送路の、前記各搭載位置が配置された両端側は、前記照射領域と前記通過位置とを結ぶ方向に対して、前記同一平面上で曲げられている、光配向用偏光光照射装置。
【請求項2】
対象物に偏光光を照射する照射領域を有する照射ユニットと;
前記対象物を搭載する各搭載位置が前記照射領域の両側に配置された一組のステージと;
前記照射領域を通して前記各搭載位置を結ぶ搬送路を有し、前記搭載位置と、前記ステージが前記照射領域を通過して前記照射領域に隣接する通過位置との間で、前記一組のステージを交互に前記搬送路に沿って往復させる搬送機構と;
前記搭載位置に位置する、前記一組のステージの一方のステージを、他方のステージが前記通過位置に搬送されるときに、前記通過位置から離れた退避位置に移動させる退避機構と;を具備し、
前記搭載位置に位置する前記一方のステージと、前記通過位置に位置する他方のステージの少なくとも一部とが、同一平面上で重なるように、前記通過位置に対して前記搭載位置が配置され、
前記退避機構は、前記一方のステージを、前記搭載位置から上下方向に離れた前記退避位置へ退避させる、光配向用偏光光照射装置。
【請求項3】
記一方のステージは、同一平面上において、前記搭載位置に位置するときに、前記通過位置に位置する他方の前記ステージ全体に重なるように、前記通過位置に対して前記搭載位置が配置されている、請求項1または2に記載の光配向用偏光光照射装置。
【請求項4】
前記退避機構は、前記一方のステージを、前記一方のステージが往復搬送される搬送方向と同一方向に沿って前記退避位置に移動させる、請求項1または2に記載の光配向用偏光光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光配向用偏光光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル等の製造工程では、液晶パネルの配向膜や視野角補償フィルムの配向層等の対象物の配向処理が行われている。配向処理では、配向膜に所定の波長の偏光光を照射することによって配向を行う、いわゆる光配向を行うために用いる光配向用偏光光照射装置が知られている。
【0003】
この種の光配向用偏光光照射装置としては、例えば、偏光光を照射する照射ユニットと、配向膜が形成された基板が搭載されるステージと、ステージが照射ユニットの照射領域を通過するようにステージを搬送する搬送機構と、を備える構成がある。
【0004】
また、上述した光配向用偏光光照射装置に類似する装置としては、基板が搭載された第1及び第2のステージが、基板に対して露光する露光部を通過するように、第1及び第2のステージを搬送する露光装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−191302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、液晶パネル等の対象物が大型化する傾向にあり、それに伴って、光配向用偏光光照射装置での対象物に対する照射時間が増える。このため、1つの対象物あたりの処理時間(以下、タクトタイムと称する。)が長くなり、生産性の低下を招く問題がある。また、対象物の大型化に伴って、光配向用偏光光照射装置が大型化する問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、タクトタイムの長大化を抑制すると共に、装置全体の設置スペースの増大を抑制することができる光配向用偏光光照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る光配向用偏光光照射装置は、対象物に偏光光を照射する照射領域を有する照射ユニットと、前記対象物を搭載する各搭載位置が前記照射領域の両側に配置された一組のステージと、前記照射領域を通して前記各搭載位置を結ぶ搬送路を有し、前記搭載位置と、前記ステージが前記照射領域を通過して前記照射領域に隣接する通過位置との間で、前記一組のステージを交互に前記搬送路に沿って往復させる搬送機構と、前記搭載位置に位置する、前記一組のステージの少なくとも一方のステージを、他方のステージが前記通過位置に搬送されるときに、前記通過位置から離れた退避位置に移動させる退避機構と、を具備し、前記搭載位置に位置する前記少なくとも一方のステージと、前記通過位置に位置する他方のステージの少なくとも一部とが、同一平面上で重なるように、前記通過位置に対して前記搭載位置が配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タクトタイムの長大化を抑制して生産性を向上すると共に、装置全体の設置スペースの増大を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す側面図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。
図3図3は、第1の実施形態の変形例に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。
図4図4は、第1の実施形態の変形例に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。
図5図5は、第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す側面図である。
図6図6は、第2の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。
図7図7は、第3の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す側面図である。
図8図8は、第4の実施形態に係る光配向用偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下で説明する実施形態に係る光配向用偏光光照射装置(以下、偏光光照射装置と称する。)1は、照射ユニット10と、一組の第1及び第2のステージ11,12と、搬送機構15と、退避機構17とを具備する。照射ユニット10は、対象物に偏光光を照射する照射領域Aを有する。一組の第1及び第2のステージ11,12は、対象物を搭載する各搭載位置P1a,P1bが照射領域Aの両側に配置されている。搬送機構15は、照射領域Aを通して各搭載位置P1a,P1bを結ぶ搬送路16を有する。また、搬送機構15は、搭載位置P1a,P1bと、ステージ11,12が照射領域Aを通過して照射領域Aに隣接する通過位置P2a,P2bとの間で、一組の第1及び第2のステージ11,12を交互に搬送路16に沿って往復させる。退避機構17は、搭載位置P1a(P1b)に位置する、一組の第1及び第2のステージ11,12の少なくとも一方のステージ11(12)を、他方のステージ12(11)が通過位置P2b(P2a)に搬送されるときに、通過位置P2b(P2a)から離れた退避位置P3a(P3b)に移動させる。搭載位置P1a(P1b)に位置する少なくとも一方のステージ11(12)と、通過位置P2b(P2a)に位置する他方のステージ12(11)の少なくとも一部とが、同一平面上で重なるように、通過位置P2b(P2a)に対して搭載位置P1a(P1b)が配置されている。
【0012】
また、以下で説明する実施形態に係る少なくとも一方のステージ11(12)は、退避位置P3a(P3b)が、搭載位置P1a(P1b)と同一平面上に位置する。
【0013】
また、以下で説明する実施形態に係る少なくとも一方のステージ11(12)は、退避位置P3a(P3b)が、搭載位置P1a(P1b)と異なる平面上に位置する。
【0014】
また、以下で説明する実施形態に係る少なくとも一方のステージ11(12)は、同一平面上において、搭載位置P1a(P1b)に位置するときに、通過位置P2b(P2a)に位置する他方のステージ12(11)全体に重なるように、通過位置P2b(P2a)に対して搭載位置P1a(P1b)が配置されている。
【0015】
また、以下で説明する実施形態に係る退避機構17は、少なくとも一方のステージ11(12)を、一方のステージ11(12)が往復搬送される搬送方向と同一方向に沿って退避位置P3a(P3b)に移動させる。
【0016】
以下、実施形態に係る偏光光照射装置について、図面を参照して説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る偏光光照射装置を模式的に示す側面図である。図2は、第1の実施形態に係る偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。本実施形態に係る偏光光照射装置は、例えば、対象物である配向膜に直線偏光光等の偏光光を照射することで、光配向するために用いられる。本実施形態に係る偏光光照射装置は、例えば液晶パネルの配向膜や、視野角補償フィルムの配向膜等の製造に用いられる。
【0018】
(偏光光照射装置の構成)
図1に示すように、第1の実施形態の偏光光照射装置1は、照射ユニット10と、一組の第1及び第2のステージ11,12と、搬送機構15と、退避機構17と、を備える。
【0019】
照射ユニット10は、対象物としての配向膜が形成された基板9(以下、単に基板9と称する。)に偏光光を照射する照射領域Aを有する。また、照射ユニット10は、紫外線を含む光を発する管状の光源10aと、光源10aが発した光の配向を制御する反射板10bと、を有する。また、照射ユニット10は、光源10aが発した光と、反射板10bで配向が制御された光とが入射して偏光光を出射する偏光素子(不図示)を有する。
【0020】
なお、ここでいう「照射領域A」とは、照射ユニット10の最下面の開口、すなわち、照射ユニット10において、最も対象物に近い位置にある開口を指す。例えば、照射ユニット10の最下面が偏光素子であれば、偏光素子の開口が照射領域Aに該当し、偏光素子よりも対象物側に遮光板(不図示)があれば遮光板の開口が照射領域Aに該当する。更に、遮光板に保護ガラス(不図示)があれば、保護ガラスの開口が照射領域Aに該当する。
【0021】
光源10aは、例えば、紫外線透過性のガラス管内に、水銀、アルゴン、キセノンなどの希ガスが封入された高圧水銀ランプや、高圧水銀ランプに鉄やヨウ素等のメタルハライドが更に封入されたメタルハライドランプ等の管型ランプが用いられており、直線状の発光部を有する。光源10aは、発光部の長手方向が、照射ユニット10に対する各ステージ11,12の搬送方向と直交しており、発光部の長さが、基板9の一辺の長さよりも長くされている。光源10aは、直線状の発光部から、例えば波長が200nmから400nmまでの紫外線を含む光を発することが可能とされている。光源10aが発する光は、さまざまな偏光軸成分を有する、いわゆる非偏光の光である。
【0022】
反射板10bは、光源10aに対向する面に、光源10aが発した光を反射する反射面を有しており、反射面が楕円の一部をなす形状に形成されている。これにより、反射板10bは、光源10aが発した光を集光する、いわゆる集光型の反射板として構成されている。偏光素子は、光源10aが発し、一様にあらゆる方向に振動したさまざまな偏光軸成分を含む光から基準方向のみに振動した偏光軸の光を取り出すことが可能とされている。なお、基準方向のみに振動した偏光軸の光を、一般に直線偏光という。また、偏光軸とは、光の電場及び磁場の振動方向である。
【0023】
一組の第1及び第2のステージ11,12は、矩形状の板状に形成されており、配向膜が形成された基板9が搭載される。第1及び第2のステージ11,12は、搬送機構15によって移動可能に支持されている。
【0024】
図1及び図2に示すように、第1及び第2のステージ11,12に基板9を搭載する各第1及び第2の搭載位置P1a,P1bは、照射領域Aの両側に配置されている。搬送機構15は、照射領域Aを通して各第1及び第2の搭載位置P1a,P1bを結ぶ搬送路16を有する。搬送機構15は、第1及び第2のステージ11,12を移動可能に支持するガイド軸15aと、第1及び第2のステージ11,12をガイド軸15aに沿って移動させる駆動機構(不図示)と、を有している。ガイド軸15aは、直線状の搬送路16を構成する。また、搬送機構15は、第1及び第2の搭載位置P1a,P1bのそれぞれと、第1及び第2のステージ11,12が照射領域Aを通過して照射領域Aに隣接する通過位置P2a,P2bとの間で、第1及び第2のステージ11,12を交互に搬送路16に沿って往復させる。
【0025】
また、退避機構17は、図1に示すように、第1及び第2の搭載位置P1a,P1bに隣接して配置されており、いわゆる産業用ロボットが用いられている。退避機構17は、各ステージ11,12を水平方向に搬送するためのアーム17aを有する。退避機構17は、一組の第1及び第2のステージ11,12が通過位置P2a,P2bに搬送されるときに、第1及び第2の搭載位置P1a,P1bに位置する一組の第1及び第2のステージ11,12を、通過位置P2a,P2bから離れた退避位置P3a,P3bに移動させる。
【0026】
そして、図2に示すように、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11と、通過位置P2bに位置する第2のステージ12の一部とが、同一平面上で重なる。同様に、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12と、通過位置P2aに位置する第1のステージ11の一部とが、同一平面上で重なる。このような位置関係で、第1及び第2のステージ11,12は、通過位置P2b(P2a)に対して搭載位置P1a(P1b)が配置されている。
【0027】
本実施形態では、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11は、水平面上において、通過位置P2bに位置する第2のステージ12の搬送方向における一端部に重なる。また、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12は、水平面上において、通過位置P2aに位置する第1のステージ11の搬送方向における一端部に重なる。すなわち、第1のステージ11における第1の搭載位置P1aが、第2のステージ12における通過位置P2bに近づけて配置されると共に、第2のステージ12における第2の搭載位置P1bが、第1のステージ11における通過位置P2aに近づけて配置されている。
【0028】
これを言い換えると、平面上において、搭載位置P1a,P1bに位置する各ステージ11,12と、照射ユニット10との間は、1つのステージ11(12)が占めるスペースよりも小さいことを意味する。この構成により、照射ユニット10に対して往復する各ステージ11,12の搬送距離が短縮されており、タクトタイムの長大化が抑制されると共に、設置スペースの増大が抑制されている。
【0029】
搭載位置P1a(P1b)に位置する一方のステージ11(12)と、通過位置P2b(P2a)に位置する他方のステージ12(11)とが重なる領域が大きい方が、搭載位置P1a(P1b)と照射領域Aとの間の搬送距離が短くなる。このため、タクトタイムの長大化を抑制し、設置スペースの増大を抑制する観点で好ましい。一方で、搭載位置P1a(P1b)に位置する一方のステージ11(12)と、通過位置P2b(P2a)に位置する他方のステージ12(11)とが重なる領域が少ない方が、ステージ11(12)が搭載位置P1a(P1b)から退避するために要する時間が短くなる。このため、ステージ11(12)を容易に退避させることができる。しかし、この場合、搭載位置P1a(P1b)と照射領域Aとの間の搬送距離が長くなるので、タクトタイムの長大化を抑制し、設置スペースの増大を抑制する観点では、得られる効果が少なくなる。したがって、搭載位置P1a(P1b)に位置する一方のステージ11(12)と、通過位置P2b(P2a)に位置する他方のステージ12(11)とが重なる領域は、ステージ11(12)が搭載位置P1a(P1b)から退避する速度等に応じて、適宜設定される。
【0030】
本実施形態では、搬送機構15と退避機構17とが独立した機構として構成されたが、搬送機構15が退避機構を兼ねるように構成されてもよい。この場合、搬送機構は、各ステージ11,12を往復搬送すると共に、搭載位置P1a,P1bと退避位置P3a,P3bとの間で各ステージ11(12)を往復搬送する。
【0031】
(偏光光の照射時の各ステージの動作)
以上のように構成された偏光光照射装置1について、照射ユニット10に対して第1及び第2のステージ11,12を搬送し、基板9に偏光光を照射する動作について説明する。
【0032】
まず、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11上に、基板9が搭載される。続いて、第1のステージ11は、搬送機構15によって照射ユニット10に向かって搬送され、照射領域Aを通過して通過位置P2aまで搬送される。次に、第1のステージ11は、通過位置P2aから第1の搭載位置P1aに向かって搬送され、照射領域Aを通過した通過位置P2aを通り、第1の搭載位置P1aに戻る。このように、第1のステージ11上の基板9の配向膜は、照射領域Aを往復することで所定量の偏光光が照射され、所望の光配向が行われる。
【0033】
一方、搬送機構15によって第1のステージ11が搬送されているとき、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12上に、基板9が搭載される。第1のステージ11が第1の搭載位置P1aに向かって搬送されたときに、所定のタイミングで、第2のステージ12は、搬送機構15によって照射ユニット10に向かって搬送され、照射領域Aを通過して通過位置P2bまで搬送される。
【0034】
このように、搬送機構15は、第1及び第2のステージ11,12を交互に往復搬送することで、第1のステージ11上の基板9の配向膜に偏光光を照射する動作と、第2のステージ12上の基板9の配向膜に偏光光を照射する動作とを連続的に行う。これにより、一方のステージ11(12)を搬送している間に、他方のステージ12(11)に対して基板9を搭載したり、基板9を取り外したりする作業が可能になり、タクトタイムの長大化が抑制されている。
【0035】
なお、第2のステージ12における通過位置P2bが、第1のステージ11における照射開始位置及び照射終了位置に相当している。同様に、第1のステージ11における通過位置P2aが、第2のステージ12における照射開始位置及び照射終了位置に相当している。
【0036】
そして、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11は、第2のステージ12が通過位置P2bに搬送されるときに、退避機構17によって第1の搭載位置P1aから退避位置P3aに退避させる。続いて、第2のステージ12が第2の搭載位置P1bに向かって搬送された後、退避機構17によって、第1のステージ11は、退避位置P3aから第1の搭載位置P1aに戻される。これによって、第1のステージ11は、第2の搭載位置P1bと通過位置P2bとの間で往復搬送される第2のステージ12との干渉を避けることができる。
【0037】
また同様に、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12は、第1のステージ11が通過位置P2aに搬送されるときに、退避機構17によって第2の搭載位置P1bから退避位置P3bに退避させる。続いて、第1のステージ11が第1の搭載位置P1aに向かって搬送された後、退避機構17によって、第2のステージ12は、退避位置P3bから第2の搭載位置P1bに戻される。
【0038】
なお、退避位置P3a,P3bから搭載位置P1a,P1bに戻る移動と、搭載位置P1a,P1bから照射領域Aに対して往復する移動は、各ステージ11,12を搭載位置P1a,P1bで一旦停止させることなく連続的に移行するように制御されてもよい。
【0039】
上述したように、本実施形態では、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11が、通過位置P2bに位置する第2のステージ12に同一平面上で重なるように、通過位置P2bに対して第1の搭載位置P1aが近づけられている。同様に、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12は、通過位置P2aに位置する第1のステージ11に同一平面上で重なるように、通過位置P2aに対して第1の搭載位置P1bが近づけられている。その結果、照射領域Aに対して往復する第1及び第2のステージ11,12の搬送距離が短縮されるので、タクトタイムの長大化が抑制される。
【0040】
(第1の実施形態の効果)
第1の実施形態は、搭載位置P1a,P1bと通過位置P2a,P2bとの間で各ステージ11,12を交互に搬送路16に沿って往復させる搬送機構15と、通過位置P2a,P2bから離れた退避位置P3a,P3bに移動させる退避機構17とを備える。搭載位置P1a(P1b)に位置する一方のステージ11(12)と、通過位置P2b(P2a)に位置する他方のステージ12(11)の一部とが、同一平面上で重なるように、通過位置P2b(P2a)に対して搭載位置P1a(P1b)が配置されている。これにより、照射ユニット10に対して往復する各ステージ11,12の搬送距離を短縮することが可能になる。その結果、タクトタイムの長大化を抑制すると共に、装置全体の設置スペースの増大を抑制することができる。
【0041】
また、第1の実施形態における第1及び第2のステージ11,12は、退避位置P3a,P3bが、搭載位置P1a,P1bと同一平面上に位置する。これにより、搬送機構15の簡素化が図られ、第1及び第2のステージ11,12上に基板9の位置ずれを抑制することが可能になる。
【0042】
なお、本実施形態では、第1及び第2のステージ11,12の両方が、第1及び第2の搭載位置P1a,P1bと通過位置P2a,P2bとが重なるように配置されたが、この構成に限定されるものではない。設置スペースや搬送動作の制御等の必要に応じて、第1及び第2のステージ11,12の少なくとも一方について、搭載位置に位置するステージと、通過位置に位置するステージとが重なるように配置されることで、上述したタクトタイムの長大化を抑制すると共に、装置全体の設置スペースの増大を抑制する効果が得られる。
【0043】
また、第1の実施形態における退避機構17は、第1及び第2のステージ11,12が往復搬送される搬送方向と同一方向に沿って退避位置P3a,P3bに移動させる。これにより、第1及び第2のステージ11,12は、退避位置P3a,P3bから円滑に搬送動作に移行することが可能になり、動作信頼性が高められ、タクトタイムの増大を抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態では、照射領域Aと、搭載位置P1a,P1bに位置する各ステージ11,12との間の領域は、1つのステージ11(12)の搭載面の大きさよりも小さくされている。このため、各ステージ11,12の搬送距離が短縮されており、タクトタイムの増大を抑制することができる。
【0045】
また、第1の実施形態では、第1及び第2の搭載位置P1a,P1bに位置する第1及び第2のステージ11,12が、第1及び第2のステージ11,12の搬送方向(搬送路16)に沿って退避位置P3a,P3bに移動するように構成された、この構成に限定されるものではない。例えば、設置スペースが制約される等の必要に応じて、第1及び第2の搭載位置P1a,P1bに位置する第1及び第2のステージ11,12を、第1及び第2のステージ11,12の搬送方向と交差する方向、すなわち図2における左右、斜め上向きに退避するように構成されてもよい。
【0046】
以下、他の実施形態の偏光光照射装置について図面を参照して説明する。なお、他の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部材には、第1の実施形態と同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
(第1の実施形態の変形例1)
図3は、第1の実施形態の変形例1に係る偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。第1の実施形態の変形例1は、通過位置P2a,P2bに対する搭載位置P1a,P1bの配置や、第1及び第2のステージ11,12が搭載位置P1a,P1bから退避する方向が、第1の実施形態と異なる。
【0048】
図3に示すように、第1の実施形態の変形例の偏光光照射装置2は、搭載位置P1a,P1bと通過位置P2a,P2bとの間で、第1及び第2のステージ11,12を交互に搬送路26に沿って往復させる搬送機構25を備える。搬送路26は、図3に示すように、長手方向の両端部が、通過位置P2a,P2bの間を結ぶ方向に対して、同一平面上で交差する方向に、例えば45度程度の角度をなして曲げられている。また、搬送路26の両端部は、通過位置P2a,P2bの間を結ぶ直線に対して、互いに同じ向きに曲げられている。搬送路26は、搬送機構25のガイド軸25aに沿って構成されている。
【0049】
そして、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11は、通過位置P2bに位置する第2のステージ12の角部に、同一平面上で重なるように、通過位置P2bに対して第1の搭載位置P1aが配置されている。また同様に、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12は、通過位置P2aに位置する第1のステージ11の角部に、同一平面上で重なるように、通過位置P2aに対して第2の搭載位置P1bが配置されている。これによって、照射ユニット10に対して往復する各ステージ11,12の搬送距離が短縮されている。
【0050】
(第1の実施形態の変形例1の効果)
第1の実施形態の変形例1においても、第1の実施形態と同様に、各ステージ11,12の搬送距離を短縮することが可能になるので、タクトタイムの増大化を抑制、及び設置スペースの増大を抑制する効果が得られる。
【0051】
(第1の実施形態の変形例2)
図4は、第1の実施形態の変形例2に係る偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。第1の実施形態の変形例2は、通過位置P2a,P2bに対する搭載位置P1a,P1bの配置や、第1及び第2のステージ11,12が搭載位置P1a,P1bから退避する方向が、第1の実施形態と異なる。
【0052】
図4に示すように、第1の実施形態の変形例2の偏光光照射装置3は、搭載位置P1a,P1bと通過位置P2a,P2bとの間で、第1及び第2のステージ11,12を交互に搬送路36に沿って往復させる搬送機構35を備える。搬送路36は、図4に示すように、長手方向の両端部が、通過位置P2a,P2bの間を結ぶ方向に対して、同一平面上で直交する方向に曲げられている。また、搬送路36の両端部は、通過位置P2a,P2bの間を結ぶ直線に対して、互いに同じ向きに曲げられている。搬送路36は、搬送機構35のガイド軸35aに沿って構成されている。
【0053】
そして、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11は、通過位置P2bに位置する第2のステージ12の端部に、同一平面上で重なるように、通過位置P2bに対して第1の搭載位置P1aが配置されている。また同様に、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12は、通過位置P2aに位置する第1のステージ11の端部に、同一平面上で重なるように、通過位置P2aに対して第2の搭載位置P1bが配置されている。これによって、照射ユニット10に対して往復する各ステージ11,12の搬送距離が短縮されている。
【0054】
(第1の実施形態の変形例2の効果)
第1の実施形態の変形例2においても、第1の実施形態と同様に、各ステージ11,12の搬送距離を短縮することが可能になるので、タクトタイムの増大化を抑制、及び設置スペースの増大を抑制する効果が得られる。
【0055】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る偏光光照射装置を模式的に示す側面図である。図6は、第4の実施形態に係る偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。第2の実施形態は、通過位置P2a,P2bに位置する各ステージ11,12に対して、搭載位置P1a,P1bに位置する各ステージ11,12全体が重なる点が、第1の実施形態と異なる。また、第2の実施形態は、第1及び第2のステージ11,12が搭載位置P1a,P1bから上下方向に対して退避する点が、第1の実施形態と異なる。
【0056】
図5及び図6に示すように、第2の実施形態の偏光光照射装置4は、搭載位置P1a,P1bと通過位置P2a,P2bとの間で、第1及び第2のステージ11,12を交互に搬送路46に沿って往復させる搬送機構45を備える。搬送路46は、図5に示すように、第1及び第2のステージ11,12を搬送させるガイドレール45aを有する。ガイドレール45aの両端部は、上方に向かって湾曲されて、搭載位置P1a,P1bから退避位置P3a,P3bまで延ばされている。また、搬送路46は、図6に示すように、各ステージ11,12の搭載面に対向する方向から見たとき、ガイドレール45aに沿って直線状に構成されている。
【0057】
そして、第2の実施形態の偏光光照射装置4では、搬送機構45によって、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11を退避位置P3aに移動させると共に、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12を退避位置P3bに移動させる。また、搬送機構45は、退避位置P3aに位置する第1のステージ11を第1の搭載位置P1aに戻すと共に、退避位置P3bに位置する第2のステージ12を第2の搭載位置P1bに戻す。したがって、本実施形態では、各ステージ11,12を往復動作させる搬送機構45が、各ステージ11,12を搭載位置P1a,P1bから退避位置P3a,P3bに退避させる退避機構を兼ねている。
【0058】
また、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11は、通過位置P2bに位置する第2のステージ12全体に、同一平面上で重なるように、通過位置P2bに対して第1の搭載位置P1aが配置されている。また同様に、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12は、通過位置P2aに位置する第1のステージ11全体に、同一平面上で重なるように、通過位置P2aに対して第2の搭載位置P1bが配置されている。これによって、照射ユニット10に対して往復する各ステージ11,12の搬送距離が更に短縮されている。
【0059】
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態は、搭載位置P1a,P1bに位置する各ステージ11,12が、通過位置P2a,P2bに位置する各ステージ11,12全体が重なるので、第1ないし第3の実施形態に比べて、各ステージ11,12の搬送距離が更に短縮される。その結果、更なるタクトタイムの増大化を抑制、及び更なる設置スペースの増大を抑制することができる。
【0060】
また、第2の実施形態における第1及び第2のステージ11,12の退避位置P3a,P3bが、搭載位置P1a,P1bと異なる平面上に位置する。これにより、水平方向に対する設置スペースを確保することが難しい場合に好ましく、水平方向である設置面内方向に対して設置スペースの増大を抑制することが可能になる。
【0061】
なお、第2の実施形態では、搭載位置P1a,P1bから各ステージ11,12が上方に向かって退避するように構成されたが、搭載位置P1a、P1bから各ステージ11,12が下方に向かって退避するように構成されてもよい。
【0062】
また、必要に応じて、第2の実施形態において、第1及び第2のステージ11,12の搭載位置P1a,P1bが、通過位置P2b,P2aから上方に離れた退避位置P3a,P3bと同一位置に設定されてもよい。これによって、ステージ11,12を搭載位置P1a,P1bから退避位置P3a,P3bまで退避させる移動を省くことが可能になる。
【0063】
また、第2の実施形態における搬送機構45は、各搭載位置P1a,P1bに位置する各ステージ11,12を上下方向に対して退避させるように構成されたが、第1の実施形態のように、各ステージ11,12を水平方向における所定の方向に退避させるように構成されてもよい。また、第1の実施形態において、各搭載位置P1a,P1bに位置する各ステージ11,12が上下方向に対して退避するように構成されてもよい。また、上下方向に退避させる退避機構よりも水平方向に退避させる退避機構の方が、構成が簡素化されると共に、各ステージ11,12に搭載された基板9の位置決め精度を容易に保つことができるので好ましい。
【0064】
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態に係る偏光光照射装置を模式的に示す側面図である。第3の実施形態は、搭載位置P1a,P1bに位置する第1及び第2のステージ11,12を上下方向に退避させる退避機構が、第2の実施形態と異なる。
【0065】
図7に示すように、第3の実施形態の偏光光照射装置5は、搭載位置P1a,P1bと通過位置P2a,P2bとの間で、第1及び第2のステージ11,12を交互に搬送路56に沿って往復させる搬送機構55を備える。搬送路56は、図7に示すように、第1及び第2のステージ11,12を搬送させるガイド軸55aを有する。搬送路56は、ガイド軸55aに沿って直線状に構成されている。
【0066】
また、第3の実施形態の偏光光照射装置5は、第1及び第2のステージ11,12を通過位置P2a,P2bから離れた退避位置P3a,P3bに移動させる退避機構57を備える。退避機構57は、図7に示すように、第1及び第2の搭載位置P1a,P1bに隣接して配置されており、いわゆる産業用ロボットが用いられている。退避機構57は、各ステージ11,12を上下方向に搬送するためのアーム57aを有する。
【0067】
そして、退避機構57は、第1及び第2のステージ11,12が通過位置P2a,P2bに搬送されるときに、第1及び第2の搭載位置P1a,P1bに位置する第1及び第2のステージ11,12を退避位置P3a,P3bに移動させる。また、退避機構57は、退避位置P3aに位置する第1のステージ11を第1の搭載位置P1aに戻すと共に、退避位置P3bに位置する第2のステージ12を第2の搭載位置P1bに戻す。
【0068】
また、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11は、通過位置P2bに位置する第2のステージ12全体に、同一平面上で重なるように、通過位置P2bに対して第1の搭載位置P1aが配置されている。また同様に、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12は、通過位置P2aに位置する第1のステージ11全体に、同一平面上で重なるように、通過位置P2aに対して第2の搭載位置P1bが配置されている。これによって、照射ユニット10に対して往復する各ステージ11,12の搬送距離が更に短縮されている。
【0069】
(第3の実施形態の効果)
第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、第1および第2の実施形態と比べて更なるタクトタイムの長大化を抑制、及び更なる設置スペースの増大を抑制することができる。
【0070】
また、第3の実施形態においては、搬送路56が同一平面上に構成され、すなわち、搬送路56が搬送機構55のみで構成されているにも拘わらず、各ステージ11,12を上下方向に搬送することができる。このため、搬送機構55に各ステージ11,12を上下方向に搬送する機構を組み込む必要が無いので、搬送機構55が複雑化することを抑制することができる。
【0071】
(第4の実施形態)
図8は、第4の実施形態に係る偏光光照射装置を模式的に示す平面図である。第4の実施形態は、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12が、通過位置P2aに位置する第1のステージ11に重ならない点が、第1の実施形態と異なる。すなわち、第4の実施形態では、第1及び第2のステージ11,12のうち、第2の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11側のみが、通過位置P2bに位置する第2のステージ11に重なる。
【0072】
図8に示すように、第4の実施形態の偏光光照射装置6は、搭載位置P1a,P1bと通過位置P2a,P2bとの間で、第1及び第2のステージ11,12を交互に搬送路66に沿って往復させる搬送機構65を備える。搬送路66は、図8に示すように、第1及び第2のステージ11,12を搬送させるガイド軸65aを有する。搬送路66は、ガイド軸65aに沿って直線状に構成されている。
【0073】
また、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11は、通過位置P2bに位置する第2のステージ12の一部に、同一平面上で重なるように、通過位置P2bに対して第1の搭載位置P1aが配置されている。したがって、第4の実施形態における第1のステージ11側の構成は、第1の実施形態と同様に構成されている。図示しないが、第1の搭載位置P1aに隣接する位置には、第1の搭載位置P1aに位置する第1のステージ11を退避位置P3aに退避させる退避機構が設けられている。
【0074】
一方、第2の搭載位置P1bに位置する第2のステージ12は、通過位置P2aに位置する第1のステージ11と同一平面上で重ならずに隣接するように、通過位置P2aに対して第2の搭載位置P1bが配置されている。これによって、第4の実施形態の偏光光照射装置6では、第2のステージ12を退避させる退避機構が省かれている。また、第4の実施形態の偏光光照射装置6では、照射ユニット10に対して往復する第1のステージ11の搬送距離が、第2のステージ12の搬送距離よりも短縮されている。
【0075】
(第4の実施形態の効果)
第4の実施形態では、第2のステージ12の第2の搭載位置P1bと、照射ユニット10との間に、通過位置P2aに位置する第1のステージ11が配置されるスペースを有する。このため、第4の実施形態では、第1のステージ11の搬送距離に比べて、第2のステージ12の搬送距離が長くなり、第1の実施形態よりもタクトタイムが遅くなる。しかし、第6の実施形態は、第2のステージ12を退避位置に移動させる必要がないので、第1の実施形態と比べて、第2のステージ12の退避機構を削減することができる。
【0076】
また、第4の実施形態においても、第1ないし第3の実施形態と同様に、タクトタイムの長大化を抑制及び設置スペースの増大を抑制する効果が得られる。
【0077】
なお、本実施形態における退避機構は、ステージを上下方向に搬送するために、産業用ロボットやガイドレールが用いられたが、他の昇降機構や、ステージを吊り下げて搬送する機構等が用いられてもよい。
【0078】
また、退避機構としては、通過位置に移動した第1のステージに連動して、搭載位置に位置した第2のステージを退避位置に移動させる構成が採られてもよい。退避機構として、例えば、通過位置に移動した第1のステージによって第2のステージが押し込まれることで、第2のステージが退避位置に移動する構成や、第2のステージの厚み方向が回転軸回りに回動する機構が採られてもよい。このような退避機構によれば、機構や制御の簡素化を図ることができる。
【0079】
また、第1のステージ及び第2のステージは、第1の搭載位置P1及び第2の搭載位置P2で対象物を搭載後、位置出しを行う、いわゆるアライメント機構を有していてもよい。
【0080】
また、第1のステージ及び第2のステージには、複数のピンや可動部が設けられており、複数のピンや可動部が昇降することにより対象物を第1のステージ及び第2のステージに搭載する搭載機構を有していてもよい。
【0081】
上述した各実施形態では、1つの照射ユニット10のみを有して構成されたが、この構成に限定するものではない。例えば、複数の照射ユニット10が、第1及び第2のステージの搬送方向に沿って所定の間隔をあけて配置されてもよい。この場合、照射領域Aは、複数の照射ユニット10の直下のみならず、一端側に配置された照射ユニット10の最下面の開口の一端から、他端側に配置された照射ユニット10の最下面の開口の他端までの間の領域としてもよい。
【0082】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、本発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0083】
1 偏光光照射装置
9 基板
10 照射ユニット
10a 光源
11 第1のステージ
12 第2のステージ
15 搬送機構
15a ガイド軸
16 搬送路
17 退避機構
A 照射領域
P1a 第1の搭載位置
P1b 第2の搭載位置
P2a,P2b 通過位置
P3a,P3b 退避位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8