特許第6459742号(P6459742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星ダイヤモンド工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6459742-基板移送装置 図000002
  • 特許6459742-基板移送装置 図000003
  • 特許6459742-基板移送装置 図000004
  • 特許6459742-基板移送装置 図000005
  • 特許6459742-基板移送装置 図000006
  • 特許6459742-基板移送装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6459742
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】基板移送装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20190121BHJP
   B65G 49/06 20060101ALI20190121BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   B65G49/06 Z
   G02F1/13 101
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-84695(P2015-84695)
(22)【出願日】2015年4月17日
(65)【公開番号】特開2016-25344(P2016-25344A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2018年3月26日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0093687
(32)【優先日】2014年7月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390000608
【氏名又は名称】三星ダイヤモンド工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】柳 俊圭
【審査官】 井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−249248(JP,A)
【文献】 実開平7−19236(JP,U)
【文献】 特開2001−261141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 49/06
G02F 1/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を第1の位置空間部(A)から第2の位置空間部(B)に移送させるように複数の第1の固定回転体(10)に架けられて回転移動するコンベヤーベルト(20)と、
前記第1の位置空間部(A)と第2の位置空間部(B)の間に配置され、前記コンベヤーベルト(20)の前記基板が載置される上部ベルトを下方へ押し下げた時には前記上部ベルトと対向する下部ベルトも下降し、かつ、前記下部ベルトを上方へ押し上げた時には前記上部ベルトも上昇するように形成されたベルト回転駆動手段と、
前記下部ベルトの内側に架かるように配置され、前記上部ベルト及び前記下部ベルトの下降及び上昇時に移動が固定され、前記上部ベルト及び下部ベルトの下降及び上昇距離に応じて回転されるように装着された第2の固定回転体(60)と、
を含むことを特徴とする基板移送装置。
【請求項2】
前記ベルト回転駆動手段は、
前記下部ベルトと当接した状態で前記下部ベルトを上昇または下降させるように装着された下部側押し付け部(40)と、
該下部側押し付け部(40)の上方かつ前記上部ベルトの外側に配置され、前記上部ベルトを前記下部側押し付け部(40)の方へ押し付ける上部側押し付け部(30)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板移送装置。
【請求項3】
前記ベルト回転駆動手段は、昇下降手段を含み、該昇下降手段は、シリンダ、ボールスクリュー又はリニアモータのうちいずれか1つによって構成されることを特徴とする請求項2に記載の基板移送装置。
【請求項4】
前記下部側押し付け部(40)及び上部側押し付け部(30)は、ローラであることを特徴とする請求項2に記載の基板移送装置。
【請求項5】
前記コンベヤーベルト(20)の回転移動を停止させるストッパーを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板移送装置。
【請求項6】
前記ストッパーは、前記コンベヤーベルト(20)上の前記第1の位置空間部(A)及び前記第2の位置空間部(B)にそれぞれ装着されていることを特徴とする請求項5に記載の基板移送装置。
【請求項7】
前記下部側押し付け部(40)及び前記上部側押し付け部(30)は、それぞれ互いに対向する位置にローラが水平方向に2つ以上装着されていることを特徴とする請求項4に記載の基板移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板移送装置に関するものであって、更に詳しくは、液晶表示装置の表示パネルに使用されるガラス基板等に損傷を与えずに次の工程に円滑に移送することができる基板移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置等の表示パネルは、脆性材料であるガラス基板を使用して形成されている。一対のガラス基板を適当な間隔を置いて貼り合わせ、その間に液晶を封入することにより表示パネルとなる。
【0003】
このような表示パネルを製造する時には、マザーガラス基板を貼り合わせた貼り合わせマザー基板を分断することにより、貼り合わせマザー基板から複数の表示パネルを作る加工がなされている。このような貼り合わせマザー基板を分断するための基板分断装置が、韓国公開特許公報第2006−0125915号(以下、特許文献1という)に開示されている。
【0004】
図1は、特許文献1の図32に示された基板分断装置の主要構成を概略的に示す斜視図である。
【0005】
図1を参照すると、基板切断システム200は、位置決めユニット部220、スクライブユニット部240、ブレイクコンベヤー部260、スチームブレイクユニット部280、パネル反転ユニット部320、及びパネル端子分離部340を具備している。
【0006】
位置決めユニット部220が配置されている側を基板搬入側、パネル端子分離部340が配置されている側を基板搬出側とすると、基板は、基板搬入側の位置決めユニット部220に供給された後、スクライブユニット部240、ブレイクコンベヤー部260、スチームブレイクユニット部280、パネル反転ユニット部320、及びパネル端子分離部340に沿って順次移送されながら基板分断作業が行われ、その後、基板搬出側に移送される。
【0007】
すなわち、設置台230上に設置された位置決めユニット部220に供給された基板は、位置決めユニット部220に形成された複数の基板支持ユニット(不図示)の上に載置され、基板支持ユニットに設置されたベルト(不図示)の上で基板の位置が決められた後、ベルトの回転動作により次の段階であるスクライブユニット部240に移送される。
【0008】
一方、スクライブユニット部240は、設置台250上にX方向に沿って設置された分断装置ガイド体242と、この分断装置ガイド体242を間に挟んでY方向に沿って配置される第1の基板支持ユニット部241A及び第2の基板支持ユニット部241Bを有する。また、第1の基板支持ユニット部241Aの第1の基板支持ユニット244Aと第2の基板支持ユニット部241Bの第2の基板支持ユニット244Bは、それぞれフレーム243A及びフレーム243Bに対して平行に配置される。
【0009】
この場合、位置決めユニット部220からスクライブユニット部240に移送された基板は、第1の基板支持ユニット部241Aの第1の基板支持ユニット244Aに載置され、クランプ装置251によりクランプされる。その後、第1の基板支持ユニット244Aに設置されたベルトを回転移動させると同時にクランプ装置251をY方向に移動させることにより、基板が切断装置ガイド体242を通じてスクライブされ、スクライブされた基板は、第2の基板支持ユニット部241Bの第2の基板支持ユニット244Bに移送される。
【0010】
第2の基板支持ユニット244Bに移送された基板は、第2の基板支持ユニット244Bに設置されたベルトを回転移動させることにより、第2の基板支持ユニット244Bのベルトと離隔して設置されたブレイクコンベヤー部260のベルト261に移送され、その後、スチームブレイクユニット部280により基板が完全に分断され、基板移送ユニット部300、パネル反転ユニット部320、及びパネル端子分離部340を経てロボット等により基板搬出側へ搬出される。
【0011】
通常、スクライブ作業が完了して第2の基板支持ユニット244Bのベルト上に移送された基板は、第2の基板支持ユニット244Bのベルトの回転移動によりブレイクコンベヤー部260に移送される。ブレイクコンベヤー部260への移送が完了した基板は、ブレイクコンベヤー部260のベルトの回転移動が停止した状態で、スチームブレイクユニット280によりブレイクされた後、ピックアップロボット等によりピックアップされて排出される。また、ブレイクコンベヤー部260のベルトの回転移動が停止した状態でも、基板のスクライブのため、スクライブユニット部240を構成する第1の基板支持ユニット244A及び第2の基板支持ユニット244Bのベルトは引き続き回転移動するように制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国公開特許公報第2006−0125915号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、このような従来の基板分断装置では、スクライブされた基板がスクライブユニット部240からブレイクコンベヤー部260に移送される時、更に具体的には、第2の基板支持ユニット244Bのベルトからブレイクコンベヤー部260に移送される時、第2の基板支持ユニット244Bのベルトとブレイクコンベヤー部260のベルトの間で乗り換えが起こるため、第2の基板支持ユニット244Bとブレイクコンベヤー部260の間でダミー(dummy)ガラスが落下したり、基板が割れるガラスチッピング(glass chipping)等が発生するようになる。このような乗り換えによる問題点について図2を参照し、更に具体的に説明する。
【0014】
図2は、従来の基板分断装置を利用して基板をスクライブした後、スクライブユニット部からピックアップコンベヤー部へ基板が移送される過程を概略的に示した図面である。図2で、符号100は、基板搬入側から移送された基板を受け取って位置決め及び/又は旋回を行う給材部、符号110と120は、それぞれ上流側スクライブ部及び下流側スクライブ部、そして符号130は、分断された基板をロボット等によりピックアップして排出するピックアップコンベヤー部を示す。
【0015】
図2を参照すると、基板把持機構114に把持された基板は、上流側スクライブ部110と下流側スクライブ部120の間を往復移動しながら、スクライブビーム116に設置されたスクライブヘッド118に接触してスクライブされる。そして、下流側スクライブ部120のベルト上に載置されたスクライブ済みの基板102aは、ピックアップコンベヤー部130のベルト135に移送される。
【0016】
ところが、下流側スクライブ部120のベルトとピックアップコンベヤー部130のベルト135の間には乗り換え部が存在するため、基板102aが102bの位置に移送される時、基板102aからダミーガラスが落下する場合がある。
【0017】
また、基板102aが下流側スクライブ部120からピックアップコンベヤー部130上に乗り換える時、基板102aにうねりが発生するようになり、これにより基板102aのスクライブされた部分同士が互いに衝突して基板の一部分が割れるガラスチッピングが発生するようになる。たとえ、下流側スクライブ部120とピックアップコンベヤー部130の地面からの高さを同一に設計しても、実際には高さが微妙に異なるか、又は2つのうちいずれか一方が傾斜するように設置されるので、ガラスチッピングが発生するようになる。特に最近は、薄型化された基板を処理する場合が多いため、このような問題は更に深刻になる。
【0018】
本発明は、前述のような問題点を解決するために創出されたものであって、その目的は、コンベヤーの乗り換えに起因する問題点を防止し、スクライブされた基板に損傷を与えずに基板を次の段階まで移送することができる基板移送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前述の目的を達成するために、本発明の一実施形態による基板移送装置は、基板を第1の位置空間部(A)から第2の位置空間部(B)に移送させるように複数の第1の固定回転体(10)に架けられて回転移動するコンベヤーベルト(20)と、前記第1の位置空間部(A)と第2の位置空間部(B)の間に配置され、前記コンベヤーベルト(20)の前記基板が載置される上部ベルトを下方へ押し下げた時には前記上部ベルトと対向する下部ベルトも下降し、かつ、前記下部ベルトを上方へ押し上げた時には前記上部ベルトも上昇するように形成されたベルト回転駆動手段と、前記下部ベルトの内側に架かるように配置され、前記上部ベルト及び前記下部ベルトの下降及び上昇時に移動が固定され、前記上部ベルト及び下部ベルトの下降及び上昇距離に応じて回転されるように装着された第2の固定回転体(60)と、を含む。
【0020】
ここで、ベルト回転駆動手段は、前記下部ベルトと当接した状態で前記下部ベルトを上昇または下降させるように装着された下部側押し付け部(40)と、該下部側押し付け部(40)の上方かつ前記上部ベルトの外側に配置され、前記上部ベルトを前記下部側押し付け部(40)の方へ押し付ける上部側押し付け部(30)と、を含み得る。
【0021】
また、前記ベルト回転駆動手段は、昇下降手段を含み、該昇下降手段は、シリンダ、ボールスクリュー又はリニアモータのうちいずれか1つによって構成され得る。
【0022】
また、前記下部側押し付け部(40)及び上部側押し付け部(30)は、ローラであり得る。
【0023】
また、前記コンベヤーベルト(20)の回転移動を停止させるストッパーを有することもできる。
【0024】
該ストッパーは、前記コンベヤーベルト(20)上の前記第1の位置空間部(A)及び前記第2の位置空間部(B)にそれぞれ装着され得る。
【0025】
また、前記下部側押し付け部(40)及び前記上部側押し付け部(30)は、それぞれ互いに対向する位置にローラが水平方向に2つ以上装着され得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、スクライブされた脆性材料基板を次の工程に移送する時に基板に損傷を与えずに円滑に移送させることができるだけではなく、簡単な構造によりベルトを作動させて移送させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来の基板分断装置を示す図面である。
図2】従来の基板分断装置で基板の移送状態を示す図面である
図3】本発明の基板移送装置を示す図面である。
図4】本発明の基板移送装置の構成を概略的に示した図面である。
図5】本発明の基板移送装置の作動状態での第1の位置空間部Aのコンベヤーベルトの動きを示す図面である
図6】本発明の基板移送装置の作動状態で第2の位置空間部Bのコンベヤーベルトの動きを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態による基板移送装置について詳しく説明する。しかし、本発明は色々な異なる形態で具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。図面において、本発明を簡単明瞭に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて同一又は類似する構成要素については同一の参照符号を付した。
【0029】
図3及び図4を参照すると、第1の位置空間部A及び第2の位置空間部Bに渡って移動するようにコンベヤーベルト20が設けられる。
【0030】
コンベヤーベルト20は、従来のように第1の位置空間部A及び第2の位置空間部Bにそれぞれ設置されて別個に回転される方式ではなく、第1の位置空間部A及び第2の位置空間部Bで連続的に移動され得るように一体に連結されている。
【0031】
コンベヤーベルト20が曲がる部分には、コンベヤーベルト20の移動が円滑になるように複数の第1の固定回転体10が設置されている。
【0032】
第1の位置空間部A及び第2の位置空間部Bの間は、互いに多少離れている。
【0033】
第1の位置空間部Aから第2の位置空間部Bへ基板を移送させるため、第1の位置空間部Aと第2の位置空間部Bの間にベルト回転駆動手段が具備される。
【0034】
ベルト回転駆動手段は、コンベヤーベルト20の基板が置かれる上部ベルトと該上部ベルトと対向するコンベヤーベルト20の下部ベルトを同一方向に昇下降させるように形成されている。
【0035】
また、ベルト回転駆動手段がコンベヤーベルト20を押し下げたり押し上げたりする時に、その押し下げ又は押し上げ距離に応じて回転する第2の固定回転体60が下部ベルトに一定間隔離れた状態で装着されている。
【0036】
ベルト回転駆動手段は、コンベヤーベルト20を作動させて基板を移送させるために、コンベヤーベルト20の上部ベルト外側に配置されてコンベヤーベルト20の上部ベルトを下方へ押し付ける上部側押し付け部30と、コンベヤーベルト20の下部ベルト外側に配置されて常にコンベヤーベルト20の下部ベルト外面に当接した状態でコンベヤーベルト20の下部ベルトを支持する下部側押し付け部40を含む。
【0037】
下部側押し付け部40は、上部側押し付け部30と鉛直方向に同一線上に位置され、コンベヤーベルト20の上部ベルトと下部ベルトが昇下降する時、下部側押し付け部40と上部側押し付け部30は一体で移動するように装着される。
【0038】
ベルト回転駆動手段には、コンベヤーベルト20を1つの駆動装置のみで押し下げ及び押し上げるように昇下降手段が追加で装着され、当該昇下降手段は、シリンダ、ボールスクリュー又はリニアモータ等を使用することができることは勿論である。しかし、本発明の昇下降手段は、これに限定されるものではなく、コンベヤーベルト20を駆動させることができる装置なら構わないことは勿論である。
【0039】
下部側押し付け部40及び上部側押し付け部30は、コンベヤーベルト20との摩擦を減らし、コンベヤーベルト20が円滑に作動されることができるようにローラを含むことができる。本実施例では、下部側押し付け部40及び上部側押し付け部30のそれぞれ互いに対向する位置にローラが水平方向に2つ装着されている。
【0040】
また、ベルト回転駆動手段の作動によりコンベヤーベルト20を押し下げたり押し上げたりする時に、第1の位置空間部A及び第2の位置空間部Bに位置するコンベヤーベルト20の全長が変わらないようにするため、コンベヤーベルト20の移動を阻止するストッパーが追加で装着される。
【0041】
次に、上述のように構成された本発明の基板移送装置の動作を図面を参照して具体的に説明する。
【0042】
図3乃至図5を参照すると、本発明の基板移送装置において、第1の位置空間部Aのコンベヤーベルト20上に基板が置かれた状態で第2の位置空間部B側へ基板(不図示)を移送するため、第2の位置空間部Bに設置されているストッパー70bを作動させ、コンベヤーベルト20を第2の位置空間部B側では動かないように固定させる。
【0043】
第2の位置空間部Bでストッパー70bが図5に示されたように下降作動すると、第2の位置空間部Bのコンベヤーベルト20は、ストッパー70bにより移動されないように固定される反面、第1の位置空間部Aのコンベヤーベルト20は、図5に示すように矢印方向に自由に移動できる状態になる。
【0044】
この時、第1の位置空間部A及び第2の位置空間部Bの間に装着されたベルト回転駆動手段を下降移動させる。
【0045】
ベルト回転駆動手段が下降すると、前記ベルト回転駆動手段の上部側押し付け部30は、コンベヤーベルト20の上部ベルトを図5に示すように下方へ押し付けながら下降する。
【0046】
上部側押し付け部30の下降と同時に下部側押し付け部40もコンベヤーベルト20の下部ベルト外側と当接した状態で下降する。
【0047】
上部側押し付け部30及び下部側押し付け部40が昇下降運動するのに対し、下部側押し付け部40の下方でコンベヤーベルト20が架けられる第2の固定回転体60は高低位置において変化がない。
【0048】
すなわち、第2の固定回転体60は、コンベヤーベルト20が架けられて回転することのみを助け、高低位置は固定され変更されない。
【0049】
コンベヤーベルト20が架けられる第2の固定回転体60は、図4に示すように、昇下降作動される下部側押し付け部40とは千鳥状に連結される。
【0050】
すなわち、第2の固定回転体60a、60dがコンベヤーベルト20の内面に当接して架かるように同一線上に一定間隔を置いて装着されており、下部側押し付け部40は、第2の固定回転体60a、60dとは逆にコンベヤーベルト20の外面に当接するように装着されて作動される。
【0051】
第2の固定回転体60a、60dの間に別の第2の固定回転体60b、60cを装着して下部側押し付け部40と千鳥状に連結すると、コンベヤーベルト20の移動距離を増加させることができる。
【0052】
下部側押し付け部40と第2の固定回転体60との位置が近くなるように下部側押し付け部40が移動されると、下部側押し付け手段40と一体装着されて駆動する上部側押し付け部30によりコンベヤーベルト20の上部ベルトも同時に押し付けられて下降する。
【0053】
この時、第2の位置空間部B上に装着されているストッパー70bが第2の位置空間部B側に位置されているコンベヤーベルト20の移動を固定させているので、コンベヤーベルト20が下降することにより、図5に示すように、第1の位置空間部Aのコンベヤーベルト20が第2の位置空間部B側に移動される。
【0054】
したがって、第1の位置空間部Aのコンベヤーベルト20上に置かれていた基板は、第2の位置空間部B側のコンベヤーベルト20上に移送される。
【0055】
このように、上部側押し付け部30がコンベヤーベルト20を押し下げる役割をするので、コンベヤーベルト20が下方へ押し下げられた分だけコンベヤーベルト20が図5の矢印方向に引っ張られ、同時に下部側押し付け部40が、上部側押し付け部30により引っ張られた長さ分だけ下降しながらコンベヤーベルト20を緩める役割をする。
【0056】
すなわち、下部側押し付け部40は、コンベヤーベルト20の下部ベルト外面に当接して支持し、上部側押し付け部30は、コンベヤーベルト20の上部ベルト外面を下方へ押し下げながら移動する。このような上部側押し付け部30及び下部側押し付け部40の下降動作により、第1の位置空間部Aのコンベヤーベルト20が引っ張られながら移動され、コンベヤーベルト20上に置かれていた基板は、第2の位置空間部B側に移動される。
【0057】
第2の位置空間部Bのコンベヤーベルト20に移送された基板を第2の位置空間部Bの進行方向へ引き続き移送させるためには、下降していたストッパー70bを上昇させて、第1の位置空間部A上に装着されている別のストッパー70aを下降させ、第1の位置空間部Aのコンベヤーベルト20が回転移動されないように固定させる。
【0058】
そして、ストッパー70aにより第1の位置空間部Aのコンベヤーベルト20の回転が停止された状態で、下降していた下部側押し付け部40及び上部側押し付け部30を図6に示すように上昇させる。
【0059】
図6に示すように、一体で装着されている下部側押し付け部40及び上部側押し付け部30を上昇させると、下部側押し付け部40が第2の位置空間部Bのコンベヤーベルト20を引っ張りながら上昇する。
【0060】
したがって、第2の位置空間部Bのコンベヤーベルト20は矢印方向に移動される。
【0061】
具体的に、下部側押し付け部40は、第2の位置空間部Bのコンベヤーベルト20を引っ張りながら上昇し、上部側押し付け部30は、同時に上昇しながらコンベヤーベルト20を緩めるので、コンベヤーベルト20が図6の矢印方向に移動される。
【0062】
コンベヤーベルト20の下部側押し付け部40と第2の固定回転体60との距離が最も近くなるか、又は最も遠くなった場合、コンベヤーベルト20上に載置された基板の移動距離は最大となる。
【0063】
すなわち、下部側押し付け部40及び第2の固定回転体60の距離は、コンベヤーベルト20の移動距離を決めるようになる。
【0064】
本発明は特に、コンベヤーベルト20を移動させる上部側押し付け部30及び下部側押し付け部40を一体で作動させることができ、構造が極めて簡単である。
【0065】
また、上部側押し付け部30及び下部側押し付け部40を一体で昇下降だけさせれば良いので、直線運動をさせることができる昇下降手段としてシリンダ、ボールスクリュー又はリニアモータ等を利用して簡単に駆動させることができ、製作が極めて簡単であり小型化させることができる。
【0066】
本発明の基板移送装置は、基板等を切断する装置等に限定せずにその他の物品等を移送させることができる装置等に適用することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0067】
A 第1の位置空間部
B 第2の位置空間部
10 第1の固定回転体
20 コンベヤーベルト
30 上部側押し付け部
40 下部側押し付け部
60、60a、60b、60c、60d 第2の固定回転体
70a、70b ストッパ
図1
図2
図3
図4
図5
図6