特許第6459810号(P6459810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6459810
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】洗車機及び洗車方法
(51)【国際特許分類】
   B60S 3/04 20060101AFI20190121BHJP
   B60S 3/06 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   B60S3/04
   B60S3/06
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-137902(P2015-137902)
(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公開番号】特開2017-19375(P2017-19375A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2017年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 伸浩
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−184535(JP,A)
【文献】 特開平11−059341(JP,A)
【文献】 特開2005−313839(JP,A)
【文献】 特開2008−290550(JP,A)
【文献】 特開2004−001598(JP,A)
【文献】 特開2010−269618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 3/00 − 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄車両に対して前後方向に移動する洗車機本体と、洗車条件を入力する入力部を有して前記洗車機本体に対する進入経路上に沿って設置されるリモートパネルと、前記洗車機本体に昇降可能に配して所定の退避位置から案内位置に下降して被洗浄車両を洗車開始位置に案内する表示部とを備えた洗車機であって、
前記リモートパネルをユーザが所望する高さに昇降可能に形成するとともに、被洗浄車両を前記洗車開始位置に案内する際に前記案内位置の表示部の高さを前記リモートパネルの高さに基づいて可変したことを特徴とする洗車機。
【請求項2】
被洗浄車両が前記洗車開始位置を超えて過進入した際に、前記表示部により過進入を報知するとともに、前記表示部を前記退避位置に上昇させることを特徴とする請求項1に記載の洗車機。
【請求項3】
過進入した被洗浄車両が後退して前記洗車開始位置に配された際に前記表示部を前記案内位置に下降させることを特徴とする請求項2に記載の洗車機。
【請求項4】
前記洗車機本体の周囲の明るさを検出する明暗センサを備え、
前記明暗センサの検出結果が所定の明るさよりも暗い時に明るい時よりも前記案内位置の前記表示部の高さを上方に配したとともに、前記表示部の照度を低くしたことを特徴とする請求項1〜3に記載の洗車機。
【請求項5】
被洗浄車両の上面に送風するトップ送風ノズルと、前記トップ送風ノズルを昇降させる昇降装置を備え、前記トップ送風ノズルに前記表示部を設置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の洗車機。
【請求項6】
被洗浄車両を洗浄する回転ブラシと、被洗浄車両を乾燥させる送風ノズルと、前記回転ブラシと前記送風ノズルとの間に配されて前記回転ブラシの飛水を防止する飛水防止部と、前記飛水防止部を昇降させる昇降装置とを備え、前記飛水防止部に前記表示部を設置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の洗車機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄車両を洗車開始位置に案内する表示部を備えた洗車機及び洗車方法に関する。
【背景技術】
【0002】
給油所等に設置される従来の洗車機は特許文献1に開示されている。この洗車機は被洗浄車両に対して前後方向に移動させる洗車機本体を備えている。洗車機本体は左右の対向する2つのスタンド部と、スタンド部の上端を連結する天井部とを有して被洗浄車両を跨いで門型に形成される。
【0003】
洗車機本体には洗浄部、乾燥部及び検知部が設けられている。洗浄部は被洗浄車両の側面や上面を洗浄する回転ブラシを備えている。乾燥部は空気を被洗浄車両に送風して被洗浄車両を乾燥させ、被洗浄車両の上面に送風するトップ送風ノズルを備えている。
【0004】
トップ送風ノズルは上下方向に昇降可能に形成され、トップ送風ノズルには被洗浄車両を洗浄開始位置に案内する表示部が設けられる。表示部はトップ送風ノズルの中央の上部に配した報知ランプと、トップ送風ノズルの前面に記された「ランプの点灯で停止して下さい」等のメッセージとを有している。検知部は洗車機本体へ向かって移動する被洗浄車両を検知する。
【0005】
上記構成の洗車機において、前回の洗車が終了すると、トップ送風ノズルは下降して所定の高さの案内位置に配される。ユーザが被洗浄車両を洗車機本体に向って洗浄開始位置まで移動させると、検知部の検知によって報知ランプが点灯する。報知ランプの点灯に気づいたユーザは被洗浄車両の移動を停止する。これにより、被洗浄車両が洗車開始位置に配される。
【0006】
洗車開始位置に被洗浄車両が停止すると、トップ送風ノズルが案内位置から上方に退避し、洗浄部による洗浄が開始される。洗浄部による洗浄に続き、乾燥部により空気を被洗浄車両に送風して被洗浄車両を乾燥させる。そして、被洗浄車両が退出すると、トップ送風ノズルが再び案内位置まで下降する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−59341 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の洗車機によると、被洗浄車両によって運転席の高さが異なるため、案内位置のトップ送風ノズル上の表示部による報知をユーザが見落とす場合がある。これにより、被洗浄車両が洗車開始位置を超えて過進入する場合が多くなり、洗車機の利便性が低い問題があった。
【0009】
本発明は、表示部をユーザに見え易くして利便性を向上できる洗車機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、被洗浄車両に対して前後方向に移動する洗車機本体と、洗車条件を入力する入力部を有して前記洗車機本体に対する進入経路上に沿って設置されるリモートパネルと、前記洗車機本体に昇降可能に配して所定の退避位置から案内位置に下降して被洗浄車両を洗車開始位置に案内する表示部とを備えた洗車機であって、前記リモートパネルをユーザが所望する高さに昇降可能に形成するとともに、被洗浄車両を前記洗車開始位置に案内する際に前記案内位置の表示部の高さを前記リモートパネルの高さに基づいて可変したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は上記構成の洗車機において、被洗浄車両が前記洗車開始位置を超えて過進入した際に、前記表示部により過進入を報知するとともに、前記表示部を前記退避位置に上昇させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は上記構成の洗車機において、過進入した被洗浄車両が後退して前記洗車開始位置に配された際に前記表示部を前記案内位置に下降させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記洗車機本体の周囲の明るさを検出する明暗センサを備え、前記明暗センサの検出結果が所定の明るさよりも暗い時に明るい時よりも前記案内位置の前記表示部の高さを上方に配したとともに、前記表示部の照度を低くしたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は上記構成の洗車機において、被洗浄車両の上面に送風するトップ送風ノズルと、前記トップ送風ノズルを昇降させる昇降装置とを備え、前記トップ送風ノズルに前記表示部を設置したことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は上記構成の洗車機において、被洗浄車両を洗浄する回転ブラシと、被洗浄車両を乾燥させる送風ノズルと、前記回転ブラシと前記送風ノズルとの間に配されて前記回転ブラシの飛水を防止する飛水防止部と、前記飛水防止部を昇降させる昇降装置とを備え、前記飛水防止部に前記表示部を設置したことを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するために本発明は、被洗浄車両に対して前後方向に移動する洗車機本体と、洗車条件を入力する入力部を有して前記洗車機本体に対する進入経路上に沿って設置されるリモートパネルと、前記洗車機本体に昇降可能に配して所定の退避位置から案内位置に下降して被洗浄車両を洗車開始位置に案内する表示部とを備えた洗車方法であって、前記リモートパネルをユーザが所望する高さに昇降可能に形成するとともに、被洗浄車両を前記洗車開始位置に案内する際に前記案内位置の表示部の高さを前記リモートパネルの高さに基づいて可変したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、リモートパネルをユーザが所望する高さに昇降可能に形成するとともに、被洗浄車両を洗車開始位置に案内する際に案内位置の表示部の高さをリモートパネルの高さに基づいて可変した。これにより、表示部の高さがユーザの目の高さに応じて可変され、表示部の見落としを防止して被洗浄車両の過進入を低減することができる。このため、洗車機及び洗車方法の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態の洗車機を示す側面図
図2】本発明の第1実施形態の洗車機を示す正面図
図3】本発明の第1実施形態の洗車機を示す側面図
図4】本発明の第1実施形態の洗車機を示す側面図
図5】本発明の第1実施形態の洗車機を示す側面図
図6】本発明の第1実施形態の洗車機を示す側面図
図7】本発明の第2実施形態の洗車機を示す側面図
図8】本発明の第2実施形態の洗車機を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1図2は本発明の第1実施形態の洗車機WAを示す側面図及び正面図である。洗車機WAは洗車機本体1、レール2、リモートパネル32及び停止センサ46を備えている。洗車機本体1は左右の対向する2つのスタンド部90と、スタンド部90の上端を連結する天井部91とを有した門型に形成される。
【0020】
レール2は地面G上に左右一対設けられ、スタンド部90の底面に設けた車輪3がレール2上に配される。これにより、洗車機本体1はレール2上に立設し、走行モータ(不図示)の駆動によりレール2上を走行して被洗浄車両CAに対して前後に相対移動する。
【0021】
リモートパネル32は洗車機本体1に対する進入経路Sに沿って配される。リモートパネル32はユーザが洗車条件を入力する入力部32aを有し、支柱33に上下方向に昇降可能に設けられている。被洗浄車両CAはリモートパネル32の面前で停車し、ユーザは被洗浄車両CA内からリモートパネル32を所望する高さに設定し、入力部32aから洗車条件の設定を行う。
【0022】
リモートパネル32に設けたボタンにより、シャンプー、ワックス掛け、撥水コート等に使用する液剤を用いた洗車条件を設定することができる。また、フロントガード有り、フェンダーポール有り、サイドミラー有り、リヤワイパ有り、ルーフキャリア有り等の装備品の設定もすることができる。
【0023】
リモートパネル32と洗車機本体1との間には左右一対の停止センサ46が設けられている。停止センサ46は支柱46aの上端に設けられ、一方の停止センサ46は発光素子を有し、他方の停止センサ46は受光素子を有している。これにより、被洗浄車両CAの洗車が開始される洗車開始位置まで被洗浄車両CAが前進すると、停止センサ46により検知し、後述する表示部40により所定の報知を行う。
【0024】
スタンド部90には洗剤やワックス等の各種液剤を貯液した複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部30が配される。タンク収納部30の上方には市水及び各貯液タンクからの液剤を分配する分配配管部31が設けられる。分配配管部31には噴射ノズルからなる第1、第2浄水ノズル11、13、第1、第2洗剤ノズル12、15、撥水コートノズル14、ワックスノズル16がそれぞれ電磁弁(不図示)を介して導出される。
【0025】
第1、第2浄水ノズル11、13は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して市水を噴射する。第1、第2洗剤ノズル12、15は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して洗剤を噴射する。撥水コートノズル14及びワックスノズル16は洗車機本体1の奥側に配される。撥水コートノズル14は被洗浄車両CAに対して撥水コート剤を噴射する。ワックスノズル16は被洗浄車両CAに対して液体のワックスを噴射する。
【0026】
洗車機本体1の一方のスタンド部90の正面には操作パネル7が配される。操作パネル7は洗車条件を設定するリモートパネル32と同様の入力部を備えている。
【0027】
洗車機本体1には被洗浄車両CA上に摺動してブラッシングするトップブラシ4、サイドブラシ5及びロッカーブラシ6から成る複数の回転ブラシが設けられる。トップブラシ4は天井部91に設けられ、被洗浄車両CAの上面に沿って移動して被洗浄車両CAの上面を洗浄する。サイドブラシ5はスタンド部90の前後方向の中央部に配され、被洗浄車両CAの側面及び後面を洗浄する。ロッカーブラシ6は左右のスタンド部90の下部に揺動可能に設けられ、被洗浄車両CAの両側面の下部を洗浄する。
【0028】
洗車機本体1の両側のスタンド部90の前部(入口側)には形状センサ9、進入センサ45及び明暗センサ38が設けられている。形状センサ9は光電センサや超音波センサ等から成り、洗車機本体1に進入する被洗浄車両CAの外面形状を検知する。進入センサ45は被洗浄車両CAが洗車機本体1に進入したことを検知する。明暗センサ38は洗車機本体1の周囲の照度を検知する。
【0029】
洗車機本体1の上部には気流を発生して被洗浄車両CAを乾燥させるブロア20が設けられる。ブロア20にはサイド送風ノズル22及びトップ送風ノズル21が接続される。サイド送風ノズル22は各スタンド部90の後部にそれぞれ設けられ、被洗浄車両CAの側面に向けて送風する。トップ送風ノズル21は天井部91の後部に設けられ、被洗浄車両CAの上面に向けて送風する。
【0030】
洗車機本体1の天井部91の中央部にはモータ51及びワイヤ54を有した昇降装置55が設けられる。ワイヤ54の一端はモータ51の軸部51aにプーリー(不図示)を介して巻回され、他端はトップ送風ノズル21に連結される。これにより、モータ51の駆動によってトップ送風ノズル21が上下方向に昇降する。
【0031】
トップ送風ノズル21の下面は送風口21aが開口し、上面には表示部40が設けられている。表示部40は左右方向に並設する青色回転灯40a及び赤色回転灯40bを有している。青色回転灯40aは青色光を発光し、赤色回転灯40bは赤色光を発光する。
【0032】
表示部40はトップ送風ノズル21の昇降によって案内位置と退避位置との間を昇降する。被洗浄車両CAを洗浄開始位置に案内する際に表示部40が案内位置に配される。表示部40を案内位置から上方に退避させる退避位置に配置すると、トップ送風ノズル21が被洗浄車両CAよりも上方に配される。
【0033】
また、洗車機本体1には音声による報知を行うスピーカ(不図示)が設けられている。
【0034】
上記構成の洗車機WAにおいて、ユーザは被洗浄車両CAを運転してリモートパネル32の面前で停車させ、被洗浄車両CA内からリモートパネル32を所望の高さに設定する。この時、概ねリモートパネル32の入力部32aがユーザの目の高さに配されている。ユーザがリモートパネル32を所望する高さに設定すると、トップ送風ノズル21とともに表示部40が退避位置から案内位置に下降する。
【0035】
図3図4はこの時の洗車機本体1及び被洗浄車両CAの側面図を示している。図3は車高の低いセダンタイプの被洗浄車両CAを示しており、図4は車高の高い1ボックスタイプの被洗浄車両CAを示している。案内位置の表示部40の高さはリモートパネル32の高さに応じて可変される。本実施形態では案内位置の表示部40の高さをリモートパネル32の入力部32aの高さにしている。
【0036】
このため、図3に示す案内位置の表示部40の高さH1が、図4に示す案内位置の表示部40の高さH2よりも低くなっている。これにより、案内位置の表示部40が概ねユーザの目の高さに配される。
【0037】
ユーザは所望するリモートパネル32の高さを決定した後、被洗浄車両CAの洗車条件の設定を行う。洗車条件が設定されると、青色回転灯40aが点灯し、スピーカ(不図示)から「車両を運転して前方の青色回転灯が消灯し、赤色回転灯が点灯するまでゆっくりと進んでください」等の洗浄開始位置に案内する報知を行う。この時、ユーザは正面に配される青色回転灯40aを視認して前進する。
【0038】
被洗浄車両CAが前進して停止センサ46が被洗浄車両CAを検知すると、青色回転灯40aが消灯し、赤色回転灯40bが点灯する。そして、スピーカ(不図示)から「洗車可能な位置に車両が到着しました。車両を停止してください。」等の停止を指示する報知を行う。
【0039】
被洗浄車両CAがさらに前進して進入センサ45が被洗浄車両CAを検知すると、被洗浄車両CAは洗車機本体1に過進入した状態になる。
【0040】
図5はこの時の洗車機本体1の側面図を示している。進入センサ45が被洗浄車両CAを検知すると、図5に示すように、トップ送風ノズル21が上昇して表示部40が高さH3(退避位置)になるまで上昇する。これにより、トップ送風ノズル21と被洗浄車両CAとの衝突を防止する。この時、スピーカ(不図示)から「車両が洗車機本体内に過進入しました。車両を後退させて下さい。」等の後退を指示する報知を行うとともに、青色回転灯40a及び赤色回転灯40bの両方が点灯して異常事態を報知する。
【0041】
被洗浄車両CAが過進入していることに気付いたユーザは被洗浄車両CAを後退させる。被洗浄車両CAが後退して図6に示すように、進入センサ45が被洗浄車両CAを検出しなくなると、再び表示部40が退避位置から案内位置に下降する。この時、赤色回転灯40bが点灯するとともに、スピーカから「洗車可能な位置に車両が到着しました。車両を停止してください。」等の停止を指示する報知を行う。これにより、ユーザは正確に被洗浄車両CAを洗車開始位置に停止することができる。
【0042】
その後、洗車機本体1が前後方向に移動を開始して各回転ブラシにより被洗浄車両CAを洗浄し、各送風ノズルにより被洗浄車両CAを乾燥させて洗車を終了する。
【0043】
また、明暗センサ38の検出結果が所定の明るさよりも暗い時に明るい時よりも案内位置の表示部40の高さを上方に配するとともに、表示部40の照度を低くしている。これにより、夜間等の周囲が暗い時間帯に洗車を行う際に、ユーザの目の高さよりも上方に表示部40が配置され、表示部40の眩しさを低減することができる。さらに、表示部40の照度を低くしているため、表示部40の眩しさをより低減することができる。また、周囲が暗い時の案内位置の表示部40の高さを上方に配しているため、被洗浄車両CAが過進入した際に迅速に表示部40を退避位置に退避させることができる。従って、被洗浄車両CAとトップ送風ノズル21との衝突をさらに低減することができる。なお、明暗センサ38の検出結果が所定の明るさよりも暗い時に明るい時よりも案内位置の表示部40の高さを上方に配するだけの構成でもよく、照度を低くするだけの構成でもよい。
【0044】
本実施形態によると、リモートパネル32をユーザが所望する高さに昇降可能に形成すし、被洗浄車両CAを洗車開始位置に案内する際に案内位置の表示部40の高さをリモートパネル32の高さに基づいて可変した。これにより、表示部40の高さがユーザの目の高さに応じて可変され、表示部40の見落としを防止して被洗浄車両CAの過進入を低減することができる。従って、洗車機WA及び洗車方法の利便性を向上することができる。
【0045】
また、被洗浄車両CAが洗車開始位置を超えて過進入した際に、表示部40により過進入を報知するとともに、表示部40を退避位置に上昇させる。これにより、ユーザの運転する被洗浄車両CAが過進入であることを容易に把握させるとともに、表示部40と被洗浄車両CAとの衝突を防止できる。
【0046】
また、過進入した被洗浄車両CAが後退して洗車開始位置に配された際に表示部40を案内位置に下降させる。これにより、ユーザは洗車開始位置に被洗浄車両CAが再び配されたことを容易に把握できる。
【0047】
また、明暗センサ38の検出結果が所定の明るさよりも暗い時に明るい時よりも案内位置の表示部40の高さを上方に配した。このため、表示部40の眩しさを低減することができる。また、周囲が暗い時の案内位置の表示部40の高さを上方に配しているため、被洗浄車両CAが過進入した際に迅速に表示部40を退避位置に退避させることができる。従って、被洗浄車両CAとトップ送風ノズル21との衝突をさらに低減することができる
【0048】
また、昇降装置55により昇降するトップ送風ノズル21に表示部40を設置したため、利便性を向上できる洗車機WAを容易に実現できる。
【0049】
<第2実施形態>
次に、図7図8は第2実施形態の洗車機WAを示す側面図及び正面図である。説明の便宜上、前述の図1図6に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態は第1実施形態に対して昇降装置65及び飛水防止部60が設けられ、表示部40がトップノズル4に替えて飛水防止部60に設けられる点が異なる。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0050】
飛水防止部60は回転ブラシ(サイドブラシ5、トップブラシ8)と送風ノズル(トップ送風ノズル21、サイド送風ノズル22)との間に配されている。飛水防止部60は板状の板状部60a、60b、60cを有している。上段の板状部60aは洗車機本体1に対して上下にスライド可能に設けられている。中段の板状部60bは板状部60aに対して上下方向にスライド可能に連結される。下段の板状部60cは板状部60bに対して上下方向にスライド可能に連結される。
【0051】
昇降装置65は飛水防止部60の上方で回転ブラシと送風ノズルとの間に配され、昇降装置55と同様にモータ(不図示)及びワイヤ63を有している。ワイヤ63の一端は昇降装置65の左右の端部の軸部65aにプーリー(不図示)を介して巻回されている。
【0052】
ワイヤ63の他端は板状部60cの両端部の突起部60dに連結されている。これにより、洗車機本体1が前後方向に移動する際に、形状センサ9の検出結果に基づいて飛水防止部60の上下方向の長さが被洗浄車両CAの形状に沿って可変される。
【0053】
表示部40は板状部60cに設けられ、昇降装置65を駆動すると板状部60cとともに表示部40が昇降する。これにより、リモートパネル32の高さに基づいて表示部40を案内位置と退避位置との間を昇降する。
【0054】
上記構成の洗車機WAにおいて、ユーザは被洗浄車両CAを運転してリモートパネル32の面前で停車させ、被洗浄車両CA内からリモートパネル32を所望の高さに設定する。ユーザがリモートパネル32を所望する高さに設定すると、飛水防止部60が所定の上下方向の長さに形成され、表示部40が退避位置から案内位置に下降する。
【0055】
表示部40の案内により被洗浄車両CAが洗浄開始位置に停止すると、洗車機本体1が被洗浄車両CAの方向に移動して洗車が開始される。洗車機本体1は被洗浄車両CAの後方に向かって移動し、回転ブラシによる洗浄を行うとともに洗浄後の被洗浄車両CAの表面に各送風ノズルから送風して乾燥を行う。
【0056】
この時、形状センサ9の検出結果に基づき、飛水防止部60の上下方向の長さが被洗浄車両CAの形状に沿って可変される。このため、乾燥が行われている被洗浄車両CA表面に回転ブラシから飛水することを飛水防止部60によって防止することができる。そして、洗車機本体1が被洗浄車両CAの後方まで移動して洗車が終了する。
【0057】
本実施形態によると、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、飛水防止部60により回転ブラシの飛水を防止して洗浄及び乾燥を同時に行うことができるため、洗車時間を短縮することができる。
【0058】
また、昇降装置5により昇降される飛水防止部60に表示部40を設置したため、利便性を向上できる洗車機WAを容易に実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によると、被洗浄車両を洗車開始位置に案内する表示部を備えた洗車機及び洗車方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 洗車機本体
2 レール
3 車輪
4 トップブラシ
5 サイドブラシ
6 ロッカーブラシ
7 操作パネル
8 トップブラシ
9 形状センサ
20 ブロア
21 トップ送風ノズル
22 サイド送風ノズル
32 リモートパネル
32a 入力部
33 支柱
38 明暗センサ
40 表示部
40a 青色回転灯
40b 赤色回転灯
45 進入センサ
46 停止センサ
46a 支柱
51 モータ
51a 軸部
54 ワイヤ
55 昇降装置
60 飛水防止部
60a、60b、60c 板状部
65 昇降装置
65a 軸部
90 スタンド部
91 天井部
CA 被洗浄車両
WA 洗車機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8