(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6460270
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】生体情報取得装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20190121BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20190121BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
A61B5/11 100
A61B5/02 310M
A61B5/00 101R
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-25827(P2018-25827)
(22)【出願日】2018年2月16日
(65)【公開番号】特開2018-134403(P2018-134403A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2018年2月16日
(31)【優先権主張番号】特願2017-31056(P2017-31056)
(32)【優先日】2017年2月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樫本 寛子
(72)【発明者】
【氏名】小山 千佳
(72)【発明者】
【氏名】奥本 衛
(72)【発明者】
【氏名】樋江井 武彦
【審査官】
松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−174784(JP,A)
【文献】
特開2005−224439(JP,A)
【文献】
特開2013−220642(JP,A)
【文献】
特開2005−181780(JP,A)
【文献】
特開2013−220313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/11
A61B5/113
A61B5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、
上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、
上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、
上記挟持部材(11)は、
上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、
上記着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、
上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ、
上記第1部材(20)は、上記中空部材(41)の全体を収容するケーシング(20)で構成されることを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項2】
対象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、
上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、
上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、
上記挟持部材(11)は、
上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、
上記着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、
上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ、
上記体動検出部(40)で検出した信号に基づいて上記対象者の生体情報を取得するための信号処理を行う回路基板(50)を備え、
上記回路基板(50)は、第1部材(20,90)側に設けられていないことを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項3】
対象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、
上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、
上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、
上記挟持部材(11)は、
上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、
上記着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、
上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ、
上記第1部材(20)は、上記中空部材(41)を収容するケーシング(20)で構成され、
上記ケーシング(20)は、
上記対象者の体動が作用する第1壁部(61)と、
上記中空部材(41)を挟んで上記第1壁部(61)と反対側に形成される第2壁部(62)とを有し、上記第1壁部(61)の剛性が上記第2壁部(62)の剛性よりも小さいことを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項4】
対象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、
上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、
上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、
上記挟持部材(11)は、
上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、
上記着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、
上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ、
上記第1部材(20)は、上記中空部材(41)を収容するケーシング(20)で構成され、
上記ケーシング(20)は、
上記対象者の体動が作用する第1壁部(61)と、
上記中空部材(41)を挟んで上記第1壁部(61)と反対側に形成される第2壁部(62)と、
上記第1壁部(61)と上記第2壁部(62)との間に形成されるとともに該第1壁部(61)及び該第2壁部(62)よりも厚みが小さい薄肉部(78)を有する周壁部(74)とを有することを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項5】
対象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、
上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、
上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、
上記挟持部材(11)は、
上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、
上記着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、
上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ、
上記第1部材(20)は、上記中空部材(41)を収容するケーシング(20)で構成され、
上記ケーシング(20)は、
上記対象者の体動が作用する壁部(61)と、
上記壁部(61)を、上記中空部材(41)側へ変位可能に支持する支持部(65)とを有することを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項6】
対象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、
上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、
上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、
上記挟持部材(11)は、
上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、
上記着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、
上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ、
上記第1部材(20)の少なくとも一部が上記中空部材(91)を兼ねていることを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項7】
請求項2において、
上記回路基板(50)は、上記第2部材(30)側に設けられることを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1つにおいて、
上記第1部材(20,90)と第2部材(30)とを近接させるように上記挟持部材(11)を付勢する弾性部材(25,85)を備えていることを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項9】
請求項8において、
上記挟持部材(11)は、上記第1部材(20)の端部と上記第2部材(30)の端部とを連結する接続部材(15)を有し、
上記弾性部材(25,85)は、上記第1部材(20,90)、上記接続部材(15)、及び上記第2部材(30)に沿った厚さ断面U字状の板ばねであることを特徴とする生体情報取得装置。
【請求項10】
請求項1において、
上記体動検出部(40)で検出した信号に基づいて上記対象者の生体情報を取得するための信号処理を行う回路基板(50)を備え、
上記回路基板(50)は、上記第1部材(20,90)側に設けられることを特徴とする生体情報取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者に装着可能に構成される生体情報取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象者の生体情報を取得する生体情報取得装置がある。
【0003】
この種の装置として、特許文献1には、ベルト式の生体情報取得装置が開示されている。同文献の例えば
図2に示すように、この生体情報取得装置は、対象者の腰などに装着可能なベルトと、ベルトの表面に取り付けられる空気袋(感圧部)と、空気袋の内圧を検出する圧力センサとを有している。対象者がベルトを装着した状態で、対象者の体動が空気袋に作用すると、空気袋の内圧が変化する。圧力センサは、この内圧に基づいて対象者の生体情報(例えば対象者の寝返りなどの体の動き、呼吸や心拍等の動き)に関する信号を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−286448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の生体情報取得装置は、対象者の生体情報を取得するために別途、ベルトを装着する必要がある。このため、対象者は、ベルトの装着に起因して拘束感を覚えやすい。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象者の拘束感を抑制しつつ、対象者の生体情報を確実に取得できる生体情報取得装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、対象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、上記挟持部材(11)は、上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、上記着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ
、上記第1部材(20)は、上記中空部材(41)の全体を収容するケーシング(20)で構成される生体情報取得装置である。
【0008】
第1の発明では、対象者の着用品(2,3)(例えばベルト、スカート、ズボン、靴、使い捨てパンツ等)を挟持部材(11)で挟み込むことで、生体情報取得装置(10)が着用品(2,3)に装着される。つまり、本発明では、従来例のように生体情報を取得するために別途、ベルト等を着用する必要がなく、既に身につけた着用品(2,3)に挟持部材(11)を介して生体情報取得装置(10)を取り付ければよい。従って、対象者は大きな拘束感を覚えることがない。
【0009】
挟持部材(11)では、対象者側に位置する第1部材(20)に感圧部(41,91)が設けられる。このため、対象者が生起した体動を感圧部(41,91)に確実に伝えることができる。体動検出部(40)は、感圧部(41,91)に作用した体動に応じた信号を検出する。この結果、この信号に基づいて対象者の生体情報を取得できる。
【0010】
第1の発明では、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)が、感圧部である中空部材(41,91)と、圧力センサ(42)とで構成される。中空部材(41,91)は第1部材(20)に設けられるため、対象者の体動が中空部材(41,91)に作用し易くなる。圧力センサ(42)は、中空部材(41,91)の内圧に基づいて体動を示す信号を検出する。
【0011】
第
1の発明では、第1部材であるケーシング(20)の内部に中空部材(41,91)が収容される。このため、中空部材(41,91)が破れたり、損傷したりことを防止できる。これにより、中空部材(41,91)の破れや損傷に起因して、生体情報の精度が低下することを回避できる。
【0012】
第2の発明は、
対象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、上記挟持部材(11)は、上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、上記着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ、上記体動検出部(40)で検出した信号に基づいて上記対象者の生体情報を取得するための信号処理を行う回路基板(50)を備え、該回路基板(50)は、第1部材(20,90)側に設けられていない生体情報取得装置である。
【0013】
第2の発明では、回路基板(50)が対象者側の第1部材(20)に設けられないため、第1部材(20)の小型化・薄型化を図ることができる。これにより、第1部材(20)の存在に起因して対象者が拘束感ないし違和感を覚えることを抑制できる。
【0014】
第3の発明は、
対象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、上記挟持部材(11)は、上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、上記着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ、上記第1部材(20)は、上記中空部材(41)を収容するケーシング(20)で構成され、上記ケーシング(20)は、上記対象者の体動が作用する第1壁部(61)と、上記中空部材(41)を挟んで上記第1壁部(61)と反対側に形成される第2壁部(62)とを有し、上記第1壁部(61)の剛性が上記第2壁部(62)の剛性よりも小さい生体情報取得装置である。
【0015】
第
3の発明では、第1部材であるケーシング(20)の内部に中空部材(41,91)が収容される。このため、中空部材(41,91)が破れたり、損傷したりことを防止できる。これにより、中空部材(41,91)の破れや損傷に起因して、生体情報の精度が低下することを回避できる。
【0016】
第
3の発明では、ケーシング(20)のうち中空部材(41,91)を挟んで対象者側にある第1壁部(61)の剛性が小さい。このため、例えば対象者の体動が第1壁部(61)に作用すると、第1壁部(61)が変形し、これに起因して中空部材(41,91)の内圧が変化し易くなる。この結果、生体情報の精度が向上する。
【0017】
また、本発明では、ケーシング(20)のうち中空部材(41,91)を挟んで対象者と反対側にある第2壁部(62)の剛性が大きい。このため、対象者の体動が中空部材(41,91)を介して第2壁部(62)に作用したとしても、第2壁部(62)はさほど変形しない。第2壁部(62)が変形してしまうと、中空部材(41,91)の内圧が変化しにくくなり、生体情報の精度が低下する可能性がある。これに対し、第2壁部(62)の変形を防止することで、生体情報の精度が更に向上する。
【0018】
第4の発明は、
対象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、上記挟持部材(11)は、上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、上記着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ、上記第1部材(20)は、上記中空部材(41)を収容するケーシング(20)で構成され、該ケーシング(20)は、上記対象者の体動が作用する第1壁部(61)と、上記中空部材(41)を挟んで上記第1壁部(61)と反対側に形成される第2壁部(62)と、上記第1壁部(61)と上記第2壁部(62)との間に形成されるとともに該第1壁部(61)及び該第2壁部(62)よりも厚みが小さい薄肉部(78)を有する周壁部(74)とを有する生体情報取得装置である。
【0019】
第
4の発明では、ケーシング(20)のうち中空部材(41,91)を挟んで対象者側にある第1壁部(61)の剛性が小さい。このため、例えば対象者の体動が第1壁部(61)に作用すると、第1壁部(61)が変形し、これに起因して中空部材(41,91)の内圧が変化し易くなる。この結果、生体情報の精度が向上する。
【0020】
第
4の発明では、ケーシング(20)のうち第1壁部(61)と第2壁部(62)との間の周壁部(74)に薄肉部(78)が形成される。このため、対象者の体動が第1壁部(61)に作用すると、薄肉部(78)を起点として周壁部(74)が変形し易くなる。これにより、第1壁部(61)は、その厚さ方向に変位し易くなり、第1壁部(61)から中空部材(41,91)に作用する押し付け力が大きくなる。この結果、対象者の体動に伴い中空部材(41,91)の内圧が変化し易くなり、生体情報の精度が向上する。
【0021】
第5の発明は、
対象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、上記挟持部材(11)は、上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、上記着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ、該第1部材(20)は、上記中空部材(41)を収容するケーシング(20)で構成され、該ケーシング(20)は、上記対象者の体動が作用する壁部(61)と、
該壁部(61)を、上記中空部材(41)側へ変位可能に支持する支持部(65)とを有する生体情報取得装置である。
【0022】
第
5の発明では、ケーシング(20)のうち中空部材(41,91)を挟んで対象者側にある第1壁部(61)の剛性が小さい。このため、例えば対象者の体動が第1壁部(61)に作用すると、第1壁部(61)が変形し、これに起因して中空部材(41,91)の内圧が変化し易くなる。この結果、生体情報の精度が向上する。
【0023】
第
5の発明では、対象者の体動が壁部(61)に作用すると、壁部(61)が中空部材(41,91)側に変位する。この結果、対象者の体動に伴い中空部材(41,91)の内圧が変化し易くなり、生体情報の精度が向上する。
【0024】
第6の発明は、
象者の体動が作用する感圧部(41,91)を有し、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部(40)と、上記対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材(11)とを備え、上記体動検出部(40)は、上記感圧部である中空部材(41,91)と、該中空部材(41,91)の圧力を上記信号として検出する圧力センサ(42)とを有し、上記挟持部材(11)は、上記着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材(20,90)と、該着用品(2,3)を挟んで上記第1部材(20,90)と反対側に配置される第2部材(30)とを有し、上記感圧部(41,91)が上記第1部材(20,90)側に設けられ、該第1部材(20)の少なくとも一部が上記中空部材(91)を兼ねている生体情報取得装置である。
【0025】
第
6の発明では、第1部材(20)の少なくとも一部が中空状の中空部材(91)を構成する。中空部材(91)は対象者側に配置されるため、対象者の体動を確実に中空部材(91)に作用させることができる。
【0026】
また、中空部材(91)は、対象者の体動が作用する感圧部と、着用品(2,3)を挟持するための挟持部材(11)とを兼用している。これにより、部品点数を削減でき、生体情報取得装置の簡素化を図ることができる。
【0027】
第7の発明は、第
2の発明において、上記回路基板(50)は、上記第2部材(30)側に設けられる生体情報取得装置である。
【0028】
第
7の発明では、回路基板(50)が、挟持部材(11)のうち対象者と離れた第2部材(30)に設けられる。このため、回路基板(50)の存在に起因して対象者が拘束感ないし違和感を覚えることを抑制できる。
【0029】
第8の発明は、第1乃至
7のいずれか1つの発明において、上記第1部材(20,90)と第2部材(30)とを近接させるように上記挟持部材(11)を付勢する弾性部材(25,85)を備えている生体情報取得装置である。
【0030】
第
8の発明では、挟持部材(11)に着用品(2,3)を挟んだ状態において、弾性部材(25,85)によって、第1部材(20,90)と第2部材(30)とが互いに近接するように付勢される。このため、挟持部材(11)が着用品(2,3)から外れてしまうことを防止できる。
【0031】
第9の発明は、第
8の発明において、上記挟持部材(11)は、上記第1部材(20,90)の端部と上記第2部材(30)の端部とを連結する接続部材(15)を有し、上記弾性部材(25,85)は、上記第1部材(20,90)、上記接続部材(15)、及び上記第2部材(30)に沿った厚さ断面U字状の板ばね(25)である生体情報取得装置である。
【0032】
第
9の発明では、弾性部材であるU字状の板ばね(25)が、挟持部材(11)の第1部材(20,90)、第2部材(30)、及び接続部材(15)に沿うように配置される。挟持部材(11)では、板ばね(25)の弾性により、接続部材(15)を支点として第1部材(20,90)と第2部材(30)とが近接する方向に付勢される。このため、挟持部材(11)により、着用品(2,3)を強固に挟み込むことができ、挟持部材(11)が着用品から外れてしまうことを防止できる。
【0033】
第10の発明は、第1の発明において、上記体動検出部(40)で検出した信号に基づいて上記対象者の生体情報を取得するための信号処理を行う回路基板(50)を備え、該回路基板(50)は、上記第1部材(20,90)側に設けられる生体情報取得装置である。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、対象者の着用品(2,3)を挟持部材(11)で挟むことで、生体情報取得装置(10)が対象者に装着される。このため、従来例のように、対象者は別の着用品を装着する必要がないため、対象者の拘束感を抑制できる。
【0035】
生体情報の取得時において対象者が拘束感を覚えると、このことが取得する生体情報の精度に影響を及ぼす可能性がある。具体的には、例えば生体情報として自律神経情報(例えばストレスを示す指標)を取得する場合、別途ベルト等を装着することで、自律神経情報に影響を及ぼす可能性がある。しかし、本発明では、対象者の拘束感を抑制できるため、このことに起因して生体情報の精度が低下することも防止できる。
【0036】
生体情報取得装置(10)は、挟持部材(11)の間に着用品(2,3)を挟むだけで装着可能である。このため、生体情報取得装置(10)の装着・取り外し作業も容易である。
【0037】
挟持部材(11)では、対象者に近い第1部材(20)側に感圧部(41,91)が設けられる。このため、対象者の体動を感圧部(41,91)に確実に作用させることができ、生体情報の検出精度を更に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る生体情報取得装置の外観を示す上面図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る生体情報取得装置の外観を示す正面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る生体情報取得装置の外観を示す右面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係る生体情報装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態1の変形例に係る生体情報取得装置の外観を示す右面図である。
【
図8】
図8は、実施形態1の変形例に係る生体情報取得装置の第1部材の横断面図であり、対象者の体動がチューブに作用していない状態を示す。
【
図9】
図9は、実施形態1の変形例に係る生体情報取得装置の第1部材の横断面図であり、対象者の体動がチューブに作用している状態を示す。
【
図10】
図10は、実施形態2に係る生体情報取得装置の外観を示す右面図である。
【
図11】
図11は、実施形態2に係る生体情報取得装置の縦断面図(
図4に相当する図)である。
【
図12】
図12は、実施形態2に係る生体情報取得装置の第1部材の横断面図であり、対象者の体動がチューブに作用していない状態を示す。
【
図13】
図13は、実施形態2に係る生体情報取得装置の第1部材の横断面図であり、対象者の体動がチューブに作用している状態を示す。
【
図14】
図14は、実施形態3に係る生体情報取得装置の正面図である。
【
図15】
図15は、実施形態3に係る生体情報取得装置の縦断面図(
図4に相当する図)である。
【
図16】
図16は、実施形態3に係る生体情報取得装置の第1部材の横断面図であり、対象者の体動がチューブに作用していない状態を示す。
【
図17】
図17は、実施形態3に係る生体情報取得装置の第1部材の横断面図であり、対象者の体動がチューブに作用している状態を示す。
【
図18】
図18は、その他の第1の例に係る生体情報取得装置の概略構成を示す側面図である。
【
図19】
図19は、その他の第2の例に係る生体情報取得装置の概略構成を示す側面図である。
【
図20】
図20は、その他の第3の例に係る生体情報取得装置ないしユニットの概略構成を示す側面図である。
【
図21】
図21は、その他の第4の例に係る生体情報取得装置ないしユニットの概略構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0040】
《発明の実施形態1》
実施形態1に係る生体情報取得装置(
図1〜
図6を参照)は、対象者に装着可能な装着式の生体情報取得装置(10)である。生体情報取得装置(10)は、対象者の着用品(2,3)に着脱可能に構成され、着用品(2,3)を介して対象者に取り付けられる。本実施形態の生体情報取得装置(10)は、着用品であるベルト(2)及びズボン(3)に装着される。
【0041】
生体情報取得装置(10)は、ケースユニット(11)、感圧ユニット(40)、回路基板(50)、及び充電式電池(45)を備えている。
【0042】
〈ケースユニットの全体構成〉
図1に示すように、ケースユニット(11)は、全体として縦長で下側が開放する逆U字状の外形を構成している。ケースユニット(11)は、対象者の着用品(2,3)を挟持する挟持部材を構成する。ケースユニット(11)は、第1ケーシング(20)と、第2ケーシング(30)と、接続部材(15)とを有している。第1ケーシング(20)は、着用品(2,3)を挟んで対象者側に配置される第1部材を構成している。第2ケーシング(30)は、着用品(2,3)を挟んで対象者と反対側に配置される第2部材を構成している。接続部材(15)は、第1ケーシング(20)の端部と第2ケーシング(30)の端部とを連結する。
【0043】
ケースユニット(11)では、第1ケーシング(20)と第2ケーシング(30)と接続部材(15)との間に、着用品(2,3)が挿通される凹部(12)(挿通孔)が形成される。また、ケースユニット(11)の内部には、板ばねであるクリップ(25)が収容される。
【0044】
〈第1ケーシング〉
第1ケーシング(20)は、上下に縦長の略矩形柱状の外形を構成している。本実施形態では、第1ケーシング(20)の上下方向の全体の高さが、第2ケーシング(30)の上下方向の全体の高さよりも大きい。また、第1ケーシング(20)の前後の厚みは、第2ケーシング(30)の前後の厚みと同等かそれよりも小さい。第1ケーシング(20)の後側部分(裏側部分)には、後側ケース部(21)が形成される。第1ケーシング(20)の前側部分(表側部分)には、第1中間ケース部(22)が形成される。後側ケース部(21)と第1中間ケース部(22)とが一体的に固定されることで、中空状の第1ケーシング(20)が構成される。第1ケーシング(20)の内部には、第1空間(S1)が形成される。
【0045】
本実施形態の後側ケース部(21)は、比較的柔軟な材料(例えばエラストマー樹脂)で構成される。これに対し、第1中間ケース部(22)は、ABS樹脂で構成される。
【0046】
第1ケーシング(20)の下端部には、下方に向かって円弧状に膨出する第1膨出部(23)が形成される。
【0047】
第1ケーシング(20)の上端部には、前方に突出する第1突出部(24)が形成される。第1突出部(24)は、第1中間ケース部(22)の上端前部から前方に突出する矩形筒状に形成される。第1突出部(24)には、接続部材(15)の一端(後端)が固定される。
【0048】
〈第2ケーシング〉
第2ケーシング(30)は、上下に縦長の略矩形柱状の外形を構成している。第2ケーシング(30)の前側部分には、前側ケース部(31)が形成される。第2ケーシング(30)の後側部分には、第2中間ケース部(32)が形成される。前側ケース部(31)と第2中間ケース部(32)とが一体的に固定されることで、中空状の第2ケーシング(30)が構成される。第2ケーシング(30)の内部には、第2空間(S2)が形成される。
【0049】
前側ケース部(31)及び第2中間ケース部(32)は、例えばABS樹脂で構成される。
【0050】
第2ケーシング(30)の下端部には、下方に向かって円弧状に膨出する第2膨出部(34)が形成される。
【0051】
第2ケーシング(30)の前面には、表示部である液晶ディスプレイ(18)を露出させるための開口(35)が形成される。液晶ディスプレイ(18)は、生体情報取得装置(10)の操作に関する情報や、対象者の生体情報に関する情報が表示される。液晶ディスプレイ(18)の本体部分は、第2空間(S2)に収容される。
【0052】
第2ケーシング(30)の右側の側面には、電源ボタン(36)と、切り替えボタン(37)とが設けられる。電源ボタン(36)は、液晶ディスプレイ(18)ないし生体情報取得装置(10)のON/OFFの切り換えを行うための切換部である。切り替えボタン(37)は、例えば液晶ディスプレイ(18)の表示の切り替え等を行うための操作部である。
【0053】
第2ケーシング(30)の上端部には、後方に突出する第2突出部(38)が形成される。第2突出部(38)は、第1中間ケース部(22)の上端後部から後方に突出する矩形筒状に形成される。第2突出部(38)には、接続部材(15)の他端(前端)が固定される。
【0054】
〈接続部材〉
図4に示すように、接続部材(15)は、第1ケーシング(20)の第1突出部(24)と、第2ケーシング(30)の第2突出部(38)との間に配置される。接続部材(15)は、前後方向に軸心を有する矩形筒状に形成され、可撓性を有する樹脂材料で構成される。これにより、第1ケーシング(20)及び第2ケーシング(30)は、接続部材(15)を支点として傾動可能となる。接続部材(15)の軸方向の一端(後端)は、第1突出部(24)に内嵌する。接続部材(15)の軸方向の他端(前端)は、第2突出部(38)に内嵌する。接続部材(15)の内部には、矩形柱状の内部空間(16)が形成される。
【0055】
〈クリップ〉
ケースユニット(11)の内部には、クリップ(25)が収容される。クリップ(25)は、第1ケーシング(20)と第2ケーシング(30)とを近接させるようにケースユニット(11)を付勢する弾性部材を構成している。クリップ(25)は、第1ケーシング(20)、接続部材(15)、及び第2ケーシング(30)に沿った厚さ断面U字状の板ばねである。
【0056】
クリップ(25)は、第1ケーシング(20)の第1空間(S1)に配置される第1平板部(26)と、第2ケーシング(30)の第2空間(S2)に配置される第2平板部(27)と、第1平板部(26)の上端と第2平板部(27)の上端とを繋ぐ円弧板部(28)とを有している。第1平板部(26)は、垂直な状態で第1中間ケース部(22)の内面と面接触する。第2平板部(27)は、垂直な状態で第2中間ケース部(32)の内面と面接触している。円弧板部(28)は、第1突出部(24)、接続部材(15)、及び第2突出部(38)の各々の下縁部と接触するように上方に膨出する円弧面状に形成されている。
【0057】
クリップ(25)は、第1中間ケース部(22)及び第2中間ケース部(32)を挟み込むように付勢する。具体的には、第1平板部(26)が第1中間ケース部(22)を前側へ付勢し、第2平板部(27)が第2中間ケース部(32)を後側へ付勢する。これにより、第1ケーシング(20)と第2ケーシング(30)とは、接続部材(15)を支点として互いに近接するように傾動する。この結果、ケースユニット(11)の凹部(12)に挿通された着用品(2,3)が第1ケーシング(20)と第2ケーシング(30)との間に挟持される。
【0058】
〈感圧ユニット〉
図4及び
図5に示すように、感圧ユニット(40)は、第1ケーシング(20)の第1空間(S1)に収容される。感圧ユニット(40)は、対象者の体動を示す信号を検出する体動検出部を構成する。本実施形態の感圧ユニット(40)は、チューブ(41)と、圧力センサ(42)とを有している。
【0059】
チューブ(41)は、対象者の体動が作用する感圧部であり、中空状の中空部材を構成している。具体的に、チューブ(41)は、横断面が円形状の細長いチューブ状に形成され、可撓性を有する樹脂材料(例えば塩化ビニル)で構成される。チューブ(41)は、第1ケーシング(20)のうち後側ケース部(21)の内部に配置される。
【0060】
具体的には、チューブ(41)は、後側ケース部(21)の内周壁に沿うように略U字状に配設される。チューブ(41)の基端部(41a)と先端部(41b)とは、第1ケーシング(20)の上端寄りに位置する。チューブ(41)の基端部(41a)は、チューブコネクタ(図示省略)を介して圧力センサ(42)に接続される。チューブ(41)の先端部(41b)は、第1空間(S1)に開口していてもよいが、該先端部(41b)を栓によって塞いでもよい。また、この栓にチューブ(41)の内部と外部とを連通させる連通口を形成してもよい。いずれの構成においても、チューブ(41)は、対象者の体動が作用することで内圧が変化するように構成される。
【0061】
圧力センサ(42)は、第1ケーシング(20)の上端寄りであって、前後方向において接続部材(15)と重なる位置にある。圧力センサ(42)は、マイクロフォンで構成される。圧力センサ(42)は、チューブ(41)の内圧を検出し、この内圧に応じた圧力信号を出力する。この圧力信号が、対象者の体動を示す信号となる。
【0062】
図4に示すように、圧力センサ(42)には、検出した圧力信号を回路基板(50)へ伝送するための信号線(43)が接続される。信号線(43)は、接続部材(15)の内部空間(16)を介して回路基板(50)側へ配設される。
【0063】
〈回路基板〉
図4に示すように、回路基板(50)は、第2ケーシング(30)の第2空間(S2)に収容される。回路基板(50)は、プリント基板で構成され、中央処理演算装置(CPU)及び記憶装置(メモリやレジスタ等)を含む電子回路が実装されている。回路基板(50)は、第2ケーシング(30)の前面や後面に沿うように上下に延びる板状に形成される。
【0064】
回路基板(50)の前面(表面)には、上述した液晶ディスプレイ(18)が搭載される。また、回路基板(50)の後面上部には、信号線(43)が接続される信号線接続端子(51)が設けられる。
【0065】
〈充電式電池〉
図4に示すように、充電式電池(45)は、第2ケーシング(30)の第2空間(S2)に収容される。充電式電池(45)は、生体情報取得装置(10)の電源を構成している。充電式電池(45)は、図外の給電装置から給電されることで適宜充電が行われる。
【0066】
〈機能ブロック〉
回路基板(50)に構成される機能ブロックについて、
図6を参照しながら詳細に説明する。生体情報取得装置(10)は、体動信号抽出部(52)、心拍信号抽出部(53)、自律神経情報取得部(54)、記憶部(55)、及び通信部(56)を有する。
【0067】
体動信号抽出部(52)は、圧力センサ(42)から出力された信号に基づいて、対象者の体動信号を抽出する。ここで、体動信号は、対象者の大きな体の動き(粗体動)と、心拍や呼吸に由来する小さな体の動き(微体動)とが重畳した信号である。心拍信号抽出部(53)は、体動信号抽出部(52)で抽出した体動信号から心拍に由来する信号(心拍信号)だけを抽出する。
【0068】
自律神経情報取得部(54)は、心拍信号抽出部(53)で抽出した心拍信号に基づいて、例えば対象者のLF/HF値を算出する。ここで、LF/HF値は、心拍信号に基づいて求められた拍動間隔のゆらぎの低周波成分LFと、この拍動間隔の揺らぎの高周波成分HFとの比である。このLF/HF値は、ストレス度や自律神経活動を示す指標となり、LF/HF値が高いほどストレス度が高いことを意味する。
【0069】
記憶部(55)は、フラッシュメモリ等の半導体メモリで構成される。記憶部(55)には、回路基板(50)で処理される各種の信号や、取得した生体情報に関するデータが、対応する時刻とともに適宜記憶される。具体的には、例えば記憶部(55)には、体動信号、心拍信号、LF/HF値等が時系列データとして漸次記憶されていく。
【0070】
通信部(56)は、生体情報取得装置(10)の通信インターフェースである。つまり、通信部(56)は、有線又は無線からなるネットワーク通信を介して外部機器(スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の情報端末)と接続される。例えば記憶部(55)に記憶された各情報は、ネットワーク通信を介して外部機器へ送信される。これにより、対象者は、外部機器を用いて生体情報の詳細を確認することができる。
【0071】
〈生体情報取得装置の装着/取り外し〉
図3及び
図4に示すように、本実施形態の生体情報取得装置(10)は、ケースユニット(11)を着用品(2,3)に取り付けることで対象者に装着される。具体的には、ケースユニット(11)の凹部(12)には、ベルト(2)と、ズボン(3)の腰周りの部分とが同時に挿通される。凹部(12)にベルト(2)及びズボン(3)が挿通された状態では、第1ケーシング(20)と第2ケーシング(30)とが、その内部のクリップ(25)により付勢される。これにより、ベルト(2)及びズボン(3)は、第1ケーシング(20)と第2ケーシング(30)とによって挟持される。従って、ケースユニット(11)がベルト(2)及びズボン(3)から外れてしまうことを確実に防止できる。
【0072】
生体情報取得装置(10)を取り外す際には、クリップ(25)の付勢力に抗して第1ケーシング(20)と第2ケーシング(30)とを離間させ、ケースユニット(11)を上方へ移動させる。これにより、生体情報取得装置(10)をベルト(2)及びズボン(3)から容易に取り外すことができる。
【0073】
〈生体情報取得装置の動作〉
生体情報取得装置(10)をベルト(2)及びズボン(3)に取り付けた状態では、対象者の腹部と第1ケーシング(20)とが接触する。このため、対象者の体動は第1ケーシング(20)の第1壁部(61)を介してチューブ(41)へ伝達される。圧力センサ(42)は、このチューブ(41)の内圧ないし内圧変化を検出し、圧力信号を出力する。回路基板(50)では、圧力信号から体動信号、心拍信号が順に抽出され、対象者のLF/HF値が漸次算出される。
【0074】
〈実施形態1の効果〉
本実施形態の生体情報取得装置(10)は、対象者が着用するベルト(2)やズボン(3)等に装着されるため、従来例のように、専用のベルトを別途装着する必要がない。このため、生体情報取得装置(10)の装着時において、対象者が拘束感ないし違和感を覚えることを抑制できる。
【0075】
また、上述したように、生体情報取得装置(10)は、ケースユニット(11)の凹部(12)にベルト(2)やズボン(3)を挿通することで容易に装着できる。また、ケースユニット(11)は、クリップ(25)によりベルト(2)やズボン(3)を強く挟み込むため、知らないうちに生体情報取得装置(10)がベルト(2)やズボン(3)から外れてしまうことも防止できる。従って、対象者の生体情報を確実に取得できる。
【0076】
対象者の体動が伝わるチューブ(41)は、ケースユニット(11)のうち対象者側に位置する第1ケーシング(20)に設けられる。このため、対象者の体動をチューブ(41)に伝えやすくなり、生体情報であるLF/HF値の精度が向上する。
【0077】
また、チューブ(41)は、第1ケーシング(20)の内部に収容されるため、第1ケーシング(20)によってチューブ(41)を保護できる。従って、チューブ(41)の破損や破れを防止でき、生体情報取得装置(10)の信頼性を向上できる。
【0078】
一方、信号処理を行うための回路基板(50)は、対象者から離れた第2ケーシング(30)に設けられる。つまり、回路基板(50)は、対象者側の第1ケーシング(20)に設けられていない。このため、対象者側に位置する第1ケーシング(20)の小型化・薄型化を図ることができ、対象者の拘束感を更に抑制できる。
【0079】
第1ケーシング(20)では、受圧面を構成する第1壁部(61)の剛性が、支持面を構成する第2壁部(62)の剛性よりも小さい。このため、対象者の体動が第1壁部(61)に作用すると、この体動により第1壁部(61)が変形し易くなり、ひいては第1壁部(61)に押し付けられるチューブ(41)の変形量も大きくなる。このようすると、対象者の体動に伴いチューブ(41)の内圧が変化し易くなるため、圧力信号、ひいては体動信号の変化の度合いも大きくなる。従って、生体情報取得装置(10)で取得する生体情報の精度が向上する。
【0080】
また、第2壁部(62)の剛性を大きくすると、対象者の体動がチューブ(41)に作用することに起因して、チューブ(41)を支える第2壁部(62)が変形してしまうことを抑制できる。これにより、チューブ(41)の変形量を確保でき、生体情報の精度が向上する。
【0081】
《実施形態1の変形例》
図7〜
図9に示す実施形態1の変形例は、上述した実施形態1と第1ケーシング(20)の構成が異なる。本変形例の第1ケーシング(20)では、後側ケース部(21)と第1中間ケース部(22)とが同じ材料(例えばABS樹脂)で構成される。
【0082】
第1中間ケース部(22)の少なくとも左右の側壁(63,64)には、矩形状の引っ掛け溝(65)が形成される。第1中間ケース部(22)には、引っ掛け溝(65)の裏側に左右外方へ突出する溝側凸部(66)が形成される(
図8を参照)。なお、引っ掛け溝(65)及び溝側凸部(66)を、第1中間ケース部(22)の上壁や下壁に形成してもよい。
【0083】
後側ケース部(21)の少なくとも左右の側壁(71,72)には、引っ掛け溝(65)に対応する位置に引っ掛け部(73)が形成される。引っ掛け部(73)は、後側ケース部(21)の本体から前方に突出する突片部(73a)と、該突片部(73a)の先端から左右内方に曲がる鉤状の爪部(73b)とを有する。引っ掛け部(73)は、その爪部(73b)が対応する溝側凸部(66)を乗り越えるようにして、引っ掛け溝(65)に係合している。爪部(73b)の前後の厚みは、引っ掛け溝(65)の前後方向の長さよりも短い。このため、引っ掛け部(73)の爪部(73b)は、引っ掛け溝(65)の内部を前後方向に変位可能となっている。
【0084】
このように各引っ掛け部(73)が各引っ掛け溝(65)に係合することで、対象者の体動が作用する壁部(後側ケース部(21)の第1壁部(61))が、支持部である引っ掛け溝(65)により、チューブ(41)側に変位可能に支持される。
【0085】
本変形例では、対象者の体動が
図9の矢印方向に作用すると、後側ケース部(21)の引っ掛け部(73)が引っ掛け溝(65)の内部を前方へと変位する。これにより、チューブ(41)が後側ケース部(21)によって押し付けられ、チューブ(41)が変形し、ひいてはチューブ(41)の内圧が変化する。これにより、本変形例では、後側ケース部(21)の剛性を低下させることなく、チューブ(41)の変形量を十分に確保できる。それ以外の作用効果は、実施形態1と同様である。
【0086】
《発明の実施形態2》
図10〜
図13に示す実施形態2は、実施形態1とケースユニット(11)の構成が異なっている。実施形態2のケースユニット(11)では、第1ケーシング(20)の第1突出部(24)に代えて、ブラケット(81)が形成される。ブラケット(81)は、第1中間ケース部(22)の上端部から前方に突出する略三角形柱状に形成される。
【0087】
一方、第2ケーシング(30)には、第2突出部(38)に代えて、枢支部(82)が形成される。枢支部(82)は、第1ケーシング(20)のブラケット(81)と左右に重なるように、第2中間ケース部(32)の上端部から前方に突出ししている。枢支部(82)とブラケット(81)とはピン(83)によって連結される。これにより、第1ケーシング(20)と第2ケーシング(30)とは、ピン(83)を支点として互いに回動可能に構成される。
【0088】
実施形態2のケースユニット(11)の内部には、実施形態1のクリップ(25)が設けられていない。実施形態2では、クリップ(25)の代わりの弾性部材として、スプリング(85)が用いられている。スプリング(85)は、ケースユニット(11)の外部において、第1ケーシング(20)の上端部と第2ケーシング(30)の上端部との間に介設される。より詳細には、スプリング(85)は、ブラケット(81)及び枢支部(82)よりもやや上側寄りに配置され、一端が第1中間ケース部(22)と連結し、他端が第2中間ケース部(32)と連結している。スプリング(85)は、第1ケーシング(20)の上端部と第2ケーシング(30)の上端部とを互いに離す方向に伸びるため、結果として、第1ケーシング(20)の本体部分と第2ケーシング(30)の本体部分とが近接する。つまり、スプリング(85)は、第1ケーシング(20)と第2ケーシング(30)とを近接させる方向に付勢する弾性部材を構成している。
【0089】
実施形態2の充電式電池(45)は、実施形態1よりも上下に縦長に形成され、回路基板(50)の後側に配置される。
【0090】
実施形態2の第1ケーシング(20)では、後側ケース部(21)と第1中間ケース部(22)とが同じ材料(例えばABS樹脂)で構成される。実施形態2の後側ケース部(21)では、第1壁部(61)の外縁の周壁部(74)(後側ケース部(21)の上壁、下壁、右壁、及び左壁によって構成される周壁部)の全周に亘って薄肉部(78)が形成される。薄肉部(78)は、第1壁部(61)よりも厚さが小さい脆弱な部分である。
【0091】
<実施形態2の効果>
実施形態2では、スプリング(85)により、ピン(83)を支点として第1ケーシング(20)と第2ケーシング(30)とが近接する方向に付勢される。このため、第1ケーシング(20)と第2ケーシング(30)との間に着用品(2,3)を強固に保持できる。従って、着用品(2,3)から生体情報取得装置(10)が外れてしまうことを確実に防止できる。
【0092】
実施形態2では、対象者の体動が
図13の矢印方向に作用すると、第1ケーシング(20)の薄肉部(78)が撓み変形し、第1壁部(61)がチューブ(41)側へと変形する。これにより、チューブ(41)が後側ケース部(21)によって押し付けられ、チューブ(41)が変形し、ひいてはチューブ(41)の内圧が変化する。これにより、実施形態2においても、チューブ(41)の変形量を十分に確保できる。それ以外の作用効果は、実施形態1と同様である。
【0093】
《発明の実施形態3》
図14〜
図17に示す実施形態3は、上記実施形態1及び2とケースユニット(11)の構成が異なる。実施形態3のケースユニット(11)は、上記実施形態1や2と比べて、左右の幅が小さい(
図14を参照)。
【0094】
実施形態3では、ケースユニット(11)のうち対象者側に位置する第1部材が、チューブユニット(90)で構成される。チューブユニット(90)は、対象者側に配置される扁平チューブ(91)と、対象者と反対側に配置される中間支持部(92)とで構成される。
【0095】
扁平チューブ(91)は、対象者の体動が作用する感圧部であり、中空状の中空部材である。扁平チューブ(91)は、第1部材の一部を兼用している。扁平チューブ(91)は、上記実施形態1や2のチューブ(41)よりも幅広に形成される。扁平チューブ(91)の横断面は、左右に横長の長円ないし楕円形状に形成されている。扁平チューブ(91)の軸方向の両端は閉塞されている。扁平チューブ(91)の裏面部(91a)は、対象者の体動が作用する受圧面を構成している。扁平チューブ(91)の表面部(91b)は、中間支持部(92)に接触している。扁平チューブ(91)の表面上部には、圧力センサ(42)が内嵌する保持穴(91c)が形成される。この構成により、扁平チューブ(91)の内圧を圧力センサ(42)で検出できる。
【0096】
中間支持部(92)は、扁平チューブ(91)の表面部(91b)が面接触する平板状の支持板(93)と、実施形態2と同様のブラケット(81)とを有している。また、支持板(93)の裏面上部には、圧力センサ(42)の一部が嵌合するセンサ用凹部(94)が形成される。
【0097】
実施形態3では、実施形態2と同様にして、中間支持部(92)と第2中間ケース部(32)の間にスプリング(85)が介設される。このスプリング(85)により、チューブユニット(90)と第2ケーシング(30)とが互いに近接する方向に付勢され、チューブユニット(90)と第2ケーシング(30)との間に着用品(2,3)が挟持される。
【0098】
〈実施形態3の効果〉
実施形態3では、対象者の体動が扁平チューブ(91)の裏面部(91a)に対して、
図17の矢印方向に作用すると、可撓性を有する扁平チューブ(91)が前後方向に潰れ、扁平チューブ(91)の内圧が変化する。つまり、実施形態3では、対象者の体動が扁平チューブ(91)に直接作用するため、生体情報の精度を確実に向上できる。
【0099】
また、実施形態3では、扁平チューブ(91)が第1部材の一部を兼用しているため、実施形態1や2の後側ケース部(21)が不要となり、部品点数を削減できる。それ以外の作用効果は、実施形態1と同様である。
【0100】
《回路基板のレイアウトに関する他の例》
上述した各実施形態において、回路基板(50)に関するレイアウトを以下のような各例としてもよい。
【0101】
〈第1例〉
図18に示す第1の例は、回路基板(50)が、主基板(50a)と、通信基板(50b)とを含んでいる。主基板(50a)は、圧力センサ(42)から出力された信号の処理を行う信号処理用の回路であり、中層処理演算装置(CPU)及び記憶装置(メモリやレジスタ等)等が実行されている。主基板(50a)は、上述した体動信号抽出部(52)、心拍信号抽出部(53)、自律神経情報取得部(54)、記憶部(55)等を含む。通信基板(50b)は、主基板(50a)で処理された後の信号を、無線により所定の無線端末(スマートフォン、タブレット、PC等)へ送るための回路である。つまり、通信基板(50b)には、上述した通信部(56)を含む。
【0102】
図18に示す第1の例では、主基板(50a)と通信基板(50b)との双方が、第2ケーシング(30)の第2空間(S2)に収容される。例えば第2空間(S2)では、後側(対象者側)から前側に向かって、充電式電池(45)、主基板(50a)、通信基板(50b)の順に配置される。
【0103】
第1の例では、主基板(50a)及び通信基板(50b)の双方が、対象者側の第1ケーシング(20)に設けられないため、第1ケーシング(20)の小型化・薄型化を図ることができる。これにより、第1ケーシング(20)の存在に起因して対象者が拘束感ないし違和感を覚えることを抑制できる。
【0104】
〈第2の例〉
図19に示す第2の例では、回路基板(50)が第1ケーシング(20)の第1空間(S1)に設けられる。つまり、主基板(50a)及び通信基板(50b)の双方が第1ケーシング(20)の内部に設けられる。第1空間(S1)では、後側(対象者側)から前側に向かって、チューブ(41)、主基板(50a)、通信基板(50b)の順に配置される。一方、充電式電池(45)は、第2ケーシング(30)の第2空間(S2)に設けられる。この例では、第2ケーシング(30)において、充電式電池(45)のスペースを十分確保できる。
【0105】
なお、例えば主基板(50a)を第2ケーシング(30)の第2空間(S2)に配置し、且つ通信基板(50b)を第1ケーシング(20)の第1空間(S1)に配置することもできる。また、主基板(50a)を第1ケーシング(20)の第1空間(S1)に配置し、且つ通信基板(50b)を第2ケーシング(30)の第2空間(S2)に配置することもできる。
【0106】
〈第3の例〉
図20に示す第3の例は、生体情報取得装置(10)及び充電用クレードル(100)を含むユニット(U)である。ユニット(U)では、生体情報取得装置(10)が充電用クレードル(100)の上側に設置可能に構成される。生体情報取得装置(10)の第2ケーシング(30)には、第1端子部(C1)が設けられる。充電用クレードル(100)のケース本体(101)には、第2端子部(C2)が設けられる。
【0107】
充電用クレードル(100)のケース本体(101)の内部には、記憶部であるメモリ基板(102)が設けられる。また、第3の例では、通信基板(50b)が、生体情報取得装置(10)に設けられず、充電用クレードル(100)のケース本体(101)の内部に設けられる。
【0108】
図20に示すように、生体情報取得装置(10)が充電用クレードル(100)に設置されると、第1端子部(C1)と第2端子部(C2)の接点が繋がる。これにより、充電用クレードル(100)から生体情報取得装置(10)の充電式電池(45)へ電力が供給され、充電式電池(45)が充電される。また、第1端子部(C1)と第2端子部(C2)の接点が繋がると、生体情報取得装置(10)の記憶部(55)に記憶されたデータが、メモリ基板(102)へ送信される。これにより、対象者の体動に関する信号のデータが、メモリ基板(102)の記憶部に記憶される。充電用クレードル(100)側に記憶されたデータは、通信基板(50b)から無線により、無線端末へ送られる。
【0109】
〈第4の例〉
図20に示す第4の例では、第3の例と異なり、充電用クレードル(100)に通信基板(50b)が設けられていない。一方、第4の例の充電用クレードル(100)には、メモリ基板(102)に記憶されたデータを、有線により外部へ出力するためのコネクタ(103)が設けられる。コネクタ(103)には、例えばUSBケーブル等のケーブル(104)が接続可能である。従って、充電用クレードル(100)側に記憶されたデータは、ケーブル(104)を介して所定の端末(PC等)へ出力される。
【0110】
《その他の実施形態》
実施形態1に係るクリップ(25)のよる弾性部材を、実施形態2や3の構成に適用してもよいし、実施形態2に係るスプリング(85)に係る弾性部材を実施形態1に適用してもよい。即ち、各実施形態(変形例も含む)の構成については、基本的な機能を損なわない範囲で適宜組み合わせてもよい。
【0111】
実施形態3において、第1部材の全部を扁平チューブで構成してもよい。この場合、第1部材は、扁平チューブ(91)のみで構成されるため、部品点数を更に削減できる。この場合、圧力センサ(42)を第2ケーシング(30)に配置してもよい。
【0112】
上記各実施形態では、生体情報として、LF/HF値を取得しているが、体動信号、心拍信号、呼吸信号などを生体情報として取得してもよいし、例えば対象者の睡眠に関する情報を生体情報として取得してもよい。
【0113】
上記各実施形態では、中空部材としてチューブ(41)や扁平チューブ(91)を用いているが、中空部材は必ずしもチューブ状でなくてもよく、例えば袋状であってもよい。
【0114】
上記各実施形態では、回路基板(50)で抽出した体動信号、心拍信号、及び呼吸信号の少なくとも1つを通信部(56)を介してネットワーク上のサーバや、他の通信端末に送信するようにしてもよい。この場合、サーバや通信端末において、これらの信号に基づいて生体情報(例えば自律神経情報)を取得してもよい。
【0115】
上記各実施形態では、回路基板(50)を第2部材である第2ケーシング(30)に設けている。しかし、回路基板(50)を第1ケーシング(20)や接続部材(15)に設けてもよいし、ケースユニット(11)と別の部材に設けてもよい。
【0116】
上記各実施形態の挟持部材(11)は、着用品であるベルト(2)やズボン(3)に装着されるが、挟持部材(11)が取り付けられる着用品は、スカート、靴、使い捨てパンツ等、対象者が身に付けられるものであればよい。
【0117】
上記各実施形態において、圧力センサ(42)で検出した信号を、通信基板(50b)を介してそのまま外部の端末へ出力し、この端末において信号処理を行う構成とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0118】
以上説明したように、本発明は、生体情報取得装置として有用である。
【符号の説明】
【0119】
2 ベルト(着用品)
3 ズボン(着用品)
10 生体情報取得装置
11 ケースユニット(挟持部材)
15 接続部材
20 第1ケーシング(第1部材)
25 クリップ(弾性部材)
30 第2ケーシング(第2部材)
40 感圧ユニット(体動検出部)
41 チューブ(中空部材、感圧部)
42 圧力センサ
50 回路基板
61 第1壁部
62 第2壁部
65 支持部
74 周壁部
78 薄肉部
85 スプリング(弾性部材)
90 チューブユニット(第1部材)
91 扁平チューブ(中空部材、感圧部)