(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態
本発明の一実施形態は、プレイヤが、ゲーム空間における複数の競走馬によるレースの着順を予想して遊戯価値(例えばメダルや仮想ポイント)をベットし、そのレースの結果に基づいて配当(賞金)を獲得する競馬ゲーム(ベットゲーム)を提供するゲームシステムである。また、レースゲームに参加する競走馬や騎手を育成してレースゲームに参加させ、その到着順位に応じた馬主賞金としてメダルを獲得する育成ゲーム(厩舎ゲーム)も行うことができる。また、複数の競走馬で編成されたチーム同士がレースの成績を競うチーム対抗戦も行うことができる。
【0011】
<ゲームシステムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るゲームシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステム1は、インターネット等のネットワークを介して相互に接続された、ゲーム装置10とサーバー90とを含んで構成される。同図では、代表する1つのゲーム装置10のみ示されている。各ゲーム装置10は、典型的には、各地の店舗(アミューズメント施設)等に設置される。
【0012】
ゲーム装置10は、該ゲーム装置10の全体を制御するメイン装置(第1のゲーム装置)30と、各プレイヤが使用する複数のサテライト装置60とにより構成されている。これらメイン装置30と複数のサテライト装置60のそれぞれは、ネットワークで接続されている(
図1参照)。なお、メイン装置30と、複数のサテライト装置60とは、物理的に分離した別体の装置であってもよいし、一体化した同体の装置であってもよい。
【0013】
メイン装置30は、各プレイヤに共通なゲーム画面を出力する統合ディスプレイ14(
図2参照)を有しており、競走馬(競争体)が所定のコースを競争するゲーム空間を表現した映像やゲームに関する情報等を表示する。統合ディスプレイ14は、例えば3つのディスプレイ14A〜14Cで構成されている。
【0014】
複数のサテライト装置60は、統合ディスプレイ14に略対向して設けられている。従って、プレイヤは、統合ディスプレイ14の表示内容を確認しながら、サテライト装置60を操作することができるようになっている。
統合ディスプレイ14及び複数台のサテライト装置60の近傍には、ゲームサウンド(音声、音楽及び効果音等)を出力するサウンド出力手段であるスピーカータワー16A〜16D(
図2参照)が設けられている。一例として、スピーカータワー16A〜16Dは、統合ディスプレイ14の両側及び複数台のサテライト装置60後方両側に設けられる。
【0015】
各サテライト装置60には、テーブル(図示せず)と椅子(図示せず)とが設けられている。テーブルには、競馬ゲーム(ベットゲーム)や育成ゲーム(厩舎ゲーム)、特別形式のレースゲーム(チーム対抗レースゲーム)等のゲーム画像を映像出力する表示手段である液晶ディスプレイ26(
図3参照)と、メダルを投入するための一括投入ユニット86と、配当や賞金に相当するメダル(遊戯価値)を払い出すための払出機構であるホッパー88と、が設けられている。
【0016】
液晶ディスプレイ26上には操作手段であるタッチパネル27が設けられており、各プレイヤはタッチパネル27に指を触れ或いはタッチペンで触れてゲームを操作することができるようになっている。例えば、ゲーム進行過程に伴って液晶ディスプレイ26にコマンドキーが適宜表示され、プレイヤはコマンドキー上のタッチパネル27を直接手で触れることで、各種コマンド信号がゲーム制御回路に入力される。
【0017】
図1に戻り、ゲームシステム1のサーバー(サーバー装置)90は、各地に設置されたゲーム装置10から送信されるゲームデータを管理等し、また、特別レースの処理等を行うように構成される。上述したように、サーバー90は、インターネット等のネットワークに接続され、ゲーム装置10と通信可能に構成されている。
【0018】
具体的には、サーバー90は、例えば、各地のゲーム装置10から送信されるゲームデータを蓄積し、管理するデータベースサーバー92と、各種ランキング等の統計処理を行うランキングサーバー94と、ユーザー(プレイヤ)が所有するパーソナルコンピューターやゲーム端末、携帯電話機及びスマートフォンといった携帯情報端末を接続し、プレイヤ同士のコミュニティを提供するウェブサーバー96と、チーム対抗戦に関する処理を統括的に制御するチーム対抗戦サーバー98とを含んで構成される。
【0019】
なお、本実施形態では、メイン装置30と複数のサテライト装置60との間で情報通信可能に構成されたゲームシステム1を例示したが、他の構成によるゲームシステムであってもよい。例えば、メイン装置30の代わりに、サーバー装置を用意し、複数のサテライト装置60の代わりに、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム機、PC、PDA、携帯電話、PHS等の情報処置装置であるクライアント装置を用意し、サーバー装置と複数のクライアント装置とがネットワークを介して情報の送受信を行うように構成したゲームシステムであってもよい。また、サーバー90の機能をメイン装置30に持たせてもよいし、メイン装置30の機能を、サテライト装置60に持たせてもよい。
【0020】
<メイン装置の構成>
本実施形態のメイン装置30の構成について
図2を用いて説明する。
ゲーム装置10は、メイン装置30全体を統括的に制御する制御手段であるメインコンピュータ32を含んで構成される。メインコンピュータ32には、オペレーターが操作するために、表示手段であるLCD34と操作手段であるポインティングデバイス36が接続されている。
【0021】
また、メインコンピュータ32には、画像処理手段である3つのビデオボード38A〜38C、及びサウンド処理手段であるサウンドボード40がLAN接続されている。
ビデオボード38A〜38Cのそれぞれには、表示手段である統合ディスプレイ14を構成する3つのディスプレイ14A〜14Cが接続されている。言い換えれば、統合ディスプレイ14は、3つのディスプレイ14A〜14Cにより構成された大画面を有し、メイン装置30の制御の下、競馬レース等の迫力ある大画面映像を表示する。
【0022】
サウンドボード40にはアンプ42が接続されている。アンプ42には、スピーカータワー16A〜16Dに設けられたスピーカー44A〜44Dと、センタースピーカー46と、ウーハースピーカー48とが接続されている。メイン装置30は、これらスピーカー44A〜44D、センタースピーカー46、及びウーハースピーカー48により迫力ある大音響を提供する。
【0023】
メインコンピュータ32にはIOボード50が接続されている。IOボード50には、例えばLED52、冷陰極管54、及びハロゲン56等の各種照明が演出手段として接続され、さらに、スピーカータワー16A〜16Dのそれぞれに設けられた照明58A〜58Dがそれぞれ接続されている。メイン装置30は、これらLED52、冷陰極管54、及びハロゲン56等の各種照明と、スピーカータワー16A〜16Dに設けられた照明58A〜58Dにより迫力ある照明を提供する。
【0024】
<サテライト装置の構成>
本実施形態のサテライト装置60の構成について
図3を用いて説明する。
ゲーム装置10は、サテライト装置60全体を制御する制御手段であるサテライトコンピュータ62を含んで構成される。ゲーム装置10はまた、映像ユニット64、サウンドユニット68、及びIOボード70を含み、これらはサテライトコンピュータ62に接続される。
【0025】
映像ユニット64は、例えば、LCD26及びタッチパネル27により構成される。即ち、プレイヤは、LCD26に表示された内容に対してタッチパネル27にタッチすることで、インタラクティブな操作をすることができる。
サウンドユニット68は、例えば、アンプ66とスピーカー67により構成される。サウンドユニット68は、操作するプレイヤに対してゲームサウンドを出力する。
【0026】
IOボードには、演出手段としての、例えば冷陰極管72、蛍光灯74、LCD側ウイナーランプ76、及び筐体側ウイナーランプ78等の各種照明79が接続されている。サテライト装置60を操作しているプレイヤが競馬ゲームにおいて勝利等した場合、LCD側ウイナーランプ76と筐体側ウイナーランプ78の報知手段はプレイヤに報知することになる。
【0027】
ゲーム装置10はまた、ICカードユニット80、メダル投入ユニット86、及びホッパー88を含み、同様に、サテライトコンピュータ62に接続される。
ICカードユニット80は、情報記憶媒体であるICカードの情報を読み書きするICカードリーダライター82(情報読取手段、情報書込手段)と、挿入されたICカードをロックするカードロック機構84とを含んで構成される。ゲーム装置10は、プレイヤがICカードユニット80にICカードを挿入すると、ICカードの情報を読み込んで認証し、認証成功によりプレイヤを競馬ゲームにログオンさせるようになっている。
【0028】
メダル投入ユニット86は、蓄積されたメダルを所定量だけ一括で本体に投入するための投入機構である。メダル投入ユニット86は、例えば、繰り出し機構86Aとセレクタ86Bにより構成されている。ホッパー88は、賞金としてメダルを払い出すための払出機構である。
【0029】
<メインコンピュータ、ビデオボード、サウンドボード、サテライトコンピュータ及び各種サーバーの構成>
本実施形態のゲームシステム1において用いられるメインコンピュータ32、ビデオボード38、サウンドボード40、サテライトコンピュータ62、各種サーバー(データベースサーバー92、ランキングサーバー94、ウェブサーバー96及びチーム対抗戦サーバー98等)の標準的な構成について
図4を用いて説明する。
【0030】
標準的構成のコンピュータ100は、装置全体を統括的に制御するゲームボード102、画像を表示するためのビデオカード104、サウンドを出力するためのサウンドカード106、補助メモリ108、DVD−ROM110、データストレージ112、PCI(Peripheral Component Interconnect)I/Oカード114、通信インターフェース116、電源118、及びケース120により構成されている。
【0031】
ゲームボード102は、例えばマザーボード122、CPU124、及び主メモリ(RAM)126等により構成されている。
記憶手段である補助メモリ108は、例えばROMによって構成される。補助メモリ108は、書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。補助メモリ108には、例えば、OS(Operation System)プログラム130、及びアプリケーションプログラム132等が記憶され、CPU124の制御の下、適宜、主メモリ126にロードされる。DVD−ROM110は、外部記憶装置として機能し、必要なプログラム等を主メモリ126及び/又は補助メモリ108に読み込む。
【0032】
また、記憶手段であるデータストレージ112は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SDD)134により構成されている。データストレージ112には、例えば、ゲームデータ136やそのバックアップデータ等が記憶される。
【0033】
図2に示したメインコンピュータ32、ビデオボード38、サウンドボード40、
図3に示したサテライトコンピュータ62、及び
図1に示した各種サーバー92、94、96、98は、この標準的構成から適宜必要なコンポーネントが選択され構成される。
例えば、サウンドカード106は、サウンドボード40に使用される。また、DVD−ROM110、データストレージ112、及び通信インターフェース116は、各種サーバーに使用される。
【0034】
<チーム対抗戦サーバー98の機能構成>
次に、サーバー90のチーム対抗戦サーバー98の機能構成について、
図5を用いて説明する。
図5に示すように、サーバー90のチーム対抗戦サーバー98は、対戦組合せ決定部901、対戦結果情報取得部902、ドリームポイント付与部903、優劣決定部904、ポイント表示部905を備えている。対戦組合せ決定部901、対戦結果情報取得部902、ドリームポイント付与部903、優劣決定部904、ポイント表示部905は、サーバー90のCPUがROM等に格納された所定のプログラムを実行することにより実現される機能のモジュールに相当する。
【0035】
対戦組合せ決定部901は、チーム対抗戦における対戦相手の決定処理(マッチング)を行う。
対戦結果情報取得部902は、各店舗のゲーム装置10から、チーム対抗戦で行われる各レースの結果(獲得ポイント)の情報を取得する。
【0036】
ドリームポイント付与部903は、チーム対抗戦で行われる各レースの結果(獲得ポイント)に基づいて、ドリームポイント(後述)を決定し、そのレースの勝利チームに付与する。
優劣決定部904は、チーム対抗戦で行われる各レースについて付与されたドリームポイントの合計に基づいて、両チームの優劣を決定する。
【0037】
ポイント表示部905は、チーム対抗戦の間、各レースにおける両チームの現時点での獲得ポイントと、現時点での獲得ポイントに基づいて算出したドリームポイントを、各店舗のゲーム装置10に表示させる。
【0038】
<ゲームの概要>
ゲームシステム1において遊戯可能なゲームについて
図6のフローチャートを用いて説明する。
本実施形態のゲームシステム1において遊戯可能なゲームとしては、競走馬によるレースの着順を予想してメダルをベットし、そのレース結果に基づいて配当を受けるベットゲーム(ステップS10)と、レースに参加する競走馬や騎手を所有し、これら競走馬や騎手を育成してレースに参加させ、その到着順位に応じた馬主賞金としてメダルを獲得する育成ゲームである厩舎ゲーム(ステップS20)とがある。
【0039】
本実施形態のゲームシステム1において、プレイヤは、自ら操作することにより、適宜、ベットゲーム(ステップS10)と厩舎ゲーム(ステップS20)とを切り換えることができる。
新馬が生産されてから所定回数のレースが開催されて、ゲーム上の時間が経過すると、競走馬は引退することになる。また、プレイヤが操作することにより、自己の所有する競走馬を適宜引退させることもできる。引退した馬は、所定のエントリー期間中に引退した競走馬が集められて行われる特別レースに参加することができる。
【0040】
なお、ベットゲーム(ステップS10)の詳細については、特開2003−93744号公報等を参照されたい。
厩舎ゲーム(ステップS20)には、競走馬を所有、育成してレースに参加させ、その到着順位に応じた馬主賞金としてメダルを獲得する馬主ゲーム(ステップS30)と、騎手を所有、育成してレースに参加させ、その到着順位に応じた騎手賞金としてメダルを獲得する騎手ゲーム(ステップS40)とがある。
【0041】
厩舎ゲーム(ステップS20)では、まず、プレイヤは自己の厩舎を作成する(ステップS21)。厩舎は、ゲームにおいて仮想的に設定されたものであり、競走馬を調教・管理をする場所である。騎手も厩舎に所属する。本実施形態では、ICカード毎にひとつの厩舎の情報が作成される。一つの厩舎の情報は最大4頭分の競走馬と2人分の騎手の情報を含むことができる。
【0042】
馬主ゲーム(ステップS30)では、まず、競走馬を所有しているかどうか、即ち、挿入されたICカードに競走馬の情報が登録されているかどうか判断する(ステップS31)。競走馬の情報が登録されていない場合には、メダルを投入して、新馬として競走馬の情報を作成する(ステップS32)。なお、ICカードに競走馬の情報が登録されていても、新たに競走馬の情報を作成する場合には、メダルを投入してステップS32で新馬を生産する。新馬を作成するために投入されたメダルの一部、即ち、新馬を作成するために投入されたメダルの所定割合は、特別レースの賞金を支払うための資金として、そのメダルが用いられた店舗のゲーム装置10に蓄積される。
【0043】
生産された新馬は、プレイヤ自身の厩舎に入厩する(ステップS33)。従って、厩舎の情報に競走馬の情報が関連付けられる。馬主ゲームでは、入厩した競走馬に対して、様々なゲームを行うことができる。
プレイヤは、メダルを投入して、競走馬を競馬場に出走させることができる(ステップS34)。また、プレイヤは、競走馬が上位に入賞することにより賞金としてメダルを獲得することができる。競走馬を競馬場に出走させるために投入されたメダルの一部は、特別レースの賞金を支払うための資金として、そのメダルが用いられた店舗のゲーム装置10に蓄積される。
【0044】
プレイヤは、メダルを投入して、競走馬を様々な方法で調教することができる(ステップS35)。競走馬を調教するために投入されたメダルの一部は、特別レースの賞金を支払うための資金として、そのメダルが用いられた店舗のゲーム装置10に蓄積される。
また、プレイヤは、メダルを投入して、競走馬に様々な飼葉(えさ)を与えることができる(ステップS36)。競走馬に飼葉を与えるために投入されたメダルの一部は、特別レースの賞金を支払うための資金として、そのメダルが用いられた店舗の競争ゲーム10に蓄積される。
【0045】
新馬が生産されてから所定回数のレースが開催されて、ゲーム上の時間が経過すると、競走馬は引退することになる(ステップS37)。また、プレイヤが操作することにより、自己の競走馬を引退させることもできる。引退する際に、その競走馬の資質を受け継いだ次世代の新馬を生産することができる(ステップS32)。
【0046】
騎手ゲーム(ステップS40)では、まず、所属騎手がいるかどうか、即ち、挿入されたICカードに騎手の情報が登録されているかどうか判断する(ステップS41)。騎手の情報が登録されていない場合には新たに騎手の情報を作成する(ステップS42)。なお、ICカードに騎手の情報が登録されていても、新たに騎手の情報を作成する場合にはステップS42で騎手を作成する。
【0047】
作成された騎手は自厩舎に所属する(ステップS43)。したがって、厩舎の情報に騎手の情報が関連づけられる。騎手ゲームでは、所属している騎手に対して、様々なゲームを行うことができる。
自分の厩舎、他のプレイヤの厩舎、又はコンピュータの厩舎等の厩舎(ステップS44)からの騎乗依頼により、競馬場に出走する競走馬に騎手を騎乗させることができる(ステップS45)。なお、騎乗依頼の際に騎乗依頼料としてメダルの投入を要求してもよい。騎乗した競走馬が上位に入賞すると、騎手も賞金としてメダルを獲得することができる。
【0048】
プレイヤは、メダルを投入して、騎手を様々な方法でトレーニングすることができる(ステップS46)。
騎手を作成してから所定回数のレースに騎乗すると、騎手は引退することになる(ステップS47)。引退する際に、その騎手の資質を受け継いだ次世代の騎手を作成することができる(ステップS42)。
【0049】
<チーム対抗戦>
本実施形態のゲームシステム1で行われるチーム対抗戦について、
図7のフローチャートを用いて説明する。チーム対抗戦は、チーム対抗戦サーバー98によって統括的に制御される。チーム対抗戦は、例えば店舗同士が1対1で対戦するゲームであり、各チームは各店舗に所属する複数のプレイヤによって構成される。チーム対抗戦では、チームに所属する各プレイヤが複数のレースに参加し、それらの成績の合計を競うゲームである。
【0050】
チーム対抗戦では、まず、対戦組合せ決定部901によって、対戦相手の決定処理(マッチング)が行われる(ステップS51)。具体的には、例えば以下の手順により、実力の近い店舗同士が対戦するようにマッチングが行われる。
(手順1)前回及び前々回のチーム対抗戦の勝敗数(2連勝、1勝1敗、2連敗の3グループ)によって、各店舗を3つのグループに分ける。
(手順2)手順1で分けた3つのグループ内で、前回の総獲得ポイントが多かった順に店舗を並べる。
(手順3)各グループにダミー店舗を混ぜる。グループ内の店舗数が奇数であれば奇数のダミー店舗を混ぜ、店舗数が偶数であれば偶数のダミー店舗を混ぜることで、全体で偶数になるようにする。ダミー店舗は、手順2で並び替えた順序のランダムな位置に差し込むようにし、ダミー店舗同士が連続して並ばないようにする。
(手順4)各グループで、上から順番に2店舗を組み合わせる。前回の対戦と同じ組み合わせができてしまった場合には、順位が下の方の店舗を、さらに1つ下の店舗と入れ替える。
【0051】
対戦組合せが決定すると、チーム対抗戦のファーストステージが行われる(ステップS52)。ファーストステージが終了すると、続いて、チーム対抗戦のセカンドステージが行われる(ステップS53)。チーム対抗戦は1週間のスパンで行われ、例えばファーストステージは日曜日〜土曜日の夕方まで開催され、セカンドステージは土曜日の夜に開催される。ファーストステージでは、期間中、どのプレイヤも例えば6種類のレースに複数回参加することができる。一方、セカンドステージは、決まった時間にレースが行われ、店舗(チーム)毎の代表馬のみが出走できる。チーム対抗戦の勝敗は、ファーストステージとセカンドステージのそれぞれで獲得したドリームポイント(第1のポイント)の合計で決まる。ドリームポイントについては後述する。
【0052】
<ファーストステージ>
次に、ファーストステージについて、
図8のシーケンス図を用いて説明する。なお、
図8には、1つのゲーム装置10のみを示しているが、実際には、対戦相手の店舗のゲーム装置も同様の処理を行っている。まず、チーム対抗戦に参加するそれぞれの店舗のゲーム装置10において、ファーストステージの第1レース〜第6レースの6種類のレース(第1の対戦)を実行する(ステップS61)。各レースは、ファーストステージの開催期間が終了するまで、例えば1時間に1回程度のペースで、繰り返し開催される。プレイヤは、出走受け付けを行っているレースの中から所望のレースを選択し、自分の競走馬を出走させる。各レースには、それぞれ異なる難易度が設定されている。出走受け付けが終了すると、ゲーム装置10においてレースが行われる。なお、ゲーム装置10におけるレース処理の詳細については、特許5590356号公報等を参照されたい。
【0053】
レースが終了すると、結果(着順)がゲーム装置10のディスプレイに表示され、各プレイヤの着順に応じて着順ポイント(成績ポイント)が付与される(ステップS62)。着順ポイントは、レースの難易度によって変化し、例えば
図9に示すように設定されている。
図9の例では、第5レースと第6レースの難易度が高く、第3レースと第4レースが中程度、第1レースと第2レースの難易度が低い、という構成になっている。例えば、第1レースに店舗AからプレイヤXとYが参加しており、Xが1着、Yが3着だった場合には、店舗Aがその回の第1レースで獲得する着順ポイントは120ポイントとなる。
【0054】
さらに、そのレースで1着になったプレイヤには、ボーナスポイントが付与される。ここで付与されるボーナスポイントは、その種類のレースで、相手チームがそれまでに獲得しているポイント(第2のポイント)の所定割合(例えば1%)である。例えば、ファーストステージ期間中の3回目に開催される第1レースで、店舗AのプレイヤXが1着になった場合、店舗Aには、相手店舗Bが1回目〜3回目の第1レースで獲得しているポイントの1%がボーナスポイントとして付与される。着順ポイントとボーナスポイントを合わせたポイントが今回の第1レースでの獲得ポイント(第3のポイント)となる。
【0055】
次に、各店舗のゲーム装置10は、サーバー90のチーム対抗戦サーバー98に、自店舗がそのレースで獲得したポイント(第3のポイント)を送信する(ステップS63)。
【0056】
チーム対抗戦サーバー98は、対戦結果情報取得部902において、レースが開催されるたびに各店舗から獲得ポイント(第3のポイント)の情報を取得し、レースの種類毎に加算していく(ステップS71)。例えば、第1レース(第1の対戦)の総獲得ポイント(第2のポイント)は、第1レースが計5回開催されたとすると、1回目〜5回目の第1レース(5回の第2の対戦)のそれぞれにおける獲得ポイント(第3のポイント)の合計となる。
【0057】
ドリームポイント付与部903は、各レース(第1の対戦)の総獲得ポイント(第2のポイント)に基づいて、ドリームポイント(第1のポイント)を決定し、そのレースに勝利した店舗に決定したドリームポイントを付与する(ステップS72)。
【0058】
図10〜
図12を用いてドリームポイントの付与について具体的に説明する。
図10は、対戦する店舗AとBが、ファーストステージの第1〜第6レース(1R〜6R)でそれぞれ獲得したポイント(第2のポイント)を示している。また、勝敗結果として、それぞれのレースで獲得ポイントが多いほうの店舗を示している。
【0059】
ドリームポイントは、各レースについて、勝利したチームの獲得ポイント(第2のポイント)が高いほど、高いドリームポイントが与えられるように設定されている。一例としては、
図11に示すように、獲得ポイントの順番にしたがって段階的なドリームポイント(DP)を設定する。
【0060】
図12は、
図11の規則にしたがって、各レースの勝利チームに付与されるドリームポイントを示した図である。
図10に示すように、勝利チームの獲得ポイントが多い順に各レースを並べると第6、第2、第3、第1、第5、第4となる。したがって、ドリームポイントは、第6レースが最も高く100ポイントとなり、第4レースが最も低い10ポイントとなる。
【0061】
なお、最終的なドリームポイントは、ファーストステージの終了後に決定されるが、ドリームポイント付与部903は、ファーストステージ終了までの間も、レースが開催される毎に現時点での成績を基に各レースのドリームポイントを算出する。すなわち、各レースについて、現時点での獲得ポイント合計を最終的な獲得ポイントと仮定して、ドリームポイントを算出する。算出したドリームポイントは、現時点での獲得ポイントが多い方の店舗に付与される。また、算出された現時点でのドリームポイントは、ポイント表示部905によって、現時点でのレース毎の獲得ポイントと共に両店舗のゲーム装置10に供給される。
【0062】
それぞれの店舗では、ゲーム装置10のディスプレイ(メイン装置30のディスプレイ14やサテライト装置60の映像ユニット64)に現在の両チームのポイント獲得状況が表示される(ステップS64)。表示される画像の例を
図13に示す。
【0063】
ドリームポイント(第1のポイント)と各レースでの獲得ポイント(第2のポイント、第3のポイント)は、サーバー90およびゲーム装置10内でパラメータとして管理される。ゲーム装置10は、例えば、
図13に示すように、各レースにおける両チームの現時点までの獲得ポイントの合計(第2のポイント)をグラフと数値で示す。また、各レースについての現時点でのドリームポイントを数値で表示する。すなわち、例えば
図13の例では、第6レースで現在リードしている店舗Bの1600ポイントが、最も高いポイントなので、店舗Bに最も高いドリームポイント100DPが付与されている。なお、ポイント情報の表示方法は
図13に示すものに限られず、数字やゲージの他、アイコンや記号、称号などを用いてもよく、現在の両チームのポイント取得状況が表現できる方法であればよい。
【0064】
ファーストステージのレースがすべて終了すると、チーム対抗戦サーバー98は、優劣決定部904において、最終的にドリームポイントが高い方のチームをファーストステージの勝利チームと決定する(ステップS73)。なお、本実施形態では、ファーストステージの終了条件は、所定の開催期間(例えば日曜日〜土曜日の夕方まで)の経過であるが、終了条件はこれに限られない。例えば、各レースの開催の合計回数が所定の回数に達したら終了するようにしてもよい。
図12の例では、ドリームポイントの合計が高い店舗B(140ポイント)が勝利チームとなる。なお、あるレースについて最終的に両店舗の獲得ポイントの合計が同点だった場合には、同点になる直前にリードしていたほうの店舗を勝利チームとして決定するようにしてもよい。また、2つのレースの勝利チームの獲得ポイントが同一だった場合には、両方のレースの勝者に対して同じドリームポイントを付与するようにしてもよい。
【0065】
<セカンドステージ>
ファーストステージが終了すると、各店舗のゲーム装置10においてセカンドステージが開催される。セカンドステージは、ファーストステージとは異なり、各店舗の複数の代表馬が同じレースに出走して行われる。レースは例えば3レース開催され、各レースには、両店舗から選出された代表馬(例えば5頭)の他に、ゲーム装置10によって制御される助っ人参戦馬(CPU馬)4頭が出走する。なお、助っ人参戦馬は、ファーストステージのいずれかのレースに出走したCPU馬であり、セカンドステージでは、ファーストステージでその助っ人馬が出走したレースで勝利した方の店舗の馬として参戦するようにしてもよい。このようなルール設定により、ファーストステージで勝利したレースが多い店舗のほうが多くの助っ人馬を味方にできるので、セカンドステージにおいて有利になる。
【0066】
セカンドステージでは、各レースについて、着順に応じたドリームポイントが付与される。例えば、1着は50ポイント、2着は30ポイント、というように段階的な値が設定され、それぞれの馬が所属するチームのポイントとして加算される。
【0067】
セカンドステージが終了すると、サーバー90においてファーストステージとセカンドステージにおいて両チームが取得したドリームポイントが合算され、ポイントが高い方の店舗が今回のチーム対抗戦の勝利チームとなる。
【0068】
以上のように、本実施形態によれば、サーバー90が、対戦する2チームのファーストステージの各レース(第1の対戦)における、レース毎の獲得ポイント(第2のポイント)に基づいて、各レースのドリームポイント(第1のポイント)を決定し、そのレースの勝利チームに付与するようにした。そして、各レースについて付与されたドリームポイントの合計に基づいて、両チームの勝敗を決定するようにした。これにより、チーム対抗戦の勝敗を、単に各レースの獲得ポイントの合計で決めるのではなく、各レースの内容(獲得ポイントの大きさ)を考慮して、レース間で調整したドリームポイントを付与し、ドリームポイントの合計によって勝敗を決めるので、レース間に関連性を持たせることができる。すなわち、獲得ポイントだけで争う場合には、より多くのレースで上位の着順に入るほうが有利であるが、本実施形態では、どれか1つのレースを高い獲得ポイントで勝つほうが有利になるということもあり得る。
【0069】
例えば、
図12に示すように、レースの勝利数でみると店舗Aが4レース、店舗Bが2レースで店舗Aが勝っているが、ドリームポイントの合計では店舗Bが勝っている。これは、店舗Bが第6レースで高い獲得ポイントで勝利したため、第6レースだけで大きなドリームポイントを得たことが原因である。このように、各店舗で、どのレースに力を注ぐのが有利かといった作戦もたてられ、チーム戦ならではの楽しさを提供することができる。
【0070】
また、ドリームポイントは予め決められた段階的な値のポイントであり、ファーストステージ終了の時点で、セカンドステージで挽回できないほどのポイント差がついてしまうことがないように調整することができる。このような調整をした場合、セカンドステージ終了まで勝敗の結果はわからず、最後まで白熱したチーム対抗戦を行うことができる。
【0071】
また、各レース(第1の対戦)は、ファーストステージの期間中に複数回にわたって行われ、各回の対戦(第2の対戦)での獲得ポイント(第3のポイント)は、着順に応じて決まる成績ポイントとボーナスポイントを含む。ボーナスポイントは、例えば各回の対戦で1着になると与えられ、ポイントは、相手チームがそのレースでそれまでに獲得している第2のポイントに応じて与えられる。このように、ファーストステージの途中経過に応じて獲得できるポイントが動的に変化するため、どのレースに参加すればより多くのポイントを稼げるかという戦略をたてる楽しみがある。また、着順に応じて決まる成績ポイントのほうは、レース毎に設定される難易度によって異なるので、自分の保有する競走馬の実力や相手チームのポイント獲得状況など、様々な要素を考慮して出走するレースを決める必要があり、ゲームをより複雑で面白いものにできる。
【0072】
また、ファーストステージの期間中、各レースにおいて両チームが現時点までに獲得している第2のポイントと、現時点での第2のポイントに基づいて算出したドリームポイントを、各店舗のゲーム装置10に表示するようにしたので、各チームは、現在の相手チームの獲得ポイント状況を確認することができ、これに基づいて今後参戦するレースを決めるなどの戦略をたてることができる。
【0073】
なお、本実施形態では、2つの店舗がサーバー90を介してポイントを競うチーム対抗戦を行っているが、同一店舗内のゲーム装置同士でチーム対抗戦を行う際にも適用が可能である。この場合、サーバー90の機能を店舗内に設けるようにしても良い。更に、サーバーの負荷を軽減させるため、サーバー90のうちチーム対抗戦サーバー98の機能の一部(チーム対抗戦処理)を対戦する何れかのゲーム装置もしくは他のゲーム装置に処理させるようにしても良い。この場合、ゲーム処理をしていないアドバタイズ処理中のゲーム装置に割り当てることが望ましく、チーム対抗戦サーバー98は、マッチング処理のほか、チーム対抗戦処理を行うゲーム装置の選定を各ゲーム装置10のステータス情報を収集して行う。ゲーム装置が制御する架空のチームを相手として対抗戦を行う場合にも本発明は適用できる。このような架空のチームとの対抗戦であれば、本実施形態のように、各店舗のゲーム装置とサーバーで構成される通信システムではなく、他の装置との通信を行わずに単独で処理を行う家庭用ゲーム機等でも実現できる。この場合、家庭用ゲーム機が、本実施形態のサーバー90とゲーム装置10の機能を有する。