特許第6460770号(P6460770)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6460770-路上設置型道路標識監視システム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6460770
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】路上設置型道路標識監視システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20190121BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20190121BHJP
   E01F 13/00 20060101ALN20190121BHJP
   E01F 9/00 20160101ALN20190121BHJP
【FI】
   G08G1/09 P
   G08B21/24
   !E01F13/00
   !E01F9/00
【請求項の数】1
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-255256(P2014-255256)
(22)【出願日】2014年12月17日
(65)【公開番号】特開2016-115262(P2016-115262A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】593153428
【氏名又は名称】中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134647
【弁理士】
【氏名又は名称】宮部 岳志
(72)【発明者】
【氏名】中川 浩
【審査官】 上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3189644(JP,U)
【文献】 特開平06−266996(JP,A)
【文献】 特開2013−092860(JP,A)
【文献】 特開2001−233214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
E01F 9/00−11/00
E01F 1/00
E01F 13/00−15/14
G08B 19/00−21/24
G08B 23/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上に並べて設置された複数の路上設置型道路標識により通常走行車線から仕切られた通行規制領域が、走行方向に沿って並ぶ複数のエリアに区分けされ、前記複数のエリアの各々には中継器が一つ配置され、
前記中継器の一つが他の前記中継器からの情報を収集する集約中継器とされ、
前記エリアの一つにおいて前記エリアの中で作業に従事する作業員に対して警告を報知する警報手段と、前記通行規制領域を移動する監視手段を備え、
前記路上設置型道路標識は、前記複数のエリアの何れか一つに属し、3軸衝撃センサ、3軸加速度センサ、センサ演算手段、及び送信手段を備え、
前記センサ演算手段は、前記3軸衝撃センサから衝撃加速度データを取得し、前記衝撃加速度データが第一閾値を超えたときに第一送信信号を出力し、前記3軸加速度センサから重力加速度データを取得し、初期設置状態における鉛直軸方向の前記重力加速度データに変化があったときから所定時間経過後に取得された前記重力加速度データの前記初期設置状態からの前記鉛直軸方向の変化が第二閾値を超えた場合にのみ第二送信信号を出力し、
前記送信手段は、前記第一送信信号の出力に基づき第一報知信号を送信し、前記第二送信信号の出力に基づき第二報知信号を送信し、
前記第一報知信号及び前記第二報知信号は、前記第一報知信号及び前記第二報知信号を送信する前記送信手段を備える前記路上設置型道路標識の属する前記エリアの中に存在する前記中継器及び前記監視手段が受信できる強さとされ、
前記中継器は、前記第一報知信号を受信した場合、自局が設置されている前記エリアの中に配置された前記警報手段に対し前記第一報知信号を送信すると共に、前記第二報知信号を受信したものと見做す判断をし、前記第二報知信号を受信した場合又は前記第二報知信号を受信したものと見做した場合、自局が設置されている前記エリアに前記第二報知信号を送信すると共に、自局が設置されている前記エリアより前記集約中継器に近い前記エリアに設置された上流側の他の前記中継器が受信可能な、自局の識別情報を含む中継信号を送信し、自局が設置されている前記エリアより前記集約中継器から離れた前記エリアに設置された下流側の他の前記中継器から送信された前記中継信号を受信した場合、前記上流側の他の中継器が受信可能な前記下流側の他の中継器の前記識別情報を含む前記中継信号を送信し、前記集約中継器から送信された集約中継信号を前記集約中継器又は前記上流側の他の中継器から受信した場合、前記集約中継信号に含まれる前記路上設置型道路標識の変位情報を記憶すると共に、前記下流側の他の中継器が受信可能な前記集約中継信号を送信し、前記監視手段から通信要求信号を受信した場合、前記変位情報を含み前記監視手段が受信可能な情報提供信号を送信し、
前記警報手段が、前記第一報知信号に基づき、前記エリアの中の作業者に警報を発し、
前記監視手段が、前記情報提供信号又は前記第二報知信号に含まれる情報に基づき、前記路上設置型道路標識の設置状態の変化と、前記設置状態の変化が生じた前記エリアを報知することを特徴とする路上設置型道路標識監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路保守作業や道路補修作業などを行うときに作業が行われる道路に設けられる通行規制領域を通常の走行車線と区切るために設置される、路上設置型道路標識の設置状態の変化を検知し報知する路上設置型道路標識監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路保守作業や道路補修作業を行う場合、作業が行われる道路の一部において通行規制がなされるが、通行規制のなされる領域は、並べて配置された多数の「コーン」と称される円錐形をなす路上載置型道路標識によって通常の走行車線と区切られることが多い。
【0003】
ところが、通行規制領域を通常の走行車線と区切るための路上設置型道路標識は、設置作業や回収作業の利便性を考慮し軽量なものとされているものが多い。そのため、走行車両が誤って規制領域に突入した場合、路上設置型道路標識はその衝撃により跳ね飛ばされ、走行車両の進入を防止するものとはならず、通行規制領域に突入した車両に作業者が跳ねられるおそれがあった。
【0004】
そこで、路上設置型道路標識で通常の走行車線と区切られた通行規制領域において、突入した車両による人身事故を未然に防止するための手法が提案されている。例えば、特開平6−266996号公報には、道路で事故処理等の作業を行っているときに、路上設置型道路標識を蹴散らして後続車が暴走したことを道路上の作業者に知らせることができる暴走車警報装置が開示されている。
【0005】
また、特開2000−90362号公報には、道路上に配置された路上設置型道路標識とそれらに架け渡された棒材で仕切った区域に車両が突破して進入したことを検出し、作業区域内の作業員に警報を発する車両進入警報システムが開示されている。
【0006】
一方、路上設置型道路標識には、軽量であることにより、別の問題も生じている。すなわち、軽量な路上設置型道路標識には、強風や振動により、設置位置から移動し或いは転倒することがあった。
【0007】
そして、路上設置型道路標識が、所定の位置と異なる位置に配置されたり、或いは転倒していたりする場合は、走行車両の運転者に対し通行規制領域を明確に示すことができず、更に、走行の障害になるおそれがあった。そのため、路上設置型道路標識が正常な設置状態にあることを確認するための、定期的な巡回作業が行われている。
【0008】
ところが、巡回作業には手間と時間を要し、更には、確認作業が終わった直後に移動や転倒があった場合には、次の巡回作業まで、その状態が放置されてしまう問題があった。そこで、路上設置型道路標識の状態が正常状態から外れた場合に、そのことを遠隔で通知する手法が提案されている。例えば、特開平10−18242号公報には、円錐体のコーン(路上設置型道路標識)頂部に、振動と傾きの少なくとも一方に感応するセンサを設け、基準を超える振動あるいは傾きによる異常状態が発生したことを弁別する状態弁別回路の出力に応動して、異常の発生を無線信号によって通知する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−266996号公報
【特許文献2】特開2000−90362号公報
【特許文献3】特開平10−18242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、路上設置型道路標識の状態変化を示す情報は、通行規制領域を区切るための正常な設置状態を維持する目的と、通行規制領域へ走行車両が突入したことを領域内の作業者に報知する目的の、いずれの目的にも利用される。
【0011】
しかしながら、路上設置型道路標識の状態変化を検知する従来の手法では、設置状態を維持するために必要となる情報と、走行車両の突入を報知するために必要となる情報の双方を検出し、検出した情報に基づいて、不要な報知を行うことなく必要な報知のみを行うことが難しかった。
【0012】
例えば、車両の突入速度が低い場合には、路上設置型道路標識が跳ね飛ばされた直後に車両が停止できれば、作業者に危険の及ぶことはない。しかしながら、路上設置型道路標識の設置状態は大きく変化しており、その変化の検知により作業者へ報知されることになる。そして、このような場合にまで報知がなされると、作業者において報知に対する慣れが生じ、迅速な退避が必要となる本当に危険な状態でも、退避行動がとられなくなるおそれがあった。
【0013】
また、路上設置型道路標識の設置状態が強風や振動などで変化したときでも、反力により元の状態に戻る場合や、設置目的に支障の無い範囲の変位に留まる場合がある。しかしながら、路上設置型標識の設置状態は変化しているため、変化したことが報知され、不要な巡回作業を強いられるおそれがあった。
【0014】
更に、通行規制領域は、実施される作業の内容に応じて設けられ、作業によっては数キロの長さに及ぶ場合がある。しかしながら、路上設置型道路標識の状態変化を検知する従来の手法を長い通行規制領域に適用すると、システムが複雑化し、維持管理に要する手間が増える、或いは、使い勝手が悪くなる等の問題が起こる場合があった。
【0015】
そこで、本発明は、通行規制領域の長さに関わらず、簡単な構成で、設置状態を維持するために必要となる情報と、走行車両の突入を警報するために必要となる情報の双方を検知することができ、かつ、不要な報知を行うことなく必要な報知のみを行うことができる路上設置型道路標識監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る路上設置型道路標識監視システムでは、道路上に並べて設置された複数の路上設置型道路標識により通常走行車線から仕切られた通行規制領域が、走行方向に沿って並ぶ複数のエリアに区分けされ、前記複数のエリアの各々には中継器が一つ配置され、前記中継器の一つが他の前記中継器からの情報を収集する集約中継器とされる。
【0017】
また、前記エリアの一つにおいて前記エリアの中で作業に従事する作業員に対して警告を報知する警報手段と、前記通行規制領域を移動する監視手段を備える。
【0018】
前記路上設置型道路標識は、前記複数のエリアの何れか一つに属し、3軸衝撃センサ、3軸加速度センサ、センサ演算手段、及び送信手段を備える。
【0019】
前記センサ演算手段は、前記3軸衝撃センサから衝撃加速度データを取得し、前記衝撃加速度データが第一閾値を超えたときに第一送信信号を出力する。
【0020】
前記センサ演算手段は、また、前記3軸加速度センサから重力加速度データを取得し、初期設置状態における鉛直軸方向の前記重力加速度データに変化があったときから所定時間経過後に取得された前記重力加速度データの前記初期設置状態からの前記鉛直軸方向の変化が第二閾値を超えた場合にのみ第二送信信号を出力する。
【0021】
前記送信手段は、前記第一送信信号の出力に基づき第一報知信号を送信し、前記第二送信信号の出力に基づき第二報知信号を送信する。
【0022】
前記第一報知信号及び前記第二報知信号は、前記第一報知信号及び前記第二報知信号を送信する前記送信手段を備える前記路上設置型道路標識の属する前記エリアの中に存在する前記中継器及び前記監視手段が受信できる強さとされる。
【0023】
前記中継器は、前記第一報知信号を受信した場合、自局が設置されている前記エリアの中に配置された警報手段に対し前記第一報知信号を送信すると共に、前記第二報知信号を受信したものと見做す判断をする。
【0024】
前記中継器は、また、前記第二報知信号を受信した場合又は前記第二報知信号を受信したものと見做なした場合、自局が設置されている前記エリアに前記第二報知信号を送信すると共に、自局が設置されている前記エリアより前記集約中継器に近い前記エリアに設置された上流側の他の前記中継器が受信可能な、自局の識別情報を含む中継信号を送信する。
【0025】
前記中継器は、更に、自局が設置されている前記エリアより前記集約中継器から離れた前記エリアに設置された下流側の他の前記中継器から送信された前記中継信号を受信した場合、前記上流側の他の中継器が受信可能な前記下流側の他の中継器の前記識別情報を含む前記中継信号を送信する。
【0026】
前記中継器は、更にまた、前記集約中継器から送信された集約中継信号を前記集約中継器又は前記上流側の他の中継器から受信した場合、前記集約中継信号に含まれる前記路上設置型道路標識の変位情報を記憶すると共に、前記下流側の他の中継器が受信可能な前記集約中継信号を送信する。
【0027】
前記中継器は、更にまた、前記監視手段から通信要求信号を受信した場合、前記変位情報を含み前記監視手段が受信可能な情報提供信号を送信する。
【0028】
そして、前記警報手段が、前記第一報知信号に基づき、前記エリアの中の作業者に警報を発し、前記監視手段が、前記情報提供信号又は前記第二報知信号に含まれる情報に基づき、前記路上設置型道路標識の設置状態の変化と、前記設置状態の変化が生じた前記エリアを報知する。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る路上設置型道路標識管理システムでは、路上設置型道路標識に設置された3軸衝撃センサから取得した衝撃加速度データが第一閾値を超えたとき、第一報知信号が出力され、その第一報知信号に基づき、警報手段がエリアの中の作業者に警報を発する。従って、突入車両の衝突による衝撃と相関性を有する衝撃加速度データについて、適正な第一閾値を設定することにより、突入車両が危険を及ぼす状態の場合にのみ、作業者に対し報知することが可能となる。すなわち、走行車両の突入を報知するために必要となる情報を検知して不要な報知を行うことなく必要な報知を行うことができる。
【0030】
また、路上設置型道路標識に設置された3軸加速度センサから取得した重力加速度データの、初期設置状態における鉛直軸方向の初期設置状態からの変化が第二閾値を超えたとき、第二報知信号が出力され、監視手段により路上設置型道路標識の設置状態の変化が報知される。従って、適正な第二閾値を設定することにより、路上設置型道路標識が所定の許容範囲を超えて移動した場合にのみ、設置状態の変化を報知することができる。
【0031】
しかも、第二報知信号は、重力加速度データに、初期設置状態における鉛直軸方向の変化があったときから所定時間経過後に取得された重力加速度データの鉛直軸方向の初期設置状態からの変化が第二閾値を超えた場合のみに出力されるため、路上設置型道路標識が元の状態に戻った場合や、最終的に許容範囲内の変位に収まった場合などに、不要な報知がされることが無い。
【0032】
更に、通行規制領域が走行方向に沿って並ぶ複数のエリアに区分けされ、複数のエリアの各々に配置された中継器は、自局が設置されているエリアに属する路上設置型道路標識から送信される、突入車両の存在を示す第一報知信号を受信し、自局が設置されているエリアの中に配置された警報手段のみが受信する第一報知信号として送信する。すなわち、突入車両による路上設置型道路標識の状態変化は、エリア毎に検知され、それに対する警報もエリア毎に実施される。
【0033】
従って、通行規制領域の長さに応じてエリアの数を変えるのみで、通行規制領域の長さに関わらず通行規制領域の全域において、突入車両による路上設置型道路標識の状態変化を検知することが可能となる。
【0034】
更にまた、第一報知信号及び第二報知信号は、センサで検知されたデータを閾値と比較する簡単な演算により発信の要否が判断されるとともに、警報手段に、これ以外の他の判定手段を経ることなく中継器を介して瞬時に送信されるため、車両が高速で突入した場合であっても、車両の到達前に必要な報知を行うことができる。
【0035】
更にまた、第二報知信号は、中継器によって上流側の他の中継器が受信可能な、路上設置型道路標識の設置状態が変位したエリアの中継器の識別情報を含む中継信号として上流側の他の中継器に送信され、集約中継器又は上流側の他の中継器から、路上設置型道路標識の変位情報を集約した集約中継信号として下流側の他の中継器に送信され、集約中継信号に含まれる路上設置型道路標識の変位情報は中継器に記憶される。すなわち、路上設置型道路標識の設置状態の変化は、全エリアに関する情報が全中継器に記憶される。そして、中継器から送信される情報提供信号に基づき、監視手段が、路上設置型道路標識の設置状態の変化があったこと及びそのエリアを報知する。しかも、監視手段は、交通規制領域を移動しながら、どの地点にあっても、路上道路標識の設置状態に関する情報を取得し報知することができる。
【0036】
なお、監視手段が進入したエリアにおいて路上設置型道路標識から第二報知信号が送信された場合、監視手段は、中継器を介して第二報知信号を受信する。そして、この場合でも、受信した第二報知信号に基づき、監視手段が存在している当該エリアにおいて路上設置型道路標識の設置状態の変化があったことが報知される。すなわち、監視手段は、交通規制領域を移動しながら、どの地点にあっても、路上道路標識の設置状態に関する情報を取得し報知することができる。
【0037】
従って、通行規制領域の長さに応じて設けられるエリアの数に関わらず、通行規制領域の全域において、路上設置型道路標識の状態変化を検知することが可能となる。
【0038】
更にまた、路上設置型道路標識から送信される第一報知信号及び第二報知信号はいずれも、それら第一、第二報知信号を送信する路上設置型道路標識の属するエリアの中に存在する中継器及び監視手段が受信できる強さであればよいため、小電力の通信手段を採用することができる。
【0039】
更にまた、中継器から送信される第一報知信号は、その第一報知信号を送信する中継器が設置されているエリアの中に配置された警報手段のみが受信するものであればよく、第二報知信号も第二報知信号を送信する中継器が設置されているエリアの中に侵入した監視手段が受信できるものであればよい。更に、情報を共有する目的で送信される中継信号又は集約中継信号も、その中継信号又は集約中継信号を送信する中継器が設置されているエリアに隣接するエリアに設置された中継器が受信できるものであればよい。一方、交通規制領域を移動する監視手段は、最も近い中継器から情報を得ることができるため、情報提供信号についても遠距離通信を必要としない。そのため、中継器についても小電力の通信手段を採用することができる。
【0040】
従って、路上設置型道路標識と中継器のいずれにおいても、小電力の通信手段を採用することができ、簡単な構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明に係る路上設置型道路標識監視システムの実施形態のブロック図である。
図2】同路上設置型道路標識監視システムが採用されている作業現場を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1図2を参照しながら、本発明に係る路上設置型道路標識監視システムの実施形態について説明する。
本実施形態の路上設置型道路標識監視システムは、高速道路の保守作業や補修作業を行う場合に、作業が行われる場所に設けられる通行規制領域に使用するものである。まず、その構成について説明する。
【0043】
通行規制領域1は、「コーン」と称されている円錐形をなす路上設置型道路標識10(以下、円錐型という場合がある)の複数と、矩形板材とその支持部材で構成され矩形板材を路面から起立させて設置する形の路上設置型標識50(以下、矩形板型という場合がある)の複数により、走行車線2から区切られている。
【0044】
円錐型の路上設置型道路標識10は、走行方向と平行に複数並べて配置されている。一方、矩形板型の路上設置型標識50は、通行規制領域の開始地点において走行方向に対し傾斜する方向に並べて配置されている。
【0045】
なお、図1において、円錐型の路上設置型道路標識10の個数と、矩形板型の路上設置型道路標識50の個数は、図示の便宜上、それぞれ2個と1個とされているが、その数に制限はなく、使用状況に応じた数とすればよい。
【0046】
通行規制領域1は、走行方向に沿って並ぶ複数のエリア1a、1b、1c、1d…に区分けされ、路上設置型道路標識10、50は複数のエリアの何れか一つに属するものとなっている。例えば、この実施形態における通行規制領域1の開始地点のエリア1aには、矩形板型の路上設置型道路標識50のみが配置されており、路上設置型道路標識50はそのエリア1aのみに属し、他のエリア1b、1c、1d…には属さないものとなっている。
【0047】
なお、図1、2には、図示の便宜上、4つのエリア1a、1b、1c、1dが示されているが、通行規制領域1を区分するエリアの数に制限はなく、使用状況に応じた区分けとすればよい。また、図1、2において、エリア1dは図示の便宜上、空白とされているが、実際にはその他のエリアと同様に路上設置型道路標識10や中継器30が配置される。
【0048】
路上設置型道路標識10、50には、3軸衝撃センサ11、3軸加速度センサ12、センサ演算手段13、及び、送信手段14が設置されている。
【0049】
また、矩形板型の路上設置型道路標識50には、更に、ジャイロセンサ15が設置されている。
【0050】
3軸衝撃センサ11は、衝撃が加えられたときの路上設置型道路標識10、50の衝撃加速度を計測するものである。また、3軸加速度センサ12は、路上設置型道路標識10、50における重力加速度を計測するものである。
【0051】
3軸衝撃センサ11と3軸加速度センサ12は、いずれも公知のセンサを使用することができるが、この実施形態では、3軸での計測が可能なものが採用されている。3軸での計測を行うことにより、路上設置型道路標識10、50への設置状態の相違により誤った計測結果となることを防止できる。
【0052】
例えば、設置状態において鉛直方向と一致させるべき装置の軸線が鉛直方向に対し傾斜した状態で設置されたとき、すなわち、斜めに取付けられたとき、計測結果に誤差が生じることになる。しかも、人手作業により設置される場合は、その傾斜度合いはセンサ毎に異なるものとなり、路上設置型道路標識10、50の設置状態が同じであっても、計測結果が異なるものとなってしまう。これに対し、3軸の計測結果を考慮して初期の設置状態を把握することにより、これら設置状態の相違による誤差を修正し、正確な計測結果を得ることが可能となる。
【0053】
更に、特定方向のみを計測するセンサ(1軸センサ)では、路上設置型道路標識10、50が移動する方向によっては計測できない場合がある。これに対し、3軸での計測によれば、路上設置型道路標識10、50がどのような方向に移動したときにも計測が可能となる。
【0054】
ジャイロセンサ15は、矩形板型の路上設置型道路標識50における角速度データを計測するものである。公知のセンサを使用することができる。
【0055】
センサ演算手段13は、公知のマイコンであり、3軸衝撃センサ11から取得した衝撃加速度データを、予め設定された第一閾値と比較する演算処理を行い、衝撃加速度データが第一閾値を超えたときに、第一送信信号を送信手段14に出力する。
【0056】
衝撃加速度データは、3軸衝撃センサ11の3軸(x軸、y軸、z軸)の各々について取得される。そして、3軸の各々のデータについて、個別に比較演算処理が行われる。すなわち、この実施形態において、第一閾値は3軸の各々について設定され、軸毎の比較結果をOR合成して得られた結果に基づき、第一閾値を超えたかどうかの判定がなされる。従って、3軸の各データのうち1つのデータが、その軸に設定された閾値を超えた場合、3軸衝撃センサ11から取得した衝撃加速度データが第一閾値を超えたものと判定される。
【0057】
第一閾値は、路上設置型道路標識10、50と同じ供試体を使用し、任意の車両を任意の速度で衝突させたときに衝撃加速度センサ11で計測される値に基づいて、円錐型と矩形板型のそれぞれの型式について、3軸の各々に対し設定される。演算手段13は、この第一閾値を、記憶領域に記憶している。
【0058】
センサ演算手段13は、また、3軸加速度センサ12から取得した重力加速度データを、予め設定された第二閾値と比較する演算処理を行う。演算処理にあったっては、まず、路上型道路標識監視システム起動直後の初期設置状態において、3軸加速度センサ12から取得した重力加速度データに基づき重力がかかる方向の軸(初期設置状態における鉛直軸)を判定し、その鉛直軸方向を記憶する。
【0059】
そして、3軸加速度センサ12から取得した重力加速度データに鉛直軸方向の変化があった場合には、それから所定時間経過後に取得された重力加速度データの鉛直軸方向の初期設置状態からの変化を第二閾値と比較する演算処理を行い、第二閾値を超えた場合に、第二送信信号を送信手段14に出力する。
【0060】
なお、重力加速度データも、衝撃加速度データと同様に、3軸加速度センサ12の3軸の各々について取得される。また、第二閾値も3軸の各々について設定されるが、初期設置状態における鉛直軸方向の値として合成して得られた結果に基づき、第二閾値を超えたかどうかの判定がなされる。
【0061】
更に、第二閾値は、路上設置型道路標識10、50と同じ供試体を使用し、転倒したときに3軸加速度センサ12で計測される値に基づいて、円錐型と矩形板型のそれぞれの型式について、3軸の各々に対し設定される。演算手段13は、この第二閾値を、記憶領域に記憶している。
【0062】
センサ演算手段13は、更に、ジャイロセンサ15から取得した角速度データを、予め設定された第三閾値と比較する演算処理を行い、角速度データが第三閾値を超えたときに、第二送信信号を送信手段14に出力する。
【0063】
なお、矩形板型の路上設置型道路標識50は、走行車両による衝撃を受けた場合、鉛直方向の軸線を中心に回転することになり、ジャイロセンサ15はこのときに生じる角速度を検知する。しかしながら、正常な設置状態が維持されている限り角速度が生じることは無い。従って、この実施形態では、ジャイロセンサ15による角速度の検知は、矩形板型の路上設置型道路標識50の設置状態が変化したことを意味するため、第三閾値は0に設定されている。
【0064】
送信手段14は、公知の通信装置であり、演算手段13から出力された送信信号に応じた信号の送信を行う。すなわち、演算手段13からの第一送信信号の出力により第一報知信号f11を送信し、第二送信信号の出力により第二報知信号f12を送信する。
【0065】
通行規制領域1を構成するエリア1b、1c、1dの各々には、中継器30が一つ配置されている。また、エリア1aには、集約中継器31が配置されている。なお、この実施形態では、中継器30、及び、集約中継器31として、公知の信号中継装置が採用されている。
【0066】
中継器30及び集約中継器31は、路上設置型道路標識10、50の送信手段14から発信された第一報知信号f11を受信した場合、自局が設置されているエリア1a、1b、1c、1dの中に配置された警報手段に対し第一報知信号f11を送信する。そして、第一報知信号f11を送信した中継器30及び集約中継器31の配置されているエリアに作業中の作業員が存在する場合は、その作業員が着用する警報手段20が第一報知信号f11を受信し、作業員に対する警報を実施する。なお、この実施形態において、警報手段20はヘルメット型とされ、作業員はエリア1cにのみ存在している。
【0067】
一方、第一報知信号f11を送信した中継器30の配置されているエリア(説明の便宜上、エリア1cと仮定する)以外の、エリア1a、1b又は1dにおいて作業が行われている場合でも、エリア1cに突入した車両による人身事故が生じる可能性は極めて低く危険性は皆無に等しいといえる。そのため、第一報知信号f11は、他のエリア1a、1b又は1dにおいて作業を行っている作業者の着用する警報手段20に受信される必要はなく、第一報知信号f11を送信する中継器30又は集約中継器31が設置されているエリアの中に存在する作業者の着用する警報手段20が受信できる強さとされている。
【0068】
中継器30は、また、路上設置型道路標識10の送信手段14から発信された第一報知信号f11を受信した場合、第二報知信号f12を受信したものと見做す判断をする。
【0069】
中継器30は、更に、第二報知信号f12を受信したものと見做す判断をした場合、或いは、路上設置型道路標識10の送信手段14から発信された第二報知信号f12を受信した場合、自局が設置されているエリア1b、1c又は1dに第二報知信号を送信すると共に、中継信号f2を送信する。
【0070】
このときに送信される中継信号f2は、その中継信号f2を送信した中継器30の識別情報を含む。そして、自局が設置されているエリア1b、1c又は1dより、集約中継器31に近いエリア1a、1b又は1cに設置された上流側の他の中継器30又は集約中継器31が受信可能なものとされている。例えば、この実施形態において、エリア1dに対しエリア1cが上流側となり、エリア1dに設置された中継器30から送信された中継信号f2は、エリア1cに設置された中継器30が受信する。
【0071】
中継器30は、更に、下流側の他の中継器30から送信された中継信号f2を受信した場合、上流側の他の中継局30に中継信号f2を送信する。例えば、この実施形態において、エリア1dに設置された中継器30から送信された中継信号f2をエリア1cに設置された中継器30が受信したとき、エリア1cに設置された中継器30は、エリア1aに設置された中継器30の識別情報を含む中継信号f2を、上流側であるエリア1bに設置された中継器30に送信する。なお、自局が設置されているエリア1cにおいて第二報知信号f12を受信したものと見做す判断をした場合、或いは第二報知信号f12を受信した場合は、エリア1dに設置された中継器30の識別情報に加え、自局の識別情報も含む中継信号f2を、エリア1bに設置された中継器30に送信する。
【0072】
集約中継器31は、自局が設置されているエリア1aの下流側のエリア1bに設置されている中継局30からの中継信号f2を受信する。そして、自局が設置されているエリア1aにおける情報と中継信号f2に含まれる情報に基づき、路上設置型道路標識10、50の設置状態の変化の有無と、変化の有ったエリア1a、1b、1c又は1dの情報を集計し、それら情報を含む集約中継信号f3を送信する。
【0073】
集約中継信号f3は、集約中継器31が設置されているエリア1aの下流側のエリア1bに設置されている中継器30で受信される。そして、集約中継器31から集約中継信号f3を受信した中継器30は、集約中継信号f3に含まれた情報を記憶するとともに、下流側のエリア1cに設置されている中継器30に集計信号f3を送信する。
【0074】
上流側のエリア1bに設置されている中継器30から集約中継信号f3を受信した、エリア1cに設置されている中継器30は、集約中継信号f3に含まれた情報を記憶するとともに、下流側のエリア1dに設置されている中継局30に集約中継信号f3を送信する。エリア1dに設置されている中継局30と更にその下流側のエリアに設置されている中継局30も同様の処理を行う。
【0075】
警報手段20は、面状スピーカ21と図示しない受信器を備える。面状スピーカ21は音声データ記憶手段を有し、受信器に接続された状態で警報手段20の内面に配置されている。そして、第一報知信号f11を受信した受信器からの報知指示信号により、音声データ記憶手段に記憶されている音声データに基づき、着用者に対する音声出力を行う。
【0076】
警報手段20は、また、顎紐に、面状スピーカ21と連動して動作する振動装置22が取り付けられている。そして、第一報知信号f11を受信した面状スピーカ21の受信器からの報知指示信号により、着用者に対する振動を利用した報知を行う。
【0077】
警報手段20の受信器は、中継器30又は集約中継器31と通信を確立するための通信確立要求信号を送信するための送信機能を備えている。そして、1つのエリア(この実施形態ではエリア1c)での作業を終えた後、別のエリア(説明の便宜上、エリア1dと想定する)で作業を行う場合、作業のために移動したエリア1dに設置された中継器30に対し警報手段20から通信確立要求がなされ、エリア1dにおいて中継器30と警報手段20との通信が確立される。そのため、エリア毎の警報をより確実に実施することが可能となっている。
【0078】
監視手段40は、路上設置型道路標識10、50の設置状態が変化したことを報知するものであり、この実施形態では、公知のコンピューターに、公知の通信装置を接続したものが採用され、通行規制領域の中を移動できる可動型となっている。そして、中継器30又は集約中継器31に対し通信要求信号f4を送信する。通信要求信号f4は、監視手段40から最も近いエリア1a、1b、1c又は1dに設置されている中継器30又は集約中継器31によって受信される。
【0079】
通信要求信号f4を受信した中継器30又は集約中継器31は、監視手段40が情報提供の相手方であるものと認知し、監視手段40に情報提供信号f5を送信する。
【0080】
監視手段40は、その情報提供信号f5に基づき、路上設置型道路標識10、50の設置状態が変化したことを、警告音と表示により報知するものとなっている。ただし、報知の手法に制限はなく、使用状況や使用機器に応じ最適な手法を採用すればよい。
【0081】
監視手段40は、また、進入したエリア1a、1b、1c又は1dの中で路上設置型道路標識10、50から送信された第二報知信号f12を中継器30又は集約中継器31を介して受信することも可能とされている。そして、第二報知信号f12を受信した場合には、その第二報知信号f12に基づき、自局が居るエリア1a、1b、1c又は1dにおいて路上設置型道路標識10、50の設置状態が変化したことを、警告音と表示により報知するものとなっている。
【0082】
なお、監視手段40は、第二報知信号f12を受信した後に情報提供信号f5を受信することになるが、監視手段40に最も近いエリア1a、1b、1c又は1dに関する情報は共通しているため、監視手段40の報知に基づく路上設置型道路標識10、50の復帰作業には何らの支障も無い。
【0083】
次に、この路上設置型道路標識監視システムの動作について説明する。
通行規制領域を区切る円錐型の路上設置型道路標識10が、強風や車両の走行に伴う振動により転倒した場合、3軸加速度データ12により取得される重力加速度データの、初期設定状態における鉛直軸方向の変化は、第二閾値を超えることになる。そこで、円錐型の路上設置型道路標識10から第二報知信号f12が送信される。
【0084】
第二報知信号f12を受信した中継器30は自局の識別情報を含む中継信号f2を発信し、上流側の他の中継器30により中継され、中継信号f2に含まれた情報は集約中継器31において集計される。
【0085】
集約中継器31で集計された情報は、集約中継信号f3に含まれた形で集約中継器31から送信され、集約中継器31或いは上流側の他の中継器30から集約中継信号f3を受信した中継器30により記憶される。
【0086】
中継器30に記憶された、路上設置型道路標識10の設置状態が変位した情報は、巡回作業員と共に移動している監視手段40に対し、最も近いエリア(図2においてはエリア1b)に設置された中継器30から送信された情報提供信号f5を介して提供される。なお、集約中継器31が監視手段40からの情報要求信号f4を受信した場合も、他の中継器30の場合と同様に、集約中継器31から監視手段40に対し情報提供信号f5を介して情報が提供される。
【0087】
情報提供信号f5を受信した監視手段40は、円錐型の路上設置型道路標識10の設置状態に変位があったこと、及び、設置状態に変位があったエリアを報知する。従って、巡回作業員は、路上設置型道路標識10の設置状態に変位があったことを、設置エリアと併せて知ることができる。
【0088】
なお、転倒した路上設置型道路標識10が、反力により元の設置状態に戻った場合、3軸加速度データ12により取得された重力加速度データの変化は、一時的に第二閾値を超えることになるが、所定時間経過後に取得された重力加速度データの鉛直軸方向の変化は、第二閾値を超えた状態でなくなる。従って、第二報知信号f12が出力されることは無い。
【0089】
更に、転倒した路上設置型道路標識10には、転倒時の加速度が生じることになるが、その加速度は、突入車両に跳ね飛ばされたときに生じるものよりも遥かに小さなものとなる。従って、演算手段13における比較演算処理において、3軸衝撃センサ11により取得した加速度データが第一閾値を超えることはなく、第一報知信号f11が送信されることはない。
【0090】
通行規制領域1の開始地点に設けられたエリア1aに設置されている矩形板型の路上設置型道路標識50が、走行車両による衝撃を受けて回転した場合、ジャイロセンサ15により取得される角速度データは、第三閾値を超えることになる。そこで、矩形板型の路上設置型道路標識50から第二報知信号f12が送信される。
【0091】
第二報知信号f12を受信した集約中継器31は、その情報を、下流側のエリア1bに設置されている中継局30から受信した中継信号f2に含まれる情報と併せて集計する。集計された情報は、集約中継器31に記憶されるとともに、集約中継信号f3に含めた形で下流側のエリア1bに設置されている中継局30に送信され、集約中継信号f3を介して全中継局30に記憶される。そして、監視手段40に対し、最も近いエリアに設置された中継器30又は集約中継器31から送信された情報提供信号f5を介して提供される。
【0092】
通行規制領域に車両が誤って突入した場合は、円錐型の路上設置型道路標識10がその突入車両に跳ね飛ばされ、或いは、矩形板型の路上設置型道路標識50の位置が大きく移動すると、そのときの加速度が3軸衝撃センサ11によって衝撃加速度データとして取得され、その加速度データを使用した既述の比較演算処理が行われる。
【0093】
そして、比較演算処理の結果、突入車両の速度が高い場合は、演算手段13から第一送信信号が出力され、これを受けた送信手段14から第一報知信号f11が送信される。なお、この実施形態では、速度が30km/hを超えたときに第一報知信号f11が送信される第一閾値が設定されている。
【0094】
第一報知信号f11を受信した中継器30又は集約中継器31は第一報知信号f11を発信し、中継器30又は集約中継器31からの第一報知信号f11を受信した警報手段20は、面状スピーカ21を介して、即時退避を指示する音声を出力するとともに、振動装置22を介して着用者に振動を与える。すなわち、警報手段20を着用している作業員に対し、迅速な退避を必要とする危険な状態であることを伝える。
【0095】
なお、突入車両の速度が低く、路上設置型道路標識10を跳ね飛ばした直後に停止できる場合には、路上設置型道路標識10に生じる加速度も小さなものとなる。従って、演算手段13における比較演算処理において、加速度センサ11により取得した加速度データが第一閾値を超えることはなく、その結果として、第一報知信号f11が送信されることはなく、第二報知信号f12のみが送信される。
【符号の説明】
【0096】
1 通行規制領域
2 走行車線
10、50 路上設置型道路標識
11 3軸衝撃センサ
12 3軸加速度センサ
13 演算手段
14 送信手段
15 ジャイロセンサ
20 警報手段
21 面状スピーカ
30 中継器
31 集約中継器
40 監視手段
図1
図2