特許第6460840号(P6460840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6460840
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】収納用容器と製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/04 20060101AFI20190121BHJP
   B65D 30/10 20060101ALI20190121BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   B65B3/04
   B65D30/10 Z
   B65D33/25 A
【請求項の数】1
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-38279(P2015-38279)
(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2016-159921(P2016-159921A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年12月22日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 商談日:平成26年12月18日 商談場所:東京都新宿区市谷本村町1番1号住友市ケ谷ビル 株式会社井田両国堂 商談室 商談日:平成27年 1月15日 商談場所:東京都千代田区二番町5番地25二番町センタービル8F 株式会社ロフト 商談室
(73)【特許権者】
【識別番号】505244578
【氏名又は名称】大成薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108497
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 敏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100113402
【弁理士】
【氏名又は名称】前 直美
(72)【発明者】
【氏名】吉川 智裕
(72)【発明者】
【氏名】明神 圭祐
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−245305(JP,A)
【文献】 特開2009−066246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 3/04
B65D 30/10
B65D 33/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納用容器に品物を収納された製品を製造する製造工程であって、
周辺の一部を接着されて品物を収納する空間である収納空間と該収納空間を雰囲気に連通できる開口を形成する一対のフィルム状部材と一対のフイルム状部材に挟まれて固定され開口を開閉可能にする線状のチャック部材とを有する収納用容器を準備する第一工程と、
品物と品物に沁ませる液とを前記収納空間に収納する第二工程と、
一対の前記フィルム状部材の前記周辺の他の一部を接着する第三工程と、
を備え、
前記フィルム状部材の表面を正面に見て前記収納空間が一対の前記フィルム状部材の周辺の接着される面に囲われる輪郭線とチャック部に沿って延びる仮想線とで囲われ、
前記輪郭線が、前記フィルム状部材の表面を正面に見て、前記フィルム状部材の外周に向かって膨らむN+1個(N=1、2、3・・・)の部分輪郭線とN+1個(N=1、2、3・・・)の該部分輪郭線のうちの隣り合った一対の該部分輪郭線の各々の端部に両端で繋がり前記フィルム状部材の内側に向かって突起するN個の屈曲線とを連ねてでき、
水平にした前記仮想線を上部に位置させたときに複数の部分輪郭線のうちの一つの部分輪郭線である第一部分輪郭線の最大深さが他の部分輪郭線の最大深さより大きく、
前記第二工程が、水平にした前記仮想線を上方に位置させて、品物を前記収納空間のうちの前記第一部分輪郭線で底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間に挿入し、液を前記収納空間のうちのその他の部分輪郭線で底部を形成する部分収納空間であるその他の部分収納空間に入れる、
ことを特徴とする製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、品物を収納する収納用容器とに係る。特に所定の形状と所定の大きさを持つ品物を収納する収納用容器と製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
品物を収納用容器に収納したいことがある。
例えば、化粧品、等を収納用容器に収納して、消費者に提供する。
例えば、複数枚の化粧用品、等を収納用容器に収納して、消費者に提供する。
例えば、化粧用品等は、メイク落としシート、フェイクマスク、歯磨きシート、汗拭きシート、お手ふきシート、お掃除シート、等である。
例えば、収納用容器は全周が密閉された袋状容器である。
例えば、化粧用品が袋状容器の収納空間に収納される。
例えば、消費者は、袋状容器の全周の一部を引き破って、開口から化粧用品を取りだす。
例えば、消費者は、開口に設けられたチャックで開口を閉じる。
【0003】
液状の物を収納容器に収納したいことがある。
例えば、液状の物を収納用容器に収納して、消費者に提供する。
例えば、液状の物は、液状化粧品、液洗剤、飲料用品、等である。
例えば、収納用容器は全周が密閉された袋状容器である。
例えば、液状の物が袋状容器の収納空間に収納される。
例えば、消費者は、袋状容器の全周の一部を引き破って、開口から液状のものを取りだす。
例えば、消費者は、開口に設けられたチャックで開口を閉じる。
【0004】
収納用容器のデザインは、商品を消費者に提供する際に、消費者にたいして商品の特異性を訴える働きをする。
収納用容器は、商品を店頭で販売する際に、商品を展示する手段となる。
収納用容器は、消費者が商品を使用する際に、品物を運ぶための便利な手段となる。
収納用容器は、消費者が商品を使用し終わったときに、品物を収納する手段となる。
【0005】
上記の様に、収納用容器は収納する品物の特徴に合わせて、各種の役割をはたすことを期待される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、より見栄えが優れ、店頭で心地よく展示でき、使用者が便利に使用できる収納容器と製造方法とを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る品物を収納する収納用容器は、周辺の一部を接着されて品物を収納する空間である収納空間と該収納空間を雰囲気に連通可能にする開口とを形成する一対のフィルム状部材と、一対のフイルム状部材に挟まれて固定され開口を開閉可能にする線状のチャック部材と、を備え、前記フィルム状部材の表面を正面に見て前記収納空間が一対の前記フィルム状部材の周辺の接着される面に囲われる輪郭線とチャック部に沿って延びる仮想線とで囲われる、ものとした。
【0008】
上記本発明の構成により、一対のフィルム状部材は、周辺の一部を接着されて品物を収納する空間である収納空間と該収納空間を雰囲気に連通できる開口とを形成する。線状のチャック部材は、一対のフイルム状部材に挟まれて固定され開口を開閉可能にする
。前記フィルム状部材の表面を正面に見て、前記収納空間が一対の前記フィルム状部材の周辺の接着される面に囲われる輪郭線とチャック部に沿って延びる仮想線とで囲われる。
その結果、収納用容器の一対のフィルム状部材に挟まれ前記輪郭線と前記仮想線とで囲まれる収納空間に品物を収納できる。
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る収納用容器を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0010】
本発明の実施形態に係る収納用容器は、前記輪郭線が、前記フィルム状部材の表面を正面に見て、前記フィルム状部材の外周に向かって膨らむN+1個(N=1、2、3・・・)の部分輪郭線とN+1個(N=1、2、3・・・)の該部分輪郭線のうちの隣り合った一対の該部分輪郭線の各々の端部に両端でを繋がり前記フィルム状部材の内側に向かって突起するN個の屈曲線とを連ねてできる、ものとした。
上記実施形態の構成により、前記輪郭線が、前記フィルム状部材の表面を正面に見て、前記フィルム状部材の外周に向かって膨らむN+1個(N=1、2、3・・・)の部分輪郭線とN+1個(N=1、2、3・・・)の該部分輪郭線のうちの隣り合った一対に該部分輪郭線の各々の端部に両端でを繋がり前記フィルム状部材の内側に向かって突起するN個の屈曲線とを連ねてできる。
その結果、複雑な輪郭をもつ収納空間を形成できる。
【0011】
本発明の実施形態に係る収納用容器は、仮に所定の形状と所定の大きさを持つ品物である特定品物を前記収納空間に収納して前記チャック部材が開口を閉じるときに前記特定品物が一対のフィルム状部材の内面の所定の領域である接触領域に接し、品物を前記収納空間に入れず一対のフィルム状部材を密着させるときに前記接触領域の前記開口から遠い一部の領域の位置での前記収納空間の前記仮想線に平行な線に沿った巾寸法が前記チャック部材の位置での前記開口の前記仮想線に沿った向きの長さより小さい。
上記実施形態の構成により、仮に所定の形状と所定の大きさを持つ品物である特定品物を前記収納空間に収納して前記チャック部材が開口を閉じるときに前記特定品物が一対のフィルム状部材の内面の所定の領域である接触領域に接する。品物を前記収納空間に入れず一対のフィルム状部材を密着させるときに前記接触領域の前記開口から遠い一部の領域の位置での前記収納空間の前記仮想線に平行な線に沿った巾寸法が前記チャック部材の位置での前記開口の前記仮想線に沿った向きの長さより小さい。
その結果、前記収納空間に収納した品物の出し入れが容易になる。
【0012】
本発明の実施形態に係る収納用容器は、仮に所定の形状と所定の大きさを持つ品物である特定品物を前記収納空間に収納して前記チャック部材が開口を閉じるときに前記特定品物が一対のフィルム状部材の内面の所定の領域である接触領域に接し、前記チャック部材が前記開口を開き前記収納空間が前記特定品物を収納したときに前記接触領域の前記開口から遠い一部の領域の位置での前記収納空間の前記仮想線に平行な線に沿った巾寸法が前記チャック部材の位置での自然に開いた前記開口の前記仮想線に沿った向きの長さより小さい。
上記実施形態の構成により、仮に所定の形状と所定の大きさを持つ品物である特定品物を前記収納空間に収納して前記チャック部材が開口を閉じるときに前記特定品物が一対のフィルム状部材の内面の所定の領域である接触領域に接する。前記チャック部材が前記開口を開き前記収納空間が前記特定品物を収納したときに、前記接触領域の前記開口から遠い一部の領域の位置での前記収納空間の前記仮想線に平行な線に沿った巾寸法が前記チャック部材の位置での自然に開いた前記開口の前記仮想線に沿った向きの長さより小さい。
その結果、前記収納空間に収納した品物の出し入れが容易になる。
【0013】
本発明の実施形態に係る収納用容器は、仮に所定の形状と所定の大きさを持つ品物である特定品物を前記収納空間に収納して前記チャック部材が開口を閉じるときに前記特定品物が一対のフィルム状部材の内面の所定の領域である接触領域に接し、前記チャック部材が前記開口を開き前記収納空間を膨らませたときに前記接触領域の前記開口から遠い一部の領域の位置での前記収納空間の前記開口に平行な断面の断面積が開いた前記チャック部材の位置での開口の面積より小さい。
上記実施形態の構成により、仮に所定の形状と所定の大きさを持つ品物である特定品物を前記収納空間に収納して前記チャック部材が開口を閉じるときに前記特定品物が一対のフィルム状部材の内面の所定の領域である接触領域に接する。前記チャック部材が前記開口を開き前記収納空間を膨らませたときに、前記接触領域の前記開口から遠い一部の領域の位置での前記収納空間の前記開口に平行な断面の断面積が開いた前記チャック部材の位置での開口の面積より小さい。
その結果、前記収納空間を膨らませたときの前記収納空間に収納した品物の出し入れが容易になる。
【0014】
本発明の実施形態に係る収納用容器は、一対のフィルム状部材が前記収納空間に連通しない貫通穴を形成され、品物を前記収納空間に収納し前記貫通穴を支持して吊るとき前記フィルム状部材の面を正面に見て前記開口が左右方向のどちらか一方の方向に向く。
上記実施形態の構成により、一対のフィルム状部材が前記収納空間に連通しない貫通穴を形成される。品物を前記収納空間に収納し前記貫通穴を支持して吊るとき、前記フィルム状部材の面を正面に見て前記開口が左右方向のどちらか一方の方向に向く。
その結果、収納空間のなかに液があるとき液が漏れにくい。
【0015】
本発明の実施形態に係る収納用容器は、所定の重量を持つ品物である特定品物を前記収納空間に収納したとき包装用容器の全体の輪郭である全体輪郭の図心に対して全体の重心が有意にずれており、前記フィルム状部材の面を正面に見て重心の位置が図心の位置の下方に位置する様に保持したときに、前記開口が左右方向のどちらか一方の方向に向く。
上記実施形態の構成により、所定の重量を持つ品物である特定品物を前記収納空間に収納したとき、包装用容器の全体の輪郭である全体輪郭の図心に対して全体の重心が有意にずれている。前記フィルム状部材の面を正面に見て重心の位置が図心の位置の下方に位置する様に保持したときに、前記開口が左右方向のどちらか一方の方向に向く。
その結果、収納空間のなかに液があるとき液が漏れにくい。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明に係る収納用容器に品物を収納された製品を製造する製造工程は、周辺の一部を接着されて品物を収納する空間である収納空間と該収納空間を雰囲気に連通可能にする開口を形成する一対のフィルム状部材と一対のフイルム状部材に挟まれて固定され開口を開閉可能にする線状のチャック部材とを有する収納用容器を準備する第一工程と、品物を前記収納空間に収納する第二工程と、一対の前記フィルム状部材の前記周辺の他の一部を接着する第三工程と、を備え、前記フィルム状部材の表面を正面に見て前記収納空間が一対の前記フィルム状部材の周辺の接着される面に囲われる輪郭線とチャック部に沿って延びる仮想線とで囲われ、前記輪郭線が、前記フィルム状部材の表面を正面に見て、前記フィルム状部材の外周に向かって膨らむN+1個(N=1、2、3・・・)の部分輪郭線とN+1個(N=1、2、3・・・)の該部分輪郭線のうちの隣り合った一対の該部分輪郭線の各々の端部に両端で繋がり前記フィルム状部材の内側に向かって突起するN個の屈曲線とを連ねてでき、水平にした前記仮想線を上部に位置させたときに複数の部分輪郭線のうちの一つの部分輪郭線である第一部分輪郭線の最大深さが他の部分輪郭線の最大深さより大きく、前記第二工程が、水平にした前記仮想線を上方に位置させて、品物を前記収納空間のうちの前記第一部分輪郭線で底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間に挿入する。
【0017】
上記本発明の構成により、第一工程は、周辺の一部を接着されて品物を収納する空間である収納空間と該収納空間を雰囲気に連通できる開口を形成する一対のフィルム状部材と一対のフイルム状部材に挟まれて固定され開口を開閉可能にする線状のチャック部材とを有する収納用容器を準備する。第二工程は、品物を収納空間に収納する。第三工程は、前記周辺の他の一部を接着する。前記フィルム状部材の表面を正面に見て前記収納空間が一対の前記フィルム状部材の周辺の接着される面に囲われる輪郭線とチャック部に沿って延びる仮想線とで囲われる。前記輪郭線が、前記フィルム状部材の表面を正面に見て、前記フィルム状部材の外周に向かって膨らむN+1個(N=1、2、3・・・)の部分輪郭線とN+1個(N=1、2、3・・・)の該部分輪郭線のうちの隣り合った一対の該部分輪郭線の各々の端部に両端で繋がり前記フィルム状部材の内側に向かって突起するN個の屈曲線とを連ねてできる。水平にした前記仮想線を上部に位置させたときに複数の部分輪郭線のうちの一つの部分輪郭線である第一部分輪郭線の最大深さが他の部分輪郭線の最大深さより大きい。前記第二工程が、水平にした前記仮想線を上方に位置させて、品物を前記収納空間のうちの前記第一部分輪郭線で底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間に挿入する。
その結果、収納用容器の一対のフィルム状部材に挟まれ前記輪郭線と前記仮想線とで囲まれる開口の大きい収納空間に品物を安定して収納できる。
【0018】
以下に、本発明の実施形態に係る製造方法を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0019】
本発明の実施形態に係る製造方法は、前記第二工程が品物と品物に沁ませる液とを収納空間に収納する工程であって、前記第二工程が、水平にした前記仮想線を上方に位置させて、品物を前記収納空間のうちの前記第一部分輪郭線で底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間に入れ、液を前記収納空間のうちのその他の部分輪郭線で底部を形成する部分収納空間であるその他の部分収納空間に入れる。
上記実施形態の構成により、前記第二工程が品物と品物に沁ませる液とを収納空間に収納する工程である。前記第二工程が、水平にした前記仮想線を上方に位置させて、品物を前記収納空間のうちの前記第一部分輪郭線で底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間に入れ、液を前記収納空間のうちのその他の部分輪郭線で底部を形成する部分収納空間であるその他の部分収納空間に入れる。
その結果、収納用容器の一対のフィルム状部材に挟まれ前記輪郭線と前記仮想線とで囲まれる開口の大きい収納空間に液を染沁ませた品物を安定して収納できる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明に係る収納様容器と製造方法は、その構成により、以下の効果を有する。
一対のフィルム状部材の周辺の一部を接着され、品物の収納空間と収納空間を雰囲気に連通する開口を形成し、一対のフィルム状部材に挟まれる線状のチャック部材が開口を開閉可能にし、前記収納空間が輪郭線とチャック部に沿って延びる仮想線とで囲われる様にしたので、収納用容器の一対のフィルム状部材に挟まれ前記輪郭線と前記仮想線とで囲まれる収納空間に品物を収納できる。
また、前記輪郭線が外側に膨らむN+1個の部分輪郭線とN+1個の部分輪郭線に繋がり内側に向かって突起するN個の屈曲線とで連なる様にしたので、複雑な輪郭をもつ収納空間を形成できる。
また、仮に特定品物を前記収納空間に収納し前記チャック部材が開口を閉じるときに特定品物が一対のフィルム状部材の内面の接触領域に接し、品物を前記収納空間に入れず一対のフィルム状部材を密着させるときに、前記接触領域の前記仮想線から遠い一部の領域での前記収納空間の仮想線に平行な線に沿った巾寸法が前記チャック部材の位置での前記開口の前記仮想線に沿った向きの長さより小さい様にしたので、前記収納空間に収納した品物の出し入れが容易になる。
また、仮に特定品物を前記収納空間に収納し前記チャック部材が開口を閉じるときに特定品物が一対のフィルム状部材の内面の接触領域に接し、前記特定品物を前記収納空間に入れたとき、前記接触領域の前記仮想線から遠い一部の領域での前記収納空間の前記仮想線に平行な線に沿った巾寸法が前記チャック部材での自然に開いた開口の前記仮想線に沿った向きの長さより小さい様にしたの、前記収納空間に収納した品物の出し入れが容易になる。
また、仮に特定品物を前記収納空間に収納し前記チャック部材が開口を閉じるときに特定品物が一対のフィルム状部材の内面の接触領域に接し、前記開口を開き前記収納空間を膨らませたときに前記接触領域の前記仮想線から遠い一部の領域で前記収納空間の前記開口に平行な断面積が前記チャック部材の位置での開口の面積より小さい様にしたので、前記収納空間を膨らませたときの前記収納空間に収納した品物の出し入れが容易になる。
また、前記収納空間に連通しない貫通穴が一対のフィルム状部材に形成され、品物を前記収納空間に収納し前記貫通穴を支持して吊るとき、前記フィルム状部材の面を正面に見て前記開口が左右方向のどちらか一方の方向に向く様にしたの、収納空間のなかに液があるとき液が漏れにくい。
また、特定品物を前記収納空間に収納したとき、包装用容器の全体の輪郭の図心に対して全体の重心が有意にずれており、前記フィルム状部材の面を正面に見て重心の位置が図心の位置の下方に位置する様に保持したときに、開口が左右方向の何方か一方の方向に向く様にしたので、収納空間のなかに液があるとき液が漏れにくい。
一対のフィルム状部材の周辺の一部を接着され、品物の収納空間と収納空間を雰囲気に連通する開口を形成し、一対のフィルム状部材に挟まれる線状のチャック部材が開口を開閉可能にし、輪郭線とチャック部材に沿って延びる仮想線とで囲われる前記収納空間を持つ収納用容器を準備し、水平にした前記仮想線を上方に位置させて、品物を前記収納空間のうちの最大深さをもつ底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間に入れる様にしたので、収納用容器の一対のフィルム状部材に挟まれ前記輪郭線と前記仮想線とで囲まれ開口の大きい収納空間に品物を安定して収納できる。
また、一対のフィルム状部材の周辺の一部を接着され、品物の収納空間と収納空間を雰囲気に連通する開口を形成し、一対のフィルム状部材に挟まれる線状のチャック部材が開口を開閉可能にし、輪郭線とチャック部に沿って延びる仮想線とで囲われる前記収納空間を持つ収納用容器を準備し、水平にした前記仮想線を上方に位置させて、品物を前記収納空間のうちの最大深さをもつ底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間に入れ、品物に沁ませる液をその他の部分収納空間に入れる様にしたので、収納用容器の一対のフィルム状部材に挟まれ前記輪郭線と前記仮想線とで囲まれる開口の大きい収納空間に液を沁ませた品物を安定して収納できる。
従って、より見栄えが優れ、店頭で心地よく展示でき、使用者が便利に使用できる収納容器と収納用容器に品物を収納された製品を製造する製造工程と提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る収納用容器の平面図である。
図2】本発明の実施形態に係る収納用容器の側面図である。
図3】本発明の実施形態に係る収納用容器の断面図である。
図4】本発明の第一の実施形態に係る収納用容器の断面図である。
図5】本発明の第二の実施形態に係る収納用容器の断面図である。
図6】本発明の第三の実施形態に係る収納用容器の断面図である。
図7】本発明の第四の実施形態に係る収納用容器の断面図である。
図8】本発明の第一の実施形態に係る製造方法の説明図である。
図9】本発明の第一の実施形態に係る製造方法の部分説明図である。
図10】本発明のその他の実施形態に係る収納用容器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
最初に、本発明の実施形態にかかる収納用容器を、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る収納用容器の平面図である。図2は、本発明の実施形態に係る収納用容器の側面図である。図3は、本発明の実施形態に係る収納用容器の断面図である。
【0024】
収納用容器は、品物を収納するものである。
例えば、品物は化粧用品等である。
例えば、品物はメイク落としシートである。
メイク落としシートは、液を浸した不織布である。
【0025】
収納用容器は、一対のフィルム状部材200とチャック部材300とで構成される。
一対のフィルム状部材200は、周辺の一部を接着されて品物100を収納する空間である収納空間Hと収納空間Hを雰囲気に連通できる開口Оとを形成する。
一対のフィルム状部材200は、表面を形成する表側フィルム状部材210と裏側を形成する裏側フィルム状部材220である。
収納空間Hは、表側フィルム状部材210と裏側フィルム状部材220とに挟まれて形成される。
開口Оは、表側フィルム状部材210と裏側フィルム状部材220とに挟まれる収納空間Hを雰囲気に連通する様に形成される。
フィルム状部材は、柔軟材料性のシート状の部材であってもよい。
チャック部材は、線ファスナーであってもよい。
例えば、チャック部材はオス型ファスナーとメス型ファスナーとで構成される。
オス型ファスナーの線状に長いオス部とメス型ファスナーの線状に長いメス部とがかみあって開口を閉じる。
【0026】
フィルム状部材200の表面を正面に見て、収納空間Hは輪郭線Kと仮想線Jとに囲われる。
輪郭線Kは、一対のフィルム状部材210、220の周辺の接着される面である接着面Iに囲われる線である。
仮想線Jは、チャック部材300に沿って延びる仮想の線である。
図3に、収納空間Hが曲線である輪郭線Kと仮想線Jとで囲われる様子を示す。
【0027】
品物を収納用容器に収納して提供する際に、一対のフィルム状部材200は全周を接着される。
接着は、溶着によって行われても良い。
図3に、一対のフィルム状部材200が全周を接着される様子を示す。
その結果、仮にチャック部材300が開いても、収納空間Hは雰囲気に連通しない。
切り離し線Xがチャック部材300を境に収納空間Hの反対側に設定される。
例えば、切り離し線Xの位置を示す図が表側フィルム状部材の表面に印刷される。
例えば、切り離し線Xの位置を示す図が裏側フィルム状部材の表面に印刷される。
例えば、切り離し線Xの位置を示す図が表側フィルム状部材の表面と裏側フィルム状部材の表面とに印刷される。
切り離し線Xに沿って一対のフィルム状部材200を切り離すと、開口Оが雰囲気に連通可能になる。
その結果、チャック部材300を開くと、開口Оが開き、収納空間Hと雰囲気とが連通する。また、チャック部材300を閉じると、開口Оが閉じ、収納空間Hと雰囲気とが連通しない。
【0028】
次ぎに、本発明の第一の実施形態にかかる収納用容器を、図を基に、説明する。
図4は、本発明の第一の実施形態に係る収納用容器の断面図である。
図4は、切り離し線Xに沿って一対のフィルム状部材200を切り離した様子を示す。
【0029】
輪郭線Kは、複数の部分輪郭線K10と単数または複数の屈曲線K20とでできる。
輪郭線Jは、N+1個(N=1、2、3・・・)と部分輪郭線K10とN個の屈曲線K20とを連ねてできる。
部分輪郭線K10は、フィルム状部材200の表面を正面に見て、フィルム状部材200の外周に向かって膨らむ線である。
屈曲線K20は、一対の部分輪郭線K10の各々の端部に両端で繋がりフィルム状部材200の内側に向かって突起する線である。
屈曲線K20は、隣り合った一対の部分輪郭線K10の各々の端部に両端で繋がりフィルム状部材200の内側に向かって突起する線であってもよい。
屈曲線K20は、一対のフィルム状部材200の周囲の接着される面に沿って隣り合った一対の部分輪郭線K10の各々の端部に両端で繋がりフィルム状部材200の内側に向かって突起する線であってもよい。
【0030】
図4は、輪郭線Kは、2つの部分輪郭線K11、K12と1つの屈曲線K20とでできる様子を示す。
図4は、第一部分輪郭線K11と第二部分輪郭線K12は、フィルム状部材200の表面を正面に見て、フィルム状部材200の外周に向かって膨らむ曲線である様子を示す。
図5は、屈曲線K20が、第一部分輪郭線K11の端部と第二部分輪郭線K12の端部に両端で繋がり、フィルム状部材200の内側に向かって突起する曲線である様子を示す。
図5中、輪郭線Kは、第一部分輪郭線K11と第一屈曲線K21と第二部分輪郭線K12とが順に連なる様子を示す。
図5中、収納空間Hは輪郭線Kと仮想線Jとで囲われる様子を示す。
【0031】
次ぎに、本発明の第二の実施形態かかる収納用容器を、図を基に、説明する。
図5は、本発明の第二の実施形態に係る収納用容器の断面図である。
図5は、切り離し線Xに沿って一対のフィルム状部材200を切り離した様子を示す。
【0032】
仮に所定の形状と所定の大きさを持つ品物である特定品物100を収納空間Hに収納してチャック部材300が開口Оを閉じるときに、特定品物100が一対のフィルム状部材200の内面の所定の領域である接触領域Mに接する。
例えば、特定品物は六面体の形状をもつ。
例えば、接触領域は長方形の輪郭をもつ。
品物100を収納空間Hに入れず一対のフィルム状部材200を密着させるときに、接触領域Mの開口Оから遠い一部の領域の位置での収納空間Hの仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法L1が閉じた開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さL0より小さい。
または、輪郭線Kの接触領域Hの仮想線Jから遠い一部の領域を跨ぎ仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法L1がチャック部材300の位置での閉じた開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さL0より小さい。
品物100を収納空間Hに入れず一対のフィルム状部材200を密着させるときに、接触領域Mの開口Оから遠い少なくとも約1/3の領域の位置での収納空間Hの仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法L1がチャック部材300の位置での閉じた開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さL0より小さくてもよい。
または、輪郭線Kの接触領域Hの仮想線Jから遠いすくなくとも約1/3の領域を跨ぎ仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法L1が閉じた開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さL0より小さくてもよい。
図5は、品物100を収納空間Hに入れず一対のフィルム状部材200を密着させるときに、接触領域Mの開口Оから遠い約1/2の領域の位置での収納空間Hの仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法L1がチャック部材300の位置での閉じた開口Оの仮想線に沿った向きの長さL0より小さい様子を、示す。
【0033】
次ぎに、本発明の第三の実施形態にかかる収納用容器を、図を基に、説明する。
図6は、本発明の第三の実施形態に係る収納用容器の断面図である。
図6は、切り離し線Xに沿って一対のフィルム状部材200を切り離した様子を示す。
【0034】
仮に所定の形状と所定の大きさを持つ品物である特定品物を収納空間に収納してチャック部材が開口を閉じるときに特定品物が一対のフィルム状部材の内面の所定の領域である接触領域Mに接する。
チャック部材300が開口Оを開き収納空間Hが特定品物100を収納したときに、接触領域Mの開口Оから遠い一部の領域の位置での収納空間Hの仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法がチャック部材300の位置での自然に開いた開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さより小さい。
または、輪郭線Kの接触領域Hの仮想線Jから遠い一部の領域を跨ぎ仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法L1が開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さL0より小さい。
チャック部材300が開口Оを開き収納空間Hが特定品物100を収納したときに、接触領域Mの開口Оから遠い少なくとも約1/3の領域の位置での収納空間Hの仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法がチャック部材300の位置での自然に開いた開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さより小さくてもよい。
または、輪郭線Kの接触領域Hの仮想線Jから遠い少なくとも約1/3の領域を跨ぎ仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法L1が開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さL0より小さくてもよい。
図6は、チャック部材300が開口Оを開き収納空間Hが特定品物100を収納したときに、接触領域Mの開口Оから遠い約1/2の領域の位置での収納空間Hの仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法がチャック部材300の位置での自然に開いた開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さより小さい様子を示す。
【0035】
または、 チャック部材300が開口Оを閉じ収納空間Hが特定品物100を収納したときに、接触領域Mの開口Оから遠い一部の領域の位置での収納空間Hの仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法がチャック部材300の位置での開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さより小さくてもよい。
または、輪郭線Kの接触領域Hの仮想線Jから遠い一部の領域を跨ぎ仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法L1が開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さL0より小さくてもよい。
チャック部材300が開口Оを閉じ収納空間Hが特定品物100を収納したときに、接触領域Mの開口Оから遠い少なくとも約1/3の領域の位置での収納空間Hの仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法がチャック部材300の位置での開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さより小さくてもよい。
または、輪郭線Kの接触領域Hの仮想線Jから遠い少なくとも約1/3の領域を跨ぎ仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法L1が開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さL0より小さくてもよい。
例えば、チャック部材300が開口Оを閉じ収納空間Hが特定品物100を収納したときに、接触領域Mの開口Оから遠い約1/2の領域の位置での収納空間Hの仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法がチャック部材300の位置での自然に開いた開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さより小さい。
【0036】
次ぎに、本発明の第四の実施形態にかかる収納用容器を、図を基に、説明する。
図7は、本発明の第四の実施形態に係る収納用容器の断面図である。
図7は、切り離し線Xに沿って一対のフィルム状部材200を切り離した様子を示す。
【0037】
仮に所定の形状と所定の大きさを持つ品物である特定品物100を収納空間Hに収納してチャック部材300が開口Оを閉じるときに品物100が一対のフィルム状部材200の内面の所定の領域である接触領域Mに接する。
チャック部材300が開口Оを開き収納空間Hを膨らませたときに、接触領域Mの開口Оから遠い一部の領域の位置での収納空間Hの前記開口Оに平行な断面の断面積がチャック部材300の位置での開いた開口Оの面積より小さい。
または、収納空間Hの接触領域Mの仮想線Jから遠い一部の領域に外周を接し仮想線に平行な面での面積A1が開いたチャック部材300に外周を接する面の面積A0より小さい。
チャック部材300が開口Оを開き収納空間Hを膨らませたときに、接触領域Mの開口Оから遠い少なくとも約1/3の領域の位置での収納空間Hの前記開口Оに平行な断面の断面積がチャック部材300の位置での開いた開口Оの面積より小さくてもよい。
または、収納空間Hの接触領域Mの仮想線Jから遠い少なくとも約1/3の領域に外周を接し仮想線に平行な面での面積A1が開いたチャック部材300に外周を接する面の面積A0より小さくてもよい。
図7は、チャック部材300が開口Оを開き収納空間Hを膨らませたときに、接触領域Mの開口Оから遠い約1/2の領域の位置での収納空間Hの前記開口Оに平行な断面の断面積がチャック部材300の位置での開いた開口Оの面積より小さく、様子を示す。
【0038】
次ぎに、本発明の第五の実施形態にかかる収納用容器を、図を基に、説明する。
一対のフィルム状部材200が収納空間Hに連通しない貫通穴Pを形成される。
品物100を収納空間Hに収納し貫通穴Pを支持して吊るとき、フィルム状部材200の面を正面に見て開口Оが左右方向のどちらか一方の方向に向く。
図1は、重心Gが貫通穴Pの下方に位置する様子を示す。
貫通穴Pを支持して吊るときに、重心Gが貫通穴Pの下方に位置し、フィルム状部材200の面を正面に見て開口Оが左右方向のどちらか一方の方向に向く。
その様にすると、液を沁ませた品物を収納する収納用容器を貫通穴Pを支持して吊るときに、開口が左右方向に一方向にむき、液が開口から漏れるのを抑制できる。
【0039】
次ぎに、本発明の第六の実施形態にかかる収納用容器を、図を基に、説明する。
所定の重量を持つ品物である特定品物100を収納空間Hに収納したとき、包装用容器の全体の輪郭である全体輪郭の図心Zに対して全体の重心Gが有意にずれており、フィルム状部材200の面を正面に見て重心Gの位置が図心Zの位置の下方に位置する様に保持したときに、開口Оが左右方向のどちらか一方の方向に向く。
図1は、重心Gの位置が図心Xに対して有意にずれている様子を示す。
フィルム状部材200の面を正面に見て重心Gの位置が図心Zの位置の下方に位置する様に保持したときに、開口Оが左右方向のどちらか一方の方向に向く。
この様にすると、液を沁ませた品物を収納する収納用容器を重心を下にして安定して保持したときに、開口が左右方向に一方向にむき、液が開口から漏れるのを抑制できる。
【0040】
次ぎに、本発明の第一の実施形態にかかる製造工程を、図を基に、説明する。
図8は、本発明の第一の実施形態に係る製造方法の説明図である。図9は、本発明の第一の実施形態に係る製造方法の部分説明図である。
【0041】
本発明の第一の実施形態にかかる製造工程は、第一工程S10と第二工程S20と第三工程S30とで構成される。
【0042】
第一工程は、収納用容器を準備する工程である。
収納用容器は、第一の実施形態にかかる収納用容器である。
水平にした仮想線Jを上部に位置させたときに複数の部分輪郭線K10のうちの一つの部分輪郭線である第一部分輪郭線K11の最大深さD1が他の部分輪郭線K12の最大深さD2より大きい。
図9は、水平にした仮想線Jを上部に位置させたときに複数の部分輪郭線K10のうちの一つの部分輪郭線K10である第一部分輪郭線K11の最大深さD1が他の部分輪郭線である第二部分輪郭線K12の最大深さD2より大きい、様子を示す。
【0043】
第一工程は、印刷工程S11と接着工程S12と抜き工程S13とで構成される。
印刷工程S11は、表面を構成するフィルム素材に模様、文字等のデザインを印刷した後で、複数のフィルム素材を層状に貼りあわせて一体となったフィルムを作る工程である。
フィルムは、貼りあわせた複数の層でできる。
例えば、4層でできたフィルムは、表面からPET、アルミ、PET、PEの順に貼りあわされる。
例えば、3層でできたフィルムは、表面からPET、アルミ、PEの順に貼りあわされる。
例えば、2層でできたフィルムは、表面からPET、PEの順に貼りあわされる。
図8(A)は、デザインを印刷されロール状に巻かれたフィルムの様子を示す。
接着工程S12は、一対のフィルム状部材210、220とチャック部材300とを必要な順に重ねて接着する工程である。
例えば、溶着金型を押付けて、一対のフィルム状部材210、220とチャック部材300とを一体として、フィルム状部材の周辺を溶着する。
この際に、切り離し線Xを境として収納空間Hの反対側の部分の一部を接着せずに残す。
抜き工程S13は、一連につながった収納用容器から単体ごとの収納用容器を抜く。
例えば、抜き金型を用いて、単体の収納用容器を抜く。
【0044】
第二工程S20は、品物を収納空間に収納する工程である。
例えば、品物は所定の形状と所定の寸法をもつ特定品物である。
第二工程S20で、水平にした仮想線Jを上方に位置させて、品物100を収納空間Hのうちの第一部分輪郭線K12で底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間H1に挿入する。
図9は、第二工程S20で、水平にした仮想線Jを上方に位置させて、品物100を、開口Оを経由して、収納空間Hのうちの第一部分輪郭線K12で底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間H1に挿入する、様子を示す。
この様にすると、品物が第二部分収納空間に入り込み、安定して保持される。
【0045】
第二工程が、品物110と品物に沁ませる液120とを収納空間に収納する工程であってもよい。
例えば、第二工程が、不織布110と不織布110に沁ませる液120とを収納空間に収納する工程であってもよい。
第二工程で、水平にした仮想線Jを上方に位置させて、品物110を収納空間Hのうちの第一部分輪郭線K11で底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間H1に入れ、液120を収納空間Hのうちのその他の部分輪郭線で底部を形成する部分収納空間であるその他の部分収納空間に入れてもよい。
図9は、第二工程で、水平にした仮想線Jを上方に位置させて、品物110を、開口Оを経由して、収納空間Hのうちの第一部分輪郭線K11で底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間H1に入れ、液120を収納空間Hのうちのその他の部分輪郭線である第二部分輪郭線K12で底部を形成する部分収納空間である第二部分収納空間H2に入れる、様子を示す。
この様にすると、第二工程を実施する際に、液120が品物110に遮られることなく収納空間Hにいれることをでき、液120が品物110にはじかれてそとでへこぼれることを抑制できる。
また、液120を収納空間Hに入れる時間を短縮できる。
【0046】
第三工程は、周辺の他の一部を接着する工程である。
接着工程S12で周辺の接着をのこした部分を接着する。
一対のフィルム状部材の全周が接着される。
製品を保存する間に液120が品物110に滲みる。
この結果、品物を収納空間に収納した一対のフィルム状部材の全周を接着した製品を製造できる。
【0047】
本発明の実施形態に係る収納用容器と製造方法は、その構成により、以下の効果を有する。
一対のフィルム状部材210、220の周辺の一部を接着され、品物100の収納空間Hと収納空間Hを雰囲気に連通する開口Оを形成し、一対のフィルム状部材210、220に挟まれる線状のチャック部材300が開口Оを開閉可能にし、収納空間Hが輪郭線Kとチャック部に沿って延びる仮想線Jとで囲われる様にしたので、収納用容器の一対のフィルム状部材200に挟まれ輪郭線Kと仮想線Jとで囲まれる収納空間Hに品物を収納できる。
また、輪郭線Kが外側に膨らむ複数の部分輪郭線K10と複数の部分輪郭線K10に繋がり内側に向かって突起する単数または複数の屈曲線K20とでできる様にしたので、複雑な輪郭をもつ収納空間を形成できる。
また、収納用容器の外形を所望の外形にすることが容易になり、各種のデザインを収納用容器に施すことができる。
また、輪郭線Kが外側に膨らむN+1個の部分輪郭線K10とN+1個の部分輪郭線K10を繋ぐ内側に向かって突起するN個の屈曲線K20とでできる様にしたので、複雑な輪郭をもつ収納空間Hを形成できる。
また、仮に所定の形状と所定の大きさをもつ特定品物100を収納空間Hに収納しチャック部材300が開口Оを閉じるときに品物100が一対のフィルム状部材の内面の接触領域Mに接し、品物を収納空間Hに入れず一対のフィルム状部材200を密着させるときに、接触領域Mの仮想線Jから遠い少なくとも1/3の領域での前記収納空間Hの仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法L1がチャック部材300の位置での開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さL0より小さい様にしたので、収納空間Hに収納した品物の出し入れが容易になる。
また、仮に所定の形状と所定の大きさをもつ特定品物100を収納空間Hに収納しチャック部材300が開口Оを閉じるときに品物100が一対のフィルム状部材200の内面の接触領域Mに接し、チャック部材300が開口Оを閉じ品物100を収納空間Hに入れたとき、前記接触領域Mの仮想線Jから遠い少なくとも1/3の領域での前記収納空間の仮想線Jに平行な線に沿った巾寸法L2がチャック部材300の位置での開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さL0より小さい様にしたの、収納空間Hに収納した品物100の出し入れが容易になる。
また、仮に所定の形状と所定の大きさをもつ特定品物100を収納空間Hに収納しチャック部材300が開口Оを閉じるときに品物100が一対のフィルム状部材200の内面の接触領域Mに接し、開口Оを開き収納空間Hを膨らませたときに接触領域Mの仮想線Jから遠い少なくとも1/3の領域での前記収納空間の前記開口に平行な断面積A1が開口のチャック部材300の位置での面積A0より小さい様にしたので、収納空間Hを膨らませたときの収納空間Hに収納した品物100の出し入れが容易になる。
また、収納空間に連通しない貫通穴Pが一対のフィルム状部材200に形成され、品物100を収納空間Hに収納し貫通穴Pを支持して吊るとき、フィルム状部材200の面を正面に見て開口Оが左右方向のどちらか一方の方向に向く様にしたの、収納空間Hのなかに液があるとき液が漏れにくい。
また、所定の重量を持つ特定品物100を収納空間Hに収納したとき、包装用容器の全体の輪郭の図心Zに対して全体の重心Gが有意にずれており、フィルム状部材200の面を正面に見て重心Gの位置が図心Zの位置の下方に位置する様に保持したときに、開口Оが左右方向の何方か一方の方向に向く様にしたので、収納空間Hのなかに液があるとき液が漏れにくい。
一対のフィルム状部材200の周辺の一部を接着され、品物の収納空間Hと収納空間を雰囲気に連通する開口Оを形成し、一対のフィルム状部材200に挟まれる線状のチャック部材300が開口Оを開閉可能にし、輪郭線Kとチャック部材200に沿って延びる仮想線Jとで囲われる収納空間Hを持つ収納用容器を準備し、水平にした仮想線Jを上方に位置させて、品物100を収納空間Hのうちの最大深さをもつ底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間H1に挿入する様にしたので、収納用容器の一対のフィルム状部材200に挟まれ輪郭線Kと仮想線Jとで囲まれ開口Оの大きい収納空間に品物を安定して収納できる。
また、一対のフィルム状部材200の周辺の一部を接着され、品物の収納空間Hと収納空間Hを雰囲気に連通する開口Оを形成し、一対のフィルム状部材200に挟まれる線状のチャック部材300が開口Оを開閉可能にし、輪郭線Kとチャック部材300に沿って延びる仮想線Jとで囲われる収納空間Hを持つ収納用容器を準備し、水平にした仮想線Jを上方に位置させて、品物100を収納空間Hのうちの最大深さをもつ底部を形成する部分収納空間である第一部分収納空間H1に挿入し、品物100に沁ませる液をその他の部分収納空間に入れる様にしたので、液体を入れる際に品物に遮られて開口Оから溢れることを抑制でき、収納用容器の一対のフィルム状部材200に挟まれ輪郭線Kと仮想線Jとで囲まれ開口Оの大きい収納空間Hに液を沁ませた品物100を安定して収納できる。
【0048】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
収納用容器の外形をハート型とし、輪郭線が2つの部分輪郭線と1つの屈曲線とでできたものを例にして説明したが、これに限定されない。
図10の本発明の実施形態にかかかる収納用容器の各種のバリエーションを示す。
【符号の説明】
【0049】
D 深さ
D1 第一深さ
D2 第二深さ
G 重心
H 収納空間
H1 第一部分収納空間
H2 第二部分収納空間
J 仮想線
K 輪郭線
K10 部分輪郭線
K11 第一部分輪郭線
K12 第二部分輪郭線
K2 屈曲線
K21 第一屈曲線
L0 開口Оの仮想線Jに沿った向きの長さ
L1 巾寸法
M 接触領域
P 貫通穴
X 切り離し線
Z 図心
100 品物
110 不織布
120 液
200 フィルム状部材
210 表側フィルム状部材
220 裏側フィルム状部材
300 チャック部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開2013−60207号
【特許文献2】特開2014−31199号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10