(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記前部カバーが、少なくとも前記スリーブの前端部を遮蔽するように適合され、前記後部カバーが、少なくとも前記スリーブの後端部を遮蔽するように適合され、かつ前記前部カバーおよび前記後部カバーの少なくとも一方が、前記スリーブに取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
前記カラーシリンジ遮蔽体支持構造が、少なくとも1つのオリフィスを備え、前記流体送達装置の作動装置が、前記少なくとも1つのオリフィスを通過して前記シリンジに接触することができる、請求項1に記載のシステム。
前記シリンジ穴の排出端部孔が、前記シリンジ穴のプランジャ端部孔よりも直径が小さく、前記排出端部孔が、前記シリンジの排出端部に一致するように設計されている、請求項1に記載のシステム。
前記下部スリーブおよび前記上部スリーブの一方が、前記下部スリーブおよび前記上部スリーブの他方に取り外し可能に取り付け可能である、請求項15に記載のシステム。
前記スリーブが、前記遮蔽パネルの排出端部に取り付けられ、前記前部カバーが、遮断材料を含み、かつ前記シリンジの排出端部を受容するように構成された長手方向軸穴を有する、請求項15に記載のシステム。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態は、シリンジの形状に一致するように設計および構成されたシリンジ穴を有する第1の遮蔽パネルと、シリンジの形状に一致するように設計および構成されたシリンジ穴を有する第2の遮蔽パネルと、を含むシリンジ遮蔽体に関し、第1の遮蔽パネルと第2の遮蔽パネルとの可逆的な結合により、シリンジを収容するように構成されたシリンジ穴が形成され、かつシリンジに関連したプランジャへのアクセスを可能にするように構成されたプランジャアクセス穴が形成される。一部の実施形態では、第1の遮蔽パネルと第2の遮蔽パネルとを、ヒンジで取り付けることができる。
【0005】
このような実施形態では、第1の遮蔽パネルおよび第2の遮蔽パネルは、放射線放射遮断材料を含む、またはこの材料から構成することができ、特定の実施形態では、シリンジは、第1の遮蔽パネルと第2の遮蔽パネルが結合されると放射線放射遮断材料によって完全に、またはほぼ完全に収容され得る。放射線放射遮断材料は、限定されるものはなく、金属、例えば、タングステン、タングステン合金、モリブデン、モリブデン合金、鉛、鉛合金、鉛ライニングされた木材、鉛入りガラス、ポリマー複合材料、セラミック材料、ホウ酸入りポリマー(borated polymer)、およびこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。他の実施形態では、第1の遮蔽パネルおよび第2の遮蔽パネルは、光遮断材料を含む、またはこの材料から構成することができ、特定の実施形態では、シリンジは、第1の遮蔽パネルと第2の遮蔽パネルが結合されると、光遮断材料によって完全に、またはほぼ完全に収容され得る。光遮断材料は、限定されるものではなく、周辺光による汚染を防止する材料、例えば、金属、金属合金、木材、暗色ガラス、不透明なポリマー複合材料、セラミック材料、またはその他の材料を含み得るが、これらに限定されない。
【0006】
一部の実施形態では、シリンジ穴は、0.5ml、1ml、3ml、5ml、10ml、15ml、20ml、30ml、40ml、50ml、60ml、およびこれらの組み合わせを保持するのに十分な直径を有するシリンジを収納するサイズにすることができる。特定の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、一体型キャップを備えることができ、他の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、取り外し可能なキャップを備えることができる。一部の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、第1の遮蔽パネル、第2の遮蔽パネル、およびこれらの組み合わせを収容するスリーブを含むことができる。様々な実施形態では、スリーブは、金属、金属合金、ポリマー材料、ポリマー複合材料、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料から構成され、特定の実施形態では、スリーブは、アルミニウムまたはポリカーボネートから構成することができる。特定の実施形態では、スリーブは、第1の遮蔽パネルおよび第2の遮蔽パネルのそれぞれに一体に取り付けることができ、このようなスリーブは、例えば、金属、金属合金、ポリマー材料、ポリマー複合材料、およびこれらの任意の組み合わせから、または、特定の実施形態では、アルミニウムまたはポリカーボネートから構成することができる。
【0007】
一部の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、第1の遮蔽パネルと第2の遮蔽パネルを接続するように構成されたクランプ手段を備えることができる。特定の実施形態では、第1の遮蔽パネルおよび第2の遮蔽パネルはそれぞれ、ヒンジ延長部を備えることができ、シリンジ遮蔽体は、ヒンジ延長部によって受容されるヒンジピンをさらに備え、一部の実施形態では、第1の遮蔽パネルおよび第2の遮蔽パネルはそれぞれ、1つ以上の接続プレートを備えることができる。一部の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、第1の遮蔽パネルおよび第2の遮蔽パネルに可逆的に接続し、かつシリンジ遮蔽体を装置またはベースプレートに接続するように構成および配置されたカラーを備えることができる。一部の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、キャリーハンドルを備えることができ、一部の実施形態では、キャリーハンドルは、第1および第2の遮蔽パネルに可逆的に取り付けられるように構成することができる。
【0008】
様々な実施形態は、流体送達装置用のシリンジ遮蔽システムに関し、このシステムは、流体送達装置に取り付けられるカラーシリンジ遮蔽体支持構造と、遮断材料、ならびに排出端部孔およびプランジャ端部孔を備えるシリンジに対応するように構成されたシリンジ穴を有する遮蔽パネルと、遮蔽パネルを収容するスリーブと、を含み、このスリーブは、カラーシリンジ遮蔽体支持構造に結合される。
【0009】
一部の実施形態では、スリーブは、第2の部分に結合された第1の部分を備え、第1の部分および第2の部分の少なくとも一方は、カラーシリンジ遮蔽体支持構造に結合される。一部の実施形態では、スリーブは、準備位置と保存位置との間で移動するように構成されている。一部の実施形態では、スリーブは、カラーシリンジ遮蔽体支持構造に可逆的に結合される。一部の実施形態では、遮蔽パネルは、シリンジの形状およびサイズに適合した直径を有する穴を備える。
【0010】
一部の実施形態では、スリーブは、前部カバーおよび後部カバーの少なくとも一方を備え、前部カバーは、少なくともスリーブの前端部を遮蔽するように適合され、後部カバーは、スリーブの後端部を遮蔽するように適合され、前部カバーおよび後部カバーの少なくとも一方は、スリーブに取り付けられる。
【0011】
特定の実施形態では、前部カバーおよび後部カバーの少なくとも一方は、スリーブに取り外し可能に取り付けられる。
【0012】
特定の実施形態では、前部カバーは、シリンジの排出端部に一致するように構成された穴を有する。
【0013】
一部の実施形態では、カラーシリンジ遮蔽体支持構造は、流体送達装置に取り付けるように構成されたカラーマウントを備える。特定の実施形態では、カラーシリンジ遮蔽体支持構造は、流体送達装置と一体である。特定の実施形態では、カラーシリンジ遮蔽体支持構造は、流体送達装置にアダプタとして取り外し可能に取り付け可能である。一部の実施形態では、カラーシリンジ遮蔽体支持構造は、少なくとも1つのオリフィスを備え、流体送達装置の作動装置は、少なくとも1つのオリフィスを通過してシリンジに接触することができる。
【0014】
特定の実施形態では、遮蔽パネルは、スリーブと一体である。特定の実施形態では、遮蔽パネルは、複数の部分を備える。
【0015】
一部の実施形態では、シリンジ穴の排出端部孔は、プランジャ端部孔よりも直径が小さく、排出端部孔は、シリンジの排出端部に一致するように設計されている。
【0016】
一部の実施形態では、スリーブは、遮蔽パネルの排出端部に取り付けられた前側アクセス部を備え、前側アクセス部は、遮断材料を含み、かつシリンジの排出端部を受容するように構成された長手方向軸穴を有する。
【0017】
特定の実施形態では、前側アクセス部は、第1のパネルおよび第2のパネルを備える。
【0018】
特定の実施形態では、遮断材料は、放射性放射遮断材料、光遮断材料、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0019】
様々な実施形態は、流体送達装置用のシリンジ遮蔽システムに関し、このシステムは、流体送達装置に取り付けるように構成されたシリンジマウントと、少なくとも遮断材料を含み、かつ排出端部孔およびプランジャ端部孔を有するシリンジに一致するように構成されたシリンジ穴を有する遮蔽パネルと、遮蔽パネルを収容し、かつシリンジマウントに結合されたスリーブアタッチメントを有するスリーブと、を含む。
【0020】
一部の実施形態では、スリーブは、第2の部分に結合された第1の部分を備え、スリーブアタッチメントは、第1の部分および第2の部分の少なくとも一方に結合される。
【0021】
一部の実施形態では、第1の部分および第2の部分の一方は、第1の部分および第2の部分の他方に取り外し可能に取り付け可能である。特定の実施形態では、スリーブアタッチメントおよびシリンジマウントの一方はサドルを備え、スリーブアタッチメントおよびシリンジマウントの他方は、サドルを収容するように適合された溝を備える。特定の実施形態では、遮蔽パネルは、シリンジの形状およびサイズに適合した直径を有する穴を備える。
【0022】
一部の実施形態では、スリーブは、前部カバーおよび後部カバーの少なくとも一方を備え、前部カバーは、少なくともスリーブの前端部を遮蔽するように適合され、後部カバーは、スリーブの後端部を遮蔽するように適合され、前部カバーおよび後部カバーの少なくとも一方は、スリーブに取り付けられる。特定の実施形態では、前部カバーおよび後部カバーの少なくとも一方は、スリーブに取り外し可能に取り付けられる。特定の実施形態では、前部カバーは、シリンジの排出端部に一致するように構成された穴を有する。
【0023】
一部の実施形態では、スリーブアタッチメントは、フランジおよび溝の一方である。一部の実施形態では、シリンジマウントは、流体送達装置と一体である。特定の実施形態では、遮蔽パネルは、スリーブと一体である。特定の実施形態では、遮蔽パネルは、複数の部分を備える。一部の実施形態では、排出端部孔は、プランジャ端部孔よりも直径が小さく、排出端部孔は、シリンジの排出端部に一致するように設計されている。
【0024】
一部の実施形態では、スリーブは、遮蔽パネルの排出端部に取り付けられた前側アクセス部を備え、前側アクセス部は、遮断材料を含み、かつシリンジの排出端部を受容するように構成された長手方向軸穴を有する。特定の実施形態では、前側アクセス部は、第1のパネルおよび第2のパネルを備える。
【0025】
遮断材料は、放射性放射遮断材料、光遮断材料、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。
【0026】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照する。これらの図面において、同様の参照符号は、典型的には、特段の記載がない限り、同様の要素を指す。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲で説明される例示的な実施形態は、限定を意図するものではない。本明細書に示される主題の概念または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、かつ他の変更を行うことができる。本明細書に全体的に説明され、添付の図面に例示される本開示の態様は、様々な異なる構成で配置する、置換する、組み合わせる、分離する、かつ設計することができ、これらの全てが本明細書で明らかに意図されることを容易に理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本構成および方法を説明する前に、これらの構成および方法は、様々にすることができるため、説明される特定の構成、方法、またはプロトコルに限定されるものではないことを理解されたい。また、説明に使用される用語は、特定のバージョンまたは実施形態のみを説明することが目的であり、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されるこれらの範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0029】
また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」は、文脈に明確に反対の記載がない限り、複数の指示物を含むことに留意されたい。特段の記載がない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、当業者が一般に理解する意味と同じ意味を有する。本明細書で説明される方法および材料に類似または同等の全ての方法および材料を、開示される実施形態の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法、装置、および材料を以下に説明する。
【0030】
「任意選択の」または「任意選択で」とは、後に説明される事象または状況が起こり得る、または起こり得ないこと、ならびにこの記述が、事象が起こる場合および事象が起こらない場合を含むことを意味する。
【0031】
「実質的に〜でない」とは、後に説明される事象が、最大でも約10%未満の確率で起こり得る、または後に説明される要素が、全構成の最大でも約10%未満であり得、一部の実施形態および他の実施形態では、最大で約5%未満であり得、なお他の実施形態では、最大で約1%未満であり得ることを意味する。
【0032】
以降の説明において、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「最上部」、「底部」、「横方向」、「長手方向」、およびこれらの派生語は、図面に示される実施形態の向きに関連するものである。しかしながら、実施形態は、明確に反対の記載がなければ、代替の変更形態およびステップの順序をとり得ることを理解されたい。また、添付の図面に例示され、かつ以下の明細書で説明される特定の装置およびプロセスは、単なる例示的な実施形態であることを理解されたい。従って、本明細書に開示される実施形態に関連した特定の寸法および他の物理的特性は、限定と見なされるべきではない。
【0033】
開示される実施形態は、明確に反対の記載がなければ、様々な代替の変更形態およびステップの順序をとり得ることを理解されたい。また、添付の図面に例示され、かつ以下の明細書で説明される特定の装置およびプロセスは、単なる例示的な実施形態であることを理解されたい。
【0034】
様々な実施形態が、シリンジ遮蔽体に関し、このシリンジ遮蔽体は、シリンジ内の放射性医薬品からの放射線放射への操作者、対象、または他の注射される生物の曝露を軽減または排除し、かつシリンジ内の光成分の周辺光による汚染を軽減または排除するように構成されている。他の実施形態では、遮蔽要素が、放射性医薬品または光トレーサ(optical tracer)を熱的および機械的に安定させることができる。例えば、遮蔽要素は、蛍光を消光することができ、かつ光トレーサを加熱する、または時間経過により化学変化させて、光トレーサの光出力または化学的活性もしくは酵素的活性を低下させ得る光への光トレーサの曝露を軽減または排除するように設計することができる。
【0035】
様々な実施形態では、シリンジ遮蔽体は、1つ以上の遮蔽パネルを備えることができ、一部の実施形態では、1つ以上の遮蔽パネルを、1つ以上の相互接続されたスリーブによって収容してシリンジ遮蔽体を形成することができる。一部の実施形態では、各スリーブが、スリーブに固定して取り付けられた遮蔽パネルを収容するように、遮蔽パネルとスリーブを互いに一体にすることができる。他の実施形態では、遮蔽パネルとスリーブは、シリンジの周りで結合されてシリンジ遮蔽体を形成するように設計された別個の部品とすることができる。例えば、一部の実施形態では、2つ以上の遮蔽パネルをシリンジ上に配置することができ、ヒンジスリーブを、2つ以上の遮蔽パネルの周りに配置して、シリンジに対して所定の位置に固定することができる。このシリンジ遮蔽体は、任意の数の遮蔽パネルおよびスリーブ要素を有することができる。例えば、一部の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つの遮蔽パネルと、遮蔽パネルを収容する1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのスリーブ要素を有することができる。
【0036】
一部の実施形態では、遮蔽パネルは、放射線放射遮断材料、例えば、タングステン、タングステン合金、モリブデン、モリブデン合金、鉛、鉛合金、鉛ライニングされた木材、鉛入りガラス、ポリマー複合材料、セラミック材料、およびホウ酸入りポリマーなど、およびこれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、1つ以上の遮蔽パネルは、タングステンとすることができる。一部の実施形態では、パネルを収容するスリーブは、金属、金属合金、ポリマー材料、およびポリマー複合材料など、およびこれらの任意の組み合わせを含む任意の材料から構成することができる。特定の実施形態では、スリーブは、アルミニウムまたはポリカーボネートとすることができる。さらなる実施形態では、スリーブとパネルは、互いに一体化することができる。シリンジ遮蔽体は、磁性材料および電子機器を殆どまたは全く含まないようにすることができる。
【0037】
図1は、2つの遮蔽パネル150、160を有するシリンジ遮蔽体の一例である。各遮蔽パネル150、160は、シリンジの形状に一致するように設計および構成されたシリンジ穴180を備える。シリンジ穴180は、任意のシリンジまたは当該技術分野で公知のタイプのシリンジを収納するように構成することができ、一部の実施形態では、シリンジ穴は、様々なタイプおよびサイズのシリンジに合うユニバーサルフィッティングを形成することができる。例えば、シリンジ遮蔽体は、シリンジ遮蔽体と共に使用される可能性が高いシリンジよりも意図的に大きくすることができる。他の実施形態では、シリンジ穴180のサイズは、シリンジ遮蔽体と共に使用されるシリンジのサイズにぴったりと一致させることができる。例えば、特定の実施形態では、シリンジ穴は、同様のフランジのサイズおよび本体の長さを有するが本体の直径が異なるシリンジを収納するように構成することができる。従って、10ml、15ml、20ml、30ml、40ml、50ml、60ml、または65mlを保持できる十分な直径を有するシリンジ、および1ml、3ml、5ml、または10mlを保持できる十分な直径を有するシリンジを、シリンジ穴の中に確実に保持することができる。あるいは、遮蔽パネル170を孔180の中に挿入して、選択されるシリンジにぴったりと一致する遮蔽材料を形成することができる。このような実施形態では、150および160はスリーブとして機能する。要素170は、遮蔽パネルとして機能するように150および160のそれぞれの中に配置される(通常は、永久に配置する必要はない)。
図6は、組み立てられたユニットを示している。
【0038】
一部の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、一般的なシリンジの先細端部の形状を収納するために前端部を先細にすることができ、このような実施形態では、シリンジ遮蔽体は、シリンジが遮蔽体内に収容されたときにシリンジのアクセス部となり得る追加の小さい穴を先細端部に備えることができる。一部の実施形態では、シリンジ遮蔽体の前端部は、シリンジの先細端部が、ドームの下に包囲されるが、シリンジの外面が、シリンジ遮蔽体のドーム部に物理的に接触しないようにドーム型にすることができる。先細前端部と同様に、ドーム前端部は、シリンジがシリンジ遮蔽体内に収容されたときにシリンジへのアクセスを可能にする追加の穴を備えることができる。
【0039】
シリンジ遮蔽体の後部は、シリンジの内容物を押し出す装置、例えば、ピストン、ロッド、またはプランジャがシリンジ遮蔽体内に収容されたシリンジにアクセスおよび接触できるように設計することができる。一部の実施形態では、
図1に示されているように、シリンジ遮蔽体の後部を開口させて、穴につなげることできる。従って、シリンジの内容物を押し出す任意の手段が、シリンジに容易に到達することができる。他の実施形態では、シリンジ遮蔽体の後部を部分的に包囲することができる。例えば、一部の実施形態では、各遮蔽パネル150、160の後部は、遮蔽パネル150と160とが結合されると、ピストンまたはプランジャにアクセスしてシリンジに接触することを可能にする円形中心穴が形成されるように、中心穴を包囲することができる。円形中心穴のサイズは、実施形態によって様々にすることができるが、シリンジへのアクセスを可能にすると共に、シリンジからの放射線の少なくとも一部を遮断する、またはシリンジ内の光成分の周囲光による汚染を防止するのに十分なサイズにすることができる。
【0040】
一部の実施形態では、遮蔽パネル150と160とを接続することができる。例えば、一部の実施形態では、遮蔽パネル150と160とを互いにヒンジで取り付けて、貝殻型シリンジ遮蔽体を形成することができる。他の実施形態では、遮蔽パネル150、160は、使用中に互いに可逆的に接続できる個々の装置とすることができる。例えば、
図1に例示されているように、各遮蔽パネル150、160は、1つ以上の付属物152、162、1つ以上のヒンジ延長部153、163、および1つ以上の接続プレート155など、またはこれらの組み合わせを備えることができる。
【0041】
実施形態、例えば、
図1に示されている実施形態では、ヒンジ延長部153と163とが相互に接続されて、整合したヒンジ延長部153、163を貫通する連続穴が形成できるように、遮蔽パネル150、160を互いに接触させることができる。ヒンジピン(不図示)を連続穴に通して、遮蔽パネル150と160との接続を容易にすることができる。一部の実施形態では、例えば、ヒンジピンが連続穴に通された後にこのヒンジピンのいずれかの端部にキャップまたはフランジを設けることによって、ヒンジピンを連続穴の中に永久的に保持することができる。他の実施形態では、ヒンジピンは、取り外し可能とすることができ、特定の実施形態では、ヒンジピンは、その少なくとも一端を容易に把持して操作できるようにハンドルを備えることができる。
【0042】
図1に例示されている遮蔽パネルの例である遮蔽パネル150、160は、遮蔽パネルが互いに接触したときに整合する付属物152、162をさらに備える。一部の実施形態では、一方または両方の遮蔽パネル150、160は、遮蔽パネル150、160の一方に固定して取り付けられるクラスプ(不図示)または他の閉止装置を備えることができ、このクラスプまたは他の閉止装置は、可逆的な接続を可能にするために他方の遮蔽パネル150、160の付属物152、162に接触して保持することができる。他の実施形態では、一方の遮蔽パネル150の付属物152を、他方の遮蔽パネル160の付属物162に整合させて、クランプ装置120を使用して整合した付属物152と162を互いに保持して可逆的な接続を容易にすることができる。クランプ装置120は、例えば、締めねじ、ばね荷重ボール戻り止め、ヒンジ、および様々なクランプ機構など、またはこれらの組み合わせを含む、当該技術分野で公知の手段を用いて所定の位置に固定することができる。
【0043】
遮蔽パネル150、160は、1つ以上の接続プレート155をさらに備えることができる。接続プレート155は、一般に、遮蔽パネルの一端から延びた横方向延長部またはフランジである。一部の実施形態では、接続プレート155は、遮蔽パネル150と160の接続を容易にすることができ、特定の実施形態では、接続プレート155は、遮蔽パネルと装置との接続を容易にすることができる。一部の実施形態では、接続プレート155を、遮蔽パネルを装置の所定の位置に保持する装置の表面の溝の中に嵌めることができる。他の実施形態では、磁石または他の電磁接続を、装置と遮蔽パネルとの間で形成することができ、なお他の実施形態では、接続プレート155は、1つ以上のオリフィス156を備えることができ、このオリフィスに接続ピンまたはねじを通して遮蔽パネルを装置に機能的に接続することができる。装置は、放射性物質または光感受性物質を含む、放射性もしくは光感受性の要素または容器を保持する任意の装置とすることができる。特定の実施形態では、装置は、流体送達装置またはシステムとすることができ、一部の実施形態では、このような流体送達装置またはシステムは、放射性医薬品または光感受性成分を送達するように設計および構成することができる。
【0044】
接続プレート155は、遮蔽パネル150、160が接続されて遮蔽体が形成されたときに互いに離れるようにすることができ、例えば、接続プレートは、遮蔽体の相反する側に存在することができる。他の実施形態では、接続プレートは、遮蔽体の周囲に沿った接合部で互いに接触して、遮蔽体の周囲に連続フランジを形成することができ、なお他の実施形態では、接続プレート155は、遮蔽パネル150と160が整合したときに相互に接続することができる。例えば、第1の接続プレート155は、遮蔽パネルが整合したときに第2の接続プレート(不図示)を受容し、これにより、各接続プレート155のオリフィス156が整合して、接続ピン、ねじ、またはボルトを通すことができる連続穴を形成するように構成することができる。このような実施形態では、接続プレートは、遮蔽パネル150と160との間の可逆的な接続、および装置との可逆的な接続の両方を実現することができる。一部の実施形態では、一方の遮蔽パネル150のみが、接続プレート155を備え、この接続プレート155を、遮蔽体を取り付け支持構造または装置に接続するために使用することができる。第2の遮蔽パネル160が、例えば、ヒンジ163、153および遮蔽パネル150の接続プレート155によって第1の遮蔽パネル150に接続され、両方のパネル150、160が、取り付け支持構造または装置に接続される。
【0045】
一部の実施形態では、シリンジ遮蔽体の上部および前部は、
図1に例示されているように開口させることができる。他の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、その前端部の周りを取り囲む一体型キャップを備えることができ、これにより、遮蔽されたシリンジからの放射を最小限にすることができる。このような実施形態では、キャップは、シリンジのノズルへのアクセスを実現する穴を備えることができる。他の実施形態では、遮蔽パネルが互いに接続されてから、取り外し可能なキャップを、遮蔽パネルに取り付けることができる。取り外し可能なキャップは、任意の手段、例えば、ねじアセンブリ、スナップ式エンクロージャ、滑り嵌め、および真空シールなど、およびこれらの組み合わせによって遮蔽パネルに取り付けることができる。一体型キャップと同様に、取り外し可能なキャップも、シリンジのノズルへの連絡管または他の流体通路要素を可能にする穴を備えることができる。一部の実施形態では、この穴は、注射の準備をする際に、シリンジ遮蔽体の前部の中にシリンジを適切に位置決めするための肩を備えることができる。
【0046】
特定の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、遮蔽パネルの取り付けを容易にし、かつ/または取り扱いを向上させるために遮蔽パネルを覆う1つ以上のスリーブを備えることができる。例えば、
図2は、上部ハウジングスリーブ211および下部ハウジングスリーブ212を有するシリンジ遮蔽体20の別の例を示している。一部の実施形態では、上部ハウジングスリーブ211および下部ハウジングスリーブ212は、シリンジ21を収納することができる穴(不図示)を備える遮蔽パネル22を収容することができる。
図2に例示されているように、シリンジ遮蔽体20は、様々な追加のハウジングまたはスリーブ部を備えることができる。例えば、シリンジ遮蔽体は、例えば、シリンジ21のプランジャ部、ピストン、ロッド、またはシリンジの内容部を押し出すための他の手段を収容する1つ以上の取り外し可能部またはヒンジ部208を備えることができる。一部の実施形態では、上部ハウジングスリーブ211は、圧入部、スナップ、ねじ、クランプ、ボルト、およびピンなど、およびこれらの組み合わせを含む任意の手段によって下部ハウジングスリーブ212に取り外し可能に取り付けることができ、他の実施形態では、上部ハウジングスリーブ211は、例えば、溶接または接着剤によって下部ハウジングスリーブ212に固定して取り付けることができる。他の実施形態では、上部ハウジングスリーブ211および下部ハウジングスリーブ212は、例えば、ヒンジによって接続することができる。なお他の実施形態では、シリンジ遮蔽体20の上部ハウジングは、シリンジ遮蔽体20の内側の部分の一部へのアクセスを可能にするヒンジで連結されたシリンジアクセスドア208を備えることができる。例えば、
図2に例示されているように、ヒンジで連結されたアクセスドア208は、シリンジ21へのアクセスを可能にすることができ、このため、使用者は、シリンジ21をシリンジ遮蔽体22の中に挿入するときにシリンジをより容易に操作することができる。上部ハウジングスリーブ211を下部ハウジングスリーブ212に固定して取り付けることができ、例えば、上部ハウジングスリーブ211と下部ハウジングスリーブ212とを、貝殻型の構造に互いにヒンジで取り付けることができる。
【0047】
他の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、スリーブ内に含めることができる遮蔽パネルを有する。
図3Aに例示されているように、一部の実施形態では、シリンジ遮蔽体30は、上部ハウジングスリーブ313の中に放射線遮蔽パネル311を含み、かつ下部ハウジングスリーブ314の中に遮蔽パネル312を含むように設計することができる。
図3Aに例示されているように、シリンジ遮蔽スリーブが閉じられた位置にくると、シリンジ31が放射線放射遮断材料によって完全に、またはほぼ完全に収容されるように、遮蔽パネル311、312をシリンジハウジングの中に収容することができ、上部ハウジング313またはその任意の部分を、シリンジ31へのアクセスが可能となるように下部ハウジング314にヒンジで取り付けることができる。一部の実施形態では、シリンジ穴315は、シリンジ31を収納するように構成および設計することができる。このようなシリンジ穴は、シリンジの前部およびシリンジ穴315に接触してシリンジの出口部にアクセスするための手段を形成するように配置された肩318を備えることができる。
【0048】
プランジャアクセス穴321に関連した後部溝319を、シリンジ31のフランジ部320を収納するように設けることもできる。特定の実施形態では、シリンジのプランジャ322または別の作動手段は、使用者のシリンジ31およびプランジャ322へのアクセスを可能にする遮蔽体30の拡大部316の中に収まることができる。ハウジングの拡大部は、プランジャ322に結合してプランジャを前進および後退させることができるように構成されたピストンまたは作動要素の他の部分も収納することができる。一部の実施形態では、拡大部は、追加の遮蔽パネルまたは遮蔽パネル311、312の延長部を含むことができる。他の実施形態では、拡大部は、追加の遮蔽物を含まなくても良い。
【0049】
図3Aは、後側拡大部を有するシリンジ遮蔽体30を例示しているが、特定の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、
図3Bに例示されているように、シリンジからの管または他の延長部を収容するために前側拡大部340を備えることができる。一部の実施形態では、
図3Bに例示されているように、シリンジ遮蔽体は、シリンジ31のコネクタ部342およびこのシリンジ31のコネクタ342から送達装置まで延びた管の一部を収容するように設計されたアクセス穴341を備えた前側拡大部340を備えることができる。他の実施形態では、前側拡大部340は、その前部が取り囲まれて遮蔽された状態で、前側拡大部340の一側に設けられた横方向アクセス穴を備えることができる。理論に拘束されることを望むものではないが、横方向穴は、シリンジの前端部からの光を軽減することができ、これにより、使用者の光曝露もしくは潜在的な放射線照射を軽減する、またはシリンジ内の光感受性成分の周辺光による汚染を軽減もしくは排除することができる。前側拡大部340をシリンジ遮蔽体30に接続して、シリンジ遮蔽体30の一部を形成することができる。一部の実施形態では、前側拡大部340は、シリンジ遮蔽体30に別個に取り付けることができ、シリンジ31がシリンジ遮蔽体30の中に収容されたときにコネクタ342および管部へのアクセスを可能にする別個のヒンジ部を備えることができる。特定の実施形態では、前延長部341は、横方向出口ポート344を備えることができ、管部が、この出口ポート344を通ってシリンジ遮蔽体30から出ることができる。アクセス穴341の前部は、コネクタ342からの光および使用者の潜在的な放射線曝露を軽減するため、またはシリンジ内の光感受性成分の周辺光による汚染を軽減もしくは排除するために遮蔽材料で取り囲むことができる。
図3Bは、
図7を参照して以下にさらに説明されるビルトインハンドル346を有するシリンジ遮蔽体31をさらに示している。
【0050】
一部の実施形態では、遮蔽体と装置との接続は、ハウジングに一体化されたロック機構によって容易にすることができる。例えば、
図2に例示されているように、このような実施形態のシリンジ遮蔽体20は、シリンジマウント206に結合するように構成された1つ以上のフランジまたは溝を備え得るシリンジマウントシステムを用いて送達注入本体(不図示)に取り付けることができる。このような実施形態のシリンジマウント206は、任意の構造にすることができ、送達注入本体上または送達注入本体内へのハウジングの適切な配置を容易にするためにシリンジ遮蔽体20に結合するように構成された、例えば、ボタン、ピン、スライド、および溝などを備えることができる。他の実施形態では、シリンジ遮蔽体20は、このシリンジ遮蔽体20に設けられた溝内に適合する形状にすることができるサドルマウントによって送達注入本体に取り付けることができる。一部の実施形態では、サドルマウントは、シリンジ遮蔽体20のこのサドルマウントへの可逆的な取り付けを容易にする圧入部、溝、ピン、およびボタンなどを備えることができる。このような実施形態のサドルマウントは、スキーブーツのコネクタと同様であり、シリンジ遮蔽体20の第1のフランジがサドルマウントの溝に挿入され、第2のフランジまたは溝が、この第2のフランジまたは溝をマウント内に保持するヒンジクランプによって受容される。ヒンジクランプは、第2のフランジまたは溝に力を加えてこの第2のフランジまたは溝を所定の位置に保持するように配置された1つ以上のばねを備えることができる。ヒンジクランプは、例えば、シリンジ遮蔽体がサドルマウントで旋回するとヒンジクランプに接触するシリンジ遮蔽体の横方向フランジによって後方に押すことができる。
【0051】
様々な実施形態では、シリンジマウントは、ハウジング自体ではなくハウジングの下側のフレームワークに結合させて取り付けることができる。フレームワークは、一般に、シシリンジマウントおよび作動要素マウントに取り付けられたリンジ遮蔽体と共にシリンジマウントを機械的に支持する硬質材料から構成される。理論に拘束されることを望むものではないが、フレームワークは、シリンジマウントおよび/または作動要素が、より可撓性の高い材料から構成されたハウジングに取り付けられたときに起こり得る屈曲を軽減または排除することによって、注入の精度および再現性を実質的に改善することができる。一部の実施形態では、フレームワークは、鋼、アルミニウム、または別の金属もしくは金属合金、または高張力ポリマー組成物から構成することができ、かつハウジング内に適合して、シリンジマウントおよび作動要素に加えて、装置の機械要素の取り付け部位を提供するように設計することができる。
【0052】
特定の実施形態では、シリンジマウントは、シリンジ遮蔽体の対応するリッジまたは溝が適合する前溝またはリッジを備えることができる。シリンジマウントは、シリンジ遮蔽体の溝またはリッジに結合する後結合部をさらに備えることができる。一部の実施形態では、この結合部は、送達注入本体に取り付けられたハウジングを備えることができ、この送達注入本体は、シリンジ遮蔽体が所定の位置に押されたときにこのシリンジ遮蔽体をその位置にロックするために、クランプをシリンジ遮蔽体の溝またはリッジに対して前方に付勢するように配置された1つ以上のばねを備える。実施形態は、どの特定のシリンジホルダまたはマウントにも限定されるものではない。例えば、一部の実施形態では、シリンジホルダは、シリンジもしくはバイアル本体またはこのシリンジもしくはバイアル本体に結合されたフランジを取り外し可能に取り付けることによって、放射性医薬品を含むシリンジまたはバイアルを受容して保持するように構成された装置とすることができる。他の実施形態では、シリンジホルダまたはシリンジマウントは、放射性医薬品を含むシリンジまたはバイアルを収容する第2の装置を受容して保持するように構成することができる。
【0053】
特定の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、カラーシリンジ遮蔽体支持構造および同様のもの、またはこれらの組み合わせを用いて送達注入本体に取り付けることができる。例えば、
図4は、
図1を参照して上記説明されたシリンジ遮蔽体に接続するように構成されたベースプレート40の一例である。このようなベースプレート40は、シリンジ遮蔽体が相互作用するように設計された装置の一体部分とすることができる、または、一部の実施形態では、このようなベースプレート40は、アダプタとして既存の装置に取り付けることができる別個の要素として形成することができる。従って、一部の実施形態では、ベースプレート40は、このベースプレートを装置に取り付けるためのフランジ、孔、クランプ、および付属物など、または他の要素、およびこれらの組み合わせを備えることができる。
【0054】
このような実施形態のベースプレート40は、一般に、装置の作動装置が、シリンジまたはこのシリンジに関連するプランジャ、ストッパ、もしくはピストンに接触してシリンジの内容物を排出できるように配置された1つ以上のオリフィス402、404を備えることができる。ベースプレート40は、シリンジ遮蔽体をこのベースプレートに取り付けるための手段をさらに備えることができる。例えば、一部の実施形態では、1つ以上のオリフィス402、404は、シリンジ遮蔽体の溝またはねじに対応すると共に、シリンジ遮蔽体のベースプレートへのねじ止めを可能にする溝またはねじを備えることができる。他の実施形態では、接続プレート(
図1の155および156)のオリフィスによって受容されるピンまたはねじを受容してシリンジ遮蔽体をベースプレート40に取り付けるように構成された孔を、オリフィス402、404の近傍に設けることができる。
【0055】
一部の実施形態では、カラーシリンジ遮蔽体支持構造は、送達注入本体を変更しなくても良いようにこの送達注入本体の前部の上および周りに適合して、シリンジの取り付けのために注入本体ヘッドへのシリンジの自由なアクセスを可能すると共に、シリンジ遮蔽体が取り付けられる比較的動かないベースを実現するように設計されている。例えば、
図5は、装置の一部を取り囲むように設計および構成された2部品カラー501、502を示し、このカラーアセンブリは、取り付け延長部503によってカラーシリンジ遮蔽体支持構造のベースプレートに取り付けることができる。より詳細には、ベースプレートを、カラーマウント501の開口に挿入することができ、これにより、ねじ、ピン、または別の取り付け手段を用いて所定の位置にベースプレートを固定することができる。カラーマウント501は、このカラーマウントをベースプレートに取り付けるための手段を有する1つ以上の取り付け延長部503を備えることができる。
図5に例示されているように、取り付け手段は、溝504、およびベースプレートの付属物またはフランジに適合して接続するように構成されたねじプレート505を備える。ねじ、ピン、または別の取り付け手段を、ねじプレート505を介してベースプレートの付属物またはフランジの対応する孔またはオリフィスの中に挿入して、カラーシリンジ遮蔽体アセンブリをベースプレートに接続することができる。特定の実施形態では、シリンジ遮蔽体は、Medrad Spectris Solaris EP注射器または同様の流体送達システムに永久または一時的に取り付けて、薬物を含むシリンジを遮蔽することができる。
【0056】
一部の実施形態では、
図6に示されているように、カラー/シリンジ遮蔽体アセンブリを分解したり、またはカラーを付属物もしくはフランジから取り外したりしなくても、カラーシリンジ遮蔽体アセンブリを、ベースプレートの付属物またはフランジに対して旋回させて、使用中にシリンジの位置を変更することができる。
図6は、
図4および
図5の要素を示し、
図1のシリンジ遮蔽体およびシリンジが装置に取り付けられている。特定の実施形態では、シリンジ遮蔽体を、このシリンジ遮蔽体がシリンジの周りにある位置601、またはシリンジ遮蔽体がシリンジを包囲または遮蔽していない、注入ヘッドに保存するための第2の位置602に操作者が選択的に移動させることができる。一部の実施形態では、カラーシリンジ遮蔽体支持構造の孔に適合するロックピン603を設けることができ、これにより、シリンジ遮蔽体を、シリンジの周りの位置、またはシリンジを包囲していない第2の保存位置にロックすることができる。他の実施形態では、ロックピンは、シリンジ遮蔽体の一部であって取り外しできないため、ロックピンをばね荷重して、シリンジ遮蔽体が正しい位置にきたときにロックピンが引き抜かれて孔の中に弾かれ得るようにする、またはロックピンを90度回転させて、準備位置と保存位置との間での容易な移動を促進する係合解除位置にロックピンを保持し、次いで、再び90度戻して孔に係合するようにする。
【0057】
さらなる実施形態は、放射性医薬品の運搬を容易にし、かつシリンジ遮蔽体を運搬する人の曝露を軽減するために、シリンジ遮蔽体に取り付けられるように設計されたキャリーハンドル730を備えている。例えば、
図7に例示されているように、一部の実施形態では、キャリーハンドル730は、管穴715および/または溝、フランジ、732、または管穴に関連した他の取り付け手段の中に適合するように構成および配置された管穴カバー731を備えることができる。キャリーハンドルは、例えば、シリンジハウジング711の拡大部の中でこのハウジングに接触することによってハウジング711の拡大部に結合するように構成および配置されたプランジャカバー734をさらに備えることができる。一部の実施形態では、管穴カバー731および/またはプランジャカバー734は、管穴715およびプランジャアクセス部716を介して、通常なら逃げ得る放射を遮断するように配置された、放射線放射を遮断することができる材料を含むことができる。特定の実施形態では、キャリーハンドル730は、グリップ部736およびプランジャカバー734を有するキャリー本体735を備えることができる。管穴カバー731は、キャリー本体にヒンジで取り付けることができ、かつレバーまたはボタン737を備えることができ、このレバーまたはボタン737は、押されると、管穴カバーを、管穴715またはハウジング711の対応するフランジおよび溝732から離すことができるように構成されている。
【0058】
使用する際は、使用者が、レバーまたはボタン737を押したまま、プランジャアクセス部716内またはシリンジ遮蔽体711の拡大部内にプランジャカバー734を配置することによってシリンジ遮蔽体711を把持することができる。管穴カバー731が管穴715および対応する溝732内に適切に配置されるように、管穴カバー731を、管穴715に対して位置合わせして、レバーまたはボタン737を解放することができる。従って、キャリーハンドル730がシリンジ遮蔽体に十分に接続され、使用者が、実際にハウジン自体に接触することなく、シリンジ遮蔽体711を容易に持ち上げて運搬することができる。キャリーハンドル730を取り外す際には、使用者が、シリンジ遮蔽体711を送達注入本体の中に配置して、シリンジ遮蔽体711をシリンジマウントに接続することができる。レバーまたはボタン737を押して、管アクセス穴カバー731を管アクセス穴715および対応する溝732から離し、使用者が、プランジャカバー734がプランジャアクセス部716およびシリンジ遮蔽体711の拡大部から外れるようにキャリーハンドル730を回転させることができる。最後に、キャリーハンドル730を、シリンジ遮蔽体711が送達注入本体に取り付けられたままの状態で、シリンジ遮蔽体711から引き抜くことができる。放射性医薬品からの放射線放射への曝露は、運搬中は最小限となり、キャリーハンドル730が取り外された後にシリンジをシリンジ遮蔽体711の中に装着する際、および管部を設置する際にのみ起こる。
【0059】
キャリーハンドル730およびシリンジ遮蔽体711は、任意の材料から形成することができる。例えば、キャリーハンドル730およびシリンジ遮蔽体711は、金属、ポリマー材料、またはこれらの組み合わせから形成することができる。特定の実施形態では、キャリーハンドル730は、シリンジ遮蔽体711とキャリーハンドル730とを組み合わせた重量を軽減できる硬質ポリマー材料、例えば、ポリカーボネートから形成することができ、一方、シリンジ遮蔽体711は、放射線放射を遮断することができる金属または他の材料、例えば、タングステンまたは鉛から形成することができる。なお他の実施形態では、シリンジ遮蔽体711は、ポリマー材料、例えば、ポリカーボネートまたは軽量金属、例えば、アルミニウムで覆われた金属、例えば、タングステンまたは鉛から形成することができる。なお他の実施形態では、シリンジ遮蔽体711は、光トレーサの光への曝露を排除するために色素または染料を含むことができる。例えば、光トレーサが送達装置用いて送達される実施形態では、シリンジ遮蔽体711は、特定の波長の光を吸収して光トレーサの劣化を軽減するために不透明材料または着色材料のみから形成することができる。このような実施形態では、シリンジ遮蔽体711は、放射線放射を遮断するための金属または他の材料を含まなくても良く、例示されている装置の放射線放射遮断材料712の部分をなくして、例えば、ポリマー材料に代えても良い。
【0060】
様々な実施形態のシリンジ遮蔽体を含むシステムは、当該技術分野で公知の任意の放射性医薬品を送達するように構成することができ、このような放射性医薬品は、単独で送達しても良いし、または別の医薬組成物と組み合わせて送達しても良い。例えば、一部の実施形態では、システムは、
47Ca−Ca
2、
11C−L−メチル−メチオニン、14C-グリコール酸
14C−パラ−アミノ安息香酸(PABA)、
14C−尿素、
14C−d−キシロース、
51Cr−赤血球、
51Cr−Cr
3+、
51Cr−エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
57Co−シアノコバラミン(ビタミンB12)、
58Co−シアノコバラミン(ビタミンB12)、
169Er−コロイド、
18F−フッ化デオキシグルコース(FDG)、
18F−フッ化物、
18F−フルオロコリン、
68Ga−dotatocまたはdotatate、
3H−水、
111In−ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、
111In−白血球、
111In−血小板、
111In−ペンテトレオチド、
111In−オクトレオチド、
123I−ヨウ化物、
123I−o−ヨード馬尿酸、
123I−m−ヨードベンジルグアニジン(MIBG)、
123I−FP−CIT、
125I−フィブリノゲン、
131I−ヨウ化物、
131I−ヨウ化物、
131I−m−ヨードベンジルグアニジン(MIBG)、
59Fe−Fe
2+またはFe
3+、
81mKr−水溶性(
81mKr−aqueous)、
13N−アンモニア、
150−水、
32P−リン酸、
82Rb−塩化物、
153Sm−エチレンジアミノテトラメチレンリン酸(EDTMP)、
75Se−エレノルコレステロール(
75Se−elenorcholesterol)、
75Se−23−Seleno−25−ホモ−タウリン−コール酸(SeHCAT)、
22Na−Na+、
24Na−Na+、
89Sr−塩化物、
99mTc−過テクネチウム酸、
99mTc−ヒトアルブミン、
99mTc−ヒト粗大凝集アルブミンまたはマイクロスフェア、
99mTc−ホスホン酸およびリン酸、
99mTc−ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、
99mTc−ジメルカプトコハク酸(V)(DMSA)、
99mTc−ジメルカプトコハク酸(III)(DMSA)、
99mTc−コロイド、
99mT
c−肝臓イミノ二酢酸(HIDA)、99mTc−変性赤血球、
99mTc−赤血球、
99mTc-メルカプトアセチルトリグリシン(MAG3)、
99mTc−エキサメタジム、
99mTc−セスタミビ(MIBI−メトキシイソブチルイソニトリル)、
99mTc−スレソマブ(IMMU−MN3マウスFab’−SH抗顆粒球モノクローナル抗体断片)、
99mTc−ヒト免疫グロブリン、
99mTc−テトロフォスミン、
99mTc−エチルシステイン酸ダイマー(ECD)、
201Tl−n+、生理食塩水中の
133Xe、および
90Y−ケイ酸など、およびこれらの組み合わせを送達するように設計および構成することができる。特定の実施形態では、システムは、心筋または他の心血管の状態を画像化するための放射性医薬品を送達するように構成することができる。このような実施形態では、システムは、
18F−フッ化デオキシグルコース(FDG)、
13N−アンモニア、
150−水、
82Rb−塩化物、
99mTc−過テクネチウム酸、
99mTc−ヒトアルブミン、
99mTc−ヒト粗大凝集アルブミンまたはマイクロスフェア、
99mTc−ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、
99mTc−変性赤血球、99mTc−赤血球、99mTc−エキサメタジム、
99mTc−セスタミビ(MIBI−メトキシイソブチルイソニトリル)、
99mTc−テトロフォスミン、および
201Tl−Tl
+など、およびこれらの組み合わせを送達するように構成することができる。
【0061】
様々な実施形態で使用される光トレーサは、任意の供給源から得ることができる。例えば、一部の実施形態では、光トレーサは、例えば、有櫛動物、腔腸動物(coelenterases)、軟体動物、魚、貝虫類、昆虫、細菌、甲殻類、環形動物、およびミミズから単離される蛍光色素、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、およびルシフェリン、または、任意の他の生物発光分子とすることができる。特定の実施形態では、光トレーサは、ホタル、ムネミオプシス(Mnemiopsis)、ウリクラゲ類(Beroe ovata)、オワンクラゲ属(Aequorea)、オベリアクラゲ(Obelia)、オキクラゲ属(Pelagia)、ウミシイタケ属(Renilla)、フォラス・アリストミアス(Pholas Aristostomias)、クレナイホシエソ属(Pachystomias)、アンコウ類(Poricthys)、ウミホタル(Cypridina)、アゴヌケホシエソ属(Aristostomias)、クレナイホシエソ属(Pachystomias)、オオクチホシエソ属(Malacosteus)、ゴナドストミアス(Gonadostomias)、ガウシア(Gaussia)、ワテンシア(Watensia)、ハリストゥリア(Halisturia)、コウモリダコ(Vampire squid)、ショウジョウエビ属(Glyphus)、ミコトフィズ(Mycotophids)、ウキエソ属(Vinciguerria)、クシスミクイウオ属(Howella)、フロレンキエルラ属(Florenciella)、ホウライエソ属(Chaudiodus)、メラノコスタス(Melanocostus)、ウミエラ(Sea Pens)、ユウレイイカ属(Chiroteuthis)、スジイカ属(Eucleoteuthis)、ツメイカ属(Onychoteuthis)、ホタルイカ属(Watasenia)、コウイカ、ギンビイカ属(Sepiolina)、オキヒオドシエビ属(Oplophorus)、ヒオドシエビ属(Acanthophyra)、サクラエビ属(Sergestes)、オオベニアミ属(Gnathophausia)、テンガンムネエソ属(Argyropelecus)、ヤレルラ(Yarella)、ハダカイワシ属(Diaphus)、ゴナドストミアス(Gonadostomias)、プチロサルカス(Ptilosarcus)、またはソトオリイワシ属(Neoscopelus)から単離することができ、特定の実施形態では、光トレーサは、ルシフェリンまたはセレンテラジンとすることができる。
【0062】
一部の実施形態では、システムは、1種類の放射性医薬組成物を投与するように構成することができ、他の実施形態では、システムは、2種類以上の異なる放射性医薬品を投与するように構成することができる。システムが複数種の放射性医薬品を投与するように構成されている実施形態では、システムは、操作者が、意図する処置によって構成を取り替えることを可能にする。システムによって送達される放射性医薬品の量は、実施形態によって異なり、使用されるプロトコルに基づいている。一般に、医師、技師、または他の有資格者は、当該技術分野で公知の特定の対象に関する指標を用いてその対象に送達される放射性医薬品の適切な量を決定することができる。システムの柔軟性により、任意の量の放射性医薬品を送達することができる。
【0063】
例示のために様々な実施形態を詳細に説明してきたが、このような詳細は、単に例示が目的であり、開示は、開示される実施形態に限定されるものではなく、むしろ、変更および同等の構成を含むことを意図することを理解されたい。例えば、この開示は、可能な範囲で、任意の実施形態の1つ以上の特徴を、その他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせることができると考えられることを理解されたい。また、添付の図面に例示され、以下の明細書に記載される特定の装置およびプロセスが、単に例示的な実施形態であることを理解されたい。