特許第6461036号(P6461036)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461036
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】弾性波デバイス
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/25 20060101AFI20190121BHJP
   H03H 9/64 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   H03H9/25 A
   H03H9/64 Z
   H03H9/25 Z
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-76882(P2016-76882)
(22)【出願日】2016年4月6日
(65)【公開番号】特開2017-188807(P2017-188807A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2018年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】柿田 直輝
(72)【発明者】
【氏名】黒▲柳▼ 琢真
【審査官】 石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−091065(JP,A)
【文献】 特開2007−067617(JP,A)
【文献】 特開2004−179979(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/140831(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/040921(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 3/007−9/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1圧電基板と、
複数の第1電極指を有し、前記第1圧電基板の第1面に設けられた第1IDTと、
前記第1面上に設けられた第2圧電基板と、
前記第1面と空隙を介し対向する前記第2圧電基板の面である第2面に設けられ、前記複数の第1電極指と非平行な複数の第2電極指を有する第2IDTと、
を具備する弾性波デバイス。
【請求項2】
前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指の平面視においてなす角度は30°以上かつ150°以下である請求項1記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指の平面視においてなす角度は略90°である請求項1記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記第1IDTと前記第2IDTとの距離は、前記第1圧電基板の厚さおよび前記第2圧電基板の厚さの少なくとも一方より小さい請求項1から3のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記第1IDTおよび前記第2IDTを囲むように設けられ、前記第1IDTおよび前記第2IDTを前記空隙に封止する環状封止部を具備する請求項1から4のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
前記第1電極指の延伸方向に配列した複数の前記第1IDTと、
前記第2電極指の延伸方向に配列した複数の前記第2IDTと、を具備する請求項1から5のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項7】
前記複数の第1IDTは直列に接続され、前記複数の第2IDTは直列に接続されている請求項6記載の弾性波デバイス。
【請求項8】
前記第1圧電基板上に設けられ、共通端子と送信端子との間に直列に接続された複数の第1直列共振器と、前記共通端子と前記送信端子との間に並列に接続された1または複数の第1並列共振器と、を有する送信フィルタと、
前記第2圧電基板上に設けられ、前記共通端子と受信端子との間に直列に接続された複数の第2直列共振器と、前記共通端子と前記受信端子との間に並列に接続された1または複数の第2並列共振器と、を有する受信フィルタと、
を具備し、
前記複数の第1直列共振器はそれぞれ前記複数の第1IDTを含み、
前記複数の第2直列共振器はそれぞれ前記複数の第2IDTを含む請求項6記載の弾性波デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波デバイスに関し、IDTが形成された圧電基板を有する弾性波デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
弾性波デバイスのパッケージング方法として、回路基板上にチップをフェースダウン実装し、チップの周りを封止部材で覆う方法が知られている。弾性波デバイスを集積化かつ小型化することが求められている。特許文献1には、表面にそれぞれIDT(Interdigital Transducer)が形成された2つの圧電基板を、IDTが空隙を介し対向するように接合することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−546207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、IDTが対向するように圧電基板を積層すると、IDTおよび/または配線間の寄生容量が大きくなる。これにより、IDTおよび/または配線間が干渉し、弾性波デバイスの特性が劣化する。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、IDTおよび/または配線間の寄生容量を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1圧電基板と、複数の第1電極指を有し、前記第1圧電基板の第1面に設けられた第1IDTと、前記第1面上に設けられた第2圧電基板と、前記第1面と空隙を介し対向する前記第2圧電基板の面である第2面に設けられ、前記複数の第1電極指と非平行な複数の第2電極指を有する第2IDTと、を具備する弾性波デバイスである。
【0007】
上記構成において、前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指の平面視においてなす角度は30°以上かつ150°以下である構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記複数の第1電極指と前記複数の第2電極指の平面視においてなす角度は略90°である構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、前記第1IDTと前記第2IDTとの距離は、前記第1圧電基板の厚さおよび前記第2圧電基板の厚さの少なくとも一方より小さい構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記第1IDTおよび前記第2IDTを囲むように設けられ、前記第1IDTおよび前記第2IDTを前記空隙に封止する環状封止部を具備する構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記第1電極指の延伸方向に配列した複数の前記第1IDTと、前記第2電極指の延伸方向に配列した複数の前記第2IDTと、を具備する構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記複数の第1IDTは直列に接続され、前記複数の第2IDTは直列に接続されている構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記第1圧電基板上に設けられ、共通端子と送信端子との間に直列に接続された複数の第1直列共振器と、前記共通端子と前記送信端子との間に並列に接続された1または複数の第1並列共振器と、を有する送信フィルタと、前記第2圧電基板上に設けられ、前記共通端子と受信端子との間に直列に接続された複数の第2直列共振器と、前記共通端子と前記受信端子との間に並列に接続された1または複数の第2並列共振器と、を有する受信フィルタと、を具備し、前記複数の第1直列共振器はそれぞれ前記複数の第1IDTを含み、前記前記複数の第2直列共振器はそれぞれ前記複数の第2IDTを含む構成とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、IDTおよび/または配線間の寄生容量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施例1に係る弾性波デバイスの断面図である。
図2図2(a)は、実施例1における弾性波共振器の平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。
図3図3は、実施例1における圧電基板10の上面の平面図である。
図4図4は、実施例1における圧電基板10の下面の平面図である。
図5図5は、実施例1における圧電基板40の下面の平面図である。
図6図6は、実施例1における弾性波共振器を重ねた平面図である。
図7図7は、比較例1における弾性波共振器を重ねた平面図である。
図8図8(a)は、弾性波共振器を示す図、図8(b)は、角度θに対する重なり面積を示す図である。
図9図9は、実施例1の変形例1に係る弾性波共振器を重ねた平面図である。
図10図10は、実施例2に係る弾性波デバイスの断面図である。
図11図11は、実施例2における圧電基板10の上面の平面図である。
図12図12は、実施例2における圧電基板40の下面の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、実施例1に係る弾性波デバイスの断面図である。図1に示すように、圧電基板10の上面に弾性波共振器20、配線34およびパッド35が設けられている圧電基板10の下面には端子30が設けられている。端子30は例えばフットパッドである。圧電基板10を貫通するビア配線32が設けられている。ビア配線32は、端子30とパッド35とを電気的に接続する。圧電基板40の下面には弾性波共振器42、配線44およびパッド45が設けられている。圧電基板10と40との間にはバンプ36および環状封止部38が設けられている。バンプ36はパッド35と45とを電気的に接続する。環状封止部38は弾性波共振器20および42を囲むように設けられ、弾性波共振器20および42を空隙25に封止する。弾性波共振器20と42とは空隙25を介し対向している。
【0018】
圧電基板10および40は、例えばタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板である。端子30、ビア配線32並びにパッド35および45は、例えば銅層、アルミニウム層または金層等の金属層である。バンプ36は、例えば金バンプ、銅バンプまたは半田バンプである。環状封止部38は、金層、銅層または半田層等の金属層、または樹脂層等の絶縁層である。
【0019】
図2(a)は、実施例1における弾性波共振器の平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。図2(a)および図2(b)に示すように、圧電基板10または40上にIDT21および反射器22形成されている。IDT21および反射器22は、圧電基板10または40上に形成された金属膜12により形成される。IDT21は、対向する一対の櫛型電極18を備える。櫛型電極18は、複数の電極指14と、複数の電極指14が接続されたバスバー16を備える。一対の櫛型電極18は、電極指14がほぼ互い違いとなるように、対向して設けられている。
【0020】
電極指14が励振する弾性波は、主に電極指14の配列方向に伝搬する。電極指14の周期がほぼ弾性波の波長λとなる。弾性波の伝搬方向をX方向、伝搬方向に直交する方向(すなわち電極指14の延伸方向)をY方向とする。X方向およびY方向は、圧電基板10の結晶方位のX軸方向およびY軸方向とは必ずしも対応しない。圧電基板10または40として回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板を用いる場合、X方向は結晶方位のX軸方向となる。金属膜12は、例えばアルミニウム膜または銅膜である。一対の櫛型電極18の電極指14が重なる開口長を長くすると、電極指14の抵抗が高くなる。このため、IDT21は、Y方向を短くし、X方向を長くする。また、反射器22はIDT21のX方向の両側に設けられている。これらにより、弾性波共振器20および42は、平面視においてX方向に延伸する辺が長辺およびY方向に延伸する辺が短辺となる長方形となる。
【0021】
図3は、実施例1における圧電基板10の上面の平面図である。図3に示すように、圧電基板10の外縁に環状封止部38が設けられている。圧電基板10の上面には複数の弾性波共振器20が設けられている。弾性波共振器20が励振する弾性波の伝搬方向(電極指の配列方向)がX1方向であり、弾性波共振器20の電極指の延伸方向がY1方向である。弾性波共振器20は、X1方向が長辺およびY1方向が短辺となる長方形状を有している。複数の弾性波共振器20同士は配線34により電気的に接続されている。弾性波共振器20とパッド35とは配線34により電気的に接続されている。パッド35上にはバンプ36が設けられ、パッド35下にはビア配線32が設けられている。
【0022】
パッド35として、共通パッドPa1、送信パッドPt1、受信パッドPr1およびグランドパッドPg1が設けられている。共通パッドPa1と送信パッドPt1との間に複数の直列共振器S11からS15が配線34を介し直列に接続されている、共通パッドPa1と送信パッドPt1との間に1または複数の並列共振器P11からP13が配線34を介し並列に接続されている。このように、圧電基板10の上面にラダー型フィルタである送信フィルタ50が設けられている。圧電基板10の上面において受信パッドPr1は弾性波共振器20には電気的に接続されていない。
【0023】
図4は、実施例1における圧電基板10の下面の平面図である。理解し易いように、図4は圧電基板10の上面から透視した平面図である。図4に示すよう、圧電基板10の下面に端子30が設けられている。端子30として共通端子Ant、送信端子Tx、受信端子Rxおよびグランド端子Gndが設けられている。共通端子Ant、送信端子Tx、受信端子Rxおよびグランド端子Gndはビア配線32を介し図3の共通パッドPa1、送信パッドPt1、受信パッドPr1およびグランドパッドPg1に電気的に接続されている。
【0024】
図5は、実施例1における圧電基板40の下面の平面図である。理解し易いように、図5は圧電基板40の上面から透視した平面図である。図5に示すように、圧電基板40の外縁に環状封止部38が設けられている。圧電基板40の下面には複数の弾性波共振器42が設けられている。弾性波共振器42が励振する弾性波の伝搬方向がX2方向であり、弾性波共振器42の電極指の延伸方向がY2方向である。弾性波共振器42は、X2方向が長辺およびY2方向が短辺となる長方形状を有している。複数の弾性波共振器42同士は配線44により電気的に接続されている。弾性波共振器42とパッド45とは配線44より電気的に接続されている。
【0025】
パッド45下にはバンプ36が設けられている。パッド45として、共通パッドPa2、受信パッドPr2およびグランドパッドPg2が設けられている。共通パッドPa2と受信パッドPr2との間に複数の直列共振器S21からS25が配線44を介し直列に接続されている、共通パッドPa2と受信パッドPr2との間に1または複数の並列共振器P21からP23が配線44を介し並列に接続されている。このように、圧電基板40の下面にラダー型フィルタである受信フィルタ52が設けられている。共通パッドPa2、受信パッドPr2およびグランドパッドPg2は、それぞれ圧電基板10の上面に設けられた共通パッドPa1、受信パッドPr1およびグランドパッドPg1を介し共通端子Ant、受信端子Rxおよびグランド端子Gndに電気的に接続されている。
【0026】
図6は、実施例1における弾性波共振器を重ねた平面図である。図6において、弾性波共振器20を実線、弾性波共振器42を破線で示す。弾性波共振器20と42の重なる領域54をクロスハッチで示す。図6に示すように、弾性波共振器20の弾性波の伝搬方向X1と弾性波共振器42の弾性波の伝搬方向X2とは平面視においてほぼ直交している。弾性波共振器20の電極指の延伸方向Y1と弾性波共振器42の電極指の延伸方向Y2とはほぼ直交している。
【0027】
図7は、比較例1における弾性波共振器を重ねた平面図である。図7に示すように、比較例1では、弾性波共振器20の弾性波の伝搬方向X1と弾性波共振器42の弾性波の伝搬方向X2とはほぼ平行である。弾性波共振器20の電極指の延伸方向Y1と弾性波共振器42の電極指の延伸方向Y2とはほぼ平行である。弾性波共振器20の配置は、実施例1と同じである。実施例1とほぼ同程度の面積の弾性波共振器42を、実施例1とほぼ同様の配置になるようにレイアウトしている。
【0028】
図6図7とを比較すると、平面視における弾性波共振器20と42との重なる領域54の面積は、実施例1は比較例1に比べ数10%減少している。弾性波共振器20と42とを空隙25を介し対向させた場合、弾性波共振器20と42との距離はほぼバンプ36の高さであり、10μm程度である。領域54の面積が大きいと、空隙25を介した弾性波共振器20と42との間の寄生容量が増加する。このため、弾性波共振器20を伝搬する高周波信号と弾性波共振器42を伝搬する高周波信号とが干渉し、アイソレーション特性が劣化する。実施例1では、比較例1に比べ領域54の面積が小さく、アイソレーション特性が向上する。なお、弾性波共振器20と42の重なる領域54について説明したが、配線34と44との重なる面積についても同様である。
【0029】
弾性波共振器20と42とのなす角度が任意の場合について説明する。図8(a)は、弾性波共振器を示す図、図8(b)は、角度θに対する重なり面積を示す図である。図8(a)に示すように、弾性波共振器20および42の面積を10μm×100μmとし、平面視における弾性波共振器20と42のなす角度θを変え重なる領域54の面積を算出した。領域54の面積は、1/cos(90°−θ)で近似できる。
【0030】
図8(b)に示すように、領域54の面積は角度θが0から大きくなると急激に小さくなり、角度θが30°以上でほぼ一定となる。弾性波共振器20および42が各々複数設けられている場合、図8(a)のように単純ではないが、角度θに対する領域54の面積の関係の傾向は図8(b)と同様と考えられる。
【0031】
電極指14のピッチに比べ弾性波共振器20と42との距離が大きい場合、電極指14の1本ごとの重なりより、弾性波共振器20と42との全体としての重なりが主に寄生容量に影響する。よって、弾性波共振器20と42との重なる領域54の面積が弾性波共振器20と42との間の寄生容量に比例する。電極指14のピッチに比べ弾性波共振器20と42との距離が小さい場合、電極指14の1本ごとの重なりも寄生容量に影響する。この場合の寄生容量の算出はより複雑になるが、弾性波共振器20と42の電極指14同士の重なる面積を小さくするため、弾性波共振器20と42の電極指14は非平行であることが好ましい。
【0032】
図9は、実施例1の変形例1に係る弾性波共振器を重ねた平面図である。図9に示すように、弾性波共振器20の弾性波の伝搬方向X1と弾性波共振器42の弾性波の伝搬方向X2とのなす角度はほぼ30°である。弾性波共振器20の電極指の延伸方向Y1と弾性波共振器42の電極指の延伸方向Y2とのなす角度はほぼ30°である。実施例1の変形例1のように、方向X1とX2(すなわち方向Y1とY2)は傾斜していてもよい。
【0033】
実施例1およびその変形例によれば、図1のように、弾性波共振器20(第1IDT)が圧電基板10(第1圧電基板)の上面(第1面)に設けられている。弾性波共振器42(第2IDT)は圧電基板40(第2圧電基板)の下面(第2面)に設けられている。圧電基板10の上面と圧電基板40の下面は空隙25を介し対向している。図7および図9のように、弾性波共振器20の電極指の延伸方向Y1と弾性波共振器42の電極指の延伸方向Y2とは非平行である。これにより、弾性波共振器20と42とが重なる面積、および/または配線34と44とが重なる面積を小さくできる。よって、弾性波共振器20と42との間の寄生容量が抑制され、アイソレーション特性が向上する。
【0034】
また、図8(b)のように、領域54の面積を抑制するため、弾性波共振器20と42との電極指のなす角度θは30°以上かつ150°以下であることが好ましく、60°以上かつ120°以下がより好ましい。さらに、弾性波共振器20と42との電極指のなす角度θは略90°であることが好ましい。略90°は、製造工程におけるばらつきを許容する範囲であり、例えば80°以上かつ100°以下であり、89°以上かつ91°以下である。
【0035】
さらに、弾性波共振器20と42との距離が短いと、弾性波共振器20と42との間の寄生容量が大きくなる。よって、弾性波共振器20と42との距離が圧電基板10の厚さおよび圧電基板40の厚さの少なくとも一方より小さいとき、弾性波共振器20と42との電極指を非平行とすることが好ましい。弾性波共振器20と42との距離は、例えば30μm以下が好ましい。
【0036】
さらに、環状封止部38は弾性波共振器20および42を囲むように設けられ、弾性波共振器20および42を空隙25に封止する。このような構造では、空隙25を介した弾性波共振器20と42との距離が短くなる。よって、弾性波共振器20と42との電極指を非平行とすることが好ましい。
【0037】
さらに、図3のように、圧電基板10において直列共振器S11からS15(複数の第1IDT)はY1方向に配列している。図5のように、圧電基板40において直列共振器S21からS25(複数の第2IDT)はY2方向に配列している。このように、複数の共振器が配列していると、複数の共振器S11からS15(およびS21からS25)は一塊として長方形状となる。よって、図8(a)および図8(b)において説明した長方形を複数の共振器の一塊として扱うことができる。これにより、弾性波共振器20と42との電極指を非平行とすることにより、圧電基板10の上面に設けられた一塊の複数の共振器S11からS15と圧電基板40の下面に設けられた一塊の共振器S21からS25とが重なる面積を小さくできる。よって、共振器S11からS15とS21からS25との間の寄生容量を削減し、これらの間のアイソレーションを改善できる。
【0038】
さらに、図3のように、直列共振器S11からS15は直列に接続され、図5のように、直列共振器S21からS25は直列に接続されている。このような構成では、複数の共振器と、これらを接続する配線と、が一塊として長方形状となる。そこで、弾性波共振器20と42との電極指を非平行とすることにより、圧電基板10の上面に設けられた一塊の複数の共振器S11からS15およびこれらを接続する配線34と圧電基板40の下面に設けられた一塊の複数の共振器S21からS25およびこれらを接続する配線44とが重なる面積を小さくできる。
【0039】
さらに、送信フィルタ50および受信フィルタ52がそれぞれ圧電基板10および40上に設けられている。送信フィルタ50は、ラダー型フィルタであり、複数の直列共振器S11からS15(第1直列共振器)および並列共振器P11からP13(第1並列共振器)を有している。受信フィルタ52は、ラダー型フィルタ(であり、複数の直列共振器S21からS25(第2直列共振器)および並列共振器P21からP23(第2並列共振器)を有している。ラダー型フィルタの直列共振器を効率よくレイアウトしようとすると、直列共振器は電極指の延伸方向に配列することになる。このとき、複数の直列共振器とこれらを接続する配線が一塊として長方形状となる。よって、図3のように、弾性波共振器20と42との電極指を非平行とする。これにより、圧電基板10の上面に設けられた直列共振器S11からS15およびこれらを接続する配線34と圧電基板40の下面に設けられた直列共振器S21からS25およびこれらを接続する配線44とが重なる面積を小さくできる。よって、送信フィルタ50と受信フィルタ52との間の寄生容量を削減し、これらの間のアイソレーションを改善できる。
【0040】
共振端子Antと送信端子Txとの間に接続された送信フィルタ50と共通端子Antと受信端子Rxとの間に接続された受信フィルタ52とを有するデュプレクサを例に説明した。デュプレクサでは、送信端子Txから受信端子Rxへの送信信号の漏洩が問題となる。実施例1では、送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーション特性を改善できる。
【0041】
送信フィルタ50および受信フィルタ52を例に説明したが、基板10および基板40に設けられたフィルタは送信フィルタおよび受信フィルタでなく、それぞれ入力端子と出力端子との間に接続されたラダー型フィルタでもよい。例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)方式の送信帯域と受信帯域とは重ならない。このように、フィルタの通過帯域が異なる場合(例えば通過帯域の中心周波数が異なる場合、または通過帯域が重ならない場合)、フィルタ間のアイソレーション特性が問題となる。よって、弾性波共振器20と42との電極指を非平行とすることが好ましい。また、フィルタは多重モードフィルタでもよい。
【実施例2】
【0042】
図10は、実施例2に係る弾性波デバイスの断面図である。図10に示すように、支持基板11上に圧電基板10が接合されている。ビア配線32は圧電基板10および支持基板11を貫通する。圧電基板10の上面に環状金属層66が設けられている。環状金属層66上に環状封止部60が設けられている。環状封止部60は、圧電基板40の周りを囲っている。圧電基板40の上面および環状封止部60の上面に平板状のリッド62が設けられている。リッド62および環状封止部60を覆うように保護膜64が設けられている。支持基板11は、例えばサファイア基板、スピネル基板、アルミナ基板またはシリコン基板である。圧電基板10は、例えばニオブ酸リチウム基板またはタンタル酸リチウム基板である。環状封止部60は、例えば半田層等の金属層または樹脂層等の絶縁層である。環状金属層66は、ニッケル層、銅層、アルミニウム層または金層等の金属層である。リッド62は例えば金属板または絶縁板である。保護膜64は金属膜または絶縁膜である。
【0043】
図11は、実施例2における圧電基板10の上面の平面図である。図12は、実施例2における圧電基板40の下面の平面図である。平面視において圧電基板40は圧電基板10より小さい。圧電基板40を囲むように環状封止部60が設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0044】
図10から図12に示すように、環状封止部60は圧電基板40を囲むように設けられていてもよい。圧電基板10は支持基板11に接合されていてもよい。圧電基板40の上に支持基板が接合されていてもよい。実施例1およびその変形例においても圧電基板10および/または40は支持基板に接合されていてもよい。
【0045】
また、実施例1および2並びにその変形例において、圧電基板10の上面および圧電基板40の下面の少なくとも一方にIDT21および反射器22を覆うように誘電体膜が設けられていてもよい。
【0046】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
10、40 圧電基板
11 支持基板
12 金属膜
14 電極指
18 櫛型電極
20、42 弾性波共振器
21 IDT
22 反射器
30 端子
32 ビア配線
34、44 配線
35、45 パッド
36 バンプ
38、60 環状封止部
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