(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461057
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】ワーク検出装置
(51)【国際特許分類】
G01V 8/12 20060101AFI20190121BHJP
C21D 1/00 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
G01V8/12 Z
C21D1/00 C
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-167723(P2016-167723)
(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公開番号】特開2018-36086(P2018-36086A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2018年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】畠山 照史
(72)【発明者】
【氏名】前田 祥太
【審査官】
福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/087799(WO,A1)
【文献】
実開昭60−017000(JP,U)
【文献】
特開2001−181732(JP,A)
【文献】
特開昭53−039204(JP,A)
【文献】
特開平09−310986(JP,A)
【文献】
特開2003−315268(JP,A)
【文献】
特開2003−074836(JP,A)
【文献】
米国特許第4443072(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 8/12
C21D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室の対向する壁面から外部に突出方向に設けられた一対の覗き窓と、一方の覗き窓に近接して配置される投光器と、他方の覗き窓に近接して配置される受光器とを備え、前記の投光器と受光器との間におけるワークの有無を検出するワーク検出装置において、
前記の覗き窓は、前記の壁面に形成された開口部と、この開口部に外部に突出するように設けられた筒部と、前記の開口部と対向する筒部端部を閉塞する透明部材とを有し、前記の筒部の下方部に前記の透明部材から開口部に向かって傾斜する溝部が設けられると共に、前記の透明部材の筒部側内部にガスを吹き付けるガス噴射部を前記の筒部の上方部に設け、前記の透明部材面の液状の付着物をガスで吹き飛ばし、前記の溝部から処理室内に戻すことを特徴とするワーク検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワーク検出装置において、前記の溝部は筒部の上方から見て矩形状の溝が形成されていることを特徴とするワーク検出装置。
【請求項3】
請求項1に記載のワーク検出装置において、前記の溝部は筒部の上方から見て透明部材側が狭く開口部側が広いテーパー形状の溝が形成されていることを特徴とするワーク検出装置。
【請求項4】
請求項1に記載のワーク検出装置において、前記の溝部は筒部の上方から見て複数のスジで形成されていることを特徴とするワーク検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを焼き入れ処理する熱処理炉において、処理室におけるワークの有無を検出するワーク検出装置に関するものである。特に、処理室の対向する壁面から外部に突出方向に設けられた一対の覗き窓と、一方の覗き窓に近接して配置される投光器と、他方の覗き窓に近接して配置される受光器とを備え、前記投光器と受光器との間におけるワークの有無を検出するワーク検出装置において、ワークの有無を正確に検知できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
ワークを焼き入れする装置として、従来から特許文献1に示すような熱処理装置が知られている。そして、この熱処理装置においては、ワークを加熱炉内で所定時間加熱させた後、この加熱炉と連続するようにして設けられた油槽を備えた焼き入れ用の熱処理炉内に、前記のように加熱させたワークを移送し、油槽にワークを浸漬して浴冷却させるようにしている。
【0003】
ここで、このような熱処理装置においては、焼き入れ用の熱処理炉に設けられた昇降用エレベーターにワークが移送されたこと、昇降用エレベーターにより油槽に浸漬させた後、このワークが引き上げられたことを検知することが必要になる。
【0004】
そして、このようなワークを検知する装置として、リミットスイッチと、それを押すアームを用いたリミットスイッチ式の検知装置が知られている。しかし、リミットスイッチ式の検知装置の場合には、構造が複雑になると共に、高温の加熱炉の内部では熱変形して誤動作や破損をするという問題があった。
【0005】
ところで、ワークの搬入、搬出時に開閉する仕切扉の開閉状態を検知する開閉検知手段として、例えば、特許文献2の
図1においては、光電センサーを用いたものが示されている。ここで、光電センサーを用いた検知手段の場合、リミットスイッチ式の検知手段よりも装置構造が簡易になり、高温の加熱炉内に入れずに済むという利点がある。
【0006】
そこで、前記のような焼き入れ用の熱処理炉におけるワークの位置を検出するために光電センサー式の検知装置を使用することが考えられる。
【0007】
ここで、
図11に光電センサー式の検知装置を使用した熱処理炉の構成を示す。
図11に示すように、熱処理炉100のハウジング120の対向する壁面120a、120bに、それぞれ筒部112を透明部材のガラス113で閉塞した覗き窓111を設け、それぞれ覗き窓111の外側に光電センサーを配置させるようにし、一方の覗き窓111に近接して光電センサーの投光器117aを配置し、他方の覗き窓111に近接して光電センサーの受光器117bを配置し、覗き窓111を介してワークwを検出するようにしている。すなわち、ワークwが昇降エレベーター122に移送されたこと、油槽124からワークwが引き上げられたことを投光器117aから出射された投射光をワークwが遮ることにより、受光器117bからの出力で検出することができる。
【0008】
しかしながら、前記のような焼き入れ用の熱処理炉の場合、加熱したワークwを油槽124内の焼き入れ油124aに浸漬するため、大量の油煙や蒸気が発生し、
図12に示すように、この発生した油煙や蒸気は覗き窓111を形成する筒部112内に入り込み、油煙や蒸気の発生が治まっても、ガラス113の角部に表面張力により油や水等が付着して溜まり、このように覗き窓111のガラス113に付着して溜まった油や水等の液状の付着物200によってガラス113が曇ることになる。
【0009】
そして、従来においては、このように覗き窓111のガラス113に付着して溜まった油や水等の液状の付着物200を除去するために、
図13に示すように、ガラス113に向けてガス201を吹き付ける方法が考えられる。
【0010】
しかし、覗き窓111の筒部112の内径は5mmから10mm程度の小径のため、ガス201を吹き付けたとしても油や水等の液状の付着物200はその場で飛び散るだけであり、表面張力も解消されず、ガラス113の面を十分に清掃することができず、一方の覗き窓111に近接して設けられた投光器117aと、他方の覗き窓111に近接して設けられた受光器117bとの間でワークwの有無を適切に検知することができなくなるという問題が生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−84863公報
【特許文献2】特開2016−33240公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、処理室の対向する壁面から外部に突出方向に設けられた一対の覗き窓と、一方の覗き窓に近接して配置される投光器と、他方の覗き窓に近接して配置される受光器とを備え、前記投光器と受光器との間におけるワークの有無を検出するようにしたワーク検出装置における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0013】
本発明は、前記のようなワーク検出装置おいて、油や水等の液状の付着物が覗き窓に付着した場合においても、このような液状の付着物を適切に除去させて、ワークの有無を正確に検知できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るワーク検出装置においては、前記のような課題を解決するため、処理室の対向する壁面から外部に突出方向に設けられた一対の覗き窓と、一方の覗き窓に近接して配置される投光器と、他方の覗き窓に近接して配置される受光器とを備え、前記の投光器と受光器との間におけるワークの有無を検出するワーク検出装置において、前記の覗き窓は、前記の壁面に形成された開口部と、この開口部に外部に突出するように設けられた筒部と、前記の開口部と対向する筒部端部を閉塞する透明部材とを有し、前記の筒部の下方部に前記の透明部材から開口部に向かって傾斜する溝部が設けられると共に、前記の透明部材の筒部側内部にガスを吹き付けるガス噴射部を前記の筒部の上方部に設け、前記の透明部材面の液状の付着物をガスで吹き飛ばし、前記の溝部から処理室内に戻すようにした。
【0015】
このような構成によれば、筒部の下方部に前記透明部材から開口部に向かって傾斜する溝部が設けられているので、ガス噴射部からのガスで吹き飛ばされた液状の付着物は、溝部に沿って流れて処理室内に戻り、透明部材の面が清掃され、受光器へ入射される投射光が液状の付着物で減少することを防止できる。
【0016】
ここで、筒部の下方部に前記透明部材から開口部に向かって傾斜するように形成する前記の溝部の形状は特に限定されないが、例えば、筒部の上方から見て矩形状の溝を形成するようにしたり、筒部の上方から見て透明部材側が狭く開口部側が広いテーパー形状になった溝を形成するようにしたり、また筒部の上方から見て複数のスジからなる溝を形成するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明におけるワーク検出装置においては、前記のように筒部の下方部に前記の透明部材から開口部に向かって傾斜する溝部が設けられているので、ガス噴射部からのガスで吹き飛ばされた液状の付着物は溝部に沿って流れて処理室内に戻り、透明部材面が清掃され、受光器へ入射される投射光が液状の付着物で減少することを防止でき、ワークの誤検出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係るワーク検出装置が用いられる熱処理装置を示す概略模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るワーク検出装置を示す概略断面図である。
【
図6】前記の実施形態に係るワーク検出装置において、覗き窓の筒部に設ける溝部の第1の変更例を示す模式図である。
【
図7】前記の実施形態に係るワーク検出装置において、覗き窓の筒部に設ける溝部の第2の変更例を示す模式図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るワーク検出装置が用いられる熱処理装置において、ワークを焼き入れ油に浸漬した状態を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るワーク検出装置の要部を示し、ガラス面にガスを吹き付けている状態を示す模式図である。
【
図10】本発明の実施形態に係るワーク検出装置が用いられる洗浄装置を示す概略模式図である。
【
図11】従来例において、ワーク検出装置を用いた熱処理炉を示す模式図である。
【
図12】従来例において、光電センサーが設けられる覗き窓のガラス面に油が付着する状態を示す模式図である。
【
図13】従来例において、光電センサーが設けられる覗き窓のガラス面に付着した油や水等の液状の付着物にガスを吹き付ける状態を示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係るワーク検出装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係るワーク検出装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0020】
本発明の実施形態に係るワーク検出装置においては、
図1及び
図2に示すように、処理室2として、焼き入れ用の熱処理炉2が用いられ、熱処理炉2内のワークwを検出するものである。
【0021】
ここで、前記の焼き入れ用の熱処理炉2は、加熱炉3からのワークwを受け入れるための開閉扉21がハウジング20に設けられている。そして、加熱炉3で加熱されたワークwを移送するために開閉扉21が開けられて、ワークwが熱処理炉2のハウジング20内に移送される。
【0022】
ここで、ワークwが導入されるハウジング20内には複数のローラ22aを有する昇降エレベーター22が設けられ、この昇降エレベーター22にワークwが移送される。そして、昇降エレベーター22にワークwが載置されると、開閉扉21は閉じられ、ハウジング20は密閉される。
【0023】
また、ワークwが導入されたハウジング20の下方部には、焼き入れ油24aが蓄えられた油槽24が設けられている。そして、ワークwが載置された前記の昇降エレベーター22を下降させることにより、ワークwを焼き入れ油24a内に浸漬させ、ワークwを冷却して焼き入れを行う。
【0024】
また、
図2及び
図3に示すように、ワークwが導入されるハウジング20の上部側の対向する壁面20a、20bには、覗き窓11を構成するための円形の開口部11aが設けられ、この開口部11aに筒部12が嵌め込まれて、ハウジング20の外部に突出するように筒部12が設けられている。一般に、この筒部12の内径は5mmから10mm程度であり、筒部12は小径の円筒で構成されている。
【0025】
また、筒部12の開口部11aと反対側における外側端部は、段付き形状に形成され、この段部に透明部材であるガラス13が嵌め込まれている。また、外側端部の外周には雄ねじが設けられており、この雄ねじに噛み合う雌ねじが設けられた蓋部16を筒部12に取り付けるようにしている。そして、前記の蓋部16とガラス13との間にはパッキン15を嵌め込むと共に筒部12に蓋部16をねじ込み、覗き窓11の内部を外部と遮蔽させるようにして、ハウジング20の各壁面20a、20bにそれぞれ外側に突出した覗き窓11を設けるようにしている。なお、透明部材はガラス13に限定されず、透明な材料で構成された部材であればよく、アクリルなどの透明な合成樹脂などであってもよい。
【0026】
また、一方の覗き窓11に近接して、光電センサーの投光器17aが保持金具18により取り付けられ、他方の覗き窓11に近接して、光電センサーの受光器17bが保持金具18により取り付けられている。
【0027】
そして、投光器17aから出射された投射光Lが、一方の覗き窓11からハウジング20の内部を通り、他方の覗き窓11を通過して受光器17bに入射されるようにし、受光器17bからの出力により、ワークwが所定の位置にあるか否を検出するようにしている。
【0028】
ここで、本実施形態に係るワーク検出装置においては、前記の筒部12の上方部のガラス13よりハウジング20の内部側の位置に、ガラス13にガスを吹き付けるための噴射部19が設けられ、噴射部19のバルブ19aの開閉を制御することにより、ガラス13の表面に吹き付けるガスを制御するようにしている。ここで、前記のガスとしては、焼き入れ用の熱処理炉2が真空炉の場合には、窒素などの不活性ガスが用いられ、大気炉の場合には、空気が用いられる。
【0029】
また、本実施形態に係るワーク検出装置においては、
図3〜
図5に示すように、筒部12の下部に、ガラス13からハウジング20の内部方向に向かって下方に傾斜する溝部14が設けられている。この溝部14により、
図9に示すように、ガラス13に向けて吹き付けたガスによってガラス13の表面からを吹き飛ばされた油や水等の液状の付着物30が流れ、ハウジング20内に戻るように構成されている。また、ガラス13の角部に表面張力により油や水等の液状の付着物30が溜まるのも減少する。
【0030】
ここで、この溝部14は、
図4及び
図5に示すように、ハウジング20側から覗き窓11の筒部12の下方部に複数個設けられている。この溝部14の形状は、吹き飛ばされた油や水等の液状の付着物30が流れやすい形状であれば、1本の溝でもよく、溝の本数などは問わない。
【0031】
また、溝部14の形状としては、
図5に示すように、上方から見て矩形のスリットのものや、
図6に示すように、上方から見てガラス13側が狭くハウジング20側に向かって広がるテーパー形状のものや、
図7に示すように、スジを入れただけのものでもよい。スジを入れるだけでも表面張力が減少し、ガラス13から吹き飛ばされた油や水等の液状の付着物30が、スジに沿って流れてハウジング20内に戻り、ガラス13の表面を清掃することができる。
【0032】
そして、このワーク検出装置において、ワークwが昇降エレベーター22上に載置されると、光電センサーの投光器17aからの投射光Lがワークwで遮られて受光器17bには到達しなくなり。受光器17bによって投射光Lが検知されなくなって、投光器17aからの投射光Lが遮断されたことを検知すると、ワークwが昇降エレベーター22上に載置されたことを検出する。
【0033】
次いで、焼き入れを行う場合には、
図8に示すように、昇降エレベーター22を下降させて、ワークwを油槽24内の焼き入れ油24aの中に浸漬させる。この時、ワークwを焼き入れ油24aに浸漬させた際に、油が蒸発して油煙が発生し、この油煙が覗き窓11の筒部12内に浸入して、ガラス13に油等の液状の付着物30が付着し、ガラス13が液状の付着物30によって曇ることがある。
【0034】
そして、このようにガラス13が液状の付着物30により曇った状態でワークwを引き上げ、光電センサーの投光器17aと受光器17bとによりワークwを検出して昇降エレベーター22の上昇を停止させる場合、ガラス13の曇りにより、光電センサーの投光器17aからハウジング20内に入射される投射光Lが減り、また、ハウジング20を通過した投射光Lが受光器17bに入射される光が減少する。この結果、ワークwで投射光Lを遮光していないにも関わらず、受光器17bの出力によりワークwを検出したと誤検出が発生するおそれがある。
【0035】
そこで、この実施形態においては、前記のバルブ19aを制御し、
図9に示すように、ガスを噴射部19からガラス13面に向けて噴射し、ガラス13に付着した油等の液状の付着物30を吹き飛ばす。そして、吹き飛ばされた油等の液状の付着物30を、前記の筒部12の下方部に設けた溝部14を通してハウジング20内に戻し、これにより油等の液状の付着物30を除去させて、前記のガラス13を清掃させる。
【0036】
このようにすると、清掃されたガラス13を介して光電センサーの投光器17aから出射された投射光Lが受光器17bに与えられ、光電センサーによる正確な検知が行える。この状態で、前記の昇降エレベーター22が上昇されて、ワークwによって投光器17aからの投射光が遮られると、受光器17bによって投射光Lが検知されなくなって、ワークwが昇降エレベーター22によって所定位置まで上昇されたことを検出でき、昇降エレベーター22の上昇を停止させ、ワークwを所定の位置に停止させることができる。
【0037】
なお、噴射部19からのガスの噴射は、ワークwを焼き入れ油24aに浸漬している間、連続的又は間欠的に行い、ガラス13に油等の液状の付着物30が付着するのを抑制するように制御することができる。
【0038】
また、油槽24内の焼き入れ油24aを加熱させるホットクエンチを行う際には、この加熱により、油煙が発生してガラス13に油等の液状の付着物30が付着するため、焼き入れ油24aを加熱している間、噴射部19からのガスの噴射を連続的又は間欠的に行い、ガラス13に油等の液状の付着物30が付着するのを抑制するように制御することができる。
【0039】
なお、前記の実施形態に係るワーク検出装置においては、処理室2として、焼き入れ用の熱処理炉2を用いた場合について説明したが。熱処理炉2以外にもこの発明のワーク検出装置を適用することができる。
【0040】
例えば、
図10に示すように、処理室2として、ワークwを洗浄させる洗浄室2に用いるようにすることもできる。
【0041】
そして、
図10に示す洗浄室2においては、ハウジング20内に搬送されたワークwをハウジング20の天井20cに設けられたシャワーノズル25から洗浄液25aを噴出してワークwを洗浄する。
【0042】
ここで、ワークwはキャリア26に載置された状態で洗浄液25aが噴射される。ワーク検出装置は、キャリア26にワークwが処置の位置にあるか否かを検出する。この洗浄液25aによる水煙等が覗き窓11に内に浸入するが、覗き窓11内には、
図3に示すように、ガスを吹き付けるための噴射部19が設けられ、噴射部19のバルブ19aの開閉を制御することにより、ガスがガラス13の表面に吹き付けられる。
【0043】
また、筒部12の下方部には、ガラス13からハウジング20方向に向かって傾斜する溝部14が設けられている。そして、この溝部14により、ガラス13にガスを吹き付けて飛ばされた洗浄液25aが流れ、ハウジング20内に戻るように構成されている。そして、その噴射部19からのガス噴射と筒部12に設けた溝部14により、ガラス13面に付着した洗浄液25aや水などの液状の付着物30は吹き飛ばされ、前記の洗浄液25aと一緒にハウジング20内に戻り、ガラス13の清浄が行われ、ワークwの誤検出を防止する。
【符号の説明】
【0044】
2 :処理室(熱処理炉、洗浄室)
3 :加熱炉
11 :覗き窓
11a :開口部
12 :筒部
13 :ガラス(透明部材)
14 :溝部
15 :パッキン
16 :蓋部
17a :投光器
17b :受光器
18 :保持金具
19 :噴射部
19a :バルブ
20 :ハウジング
20a :壁面
20b :壁面
20c :天井
21 :開閉扉
22 :昇降エレベーター
22a :ローラ
24 :油槽
24a :焼き入れ油
25 :シャワーノズル
25a :洗浄液
26 :キャリア
30 :液状の付着物
L :投射光
w :ワーク