(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
飲料調製システム(1)であって、該飲料調製システム(1)は、飲料を調製するための調製ユニット(6)を有し、スクリーン空間を画定する表示パネル(3)であってそれと一体化された接触感知パネル(4)を有する表示パネル(3)を有し、および該接触感知パネル(4)から得られたユーザー案内で該調製ユニットを制御するための、及び該表示パネル(3)へ視覚的フィードバックを与えるための制御ユニット(5)を有し、該接触感知パネル(4)は、指された位置を示す位置信号(xp、yp)を生成するように配設され、該制御ユニット(5)は、調節モード(M2)を備えている、可能な動作モードの組の1つにおいて動作可能である、ここで、該ユーザーは、飲料レシピを調節することを可能にされ、その調節モード(M2)において、該制御ユニットは、該表示パネルが、飲料レシピに対応する充填度(3220)を有し且つ1以上のソフトボタンをその内部に有しているホールダ(322)を表示するようにさせ、該1以上のソフトボタンは、第1制御方向(y)に動きうるところの該少なくとも1つのソフトボタンを含み、
‐ 該制御ユニットは、前記第1制御方向における該少なくとも1つのソフトボタンの位置に従って、調製されるべき飲料の成分の相対的な貢献度を制御するように、および前記第1制御方向における該少なくとも1つのソフトボタンの位置に従って制御されたような前記相対的な貢献度のための設定を示す前記ホールダの充填度の外観の形式における該ユーザーへの追加情報を提供するように、第1の構成または第2の構成に従って構成されており、該第1の構成において、該ホールダの充填度は、複数の成分を表す複数の部分で表示され、かつ第1外観を有する第1部分(3221)と第2外観を有する第2部分(3222)とを少なくとも備え、各部分は調製されるべき飲料の前記複数の成分の第1成分と第2成分との夫々の量を表示する前記充填度の夫々の割合を占める、そしてここで、該充填度の外観は、該第1制御方向における該第1部分と第2部分の間の境界の位置を調節することにより適合され、そして該第2の構成において、前記ホールダ(322)の該充填度(3220)は、第1成分を示す第1色と第2成分を示す第2色を少なくとも包含する複数の色の重み付け平均である色を有している、ここで、施与された重み付けにおいて、複数の色における各色の貢献度は、前記各色により指示された該成分の該割合に対応している、ここで、該第1色は該第1成分の割合に対応し且つ該第2色の貢献度は該第2成分の割合に対応している、
上記飲料調製システム(1)。
該可能な動作モードの組は、該第1動作モード(M1)に先行する一時的動作モード(M01)を包含し、飲料レシピの副列が、該レシピ選択帯域(31)内へスライドする対応する画像データの列として示され、該飲料調製システム(1)は、該スライドする動きの完了後、該第1動作モード(M1)をとる、請求項9に記載の飲料調製システム(1)。
可能な動作モードの組はさらに、調製されるべき飲料のためのレシピをユーザーが選択することを可能にする選択モード(M1)を包含し、該制御ユニット(5)は、三次元物体の画像を写像するように構成され、ユーザーは該写像された画像上の位置を指摘することを可能にされ、その選択モード(M1)において、該飲料調製システム(1)は、指された位置を指摘することから該三次元物体上の領域を識別するように、かつ前記領域と関連付けられた1以上の飲料レシピを選択するように構成されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の飲料調製システム(1)。
該三次元物体は、ユーザー制御可能な幾何学的配置を有し、そこでは、該制御ユニットが、該接触感知パネル上の物理的物体による接触点の動きを決定するように、および写像を与えるように構成され、該三次元物体は、軸の回りを回転され、その回転が、該三次元物体の写像された表面を、該接触点の動きの方向に対応している方向へ移動させる、請求項14に記載の飲料調製システム(1)。
飲料を調製するための飲料調製システム(1)を制御するためのコンピュータプログラム製品であって、該飲料調製システム(1)は、飲料を調製するための調製ユニット(6)を有し、スクリーン空間を画定する表示パネル(3)であってそれと一体化された接触感知パネル(4)を有する表示パネル(3)を有し、および該接触感知パネル(4)から得られたユーザー案内で該調製ユニットを制御するための、及び該表示パネル(3)へ視覚的フィードバックを与えるための制御ユニット(5)を有し、該接触感知パネル(4)は、指された位置を示す位置信号を生成するように配設されており、該プログラム製品は、該制御ユニットで実行されるとき、以下の工程を実行する;
a)調製されるべき飲料のためのレシピを準備すること(S2)、
b)引き続き、調節モード(M2)において、ユーザーが前記レシピを調節することを可能にさせること(S7)、それにより次の副工程を実行すること、
b1)選択されたレシピに対応する充填度、及びその内部に1以上のソフトボタンを有するホールダを表示すること、該1以上のソフトボタンは、第1制御方向に動きうる少なくとも1つのソフトボタンを含む、
b2)該接触感知パネル上の物理的物体による接触点が該少なくとも1つのソフトボタンと一致するか否かを決定すること、前記対応する接触点が該第1方向に沿って動くか否かを検出すること、及び前記動きに従って該少なくとも1つのソフトボタンの位置を更新することによって、ユーザーが該少なくとも1つのソフトボタンを前記第1制御方向に動かすことを可能にさせること、
b3)第1または第2制御モードに従って、成分の相対的貢献度を、前記第1制御方向における該少なくとも1つのソフトボタンの位置に従って制御すること、及び
b4)前記第1制御方向における該少なくとも1つのソフトボタンの位置に従って制御されるように、該相対的貢献度についての設定を表す前記ホールダの充填度の外観の形式におけるユーザーへの追加情報を提供すること、第1制御モードにおいて、該ホールダの充填度は、複数の成分を表す複数の部分で表示され、かつ第1外観を有する第1部分(3221)と第2外観を有する第2部分(3222)とを少なくとも備え、各部分は調製されるべき飲料の前記複数の成分の第1成分と第2成分との夫々の量を表示する前記充填度の夫々の割合を占める、そしてここで、該充填度の外観は、該第1制御方向における該第1部分と第2部分の間の境界の位置を調節することにより適合され、かつ第2制御モードにおいて、前記ホールダ(322)の該充填度(3220)は、第1成分を示す第1色と第2成分を示す第2色を少なくとも包含する複数の色の重み付け平均である色を有している、ここで、施与された重み付けにおいて、複数の色における各色の貢献度は、前記各色により指示された該成分の該割合に対応している、ここで、該第1色は該第1成分の割合に対応し且つ該第2色の貢献度は該第2成分の割合に対応している、
上記のコンピュータプログラム製品。
飲料調製機器および、該飲料調製機器を制御するための携帯機器(10)を備え、該飲料調製機器は、少なくとも該飲料調製ユニット(6)を備え、且つ該携帯機器(10)は、少なくとも該表示部および該それと一体化された接触感知パネルを備え、該飲料調製機器および該携帯機器はさらに、相互に無線通信する機器を備えている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の飲料調製システム(1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、より直観的な仕方で制御可能であり、それと共に間違いやすい制御操作のリスクを低減する飲料調製システムを提供することである。この目的は、請求項1において請求されているように本システムによって達成される。請求項および明細書において、ソフトボタンの限定詞「移動可能な」は、制御ユニットが、接触検知パネル上の物理的物体による接触点が該ソフトボタンと一致するかどうかを決定するように、上記一致する接触点が組成制御方向に沿って動くか否かを検出するように、及び上記動きに従いソフトボタンの位置を更新するように構成されていることを明確に述べるために用いられる。接触点を形成している物理的物体は、例えばスタイラス(stylus:タッチペン)又は該機器を操作しているユーザーの指である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項12において請求されたようなシステムによってさらに達成される。
【0009】
一層直観的な仕方で制御可能であり、それにより間違いやすい制御操作のリスクを軽減する飲料調製方法を提供することは、本発明のさらなる目的である。この目的は、請求項20において請求されたような方法によって達成される。
【0010】
飲料調製システムの制御ユニットにより実行されるとき、ユーザーが該システムをより直観的な仕方で制御することを可能にし、それにより間違いやすい制御操作のリスクを軽減する、飲料調製システムを制御するためのコンピュータプログラム製品を提供することは本発明のさらなる目的である。この目的は、請求項21において請求されたようなコンピュータプログラム製品によって達成される。
【0011】
加えて、請求項22に従う記録担体は、上記コンピュータプログラム製品を備えて提供される。
【0012】
本発明に従う飲料調製システムは、飲料を調製するための調製ユニット、スクリーン空間を画定する表示パネルであってそれと一体化された接触感知パネルを有する表示パネルを有し、および該接触感知パネルから得られたユーザー案内で該調製ユニットを制御するための、及び該表示パネルへ視覚的フィードバックを与えるための制御ユニットを備えている。該接触感知パネルは、指された位置を示す位置信号を生成するように配設されている。該制御ユニットは、通常は該調製ユニットの制御のための飲料調製制御情報をそこに記憶した記憶装置を備えている。飲料調製情報は、用いられるべき成分の量、温度及び圧力設定等を包含しうる。該制御ユニットは、通常はまた、ユーザーにより与えられた指定への視覚的に観察されうる反応を該表示パネルによって表示するための表示制御ユニットを備えている。該表示制御ユニットは、専用のグラフィカル操作のためのハードウェアアクセラレータを備えうる。
【0013】
該制御ユニットは、1以上の動作モードの1つにおいて動作可能である。これらモードの中の少なくとも1つは、調節モードであり、ここで、ユーザーが飲料レシピを調節することが可能である。該飲料レシピは、例えばユーザープロファイルに従い、及び/又は、一日の時間に従い予め選択されうる。調節モードにおいて、該制御ユニットは、該表示パネルが、飲料レシピに対応する充填度およびソフトボタンをその内部に有するホールダを表示するようにさせる。該制御ユニットは、前記少なくとも1つの制御方向における該少なくとも1つのソフトボタンの位置に従って、調製されるべき飲料の特徴を制御するように、および前記少なくとも1つの制御方向における該少なくとも1つのソフトボタンの位置に従って制御されたような前記特徴のための設定を示す該ユーザーへの追加情報を提供するように構成されている。
【0014】
飲料調製システムの全ての部分が1つのハウジング内に一体化されていることは、必ずしも必要ではない。1実施態様において、該システムは、少なくとも接触スクリーン表示部を備えている第1の携帯部分、および少なくとも飲料調製ユニットを備えている、必ずしも携帯可能でない第2部分を備えている。該第1携帯可能部分は、適切にプログラムされたハンドヘルド機器、例えば携帯電話、タブレット、又はPDAでありうる。
【0015】
調節モードは、ユーザーが、どのレシピが調製されようとしているかを、より詳細に見ることを可能にする。実施態様において、エスケープ機能が利用可能であり得、ユーザーが、別の飲料レシピを選択するために該調節モードから抜け出ることを可能にする。1実施態様において、該少なくとも1つのソフトボタンは、その該少なくとも1つの制御方向が第1制御方向を備えるソフトボタンを備えている、ここで、該制御された特徴は、該第1制御方向における該ソフトボタンの位置に従う該飲料における成分の相対的な貢献である、および前記追加情報は、前記ホールダ内の該充填度の表示である。ホールダ内の充填度は、上記ユーザー制御から生じる上記第1制御方向におけるソフトボタンの位置に従い適合される。該第1制御方向は、好ましくはユーザーにホールダの垂直方向として現れる方向である。従って一般に、この方向は、ホールダの充填の表面を示している線に対して実質的に直交している。ホールダの内部のソフトボタンの位置および該ソフトボタンの該位置への充填の適合は、ユーザーに如何に該ボタンが組成を制御するのに用いられるべきかの良好な直観を与える。
【0016】
充填度のソフトボタンの位置への適合について、様々なオプションが可能である。
【0017】
1のオプションに従うと、該ホールダの該充填度は、少なくとも第1成分(例えばコーヒー又はコーヒーブレンド)を示す第1色と第2成分(例えばミルク又はミルクブレンド)を示す第2色を包含する複数の色の重み付け平均である色を有している、ここで、施与された重み付けにおいて、複数の色における各色の貢献度は、前記各色により指示された該成分の該割合に対応している、ここで、該第1色は該第1成分の割合に対応し且つ該第2色の貢献は該第2成分の割合に対応している。例えば、第1成分は、黒で示されたコーヒーであり得、そして第2成分は、白で示されたミルクでありうる。該第1制御方向に沿うソフトボタンの動きが、第1成分の相対的な量の増加を生じさせるので、このことは、充填度のより暗い表示により視覚的に示されうる、ここで、もし該第1制御方向に沿うソフトボタンの動きが該第1成分の相対的な量の減少を起こすならば、このことは、充填度のより暗い表示により視覚的に示されうる。このような仕方で、ユーザーは、どのように充填度がソフトボタンの位置の変化に適合するかを容易に認知することができ、且つこの認知から、調製されるべき飲料の組成についての効果を評価することができ、それによりユーザーは成分の量を直感的に制御することを可能にされる。
【0018】
別のオプションに従うと、ホールダの充填度は、複数の成分を示す複数の部分で表示され、少なくとも第1外観を有する第1部分、例えば第1色又はハッチング、および第2外観を有する第2部分、例えば、第1色又はハッチングとは異なる第2色又はハッチングを備え、それらは調製されるべき飲料内の上記複数の成分の第1成分及び第2成分の夫々を示す上記充填度の夫々の割合を占めている。また、このオプションは、ユーザーが、成分の量を直観的に制御することを可能にする。なぜなら、ホールダ内の異なる色の部分を有する充填度は、ユーザーにより容易に認知され得、且つユーザーが調製されるべき飲料内の組成についての効果を評価することを可能にするからである。同様に、2を超える数の成分の存在は、該充填度の部分の数によって表示されうる。充填度の外観は、上記第1制御方向における、第1部分と第2部分の間の境界の位置を順応させることにより適合される。好ましくは、該充填の第1部分と第2部分の間の境界の位置は、ソフトボタンの位置と一致するように適合される。このことは、あたかも第1部分と第2部分の間の境界が該第1ソフトボタンの動きに従うようにユーザーに対して見え、ユーザーは該ソフトボタンの動きの効果を認知しうるのみならず、ユーザーはまた、動きの効果を予測できる。このことは更にユーザー制御を容易にする。
【0019】
1実施態様において、該少なくとも1つのソフトボタンは、その少なくとも1つの制御方向が第2制御方向を備えているところのソフトボタンを含み、該第2制御方向内の該少なくとも1つのソフトボタンの位置により制御された特徴は、前記成分の強さであり、且つ該追加情報は、アイコンの行であり、その数は該ソフトボタンで制御された強さに従って光で照らされる。
【0020】
該第2制御方向を有する該ソフトボタンは、これらの制御方向が一致していないという条件の下で、該第1制御方向を有する該ソフトボタンと一体化されうる。その場合、該第2制御方向が、好ましくは該第1制御方向に斜めである。1つのソフトボタンを指定された制御オプションの組合せは、調製されるべき飲料の特徴を調節するためのユーザーのオプションを拡張する。同一のソフトボタンがこの目的のために用いられるが、オプションの別の動きが斜め方向であるいう事実は、それがその別の特徴ではなく同一の成分に関連していることを明らかにするために用いられる。
【0021】
1実施態様において該少なくとも1つのソフトボタンは、その該少なくとも1つの制御方向が第3制御方向を備えるソフトボタンを含んでいる。その中で、第3制御方向における位置は、調製されるべき飲料の量を決定する。ホールダがそこまで充填されるレベルは、好ましくは別のソフトボタンの位置と一致するように適合される。これは、ユーザーが第3制御方向におけるソフトボタンの動きの効果を予測することを可能にする。好ましくは、充填レベルの変化が、調製されるべき飲料に対して特定された組成を変化させない。したがって、ホールダの充填が相互に異なる外観を有する複数の部分で表示される該実施態様において、成分の貢献を示すところの割合の間の比率は、好ましくは一定に保たれる。
【0022】
1実施態様において、該少なくとも1つのソフトボタンは、該少なくとも1つの制御方向が第4制御方向を備えるところのソフトボタンを含み、前記第4制御方向における該ソフトボタンの位置は成分の組成を決定し、且つ該追加情報は、前記組成のグラフィカル表示である。
【0023】
1実施態様において、該少なくとも1つのソフトボタンは、該少なくとも1つの制御方向が第5制御方向を備えるところのソフトボタンを含み、前記第5制御方向における該ソフトボタンの位置は、調製されるべき飲料の温度を決定し、且つ該追加情報は該温度の図式的な表示である。上述されたように、単一のソフトボタンは、これらの制御方向が一致しないという条件下で、1を超える制御方向と関連させられうる。好ましくは、その場合、関連させられた制御方向は、相互に斜めである。
【0024】
例えば、第3制御方向を有しているソフトボタンは、また第5制御方向を有しうる。調製されるべき飲料における各追加の成分について、別のソフトボタンが備えられうる。飲料内のN個の成分の間の比率を制御するために、総計N−1個のボタンで充分であり、1つのボタンは調製されるべき飲料の総量を制御するために残されている。
【0025】
選択されたレシピに対応する画像データは、レシピを記載するテキストデータで補助されうる。もしユーザーが、調節モードにおいて別の制御オプションを用いることによりレシピを実質的に変えるならば、このテキスト情報は徐々に消されうる。これは、ユーザーが調製されるべき飲料の1以上の特徴を、基準値から所定の量を超えて(例えば10%を超えて)或る値に設定するような場合でありうる。
【0026】
1実施態様において、飲料調製システムは、調節モードに先行する選択モードを有している。選択モードにおいて、ユーザーは、レシピを選択することを可能にされ、そのレシピは、飲料を調製するために用いられる前に、調節モードにおいて調節されうる。選択モードにおいて、ユーザーは、例えばメニュ、例えば階層的に編成されたメニュからレシピを選択しうる。レシピの選択を可能にする様々なグラフィカルユーザーインタフェースが、同一出願人から国際特許出願公開第2011/046428号及び国際特許出願公開第2011/046429号に開示されている。選択モードの新規の実装を含む別の実施態様が、以下に記載される。
【0027】
本発明に従う飲料調製システムの1実施態様において、飲料調製制御情報は、選択可能な飲料レシピの列として記憶されている。その実施態様において、該可能な動作モードの組は、選択モードM1を包含し、該制御ユニットは、
− 該表示パネルのレシピ選択帯域内のそれぞれの領域内の前記列から、前記レシピ選択帯域の写像方向に沿う写像位置での所定の順番に、それぞれの飲料レシピに対応する画像データを写像する、
− 該写像方向に沿う該接触感知表示パネル上のまたは近傍の物理的物体の動きが生じたか否かを検出する、
− そのような動きを検出すると、レシピ画像の写像位置内の対応する変化を施与する、
− ユーザーが、該レシピ選択帯域内の対応するレシピ画像より提示された飲料レシピから、或る飲料レシピを選択することを可能にする、
ように構成されている。
【0028】
レシピ選択帯域は、一般的には細長い帯域であり、複数のレシピは、それらのレシピ画像により表示されうる。その場合、写像方向は一般には該細長い帯域の長さ方向である。レシピ画像が表示されるその所定の順序は、例えば、レシピが記憶された順に生起する順序である。該レシピ選択帯域の外側の写像位置で領域へ写像されるところのレシピ画像は、表示されない。動き検出モジュールが、レシピ選択帯域の写像方向に沿う物理的物体の動きを検出するとき、それは、写像モジュールが、レシピ画像の写像位置における対応する変化を施与することを起こす。ユーザーは、それら対応するレシピ画像によって該レシピ選択帯域内に提示された複数の飲料レシピから1の飲料レシピを選択することを可能にされる。
【0029】
飲料についての画像データの写像は、もし該レシピ選択帯域が細長い帯域であるならば、写像方向、例えば長さ方向に沿ったスワイプ動きを作ることによってユーザー制御可能である。そのような動きが検出されると、該制御ユニットは、レシピ画像の写像位置における対応する変化を引き起こす。それにより、写像位置が該レシピ選択帯域内へ動かされるところの列内のレシピ画像は、可視化され、一方、写像位置が該レシピ選択帯域の外へ動かされるところの列内のレシピ画像は、隠される。したがって、レシピの長い列が選択のために利用可能である場合に、その予備選択が、該レシピ選択帯域内の副の列として、より詳細に示されうる。それにより、ユーザーは、全体の列が可視化された場合よりも選択により調製される飲料のより明確な印象をもつ。さらに、スワイプ動きを認識し且つそれに従い写像位置を適合させる能力は、ユーザーが、列のどの部分を視覚化するかを容易に且つ直感的に制御することを可能にする。写像位置は、様々な仕方で適合されうる。1実施態様において、写像位置は、階段状に生起する。これは、各スワイプ動きで、列の次の副列がレシピ選択帯域に表示される効果を有している。代わりに、写像位置は、ユーザー入力に従い徐々に更新されうる。これは、各時間で全てのレシピ画像がレシピ選択帯域の写像方向にシフトする効果を有する。ここで、1つの端で、レシピ画像がレシピ選択帯域からシフトアウトし、そして他の端で、レシピ画像がレシピ選択帯域内にシフトインする。該シフトの動きは、スワイプ動きが起きた方向への、該レシピ画像の段階的なまたは滑らかな動きによって可視化されうる。飲料レシピの列は、有限の列として配置されてもよい。その場合、レシピ画像の対応する列が、該細長い帯域の長さ方向に、その始まりまたは終わりが到達するまで、動かされうる。このことは、ユーザーが可能なオプションの範囲を容易に決定できるという有利点を有している。代わりに、レシピ画像の列が、巡回列として配置されてもよい。その場合、視覚的表示の対応する列は、制限なしに動かされ得、列の最後のレシピ画像の次に第1レシピ画像が従う。このことは、ユーザーが、所望のレシピに到達するために、同じ方向にいつも大きく動かすことができるという有利点を有している。
【0030】
1実施態様において、該制御ユニットは、第1動作モードに先行する一時的動作モードを有している。ここで、レシピ画像の列が、細長い帯域内へスライドして入りその1つの端から出る。その結果、スライドする動きが完了させられると、飲料調製システムは、第1動作モードをとる。この一時的モードは、ユーザーが、さらなる飲料レシピが利用可能であること、およびユーザーがスワイプ動きをすることによってこれらを可視化できることを気付くのを助ける。
【0031】
1実施態様において、該スライドする動きは、対応する画像データの列の傍の通路に沿った、該スライドする動きに反対方向へ動くハイライトを伴う。該スライドする動きの反対方向における追加の動きは、さらに一層ユーザーの注意を高める。
【0032】
該飲料調製システムの1実施態様において、該制御ユニットはさらに、もし該レシピ選択帯域内の領域が選択されると、且つそのような検出をすると、調節モードをとることを決定するように構成されている。該制御ユニットが該選択モードにあるとき、領域がレシピ選択帯域内で選択されたことが検出されると、該制御ユニットは該調節モードをとり、その中で前記領域に対応する飲料レシピが選択され且つ前記飲料レシピに対応する画像データが表示される。にもかかわらず、複数の実施態様が、可能である、ここで、調節モードはスキップされ又は存在せず、そして一度レシピが選択されると、飲料調製システムは飲料の調製を始める。ユーザーは、該細長い帯域に提示された飲料レシピの1つを、例えば対応するレシピ画像を示すレシピ選択帯域内の表示領域を選択することによって選択しうる。該制御ユニットは、もし表示領域が所定の時間よりも長く指示されるならば、またはユーザーが上記領域内で圧力をかけるならば、該領域が選択されることを決定しうる。代わりに、該領域が所定の領域、例えば、該細長い帯域の中央部、又は例えばハイライトにより強調された候補領域でありう得、そしてユーザーは、確認を与える別の仕方で、例えばハード又はソフトの確認ボタンを押すことによって、選択を指示しうる。
【0033】
別の実施態様において、該制御ユニットは、三次元物体の画像を写像するように構成されている、ユーザーは該写像された画像上の位置を指すことを可能にされている、その選択モードにおいて、該飲料調製システムは、指された位置を示すことから該三次元物体上の領域を識別するように、および前記領域と関連付けられた1以上の飲料レシピを選択するように構成されている。
【0034】
該三次元物体は、例えば球体、例えば地球である。
【0035】
対応する選択可能飲料は、上記領域に関して伝統的であるところの飲料、位置がイタリア国を指しているときに、例えばルンゴ、エスプレッソ、及びラテマキアートとのようなコーヒーでありうる。代わりに、選択は、ユーザーにより指された原産地の領域内での或る成分の利用可能性に基づきうる。例えば、ロバストコーヒーは、サハラ以南のアフリカを指すことにより選択され得、またアラビカコーヒーは、アラビア半島を指すことにより選択されうる。代わりに、対応は、指された領域の自然環境の中に見出されうる。例えば、両極の1つのユーザーによる指示は、氷水の選択に対応しうる。
【0036】
好ましくは、該三次元物体は、ユーザー制御可能な幾何学的配置を有し、そこでは、該制御ユニットが、該接触感知パネル上の物理的物体による接触点の動きを決定するように、および写像を与えるように構成されている、ここで、該三次元物体は、軸の回りを回転される、その回転が、該三次元物体の写像された表面に、該接触点の動きに対応している方向への移動を引き起こす。
【0037】
ユーザーにより指示された地球上の地域に依存して、1以上の選択可能な飲料が利用可能でありうる。もし該指示が1つの選択可能飲料レシピを正確に指しているならば、ユーザーは、調節モードにおいてこのレシピを実質的に調節することができる。もし1を超えるレシピが、指示された位置について利用可能ならば、ユーザーは該利用可能なレシピから1つを、例えば上で述べられた別の選択手続の1つを用いて選択することを可能にされる。球体の代わりに、別の三次元物体、例えば多面体が用いられてもよい。そこでは、該多面体の各面が、1以上の選択可能な飲料の1組を表す1領域でありうる。
【0038】
調節モードが選択によって先行されることは必ずしも必要ではない。他の実施態様において、飲料調製システムは、所望の仕様に調節されうるところの所定の選択を備えうる。さらに他の実施態様において、所定の選択は、ユーザープロファイルに基づいてユーザー向けにカスタマイズされうる。該ユーザープロファイルは、様々な時間スロットについてのユーザープロファイルデータを有している。該飲料調製システムは、例えば顔認識、指紋認識による、またはアイリススキャン(虹彩走査)の実行による、ユーザーを認識する装置を備えうる。代わりに、ユーザーはバッジ(記章)から、例えばRFID技術により識別されうる。さらに他の実施態様において、ユーザーは、ユーザープロファイルデータを備えているハンドヘルド機器を用いて飲料調製機器を制御しうる。一日の時間の認識と決定に基づき、飲料調製システムは、所望の仕様に調節されうるところの所定の選択を提供しうる。1実施態様において、飲料調製システムは、ユーザーが予め規定された選択を取り除き、且つ例えば、上で記載された実施態様の1つを用いて別の飲料レシピを選択することを許容するエスケープ機能を提供しうる。
【0039】
これら及び他の局面は、図面を参照して、より詳細に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の詳細な記載において、多くの具体的詳細は、本発明の完全な理解のために提供するように記載されている。これらの詳細が本発明に対して必須でないことは、当業者にとって明らかであろう。他の例において、一般的に知られた方法、手順、および構成要素は、本発明のより本質的局面が隠されることを避けるために詳細には記載されていない。
【0042】
本記載における用語「第1」「第2」「第3」は、何らかの優先順位を示すことはなく、相互に部分を区別するために用いられ得ることは当業者にとって明らかであろう。従って、第1要素、第1構成要素、第1領域、第1フィールド、第1モジュール等はまた、本出願の保護範囲から逸脱することなく、第2要素、第2構成要素、第2領域、第2フィールド、第2モジュール等と呼ばれうる。
【0043】
図面において部分は、縮尺が通常示されない。幾つかの例において、部分は、明瞭のため拡大された表示で示されている。
【0044】
別の指示がなければ、全ての用語は本発明の当業者によって与えられた意味を有する。さらに、用語、例えばそれらが一般的に用いられる参考文献および辞書の中で定義されるものは、明示的に別記がないなら、この場合に関連する技術分野の文脈におけるそれらの意味に従い解釈されるべきであり、且つ理想化された又は過度に形式的な意味に解釈されるべきではないと理解される。或る用語の解釈において違いが生じた場合に、本出願によってそれに与えられた解釈が決定的でなければならない。
【0045】
対応している部分は、相互に対応している参照符号を有する。
【0046】
図1は、飲料を調製するための自動システムの1実施態様の概略図である。本システム1は、接触感知パネル4と一体化されている表示パネル3、および制御ユニット5を具備した調製ユニット6を備えている。制御ユニット5は、接触感知パネル4から得られたユーザー案内を備える調製ユニットを制御するために配設されている。制御ユニットはさらに、表示パネル3へ視覚的フィードバックを提供するために配設されている。それらにより、調製ユニット6は、ユーザーによって特定された形式に従って飲料を準備するよう構成されている。制御ユニットはさらに、スピーカー8を介して音響フィードバックを与えうる。調製ユニット6は、例えば複数の飲料、例えば水、紅茶、コーヒー、チョコレートミルク、及びスープを準備しうる。実用的実施態様において、飲料は、添加物、例えば砂糖、ミルク、及びアロマを入れられうる。所望されるならば、また注がれる飲料の温度が設定されうる。1実施態様において、調製ユニット6は、とりわけ、様々なタイプのコーヒーを貯蔵するためのホールダ61a、61b、61c、および他の成分、例えば砂糖、ミルク、および場合によっては1以上の風味、例えばキャラメル、ヘーゼルナッツ、バニラのためのホールダ61d、61eを備えている。成分は、未加工の原料としてホールダ内に存在しうるが、しかし予め処理されてもよい。例えば、コーヒーは、豆、挽かれた豆の形又は、溶液として存在しうる。示された実施態様は、さらに加熱ユニット62、個々のホールダ61a〜61eから成分を配量するための配量バルブ63a〜63e、および飲料出口64を備えている。
【0047】
接触すると、タッチパネル4は、表示パネル3が接触された位置を示す位置信号xp、ypを配信する。タッチパネル4はさらに、xp、ypで示された位置が接触された圧力を表示する圧力信号ppを提供しうる。代わりに又は付加的に、ユーザーは、非接触な仕方で、例えばその位置を指すことによって、又は発話命令によって表示パネル上の位置を指定することが可能にされうる。この目的のために、制御ユニット5は、入力手段からの位置信号xp、ypを受信し、そして制御ユニット5は、画像信号Sbで表示パネルを制御する。制御ユニット5は、制御信号Scで調製ユニットを制御する。更に、制御ユニット5は、調製ユニットの状態を示すところの、調製ユニット6からの状態信号Stを受信することができる。状態信号Stは、例えば、ホールダ61a、61b、61cの充填度、または加熱ユニット62により達せられた温度の高さを示すことができる。
【0048】
飲料調製システムは、単一ハウジング内に一体化された全ての構成要素を有しうるが、それは必ずしも必要ではない。1実施態様において、該システムは、少なくとも接触スクリーン表示部を備えている第1の携帯可能部分10、および少なくとも飲料調製ユニットを備えている第2部分、必ずしも携帯可能でない、を備えている。その場合の該第2部分は、
図1に図式的に示されたように、該携帯可能部分と無線通信を可能にするために通信モジュール5aを備えている。該第1携帯可能部分は、適切にプログラム化された手持ち機器、例えば携帯電話、タブレット又はPDAでありうる。飲料調製システム1が携帯機器により制御可能である場合、飲料調製システムは、表示部および関連した接触感知パネルを備えることは必要ではない。なぜなら、これらの機能が携帯機器10で既に利用可能であるからである。また、制御部5の機能の一部分は、携帯機器により取って代わられうる。それにもかかわらず、もし飲料調製機器が、接触スクリーン表示パネル及び制御部の全機能を含んでいるならば有利であり、すると飲料調製機器は、単独で操作されうる。
【0049】
図2は、該自動機器の構成要素の実用的な設定を示している。
図1からのそれらに対応するところのその中の部分は、同一の参照符号を有している。示された実用的な実施態様において、機器は、
図1に示された部分のためのハウジング7を有する。ハウジング7はさらに、ビーカー75を支持するために支持部71を有する。ビーカー75は、例えばユーザーによって又は配置機構によってそこに置かれうる。
【0050】
図3は、飲料調製機器1の1実施態様における制御ユニット5の状態図を概略的に示している。その中の動作モードM0は、制御ユニット5がユーザーから入力を待つところの待機モードを表している。この動作モードにおいて、スクリーン(例えば
図4のような)は、ユーザーが機器を制御するために利用可能な様々な入力モードを提供しつつ表示されうる。この実施例において、表示部3は、右端33に選択可能タブ331、332、333を表示している。表示部の左端34は、ユーザーが情報を要求できるソフトボタン341を包含しうる。情報は、このボタンを「押すこと」により、又はより容易にボタン341を単に指すことにより利用可能にされうる。背景画像360が表示され、それは実施態様においてスクリーンの両端33、34を越えて延在しうる。背景画像360は、他の動作モードにおいても残りうる。ユーザー入力(円弧の矢印で示された)がない場合、制御ユニットは待機モードS0に留まる。タブ331、332、333の1つの選択は、ユーザー入力uip1、uip2、uip3にそれぞれ対応し、該選択はモードM4、M1、M5への遷移をそれぞれ引き起こす。一度、待機モードM0を出ると、ユーザーがいつでもこのモードに戻ることを許容するために、ホームアイコン342が表示部の固定位置に表示されうる。
【0051】
ユーザー入力uip2の後の遷移から生じる動作モードM1が、これ以降、
図5、5A及び5Bを参照しつつより詳細に記載される。明確性のために、モードM4、M5は別には記載されない。動作モードM1において、個々の飲料レシピ、ここでは一連の貯えられたレシピからのR3〜R6のレシピ画像データが、スクリーン空間へ写像され、そしてレシピ画像、ここではIR3〜IR6として、表示パネル3の細長い帯域31内の夫々の領域313〜316に、上記細長い帯域の長さ方向に沿う写像位置で表示される(
図5参照)。制御ユニット5は、この目的のために
図10に示されたように写像モジュール53を有しうる。レシピ画像IR3〜IR6は、所定の順序、例えばレシピが貯えられた順番で生じる順序で並べられる。写像は、概略的に
図5Aに示されている。その中で、R1〜RNは一連のレシピであり、そしてメモリ51に貯えられたそれらの画像データであり、それらの内の現在のレシピR3〜R6が、帯域31に可視化されている。この場合、帯域31は、細長い帯域、より具体的には長方形の帯域であり、その長さ方向は、表示部3のx軸に沿って延在している。代わりに、細長い帯域は、別の形状、例えば曲がりくねった形状を有しうる。その場合、長さ方向は、好ましくは、曲がりくねった形状の中心線に沿って延在させられる。動作モードM1において、制御ユニット5は、細長い帯域31の長さ方向に沿う指示位置の動きを検出すると、レシピ画像の写像位置を変える。制御ユニット5により検出された動きは、
図3の状態図内のユーザー入力uip4として表示される。例えば、もしユーザーが、左から右方向へのスワイプ動きをすると、これは、レシピ画像の写像位置および対応するレシピの関連した選択フィールドが、同様に右に動かされるという
図5Bに図式的に示されたような効果を有しうる。それによって、1以上の新しい飲料レシピが左側に導入され得、その一方で、他のレシピが右側で消失しうる。例えば、このスワイプ動きを検出すると、レシピの副配列R2、R3、R4、R5が、画像IR2〜IR5として、夫々の領域312〜315に今や可視化され、そして選択可能になり、従って画像の列はユーザーの指のスワイプ動きに従ったように見える。写像を制御するため及び選択を可視化するために、様々なオプションが可能である。
図5A、5Bに表示された実施例は、写像の相対的にきめの細かい階段状の適合を示している。その中で、1つの新しいレシピ(ここではR2)がその画像(ここではIR2)で表示されるその度に、1つのレシピ(ここではR6)の画像(ここではIR6)が消える。別のオプションに従うと、写像モジュール53は、写像位置の相対的に粗い階段状の適合を提供する。例えば、左等へ大きくスワイプされると、レシピR1、R2、R3のレシピ画像IR1、IR2、IR3が、レシピR4、R5、R6のレシピ画像IR4、IR5、IR6によって置き換えられる。好ましい実施態様において、写像の適合は、連続的な動きとして可視化され、あたかも画像がカルーセルに取り付けられたかのように、レシピ画像の連なりが表示部3の細長い帯域31を通してスライドするように見える。示された実施態様において、一連のレシピRiのレシピ画像IRiは、位置x(i)=Offs+i*Wを指定されうる。ここでWは、個々のレシピ画像の幅であり、Offsは、実質的に連続的に変わりうる変数であり、少なくとも複数のステップにおいて、幅Wよりも実質的に小さな、例えば10倍小さい。x(i)で示された位置は、例えば、画像の下側左隅または他の基準位置である。
【0052】
レシピ画像IR3、IR4について指定された領域313、314等は、好ましくは、固定サイズを有するが義務的ではない。たとえば、いくつかのレシピ画像は、他よりも大きな領域を割当てられうる。サイズはまた、該細長い帯域内のレシピ画像の位置に依存しうる。例えば、該細長い帯域の中間の画像は、該細長い帯域の端での画像よりも大きくてもよい。標識321は、どの飲料レシピ画像Rnが現在選択されているかを指示するために存在しうる。飲料が未だ選択されていない場合、これは、該標識321が2つの連続するレシピ画像の間、
図5の実施例においてはレシピ画像IR4とIR5の間のどこかにあるように、レシピ画像の並びの位置決めによって指示されうる。
【0053】
X(i)=Offs+i*D
上述されたように、位置X(i)が、例えばスクリーンの水平軸又は垂直軸に平行な直線に沿う位置であることは必要ではない。代わりに、位置X(i)は、湾曲した軌跡、例えば円に沿う位置でありうる。湾曲した、例えば曲がりくねった軌跡に沿う細長い帯域は、レシピ画像のより多数が細長い帯域内に提示されうるという有利点を有している。レシピ画像が細長い帯域の長さ方向に沿って動く速度は、v
Offs=dOffs/dtである。
【0054】
図10の写像モジュール53は、どのレシピ画像が細長い帯域31の外側に写像されるかを決定するクリッピング副モジュールを有しうる。これは、もし細長い帯域が表示部の縁で終わるならば余分である。写像位置X(i)において引き起こされた動きは、制御ユニット5により検出された速度と実質的に同じ速度を有し得、従って指されたレシピ画像は、ユーザーの指が動くとき指に従うように見える。しかしこれは必ずしも必要ではない。代わりに、速度v
Offsは、検出された測度の、より複雑な関数であってもよい。また、v
Offsの値は、固定された値、例えば、もし動きが検出されなければ、速度v
Offs=0、そしてもし動きが検出されれば、固定のゼロでない速度v
Offs、から選択されうる。
【0055】
質量及び摩擦の示唆が、運動モデルを適用することにより与えられてもよい。例えば、もし制御ユニット5が更なる動きを検出しないと、速度v
Offsは、次の微分方程式に従い減小しうる;
dv
Offs /dt=−c. v
Offs 。
これは、もしユーザーにより動きがもはや引き起こされなければ、細長い帯域内に表示されたレシピ画像の列は徐々に緩慢になるという効果を有している。
【0056】
さらなる精緻化が加えられうる。例えば、もし該列の最後になると、例えば、飲料アイテムが1つの端で細長い帯域から消え、一方、他方の端で新たなアイテムが導入されえないということを防ぐために、画像の列の動きは自動的に停止されうる。動きの停止は、あたかもレシピ画像の列が縁ではね返るような振動の動きにより先行されうる。
【0057】
任意の時点で、ユーザーは、対応するレシピ画像により表示された複数のレシピからユーザー入力uip5により、例えば対応するレシピ画像を示す細長い帯域31内の表示領域を選択することによって、飲料レシピを選択することを可能にされうる。表示領域は、もし該領域が所定の時間よりも長く指示されるならば、又はユーザーが上記領域内に圧力をかけるならば、選択されたと考えられうる。代わりに、該領域は、所定の領域、例えば細長い帯域の中央部、又は例えばハイライトにより強調された候補領域であり得、そしてユーザーは、確認を与える別の仕方で、例えばハード又はソフトの確認ボタンを押すことによって、選択を指示しうる。
【0058】
ユーザー入力uip5によって選択されると、制御ユニットは、第2動作モードM2をとる。1実施態様において、第2動作モードM2をとると、飲料調製機器1の調製ユニット6は、選択されたレシピに対応する飲料の調製を始めるように制御されうる。この場合、調製が始まる前に、更なる確認uip6が要求される。ユーザーは、さらに、別の入力uip7によってレシピを調節することを可能とされている。例として、モードM2への遷移は、
図6Aに示されたスクリーンによって可視化される。この実施態様において、レシピ画像、この実施例では列から選択された飲料レシピR4についてのIR4は、細長い帯域31から分離された帯域32内に表示される。ユーザーは、どのレシピが調製されようとしているのか今やより細かく見ることができ、且つもし要求されると、細長い帯域31内に可視化されたレシピの列から別の飲料レシピをまだ選択できる。1実施態様において、飲料レシピは、少なくとも第1および第2成分を指定し、そして第2動作モードM2において、飲料用のホールダ322が、第1成分(例えばコーヒーブレンド)を示す第1色を有する第1割合3221を、そして第2成分(例えばミルク)を示す第2色を有する第2割合3222を充填されて提供される。これは非常に明確に、調製されつつある飲料についてユーザーに知らせる。充填割合は、個々の成分が調整されるべき飲料内に存在するるであろう割合に対応しうる。
【0059】
追加的に、文字情報、ここでは記載「Latte」は、情報ボックス323内の選択されたレシピの表示として与えられる。
図6Bに示された実施態様において、ユーザーは、調製が始まる前に、該レシピを調節するために別の制御オプションを与えられる。本実施態様において、
図6Bに示されたスクリーンは、
図6Aによるスクリーンの後に、例えば0.5〜1秒の時間間隔をおいて自動的に現れる。
図6Bのスクリーンへの遷移は、
図6Bに示された追加の対象物に徐々に移ることによって生じうる。代わりに、
図6Aに示されたような中間のスクリーンはとばされうる。
図6Bに示された実施例において、第1ソフトボタン324は、ホールダの垂直方向(方向y)に対応する方向(さらにまた第1制御方向として示される)へ少なくとも動きうる第2動作モードM2において提供される。そこでは、垂直位置は、調製されるべき飲料における第1成分の貢献度を決める。動き検出モジュール52は、ソフトボタン324がスクリーン上に表示され表示領域が指示されること、及び指された位置が上記表示領域から垂直方向に動くことを検出できる。垂直の動きを検出すると、上記ソフトボタン324の画像は、上記垂直な動きに従い対応して動かされ、そして調製されるべき飲料における第1成分の貢献度が、対応して適合される。それにより、ユーザーは、調製されるべき飲料の組成を容易に制御できる。組成のユーザー制御は、もしも第1および第2色3221、3222で満たされたホールダ322内の複数の領域の間の境界が、該第1ソフトボタン324の垂直の動きを追うと、より一層直観的である。
【0060】
ここでは図示されていない1実施態様において、第1ソフトボタン324は、代替的又は追加的に、ホールダ322の垂直方向に対して横方向x(第2制御方向とも云われる)に動かされうる。ここで横方向の位置は上記第一成分の特徴を決定する。一つのソフトボタンに割り当てられた制御オプションの組合せは、調製されるべき飲料の該特徴を調節するようにユーザーのオプションを拡張する。オプションの別の動きが垂直方向に対して横であるという事実、しかし同じソフトボタンがこの目的のために用いられるということは、それが同じ成分であるがその別の特徴に関連しているということを明らかにする。このやり方で制御されうる特徴は、例えば上記第1成分の、例えばコーヒーのブレンドにおける組成である。そのなかで、最も左の位置は、第1タイプの純粋なコーヒーを示し得、最も右の位置は、第2タイプの純粋なコーヒーを示し得、そして両端の間の位置は、位置に対応する比率でのこれらコーヒーのブレンドを示している。
【0061】
制御可能でありうる別の特徴は、強さである。強いという用語は、コーヒーの焙煎の度合い、そのボディと苦味を示すのに使われる。また、この特徴は、豆の行325、ここで強く光を当てられた豆の数が強さを示す、によってシンボル的に表示されうる。図示された実施態様において、ホールダ322の水平方向に対応する方向に少なくとも動きうる第2ソフトボタン326が備えられている。このやり方で、コーヒーの強さは制御されうる。この特徴はまた、豆の行325によってシンボル的に表示され、強く光を当てられた豆の数が現在設定されている強さを示す。
【0062】
ここに図示されていない1実施態様において、第2ソフトボタン326は、追加的にまたは代替的にホールダ322の垂直方向に対応する方向に動き得、そして、垂直位置は調製されるべき飲料の量を決定する。この機能は、表示されたホールダ322の充填レベルを、第2ソフトボタン326の垂直の動きに従って適応させることにより可視化されうる。好ましくは、それにより、成分の貢献度を表す割合の比率は、一定に維持される。示されたこの実施態様において、ソフトボタン324、326の可能な移動方向は、その上の矢印によって示される。この場合、第1ソフトボタン324上の矢印は、このソフトボタン324が垂直方向に動きうることを示している。第2ソフトボタン326上の矢印は、第2ソフトボタン326が垂直方向に動きうることを示している。しかし別の実施態様において、第1ソフトボタン324は、ホールダ322の垂直方向yに横の方向x(4番目の制御方向)にさらに動きうる。その場合、横方向位置は、第2成分の特徴、例えば豆乳と牛乳の比率またはコーヒーのブレンドを決定しうる。代わりに、第2ソフトボタン326の横方向位置は、調製されるべき飲料の包括的な特徴、例えば温度を決定しうる。
【0063】
調製されるべき飲料における各追加の成分について、別のソフトボタンが備えられうる。飲料内のN個の成分の間の比率を制御するために、総計N−1個のボタンで十分であり、従って1つのボタンが調製されるべき飲料の総量を制御するために残されることは注目される。
【0064】
上で示されたように、情報ボックス323は、選択されたレシピを記載する文字データを提供する。もしユーザーが、第2の動作モードM2内の別の制御オプションを用いて実質的にレシピを変更するなら、この文字情報は徐々に消されうる。これは、もしユーザーが、調製されるべき飲料の1以上の特徴を、基準値から所定の量(例えば10%を超える)を超えてそれる値に設定するような場合でありうる。
【0065】
この実施態様において、ホールダ322の充填度合いを示す別の情報ボックス327が存在する。例として、該情報ボックス327は、それぞれ小、中、大カップを表す文字「S」「M」「L」を備えれた第1、第2、及び第3カップを示す。これらの1つが、現在なされている選択を示すために光で強調される。選択は、第2ソフトボタン326の垂直位置によってなされうるが、代わりに又はそれに加えて、該情報ボックス327内のカップの1つを指すことによってもなされうる。
【0066】
さらに別の情報ボックス328が、この実施態様において示されている、ユーザーが情報ボックス内で数字の1及び1つのカップを備えるフィールド、又は数字の2及びダブルカップを備えるフィールドを指すことによって、充填されるべき1つのカップ又はダブルカップの間の選択することを可能にする。
【0067】
任意的に、選択ボタン343は、所定のブレンドの一組の1つを選択するために存在してもよい。
【0068】
図6Cおよび6Dは、代替の実施態様を示している。
図6Bのそれらに対応する部分は、同一の参照符号を有している。実施例として、この場合に選択された飲料は、「カプチーノ」である。しかし、この実施例は飲料の他のタイプへ同様に適用可能である。
【0069】
飲料調製機器のこの代替の実施態様において、ホールダの充填3220は、少なくとも第1成分を表わす第1色および第2成分を表わす第2色の重み付け平均である、調節モードM2における色を有している。適用された重み付けにおいて、第1色の貢献度は第1成分の割合に対応し、且つ第2色の貢献度は第2成分の割合に対応する。実施例として、飲料は、形成された第1成分として(黒色で表示された)コーヒーを、第2成分として(白色で表示された)ミルクを有している。以前の実施態様におけるように、調製されるべき飲料における成分の相対量は、ボタン324の組成制御位置(y)に対応している。しかし、この実施態様において、充填の表示は、適用された重み付けにおいて、色の貢献度は、組成制御位置(y)に対応する成分の相対的な量に適合されるように適合される。実施例として、
図6Cは、ボタン324の組成制御位置を示し、第1及び第2成分はおよそ等量で存在する。このことを示すために、ホールダの充填3220は、灰色のより暗い陰である。
図6Dに示された実施例において、ユーザーは、第1成分(コーヒー)の相対的に少ない量および第2成分(ミルク)の相対的に多い量を有する組成に対応する位置へソフトボタン324をシフトした。組成におけるこの変化は、灰色のより明るい陰でホールダの充填3220を表示することにより示される。
【0070】
また
図6Cおよび6Dに示された実施態様において、別のソフトボタン326が備えられることができ、それは飲料の量を制御するために方向yに動き得、且つ該量制御方向yに対して横方向xに動きうる。横方向における該別のソフトボタン326の位置は、調製すべき飲料の包括的特徴を決定する。該別のソフトボタン326の横方向位置xは、例えば調製すべき飲料の温度を決定しうる。このことは、飲料の温度にしたがって、ホールダ上に多かれ少なかれ湯気を表示することによって可視化されうる。代わりに、このことは、飲料温度を示す色で、例えば飲料の温度に対応する比率での青色と赤色の混合により、ホールダの充填度を表示することによって可視化されうる。どのソフトボタン324または326が最後に使用されたかに依存して、ホールダ320の充填度3220は、温度または飲料の構成を可視化するために用いられうる。
【0071】
該別のソフトボタン326の横方向位置xは、代替的に第2成分の特性を決定しうる。例えば、もしも第2成分がミルクであると、横方向位置xは、上記ミルクの構成の割合、例えば豆乳と牛乳の間の割合を決定しうる。
【0072】
図6Bを参照して記載された該実施態様は、第2ソフトボタン326を同様に有し得、それは横方向xにさらに動き得、かつ調製すべき飲料の包括的特徴または第2成分の特性を決定するために用いられうる。
【0073】
図6B、6C、及び6Dに示されたグラフィカルユーザーインタフェースにおいて、ユーザーはいつでも選択されたレシピ、ここではR4、に従い飲料の調製を始めることができる。そして参照符号329を有するソフトボタンOKを「押す」ことによって更に動作モードM2における利用可能な制御で調節されうる。
図3においてuip6で示されるこのユーザー入力があると、制御ユニットはモードM3をとる。代わりに又は加えて、物理的ボタンは調製を始めるように備えられうる。実施態様において、ユーザーは、該細長い帯域31から他の飲料レシピを選択することにより動作モードM1へ戻ることを可能にされうる。
【0074】
動作モードM3において、プロセス制御ユニット56は、ユーザーにより指定された飲料をそれに調製させるように飲料調製ユニット6を制御する。この動作モードM3は、様々な仕方で、例えば
図7に示されたように、スクリーン3に震える圧力計355を表示することによってユーザーに対して分離して視覚化されうる。加えて又は代わりに、アニメーションが表示されうる。ここで、表示部に示されたホールダ352は、好ましくは、スクリーン上のホールダの内容物が充填されている物理的ホールダに流れ込むことをユーザーに示唆するように、飲料を調製するために使われた期間に対応する期間にわたって、徐々に空にされる。代わりに、別のアニメーションが表示されえて、スクリーン3に示されたホールダ352は、再度好ましくは、飲料を調製するために使われた期間に対応する期間にわたって、徐々に充填される。動作モードM3において、表示部3は、代わりに又は加えて、調製過程を示すテキストメッセージを示しうる。例えば、メッセージボックス354内のメッセージ「あなたの飲み物は、・・調製中です」である。ユーザーは、以前の動作モードにおけるOKボタンを置き換える中止ボタン359によって、調製過程を中断することを許されうる。一度調製が完了すると、制御ユニットは待機動作モードM0をとる。
【0075】
1実施態様において、制御ユニット5は、もしもユーザー指示が長時間の間生起しないと冬眠又は切断モードMXへの遷移のために用意されるところの時間切れ機能を有している。上で示されたように、別の動作モードM4、M5が、ユーザー指示の別の形態を提供し得、又は例えばメンテナンス目的をサポートしうる。
【0076】
本発明に従う飲料調製機器の異なる実施態様が、
図8を参照しつつ記載される。この実施態様において、制御ユニット5は、三次元物体30の画像を写像するように構成され、そしてユーザーは、写像された画像上の位置を指定することが可能である。選択モードM1において、飲料調製システムは、示された位置の指定から三次元物体上の地域を識別するように、且つ上記地域と関連する1以上の飲料レシピを選択するように構成されている。この場合、該三次元物体30は地球である。或る地域と関連する飲料レシピは、上記地域について伝統的である飲料用のレシピでありうる。地域は、例えば国である。関連する1以上の飲料レシピは、そのような国についての伝統的レシピでありうる。イタリア国は、例えばコーヒーレシピ、例えばルンゴ、エスプレッソ、及びラテマキアートと関連されうる。代わりに、地域は、それらの地域から原産される成分から調製されうる飲料と関連付けられうる。例えば、ロバストコーヒーは、サハラ以南のアフリカを指すことにより選択され得、またアラビカコーヒーは、アラビア半島を指すことにより選択されうる。代わりに、対応が、指された領域の自然環境でありうる。例えば、両極の1つのユーザーによる指示は、氷水の選択に対応しうる。状況91における実施例として、ユーザーはインドを指す。この国が指されていることを検出すると、制御ユニット5は、この国で最も普及している飲料のリストを提示し、そしてユーザーがその内の1つを選択することを可能にする。このような仕方で提供された選択可能な飲料は、例えば、
図6、6A、及び6Bを参照して記載されたグラフィカルユーザーインタフェースを用いて提示されうる。しかし代替が可能である。例えば、選択可能飲料は、番号付けられたリストにおいて提示され得、且つユーザーは、該飲料を選択するために番号を入れうる。状況92において、ユーザーは北極を指す。この地域は、唯一の対応する選択可能飲料、ここでは氷水を有しており、さらなる選択は不要であり、制御ユニットは、調節モードM2へ又は調製モードM3にさえもすぐに進むことができる。
【0077】
該地球30は、制御ユニットが接触感応パネル4上の物理的物体による接触点の動きを決定するように、及び写像を与えるように構成され、該三次元物体が軸の回りで回転させられ、その回転が該三次元物体の写像された表面を、接触点の動きの方向に対応する方向に移動させる点で、ユーザー制御可能な幾何学的配置を有している。例えば、もし方向xの動きが決定されると、制御ユニット5は、両極を貫く該軸の回りの回転を加えて、地球の写像された表面はまた方向xに移動される。
【0078】
別の実施態様において、該地球は固定された配向を有し得、又は該地球は連続的に回転されてもよい。
【0079】
図9は、本発明の実施態様における制御ユニット5をより詳しく示している。そのなかで、制御ユニットは、選択可能な飲料レシピの列およびこれら飲料レシピ視覚的に表示するための対応する画像データを記憶した記憶装置51を備えている。レシピは、要求された組成および各選択の調製の仕方を詳述している。レシピは、例えばルンゴ、エスプレッソ、マキアート、カプチーノ、ラテ、カフェオーレ、及びウインナーメランジュのために備えられうる。特性画像データは、ユーザーが様々なレシピを区別することを可能にする何らかの画像データであってもよい。短い記述が、例えばこれら飲料について用いられる慣習的名称でも、レシピを表示するために用いられうる、別の実施態様において、記憶装置は、参照テーブル511を記憶する。該参照テーブル511は、各地域のためにそれらに関連する1以上の飲料レシピを詳述する。或る地域に関連した飲料レシピは、例えば、伝統的な飲料又は該地域で入手可能な成分で調製されうる飲料についてのレシピである。
【0080】
制御ユニット5はさらに、画像データをスクリーン空間へ写像するように配設されている写像モジュール53を備えている。画像データは、例えば飲料レシピのリスト内の各飲料レシピに対応する画像データである。代わりに、写像されるべき画像データは三次元物体でありうる。該写像モジュール53は、モデル座標からスクリーン座標への座標変換をおこなうために、例えば専用ハードウェアの形で座標変換装置531を備えうる。制御ユニット5は、三次元物体の画像を写像するために、例えば専用変換装置531を有しうる。さらに、制御ユニット5は、表示パネル3を制御するために表示部制御ユニット54を備えている。
【0081】
制御ユニット5はさらに、指示された位置の動きを、例えばユーザーの指のスワイプ動きにより検出するために、検出モジュール52を備えている。1実施態様において、接触感応パネル4が接触されることが要求されうる。別の実施態様において、ユーザーの指が接触感応パネル4の表面の十分近くへ動くことで十分でありうる。
【0082】
制御ユニットは、スクリーン上の領域が選択されているかどうかを決定するために、且つこの領域に対応している対象物を、例えば、指された位置のスクリーン座標をレシピのリストを有する別の参照テーブルのインデックスと関連付ける参照テーブルを用いて識別するために、さらに識別モジュール55を備えている。該識別モジュール55は、画像データへ施された座標変換を考慮して逆座標変換を行ないうる。
【0083】
制御ユニットはさらに、制御信号Sc及び調製ユニット6から受信した状態情報を用いて飲料調製行程を制御するために、プロセス制御モジュール56を備えうる。
【0084】
飲料を調製するための発明に従う方法の1実施態様が、
図10に図式的に示されている。
【0085】
図10に示された第1工程に従い、飲料調製システムが準備される。該飲料調製システムは、単一の飲料調製機器1として準備されうる。しかし、代わりに、携帯可能な機器10と組み合わせた飲料調製機器1として準備されてもよい。そのような携帯機器は、ユーザープロファイル情報、例えば1日の各時間についての飲料調製機器の好まれる設定を備えうる。準備されるべき飲料調製機器1は(例えば、
図1、2、及び3に示されたように)、飲料を調製するための調製ユニット6、スクリーン空間を画定する表示パネル3、及びこれと一体化された接触感知パネル4を有している。該飲料調製機器1はさらに、接触感知パネル4から得られたユーザー案内で調製ユニットを制御するために、及び表示パネル3へ視覚的フィードバックを提供するために、制御ユニット5を有しうる。接触感知パネル4は、指された位置を示す位置信号xp、ypを生成するために配設され、且つさらに位置xp、ypでかけられた圧力を示す圧力信号ppを提供してもよい。
【0086】
図10の方法はさらに、工程S2、即ち、選択可能な飲料レシピに関する情報が記憶される、を備えている。飲料レシピ情報は、例えば、選択可能な飲料レシピの列として記憶され得、同様にこれらの飲料レシピを視覚的に表示するための対応する画像データも、記憶空間内に記憶されて維持される。例えば、飲料レシピR1・・Rn、及び画像データは、
図3、6A、及び6Bに示されたようにメモリ51内に記憶され、それは別の記憶装置から検索されてもよく、且つ例えばプログラム内に埋め込まれたデータとして備えられてもよい。代わりに又は加えて、飲料レシピR1・・Rn、及び対応する画像データは、該機器1のユーザーによって与えられてもよい。別の実施態様において、飲料レシピ情報は、三次元物体の表面との個々の地域を、選択が為されうる1以上のレシピに関連付けるところの、参照テーブル511内に記憶されうる。
【0087】
第3工程S3において、画像データは、ユーザーに利用可能な選択を可視化するためにスクリーン空間へ写像される。1実施態様において、各レシピの夫々の画像データは、スクリーン空間へ写像され、且つ例えば
図6、6A、及び6Bに示されたような、例えば列になっている飲料レシピの順序に対応する所定の順序でレシピ選択帯域の長さ方向に従って配設された写像位置での表示パネルの典型的には細長いレシピ選択帯域内の、各表示領域内にレシピ画像として表示される。別の実施態様において、三次元物体は、
図8に示されたようにスクリーン空間へ写像される。そこにおいて、三次元物体は、1以上のレシピの夫々の組に関連付けられるその表面上の領域を有している。また、別の実施態様では、画像データがレシピ名の一覧表であることも可能である。
【0088】
工程S4において、飲料レシピが、例えば、そのレシピ用のレシピ画像を備える細長い帯域内の表示領域を指すことによって、選択されたか否かが検出される。もしこれがケース(Y)であれば、制御の流れは工程S6に続き、別のケース(N)であれば制御の流れは工程S5に続く。あるいは、選択は、三次元物体上の領域の指示、場合によっては第2の選択過程、例えばメニュからの選択と組み合せた指示でありうる。
【0089】
工程S5において、接触感知表示パネル上の若しくは近くの物理的物体の動きが検出されるか否かが検出される。例えば、
図5のグラフィカルユーザーインタフェースにおける細長い帯域31の長さ方向に動きが生じたか否かが、工程S5において検出される。もし上記の動きが生じると、制御の流れは、工程S6で、検出された動きに従い画像レシピの写像位置を変化させることにより工程S3での写像のためにパラメータを適合した後、工程S3へ続く。その1実施例が、右へのスワイプ動きに起因した写像位置の変化を表示する
図6Aおよび6Bに示されている。その結果、レシピ画像の列はまた右へ動き、レシピ画像は1つの端、ここでは右で該細長い帯域から消え、そして別の端、ここでは左で現れる。代わりに、
図8で示されたユーザーインタフェースを有する実施態様において、接触感知表示パネル上の又は近くの物理的物体の検出は、三次元物体は軸の回りで回転され、該回転は該三次元物体の写像された表面の接触点の動きの方向に対応する方向への移動させるところの写像が提供されるという効果を有している。
【0090】
もし飲料レシピ、例えばR4が選択されたことが、工程S4で検出されると、ユーザーは、例えば調製される前に飲料レシピを微調整するために、工程S7で更なる入力を与えることが可能になる。このオプションは、
図6A〜6Dを参照してさらに示される。さらに特に、この工程において、表示パネルは、飲料レシピに対応する充填度3220を有する、及び少なくとも1つのソフトボタン324をその内部に有する、ホールダ322を表示する。少なくとも1つのソフトボタンは動きうる。このことはユーザーが調製されるべき飲料の特徴を、その制御方向におけるソフトボタンの位置に従い制御することを可能にする。ユーザーは、この仕方で制御されている特徴の設定を指示する追加情報を提供される。例として、以下のオプションの特徴が工程S7で利用可能でありうる。
【0091】
‐ ソフトボタンは、飲料内の成分の相対的貢献を制御するために第1制御方向に動くことができ、且つ追加情報は上記ホールダの充填度の表示である。
【0092】
‐ ソフトボタンは、成分の強さを制御するために第2制御方向に動くことができ、且つ追加情報は、その数がソフトボタンで制御される該強さに従い強く光を当てられるアイコンの行である。
【0093】
‐ ソフトボタンは、調製されるべき飲料の量を制御するために第3制御方向に動くことができ、且つ追加情報は該ホールダが充填されるところのレベルである。
【0094】
‐ ソフトボタンは、成分の組成を制御するために第4制御方向に動くことができ、且つ追加情報は、組成のグラフィカルな表示である。
【0095】
‐ ソフトボタンは、飲料の温度を制御するために第5制御方向に動くことができ、且つ追加情報は、温度のグラフィカルな表示である。
【0096】
ソフトボタンは、該ソフトボタンにより制御される1を超える特徴と関連付けられた制御方向が相互に異なっている、好ましくは互いに交叉するという条件で、該特徴を制御しうる。好ましくは、該同一ソフトボタンにより制御される複数の特徴は、相互に関連している。例えば、1の同一ソフトボタンは、該飲料の量と温度を制御するために用いられうる。この場合、それら両者が全体として該飲料に関することで、複数の特徴が相互に関連付けられている。例えば、1の同一ソフトボタンは、該飲料の成分の相対的貢献および該成分の強さを制御するために用いられうる。その場合、それら両者が該飲料の特定の成分に関することで、複数の特徴が相互に関連付けられている。
【0097】
工程S7に続いて又は工程S4の直後に、飲料は、工程S8において、飲料レシピに従い、且つ妥当する場合には上記更なるユーザー入力に従い調製される。調製方法は、
図7を参照して記載されるように様々な仕方で可視化されうる。
【0098】
本発明の1局面に従うと、コンピュータプログラムが用意され、それは該方法の該工程S3〜S7を実行する。該プログラムは、記録担体、例えばハードディスク、光ディスク、又はフラッシュメモリ上に記憶され、そして該装置の制御器5により実行されうる。
【0099】
代わりに、専用ハードウェアが用意され、それは該機器の部分又は全体を制御する。
【0100】
該制御ユニットの少なくとも部分的にプログラム可能な実装は、例えばユーザーとの相互作用を改良するために、関連するソフトウェアが容易に置き替えられうるという有利点を有する。該置き替えソフトウェアは、例えばインターネットを介してロードされうる。一方、視覚的情報の高速かつ効率的レンダリングは、グラフィックアクセラレータの形態での専用ハードウェアにより達成されうる。
【0101】
本発明は、実施例に基づき詳細に示され且つ図面及びこれまでの記載に記述されたけれども、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。開示された例示的な実施態様の別の変形例が、特許請求された発明を実施する際に、記載、図面、及び請求項に基づいて、当業者により理解されかつ使われうる。請求項において、「備えている」という用語は、他の要素または工程を除外するものではない。「或る」、「1の」という用語は、複数を除外するものではない。単一のプロセッサまたはユニットが、請求項に記載された様々な要素の複数の機能を実際に実行しうる。いくつかの特徴が相互に異なる請求項に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の好ましい組合せの可能性を排除するものではない。このように、例えば、該制御ユニットの様々な実施態様が、望まれるように同一の機器内で用いられることは想到可能である。請求項内の参照符号は、該請求の保護範囲を限定するものではないと理解される。