特許第6461162号(P6461162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許64611625−アリール−1−イミノ−1−オキソ−[1,2,4]チアジアジン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461162
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】5−アリール−1−イミノ−1−オキソ−[1,2,4]チアジアジン
(51)【国際特許分類】
   C07D 513/04 20060101AFI20190121BHJP
   A61K 31/554 20060101ALI20190121BHJP
   A61K 31/542 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20190121BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   C07D513/04 371
   C07D513/04 391
   C07D513/04CSP
   A61K31/554
   A61K31/542
   A61P43/00 105
   A61P25/28
   A61P21/00
   A61P7/02
   A61P37/06
   A61P29/00
   A61P35/00
   A61P9/00
   A61P9/10
   A61P17/00
   A61P43/00
   A61P1/00
   A61P25/00
   A61P25/14
   A61P37/02
   A61P19/02
   A61P29/00 101
【請求項の数】18
【全頁数】106
(21)【出願番号】特願2016-541590(P2016-541590)
(86)(22)【出願日】2014年12月17日
(65)【公表番号】特表2017-500344(P2017-500344A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】EP2014078133
(87)【国際公開番号】WO2015091595
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年12月11日
(31)【優先権主張番号】13198700.0
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】グーバ,ヴォルフガンク
(72)【発明者】
【氏名】ハープ,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】クグルスタッター,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】オプスト・ザンダー,ウルリケ
(72)【発明者】
【氏名】ペータース,イエンス−ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルムート,ロゲール
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルテリング,トーマス
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/028670(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/138734(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/138590(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00−521/00
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I’:
【化105】

[式中、
は、
i)C1−6−アルキル、及び
ii)ハロゲン−C1−6−アルキル
からなる群より選択され;
は、
i)水素、
ii)ハロゲン、
iii)−NH−C(=O)−R
iv)アリール、
v)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で置換されているアリール、
vi)ヘテロアリール、
vii)Rより個々に選択される1〜3個の置換基で置換されているヘテロアリール、及び
viii)−C≡C−R
からなる群より選択され;
は、ハロゲンであり;
は、
i)ヘテロアリール、及び
ii)Rより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)アリール、
ii)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているアリール、
iii)ヘテロアリール、及び
iv)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)シアノ、
ii)ハロゲン、
iii)C1−6−アルキル、
iv)ハロゲン−C1−6−アルキル、
v)C2−6−アルキニル−O−、
vi)ヘテロアリール、及び
vii)シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルコキシ及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)ハロゲン、及び
ii)ハロゲン−C1−6−アルキル
からなる群より選択され;
mは、1又は2であり;
nは、0又は1であり、そして
pは、0、1又は2である]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
pが0である、請求項1記載の式I’の化合物。
【請求項3】
式I:
【化106】

[式中、
は、
i)C1−6−アルキル、及び
ii)ハロゲン−C1−6−アルキル
からなる群より選択され;
は、
i)水素、
ii)ハロゲン、
iii)−NH−C(=O)−R
iv)アリール、
v)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で置換されているアリール、
vi)ヘテロアリール、
vii)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で置換されているヘテロアリール、及び
viii)−C≡C−R
からなる群より選択され;
は、ハロゲンであり;
は、
i)ヘテロアリール、及び
ii)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)ヘテロアリール、及び
ii)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
mは、1又は2であり;そして
nは、0又は1である]で示される化合物である、請求項1〜2のいずれか一項記載の式I’の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項4】
式Ia:
【化107】

[式中、R、R及びmは、請求項1に記載のとおりである]で示される化合物である、請求項1〜3のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項5】
mが2である、請求項1〜4のいずれか一項記載の式I’の化合物。
【請求項6】
がメチルである、請求項1〜5のいずれか一項記載の式I’の化合物。
【請求項7】
が−NH−C(=O)−Rである、請求項1〜6のいずれか一項記載の式I’の化合物。
【請求項8】
がシアノで場合により置換されているヘテロアリールである、請求項1〜7のいずれか一項記載の式I’の化合物。
【請求項9】
がシアノで場合により置換されているヘテロアリールである、請求項1〜6のいずれか一項記載の式I’の化合物。
【請求項10】
が−C≡C−Rである、請求項1〜6のいずれか一項記載の式I’の化合物。
【請求項11】
が、ハロゲン及びハロゲン−C1−6−アルキルで場合により置換されているヘテロアリールである、請求項1〜6又は10のいずれか一項記載の式I’の化合物。
【請求項12】
下記:
(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aRS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aSR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル、
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ6−チア2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
(9R,11R)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
(9R,11S)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
6−(4−(3−((9R,11S)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ニコチノニトリル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
4−((3−((9R,11R)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)エチニル)ベンゾニトリル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
(9R,11R)−7−アミノ−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
(9R,11S)−7−アミノ−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
(9R,11R)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−フルオロ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
N−(3−((2S,9R)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド、及び
N−(3−((8R)−6−アミノ−3,3−ジフルオロ−8−メチル−10−オキシド−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン−8−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド
からなる群より選択される、請求項1〜11のいずれか一項記載の式I’の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項13】
下記:
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aR)−3−[5−(4−クロロ−1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−イルエチニル)−2−フルオロ−フェニル]−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−[5−(4−クロロ−1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−イルエチニル)−2−フルオロ−フェニル]−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
5−[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア 2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル、
5−[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλチア 2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aRS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aSR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
からなる群より選択される、請求項1〜12のいずれか一項記載の式Iの化合物。
【請求項14】
治療活性物質としての使用のための、請求項1〜13のいずれかに記載の式I’の化合物。
【請求項15】
上昇したβ−アミロイドレベル及び/又はβ−アミロイドオリゴマー及び/又はβ−アミロイド斑及び更には沈着を特徴とする疾患及び障害の、あるいはアルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置のための治療活性物質としての使用のための、請求項1〜13記載の式I’の化合物。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれかに記載の式I’の化合物ならびに薬学的に許容し得る担体及び/又は薬学的に許容し得る補助物質を含む、医薬組成物。
【請求項17】
アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置用の医薬の製造のための、請求項1〜13のいずれかに記載の式I’の化合物の使用。
【請求項18】
アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置における使用のための、請求項16記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
アルツハイマー病(AD)は、中枢神経系の神経変性障害であり、そして高齢者人口における進行性認知症の主な原因である。その臨床症状は、記憶、認識、時間及び場所の見当識、判断力ならびに論理的思考の機能障害であるが、また重度の情緒障害でもある。現在のところ、この疾患又はその進行を防ぐか、あるいは、その臨床症状を安定に回復させることができる処置法は存在しない。ADは、高い平均余命を持つ全ての社会において主要な健康問題になっており、またその医療制度にとって重大な経済的負担にもなっている。
【0002】
ADは、中枢神経系(CNS)における2つの主要な病理である、アミロイド斑及び神経原線維変化の発生を特徴とする(Hardy et al., The amyloid hypothesis of Alzheimer's disease: progress and problems on the road to therapeutics, Science. 2002 Jul 19;297(5580):353-6, Selkoe, Cell biology of the amyloid beta-protein precursor and the mechanism of Alzheimer's disease, Annu Rev Cell Biol. 1994;10:373-403)。両方の病理はまた、ダウン症候群(21トリソミー)の患者においても共通に観察されるが、これらの患者も若年期にAD様症状を呈する。神経原線維変化は、微小管結合タンパク質タウ(MAPT)の細胞内凝集体である。アミロイド斑は、細胞外空間に存在し;その主成分は、Aβ−ペプチドである。後者は、β−アミロイド前駆体タンパク質(APP)から一連のタンパク分解切断工程により誘導される、タンパク分解断片の一群である。APPの幾つかの型が同定されており、その中で最も豊富なものは、695、751及び770アミノ酸長のタンパク質である。これらは全て、単一遺伝子からディファレンシャルスプライシングにより生じる。Aβ−ペプチドは、APPの同じドメインから誘導されるが、そのN−及びC−末端が異なり、その主要な種は40及び42アミノ酸長のものである。凝集Aβ−ペプチドがADの病理発生における必須の分子であることを強く示唆する幾つかの証拠が存在する:1)Aβ−ペプチドから形成されたアミロイド斑は、AD病理の不変部分である;2)Aβ−ペプチドは、ニューロンに対して毒性がある;3)家族性アルツハイマー病(FAD)において、疾患遺伝子のAPP、PSN1、PSN2における突然変異は、Aβ−ペプチドのレベルの上昇及び早期の脳アミロイドーシスをもたらす;4)このようなFAD遺伝子を発現するトランスジェニックマウスは、ヒトの疾患と多くの類似点を持つ病理を呈する。Aβ−ペプチドは、β−及びγ−セクレターゼと呼ばれる2種のタンパク質分解酵素の連続作用によりAPPから生成される。β−セクレターゼは、最初にAPPの細胞外ドメインにおいて、膜貫通ドメイン(TM)の外側約28アミノ酸を切断することによって、TM−及び細胞質ドメインを含有するAPPのC−末端断片(CTFβ)を生成する。CTFβは、γ−セクレターゼの基質であり、これが、TM内の幾つかの隣接位置で切断することにより、Aβペプチド及び細胞質断片を生成する。γ−セクレターゼは、少なくとも4種の異なるタンパク質の複合体であり、その触媒サブユニットは、プレセニリンタンパク質(PSEN1、PSEN2)の可能性が高い。β−セクレターゼ(BACE1、Asp2;BACEは、β−部位APP切断酵素を表す)は、膜貫通ドメインにより膜中に固定されているアスパルチルプロテアーゼである(Vassar et al., Beta-secretase cleavage of Alzheimer's amyloid precursor protein by the transmembrane aspartic protease BACE, Science. 1999 Oct 22;286(5440):735)。これは、人体の多くの組織において発現するが、そのレベルは、CNSにおいて特に高い。マウスにおけるBACE1遺伝子の遺伝子除去によって、その活性はAβ−ペプチドの生成をもたらすAPPのプロセシングにとって不可欠であり、BACE1の非存在下ではAβ−ペプチドが生成されないことが明確に示された(Luo et al., Mice deficient in BACE1, the Alzheimer's beta-secretase, have normal phenotype and abolished beta-amyloid generation, Nat Neurosci. 2001 Mar;4(3):231-2, Roberds et al., BACE knockout mice are healthy despite lacking the primary beta-secretase activity in brain: implications for Alzheimer's disease therapeutics, Hum Mol Genet. 2001 Jun 1;10(12):1317-24)。ヒトAPP遺伝子を発現するように遺伝子操作されており、かつ老化過程で広範なアミロイド斑及びアルツハイマー病様病理を呈するマウスは、BACE1対立遺伝子の1つの遺伝子除去によりβ−セクレターゼ活性が減少すると、そういった病理を呈することがない(McConlogue et al., Partial reduction of BACE1 has dramatic effects on Alzheimer plaque and synaptic pathology in APP Transgenic Mice. J Biol Chem. 2007 Sep 7;282(36):26326)。よって、BACE1活性の阻害剤は、アルツハイマー病(AD)における治療的介入のために有用な物質となることができることが推測される。
【0003】
更に、神経組織(例えば、脳)内、神経組織上又は神経組織周囲のβ−アミロイドペプチドの形成、又は形成及び沈着は、本化合物により阻害(すなわち、APP又はAPP断片からのAβ産生の阻害)される。
【0004】
BACE1の阻害剤は、更に以下の疾患の処置するために使用することができる: IBM(封入体筋炎)(Vattemi G. et al., Lancet. 2001 Dec 8;358(9297):1962-4)、ダウン症候群(Barbiero L. et al, Exp Neurol. 2003 Aug;182(2):335-45)、ウィルソン病(Sugimoto I. et al., J Biol Chem. 2007 Nov 30;282(48):34896-903)、ウィップル病(Desnues B. et al., Clin Vaccine Immunol. 2006 Feb;13(2):170-8)、脊髄小脳失調症1及び脊髄小脳失調症7(Gatchel J.R. et al., Proc Natl Acad Sci U S A 2008 Jan 29;105(4):1291-6)、皮膚筋炎(Greenberg S.A. et al., Ann Neurol. 2005 May;57(5):664-78 and Greenberg S.A. et al., Neurol 2005 May;57(5):664-78)、カポジ肉腫(Lagos D. et al, Blood, 2007 Feb 15; 109(4):1550-8)、多形神経膠芽腫(E-MEXP-2576,http://www.ebi.ac.uk/microarray-as/aer/result?queryFor=PhysicalArrayDesign&aAccession=A-MEXP-258)、関節リウマチ(Ungethuem U. et al, GSE2053)、筋萎縮性側索硬化症(Koistinen H. et al., Muscle Nerve. 2006 Oct;34(4):444-50 and Li Q.X. et al, Aging Cell. 2006 Apr;5(2):153-65)、ハンチントン病((Kim Y.J. et al., Neurobiol Dis. 2006 May;22(2):346-56. Epub 2006 Jan 19 and Hodges A. et al., Hum Mol Genet. 2006 Mar 15;15(6):965-77. Epub 2006 Feb 8)、多発性骨髄腫(Kihara Y. et al, Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 Dec 22;106(51):21807-12)、悪性黒色腫(Talantov D. et al, Clin Cancer Res. 2005 Oct 15;11(20):7234-42)、シェーグレン症候群(Basset C. et al., Scand J Immunol. 2000 Mar;51(3):307-11)、エリテマトーデス(Grewal P.K. et al, Mol Cell Biol. 2006, Jul;26(13):4970-81)、マクロファージ筋膜炎、若年性特発性関節炎、肉芽腫性関節炎、乳癌(Hedlund M. et al, Cancer Res. 2008 Jan 15;68(2):388-94 and Kondoh K. et al., Breast Cancer Res Treat. 2003 Mar;78(1):37-44)、胃腸疾患(Hoffmeister A. et al, JOP. 2009 Sep 4;10(5):501-6)、自己免疫性/炎症性疾患(Woodard-Grice A.V. et al., J Biol Chem. 2008 Sep 26;283(39):26364-73. Epub 2008 Jul 23)、関節リウマチ(Toegel S. et al, Osteoarthritis Cartilage. 2010 Feb;18(2):240-8. Epub 2009 Sep 22)、炎症反応(Lichtenthaler S.F. et al., J Biol Chem. 2003 Dec 5;278(49):48713-9. Epub 2003 Sep 24)、動脈血栓症(Merten M. et al., Z Kardiol. 2004 Nov;93(11):855-63)、心血管疾患、例えば心筋梗塞及び卒中(Maugeri N. et al., Srp Arh Celok Lek. 2010 Jan;138 Suppl 1:50-2)及びグレーブス病((Kiljanski J. et al, Thyroid. 2005 Jul;15(7):645-52)。
【0005】
本発明は、式I’で示される新規な化合物、その製造、本発明による化合物に基づく医薬及びその生産、ならびにアルツハイマー病のような疾病の制御又は予防における式I’で示される化合物の使用を提供する。更に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、動脈血栓症、自己免疫性/炎症性疾患、癌(例えば、乳癌)、心血管疾患(例えば、心筋梗塞及び卒中)、皮膚筋炎、ダウン症候群、胃腸疾患、多形神経膠芽腫、グレーブス病、ハンチントン病、封入体筋炎(IBM)、炎症反応、カポジ肉腫、コストマン疾患、エリテマトーデス、マクロファージ筋膜炎、若年性特発性関節炎、肉芽腫性関節炎、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、関節リウマチ、シェーグレン症候群、脊髄小脳失調症1、脊髄小脳失調症7、ウィップル病及びウィルソン病の処置における式I’の化合物の使用。式I’の新規な化合物は、改善された薬理学的特性を有する。
【0006】
発明の分野
本発明は、BACE1阻害特性を有する5−アリール−1−イミノ−1−オキソ−[1,2,4]チアジアジン、その製造、それを含有する医薬組成物及び治療活性物質としてのその使用を提供する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、式I’:
【化1】

[式中、置換基及び変数は、以下及び特許請求項の範囲に記載されるとおりである]で示される化合物又は薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0008】
本化合物は、Asp2(β−セクレターゼ、BACE1又はメマプシン−2)阻害活性を有しており、そのため上昇したβ−アミロイドレベル及び/又はβ−アミロイドオリゴマー及び/又はβ−アミロイド斑及び更には沈着を特徴とする疾患及び障害の、特にアルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置において使用し得る。
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、式I’の化合物及びその薬学的に許容し得る塩、上記化合物の調製、それを含有する医薬及びその製造、ならびにアルツハイマー病のようなBACE1の阻害に関連する疾患及び障害の治療的及び/又は予防的処置における上記化合物の使用を提供する。更には、神経組織(例えば、脳)内、神経組織上又は神経組織周囲のβ−アミロイド斑の形成、又は形成及び沈着は、APP又はAPP断片からのAβ産生を阻害することにより、本化合物によって阻害される。
【0010】
本説明で使用される一般用語の以下の定義は、問題の用語が単独で出現するか又は他の基との組合せで出現するかに関わらず適用される。
【0011】
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲を含む本出願において使用される以下の用語は、下記の定義を有する。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に他のことを示していない限り、複数形の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0012】
用語「C1−6−アルキル」は、単独で又は他の基との組合せで、直鎖状又は分岐鎖状(単一分岐又は多分岐)であり得る炭化水素基(ここで、該アルキル基は一般に、1〜6個の炭素原子を含有する)、例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル、イソプロピル(i−プロピル)、n−ブチル、i−ブチル(イソブチル)、2−ブチル(sec−ブチル)、t−ブチル(tert−ブチル)、イソペンチル、2−エチル−プロピル(2−メチル−プロピル)、1,2−ジメチル−プロピルなどを表す。特定の「C1−6−アルキル」は、「C1−3−アルキル」である。明確な基は、メチル及びエチルである。最も明確には、メチルである。
【0013】
用語「ハロゲン−C1−6−アルキル」は、単独で又は他の基との組合せで、1個又は複数個のハロゲン、特に1〜5個のハロゲン、より特に1〜3個のハロゲンで置換されている、本明細書で定義されているC1−6−アルキルを指す。特定のハロゲンは、フルオロである。特定の「ハロゲン−C1−6−アルキル」は、フルオロ−C1−6−アルキルであり、特定の「ハロゲン−C1−3−アルキル」は、フルオロ−C1−3−アルキルである。例は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチルなどである。例は、CHF、CFなどである。
【0014】
用語「シアノ」は、単独で又は他の基との組合せで、N≡C−(NC−)を指す。
【0015】
用語「ハロゲン」は、単独で又は他の基との組合せで、クロロ(Cl)、ヨード(I)、フルオロ(F)及びブロモ(Br)を示す。特定の「ハロゲン」は、Cl、I及びFである。明確な基は、Fである。
【0016】
用語「ヘテロアリール」は、単独で又は他の基との組合せで、6〜14個、特に6〜10個の環原子を含み、かつ、N、O及びS、特に1N又は2Nから個々に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する、単一の4員〜8員環、特に5員〜8員環、又は複数の縮合環を有する、芳香族炭素環基(その基において、少なくとも1つの複素環は、芳香族である)を指す。「ヘテロアリール」の例は、ベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、1H−ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、フリル、イミダゾリル、インダゾリル、1H−インダゾリル、インドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル(ピラジル)、1H−ピラゾリル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル(ピリミジル)、ピロリル、キノリニル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、6,7−ジヒドロ−5H−[1]ピリジニルなどを含む。特定の「ヘテロアリール」は、ピリジニル、ピリミジル、イソオキサゾリル、1,2,3−トリアゾリル及び1H−ピラゾリルである。明確な「ヘテロアリール」は、ピリジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、イソオキサゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル及び1H−ピラゾール−3−イルである。
【0017】
用語「シアノ−ヘテロアリール」は、単独で又は他の基との組合せで、1個又は複数個のシアノ基、特に1個のシアノ基で置換されている、本明細書で定義されている「ヘテロアリール」基を指す。
【0018】
用語「C1−6−アルコキシ」は、単独で又は他の基との組合せで、直鎖状又は分岐鎖状(単一分岐又は多分岐)であり得る−O−C1−6−アルキル基(ここで、該アルキル基は一般に、1〜6個の炭素原子を含有する)、例えば、メトキシ(OMe、MeO)、エトキシ(OEt)、プロポキシ、イソプロポキシ(i−プロポキシ)、n−ブトキシ、i−ブトキシ(イソ−ブトキシ)、2−ブトキシ(sec−ブトキシ)、t−ブトキシ(tert−ブトキシ)、イソペンチルオキシ(i−ペンチルオキシ)などを表す。特定の「C1−6−アルコキシ」基は、1〜4個の炭素原子を有する(「C1−4−アルコキシ」)。明確な基は、OMeである。
【0019】
用語「ハロゲン−C1−6−アルコキシ」は、単独で又は他の基との組合せで、1個又は複数個のハロゲンで置換されている、本明細書において定義されている−O−C1−6−アルコキシを表す。特定の「ハロゲン−C1−6−アルコキシ」は、「フルオロ−C1−6−アルコキシ」である。例は、−O−CH−CHF、−O−CH−CF、−O−CFなどである。
【0020】
用語「C2−6−アルキニル」は、単独で又は他の基との組合せで、少なくとも1つの三重結合を含む、2〜6個の炭素原子の一価の直鎖状炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の一価の分岐鎖状炭化水素基、例えば、エチニル、プロピニルなどを指す。
【0021】
用語「薬学的に許容し得る塩」は、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するために適した塩を指す。無機及び有機酸との適切な塩の例は、酢酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、塩酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸、硫酸(sulfuric acid (sulphuric acid))、酒石酸、トリフルオロ酢酸などであるが、これらに限定されない。特定の酸は、ギ酸、トリフルオロ酢酸及び塩酸である。明確な酸は、塩酸、トリフルオロ酢酸及びフマル酸である。
【0022】
用語「薬学的に許容し得る担体」及び「薬学的に許容し得る補助物質」は、製剤のその他の成分と相容れる、希釈剤又は賦形剤のような担体及び補助物質を指す。
【0023】
用語「医薬組成物」は、具体的な成分を所定の量又は割合で含む製品、ならびに具体的な量で具体的な成分を合わせることにより直接又は間接的に生じる任意の製品を包含する。特に、1種以上の活性成分、及び不活性成分を含む任意選択の担体を含む製品、ならびに任意の2種以上の成分の、組合せ、複合体形成若しくは凝集により、又は1種以上の成分の解離により、又は1種以上の成分の他のタイプの反応若しくは相互作用により、直接又は間接的に生じる任意の製品を包含する。
【0024】
用語「阻害剤」は、特定のリガンドの特定の受容体への結合と競合し、その結合を減少させる又は妨害するか、あるいは特定のタンパク質の機能の阻害を減少させる又は妨害する化合物を示す。
【0025】
用語「半最大阻害濃度」(IC50)は、インビトロで生物学的方法の50%阻害を得るために必要な特定の化合物の濃度を示す。IC50値は、pIC50値(−log IC50)に対数変換することができ、ここで、より高い値は、指数関数的により大きい効力を示す。IC50値は絶対値ではなく、実験条件、例えば、用いられる濃度に依存する。IC50値は、Cheng-Prusoff式(Biochem. Pharmacol. (1973) 22:3099)を使用して、絶対阻害定数(Ki)に変換することができる。用語「阻害定数」(Ki)は、ある受容体に対する特定の阻害剤の絶対結合親和性を示す。これは、競合結合アッセイを使用して測定され、競合リガンド(例えば、放射性リガンド)が存在しない場合に、特定の阻害剤が受容体の50%を占める濃度に等しい。Ki値は、pKi値(−log Ki)に対数変換することができ、ここで、より高い値は、指数関数的により大きい効力を示す。
【0026】
「治療有効量」は、疾患状態を処置するために対象に投与される場合、疾患状態についてそのような処置を行うために十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、処置されている疾患状態、処置される疾患の重篤度、対象の年齢及び相対的な健康状態、投与の経路及び形態、診察にあたる医師又は獣医の判断、ならびに他の要因に応じて変化する。
【0027】
用語「本明細書に定義されている」及び「本明細書に記載されている」は、変数について言及する場合、その変数の広い定義、ならびに存在するならば、特に、より特に及び最も特にの定義を、その言及によって包含する。
【0028】
用語「処理する」、「接触させる」及び「反応させる」は、化学反応について言及する場合、2つ以上の試薬を、適切な条件下で加える又は混合して、表示及び/又は所望の生成物を生成することを意味する。表示及び/又は所望の生成物を生成する反応が、最初に加えられた2つの試薬を組み合わせた直接の結果である必要はないこと、すなわち混合物中に生成される1つ以上の中間体が存在し得、最終的にそれが表示及び/又は所望の生成物の形成をもたらすことを理解すべきである。
【0029】
用語「芳香族」は、文献、特にIUPAC(国際純正・応用化学連合)− Compendium of Chemical Terminology, 2nd, A. D. McNaught & A. Wilkinson (Eds). Blackwell Scientific Publications, Oxford (1997)に定義されているような芳香族性の慣用の概念を示す。
【0030】
用語「薬学的に許容し得る賦形剤」は、医薬品の製剤化において使用される、治療活性を有さず、かつ無毒である任意の成分、例えば、崩壊剤、結合剤、充填剤、溶媒、緩衝剤、等張化剤、安定剤、抗酸化剤、界面活性剤又は滑沢剤を示す。
【0031】
化学構造内にキラル炭素が存在する場合は常に、そのキラル炭素に関連する全ての立体異性体が、純粋な立体異性体ならびにそれらの混合物として、その構造に包含されることが意図される。
【0032】
本発明はまた、医薬組成物、上記化合物の使用方法及び調製方法を提供する。
【0033】
全ての別々の実施態様は、組み合わせてもよい。
【0034】
本発明の一つの実施態様は、式I’:
【化2】

[式中、
は、
i)C1−6−アルキル、及び
ii)ハロゲン−C1−6−アルキル
からなる群より選択され;
は、
i)水素、
ii)ハロゲン、
iii)−NH−C(=O)−R
iv)アリール、
v)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で置換されているアリール、
vi)ヘテロアリール、
vii)Rより個々に選択される1〜3個の置換基で置換されているヘテロアリール、及び
viii)−C≡C−R
からなる群より選択され;
は、ハロゲンであり;
は、
i)ヘテロアリール、及び
ii)Rより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)アリール、
ii)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているアリール、
iii)ヘテロアリール、及び
iv)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)シアノ、
ii)ハロゲン、
iii)C1−6−アルキル、
iv)ハロゲン−C1−6−アルキル、
v)C2−6−アルキニル−O−、
vi)ヘテロアリール、及び
vii)シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルコキシ及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)ハロゲン、及び
ii)ハロゲン−C1−6−アルキル
からなる群より選択され;
mは、1又は2であり;
nは、0又は1であり、そして
pは、0、1又は2である]で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0035】
本発明の特定の実施態様は、pが0である、式I’の化合物を提供する。
【0036】
本発明の特定の実施態様は、Rがフルオロであり、そしてpが2である、式I’の化合物を提供する。
【0037】
本発明の特定の実施態様は、RがCFであり、そしてpが1である、式I’の化合物を提供する。
【0038】
本発明の特定の実施態様は、式I:
【化3】

[式中、
は、
i)C1−6−アルキル、及び
ii)ハロゲン−C1−6−アルキル
からなる群より選択され;
は、
i)水素、
ii)ハロゲン、
iii)−NH−C(=O)−R
iv)アリール、
v)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で置換されているアリール、
vi)ヘテロアリール、
vii)Rより個々に選択される1〜3個の置換基で置換されているヘテロアリール、及び
viii)−C≡C−R
からなる群より選択され;
は、ハロゲンであり;
は、
i)ヘテロアリール、及び
ii)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)アリール、
ii)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているアリール、
iii)ヘテロアリール、及び
iv)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
は、
i)シアノ、
ii)ハロゲン、
iii)C1−6−アルキル、
iv)ハロゲン−C1−6−アルキル、
v)ヘテロアリール、及び
vi)シアノ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロゲン−C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルコキシ及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
mは、1又は2であり;そして
nは、0又は1である]で示される化合物である、式I’の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0039】
本発明の特定の実施態様は、
が、
i)C1−6−アルキル、及び
ii)ハロゲン−C1−6−アルキル
からなる群より選択され;
が、
i)水素、
ii)ハロゲン、
iii)−NH−C(=O)−R
iv)アリール、
v)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で置換されているアリール、
vi)ヘテロアリール、
vii)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で置換されているヘテロアリール、及び
viii)−C≡C−R
からなる群より選択され;
が、ハロゲンであり;
が、
i)ヘテロアリール、及び
ii)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
が、
i)ヘテロアリール、及び
ii)シアノ、C1−6−アルキル、ハロゲン−C1−6−アルキル及びハロゲンより個々に選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているヘテロアリール
からなる群より選択され;
mが、0、1、2又は3であり;そして
nが、0又は1である、
本明細書に記載されている式I’の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0040】
本発明の特定の実施態様は、mが2であり、nが1であり、RがC1−6−アルキルであり、RがH、ハロゲン、−NH−C(=O)−R、−C≡C−R、シアノ−ヘテロアリール又はヘテロアリールであり、Rがハロゲンであり、Rがシアノ−ヘテロアリールであり、そしてRがハロゲン及びハロゲン−C1−6−アルキルで置換されているヘテロアリールである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0041】
本発明の特定の実施態様は、mが2であり、nが1であり、Rがメチルであり、RがH、I、−NH−C(=O)−R、−C≡C−R、シアノ−ピリジル又はピリミジルであり、RがFであり、Rがシアノ−ピリジルであり、そしてRがクロロ−ジフルオロメチル−1H−ピラゾリルである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0042】
本発明の特定の実施態様は、式Ia:
【化4】

[式中、R、R及びmは、請求項1に記載のとおりである]で示される化合物である、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0043】
本発明の特定の実施態様は、mが2である、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0044】
本発明の特定の実施態様は、RがC1−6−アルキルである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0045】
本発明の特定の実施態様は、Rがメチルである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0046】
本発明の特定の実施態様は、Rが−NH−C(=O)−Rである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0047】
本発明の特定の実施態様は、Rがシアノで場合により置換されているヘテロアリールである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0048】
本発明の特定の実施態様は、Rがシアノ−ヘテロアリールである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0049】
本発明の特定の実施態様は、Rがシアノ−ピリジルである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0050】
本発明の特定の実施態様は、Rがシアノで場合により置換されているヘテロアリールである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0051】
本発明の特定の実施態様は、Rがシアノ−ヘテロアリール又はヘテロアリールである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0052】
本発明の特定の実施態様は、Rが5−シアノ−ピリジニル又はピリミジルである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0053】
本発明の特定の実施態様は、Rが−C≡C−Rである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0054】
本発明の特定の実施態様は、Rがハロゲン及びハロゲン−C1−6−アルキルで場合により置換されているヘテロアリールである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0055】
本発明の特定の実施態様は、Rがハロゲン及びハロゲン−C1−6−アルキルで置換されているヘテロアリールである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0056】
本発明の特定の実施態様は、Rがクロロ−ジフルオロメチル−1H−ピラゾリルである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0057】
本発明の特定の実施態様は、RがHである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0058】
本発明の特定の実施態様は、Rがハロゲンである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0059】
本発明の特定の実施態様は、RがIである、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0060】
本発明の特定の実施態様は、下記:
(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aRS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aSR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル、
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ6−チア2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
(9R,11R)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
(9R,11S)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
6−(4−(3−((9R,11S)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ニコチノニトリル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
4−((3−((9R,11R)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)エチニル)ベンゾニトリル 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
(9R,11R)−7−アミノ−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
(9R,11S)−7−アミノ−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
(9R,11R)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロ酢酸塩、
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−フルオロ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
N−(3−((2S,9R)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド、及び
N−(3−((8R)−6−アミノ−3,3−ジフルオロ−8−メチル−10−オキシド−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン−8−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド
からなる群より選択される、本明細書に記載されている式I’の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0061】
本発明の特定の実施態様は、下記:
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aR)−3−[5−(4−クロロ−1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−イルエチニル)−2−フルオロ−フェニル]−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3R,4aS)−3−[5−(4−クロロ−1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−イルエチニル)−2−フルオロ−フェニル]−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン、
5−[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア 2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル、
5−[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλチア 2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aRS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド、及び
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aSR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
からなる群より選択される、本明細書に記載されている式Iの化合物を提供する。
【0062】
本発明の特定の実施態様は、本明細書に記載されている方法により調製される、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0063】
本発明の特定の実施態様は、治療活性物質としての使用のための、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0064】
本発明の特定の実施態様は、BACE1活性の阻害剤としての使用のための、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0065】
本発明の特定の実施態様は、上昇したβ−アミロイドレベル及び/又はβ−アミロイドオリゴマー及び/又はβ−アミロイド斑及び更には沈着を特徴とする疾患及び障害の、あるいはアルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置のための治療活性物質としての使用のための、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0066】
本発明の特定の実施態様は、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置のための治療活性物質としての使用のための、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0067】
本発明の特定の実施態様は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、動脈血栓症、自己免疫性/炎症性疾患、癌(例えば、乳癌)、心血管疾患(例えば、心筋梗塞及び卒中)、皮膚筋炎、ダウン症候群、胃腸疾患、多形神経膠芽腫、グレーブス病、ハンチントン病、封入体筋炎(IBM)、炎症反応、カポジ肉腫、コストマン疾患、エリテマトーデス、マクロファージ筋膜炎、若年性特発性関節炎、肉芽腫性関節炎、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、関節リウマチ、シェーグレン症候群、脊髄小脳失調症1、脊髄小脳失調症7、ウィップル病又はウィルソン病の治療的及び/又は予防的処置のための治療活性物質としての使用のための、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0068】
本発明の特定の実施態様は、本明細書に記載されている式I’の化合物ならびに薬学的に許容し得る担体及び/又は薬学的に許容し得る補助物質を含む、医薬組成物を提供する。
【0069】
本発明の特定の実施態様は、BACE1活性の阻害における使用のための医薬の製造のための、本明細書に記載されている式I’の化合物の使用を提供する。
【0070】
本発明の特定の実施態様は、上昇したβ−アミロイドレベル及び/又はβ−アミロイドオリゴマー及び/又はβ−アミロイド斑及び更には沈着を特徴とする疾患及び障害の、あるいはアルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置用の医薬の製造のための、本明細書に記載されている式I’の化合物の使用を提供する。
【0071】
本発明の特定の実施態様は、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置用の医薬の製造のための、本明細書に記載されている式I’の化合物の使用を提供する。
【0072】
本発明の特定の実施態様は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、動脈血栓症、自己免疫性/炎症性疾患、癌(例えば、乳癌)、心血管疾患(例えば、心筋梗塞及び卒中)、皮膚筋炎、ダウン症候群、胃腸疾患、多形神経膠芽腫、グレーブス病、ハンチントン病、封入体筋炎(IBM)、炎症反応、カポジ肉腫、コストマン疾患、エリテマトーデス、マクロファージ筋膜炎、若年性特発性関節炎、肉芽腫性関節炎、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、関節リウマチ、シェーグレン症候群、脊髄小脳失調症1、脊髄小脳失調症7、ウィップル病又はウィルソン病の治療的及び/又は予防的処置用の医薬の製造のための、本明細書に記載されている式I’の化合物の使用を提供する。
【0073】
本発明の特定の実施態様は、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置用の医薬の製造のための、本明細書に記載されている式I’の化合物の使用を提供する。
【0074】
本発明の特定の実施態様は、BACE1活性の阻害における使用のための、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0075】
本発明の特定の実施態様は、上昇したβ−アミロイドレベル及び/又はβ−アミロイドオリゴマー及び/又はβ−アミロイド斑及び更には沈着を特徴とする疾患及び障害の、あるいはアルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置における使用のための、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0076】
本発明の特定の実施態様は、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置における使用のための、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0077】
本発明の特定の実施態様は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、動脈血栓症、自己免疫性/炎症性疾患、癌(例えば、乳癌)、心血管疾患(例えば、心筋梗塞及び卒中)、皮膚筋炎、ダウン症候群、胃腸疾患、多形神経膠芽腫、グレーブス病、ハンチントン病、封入体筋炎(IBM)、炎症反応、カポジ肉腫、コストマン疾患、エリテマトーデス、マクロファージ筋膜炎、若年性特発性関節炎、肉芽腫性関節炎、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、関節リウマチ、シェーグレン症候群、脊髄小脳失調症1、脊髄小脳失調症7、ウィップル病又はウィルソン病の治療的及び/又は予防的処置における使用のための、本明細書に記載されている式I’の化合物を提供する。
【0078】
本発明の特定の実施態様は、BACE1活性の阻害における使用のための、特に、上昇したβ−アミロイドレベル及び/又はβ−アミロイドオリゴマー及び/又はβ−アミロイド斑及び更には沈着を特徴とする疾患及び障害の、あるいはアルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置のための方法であって、本明細書に記載されている式I’の化合物をヒト又は動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0079】
本発明の特定の実施態様は、アルツハイマー病の治療的及び/又は予防的処置における使用のための方法であって、本明細書に記載されている式I’の化合物をヒト又は動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0080】
本発明の特定の実施態様は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、動脈血栓症、自己免疫性/炎症性疾患、癌(例えば、乳癌)、心血管疾患(例えば、心筋梗塞及び卒中)、皮膚筋炎、ダウン症候群、胃腸疾患、多形神経膠芽腫、グレーブス病、ハンチントン病、封入体筋炎(IBM)、炎症反応、カポジ肉腫、コストマン疾患、エリテマトーデス、マクロファージ筋膜炎、若年性特発性関節炎、肉芽腫性関節炎、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、関節リウマチ、シェーグレン症候群、脊髄小脳失調症1、脊髄小脳失調症7、ウィップル病又はウィルソン病の治療的及び/又は予防的処置における使用のための方法であって、本明細書に記載されている式I’の化合物をヒト又は動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0081】
更に、本発明は、全ての光学異性体、即ち、ジアステレオ異性体、ジアステレオマー混合物、ラセミ混合物、全てのこれらの対応するエナンチオマー及び/又は互変異性体、ならびに式I’の化合物のそれらの溶媒和物を含む。
【0082】
式I’の化合物は、1つ以上の不斉中心を含有してもよく、よってラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在することができる。分子上の種々の置換基の性質に応じて、更なる不斉中心が存在してもよい。このような各不斉中心により、独立に2個の光学異性体が生成し、そして可能な光学異性体及びジアステレオマーの全ては、混合物として及び純粋又は部分精製合物として本発明に含まれることとなる。本発明は、これらの化合物のこのような全ての異性体形を包含するものである。これらのジアステレオマーの独立した合成又はそれらのクロマトグラフィー分離は、本明細書に開示される方法論の適切な変法により、当該分野において公知のとおり達成することができる。これらの絶対立体化学は、必要ならば、公知の絶対配置の不斉中心を含有する試薬で誘導体化された、結晶性生成物又は結晶性中間体のX線結晶学により決定し得る。所望であれば、本化合物のラセミ混合物は、個々のエナンチオマーが単離されるように分離し得る。分離は、当該分野で周知の方法によって、例えば、化合物のラセミ混合物をエナンチオマーとして純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成させ、続いて、個々のジアステレオマーを標準法により、例えば、分別結晶法又はクロマトグラフィーにより分離することによって、実施することができる。
【0083】
光学的に純粋なエナンチオマーが提供される実施態様において、光学的に純粋なエナンチオマーとは、この化合物が、>90重量%の所望の異性体を、特に>95重量%の所望の異性体を、又はより特に>99重量%の所望の異性体を含有することを意味する(該重量パーセントはこの化合物の異性体の総重量に基づく)。キラル純粋な化合物又はキラル濃縮化合物は、キラル選択的合成によるか、又はエナンチオマーの分離により調製し得る。エナンチオマーの分離は、最終生成物について、又は代替的には適切な中間体について実施し得る。
【0084】
式I’の化合物は、以下のスキームに従って調製し得る。出発物質は、市販されているか、又は公知の方法に従って調製され得る。特に断りない限り、先で定義された任意の残基及び変数は、先で定義された意味を持ち続ける。
【0085】
式I’の化合物は、例えば、スキーム1〜5に示されるような多数の合成経路により調製されることができる。本発明の式I’の化合物の調製は、逐次又は収束合成経路で実施され得る。本発明の化合物の合成は、以下のスキーム1〜4に示される。本反応及び得られた生成物の精製を実施するのに必要とされる技能は、当業者に公知である。以下のプロセスの記載において使用される置換基及び指数は、そうでないことが示されていない限り、本明細書において上記で与えられた意味を有する。
【0086】
より詳細には、式I’の化合物は、以下で与えられる方法によって、実施例に与えられる方法によって、又は類似の方法によって、製造されることができる。個々の反応工程のための適切な反応条件は、当業者に公知である。反応順序は、後述のスキームに示されるものに限定されるのではなく、出発物質及びそのそれぞれの反応性に応じて、反応工程の順序は自由に変更することができる。出発物質は、市販のものであるか、あるいは以下で与えられる方法と類似の方法によって、本記載もしくは実施例で引用される参考文献に記載されている方法によって、又は当技術分野において公知の方法によって、調製されることができるかのいずれかである。
【0087】
スキーム1〜5に記載されている式I’の化合物は、当業者に公知の方法、例えば、特に限定されないが、イオン交換クロマトグラフィー、固相抽出、液液抽出、シリカクロマトグラフィー、結晶化及び分取HPLCによって単離及び精製されることができる。
【0088】
より詳細には、本発明による式Iの化合物は、以下に示す方法及び手順によって調製することができる。式Iの化合物の調製のための幾つかの典型的な手順を、スキーム1〜5に例示する。
【0089】
【化5】
【0090】
一般式A3の市販されていないケトンは、スキーム1に描写されるような経路によって又は当業者に公知の他の経路によって合成されることができる。式A2のワインレブ(Weinreb)アミドは、式A1の酸とN,O−ジメチルヒドロキシルアミンとの標準的な縮合反応によって、又は、試薬(例えば、塩化オキサリル又は塩化チオニル)を使用し、トリエチルアミン/ジクロロメタンのような標準条件を使用する、式A1の酸の塩化アシルの中間体形成によって、得られることができる。式A2のアミドは、不活性非プロトン性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン又はジエチルエーテル)中、有機金属化合物(例えば、臭化メチルマグネシウム(R=Meの場合))と反応させることにより、所望の式A3のケトンを生成することができる。
【0091】
スキーム1に従って、一般式A3(式中、Yは、水素又はハロゲンのような脱離基(例えば、臭化物)のいずれかの意味を有する)のケトンは、極性溶媒(例えば、アルコール類、例えばエタノール、水又はテトラヒドロフラン及びそれらの混合物)中、炭酸アンモニウムと一緒に、シアン化物(シアン化カリウムのような)と反応させて、式A4のヒダントインを形成することができる。次に、ヒダントインを、周囲温度〜還流の温度範囲で、塩基(例えば、水酸化ナトリウム)又は強酸(例えば、硫酸)と一緒に、水で処理して、式A5のアミノ酸を生成することができる。式A7のアミノアルコールは、低級アルコール(例えば、メタノール又はエタノール)での式A5の酸のエステル化によって、続いて、水素化アルミニウムリチウム又は他の適切な試薬での得られた式A6のアミノエステルの還元によって得られる(いずれの工程も当業者に公知の条件下で実施される)。
【0092】
式A7のアミノアルコールは、0℃〜23℃で、好ましくは23℃で、重炭酸ナトリウム水溶液と有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン)との二相性混合物を使用し、クロロギ酸ベンジルを用いて、選択的にN−保護されて、式A8のN−ベンジルオキシカルボニル化アミノアルコールにすることができる。
【0093】
式A8のN−ベンジルオキシカルボニル化アミノアルコールは、アミン塩基(特にピリジン)の存在下、溶媒(例えばアセトニトリル又はジクロロメタン)中、低温度(例えば、−78℃又は−40℃)で開始して、0℃又は周囲温度に昇温して、塩化チオニルと反応させて、式A9の環状スルファミダイト(sulfamidite)にすることができる。
【0094】
式A9の環状スルファミダイトは、ルテニウム塩(例えば、塩化ルテニウム(III))の存在下、水、アセトニトリル及び酢酸エチル又はテトラクロロメタンからなる溶媒混合物中、0℃〜50℃の間で、好ましくは23℃の温度で、過ヨウ素酸アルカリ(例えば、過ヨウ素酸ナトリウム又は過ヨウ素酸カリウム)によって酸化させて、式A10の環状スルファミダート(sulfamidate)にすることができる。
【0095】
式A10の環状スルファミダート(sulfamidate)は、硫黄求核剤(例えば、チオ酢酸カリウム)で位置選択的に開環し、その後、酸性条件下で加水分解して、式A11のN−ベンジルオキシカルボニル化アミノチオ酢酸にすることができる。開環は、極性非プロトン溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、0℃〜60℃の間、好ましくは23℃の温度で進行する。蒸発による真空下での開環工程から全ての揮発性物質を除去した後、粗反応混合物を、鉱酸(特に20%硫酸水溶液)と溶媒(例えば、ジエチルエーテル又はジクロロメタン)との混合物中、0℃〜50℃の間、特に23℃の温度で酸性加水分解に供する。
【0096】
式A11のN−ベンジルオキシカルボニル化アミノチオ酢酸は、塩素系溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、−30℃〜0℃の間の温度で、スルフリルクロリド及び無水酢酸での処理により、式A12のN−ベンジルオキシカルボニル化アミノスルフィニルクロリドへと変換される。式A12の粗スルフィニルクロリドを、次の工程で直接使用して、式A13のN−ベンジルオキシカルボニル化アミノスルフィンアミドを生成することができるが、これは、溶媒(例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン)中、−78℃のような低い温度で開始し、0℃又は23℃に昇温して、過剰量のアミンR’−NHとの、又はアミンR’−NHとアミン塩基(例えば、トリエチルアミン又はN−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン)の混合物との単純な反応によって達成される。
【0097】
式A14のN−ベンジルオキシカルボニル化アミノスルホンイミドアミドは、不活性溶媒(例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン、好ましくはジクロロメタン)中、−78℃のような低い温度で開始し、0℃に昇温して、塩素化剤(例えば、N−クロロスクシンアミド又はtert−ブチルハイポクロライト、好ましくはtert−ブチルハイポクロライト)との反応により、続いて、−78℃のような低い温度で開始し、0℃又は23℃に昇温して、過剰量のアミンR”−NHとの、又はアミンR”−NHとアミン塩基(トリエチルアミン又はN−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン)との混合物との反応により、式A13のN−ベンジルオキシカルボニル化アミノスルフィンアミドから調製することができる。
【0098】
【化6】
【0099】
式A15のアミノスルホンイミドアミドは、例えば、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis 4thedition, Peter G. M. Wuts, Theodora W. Greene, Wiley-Interscience, 2007, p. 750 ff.に記載されているように当業者に公知の様々な方法により、式A14のN−ベンジルオキシカルボニル化アミノスルホンイミドアミドの脱保護により生成される。最も一般的な方法の一つは、接触水素化[すなわち、触媒(例えば、パラジウム担持炭素)の存在下、溶媒(例えば、酢酸エチル、エタノール又はメタノール)中、23℃〜80℃の間、好ましくは23℃の温度で、水素ガスとの反応]を使用する。
【0100】
溶媒(例えば、酢酸エチル、テトラヒドロフラン又はアセトニトリル)中、0℃〜80℃の間、好ましくは23℃の温度で、式A15のアミノスルホンイミドアミドとイソチオシアネート(例えば、ベンゾイルイソチオシアナート)との反応は、式A16のチオウレアスルホンイミドアミドを与える。
【0101】
式A16のチオウレアスルホンイミドアミドは、溶媒(例えば、酢酸エチル、テトラヒドロフラン又はアセトニトリル、好ましくはアセトニトリル)中、23℃〜100℃の間、好ましくは80℃の温度で、カルボジイミド(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド又はN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、好ましくはEDC・HClのような)との反応による脱水によって、環化されて、式A17のN−ベンゾイル化アミジンスルホンイミドアミドにすることができる。
【0102】
式A17のN−ベンゾイル化アミジンスルホンイミドアミドから式A19のN−tert−ブトキシカルボニル化アミジンスルホンイミドアミドへの保護基の交換は: 式A18の二重アシル化アミジンスルホンイミドアミドを与えるための、アミン塩基(例えば、トリエチルアミン又はN−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン)の存在下、溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はアセトニトリル)中、0℃〜40℃の間、好ましくは23℃の温度で、二炭酸 ジ−tert−ブチル(BocO)との第一の反応と;溶媒(例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン、好ましくはテトラヒドロフラン)中、0℃〜40℃の間、好ましくは23℃の温度で、式A18の二重アシル化アミジンスルホンイミドアミドとアミン求核剤(例えば、ジエチルアミン、ジメチルアミン又はアンモニア、好ましくはアンモニアのような)との反応によるベンゾイル基の第二の選択的除去とによる、二工程手順で達成することができる。
【0103】
式A20のアミジンスルホンイミドアミドは、例えば、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis 4thedition, Peter G. M. Wuts, Theodora W. Greene, Wiley-Interscience, 2007, p. 727 ff.に記載されているように当業者に公知の様々な方法により、式A19のN−tert−ブトキシカルボニル化アミジンスルホンイミドアミドの脱保護によって生成することができる。最も一般的な方法の一つは、溶媒(例えば、ジオキサン又はジクロロメタン)中、0℃〜23℃の間、好ましくは23℃の温度で、強酸(例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸(TFA)のような)での処理を使用する。
【0104】
代替的に、式A20のアミジンスルホンイミドアミドは、以下の順序を使用することによって生成されることができる: ベンゾイルイソチオシアナートとの上記の反応(A15からA16へ)と同様に、O−ベンジルカルボンイソチオシアナチデート(O-benzyl carbonisothiocyanatidate)(CbzNCS; CAS-No. 63220-36-0)での式A15のアミノスルホンイミドアミドの処理、上記のA17へのA16の変換と同様にカルボジイミドでの環化、続いて、例えば、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis 4thedition, Peter G. M. Wuts, Theodora W. Greene, Wiley-Interscience, 2007, p. 750 ff.に記載されているように当業者に公知の様々な方法による、式A20のアミジンスルホンイミドアミドを直接生成するベンジルオキシカルボニル基の開裂。最も一般的な方法の一つは、接触水素化[すなわち、触媒(例えば、パラジウム担持炭素)の存在下、溶媒(例えば、酢酸エチル、エタノール又はメタノール)中、23℃〜80℃の間、好ましくは23℃の温度で、水素ガスとの反応]を使用する。
【0105】
【化7】
【0106】
式A20のアミジンスルホンイミドアミドがY=Brを含有する場合、Y=Hへの還元は、プロトン性溶媒(例えば、アルコール類、特にエタノール又はメタノール)中、好ましくは水酸化アンモニウムの存在下、好ましくは周囲温度で、触媒(例えば、Pd/C)を使用する水素化により達成することができる。
【0107】
式A21のニトロアミジンスルホンイミドアミドを与える、式A20(式中、Y=H)のアミジンスルホンイミドアミドのニトロ化は、溶媒を使用せず、0℃〜23℃の間の温度で、無希釈の硫酸及び発煙硝酸を用いる標準的手順に従う。
【0108】
式A22のアニリンを与える、式A21のニトロアミジンスルホンイミドアミド中のニトロ基の還元は、プロトン性溶媒(例えば、アルコール類、特にエタノール又はメタノール)中、周囲温度で、触媒(例えば、Pd/C)を使用する水素化により達成することができる。
【0109】
式Iのアミドを与える、式A22のアニリンとカルボン酸との選択的アミドカップリングは、溶媒(例えば、アルコール、特にメタノール)中、周囲温度で、4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)水和物を用いて実施することができる。
【0110】
【化8】
【0111】
式A20のアミジンスルホンイミドアミドは、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、強有機酸(例えば、メタンスルホン酸又はトリフルオロメタンスルホン酸、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸)の存在下、−10℃〜40℃の間、好ましくは23℃の温度で、ヨウ素化剤(例えば、一塩化ヨウ素又はN−ヨードスクシンイミド、好ましくはN−ヨードスクシンイミド)との反応により、ヨウ素化されて、式A23のアミジンスルホンイミドアミドとすることができる。
【0112】
式I(式中、Rは、アリール基又はヘテロアリール基のいずれかである)の化合物は、鈴木−宮浦カップリング[すなわち、炭酸水溶液又は炭酸水素塩の塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、又は炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸水素カリウムのような)の存在下、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン)中、23℃〜100℃の間の温度で、有機ボロン酸又はそのエステルと式A20(Y=Br)又はA23の化合物との、パラジウム−触媒による(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム又は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体)クロスカップリング]を使用する当業者に公知の方法により、式Iの化合物を与えるために、式A20(式中、Y=Br)のアミジンスルホンイミドアミド又は式A23のアミジンスルホンイミドアミドから調製されることができる。
【0113】
式I(式中、Rは、三重結合を介してフェニル基に結合されている)の化合物は、薗頭カップリング[すなわち、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、23℃〜90℃の間の温度で、パラジウム触媒(例えば、ビス(トリフェニホスフィン)パラジウム(II)クロリド)、銅(I)共触媒(例えば、ヨウ化銅(I))及びアミン塩基(例えば、トリエチルアミン)を用い、末端アルキンとヨウ化アリール(A23)との又は臭化アリール(A20、Y=Br)との反応]を使用する当業者に公知の方法により、式A20(式中、Y=Br)のアミジンスルホンイミドアミド又は式A23のアミジンスルホンイミドアミドから調製されることができる。
【0114】
式A20のアミジンスルホンイミドアミドがY=Brを含有しているか、又は式A23のアミジンスルホンイミドアミドが出発物質として用いられる場合、それらは、好適な遷移金属触媒(例えば、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)((dba)Pd)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)((dba)Pd)))及び好適な配位子(例えば、rac−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(rac−BINAP)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(X−PHOS)又は2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(t−Bu X−PHOS))の存在下、塩基(例えば、ナトリウムtert−ブトキシド、リン酸カリウム又は炭酸セシウム)の存在下、適切な溶媒(例えば、トルエン又は1,4−ジオキサン)中、不活性雰囲気(例えば、窒素又はアルゴン)下、80〜110℃の間の温度で、アンモニア等価体(例えば、ベンゾフェノンイミン)と反応させ、次いで、有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン)中、0℃〜50℃の間、好ましくは23℃の温度で、鉱酸(例えば、塩酸又は硫酸)水溶液との反応の後で、式A22の化合物を生成することができる。
【0115】
【化9】
【0116】
代替的に、式A7の中間体アミノアルコールは、以下のように得ることができる: スキーム4に従って、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン又はトルエン)中、−78℃〜0℃の間の温度で、強塩基(例えば、ブチルリチウム)によって生成されたメチルトリフェニル−ホスホニウムイリドの形成、続いて、式A3のケトンの添加により、式A24の所望のアルケンを生成する。次にアルケンは、溶媒(例えば、ジエチルエーテル又は酢酸エチルとアセトニトリルとの混合物)中、シアン酸銀とヨウ素との混合物と反応させることができる。次に式A25の得られたヨードイソシアナートを、アルコール(tert−ブタノールのような)及び塩基(トリエチルアミン又はHuenig's塩基のような)と一緒に加熱して、式A26のオキサゾリジノンを生成することができる。式A26の得られたオキサゾリジノンの、塩基性水溶液(水酸化リチウムのような)での加水分解により、式A7のアミノアルコールを生成する。
【0117】
【化10】
【0118】
式A7の中間体アミノアルコールは、以下のようにエナンチオ選択的方法で調製することができる: T.P. Tang & J.A. Ellman, J. Org. Chem. 1999, 64, 12と同様にして、式A3の芳香族ケトンは、Lewis酸(例えば、チタン(IV)アルコキシド、より好ましくはチタン(IV)エトキシド)の存在下、溶媒(例えば、エーテル(例えばジエチルエーテル、又はより好ましくはテトラヒドロフラン))中、23℃〜70℃の間の温度で、アリールケトン基とスルフィンアミド(例えば、アルキルスルフィンアミド、この場合、最も好ましくは(R)−(+)−tert−ブチルスルフィンアミド)との縮合により、一般式A27のスルフィニルイミンへと変換されることができる。
【0119】
式A28のニトリルへの式27のスルフィニルイミンの変換は、Tang & Ellmanによって、又は A. Avenoza, J.H. Busto, F. Corzana, J.M. Peregrina, D. Sucunza, M.M. Zurbano in Synthesis 2005, (4), 575-578によって記載されているように、キラル配向基によって立体選択的に進行する。式A27のスルフィニルイミンは、例えば、A. Avenoza, J.H. Busto, F. Corzana, J.M. Peregrina, D. Sucunza, M.M. Zurbano in Synthesis 2005, (4), 575-578によって記載されているように、溶媒(例えば、エーテル、例えばジエチルエーテル、又はより好ましくはテトラヒドロフラン)中、−78℃から出発する温度で、最終的には−10℃に上昇させ、混合アルキルアルコキシドアルミニウムシアニド試薬(例えば、エチルアルミニウムシアノイソプロポキシド[EtAl(O−i−Pr)CN])で処理して、式A28のニトリルを産生させることができる。
【0120】
最初に、式A29のキラルアミノアミドを与えるための、式A28のニトリル中のキラル配向基の加水分解は、溶媒(例えば、エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、又はより好ましくは1,4−ジオキサン)中、鉱酸(例えば、硫酸、又は好ましくは塩酸)を用いて達成することができ、これに、溶媒(例えば、脂肪族アルコール、例えばエタノール、又はより好ましくはメタノール)中、23℃〜80℃の温度で、鉱酸(例えば、無水塩酸、又は好ましくは硫酸)を用いる別の酸性反応が続いて、式A6のキラルアミノエステルを与える。
【0121】
また、式A6のキラルアミノエステルは、エーテル溶媒(例えば、ジエチルエーテル、又はより好ましくはテトラヒドロフランのような)、0℃〜50℃の間、好ましくは23℃の温度で、還元剤(例えば、水素化ホウ素リチウム、又はより好ましくは水素化アルミニウムリチウム)との反応により、式A7のキラルアミノアルコールへと還元されることができる。
【0122】
【化11】
【0123】
式A17(式中、Y=H)のベンゾイル化アミジンスルホンイミドアミドは、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、強有機酸(例えば、メタンスルホン酸又はトリフルオロメタンスルホン酸、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸)の存在下、−10℃〜40℃の間、好ましくは23℃の温度で、ヨウ素化剤(例えば、一塩化ヨウ素又はN−ヨードスクシンイミド、好ましくはN−ヨードスクシンイミド)との反応によりヨウ素化されることができる。この反応のモノ−及びジ−ヨウ素化生成物は、アミン塩基(例えば、トリエチルアミン又はN−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン)の存在下、溶媒(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はアセトニトリル)中、0℃〜40℃の間、好ましくは23℃の温度で、二炭酸 ジ−tert−ブチル(BocO)で処理して、二重アシル化アミジンスルホンイミドアミドを与えることができる。ベンゾイル基又はヨードベンゾイル基の選択的除去は、溶媒(例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン、好ましくはテトラヒドロフラン)中、0℃〜40℃の間、好ましくは23℃の温度で、アミン求核剤(例えば、ジエチルアミン、ジメチルアミン又はアンモニア、好ましくはアンモニアのような)との反応により達成して、式A30の化合物を与えることができる。
【0124】
ヨウ化物A30と一方の末端が保護されているアセチレン誘導体(例えば、トリメチルシリルアセチレン)との薗頭カップリングは、当業者に公知の条件下、パラジウム触媒(例えば、ビス(トリフェニホスフィン)パラジウム(II)クロリド)、銅(I)共触媒(例えば、ヨウ化銅(I))及びアミン塩基(例えば、トリエチルアミン)を用いて、達成することができる。式A31の末端アセチレンを与えるための保護基(例えば、MeSiのようなRSi)の除去は、当技術分野において周知の方法により、例えば、溶媒(例えば、ジクロロメタン又はTHF)中、0℃〜周囲温度の間の温度で、フッ化物含有試薬(例えば、フッ化テトラブチルアンモニウム)での処理によるか、又は、溶媒(例えば、エタノール又はメタノール)中、周囲温度で、炭酸カリウムでの処理により、達成することができる。
【0125】
イソオキサゾールA33へのアセチレンA31の変換は、溶媒(例えば、THF又はイソプロパノール)中、0℃〜溶媒の還流温度の間の温度で、ヘテロアリール−カルボキシイミドイルクロリドA32及び塩基(例えば、重炭酸ナトリウム又はトリエチルアミン)からなる試薬系を用いる1,3−双極子付加環化により達成されることができる。
【0126】
1,2,3−トリアゾールA35へのアセチレンA31の変換は、還元剤(例えば、アスコルビン酸ナトリウム)及び塩基(例えば、NaHCO)の存在下、溶媒又は溶媒混合物(例えば、トルエン、THF又はDMF)中、周囲温度〜溶媒の還流温度で、銅(I)試薬(例えば、CuI又はトリフルオロメタンスルホン酸銅(I)ベンゼン錯体)又は銅(II)試薬(例えば、CuSO)のいずれかを使用して、ヘテロアリールアジドA34との銅(I)−触媒による付加環化により達成することができる。
【0127】
式I’の化合物を与えるための、化合物A33及びA35中のアミン−保護基BOCの除去は、当技術分野において周知の方法により、例えば、ハロゲン化溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、0℃〜23℃の間の温度で、強炭酸(例えば、トリフルオロ酢酸)での処理により達成することができる。
【0128】
酸との対応する薬学的に許容し得る塩は、当業者に公知の標準的方法により、例えば、適切な溶媒(例えば、例えば、ジオキサン又はテトラヒドロフラン)中で式I’の化合物を溶解すること、そして適量の対応する酸を添加することにより得ることができる。生成物は通常、濾過により又はクロマトグラフィーにより単離されることができる。塩基との薬学的に許容し得る塩への式I’の化合物の変換は、当該化合物と当該塩基との処理により実行することができる。当該塩を形成するための一つの可能な方法は、例えば、1/n当量の塩基性塩(例えば、M(OH)[式中、M=メタル又はアンモニウムカチオン、そしてn=ヒドロキシドアニオンの数])の、適切な溶媒(例えば、エタノール、エタノール−水の混合物、テトラヒドロフラン−水の混合物)中の化合物の溶液への添加、そして蒸発又は凍結乾燥により溶媒を除去することである。特定の塩は、塩酸塩、ギ酸塩及びトリフルオロ酢酸塩である。具体的には、塩酸塩である。
【0129】
その調製法が実施例に記載されていない限り、式I’の化合物ならびに全ての中間体生成物は、類似法により又は本明細書中に記載される方法により調製されることができる。出発物質は、市販されているか、当該分野において公知であるか、又は当該分野において公知の方法により、若しくはそれと同様にして調製されることができる。
【0130】
本発明における一般式I’の化合物は、官能基で誘導体化されて、インビボで親化合物に変換されて戻ることができる誘導体を提供し得ることが理解される。
【0131】
薬理試験
式I’の化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、有用な薬理学的特性を持つ。本発明の化合物は、BACE1活性の阻害に関連することが見い出された。本化合物を本明細書において以下に記載の試験に従って調査した。
【0132】
細胞性Aβ−低下アッセイ:
Aβ40αLISAアッセイを使用することができる。HEK293 APP細胞を、細胞培養培地(Iscove、+10%(v/v)ウシ胎仔血清、ペニシリン/ストレプトマイシン)中96ウェルマイクロタイタープレートに播種して約80%コンフルエントにし、そして化合物を、1/3容量の培養培地中3×濃度で加えた(最終DMSO濃度は、1%v/vに保持した)。加湿したインキュベーター中、37℃及び5%COで18〜20時間インキュベーション後、Perkin-Elmerヒトアミロイドβ 1−40(高特異性)キット(Cat# AL275C)を使用するAβ40濃度の測定のために、培養上清を回収した。
【0133】
Perkin-Elmer White Optiplate-384(Cat# 6007290)中、培養上清2μLを、2μLの10×αLISA抗hAβアクセプタービーズ+ビオチン化抗体抗Aβ 1−40ミックス(50μg/mL/5nM)と合わせた。室温で1時間インキュベーション後、16μLのストレプトアビジン(SA)ドナービーズ調製物(25μg/mL)(1.25×)を加え、暗所で30分間インキュベートした。次に、EnVision-Alpha Readerを使用して615nmでの発光を記録した。培養上清中のAβ40のレベルを、最大シグナル(阻害剤を含まず1%DMSOで処理した細胞)のパーセントとして計算した。IC50値は、Excel XLfitソフトウェアを使用して計算した。
【0134】
【表1】

【0135】
医薬組成物
式I’の化合物及び薬学的に薬学的に許容し得る塩は、治療活性物質として、例えば、医薬製剤の形態で使用されることができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与されることができる。しかし、投与はまた、例えば坐薬の剤形で経直腸的に、又は例えば注射液の剤形で非経口的に実施されることもできる。
【0136】
式I’の化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、医薬製剤を製造するために、薬学的に不活性な無機又は有機の担体と共に加工されることができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はそれらの塩などを、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤のためのそのような担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤のための適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール類などである。しかし、活性物質の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合は、通常、担体を必要としない。溶剤及びシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば、水、ポリオール類、グリセリン、植物油などである。坐剤に適切な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体のポリオールなどである。
【0137】
更に、医薬製剤は、薬学的に許容し得る補助物質、例えば、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着香剤、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含むことができる。それらはまた、他の治療上有用な物質も含有することができる。
【0138】
式I’の化合物又はその薬学的に許容し得る塩及び治療上不活性な担体を含有する医薬もまた、式I’の化合物及び/又はその薬学的に許容し得る塩の1種以上と、所望により、他の治療上有用な物質の1種以上とを、治療上不活性な担体の1種以上と共に生薬投与形態にすることを含む製造プロセスと同様に、本発明により提供される。
【0139】
用量は、広い範囲内で変えることができ、当然、それぞれの特定の症例における個別の要求に適合させなければならない。経口投与の場合、成人用の用量は、一般式I’の化合物の1日当たり約0.01mg〜約1000mg、又はその薬学的に許容し得る塩の対応する量で変えることができる。1日量を、1回量として又は分割量として投与してよく、加えて、必要性が示される場合、上限を超えることもできる。
【0140】
下記の実施例は本発明を限定することなく説明するが、単に本発明の代表的なものとして役立つ。医薬製剤は、好都合には、式I’の化合物を約1〜500mg、特に1〜100mg含有する。以下は本発明による組成物の例である。
【0141】
実施例A
以下の組成の錠剤を通常の方法で製造する:
【表2】
【0142】
製造手順
1.成分1、2、3及び4を混合し、精製水で顆粒化する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な微粉砕装置に通す。
4.成分5を加え、3分間混合し、適切な加圧成形機で圧縮する。
【0143】
実施例B−1
以下の組成のカプセル剤を製造する:
【表3】
【0144】
製造手順
1.成分1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.成分4及び5を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0145】
式I’の化合物、乳糖及びトウモロコシデンプンを、最初にミキサーで、次に粉砕機で混合する。混合物をミキサーに戻し、それにタルクを加え、十分に混合する。混合物を、機械により適切なカプセル、例えば硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0146】
実施例B−2
以下の組成の軟ゼラチンカプセル剤を製造する:
【表4】
【0147】
【表5】
【0148】
製造手順
式I’の化合物を、その他の成分の加温溶融物に溶解し、そして混合物を適切な大きさの軟ゼラチンカプセルに充填する。充填された軟質ゼラチンカプセルを、通常の手順に従って処理する。
【0149】
実施例C
以下の組成の坐剤を製造する:
【表6】
【0150】
製造手順
坐薬用錬剤をガラス又はスチール容器中で溶解し、十分に混合し、45℃に冷却する。直ちに、微粉末化した式I’の化合物をそれに加え、それが完全に分散するまで撹拌する。混合物を適切な大きさの坐剤型に注ぎ入れ、放冷し、次に坐剤を型から取り外し、パラフィン紙又は金属箔で個別に包む。
【0151】
実施例D
以下の組成の注射液を製造する:
【表7】
【0152】
製造手順
式I’の化合物を、ポリエチレングリコール400と注射用水(一部)との混合物に溶解する。酢酸でpHを5.0に調整する。水の残量を加えて、容量を1.0mLに調整する。溶液を濾過し、適切な過剰量を使用してバイアルに充填し、滅菌する。
【0153】
実施例E
以下の組成のサシェ剤を製造する:
【表8】
【0154】
製造手順
式I’の化合物を、乳糖、微結晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムと混合し、ポリビニルピロリドンの水中混合物で顆粒化する。顆粒をステアリン酸マグネシウム及び香味添加剤と混合し、サッシェに充填する。
【0155】
実験の部
以下の実施例は、本発明の例示のため提供される。それらは、本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではなく、単に本発明の代表的なものとして見なされるべきである。
【0156】
一般
NMR: H NMRスペクトルは、Bruker AC-300分光計にて、25℃で、TMS(テトラメチルシラン)又は所定の重水素化溶媒の残存 Hを内部標準として用いて記録した。
MS: 質量スペクトル(MS)は、Perkin-Elmer SCIEX API 300でのイオンスプレー陽イオン又は陰イオン(ISP又はISN)法、又はFinnigan MAT SSQ 7000分光計での電子衝撃法(EI、70eV)のいずれかで測定した。
LC−MS(ESI、陽イオン又は陰イオン)データを、Waters Acquity、CTC PALオートサンプラ及びESイオン化モード(陽及び/又は陰)を使用するWaters SQDシングル四重極質量分析計を備えた、Waters UPLC-MSシステムで記録した。分離を、Zorbax Eclipse Plus C18 1,7μm 2.1×30 mmカラム上にて50℃で達成した;A=水中0.01%ギ酸、B=アセトニトリル、流速1;勾配:0分 3%B、0.2分 3%B、2分 97%B、1.7分 97%B、2.0分 97%B。注入容量は、2μLであった。MS(ESI、陽イオン又は陰イオン):FIA(フローインジェクション分析)−MSを、AppliedBiosystem API150質量分析計で記録した。試料注入を、CTC PALオートサンプラ及びShimadzu LC-10ADVPポンプで行った。試料を、カラムを用いず、流速50μL/分の混合物(アセトニトリルと10mM酢酸アンモニウム(1:1))を用いて、質量分析計のESI源へと直接、流した。注入容量は、2μLであった。
【0157】
中間体A4の合成
A4a: (RS)−5−(3−ブロモ−フェニル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン
【化12】

エタノール(65mL)中の3−ブロモ−アセトフェノン(10.0g、50mmol)、シアン化カリウム(4.96g、75mmol)、及び炭酸アンモニウム(33.45g、348mmol)の混合物を、オートクレーブ中120℃で16時間加熱した。処理のため、反応混合物を室温に冷やし、次に水(250mL)及び酢酸エチル(500mL)で処理した。水層を分離し、酢酸エチル(250mL)で再抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム溶液(2×250mL)で2回洗浄し、その後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。13.2g(理論値の98.6%)の(RS)−5−(3−ブロモ−フェニル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンを白色の固体として得た。生成物の純度は、更なる精製をせずに次の工程でそれを使用することを許した。質量(計算値)C10BrN[269.099];(実測値)[M−H]=267、269。
【0158】
A4b: (RS)−5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン
【化13】

エタノール中、市販の1−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−エタノンとシアン化カリウム及び炭酸アンモニウムとの、オートクレーブ中120℃で16時間の反応により、標記化合物を明黄色の固体として生成した。質量(計算値)C10BrFN[287.087];(実測値)[M−H]=285、287。
【0159】
A4c: (RS)−5−(2−フルオロ−フェニル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン
【化14】

エタノール(250mL)及び水(200mL)中の新たに蒸留した 1−(2−フルオロフェニル)エタノン(27.6g、24.6mL、200mmol、当量:1.00)、シアン化カリウム(15.6g、240mmol、当量:1.20)、炭酸アンモニウム(96.1g、1.00mol、当量:5.00)及び水酸化アンモニウム(25%)(130g、145mL、931mmol、当量:4.65)の混合物を、60℃で5.5時間撹拌した。エタノールを減圧下で除去し、次に0℃に冷却し、残留物をpH1に注意深く酸性化し、沈殿物を濾別し、希HClで洗浄し、最初にロータリーエバポレーターにて50℃で、次に高真空で乾燥させて、5−(2−フルオロフェニル)−5−メチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(40.4g、194mmol、収率97.0%)を白色の固体として与えた。MS(ISN):m/z=207.5[M−H]
【0160】
中間体A6の合成
A6a: (RS)−2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル
【化15】

6N 水酸化ナトリウム溶液(95.23mL)中の(RS)−5−(3−ブロモ−フェニル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン(12.81g、48mmol)の分散液を、48時間加熱還流した。処理のため、反応混合物を氷で冷やし、pH1に達するまで塩酸(36.5%)で処理した。混合物を減圧下で蒸発乾固させた。粗(RS)−2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオン酸塩酸塩を、メタノール(500mL)中に分散し、0℃に冷却した。12分以内に氷冷却下、塩化チオニル(18.02mL、246mmol)を滴下した。添加完了の後、反応混合物を60時間加熱還流した。処理のため、反応混合物を室温に冷やし、減圧下で蒸発させた。白色の残留物を、水と氷の混合物(200mL)、トリエチルアミン(16.5mL)及びジエチルエーテル(500mL)で処理した。得られた懸濁液をDicalitで濾過し; その後、水層を分離し、ジエチルエーテル(250mL)で再抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム溶液(250mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。9.39g(理論値の76.7%)の(RS)−2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステルを明黄色の油状物として得た。生成物の純度は、更なる精製をせずに次の工程でそれを使用することを許した。質量(計算値)C1012BrNO[258.117];(実測値)[M+H]=258、260。
【0161】
A6b: (RS)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル
【化16】

6N 水酸化ナトリウム溶液を用いる(RS)−5−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンの加水分解、ならびにメタノール及び塩化チオニルを用いる得られた(RS)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸のエステル化により、(RS)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステルを明黄色の油状物として生成した。生成物の純度は、更なる精製をせずに次の工程でそれを使用することを許した。質量(計算値)C1011BrFNO[276.107];(実測値)[M+H]=276、278。
【0162】
A6c: (RS)−2−アミノ−2−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル
【化17】

3N 水酸化ナトリウム溶液を用いる(RS)−5−(2−フルオロ−フェニル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンの加水分解、ならびにメタノール及び塩化チオニルを用いる得られた(RS)−2−アミノ−2−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸のエステル化により、(RS)−2−アミノ−2−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステルを明黄色の液体として生成した。生成物の純度は、更なる精製をせずに次の工程でそれを使用することを許した。MS(ISP):m/z=198.2[M+H]
【0163】
A6d: (R)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル
【化18】

濃塩酸(90mL、1078mmol)中の(R)−N−((R)−1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−シアノエチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(8.869g、25.54mmol)の混合物を、23℃で4時間撹拌し、次に0℃に冷却し、32%水酸化ナトリウム溶液(120mL、1277mmol)で処理し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(1×300mL及び2×200mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去すると、アミド(中間体A29)がオフホワイトの固体として残った。メタノール(100mL)に溶解し、濃硫酸(21.39mL、383mmol)を注意深く加え、混合物を還流下で40時間撹拌し、0℃に冷却し、pH9に達するまで飽和NaCO溶液で中和した。酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、(R)−メチル 2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プロパノアート(5.17g、73%)を明黄色の油状物として与え、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=276.1[M+H]及び278.0[M+2+H]
【0164】
中間体A7の合成
A7a: (RS)−2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロパン−1−オール
【化19】

テトラヒドロフラン(360mL)中の(RS)−2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステル(9.39g、36mmol)の溶液を、−5℃で、水素化アルミニウムリチウム(1.41g、36mmol; 282mg/2分)で少しずつ処理した。添加完了の後、撹拌を0〜5℃で30分間続けた。処理のため、反応混合物を−7℃に冷却し、水(9mL)を滴下した。その後、2N 水酸化ナトリウム溶液(9mL)を加え、撹拌を室温で15分間続けた。灰色の懸濁液を、Dicaliteを通して濾過し、これをテトラヒドロフラン(200mL)で洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させた。8.67gの粗(RS)−2−アミノ−2−(3−ブロモ−フェニル)−プロパン−1−オールを無色の油状物として得た。生成物の純度は、更なる精製をせずに次の工程でそれを使用することを許した。質量(計算値)C12BrNO[230.106];(実測値)[M+H]=230、232。
【0165】
A7b: (RS)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1−オール
【化20】

テトラヒドロフラン中、水素化アルミニウムリチウムを用いる(RS)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステルの還元により、(RS)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1−オールを明黄色の油状物として生成した。生成物の純度は、更なる精製をせずに次の工程でそれを使用することを許した。質量(計算値)C11BrFNO[248.097];(実測値)[M+H]=248、250。
【0166】
A7c: (RS)−2−アミノ−2−(2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1−オール
【化21】

ジエチルエーテル中、水素化アルミニウムリチウムを用いる(RS)−2−アミノ−2−(2−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸メチルエステルの還元により、(RS)−2−アミノ−2−(2−フルオロ−フェニル)−プロパン−1−オールを明黄色の油状物として生成した。生成物の純度は、更なる精製をせずに次の工程でそれを使用することを許した。MS(ISP):m/z=170.3[M+H]
【0167】
A7d: (R)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プロパン−1−オール
【化22】

ジエチルエーテル(120mL)中の(R)−メチル 2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プロパノアート(3.95g、14.3mmol、当量:1.00)の溶液に、0℃で、水素化アルミニウムリチウム(652mg、17.2mmol、当量:1.2)を5回に分けて加えた。氷浴を取り外し、撹拌を室温で2時間続けた。冷却した反応混合物に、水(652mg、652μL、36.2mmol、当量:2.53)、NaOH(水中15%)(572mg、652μL、14.3mmol、当量:1.00)及び水(1.96g、1956μL、109mmol、当量:7.59)を、シリンジ(1:1:3システム)を介して滴下し、白色の懸濁液が発生するまで混合物を20分間撹拌した。NaSOの小匙3杯を混合物に加え、これを5分後に濾過した。無色のエーテル溶液を蒸発させて、(R)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プロパン−1−オール(3.2g、12.9mmol、収率90.2%)を白色の固体として与え、これを更なる精製をせずに次の工程で使用した。MS(ISP):m/z=248.1[M+H]及び250.0[M+2+H]
【0168】
中間体A8の合成
A8a: (R)−ベンジル 2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバマート
【化23】

テトラヒドロフラン(10.6mL)中の(R)−2−アミノ−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プロパン−1−オール(1.97g、7.94mmol、当量:1.00)の溶液及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1.02g、10.7mL、12.2mmol、当量:1.53)に、室温で、クロロギ酸ベンジル(Cbz−Cl)(2.03g、1.7mL、11.9mmol、当量:1.5)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。飽和NaHCO溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去すると、黄色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜35%EtOAc)により精製して、(R)−ベンジル 2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバマート(2.16g、5.65mmol、収率71.2%)をオフホワイトの固体として与えた。MS(ISP):m/z=382.2[M+H]及び384.2[M+2+H]
【0169】
A8b: (RS)−ベンジル 2−(2−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバマート
【化24】

ジクロロメタン(35.0mL)及び水(35.0mL)中の2−アミノ−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−1−オール(10.57g、62.5mmol、当量:1.00)及び重炭酸ナトリウム(10.5g、125mmol、当量:2.00)の激しく撹拌した混合物に、0℃で、クロロギ酸ベンジル(16.0g、13.4mL、93.7mmol、当量:1.50)を加え、混合物を0℃で撹拌し、23℃に一晩ゆっくりと昇温させた。ブラインに注ぎ、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、明黄色の液体が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100g、ヘプタン中0%〜30%EtOAc)により精製して、(RS)−ベンジル 2−(2−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバマート(10.46g、34.5mmol、収率55.2%)を無色の液体として与えた。MS(ISP):m/z=304.2[M+H]
【0170】
A8c: (R)−ベンジル 2−(2−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバマート
【化25】

テトラヒドロフラン(108mL)中の市販の(R)−2−アミノ−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−1−オール塩酸塩(20g、97.2mmol、当量:1.00)[CAS-no. 1213310-23-6(HCl塩として、1391434-81-3)]及び重炭酸ナトリウム(8.17g、97.2mmol、当量:1.00)と、重炭酸ナトリウム飽和溶液(10.4g、108mL、123mmol、当量:1.27)との激しく撹拌した混合物に、23℃で、クロロギ酸ベンジル(Cbz−Cl)(24.9g、20.8mL、146mmol、当量:1.5)を滴下し、混合物を23℃で3時間撹拌した。飽和NaHCO溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、合わせた水層を酢酸エチルで再抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、黄色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100g、ヘプタン中0%〜35%EtOAc)により精製して、(R)−ベンジル 2−(2−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバマート(28.78g、94.9mmol、収率97.6%)を無色の油状物として与え、これを結晶化させて、白色の固体とした。MS(ISP):m/z=304.2[M+H]
【0171】
中間体A9の合成
A9a: (R)−4−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2−オキソ−2λ4−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル
【化26】

アセトニトリル(5mL)中の(R)−ベンジル 2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバマート(2.37g、6.2mmol、当量:1.00)の溶液を、アセトニトリル(25.0mL)中の塩化チオニル(1.84g、1.13mL、15.5mmol、当量:2.5)の撹拌した溶液に−40℃で滴下し、混合物を−40℃で1時間撹拌した後、ピリジン(2.45g、2.51mL、31.0mmol、当量:5)を滴下した。反応物が室温に温まるにまかせ、一晩撹拌した。完全に蒸発させて、エーテルを加え、固体を濾別した。有機層を0.5M HClで1回、ブラインで1回洗浄し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去すると、(R)−4−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2−オキソ−2λ4−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(2.66g、6.21mmol、収率100%)が明黄色の油状物として残った。MS(ISN):m/z=426.3[M−H]及び428.3[M+2−H]
【0172】
A9b: (RS)−4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2−オキソ−2λ4−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル
【化27】

アセトニトリル(30mL)中のベンジル 2−(2−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバマート(10.35g、34.1mmol、当量:1.00)の溶液を、アセトニトリル(150mL)中の塩化チオニル(10.1g、6.23mL、85.3mmol、当量:2.5)の撹拌した溶液に−40℃で滴下し、混合物を−40℃で1時間撹拌した後、ピリジン(13.5g、13.8mL、171mmol、当量:5)を滴下し、反応物が室温に温まるにまかせ、一晩撹拌した。完全に蒸発させ、エーテルを加え、固体を濾別し、有機層を0.5M HClで1回、ブラインで1回洗浄し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒の除去をすると、(RS)−4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2−オキソ−2λ4−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(11.42g、32.7mmol、収率95.8%)が無色の油状物として残った。MS(ISP):m/z=367.2[M+NH
【0173】
A9c: (R)−4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2−オキソ−2λ4−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル
【化28】

アセトニトリル(417mL)中の塩化チオニル(28.2g、17.3mL、237mmol、当量:2.5)の溶液に、−40℃で、アセトニトリル(83.3mL)中の(R)−ベンジル 2−(2−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバマート(28.75g、94.8mmol、当量:1.00)の溶液を滴下し、混合物を−40℃で1時間撹拌し、次にピリジン(37.5g、38.3mL、474mmol、当量:5)を滴下し、反応物が23℃に温まるにまかせ、20時間撹拌した。全ての揮発物を減圧下で除去し、ジエチルエーテルを加え、固体を濾別し、有機層を0.5M HCl及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗(R)−4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2−オキソ−2λ4−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(29.2g、83.6mmol、収率88.2%)が無色の油状物として残り、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=348.3[M+H]
【0174】
中間体A10の合成
A10a: (R)−4−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2,2−ジオキソ−2λ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル
【化29】

酢酸エチル(20mL)、アセトニトリル(20.0mL)及び水(30.0mL)中の(R)−4−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2−オキソ−2λ4−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(2.67g、6.23mmol、当量:1.00)の溶液に、室温で、過ヨウ素酸ナトリウム(2.00g、9.35mmol、当量:1.5)を、続いて塩化ルテニウム(III)水和物(14.1mg、62.3μmol、当量:0.01)を加え、混合物を室温で1.5時間撹拌した。水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去すると暗色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g,ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル)により精製して、(R)−4−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2,2−ジオキソ−2λ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(2.443g、5.5mmol、収率88.2%)を無色の油状物として与えた。MS(ISN):m/z=488.2[M+HCO及び490.2[M+2 HCO
【0175】
A10b: (RS)−4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2,2−ジオキソ−2λ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル
【化30】

酢酸エチル(100mL)、アセトニトリル(100mL)及び水(150mL)中の4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2−オキソ−2λ4−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(11.42g、32.7mmol、当量:1.00)の溶液に、0℃で、過ヨウ素酸ナトリウム(10.5g、49.0mmol、当量:1.5)を、続いて塩化テニウム(III)水和物(73.7mg、327μmol、当量:0.01)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去すると、黒色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100g、ヘプタン中0%〜35%酢酸エチル)により精製して、(RS)−4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2,2−ジオキソ−2λ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(10.36g、28.4mmol、収率86.7%)を無色の油状物として与えた。MS(ISP):m/z=383.1[M+NH
【0176】
A10c: (R)−4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2,2−ジオキソ−2λ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル
【化31】

酢酸エチル(239mL)、アセトニトリル(239mL)及び水(358mL)中の(R)−4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2−オキソ−2λ4−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(29.2g、83.6mmol、当量:1.00)の溶液に、5℃で、過ヨウ素酸ナトリウム(26.8g、125mmol、当量:1.5)を、続いて塩化ルテニウム(III)水和物(188mg、836μmol、当量:0.01)を加え、混合物を23℃で1.75時間撹拌した。水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、合わせた有機層を酢酸エチルで再抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、黒色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100g、ヘプタン中0%〜35%EtOAc)により精製して、(R)−4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2,2−ジオキソ−2λ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(26.45g、72.4mmol、収率86.6%)を無色の油状物として与えた。MS(ISP):m/z=383.1[M+NH
【0177】
中間体A11の合成
A11a: (R)−S−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プロピルエタンチオアート
【化32】

N,N−ジメチルホルムアミド(11mL)中の(R)−4−(5−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2,2−ジオキソ−2λ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(2.443g、5.5mmol、当量:1.00)の溶液に、室温で、チオ酢酸カリウム(942mg、8.25mmol、当量:1.5)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。高真空下でDMFを蒸発させ、残留物をジクロロメタン(22.0mL)及び硫酸(水中20%)(40.4g、22.0mL、82.5mmol、当量:15)中、室温で一晩激しく撹拌した。飽和NaCl溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒の除去をすると、黄色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜40%)により精製して、(R)−S−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)プロピルエタンチオアート(2.217g、5.03mmol、収率91.6%)を明黄色の油状物として与えた。MS(ISP):m/z=457.9[M+NH及び458.9[M+2+NH
【0178】
A11b: (RS)−S−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(2−フルオロフェニル)プロピルエタンチオアート
【化33】

N,N−ジメチルホルムアミド(5.01mL)中の(RS)−4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2,2−ジオキソ−2λ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(907mg、2.48mmol、当量:1.00)の溶液に、23℃で、チオ酢酸カリウム(425mg、3.72mmol、当量:1.5)を加え、混合物を23℃で1.5時間撹拌した。DMFを蒸発させて、赤色の油状物を与え、ジクロロメタン(10.0mL)に溶解し、硫酸(HO中20%)(18.3g、9.92mL、37.2mmol、当量:15)を加え、23℃で16時間激しく撹拌した。水と酢酸エチルとに分配し、有機層を飽和NaHCO溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、橙色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜30%EtOAc)により精製して、(RS)−S−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(2−フルオロフェニル)プロピルエタンチオアート(851mg、2.35mmol、収率94.9%)を橙色の油状物として与えた。MS(ISP):m/z=407.3[M+HCOH]
【0179】
A11c: (R)−S−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(2−フルオロフェニル)プロピルエタンチオアート
【化34】

N,N−ジメチルホルムアミド(64.6mL)中の(R)−4−(2−フルオロ−フェニル)−4−メチル−2,2−ジオキソ−2λ−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸ベンジルエステル(11.69g、32.0mmol、当量:1.00)の溶液に、23℃で、チオ酢酸カリウム(5.48g、48.0mmol、当量:1.5)を加え、混合物を23℃で0.5時間撹拌した。DMFを高真空下で蒸発させて、橙色の油状物を与え、ジクロロメタン(129mL)に溶解し、硫酸(HO中20%)(235g、128mL、480mmol、当量:15)を加え、23℃で18時間激しく撹拌した。ブラインと酢酸エチルとに分配し、水層を酢酸エチルで再抽出し、合わせた有機層を飽和NaHCO溶液及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、橙色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、70g、ヘプタン中0%〜25%EtOAc)により精製して、(R)−S−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(2−フルオロフェニル)プロピルエタンチオアート(11.22g、31.0mmol、収率97.0%)を橙色の油状物として与えた。MS(ISP):m/z=362.2[M+H]
【0180】
中間体A12の合成
A12a: ベンジル(2RS)−1−(クロロスルフィニル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート
【化35】

ジクロロメタン(乾燥)(37.3mL)中のS−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(2−フルオロフェニル)プロピルエタンチオアート(8.76g、24.2mmol、当量:1.00)の溶液に、−20℃で、無水酢酸(2.47g、2.29mL、24.2mmol、当量:1.00)及びスルフリルクロリド(6.54g、3.94mL、48.5mmol、当量:2.00)を加え、混合物を−30℃〜5℃で1時間撹拌した。全ての揮発物を減圧下で除去し、残留物を高真空下で乾燥させて、粗ベンジル(2RS)−1−(クロロスルフィニル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(9.144g、24.7mmol、収率102%)を黄色の油状物として与え、これを更なる精製をせずに使用した。
【0181】
A12b: ベンジル(2R)−1−(クロロスルフィニル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート
【化36】

ジクロロメタン(乾燥)(47.8mL)中の(R)−S−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(2−フルオロフェニル)プロピルエタンチオアート(11.22g、31.0mmol、当量:1.00)の溶液に、−20℃で、無水酢酸(3.17g、2.93mL、31.0mmol、当量:1.00)及びスルフリルクロリド(8.38g、5.05mL、62.1mmol、当量:2.00)を加え、混合物を−30℃〜−5℃で1時間撹拌した。全ての揮発物を減圧下で除去し、残留物を高真空下で乾燥させて、粗ベンジル(2R)−1−(クロロスルフィニル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(11.85g、31.1mmol、収率100%)を黄色の油状物として与え、これを更なる精製をせずに使用した。
【0182】
中間体A13の合成
A13a: ベンジル(2RS)−1−(N−アリルスルフィンアモイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート
【化37】

ジクロロメタン(乾燥)(44.2mL)中のベンジル(2RS)−1−(クロロスルフィニル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(4.09g、11.1mmol、当量:1.00)の溶液に、−78℃で、プロパ−2−エン−1−アミン(1.58g、2.08mL、27.6mmol、当量:2.5)を迅速に加え、冷却浴を取り外し、混合物を−78〜0℃で2.5時間撹拌した。ブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、黄色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、ベンジル(2RS)−1−(N−アリルスルフィンアモイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(2.87g、7.35mmol、収率66.5%)を明黄色のガム状物として与えた。MS(ISP):m/z=391.3[M+H]
【0183】
A13b: ベンジル(2R)−1−(N−アリルスルフィンアモイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート
【化38】

ジクロロメタン(乾燥)(55.2mL)中のベンジル(2R)−1−(クロロスルフィニル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(5.10g、13.8mmol、当量:1.00)の溶液に、−78℃で、プロパ−2−エン−1−アミン(1.97g、2.59mL、34.5mmol、当量:2.5)を迅速に加え、冷却浴を取り外し、混合物を−78〜0℃で1.5時間撹拌した。ブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、黄色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、ベンジル(2R)−1−(N−アリルスルフィンアモイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(3.737g、9.57mmol、収率69.4%)を明黄色のガム状物として与えた。MS(ISP):m/z=391.3[M+H]
【0184】
A13c: ベンジル((2R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−(N−((S)−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)スルフィンアモイル)プロパン−2−イル)カルバマート
【化39】

DMF(40mL)中の(S)−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−アミン塩酸塩(4.15g、25.7mmol、当量:0.95)の溶液に、−78℃で、N−メチルモルホリン(8.2g、8.92mL、81.1mmol、当量:3)を加え、−78℃で30分間撹拌した。次にジクロロメタン(乾燥)(30mL)中のベンジル(2R)−1−(クロロスルフィニル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(10g、27mmol、当量:1.00)の溶液を、−78℃で加え、混合物を−78〜23℃で18時間撹拌した。ブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。ブラインに注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、黄色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g,ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により精製して、ベンジル((2R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−(N−((S)−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)スルフィンアモイル)プロパン−2−イル)カルバマート(7.92g、17.3mmol、収率63.9%)を明褐色の油状物として与えた。MS(ISP):m/z=459.3[M+H]
【0185】
A13d: ベンジル((2R)−1−(N−(2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロピル)スルフィンアモイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イル)カルバマート
【化40】

DMF(15mL)中の3−アミノ−2,2−ジフルオロプロパン−1−オール塩酸塩(1.2g、8.11mmol、当量:1)の溶液に、0℃で、N−メチルモルホリン(2.46g、2.68mL、24.3mmol、当量:3)を加え、0℃で10分間撹拌した。次にジクロロメタン(乾燥)(5mL)中のベンジル(2R)−1−(クロロスルフィニル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(3g、8.11mmol、当量:1)の溶液を0℃で加え、混合物を23℃で16時間撹拌した。ブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。ブラインに注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、黄色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、ベンジル((2R)−1−(N−(2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロピル)スルフィンアモイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イル)カルバマート(1.7g、3.82mmol、収率47.2%)を明黄色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=445.3[M+H]
【0186】
中間体A14の合成
A14a: (RS)−[1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル
【化41】
【0187】
a) ベンジル(RS)−1−(N,N’−ジアリルスルファムイミドイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート: ジクロロメタン(乾燥)(42.7mL)中のベンジル(RS)−1−(N−アリルスルフィンアモイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(2.5g、6.4mmol、当量:1.00)の溶液に、−78℃で、tert−ブチルハイポクロライト(730mg、760μL、6.72mmol、当量:1.05)を加え、混合物を−78℃で45分間撹拌した。次にプロパ−2−エン−1−アミン(1.1g、1.44mL、19.2mmol、当量:3)を加え、冷却浴を取り外し、撹拌を−78〜23℃で1時間続けた。ブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗ベンジル(RS)−1−(N,N’−ジアリルスルファムイミドイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(2.85g、6.4mmol、収率99.9%)が明黄色の油状物として残り、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=446.3[M+H]
【0188】
b) (RS)−[1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル: ジクロロメタン(乾燥)(183mL)中のベンジル(RS)−1−(N,N’−ジアリルスルファムイミドイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(2.85g、6.4mmol、当量:1.00)の溶液に、アルゴン雰囲気下、23℃で、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン]ルテニウム(II)(Grubbs II、第二世代Grubbs触媒)(272mg、320μmol、当量:0.05)を加え、混合物を5時間還流した。全ての揮発物を蒸発させ、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により精製して、(RS)−[1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(2.00g、4.79mmol、収率74.9%)を褐色のガム状物として与えた。MS(ISP):m/z=418.3[M+H]
【0189】
A14b: [(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル
【化42】
【0190】
a) ベンジル(2R)−1−(N,N’−ジアリルスルファムイミドイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート: ジクロロメタン(乾燥)(63.7mL)中のベンジル(2R)−1−(N−アリルスルフィンアモイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(3.73g、9.55mmol、当量:1.00)の溶液に、−78℃で、tert−ブチルハイポクロライト(1.09g、1.13mL、10.0mmol、当量:1.05)を加え、混合物を−78℃で45分間撹拌した(TLCは、40分後に完全でクリーンな変換を示した)。次にプロパ−2−エン−1−アミン(1.64g、2.15mL、28.7mmol、当量:3)を加え、冷却浴を取り外し、撹拌を−78〜23℃で1時間続けた。ブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗ベンジル(2R)−1−(N,N’−ジアリルスルファムイミドイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(4.01g、9.00mmol、収率94.2%)が黄色の油状物として残り、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=446.3[M+H]
【0191】
b) [(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル: ジクロロメタン(180mL)中のベンジル(2R)−1−(N,N’−ジアリルスルファムイミドイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イルカルバマート(4.01g、9.00mmol、当量:1.00)の溶液を、アルゴン雰囲気下、23℃で、超音波処理を用いて脱気し、アルゴンで10分間パージし、次にトリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン]ルテニウム(II)(Grubbs II、第二世代Grubbs触媒)(382mg、450μmol、当量:0.05)を加え、混合物を24時間還流した。全ての揮発物を蒸発させ、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、70g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により精製して、[(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(2.89g、6.92mmol、収率76.9%)を明褐色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=418.2[M+H]
【0192】
A14c: ベンジル((2R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−((6S)−1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)−3,6−ジヒドロ−2H−1,2,7−チアジアゼピン−1−イル)プロパン−2−イル)カルバマート
【化43】
【0193】
a) ベンジル((2R)−1−(N−アリル−N’−((S)−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)スルファムイミドイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イル)カルバマート: ジクロロメタン(乾燥)(164mL)中のベンジル((2R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−(N−((S)−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)スルフィンアモイル)プロパン−2−イル)カルバマート(8.19g、17.9mmol、当量:1)の溶液に、−78℃で、tert−ブチルハイポクロライト(2.04g、2.12mL、10.0mmol、当量:1.05)を加え、混合物を0℃で1.5時間撹拌した(TLCは完全な変換を示した)。次にプロパ−2−エン−1−アミン(3.06g、2.12mL、18.8mmol、当量:3)を加え、冷却浴を取り外し、撹拌を23℃で18時間続けた。ブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗物質が残り、これをクロマトグラフィー(シリカゲル、100g、ヘプタン中0〜50%EtOAc)により精製して、ベンジル((2R)−1−(N−アリル−N’−((S)−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)スルファムイミドイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イル)カルバマート(異性体の混合物)(7.16g、14.0mmol、収率78%)を黄色の油状物として与えた。MS(ISP):m/z=514.3[M+H]
【0194】
b) ベンジル((2R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−((6S)−1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)−3,6−ジヒドロ−2H−1,2,7−チアジアゼピン−1−イル)プロパン−2−イル)カルバマート: ジクロロメタン(662mL)中のベンジル((2R)−1−(N−アリル−N’−((S)−1,1,1−トリフルオロブタ−3−エン−2−イル)スルファムイミドイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イル)カルバマート(5.1g、9.93mmol、当量:1)の溶液を、アルゴン雰囲気下、23℃で超音波処理を使用して脱気し、アルゴンで10分間パージし、次にトリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン]ルテニウム(II)(Grubbs II、第二世代Grubbs触媒)(422mg、497μmol、当量:0.05)を加え、混合物を3時間還流した。全ての揮発物を蒸発させ、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により精製して、ベンジル((2R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−((6S)−1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)−3,6−ジヒドロ−2H−1,2,7−チアジアゼピン−1−イル)プロパン−2−イル)カルバマート(異性体の混合物)(4g、8.24mmol、収率83%)を褐色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=486.3[M+H]
【0195】
A14d: ベンジル((2R)−1−(4,4−ジフルオロ−1−オキシド−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,6−チアジアジン−1−イル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イル)カルバマート
【化44】
【0196】
a) ジクロロメタン(24mL)中のベンジル((2R)−1−(N−(2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシプロピル)スルフィンアモイル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イル)カルバマート(1.2g、2.7mmol、当量:1)及びトリエチルアミン(546mg、753μL、5.4mmol、当量:2)の溶液に、0℃で、メタンスルホニルクロリド(433mg、295μL、3.78mmol、当量:1.4)を加え、23℃で3時間撹拌した。飽和NaClに注ぎ、DCMで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗物質(520mg)が黄色の油状物として残り、これをクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、[3−[[アミノ−[(2R)−2−アミノ−2−(2−フルオロフェニル)プロピル]−オキソ−λ−スルファニリデン]アミノ]−2,2−ジフルオロ−プロピル]メタンスルホナート(1.31g、2.51mmol、収率92.9%)を明黄色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=521.3[M+H]
【0197】
b) ジクロロメタン(30mL)中の[3−[[アミノ−[(2R)−2−アミノ−2−(2−フルオロフェニル)プロピル]−オキソ−λ−スルファニリデン]アミノ]−2,2−ジフルオロ−プロピル]メタンスルホナート(1.31g、2.51mmol、当量:1)の溶液に、−78℃で、tert−ブチルハイポクロライト(286mg、298μL、2.63mmol、当量:1.05)を加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。乾燥アンモニアガスを混合物に10分間泡立て入れ、撹拌を0℃で2.5時間続けた。水及びDCMで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗[3−[[アミノ−[(2R)−2−(2−フルオロフェニル)−2−(フェニルメトキシカルボニルアミノ)プロピル]−オキソ−λ−スルファニリデン]アミノ]−2,2−ジフルオロプロピル]メタンスルホナート(1.25g、2.33mmol、収率92.8%)が黄色の泡状物として残った。MS(ISP):m/z=538.2[M+H]
【0198】
c) DMF(57.8mL)中の[3−[[アミノ−[(2R)−2−(2−フルオロフェニル)−2−(フェニルメトキシカルボニルアミノ)プロピル]−オキソ−λ−スルファニリデン]アミノ]−2,2−ジフルオロプロピル]メタンスルホナート(1.25g、2.33mmol、当量:1)の溶液に、炭酸セシウム(758mg、2.33mmol、当量:1)を50℃で5時間加えた。混合物をブライン、水及びEtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。明黄色の油状物をクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により精製して、ベンジル((2R)−1−(4,4−ジフルオロ−1−オキシド−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,6−チアジアジン−1−イル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イル)カルバマート(異性体の混合物)(350mg、793μmol、収率34.1%)を無色の油状物として与えた。MS(ISP):m/z=442.3[M+H]
【0199】
中間体A15の合成
A15a: 1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチルアミン
【化45】

酢酸エチル(50mL)中の(RS)−[1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(1.98g、4.74mmol、当量:1.00)とパラジウム担持炭素(10%Pd/C)(1.48g、1.39mmol、当量:0.294)との混合物を、23℃で1.5時間水素化(バルーン圧)し、更なるパラジウム担持炭素(10%Pd/C)(1.30g、1.22mmol、当量:0.258)を加え、水素化を23℃で2時間続けた。触媒を濾別し、酢酸エチルで洗浄し、粗1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチルアミンを含有する濾液を、更なる精製をせずに次の工程で直接使用した。MS(ISP):m/z=286.2[M+H]
【0200】
A15b: (R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチルアミン
【化46】

酢酸エチル(93.4mL)中の[(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,6−ジヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(2.89g、6.92mmol、当量:1.00)とパラジウム担持炭素(10%Pd/C)(1.77g、1.66mmol、当量:0.24)との混合物を、23℃で16時間水素化(バルーン圧)した。触媒を濾別し、酢酸エチルで洗浄し、粗(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチルアミンの溶液を、更なる精製をせずに次の工程で直接使用した。MS(ISP):m/z=286.1[M+H]
【0201】
A15c: (6S)−1−((R)−2−アミノ−2−(2−フルオロフェニル)プロピル)−6−(トリフルオロメチル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,2,7−チアジアゼピン 1−オキシド
【化47】

酢酸エチル(800mL)中のベンジル((2R)−2−(2−フルオロフェニル)−1−((6S)−1−オキシド−6−(トリフルオロメチル)−3,6−ジヒドロ−2H−1,2,7−チアジアゼピン−1−イル)プロパン−2−イル)カルバマート(4g、8.24mmol、当量:1)とパラジウム担持炭素(10%Pd/C)(4.38g、4.12mmol、当量:0.5)との混合物を、23℃で5日間水素化(バルーン圧)した。触媒を濾別し、酢酸エチルで洗浄し、全ての揮発物を蒸発させて、粗(6S)−1−((R)−2−アミノ−2−(2−フルオロフェニル)プロピル)−6−(トリフルオロメチル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,2,7−チアジアゼピン 1−オキシド(2.69g、7.61mmol、収率92.4%)を無色の油状物として与え、これを更なる精製をせずに次の工程で直接使用した。MS(ISP):m/z=354.2[M+H]
【0202】
A15d: 1−((R)−2−アミノ−2−(2−フルオロフェニル)プロピル)−4,4−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,6−チアジアジン 1−オキシド
【化48】

酢酸エチル(60mL)中のベンジル((2R)−1−(4,4−ジフルオロ−1−オキシド−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,6−チアジアジン−1−イル)−2−(2−フルオロフェニル)プロパン−2−イル)カルバマート(330mg、748μmol、当量:1)とパラジウム担持炭素(10%Pd/C)(795mg、748μmol、当量:1)との混合物を、23℃で16時間水素化(1.5bar圧)した。触媒を濾別し、酢酸エチルで洗浄し、全ての揮発物を蒸発させて、粗1−((R)−2−アミノ−2−(2−フルオロフェニル)プロピル)−4,4−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,6−チアジアジン 1−オキシド(異性体の混合物)(260mg、846μmol、収率113%)を無色の油状物として与え、これを更なる精製をせずに次の工程で直接使用した。MS(ISP):m/z=308.1[M+H]
【0203】
中間体A16の合成
A16a: (RS)−1−ベンゾイル−3−[1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−チオウレア
【化49】

酢酸エチル(約100mL)中の粗1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチルアミンの溶液に、ベンゾイルイソチオシアナート(813mg、669μL、4.98mmol、当量:1.05)を加え、混合物を23℃で25分間撹拌した。全ての揮発物を蒸発させて、粗(RS)−1−ベンゾイル−3−[1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−チオウレアを黄色の泡状物として得て、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=449.2[M+H]
【0204】
A16b: 1−ベンゾイル−3−[(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−チオウレア
【化50】

酢酸エチル(約250mL)中の粗(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチルアミンの溶液に、ベンゾイルイソチオシアナート(1.19g、977μL、7.27mmol、当量:1.05)を加え、混合物を23℃で25分間撹拌した。全ての揮発物を蒸発させ、粗1−ベンゾイル−3−[(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−チオウレアを黄色の泡状物として得て、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=449.2[M+H]
【0205】
A16c: 1−ベンゾイル−3−[(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−((S)−1−オキソ−6−トリフルオロメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−チオウレア
【化51】

酢酸エチル(300mL)中の粗(6S)−1−((R)−2−アミノ−2−(2−フルオロフェニル)プロピル)−6−(トリフルオロメチル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,2,7−チアジアゼピン 1−オキシド(2.69g、7.61mmol、当量:1)の溶液に、0℃で、ベンゾイルイソチオシアナート(1.3g、1.07mL、7.99mmol、当量:1.05)を加え、混合物を0℃で3時間撹拌した。全ての揮発物を蒸発させ、粗1−ベンゾイル−3−[(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−((S)−1−オキソ−6−トリフルオロメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−チオウレアを黄色の泡状物として得て、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=517.2[M+H]
【0206】
A16d: 1−ベンゾイル−3−[(R)−2−(4,4−ジフルオロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1λ−[1,2,6]チアジアジン−1−イル)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−エチル]−チオウレア
【化52】

酢酸エチル(25mL)中の粗1−((R)−2−アミノ−2−(2−フルオロフェニル)プロピル)−4,4−ジフルオロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2,6−チアジアジン 1−オキシド(260mg、846μmol、当量:1)の溶液に、0℃で、ベンゾイルイソチオシアナート(145mg、119μL、888μmol、当量:1.05)を加え、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。全ての揮発物を蒸発させ、粗1−ベンゾイル−3−[(R)−2−(4,4−ジフルオロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1λ−[1,2,6]チアジアジン−1−イル)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−エチル]−チオウレア(異性体の混合物)を黄色の泡状物として得て、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=471.2[M+H]
【0207】
中間体A17の合成
A17a1: N−[(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−ベンズアミド及びA17a2: N−[(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−ベンズアミド
【化53】

アセトニトリル(70mL)中の粗(RS)−1−ベンゾイル−3−[1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−チオウレアの溶液に、23℃で、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC HCl)(1.36g、7.11mmol、当量:1.5)を加え、混合物を80℃で70分間撹拌した。減圧下で濃縮し、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、70g,ヘプタン中0%〜60%EtOAc)により精製して、N−[(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−ベンズアミド(634mg、1.53mmol、収率32.3%)を白色の泡状物(より速く溶出するジアステレオマー)として、及びN−[(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−ベンズアミド(857mg、2.07mmol、収率43.6%)を白色の泡状物(よりゆっくり溶出するジアステレオマー)として与えた。A17a1に関するMS(ISP):m/z=415.3;[M+H]。A17a2に関するMS(ISP):m/z=415.3[M+H]
【0208】
A17b1: N−[(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−ベンズアミド及びA17b2: N−[(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−ベンズアミド
【化54】

アセトニトリル(131mL)中の粗1−ベンゾイル−3−[(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−(1−オキソ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−チオウレアの溶液に、23℃で、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC HCl)(1.99g、10.4mmol、当量:1.5)を加え、80℃で80分間撹拌した。減圧下で濃縮し、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、70g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により3回精製して、N−[(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−ベンズアミド(0.948g、2.29mmol、収率33.0%)を明黄色の泡状物(より速く溶出するジアステレオマー)として、及びN−[(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−ベンズアミド(1.178g、2.84mmol、収率41.1%)を白色の固体(よりゆっくり溶出するジアステレオマー)として与えた。A17b1に関するMS(ISP):m/z=415.2[M+H]。A17b2に関するMS(ISP):m/z=415.2[M+H]
【0209】
A17c: N−((2S,9R)−9−(2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)ベンズアミド
【化55】

アセトニトリル(300mL)中の粗1−ベンゾイル−3−[(R)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−2−((S)−1−オキソ−6−トリフルオロメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1λ−[1,2,7]チアジアゼピン−1−イル)−エチル]−チオウレアの溶液に、23℃で、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC HCl)(2.19g、11.4mmol、当量:1.5)を加え、65℃で2時間撹拌した。飽和NaHCO溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗物質(4.18g)が明黄色の固体として残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100g、ヘプタン中0%〜30%EtOAc)により2回精製して、N−((2S,9R)−9−(2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)ベンズアミド(1.73g、3.59mmol、収率47.1%)を白色の固体(異性体の混合物)として与えた。MS(ISP):m/z=482.1[M+H]。
【0210】
A17d: N−((8R)−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロフェニル)−8−メチル−10−オキシド−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン−6−イル)ベンズアミド
【化56】

アセトニトリル(25mL)中の粗1−ベンゾイル−3−[(R)−2−(4,4−ジフルオロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1λ−[1,2,6]チアジアジン−1−イル)−1−(2−フルオロ−フェニル)−1−メチル−エチル]−チオウレアの溶液に、23℃で、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC HCl)(243mg、1.27mmol、当量:1.5)を加え、65℃で1.5時間撹拌した。飽和NaHCO溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗物質が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により2回精製して、N−((8R)−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロフェニル)−8−メチル−10−オキシド−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン−6−イル)ベンズアミド(異性体の混合物)(200mg、458μmol、収率54.2%)を黄色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=437.2[M+H]。
【0211】
中間体A19の合成
A19a1: [(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル及びA19a2: [(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化57】

(RS)−N−[3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−ベンズアミド(204mg、492μmol、当量:1.00)、二炭酸ジ−tert−ブチル(118mg、126μL、541μmol、当量:1.10)及びDMAP(12.0mg、98.4μmol、当量:0.20)の乾燥混合物に、23℃で、テトラヒドロフラン(5mL)を、続いてトリエチルアミン(54.8mg、75.5μL、541μmol、当量:1.10)を加えた。混合物を23℃で2時間撹拌したが、不完全な変換のため、二炭酸ジ−tert−ブチル(118mg、126μL、541μmol、当量:1.10)、トリエチルアミン(54.8mg、75.5μL、541μmol、当量:1.10)及びDMAP(12.0mg、98.4μmol、当量:0.20)を加え、撹拌を23℃で18時間続け、全ての揮発物を蒸発させ、粗物質を23℃で6時間静置させて、中間体A18a1及びA18a2を与えた。メタノール(5mL)に溶解し、アンモニア(MeOH中7M )(1.76mL、12.3mmol、当量:25)を加え、23℃で40分間撹拌した。全ての揮発物を減圧下で除去し、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により精製して、[(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(75mg、183μmol、収率37.1%)を明黄色のガム状物(これは、後に結晶化させて、オフホワイトの固体とした)(より速く溶出するジアステレオマー)として、及び[(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(71mg、173μmol、収率35.1%)を明黄色のガム状物(よりゆっくり溶出するジアステレオマー)として与えた。A19a1に関するMS(ISP):m/z=411.3[M+H]。A19a2に関するMS(ISP):m/z=411.3[M+H]
【0212】
A19b1: [(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化58】

テトラヒドロフラン(9.1mL)中のN−[(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−ベンズアミド(948mg、2.29mmol、当量:1.00)、トリエチルアミン(255mg、351μL、2.52mmol、当量:1.10)及びDMAP(55.9mg、457μmol、当量:0.20)の溶液に、23℃で、二炭酸ジ−tert−ブチル(BocO)(549mg、584μL、2.52mmol、当量:1.10)を加え、混合物を23℃で1時間撹拌し、トリエチルアミン(255mg、351μL、2.52mmol、当量:1.10)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(549mg、584μL、2.52mmol、当量:1.10)を再び加え、撹拌を23℃で20時間続けた。全ての揮発物を蒸発させ、黄色の油状物を与え、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により迅速に精製して、中間体A18b1を黄色の泡状物(約1.5g)として与えた。メタノール(10mL)に溶解し、アンモニア(MeOH中7M )(8.17mL、57.2mmol、当量:25)を加え、撹拌を23℃で75分間続けた。全ての揮発物を蒸発させ、黄色の油状物を与え、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、70g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により精製して、[(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(766mg、1.87mmol、収率81.6%)をオフホワイトの固体として与えた。MS(ISP):m/z=411.3[M+H]
【0213】
A19b2: [(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化59】

テトラヒドロフラン(10mL)中のN−[(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−ベンズアミド(684mg、1.65mmol、当量:1.00)、トリエチルアミン(367mg、506μL、3.63mmol、当量:2.20)及びDMAP(40.3mg、330μmol、当量:0.20)の溶液に、23℃で、二炭酸ジ−tert−ブチル(BocO)(792mg、843μL、3.63mmol、当量:2.20)を加え、混合物を23℃で18時間撹拌した。全ての揮発物を蒸発させ、中間体A18b2を与え、メタノール(5mL)及びアンモニア(MeOH中7M )(5.89mL、41.3mmol、当量:25)を加え、撹拌を23℃で35分間続けた。全ての揮発物を蒸発させ、黄色の油状物を与え、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜60%EtOAc)により精製して、[(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(418mg、1.02mmol、収率61.7%)を明黄色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=411.2[M+H]
【0214】
A19c: tert−ブチル((2S,9R)−9−(2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート
【化60】

テトラヒドロフラン(7mL)中のN−((2S,9R)−9−(2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)ベンズアミド(500mg、1.04mmol、当量:1)、トリエチルアミン(115mg、159μL、1.14mmol、当量:1.1)及びDMAP(127mg、1.04mmol、当量:1)の溶液に、23℃で、二炭酸ジ−tert−ブチル(BocO)(452mg、481μL、2.07mmol、当量:2)を加え、混合物を23℃で18時間撹拌した。飽和NaHCO溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗物質が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により精製して、tert−ブチルベンゾイル((2S,9R)−9−(2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(異性体の混合物)(510mg、875μmol、収率84.5%)を白色の固体として与えた。この物質をメタノール(25mL)に溶解し、アンモニア(MeOH中7M )(3.13mL、21.9mmol、当量:25)を加え、撹拌を23℃で30分間続けた。全ての揮発物を蒸発させ、粗tert−ブチル((2S,9R)−9−(2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(異性体の混合物)を黄色の油状物として与え、これを更なる精製をせずに次の工程で使用した。MS(ISP):m/z=479.2[M+H]
【0215】
A19d: tert−ブチル((8R)−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロフェニル)−8−メチル−10−オキシド−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン−6−イル)カルバマート
【化61】

テトラヒドロフラン(3mL)中のN−((8R)−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロフェニル)−8−メチル−10−オキシド−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン−6−イル)ベンズアミド(200mg、458μmol、当量:1)、トリエチルアミン(51mg、70.3μL、504μmol、当量:1.1)及びDMAP(56mg、458μmol、当量:1)の溶液に、23℃で、二炭酸ジ−tert−ブチル(BocO)(200mg、213μL、916μmol、当量:2)を加え、混合物を23℃で18時間撹拌した。飽和NaHCO溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗物質が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc)により精製して、tert−ブチルベンゾイル((8R)−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロフェニル)−8−メチル−10−オキシド−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン−6−イル)カルバマート(異性体の混合物)(200mg、371μmol、収率81%)を白色の固体として与えた。この物質をメタノール(10mL)に溶解し、アンモニア(MeOH中7M )(1.33mL、9.32mmol、当量:25)を加え、撹拌を23℃で30分間続けた。全ての揮発物を蒸発させ、粗tert−ブチル((8R)−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロフェニル)−8−メチル−10−オキシド−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン−6−イル)カルバマート(異性体の混合物)を黄色の油状物として与え、これを更なる精製をせずに次の工程で使用した。MS(ISP):m/z=433.2[M+H]
【0216】
中間体A20の合成
A20a1: (3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化62】

ジクロロメタン(乾燥)(3mL)中の[(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(75mg、183μmol、当量:1.00)の溶液に、23℃で、TFA(1.49g、1.00mL、13.0mmol、当量:71.3)を加え、混合物を23℃で1時間撹拌した。全ての揮発物を蒸発させ、DCM及び25%NHOH溶液を加え、相を分離し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒の除去をすると、純粋な(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(50mg、161μmol、収率88.2%)が明黄色の泡状物として残った。MS(ISP):m/z=311.2[M+H]
【0217】
A20a2: (3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化63】

ジクロロメタン(乾燥)(3mL)中の[(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(71mg、173μmol、当量:1.00)の溶液に、23℃で、TFA(1.48g、1.00mL、13.0mmol、当量:75.1)を加え、混合物を23℃で1時間撹拌した。全ての揮発物を蒸発させ、DCM及び25%NHOH溶液を加え、相を分離し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒の除去をすると、純粋な(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(48mg、155μmol、収率89.4%がオフホワイトの固体として残った。MS(ISP):m/z=311.2[M+H]
【0218】
A20b1: (3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化64】

ジクロロメタン(乾燥)(5.2mL)中の[(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(760mg、1.85mmol、当量:1.00)の溶液に、23℃で、トリフルオロ酢酸(TFA)(3.8g、2.57mL、33.3mmol、当量:18)を加え、混合物を23℃で1.25時間撹拌した。全ての揮発物を蒸発させ、酢酸エチルと飽和NaHCO溶液+ブラインとに分配し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、無色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(535mg、1.72mmol、収率93.1%)を白色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=311.1[M+H]
【0219】
A20b2: (3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化65】

ジクロロメタン(乾燥)(6mL)中の[(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(415mg、1.01mmol、当量:1.00)の溶液に、23℃で、トリフルオロ酢酸(TFA)(2.96g、2.00mL、25.9mmol、当量:25.65)を加え、混合物を23℃で2時間撹拌した。全ての揮発物を蒸発させ、酢酸エチルと飽和NaHCO溶液+ブラインとに分配し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(379mg、1.01mmol、収率100%; 純度83%)が明黄色の固体として残り、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=311.1[M+H]
【0220】
A20c: (3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化66】

ジクロロメタン(乾燥)(25mL)中の粗tert−ブチル((2S,9R)−9−(2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートの溶液に、23℃で、トリフルオロ酢酸(TFA)(2.5g、1.69mL、21.9mmol、当量:25)を加え、混合物を23℃で16時間撹拌した。飽和NaHCO溶液+ブラインに注意深く注ぎ、DCMで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗物質が残り、これをクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0〜100%EtOAc)により精製して、(2S,9R)−7−アミノ−9−(2−フルオロフェニル)−9−メチル−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド(異性体の混合物)(273mg、721μmol、収率82.4%)を白色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=379.1[M+H]
【0221】
A20d: (8R)−6−アミノ−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロフェニル)−8−メチル−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン 10−オキシド
【化67】

ジクロロメタン(乾燥)(10mL)中の粗tert−ブチル((8R)−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロフェニル)−8−メチル−10−オキシド−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン−6−イル)カルバマートの溶液に、23℃で、トリフルオロ酢酸(TFA)(1.06g、718μL、9.32mmol、当量:25)を加え、混合物を23℃で1時間撹拌した。飽和NaHCO溶液+ブラインに注意深く注ぎ、DCMで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、粗物質が残り、これをクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0〜100%EtOAc)により精製して、(8R)−6−アミノ−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロフェニル)−8−メチル−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン 10−オキシド(異性体の混合物)(58mg、175μmol、収率46.8%)を明黄色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=333.2[M+H]
【0222】
中間体A21の合成
A21a1: (3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化68】

濃硫酸(986mg、536μL、10.1mmol、当量:80)中の(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(39mg、126μmol、当量:1.00)の溶液に、0℃で、発煙硝酸(11.9mg、8.42μL、188μmol、当量:1.50)を滴下し、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ、3M NaOH溶液で塩基性化し、続いてジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて、粗かつ純粋な(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(34mg、95.7μmol、収率76.1%)を明黄色の油状物として与えた。MS(ISP):m/z=356.2[M+H]
【0223】
A21a2: (3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化69】

濃硫酸(859mg、467μL、8.76mmol、当量:80)中の(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(34mg、110μmol、当量:1.00)の溶液に、0℃で、発煙硝酸(10.4mg、7.34μL、164μmol、当量:1.50)を滴下し、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ、3M NaOH溶液で塩基性化し、続いてジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて、粗かつ純粋な(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(28mg、78.8μmol、収率71.9%)を白色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=356.2[M+H]
【0224】
A21b1: (3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化70】

濃硫酸(5.13g、2.79mL、52.3mmol、当量:80)中の(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(203mg、654μmol、当量:1.00)の溶液に、0℃で、発煙硝酸(61.8mg、43.8μL、981μmol、当量:1.50)を滴下し、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ、3M NaOH溶液で塩基性化し、続いてジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて、粗かつ純粋な(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(232mg、653μmol、収率99.8%)を白色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=356.2[M+H]
【0225】
A21b2: (3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化71】

濃硫酸(15.4g、8.38mL、157mmol、当量:80)中の(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(610mg、1.97mmol、当量:1.00)の溶液に、0℃で、発煙硝酸(186mg、132μL、2.95mol、当量:1.50)を滴下し、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ、3M NaOH溶液で塩基性化し、続いてジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて、粗かつ純粋な(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(550mg、1.55mmol、収率78.7%)を白色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=356.2[M+H]
【0226】
A21c: (2S,9R)−7−アミノ−9−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−9−メチル−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド
【化72】

濃硫酸(5.66g、3.08mL、57.7mmol、当量:80)中の(2S,9R)−7−アミノ−9−(2−フルオロフェニル)−9−メチル−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド(273mg、721μmol、当量:1)の溶液に、0℃で、発煙硝酸(68.2mg、48.4μL、1.08mmol、当量:1.5)を滴下し、混合物を0℃で20分間撹拌した。反応混合を氷に注ぎ、飽和NaHCO溶液及び固体NaHCOで注意深く中和し、続いて酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて、粗物質を与え、これをクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、(2S,9R)−7−アミノ−9−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−9−メチル−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド(異性体の混合物)(260mg、614μmol、収率85.1%)により精製して、黄色の固体を与えた。MS(ISP):m/z=424.2[M+H]
【0227】
A21d: (8R)−6−アミノ−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−8−メチル−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン 10−オキシド
【化73】

濃硫酸(1.25g、680μL、12.8mmol、当量:80)中の(8R)−6−アミノ−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロフェニル)−8−メチル−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン 10−オキシド(53mg、159μmol、当量:1)の溶液に、0℃で、発煙硝酸(15.1mg、10.7μL、239μmol、当量:1.5)を滴下し、混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ、飽和NaHCO溶液及び固体NaHCOで注意深く中和し、続いてDCMで抽出した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて、粗(8R)−6−アミノ−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−8−メチル−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン 10−オキシド(46mg、122μmol、収率76.4%)を明黄色の油状物として与え、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=378.1[M+H]
【0228】
中間体A22の合成
A22a1: (3RS,4aRS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化74】

エタノール(3mL)中の(3RS,4aRS)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(34mg、95.7μmol、当量:1.00)、トリエチルアミン(9.68mg、13.3μL、95.7μmol、当量:1.00)及びパラジウム担持炭素(10%Pd/C)(10.2mg、9.57μmol、当量:0.1)の混合物を、23℃で1時間水素化(バルーン圧)した。触媒を濾別し、エタノールで洗浄し、全ての揮発物を蒸発させて、粗(3RS,4aRS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(34mg、94.0μmol、収率98.3%)を黄色の泡状物として与え、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=326.2[M+H]
【0229】
A22a2: (3RS,4aSR)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化75】

エタノール(3.00mL)中の(3RS,4aSR)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(28mg、78.8μmol、当量:1.00)、トリエチルアミン(7.97mg、11.0μL、78.8μmol、当量:1.00)及びパラジウム担持炭素(10%Pd/C)(8.38mg、7.88μmol、当量:0.1)の混合物を、23℃で1時間水素化(バルーン圧)し、完了していないように見えたので、パラジウム担持炭素(10%Pd/C)(8.38mg、7.88μmol、当量:0.1)を加え、水素化を23℃で1.5時間続けた。触媒を濾別し、エタノールで洗浄し、全ての揮発物を蒸発させて、粗(3RS,4aSR)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(21mg、64.5μmol、収率81.9%)を黄色の泡状物として与え、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=326.2[M+H]
【0230】
A22b1: (3R,4aR)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化76】

エタノール(20.4mL)中の(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(232mg、653μmol、当量:1.00)、トリエチルアミン(66.1mg、90.1μL、653μmol、当量:1.00)及びパラジウム担持炭素(10%Pd/C)(69.5mg、65.3μmol、当量:0.1)の混合物を、23℃で2時間水素化(バルーン圧)した。触媒を濾別し、エタノールで洗浄し、全ての揮発物を蒸発させて、粗(3R,4aR)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(212mg、651μmol、収率99.8%)を黄色の泡状物として得て、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=326.1[M+H]
【0231】
A22b2: (3R,4aS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化77】

エタノール(48.4mL)中の(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(550mg、1.55mol、当量:1.00)、トリエチルアミン(157mg、216μL、1.55mmol、当量:1.00)及びパラジウム担持炭素(10%Pd/C)(165mg、155μmol、当量:0.1)の混合物を、23℃で2時間水素化(バルーン圧)した。触媒を濾別し、エタノールで洗浄し、全ての揮発物を蒸発させて、粗(3R,4aS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(504mg、1.55μmol、収率100%)を黄色の泡状物として与え、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=326.2[M+H]
【0232】
A22c: (2S,9R)−7−アミノ−9−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド
【化78】

エタノール(40mL)中の(2S,9R)−7−アミノ−9−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−9−メチル−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド(260mg、614μmol、当量:1)、トリエチルアミン(62.1mg、85.6μL、614μmol、当量:1.00)及びパラジウム担持炭素(10%Pd/C)(65.4mg、61.4μmol、当量:0.1)の混合物を、23℃で2時間水素化(バルーン圧)した。触媒を濾別し、エタノールで洗浄し、全ての揮発物を蒸発させて、粗(2S,9R)−7−アミノ−9−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド(242mg、615μmol、収率100%)を黄色の泡状物として与え、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=394.2[M+H]
【0233】
A22d: (8R)−6−アミノ−8−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,3−ジフルオロ−8−メチル−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン 10−オキシド
【化79】

エタノール(10mL)中の(8R)−6−アミノ−3,3−ジフルオロ−8−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−8−メチル−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン 10−オキシド(46mg、122μmol、当量:1)、トリエチルアミン(12.3mg、17μL、122μmol、当量:1)及びパラジウム担持炭素(10%Pd/C)(13mg、12.2μmol、当量:0.1)の混合物を、23℃で4時間水素化(バルーン圧)した。触媒を濾別し、エタノールで洗浄し、全ての揮発物を蒸発させて、粗(8R)−6−アミノ−8−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,3−ジフルオロ−8−メチル−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン 10−オキシド(16mg、46.1μmol、収率37.8%)を明黄色の油状物として与え、これを更なる精製をせずに使用した。MS(ISP):m/z=348.1[M+H]
【0234】
中間体A23の合成
A23a1: (3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化80】

ジクロロメタン(5.5mL)中の(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(300mg、967μmol、当量:1.00)の溶液に、0℃で、トリフルオロメタンスルホン酸(2.9g、1.72mL、19.3mmol、当量:20)を滴下し、混合物が室温に温まるにまかせた。N−ヨードスクシンイミド(261mg、1.16mmol、当量:1.2)を一度に加え、混合物を30分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO溶液(10mL)に滴下し、DCMで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc、非極性不純物を除去するため)により精製して、次にカラムをAcOEt−MeOH−NHOH 100:10:1で洗浄して、(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(412mg、944μmol、収率97.7%)を明褐色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=437.1[M+H]
【0235】
A23a2: (3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
【化81】

ジクロロメタン(7mL)中の(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(379mg、1.01mmol、当量:1.00)の溶液に、0℃で、トリフルオロメタンスルホン酸(3.04g、1.8mL、20.3mmol、当量:20)を滴下し、混合物が室温に温まるにまかせた。N−ヨードスクシンイミド(274mg、1.22mmol、当量:1.2)を一度に加え、混合物を30分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO溶液(10mL)に滴下し、DCMで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜50%EtOAc、非極性不純物を除去するため)により精製して、次にカラムをAcOEt−MeOH−NHOH 100:10:1で洗浄して、(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(390mg、894μmol、収率88.2%)を明褐色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=437.1[M+H]
【0236】
中間体A27の合成
A27a: (R,E)−N−(1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化82】

市販の1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)エタノン(140g、645mmol、当量:1.0)[CAS No. 477-89-3]、(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(78.2、645mmol、当量:1.0)及びチタン(IV)エトキシド(221g、204mL、968mmol、当量:1.5)を、テトラヒドロフラン(1.19L)に溶解し、混合物を75℃に加熱し、この温度で一晩撹拌した。混合物を50℃に冷却し、飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液(1.17L、2.58mol、当量:4)を加え、混合物をこの温度で1.5時間撹拌した。混合物をTBMEで希釈し、層を分離し、有機層を、硫酸(0.05M 、2.36L、118mmol、当量:0.183)、飽和NaCO溶液(645mL、645mmol、当量:1.00)及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させると、暗橙色の固体が残り、これをn−ヘプタンでのトリチュレーションにより精製して、第1のバッチを与えた。
【0237】
中間体A28の合成
A32a: (R)−N−((R)−1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−シアノエチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化83】

ジエチルアルミニウムシアニド(トルエン中1M 、45.25mL、45.25mmol)の溶液に、23℃で、イソプロパノール(2.314mL、30.17mmol)を加え、混合物を23℃で30分間撹拌した。得られた溶液を15分以内に、テトラヒドロフラン(452mL)中の(R,E)−N−(1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(9.66g、30.17mmol)の溶液に−78℃で滴下し、撹拌を5分間続け、次に−10℃にゆっくりと昇温し、−10℃で5.5時間撹拌した。飽和NaHCO溶液に注ぎ、沈殿物を濾別し、酢酸エチルで洗浄し、有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒の除去をすると、黄色の油状物(11.38g、d.r.(ジアステレオマー比)9.9:1)が残り、これを2−メチルテトラヒドロフラン及びn−ヘプタンから結晶化により精製して、第1のバッチ(4.80g)及び第2のバッチを、母液からジクロロメタン/TBME 95:5(2.24g)を用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより得た。オフホワイトの固体として(R)−N−((R)−1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−シアノエチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミドの総収量/総収率(7.04g、67%)。MS(ISP):m/z=347.1[M+H]及び349.0[M+2+H]
【0238】
中間体A30の合成
A30a: tert−ブチル((9R,11S)−9−(2−フルオロ−5−ヨードフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート
【化84】
【0239】
工程1: N−((9R,11S)−9−(2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)ベンズアミド(542mg)をジクロロメタン(18mL)に溶解し、0℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸(3.92g)の添加の後、反応混合物を室温に温め、N−ヨードスクシンイミド(206mg)を加えた。1時間後、もう一つの部分のN−ヨードスクシンイミド(206mg)を加え、混合物を18時間撹拌した。3つ目の部分のN−ヨードスクシンイミド(206mg)を加え、混合物を2時間撹拌した。暗紫色の混合物を飽和NaHCO水溶液に注いだ。層を分離し、水層をジクロロメタンでもう一度抽出した。有機層を0.1M ナトリウムチオ硫酸溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。混合物(765mg、モノヨード及びジヨード化合物、約1:2)を更なる精製をせずに次の工程に付した。
【0240】
工程2: 工程1の生成物(765mg)をTHF(16.9mL)に溶解した。Boc−無水物(371mg)、4−ジメチルアミノピリジン(34.6mg)及びトリエチルアミン(172mg)の添加の後、混合物を室温で18時間撹拌し、続いて濃縮乾固した。残留ガム状物をMeOH(10.2mL)に溶解した。アンモニア(10.2mL、MeOH中7M )の添加後、混合物を30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘプタン中の0%〜70%EtOAc)により精製して、tert−ブチル((9R,11S)−9−(2−フルオロ−5−ヨードフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(289mg)を無色の泡状物として与えた。MS:m/z=535.4[M−H]
【0241】
A30b: tert−ブチル((9R,11R)−9−(2−フルオロ−5−ヨードフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート
【化85】

中間体A30aの合成と同様にして、N−((9R,11R)−9−(2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)ベンズアミドを、tert−ブチル((9R,11R)−9−(2−フルオロ−5−ヨードフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートに変換した。オフホワイトの固体。MS:m/z=535.4[M−H]
【0242】
中間体A31の合成
A31a: tert−ブチル((9R,11S)−9−(5−エチニル−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート
【化86】
【0243】
工程1: tert−ブチル((9R,11S)−9−(2−フルオロ−5−ヨードフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(288mg)、エチニルトリメチルシラン(105mg)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(26.4mg)、ヨウ化銅(I)(4.09mg)及びトリエチルアミン(163mg)をアルゴン下、THF(5mL)と混合し、密閉管中、60℃で30分間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、ガラス繊維フィルターを通して濾過した。濾液を蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘプタン中の0%〜70%EtOAc)により精製して、tert−ブチル((9R,11S)−9−(2−フルオロ−5−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(189mg)を明褐色の泡状物として与えた。MS:m/z=505.4[M−H]
【0244】
工程2: tert−ブチル((9R,11S)−9−(2−フルオロ−5−((トリメチルシリル)エチニル)フェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(185mg)をジクロロメタン(5mL)に溶解した。3−メルカプトプロピルエチルスルフィドシリカ(微量のCu及びPdを除去するためのスカベンジャー、149mg)の添加の後、混合物を室温で4時間撹拌した。スカベンジャーを濾別し、酢酸エチルで十分に洗浄した。ほぼ無色の溶媒を蒸発させ、ジクロロメタン(5mL)に再溶解し、0℃に冷却した。フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1M 、402μL)の添加の後、混合物を0℃で30分間撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、水で2回洗浄し、ジクロロメタンで抽出し戻した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させ、乾燥させて、ほぼ純粋なtert−ブチル((9R,11S)−9−(5−エチニル−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(162mg)を無色の泡状物として与え、これを更なる精製をせずに次の工程で使用した。MS:m/z=433.4[M−H]
【0245】
A31b: tert−ブチル((9R,11R)−9−(5−エチニル−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート
【化87】

中間体A31aの合成と同様にして、tert−ブチル((9R,11R)−9−(2−フルオロ−5−ヨードフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートを、tert−ブチル((9R,11R)−9−(5−エチニル−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートへ変換した。明黄色の固体。MS:m/z=433.5[M−H]
【0246】
実施例1
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aRS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
メタノール(2.5mL)中の5−シアノピリジン−2−カルボン酸(16.7mg、113μmol、当量:1.2)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(36.4mg、132μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(1.5mL)中の(3RS,4aRS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(34mg、94.0μmol、当量:1.00)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で4時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、橙色の泡状物(47mg)が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、ヘプタン中100%〜100%EtOAc、次にEtOAc−MeOH−NHOH 50:1:0.1)により精製して、5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aRS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(20mg、43.9μmol、収率46.7%)を黄色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=456.3[(M+H)]。
【0247】
実施例2
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aSR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
メタノール(2.28mL)中の5−シアノピリジン−2−カルボン酸(16mg、108μmol、当量:1.67)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(30mg、108μmol、当量:1.68)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(1.37mL)中の(3RS,4aSR)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(21mg、64.5μmol、当量:1.00)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で16時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、橙色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、ヘプタン中100%〜100%EtOAc、次にEtOAc−MeOH−NHOH 50:1:0.1)により精製して、5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3RS,4aSR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(10mg、22.0μmol、収率34.0%)を黄色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=456.3[(M+H)]。
【0248】
実施例3
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
メタノール(3mL)中の5−シアノピリジン−2−カルボン酸(38.2mg、258μmol、当量:1.2)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(83.3mg、301μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(5mL)中の(3R,4aR)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(70mg、215μmol、当量:1.00)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で3時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(62mg、136μmol、収率63.3%)をオフホワイトの泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=456.2[(M+H)]。
【0249】
実施例4
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
メタノール(3mL)中の5−シアノピリジン−2−カルボン酸(38.2mg、258μmol、当量:1.2)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(83.3mg、301μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(5mL)中の(3R,4aS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(70mg、215μmol、当量:1.00)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で3時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(69mg、151μmol、収率70.4%)をオフホワイトの泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=456.2[(M+H)]。
【0250】
実施例5
5−[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル
テトラヒドロフラン(5mL)及び水(2.5mL)中の(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(135mg、309μmol、当量:1.00)の溶液に、室温で、5−シアノ−3−ピリジニルボロン酸(54.9mg、371μmol、当量:1.2)、炭酸セシウム(403mg、1.24mmol、当量:4)を加え、アルゴン下、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(PdCl(dppf)−CHCl)(25.3mg、30.9μmol、当量:0.1)を加え、混合物を密閉管中、80℃で16時間撹拌した。飽和NaHCO溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒の除去をすると、黒色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(第1:NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc; 第2:シリカゲル、20g、CHCl−MeOH−NHOH 100:5:0.5)により精製して、5−[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル(27mg、65.5μmol、収率21.2%)を白色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=413.2[(M+H)]。
【0251】
実施例6
(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
テトラヒドロフラン(5mL)及び水(2.5mL)中の(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(135mg、309μmol、当量:1.00)の溶液に、室温で、ピリミジン−5−イルボロン酸(46.0mg、371μmol、当量:1.2)、炭酸セシウム(403mg、1.24mmol、当量:4)を加え、アルゴン下、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(PdCl(dppf)−CHCl)(25.3mg、30.9μmol、当量:0.1)を加え、混合物を密閉管中、80℃で16時間撹拌した。飽和NaHCO溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒の除去をすると、黒色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(第1:NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc; 第2:シリカゲル、20g、CHCl−MeOH−NHOH 100:5:0.5)により精製して、(3R,4aR)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(20mg、51.5μmol、収率16.6%)を白色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=389.2[(M+H)]。
【0252】
実施例7
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4λ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
【化88】

メタノール(3mL)中の5−クロロピコリン酸(33.9mg、215μmol、当量:1.2)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(83.3mg、301μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(5mL)中の(3R,4aR)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(70mg、215μmol、当量:1.00)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で3時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(62mg、133μmol、収率62.0%)をオフホワイトの泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=465.2[(M+H)]。
【0253】
実施例8
5−[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル
テトラヒドロフラン(5mL)及び水(2.5mL)中の(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(130mg、298μmol、当量:1.00)の溶液に、室温で、5−シアノ−3−ピリジニルボロン酸(52.9mg、358μmol、当量:1.2)、炭酸セシウム(388mg、1.19mmol、当量:4)を、及びアルゴン下で1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(PdCl(dppf)−CHCl)(24.3mg、29.8μmol、当量:0.1)を加え、混合物を密閉管中、80℃で16時間撹拌した。飽和NaHCO溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(第1:NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc; 第2:シリカゲル、20g、CHCl−MeOH−NHOH 100:5:0.5)により精製して、5−[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−ニコチノニトリル(41mg、99.4μmol、収率33.4%)を白色の固体を与えた。MS(ISP):m/z=413.2[(M+H)]。
【0254】
実施例9
(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン
テトラヒドロフラン(5mL)及び水(2.5mL)中の(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ヨード−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(130mg、298μmol、当量:1.00)の溶液に、室温で、ピリミジン−5−イルボロン酸(44.3mg、358μmol、当量:1.2)、炭酸セシウム(388mg、1.19mmol、当量:4)を、及びアルゴン下で1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(PdCl(dppf)−CHCl)(24.3mg、29.8μmol、当量:0.1)を加え、混合物を密閉管中、80℃で16時間撹拌した。飽和NaHCO溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の油状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(第1:NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc; 第2:シリカゲル、20g、CHCl−MeOH−NHOH 100:5:0.5)により精製して、(3R,4aS)−3−(2−フルオロ−5−ピリミジン−5−イル−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(22mg、56.6μmol、収率19.0%)を白色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=389.2[(M+H)]。
【0255】
実施例10
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4λ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
【化89】

メタノール(3mL)中の5−シアノ−3−メチルピコリン酸(41.9mg、258μmol、当量:1.2)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(83.3mg、301μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(5mL)中の(3R,4aR)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(70mg、215μmol、当量:1.00)の溶液をシリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で3時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aR)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4λ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(60mg、128μmol、収率59.4%)をオフホワイトの泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=470.2[(M+H)]。
【0256】
実施例11
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4λ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
【化90】

メタノール(3mL)中の5−クロロピコリン酸(40.7mg、258μmol、当量:1.2)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(83.3mg、301μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(5mL)中の(3R,4aS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(70mg、215μmol、当量:1.00)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で3時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4λ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(63mg、136μmol、収率63.0%)をオフホワイトの泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=465.2[(M+H)]。
【0257】
実施例12
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4λ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
【化91】

メタノール(3mL)中の5−シアノ−3−メチルピコリン酸(41.9mg、258μmol、当量:1.2)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(83.3mg、301μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(5mL)中の(3R,4aS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(70mg、215μmol、当量:1.00)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で3時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4λ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(69mg、147μmol、収率68.3%)をオフホワイトの泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=470.2[(M+H)]。
【0258】
実施例13
(9R,11R)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロアセタート
【化92】
【0259】
工程1: エタノール(10.7mL)中の5−クロロピリミジン−2−カルボニトリル(CAS# 38275-56-8、1g)の撹拌した懸濁液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(523mg)及び1M 水酸化ナトリウム溶液(7.24mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。懸濁液を、焼結ガラスを通して濾過し、冷水で洗浄し、乾燥させ、5−クロロ−N’−ヒドロキシピリミジン−2−カルボキシイミドアミド(1.08g)を無色の固体として与えた。MS:m/z=173.0[M+H]
【0260】
工程2: 3.7M 塩酸水溶液(17.6mL)中の5−クロロ−N’−ヒドロキシピリミジン−2−カルボキシイミドアミド(1.08g)の懸濁液に、アルゴン下にて0℃で撹拌しながら、水(2.83mL)中の亜硝酸ナトリウム(535mg)の溶液を滴下した。反応混合物を0℃で1時間30分間撹拌した。水中のNaHCO飽和溶液 約8mLを、アルゴン下にて0℃で撹拌しながら、ゆっくりと加えた(pH値は、依然として酸性範囲にあった)。懸濁液を、焼結ガラスを通して濾過し、残留物を冷水で洗浄し、乾燥させて、5−クロロ−N−ヒドロキシピリミジン−2−カルボイミドイル(carbimidoyl)クロリド(1.019g)を与えた。オフホワイトの固体。S:m/z=192.0[M+H]
【0261】
工程3: tert−ブチル((9R,11R)−9−(5−エチニル−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(58mg)をTHF(3mL)に溶解した。5−クロロ−N−ヒドロキシピリミジン−2−カルボイミドイルクロリド(51.3mg)及び重炭酸ナトリウム(22.4mg)の添加の後、混合物を室温で4日間撹拌した。酢酸エチルの添加の後、混合物を濾過し、蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘプタン中0〜80%EtOAc)により精製して、tert−ブチル((9R,11R)−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(37mg)を無色の固体として与えた。MS:m/z=588.5[M−H]
【0262】
工程4: tert−ブチル((9R,11R)−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(36.5mg)を、ジクロロメタン(1mL)に溶解した。トリフルオロ酢酸(444mg)の添加の後、混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ。無色のガム状物をジクロロメタン−ヘプタンと2回 共蒸発させ、乾燥させて、(9R,11R)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロアセタート(38mg)を白色の固体として与えた。MS:m/z=490.3[M+H]
【0263】
実施例14
(9R,11S)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロアセタート
【化93】
【0264】
工程1: 実施例13、工程3と同様にして、tert−ブチル((9R,11S)−9−(5−エチニル−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートを、重炭酸ナトリウムの存在下、5−クロロ−N−ヒドロキシピリミジン−2−カルボイミドイルクロリドでの処理により、tert−ブチル((9R,11S)−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートへ変換した。無色の固体。MS:m/z=590.6[M+H]
【0265】
工程2: 実施例13、工程4と同様にして、tert−ブチル((9R,11S)−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートを、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸での処理により、(9R,11S)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−クロロピリミジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロアセタートへ変換した。無色の固体。MS:m/z=490.3[M+H]
【0266】
実施例15
6−(4−(3−((9R,11S)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ニコチノニトリル 2,2,2−トリフルオロアセタート
【化94】
【0267】
工程1: tert−ブチル((9R,11S)−9−(5−エチニル−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(50mg)及び6−アジドニコチノニトリル(16.7mg)を、アルゴン下、トルエン(1.5mL)と混合した。トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)ベンゼン錯体(5.79mg)の添加の後、混合物を密閉管中、室温で10日間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、ガラス繊維フィルターを通して濾過し、蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘプタン中0〜80%EtOAc)により精製して、tert−ブチル((9R,11S)−9−(5−(1−(5−シアノピリジン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(41mg)を無色の固体として与えた。MS:m/z=580.4[M+H]
【0268】
工程2: 実施例13、工程4と同様にして、tert−ブチル((9R,11S)−9−(5−(1−(5−シアノピリジン−2−イル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートを、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸での処理により、6−(4−(3−((9R,11S)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ニコチノニトリル 2,2,2−トリフルオロアセタートへ変換した。無色の固体。MS:m/z=480.3[M+H]
【0269】
実施例16
4−((3−((9R,11R)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)エチニル)ベンゾニトリル 2,2,2−トリフルオロアセタート
【化95】
【0270】
工程1: tert−ブチル((9R,11R)−9−(2−フルオロ−5−ヨードフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(66mg)、4−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゾニトリル(29.4mg)、フッ化テトラメチルアンモニウム(13.8mg)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(6.05mg)、ヨウ化銅(I)(937μg)及びトリエチルアミン(62.3mg)を、アルゴン下で混合し、密閉管中、50℃で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、ガラス繊維フィルターを通して濾過し、蒸発させ、クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘプタン中0〜80%EtOAc)により精製した。生成物を含有する画分を回収し、チャコールで脱色し、蒸発させ、乾燥させて、tert−ブチル((9R,11R)−9−(5−((4−シアノフェニル)エチニル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマート(50mg)を無色の固体として与えた。MS:m/z=536.4[M+H]
【0271】
工程2: 実施例13、工程4と同様にして、tert−ブチル((9R,11R)−9−(5−((4−シアノフェニル)エチニル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートを、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸での処理により、4−((3−((9R,11R)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)エチニル)ベンゾニトリル 2,2,2−トリフルオロアセタートへ変換した。明黄色の固体。MS:m/z=436.4[M+H]
【0272】
実施例17
(9R,11R)−7−アミノ−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロアセタート
【化96】
【0273】
工程1: 実施例13、工程2と同様にして、N’−ヒドロキシ−5−メトキシピラジン−2−カルボキシイミドアミド(CAS# 1344885-60-4)を、0℃での水/HCl中の亜硝酸ナトリウムでの処理により、N−ヒドロキシ−5−メトキシピラジン−2−カルボイミドイルクロリドへ変換した。オフホワイトの固体。MS:m/z=188.3[M+H]
【0274】
工程2: 実施例13、工程3と同様にして、tert−ブチル((9R,11R)−9−(5−エチニル−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートを、重炭酸ナトリウムでの存在下、N−ヒドロキシ−5−メトキシピラジン−2−カルボイミドイルクロリドでの処理により、tert−ブチル((9R,11R)−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートへ変換した。無色の固体。MS:m/z=486.3[M−BOC+H]
【0275】
工程3: 実施例13、工程4と同様にして、tert−ブチル((9R,11R)−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートを、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸での処理により、(9R,11R)−7−アミノ−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロアセタートへ変換した。無色の固体。MS:m/z=486.3[M+H]
【0276】
実施例18
(9R,11S)−7−アミノ−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロアセタート
【化97】
【0277】
工程1: 実施例13、工程3と同様にして、tert−ブチル((9R,11S)−9−(5−エチニル−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートを、重炭酸ナトリウムでの存在下、N−ヒドロキシ−5−メトキシピラジン−2−カルボイミドイルクロリドでの処理により、tert−ブチル((9R,11S)−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートへ変換した。無色の固体。MS:m/z=586.4[M+H]
【0278】
工程2: 実施例13、工程4と同様にして、tert−ブチル((9R,11S)−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートを、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸での処理により、(9R,11S)−7−アミノ−9−(2−フルオロ−5−(3−(5−メトキシピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)フェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロアセタートへ変換した。オフホワイトの固体。MS:m/z=486.4[M+H]
【0279】
実施例19
(9R,11R)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロアセタート
【化98】
【0280】
工程1: 実施例13、工程1と同様にして、5−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピラジン−2−カルボニトリル(CAS# 1544861-08-6)を、水酸化ナトリウム水溶液の存在下、ヒドロキシルアミン塩酸塩での処理により、5−(2,2−ジフルオロエトキシ)−N’−ヒドロキシピラジン−2−カルボキシイミドアミドへ変換した。オフホワイトの固体。MS:m/z=219.1[M+H]
【0281】
工程2: 実施例13、工程2と同様にして、5−(2,2−ジフルオロエトキシ)−N’−ヒドロキシピラジン−2−カルボキシイミドアミドを、0℃で水/HCl中の亜硝酸ナトリウムでの処理により、5−(2,2−ジフルオロエトキシ)−N−ヒドロキシピラジン−2−カルボイミドイルクロリドへ変換した。黄色の固体。
【0282】
工程3: 実施例13、工程3と同様にして、tert−ブチル((9R,11R)−9−(5−エチニル−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートを、重炭酸ナトリウムの存在下、5−(2,2−ジフルオロエトキシ)−N−ヒドロキシピラジン−2−カルボイミドイルクロリドでの処理により、tert−ブチル((9R,11R)−9−(5−(3−(5−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートへ変換した。オフホワイトの固体。MS:m/z=536.3[M−BOC+H]
【0283】
工程4: 実施例13、工程4と同様にして、tert−ブチル((9R,11R)−9−(5−(3−(5−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−11−オキシド−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−7−イル)カルバマートを、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸での処理により、(9R,11R)−7−アミノ−9−(5−(3−(5−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル)イソオキサゾール−5−イル)−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド 2,2,2−トリフルオロアセタートへ変換した。明褐色の固体。MS:m/z=536.3[M+H]
【0284】
実施例20
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ6−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
【化99】

メタノール(3.00mL)中の3−クロロ−5−シアノピコリン酸(39.3mg、215μmol、当量:1.00)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(83.3mg、301μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(5.00mL)中の(3R,4aS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(70mg、215μmol、当量:1.00)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で4時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(28mg、57.1μmol、収率26.6%)を明黄色の固体として与えた、MS(ISP):m/z=490.1[(M+H)]、492.1[(M+2+H)]。
【0285】
実施例21
5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
【化100】

メタノール(3.00mL)中の5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピコリン酸[CAS-no. 881409-53-6](37.4mg、169μmol、当量:1.1)の溶液に、0℃で4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(59.5mg、215μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を、0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(5.00mL)中の(3R,4aS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(50mg、154μmol、当量:1.00)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で4時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(35mg、66.2μmol、収率43.1%)を白色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=529.2[(M+H)]。
【0286】
実施例22
5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
【化101】

メタノール(3.00mL)中の5−(ブタ−2−イニルオキシ)ピラジン−2−カルボン酸[CAS-no. 1221447-98-8](32.5mg、169μmol、当量:1.1)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(59.5mg、215μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(5.00mL)中の(3R,4aS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(50mg、154μmol、当量:1.00)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で4時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、5−ブタ−2−イニルオキシ−ピラジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(35mg、70.1μmol、収率45.6%)を白色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=500.3[(M+H)]。
【0287】
実施例23
5−フルオロ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ6−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド
【化102】

メタノール(3.00mL)中の5−フルオロ−3−メチルピコリン酸(40.0mg、258μmol、当量:1.2)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(83.3mg、301μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(5.00mL)中の(3R,4aS)−3−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−1−イルアミン(70mg、215μmol、当量:1.00)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で4時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、20g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、5−フルオロ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[3−((3R,4aS)−1−アミノ−3−メチル−4a−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−4aλ−チア−2,5,9a−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−アミド(29mg、62.7μmol、収率29.1%)を白色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=463.2[(M+H)]。
【0288】
実施例24
N−(3−((2S,9R)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド
【化103】

メタノール(6.25mL)中の5−シアノ−3−メチルピコリン酸(20.2mg、125μmol、当量:1)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(48.3mg、174μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(6.25mL)中の(2S,9R)−7−アミノ−9−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−9−メチル−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン 11−オキシド(49mg、125μmol、当量:1)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で18時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、N−(3−((2S,9R)−7−アミノ−9−メチル−11−オキシド−2−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5,9,10−ヘキサヒドロ−[1,2,4]チアジアジノ[1,2−a][1,2,7]チアジアゼピン−9−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド(51mg、94.9μmol、収率76.2%)を明黄色の泡状物として与えた。MS(ISP):m/z=538.2[(M+H)]。
【0289】
実施例25
N−(3−((8R)−6−アミノ−3,3−ジフルオロ−8−メチル−10−オキシド−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン−8−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド
【化104】

メタノール(2mL)中の5−シアノ−3−メチルピコリン酸(8.96mg、55.3μmol、当量:1.2)の溶液に、0℃で、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)(17.8mg、64.5μmol、当量:1.4)を加え、無色の溶液を0℃で30分間撹拌し、次にメタノール(2mL)中の(8R)−6−アミノ−8−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,3−ジフルオロ−8−メチル−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン 10−オキシド(16mg、46.1μmol、当量:1)の溶液を、シリンジを介して滴下し、反応混合物を23℃で18時間撹拌した。酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液+ブラインで抽出し、有機層をNaSOで乾燥させた。濾過そして減圧下で溶媒の除去をすると、褐色の泡状物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、10g、ヘプタン中0%〜100%EtOAc)により精製して、一部精製された生成物を与え、これをジエチルエーテルでトリチュレートして、N−(3−((8R)−6−アミノ−3,3−ジフルオロ−8−メチル−10−オキシド−3,4,8,9−テトラヒドロ−2H−[1,2,6]チアジアジノ[1,2−a][1,2,4]チアジアジン−8−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド(7mg、14.2μmol、収率30.9%)を明褐色の固体として与えた。MS(ISP):m/z=492.2[(M+H)]。