特許第6461280号(P6461280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461280
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】スプリットソール・フットウェア
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/24 20060101AFI20190121BHJP
【FI】
   A43B3/24
【請求項の数】26
【外国語出願】
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2017-203276(P2017-203276)
(22)【出願日】2017年10月20日
(62)【分割の表示】特願2016-193611(P2016-193611)の分割
【原出願日】2011年11月14日
(65)【公開番号】特開2018-8150(P2018-8150A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2017年10月27日
(31)【優先権主張番号】13/207,397
(32)【優先日】2011年8月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512032917
【氏名又は名称】ガヴリエリ ブランズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ガヴリエリ,クフィル
(72)【発明者】
【氏名】ガヴリエリ,ディクラ
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−153203(JP,U)
【文献】 実開平5−41404(JP,U)
【文献】 実公昭34−10219(JP,Y1)
【文献】 特開平10−155502(JP,A)
【文献】 特開平8−168404(JP,A)
【文献】 米国特許第5012541(US,A)
【文献】 実公昭42−16036(JP,Y1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0078591(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0070319(US,A1)
【文献】 特開昭50−66353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
足を受容するための内側部分であって、爪先キャビティ及びヒールキャビティを含む内側部分を形成するアッパーであって、前記ヒールキャビティの一部は、その深度を小さくするために削られたアキレス領域によって特徴付けられる、アッパーと、
(i)爪先端部、(ii)ヒール端部、(iii)内側側部、及び、(iv)外側側部を有するミッドソールであって、前記ミッドソールの外辺部が前記アッパーに固定されることによって前記内側部分に対する底部が形成される、ミッドソールと、
前記ミッドソールの第1表面のヒール部分に固定されたヒールアウトソールパッチであって、前記ヒールアウトソールパッチの第1縁部はある勾配で面取りされる、ヒールアウトソールパッチと、
前記内側部分内に配置されたインソールと、
前記インソール及び前記ミッドソールの間に配置された発砲インレイと、を備える靴であって、
(i)前記インソールは前記アッパー又は前記ミッドソールに固定されず、
(ii)前記発砲インレイは、前記アッパーに固定されて、前記ミッドソールの第2表面に固定され、
(iii)前記ヒールアウトソールパッチはエラストマーから作製され、
(iv)当該靴が着用されて水平面上にある場合、前記ヒールアウトソールパッチの側部は水平面から少なくとも45度の角度で見える、靴。
【請求項2】
前記ミッドソールは皮革製である、請求項1に記載の靴。
【請求項3】
前記ミッドソールは、前記ミッドソールの非露出部分に固定された柔軟性材料によって補強される、請求項1に記載の靴。
【請求項4】
前記発砲インレイは前記アッパーに縫い合わされる、請求項1に記載の靴。
【請求項5】
前記アッパーは、(i)第1縁部及び(ii)第2縁部を有する一体として形成され、前記第1縁部は、前記発砲インレイの外辺部に固定され、前記第2縁部は、前記爪先キャビティと前記ヒールキャビティとの間の上方境界を提供する、請求項1に記載の靴。
【請求項6】
ストリップ部分は前記アキレス領域の一部を覆う、請求項1に記載の靴。
【請求項7】
前記内側部分は第1縫い目によって囲まれる、請求項1に記載の靴。
【請求項8】
前記ヒールアウトソールパッチの第2縁部は前記第1縫い目の一部の0.48cm内にある、請求項7に記載の靴。
【請求項9】
前記ヒールアウトソールパッチの第2縁部は前記第1縫い目の一部の0.64cm内にある、請求項7に記載の靴。
【請求項10】
前記ヒールアウトソールパッチは0.8〜1.5の耐久性係数を有する、請求項1に記載の靴。
【請求項11】
前記ヒールアウトソールパッチは1.0〜1.3の耐久性係数を有する、請求項1に記載の靴。
【請求項12】
前記ヒールアウトソールパッチは少なくとも0.24cmの厚さである、請求項1に記載の靴。
【請求項13】
前記ヒールアウトソールパッチは約0.4cmの厚さである、請求項1に記載の靴。
【請求項14】
前記ヒールアウトソールパッチにより規定され、かつ、前記ミッドソール及び前記インソールの対応する部分を備える前記靴の領域が、0.16キログラム重/cm〜0.28キログラム重/cmのばね定数を有する、請求項1に記載の靴。
【請求項15】
前記ヒールアウトソールパッチにより規定され、かつ、前記ミッドソール及び前記インソールの対応する部分を備える前記靴の領域が、0.18キログラム重/cm〜0.22キログラム重/cmのばね定数を有する、請求項1に記載の靴。
【請求項16】
少なくとも3/64インチの深度を有する溝部が、前記ヒールアウトソールパッチの外辺部に近接して形成される、請求項1に記載の靴。
【請求項17】
前記靴は、引っ張り紐を有するポーチへと押し込まれる、請求項1に記載の靴。
【請求項18】
前記ポーチは、折畳可能なトートバッグを保持するためのポケットを含み、前記トートバッグは1対の靴を収容するように構成される、請求項17に記載の靴。
【請求項19】
前記靴は、蓋を有するコンパクトボックスに押し込まれる、請求項1に記載の靴。
【請求項20】
前記靴は、折畳可能なトートバッグに関連付けられる、請求項1に記載の靴。
【請求項21】
前記トートバッグは圧縮可能である、請求項20に記載の靴。
【請求項22】
前記トートバッグは、2方向に伸長可能な材料から作製された自己格納式のポケット内に圧縮可能であり、前記自己格納式のポケットは、前記自己格納式のポケット内に圧縮されたときに前記トートバックを圧縮する、請求項21に記載の靴。
【請求項23】
前記靴は最大アウトソール比ORを有し、ただし、
OR=(D×T×W)/M
であって、式中、
Dは、前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に前記アウトソールパッチを縫い合わせるために用いられる前記爪先アウトソールパッチにおける溝部の平均深度であり、
Tは前記爪先アウトソールパッチの平均厚みであり、
Wは前記爪先アウトソールパッチの最大幅であり、
Mは、前記爪先アウトソールパッチの最大幅の点における前記ミッドソールの幅であり、ただし、MはWより大きく前記靴の前記OR比は7.0より大きい、請求項1〜22のいずれか1項に記載の靴。
【請求項24】
前記靴は最大アウトソール比ORを有し、ただし、
OR=(D×T×W)/M
であって、式中、
Dは、前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に前記アウトソールパッチを縫い合わせるために用いられる前記爪先アウトソールパッチにおける溝部の平均深度であり、
Tは前記爪先アウトソールパッチの平均厚みであり、
Wは前記爪先アウトソールパッチの最大幅であり、
Mは、前記爪先アウトソールパッチの最大幅の点における前記ミッドソールの幅であり、ただし、MはWより大きく、前記靴の前記OR比は7.0より大きく、Dは2.5mmであり、Tは4mmであり、前記靴は、以下の5〜12のうちのいずれかから選択された女性用靴寸法を有し、
前記女性用靴寸法が5の場合、Wは66mm、Mは74mmであり、
前記女性用靴寸法が6の場合、Wは69mm、Mは77mmであり、
前記女性用靴寸法が7の場合、Wは72mm、Mは80mmであり、
前記女性用靴寸法が8の場合、Wは75mm、Mは83mmであり、
前記女性用靴寸法が9の場合、Wは78mm、Mは86mmであり、
前記女性用靴寸法が10の場合、Wは81mm、Mは89mmであり、
前記女性用靴寸法が11の場合、Wは84mm、Mは92mmであり、及び、
前記女性用靴寸法が12の場合、Wは86mm、Mは94mmである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の靴。
【請求項25】
前記靴は最大アウトソール比ORを有し、ただし、
OR=(D×T×W)/M
であって、式中、
Dは、前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に前記アウトソールパッチを縫い合わせるために用いられる前記爪先アウトソールパッチにおける溝部の平均深度であり、
Tは前記爪先アウトソールパッチの平均厚みであり、
Wは前記爪先アウトソールパッチの最大幅であり、
Mは、前記爪先アウトソールパッチの最大幅の点における前記ミッドソールの幅であり、ただし、MはWより大きく、前記靴の前記OR比は7.0より大きく、Dは2.5±0.5mmであり、Tは4±0.5mmであり、前記靴は、以下の5〜12のうちのいずれかから選択された女性用靴寸法を有し、
前記女性用靴寸法が5の場合、Wは66±2mm、Mは74±4mmであり、
前記女性用靴寸法が6の場合、Wは69±2mm、Mは77±4mmであり、
前記女性用靴寸法が7の場合、Wは72±2mm、Mは80±4mmであり、
前記女性用靴寸法が8の場合、Wは75±2mm、Mは83±4mmであり、
前記女性用靴寸法が9の場合、Wは78±2mm、Mは86±4mmであり、
前記女性用靴寸法が10の場合、Wは81±2mm、Mは89±4mmであり、
前記女性用靴寸法が11の場合、Wは84±2mm、Mは92±4mmであり、及び、
前記女性用靴寸法が12の場合、Wは86±2mm、Mは94±4mmである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の靴。
【請求項26】
前記靴は最大アウトソール比ORを有し、ただし、
OR=(D×T×W)/M
であって、式中、
Dは、前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に前記アウトソールパッチを縫い合わせるために用いられる前記爪先アウトソールパッチにおける溝部の平均深度であり、
Tは前記爪先アウトソールパッチの平均厚みであり、
Wは前記爪先アウトソールパッチの最大幅であり、
Mは、前記爪先アウトソールパッチの最大幅の点における前記ミッドソールの幅であり、ただし、MはWより大きく、前記靴の前記OR比は7.0より大きく、Dは2.5±1.0mmであり、Tは4±1.0mmであり、前記靴は、以下の5〜12のうちのいずれかから選択された女性用靴寸法を有し、
前記女性用靴寸法が5の場合、Wは66±4mm、Mは74±4mmであり、
前記女性用靴寸法が6の場合、Wは69±4mm、Mは77±4mmであり、
前記女性用靴寸法が7の場合、Wは72±4mm、Mは80±4mmであり、
前記女性用靴寸法が8の場合、Wは75±4mm、Mは83±4mmであり、
前記女性用靴寸法が9の場合、Wは78±4mm、Mは86±4mmであり、
前記女性用靴寸法が10の場合、Wは81±4mm、Mは89±4mmであり、
前記女性用靴寸法が11の場合、Wは84±4mm、Mは92±4mmであり、及び、
前記女性用靴寸法が12の場合、Wは86±4mm、Mは94±4mmである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「Split−Sole Footwear」を発明の名称とする2011年8月10日に出願された米国特許出願第13/207,397号の優先権を主張する。
【0002】
本開示はフットウェアに関し、より詳細にはスプリットソール靴に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のフットウェアは、スタイル性と履き心地という困難な選択を着用者に課すという構造上の限界を有する。その結果、多くの人が、顕著な足の痛みに耐えるか、または、あまり魅力的でない靴もしくは状況に相応しくないスタイルを選択せざるを得ない。この問題を解決するために、一部の女性は、追加的なフットウェアを自動車に置くか、または大型バッグに入れて持ち運んでいる。しかし、予備の従来の靴を持ち運ぶことは、携帯性に関して寸法上および容積上の限界があるため理想的であるとは言いがたい。軽量で丸めることまたは折り畳むことが可能な携帯性に優れた靴は入手可能である。しかし、係る製品は、折畳不能な靴において望まれる支持性、耐久性、履き心地、またはスタイルを有するものではない。
【0004】
さらに先行技術に係る折畳可能な靴は、靴のミッドソールおよびアッパーを適切に保護せず、そのため靴が早く摩耗してしまう(靴に対する裂断または損傷を含む)ようなアウトソールを有する。さらに、このような靴は一般に軟弱である、換言すると、足を十分に支持または保護することがない。例えば、多くの折畳可能な靴はブランドおよびモデルに応じて0.14キログラム重/インチ〜0.34キログラム重/インチの全体ばね定数を有する。このような靴は、抵抗性、保護性、および支持性をほとんど提供しないかまたは全く提供せず、したがって特に屋外または荒れた地形(例えば、汚れた歩道、石、その他)における反復的な使用または長期にわたる使用に対して適したものではない。さらに、このような靴は、適度に使用するだけであったとしても、一般的な靴の寿命を持続するだけの十分な耐久性を有さない。したがって、いくつかのフットウェア設計においては靴の十分な寿命と携帯性との間のギャップを埋めるための努力がなされてきたが、実際的な解決はまだ得られていない。
【0005】
先行技術に係る靴製造プロセスでは、アウトソールがミッドソールに縫い付けられる。これらのアウトソールは、靴の底部に位置し、摩耗および裂断からミッドソールおよびアッパーを保護し、さらに支持性および硬質性を靴全体に提供する。アウトソールが縫い付けられた後、ミッドソールはアッパーおよびインソールに縫い付けられ、それにより単一のシームが形成される。この単一のシームは靴の外辺部を横切り、実質的にミッドソールから靴のアッパーを線引きする。このようなプロセスは製造上の効率性のために有利ではあるが、アウトソールの特性を考慮すると、係る手法の欠点が露呈してしまう。ミッドソール、アッパー、およびインソールを縫い合わせるために用いられるミシンの縫製ホイル(sewing wheel)は、ミッドソールに予め縫い付けられたアウトソールと干渉する。その結果、ジレンマが生じることとなる。理想的なアウトソールパッチは1)足の保護と、2)履き心地の提供と、3)ミッドソール、アウトソール、およびインソールを固定するシームを保護することによる耐久性の提供と、を行うよう機能する。したがって、理想的なアウトソールパッチは、アウトソールの外辺部がシームに近接するよう、厚みが大きく且つ幅が広い。しかし、アウトソールが厚肉化され、アッパー、ミッドソール、およびインソールを固定するシームに近接するにつれて、シームは一層困難となり、次第に縫い合わせることが不可能となる。したがって、先行技術の靴は(i)厚みが小さく且つ幅が広いアウトソールパッチ、または(ii)幅が狭く厚みが大きいアウトソールパッチを用いて構築される。さらに先行技術の靴については、クッションインサートをインソールの下方に追加する能力に限界がある。この理由は、このようなクッションインサートの挿入により、シームの扱いがより困難となり、アウトソールパッチの幅狭化および薄肉化が余儀なくされ、それにより靴の不安定性が増大化され、および/または靴の耐久性および足の保護性が劣化してしまうためである。したがって、先行技術の靴においては、靴の履き心地と耐久性とが靴の安定性に対してトレードオフの関係にある。このように、ジレンマは明白となる。厚肉化および幅狭化されたアウトソールの場合、アウトソールの外辺部とシームとの間の間隙による支持の欠如は顕著となり、履き心地を損なわせ、シーム、アッパー、およびミッドソールは地面に対して露出した状態に置かれることとなる。厚肉化および幅狭化されたアウトソールの場合、アウトソールの外辺部とシームとの間の間隙による支持の欠如はさほど顕著ではない。しかし、このような事例において、アッパー、ミッドソール、およびシームは地面が露出され、アウトソールはより早期に摩耗することとなり、靴により提供される保護および履き心地が限定されたものとなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の背景を考慮すると、改善された折畳可能な靴の設計および改善された靴製造プロセスが当該技術分野において必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、改善された折畳可能な靴を提供することにより、先行技術に関する前述の欠点および他の欠点を解決する。本開示の靴は、靴が折畳可能であり、引っ張り紐付きのポーチ内に収容可能である、スプリットソール型の女性用靴である。スプリットソールは、ヒールアウトソールパッチおよび爪先アウトソールパッチ(これら2つのパッチの間に間隔が存在する)により定義される。本開示の靴においては、有利に、アッパーとミッドソールとがシームにおいて組み合わされ、インソールは別個に追加される。したがって、インソールは、ミッドソールとアッパーとを接合するシームに対して同時に縫い合わされない。これにより、(i)ヒールアウトソールパッチおよび爪先アウトソールパッチの外辺部が、ミッドソールをアッパーに接合するシームに一層近接し、(ii)アウトソールパッチが厚肉化されることとなり、それによりシーム、ミッドソール、およびアッパーがより良好に保護され、足に対するより優れた支持および履き心地が提供され、靴の中敷がより硬いものとなり、厚肉化されたより実質的なクッションの挿入が可能となる。
【0008】
一部の実施形態において、アウトソールパッチは縫い付けが施される。一部の実施形態において、アウトソールパッチは、縫い付けおよび接着の両方が施される。パッチの縫い付けを支援するために、各アウトソールパッチの外辺部の近傍に深い溝部が提供される。これらの深い溝部は、これらのパッチとミッドソールとの間にシームを形成するために用いられる。このシームを形成するために用いられる糸は、溝部が深いため、より良好に保護され、それにより靴の耐久性が改善され、シーム上における摩耗が防止される。
【0009】
本開示の靴は女性用スプリットソール型の既知の靴に較べてばね定数が改善される。一部の実施形態において、全体的な靴のばね定数は0.40キログラム重/インチ〜0.70キログラム重/インチ、または0.55キログラム重/インチ〜0.65キログラム重/インチである。この改善されたばね力定数により、支持が増大化され、着用期間の延長が可能となる。
【0010】
一部の実施形態において、女性用靴においてしばしば用いられる発泡インレイを提供することに加えて、本開示の靴は、靴のヒール部分にクッションインサートを挿入し、それにより支持および履き心地の向上が可能である。さらに、このヒール部分は、靴のヒール端部と爪先端部との中間の位置よりも靴のヒール端部のほうが厚い。係るテーパ状の厚みにより、履き心地、支持、およびスタイル性が向上する。
【0011】
女性の足を受容するアッパーの縁部に弾性制限部を配置することは周知であるが、本開示の靴は、弾性制限部を靴のヒール部分において終了させることにより、改善された設計を提供する。弾性制限部を用いるよりもむしろ、埋め込まれたクッション(アキレスクッション)が、履き心地をより優れたものとするために提供される。
【0012】
同様の参照番号は、いくつかの図面を通して、対応するパーツを参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】靴が伸展状態にある本開示の一態様に係る靴の斜視図を示す。
図2】靴が伸展状態にある本開示の一態様に係る靴の側面図である。
図3】靴が伸展状態にある本開示の一態様に係る靴の上面図である。
図4】靴が伸展状態にある本開示の一態様に係る靴の正面図である。
図5】靴が伸展状態にある本開示の一態様に係る靴の背面図である。
図6】靴が伸展状態にある本開示の一態様に係る靴の断面側面図である。
図6A図6の領域6A−6Aの周囲の断面図である。
図6B図6の領域6B−6Bの周囲の断面図である。
図7】靴が伸展状態にあるクッションインサートを示す本開示の一態様に係る靴の斜視図である。
図8】靴が伸展状態にある本開示の一態様に係る靴の切取斜視図である。
図9】靴が伸展状態にある本開示の一態様に係る靴の底面図である。
図9A図9の線9A−9Aの周囲の差込透視図である。
図9B図9の線9B−9Bの周囲の図9Bの差込断面図である。
図10】本開示の1対の靴が折畳状態で格納され得る、蓋を有するコンパクトボックスを示す図である。
図11】靴が折畳状態(爪先キャビティを含むアッパーの部分がヒールキャビティに押し込まれるよう靴が1本の軸を中心に折り曲げられた状態)にある本開示の一態様に係る靴の斜視図である。
図12】本開示の靴を格納するために用いられ得る引っ張り紐付きのポーチの斜視図である。
図13】本開示に係る靴および他の物品を格納するために用いられ得るトートバッグの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図5は、本開示に係る靴のそれぞれ斜視図、側面図、上面図、正面図、および背面図を提供する。図1および図2の斜視図および側面図から、本開示に係る靴は、着用時には、従来の硬質ソール靴と何ら異ならないように見受けられる。しかし本開示に係る靴は、着用者の身支度を略式化することなく、設計、折畳可能性、および履き心地における自由度を提供する。一部の実施形態において、クッションインサートは硬い表面上の歩行に起因して足に加えられる衝撃を吸収する。弾性制限部60は、足をグリップし様々な寸法および形状の足に密着嵌合するために、アッパー2の頂部の周囲に提供される。一方、弾性制限部60は、後部(仮にこの部分に弾性制限部60が提供された場合、弾性制限部60がアキレス腱エリアをグリップすることとなり、着用者に不快感を与えてしまう)の手前で終了することにより、足全体を囲まないよう設計される。その代わりに、アキレスクッション56が、普通は弾性制限部60を包囲するはずの上方折り目に埋め込まれ、それにより履き心地が向上する。さらに、一部の実施形態において、アッパー2のアキレスヒール部分はその深度を小さくするために削られる。靴のこの部分を削ることにより、通常の場合には突出して足に接触するはずのシームが小さくなり、その結果履き心地が向上する。
【0015】
弾性制限部60は、着用時にアッパー2の開口部が足の寸法に伸張されるよう、アッパー2の開口部に固定される。一部の実施形態において、弾性制限部60は、これら2つの材料が最も確実に固定されるよう、アッパー2に対して縫い付けおよび接着が施される。一部の実施形態において、弾性制限部60は、アッパー2に対して縫い付けられるが接着されない。接着することなく弾性制限部を縫い付けることにより、弾性部分が伸張される最大量が増加する。これにより、より多くの足寸法において快適なフィットが可能となる。加えて、弾性部分を接着しないことにより、弾性制限部の自然な回復率が保持され、履き心地がより優れたものとなると同時に弾性部分の耐用年数が延長される。
【0016】
図6を参照すると、柔軟性インソール30は、携帯性を損なうことなく、より優れた履き心地を提供し、固定式または着脱式であり得る。所望により、柔軟性インソール30は土踏まずを支持する。靴は、接着剤によりインソール30に固定された発泡インレイ44をさらに備える。一部の実施形態において、柔軟な土踏まず支持部は、携帯性を損なうことなく履き心地を高める。柔軟な土踏まず支持部は、靴の折り畳みを制限することがなく、固定式または着脱式であり得る。一部の実施形態において、ミッドソール8は、ミッドソールの内側でインソール30の下方(例えばミッドソール8と発泡インレイ44との間)に柔軟性材料を固定することにより補強される。係る手法でのミッドソール8の補強はいくつかの利点を有する。第1に、フットウェアの屈曲点が携帯性を損なうことなく強化される。第2に、歩行表面との接触に起因する破壊的摩擦を最も被る可能性が高いミッドソール8の部分が、その応力により良好に耐えるよう強化される。第3に、爪先アウトソールパッチの縁部と接触するミッドソール8の部分が裂断に対してより高い抵抗を示す。一部の実施形態において、係る補強は発泡インレイ44の代替として提供される。一部の実施形態において、係る補強は発泡インレイ44に追加して提供される。
【0017】
一部の実施形態において、硬質インサートが、発泡インレイ44とミッドソール8との間に挿入される。この硬質インサートは、ミッドソール8の幅を、ミッドソール8の爪先からフットウェアが折り畳まれる中間点32まで延長する。硬質インサートをこのように挿入することにより、着用時、フットウェアの繊細な部分(例えばアッパー2)と歩行表面との間により大きい間隔が保持される。この間隔を増大化することにより、耐久性が改善される。
【0018】
引き続き図6を参照すると、靴は3つの独特な形状を有する構成要素、すなわちミッドソール8、ヒールアウトソールパッチ24、および爪先アウトソールパッチ26を備える。一部の実施形態において、ミッドソール8は、柔軟性を有しつつも耐久性を有する材料(例えば高級皮革)から作製される。一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26は、全天候に対応する滑り止め材料で構築される。一般的な実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26は、別々にミッドソール8に縫い付けられる。常時着用する靴として必要な耐久性および安全性を満たすために要求される材料は硬すぎるため、折り畳みに必要な柔軟性を提供できない。したがって、好適な実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26は別々であり、靴の折り畳みが可能となるようヒールアウトソールパッチ24と爪先アウトソールパッチ26との間に間隔32が存在する状態でミッドソール8に別々に縫い合わされる。ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26の寸法および形状は、コンパクトな寸法および最小の重量により耐久性、快適性、および実用性が最適にバランスするよう設計される。ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26の形状は、空間的に効果的な方法で、足に対する保護を最大化する。一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26の外形は、着用時に追加的な高さが魅力的に提供されるよう、および着用時にミッドソール8と地面との間の隙間が増大化されるよう、傾斜される。係る実施形態において、傾斜は、2つの靴が積み重ねられたとき、高い箇所と低い箇所が合致して、圧縮された対の組み合わされた厚みが顕著に短縮化され、それにより携帯性が向上するよう、設計される。
【0019】
靴のアッパー2は、靴の中央部における反復的な折り畳みに耐え、且つ折り畳まれた姿勢での長期間の格納に耐え得るよう設計された、柔軟性を有しつつ耐久性も兼ね備えた高品質な材料で作製される。係る材料は、接合部表面における亀裂と表面との接触に起因する損傷とを低減または排除する。アッパー2は、足の頂部および側部を覆い包むよう、構築され縫い付けられる。アッパーおよびアウトソールの特定比率は、柔らかいアッパー2が広い足および狭い足にあわせて成形されること、それにより各着用者の足の特定形状にあわせて成形されること、さらに履き心地上の利点およびスタイル上の利点が追加されること、も可能にする。係る比率は、格納性および携帯性のために折畳状態にあるときの靴の体積も縮小化する。丸みを帯びた爪先キャビティ6および覆い包むアッパーの設計は、費用がかさむハーフサイズおよび/または変動幅の在庫に対する必要性を低減または削減する一方で、耐久性および履き心地を備えるデザインを保持することにより、商業上の訴求性を増大化させる。この設計は、特徴的な色彩、感触、装飾性等のアッパーを介して、ファッション性要素に対する大きい柔軟性を可能にする。着用時、靴は、従来の固定式ソールのフットウェアと全く異ならない外観を有し、スタイルが向上し、よりフォーマルな服装とあわせての着用も可能である。
【0020】
図13を参照すると、折り畳みおよび圧縮後にコンパクト格納用ポーチ(図12)に格納可能である、軽量で、耐久性があり、再利用可能な、自己格納式の、把手を有するトートバッグは、折畳可能な靴システムの有用性を一層向上させる。一般的な実施形態において、ポーチは、2方向に伸長可能な材料から作製され、体積が最小となる形状(例えば略球形形状)へと自己折畳可能である。一部の実施形態において、ポーチの縫い合わせは(例えばジグザグ式の縫い合わせを用いることにより)この伸張を支援する。一部の実施形態において、伸張性糸材料が係る縫い合わせに用いられる。
【0021】
有利に、トートバッグはトートバッグのポケット内に折り畳まれ得る。一部の実施形態において、このポケットは、トートバッグが非折畳状態にあるときは、トートバッグの内側にある。一部の実施形態において、ポケットは、トートバッグが折畳状態にあるとき、圧縮されるよう、弾性材料から作製される。望ましい場合には、トートバッグは、追加的な物品のための体積が十分に存在する状態で、追加的な対の靴が担持されるよう拡張する。一部の実施形態において、このポケットは、2方向に伸長可能な材料から作製され、体積を最小化させる形状(例えば、略球形形状)へと自己折畳可能である。
【0022】
図12を参照すると、伸張性のナイロン、ポリエステル、または同様の材料から作製されたポーチは、折畳可能なフットウェアおよび関連物品を安全且つ清潔に格納することにより、機能性を向上させる。ポーチは、格納時または輸送時は寸法が最小化されるよう、折畳構成においてフットウェアを圧縮する。ポーチの底部における丸みを帯びた縁部は、体積を減少化させ、圧縮を増大化させる。ポーチは、体積を最小化するために、フットウェアと比較してちょうどわずかに小さい寸法を有する。ポーチ開口部の周りの引っ張り紐は圧縮をさらに支援し、汚れた靴を財布またはポケット内容物から遮蔽する。ポーチの一方の側部に配置されたポケットは、トートバッグおよび/または他の物品の圧縮された格納を可能にする。
【0023】
本開示の折畳可能な靴の設計は、従来の硬質ソール製品と同じく、様々な表面、天候、ファッション、その他に好適である、通常の様式でのフットウェアの着用を可能にする。格納または携帯性が望まれる場合、靴は略中間点において手動で折り畳まれ、それにより靴の長さが半分に縮小される。折畳構成において、靴は、圧縮および携帯性を最大化するために、コンパクト格納用ポーチ内で束ねられて配置されることが可能である。ポーチ内に格納されると、1対の靴はほぼ財布大の空間を必要とし、財布またはポケット内に担持され得る。
【0024】
本発明に係る靴の概要をこれまで開示してきたが、本開示の靴に関する特定の特徴および様々な実施形態についてこれから説明する。図7を参照すると、本開示に係る靴が示される。靴はアッパー2を備える。アッパー2は、女性の足を受容するための内側部分62を形成する。内側部分は、爪先キャビティ4およびヒールキャビティ6を備える。
【0025】
図9を参照すると、靴はさらにミッドソール8を備える。ミッドソール8は、(i)爪先端部10、(ii)ヒール端部12、(iii)内側側部14、および(iv)外側側部16を備える。ミッドソール8の外辺部はアッパー2に縫い合わされる。ミッドソール8がアッパー2に縫い合わされると、それにより、第1シーム22により囲まれた内側部分62に対する底部が形成される。ヒールアウトソールパッチ24はミッドソール8の第1表面のヒール部分に縫い合わされる。爪先アウトソールパッチ26はミッドソール8の第1表面の爪先部分に縫い合わされる。
【0026】
一般的な実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26は、ミッドソール8がアッパー2に縫い合わされる前に、ミッドソールに縫い合わされる。
【0027】
図6を参照すると、(i)ミッドソール8の第1表面のヒール部分に縫い合わされたヒールアウトソールパッチ24と、(ii)ミッドソール8の第1表面の爪先部分に縫い合わされた爪先アウトソールパッチ26と、の間に間隔32が存在する。間隔32はミッドソール8の内側側部14から外側側部16まで延長し、ミッドソール8の爪先端部10とヒール端部12との中間の位置を占め、それにより、靴全体が内側側部14と外側側部16との間に延びる間隔32における軸34を中心に折り畳まれることが可能である。一部の実施形態において、この間隔は4/8インチ〜6/8インチである。一部の実施形態において、この間隔は約5/8インチである。これらの測定値を求めることについては、内側側部14および外側側部16により囲まれた領域におけるヒールアウトソールパッチ24と爪先アウトソールパッチ26との間の「平均」距離を求めるとよい。例えば、内側側部14および外側側部16により囲まれた領域におけるいくつかの異なる点において、ヒールアウトソールパッチ24の縁部と爪先アウトソールパッチ26の縁部との間の距離を測定し、これらの測定値の平均値を求め、それによりヒールアウトソールパッチ24と爪先アウトソールパッチ26との間の距離を決定するとよい。一部の実施形態において、これらの間隔は、単にヒールアウトソールパッチ24と爪先アウトソールパッチ26との間の切れ目である。
【0028】
図6への参照を継続して、インソール30は接着剤により内側部分の底部に固定される。
【0029】
靴は、(i)ヒールアウトソールパッチ24と爪先アウトソールパッチ26とが同一平面上にあるかまたは略同一平面上にある伸展状態(図1図9)と、(ii)爪先キャビティ4を含むアッパー2の部分がヒールキャビティ6に押し込まれるよう靴が軸34を中心に折り曲げられた折畳状態(図11)と、の間で折り畳まれるよう構成される。
【0030】
一部の実施形態において、インソール30はアッパー2に縫い合わされない。したがって、係る実施形態においては、図9に図示する第1シーム22は、アッパー2とミッドソール8とは接合するが、インソール30は接合しない。図9を参照すると、このことにより実質的な長所が提供される。この理由は、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26の外辺部(縁部)は、第1シームがアッパー2、ミッドソール8、およびインソール30を一体化する場合よりも、より第1シーム22に対して近接することが可能となり、ヒールアウトソールパッチおよび爪先アウトソールパッチの厚肉化およびインソールにおけるクッションの堅固化(例えば厚肉化および硬質化)が可能となるためである。この距離は図9Aにおいて距離104として図示される。したがって、第1シーム22がアッパー2およびミッドソール8のみを接合する実施形態においては、爪先アウトソールパッチ26の後部コーナー64の縁部は第1シーム22の一部分の1/4インチ内にある。アウトソールパッチの厚みおよびシーム22に対する近接性は、第1シーム22と間隔32におけるミッドソール8の領域とを摩耗および裂断から保護するよう有利に機能する。一部の実施形態において、爪先アウトソールパッチ26の前部コーナー66の縁部は、第1シーム22の一部分の1/4インチ内にある。
【0031】
一般的な実施形態において、爪先アウトソールポーチ26の縁部と第1シーム22との間の距離104は均一である。この距離104が均一である一部の実施形態において、爪先アウトソールパッチ26の(i)後部コーナー64の縁部、および(ii)前部コーナー66の縁部は、それぞれ第1シーム22の対応する部分の4/8インチ、3/8インチ、または2/8インチ内にある。
【0032】
一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24の後部コーナー68の縁部は、第1シーム22の一部分の3/16インチ内にある。一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24の前部コーナー70の縁部は、第1シーム22の一部分の2/4インチ〜3/4インチ内にある。一部の実施形態において、ヒールアウトソールポーチ24の縁部と第1シーム22との間の距離104は均一である。この距離104が均一である一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24の(i)後部コーナー68の縁部、および(ii)前部コーナー70の縁部は、それぞれ第1シーム22の対応する部分の4/8インチ、3/8インチ、または2/8インチ内にある。一部の実施形態において、ヒールアウトソールポーチ24の縁部と第1シーム22との間の距離104は均一ではない。この距離104が均一でない一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ26の後部コーナー68の縁部は、第1シーム22の対応する部分の3/8インチ内または2/8インチ内にある。
【0033】
係る近接した距離104は、説明した組立方法により可能となるゴムの厚みおよびクッションの硬質性と組み合わされて、ミッドソール8およびアッパー2の保護を支援する。それにより、靴の耐久性が保証されると同時に、柔軟性および履き心地を保持する折畳可能なデザインが可能となる。
【0034】
図9Aを参照すると、本靴の比類のない改善された特徴は耐久性係数の値である。ここで用いられる用語「耐久性係数」は、アウトソールパッチの厚み106をアウトソールパッチの縁部と第1シーム22との間の距離104で割った値として定義される。一部の実施形態において、距離104は4mm、厚み106も4mmであり、したがって耐久性係数は1となる。一部の実施形態において、距離104は4mm、厚み106は5mmであり、したがって耐久性係数は1.25となる。一部の実施形態において、耐久性係数は0.8〜1.5である。一部の実施形態において、耐久性係数は0.9〜1.4である。一部の実施形態において、耐久性係数は1.0〜1.3である。
【0035】
一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26は、有利には、厚みがそれぞれ少なくとも3/32インチである。一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26は、有利には、厚みがそれぞれ少なくとも4/32インチである。一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26は、有利には、厚みがそれぞれ少なくとも5/32インチである。一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26は、有利には、厚みがそれぞれ少なくとも6/32インチである。一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26は、厚みがそれぞれ少なくとも7/32インチである。一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26は、厚みがそれぞれ少なくとも8/32インチである。これらの厚みは、ソールのばね定数を増大化させ、それにより、足に対する支持が高められ、靴の耐久性が向上する。図1を参照すると、アウトソールパッチの厚み、およびアウトソールパッチの縁部に対する近接性により、女性が水平面に対して直立する場合に靴が女性の足に着用されたとき、水平面102から少なくとも45度の角度100でアウトソールパッチの側部は可視である。一部の実施形態において、女性が水平面に対して直立する場合に靴が女性の足に着用されたとき、水平面102から、少なくとも50度、少なくとも55度、または少なくとも60度の角度100で、アウトソールパッチの側部は可視である。アウトソールパッチのこの可視性は、ここでは開示される靴の寸法および形状をただ説明するために記載される。
【0036】
一部の実施形態において、ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26は、エラストマーから作製される。用いられ得る代表的なエラストマーは、Marks’ Standard Handbook for Mechanical Engineers, 1987, Avallone and Baumeister, eds., McGraw−Hill, New York, pp. 6−161 through 1−163に記載の、天然ゴム、加硫処理された天然ゴム、GR−S等のブタジエン−スチレン・コポリマー、ネオプレン、ニトリルゴム、ブチル、多硫化ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリウレタンゴム、およびシリコーンゴムを含むがこれらに限定されない。なお、同文献は参照することにより本明細書に援用される。一部の実施形態において、ミッドソール8は皮革から作製される。
【0037】
図6図6A、および図6Bを参照すると、一部の実施形態において、靴はミッドソール8により特徴付けられる。ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26はミッドソール8の第1表面上に縫い付けられる。ミッドソール8は、ヒール部分68および爪先部分70を有する第2表面を備える。一部の実施形態において、クッションインサート46はミッドソール8の第2表面のヒール部分68に接着される。インサート46は、硬い表面上を歩行する際に足に加わる衝撃を吸収する。インサート46は時間の経過につれて足の形状に合致するようになる。発泡インレイ44は、(i)クッションインサート46および(ii)ミッドソール8の第2表面の爪先部分70に接着される。次に、インソール30は接着剤により発泡インレイ44に固定される。クッションインサート46は、第1端部76および第2端部78により特徴付けられる。クッションインサート46の第1端部76はヒール部分68の第1部分72に接着され、クッションインサート46の第2端部78はヒール部分68の第2部分74に接着される。ヒール部分68の第1部分72は、ヒール部分68の第2部分74よりも、ミッドソール8の第2表面の爪先部分70に一層近接する。一部の実施形態において、クッションインサート46の第1端部76の厚みはクッションインサート46の第2端部78の厚みよりも小さい。一部の実施形態において、クッションインサート46は、ミッドソールの爪先部分70から最も近いクッションインサートの部分の厚みがミッドソール8の爪先部分70から最も遠いクッションインサート46の部分の厚みよりも小さくなるよう、ミッドソール8の第2表面の爪先部分70からの距離の関数としてクッションインサート46に沿って厚くなる。一部の実施形態において、クッションインサート46の最大厚みは、3ミリメートル以上、4ミリメートル以上、5ミリメートル以上、6ミリメートル以上、7ミリメートル以上、または8ミリメートル以上である。これは、靴により提供される支持を、特にヒールにおいて、改善するよう有利に機能し、望ましい持ち上げを提供し、硬質性を増大化させ、それにより耐久性を向上させる。
【0038】
足の支持を改善するために厚みが次第に高くなることに加えて、クッションインサート46は硬質材料(例えば硬質のエチレンビニルアセテートまたは同様のクッション材料等)から作製される。一部の実施形態において、クッションインサート46は45〜70または60〜70のショアA硬度を有する。一部の実施形態において、クッションインサート46は0.30g/cm〜0.5g/cm、0.40g/cm〜0.5g/cm、0.45g/cm〜0.5g/cm、または0.50g/cm〜0.70g/cmの密度を有する。
【0039】
ヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26の厚みと、これらのパッチを作製するために用いられた材料と、これらのパッチのシーム22に対する近接性と、クッションインサートを追加する能力と、は、ばね定数を既知の折畳可能な靴に対して大いに改善することに寄与する。一部の実施形態において、靴のヒール部分68(すなわちヒールアウトソールパッチ24の領域)において縦方向に計測した靴の全体ばね定数は0.40キログラム重/インチ〜0.70キログラム重/インチである。一部の実施形態において、靴のヒール部分68において縦方向に計測した靴の全体ばね定数は0.45キログラム重/インチ〜0.65キログラム重/インチ、または0.55キログラム重/インチ〜0.65キログラム重/インチである。一部の実施形態において、靴のヒール部分68において縦方向に計測した靴の全体ばね定数は約0.6キログラム重/インチである。図6を参照すると、このようなばね定数測定値を達成するにあたっては部分68および部分70は別々に測定される。各領域に対して、靴が直立姿勢にある状態で、一方端(すなわち長手方向に延長し着用時に靴が上向き状態にある部分68または部分70の一方端)を固定しておき、引き続き、測定される靴の部分68または部分70の他方端を固定距離(例えば1インチ)だけ押し下げ、次に、押し下げられた端部により印加される力を測定する。
【0040】
一部の実施形態において、靴の爪先部分70(すなわち爪先アウトソールパッチ26の領域)において縦方向に計測した靴の全体ばね定数は0.40キログラム重/インチ〜0.70キログラム重/インチである。一部の実施形態において、靴の爪先部分70において縦方向に計測した靴の全体ばね定数は0.45キログラム重/インチ〜0.65キログラム重/インチ、または0.55キログラム重/インチ〜0.65キログラム重/インチである。一部の実施形態において、靴の爪先部分68において縦方向に計測した靴の全体ばね定数は約0.6キログラム重/インチである。
【0041】
本開示の一部の実施形態に係る靴の他の有利な特徴は、縫い合わせを保護する一方でミッドソール8へのパッチの縫い合わせを支援するヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26の深い溝部である。深い溝部48は、厚肉化されたアウトソールパッチが用いられると同時にアッパー2をミッドソール8に固定する第1シーム22に対してアウトソールパッチが近接した有利な設計により可能である。深い溝部48は、アウトソールパッチをミッドソール9に固定する縫い合わせを、地面との接触(係る接触により縫い合わせが摩耗し、それによりアウトソールパッチが分離してしまうであろう)から保護する。これらの有利な特徴について述べる。インソール30をミッドソール8にさらに縫い合わせるよりも、むしろアッパー2のみをミッドソール8に縫い合わせて第1シームを形成することにより、ミシン等の従来のプロセスを用いてミッドソール8をアッパー2に縫い合わせることが依然として可能である一方で、距離104の最小化およびアウトソールパッチ24/26の厚肉化が可能となる。距離104の最小化により足の支持を不安定化することなくアウトソールパッチ24/26の厚肉化(すなわち距離106の増大化)が可能である。アウトソールパッチ24/26の厚肉化により第1溝部48の深度の増大化が可能となり、その結果、溝部内の縫い合わせのより良好な保護が可能となる。さらに、アウトソールパッチの厚肉化により、靴は堅固化され、より長期にわたる使用およびより広範囲の地形(例えばアスファルト上、コンクリート上、汚れた路面上、その他)における使用が可能となる。図9を参照すると、1つの係る有利な実施形態は、少なくとも3/64インチの深度を有し且つヒールアウトソールパッチ24の外辺部に近接して形成された第1溝部48を有する。ヒールアウトソールパッチ24は、第1溝部48を占める第1糸を用いて、ミッドソール8の第1表面のヒール部分に縫い合わされる。さらに、少なくとも3/64インチの深度を有する第2溝部50は爪先アウトソールパッチ26の外辺部に近接して形成される。爪先アウトソールパッチ26は、第2溝部50を占める第2糸を用いて、ミッドソール8の第1表面の爪先部分に縫い合わされる。一部の実施形態において、第1溝部48は約3/32インチである。一部の実施形態において、第2溝部50は約3/32インチである。
【0042】
図5を参照すると、アッパー2は第1端部および第2端部を有する一体として形成される。なお第1端部および第2端部はヒールキャビティにおいて第2シーム52によって一体化される。一部の実施形態において、アッパー2は2つ以上のピースから形成される。
【0043】
図3および図9を参照すると、一般的な実施形態において、アッパー2は、(i)第1端部(80)、(ii)第2端部(82)、(iii)第1縁部(84)(図9に見られる)、および(iv)第2縁部(86)を有する一体として形成される。一部の実施形態において、アッパー2は縫い合わされた2つ以上のピースから形成される。図3を参照すると、一般的な実施形態において、アッパー2は端部110Aおよび110Bを有する一体である。もちろん、アッパー2は端部110Aおよび110Bを有する一体に縫い合わされた任意個数のピースにより形成され得る。アッパーが一体から作製されたかまたは複数ピースから作製されたかには関わりなく、端部110A(第1端部)および端部110B(第2端部)は、ヒールキャビティ6において第2シーム52によって一体化され、その結果、アッパー2が完成される。図9を再び参照すると、アッパー2の第1縁部84はミッドソール8の外辺部に縫い合わされ、それにより第2シーム22と靴の内側部分に対する底部とが形成される。図3に戻って参照すると、第2縁部86の第1部分は弾性制限部60により特徴付けられ、第2縁部の第1部分はヒールキャビティ6まで延びていない。一部の実施形態において、第2縁部86の第2部分は、ヒールキャビティ6に対して上方境界を提供するアキレスクッション56により特徴付けられる。さらに、図5を参照すると、一部の実施形態において、半月形ピース58は第2シーム52の下方部分を覆い、その一方で帯状部分54は第2シーム52の上方部分を覆う。
【0044】
図11を参照すると、一部の実施形態において、靴は折畳状態にある。この折畳状態において、靴は、引っ張り紐を有する、伸張性のナイロンまたは同様の材料のコンパクト格納用ポーチ(図12)に押し込まれ得る。これは、最小寸法に圧縮される一方で清潔且つコンパクトな状態での靴の有利な輸送を提供する。一部の実施形態において、ポーチはトートバッグを保持するためのポケットを備える。なおトートバッグは1対の女性用靴または他の物品および個人的所持品を収容するよう構成される。これにより、路上では本開示の靴をポーチ内に担持し、本開示に係る靴をポーチのポケットから取り出し、折畳形態から拡張させた後に、以前に着用した所望でない靴をトートバッグ内に格納することにより、本開示の靴の着用に切り替えることが可能である。
【0045】
本開示の靴は、蓋を有するコンパクトボックスに格納され得るよう、折畳状態に押し込むことが有利に可能である。係るコンパクトボックスは図10に示される。
【0046】
一部の実施形態において、アウトソールパッチの縁部は2つの方法で面取りされる。第1に、アウトソールパッチの外側縁部は、耐久性および審美的理由のために、急な勾配で面取りされる。急勾配の面取りをアウトソールパッチの外側縁部上に保持することにより、より大きい間隔が歩行表面とフットウェアの柔軟要素との間に保持され、それにより耐久性が向上する。第2に、一部の実施形態において、1つまたは複数のアウトソールパッチの内側縁部は面取りされる。このようにアウトソールパッチを面取りすることにより、アウトソールパッチの縁部とより柔軟なミッドソールとの間の圧力が低減される。この面取り処理は、ミッドソールに固定されないアウトソールパッチの縁部を鈍化および柔軟化する。この縁部を柔軟化することにより、フットウェアの耐久性および長寿命性が改善される。
【0047】
上述のように、先行技術に係るスプリットソール・フットウェアは特定の限界を有する。一部の実施形態において、先行技術の欠点は、最大アウトソール比(OR)を達成する靴を提供することにより克服される。なおORは以下のように定義される。
OR=(D×T×W)/M
上記式中、
D=第2溝部50の平均深度、
T=爪先アウトソールパッチ26の平均厚み、
W=爪先アウトソールパッチ26の最大幅、
M=爪先アウトソールパッチ26の最大幅の点におけるミッドソール8の幅である。ただし、WはMより小さく、D、T、W、およびMはすべて同一の長さの単位(例えばミリメートル)で与えられる。
したがって、一部の実施形態において、本開示の靴はアウトソール比ORを有する。この比が最大化されると、爪先アウトソールパッチ26は厚肉化され、爪先アウトソールパッチ26の縫い合わせが作製される第2溝部50の深度は増大化され、爪先アウトソールパッチ26はフットウェアの縁部に近接した状態となる。一部の実施形態において、許容可能なアウトソール比は、可能な限り幅狭化され且つ依然として広い範囲の足幅を収容可能な爪先アウトソールパッチ26を要求する。爪先アウトソールパッチ26が幅狭化されるほど、フットウェアはよりコンパクト且つ携帯可能となり、狭い足をより良好に収容するであろう。厚肉化された爪先アウトソールパッチ26は、起伏のある表面上を歩行する場合に足の安全性および履き心地に対して重要である。
【0048】
さらに、爪先アウトソールパッチ26が幅狭化されるにつれて、シームエリアが歩行表面とのより大きい接触を受けることとなるため、縫い合わせのための第2溝部50の深度がより重要となる。したがって深い溝部50が、シームの縫い合わせを保護するために必要となる。爪先アウトソールパッチ26により覆われるミッドソール8、およびアッパー2の縁部に対する爪先アウトソールパッチ26の近接性も、爪先アウトソールパッチ26が幅狭化されるにつれて重要度が増加する。フットウェアの縁部に近接する爪先アウトソールパッチ26の利点については上記でも提示してきた。本開示を考慮すると、これらの同一の原理がヒールアウトソールパッチ24および第1溝部48に適用されることが明らかとなるであろう。
【0049】
以下の表1は、本開示の実施形態に係る、第2溝部50の平均深度(D)、爪先アウトソールパッチ26の平均厚み(T)、爪先アウトソールパッチ26の最大幅(W)、および爪先アウトソールパッチ26の最大幅の点におけるミッドソール8の幅(M)に対する好適な値を示す。
【表1】
【0050】
一部の実施形態において、本開示の靴は7.0以上のアウトソール比を有する。一部の実施形態において、本開示の靴は7.2以上のアウトソール比を有する。一部の実施形態において、本開示の靴は7.4以上のアウトソール比を有する。一部の実施形態において、本開示の靴は7.6以上のアウトソール比を有する。一部の実施形態において、本開示の靴は7.8以上のアウトソール比を有する。一部の実施形態において、本開示の靴は8.0以上のアウトソール比を有する。一部の実施形態において、本開示の靴は8.2以上のアウトソール比を有する。一部の実施形態において、本開示の靴は8.4以上のアウトソール比を有する。一部の実施形態において、本開示の靴は8.6以上のアウトソール比を有する。この大きさのアウトソール比を達成することにより、スプリットソール・フットウェアの可能性を高めるいくつかの利点が生じる。
【0051】
以下の表2および表3は、本開示の実施形態に係る、第2溝部50の平均深度(D)、爪先アウトソールパッチ26の平均厚み(T)、爪先アウトソールパッチ26の最大幅(W)、および爪先アウトソールパッチ26の最大幅の点におけるミッドソール8の幅(M)に対する好適な値を示す。
【表2】
【表3】
【0052】
一部の実施形態において、最大アウトソール比(OR)を達成する靴が提供される。なお、ORは以下のように定義される。
OR’=(D’×T’×W’)/M’
上記式中、
D’=2.0mm〜3.0mmの値である、第2溝部50の平均深度、
T’=少なくとも3.0mmの値である、爪先アウトソールパッチ26の平均厚み、
W’=60mm〜89mmの値である、爪先アウトソールパッチ26の最大幅、
M’=W’より値が大きく、70mm〜93mmの値である、爪先アウトソールパッチ26の最大幅の点におけるミッドソール8の幅、
OR’は7.0〜8.6の値である。
一部の実施形態において、T’は、少なくとも4.0mmの値、少なくとも5.0mmの値、少なくとも6.0mmの値、少なくとも7.0mmの値、少なくとも8.0mmの値、または少なくとも9.0mmの値を有する。
【0053】
このOR測定値を満足する靴の第1の利点は履き心地の改善である。より厚いアウトソールパッチは、より大きいクッションを足と歩行表面との間に可能にし、硬い物体の衝撃を最小化する。靴の縁部に近接する広いアウトソールパッチは足の底部をより大きくカバーし、それにより、アウトソールの縁部に圧力を加える不快感、またはより悪くは、ゴムの縁部から垂れ下がる不快感を、足が感じることがなくなる。
【0054】
第2の利点は足の保護の改善である。厚肉化されたアウトソールは、より良好な防壁を提供し、それにより硬い物体または鋭利な物体に対して足をより良好に保護する。さらに、より広いアウトソールは、より良好に足を保護し被覆する。
【0055】
第3の利点は耐久性の向上である。靴の縁部に近接するアウトソールは、シームの縫い合わせ、アウトソール(24および26)、ミッドソール(8)、および他の靴の繊細な構成要素を保護する。厚肉化されたアウトソール(24および26)は、靴の繊細な構成要素(例えばミッドソール8)が地面との接触により摩耗する前に、摩耗するためのより多くのアウトソールを提供する。より深い溝部(例えば、第1溝部48および第2溝部50)はアウトソールの縫い合わせをより良好に保護し、そのためアウトソールの縫い合わせの摩耗はさほど迅速ではなくなる。
【0056】
第4の利点は、より魅力的なスタイルが可能となることである。すなわち、狭い靴が伸縮し、必要時により広い足に適応することが可能である。これは深い溝部(例えば第1溝部48および第2溝部50)により達成される。なお、この深い溝部は、より狭い靴上での溝部(したがって溝部内の縫い合わせ)と地面との間の大きい接触から縫い合わせを保護する。これはさらに、縁部に近接した厚肉化されたアウトソールパッチ(例えばヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチ26)により達成される。なお縁部に対するこの近接性は、いくつかの足はアウトソールよりも広いため、狭い靴において重要性がより高くなる。ここで、アウトソールの厚みは、より広い足がシーム/ミッドソール8/アッパー2を地面に押し下げることを防ぐ。
【0057】
第5の利点は、折畳不能なヒールアウトソールパッチ24および爪先アウトソールパッチのエリアが最小化されるため、靴の携帯性が高められ、靴がよりコンパクトになることである。
【0058】
代表的な実施形態
以下は、本開示の非限定的な代表的な実施形態である。
【0059】
実施形態A
人の足を受容するための内側部分であって、爪先キャビティおよびヒールキャビティを備える内側部分を形成するアッパーと、
(i)爪先端部、(ii)ヒール端部、(iii)内側側部、および(iv)外側側部を有するミッドソールであって、ミッドソールの外辺部は前記アッパーに縫い合わされ、それにより第1シームにより囲まれた前記内側部分に対する底部が形成される、ミッドソールと、
前記ミッドソールの第1表面のヒール部分に縫い合わされたヒールアウトソールパッチと、
前記ミッドソールの前記第1表面の爪先部分に縫い合わされた爪先アウトソールパッチと、
接着剤により前記内側部分の前記底部に固定されたインソールと、
を備える靴であって、
(i)前記ミッドソールの前記第1表面の前記ヒール部分に縫い合わされた前記ヒールアウトソールパッチと、(ii)前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に縫い合わされた前記爪先アウトソールパッチと、の間に間隔が存在し、前記間隔は、前記内側側部から前記外側側部まで延長し、前記爪先端部と前記ヒール端部との中間の位置を占め、それにより前記靴の全体が前記内側側部と前記外側側部との間に延びる前記間隔における軸を中心に折り畳みが可能であり、
前記靴は、(i)前記ヒールアウトソールパッチと前記爪先アウトソールパッチとが同一平面上または略同一平面上にある伸展状態と、(ii)前記爪先キャビティを含む前記アッパーの部分が前記ヒールキャビティに押し込まれるよう靴が前記軸を中心に折り曲げられた折畳状態と、の間で折り畳まれるよう構成され、
(i)前記インソールは前記アッパーまたは前記ミッドソールに縫い合わされず、
(ii)前記ヒールアウトソールパッチおよび前記爪先アウトソールパッチは、それぞれエラストマーから作製される、
靴。
【0060】
実施形態B
人の足を受容するための内側部分であって、爪先キャビティおよびヒールキャビティを備える内側部分を形成するアッパーと、
(i)爪先端部、(ii)ヒール端部、(iii)内側側部、および(iv)外側側部を有するミッドソールであって、ミッドソールの外辺部は前記アッパーに縫い合わされ、それにより第1シームにより囲まれた前記内側部分に対する底部が形成される、ミッドソールと、
前記ミッドソールの第1表面のヒール部分に縫い合わされたヒールアウトソールパッチと、
前記ミッドソールの前記第1表面の爪先部分に縫い合わされた爪先アウトソールパッチと、
接着剤により前記内側部分の前記底部に固定されたインソールと、
を備える靴であって、
(i)前記ミッドソールの前記第1表面の前記ヒール部分に縫い合わされた前記ヒールアウトソールパッチと、(ii)前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に縫い合わされた前記爪先アウトソールパッチと、の間に間隔が存在し、前記間隔は、前記内側側部から前記外側側部まで延長し、前記爪先端部と前記ヒール端部との中間の位置を占め、それにより前記靴の全体が前記内側側部と前記外側側部との間に延びる前記間隔における軸を中心に折り畳みが可能であり、
前記靴は、(i)前記ヒールアウトソールパッチと前記爪先アウトソールパッチとが同一平面上または略同一平面上にある伸展状態と、(ii)前記爪先キャビティを含む前記アッパーの部分が前記ヒールキャビティに押し込まれるよう靴が前記軸を中心に折り曲げられた折畳状態と、の間で折り畳まれるよう構成され、
(i)前記インソールは前記アッパーに縫い合わされず、
(ii)前記ヒールアウトソールパッチにより画定され且つ前記ミッドソールおよび前記インソールの対応する部分を備える靴の領域は、0.40キログラム重/インチ〜0.70キログラム重/インチのばね定数を有する、
靴。
【0061】
実施形態C
人の足を受容するための内側部分であって、爪先キャビティおよびヒールキャビティを備える内側部分を形成するアッパーと、
(i)爪先端部、(ii)ヒール端部、(iii)内側側部、および(iv)外側側部を有するミッドソールであって、ミッドソールの外辺部は前記アッパーに縫い合わされ、それにより第1シームにより囲まれた前記内側部分に対する底部が形成される、ミッドソールと、
前記ミッドソールの第1表面のヒール部分に縫い合わされたヒールアウトソールパッチと、
前記ミッドソールの前記第1表面の爪先部分に縫い合わされた爪先アウトソールパッチと、
接着剤により前記内側部分の前記底部に固定されたインソールと、
を備える靴であって、
(i)前記ミッドソールの前記第1表面の前記ヒール部分に縫い合わされた前記ヒールアウトソールパッチと、(ii)前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に縫い合わされた前記爪先アウトソールパッチと、の間に間隔が存在し、前記間隔は、前記内側側部から前記外側側部まで延長し、前記爪先端部と前記ヒール端部との中間の位置を占め、それにより前記靴の全体が前記内側側部と前記外側側部との間に延びる前記間隔における軸を中心に折り畳みが可能であり、
前記靴は、(i)前記ヒールアウトソールパッチと前記爪先アウトソールパッチとが同一平面上または略同一平面上にある伸展状態と、(ii)前記爪先キャビティを含む前記アッパーの部分が前記ヒールキャビティに押し込まれるよう靴が前記軸を中心に折り曲げられた折畳状態と、の間で折り畳まれるよう構成され、
(i)前記インソールは前記アッパーに縫い合わされず、
(ii)前記爪先アウトソールパッチの後部コーナーは前記第1シームの一部分の1/4インチ内にある、
靴。
【0062】
実施形態D
人の足を受容するための内側部分であって、爪先キャビティおよびヒールキャビティを備える内側部分を形成するアッパーと、
(i)爪先端部、(ii)ヒール端部、(iii)内側側部、および(iv)外側側部を有するミッドソールであって、ミッドソールの外辺部は前記アッパーに縫い合わされ、それにより第1シームにより囲まれた前記内側部分に対する底部が形成される、ミッドソールと、
前記ミッドソールの第1表面のヒール部分に縫い合わされたヒールアウトソールパッチと、
前記ミッドソールの前記第1表面の爪先部分に縫い合わされた爪先アウトソールパッチと、
接着剤により前記内側部分の前記底部に固定されたインソールと、
を備える靴であって、
(i)前記ミッドソールの前記第1表面の前記ヒール部分に縫い合わされた前記ヒールアウトソールパッチと、(ii)前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に縫い合わされた前記爪先アウトソールパッチと、の間に間隔が存在し、前記間隔は、前記内側側部から前記外側側部まで延長し、前記爪先端部と前記ヒール端部との中間の位置を占め、それにより前記靴の全体が前記内側側部と前記外側側部との間に延びる前記間隔における軸を中心に折り畳みが可能であり、
前記靴は、(i)前記ヒールアウトソールパッチと前記爪先アウトソールパッチとが同一平面上または略同一平面上にある伸展状態と、(ii)前記爪先キャビティを含む前記アッパーの部分が前記ヒールキャビティに押し込まれるよう靴が前記軸を中心に折り曲げられた折畳状態と、の間で折り畳まれるよう構成され、
(i)前記インソールは前記アッパーに縫い合わされず、
(ii)少なくとも3/64インチの深度を有する第1溝部が前記ヒールアウトソールパッチの外辺部に近接して形成され、前記ヒールアウトソールパッチは、前記第1溝部を占める第1糸を用いて、前記ミッドソールの前記第1表面の前記ヒール部分に縫い合わされ、
(iii)少なくとも3/64インチの深度を有する第2溝部が前記爪先アウトソールパッチの外辺部に近接して形成され、前記爪先アウトソールパッチは、前記第2溝部を占める第2糸を用いて、前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に縫い合わされる、
靴。
【0063】
実施形態E
人の足を受容するための内側部分であって、爪先キャビティおよびヒールキャビティを備える内側部分を形成するアッパーと、
(i)爪先端部、(ii)ヒール端部、(iii)内側側部、および(iv)外側側部を有するミッドソールであって、ミッドソールの外辺部は前記アッパーに縫い合わされ、それにより第1シームにより囲まれた前記内側部分に対する底部が形成される、ミッドソールと、
前記ミッドソールの第1表面のヒール部分に縫い合わされたヒールアウトソールパッチと、
前記ミッドソールの前記第1表面の爪先部分に縫い合わされた爪先アウトソールパッチと、
接着剤により前記内側部分の前記底部に固定されたインソールと、
を備える靴であって、
(i)前記ミッドソールの前記第1表面の前記ヒール部分に縫い合わされた前記ヒールアウトソールパッチと、(ii)前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に縫い合わされた前記爪先アウトソールパッチと、の間に間隔が存在し、前記間隔は、前記内側側部から前記外側側部まで延長し、前記爪先端部と前記ヒール端部との中間の位置を占め、それにより前記靴の全体が前記内側側部と前記外側側部との間に延びる前記間隔における軸を中心に折り畳みが可能であり、
前記靴は、(i)前記ヒールアウトソールパッチと前記爪先アウトソールパッチとが同一平面上または略同一平面上にある伸展状態と、(ii)前記爪先キャビティを含む前記アッパーの部分が前記ヒールキャビティに押し込まれるよう靴が前記軸を中心に折り曲げられた折畳状態と、の間で折り畳まれるよう構成され、
(i)前記ヒールアウトソールパッチにより画定され且つ前記ミッドソールおよび前記インソールの対応する部分を備える靴の領域は、0.45キログラム重/インチ〜0.55キログラム重/インチのばね定数を有し、
(ii)前記爪先アウトソールパッチまたは前記ヒールアウトソールパッチは0.8〜1.5の耐久性係数を有する、
靴。
【0064】
実施形態F
靴の製造方法であって、
(A)ミッドソールの第1表面のヒール部分にヒールアウトソールパッチを縫い合わせることと、
(B)前記ミッドソールの前記第1表面の爪先部分に爪先アウトソールパッチを縫い合わせることと、
(C)前記ミッドソールの第2表面の前記ヒール部分にクッションインサートを固定することと、
(D)人の足を受容するための内側部分であって、爪先キャビティおよびヒールキャビティを備える内側部分を形成するアッパーを、(i)爪先端部、(ii)ヒール端部、(iii)内側側部、および(iv)外側側部を有する前記ミッドソールに縫い合わせることであって、縫い合わせること(D)により、前記ミッドソールの外辺部は前記アッパーに縫い合わされ、それにより、第1シームにより囲まれた前記内側部分に対する底部が形成されることと、
(E)接着剤により前記内側部分の前記底部にインソールを固定することと、
を含み、
前記縫い合わせること(A)および前記縫い合わせること(B)は、(i)前記ミッドソールの前記第1表面の前記ヒール部分に縫い合わされた前記ヒールアウトソールパッチと、(ii)前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に縫い合わされた前記爪先アウトソールパッチと、の間に間隔を形成し、前記間隔は、前記内側側部から前記外側側部まで延長し、前記爪先端部と前記ヒール端部との中間の位置を占め、それにより前記靴全体は前記内側側部と前記外側側部との間に延びる前記間隔における軸を中心に折り畳みが可能であり、
前記靴は、(i)前記ヒールアウトソールパッチと前記爪先アウトソールパッチとが同一平面上または略同一平面上にある伸展状態と、(ii)前記爪先キャビティを含む前記アッパーの部分が前記ヒールキャビティに押し込まれるよう前記靴が前記軸を中心に折り曲げられた折畳状態と、の間で折り畳まれるよう構成され、
(i)前記インソールは前記アッパーまたは前記ミッドソールに縫い合わされず、
(ii)前記ヒールアウトソールパッチおよび前記爪先アウトソールパッチは、それぞれエラストマーから作製される、
方法。
【0065】
実施形態G
靴の製造方法であって、
(A)ミッドソールの第1表面のヒール部分にヒールアウトソールパッチを縫い合わせることと、
(B)前記ミッドソールの前記第1表面の爪先部分に爪先アウトソールパッチを縫い合わせることと、
(C)人の足を受容するための内側部分であって、爪先キャビティおよびヒールキャビティを備える内側部分を形成するアッパーを、(i)爪先端部、(ii)ヒール端部、(iii)内側側部、および(iv)外側側部を有する前記ミッドソールに縫い合わせることであって、縫い合わせること(C)により、前記ミッドソールの外辺部は前記アッパーに縫い合わされ、それにより、第1シームにより囲まれた前記内側部分に対する底部が形成されることと、
(D)接着剤により前記内側部分の前記底部にインソールを固定することと、
を含み、
前記縫い合わせること(A)および前記縫い合わせること(B)は、(i)前記ミッドソールの前記第1表面の前記ヒール部分に縫い合わされた前記ヒールアウトソールパッチと、(ii)前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に縫い合わされた前記爪先アウトソールパッチと、の間に間隔を形成し、前記間隔は、前記内側側部から前記外側側部まで延長し、前記爪先端部と前記ヒール端部との中間の位置を占め、それにより前記靴全体は前記内側側部と前記外側側部との間に延びる前記間隔における軸を中心に折り畳みが可能であり、
前記靴は、(i)前記ヒールアウトソールパッチと前記爪先アウトソールパッチとが同一平面上または略同一平面上にある伸展状態と、(ii)前記爪先キャビティを含む前記アッパーの部分が前記ヒールキャビティに押し込まれるよう前記靴が前記軸を中心に折り曲げられた折畳状態と、の間で折り畳まれるよう構成され、
(i)前記ヒールアウトソールパッチにより画定され且つ前記ミッドソールおよび前記インソールの対応する部分を備える前記靴の領域は、0.45キログラム重/インチ〜0.55キログラム重/インチのばね定数を有し、
(ii)前記爪先アウトソールパッチまたは前記ヒールアウトソールパッチは0.8〜1.5の耐久性係数を有する、
方法。
【0066】
実施形態H−1
前記ミッドソールは皮革製である、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0067】
実施形態H−2
前記内側部分の前記底部は発泡インレイをさらに備え、前記インソールは接着剤により前記発泡インレイに固定される、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0068】
実施形態H−3
前記内側部分は、前記ミッドソールの第2表面の前記ヒール部分に接着されたクッションインサートをさらに備える、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0069】
実施形態H−4
前記ミッドソールはヒール部分および爪先部分を有する第2表面を備え、
前記内側部分は、前記ミッドソールの第2表面の前記ヒール部分に接着されたクッションインサートをさらに備え
前記発泡インレイは(i)クッションインサートおよび(ii)前記ミッドソールの前記第2表面の前記爪先部分に接着される、
H−2の実施形態。
【0070】
実施形態H−5
前記クッションインサートは第1端部および第2端部により特徴付けられ、
前記クッションインサートの前記第1端部は前記ヒール部分の第1部分に接着され、前記クッションインサートの前記第2端部は前記ヒール部分の第2部分に接着され、前記ヒール部分の前記第1部分は、前記ヒール部分の前記第2部分よりも、前記ミッドソールの前記第2表面の前記爪先部分に近く、
前記クッションインサートの前記第1端部は、前記クッションインサートの前記第2端部よりも薄い、
H−3の実施形態。
【0071】
実施形態H−6
前記クッションインサートは、前記ミッドソールの前記爪先部分から最も近い前記クッションインサートの部分が、前記ミッドソールの前記爪先部分から最も遠い前記クッションインサートの部分よりも薄くなるよう、前記ミッドソールの前記第2表面の前記爪先部分からの距離の関数として前記インサートに沿って厚くなる、H−3の実施形態。
【0072】
実施形態H−7
前記クッションインサートはエチレンビニルアセテート・タイプまたはポリウレタン・タイプの材料を含む、H−3の実施形態。
【0073】
実施形態H−8
前記クッションインサートは45〜70または60〜70のショアA硬度を有する、H−3の実施形態。
【0074】
実施形態H−9
前記クッションインサートは0.30g/cm〜0.7g/cmの密度を有する、H−3の実施形態。
【0075】
実施形態H−10
前記クッションインサートは0.40g/cm〜0.7g/cmの密度を有する、H−3の実施形態。
【0076】
実施形態H−11
少なくとも3/64インチの深度を有する第1溝部が前記ヒールアウトソールパッチの外辺部に近接して形成され、前記ヒールアウトソールパッチは、前記第1溝部を占める第1糸を用いて、前記ミッドソールの前記第1表面の前記ヒール部分に縫い合わされ、
少なくとも3/64インチの深度を有する第2溝部が前記爪先アウトソールパッチの外辺部に近接して形成され、前記爪先アウトソールパッチは、前記第2溝部を占める第2糸を用いて、前記ミッドソールの前記第1表面の前記爪先部分に縫い合わされる、
実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0077】
実施形態H−12
前記アッパーは第1端部および第2端部を有する一体として形成され、前記第1端部および前記第2端部は前記ヒールキャビティにおいて第2シームによって一体化される、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0078】
実施形態H−13
前記アッパーは(i)第1端部と、(ii)第2端部と、(iii)第1縁部と、(iv)第2縁部と、を有する一体として形成され、
前記第1端部および前記第2端部は前記ヒールキャビティにおいて第2シームによって一体化され、
前記第1縁部は前記ミッドソールの前記外辺部に縫い合わされ、それにより前記内側部分に対する前記底部が形成され、
前記第2縁部の第1部分は弾性制限部により特徴付けられ、前記第2縁部の前記第1部分は前記ヒールキャビティまで延びていない、
実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0079】
実施形態H−14
前記第2縁部の第2部分は、前記ヒールキャビティに対して上方境界を提供するアキレスクッションにより特徴付けられる、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0080】
実施形態H−15
前記アッパーは第1端部および第2端部を有する一体として形成され、
前記第1端部および前記第2端部は前記ヒールキャビティにおいて第2シームによって一体化され、
半月形ピースが前記第2シームの下方部分を覆う、
実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0081】
実施形態H−16
靴は折畳状態にあり、引っ張り紐を有するポーチへと押し込まれる、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0082】
実施形態H−17
前記ポーチはトートバッグを保持するためのポケットを備え、前記トートバッグは1対の靴を収容するよう構成された、H−16の実施形態。
【0083】
実施形態H−18
靴は折畳状態にあり、蓋を有するコンパクトボックスに押し込まれる、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0084】
実施形態H−19
前記爪先アウトソールパッチの後部コーナーは前記第1シームの一部分の1/4インチ内にある、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0085】
実施形態H−20
前記爪先アウトソールパッチの後部コーナーは前記第1シームの一部分の3/16インチ内にある、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0086】
実施形態H−21
前記爪先アウトソールパッチの前部コーナーは前記第1シームの一部分の1/4インチ内にある、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0087】
実施形態H−22
前記ヒールアウトソールパッチの後部コーナーは前記第1シームの一部分の3/16インチ内にある、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0088】
実施形態H−23
前記ヒールアウトソールパッチの後部コーナーは前記第1シームの一部分の1/4インチ内にある、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0089】
実施形態H−24
前記爪先アウトソールパッチまたは前記ヒールアウトソールパッチは0.8〜1.5の耐久性係数を有する、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0090】
実施形態H−25
前記爪先アウトソールパッチまたは前記ヒールアウトソールパッチは1.0〜1.3の耐久性係数を有する、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0091】
実施形態H−26
前記ヒールアウトソールパッチおよび前記爪先アウトソールパッチはそれぞれ少なくとも3/32インチの厚みを有する、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0092】
実施形態H−27
前記ヒールアウトソールパッチおよび前記爪先アウトソールパッチはそれぞれ約5/32インチの厚みを有する、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0093】
実施形態H−28
前記間隔は4/8インチ〜6/8インチである、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0094】
実施形態H−29
前記間隔は約5/8インチである、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0095】
実施形態H−30
靴が水平面上に立つ人の足に着用された場合、前記ヒールアウトソールパッチの側部は、水平面から少なくとも45度の角度で見える、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0096】
実施形態H−31
靴が水平面上に立つ人の足に着用された場合、前記爪先アウトソールパッチの側部は、水平面から少なくとも45度の角度で見える、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0097】
実施形態H−32
前記ヒールアウトソールパッチにより画定され且つ前記ミッドソールおよび前記インソールの対応する部分を備える靴の領域は、0.40キログラム重/インチ〜0.70キログラム重/インチのばね定数を有する、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0098】
実施形態H−33
前記ヒールアウトソールパッチにより画定され且つ前記ミッドソールおよび前記インソールの対応する部分を備える靴の領域は、0.45キログラム重/インチ〜0.55キログラム重/インチのばね定数を有する、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0099】
実施形態H−34
前記爪先アウトソールパッチにより画定され且つ前記ミッドソールおよび前記インソールの対応する部分を備える靴の領域は、0.40キログラム重/インチ〜0.70キログラム重/インチのばね定数を有する、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0100】
実施形態H−35
前記爪先アウトソールパッチにより画定され且つ前記ミッドソールおよび前記インソールの対応する部分を備える靴の領域は、0.45キログラム重/インチ〜0.55キログラム重/インチのばね定数を有する、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0101】
実施形態H−36
靴は女性用の靴である、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0102】
実施形態H−37
靴は男性用の靴である、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0103】
実施形態H−38
靴は男性用の靴、女性用の靴、または子供用の靴である、実施形態A、B、C、D、E、F、およびGのいずれか1つ。
【0104】
引用文献および代替的な実施形態
本明細書における引用文献は、全て、それぞれの刊行物、特許、または特許出願が特定的に且つ個別的に参照されることにより、あらゆる目的のためにその全体が援用されると示された場合と同程度に、参照することによりその全体があらゆる目的のために援用される。
【0105】
当業者に明らかであるように、多数の改変例および変化例が本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく可能である。本明細書で説明する特定の実施形態は単に例示として提供されたものである。これらの実施形態は、本発明の原理およびその実際的な応用を最良の形態で説明し、それにより本発明および様々な改変例を有する様々な実施形態を、考えられる特定の用途に適した最良の形態で、他の当業者が利用できるよう、選択され説明されたものである。
【0106】
本開示は、様々なフットウェアのスタイル(図面に示される基本的なバレー用の平坦/スリッパに加えて)に適用される。例えば、柔軟な圧縮およびコンパクトな格納のための同様の構成を有するサンダル、フリップフロップ、活動的なスポーツ用の靴を作製することができ、これらは本発明の範囲に完全に含まれ得る。さらに、女性用に設計された実施形態を開示したが、係る靴が男性用もしくは子供用に、または女性、男性、子供の組み合わせ用に設計されてもよいことは明らかであろう。全部の係る代替的な設計は本開示の範囲に完全に含まれる。
【0107】
本明細書で説明した中核的な靴の設計およびコンパクト格納用ポーチは、装飾、材料、および色彩による表面上の分化の可能性を提供し、それにより商業上の訴求性が増大化される。代替的な構築方法は、一切縫い合わせずにアウトソールをミッドソールに接着することを含んでもよい。本発明は、添付の請求項の文言と、係る請求項が権利を与えられた均等物の全範囲とによってのみ限定される。
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図6A
図6B
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図9B
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