特許第6461374号(P6461374)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6461374第1と第2のリンク部分の間の再生型ネットワークノードのための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461374
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】第1と第2のリンク部分の間の再生型ネットワークノードのための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/42 20060101AFI20190121BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20190121BHJP
   H04B 10/299 20130101ALI20190121BHJP
【FI】
   H04L12/42 Z
   H04L1/00 B
   H04B10/299
【請求項の数】15
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2017-555489(P2017-555489)
(86)(22)【出願日】2016年4月22日
(65)【公表番号】特表2018-518093(P2018-518093A)
(43)【公表日】2018年7月5日
(86)【国際出願番号】EP2016000670
(87)【国際公開番号】WO2016169659
(87)【国際公開日】20161027
【審査請求日】2017年12月19日
(31)【優先権主張番号】15305632.0
(32)【優先日】2015年4月24日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブーハリ,フレッド
(72)【発明者】
【氏名】シュマーレン,ラウレント
(72)【発明者】
【氏名】ディッシュラー,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】デンベック,ラルス
(72)【発明者】
【氏名】レーベン,アンドレアス
【審査官】 玉木 宏治
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0250580(US,A1)
【文献】 特開2013−055654(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01303082(EP,A1)
【文献】 特開2003−298531(JP,A)
【文献】 特開2011−103667(JP,A)
【文献】 特開平07−131494(JP,A)
【文献】 特開2007−028241(JP,A)
【文献】 特開2008−219490(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0127100(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0253762(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/42
H04L 1/00
H04B 10/29−299
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のリンク部分と第2のリンク部分(198、199)の間の再生型ネットワークノード(250)のための装置(200、500、600、900、1000、1100)であって、
第1のリンク部分(198)によって障害された信号(300)を第1のリンク部分(198)から受信するように構成される入力(210)であって、信号(300)が、前方誤り訂正FEC符号化されたペイロード部分(310−2、320−2、330−2)およびヘッダ部分(310−1、320−1、330−1)を有するデータパケット(310、320)を含む、入力(210)と、
第1のリンク部分(198)の信号障害を軽減して、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供するように構成される信号再生ユニット(220)と、
データパケットのヘッダ部分(310−1、320−1、330−1)に与えられた宛先情報を抽出し、
データパケットの宛先が再生型ネットワークノード(200)であることを抽出された宛先情報が示す場合、
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を再生型ネットワークノード(250)の復号ユニット(251)に転送し、
そうでなければ、
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を第2のリンク部分(199)に転送する
ように構成される処理ユニット(230)と、
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が第2のリンク部分(199)に転送される場合、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を表現するビット数を削減するように構成される削減ユニット(265)と
を備える、装置。
【請求項2】
信号再生ユニット(220)が、FEC符号化されたペイロード部分をFEC復号することなく、信号障害を軽減するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1のリンク部分(198)および第2のリンク部分(199)が光リンク部分であり、
装置が、
第1の光リンク部分(199)から受信された光入力信号を電気入力信号に変換し、電気入力信号を信号再生ユニット(220)に提供し、
電気出力信号を第2の光リンク部分(199)への光出力信号に変換する
ように構成される光−電気−光変換ユニット(240)を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
光−電気−光変換ユニット(240)が、第1の光リンク部分から受信された光信号の波長とは異なる波長を有する光信号を第2の光リンク部分(199)に提供するように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分のFEC符号化されたシンボルが軟値で表され、
削減ユニット(265)が、軟値を閾値と比較することによって、FEC符号化されたシンボルの硬値を決定するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分のFEC符号化されたシンボルが軟値で表され、
削減ユニット(265)が、軟値の振幅を事前定義された最大値に制限するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
ヘッダ部分(310−1、320−1、330−1)がFEC符号化されたヘッダ部分であり、
処理ユニット(230)が、FEC復号を使用してFEC符号化されたヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出するように構成され、
装置(1000、1100)が、再生されたFEC符号化されたペイロード部分に関する抽出された宛先情報を、再生されたFEC符号化されたペイロード部分の前またはそれと同時に提供するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
第1のリンク部分(198)から受信された信号(300)に含まれるデータパケット(310、320、330)が空である場合、装置(1100)が、空のデータパケットに関連付けられた時間枠において第2のリンク部分(199)に、再生型ネットワークノード(250)を介してFEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分が提供されたデータパケットを提供するように構成され、
第1のリンク部分(198)から受信された信号(300)に含まれるデータパケット(310、320、330)の宛先が再生型ネットワークノード(250)であることを抽出された宛先情報が示す場合、装置(1100)が、第1のリンク部分(198)から受信された信号(300)に含まれるデータパケット(310、320、330)に関連付けられた時間枠において第2のリンク部分(199)に、再生型ネットワークノード(250)を介してFEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分が提供されたデータパケットを提供するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
宛先情報が、第1のリンク部分(198)から受信された信号(300)に含まれるデータパケット(310、320、330)のヘッダ部分に第1のフォーマットで与えられ、
装置(1000、1100)が、第2のリンク部分へのデータパケットのヘッダ部分に第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットで与えられた宛先情報を第1のフォーマットに変換し、第2のリンク部分へのデータパケットのヘッダ部分をFEC符号化するように構成されるヘッダユニットをさらに備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
装置(200、500、600、900、1000、1100)が、第1のリンク部分(198)から受信された信号(300)の変調方式とは異なる変調方式によって、第2のリンク部分へのデータパケットを変調するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
第1のリンク部分と第2のリンク部分(198、199)の間の再生型ネットワークノード(250)のための装置(200、500、600、900、1000、1100)であって、
第1のリンク部分(198)によって障害された信号(300)を第1のリンク部分(198)から受信するように構成される入力(210)であって、信号(300)が、前方誤り訂正FEC符号化されたペイロード部分(310−2、320−2、330−2)およびヘッダ部分(310−1、320−1、330−1)を有するデータパケット(310、320)を含む、入力(210)と、
第1のリンク部分(198)の信号障害を軽減して、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供するように構成される信号再生ユニット(220)と、
データパケットのヘッダ部分(310−1、320−1、330−1)に与えられた宛先情報を抽出し、
データパケットの宛先が再生型ネットワークノード(200)であることを抽出された宛先情報が示す場合、
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を再生型ネットワークノード(250)の復号ユニット(251)に転送し、
そうでなければ、
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を第2のリンク部分(199)に転送する
ように構成される処理ユニット(230)と
を備え、
信号再生ユニット(220)は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が第2のリンク部分(199)に転送される場合、データパケットの宛先が再生型ネットワークノード(250)であることを抽出された宛先情報が示す場合と比較して、信号障害の軽減が少ない再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供するように構成される、装置。
【請求項12】
前方誤り訂正FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケット(310、320)を含む信号を伝送するためのネットワークシステム(400)であって、
コアネットワーク(410)と、
請求項1から11のいずれか一項に記載の装置(200)をそれぞれ含む2つ以上の再生型ネットワークノード(250−1、250−2)を備える中間ネットワーク(420)と
を備え、
再生型ネットワークノード(250−1、250−2)がリンク部分(402)を介して直列に接続され、一連の再生型ネットワークノードの最初のネットワークノード(250−1)および最後のネットワークノード(250−1)が、それぞれリンク部分(401、403)を介してコアネットワーク(410)に接続され、
再生型ネットワークノード(250−1、250−2)の少なくとも1つが、装置(200)によって復号ユニット(251)に転送された再生されたFEC符号化されたペイロード部分をFEC復号することによって、復号されたペイロード部分を提供するように構成される復号ユニット(251)を備え、
少なくとも1つの再生型ネットワークノード(250−1)が、関連付けられたアクセスネットワーク(420)にさらに接続され、復号されたペイロード部分を、関連付けられたアクセスネットワーク(420)に提供するように構成される、ネットワークシステム。
【請求項13】
第1のリンク部分と第2のリンク部分の間の再生型ネットワークノードのための方法であって、
第1のリンク部分によって障害された信号を第1のリンク部分から受信すること(1200)であって、信号が、前方誤り訂正FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む、受信すること(1200)と、
第1のリンク部分の信号障害を軽減して(1202)、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供することと、
データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出すること(1204)と、
データパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合、
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を再生型ネットワークノードの復号ユニットに転送すること(1206)と、
そうでなければ、
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を第2のリンク部分に転送すること(1208)と、
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が第2のリンク部分に転送される場合、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を表現するビット数を削減すること(1216)と
を備える、方法。
【請求項14】
第1のリンク部分と第2のリンク部分の間の再生型ネットワークノードのための方法であって、
第1のリンク部分によって障害された信号を第1のリンク部分から受信すること(1200)であって、信号が、前方誤り訂正FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む、受信すること(1200)と、
第1のリンク部分の信号障害を軽減して(1202)、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供することと、
データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出すること(1204)と、
データパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合、
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を再生型ネットワークノードの復号ユニットに転送すること(1206)と、
そうでなければ、
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を第2のリンク部分に転送すること(1208)と
を備え、
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が第2のリンク部分に転送される場合、データパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合と比較して、信号障害の軽減が少ない再生されたFEC符号化されたペイロード部分が提供される、方法。
【請求項15】
コンピュータまたはプロセッサ上で実行された場合に、請求項13に記載の方法または請求項14に記載の方法を実施するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、第1のリンク部分と第2のリンク部分の間の再生型(regenerative)ネットワークノードのための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のローカルエリアネットワーク(LAN)を接続するメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)などの一部の通信ネットワークでは、1つのポイントから複数の宛先ポイントにデータが伝送される。この種の通信は、ポイントツーマルチポイント通信として知られている。通信ネットワークは、スター型またはリング型アーキテクチャで設計されることが非常に多い。スター型アーキテクチャを有する通信ネットワークでは、各ネットワークノードは、ポイントツーポイント接続によって中央ノードに接続され得る。リング型アーキテクチャを有する通信ネットワークでは、閉リングを形成するために、隣接するネットワークノードがそれぞれポイントツーポイント接続を介して接続され得る。リング型アーキテクチャの特別な実装は「開リング」であり得、これはしばしば馬蹄型アーキテクチャと呼ばれる。馬蹄型アーキテクチャを有する通信ネットワークでは、最初および最後のネットワークノード(エンドノード)が互いに直接接続されない場合があり、その結果、通信ネットワークのネットワークノードを接続するリンクが、馬蹄の形で配置され得る。
【0003】
馬蹄状リンクの途中のネットワークノード間の接続、馬蹄状リンクの途中のネットワークノードと馬蹄状リンクのエンドノードとの間の接続、または馬蹄状リンクのエンドノード間の接続は、ポイントツーポイント接続であり得る。しかしながら、ポイントツーポイント接続は、特定のポイントツーポイント接続に沿った伝送のためにデータパケットなどのデータが利用可能な場合に使用され得るにすぎないので、あまり有効でない場合がある。たとえば、複数のネットワークノードにわたる伝送のためのデータの集約は不可能であろう。
【0004】
一部の通信ネットワークでは、再生型ネットワークノードを第1のリンク部分および第2のリンク部分の間に設けて、第1のリンク部分により発生した信号障害を軽減し、再生された信号を第2のリンク部分に再送する。光通信の分野では、これらの再生型ネットワークノードは光通信リピータとして知られており、2つの光通信リンク部分、たとえば光ファイバの間に設けられ得る。無線通信の分野では、これらの再生型ネットワークノードは無線リレーとして知られており、これは無線周波数信号などを無線で受信し再送することができる。従来の再生型ネットワークノードは、受信された信号に対して、信号の宛先に関係なく、時間および電力のかかる前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)を実施する。これは通信ネットワークにおいて長い待ち時間と高い電力消費とを発生させ得る。したがって、改善された通信の要望が存在するであろう。
【0005】
文書EP1303082Aは、第1のマルチカスタマーソース位置と第2のマルチカスタマー宛先位置との間に、RPRデータ転送ネットワークを介して、透過型LAN−to−LAN機能接続をセットアップする方法を開示している。
【0006】
文書US2006/0127100A1では、信号を光電変換し、クロックおよびデータ情報を回復し、変換された電気信号を再増幅し、リタイミングし、再整形する3R修復を実施することによって、光信号を修復するためのシステムおよび方法が開示されている。
【0007】
文書EP1265451A2は、フォトニックトランスポートネットワークのためのアーキテクチャを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1303082号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0127100号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1265451号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
いくつかの単純化が以下の要約で行われる場合があり、これは様々な例示的実施形態のいくつかの態様を強調し紹介することを意図するものであるが、そのような単純化は実施形態の範囲を限定することを意図するものではない。当業者が本発明の概念を作成し使用することを可能にするのに十分な、好ましい例示的実施形態の詳細な説明が後の節で続く。
【0010】
本開示の第1の態様によれば、第1のリンク部分と第2のリンク部分の間の再生型ネットワークノードのための装置であって、第1のリンク部分によって障害された信号を第1のリンク部分から受信するように構成される入力であって、信号が、FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む、入力と、第1のリンク部分の信号障害を軽減して、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供するように構成される信号再生ユニットと、処理ユニットとを備える、装置が提供される。処理ユニットは、データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出するように構成される。データパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合、処理ユニットは、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を再生型ネットワークノードの復号ユニットに転送するように構成され、そうでなければ、処理ユニットは、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を第2のリンク部分に転送するように構成される。装置は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が第2のリンク部分に転送される場合、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を表現するビット数を削減するように構成される削減ユニットをさらに備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、信号再生ユニットは、FEC符号化されたペイロード部分をFEC復号することなく、信号障害を軽減するように構成され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のリンク部分および第2のリンク部分は光リンク部分である。装置は、第1の光リンク部分から受信された光入力信号を電気入力信号に変換し、電気入力信号を信号再生ユニットに提供し、電気出力信号を第2の光リンク部分への光出力信号に変換するように構成される光−電気−光変換ユニットを備えることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、光−電気−光変換ユニットは、第1の光リンク部分から受信された光信号の波長とは異なる波長を有する光信号を第2の光リンク部分に提供するように構成され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分のFEC符号化されたシンボルは軟値(soft value)で表される。削減ユニットは、軟値を閾値と比較することによって、FEC符号化されたシンボルの硬値(hard value)を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、削減ユニットは、軟値の振幅を事前定義された最大値に制限するように構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、ヘッダ部分はFEC符号化されたヘッダ部分である。処理ユニットは、FEC復号を使用してFEC符号化されたヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出するように構成され得る。装置は、再生されたFEC符号化されたペイロード部分に関する抽出された宛先情報を、再生されたFEC符号化されたペイロード部分の前またはそれと同時に提供するように構成され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1のリンク部分から受信された信号に含まれるデータパケットが空である場合、装置は、空のデータパケットに関連付けられた時間枠において第2のリンク部分に、再生型ネットワークノードを介してFEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分が提供されたデータパケットを提供するように構成され得る。第1のリンク部分から受信された信号に含まれるデータパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合、装置は、第1のリンク部分から受信された信号に含まれるデータパケットに関連付けられた時間枠において第2のリンク部分に、再生型ネットワークノードを介してFEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分が提供されたデータパケットを提供するように構成され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、宛先情報が、第1のリンク部分から受信された信号に含まれるデータパケットのヘッダ部分に第1のフォーマットで与えられる。装置は、第2のリンク部分へのデータパケットのヘッダ部分に第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットで与えられた宛先情報を第1のフォーマットに変換し、第2のリンク部分へのデータパケットのヘッダ部分をFEC符号化するように構成されるヘッダユニットをさらに備えることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、装置は、第1のリンク部分から受信された信号の変調方式とは異なる変調方式によって、第2のリンク部分へのデータパケットを変調するように構成され得る。
【0019】
本開示の第2の態様によれば、第1のリンク部分と第2のリンク部分の間の再生型ネットワークノードのための装置であって、第1のリンク部分によって障害された信号を第1のリンク部分から受信するように構成される入力であって、信号が、FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む、入力と、第1のリンク部分の信号障害を軽減して、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供するように構成される信号再生ユニットと、処理ユニットとを備える、装置が提供される。処理ユニットは、データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出するように構成される。データパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合、処理ユニットは、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を再生型ネットワークノードの復号ユニットに転送するように構成され、そうでなければ、処理ユニットは、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を第2のリンク部分に転送するように構成される。信号再生ユニットは、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が第2のリンク部分に転送される場合、データパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合と比較して、信号障害の軽減が少ない再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供するように構成される。
【0020】
本開示の第3の態様によれば、FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む信号を伝送するためのネットワークシステムであって、コアネットワークと、本開示の第1の態様または第2の態様による装置をそれぞれ含む2つ以上の再生型ネットワークノードを備える中間ネットワークとを備える、ネットワークシステムが提供される。再生型ネットワークノードがリンク部分を介して直列に接続され、一連の再生型ネットワークノードの最初のネットワークノードおよび最後のネットワークノードが、それぞれリンク部分を介してコアネットワークに接続される。再生型ネットワークノードの少なくとも1つは、装置によって復号ユニットに転送された再生されたFEC符号化されたペイロード部分をFEC復号することによって、復号されたペイロード部分を提供するように構成される復号ユニットを備える。少なくとも1つの再生型ネットワークノードは、関連付けられたアクセスネットワークにさらに接続され、復号されたペイロード部分を、関連付けられたアクセスネットワークに提供するように構成される。
【0021】
本開示の第4の態様によれば、第1のリンク部分と第2のリンク部分の間の再生型ネットワークノードのための方法が提供される。方法は、第1のリンク部分によって障害された信号を第1のリンク部分から受信することであって、信号が、FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む、受信することと、第1のリンク部分の信号障害を軽減して、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供することと、データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出することと、データパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を再生型ネットワークノードの復号ユニットに転送することと、そうでなければ、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を第2のリンク部分に転送することとを備える。方法は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が第2のリンク部分に転送される場合、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を表現するビット数を削減することをさらに備える。
【0022】
本開示の第5の態様によれば、第1のリンク部分と第2のリンク部分の間の再生型ネットワークノードのための方法が提供される。方法は、第1のリンク部分によって障害された信号を第1のリンク部分から受信することであって、信号が、FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む、受信することと、第1のリンク部分の信号障害を軽減して、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供することと、データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出することと、データパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を再生型ネットワークノードの復号ユニットに転送することと、そうでなければ、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を第2のリンク部分に転送することとを備える。データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が第2のリンク部分に転送される場合、データパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合と比較して、信号障害の軽減が少ない再生されたFEC符号化されたペイロード部分が提供される。
【0023】
本開示の第6の態様によれば、コンピュータまたはプロセッサ上で実行された場合に、第4の態様による方法または第5の態様による方法を実施するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラムが提供される。
【0024】
いくつかの実施形態は、それぞれの方法を実施するために装置内に設置されるアナログおよび/またはデジタル回路を備えることができる。デジタル制御回路、たとえば、DSP、FPGA、ASIC、または汎用プロセッサは、適宜プログラムされる必要がある。したがって、さらに他の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータまたはプログラマブルハードウェアデバイス上で実行された場合に、符号化/復号方法の実施形態を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムをさらに提供する。
【0025】
装置および/または方法のいくつかの実施形態が、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】馬蹄型アーキテクチャを有する通信ネットワークを示す図である。
図2】第1のリンク部分と第2のリンク部分の間の再生型ネットワークノードのための装置の一例を示す図である。
図3図2に示された装置の例によって受信される信号の一例を示す図である。
図4】FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む信号を伝送するためのネットワークシステムの一例を示す図である。
図5】装置の例を備える通信ネットワークの一例を示す図である。
図6図2に示された例に基づく装置の一例を示す図である。
図7】軟値の振幅を制限する一例を示す図である。
図8】軟値の振幅を制限する他の例を示す図である。
図9図2に示された例に基づく装置の他の例を示す図である。
図10図2に示された例に基づく装置の他の例を示す図である。
図11図10に示された例に基づく装置の他の例を示す図である。
図12】第1のリンク部分と第2のリンク部分の間の再生型ネットワークノードのための方法の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで、いくつかの例示的実施形態が示された添付図面を参照して、様々な例示的実施形態がより完全に説明される。図において、線、層および/または領域の厚さは、明瞭さのために誇張されている場合がある。
【0028】
したがって、例示的実施形態は様々な修正および代替の形態が可能であるが、それらの実施形態は、図に例として示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、例示的実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はなく、むしろ、例示的実施形態は、本開示の範囲内に入る全ての修正、均等物および代替物をカバーするものであることを理解されたい。図の説明全体にわたって、同様の番号は同様のまたは類似の要素を指す。
【0029】
ある要素が他の要素に「接続される」または「結合される」と称される場合、それは他の要素に直接接続もしくは結合され得、または介在要素が存在し得ることは理解されよう。対照的に、ある要素が他の要素に「直接接続される」または「直接結合される」と称される場合、介在要素は存在しない。要素間の関係を記述するために使用される他の語も同様に解釈されるべきである(たとえば、「の間に」と「の間に直接」、「隣接して」と「直接隣接して」、など)。
【0030】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、例示的実施形態を限定するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別途示さない限り、複数形も含むものとする。「備える」、「備えている」、「含む」および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことはさらに理解されよう。
【0031】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的実施形態が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同一の意味を有する。一般的に使用される辞書に定義された用語などの用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に形式的な意味で、本明細書で明示的にそのように定義されていない限り解釈されないことはさらに理解されよう。
【0032】
図1は、馬蹄型アーキテクチャを有する通信ネットワーク100を示す。通信ネットワーク100は、たとえば、MANとすることができる。
【0033】
第1のネットワークノード110−1、110−2は、通信ネットワーク100をネットワーク199に接続する。ネットワーク199は、たとえば、インターネット、サービスネットワーク、またはサービスプロバイダのデータクラウドを備えることができる。第1のネットワークノード110−1、110−2は、たとえばルーティングデバイスを備えることができる。ルーティングデバイスは、異なるネットワーク間でデータパケットを転送することができる。第1のネットワークノード110−1、110−2は、たとえば、サービスプロバイダのデータセンターに配置され得る。
【0034】
通信ネットワーク100は、第2のネットワークノード120−1、120−2、120−3、120−4、...、120−nをさらに備える。第2のネットワークノード120−1、120−2、120−3、120−4は、第1のネットワークノード110−1、110−2を接続するリンク101に沿って配置される。リンク101は、たとえば、光ファイバ、有線回線または無線リンクを備えることができる。リンク101は、図1に示されるように馬蹄型アーキテクチャで提供され得る。
【0035】
第2のネットワークノード120−1、120−2、120−3、120−4は、それぞれリンク接続102、103、104、105を介してリンク101に接続される。第2のネットワークノード120−1、120−2、120−3、120−4は、複数のアクセスネットワーク130、140、150、160を通信ネットワーク100に接続する。アクセスネットワーク130、140、150、160は、加入者をその直近のサービスプロバイダに接続するネットワークとすることができる。たとえば、アクセスネットワーク130、140、150、160は、(ローカル)デジタル加入者線(DSL)ネットワーク、モバイル通信ネットワーク、ギガビットパッシブ光ネットワーク(GPON)、または光ネットワークを備えることができる。第2のネットワークノード120−1、120−2、120−3、120−4は、ルーティングデバイスを備えることができる。第2のネットワークノード120−1、120−2、120−3、120−4は、たとえば、第1のネットワークノード110−1、110−2から離れて配置され得る。したがって、第2のネットワークノード120−1、120−2、120−3、120−4は、アクセスネットワーク130、140、150、160をネットワーク199にリンク101を介して接続することを可能にし得る。
【0036】
2つのそれぞれの第2のネットワークノード120−1、120−2、120−3、120−4の間の接続、たとえば第2のネットワークノード120−2と120−3との間の接続は、従来はポイントツーポイント接続である。さらに、第2のネットワークノード120−1、120−2、120−3、120−4のうちの1つと、第1のネットワークノード110−1、110−2のうちの1つとの間の接続、たとえば、第2のネットワークノード120−1と第1のネットワークノード110−1との間の接続は、従来はポイントツーポイント接続である。また、第1のネットワークノード110−1と110−2との間の接続は、従来はポイントツーポイント接続である。
【0037】
ポイントツーポイント接続ごとに、別々の波長が、それぞれのネットワークノード間の光接続に従来使用されている。すなわち、異なる波長を有する複数の光信号が光リンク101に沿って伝送される。ペイロードが伝送されない場合、ダミー負荷が光リンク101に沿って各ポイントツーポイント接続によって伝送される。したがって、光リンク101に沿ったかなりの量のネットワークトラフィックがダミートラフィックであり得る。
【0038】
異なる第1および/または第2のネットワークノードに対するペイロードの集約は、特定のネットワークノードにデータを伝送するために別々の波長が使用されるので不可能である。
【0039】
換言すれば、メトロネットワークにおいて1つのポイントから複数の宛先にデータが伝送される。典型的には、スター型またはリング型のアーキテクチャが適用される。より最近のアーキテクチャでは、全てのクライアントが馬蹄状のファイバ経路に沿って配置される図1の馬蹄の概念が提案されているが、個々の接続はポイントツーポイント接続として構築される。これらの個々の接続はそれぞれ、全ての第2のネットワークノード間の接続、全ての第2のネットワークノードと第1のネットワークノードとの間の接続、および第1のネットワークノード間の接続である。パケット伝送を目的とするネットワークでは、単純なポイントツーポイント接続は、パケットが伝送に利用可能である場合にのみ各接続が使用されるので、あまり有効でない。ある方向に沿った伝送対象トラフィックの集約は不可能である。
【0040】
バスアーキテクチャ、すなわち、共通の伝送経路に沿って複数のノード間でデータを転送するネットワークが、馬蹄状のネットワーク100の効率を高めるために実装され得る。第2のネットワークノード120−1、120−2、120−3、120−4は、たとえば、再生型ネットワークノードとして実装され得る。たとえば、第2のネットワークノード120−1は、第1のネットワークノード110−1から光リンク101を介して信号を受信し、第1のネットワークノード110−1と第2のネットワークノード120−1との間で光リンク101によって発生した信号障害を軽減することができる。第2のネットワークノード120−1は、再生された信号をアクセスネットワーク130に転送するか、または光リンク101を介して他の第2のネットワークノード120−2、120−2、120−4もしくは他の第1のネットワークノード110−2に転送することができる。しかしながら、従来の再生型ネットワークノードは、受信信号に対して、信号の宛先に関係なく、時間および電力のかかるFECを実施する。これは通信ネットワーク100において長い待ち時間と高い電力消費とを発生させる。
【0041】
本開示内に記載された例は、ネットワーク内の改善されたデータ伝送を提供することができる。
【0042】
図2は、第1のリンク部分と第2のリンク部分198、199の間の再生型ネットワークノード250のための装置の一例200を示す。装置は入力210を備える。入力210は、第1のリンク部分198から信号300を受信する。入力210は、モジュール内、モジュール間、または異なるエンティティのモジュール間で、指定されたコードに従う(ビット)値であり得る情報を受信するためのインターフェースに対応することができる。この信号は、FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む。
【0043】
信号の一例300が図3に示されている。信号300は、少なくとも1つのデータパケット310、320、330を含む。データパケット310、320、330は、信号300内で直列に配置され得る。データパケット310、320、330は、FEC符号化されたペイロード部分310−2、320−2、330−2と、ヘッダ部分310−1、320−1、330−1とを含む。
【0044】
FEC符号化されたペイロード部分310−2、320−2、330−2は、ネットワークノードに伝送されるデータを含むことができる。FEC符号化されたペイロード部分310−2、320−2、330−2は、FEC符号を使用して冗長な方法で符号化される。たとえば、ブロック符号、低密度パリティ検査(LDPC:Low−Density Parity Check)符号、畳み込み符号またはターボ符号が、ペイロード部分を符号化するために使用され得る。冗長性は、データパケット310、320、330の受信機が、FEC符号化されたペイロード部分310−2、320−2、330−2内の誤りを検出し、データパケット310、320、330の再送せずにこれらの誤りを訂正することを可能にし得る。
【0045】
FEC符号化されたペイロード部分310−2、320−2、330−2は、1つまたは複数のFEC符号化されたシンボルを含むことができる。シンボルは、整数の数のビットを表すパルスであり得る。たとえば、FEC符号化されたペイロード部分310−2、320−2、330−2は、米国電気電子技術者協会(IEEE)の定義802.3−2012に従う1つまたは複数のイーサネット(登録商標)パケットを含むことができる。
【0046】
ヘッダ部分310−1、320−1、330−1は、データパケットの宛先に関する宛先情報を含む。宛先情報は第1のフォーマットで与えられ得る。たとえば、第1のフォーマットは、データパケットの宛先である再生型ネットワークノードのローカルアドレスを含むことができる。ヘッダ部分310−1、320−1、330−1は、さらなる情報、たとえば制御情報を含むことができる。たとえば、ヘッダ部分310−1、320−1、330−1は、データパケットの発生元に関する情報を含むことができる。さらに、ヘッダ部分310−1、320−1、330−1はFEC符号化され得る。ヘッダ部分310−1、320−1、330−1をFEC符号化するために使用される符号は、ペイロード部分をFEC符号化するために使用される符号と同一の符号または異なる符号とすることができる。
【0047】
さらに、信号300は変調され得る。たとえば、二重偏波直交位相シフトキーイング(DP−QPSK:Dual−Polarization Quadrature phase−shift keying)または二重偏波直交振幅変調(DP−QAM:Dual−Polarization Quadrature amplitude modulation)が、信号300を変調するために使用され得る。たとえば、DP−8QAMまたはDP−16QAMが、信号300を変調するために使用され得る。
【0048】
換言すれば、伝送対象データは、宛先またはその他に関する情報を含むヘッダを有するパケットまたはコンテナである。パケットは直列に連結され、サンプル同期(sample synchronous)であり得る。パケットまたはコンテナは、1つまたは複数のイーサネットパケットを含むことができる。ペイロードの符号化は、ヘッダの符号化とは異なり得る。複雑な変調フォーマット、たとえば、DP−QPSKまたはDP−16QAMが適用され得る。
【0049】
図2に示されるように入力210において受信された信号300は、第1のリンク部分198によって障害し得る。すなわち、信号300の元の波形は、第1のリンク部分198の誤りまたは特性によって障害し得る。第1のリンク部分198は、有線または無線リンクとすることができる。すなわち、第1のリンク部分198は、たとえば、無線周波数リンク、電線リンクまたは光リンクとすることができる。たとえば、第1のリンク部分198は、光ファイバとすることができる。光ファイバは、線形および非線形の障害を信号300に発生させ得る。
【0050】
線形障害は、たとえば、減衰、波長分散または偏波モード分散を含み得る。減衰は、信号がファイバを伝播するにつれて、信号強度の衰弱、光パワーの損失を発生させ得る。光ファイバの減衰は、散乱および吸収である内因性因子と、および製造工程からの応力、環境的および物理的曲げを含む外因性因子とによって発生し得る。データを表す光パルスは、確定したスペクトル幅を有する。光ファイバ内の波長分散によって、異なる波長が異なる速度で伝播し、パルスの広がりを引き起こし得る。パルスの広がりは、隣接するパルスが重なった場合にシンボル間干渉を生じさせ、これは伝送されたビットの回復に誤りを発生させ得る。偏波モード分散は、通常は同一の速度で進行する導波路内の2つの異なる偏光が、ランダムな不完全性および非対称性により異なる速度で進行して、光パルスのランダムなの広がりを発生させるモード分散の一形態である。
【0051】
非線形障害は、たとえば、自己位相変調または誘導ブリルアン散乱を含み得る。自己位相変調は、光と物質の相互作用の非線形光学効果である。超短光パルスは、媒体中を進行するときに、光カー効果によって媒体の屈折率を変化させ得る。この屈折率の変化は、パルスの位相シフトを生じさせて、パルスの周波数スペクトルの変化をもたらし得る。光ファイバ内を進行する強いビームの場合、ビーム自体の電場の変化が、電歪または放射圧によって媒体内に音響振動を発生させ得る。ビームは、通常は入射ビームと反対の方向に、これらの振動からブリルアン散乱を受け得る。結果として、より短い波長はより長い波長を、それらを枯渇させる(deplete)ことによって増幅し得る。同一の物理的効果に基づくさらなる非線形劣化は、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)システムにおける周囲のチャネルによって生じ得る。
【0052】
したがって、装置200は、信号再生ユニット220を備える。信号再生ユニット220は、第1のリンク部分198の信号障害を軽減して、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供する。たとえば、FEC符号化されたペイロード部分が、電気信号として信号再生ユニット220に入力され得、信号再生ユニット220は、電気信号を処理して、第1のリンク部分198の障害を補償することができる。
【0053】
たとえば、信号再生ユニット220は、FIRフィルタまたは最小二乗平均適応フィルタなどを使用して波長分散を補償することができる。また、信号再生ユニット220は、信号再生ユニット220に入力された信号の統計を使用するブラインドチャネル推定技法などを使用してチャネル推定を実施することができる。信号再生ユニット220はさらに、FEC符号化されたペイロード部分を偏波多重分離することができる。信号再生ユニット220は、たとえば、FEC符号化されたペイロード部分の周波数オフセットを推定し、推定された周波数オフセットに対してFEC符号化されたペイロード部分を補正することができる。さらに、信号再生ユニット220は、局部発振器などを使用して、FEC符号化されたペイロード部分の位相オフセットを推定することができる。信号再生ユニット220は、推定された位相オフセットを使用して、FEC符号化されたペイロード部分の位相を回復することができる。
【0054】
さらに、信号再生ユニット220は、FEC符号化されたペイロード部分を増幅して、第1のリンク部分198に関する減衰を補償することができる。信号再生ユニット220はさらに、FEC符号化されたペイロード部分をリタイミングすることができ、すなわち、FEC符号化されたペイロード部分は新たなタイミングが提供され、これはタイミング回復処理で推定されるかまたはクロックによって提供され得る。
【0055】
信号再生ユニット220は、第1のリンク部分198の障害の全てまたは少なくとも一部を補償または軽減することができる。信号再生ユニット220は、データパケットのFEC符号化されたペイロード部分をFEC復号することなく、信号障害を軽減する。
【0056】
信号再生ユニット220は、任意選択により、ヘッダ部分における第1のリンク部分198の信号障害を軽減して、再生されたヘッダ部分を提供することができる。信号再生ユニット220は、任意選択により、ヘッダ部分および/またはFEC符号化されたペイロード部分を復調することができる。
【0057】
装置200は処理ユニット230をさらに備える。データパケットの(再生された)ヘッダ部分および再生されたFEC符号化されたペイロード部分が、処理ユニット230に提供される。処理ユニット230は、データパケットの(再生された)ヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出する。さらに、処理ユニット230は、データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報を使用して、再生されたFEC符号化されたペイロード部分が転送される要素を決定する。
【0058】
データパケットの宛先が再生型ネットワークノード250であることを抽出された宛先情報が示す場合、処理ユニット230は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を、再生型ネットワークノード250の復号ユニット251に転送する。復号ユニット251は、再生されたFEC符号化されたペイロード部分をFEC復号することができる。そうでなければ、処理ユニット230は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を第2のリンク部分199に転送する。任意選択により、処理ユニット230はさらに、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分に関するヘッダ部分を第2のリンク部分199に転送することができる。したがって、(再生された)ヘッダ部分と再生されたFEC符号化されたペイロード部分とを含むデータパケットが、第2のリンク部分199に提供され得る。
【0059】
装置200は、データパケットの宛先が再生型ネットワークノード250である場合、再生型ネットワークノード250への信号300に含まれるデータパケットをドロップするか、または他の全ての場合に、第2のリンク部分199に接続された他のノードにデータパケットを転送することを可能にし得る。データパケットの宛先とは無関係に、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供するために、FEC符号化されたペイロード部分の障害が軽減される。すなわち、再生されたペイロード部分は、復号ユニット251または第2のリンク部分199に提供される。したがって、装置200は、バスアーキテクチャを有するネットワークで使用され得る。
【0060】
再生されたFEC符号化されたペイロード部分は、再生型ネットワークノード250の復号ユニット251に転送された場合、単にFEC復号される。再生されたFEC符号化されたペイロード部分は、第2のリンク部分199に提供される場合には、FEC復号されない。FEC復号は時間および電力がかかり得る。したがって、再生されたFEC符号化されたペイロード部分をFEC復号せずに第2のリンク199に転送することは、装置200におけるデータパケットの処理時間を削減することができる。したがって、たとえば、バスアーキテクチャを使用するネットワークの待ち時間が削減され得る。さらに、装置200におけるデータパケットの転送に関する電力消費が削減され得る。
【0061】
換言すれば、ヘッダ処理は、パケットのドロップまたは転送を決定するために適用され得る。少なくともヘッダ処理は、パケットがドロップされるか転送されるかを判定するために実施され得る。信号再生のための包括的な信号処理が、信号変調に起因して実施され得る。FECは、転送経路では省略され、パケットがドロップされる場合にのみ適用される。中間転送におけるFECの省略は、待ち時間および電力消費を削減することができる。
【0062】
FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む信号を伝送するためのネットワークシステムの一例400が図4に示されている。
【0063】
ネットワークシステム400は、コアネットワーク410を備える。コアネットワーク410は、たとえば、インターネット、サービスネットワークまたはサービスプロバイダのデータクラウドを備えることができる。
【0064】
ネットワークシステム400は、図2に示されるような、装置の例200のそれぞれを含む2つ以上の再生型ネットワークノード250−nを備える中間ネットワーク420をさらに備える。再生型ネットワークノード250は、リンク部分402を介して直列に接続される。一連の再生型ネットワークノード250の最初のネットワークノード250−1と最後のネットワークノード250−2とは、それぞれリンク部分401、402を介してコアネットワーク410に接続される。
【0065】
再生型ネットワークノード250−1は、復号ユニット251を備える。復号ユニット251は、装置200によって復号ユニット251に転送された再生されたFEC符号化されたペイロード部分をFEC復号することによって、復号されたペイロード部分を提供する。再生型ネットワークノード250−1、250−2の少なくとも一方が、復号ユニット251を備える。
【0066】
再生型ネットワークノード250−1は、関連付けられたアクセスネットワーク430にさらに接続される。アクセスネットワーク430は、たとえば、(ローカル)DSLネットワーク、モバイル通信ネットワーク、GPONまたは光ネットワークを備えることができる。再生型ネットワークノード250−1は、復号されたペイロード部分を、関連付けられたアクセスネットワーク430に提供する。
【0067】
装置200は、ネットワーク400のためのバスアーキテクチャを可能にし得る。たとえば、コアネットワーク410は、再生型ネットワークノード250−1に含まれる装置200に信号を伝送することができる。信号は、第1のデータパケットおよび第2のデータパケットを含むことができる。装置200は、データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報に応じてそれぞれ、その再生型ネットワークノード250−1の復号ユニット251にデータパケットを転送するか、またはリンク部分402にデータパケットを転送することができる。たとえば、第1のデータパケットのヘッダ部分から抽出される宛先情報は、データパケットの宛先が再生型ネットワークノード250−1であることを示し得る。したがって、装置200の処理ユニット230は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を、再生型ネットワークノード250−1の復号ユニット251に転送する。第2のデータパケットのヘッダ部分から抽出される宛先情報は、データパケットの宛先が再生型ネットワークノード250−1でないことを示し得る。たとえば、ヘッダ部分から抽出される宛先情報は、データパケットの宛先が再生型ノード250−2であることを示し得る。したがって、装置200の処理ユニット230は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分をリンク部分402に転送する。装置200の処理ユニット230はさらに、第2のデータパケットのヘッダ部分をリンク部分402に転送することができ、その結果、ヘッダ部分および再生されたFEC符号化されたペイロード部分が、リンク部分402を介して再生型ネットワークノード250へ、新たなまたは再生されたデータパケットとして伝送され得る。
【0068】
バスアーキテクチャは、たとえば、伝送されるデータの集約を可能にし得る。上記の例を参照すると、複数の再生型ネットワークノード250−1、250−2、...、250−nについてのデータは、コアネットワーク410などによって1つの共通の信号を使用して集約され伝送され得る。装置200を含む各再生型ネットワークノード250−1、250−2、...、250−nは、それぞれの再生型ネットワークノードとは異なる宛先を有するデータパケットを転送し、それぞれの再生型ネットワークノード宛のデータパケットをドロップすることができる。
【0069】
再生型ネットワークノード250−1、250−2、...、250−nが光リンクを介して接続される一実施形態では、再生型ネットワークノード250−1、250−2、...、250−nのそれぞれの間、ならびに一連の再生型ネットワークノード250−1、250−2、...、250−nの最初および最後の再生型ネットワークノード250−1、250−2と、コアネットワーク410とのそれぞれの間に、別々の光リンクが確立され得る。各光リンクは、データ用に別々の波長および/または別々の変調方式を使用することができる。それぞれのリンクの波長および別々の変調は、リンクの特定の特性、たとえば光リンクの長さに適合され得る。また、各光リンクは、データ伝送のために同一または別々のビットレートを使用することができる。いくつかの実施形態では、ビットレートは、リンク部分のうちの2つ以上について同一または類似し得る。たとえば、第1のリンク部分および第2のリンク部分として再生型ノード250−1、250−2、...、250−nに接続された連続するリンク部分は、同一のビットレート、類似のビットレート、または、たとえば5%だけ外れたビットレートを有し得る。したがって、再生型ネットワークノード250−1、250−2、...、250−nに備えられる装置200は、第2のリンク部分に提供されるデータパケットのビットレートを適応させることができる。
【0070】
また、単一の波長が、異なる宛先との間でデータを伝送するための光リンクで使用され得、その理由は、装置200を含む後続の再生型ネットワークノード250−1、250−2、...、250−nが、データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報に基づいてデータパケットを転送またはドロップすることができるためである。ダミーペイロードの伝送は、たとえば図1に示されたような個々のポイントツーポイント接続のために複数の異なる波長を使用するポイントツーポイントネットワークと比較して低減され得る。したがって、ネットワーク400の全体的なトラフィックは、図1に示されたネットワーク100と比較して低減され得る。
【0071】
ネットワークシステム400はさらに、リンク部分に関する障害が、リンクに接続された再生型ネットワークノード250−1、250−2、...、250−nの装置200において軽減されるので、長距離にわたるデータ伝送を可能にし得る。したがって、装置200を含む複数の再生型ネットワークノード250−1、250−2、...、250−nに沿って伝送される信号は、各装置200において再生され得る。このように、伝送誤りは、各再生型ネットワークノード250−1、250−2、...、250−nにおいて補償され得る。
【0072】
データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が、時間のかかるFEC復号および後続の符号化なしで、装置200によって第2のリンク部分に転送されるので、ネットワークシステム400の待ち時間は比較的短くなり得る。FEC復号の省略はさらに、データの転送に要する電力消費を低減することを可能にし得、その結果、ネットワークシステム400の全体の電力消費が比較的低くなり得る。従来の再生型ネットワークノードを使用したネットワーク、たとえば、図1に示されたネットワーク100と比較して、待ち時間および電力消費は、ネットワークシステム400では削減され得る。
【0073】
換言すれば、各中間ノードにおけるドロップおよび転送が可能なバスアーキテクチャが提供され得る。FECは、転送経路では省略され得、パケットがドロップされる場合にのみ適用され得る。中間転送におけるFECの省略は、待ち時間および電力消費を削減することができる。
【0074】
図5は、装置の例500−1、500−2を備える通信ネットワークの一例599を示す。装置500−1、500−2は、図2に示された装置200とある程度類似している。しかしながら、装置500−1、500−2は、さらなる任意選択の要素を備えることができる。
【0075】
通信ネットワーク599は、たとえば、2つのポイントオブプレゼンス(PoP)501、502の間の光伝送ネットワークとすることができる。PoP501、502は、たとえば、場所AおよびBにおける光信号用のルータとすることができる。FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む光信号300は、PoP501から第1の光リンク部分198を介して送信され得、再生型ネットワークノード250−1に含まれる装置500−1によって受信され得る。信号300は、たとえば、図3に示された信号と同一であり得る。ヘッダ部分は、データパケットの宛先を示す宛先情報を含む。たとえば、宛先情報は、データパケットの宛先が他の再生型ネットワークノード250−2またはPoP502であることを示し得る。他の再生型ネットワーク250−2は、装置500−2を含むことができる。図5に示されるように、装置500−1および装置500−2は、同一の要素から構成され得る。しかしながら、両方の装置500−1、500−2は、代替的には異なる要素から構成され得、両方の装置500−1、500−2は、図2に示された装置200に含まれる要素を少なくとも備える。
【0076】
装置500−1は、光−電気−光変換ユニット(OEO:Optical−Electrical−Optical conversion unit)240を備える。光信号300は、入力210によって受信され、OEO240に提供され、OEO240は、着信信号用の光−電気変換器(O/E:Optical−Electrical converter)241と、送出信号用の電気−光変換器(E/O:Electrical−Optical converter)242とを備える。O/E241は、光入力信号をアナログ電気信号に変換することができる。E/O242は、アナログ電気出力信号を光信号に変換し、光信号を光ファイバなどの光伝送路199に出力することができる。OEO240は、受信された光信号300をインバウンドアナログ電気信号に変換することができ、これは装置500−1のアナログ−デジタル変換器(ADC)261に入力され得る。
【0077】
ADC261は、インバウンドアナログ電気信号をインバウンドデジタル電気信号に変換することができ、これは信号再生ユニット220に入力され得る。信号再生ユニット220は、第1の光リンク部分198の信号障害を軽減することによって、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供する。第1の光リンク部分198の障害、およびこれらの障害を軽減するための処理の例が、たとえば図2に関連して説明される。さらに、処理ユニット230は、データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出する。処理ユニット230の詳細は、たとえば、図2に関連して論じられている。図2に示された例では、信号再生ユニット220および処理ユニット230は、組み合わせられた単一のユニットとして、すなわちデジタル信号プロセッサ(DSP)269として実装される。
【0078】
処理ユニット230は、データパケットの宛先が再生型ネットワークノード250−1であることを抽出された宛先情報が示す場合、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を再生型ネットワークノード250−1の復号ユニット251に転送する。FEC復号ユニット251は、データパケットの誤りを検出し訂正するために、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分にFEC復号を実施することができる。
【0079】
FECは、典型的には軟判定FECと硬判定FECとに区別される。軟判定FECでは、誤り訂正された(復号された)出力値は、可能な値の固定のセットの間の全範囲の値をとり得る。反対に、硬判定FECでは、誤り訂正された(復号された)出力値は、可能な値の固定のセットのうちの1つの値のみをとり得る。誤り訂正された出力値の可能な値の多様性によって、軟判定FEC(復号)は、硬判定FEC(復号)よりも高い誤り訂正性能を可能にし得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、FEC復号ユニット251は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を反復的にFEC復号することができる。実際に処理されたデータパケットに続いて受信されたデータパケットが、復号ユニット251に転送されない場合、反復回数は増加され得る。FEC復号の反復回数を増加させると、ペイロード部分の誤り訂正が改善され得る。
【0081】
換言すれば、ドロップ経路におけるFEC復号器は、可変数の反復を適用することができる。後続のパケットが転送される場合、現在処理されているパケットは、より多くの反復を使用して処理され得、性能が改善される。より長い距離にわたって伝送されるパケットの場合、ネットワーク管理は、任意選択により、転送パケットのために後続のスロットを予約することができる。
【0082】
FEC復号されたペイロード部分は、再生型ネットワークノード250−1に接続されたネットワーク要素またはネットワーク530に提供され得る。たとえば、ネットワーク530は、ローカルDSLネットワークのような、場所Cにあるローカルアクセスネットワークとすることができる。
【0083】
データパケットの宛先が再生型ネットワークノード250−1でないことを抽出された宛先情報が示す場合、処理ユニット230は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を切り替え要素262に転送する。たとえば、データパケットの宛先が位置BのPoP502または他の再生型ネットワークノード250−2であることを抽出された宛先情報が示す場合、切り替え要素262は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を入力処理ライン280から出力処理ライン290に誘導することができる。
【0084】
信号再生ユニット220は、任意選択により、データパケットのヘッダ部分における第1のリンク部分198の信号障害を軽減して、再生されたヘッダ部分を提供することができる。再生されたヘッダ部分はさらに、切り替え要素262に提供され得る。切り替え要素262は、データパケットの(再生された)ヘッダ部分を、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分と共に、入力処理ライン280から出力処理ライン290に誘導することができる。
【0085】
アウトバウンド方向において、すなわち、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分(および任意選択により、データパケットのヘッダ部分)が、切り替え要素262によって入力処理ライン280から出力処理ライン290に誘導される場合、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分(および任意選択により、データパケットのヘッダ部分)は、符号化されたデジタル電気信号としてDSP263に入力される。DSP263は、アウトバウンドの符号化されたデジタル電気信号にさらなる信号操作を実施することができる。そのような操作の一例は、DP−QPSKまたはDP−QAMなどの変調、または第2のリンク部分199における予想される障害の前置補償とすることができる。DSP263の出力は、デジタル−アナログ変換器(DAC)264に入力され得る。DAC264は、アウトバウンドデジタル電気信号をアウトバウンドアナログ電気信号に変換することができる。DAC264の出力はOEO240に入力され得、ここでE/O242は、アウトバウンドアナログ電気信号をアウトバウンド光信号に変換することができる。次いで、アウトバウンド光信号300’は、OEO242によって第2のリンク部分199に(再)送信され得る。
【0086】
DSPは、任意選択により、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分(および任意選択により、データパケットのヘッダ部分)を、第1の光リンク部分198から受信された光信号300の変調方式とは異なる変調方式によって変調することができる。たとえば、受信された光信号300は、32GBaudのシンボルレートで16QAM変調され得、アウトバウンド光信号300’は、43GBaudのシンボルレートで8QAM変調され得る。さらなる例では、受信された光信号300は、32GBaudのシンボルレートで16QAM変調され得、アウトバウンド光信号300’は、64GBaudのシンボルレートでQPSK変調され得る。さらに、ハイブリッド変調方式が使用され得る。受信された光信号300のビットレートは、アウトバウンド光信号300’のビットレートと同一にすることができる。したがって、受信された光信号300の変調方式よりも複雑でないアウトバウンド光信号300’に対する変調方式は、受信された光信号300よりも高いアウトバウンド光信号300’のシンボルレートを可能にし得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、受信された光信号300のビットレートは、アウトバウンド光信号300’のビットレートと類似するかまたはこれから外れ得る。たとえば、受信された光信号300のビットレートは、アウトバウンド光信号300’のビットレートよりも5%高くまたは低くすることができる。したがって、DSP263は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分(および任意選択により、データパケットのヘッダ部分)のビットレートを適応させ、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分(および任意選択により、データパケットのヘッダ部分)を、第1の光リンク部分198から受信された光信号300のビットレートとは異なるビットレートで提供することができる。
【0088】
OEO240は、第1の光リンク部分198から受信された光信号300の波長とは異なる波長を有するアウトバウンド光信号300’を、第2の光リンク部分199に提供することができる。
【0089】
波長および変調は、第2の光リンク部分199の特定の特性、たとえば、第2の光リンク部分199の長さに適合され得る。
【0090】
換言すれば、DSP263において、着信データ/パケットが再変調され得る。変調フォーマットは、受信されたデータの変調フォーマットとは異なり得る。出力信号および入力信号のビットレートは、同一にすることができる。一例として、以下の組み合わせ:入力16QAM@32GBaud−出力8QAM@43GBaud、入力16QAM@32GBaud−出力QPSK@64GBaudが使用され得る。ハイブリッドフォーマットを使用した組み合わせも使用され得る。
【0091】
第2の光リンク部分199を介して、アウトバウンド光信号300’が、他の再生型ネットワークノード250−2に提供され得る。再生型ネットワークノード250−2に含まれる装置500−2は、装置500−1と同一または類似の処理を光信号300’に実施することができる。
【0092】
図6は、装置の他の例600を示す。装置600は、図5に示された装置500−1とある程度類似している。しかしながら、図5に示された装置500−1とは対照的に、削減ユニット265が、処理ユニット230と切り替え要素262との間に設けられている。データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が、切り替え要素262を介して第2のリンク部分199に転送される場合、削減ユニット265は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を表現するビット数を削減することができる。
【0093】
削減ユニット265は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分のFEC符号化されたシンボルが、信号再生ユニット220によって軟値として提供されることを考慮し得る。軟値は、可能な値の固定のセットの間の全範囲の値をとり得る。反対に、硬値は、可能な値の固定のセットのうちの1つの値のみをとり得る。たとえば、2値の場合、「0」と「1」が可能な値の固定のセットであり得る。したがって、「0」と「1」の間の任意の値が、軟値とみなされ得る。
【0094】
たとえば、受信された光信号300が200GBaudのシンボルレートを有し、各シンボルが信号再生ユニット220の出力において6ビットで表現されると仮定すると、信号再生ユニット220は、約1.5Tbit/sのデータ(オーバーヘッド込み)を提供する。したがって、切り替え要素262は、約1.5Tbit/sを入力処理ライン280から出力処理ライン290に誘導する必要がある。切り替え要素262への負荷を低減するために、削減ユニット265は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を表現するビット数を削減することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、削減ユニット265は、軟値を閾値と比較することによって、FEC符号化されたシンボルの硬値を決定することができる。たとえば、2値の場合、軟値は「0.5」と比較され得る。軟値が閾値「0.5」以上である場合、FEC符号化されたシンボルの硬値として「1」が決定され得る。軟値が閾値「0.5」未満である場合、FEC符号化されたシンボルの硬値として「0」が決定され得る。上記の例を続けると、FEC符号化されたシンボルの硬値が1ビットで表現されると仮定すると、再生ユニット220によって提供される1.5Tbit/sのデータは、削減ユニット265によって約256Gbit/sまで削減され得る。
【0096】
また、削減ユニット265は、ノイズを低減することを可能にし得る。再生ユニット220による軟値出力は、たとえば、2値の場合、「0」または「1」から、ノイズによってある程度逸脱する。軟値に対する硬判定を決定することは、ノイズを除去することを可能にし得る。削減ユニット265がなければ、シンボルが複数の装置600を介して伝送される場合、ノイズが蓄積し得る。硬値は、いくつかのFEC符号化されたシンボルについて誤り得る。しかしながら、誤った硬値の比率は非常に低くなり得、受信機の復号ユニットにおいて、たとえば、受信されたシンボルの値を推定するための適宜修正された対数尤度比を使用して補償され得る。
【0097】
換言すれば、データ転送は、DSP269によって出力されたデータの転送を意味し得る。DSP269の出力において、軟値、すなわち、ノイズのあるコンステレーション点が提供され得る。個々のI値およびQ値は、顕著な分解能を有し得、したがって、次のスイッチは、顕著な分解能を有する必要がある。顕著な分解能は、このスイッチの高い複雑性、たとえば、6ビット分解能の200GBaudにオーバーヘッドを加えて約1.5Tbit/sを必要とし得る。したがって、硬判定が転送経路に含まれ得る。硬判定はノイズ圧縮を強制し得るが、誤りが「凍結」され得る。スイッチの複雑性は、たとえば、1/6に削減されて256Gbit/sとなり得る。
【0098】
削減ユニット265は、代替的には、軟値の振幅を事前定義された最大値まで低減することができる。図7および図8は、軟値の振幅を制限する例を示す。
【0099】
図7および図8は、削減ユニット265の伝達特性の例を示す。FEC符号化されたシンボルの軟値の振幅は、たとえば、振幅上限701と振幅下限702との間にある振幅に制限され得る。
【0100】
たとえば、図7に示されるように、削減ユニット265の伝達特性は、振幅上限701および振幅下限702において飽和し、その中間で線形関係を有し得る。いくつかの実施形態では、図8に示されるように、削減ユニット265の伝達特性は、振幅上限701および振幅下限702において飽和し、その中間でシグモイド関係を有し得る。
【0101】
FEC符号化されたシンボルの軟値の振幅を制限することは、ノイズを低減することを可能にし得、その理由は、FEC符号化されたシンボルの軟値の制限された振幅が、FEC符号化されたシンボルの軟値の低減されたノイズ成分を伴うためである。また、振幅上限701と振幅下限702との間の振幅値は、FEC符号化されたシンボルの軟値の元の振幅を表現するために使用されるビット数と比較して削減されたビット数を使用して表現され得る。したがって、FEC符号化されたシンボルの軟値の振幅を制限することは、切り替え要素262に提供されるデータの量を低減することを可能にし得る。
【0102】
換言すれば、硬判定を決定する代わりに、片側クリッピングなどの代替的な伝達特性が、ノイズを絞るおよび/または転送用データの分解能を削減するために、削減ユニット265に使用され得る。伝達特性は、データのフル分解能または削減された分解能に基づくことができる。
【0103】
図9は、装置の他の例900を示す。装置900は、図5に示された装置500−1および図6に示された装置600とある程度類似している。しかしながら、図5に示された装置500−1および図6に示された装置600とは対照的に、信号再生ユニット220は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が切り替え要素262を介して第2のリンク部分199に転送される場合には、データパケットの宛先が再生型ネットワークノード250であることを抽出された宛先情報が示す場合、すなわち、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が再生型ネットワークノード250の復号ユニット251に転送される場合と比較して、信号障害の軽減が少ない再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供する。
【0104】
たとえば、再生ユニット220は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が切り替え要素262に転送される場合、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分の周波数オフセットの推定および補正を省略することができる。再生ユニット220は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が切り替え要素262に転送される場合、たとえば、さらにまたは代替的に、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分の周波数オフセットの推定および補正を省略することができる。しかしながら、代替的にまたは追加的に、再生ユニット220における再生処理の他のステップも省略され得る。
【0105】
再生ユニット220が再生されたヘッダ部分を提供するいくつかの実施形態では、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が切り替え要素262に転送される場合、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が再生型ネットワークノード250の復号ユニット251に転送される場合と比較して、同様に信号障害の軽減が少ない再生されたヘッダ部分が提供され得る。
【0106】
周波数および/または位相オフセット補正などを省略したにもかかわらず、第1のリンク部分199の線形障害が補償され得る。しかしながら、再生されたFEC符号化されたペイロード部分の全体的な品質は、周波数および位相オフセット補正などを使用して提供される再生されたFEC符号化されたペイロード部分と比較して劣り得る。
【0107】
しかしながら、信号障害の軽減が少ない再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供することは、第1のリンク部分198から受信されたデータパケットの処理時間を削減することを可能にし得る。したがって、1つまたは複数の装置900を含む伝送経路の待ち時間が、低減され得る。さらに、受信されたデータパケットを第2のリンク部分199に転送するための電力消費は、完全な再生処理がデータパケットに実施される状況と比較して低減され得る。
【0108】
図9には示されていないが、装置900は、図6に示された削減ユニット265と同様の削減ユニットを備えることができる。削減ユニットは、DSP269と切り替え要素262との間に配置され得る。
【0109】
換言すれば、DSP269は、データを転送する場合には、部分的に省略され得る。
【0110】
図10は、装置の他の例1000を示す。装置1000は、図5に示された装置500−1、図6に示された装置600、および図9に示された装置900とある程度類似している。しかしながら、図5に示された装置500−1、図6に示された装置600、および図9に示された装置900とは対照的に、図10に示された装置1000は、再生ユニット220および処理ユニット230を単一の要素として備える。
【0111】
たとえば、再生処理の一部は、再生ユニット220において、データパケットのFEC符号化されたペイロード部分と、データパケットのヘッダ部分とに一緒に適用され得る。しかしながら、処理ユニット230は、データパケットのヘッダ部分に別の再生処理を少なくとも部分的に実施することができる。たとえば、処理ユニット230のヘッダ処理ユニット230−1は、再生ユニット220がデータパケットのFEC符号化されたペイロード部分に実施する、第1のリンク部分198の信号障害を軽減するための任意の処理を、ヘッダ部分に実施することができる。具体的には、ヘッダ処理ユニット230−1は、たとえば、別のブラインドチャネル推定、別の偏波配向、および/または別の誤り訂正をヘッダ部分に実施することができる。さらに、ヘッダ処理ユニット230−1は、ヘッダ部分がFEC符号化されている場合、推定されたチャネル情報を使用してヘッダ部分をFEC復号することができる。ヘッダ処理ユニット230−1はさらに、データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出する。
【0112】
処理ユニット230は、抽出された宛先情報によって示される宛先に基づいて、復号ユニット251または切り替え要素262に、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を転送する切り替えユニット230−2をさらに備えることができる。
【0113】
別途のヘッダ処理は、再生されたFEC符号化されたペイロード部分に関する抽出された宛先情報を、再生されたFEC符号化されたペイロード部分の前またはそれと同時に、切り替えユニット230−2に提供することを可能にし得る。再生されたFEC符号化されたペイロード部分の前またはそれと同時に抽出された宛先情報を提供することは、再生されたFEC符号化されたペイロード部分のバッファリングを省略することができる。たとえば、再生されたFEC符号化されたペイロード部分の後に、抽出された宛先情報が切り替えユニット230−2に提供される場合、再生されたFEC符号化されたペイロード部分がバッファリングされる必要があり、その理由は、切り替えユニット230−2が、抽出された宛先情報なしで再生されたFEC符号化されたペイロード部分を転送することができないためである。たとえば、再生されたFEC符号化されたペイロード部分に関する1Tbit/sのデータが再生ユニット220によって切り替えユニット230−2に提供されるときに、抽出された宛先情報が再生されたFEC符号化されたペイロード部分よりも1μsだけ時間的に後に切り替えユニット230−2に提供される場合、1Mbit/sのデータがバッファリングされる必要がある。
【0114】
データパケットのヘッダ部分がFEC符号化されており、FEC符号化されたヘッダ部分のFEC復号がヘッダ処理ユニット230−1によって実施されるいくつかの実施形態では、FEC符号化されたヘッダ部分のFEC復号は時間がかかり得るので、抽出された宛先情報を切り替えユニット230−2に提供することは、比較的長い時間を要し得る。したがって、短いヘッダ、すなわち、極力少ない情報を保持するヘッダが使用され得る。さらに、選択されるFECは、かなり速く復号され得る符号を使用することができる。
【0115】
換言すれば、ヘッダは、信号処理チェーンの中間点またはその終点において引き出され得る。DSPを一部通過した後、別途のヘッダ処理ユニットが使用され得る。このユニットは、たとえば、別のチャネル等化、偏波配向、誤り訂正および/または前方誤り訂正を含むことができる。ヘッダ処理ユニットは、転送スイッチを制御することができる。
【0116】
図10に示された装置1000は、ヘッダユニット266をさらに備えることができる。ヘッダユニットは、第2のリンク部分199へのデータパケットのヘッダ部分に第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットで与えられた宛先情報を第1のフォーマットに変換し、第2のリンク部分199へのデータパケットのヘッダ部分をFEC符号化することができる。
【0117】
たとえば、再生型ネットワークノード250は、データパケットを出力処理ライン290に提供して、データパケットを第2のリンク部分199に提供することができる。データパケットは、たとえば、再生型ネットワークノード250に接続されたアクセスネットワーク530から発生され得る。たとえば、アクセスネットワーク530から発生されたパケットのペイロード部分は、符号化ユニット252によってFEC符号化され得る。FEC符号化されたペイロード部分を含むデータパケットは、ヘッダユニット266に提供され得る。
【0118】
たとえば、データパケットのヘッダ部分は、データパケットの宛先に宛てた媒体アクセス制御(MAC)アドレス(第2のデータフォーマット)を含み得る。しかしながら、第2のリンク部分199に接続された後続の装置1000の処理ユニット230は、MACアドレスとは異なる第1のデータフォーマットでデータパケットのヘッダ内に与えられた宛先情報を予期し得る。たとえば、第1のデータフォーマットは、第2のリンク部分に接続された他の再生型ネットワークまたはPoP502などの宛先のネットワーク要素のローカルバスアドレスを含むことができる。したがって、ヘッダユニット266は、たとえば、データパケットのヘッダ部分に与えられたMACアドレスを、第1のデータフォーマット、たとえばローカルバスアドレスに変換することができる。さらに、ヘッダユニット266は、ヘッダ部分をFEC符号化することができる。
【0119】
データパケットがヘッダユニット266にヘッダ部分なしで提供される場合、ヘッダユニット266は、データパケットのペイロード部分に与えられた情報、再生型ネットワークノード250によってヘッダユニット266に提供された情報、上位レイヤのネットワーク管理エンティティによって提供された情報に基づいて、第1のデータフォーマットでデータパケットの宛先を示す宛先情報を少なくとも含むヘッダ部分を生成することができる。
【0120】
図10には示されていないが、図9に示された実施形態と同様に、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が、切り替え要素262を介して第2のリンク部分199に転送される場合、信号再生ユニット220は、信号障害の軽減が少ない再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供することができる。
【0121】
図11は、装置の他の例1100を示す。装置1100は、図10に示された装置1000とある程度類似している。しかしながら、第1のリンク部分198から受信された信号に含まれるデータパケットが空である場合、装置は、空のデータパケットに関連付けられた時間枠において第2のリンク部分199に、再生型ネットワークノード250を介してFEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分が提供されたデータパケットを提供するように構成される。また、第1のリンク部分198から受信された信号に含まれるデータパケットの宛先が再生型ネットワークノード250であることを抽出された宛先情報が示す場合、装置1100は、第1のリンク部分198から受信された信号に含まれるデータパケットに関連付けられた時間枠において第2のリンク部分199に、再生型ネットワークノード250を介してFEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分が提供されたデータパケットを提供するように構成される。
【0122】
具体的には、第1のリンク部分198から受信されたデータパケットの宛先が再生型ネットワークノード250であることを抽出された宛先情報が示す場合、または第1のリンク部分198から受信された信号に含まれるデータパケットが空である場合、ヘッダ処理ユニット230−1は、再生型ネットワークノード250にデータパケットを要求することができる。受信されたデータパケットが空であるという情報が、再生ユニット220によってヘッダ処理ユニット230−1に提供され得る。要求されたデータパケットは、たとえば、再生型ネットワークノード250に接続されたアクセスネットワーク530から発生され得る。パケットは、再生型ネットワークノード250を介して装置1100に提供され得る。データパケットは、受信された空のデータパケット、または宛先が再生型ネットワークノード250である受信されたデータパケットと同一の時間的長さを有することができる。したがって、第2のリンク部分199への空のデータパケットまたはダミーペイロードの提供が回避され得る。したがって、装置1100を含む1つまたは複数の再生型ネットワーク250を備えるネットワークにおけるダミートラフィックが回避され得る。
【0123】
換言すれば、ヘッダ処理ユニットは、パケットがドロップされるかまたは空のパケットが受信された場合、アド(add)すべき新たなパケットの送達を強制することができる。
【0124】
実施形態では、信号再生ユニット220、処理ユニット230、ヘッダ処理ユニット230−1、切り替えユニット230−2、復号ユニット251、符号化ユニット252、切り替え要素262、削減ユニット265およびヘッダユニット266は、1つまたは複数の処理ユニット、1つまたは複数の処理デバイス、処理用の任意の手段、たとえば、プロセッサ、コンピュータまたは適宜に適合されたソフトウェアによって動作可能なプログラマブルハードウェア構成要素を使用して実装され得る。換言すれば、信号再生ユニット220、処理ユニット230、ヘッダ処理ユニット230−1、切り替えユニット230−2、復号ユニット251、符号化ユニット252、切り替え要素262、削減ユニット265、およびヘッダユニット266の記載された機能は、ソフトウェアで実装されてもよく、これは次いで1つまたは複数のプログラマブルハードウェア構成要素上で実行され得る。そのようなハードウェア構成要素は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラなどを備えることができる。
【0125】
処理ユニット、処理デバイスまたはプロセッサは、命令によって指定された基本的な算術、論理、制御および入力/出力(I/O)演算を実施することにより、コンピュータプログラムの命令を実行する任意の電子回路とすることができる。処理ユニット、処理デバイスまたはプロセッサは、1つまたは複数の入力と、1つまたは複数の出力とを備えることができる。1つまたは複数の入力は、1つまたは複数の他のデバイスから制御信号、電圧または電流を受信することができる。さらに、供給電力が、入力の1つまたは複数に提供され得る。処理ユニット、処理デバイスまたはプロセッサは、処理結果または中間結果を、出力の1つまたは複数を介して他の要素に出力することができる。処理ユニット、処理デバイスまたはプロセッサは、1つまたは複数の出力を介して制御信号、電圧または電流を出力することができる。処理ユニット、処理デバイスまたはプロセッサはさらに、内部メモリを含むことができ、および/または外部メモリに接続可能とすることができる。
【0126】
図12は、第1のリンク部分と第2のリンク部分の間の再生型ネットワークノードのための方法の一例を、フローチャートを用いて示す。方法は、第1のリンク部分によって障害された信号を第1のリンク部分から受信すること1200であって、信号が、FEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分を有するデータパケットを含む、受信すること1200を備える。さらに、方法は、第1のリンク部分の信号障害を軽減して(1202)、再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供することを備える。方法は、データパケットのヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出すること1204をさらに備える。データパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合、方法は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を再生型ネットワークノードの復号ユニットに転送すること1206を備える。そうでなければ、方法は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を第2のリンク部分に転送すること1208を備える。
【0127】
任意選択により、方法は、第1の光リンク部分から受信された光入力信号を電気入力信号に変換し(1210)、電気入力信号を信号再生ユニットに提供することと、電気出力信号を第2の光リンク部分への光出力信号に変換すること1212とを備えることができる。
【0128】
方法は、第1の光リンク部分から受信された光信号の波長とは異なる波長を有する光信号を第2の光リンク部分に提供すること1214を任意選択により備えることができる。
【0129】
任意選択により、方法は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が第2のリンク部分に転送される場合、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分を表現するビット数を削減すること1216を備えることができる。データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分のFEC符号化されたシンボルが軟値で表される場合、削減すること1216は、軟値を閾値と比較することによって、FEC符号化されたシンボルの硬値を決定することを備えることができる。削減すること1216は、軟値の振幅を事前定義された最大値に制限することをさらに備えることができる。
【0130】
方法は、データパケットの再生されたFEC符号化されたペイロード部分が第2のリンク部分に転送される場合に、データパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合と比較して、信号障害の軽減が少ない再生されたFEC符号化されたペイロード部分を提供すること1218を任意選択により備えることができる。
【0131】
ヘッダ部分がFEC符号化されたヘッダ部分である場合、FEC符号化されたヘッダ部分に与えられた宛先情報を抽出すること1204は、FEC符号化されたヘッダ部分をFEC復号することを任意選択により備えることができる。再生されたFEC符号化されたペイロード部分に関する抽出された宛先情報は、再生されたFEC符号化されたペイロード部分の前またはそれと同時に方法によって提供され得る。
【0132】
第1のリンク部分から受信された信号に含まれるデータパケットが空である場合、方法は、空のデータパケットに関連付けられた時間枠において第2のリンク部分に、再生型ネットワークノードを介してFEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分が提供されたデータパケットを提供すること1220を任意選択により備えることができる。
【0133】
第1のリンク部分から受信された信号に含まれるデータパケットの宛先が再生型ネットワークノードであることを抽出された宛先情報が示す場合、第1のリンク部分から受信された信号に含まれるデータパケットに関連付けられた時間枠において第2のリンク部分に、再生型ネットワークノードを介してFEC符号化されたペイロード部分およびヘッダ部分が提供されたデータパケットを提供すること1222を任意選択により備えることができる。
【0134】
宛先情報が、第1のリンク部分から受信された信号に含まれるデータパケットのヘッダ部分に第1のフォーマットで与えられ、方法は、第2のリンク部分へのデータパケットのヘッダ部分に第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットで与えられた宛先情報を第1のフォーマットに変換し(1224)、第2のリンク部分へのデータパケットのヘッダ部分をFEC符号化することを任意選択により備えることができる。
【0135】
方法は、第1のリンク部分から受信された信号の変調方式とは異なる変調方式によって、第2のリンク部分へのデータパケットを変調すること1226を任意選択により備えることができる。
【0136】
説明および図面は、本開示の原理を例示するものにすぎない。したがって、本明細書で明示的に説明または図示されていないが、本開示の原理を具現化し、その精神および範囲内に含まれる様々な構成を当業者が考案できるであろうことは理解されよう。さらに、本明細書に記載の全ての例は主に、本開示の原理と、発明者によって当技術分野の発展に捧げられた概念とを理解する際に読者を補助するための教育目的のものにすぎないことが明らかに意図されており、そのような具体的に記載された例および条件に限定されないものと解釈されるべきである。また、本開示の原理、態様、および実施形態、ならびにその具体例を列挙した本明細書の全ての記述は、その均等物を包含するものとする。
【0137】
(特定の機能を実施する)「ユニット」と表記された機能ブロックはそれぞれ、特定の機能を実施するように構成される回路を備える機能ブロックと理解されるものとする。したがって、「ユニット」は、「何かに適合されたまたは適したユニット」と理解されてもよい。したがって、特定の機能を実施するように構成されるユニットは、そのような手段が必ずしも前記機能を(所与の時点に)実施していることを意味するものではない。
【0138】
「ユニット」、「モジュール....」、「....」などとラベル付けされた任意の機能ブロックを含む図示された様々な要素の機能は、専用のハードウェア、たとえば、「...」、「...」、「プロセッサ」、「コントローラ」など、ならびに適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行可能なハードウェアの使用を通じて提供され得る。また、本明細書で「ユニット」と記載された任意のエンティティは、「1つまたは複数のモジュール」、「1つまたは複数のデバイス」、「1つまたは複数のユニット」などに対応し得るか、またはこれらとして実装され得る。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、または一部が共有され得る複数の個別プロセッサによって提供され得る。また、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に指すものと解釈されるべきではなく、暗黙的に、限定はしないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するための読み出しメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性ストレージを含むことができる。従来型および/またはカスタム型の他のハードウェアも含まれ得る。
【0139】
本明細書の任意のブロック図が、本開示の原理を具現化する例示的な回路の概念図を表すことを当業者には理解されたい。同様に、任意のフローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コードなどが、コンピュータ可読媒体内に実質的に表現され、したがって、コンピュータまたはプロセッサによって、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されていようといまいと、実行され得る様々な処理を表すことは理解されよう。
【0140】
さらに、以下の特許請求の範囲はここで詳細な説明に組み込まれ、各請求項は単独で独立した実施形態として存在することができる。各請求項は単独で独立した実施形態として存在することができるが、従属請求項が、特許請求の範囲において1つまたは複数の他の請求項との特定の組み合わせを参照し得るが、他の実施形態が、従属請求項と他の従属請求項の主題との組み合わせも含み得ることに留意されたい。特定の組み合わせが意図されていないと述べられていない限り、そのような組み合わせは本明細書で提案されている。さらに、ある請求項の特徴を他の任意の独立請求項に含めることも、この請求項がその独立請求項に直接従属していなくとも、意図されている。
【0141】
本明細書または特許請求の範囲で開示された方法が、これらの方法のそれぞれのステップの各々を実施するための手段を有するデバイスによって実装され得ることにさらに留意されたい。
【0142】
さらに、本明細書または特許請求の範囲で開示された複数のステップまたは機能の開示が、特定の順序のものと解釈されてはならないことは理解されたい。したがって、複数のステップまたは機能の開示は、そのようなステップまたは機能が技術的な理由で置き換え可能でない限り、これらを特定の順序に限定するものではない。さらに、いくつかの実施形態では、単一のステップは、複数のサブステップを含むことができ、または複数のサブステップに分割され得る。明示的に除外されない限り、そのようなサブステップは含まれ得、この単一ステップの開示の一部とすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12