特許第6461377号(P6461377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461377
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/06 20060101AFI20190121BHJP
   A47F 3/04 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   A47F3/06
   A47F3/04 H
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-562225(P2017-562225)
(86)(22)【出願日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】JP2016051649
(87)【国際公開番号】WO2017126070
(87)【国際公開日】20170727
【審査請求日】2018年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510146137
【氏名又は名称】三菱電機冷熱応用システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】実川 賢一
(72)【発明者】
【氏名】保坂 恵子
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3027073(JP,U)
【文献】 米国特許第2262088(US,A)
【文献】 米国特許第1751285(US,A)
【文献】 実開昭59−139167(JP,U)
【文献】 特開2002−333252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/06
A47F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を開口したショーケース本体と、
前記ショーケース本体内の底面部上に移動可能に配置され、陳列部材としての使用時と非使用時とで前記底面部上における配置姿勢を互いに上下逆として用いられる1又は複数の商品載置部材とを備え、
前記商品載置部材は、商品が載置される平板状の載置部と、前記載置部の両端部に固定された一対のL字状部材とを有し、前記L字状部材は前記載置部に固定された固定部と、前記固定部に対し垂直に立設された立設部とでL字状に構成された線材で構成され、
前記商品載置部材は、前記使用時には前記L字状部材の両端部が前記底面部に載置されるようにして前記ショーケース本体内に配置され、前記載置部で前記ショーケース本体内に傾斜した商品載置面を形成するショーケース。
【請求項2】
2つの前記商品載置部材が互いに上下逆に組み合わされて前記ショーケース本体内において前記底面部よりも高い位置に商品載置面を形成する請求項1記載のショーケース。
【請求項3】
前記商品載置部材の前記載置部は、複数の線材を縦横に組み合わせて構成されている請求項1又は請求項2記載のショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面が開口したショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上面が開口したショーケース本体を備え、ショーケース本体内の底面を平板状に形成し、その上方に任意の商品を収納するようにしたショーケースがある。この種のショーケースにおいて、ショーケース本体内の底面上に複数の商品載置部材を備えたものがある。このショーケースでは、商品載置部材をショーケース本体内の底面上の任意の位置に移動可能とし、商品の収納状況に応じて商品載置部材の配置を変えることで、商品の展示効果を高めるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1において、商品載置部材は中空の四角形の箱状に形成されている。そして、商品載置部材を適宜積み重ねることで、ショーケース本体の前方側から後方側に向かうにしたがって一段ずつ高くなるような商品載置面を形成したり、一部が高くなる商品載置面を形成したり、商品載置面の形状を任意に変えることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−333252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のショーケースにおいて、商品載置部材を使用した商品陳列を行わない場合、商品載置部材を別に保管する場所も無いことから、商品載置部材はショーケース本体内に残されたままとなる。この場合、商品の収納スペースが減少しないように、商品載置部材を上下逆にし、開口を上向きにして配置し、商品載置部材上にも商品を配置するようにしている。
【0006】
しかしながら、商品載置部材が中空の四角形の箱状に形成されているため、ショーケース本体内の底面上に壁が立設された状態となり、商品を自由に配置できない。このため、ショーケース本体内の収納スペースを有効に利用できなくなるという問題があった。
【0007】
また、商品載置部材が中空の四角形の箱状に形成にされているため、商品載置部材を陳列部材として使用する場合、商品載置面は水平面となる。商品として例えばペットボトルを横に倒した状態で商品載置面上に陳列する場合、商品載置面が水平面であると、ショーケースの前面に立ったユーザからすると、商品載置面が前方側から後方側に向かうに連れて高くなる傾斜面の場合に比べて見づらいという問題があった。
【0008】
本発明はこのような点を鑑みなされたもので、商品の傾斜配置を可能にすると共に、商品載置部材の非使用時のショーケース本体内の収納スペースの低減を抑制することが可能なショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るショーケースは、上面を開口したショーケース本体と、ショーケース本体内の底面部上に移動可能に配置され、陳列部材としての使用時と非使用時とで底面部上における配置姿勢を互いに上下逆として用いられる1又は複数の商品載置部材とを備え、商品載置部材は、商品が載置される平板状の載置部と、載置部の両端部に固定された一対のL字状部材とを有し、L字状部材は載置部に固定された固定部と、固定部に対し垂直に立設された立設部とでL字状に構成された線材で構成され、商品載置部材は、使用時にはL字状部材の両端部が底面部に載置されるようにしてショーケース本体内に配置され、載置部でショーケース本体内に傾斜した商品載置面を形成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、商品の傾斜配置を可能にすると共に、商品載置部材の非使用時のショーケース本体内の収納スペースの低減を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1に係るショーケースの一例を示す図である。
図2図1のショーケースの商品載置部材を示す斜視図である。
図3図1のショーケースの商品載置部材を示す図である。
図4図1のショーケースの商品載置部材の非使用時の配置姿勢を示す図である。
図5図1のショーケースの商品載置部材を用いて部分的底上げ陳列を行った状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ及び配置などは、本発明の範囲内で適宜変更することができる。また、以下の説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」は、特に断らない限り、ショーケースを正面側から見た場合の方向を意味している。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るショーケースの一例を示す図である。図1において左側がショーケースの正面である。
ショーケース1は、例えば飲料物などの商品30を陳列した状態で冷却を行うものであって、上面が開口されたショーケース本体2と、ショーケース本体2内に配置された内箱3とを備え、ショーケース本体2と内箱3との間を循環風路空間4として確保している。そして、この循環風路空間4の一端を吸込口5、他の一端を送風口6とし形成して、ショーケース本体2の上面開放面に臨ませるものである。
【0014】
内箱3は、いわゆるデッキパンと呼ばれる底面部3a、前面部3b、背面部3c及び左右側面部で構成されており、内箱3の内部が収納スペース7となっている。
【0015】
また、循環風路空間4には、冷却装置10と送風ファン11とが配置されており、吸込口5から吸入した空気を冷却装置10で冷却し、送風口6から吐出するようになっている。
【0016】
ショーケース本体2の下部は機械室12となっており、ここに圧縮機13、凝縮器14、凝縮器14に送風する凝縮器ファン15等が配置されている。
【0017】
冷却装置10は、周知のように、冷却面積を大きくするためにフィンチューブ形の蒸発コイルが一般に採用されており、この蒸発コイルには高圧側冷媒配管から膨張弁を介して液冷媒を供給している。
【0018】
そして、ショーケース1は、ショーケース本体2内に本実施の形態1の特徴部分である1又は複数の商品載置部材20を備えている。
【0019】
図2は、図1のショーケースの商品載置部材を示す斜視図である。図3は、図1のショーケースの商品載置部材を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
商品載置部材20は、ショーケース本体2内の底面部3a上に移動可能に配置され、陳列部材としての使用時と非使用時とで底面部3a上における配置姿勢を互いに上下逆として用いられるものである。図2には商品載置部材の使用時の配置姿勢を示している。
【0020】
商品載置部材20は、平板状の載置部21と、載置部21の両端部に固定された一対のL字状部材22とを備えている。載置部21は、例えばステンレス製のワイヤー等で構成された複数の線材21aを縦横に交差した状態で接合されて平板状に構成されている。なお、載置部21を板状部材で構成してもよい。L字状部材22は、例えばステンレス製のワイヤー等の線材21aを略直角に折り曲げて形成されており、載置部21に固定される固定部22aと固定部22aに対し垂直に立設された立設部22bとで構成されている。そして、一対のL字状部材22のそれぞれの両端部22cが支持部材23で連結されている。なお、ここでいう立設部22bの「垂直」とは、厳密に垂直の場合に限定されず略垂直であればよい。
【0021】
図1及び図2は、商品載置部材20を陳列部材として使用する使用時の配置姿勢を示しており、L字状部材22の両端部22cが底面部3a上に載置されるようにしてショーケース本体2内の後方に配置されている。このように配置することで、収納スペース7内に、ショーケース1本体の前方側から後方側に向かうに連れて高くなる商品載置面を形成することができ、商品30を傾斜陳列することができる。
【0022】
このように傾斜陳列すると、商品30が収納スペース7から取り出された場合に、後方に残った商品を、後方から前方に自動的に前出しすることができる。
【0023】
次に、商品載置部材20の非使用時の配置姿勢について説明する。
【0024】
図4は、図1のショーケースの商品載置部材の非使用時の配置姿勢を示す図である。
非使用時は、図4に示したように、商品載置部材20を図1の配置姿勢とは上下逆にして底面部3a上に配置する。図4には、商品載置部材20を内箱3の後方側の端に寄せて配置した例を示している。ここで、L字状部材22の角部22dは直角となっているため、L字状部材22を内箱3の底面部3aと背面部3cとに沿った状態で配置することができ、収納スペース7内に無駄なスペースが形成されず、収納スペース7全体を有効利用できる。
【0025】
また、商品載置部材20のL字状部材22が線材で構成されているため、非使用時に商品載置部材20が収納スペース7内に残されていても、底面部3a上に立設する壁が形成されることがない。つまり、仮に商品載置部材20のL字状部材22がL字状の2辺を有する三角形状の板材だった場合、図4の配置姿勢において底面部3a上に三角形状の壁が立設した状態となり、収納スペース7内の自由な商品配置の妨げになる。また、従来の四角形の箱状の商品載置部材も同様に、底面部3a上に壁が立設した状態となり、商品30の自由な配置に制約が生じる。
【0026】
これに対し、上述したように商品載置部材20のL字状部材22を線材で構成したことで、底面部3a上に立設する壁が形成されることがない。このため、商品載置部材20の非使用時に商品載置部材20を収納スペース7に配置したままとしても、商品載置部材20の位置を気にせず商品30を自由に配置することができる。また、見方を変えれば、収納スペース7を無駄にすることなく商品載置部材20を非使用時に収納スペース7内に保管できる。
【0027】
また、本実施の形態1の商品載置部材20は、傾斜陳列に用いられるだけでなく、2つ組み合わせて次の図5に示す部分底上げ陳列を行うこともできる。
【0028】
図5は、図1のショーケースの商品載置部材を用いて部分的底上げ陳列を行った状態を示す図である。
図5に示すように2つの商品載置部材20を互いに上下逆に組み合わせて四角形状の載置台24を形成し、ショーケース本体2内において底面部3aよりも高い位置に載置部21により商品載置面25を形成するようにしてもよい。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態1によれば、商品載置部材20を平板状の載置部21と、載置部21の両端部に固定された一対のL字状部材22とで構成した。これにより、商品載置部材20の使用時にL字状部材22の両端部22cが底面部3aに載置されるようにして商品載置部材20をショーケース本体2内に配置することで、収納スペース7内に傾斜した商品載置面を形成することができ、商品の傾斜配置が可能となる。
【0030】
また、L字状部材22の角部22dを直角としたので、商品載置部材20の非使用時に使用時とは上下逆にして内箱3の端に寄せて配置することで、商品載置部材20の位置を気にすること無く自由に商品30を配置することができ、収納スペース7を無駄なく使用することができる。
【0031】
また、商品載置部材20の非使用時に収納スペース7を無駄にすることなく商品載置部材20を収納スペース7内に保管できるため、商品載置部材20を収納スペース7から取り出して別途置き場所を確保する必要が無く、使い勝手がよい。
【符号の説明】
【0032】
1 ショーケース、2 ショーケース本体、3 内箱、3a 底面部、3b 前面部、3c 背面部、4 循環風路空間、5 吸込口、6 送風口、7 収納スペース、10 冷却装置、11 送風ファン、12 機械室、13 圧縮機、14 凝縮器、15 凝縮器ファン、20 商品載置部材、21 載置部、21a 線材、22 L字状部材、22a 固定部、22b 立設部、22c 両端部、22d 角部、23 支持部材、24 載置台、25 商品載置面、30 商品。
図1
図2
図3
図4
図5