(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461380
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】ファスナーのロック部材
(51)【国際特許分類】
F16B 37/00 20060101AFI20190121BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20190121BHJP
B64D 45/02 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
F16B37/00 A
B64C1/00 A
B64C1/00 B
B64D45/02
F16B37/00 E
【請求項の数】28
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-567104(P2017-567104)
(86)(22)【出願日】2016年8月17日
(65)【公表番号】特表2018-520317(P2018-520317A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】US2016047316
(87)【国際公開番号】WO2017034875
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2017年12月25日
(31)【優先権主張番号】62/210,677
(32)【優先日】2015年8月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516343516
【氏名又は名称】アーコニック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARCONIC INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リザ,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ヘイロック,ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゴ,ピニェイロ
(72)【発明者】
【氏名】ムラジモグル,ハシム
(72)【発明者】
【氏名】リーブシャー,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】カマル,マニッシュ
【審査官】
大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−190033(JP,A)
【文献】
特開平11−062939(JP,A)
【文献】
特開2002−036802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 37/00
B64C 1/00
B64D 45/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部と、
前記第1の端部の反対側にある第2の端部と、
前記第1の端部から前記第1の端部と前記第2の端部の間の位置に延びるシャンク部分と、
前記シャンク部分から前記第2の端部に延びるフランジ部分と、
前記第1の端部から前記第2の端部に延びるボアであって、前記シャンク部分内に位置する第1の内側部分と、前記フランジ部分内に位置しており、前記第2の端部に近接する封込めキャビティとを含むボアと、
前記封込めキャビティを画定する内壁と、
を備えており、
前記封込めキャビティの内径は、前記ボアの第1の内側部分の内径よりも大きく、
前記封込めキャビティの内壁は、前記第1の内側部分に近接して位置する第1の凹面と、前記第2の端部に近接して位置する第2の凹面と、前記第1の凹面と前記第2の凹面の間にあって、前記第1の凹面と前記第2の凹面を繋げる第1の平坦面とを含んでいる、ロック部材。
【請求項2】
前記封込めキャビティの内壁は、前記第1の凹面と前記第1の内側部分とを繋げる第2の平坦面を含む、請求項1に記載のロック部材。
【請求項3】
前記第1の内側部分は、ねじ部分を含む、請求項2に記載のロック部材。
【請求項4】
第1の端部と、
前記第1の端部の反対側にある第2の端部と、
前記第1の端部から前記第1の端部と前記第2の端部の間の位置に延びるシャンク部分と、
前記シャンク部分から前記第2の端部に延びるフランジ部分と、
前記第1の端部から前記第2の端部に延びるボアであって、前記シャンク部分内に位置する第1の内側部分と、前記フランジ部分内に位置しており、前記第2の端部に近接する封込めキャビティとを含むボアと、
前記封込めキャビティを画定する内壁と、
を備えており、
前記封込めキャビティの内径は、前記ボアの第1の内側部分の内径よりも大きく、
前記封込めキャビティの内壁は、前記第1の内側部分に近接して位置する第1の凸面と、前記第2の端部に近接して位置する第2の凸面と、前記第1の凸面と前記第2の凸面の間にあって、前記第1の凸面と前記第2の凸面を繋げる第1の平坦面とを含んでいる、ロック部材。
【請求項5】
前記内壁は、前記第1の凸面と前記第1の内側部分とを繋げる第2の平坦面を含む、請求項4に記載のロック部材。
【請求項6】
前記第1の内側部分は、ねじ部分を含む、請求項5に記載のロック部材。
【請求項7】
前記第1の凸面の表面積は、前記第2の凸面の表面積よりも大きい、請求項4に記載のロック部材。
【請求項8】
前記第1の凸面の表面積は、前記第2の凸面の表面積よりも小さい、請求項4に記載のロック部材。
【請求項9】
前記第1の凸面の表面積は、前記第2の凸面の表面積と等しい、請求項4に記載のロック部材。
【請求項10】
第1の端部と、
前記第1の端部の反対側にある第2の端部と、
前記第1の端部から前記第1の端部と前記第2の端部の間の位置に延びるシャンク部分と、
前記シャンク部分から前記第2の端部に延びるフランジ部分と、
前記第1の端部から前記第2の端部に延びるボアであって、前記シャンク部分内に位置する第1の内側部分と、前記フランジ部分内に位置しており、前記第2の端部に近接する封込めキャビティとを含むボアと、
前記封込めキャビティを画定する内壁と、
を備えており、
前記封込めキャビティの内径は、前記ボアの第1の内側部分の内径よりも大きく、
前記封込めキャビティの内壁は、前記第1の内側部分に近接して位置する凸面と、前記第2の端部に近接して位置する凹面と、前記凸面と前記凹面の間にあって、前記凸面と前記凹面とを接合する第1の平坦面とを含んでいる、ロック部材。
【請求項11】
前記封込めキャビティの内壁は、前記凸面を前記第1の内側部分に繋げる第2の平坦面を含む、請求項10に記載のロック部材。
【請求項12】
前記第1の内側部分は、ねじ部分を含む、請求項11に記載のロック部材。
【請求項13】
前記凸面の表面積は、前記凹面の表面積よりも大きい、請求項10に記載のロック部材。
【請求項14】
前記凸面の表面積は、前記凹面の表面積よりも小さい、請求項10に記載のロック部材。
【請求項15】
前記凸面の表面積は、前記凹面の表面積と等しい、請求項10に記載のロック部材。
【請求項16】
第1の端部と、
前記第1の端部の反対側にある第2の端部と、
前記第1の端部から前記第1の端部と前記第2の端部の間の位置に延びるシャンク部分と、
前記シャンク部分から前記第2の端部に延びるフランジ部分と、
前記第1の端部から前記第2の端部に延びるボアであって、前記シャンク部分内に位置する第1の内側部分と、前記フランジ部分内に位置しており、前記第2の端部に近接する封込めキャビティとを含むボアと、
前記封込めキャビティを画定する内壁と、
を備えており、
前記封込めキャビティの内径は、前記ボアの第1の内側部分の内径よりも大きく、
前記封込めキャビティの内壁は、前記第1の内側部分に近接して位置する凹面と、前記第2の端部に近接して位置する凸面と、前記凹面と前記凸面の間にあって、前記凹面と前記凸面とを繋げる第1の平坦面とを含んでいる、ロック部材。
【請求項17】
前記内壁は、前記凹面を前記第1の内側部分に繋げる第2の平坦面を含む、請求項16に記載のロック部材。
【請求項18】
前記第1の内側部分は、ねじ部分を含む、請求項17に記載のロック部材。
【請求項19】
前記凹面の表面積は、前記凸面の表面積よりも大きい、請求項16に記載のロック部材。
【請求項20】
前記凹面の表面積は、前記凸面の表面積よりも小さい、請求項16に記載のロック部材。
【請求項21】
前記凹面の表面積は、前記凸面の表面積と等しい、請求項16に記載のロック部材。
【請求項22】
第1の端部と、
前記第1の端部の反対側にある第2の端部と、
前記第1の端部から前記第1の端部と前記第2の端部の間の位置に延びるシャンク部分と、
前記シャンク部分から前記第2の端部に延びるフランジ部分と、
前記第1の端部から前記第2の端部に延びるボアであって、前記シャンク部分内に位置する第1の内側部分と、前記フランジ部分内に位置しており、前記第2の端部に近接する封込めキャビティとを含むボアと、
前記封込めキャビティを画定する内壁と、
を備えており、
前記封込めキャビティの内径は、前記ボアの第1の内側部分の内径よりも大きく、
前記封込めキャビティの内壁は、前記第1の内側部分に近接して位置する第1の平坦面と、前記第2の端部に近接して位置する第1の凹面と、前記第1の平坦面と前記第1の凹面の間にあって、前記第1の平坦面と前記第1の凹面とを繋げる第2の平坦面とを含んでいる、ロック部材。
【請求項23】
前記封込めキャビティの内壁は、前記第1の平坦面を前記第1の内側部分に繋げる第3の平坦面を含む、請求項22に記載のロック部材。
【請求項24】
前記第1の内側部分は、ねじ部分を含む、請求項23に記載のロック部材。
【請求項25】
第1の端部と、
前記第1の端部の反対側にある第2の端部と、
前記第1の端部から前記第1の端部と前記第2の端部の間の位置に延びるシャンク部分と、
前記シャンク部分から前記第2の端部に延びるフランジ部分と、
前記第1の端部から前記第2の端部に延びるボアであって、前記シャンク部分内に位置する第1の内側部分と、前記フランジ部分内に位置しており、前記第2の端部に近接する封込めキャビティとを含むボアと、
前記封込めキャビティを画定する内壁と、
を備えており、
前記封込めキャビティの内径は、前記ボアの第1の内側部分の内径よりも大きく、
前記封込めキャビティの内壁は、
前記第1の内側部分に近接して配置されており、複数の凹面を有する第1の領域と、
前記第2の端部に近接して配置されており、凹面と、前記凹面に隣接する第1の平坦面とを有する第2の領域と、
前記第1の領域と前記第2の領域の間にあって、前記第1の領域と前記第2の領域とを繋げる第2の平坦面とを含んでいる、ロック部材。
【請求項26】
前記封込めキャビティの内壁は、前記第1の領域を前記第1の内側部分に繋げる第3の平坦面を含む、請求項25に記載のロック部材。
【請求項27】
前記第1の内側部分は、ねじ部分を含む、請求項26に記載のロック部材。
【請求項28】
前記フランジ部分は、そこから外方に延びる環状の外側部分を含む、請求項1に記載のロック部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、本願と同一出願人が所有しており、2015年8月27日に出願された同時係属の米国仮特許出願第62/210,677号、掲題「LIGHTWEIGHT RESILIENT NUT AND COLLAR」に関連しており、その優先権の利益を主張し、引用を以てその内容全体を本明細書の一部とする。
【0002】
本発明は、ファスナーのロック部材に関するものであり、より詳細には、ファスナーのナット及びカラーに関している。
【背景技術】
【0003】
連続繊維強化複合材(continuous fiber reinforced composites)は、軽量、高強度及び耐腐食性であることが最も重要視される様々な用途において、航空機の主要な部品及び副次的な部品の両方にて広く使用されている。複合材は、通常、ある特定の方向に向けられており、支持ポリマーマトリックスに包囲された微細な炭素繊維で構成されている。複合材料の層は様々な角度で並んでおり、主たる荷重方向に依存していることから、得られる構造は通常、異方性及び不均一性の高い積層ラミネート構造となる。複合構造のかなりの部分は、ニアネットシェイプで製造されるが、機械的ファスナーを用いた複合材の接合を容易にするために穿孔される。複合材にファスナー孔を空けることは、アルミニウム又は鋼の均質性と比較にならないが、これは、個々の炭素繊維が不規則な角度で裂けることでファスナーと孔との間に微細な空隙が形成されるからである。切削工具が摩耗するにつれて、表面のチッピング(chipping)が増大し、未切断の繊維又は樹脂と剥離の量が増加する。このような欠陥を含む複合微細構造は、「機械加工誘発マイクロテクスチャ(machining-induced micro texture)」と称されている。
【0004】
複合構造へのファスナーの装着は、層間の剥離のおそれを高めるというそれ自身の課題も与える。これは、均質な金属構造においてはもたらされない問題である。層間における剥離の原因の1つは、装着中に、複合構造がファスナーに過度に干渉することにある。もう1つは、ファスナーの装着荷重が高いことに起因する剥離であり、装着中に層及び接合エポキシが損傷して、それによって複合構造の機械的な完全性に影響が及ぶものである。
【0005】
加工及び装着についての課題に加えて、航空機における複合構造は、金属構造と比較して、より落雷被害を受けやすい。これはある程度、複合構造に本質的に備わる導電性と、多層構造と、異方性性質とに起因している。これらの理由に加えて、航空機構造のハイブリッド性と、これらの構造に用いられる種々の要素の相対的な導電性とに起因して、複合航空機の落雷からの保護は非常に複雑になることがある。
【0006】
翼等の複合構造は、通常、金属構造要素と複合構造要素の組合せによって構成されており、これらは金属製のファスナーによって接合される。金属要素は良好な電気伝導体であって高電流を効率よく逃がすのに対し、複合要素は導電性が悪い。航空機等のハイブリッド構造への落雷に関連した電界分布、ひいては電流密度分布は、航空機における十分な雷の管理の重要性と必要性を増大させる。
【0007】
ある推定によれば、運行中の各商用航空機は、平均して少なくとも1年に1度落雷を受けている。金属製のファスナーは大抵の場合、良い雷捕捉点であって、雷電流の主要な経路であることも十分に確認されている。雷雨の中や周囲を飛行する航空機は、直接的な雷捕捉の影響のみならず、航空機のどこか他の箇所に雷電流が捕捉されて、その結果,航空機構造の境界面全体にわたって雷電流が流れることにより生じる雷の間接的な影響も受ける。これは大抵の場合、複数の捕捉点をもたらし、主要な結合点及び副次的な捕捉点ではなくファスナーと間接的に相互作用する雷電流が生じる。
【0008】
ファスナーは大抵の場合、航空機の表面から翼桁又はリブ等の支持構造へ雷電流を伝導する経路として作用する。従って、電流密度が局所的に著しく増加すると、捕捉における双方の態様によって、ファスナーと、ファスナーを包囲する構造の領域とが損傷することがあり得る。落雷を受けたファスナーは大抵の場合、周囲の構造と相互作用して、ファスナー/構造の境界面から熱粒子が放出されることになる。この状態は一般に、熱粒子放出(Hot Particle Ejection)又は「HPE」と称される。HPEは、雷の直接的影響及び間接的影響の何れによっても引き起こされることがあるが、一般に直接的な影響に伴うリスクがより高いことが認識されている。HPEは、複合構造、ハイブリッド構造又はアルミニウム構造において生じ得る。
【0009】
航空機の最も重要な部分は燃料タンクの近くの領域であり、この領域はHPE及びその結果のリスクが高いことが認識されている。商用航空機は、比較的多量の燃料を含んでおり、非常に繊細な電子機器を含むため、運航に適すると認定されるためには、落雷保護に関する特定の用件を満たす必要がある。先に述べたように、HPEによって、燃料システムの保全性を損なう可能性のある好ましくない着火源が生じることがある。従って、HPEに対する柔軟で費用効果の高い対策が必要である。
【発明の概要】
【0010】
ある実施形態では、ロック部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側にある第2の端部、第1の端部から第1の端部と第2の端部の間の位置に延びるシャンク部分と、シャンク部分から第2の端部に延びるフランジ部分と、第1の端部から第2の端部に延びるボアであって、シャンク部分内に位置する第1の内側部分と、フランジ部分の内部に第
2の端部に近接して配置された封込めキャビティとを含むボアと、封込めキャビティを画定する内壁とを含んでおり、封込めキャビティは、ボアの第1の内側部分の内径よりも大きい内径を有する。ある実施形態では、封込めキャビティの内壁は、第1の内側部分に近接して位置する第1の凹面と、第
2の端部に近接して位置する第2の凹面と、第1の凹面と第2の凹面の間にあってそれらを繋げる第1の平坦面とを含んでいる。ある実施形態では、封込めキャビティの内壁は、第1の凹面を第1の内側部分に繋げる第2の平坦面を含んでいる。ある実施形態では、第1の内側部分は、ねじ部分を含んでいる。
【0011】
別の実施形態において、封込めキャビティの内壁は、第1の内側部分に近接して位置する第1の凸面と、第
2の端部に近接して位置する第2の凸面と、第1の凸面と第2の凸面との間にあってそれらを繋げる第1の平坦面とを含んでいる。ある実施形態では、内壁は、第1の凸面を第1の内側部分に繋げる第2の平坦面を含んでいる。ある実施形態では、第1の内側部分は、ねじ部分を含んでいる。
【0012】
別の実施形態において、第1の凸面の表面積は、第2の凸面の表面積よりも大きい。ある実施形態では、第1の凸面の表面積は、第2の凸面の表面積よりも小さい。ある実施形態では、第1の凸面の表面積は、第2の凸面の表面積と同じである。
【0013】
別の実施形態において、封込めキャビティの内壁は、第1の内側部分に近接して位置する凸面と、第
2の端部に近接して位置する凹面と、凸面と凹面との間にあってそれらを繋げる第1の平坦面とを含んでいる。ある実施形態では、封込めキャビティの内壁は、凸面を第1の内側部分に繋げる第2の平坦面を含んでいる。ある実施形態では、第1の内側部分は、ねじ部分を含んでいる。ある実施形態では、凸面の表面積は、凹面の表面積よりも大きい。ある実施形態では、凸面の表面積は、凹面の表面積よりも小さい。ある実施形態では、凸面の表面積は、凹面の表面積と同じである。
【0014】
別の実施形態において、封込めキャビティの内壁は、第1の内側部分に近接して位置する凹面と、第
2の端部に近接して位置する凸面と、凹面と凸面との間にあってそれらを繋げる第1の平坦面とを含んでいる。ある実施形態では、内壁は、凹面を第1の内側部分と繋げる第2の平坦面を含んでいる。ある実施形態では、第1の内側部分は、ねじ部分を含んでいる。ある実施形態では、凹面の表面積は、凸面の表面積よりも大きい。ある実施形態では、凹面の表面積は、凸面の表面積よりも小さい。ある実施形態では、凹面の表面積は、凸面の表面積と同じである。
【0015】
別の実施形態において、封込めキャビティの内壁は、第1の内側部分に近接して位置する第1の平坦面と、第
2の端部に近接して位置する第2の平坦面と、第1の平坦面と第2の平坦面との間にあってそれらを繋げる第3の平坦面とを含んでいる。ある実施形態では、封込めキャビティの内壁は、第1の平坦面を第1の内側部分に繋げる第4の平坦面を含んでいる。ある実施形態では、第1の内側部分は、ねじ部分を含んでいる。ある実施形態では、第1の平坦面の表面積は、第2の平坦面の表面積よりも大きい。ある実施形態では、第1の平坦面の表面積は、第2の平坦面の表面積よりも小さい。ある実施形態では、第1の平坦面の表面積は、第2の平坦面の表面積と同じである。
【0016】
別の実施形態において、封込めキャビティの内壁は、第1の内側部分に近接して位置する第1の平坦面と、第
2の端部に近接して位置する第1の凹面と、第1の平坦面と第1の凹面との間にあってそれらを繋げる第2の平坦面とを含んでいる。ある実施形態では、封込めキャビティの内壁は、第1の平坦面を第1の内側部分と繋げる第3の平坦面を含んでいる。ある実施形態では、第1の内側部分は、ねじ部分を含んでいる。
【0017】
別の実施形態において、封込めキャビティの内壁は、平坦面、凹面及び凸面からなる群から選択される複数の面を含んでいる。
【0018】
別の実施形態において、封込めキャビティの内壁は、第1の内側部分に近接して配置されており、複数の凹面を有する第1の領域と、第
2の端部に近接して配置されており、凹面及び凹面に隣接する第1の平坦面を有する第2の領域と、第1の領域と第2の領域との間にあってそれらを繋げる第2の平坦面とを含んでいる。ある実施形態では、封込めキャビティの内壁は、第1の領域を第1の内側部分に繋げる第3の平坦面を含んでいる。ある実施形態では、第1の内側部分は、ねじ部分を含んでいる。ある実施形態では、フランジ部分は、そこから外方に延びる環状の外側部分を含んでいる。
【0019】
ある実施形態では、ロック部材はナットである。別の実施形態において、ロック部材はカラーである。別の実施形態において、カラーはスエージカラーである。ある実施形態では、封込めキャビティは、締結された構造物にナット/カラーをより良く適合することを可能にしており、従って、構造物の表面に適合し、構造物の支圧面に沿った密な封止をもたらす。封込めキャビティは、落雷時に発生した内圧を低減することによって、締結構造物の界面から放出されたスパーク物質のアウトガスを防ぐように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、ナットの一実施形態の側面断面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したナットの一実施形態の概要図である。
【
図3A】
図3Aは、ナットの他の実施形態の側面断面図である。
【
図3B】
図3Bは、ナットの他の実施形態の側面断面図である。
【
図3C】
図3Cは、ナットの他の実施形態の側面断面図である。
【
図3D】
図3Dは、ナットの他の実施形態の側面断面図である。
【
図3E】
図3Eは、ナットの他の実施形態の側面断面図である。
【
図3F】
図3Fは、ナットの他の実施形態の側面断面図である。
【
図3G】
図3Gは、ナットの他の実施形態の側面断面図である。
【
図4】
図4は、ナットの別の実施形態の側面断面図である。
【
図5】
図5は、カラーの一実施形態の側面断面図である。
【
図6A】
図6Aは、カラーの他の実施形態の側面断面図である。
【
図6B】
図6Bは、カラーの他の実施形態の側面断面図である。
【
図6C】
図6Cは、カラーの他の実施形態の側面断面図である。
【
図6D】
図6Dは、カラーの他の実施形態の側面断面図である。
【
図6E】
図6Eは、カラーの他の実施形態の側面断面図である。
【
図6F】
図6Fは、カラーの他の実施形態の側面断面図である。
【
図6G】
図6Gは、カラーの他の実施形態の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照すると、ある実施形態では、ナット10は、第1の端部12と、第1の端部12の反対側にある第2の端部14と、略円筒形状のシャンク部分16と、シャンク部分16から外方に延びるフランジ部分18とを含んでいる。ある実施形態では、フランジ部分18の外径は、シャンク部分16の外径よりも大きい。ある実施形態では、中央に配置されたボア20が、第1の端部12から第2の端部14に延びている。ある実施形態では、ボア20は、第1の端部12に近接して配置された封込めキャビティ22と、第2の端部14に近接して配置されたねじ部分24とを含んでいる。ある実施形態では、ねじ部分24は、ピン部材又は雄ねじを有するボルト(図示せず)と螺合するように構成された複数の雌ねじ19を含んでいる。ある実施形態では、フランジ部分18は、第1の端部12に配置された支圧面26を含んでいる。ある実施形態では、支圧面26は、構造物などのワークピース(図示せず)の外面に係合する。ある実施形態では、封込めキャビティ22は、封込めキャビティ22の大きさ及び形状を画定する内壁25を含んでいる。その実施形態は、以下で詳細に説明する。ある実施形態では、ナット10は、鋼から作られている。別の実施形態においては、ナット10はアルミニウムから作られている。ある実施形態では、ナット10は、チタン合金、ニッケル系合金、銅系合金、又はステンレス鋼系合金から作られている。他の実施形態において、ナット10は、当該技術分野で周知であるその他の材料から作られてよい。ある実施形態では、ファスナーの一部として、ナット10は、複数のワークピースを互いに固定するために、ピン部材又は雄ねじを有するボルトと螺合するように構成されている。ピン部材/ボルトは、ワークピース(図示せず)における整列された孔の中に装着されるように構成されている。ある実施形態では、ワークピースは、複合材料により形成されている。別の実施形態において、ワークピースは、金属で、又は、複合材料と金属材料の組合せで作られてよい。ある実施形態では、ファスナーは、スリーブ部材を含む(図示せず)。ある実施形態では、ピン部材/ボルト及びスリーブ部材は夫々、March他の米国特許第7,695,226号に開示されたピン部材及びスリーブ部材の構造及び機能と同じ又は似たような構造及び機能を有しており、この特許は、引用によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0022】
図2に示すように、ある実施形態では、ナット10は、図示されているような3つの別個の領域を含んでいる。ある実施形態では、領域1は、第1の端部に近接して配置されたボア20の一部を含んでいる。ある実施形態では、領域1におけるボア20の一部は、ピン部材/ボルトのシャンク部分の外径と略同等の内径を有する(図示せず)。ある実施形態では、領域2は、封込めキャビティ22を含んでいる。ある実施形態では、封込めキャビティ22は、ピン部材/ボルトのシャンク部分の外径よりも実質的に大きい内径を有する。領域3は、ねじ部分24を含んでいる。ある実施形態では、領域3は、ナット10の荷重支持領域である。
【0023】
幾つかの実施形態において、封込めキャビティ22の大きさ及び形状は、特定の用途の設計要件に応じて異なっていてよく、これらの要件によって、内壁25を構成する特定の角度、屈曲、面、及び/又は方向に関して封込めキャビティ22の厳密な形状が決定し、封込めキャビティ22の形状が確定する。このようにして、封込めキャビティ22、領域2は、湾曲面、平坦面又は円錐面23によって、領域1及び領域3と結合してよい。従って、
図2を参照すると、領域2を隣接する領域1及び領域3に結合するこれらの面23の形状は、(1)少なくとも1つの屈曲点がある、(2)屈曲点がなく上向き凹部がある、(3)屈曲点がなく下向き凹部がある、(4)屈曲点がなく直線状の形状、という複数の項目によって説明することができる。
【0024】
ある実施形態では、封込めキャビティ22は、封込めキャビティ22の大きさ及び形状、並びに、その壁の肉厚によって、ナット10全体の剛性を低減する。別の実施形態において、ナット10の全体の剛性は低減されなくてもよい。他の実施形態において、ナット10の全体の剛性は維持されてよく、又は、当該技術分野において知られた標準的なナットよりも改善されてよい。
【0025】
ある実施形態では、ナット10の剛性を低減することによって、装着されて使用負荷が加えられた場合に、ナット10における順応性が高まる。封込めキャビティ22から得られるナット10におけるこの順応性によって、ナット10の第1の端部12に近接する部分の荷重分布に違いが生じる。ナット10の剛性が低減することで、ファスナーは接合構造の支圧面に容易に適合して、従って、ナット10の支圧面26と構造物の支圧面との間が密に封止される。
【0026】
封込めキャビティ22によって達成される密接性の改善は、特に複合構造を締結する場合に有用である。これは、ナット10の支圧面26に沿った負荷の集中をできるだけ小さく抑えることにより、ファスナーの装着及び航空機の運行中における損傷の可能性及び複合層の剥離の可能性を低減するからである。封止を改善することは、複合構造に配置された金属製ファスナーにおける落雷に関連する用途において非常に重要である。複合構造に装着されたナット10を含むファスナーが避雷して、ファスナーの内部で火花が発生して、ファスナー孔から熱いガス又は粒子が放出される場合に、封込めキャビティ22がより大きな容量を提供し、それによって、熱いガスの形成によって生じた内圧が低減される。この内圧の低減には、放出された物質がファスナーの外部の環境に排出されることを防ぐ効果がある。
【0027】
図3A乃至
図3Fは、ナットの幾つかの実施形態を示しており、ナットの各実施形態は、特定の大きさ及び形状の内壁と、これに付随した封込めキャビティとを含んでいる。特に明記されない限り、
図3A乃至
図3Fに示すナットの各実施形態の構造、特徴及び機能は、上述した、
図1及び
図2において示したナット10のものと同じであるが、内壁とそれに付随した封込めキャビティの大きさ及び形状については、互いに相違する幾つかの点が存在している。以下において各実施形態を参照して説明する際に、
図3A乃至
図3Fに示す共通の特徴に関する参照番号は、100だけ増加させた番号とする。
【0028】
図3Aは、封込めキャビティ122を画定する内壁125を有するナット110を図示している。ある実施形態では、内壁125は、内側ねじ部分124に近接して位置する第1の凹面123aと、第1の端部112にある支圧面126に近接して位置する第2の凹面123bと、第1の凹面123aと第2の凹面123bの間にあってこれらを繋げる第1の平坦(即ち、直線状の)面123cと、第1の凹面123aをねじ部分124と繋げる第2の平坦(即ち、直線状の)面123dとを含んでいる。
【0029】
図3Bは、封込めキャビティ222を画定する内壁225を有するナット210を図示している。ある実施形態では、内壁225は、内側ねじ部分224に近接して位置する第1の凸面223aと、第1の端部212にある支圧面226に近接して位置する第2の凸面223bと、第1の凸面223aと第2の凸面223bの間にあってそれらを繋げる第1の平坦(即ち、直線状の)面223cと、第1の凸面223aをねじ部分224と繋げる第2の平坦(即ち、直線状の)面223dとを含んでいる。ある実施形態では、第1の凸面223aの表面積は、第2の凸面223bの表面積よりも大きい。別の実施形態において、第1の凸面223aの表面積は、第2の凸面223bの表面積よりも小さい。別の実施形態において、第1の凸面223aの表面積は、第2の凸面223bの表面積と同じである。
【0030】
図3Cは、封込めキャビティ322を画定する内壁325を有するナット310を図示している。ある実施形態では、内壁325は、内側ねじ部分324に近接して配置された凸面323aと、第1の端部312にある支圧面326に近接して配置された凹面323bと、凸面323aと凹面323bとの間にあってそれらを繋げる第1の平坦(即ち、直線状の)面323cと、凸面323aをねじ部分324と繋げる第2の平坦(即ち、直線状の)面323dとを含んでいる。ある実施形態では、凸面323aの表面積は、凹面323bの表面積よりも大きい。別の実施形態において、凸面323aの表面積は、凹面323bの表面積よりも小さい。別の実施形態において、凸面323aの表面積は、凹面323bの表面積と同じである。別の実施形態においては、凸面323a及び凹面323bの位置が入れ替えられて、凸面323aが支圧面326に近接して配置され、凹面323bがねじ部分324に近接して配置される(
図3Cに図示せず)。
【0031】
図3Dは、封込めキャビティ422を画定する内壁425を有するナット410を図示している。ある実施形態では、内壁425は、内側ねじ部分424に近接して位置する第1の平坦(即ち、直線状の)面423aと、第1の端部412にある支圧面426に近接して位置する第2の平坦(即ち、直線状の)面423bと、第1の直線状の面423aと第2の直線状の面423bとの間にあってそれらを繋げる第3の平坦(即ち、直線状の)面423cと、第1の直線状の面423aをねじ部分424に繋げる第4の平坦(即ち、直線状の)面423dとを含んでいる。ある実施形態では、第1の直線状の面423aの表面積は、第2の直線状の面423bの表面積よりも大きい。ある実施形態では、第1の直線状の面423aの表面積は、第2の直線状の面423bの表面積と同じである。別の実施形態において、第1の直線状の面423aの表面積は、第2の直線状の面423bの表面積よりも小さい。
【0032】
図3Eは、封込めキャビティ522を画定する内壁525を有するナット510を図示している。ある実施形態では、内壁525は、内側ねじ部分524に近接して位置する第1の平坦(即ち、直線状の)面523aと、第1の端部512にある支圧面526に近接して位置する第1の凹面523bと、第1の直線状の面523aと第1の凹面523bとの間にあってそれらを繋げる第2の平坦(即ち、直線状の)面523cと、第1の直線状の面523aをねじ部分524に繋げる第3の平坦(即ち、直線状の)面523dとを含んでいる。
【0033】
図3Fは、封込めキャビティ622を画定する内壁625を有するナット610を図示している。ある実施形態では、内壁625は、複数の面623を含んでおり、それらは、
図3A乃至
図3Eに示す実施形態の封込めキャビティの平坦面、凹面及び/又は凸面であってよく、ナット610の用途に応じて屈曲点の数が異なっている。
【0034】
ある実施形態では、
図3Fに示すように、複数の面623は、平坦(即ち、直線状の)面、凹面及び凸面の組合せを含んでいる。別の実施形態において、複数の面623は、凹面及び凸面の組合せを含んでいる。別の実施形態において、複数の面623は、凹面及び平坦(即ち、直線状の)面の組合せを含んでいる。別の実施形態において、複数の面623は、凸面及び平坦(即ち、直線状の)面の組合せを含んでいる。別の実施形態において、複数の面623は、複数の平坦(即ち、直線状の)面を含んでいる。別の実施形態において、複数の面623は、複数の凸面を含んでいる。別の実施形態において、複数の面623は、複数の凹面を含んでいる。
【0035】
図3Gは、封込めキャビティ722を画定する内壁725を有するナット710を図示している。ある実施形態では、内壁725は、内側ねじ部分724に近接して配置された複数の凹面727を有する第1の領域723aと、第1の端部712にある支圧面726に近接して配置されており、凹面729と、当該凹面729に隣接する第1の平坦(即ち、直線状の)面731とを有する第2の領域723bと、第1の領域723aと第2の領域723bとの間にあってそれらを繋げる第2の平坦(即ち、直線状の)面723cと、第1の領域723aをねじ部分724と繋げる第3の平坦(即ち、直線状の)面723dとを含んでいる。
【0036】
図4は、ナット810の別の実施形態を示す。明記した内容以外、ナット810の構造及び機能は、ナット10と類似している。これに関連して、ある実施形態では、ナット810は、第1の端部812と、第1の端部812の反対側にある第2の端部814と、第1の端部812に近接して配置された封込めキャビティ822と、シャンク部分816と、シャンク部分816から外方に延びるフランジ部分818と、フランジ部分818から外方に延びており、第1の端部812と第2の端部814との間に配置された環状の外側部分833とを含んでいる。ある実施形態では、外側部分833は、外側キャップ(図示せず)を受け入れて係合するような大きさ及び形状にされる。ある実施形態では、当該キャップは、装着されると、ナット810を完全に包み込む(図示せず)。他の実施形態において、封込めキャビティ822の大きさ及び形状は、
図3A乃至
図3Gに示されている上述した封込めキャビティ122,222,322,422,522,622,722と同じであってよい。
【0037】
図5を参照すると、ある実施形態では、カラー910は、第1の端部912と、第1の端部912の反対側にある第2の端部914と、管状のシャンク部分916と、シャンク部分916から外方に延びるフランジ部分918とを含んでいる。ある実施形態では、フランジ部分918の外径は、シャンク部分916の外径よりも大きい。ある実施形態では、中央に配置されたボア920は、第1の端部912から第2の端部914に延びる。ある実施形態では、ボア920は、シャンク部分916を通って延びる円筒形状の内側部分924と、第1の端部912に近接して配置された封込めキャビティ922とを含んでいる。ある実施形態では、フランジ部分918は、第1の端部912に配置された支圧面926を含んでいる。ある実施形態では、カラー910は、スエージカラーである。ある実施形態では、カラー910の封込めキャビティ922の構造及び機能は、上述したナット10の封込めキャビティ22と類似している。ある実施形態では、カラー910は、鋼から作られる。別の実施形態において、カラー910はアルミニウムから作られる。ある実施形態では、カラー910は、チタン合金、ニッケル系合金、銅系合金、又はステンレス鋼系合金から作られる。他の実施形態において、カラー910は、当該技術分野において知られた他の材料から作られてよい。
【0038】
図6A乃至
図6Fは、カラーの幾つかの実施形態を示している。カラーの各実施形態は、特定の大きさ及び形状の内壁と、これに付随する封込めキャビティとを含んでいる。明記しない限り、
図6A乃至
図6Fに示すカラーの各実施形態における構造、特徴及び機能は、先に説明しており、
図5に示したカラー910のものと類似しているが、内壁と、これに付随した封込めキャビティの大きさ及び形状において互いに相違する幾つかの点がある。以下において各実施形態を示して説明する際、
図6A乃至
図6Fに示す共通の特徴に関する参照番号は、100だけ増加させたものとする。
【0039】
図6Aは、封込めキャビティ1022を画定する内壁1025を有するカラー1010を図示している。ある実施形態では、内壁1025は、管状の内側部分1024に近接して位置する第1の凹面1023aと、第1の端部1012にある支圧面1026に近接して位置する第2の凹面1023bと、第1の凹面1023aと第2の凹面1023bの間にあってそれらを繋げる平坦(即ち、直線状の)面1023cと、第1の凹面1023aを内側部分1024に繋げる平坦(即ち、直線状の)面1023dとを含んでいる。
【0040】
図6Bは、封込めキャビティ1122を画定する内壁1125を有するカラー1110を図示している。ある実施形態では、内壁1125は、管状の内側部分1124に近接して位置する第1の凸面1123aと、第1の端部1112にある支圧面1126に近接して位置する第2の凸面1123bと、第1の凸面1123aと第2の凸面1123bとの間にあってそれらを繋げる平坦(即ち、直線状の)面1123cとを含んでいる。ある実施形態では、凸面1123aの表面積は、第2の凸面1123bの表面積よりも大きい。別の実施形態において、凸面1123aの表面積は、第2の凸面1123bの表面積よりも小さい。ある実施形態では、凸面1123aの表面積は、第2の凸面1123bの表面積と同じである。
【0041】
図6Cは、封込めキャビティ1222を画定する内壁1225を有するカラー1210を図示している。ある実施形態では、内壁1225は、管状の内側部分1224に近接して位置する第1の凸面1223aと、第1の端部1212にある支圧面1226に近接して位置する第1の凹面1223bと、第1の凸面1223aと第1の凹面1223bとの間にあってそれらを結びつける平坦(即ち、直線状の)面1223cとを含んでいる。ある実施形態では、凸面1223aの表面積は、凹面1223bの表面積よりも大きい。別の実施形態において、凸面1223aの表面積は、凹面1223bの表面積よりも小さい。別の実施形態において、凸面1223aの表面積は、凹面1223bの表面積と同じである。別の実施形態において、凸面1223a及び凹面1223bの位置が入れ替えられて、凸面1223aが支圧面1226に近接して配置され、凹面1223bが内側部分1224に近接して配置される(
図6Cに図示せず)。
【0042】
図6Dは、封込めキャビティ1322を画定する内壁1325を有するカラー1310を図示している。ある実施形態では、内壁1325は、管状の内側部分1324に近接して位置する第1の平坦(即ち、直線状の)面1323aと、第1の端部1312にある支圧面1326に近接して位置する第2の平坦(即ち、直線状の)面1323bと、第1の直線状の面1323aと第2の直線状の面1323bとの間にあってそれらを結びつける第3の平坦(即ち、直線状の)面1323cとを含んでいる。ある実施形態では、第1の直線状の面1323aの表面積は、第2の直線状の面1323bの表面積よりも大きい。別の実施形態において、第1の直線状の面1323aの表面積は、第2の直線状の面1323bの表面積よりも小さい。別の実施形態において、第1の直線状の面1323aの表面積と、第2の直線状の面1323bの表面積は同じである。
【0043】
図6Eは、封込めキャビティ1422を画定する内壁1425を有するカラー1410を図示している。ある実施形態では、内壁1425は、円筒形状の内側部分1424に近接して位置する第1の平坦(即ち、直線状の)面1423aと、第1の端部1412にある支圧面1426に近接して位置する第1の凹面1423bと、第1の平坦面1423aと第1の凹面1423bとの間にあってそれらを繋げる第2の平坦(即ち、直線状の)面1423cとを含んでいる。
【0044】
図6Fは、封込めキャビティ1522を画定する内壁1525を有するカラー1510を図示している。ある実施形態では、内壁1525は、複数の面を含んでおり、それらは、
図6A乃至
図6Eに示す実施形態の封込めキャビティの平坦面、凹面及び/又は凸面であってよく、カラー1510の用途に応じて屈曲点の数が異っている。ある実施形態では、複数の面1523は、
図6Fに示すように、平坦/直線状の面、凹面及び凸面の組合せを含んでいる。別の実施形態において、複数の面1523は、凹面及び凸面の組合せを含んでいる。別の実施形態において、複数の面1523は、凹面及び平坦/直線状の面の組合せを含んでいる。別の実施形態において、複数の面1523は、凸面及び平坦/直線状の面の組合せを含んでいる。別の実施形態において、複数の面1523は、複数の平坦/直線状の面を含んでいる。別の実施形態において、複数の面1523は、複数の凸面を含んでいる。別の実施形態において、複数の面1523は、複数の凹面を含んでいる。
【0045】
図6Gは、封込めキャビティ1622を画定する内壁1625を有するナット1610を図示している。ある実施形態では、内壁1625は、円筒形状の内側部分1624に近接して配置されており、複数の凹面1627を有する第1の領域1623aと、支圧面1626に近接して配置されており、凹面1629と凹面1629に隣接する第1の平坦(即ち、直線状の)面1631とを有する第2の領域1623bと、第1の領域1623aと第2の領域1623bの間にあってそれらを繋げる第2の平坦(即ち、直線状の)面1623cとを含んでいる。
【0046】
本明細書に記載した実施形態は単なる例示であって、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変形及び変更を施すことができることを理解されたい。そのような変形及び変更は、特許請求の範囲内に含まれるものである。