(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の端が、前記ループに印加される力が閾値張力を超えるまで、前記縫合糸の前記潰せるループを開放して保持するように構成される、第1及び第2の突起を更に備える、請求項1に記載の装置。
前記複数のスロットが、第1のスロット及び第2のスロットを備え、前記第1及び第2のスロットが、互いに実質的に平行であり、かつ前記カードの前記長さを延在する長手方向軸に実質的に垂直であり、前記第1及び第2のスロットが、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間の実質的に中心である場所にて終結し、前記第2のスロットが、前記第1のスロットより前記第2の端に近接して配置される、請求項1に記載の装置。
前記複数のスロットが、前記第2のスロットより前記第2の端に近接して配置される第3のスロットを更に備え、前記第3のスロットが、前記第1の側壁から延在する第1の部分と、前記第1の部分に隣接し、かつ前記第1の部分と連通する第2の部分であって、前記第1の端の方を向く頂点を有する実質的にV字形状である、第2の部分と、前記第2の部分に隣接し、かつ前記第2の部分と連通する第3の部分であって、前記第1及び第2のスロットに実質的に平行である、第3の部分と、を有する、請求項4に記載の装置。
近位端及び遠位端を有する外科用インプラントを更に備え、前記近位端が、その中に形成され、かつ前記シャフトの前記遠位端に連結する穴を有し、前記遠位端が、前記第1及び第2の自由延長部分を受容するように構成されるフィラメント係合特徴を有し、前記第1及び第2の自由延長部分が、前記外科用インプラントの前記近位端の前記穴を通り、前記外科用インプラントの前記フィラメント係合特徴を周り、前記外科用インプラントの前記近位端の前記穴を通って戻り配置される、請求項11に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で開示される装置並びに方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が与えられるよう、特定の例示的実施形態について以下に説明する。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の例を添付図面に示す。当業者であれば、本明細書に詳細に述べられ、添付の図面に示される装置及び方法は非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることは認識されるところであろう。1つの例示的な実施形態との関連において例示又は説明された特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。かかる修正及び変更は本発明の範囲内に含まれることが意図される。非限定的例の目的のため、1つの縫合糸管理カードに対して説明される特徴は概して、本明細書に提供される他のカード構成に適用され得る。更に、本開示において、実施形態の同様な番号が付された構成成分は、概して類似する特徴を有する。また更に、システム及び装置、並びにその構成要素の寸法及び形状は、少なくとも、そこでシステム及び装置が使用されるであろう対象者の解剖学的構造、それと共にシステム及び装置が使用されるであろう構成要素の寸法及び形状、並びにそこでシステム及び装置が使用されるであろう方法及び手順に依存し得る。
【0022】
本明細書で提供される図面は、必ずしも正確な縮尺通りではない。更に、構成要素が引っ張られるか、又は引かれる方向を説明するために矢印が使用される範囲で、これらの矢印は、例示的なものであり、それぞれの構成要素が引っ張られるか、又は引かれる方向を決して限定するものではない。当業者であれば、所望の張力又は移動をもたらすための他の方法及び方向を認識するであろう。同様に、一部の実施形態では、1つの要素の運動は別の要素に対して説明されるが、当業者であれば他の運動も可能である点は認識されるであろう。非限定的例として、摺動式ノットが潰せるループを画定する助けとなるよう使用される実施形態において、当業者であれば、異なるノット構成が、ノットを1つの方向に移動させることがループによって画定される開口の寸法を増大又は減少させるかを変化させ得ることを理解するであろう。加えて、多様な用語が開示全体を通して互換的に使用される場合があるが、このことは当業者には理解されるであろう。非限定的な実施例として、用語「縫合糸」及び「フィラメント」は、同義に使用され得る。
【0023】
本開示は概して、軟組織修復手順中に外科医が縫合糸フィラメントを管理する助けとなるように使用される外科用縫合糸管理装置に関する。フィラメントは、典型的には骨内に埋め込まれるアンカーに取着され、アンカーの埋め込み中に外科医が管理しなければならない複数のリムを有し得る。外科医は次に、リムを使用して、軟組織が連結されたアンカーが中に埋め込まれている骨に向かって引っ張り、その後、組織を骨に近接した場所に固定する。管理装置は、アンカー挿入ツールのハンドル内に取り外し可能に含まれ得、外科的手順を通して外科医を縫合糸フィラメント管理において助けるための多数の特徴を含み得る。
【0024】
縫合糸管理装置の2つの例示的実施形態が、第1の縫合糸管理カード10及び第2の縫合糸管理カード10’として、
図1に例示される。カード10、10’は、挿入ツール80のハンドル90内に形成される相補的なスロット92内に適応するように適合され得る。縫合糸管理カード10、10’のうちのどちらかがハンドル90内に配置されるとき、それに取着された縫合糸フィラメントのリムは、挿入ツール80のシャフト82に沿って遠位に延在し、シャフト82の遠位端82dに連結されたアンカー100に連結され、シャフト82の近位に戻って延在し、ハンドル90に連結され得る。
【0025】
図2は、挿入ツール80のハンドル90の一例示的実施形態を例示する。ハンドル90は、縫合糸管理カード10、10’(例えば、
図2に示されるカード10等)のうちの1つを、そのスロット92内に受容するように適合される。更に、ハンドル90は、更に詳細に後述される通り、アンカーから近位に延在する縫合糸のリムを受容するための、2つの縫合糸受容スロット94、95を含み得る。それに加えて、カード10の挿入及び取り外しを助けるために、切り取り部分96がハンドル90の一部分に形成され得る。切り取り部分96は、挿入されたカード10の一部分を露出させ、その結果、外科医がカード10を把持してハンドル90からそれを取り外すことを容易にする。アンカーが骨内に挿入された後、縫合糸管理カード10は、ハンドル90から取り外され得、縫合糸は、カード10から分離され得、また縫合糸は、当業者に既知である技術を用いてその中にアンカーが挿入された骨へと組織を引っ張るために使用され得る。
【0026】
図3A〜3Lは、縫合糸管理カード10の第1の例示的実施形態を例示する。カード10は概して、カード10の長さL(
図3A)を画定する近位又は第1の端12及び遠位又は第2の端14と、第1の端12と第2の端14との間に延在する、カード10の幅W(
図3A)を画定する第1の側壁16及び第2の側壁18と、カード10の厚さT(
図3C)を画定する第1の表面20及び第2の表面22(
図3D)とを有する、実質的に多角形形状(例えば、方形形状)を有し得る。
図3A及び3Bに示されるように、カード10は、第2の端14から第1の端12へと漸次的に増大する幅Wを有する、台形形状であり得る。例示される実施形態では、幅Wの漸次的増大は、カード10がカード10の実質的長さに沿ってハンドル90内に概ね平坦に着座し得るように、その中にカード10が配置される挿入ツールハンドル90の直径の漸次的増大と一致する。
図3C及び3Dに示されるように、カード10はまた、第1の端12と第2の端14との間の種々の場所において、異なる厚さTを有し得る。例示される実施形態では、第1の端12における第1の側壁16の終端、及び第2の端14における第1の側壁16の終端の厚さTは、実質的に類似であり、厚さTは、側壁16の終端と中心部分との間で減少する。
図3Eに示されるように、第2の側壁18の厚さTは一方で、その長さと実質的に同じのままであり得る。
【0027】
縫合糸管理カード10の寸法及び形状、並びにそれが作製される材料は、少なくとも部分的に、縫合糸フィラメント及び挿入ツールを含む、それと併せて使用されるであろう寸法、形状、及び材料、並びにそれと併せて使用されるであろう手順の種類に依存し得る。したがって、本開示が、実質的に方形又は台形等の多角形としてカード10を説明する限り、他の形状も、本開示の精神から逸脱することなく同様に使用され得る。カードの幾つかの例示的実施形態では、長さLは、約3センチメートル〜約8センチメートルの範囲であり得、幅Wは、約1センチメートル〜約4センチメートルの範囲であり得、また厚さTは、約0.5ミリメートル〜約6ミリメートルの範囲であり得る。一例示的実施形態では、カードは、約4.5センチメートルの長さLと、約2.0センチメートルの第2の端における幅Wと、約2.5センチメートルの第1の端における幅Wと、約3.0ミリメートルの第1の側壁16及び第2の側壁18の終端における厚さTと、それぞれ、約1.0ミリメートル及び約3.0ミリメートルの第1の側壁16及び第2の側壁18の中心部分における厚さTとを有する。ポリマー及び金属を含む、任意の数の材料がカードを形成するために使用され得るが、一例示的実施形態では、カードは、ポリカーボネートから作製される。
【0028】
第1の端12は、
図3Bに示される通り、縫合糸フィラメント50の潰せるループ52を開放して保持するように構成され得る。ループ52は、縫合糸フィラメント50内に形成されるノット56によって画定され得、また1つ又は2つ以上のリム54、55が、ノット56から遠位に延在し得る。第2の端14は、
図3J及び3Kに示される通り、フィラメントリム54、55の遠位部分を受容するように構成される開口26を含み得る。本明細書に説明される通り、フィラメント50は、カード10から、アンカーへと、またカード10へと戻って延在し、遠位部分は、アンカーからカード10へ向かって近位に延在するリム54、55の部分である。
図3B、3I、3J、及び3Kに示される通り、複数の隣接するスロット24は、ノット56から遠位に延在するリム54、55の部分を受容するように、第1の端12と第2の端14との間でカード10内に形成され得る。
【0029】
縫合糸管理カード10のより具体的な特徴を見てみると、第1の端12は、少なくとも
図3A及び3Bに示される通り、第1及び第2の突起30、32を含み得る。突起30、32は、ループ52に印加される力が、突起30、32及び隣接するスロット24によって生み出される取り出し閾値張力を超えるまで、縫合糸50の潰せるループ52を開放して保持するように構成され得る。出荷中及び外科手順中、少なくともループ52が潰されるまでループ52の開口部を維持することは有用であり得る。突起30、32は、種々の形状を有し得るが、例示される実施形態では、それらは第1の端12から、長さLの距離を越えて延在し、また多角形形状である。幾つかの実施形態では、突起30、32は、カード10の幅Wに沿って延在する軸Qに対して角度付けられ得る。軸Qに対して突起30、32によって形成される角α(
図3A)は、約90度〜約110度の範囲であり得、例示される実施形態では、角αは約97度である。突起30、32は、第1の端12の一部分に沿って、縫合糸リム54、55の遠位部分を受容するための開口34を画定する。遠位部分は、より詳細に後述される通り、開口34内へと通され、ループ52の周りに巻かれ、次いで取り出し閾値張力を超える張力を印加し、それによってカード10からループ52を取り出し得る。突起30と32との間に位置し、かつ開口34と連通する空隙31は、ループ52を取り出すときに、遠位部分が、そこを通されてカードから遠ざかることを可能にする。
【0030】
図3E〜3Gに示されるように、突起30、32の厚さは、それらがそこから延在する第1の端12の厚さT未満であり得る。その結果、
図3Fに示される通り、縫合糸フィラメントが突起30、32の周りに巻かれるときにその上に着座し得るショルダ36が、カード10の第2の表面22の上に形成され得る。例示される実施形態では、ショルダ36は、カード10の長さLを超えて僅かな距離を延在する。突起30、32の低減された厚さtはまた、
図3Gに示される通り、溝又はトラック38が、カード10の第1の表面20上に形成されることを可能にし、
図3Bに示される通り、その上にループ52を形成するフィラメントがその上に着座し得る。溝又はトラック38は、第2の端14に向かって第1の端12から斜めに延在し、第1の側壁16と第2の側壁18との間の実質的に中心である頂点39で合流し得る。溝38は、カード10の第1の表面20上に形成される長手方向着座溝40と連通し得、それはそれ自体、潰せるループ52のノット56を受容するように構成され得る。溝38及び長手方向着座溝40の深さは、縫合糸50又はノット56のいかなる露出した部分も第1の表面20より上に突き出て着座しないよう、したがって外部の物体との接触によって容易にこすれ又は擦り切れないようにあり得る。
【0031】
長手方向着座通路40の下方には、取り出し閾値張力を超える張力のみが縫合糸管理カード10の突起30、32からループ52を取り出し得るように、突起30、32に沿って協働して、ノット56から延在する縫合糸フィラメントの自由リム54、55に張力を印加する複数のスロット24がある。図示の通り、第1のスロット24a、第2のスロット24b、及び第3のスロット24cがあり、そのそれぞれは、第1の側壁16内に形成され、また第2の側壁18に向かって延在する。第1及び第2のスロット24a、24bは、互いに実質的に平行であり、かつカード10の長さを延在する長手方向軸M(
図3A)に対して実質的に垂直であり得、第2のスロット24bは、第1のスロット24aより第2の端14に近接して配置される。第3のスロット24cは、第2のスロット24bより第2の端14に近接して配置され得、また互いに連通する3つの分離した部分を含み得る。図示の通り、第3のスロット24cの第1の部分24c
1は、第1及び第2のスロット24a、24bに実質的に平行でありながら、第1の側壁16から第2の側壁18に向かって延在し得る。第3のスロット24cの第2の部分24c
2は、第1の部分24c
1に隣接し、かつそれと連通し得、また第1の端12に面する頂点を有する実質的にV字形状であり得る。スロット24cの第3の部分24c
3は、第2の部分24c
2に隣接し、かつそれと連通し得、第1の部分24c
1と同様に、第1及び第2のスロット24a、24bに実質的に平行であり得る。
【0032】
第1、第2、及び第3のスロット24a、24b、及び24cはそれぞれ、第1の側壁16と第2の側壁18との間のカード10の中心で実質的に終結し得る。図示の通り、それらは、第1及び第2の屈曲可能タング28、29を画定し、それらは第1及び第2の表面20、22に実質的に平行であるカード10を通って延在する平面の上方又は下方に屈曲し得る。スロット24a、24b、24cは、第1の側壁16と第2の側壁18との、カードの概ね中心にて実質的に終結するため、ノット56から長手方向着座溝40に延在するフィラメントリム54、55は、ノット56から実質的に直線方向に延在することによってスロット24a、24b、24c内に配置され得る。リム54、55は、スロット24a、24b、24cを選択的に通され、張力に対する摩擦抵抗を印化し得る。例えば、
図3Bに示される通り、フィラメントリム54、55は、長手方向通路40から、第1のスロット24aを通ってカード10の第2の表面22へ、第2のスロット24bを通って第1の表面20へ戻り、第3のスロット24cを通って第2の表面22へ戻るように通される。この構成において、リム54、55を作用させて第3の部分24c
3を通し、V字形状の第2の部分24c
2の頂点を越え、次に第1の部分24c
1から外して、リム54、55のそれらの部分を縫合糸管理カード10から分離するためには、異なる角度の張力が必要であるため、第3のスロット24cのV字形状の第2の部分24c
2は、フィラメントリム54、55が第3のスロット24cから不注意に除去されないよう維持することを助け得る。
【0033】
取り出し閾値張力は、ループ52を突起30、32から取り出すために、超過しなければならない量の力である。概して、取り出し閾値張力を超過する力は、ループ52それ自身に印加される。カード10の取り出し閾値張力の大きさは主として、複数のスロット24及びそれらに関連付けられる縫合糸50の構成によって制御され得る。角αの値等の突起30、32の構成も、取り出し閾値張力に影響し得る。取り出し閾値張力は、使用中のループ52に対する偶発的な力の印加によっては通常達成されないであろう値であるべきである。好ましくは、ループ52への意図的な力の印加のみが、突起30、32からそれを取り出すのに十分であるべきである。幾つかの例示的実施形態では、取り出し閾値張力は、約3ニュートン〜約8ニュートンの範囲であり得、一実施形態では、閾値張力は約5.5ニュートンである。縫合糸管理カードの他の実施形態では、縫合糸のループは、例えば、使用者がそれを摺動させてカードから外すことによって縫合糸を取り出すことを可能にする、摺動特徴をカード上に含むことによって等、上述と異なる様式でカードから除去又は取り出され得る。当業者であれば、カードからループを分離するための他の技術又は特徴が、本明細書に提供される教示に伴う使用のために適合され得ること、またかかる技術又は特徴をカード上に含むことは、本開示の精神から逸脱しないこと、例えば、取り出し閾値張力等の本明細書に説明される値は、カードの適切な特徴に印加されるように適合され得ることを理解するであろう。例えば、当業者であれば、取り出し閾値張力を超過した後、その中で縫合糸がカードから摺動して外れるように設計される、カードから縫合糸を取り外すような使用のための適切な取り出し閾値張力を理解するであろう。
【0034】
潰し閾値張力はまた、
図17D及び17Eに関してより具体的に説明されるように存在する。潰し閾値張力は、超過されると、ループ52を潰す張力である。潰し閾値張力を超過した力は、概してループ52に印加され、それを潰す。カード10の潰し閾値張力の大きさは主として、複数のスロット24の構成によって、即ち、スロット24とそれに関連付けられる縫合糸とを通じた摩擦によって制御され得る。その大きさは概して、取り出し閾値張力より大きく、かつノット56のそれを通るリム54、55上の抵抗力より大きく、それによって、縫合糸50がスロット24を通って摺動する前にノット56が潰されることを確実にする。幾つかの例示的実施形態では、潰し閾値張力は、約6ニュートン〜約15ニュートンの範囲であり得、また一実施形態では、潰し閾値張力は約9ニュートンである。
【0035】
図3Hに示される通り、スロット42は、最後のスロット24cから延在するリム54、55を受容するように、第2の端14の終端の第2の表面22内に形成され得る。スロット42はまた、後述の通り、アンカーに連結された後スリーブ58がカード10へと戻るときに、リム54、55のスリーブ58内に配置された部分を受容し得る。スロット42は、第1の側壁16の厚さTが、第2の端14に近づくにつれ増加するため、リム54、55及びスリーブ58が第2の表面22の実質的に上方に延在することから保護する。したがって、
図3Iに示される通り、リム54、55は、スロット42の内部で、第2の表面22に接して着座し得、意図しない擦り切れ又はこすれから保護する。例示される実施形態では、スロット42は、カード10の実質的中心部分の間で、第2の側壁18に向かって延在し、第2の側壁18より前で終結するが、ただし他の構成及び場所が、本開示の精神から逸脱することなく可能である。幾つかの実施形態では、スロット42は、
図3Iに例示される通り、第3のスロット24cから延在するリム54、55の初期部分を受容し得、また
図3Jに例示される通り、アンカーから戻るリム54、55の遠位部分を受容することもできる。幾つかの実施形態では、後述の通り、リム54、55は、それらがスロット42を通過するときにスリーブ58内に配置され得る。
【0036】
スロット42の近位の開口26は、第2の端14に隣接して形成され得る。開口26は、まずアンカーに連結された後に、カード10へと戻るフィラメントリム54、55の遠位部分を受容するように構成され得る。例示される実施形態では、開口26は、第1の側壁16と第2の側壁18との間の実質的に中心で第1の表面20と第2の表面22との間で延在する貫通穴である。
図3J及び3Kに示される通り、フィラメントリム54、55の遠位部分は、開口26を通過し得る。これらのリム54、55は、より詳細に後述する通り、カード10が挿入ツール内に配置されるときに、挿入ツールのハンドル内に保持され得、また、カード10が挿入ツールから取り外されるときに、外科医によって接近可能であり得る。
【0037】
カード10の第1及び第2の表面20、22は、例えば、所望より早くカードから縫合糸フィラメントの部分を分離することによって、カードの誤使用の予防を促進することによって等、外科医がカード10を使用する助けとなる多数の異なる特徴を含み得る。
図3A及び3Bに示される通り、これらの特徴の幾つかとしては、隆起した表面44、キャッチスロット46、及びブーツノッチ48が挙げられ、それらの目的は、第2の縫合糸管理カード10’に関してより詳細に後述され、また
図8〜11に示される。所望により、1つ又は2つ以上の隆起部49が、カード10の第1及び第2の表面20、22のうちの1つに形成され得る。例示される実施形態では、4つの隆起部49が、第3のスロット24cと貫通穴26との間で第1の表面20上に形成され、隆起部49は、カード10の遠位端14に近づくに伴い減少する弧長と増加する曲率半径とを有する。図示される通り、最も遠位の隆起部49は、開口26の弧を実質的にたどる曲率半径を有し得る。隆起部49は、ループ52の取り出し中に外科医によってカード10が保持されるときの、カード10上での外科医の把握と、その後のカード10からの縫合糸フィラメント50の分離とを改善し得る。それに加えて、隆起部49が2つの表面20、22のうちの1つの上にのみ形成される例では、隆起部49は、外科医の触覚フィードバックによるカード10の第1の側と第2の側との間の区別に役立ち得る。
【0038】
挿入ツール内へのカードの挿入を助けるための特徴も、第1及び第2の表面20、22上に含まれ得る。
図3Lに示される通り、第2の表面22は、その上に形成される突出部47を含み得る。突出部47は、任意の形状又は寸法であり得るが、例示される実施形態では、それは第2の表面22上に形成される隆起した半球形部分である。突出部47は、挿入ツール80のハンドル90のスロット92の内部に位置する保持特徴に対して、スナップ嵌めを形成するように相補的であるように構成され得る。
図4は、1つのかかる相補的な保持特徴97を例示する。保持特徴97は、2つの面取りをしたエッヂ表面97a、97bを有する方形ボスである。ボス97は、突出部47が第2の面取りした面97bを通るときに、第2の側壁18がハンドル90と実質的にぴったり重なるような場所にて、スロット92内に配置され得る。
【0039】
図5及び6に示される通り、カード10がハンドル90内へ挿入される際、突出部47は、第1の面取りした面97a及び第2の面取りした面97bの上で摺動して、カード10をスロット92内に固定する。突出部47が第2の面取りした面97bを通るとき、カード10がハンドル90内に固定されたことを確認するために、聴覚音が、所望により外科医にフィードバックを提供し得る。カード10がハンドル90から引き抜かれるとき、突出部47は、第2の面取りした面97bの上を摺動して戻り、面取りした面97aを過ぎて、ハンドル90から外れる。
【0040】
異なる特徴及び機能を有する様々な異なる縫合糸フィラメントが、本明細書に開示される縫合糸管理カードに関連して使用され得る。当業者であれば、かかる縫合糸は、様々な好適な材料で作製され得ることを理解するであろう。更に、縫合糸フィラメントは、カニューレ付きフィラメント、編組されたフィラメント、及びモノフィラメントを含むがそれらに限定されない、異なる種類のものであり得る。フィラメントの種類、寸法、及び強度は、縫合糸管理カードの材料(単数又は複数)、フィラメントが通されるか又は連結される組織又は他の構成要素、及びフィラメントが使用される手順の種類を含む、システムの他の材料に少なくとも部分的に依存し得る。
図3Bに示される通り、一例示的実施形態では、縫合糸フィラメント50は、中に形成される、潰せるループ52を画定する摺動式ノット56を有する。ループは、フィラメント50の第1及び第2のリム54、55から形成される。ノット56のループ52の反対側から延在するのは、第1及び第2の縫合糸自由フィラメントリム54、55であり得る。これらは、ループ52を形成するリム54、55の部分ではないため、「自由」リムである。当業者であれば、摺動式ノット56、並びにそれにより得られるループ52及び自由リム54、55が形成され得る多数の異なるものを理解するであろう。非限定的例として、ノット56は、Buntline Hitch、Tennessee slider、Duncan Loop、又はHangman’s Nooseであり得る。
【0041】
一例示的実施形態では、フィラメントは、例えば、DePuy Mitek,LLC,325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767から市販されているOrthocord(商標)フィラメント、又はEthicon,Inc.,Route 22 West,Somerville,NJ 08876から市販されているEthibond(商標)フィラメント等の、#0フィラメント(約26ゲージ〜約27ゲージ)である。フィラメントの厚さは、接続強度を提供するが、同時に、それが通る組織に対して引き起こされる外傷を最小限に抑えるはずである。幾つかの実施形態では、フィラメントは、約#5フィラメント(約20ゲージ〜約21ゲージ)、及び約#5−0フィラメント(約35ゲージ〜約38ゲージ)の範囲の寸法を有し得る。Orthocord(商標)縫合糸は、約55〜65パーセントのPDS(商標)ポリジオキサノンであり、これは生体吸収性であり、残りの35〜45パーセントは超高分子量ポリエチレンであり、一方、Ethibond(商標)縫合糸は、主として高強度なポリエステルである。本開示のフィラメントにおいて利用される生体吸収性材料の量及びタイプは(存在する場合)、主に、実施される特定の外科手術に対する外科医の好みの問題である。
【0042】
所望により、第1及び第2の縫合糸フィラメントリム54、55の少なくとも一部分を封入するために、可撓性スリーブが提供され得る。
図3A〜3Jには例示されないが、
図13は、ノット56から遠位に延在するフィラメント54、55の部分の周りに配置される、スリーブ58を例示する。一例示的実施形態では、スリーブは、フィラメントリム54、55がアンカー100に到達する前の、リム54、55の挿入ツールシャフト82に沿って遠位に延在する場所にて始まり、次に、リム54、55の終端がスリーブ58の終端の前に終結するように、リム54、55の残りの部分を覆う。スリーブは、アンカー100を通ってアンカー100を周り、挿入ツール80のシャフト82の近位に向かい、縫合糸管理カード10内へ戻り、挿入ツール80のハンドル90内へ向かうように、フィラメントリム54、55の管理を助け得る。それに加えて、スリーブ58は、それが組織を容易に通過し、したがって構造体を組織に通すことによって引き起こされる外傷を緩和し得るように、滑らかな表面を有するように構成され得る。スリーブは、取り外し可能であり得、修復手順中の任意の所望のときに取り外され得る。
【0043】
スリーブは、可撓性ポリマーなどの広範な生体適合性の可撓性材料から形成してもよく、あるいは別のフィラメントとしてもよい。一実施形態では、このスリーブは、高分子材料から作製される。別の実施形態では、このスリーブは、編組縫合糸、例えば、典型的に2.54センチメートル当たり60ピックで編組されたものであるEthibond(商標)#0フィラメント又はOrthocord(商標)#2フィラメントなどの可撓性フィラメントである。スリーブとしての使用については、約30〜40ピック/2.54センチメートル、より好ましくは約36ピック/2.54センチメートルの、より弛緩した編組が好ましい。スリーブ材料がコアを中心に形成されている場合、そのコアは取り除かれて、フィラメントリムの挿入を促進することが好ましく、これは、それら自体を60ピック/2.54センチメートルで編組されたOrthocord(商標)#0縫合糸又は#2縫合糸など、典型的な縫合糸で形成されてもよい。特に複数の組織取り付け部又はアンカーが利用される場合、更なる利便性が、スリーブ上の知覚可能な表示器、例えば異なるマーク、色、直径、編組、若しくはデザインパターン、又は他の触覚的若しくは視覚的表示によって提供され得る。
【0044】
摺動式ノットは、Buntline Hitch、Tennessee slider、Duncan Loop、又はHangman’s Nooseを形成することを含むがそれに限定されない、当業者に既知の様々な技術を用いて、ループを画定するようにフィラメント内に形成され得る。
図7A及び7Bに示される通り、フィラメント50’は、概ね半分に潰され得、また中に形成される二重止め結び52’を有し得る。フィラメント50’の尾部54’、55’は、ノット52’を通されて、ループ56’を形成し得る。ノット52’は次に、当業者に既知の様々な技術を用いて、尾部54’、55’の周りで締め付けられて、潰された摺動式ノット52’を形成し得る。一例示的実施形態では、
図7Cに例示されるが、J方向の力が尾部54’、55’に印加されるときに、ループ56’が完全に潰されるのを防ぐために、ドエル51’又は他の物体がループ56’内に配置され得る。その結果、J方向の力が尾部54’、55’に印加されるとき、ノット52’は潰れ、ノット52’の片側から延在するループ56’とノット52’の他方の側から延在する尾部54’、55’とが得られる。
【0045】
ループ56’と尾部54’、55’とを有するフィラメント50’は、縫合糸管理カードに取着され得る。
図7D〜7Iは、フィラメント50’を第1の縫合糸管理カード10に連結する一例示的実施形態を例示する。
図7Dに示される通り、ループ56’は、フィラメント50’とカード10との間の初めの取着点を生成するように、突起30、32の周りに定置され得る。K方向の力が、
図7Eに示される通り、突起30、32の周りにループ56’を締め付けるように尾部54’、55’に印加され得る。ループ56’が締まると、フィラメント50’は、ループ56’が溝38内に着座し、かつノット52’が長手方向着座溝40に着座し、それによってフィラメント50’がこすれる又は擦り切れる危険性を低減するように操作され得る。
【0046】
図7Fに示される通り、尾部54’、55’は次に、スロット24内に配置され得る。尾部54’、55’はまず、第1の表面20から第2の表面22に向かって、第1のスロット24a内に配置される。一実施形態では、尾部54’、55’は、フィラメント50’がカード10の長手方向通路40と概ね一列になって延在するように、スロット24aの終端まで摺動される。
図7Gに示される通り、尾部54’、55’は次に、第2の表面22から第1の表面20に向かって、第2のスロット24b内に配置され得る。尾部54’、55’は、フィラメント50’が、長手方向通路40から概ね直線の構成にて延在し続けるように、スロット24bの終端まで摺動され得る。
【0047】
図7Hに示される通り、尾部54’、55’は、隆起した表面44に隣接して、かつそれの後方に延在し得、第3のスロット24c内へ通され得る。尾部54’、55’は再び第1の表面20から第2の表面22に向かって延在し、キャッチスロット46内に捕捉されないよう、またそれらが第3のスロット24cの第2のV字形状の部分24c
2を通りそれを越えるように、第3のスロット24cを通して操作され得る。
図7Iに示される通り、尾部54’、55’は、スロット24cの終端まで摺動され得、再びフィラメント50’が長手方向通路40から概ね直線の構成にて延在し続けることを可能にする。更に、フィラメント50’は隆起した表面44に隣接し、またその後方に配置されるため、隆起した表面44は、
図9に関して後述される通り、フィラメント50’のカード10からの意図しないオフロードを防止するのに効果的であり得る。フィラメント50’がカード10に連結された状態で、フィラメント50’及びカード10は、本明細書に含まれる記載に一致する様式で使用され得る。当業者であれば、フィラメントを縫合糸管理カードに関連付けるためのこれらの同じ工程が、縫合糸管理カード10’との使用のために適合され得ることを理解するであろう。
【0048】
図8〜11は、縫合糸管理カード10’の第2の例示的実施形態を例示する。この第2の縫合糸管理カード10’は、多数の第1の縫合糸管理カード10のものと類似の特徴を有する。それは、台形形状として示される通り、実質的に多角形形状を有し得、近位又は第1の端12’及び遠位又は第2の端14’、第1端12’と第2の端14’との間に延在する第1の側壁16’及び第2の側壁18’、並びに第1の表面20’及び第2の表面22’を有する(図示なし)。カード10’の寸法及び形状、並びにカード10’を作製するために使用される材料は、第1のカード10のものと実質的に同様であり得る。例えば、第2のカード10’の幅及び厚さは、カード10に関して説明されるものと同様の様式で、カード10’の本体の部分にわたって変化し得る。
【0049】
縫合糸管理カード10’はまた、縫合糸フィラメント50のループ52を開放して保持するための第1及び第2の突起30’、32、それに沿ってある長さのフィラメントループ52が配置され得る溝38’及びショルダ36’(図示無し)、その中に縫合糸フィラメント50内に形成されるノット56が配置され得る長手方向着座通路40’、ノット56から延在する縫合糸フィラメント50の自由リム54、55に張力を印加するための長手方向着座通路40’の遠位に配置される複数のスロット24’(24a’、24b’、24c’)、並びにスロット24’によって形成される第1及び第2の屈曲可能タング28’、29’を含む、縫合糸管理カード10と同様の多数の特徴を含み得る。カード10における特徴に類似したカード10’の追加の特徴としては、最後のスロット24c’から延在するフィラメントリム54、55を受容するための、第2の端14’の終端内に形成されるスロット42’(図示無し)、初めにアンカーに連結された後カード10’に戻るフィラメントリム54、55の遠位部分を受容するための、スロット42’の近位の開口26’、隆起した表面44’、キャッチスロット46’、ブーツノッチ48’、カード10’の第1の表面20’上に形成される隆起部49’、挿入ツールへのカード10’の挿入を助けるための第2の表面22’上に形成される及び突出部47’(図示無し)を含む、外科医がカードを用いるのを助ける特徴が挙げられる。これらの特徴の多くは、縫合糸管理カード10のそれらの等価の特徴と類似の構成を有するが、後述の通り異なるものもある。当業者であれば、これらの違いは、本開示の精神から逸脱することなく、2つの縫合糸管理カード10、10’又は他の類似の装置に互換的に組み込まれ得ることを理解するであろう。
【0050】
カード10’の第1の端12’内に形成され、かつ第1の端12’から斜めに第2の端14’に向かって延在する溝又はトラック38’は、これらの溝38’が第1の表面20’内へより深く延在するという点でカード10の溝38と異なる。隆起部及びボスは、縫合糸フィラメント50が走る経路に沿って含まれ、フィラメント50を溝38’から引き抜くこと、また誤ってループ52を突起30’、32’から引き抜くことをより困難にする。この構成は概して、外科医が、彼又は彼女の指を用いて溝38’内に配置されるフィラメント50に接近することを防止し、したがってフィラメント50は典型的には、取り出し閾値張力を超える力が印加され、ループ52を突起30’、32’から取り出した後でのみ、溝38’から脱する。カード10の溝38と同様に、溝38’は、長手方向着座溝40’と連通し、それは、縫合糸フィラメント50内に形成される摺動式ノット56を受容し得る。
【0051】
第2の縫合糸カード10’が第2の端14’内に形成される開口26’を含む一方、開口26’は、閉鎖した貫通穴というよりむしろ開放式スロットであるという点で開口26と異なる。図示される通り、開口26’は、第2の側壁18内に形成されるスロットであり、第1の側壁16に向かって延在し、かつ第1の側壁16と第2の側壁18との間の中心部分に僅かに足りずに終結する。
図16A〜16Dに関してより詳細に後述される通り、この設計は、フィラメントリム54、55の遠位部分が、フィラメントリム54、55の遠位部分を開口から引き抜くという別の動作をとることなく外科医によって容易に接近されうることを可能にする。
【0052】
第1の表面20’上に形成される隆起部49’は、カード10の隆起部49に類似した目的を果たす。それらは、カード10’上での外科医の把持を改善し得、また外科医が触覚フィードバックに基づいてカード10’の2つの側20’と22’との間の違いを容易に知る助けとなり得る。隆起部49’は、例示される実施形態では、遠位端14’に近づくにつれ長さが減少する3つの実質的に直線の溝を含む。
【0053】
外科医がカード10’を用いる助けとなるように設計される、また特に所望より早くカード10’から縫合糸フィラメント50の部分を分離することによってカード10’の誤使用を防止するのに役立つ特徴は、
図9〜11に具体的に例示される。
図9は、第2の屈曲可能タング29’上に配置される隆起した部分44’の利益を例示するのに役立つ。隆起した部分44’は、様々な形状を有し得るが、例示される実施形態では、第2のスロット24b’から第3のスロット24c’へと高さが増大するピラミッド形状の傾斜面である。隆起した部分49’は、約0.5〜約2ミリメートルの間で第1の表面20’に対して隆起し得、例示される実施形態では、隆起した部分44’の頂点の高さは約1ミリメートルである。図示される通り、張力が概ねA方向に印加されるとき、フィラメントリム54、55は、隆起部分44’が張力に抵抗するため、第3のスロット24c’を介してオフロードすることが防止される。代わりに、フィラメントリム54、55は、第3のスロット24c’の根元に接して保持される。
【0054】
図10は、縫合糸の不注意なオフロードを紡糸するのに役立つ縫合糸管理カード10’の別の特徴を例示する。この特徴は、第3のスロット24c’の進入路から延在するカード10’の本体内に形成されるキャッチスロット46’である。図示される通り、キャッチスロット46’は、第3のスロット24c’の第1の部分24c
1’から、第2の側壁18’(図示無し)に向かって、かつ第3のスロット24c’のV字形状の第2の部分24c
2’の底部の内側へと延在する。外科医が、フィラメントリム54、55を、第1の表面20’を超えて、本体の第2の表面22’(図示無し)からその周りに持ってきて、図示の通りフィラメントリム54、55へ概ねB方向に張力が印加されると、キャッチスロット46’は、フィラメントリム54、55を捕捉し、印加された張力を吸収するように設計される。キャッチスロット46’が存在しなければ、力は、フィラメントリム54、55がV字形状の第2の部分24c
2’を超えて、その中にフィラメントリム54、55が配置される第3のスロット24c’の第3の部分24c
3’まで摺動することを可能にし、次にフィラメントリム54、55は第3のスロット24c’から取り外され得る可能性がある。キャッチスロット46’の長さは、カードの他の特徴の大きさ、フィラメントの寸法、並びにカード及び縫合糸が使用される手順の種類に少なくとも部分的に依存し得るが、一例示的実施形態では、キャッチスロット46’の長さは、約0.5ミリメートル〜約3ミリメートルの範囲であり、また一実施形態では約1ミリメートルである。
【0055】
図11は、縫合糸の不注意なオフロードを防止するのに役立つように設計される、縫合糸管理カード10’の第3の特徴を例示する。この特徴は、第2の屈曲可能タング29’の第1の側壁16’内に形成されるブーツノッチ48’である。ノッチ48’は、様々な形状を有し得るが、図示される通り実質的に三角形形状である。ブーツノッチ48’は、フィラメントリム54、55が第2の表面22’(図示無し)から第1の表面20’へと周って持ってこられるときに、不注意なオフロードを防止するように設計される。より具体的には、ブーツノッチ48’が存在しなければ、フィラメントリム54、55がこの様式で持ってこられるときに、それらは第2の屈曲可能タング29’をフィラメントリム54、55が第3のスロット24c’から外れることを可能にする距離分、屈曲させるのに十分な力を概ねC方向に提供し得る。しかしながら、フィラメントリム54、55がブーツノッチ48’によって捕捉される場合、ノッチ48’が、タング29’が屈曲するときに、フィラメントリム54、55をそれらが空隙を完全に跨いで外れる前に捕捉し得るため、タング29’は概して、不注意なオフロードを引き起こすのに十分な程屈曲することができない。
【0056】
図12は、挿入ツール80のハンドル90内に配置される第2の縫合糸管理カード10’を例示する。カード10’は、非限定的な例として、カード10’がハンドル90内に適切に位置されたことの保証を提供するようなスナップ嵌め中の聴覚フィードバックを伴うこと等を含む、カード10と同様の様式でハンドル90内に挿入され得る。図示される通り、カード10’の開放式スロット26’は、カード10’がハンドル90から取り外されるときに、その中に配置されたフィラメントリム54、55がスロット26’によって押し出されて、外科医による使用のために用意に利用可能となるように、ハンドル90から外へ面し得る。
【0057】
図示される通り、ハンドル90は、第1及び第2の縫合糸受容スロット94、95を含む。スロット94、95は多数の異なる形状及び構成を有し得る一方、例示される実施形態では、第1のスロット94は、比較的固定された幅及び深さを有し、また概して、フィラメントリム54、55がまずカード10’から出て、第2の端14’内に形成されたスロット42’(図示無し)を通り、アンカーに向かって通過する際に、それらを受容するように構成される。それに加えて、スロット94はまた、フィラメントリム54、55が、リム54、55が連結されるアンカーからハンドル90に向かって近位に延在した後、それらを受容し得る。例示される実施形態では、初めはアンカーに向かって延在するリム54、55はスリーブによって封入されないが、ハンドル90に向かって戻って延在するリム54、55は、スリーブ58によって封入される。スロット94の比較的固定された幅は概して、その中に配置されるフィラメントリム54、55が、それを通って緩んで延在するが、スロット94によって定位置に保持されないために十分な幅であり得る。一例示的実施形態では、スロット94の幅は、約2ミリメートル〜約5ミリメートルの範囲であり、また一実施形態では、幅は約3ミリメートルであるのに対し、深さは約4ミリメートル〜約10ミリメートルの範囲であり、また一実施形態では、深さは約6ミリメートルである。長さは概して、ハンドルスロット92からハンドル90の末端までの長さであり、それは一例示的実施形態では、約0.5センチメートル〜約3センチメートルの範囲であり、また一実施形態では、約1.2センチメートルである。
【0058】
第2の縫合糸受容スロット95は、それが、アンカーの埋め込み中にカード10’がハンドル90内に配置されるときに、スリーブ58と係合してそれを定位置に保持し、またカード10’がハンドル90から取り外されるときに、スロット95からスリーブを剥ぎ取るのに役立つように構成される、挟持点99を含むという点で、第1のスロット94と異なる。挟持点99は、スロット95の低減された深さ及び幅を有する一部分によって画定される。したがって、第2のスロット95の遠位端95dが、第1のスロット94のものに類似した深さ及び幅を有し得る一方、一実施形態では、深さは、挟持点99の両側にてより浅くなり得る。深さは、その中に配置される縫合糸フィラメントが、それに接して擦り切れる又はこすれる鋭利なエッヂを有さないように、漸進的に減少し得る。同様に、スロット95の、特に挟持点99における幅は、スリーブ58が実際に挟持点99によって把持され得るように、より小さくなる。図示される通り、挟持点99に関連付けられる幅は、漸進的に小さくなり得るが、ただし第2のスロット95の深さにおける減少は、スロット95の幅における減少と必ずしも一致しなくてよい。挟持点99の幅は、アンカー挿入中にスリーブ58を定位置に保持するが、カード10’が引き抜かれるのと同時に、リムスリーブ58がハンドル90から引き抜かれることを可能にするようであり得る。一例示的実施形態では、挟持点99の最小幅は、約0.25ミリメートル〜約0.5ミリメートルの範囲であり、また一実施形態では、約0.3ミリメートルであるのに対し、挟持点99の最小深さは、約2ミリメートル〜約5ミリメートルの範囲であり、また一実施形態では、約3ミリメートルである。例示される実施形態では、挟持点99に先行する第2のスロット95の長さは、第1のスロット全体の長さとほぼ同じであるが、一方挟持点99は、約0.5センチメートル〜約2センチメートルの範囲である長さをスロットに付加し、また一例示的実施形態では、約0.8センチメートルである長さをスロットに付加する。
【0059】
ハンドル90は、外科手順中に外科医にとって概して有用な任意の寸法及び形状を有し得る。一例示的実施形態では、ハンドル90は、例えば、約2.5センチメートル等の約1.5センチメートル〜約4センチメートルの範囲の直径と、例えば、約12センチメートル等の約8センチメートル〜約16センチメートルの範囲の長さを有する、実質的に円筒形である。ハンドル80は、例えば、ポリマー又は金属等の医療用装置挿入ツールに典型的に使用される材料から作製され得る。一例示的実施形態では、ハンドル80は、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)等の熱可撓性樹脂から作製される。
【0060】
挿入ツール80のシャフト82は、ハンドル90から遠位に延在し得、また概して細長くあり得る。シャフト82の遠位端82dは、縫合糸フィラメント50が連結されるアンカー100に噛合するように構成され得る。
図13の例示される実施形態では、シャフトの遠位端82dの末端部分は、縫合糸アンカー100を受容するための低減された円周を含む。所望により、溝84が、フィラメント50をアンカー100の穴102内へと誘導するのを助け、また同様にフィラメント50を意図しない擦り切れ又はこすれから保護するために、遠位端82d内に形成され得る。図示される通り、溝84は、遠位に延在するにつれて深さが増大し、アンカー100に連結するシャフト82の低減された円周部分内へと延在する。溝84の深さは、その中に配置されるであろうフィラメント50の寸法に依存し得、当業者は、システムの他の構成要素及び実施される外科手順の種類に基づいて、望ましい深さを決定し得る。シャフト82の長さも同様に、システムの他の構成要素及び実施される外科手順の種類に依存し得るが、一実施形態では、シャフト82の長さは、約18センチメートル〜約30センチメートルの範囲であり、また一実施形態では約24センチメートルである。任意の数の材料が、シャフト82を形成するために使用され得、生体適合性材料及び金属が挙げられる。幾つかの例示的実施形態では、シャフト82はステンレス鋼又はチタンで作製される。
【0061】
当業者であれば、様々な縫合糸アンカーの種類が、本明細書に提供されるシステムと共に使用され得ることを理解するであろう。例えば、
図14A及び14Bに例示されるもの等の幾つかの実施形態では、アンカー100は、DePuy Mitek,LLCから市販されるGryphon(商標)アンカーであり得る。アンカー100は、例えば、ねじ山等の、アンカーが骨内に固定して配置されることを可能にする1つ又は2つ以上の噛合特徴と、近位端内に形成され、かつ実質的にそこを通って延在する穴102と、縫合糸フィラメント50を受容するために遠位端に配置される遠位係合特徴104とを含み得る。図示される通り、リム54、55は、スリーブ58内に配置され、ツール80のシャフト82から遠位に離れ、溝84内へ、アンカー100の穴102内へ入りそれを通り、フィラメント係合特徴104を周り、穴102を通って戻り、溝84内へ戻り、アンカー100から出て、最終的にツール80のシャフト82の近位へハンドル90に向かって延在し得る。上述の通り、カード10’から延在するリム54、55は、アンカー100へ進入する前にスリーブ58’内に封入され得、少なくとも縫合糸フィラメント管理を助ける。
【0062】
一例示的実施形態では、
図15に例示されるが、アンカー100と、それに取着されたスリーブ58内に配置される縫合糸フィラメントリム54、55とは、骨108内へと挿入され、フィラメントリム54、55はアンカー100から組織106を通って延在し、より詳細に後述される通り、骨108へと引っ張られることとなる。
【0063】
アンカー100が手術部位内へ挿入された後、縫合糸管理カード10、10’は、ハンドル90から取り外され得、また挿入ツール80は、手術部位から取り外され得る。ハンドル90、縫合糸管理カード10’、及び縫合糸フィラメント50の構成は、
図16Aに例示される。図示される通り、カード10’は、ハンドル90内に配置され、露出したフィラメントリム54、55及びスリーブ58によって封入されたリム54、55の部分は、第1の縫合糸受容スロット94内に配置され、またスリーブ58は、第2の縫合糸受容スロット95内に配置される。より具体的には、リム54、55は、第2の端14’の第2の表面22’内に形成されるスロット42’を通過し、受容スロット94を通り、かつアンカー100に向かうことによってカード10’から延在し、スリーブ58は、ハンドル90とアンカー100との間の幾つかの地点にてリム54、55を封入する。スリーブ58は、アンカー100に連結され、次にハンドル90に向かって延在して戻る。図示される通り、スリーブ58は、受容スロット94へ進入し、スロット42’を通過してカード10’の開口26’内へと入り、次に受容スロット94と第2の縫合糸受容スロット95との間に配置される開口95oを通って延在する。
【0064】
図16B及び16Cに図示される通り、外科医は、カード10’からハンドル90を持ち上げて外し、それによってハンドル90内に配置されるスリーブ58をハンドル90から引っ張り得る。開放式スロット26’は、スリーブ58の遠位部分を持ち上げ、またスリーブ58を挟持点99から係合解除するのに十分な張力を、挟持点99において配置されたスリーブ58の部分に印加する。挟持点99の設計は、カード10’がハンドル90から取り外されるときに、スロット95からスリーブ58を剥ぎ取るのに役立つようにされる。スロット26’は、開放端部を有し、スリーブ58の遠位部分は、カード10’から外れ得る。
図16Dに示される通り、カード10’がハンドル90から完全に取り外された状態で、スリーブ58内に配置される自由リム54、55は、開放式スロット26’から外れて落ち、また第3のスロット24c’から延在する自由リム54、55が、外科医によって容易に特定可能となる。修復は、スリーブが自由リム54、55に周りに配置されたままの状態で継続し得、又は別の方法として、取り外され得、4つの自由リム54、55が修復を完了するために使用され得る。
【0065】
図17A〜17Iは、アンカーが埋め込まれ、縫合糸管理カードが挿入ツールから取り外された後に実施するための次の工程を例示する。これらの図は第1の縫合糸管理カード10を参照して工程を説明しているが、これらの工程は、第2の縫合糸管理カード10’にも等しく適用可能である。
【0066】
図17Aに示される通り、スリーブ58内に配置されるフィラメントリム54、55の遠位部分は、潰せるループ52によって画定される開口を通され得る。スリーブ58は次に、ループ52の上に潰され、その結果、
図17Bに示される通り、概ねD方向にループ52に力を印加し得る。スリーブ58によって印加される力が取り出し閾値張力を超えると、ループ52は、
図17Cに例示される通り伸張して最終的にカード10から外れ得、一方ノット56から延在するリム54、55は、張力に抵抗してスロット24内に残り得る。
図17Dに示される通り、概ねD方向におけるスリーブ58の遠位部分への潰し閾値張力を超過する量の力の印加は、カード10からループが取り出された後、スリーブ58の遠位部分に向かって摺動式ノット56を引っ張り得、即ちループを引き締め得る。再び、ノット56から延在するリム54、55は、スロット24に対して実質的に同じ位置に残り得る。ノット26をスリーブ58の遠位部分に向かって引っ張るのは、スロット24内に配置されるリム54、55によって生成される抵抗である。
図17Eに示される通り、力は最終的に、ノット56が、スリーブ58によって力が印加される場所に行き着くまで摺動するようにする。
【0067】
ひとたびノット56がスリーブ58に隣接し、したがってループ52が完全に潰れると、張力が異なる方向にスリーブ58によって印加され得、フィラメント50の残りの部分をカード10からオフロードするのに役立つ。
図17Fに示される通り、力が概ねE方向に印加されて、第1のスロット24aからフィラメントリム54、55を除去し得る。同様に、
図17Gに示される通り、力が概ねF方向に印加されて。第2のスロット24bからフィラメントリム54、55を除去し得る。例示される実施形態では、隆起したセクション44は傾斜しているため、ループ52はもはや突起30、32上に装着されず、隆起したセクション44は、ループ52がカード10から取り出される前のようにはオフロードを困難にしない。更に、
図17Hに示される通り、力が印加されて、フィラメントリム54、55を第3のスロット24cから除去し得る。第3のスロット24cはV字形状の第2の部分24c
2を含むため、力は典型的には、縫合糸リム54、55を、V字形状の部分の頂点まで上げて、かつそれを超えさせ、次に第3のスロット24cの残りの部分から外すために、1つ又は2つ以上の方向にて印加される必要があるであろう。ひとたび縫合糸フィラメント50が縫合糸管理カード10完全に取り外されると、
図17Iに示される通り、カード10は、廃棄される又は別の縫合糸で使用のために再びロードされ得、一方縫合糸フィラメント50は、軟組織修復を完了するために使用され得る。
【0068】
図18Aに示される通り、縫合糸フィラメント50が縫合糸管理カードから分離した状態で、アンカー100とフィラメント50との組み合わせは、軟組織修復を完了するために使用され得る。摺動式ノット56がスリーブ58の遠位部分に接して引き締められる場所に、輪状ループ57が形成される。図示される通り、引き締められたループ57は、アンカー100の遠位係合特徴104の周りで、引き締められたループ57の片側から遠位に延在する新規のループ59を画定する。フィラメントリム54、55の終端は、引き締められたループ57の他方の側から近位に延在し、図示の通り依然スリーブ58内に配置され得る。
【0069】
図18Bに示される通り、概ねG方向引っ張ることによって張力がスリーブ58に印加され得、それにより、引き締められたループ57が、腱106に隣接するまでジップライン様方式にて腱106に向かって遠位に摺動させ得る。
図18Cに示される通り、スリーブ58は、取り外されることが可能であり、それによって第1及び第2のリム54、55を露出し得る。リム54、55は次に、
図18Dに例示されるように、引き締められるか、乃至は別の方法で一緒に結ばれて、引き締められたループ57の、したがって腱106の場所を骨108に対して固定する助けとなり得る。例示される実施形態において、第1及び第2の肢部54、55を使用して、外科医によって半ヒッチ結び109が形成される。第2の半ヒッチ結びは、第1の半ヒッチ結び109の場所を、またこれによりループ59と腱106とを固定するように形成され得る。
【0070】
例示される実施形態では、構造体は腱106の2つの部分を通されるが、別の方法としては、構造体は、腱又は組織の1つの部分のみを通され得、一方構造体の第2の部分は、腱又は組織から自由であり得る。そのような実施形態は、例えば、上唇修復中に使用され得る。2つの端のうちのどちらかは、腱又は組織を通されない端であり得るが、ただし幾つかの例示的実施形態では、ノットを有さず、かつカードから延在する端が、腱又は組織を通されない端ではない。更に、幾つかの実施形態では、組織に通すよりもむしろ、修復構造体は、例えば、構造体を組織の周囲に包むことによって等、他の技術を用いて組織に連結され得る。
【0071】
上記に述べた実施形態に基づく本発明の更なる特徴及び利点は、当業者には認識されるところであろう。したがって、本発明は、付属の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、具体的に図示及び説明した内容によって限定されるものではない。更に、本明細書において提供される構造体及び方法は、一般に、外科的技術を対象とするが、構造体及び方法の少なくともいくつかは、外科的分野以外の用途で使用され得る。本明細書に引用される全ての刊行物及び文献は、それらの全容を本明細書に明示的に援用するものである。
【0072】
〔実施の態様〕
(1) 外科用縫合糸管理装置であって、
縫合糸の潰せるループを開放して保持するように構成される縫合糸ループ管理カードを備え、前記縫合糸管理カードが、
前記カードの長さを画定する第1の端及び第2の端と、
前記第1の端と第2の端との間に延在し、かつ前記カードの幅を画定する、第1及び第2の側壁と、
前記カードの厚さを画定する第1及び第2の表面と、
前記カード内に形成され、かつ前記第1の端と第2の端との間に配置される、複数の隣接するスロットであって、各スロットが、前記第1の側壁から前記第2の側壁へ向かって延在し、かつ前記縫合糸の1つ又は2つ以上のリム(limbs
(すなわち、延長部分))の一部分を受容するように構成される、スロットと、を有する、外科用縫合糸管理装置。
(2) 本体の前記第2の端内に形成され、かつ前記縫合糸の1つ又は2つ以上のリムの遠位部分を受容するように構成される、開口を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記第1の端が、前記ループに印加される力が閾値張力を超えるまで、前記縫合糸の前記潰せるループを開放して保持するように構成される、第1及び第2の突起を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記第1の端が、前記カードの前記第1の表面内に形成される対向する一対の着座溝を更に備え、各着座溝が、前記第1の端から前記第2の端へ向かって斜めに延在し、前記着座溝が、前記第1の側壁と第2の側壁との間の実質的に中心である頂点で合流し、かつ前記カードの前記第1の表面内に形成される長手方向着座溝と連通し、前記着座溝が、その中に、ある長さの前記潰せるループを受容するように構成され、前記長手方向着座溝が、前記潰せるループの摺動式ノットを受容するように構成される、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記複数のスロットが、第1のスロット及び第2のスロットを備え、前記第1及び第2のスロットが、互いに実質的に平行であり、かつ前記カードの前記長さを延在する長手方向軸に実質的に垂直であり、前記第1及び第2のスロットが、前記第1の側壁と第2の側壁との間の実質的に中心である場所にて終結し、前記第2のスロットが、前記第1のスロットより前記第2の端に近接して配置される、実施態様1に記載の装置。
【0073】
(6) 前記複数のスロットが、前記第2のスロットより前記第2の端に近接して配置される第3のスロットを更に備え、前記第3のスロットが、前記第1の側壁から延在する第1の部分と、前記第1の部分に隣接し、かつ前記第1の部分と連通する第2の部分であって、前記第1の端の方を向く頂点を有する実質的にV字形状である、第2の部分と、前記第2の部分に隣接し、かつ前記第2の部分と連通する第3の部分であって、前記第1及び第2のスロットに実質的に平行である、第3の部分と、を有する、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記本体内に形成されるキャッチスロットを更に備え、前記キャッチスロットが、前記第3のスロットの前記第1の部分から、前記第2の側壁に向かって、かつ前記V字形状の第2の部分の底部の内側へ延在する、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記第2のスロットと第3のスロットとの間で、前記第1の側壁内に形成されるノッチを更に備える、実施態様6に記載の装置。
(9) 前記第2のスロットと第3のスロットとの間で、前記本体の前記第1の表面上に形成される隆起した表面を更に備える、実施態様6に記載の装置。
(10) 前記本体の前記第2の表面上に形成され、かつ挿入ツールの相補的な保持特徴に係合して、前記挿入ツールへの前記装置の取着を固定するように構成される、突出部を更に備える、実施態様1に記載の装置。
【0074】
(11) 中に形成される摺動式ノットを有する縫合糸を更に備え、前記摺動式ノットが、その片側に、潰せるループを、またその他方の側に、第1及び第2の自由リムを有し、
前記潰せるループが、前記縫合糸管理カードの前記第1の端によって開放して保持され、
前記第1及び第2の自由リムが、前記複数の隣接するスロット内に配置される、実施態様1に記載の装置。
(12) 外科用インプラントシステムであって、
ハンドルと、前記ハンドルから遠位に延在するシャフトとを有するインプラント挿入装置であって、前記ハンドルが、その中に形成され、かつ縫合糸管理カードを受容するように構成されるスロットを有し、前記シャフトが、外科用インプラントと係合するように構成される遠位端を有する、インプラント挿入装置と、
摺動式ノットによって画定される、潰せるループと、前記潰せるループの反対側の前記摺動式ノットの側に延在する第1及び第2の自由リムとを有する、縫合糸と、
前記ループに印加される力が閾値張力を超えるまで前記潰せるループを開放して保持するように構成され、かつ選択的に前記ハンドルの前記スロット内に挿入され、そこから取り外されるように構成される、縫合糸管理カードと、を備え、
前記縫合糸管理カードが、前記ハンドルの前記スロットから取り外されるときに、前記縫合糸の前記第1及び第2の自由リムが接近可能になり、かつ前記縫合糸管理カードによって開放して保持された前記潰せるループの開口を通して配置されることが可能であり、その結果前記潰せるループに力を印加するように構成される、外科用インプラントシステム。
(13) 前記縫合糸管理カードが、
前記ループに印加される力が前記閾値張力を超えるまで、前記潰せるループを開放して保持するように構成される、第1の端と、
中に形成された開口を有し、前記第1及び第2の自由リムの遠位部分を受容するように構成される、第2の端と、
前記第1の端と第2の端との間に延在する第1及び第2の側壁と、を更に備える、実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記第2の端に形成される前記開口が、前記第2の側壁から前記第1の側壁に向かって延在し、前記第1の側壁より前に終結する、実施態様13に記載のシステム。
(15) 前記ハンドルが、その遠位端に形成される第1及び第2の縫合糸受容スロットを備え、前記第1及び第2の縫合糸受容スロットが、前記第1及び第2の自由リムを受容するように構成される、実施態様12に記載のシステム。
【0075】
(16) 前記第2の縫合糸受容スロットが、その一部分内に形成され、かつ前記縫合糸管理カードが前記ハンドル内に配置されるときに、前記第1及び第2の自由リムを両側から係合するように構成される、挟持点を備え、前記挟持点が、前記縫合糸管理カードが前記ハンドル内に形成される前記スロットから取り外されるときに、前記第1及び第2の自由リムを解放するように構成される、実施態様15に記載のシステム。
(17) 近位端及び遠位端を有する外科用インプラントを更に備え、前記近位端が、その中に形成され、かつ前記シャフトの前記遠位端に連結する穴を有し、前記遠位端が、前記第1及び第2の自由リムを受容するように構成されるフィラメント係合特徴を有し、前記第1及び第2の自由リムが、前記外科用インプラントの前記近位端の前記穴を通り、前記外科用インプラントの前記フィラメント係合特徴を周り、前記外科用インプラントの前記近位端の前記穴を通って戻り配置される、実施態様12に記載のシステム。
(18) 外科的方法であって、
縫合糸が連結された縫合糸アンカーを、挿入ツールを用いて手術部位に埋め込むことであって、前記挿入ツールが、その一部分内に取り外し可能に配置される縫合糸管理カードと、前記縫合糸管理カードによって開放して保持される前記縫合糸の潰せるループと、を有し、前記潰せるループが、前記縫合糸内に形成される摺動式ノットによって画定される、ことと、
前記縫合糸管理カードを前記ハンドルから取り外すことと、
前記摺動式ノットの前記潰せるループの反対の側に配置された前記縫合糸の自由リムを把持することと、
前記自由リムの遠位端を、前記縫合糸管理カードによって維持される前記潰せるループの開口内に位置付けることと、
前記潰せるループを前記縫合糸管理カードから係合解除するのに十分な力を前記自由リムに印加することと、
前記自由リムを前記縫合糸管理カードから切り離すことと、
組織を骨に固定するように、前記自由リムに張力を印加して、前記摺動式ノットを前記手術部位に向かって潰すことと、を含む、方法。
(19) 前記縫合糸アンカーの埋め込み中に、前記縫合糸管理カードを前記挿入ツール内に挿入して、前記自由リムの遠位部分を前記挿入ツール内に固定することを更に含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記自由リムを前記縫合糸管理カードから切り離すことが、前記縫合糸管理カードの側壁に概ね垂直の方向に、前記自由リムに張力を印加して、前記縫合糸管理カードの1つ又は2つ以上の抵抗特徴から前記自由リムを自由にすることを更に含む、実施態様18に記載の方法。