特許第6461510号(P6461510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6461510オーディオアンプ用の電源回路、電子機器、オーディオアンプへの電源電圧の供給方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6461510
(24)【登録日】2019年1月11日
(45)【発行日】2019年1月30日
(54)【発明の名称】オーディオアンプ用の電源回路、電子機器、オーディオアンプへの電源電圧の供給方法
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/30 20060101AFI20190121BHJP
   H03F 3/181 20060101ALI20190121BHJP
   H03F 1/32 20060101ALI20190121BHJP
【FI】
   H03F1/30 220
   H03F3/181
   H03F1/32
【請求項の数】23
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-160591(P2014-160591)
(22)【出願日】2014年8月6日
(65)【公開番号】特開2016-39451(P2016-39451A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 武徳
【審査官】 石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−223132(JP,A)
【文献】 特開平08−032368(JP,A)
【文献】 特開2011−188447(JP,A)
【文献】 特開2005−236831(JP,A)
【文献】 特開2003−164141(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0210545(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/133170(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/101905(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/00− 3/72
H03G 1/00− 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ信号を増幅するオーディオアンプに電源電圧を供給する電源回路であって、
その出力が前記オーディオアンプへの前記電源電圧の供給経路である電源ラインと接続され、前記電源電圧に応じたフィードバック信号が基準信号と一致するように、前記電源電圧を安定化させる電源部と、
前記オーディオ信号に応じた補正信号を、前記基準信号またはフィードバック信号に重畳する補正回路と、
を備え、
前記補正回路は、前記オーディオ信号に含まれる変動成分であって、前記オーディオアンプがそれを増幅した結果、過渡的に前記電源電圧を降下させる変動成分のみを抽出し、当該変動成分に応じて前記補正信号を生成するよう構成されことを特徴とする電源回路。
【請求項2】
前記電源部は正電源であり、
前記変動成分は、前記オーディオアンプにソース電流を発生させる前記オーディオ信号の成分を含むことを特徴とする請求項に記載の電源回路。
【請求項3】
前記電源部は負電源であり、
前記変動成分は、前記オーディオアンプにシンク電流を発生させる前記オーディオ信号の成分を含むことを特徴とする請求項に記載の電源回路。
【請求項4】
前記補正回路は、前記オーディオ信号を整流することにより、前記補正信号を生成することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の電源回路。
【請求項5】
前記オーディオアンプは、シングルエンド形式の出力段を有し、
前記補正回路は、前記オーディオ信号を半波整流する整流回路を含むことを特徴とする請求項に記載の電源回路。
【請求項6】
前記オーディオアンプは、BTL形式の出力段を有し、
前記補正回路は、前記オーディオ信号を全波整流する整流回路を含むことを特徴とする請求項に記載の電源回路。
【請求項7】
前記補正回路は、前記オーディオ信号の所定の帯域を抽出するフィルタを含むことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の電源回路。
【請求項8】
前記補正回路は、前記補正信号の振幅を調節可能に構成されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の電源回路。
【請求項9】
前記補正回路は、前記補正信号の極性を反転する反転回路を含むことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の電源回路。
【請求項10】
前記補正回路は、前記補正信号の極性を反転する状態と、反転しない状態と、が切りかえ可能に構成されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の電源回路。
【請求項11】
前記電源部は、
前記基準信号を生成する基準電圧源と、
前記電源電圧に応じた前記フィードバック信号を生成するフィードバック回路と、
前記フィードバック信号と前記基準信号の誤差を増幅する誤差増幅器と、
前記誤差増幅器が生成する誤差信号に応じた前記電源電圧を生成する出力部と、
を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の電源回路。
【請求項12】
前記補正回路は、前記補正信号と前記基準信号を分圧する分圧回路を含み、前記分圧回路の出力を、前記誤差増幅器に供給することを特徴とする請求項11に記載の電源回路。
【請求項13】
前記基準電圧源は、可変電圧源であり、
前記補正回路は、前記補正信号に応じて、前記可変電圧源が生成する前記基準信号を変化させることを特徴とする請求項11に記載の電源回路。
【請求項14】
前記補正回路は、前記補正信号を前記フィードバック回路に結合することを特徴とする請求項11に記載の電源回路。
【請求項15】
前記出力部は、その一端が電源ラインと接続され、その制御端子に前記誤差信号が入力される出力トランジスタを含むことを特徴とする請求項11から14のいずれかに記載の電源回路。
【請求項16】
前記出力部は、
スイッチング素子を含み、その出力が前記電源ラインと接続されるスイッチング電源と、
前記誤差信号にもとづいてデューティ比が調節されるパルス信号を生成し、前記パルス信号に応じて前記スイッチング素子を駆動するコントローラと、
を含むことを特徴とする請求項11から14のいずれかに記載の電源回路。
【請求項17】
オーディオ信号を増幅するオーディオアンプに電源電圧を供給する電源回路であって、
その出力が前記オーディオアンプへの前記電源電圧の供給経路である電源ラインと接続され、前記電源電圧に応じたフィードバック信号が基準信号と一致するように、前記電源電圧を安定化させる電源部と、
前記オーディオ信号に含まれる変動成分であって、前記オーディオアンプがそれを増幅した結果、過渡的に前記電源電圧を降下させる変動成分のみを抽出し、当該変動成分に応じた補正電流を、前記電源ラインにソースする補正回路と、
を備えることを特徴とする電源回路。
【請求項18】
オーディオ信号を増幅するオーディオアンプに電源電圧を供給する電源回路であって、
その出力が前記オーディオアンプへの前記電源電圧の供給経路である電源ラインと接続され、前記電源電圧に応じたフィードバック信号が基準信号と一致するように、前記電源電圧を安定化させる電源部と、
前記基準信号を生成する可変電圧源と、
前記オーディオ信号に含まれる変動成分であって、前記オーディオアンプがそれを増幅した結果、過渡的に前記電源電圧を降下させる変動成分のみを抽出し、当該変動成分に応じて、前記可変電圧源が生成する前記基準信号を変化させる補正回路と、
を備えることを特徴とする電源回路。
【請求項19】
ひとつの半導体基板上に一体集積化されることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の電源回路。
【請求項20】
電気音響変換素子と、
オーディオ信号を増幅し、前記電気音響変換素子を駆動するオーディオアンプと、
前記オーディオアンプに電源電圧を供給する請求項1から19のいずれかに記載の電源回路と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項21】
オーディオ信号を増幅するオーディオアンプに電源電圧を供給する方法であって、
前記電源電圧に応じたフィードバック信号を生成するステップと、
前記フィードバック信号が基準信号と一致するように、前記電源電圧をフィードバック制御するステップと、
前記オーディオ信号に含まれる変動成分であって、前記オーディオアンプがそれを増幅した結果、過渡的に前記電源電圧を降下させる変動成分のみを抽出するステップと、
前記変動成分に応じた補正信号を、前記フィードバック信号および前記基準信号の少なくとも一方に重畳するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項22】
オーディオ信号を増幅するオーディオアンプに電源電圧を供給する方法であって、
前記電源電圧に応じたフィードバック信号を生成するステップと、
前記フィードバック信号が基準信号と一致するように、前記電源電圧をフィードバック制御するステップと、
前記オーディオ信号に含まれる変動成分であって、前記オーディオアンプがそれを増幅した結果、過渡的に前記電源電圧を降下させる変動成分のみを抽出するステップと、
前記変動成分に応じた補正電流を、電源ラインを介してオーディオアンプに流し込むステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項23】
オーディオ信号を増幅するオーディオアンプに電源電圧を供給する方法であって、
前記電源電圧に応じたフィードバック信号を生成するステップと、
前記フィードバック信号が基準信号と一致するように、前記電源電圧をフィードバック制御するステップと、
前記オーディオ信号に含まれる変動成分であって、前記オーディオアンプがそれを増幅した結果、過渡的に前記電源電圧を降下させる変動成分のみを抽出するステップと、
前記変動成分に応じて、前記基準信号を、前記電源電圧の目標レベルを基準として変化させるステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ信号を増幅するオーディオアンプに電源電圧を供給する電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートホン、タブレット端末、携帯電話端末、ノート型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラをはじめとする多くの電子機器が、オーディオ再生機能を備える。
【0003】
図1は、オーディオ再生機能を備える電子機器100rのブロック図である。電子機器100rは、スピーカ102あるいはヘッドホンなどの電気音響変換素子と、オーディオアンプ104と、オーディオアンプ104に電源電圧VDDを供給する電源回路200rと、を備える。
【0004】
電源回路200rは、たとえばシリーズレギュレータ(リニアレギュレータ)であり、出力トランジスタM1、抵抗R1、R2、誤差増幅器204、基準電圧源210を備える。電源回路200rの出力電圧VDDは、VREF×(1+R1/R2)を目標レベルとして安定化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第11/083758号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
理想電圧源の出力インピーダンスは実質的にゼロであり、負荷電流IDDの変動にかかわらず、出力電圧VDDを一定に保つことができる。しかしながら現実に用いられる電源回路200rはある程度の出力インピーダンスを有しており、負荷電流IDDに応じて、出力電圧VDDにリップルや定常的な電圧降下が生ずる。
【0007】
出力電圧VDDの変動によって、オーディオアンプ104のダイナミックレンジが狭くなると、歪みの原因となる。また出力電圧VDDの変動により、オーディオアンプ104に内蔵される低電圧保護回路や過電流保護回路が誤動作すると、音途切れの原因となる。これらはいずれも、高音質が要求されるオーディオセットの品位を落とす要因となる。
【0008】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、オーディオアンプの音質劣化を抑制可能な電源回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様は、オーディオ信号を増幅するオーディオアンプに電源電圧を供給する電源回路に関する。電源回路は、その出力がオーディオアンプへの電源電圧の供給経路である電源ラインと接続され、電源電圧に応じたフィードバック信号が基準信号と一致するように、電源電圧を安定化させる電源部と、オーディオ信号に応じた補正信号を、基準信号またはフィードバック信号に重畳する補正回路と、を備える。
【0010】
オーディオアンプの動作電流、つまり電源回路の負荷電流は、オーディオアンプが増幅するオーディオ信号に応じた波形を有する。この態様によれば、オーディオ信号に応じた補正信号を、負荷電流の変動を抑制するように電源部にフィードフォワードすることにより、電源電圧の安定性を高めることができ、ひいては、音質を改善できる。
【0011】
補正回路は、オーディオ信号から変動成分を抽出し、変動成分に応じて補正信号を生成してもよい。変動成分とは、オーディオアンプが変動成分を増幅した結果、過渡的に電源電圧を降下させる信号成分をいう。
【0012】
電源部は正電源であってもよい。変動成分は、オーディオアンプにソース電流を発生させるオーディオ信号の成分を含んでもよい。
オーディオアンプが負荷である電気音響素子に電流を吐き出す(ソース)ときに、その電流(ソース電流)は、正側の電源部から供給されるが、電源部からの供給電流とオーディオアンプのソース電流に差が生ずると、差分電流によって電源部の出力キャパシタが充放電されることとなり、このときに電圧変動が発生する。この態様によれば、ソース電流に起因する上側の電源電圧のドロップをキャンセルできる。
【0013】
電源部は負電源であってもよい。変動成分は、オーディオアンプにシンク電流を発生させるオーディオ信号の成分を含んでもよい。
オーディオアンプが負荷である電気音響素子に電流を吸い込む(シンク)ときに、その電流(ソース電流)は、負側の電源部に流れ込むが、電源部からの供給電流とオーディオアンプのシンク電流に差が生ずると、差分電流によって電源部の出力キャパシタが充放電されることとなり、このときに電圧変動が発生する。この態様によれば、シンク電流に起因する下側の電源電圧のドロップをキャンセルできる。
【0014】
補正回路は、オーディオ信号を整流することにより、補正信号を生成してもよい。
【0015】
オーディオアンプは、シングルエンド形式の出力段を有してもよい。補正回路は、オーディオ信号を半波整流することにより、補正信号を生成してもよい。
【0016】
オーディオアンプは、BTL(Bridged Transformer Less、Bridged TranslessあるいはBalanced Transformer Less、Bridge-Tied Loadともいう)形式の出力段を有してもよい。補正回路は、オーディオ信号を全波整流することにより、補正信号を生成してもよい。
【0017】
補正回路は、オーディオ信号の所定の帯域を抽出するフィルタを含んでもよい。
電源電圧の変動が、オーディオ信号のある特定の帯域によってもたらされる場合には、フィルタによりその帯域を抽出することで、適切な制御が可能となる。
【0018】
補正回路は、補正信号の振幅を調節可能に構成されてもよい。これにより、電源部の利得に応じて適切な制御が可能となる。
【0019】
補正回路は、補正信号の極性を反転する反転回路を含んでもよい。これにより、オーディオアンプの反転型の(あるいは非反転型の)オーディオアンプに対応することができる。
【0020】
補正回路は、補正信号の極性を反転する状態と、反転しない状態と、が切りかえ可能に構成されてもよい。
これにより、ひとつの電源回路により、反転型、非反転型の両方のオーディオアンプに対応することができる。
【0021】
電源部は、基準信号を生成する基準電圧源と、電源電圧に応じたフィードバック信号を生成するフィードバック回路と、フィードバック信号と基準信号の誤差を増幅する誤差増幅器と、誤差増幅器が生成する誤差信号に応じた電源電圧を生成する出力部と、を含んでもよい。
【0022】
補正回路は、補正信号と基準信号を分圧する分圧回路を含み、分圧回路の出力を、誤差増幅器に供給してもよい。
【0023】
基準電圧源は、可変電圧源であってもよい。補正回路は、補正信号に応じて可変電圧源が生成する基準信号を変化させてもよい。
【0024】
補正回路は、補正信号を前記フィードバック回路に結合してもよい。
補正信号を基準信号に重畳することと、補正信号をフィードバック信号に逆極性で重畳することは等価である。
【0025】
出力部は、その一端が電源ラインと接続され、その制御端子に誤差信号が入力される出力トランジスタを含んでもよい。
【0026】
出力部は、スイッチング素子を含み、その出力が電源ラインと接続されるスイッチング電源と、誤差信号にもとづいてデューティ比が調節されるパルス信号を生成し、パルス信号に応じてスイッチング素子を駆動するコントローラと、を含んでもよい。
【0027】
本発明の別の態様もまた、電源回路である。この電源回路は、その出力がオーディオアンプへの電源電圧の供給経路である電源ラインと接続され、電源電圧に応じたフィードバック信号が基準信号と一致するように、電源電圧を安定化させる電源部と、オーディオ信号に応じた補正電流を、電源ラインにソースする補正回路と、を備える。
【0028】
本発明の別の態様もまた、電源回路である。この電源回路は、その出力がオーディオアンプへの電源電圧の供給経路である電源ラインと接続され、電源電圧に応じたフィードバック信号が基準信号と一致するように、電源電圧を安定化させる電源部と、基準信号を生成する可変電圧源と、オーディオ信号に応じて、可変電圧源が生成する基準信号を変化させる補正回路と、を備える。
【0029】
電源回路は、ひとつの半導体基板上に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
【0030】
本発明の別の態様は電子機器に関する。電子機器は、電気音響変換素子と、オーディオ信号を増幅し、電気音響変換素子を駆動するオーディオアンプと、オーディオアンプに電源電圧を供給する上述のいずれかの電源回路と、を備える。
【0031】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0032】
本発明のある態様によれば、音質を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】オーディオ再生機能を備える電子機器のブロック図である。
図2】実施の形態に係る電源回路を備える電子機器の回路図である。
図3図2の電子機器の基本動作を示す図である。
図4図4(a)〜(c)は、補正回路の構成例を示す回路図である。
図5】電源回路の構成例を示す回路図である。
図6】第1変形例に係る電源回路の回路図である。
図7】第2変形例に係る電源回路の回路図である。
図8】第5変形例に係る電源回路を備える電子機器の回路図である。
図9】第6変形例に係る電源回路の回路図である。
図10図10(a)〜(c)は、電子機器の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0035】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0036】
図2は、実施の形態に係る電源回路200を備える電子機器100の回路図である。電源回路200は、オーディオ再生機能付きの電子機器100、たとえばスマートホン、タブレット端末、携帯電話端末、ノート型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラなどに、スピーカ102、オーディオアンプ104とともに搭載される。
【0037】
オーディオアンプ104は、入力オーディオ信号S1を増幅してスピーカ102を駆動する。キャパシタC2、C3は、DCブロック用であるが、アプリケーションによっては省略される。オーディオアンプ104の増幅方式は特に限定されず、具体的にはA級、AB級、D級あるいはその他の方式であってもよい。理解の容易化および説明の簡潔化のために、オーディオアンプ104は、シングルエンド形式の出力段を有するものとする。
【0038】
電源回路200は、その出力が電源ライン106を介してオーディオアンプ104の電源端子と接続され、電源ライン106は、電源電圧VDDの供給経路となっている。
【0039】
電源回路200は、電源部202および補正回路220を備える。電源部202は、その出力が電源ライン106と接続され、電源電圧VDDに応じたフィードバック信号VFBが基準信号VREFと一致するように、電源電圧VDDを安定化させる。機能的には電源部202は、誤差増幅器(演算増幅器)204、出力部206、フィードバック回路208、基準電圧源210および平滑キャパシタC1を備える。
【0040】
平滑キャパシタC1は、電源ライン106と接続される。フィードバック回路208は、電源ライン106に生ずる電源電圧VDDに応じたフィードバック信号VFBを生成する。基準電圧源210は、バンドギャップリファレンス回路などであり、基準電圧VREFを生成する。誤差増幅器204は、フィードバック信号VFBと基準電圧VREFの誤差を増幅し、誤差信号VERRを生成する。出力部206は、誤差信号VERRにもとづいて電源電圧VDDを調節する。
【0041】
補正回路220は、入力オーディオ信号S1に応じた補正信号S2を生成し、補正信号S2を、基準信号VREFおよびフィードバック信号VFBの少なくとも一方に重畳する。本実施の形態では、補正信号S2は、基準電圧VREFに重畳される。
【0042】
以上が電源回路200の基本構成である。
【0043】
続いてその動作を説明する。図3は、図2の電子機器100の基本動作を示す図である。オーディオアンプ104の出力電流Iは、オーディオアンプ104からスピーカ102に流れ出すソース電流ISRCと、スピーカ102からオーディオアンプ104に流れ込むシンク電流ISNKの合計で表される。
【0044】
なお、ここでは理解の容易化および説明の簡略化を目的として、入力オーディオ信号S1は単一周波数の正弦波であるものとする。図3では、出力電流Iの位相が、入力オーディオ信号S1に対して遅れる場合を示すが、それらの関係はオーディオアンプ104の形式(反転、非反転)、遅延特性や負荷のインピーダンスZに応じて定まるものであって、図3の関係は例示に過ぎない。以下では便宜的に、出力電流Iについて、スピーカ102に向かう向きを正にとるものとする。
【0045】
出力電流Iが正(>0)の半周期は、ソース電流ISRCが流れ、出力電流Iが負(<0)の半周期は、シンク電流ISNKが流れる。シンク電流ISNKが、電源電流IDDに及ぼす影響は小さいため、オーディオアンプ104に流れる電源電流IDDは、定常的なDCバイアス成分と、ソース電流ISRCに応じた交流成分と、の合計と近似することができる。
【0046】
入力オーディオ信号S1に含まれる信号成分のうち、オーディオアンプ104がそれを増幅した結果、電源電圧VDDの過渡的な電圧降下(変動)を生じさせる信号成分を、「変動成分S1a」と呼ぶこととする。補正回路220は、この変動成分S1aを抽出し、変動成分S1aに応じて補正信号S2を生成することが望ましい。図3の例では、オーディオアンプ104にソース電流ISRCが、電源電圧VDDの過渡的な電圧降下を発生させると把握でき、ソース電流ISRCは、元の入力オーディオ信号S1のうち、バイアスレベル(ここではゼロとする)より大きい半周期S1aに対応する部分と把握できる。
【0047】
こうして生成された補正信号S2が、基準電圧VREFに重畳される。電源部202においては、フィードバック信号VFBが、補正信号S2が重畳された基準電圧VREF’に近づくように、電源電圧VDDが調節される。これによりオーディオアンプ104の電源電流IDDの変動にともなう電源電圧VDDの変動を抑制できる。なお図3には比較のために、補正信号S2を重畳しない場合の電源電圧VDDが、一点鎖線で示される。
【0048】
以上が電源回路200の動作である。
オーディオアンプ104の動作電流IDD、つまり電源回路200の負荷電流は、オーディオアンプ104が増幅する入力オーディオ信号S1に応じて変動する。図2の電源回路200によれば、オーディオ信号S1に応じた補正信号S2を、負荷電流IDDの変動を抑制するように電源部202にフィードフォワードすることにより、電源電圧VDDの安定性を高めることができ、ひいては、音質を改善できる。
【0049】
続いて、電源回路200のより具体的な構成例を説明する。
図4(a)〜(c)は、補正回路220の構成例を示す回路図である。図4(a)の補正回路220は、変動成分抽出部222、波形整形部224、合成部226を含む。
【0050】
変動成分抽出部222は、入力オーディオ信号S1に含まれる変動成分S1aを抽出する。図3に示した例では、ソース電流ISRCの変動に電源部202のフィードバックが追従できなくなると、電源電圧VDDの過渡的な降下が発生した。ここでソース電流ISRCは、元の入力オーディオ信号S1の半周期に対応するものであるから、この半周期が変動成分S1aとなる。そこで変動成分抽出部222は、入力オーディオ信号S1を半波整流する半波整流回路を含んでもよい。
【0051】
また、オーディオアンプ104が、入力オーディオ信号S1に含まれる特定の周波数帯域を増幅した結果、電源電圧VDDの変動が発生する場合がありえ、この場合は、入力オーディオ信号S1の特定の周波数帯域が、変動成分S1aに相当しうる。したがって変動成分抽出部222は、特定の周波数を抽出するフィルタを含んでもよい。変動成分抽出部222は、フィルタと整流回路の組み合わせであってもよい。変動成分抽出部222は、包絡線検波回路などを含んでもよい。
【0052】
波形整形部224は、変動成分S1bを波形整形し、補正信号S2を生成する。たとえば波形整形部224は、変動成分S1bを所定の利得gで増幅し、補正信号S2の量を調節する利得調節部228を含む。この利得gは、電源回路200のVREFからVDDへの伝達関数、オーディオアンプ104の利得、オーディオアンプ104の負荷のインピーダンスZ等に応じて最適化設計することができる。
【0053】
また波形整形部224は、補正信号S2に遅延を与え、補正信号S2の位相を調節するための遅延部230を含んでもよい。そのほか、波形整形部224は、変動成分S1aを微分する微分回路(ハイパスフィルタ)や、変動成分S1aを積分する積分回路(ローパスフィルタ)を含んでもよい。合成部226は、基準電圧VREFに補正信号S2を加算する。合成部226は、アナログ加算器であってもよいし、容量結合を利用して補正信号S2を基準信号VREFに重畳してもよい。
【0054】
図4(b)の極性制御部232は、入力オーディオ信号S1、ひいては補正信号S2の極性を切りかえるために設けられる。オーディオアンプ104が反転アンプの場合、図3とは逆に、オーディオ信号S1のバイアスレベルより小さな半周期に対応する部分が、変動成分S1aとなりうる。そこで、オーディオアンプ104の極性に応じて、反転アンプ234により入力オーディオ信号S1を反転した後に、後段の変動成分抽出部222、波形整形部224に与えることで、反転型のオーディオアンプ104に対応できる。またセレクタ236を設け、極性制御信号POLに応じて、反転アンプ234により反転された信号S1#と、反転前のS1を選択可能とすることにより、電源回路200を、非反転型と反転型の両方のオーディオアンプ104に対応させることができる。
【0055】
図4(c)の補正回路220は、補正信号S2を、フィードバック信号VFB側に重畳する。この場合、合成部226aは、フィードバック信号VFBから補正信号S2を減算する減算器と把握できる。
【0056】
なお、図4(a)、(b)において、各ブロックの順序は、信号処理に支障をきたさない限りにおいて適宜変更することができ、特に限定されない。
【0057】
図5は、電源回路200の構成例を示す回路図である。電源部202は、シリーズレギュレータである。電源部202のうち、平滑キャパシタC1およびDCブロックキャパシタC4以外は、ひとつの半導体基板(以下、電源集積回路(IC)201)に集積化されている。
【0058】
出力部206は、PチャンネルMOSFETである出力トランジスタM1を含む。出力トランジスタM1の一端(ドレイン)は電源ライン106と接続され、他端(ソース)には、外部電源電圧VCCが入力される。フィードバック回路208は、電源電圧VDDを分圧し、フィードバック信号VFBを生成する分圧回路R11、R12を含む。誤差増幅器204により生成される誤差信号VERRは、出力トランジスタM1の制御端子(ゲート)に入力される。出力トランジスタM1のゲート電圧は、フィードバック信号VFBが基準電圧VREF’に近づくように調節される。出力トランジスタM1は、バイポーラトランジスタであってもよいし、NMOSトランジスタであってもよい。
【0059】
補正回路220は、変動成分抽出部222および合成部226を含む。変動成分抽出部222は、DCブロックキャパシタC4、半波整流回路240を含む。DCブロックキャパシタC4は、入力オーディオ信号S1からDC成分を除去し、オーディオ帯域を抽出するフィルタと把握することもできる。半波整流回路240は、入力オーディオ信号S1のオーディオ帯域を半波整流し、変動成分S1aを抽出する。
【0060】
合成部226は、補正信号S2(S1a)と基準信号VREFを分圧する分圧回路R21、R22を含む。分圧回路の出力は、誤差増幅器204に供給される。基準信号VREFに重畳される補正信号S2の振幅は、分圧回路R21、R22の分圧比に応じて設定される。つまり合成部226は、図3の利得調節部228としての機能も奏する。
【0061】
電源回路200に接続される平滑キャパシタC1の容量や、電源回路200と組み合わせて使用されるオーディオアンプ104は、用途によって変更される。そこで抵抗R22を可変抵抗とし、補正信号S2の振幅を調節可能とすることが望ましい。
【0062】
また、図5には示していないが、電源IC201には、図4(b)の極性制御部232を追加してもよい。
【0063】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0064】
(第1変形例)
実施の形態では、オーディオアンプ104がシングルエンドの出力段を有したが本発明はそれには限定されない。図6は、第1変形例に係る電源回路200aの回路図である。オーディオアンプ104aは、BTL形式の出力段を有する。オーディオアンプ104aは、第1アンプ110、第2アンプ112、反転アンプ108を有する。第1アンプ110にソース電流ISRC1が流れるとき、第2アンプ112にはシンク電流ISNK1が流れ、第1アンプ110にシンク電流ISNK2が流れるとき、第2アンプ112にはソース電流ISRC2が流れる。つまり、オーディオアンプ104a全体としてみたときには、電源電流IDDを変動させるソース電流が常時流れることとなる。
【0065】
この変形例では補正回路220aは、オーディオ信号S1の全波整流する整流回路を含んでもよい。
【0066】
(第2変形例)
実施の形態では、電源部202がシリーズレギュレータであったが、本発明はそれには限定されない。図7は、第2変形例に係る電源回路200bの回路図である。出力部206aは、コントローラ250およびスイッチング電源256を備える。スイッチング電源256は、スイッチングトランジスタM11、同期整流トランジスタM12、インダクタL1、出力キャパシタC1を含むDC/DCコンバータである。
【0067】
コントローラ250は、パルス変調器252、ドライバ254、を備える。パルス変調器252は、PWM(Pulse Width Modulation)制御あるいはPFM(Pulse Frequency Modulation)制御により、誤差信号VERRに応じて、誤差がゼロに近づくようにデューティ比が調節されるパルス信号S5を生成する。ドライバ254は、パルス信号S5にもとづいてトランジスタM11、M12を駆動する。
【0068】
電源部202は、降圧DC/DCコンバータに代えて、昇圧DC/DCコンバータや、トランスを用いたフォワードコンバータ、フライバックコンバータであってもよい。あるいは、AC/DCコンバータであってもよい。
【0069】
あるいは、出力トランジスタM1および誤差増幅器204を含むシリーズレギュレータに代えて、それらが一体に構成されたパワーオペアンプを用いたリニアレギュレータにも、本発明は適用できる。
【0070】
(第3変形例)
実施の形態では、補正信号S2が基準電圧VREFに重畳されたが、本発明はそれには限定されず、補正回路220は、補正信号S2をフィードバック回路208に結合してもよい。より具体的には、図5の電源回路200においては、抵抗R11とR12の接続点に、補正信号S2を結合してもよい。あるいは抵抗R12の一端を接地する代わりに、補正信号S2を入力してもよい。
【0071】
(第4変形例)
実施の形態では、正の電源電圧VDDを生成する電源回路200を説明したが、本発明はそれには限定されない。オーディオアンプ104が正の電源電圧VDDと、負の電源電圧VSSを受けて動作する場合、負の電源電圧VSSを生成する電源回路についても、実施の形態と同様に構成することができる。この場合、変動成分は、オーディオアンプ104にシンク電流ISNKを発生させるオーディオ信号の成分を含んでもよい。
【0072】
(第5変形例)
図8は、第5変形例に係る電源回路200cを備える電子機器100cの回路図である。可変電圧源211は、基準電圧VREF’を生成する。補正回路220は、入力オーディオ信号S1に応じて補正信号S2を生成し、補正信号S2にもとづいて、可変電圧源211が生成する基準信号VREF’を変化させる。具体的には、基準信号VREF’を、電源電圧VDDの目標レベルVREFを基準として補正信号S2に応じた電圧幅、変化させる。可変電圧源211は、図5あるいは図7に示される、基準電圧源210および合成部226の組み合わせと把握することもできる。
【0073】
(第6変形例)
上述の電源回路200は、基準信号VREFあるいはフィードバック信号VFBに補正信号S2を重畳することにより、誤差増幅器204が生成する誤差信号VERRを変化させ、それにより出力部206の出力電流IDDを変化させるものと把握することができ、この観点から電源回路200は、以下のように把握することができる。
【0074】
図9は、第6変形例に係る電源回路200dの回路図である。電源回路200dは、電源部202と、補正回路260と、を備える。補正回路260は、入力オーディオ信号S1に応じた補正電流Icを、電源ライン106にソースする(流し込む)。補正回路260は、入力オーディオ信号S1に応じた補正信号S2を生成する補正信号生成部262と、補正信号S2に応じた補正電流Icを生成する電流源264を含む。補正信号生成部262は、図4の変動成分抽出部222および波形整形部224の組み合わせに相当するものと把握できる。
【0075】
(第7変形例)
実施の形態では、電源回路200とオーディオアンプ104が別々のICである場合を説明したが、それらはひとつの半導体基板上に集積化されてもよい。あるいは反対に、電源回路200を、複数のICに分割して構成してもよい。
【0076】
(用途)
最後に、電源回路200の用途を説明する。図10(a)〜(c)は、電子機器100の外観図である。図10(a)は電子機器100の一例であるディスプレイ装置600である。ディスプレイ装置600は、筐体602、スピーカ102L、102Rを備える。オーディオアンプIC300は筐体602に内蔵され、スピーカ102L、102Rを駆動する。
【0077】
図10(b)は電子機器100の一例であるオーディオコンポ700である。オーディオコンポ700は、筐体702、スピーカ102L、102Rを備える。オーディオアンプIC300は筐体702に内蔵され、スピーカ102L、102Rを駆動する。電子機器100は、ホームオーディオやカーオーディオであってもよいし、スピーカ102が筐体702と一体となったラジカセであってもよい。
【0078】
図10(c)は電子機器100の一例である小型情報端末800である。小型情報端末800は、携帯電話、タブレットコンピュータ、オーディオプレイヤ、ノート型コンピュータなどである。小型情報端末800は、筐体802、スピーカ102、ディスプレイ804を備える。オーディオアンプIC300は筐体802に内蔵され、スピーカ102を駆動する。
【0079】
図10(a)〜(c)に示すような電子機器にオーディオアンプIC300を用いることにより、高音質を実現できる。そのほか、オーディオアンプIC300は、インターホンなどにも利用可能である。
【0080】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0081】
100…電子機器、102…スピーカ、104…オーディオアンプ、106…電源ライン、200…電源回路、202…電源部、204…誤差増幅器、206…出力部、208…フィードバック回路、210…基準電圧源、211…可変電圧源、220…補正回路、222…変動成分抽出部、224…波形整形部、226…合成部、228…利得調節部、230…遅延部、232…極性制御部、234…反転アンプ、236…セレクタ、240…半波整流回路、250…コントローラ、252…パルス変調器、254…ドライバ、256…スイッチング電源、260…補正回路、262…補正信号生成部、264…電流源、M1…出力トランジスタ、S1…入力オーディオ信号、S2…補正信号。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10